【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明の目的は、骨セメント生地の開始成分としてのモノマー液体およびセメント粉末の貯蔵のため、および開始成分から骨セメント生地を混合するため、ならびに混合された骨セメント生地を注入するためのデバイスであって、
管形容器であって、管形容器の後側に、円筒状内部空間を有するレセプタクルを形成し、円筒状内部空間内にモノマー液体容器が設けられ、モノマー液体容器はモノマー液体を含み、容器は、容器の前側に、セメント粉末を含む円筒状内部空間を有するカートリッジを形成する、管形容器と、
レセプタクルの長手方向に移動可能であり、レセプタクルの後側からアクセス可能なフィードプランジャであって、レセプタクルの内部空間内に設けられた、フィードプランジャと、
カートリッジの内部空間内を長手方向に移動可能な注入プランジャであって、カートリッジの内部空間内のモノマー液体容器とセメント粉末との間に設けられた、注入プランジャと、を含み、
レセプタクルの内部空間とカートリッジの内部空間とは、モノマー液体およびガスを通すがセメント粉末を通さない接続部を通じて互いに接続され、
フィードプランジャは、容器の前側の方向へのフィードプランジャの運動がブロックされたときに後側からロッドにより穿刺可能であり、注入プランジャは、ブロックされ穿刺されたフィードプランジャを通してロッドをカートリッジの前側の方向にさらに推進することにより推進可能である、
デバイスにより満たされる。
【0032】
本デバイスは、椎体形成術またはカイフォプラスティに用いられるのが好ましい。したがって、本発明は脊椎エリアにおける骨セメント生地の施用のための骨セメントアプリケータとなるデバイスを提供し、骨セメントアプリケータは、カートリッジの前側に設けられた延長注入開口部を含むのが好ましく、延長注入開口部は、注入管、ホースおよび/またはトロカールによって実施されるのが特に好ましい。
【0033】
本発明は、液体およびガスを通さず、液密および気密の様式でレセプタクルの後側を閉鎖するフィードプランジャを好ましく提供することができる。
【0034】
カートリッジの内部空間およびレセプタクルの内部空間は、それぞれ円筒形を有する。円筒形状は、カートリッジの内部空間およびレセプタクルの内部空間を実施できる最も単純な形状である。円筒形状は、任意のフットプリントの一般的な円筒の形状を意味する、すなわち円形のフットプリントを有する円筒だけではないと幾何学的に理解されるものとする。したがって、カートリッジの内部空間の内壁およびレセプタクルの内部空間の内壁は、任意のフットプリントの、特に非円形または非丸型のフットプリントを含む異なるフットプリントの円筒の円筒ジャケットにより実現されうる。しかし、本発明によれば、回転対称の、特に円形のフットプリントを有する円筒形が、製造が最も容易であることからいずれの内部空間にも好ましい。
【0035】
ロッドは、円筒状であるのが好ましいが、一方ではフィードプランジャの穿孔を促進し、他方では注入プランジャも穿孔するかまたはカートリッジ内をカートリッジの前側の方向に移動できなくなる程度まで変形させることなく注入プランジャを駆動するために、丸型、尖頭または好ましくは鈍端もしくは鈍縁を含みうる。
【0036】
簡単のために、骨セメント生地は、本発明の範囲内においては、モノマー液体がセメント粉末に完全に浸透しており、その過程で膨張し始めたときに、混合されたと考えられるものとする。全体の完全な混合のため、および粘着性の欠如を達成するために、加えて十分な時間を経過させることおよび/または骨セメント生地を例えば静的ミキサにより機械的に追加混合することが必要または有用でありうる。特に椎骨形成術における応用のためのデバイスでは、骨セメント生地が延長された通常は薄い施用先端(ホースおよびトロカール等)を通して押出されるときに発生する剪断力がすでに骨セメント生地の完全な混合をもたらす。
【0037】
フィードプランジャがレセプタクルの後側からアクセス可能であることは、例えばカートリッジガン等の押出デバイスのロッドおよび/または杵が後ろからフィードプランジャを押すことができることを意味する。
【0038】
本発明は、適切に設計されるデバイス、特にカートリッジの内部空間内の注入プランジャのベアリングの設計が適切であり、その結果、ブロックされ穿孔されたフィードプランジャを通してロッドをカートリッジの前側の方向にさらに推進することにより注入プランジャが推進可能である、デバイスを好ましく提供することができる。
【0039】
さらに、本発明は、フィードプランジャを容器の内部空間内でロック可能なブロック設備を含むデバイスを提供することができる。好ましくは、この状況におけるブロック設備としてリミットストップが使用されうる。好ましくは、リミットストップは、カートリッジの内部空間がレセプタクルの内部空間より小さい直径および/または横断面を有し、その結果カートリッジからレセプタクルへの移行部に段差が生じ、レセプタクルの内部空間における管形容器の前側の方向へのフィードプランジャの運動のブロック設備としておよび/またはリミットストップとして働くように、実現される。あるいは、フィードプランジャが変形によりクランプされるかまたは変形によりリミットストップが形成されるように、容器、特にレセプタクルの内壁がブロック設備により変形可能である。理論的には、ブロック設備は、容器の後側で容器に固定されるかまたは容器を係合し、容器内でフィードプランジャが傾斜してブロックされるように容器を傾ける、スレッド、ワイヤまたはピン等、フィードプランジャの後側にフィードプランジャの外周の方向に固定された保持手段であっても同様によい。
