【0026】
(項目1)
パーソナルオーディオデバイスであって、前記パーソナルオーディオデバイスは、
パーソナルオーディオデバイス筐体と、
前記筐体上に搭載された変換器であって、前記変換器は、聴取者への再生のためのソースオーディオと、前記変換器の音響出力内の周囲オーディオ音の影響を打ち消すための反雑音信号の両方を含むオーディオ信号を再現する、変換器と、
前記筐体上に搭載された基準マイクロホンであって、前記基準マイクロホンは、前記周囲オーディオ音を示す基準マイクロホン信号を提供する、基準マイクロホンと、
前記変換器に近接して前記筐体上に搭載されたエラーマイクロホンであって、前記エラーマイクロホンは、前記変換器の音響出力および前記変換器における前記周囲オーディオ音を示すエラーマイクロホン信号を提供する、エラーマイクロホンと、
エラー信号および前記基準マイクロホン信号と一致するように、前記聴取者によって聞き取られる前記周囲オーディオ音の存在を低減させるために、第1の適応フィルタを適応させることによって、前記反雑音信号を前記基準信号から適応的に発生させる処理回路と
を備え、
前記処理回路は、前記ソースオーディオを成形する二次経路応答を有する二次経路適応フィルタと、前記エラー信号を提供するために前記ソースオーディオを前記エラーマイクロホン信号から除去する結合器とを実装し、前記処理回路は、適応雑音消去利得を判定するために、前記反雑音信号の影響を含む、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第1の指標と、前記反雑音信号の影響を含まない、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第2の指標との比率を算出する、パーソナルオーディオデバイス。
(項目2)
前記処理回路は、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第2の指標として前記基準マイクロホン信号の大きさを使用する、項目1に記載のパーソナルオーディオデバイス。
(項目3)
前記処理回路は、前記二次経路応答のコピーを前記反雑音信号に印加し、修正された反雑音信号を発生させ、前記修正された反雑音信号を前記エラーマイクロホン信号と組み合わせ、前記基準マイクロホン信号の大きさの第2の指標を発生させる、項目1に記載のパーソナルオーディオデバイス。
(項目4)
前記処理回路は、前記適応雑音消去利得を閾利得値と比較し、前記処理回路は、前記適応雑音消去利得が前記閾利得値よりも大きいことを判定することに応答して、前記反雑音信号に措置を講じる、項目1に記載のパーソナルオーディオデバイス。
(項目5)
前記処理回路は、第1の低域フィルタを用いて、前記エラー信号をフィルタ処理し、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第1の指標を発生させ、前記処理回路は、第2の低域フィルタを用いて、前記基準マイクロホン信号をフィルタ処理し、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第2の指標を発生させる、項目4に記載のパーソナルオーディオデバイス。
(項目6)
前記処理回路は、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第1の指標と前記エラーマイクロホン信号の大きさの第2の指標との第1の比率として前記比率を算出し、低周波数範囲のための第1の適応雑音消去利得として前記適応雑音消去利得を判定し、前記処理回路は、前記第1の低域フィルタおよび第2の低域フィルタの周波数範囲よりも高い周波数範囲のための第2の比率を算出し、前記処理回路は、前記第2の比率を、前記反雑音信号の影響を含む、前記より高い周波数範囲内における前記エラー信号の大きさの第3の指標から、前記反雑音信号の影響を含まない、前記より高い周波数範囲内における前記エラーマイクロホン信号の大きさの第4の指標までと算出し、前記処理回路は、前記第1の比率または前記第2の比率のうちの少なくとも1つが前記閾利得値よりも大きい場合、前記反雑音信号に講じられる措置を選択するために、前記第1の比率を前記第2の比率と比較する、項目5に記載のパーソナルオーディオデバイス。
(項目7)
前記処理回路は、前記第1の比率および前記第2の比率の変化を検出し、前記処理回路は、前記第1の比率と前記第2の比率との両方における比較可能な変化を検出することに応答して、前記二次経路応答を補正する措置を講じ、前記処理回路は、前記第2の比率のみにおける実質的変化を検出することに応答して、前記第1の適応フィルタの応答を補正する措置を講じる、項目6に記載のパーソナルオーディオデバイス。
(項目8)
