(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。複数の図面において同一の符号は同一の要素を表し、重複した説明は省略する。なお、本明細書で説明する実施形態では、お小遣いを与える者を子供の親として説明するが、親以外の者が子供にお小遣いを与える際であっても本発明の要旨は実施可能である。
【0012】
図1は、本発明に係る貯金システムの構成を例示する図である。
図1は概略的に、ユーザデバイス100、貯金箱110、銀行システム120およびネットワーク130が例示される。ユーザデバイス100は、ネットワーク130を介して銀行システム120と接続される。
【0013】
ユーザデバイス100は、子供にお小遣いを与えるためのアプリケーションがインストールされたデバイスであり、例えば、親が所有するスマートフォン、タブレット等とすることができる。ユーザデバイス100はまた、貯金箱110と近距離無線通信を行うことができる。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標) low energy(BLE)とすることができるが、他の任意の無線アクセス技術としてもよい。
【0014】
ユーザデバイス100は、銀行システム120に対し、ログイン要求、親の口座から子供の口座への振込指示、子供の口座の残高照会指示のほか、各種取引の指示を行うことができる。ユーザデバイス100はまた、子供の口座残高およびその他の情報を貯金箱110に送信することができる。その他の情報は、お小遣いを与える親のID(あるいは、親の名前)、お小遣いの額、子供の名前等を含んでもよい。
【0015】
貯金箱110は、ユーザデバイス100と近距離無線通信を行うことができる貯金箱である。貯金箱110はまた、ユーザデバイス100から受信した子供の口座残高およびその他の情報の表示機能を備える。貯金箱110はまた、音声の出力機能を備えてもよい。
【0016】
銀行システム120は、親の口座および子供の口座が開設されている金融機関のシステムである。銀行システム120は、ユーザデバイス100から受信した指示に基づいて、振込、口座残高照会等の各種取引を行うことができる。銀行システム120の機能は、インターネットバンキングとして広く利用されているため説明を省略する。
【0017】
ネットワーク130は、ユーザデバイス100と銀行システム120との間で相互通信可能な周知のネットワークとすることができ、特に限定されることはない。
【0018】
図2は、本発明に係るユーザデバイス100の構成を例示する図である。
図2に例示するように、制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、操作部104、IF部105、および表示部106がバス107等によって接続される。
【0019】
制御部101は、中央処理装置(CPU)であり、ユーザデバイス100の各構成要素の制御やデータの演算を行うことができる。主記憶部102は、メインメモリであり、入力された各種データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータ等を記憶することができる。補助記憶部103は、ハードディスク(HDD)等の記憶装置であり、データやプログラムを長期的に保存する際に使用される。制御部101は、補助記憶部103に格納されているプログラムを主記憶部102に読み出して実行することができる。
【0020】
操作部104は、タッチパネル等により構成され、アプリケーションの各種操作や入力データを受け付けることができる。IF部105は、他のシステムまたは装置との間でデータを送受信する際のインタフェースであり、例えばネットワーク130を介して、銀行システム120に振込処理の指示等ができる。IF部105はまた、貯金箱110と近距離無線通信機能を確立し、データの送受信等を行うことができる。表示部106は、ディスプレイ等により構成され、アプリケーションの各種画面等を提供することができる。
【0021】
図3は、本発明に係る貯金箱110の構成を例示する図である。貯金箱110は、概略的に、近距離無線通信部111、表示部112、記憶部113、および音声出力部114を備える。
【0022】
近距離無線通信部111は、ユーザデバイス100と近距離無線通信を確立し、ユーザデバイス100との間で各種情報を送受信するインタフェースである。ユーザデバイス100から受信する情報は、例えば子供の口座残高が含まれる。
【0023】
表示部112は、ディスプレイ等で構成され、ユーザデバイス100から受信した口座残高およびその他の情報を表示することができる。表示部112は、与えられたお小遣いの金額、子供の名前等の情報を表示してもよい。表示部112は、ユーザデバイス100のお小遣いによる資金移動処理に合わせて、硬貨・紙幣が投入されるアニメーション等を表示してもよい。口座残高は常に表示されてもよく、最新の口座残高の表示から一定時間のみ表示されてもよく、またはユーザデバイス100が貯金箱110と近距離無線通信を確立している間のみ表示されてもよい。
【0024】
記憶部113は、ユーザデバイス100から受信した子供の口座残高を格納し、保持することができる。子供の口座残高のほか、子供の名前等の情報を保持してもよい。子供の名前等の情報は、ユーザデバイス100から追加、変更および削除可能なように構成されてもよい。