【0040】
フィードプランジャは、レセプタクルの後側のエリアに、またはレセプタクルの後側に設けられるのが好ましい。同様に、注入プランジャは、カートリッジの後側に、またはカートリッジの後側のエリアに設けられるのが好ましい。
【0041】
本発明のデバイスにおいては、管形容器は、一部型設計を有するように提供されることができ、レセプタクルおよびカートリッジは、一部型熱可塑性樹脂本体として設計されるのが好ましく、容器は、射出成形プロセスを使用して製造されるのが特に好ましい。
【0042】
この手段によれば、管形容器は製造が安価であり、レセプタクルとカートリッジとの間の移行部を含めて特に安定している。
【0043】
さらに、本発明は、カートリッジの内部空間の横断面表面積をレセプタクルの内部空間の横断面表面積より小さくなるように提供することができる。
【0044】
これにより特に達成されるのは、カートリッジの流れ方向に下流の抵抗があっても、高粘性骨セメント生地でも手動駆動押出デバイスによって静的ミキサを備えた注入管またはトロカールが接続されたホースを通して押出されうることである。その結果、手動駆動押出デバイスが利用される場合であっても、本デバイスを椎骨形成術のために使用できる。さらに、こうして生じた段差を、管形容器の前側の方向へのフィードプランジャの運動のリミットストップとして使用できる。
【0045】
好ましくは、本発明は、押出デバイスを固定するための固定手段を、管形容器上、特にレセプタクルの後側に設けられるように提供することもできる。
【0046】
この手段により、押出デバイスは本発明によるデバイスに面一になるように接続可能であり、デバイスに対して固着可能であり、こうしてモノマー液体がセメント粉末に均一に押し込まれることができ、セメント生地がカートリッジから均一に放出されることができる。
【0047】
本発明の改良は、フィードプランジャの前側の方向への運動を制限するリミットストップを容器の内側に提供することを提案し、このリミットストップは、フィードプランジャがレセプタクルから完全に圧出されることができないように運動を適切に制限するのが好ましく、リミットストップは、カートリッジの円筒状内部空間とレセプタクルの円筒状内部空間との異なる形状または異なる横断面によりレセプタクルとカートリッジとの間の移行部で生じる段差として提供されるのが特に好ましい。
【0048】
この構造的に単純かつ安価な方策により、フィードプランジャが確実にブロックされる位置が確定されうる。
【0049】
加えてリミットストップは、フィードプランジャが推進されているときに、注入プランジャとフィードプランジャとの合同運動により骨セメント生地がカートリッジから流出し始めるほどフィードプランジャが注入プランジャをカートリッジ内のはるか前方へ駆動すること、または少なくとも注入プランジャを十分に前方へ駆動することを防ぐ。
【0050】
容器内におけるフィードプランジャの容器の前側の方向への運動を制限するリミットストップは、フィードプランジャが前側の方向にそれ以上駆動されることができなくなったときにリミットストップに触れることを必然的および自動的に意味するわけではない。なぜなら、モノマー液体容器の残留物または破片、特にモノマー液体容器としてのガラスアンプルの破片またはフィルムバッグのフィルムの一部の破片がリミットストップとフィードプランジャとの間に詰まり、デバイスの機能をいかなる様式または形でも制限することなくそこに残りうるためである。リミットストップがフィードプランジャの運動を制限する位置に達したときに、フィードプランジャの容器の前側の方向への運動がブロックされる。フィードプランジャがブロックされるため、フィードプランジャがロッドによって穿刺されうる。したがって、リミットストップは、フィードプランジャがロッドにより穿刺可能であるフィードプランジャの位置を画成または制限する。
【0051】
好ましくは、本発明は、フィードプランジャの容器の前側の方向への運動をブロックするためのリミットストップの形でレセプタクルからカートリッジへの移行部を提供しうる。
【0052】
さらに、本発明は、接続部が注入プランジャ内に設けられるように、および/または管形容器の壁に設けられるように提供することができ、接続部は注入プランジャ内に設けられるのが好ましく、注入プランジャの前側をモノマー液体容器に面する注入プランジャの後側に接続する。
【0053】
これにより、モノマー液体がカートリッジ内に容易に大きな抵抗なしで誘導され、および/または押し込まれうる。さらに、管形容器の壁にさらなる導管を提供する必要がなくなる。
【0054】
好ましい改良によれば、本発明は、フィルタ、特にガスおよびモノマー液体を通すがセメント粉末を通さないポアフィルタを、接続部がカートリッジの内部空間に合流する部位に設けられるように提供しうる。