前記処理回路は、前記処理回路が前記第2の比率のみにおける前記実質的変化を検出する場合、前記第1の適応フィルタの適応を有効にし、前記処理回路が前記第1の比率と前記第2の比率との両方における前記比較可能な変化を検出する場合、前記第1の適応フィルタの適応を無効にする、項目7に記載のパーソナルオーディオデバイス。
(項目9)
前記処理回路は、前記第1の適応フィルタの利得を低減させることによって、措置を講じる、項目4に記載のパーソナルオーディオデバイス。
(項目10)
前記処理回路は、前記適応雑音消去利得が下限閾値未満であることを検出することに応答して、前記第1の適応フィルタの利得を増加させ、前記適応雑音消去利得を再測定することによって、措置を講じ、前記第1の適応フィルタの利得を増加させることは、前記適応雑音消去利得が前記下限閾値未満である間、繰り返される、項目4に記載のパーソナルオーディオデバイス。
(項目11)
前記処理回路は、前記適応雑音消去利得が前記閾利得値よりも大きいことを検出することに応答して、前記第1の適応フィルタの係数の値のセットを記憶することによって、措置を講じ、前記適応雑音消去利得が下限閾値未満であることを検出することに応答して、前記第1の適応フィルタの係数の記憶された値のセットを復元することによって、措置を講じる、項目4に記載のパーソナルオーディオデバイス。
(項目12)
前記処理回路はさらに、前記適応雑音消去利得が前記閾利得値よりも大きいことを検出することに応答して、前記二次経路適応フィルタの係数の別の値のセットを記憶し、さらに、前記適応雑音消去利得が前記下限閾値未満であることを検出することに応答して、前記二次経路適応フィルタの係数の他の記憶された値のセットを復元する、項目11に記載のパーソナルオーディオデバイス。
(項目13)
パーソナルオーディオデバイスによる周囲オーディオ音の影響を打ち消す方法であって、前記方法は、
エラー信号および基準マイクロホン信号と一致するように、聴取者によって聞き取られる前記周囲オーディオ音の存在を低減させるために、第1の適応フィルタを適応させることによって、前記基準マイクロホン信号から反雑音信号を適応的に発生させることと、
前記反雑音信号とソースオーディオを組み合わせることと、
前記組み合わせの結果を変換器に提供することと、
基準マイクロホンを用いて、前記周囲オーディオ音を測定することと、
エラーマイクロホンを用いて、前記変換器の音響出力および前記周囲オーディオ音を測定することと、
前記ソースオーディオを成形する二次経路応答を有する二次経路適応フィルタと、前記エラー信号を提供するために前記ソースオーディオを前記エラーマイクロホン信号から除去する結合器とを実装することと、
適応雑音消去利得を判定するために、前記反雑音信号の影響を含む、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第1の指標と、前記反雑音信号の影響を含まない、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第2の指標との比率を算出することと
を含む、方法。
(項目14)
前記比率を算出することは、前記基準マイクロホン信号の大きさを使用して、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第2の指標として前記比率を算出する、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記二次経路応答のコピーを前記反雑音信号に印加し、修正された反雑音信号を発生させることと、
前記修正された反雑音信号を前記エラーマイクロホン信号と組み合わせ、前記基準マイクロホン信号の大きさの第2の指標を発生させることと
をさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目16)
前記適応雑音消去利得を閾利得値と比較することと、
前記適応雑音消去利得が前記閾利得値よりも大きいことを判定することに応答して、前記反雑音信号に措置を講じることと
をさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目17)
第1の低域フィルタを用いて、前記エラー信号をフィルタ処理し、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第1の指標を発生させることと、
第2の低域フィルタを用いて、前記基準マイクロホン信号をフィルタ処理し、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第2の指標を発生させることと