【0025】
音声出力部114は任意的に構成され、ユーザデバイス100と近距離無線通信を確立したこと、口座残高を受信したこと等に応答して、パターン化された音声を出力することができる。音声パターンは、ユーザデバイス100から追加、変更および削除可能なように構成されてもよい。
【0026】
図4は、本発明に係るお小遣いによる資金移動画面を例示する図である。
図4において、指のマークおよび画面を繋ぐ点線は、指がユーザデバイス100の画面に触れていることを示し、指のマークに近接する矢印は指の動きを示す。
図4(a)は、親がユーザデバイス100の画面を左右にスワイプ操作することによって、お小遣いで与える硬貨・紙幣のイメージを選択することができることを示す。
【0027】
図4(b)は、親が硬貨のイメージをフリック操作することによって資金移動処理を行うことができることを示す。フリック操作は、例えば、表示された100円玉硬貨のイメージに触れたまま、ユーザデバイス100の画面上部にスライドさせることにより行うことができる。フリック操作は、指またはタッチペン等の動きに連動して硬貨が移動するアニメーションとしてもよい。資金移動処理は、ユーザデバイス100が銀行システム120に対して振込指示を行い、親の口座から子供の口座に対する振込が行われることにより、実際に口座間の資金移動が行われる。
【0028】
図4(c)に示すように、資金移動処理の完了メッセージが表示されてもよく、更新された子供の口座の残高が表示されてもよい。
【0029】
図4(a)〜(c)に例示された画面のほか、複数の種類の硬貨が一覧表示または上下表示されてもよく、ユーザデバイス100をタップして硬貨を選択するようにしてもよい。硬貨を選択する画面の前に、親が金額を入力する画面を表示させて、硬貨を選択する画面では入力された金額に従って硬貨を表示してもよい。例えば、お小遣いの金額が500円と入力された場合、お小遣いによる資金移動画面では500円玉硬貨のみ、または初期選択状態で500円玉硬貨が表示されるようにしてもよい。
【0030】
図5は、本発明に係るお小遣いによる資金移動処理フローを例示する図である。以下、ユーザデバイス100を使用して、親が子供に対してお小遣いを与える場面について説明する。ユーザデバイス100と貯金箱110とは、近距離無線通信が可能な範囲に位置し、かつ両者間には電波を遮る物質等がないものとする。
【0031】
ステップS501において、親は、ユーザデバイス100にインストールされた貯金アプリケーションを起動する。
【0032】
ステップS502において、ユーザデバイス100は、近距離無線通信が可能な機器をスキャンする。スキャンは、例えば、BLEのアクティブスキャンまたはパッシブスキャン等とすることができる。スキャンは、ステップS501のアプリケーション起動時のバックグラウンドで行ってもよく、スキャン中を示す画面を表示して行ってもよい。
【0033】
ステップS503において、ユーザデバイス100は、近距離無線通信が可能な機器を発見できるかどうかをチェックする。この例においては、ユーザデバイス100と近距離無線通信が可能な距離にある貯金箱110を検出することができる。一方、近距離無線通信が可能な機器を発見できなかった場合(ステップS503がNOの場合)、ステップS502に戻る。
【0034】
ステップS504において(ステップS503がYESの場合)、ユーザデバイス100は、貯金箱110と近距離無線通信の接続を行う。正常に接続できなかった場合(ステップS504がNOの場合)、ステップS502に戻る。
【0035】
ステップS505において(ステップS504がYESの場合)、ユーザデバイス100は、親または子の口座情報が未登録であるかどうかをチェックする。チェックは、ユーザデバイス100に親または子の口座情報が保存されているかどうかにより行われる。口座情報が登録済みであればステップS505がNOの場合となり、ステップS508に進む。
【0036】
ステップS506において(ステップS505がYESの場合)、親はユーザデバイス100を使用して、親の口座情報を登録する。親の口座情報は、子供の口座に対して振込を行うための金融機関の支店および口座番号、またはインターネットバンキングのログインID等の情報とすることができる。登録された親の口座情報は、ユーザデバイス100に保存される。親の口座情報が完了すると、子供にユーザデバイス100を手渡すように指示する画面を表示してもよい。
【0037】
ステップS507において、子供はユーザデバイス100を使用して、子供の口座情報を登録する。子供の口座情報は、金融機関の支店および口座番号、またはインターネットバンキングのログインID等の情報とすることができる。登録された子供の口座情報は、ユーザデバイス100に保存される。子供の口座情報の登録が完了すると、親にユーザデバイス100を手渡すように指示する画面を表示してもよい。
【0038】
ステップS508において、親はユーザデバイス100を使用して、親のユーザ認証を行う。ユーザ認証は、親の口座情報に関連付けられた暗証番号またはパスワードの入力、生体認証等によって行うことができる。親のユーザ認証を行うことによって、インターネットバンキングにログインした状態となり、親の口座から子供の口座に対する振込処理が可能となる。
【0039】