【0055】
これはセメント粉末が接続部に入ること、接続部でモノマー液体と反応することを防ぎ、セメント粉末が接続部内で膨張して接続部が閉じるのを防ぐ。
【0056】
本発明は、注入プランジャの前側、特に表面全体に触れるようにセメント粉末を提供することができるのが好ましく、これによりセメント粉末がカートリッジの内部空間内に好ましく押し込まれる。
【0057】
これは、モノマー液体がセメント粉末と混合されたときに骨セメント生地内のガス包含物につながるであろう大きなガス包含物がカートリッジ内に残るのを防ぐ。これは、密接に注入されたセメント粉末の場合には、モノマー液体がセメント粉末粒子を十分に濡らし、そのためモノマー液体の表面張力によりセメント粉末粒子間に一切のガス包含物または少なくとも一切の意味のあるガス包含物が存在できないために、起こり得ない。
【0058】
この状況において、本発明は、カートリッジの内部空間内のセメント粉末のセメント粒子間の介在空間の容積を、セメント粉末の全容積に対して22体積%〜40体積%の範囲内であるようにも提供しうる。セメント粉末の全容積は、注入プランジャにより、およびカートリッジの前側の注入開口部の閉鎖部により制限されるカートリッジの内部空間の容積に対応するのが好ましい。
【0059】
本発明の改良は、カートリッジが前側に閉鎖部により閉じられた注入開口部を含み、注入開口部が開いている場合には骨セメント生地が注入開口部を通してカートリッジから押出可能であり、閉鎖部はガスを通しセメント粉末を通さないことを提案する。
【0060】
その結果、カートリッジは、セメント粉末の貯蔵の用途に適切である。閉鎖部は、開けることができる。カートリッジの内部空間およびセメント粉末は、閉鎖部を通して、エチレンオキシド等の滅菌ガスによるカートリッジの内部空間の排気および洗浄により滅菌されうる。
【0061】
この状況において、本発明によれば、閉鎖部は、注入プランジャの推進および骨セメント生地が閉鎖部に加えた圧力により注入開口部から押し出し可能である。
【0062】
この手段により、カートリッジは、注入プランジャが駆動されたときに自動作動で開く。
【0063】
さらに、本発明によれば、注入管および/またはトロカールを備えた可撓性ホースがカートリッジの前側に固定されるかまたは固定可能であり、骨セメント生地が注入管ならびに/または可撓性ホースおよびトロカールを通して押出可能であり、骨セメント生地の流れを制御するために使用可能である手動閉鎖可能な弁要素が注入管またはホース上に設けられる。
【0064】
この手段によって、デバイスは、アクセスが困難であるかまたはX線に曝露されるエリアにおける骨セメント生地の施用の用途に適切である。特に、これによりデバイスは椎骨形成術用のアプリケータとして使用されうる。
【0065】
さらに、本発明は、フィードプランジャが管形容器の前側の方向にさらに移動することがブロックされた場合に、先端または縁を含むロッドによりフィードプランジャが後側から穿刺可能であることも提案する。
【0066】
この手段により、先端または縁の接触面がより小さいため同じ力でフィードプランジャを穿刺するために必要な圧力が増加することから、より安定したフィードプランジャが使用されうる。この状況において、この目的の先端または縁はフィードプランジャの後側に触れるロッドの前側に配置されることは自明である。
【0067】
好ましいデバイスは、フィードプランジャが管形容器の前側の方向にさらに移動することがブロックされた場合に、フィードプランジャが少なくとも1kNの力でロッドによって後側から穿刺可能である点を特徴としうる。
【0068】
この手段により、フィードプランジャが手動駆動押出デバイスのロッドにより穿刺可能であることが確実になる。
【0069】
本発明は、フィードプランジャをその後側に押出デバイスのロッドのための接触面を含むように提供することもでき、フィードプランジャをプラスチック材料から製造されるように、特に熱可塑性樹脂から製造されるように提供することができる。
【0070】
この手段により、フィードプランジャは最初に安定して駆動されることができ、後にフィードプランジャがブロックされたときにロッドにより中央が穿刺されることができる。その結果デバイスは、安定して安全に使用できる。この状況において、本発明は、軸方向上面図の接触面が少なくともロッドの横断面と同じサイズであるように提供することができる。
【0071】
好ましくは、本発明は、フィードプランジャを、ロッドの接触面のエリアの最大厚みが最大4mm、好ましくは最大3mm、特に好ましくは最大2mmであるように提供することもできる。
【0072】
これにより、穿刺されるエリアの小さい厚みにより材料の抵抗が減少することから、フィードプランジャが手動駆動押出デバイスにより穿刺可能であることが確保される。
【0073】
さらに、本発明は、カートリッジの内部空間の横断面を、最大4cm
2、好ましくは最大2.5cm
2、特に好ましくは最大1.2cm
2であるように提供することができる。
【0074】
同様に、本発明は、カートリッジの内径を、20mm未満、好ましくは15mm未満、特に好ましくは11mm未満であるように提供することもできる。