をさらに含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記算出することは、低周波数範囲のための第1の適応雑音消去利得として前記適応雑音消去利得を判定するために、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第1の指標と、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第2の指標との第1の比率として前記比率を算出し、前記第1の低域フィルタおよび第2の低域フィルタの周波数範囲よりも高い周波数範囲のための第2の比率を算出し、前記算出することは、前記第2の比率を、前記反雑音信号の影響を含む、前記より高い周波数範囲内における前記エラー信号の大きさの第3の指標から、前記反雑音信号の影響を含まない、前記より高い周波数範囲内における前記エラーマイクロホン信号の大きさの第4の指標までと算出し、前記方法はさらに、前記第1の比率または前記第2の比率のうちの少なくとも1つが前記閾利得値よりも大きい場合、前記反雑音信号に講じられる措置を選択するために、前記第1の比率を前記第2の比率と比較することを含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記第1の比率および前記第2の比率の変化を検出することと、
前記第1の比率と前記第2の比率との両方における比較可能な変化を検出することに応答して、前記二次経路応答を補正する措置を講じることと、
前記第2の比率のみにおける実質的変化を検出することに応答して、前記第1の適応フィルタの応答を補正する措置を講じることと
をさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記措置を講じることは、
前記検出することが、前記第2の比率のみにおける前記実質的変化を検出する場合、前記第1の適応フィルタの適応を有効にすることと、
前記処理回路が、前記第1の比率と前記第2の比率との両方における前記比較可能な変化を検出する場合、前記第1の適応フィルタの適応を無効にすることと
を含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記措置を講じることは、前記第1の適応フィルタの利得を低減させることを含む、項目16に記載の方法。
(項目22)
前記措置を講じることは、
前記適応雑音消去利得が下限閾値未満であることを検出することに応答して、前記第1の適応フィルタの利得を増加させ、前記適応雑音消去利得を再測定することと、
前記適応雑音消去利得が前記下限閾値未満である間、前記第1の適応の利得を繰り返して増加させることと
を含む、項目16に記載の方法。
(項目23)
前記措置を講じることは、
前記適応雑音消去利得が前記閾利得値よりも大きいことを検出することに応答して、前記第1の適応フィルタの係数の値のセットを記憶することと、
前記適応雑音消去利得が下限閾値未満であることを検出することに応答して、前記第1の適応フィルタの係数の記憶された値のセットを復元することと
を含む、項目16に記載の方法。
(項目24)
前記適応雑音消去利得が前記閾利得値よりも大きいことを検出することに応答して、前記二次経路適応フィルタの係数の別の値のセットを記憶することと、
前記適応雑音消去利得が前記下限閾値未満であることを検出することに応答して、さらに、前記二次経路適応フィルタの係数の他の記憶された値のセットを復元することと
をさらに含む、項目23に記載の方法。
(項目25)
パーソナルオーディオデバイスの少なくとも一部を実装するための集積回路であって、前記集積回路は、
出力信号を出力変換器に提供するための出力であって、前記出力信号は、聴取者への再生のためのソースオーディオおよび前記変換器の音響出力内の周囲オーディオ音の影響を打ち消すための反雑音信号の両方を含む、出力と、
前記周囲オーディオ音を示す基準マイクロホン信号を受信するための基準マイクロホン入力と、
前記変換器の音響出力および前記変換器における前記周囲オーディオ音を示すエラーマイクロホン信号を受信するためのエラーマイクロホン入力と、
エラー信号および前記基準マイクロホン信号と一致するように、前記聴取者によって聞き取られる前記周囲オーディオ音の存在を低減させるために、第1の適応フィルタを適応させることによって、反雑音信号を前記基準信号から適応的に発生させる処理回路と
を備え、
前記処理回路は、前記ソースオーディオを成形する二次経路応答を有する二次経路適応フィルタと、前記エラー信号を提供するために前記ソースオーディオを前記エラーマイクロホン信号から除去する結合器とを実装し、前記処理回路は、適応雑音消去利得を判定するために、前記反雑音信号の影響を含む、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第1の指標と、前記反雑音信号の影響を含まない、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第2の指標との比率を算出する、集積回路。