ステップS509において、子供はユーザデバイス100を使用して、子供のユーザ認証を行う。ユーザ認証は、子供の口座情報に関連付けられた暗証番号またはパスワードの入力、生体認証等によって行うことができる。子供のユーザ認証を行うことによって、インターネットバンキングにログインした状態となり、子供の口座残高、使用履歴等を照会することが可能となる。ステップS509が完了した時点で、同一のユーザデバイス100のアプリケーションにおいて、親と子供の両方がユーザ認証を行った状態となる。
【0040】
ステップS510において、親はユーザデバイス100を使用して、お小遣いによる資金移動処理を行う。お小遣いによる資金移動画面は、金額の入力、資金移動先の確認等の画面が含まれてもよい。資金移動処理はまた、画面に表示された硬貨・紙幣のイメージをフリック操作により資金移動処理が行われるGUIとしてもよい。資金移動処理が行われると、ユーザデバイス100は、親のログイン情報を使用して、親の口座から子供の口座に対する振込指示を銀行システム120に送信する。銀行システム120は、受信した振込指示に基づいて従来から広く実施されている振込処理を行う。
【0041】
ステップS511において、ユーザデバイス100は、子供のログイン情報を使用して、子供の口座残高の照会指示を銀行システム120に対して行う。ユーザデバイス100は、銀行システム120から取得した子供の口座残高を貯金箱110に送信する。貯金箱110は、ユーザデバイス100から受信した子供の口座残高を表示部112によって表示する。ステップS510およびステップS511を子供に見せながら行うことで、子供はお金の移動を視覚的に確認できる。
【0042】
このようにすることで、家族は子供とのコミュニケーションを介して、データ化されたお金を使用してお小遣いを与えることができる。また、低年齢の子供がデータ化された資金の移動を容易に理解することができる。さらに、家族は少額の現金を持ち合わせていない場合であっても、子供にお小遣いを与えることができる。
【0043】
本発明の実施においては、親および子供がアプリケーション上で同時にログインする状態となるため、アプリケーションの操作は、子供の口座からの振込処理等の各種取引に関して制限を加えてもよい。このようにすることで、アプリケーションの誤操作または不正操作を防止することができる。また、貯金箱110は銀行システム120との直接通信を行わず、ログイン情報等も保持しないことから、貯金箱110を紛失等しても子供のログイン情報等の流出リスクはない。
【0044】
子供はまた、自身の口座に関連付けられたキャッシュカード等を使用することができる。キャッシュカードによる引き出し等によって、実際の口座残高と貯金箱110に表示される口座残高との間で差異が生じる。このような場合であっても、
図5のステップS510において、子供の口座の残高照会のみを行うメニューを提供することで、貯金箱110は最新の子供の口座残高を表示することができる。
【0045】
また、別の実施形態において、複数のユーザデバイス100からお小遣いによる資金移動処理が行われた場合に貯金箱110が異なる処理を行ってもよい。例えば、父のユーザデバイス100からお小遣いによる資金移動処理が行われる場合と、母のユーザデバイス100からお小遣いによる資金移動処理が行われる場合とで、貯金箱110の表示内容を変更してもよく、貯金箱110の音声出力を変更してもよい。貯金箱110の表示内容は、例えば「父から」または「母から」等のメッセージを表示してもよい。お小遣いを与えたユーザの判定は、ユーザデバイス100が、子供の口座残高とともに親のユーザIDまたは所定のコードで表現された子供との関係性を含めて貯金箱110に送信することによって行うことができる。
【0046】
さらに、別の実施形態において、複数の子供がいる家庭の場合、ユーザデバイス100のアプリケーションの画面でユーザ選択ができるようにしてもよい。例えば、ユーザデバイス100は、
図5のステップS509より前の任意のステップにおいて、子供の口座の追加登録が可能な画面、およびお小遣いによる資金移動先の子供の口座が選択できる画面を提供してもよい。
図5のステップS509において、選択された子供に対するユーザ認証を行うため、ユーザデバイス100が取得する子供の口座残高は選択された子供の口座残高となる。このようにすることで、複数の子供がいる家庭であっても、貯金箱110はそれぞれの子供の口座残高を表示することができる。
【0047】
説明のため各処理を分けて記載したが、各処理を統合、連携させ、それぞれが有する処理の一部または全部を他方が行うように実装されてもよい。
【0048】
以上、例示的な実施形態を参照しながら本発明の原理を説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、構成および細部において変更する様々な実施形態を実現可能である。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様を採用することが可能である。
【解決手段】本発明の一態様である、貯金システムは、第1のユーザおよび第2のユーザのそれぞれに対してユーザ認証を行い、第1のユーザの口座から第2のユーザの口座に対して資金移動を行い、第2のユーザの口座残高を取得し、近距離無線通信を介して、第2のユーザの口座残高を貯金箱に送信する、ユーザデバイスと、第2のユーザの口座残高を表示する、貯金箱と、を備える。