【0075】
小さな内径のため、カートリッジの内部空間の横断面は十分に小さく、その結果、ホース、静的ミキサまたはトロカール等の流れを妨げる他の導管が骨セメント生地の流れの方向に提供されても、粘性の骨セメント生地が手動押出デバイスを用いてカートリッジから押出されうる。
【0076】
さらに、本発明は、モノマー液体容器を、ガラスアンプル、プラスチックアンプル、プラスチックフィルムバッグまたはアルミニウム‐プラスチック複合バッグであるように提供しうる。
【0077】
モノマー液体は、デバイスのこれらのモノマー液体容器中に長期間であっても貯蔵可能である。
【0078】
本発明は、モノマー液体容器内のモノマー液体の容積を、カートリッジの内部空間内のセメント粉末のセメント粒子間の空気で満たされた介在空間の容積に少なくとも等しくなるように提供することができる。
【0079】
本発明は、モノマー液体容器内のモノマー液体の容積を、カートリッジの内部空間とレセプタクルの内部空間との間の液体導管の容積にカートリッジ内のセメント粉末粒子間の空気で満たされた介在空間の容積を加えたものに少なくとも等しくなるように提供することもできる。
【0080】
この手段によって、全てのセメント粉末がモノマー液体により濡らされること、およびこれにより均一な骨セメント生地が生成されることが確保されうる。
【0081】
好ましい改良によれば、本発明は、少なくとも1つのベンチレーション開口部を、レセプタクルの壁に設けられるように提供することができ、このベンチレーション開口部は、モノマー液体容器が内部に設けられたレセプタクルの内部空間を周辺環境に接続し、少なくとも1つのベンチレーション開口部は、フィードプランジャの運動によりモノマー液体容器が開けられる前にフィードプランジャのレセプタクルの前側の方向への運動により閉じられるように、フィードプランジャの十分に近くに設けられるのが好ましい。
【0082】
その結果、レセプタクルの内部空間は、滅菌ガスにより滅菌されうる。同時に、少なくとも1つのベンチレーション開口部がレセプタクルの前側の方向に移動するフィードプランジャにより閉じられているとき、およびフィードプランジャの運動によりモノマー液体容器が開けられる前、例えばレセプタクルの内部空間内でフィードプランジャにより圧潰、分裂、または裂開される前には、モノマー液体がレセプタクルの内部空間から出ることはできない。
【0083】
本発明によるデバイスの機能を確保するために、本発明は、レセプタクルの前側のカートリッジへの接続部にガスおよび液体を通すスクリーンまたは多孔性ディスクを提供することができる。
【0084】
この手段により、モノマー液体容器の破片または切断された部分がカートリッジ内に、したがって骨セメント内に入り込むのを防ぎうる。さらに、前記破片または部分がレセプタクルとカートリッジとの間の液体を通す接続部を損なうかまたはブロックするのも防ぎうる。
【0085】
好ましい実施形態によれば、本発明は、外部から操作可能な三方弁を、骨セメント生地の流れ方向のカートリッジの下流の導管内に設けられるように提供することができ、
骨セメント生地の受け取りのための収集容器を、三方弁上に設けられるように提供することができ、導管は、カートリッジの反対側に面した導管の端に設けられた施用開口部に合流し、三方弁は、
第1位置あるときには施用開口部とカートリッジとの間に流体接続を提供し、収集容器に向かう排出チャネルを閉じ、
第2位置にあるときには施用開口部と収集容器との間に流体接続を提供し、カートリッジへの通路を閉じるように、適切に設計される。
【0086】
これにより、押出プロセスが中断されたときには、収集容器とホースとカートリッジとに接続された三方弁を調節することにより、相当量の骨セメント生地が流れ続けることなくホース等の延長注入開口部内の骨セメントに作用する圧力を除去可能になる。同時にこれにより、骨セメント生地およびカートリッジ内の開始成分の圧力が三方弁まで、特に存在する場合にはミキサ内で維持されることが可能になる。その結果、三方弁が開かれるのと骨セメント生地が再び出るのとの間に経過する時間が非常に短い。したがって、三方弁が閉じられたときには三方弁と注入プランジャとの間でカートリッジの圧力が維持される一方で、骨セメント生地が閉位置の三方弁を通って流れ去るため、三方弁と施用開口部との間で延長注入開口部の迅速な圧力除去が達成される。収集容器は、骨セメント生地が周辺環境またはユーザを汚染しないようにするために提供され、骨セメント生地が三方弁から垂れるのを防ぐ。理論的には、収集容器は骨セメント生地を保持するのに十分でありうる。収集容器は、可撓性および/または弾性であっても同様によく、三方弁から出る骨セメント生地を取り込んだときに膨らみうる。
【0087】
デバイスはこのように三方弁の形の緊急リリーフ弁を含み、これにより、骨セメント生地が身体の、特に椎体の望ましくない領域に流れ込み始めたときに押出プロセスが即座に停止されうる。前記緊急リリーフ弁はデバイスの延長注入開口部の圧力除去装置として働き、ホースおよび/またはトロカールの圧力が除去されるまで骨セメント生地が出ることができる収集容器内につながるチャネルを開くことにより、上流領域からの骨セメント生地のトレーリング圧力がブロックされると同時に緊急リリーフ弁の上流にある骨セメント生地の圧力が除去される。