(項目26)
前記処理回路は、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第2の指標として前記基準マイクロホン信号の大きさを使用する、項目25に記載の集積回路。
(項目27)
前記処理回路は、前記二次経路応答のコピーを前記反雑音信号に印加し、修正された反雑音信号を発生させ、前記修正された反雑音信号を前記エラーマイクロホン信号と組み合わせ、前記基準マイクロホン信号の大きさの第2の指標を発生させる、項目25に記載の集積回路。
(項目28)
前記処理回路は、前記適応雑音消去利得を閾利得値と比較し、前記処理回路は、前記適応雑音消去利得が前記閾利得値よりも大きいことを判定することに応答して、前記反雑音信号に措置を講じる、項目25に記載の集積回路。
(項目29)
前記処理回路は、第1の低域フィルタを用いて、前記エラー信号をフィルタ処理し、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第1の指標を発生させ、前記処理回路は、第2の低域フィルタを用いて、前記基準マイクロホン信号をフィルタ処理し、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第2の指標を発生させる、項目28に記載の集積回路。
(項目30)
前記処理回路は、前記エラーマイクロホン信号の大きさの第1の指標と前記エラーマイクロホン信号の大きさの第2の指標との第1の比率として前記比率を算出し、低周波数範囲のための第1の適応雑音消去利得として前記適応雑音消去利得を判定し、前記処理回路は、前記第1の低域フィルタおよび第2の低域フィルタの周波数範囲よりも高い周波数範囲のための第2の比率を算出し、前記処理回路は、前記第2の比率を、前記反雑音信号の影響を含む、前記より高い周波数範囲内における前記エラー信号の大きさの第3の指標から、前記反雑音信号の影響を含まない、前記より高い周波数範囲内における前記エラーマイクロホン信号の大きさの第4の指標までと算出し、前記処理回路は、前記第1の比率または前記第2の比率のうちの少なくとも1つが前記閾利得値よりも大きい場合、前記反雑音信号に講じられる措置を選択するために、前記第1の比率を前記第2の比率と比較する、項目29に記載の集積回路。
(項目31)
前記処理回路は、前記第1の比率および前記第2の比率の変化を検出し、前記処理回路は、前記第1の比率と前記第2の比率との両方における比較可能な変化を検出することに応答して、前記二次経路応答を補正する措置を講じ、前記処理回路は、前記第2の比率のみにおける実質的変化を検出することに応答して、前記第1の適応フィルタの応答を補正する措置を講じる、項目30に記載の集積回路。
(項目32)
前記処理回路は、前記処理回路が前記第2の比率のみにおける前記実質的変化を検出する場合、前記第1の適応フィルタの適応を有効にし、前記処理回路が前記第1の比率と前記第2の比率との両方における前記比較可能な変化を検出する場合、前記第1の適応フィルタの適応を無効にする、項目31に記載の集積回路。
(項目33)
前記処理回路は、前記第1の適応フィルタの利得を低減させることによって、措置を講じる、項目28に記載の集積回路。
(項目34)
前記処理回路は、前記適応雑音消去利得が下限閾値未満であることを検出することに応答して、前記第1の適応フィルタの利得を増加させ、前記適応雑音消去利得を再測定することによって、措置を講じ、前記第1の適応フィルタの利得を増加させることは、前記適応雑音消去利得が前記下限閾値未満である間、繰り返される、項目28に記載の集積回路。
(項目35)
前記処理回路は、前記適応雑音消去利得が前記閾利得値よりも大きいことを検出することに応答して、前記第1の適応フィルタの係数の値のセットを記憶することによって、措置を講じ、前記適応雑音消去利得が下限閾値未満であることを検出することに応答して、前記第1の適応フィルタの係数の記憶された値のセットを復元することによって、措置を講じる、項目28に記載の集積回路。
(項目36)
前記処理回路はさらに、前記適応雑音消去利得が前記閾利得値よりも大きいことを検出することに応答して、前記二次経路適応フィルタの係数の別の値のセットを記憶し、さらに、前記適応雑音消去利得が前記下限閾値未満であることを検出することに応答して、前記二次経路適応フィルタの係数の他の記憶された値のセットを復元する、項目35に記載の集積回路。