【0088】
前記貯蔵および混合デバイスは、好ましくは収集容器が液密または液密かつ気密であるという点で収集容器が外部に向かう骨セメント生地を通さないように適切に提供されうるのが好ましい。本発明は、収集容器を、延長注入開口部の、特にホースの、および場合によってはトロカールの容積の半分に少なくとも等しい容積を含むように、好ましくは延長注入開口部の、特にホースの、および場合によってはトロカールの容積に少なくとも等しい容積を含むように提供することもできる。
【0089】
本発明は、カートリッジと延長注入開口部との間に、または延長注入開口部内に、またはカートリッジと三方弁との間に、骨セメント生地を混合するためのミキサ、特に静的ミキサを提供することができ、三方弁がミキサと延長注入開口部との間に設けられるのが好ましい。後者の場合、本発明は、三方弁を、第1位置にあるときに施用開口部とミキサとの間の流体接続を提供し、第2位置にあるときにミキサへの通路を閉じるように提供することができる。
【0090】
ホースを含む本発明のデバイスに関しては、ホースは、少なくともその領域が好ましくは可撓性でありうる。本発明は、延長注入開口部を、雌ねじを有するコネクタ内、特にルアーシステムアダプタまたはトロカール内で終端するように提供することもできる。
【0091】
さらに、本発明は、フィードプランジャのレセプタクルの前側の方向への運動によりモノマー液体容器をレセプタクルの内部で開けることができるように、好ましくは壊して開けるかまたは裂いて開けることができるように提供することができる。
【0092】
その結果、モノマー液体容器は、フィードプランジャの軸方向直線運動により開けることができる。したがって、軸方向リニアドライブとしての1つのロッドだけを有する押出デバイスを用いてモノマー液体容器を開け、モノマー液体をカートリッジに圧入し、さらにカートリッジから骨セメント生地を押出することができる。
【0093】
本発明は、フィードプランジャを、後側面に押出デバイスのロッドのためのレセプタクルまたは凹所、特に円筒状凹所を含むように提供することもでき、その中にゴムカフがシーリング要素として設けられるのが好ましく、または可塑的に変形可能でロッドにより穿刺可能なシーリング要素としてのプラスチックもしくは金属ディスクが設けられるのが好ましい。
【0094】
この手段により、セメント生地の押出中にモノマー液体が漏出するのを防ぎうる。
【0095】
さらに本発明は、カートリッジを、カートリッジヘッドにより前側が閉鎖されるように提供することができ、カートリッジヘッド内に注入開口部があり、注入開口部は、カートリッジ内のセメント粉末を通さずガスを通す閉鎖部、特にポアフィルタにより閉じられ、閉鎖部は、軸方向圧力負荷により、または手動力の作用により開けられうるのが好ましい。
【0096】
さらに本発明は、カートリッジを、圧縮強度が10バール超、好ましくは50バール超、特に好ましくは70バール超であるように提供することができる。
【0097】
さらに本発明は、ホースまたはトロカールを固定するためのアダプタを、注入管上に、またはカートリッジの前側の注入開口部上に設けられるように提供することができる。
【0098】
この手段によって、デバイスが椎骨形成術のために使用されうる。
【0099】
この状況において、ホースは、内径が4mm未満であり最小圧縮強度が10バールであるように提供されることができる。
【0100】
本発明の根底にある目的は、開始成分から骨セメント生地を混合するため、および混合された骨セメント生地を注入するためにデバイスのフィードプランジャと注入プランジャとを推進するための押出デバイスによっても満たされ、この押出デバイスは、デバイスを固定するためのブラケットと、ブラケットに対して軸方向に推進可能なロッドとを含み、ロッドは、前側に、デバイスのブロックされたフィードプランジャを穿刺するための硬質の先端または縁を含み、平らな前側を有する除去可能または貫通可能なキャップが先端もしくは縁上に設けられるかまたは先端もしくは縁に取り付け可能である。
【0101】
先端または縁は、縁または先端により加えられる圧力を調節できるように鈍化、平坦化または丸み付けされることができ、この圧力は、一方ではデバイスのフィードプランジャを穿刺できるように少なくとも十分に高いことが必要であると同時に、注入プランジャがカートリッジ内に詰まるほど穿刺または変形される程度まで高すぎてはならない。
【0102】
この状況において、本発明は、押出デバイスを、フィードプランジャと注入プランジャとを推進するため、および本発明によるデバイスのブロックされたフィードプランジャを穿刺するために意図されるように提供することができ、デバイスは、押出デバイスに挿入されるかまたは押出デバイスとともにパッケージに包装されるのが好ましい。
【0103】
本発明による押出デバイスを本発明によるデバイスとあわせて使用することが特に有利である。
【0104】
さらに本発明は、押出デバイスを、ブラケットに対して手動で枢動可能なレバーを含むように提供することができ、このレバーにより、クランプジョーまたはクランプディスク等のクランプ設備を用いてロッドを手動で推進可能であり、クランプ設備はレバーの一方向への運動時にロッドにしっかりと接続され、レバーの他方向への運動時にロッドから分離するため、ロッドはレバーにより一方向だけに移動可能である。
【0105】
この手段により、押出デバイスを片手で持つことができ、同時にロッドを駆動するためにレバーを同じ手で操作可能であり、ロッドの推進力は、ロッドの先端または縁上にあるキャップを備えてロッドが使用されるときにプランジャを推進するため、およびキャップを備えずにロッドが使用されるときにプランジャを穿刺するための両方に用いられうる。
【0106】
本発明の根底にある目的は、骨セメント生地の、特にペースト状のポリメチルメタクリレート骨セメント生地の生成のための方法であって、骨セメント生地は、デバイスを用いてセメント粉末とモノマー液体とから生成され、デバイスは、円筒状内部空間を有するレセプタクルを後側に形成する管形容器を含み、円筒状内部空間内にモノマー液体が入ったモノマー液体容器が設けられ、容器は、セメント粉末を含む円筒状内部空間を有するカートリッジを前側に形成する、方法であって、所与の順序で進む以下のステップ:
a)デバイスを押出デバイスに挿入するステップであって、押出デバイスは、軸方向に推進可能なロッドを含む、ステップと;
b)レセプタクル内で可動であるようにレセプタクルの後側に支持されたフィードプランジャが、ロッドによりカートリッジの方向に推進されるステップであって、フィードプランジャの運動がモノマー液体容器を開け、モノマー液体をレセプタクルからカートリッジに圧入し、セメント粉末がカートリッジの内部空間でモノマー液体と混合する、ステップと;
c)容器の前側の方向へのフィードプランジャの運動がブロックされるステップと;
d)ロッドがフィードプランジャを穿刺し、フィードプランジャを穿刺した後に、カートリッジ内に可動であるように支持された注入プランジャに当たる、ステップと;
e)ロッドがブロックされ穿刺されたフィードプランジャの中を通り抜けながら、注入プランジャがロッドによりカートリッジの前側の方向に推進されるステップであって、注入プランジャの運動によりセメント粉末とモノマー液体との混合物が骨セメント生地としてカートリッジから放出される、ステップと、
を特徴とする方法によっても満たされる。
【0107】
ステップa)で押出デバイスをデバイスのレセプタクルに固定するのが好ましい。
【0108】
本発明は、ステップb)で、モノマー液体容器を、開けられる前にまずフィードプランジャと注入プランジャとの間で圧縮されるように提供することもできる。
【0109】
本発明は、ステップb)で、モノマー液体容器を、割れて破片になるかまたは裂開もしくは切開されるように提供することもできる。
【0110】
さらに本発明は、ステップb)で、モノマー液体がカートリッジに圧入された後に、セメント粉末粒子がモノマー液体中で膨張し、促進剤の開始剤との反応によりモノマー液体のラジカル重合が引き起こされるように提供することができる。
【0111】
本発明は、ステップe)で、注入プランジャがロッドにより推進される間にロッドがモノマー液体容器の破片、断片または残留物を通り抜けるように提供することもできる。
【0112】
この状況で、本発明は、本発明によるデバイスにより実施されるように本方法を提供することができる。
【0113】
方法は、本発明によるデバイスにより特に良好に実施されうる。
【0114】
さらに、本発明は、本発明による押出デバイスにより実施されるように本方法を提供することができる。
【0115】
本発明による押出デバイスは、本発明による方法を実施するために特に適切である。
【0116】
さらに本発明は、ロッドを、デバイスのブロックされたフィードプランジャを穿刺するための硬質の先端または縁を前側に含むように提供することができ、ステップa)では、平らな前側を有する除去可能キャップが先端または縁上に設けられ、ステップc)の後にキャップが先端または縁から除去され、先端または縁によりロッドがフィードプランジャ内に駆動され、デバイスは好ましくはそれ以前に押出デバイスから除去され、先端または縁からキャップを除去した後にデバイスが押出デバイスに再び挿入される。
【0117】
この手段により、フィードプランジャは最初に安定して推進されることができ、後にフィードプランジャがロッドの先端または縁により過大な力を必要とせずに穿刺されうる。
【0118】
好適な改良によれば、本発明による方法は、閉鎖部、特にポアフィルタを、ステップc)の前にまたはステップc)でセメント粉末およびモノマー液体の混合物に作用する圧力によってカートリッジの前側の注入開口部内に移動させられるかまたは注入開口部から押し出されるように提供することができ、閉鎖部はその後、注入開口部から除去されるのが好ましく、延長注入管またはトロカールを備えたホースがカートリッジの前側に固定され、および/またはキャップがロッドの先端または縁から除去される。
【0119】
この手段により、ユーザは出てきた閉鎖部により、デバイスがすぐに使用できること、および骨セメント生地がデバイスから押出されうることを認識できる。
【0120】
好ましくは、本発明は、圧壊または開裂または破開されたモノマー液体容器がステップb)で一緒に押され、同時にガスがレセプタクルから接続部を通ってカートリッジ内に押し込まれ、カートリッジ内のセメント粉末を通って外部へ押されるようにも提供することができ、ステップd)では、フィードプランジャを通って駆動されるロッドが、モノマー液体容器の破片を押しのける。
【0121】
これにより、モノマー液体容器の残留物が、フィードプランジャにより一緒に押されるレセプタクルのエリアで一緒に押され、モノマー液体のほとんどがレセプタクルからカートリッジに圧入される。
【0122】
本発明は、ステップe)で、ガスを通し粉末を通さない閉鎖部が、前述の骨セメント生地の圧力によりカートリッジの前側の注入開口部から押し出されるか、または閉鎖部が手動で除去されるように提供することができる。
【0123】
この手段により、ユーザは、デバイスがすぐに骨セメント生地の施用ができることが分かる。
【0124】
最後に本発明は、ステップd)で、骨セメント生地の施用の直前に、ホースを備えたトロカールがカートリッジの前側の注入開口部でカートリッジに接続され、その後押出デバイスのさらなる作動による注入プランジャの前進運動により骨セメント生地がホースおよびトロカールならびに場合によっては注入管を通して押出されるように提供することができる。
【0125】
これにより、例えば椎体のエリア等のアクセス困難な領域およびX線に曝露されるエリアにも骨セメント生地が施用されることができる。
【0126】
本発明は、最初に可動でありその後押出デバイスのロッドにより穿刺されうるようにブロックされるフィードプランジャを提供することにより、ロッドをまずモノマー液体容器を開けるためおよびモノマー液体をセメント粉末内に運ぶためにフィードプランジャを駆動するために使用し、その後、骨セメント生地をカートリッジから押出するために下流に直列に設けられた注入プランジャを駆動するために同じロッドを使用することができるという驚くべき発見に基づく。フィードプランジャの穿刺のために、第1に、平らな前側を有するキャップがロッドの先端付きもしくは縁付きの前側から除去されるか、もしくはフィードプランジャを穿刺するのに用いるために先端もしくは縁を有するキャップが平らな前側を有するロッドに取り付けられても同じであり、または第2に、ロッドの先端自体が、フィードプランジャを穿刺するためおよび駆動するために適していてもよい。後者の場合には、フィードプランジャをまずモノマー液体容器を開けるためおよび場合によっては圧壊するため、ならびにモノマー液体容器をレセプタクルからカートリッジに圧入するために使用するためにフィードプランジャが十分に安定していることおよび/または十分に平滑に動くことが必要であると同時に、フィードプランジャの移動がブロックされた場合にフィードプランジャをロッドの前側で穿刺できるようにフィードプランジャが十分に不安定であることおよび/または穿刺しやすいことが必要である。この目的で、フィルムバッグは圧壊されたガラスアンプルの破片よりもフィードプランジャの運動に対する抵抗が小さいため、フィルムバッグがモノマー液体容器として好ましい。
【0127】
フィードプランジャとは別個の独立した注入プランジャの使用により、一般的でより幅広いモノマー液体容器のレセプタクルよりも小さい特に小さい内部空間を有するカートリッジも使用することができる。この手段によっても、ホースの抵抗に対抗してカートリッジの狭い内部空間から粘性および高粘性骨セメント生地を押出し施用することが実行可能である。その結果、本デバイスおよび方法を椎骨形成術のためにも用いることができる。
【0128】
本発明によるデバイスの本質的利点は、骨セメント、特に脊椎セメントの2つの開始成分が、閉じたセメンティングシステム内に貯蔵されること、および閉じたデバイス内で開始成分が混合されることである。これは、ユーザがデバイスを充填する必要がないことを意味する。これは、完全プレパックセメンティングシステムに関する。医療ユーザは、脊椎セメントおよび/または骨セメントの個々の開始成分に全く曝露されない。その結果、不快な臭気が最小化される。本デバイスは、手動駆動押出デバイスのロッドを単に前方に移動させることによりモノマー液体がセメント粉末に圧入されることが特に有利である。その過程で、セメント粉末粒子間に存在する空気が、モノマー液体により押しのけられる。混合羽根を有する混合ロッドによる手動混合を一切必要とせずに、均一な骨セメント生地が生成される。これは、エラーを生じやすい手動混合がもはや必要ないことを意味する。デバイスの操作が、最大限に単純化される。これは、即時使用可能なシステムに関する。
【0129】
骨折椎体の強化は、常に永続的X線透視(X線モニタリング)下で行われる。カートリッジ1の横断面が小さいため、手動駆動押出デバイスの作動時のセメント生地に対する押出圧力が非常に高いため、セメント生地が内径3mmの20cmの耐圧ホースを通して押圧されうることが、デバイスのもう1つの利点である。ホースの長さが20cmであるため、放射線科医および/または整形外科医の手はX線に曝露されるエリアの外にある。これにより、医師の放射線被爆が大きく減少する。
【0130】
デバイスの適切な設計および/または好適なプロセスステップにより、手動駆動押出デバイスが使用されうる。さらに、本発明による好適な方策により、モノマー液体も骨セメント生地も骨セメント生地の貯蔵および混合の間にデバイスから漏れて環境を汚染することが一切ない。
【0131】
本発明のデバイスの特別な利点は、椎骨形成術用の二成分脊椎セメントおよび/または骨セメント生地を細いホースを通してトロカール内に押出するために手動駆動押出デバイスが使用されうることである。椎体の強化は、永続的X線制御下で行われる。トロカールとアプリケータとの間にホースを有することにより、医師は手をX線の領域内に置かずに作業できる。この文脈において、複雑で高価な液圧施用デバイスは必要ない。
【0132】
本デバイスは、主にプラスチックから製造できるため、ならびに内部空間およびセメント粉末を含む全ての部分をエチレンオキシドにより滅菌できるため、衛生的な使い捨て製品として使用することができる。
【0133】
椎体の強化のためのポリメチルメタクリレート骨セメントの貯蔵、混合および注入のための本発明の例示的デバイスは、例えば:
a)(カートリッジの)中空円筒形のカートリッジセクション1と(レセプタクルの)中空円筒形のカートリッジセクション2とに細分される一部型管形本体であって、中空円筒形のカートリッジの内径は中空円筒形のレセプタクルの内径より小さく、押出デバイスへの接続のための接続要素が、レセプタクルの端に取り付けられる、一部型管形本体と;
b)レセプタクル内のモノマー液体容器と;
c)液体およびガスを通さず、レセプタクル内の中空空間を軸方向に可動であるフィードプランジャと;
d)カートリッジ内に設けられたセメント粉末と;
e)カートリッジの中空空間内を軸方向に可動であり、セメント粉末のレセプタクルの方向の境界を形成する、注入プランジャであって、ガスおよび液体を通すが粉末粒子を通さない、注入プランジャの前側を後側に接続する少なくとも1つのフィードスルーを有する、注入プランジャと;
f)カートリッジ内のセメント粉末の境界を形成するカートリッジヘッドであって、注入管に接続された注入開口部としてのフィードスルーを含む、カートリッジヘッドと;
g)ガスおよび液体を通し、カートリッジヘッドのフィードスルーを可逆的に閉じる閉鎖部プランジャと、を含むことができ、
h)フィードプランジャは、1kN超の力の作用により押出デバイスのロッド(杵とも呼称されうる)により穿刺される。
【0134】
本デバイスは、主にプラスチックから製造できるため、ならびに内部空間およびセメント粉末を含む全ての部分をエチレンオキシドにより滅菌できるため、衛生的な使い捨て製品として使用することができる。
【0135】
本発明による方法は、例えば、セメント粉末とモノマー液体との混合のための例示的なデバイスにより、骨セメント生地を形成しながら実施されることができ、以下の連続的なステップ:
a)押出デバイスをカートリッジのレセプタクルの接続要素に接続するステップと;
b)押出デバイスのロッドを推進するステップと;
c)注入プランジャをカートリッジヘッドの方向にシフトするステップと;
d)少なくとも1つのモノマー液体容器を注入プランジャとフィードプランジャとの間で圧縮するステップと;
e)モノマー液体容器を破裂させるかまたは裂くステップと;
f)フィードプランジャにより、破裂したかまたは裂けたモノマー液体容器を一緒に押し、レセプタクルの内部空間からの空気とモノマー液体とを注入プランジャの少なくとも1つの開口部を通してカートリッジの内部空間内のセメント粉末中に圧出するステップと;
g)モノマー液体がセメント粉末中に広がると同時にセメント粉末粒子の介在空間から空気を押しのけるステップと;
h)セメント粉末粒子をモノマー液体により濡らすステップと;
i)空気がガスを通す閉鎖部プランジャを通ってセメント粉末から逃れるステップと;
j)モノマー液体によりセメント粉末粒子が膨張し、促進剤の開始剤との反応によりモノマー液体のラジカル重合が引き起こされるステップと;
k)セメント粉末とモノマー液体とから骨セメント生地が形成されるステップと;
l)押出デバイスをカートリッジから取り外すステップと;
m)押出デバイスの金属製のロッドからキャップおよび/またはプラグオンキャップを除去するステップと;
n)場合によっては押出デバイスをレセプタクルに再接続するステップと;
o)金属ロッドをカートリッジヘッドの方向にさらに移動させるステップと;
p)ロッドにより接触面でフィードプランジャを穿刺するステップと;
q)金属ロッドにより破裂したモノマー液体容器を押しのけるステップと;
r)金属ロッドにより注入プランジャをカートリッジヘッドの方向に移動させるステップであって、金属ロッドは、穿刺されたフィードプランジャと破裂したモノマー液体容器の残留物とを通って移動する、ステップと;
s)閉鎖部プランジャを放出するかまたは閉鎖部プランジャを手動で除去するステップと;
t)注入管のアダプタをトロカールまたはホースに接続するステップと;
u)押出デバイスの作動による注入プランジャの前進運動により注入管を通して骨セメント生地を押出するステップと、を含む。
【0136】
以下では13の概略図に基づいて本発明のさらなる例示的実施形態が例示されるが、本発明の範囲を制限するものではない。