特許第6564115号(P6564115)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6564115テープタイプ使い捨ておむつ及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564115
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】テープタイプ使い捨ておむつ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/56 20060101AFI20190808BHJP
   A61F 13/62 20060101ALI20190808BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20190808BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   A61F13/56 210
   A61F13/62 100
   A61F13/49 317
   A61F13/15 360
   A61F13/15 311Z
【請求項の数】2
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-147574(P2018-147574)
(22)【出願日】2018年8月6日
(62)【分割の表示】特願2015-195469(P2015-195469)の分割
【原出願日】2015年9月30日
(65)【公開番号】特開2018-164824(P2018-164824A)
(43)【公開日】2018年10月25日
【審査請求日】2018年9月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】特許業務法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 雅也
【審査官】 長尾 裕貴
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6383712(JP,B2)
【文献】 特開2006−198132(JP,A)
【文献】 特開2014−083235(JP,A)
【文献】 特開2013−074974(JP,A)
【文献】 特開2009−028282(JP,A)
【文献】 特開2013−252450(JP,A)
【文献】 特開2012−050834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15 − 13/84
A61L 15/16 − 15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙おむつ本体の後身頃の両側部に、幅方向に伸縮可能な伸縮テープを有するテープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記伸縮テープは、伸縮性を有しない第1シート層と、第2シート層との間に、伸縮可能な弾性フィルムが積層されており、かつ、前記第1シート層及び前記第2シート層が、直接又は弾性フィルムを介して、間隔を空けた多数の接合部で接合されており、前記接合部において第1シート層及び前記第2シート層が残存しており、
前記伸縮テープは、前記弾性フィルムの収縮力により収縮しており、幅方向に外力を加えると伸長可能であり、
単位面積内に含まれる前記接合部の総和面積占める割合を示す接合部面積率が、幅方向について中央の第1の領域とこれに隣接する二つの第2の領域とで異なっていることにより、前記第1の領域の伸縮応力が高い、前記第2の領域の伸縮応力が低い又は前記第2の領域が伸縮しない構成とされ、
前記第2の領域のうち基端側の第2の領域が紙おむつ本体に結合され、他方の先端側の第2の領域にメカニカルファスナーの雄材が結合され、この雄材が前身頃にメカニカルに連結されるものであり、
前記伸縮テープの基端部より外方の領域は、おむつの前後方向中間に形成された、外方縁から切り込まれる切れ目により分割可能である、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
【請求項2】
紙おむつ本体の後身頃の両側部に、幅方向に伸縮可能な伸縮テープを有するテープタイプ使い捨ておむつを製造するに際し、
伸縮性を有しない第1シート層と、伸縮性を有しない第2シート層との間に、伸縮可能な弾性フィルムを伸長状態で介在させる供給工程と、
この供給工程において、前記第1シート層と前記第2シート層との間に前記弾性フィルムがその伸長状態で介在した状態で、前記第1シート層及び前記第2シート層の外方から、熱溶融装置によって間隔を空けた多数の熱溶融部により前記弾性フィルムに熱溶融エネルギーを与え、前記弾性フィルムを溶融し、前記第1シート層及び前記第2シート層を、直接又は弾性フィルムを介して多数の接合部により、この接合部において第1シート層及び前記第2シート層が残存した状態で、接合する接合工程と、
を含んで、伸縮シートを製造する伸縮シート製造段階;
前記伸縮シートを所定の大きさに切断する切断工程と、
切断された伸縮シートを伸縮テープとして、紙おむつ本体の後身頃の両側部に結合する結合工程と、
を含んで、伸縮テープを紙おむつ本体の後身頃に組み合わせる段階;を含み、
前記伸縮テープは、
単位面積内に含まれる前記接合部の総和面積占める割合を示す接合部面積率が、幅方向について中央の第1の領域とこれに隣接する二つの第2の領域とで異なっていることにより、前記第1の領域の伸縮応力が高い、前記第2の領域の伸縮応力が低い又は前記第2の領域が伸縮しない構成とされ、かつ、
前記第2の領域のうち先端側の第2の領域にメカニカルファスナーの雄材が結合され、この雄材が前身頃にメカニカルに連結されるものであり
結合工程において、前記第2の領域のうち基端側の第2の領域が紙おむつ本体に結合する、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮性を有するテープタイプ使い捨ておむつ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テープタイプ使い捨ておむつにおいては、身体表面へのフィット性を向上するために、脚周り、胴周り又は腰周り等の適所に伸縮性を付与することが一般的である。伸縮性を付与するための手法としては、従来、糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材を長手方向に伸長した状態で固定する手法が広く採用されているが、ある程度の幅で伸縮性を付与したい場合には、糸ゴムを幅方向に間隔を置いて並べて配置した状態で固定する態様が採用されている。
【0003】
一方、テープタイプ使い捨ておむつにおけるテープに伸縮性を付与することにより、着用者の体の動きに追従させることも知られている。
その例としは特許文献1に記載の伸縮テープがある。これは中間に伸縮シートを、一方の端部に非伸縮性シートを設けて背側のおむつ本体に結合し、他方の端部に非伸縮性シートを設け、かつこれにファスナー部材(フック材)を固定し、腹側のフロントターゲット部材にメカニカルに接合する構造のものである。
【0004】
特許文献1の伸縮テープでは、伸縮シートと両端の非伸縮シートとの間に段差が生成し、見栄えが良好ではないものである。また、ファスナー部材(フック材)を除外して3枚のシートが必要となり、シート相互の結合の手間及び部材点数が多いことによるコスト高の要因になっていた。
【0005】
他方、伸縮シートとして、弾性繊維と非弾性繊維との混合物によるスパンボンド不織布に、ギアにより非弾性繊維層の一部を破断することによって伸縮性を付与したものも知られている(特許文献2の段落0066)。
しかし、不織布では大きな伸縮力が得られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−55996号公報
【特許文献2】特開2015−24050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明の主たる課題は、所要の十分大きな弾性応力を示し、かつ、コストが低い伸縮シートからなるテープを有するテープタイプ使い捨ておむつ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
【0009】
(基本形態)
紙おむつ本体の後身頃の両側部に、幅方向に伸縮可能な伸縮テープを有するテープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記伸縮テープは、伸縮性を有しない第1シート層と、第2シート層との間に、伸縮可能な弾性フィルムが積層されており、かつ、前記第1シート層及び前記第2シート層が、直接又は弾性フィルムを介して、間隔を空けた多数の接合部で接合されており、前記接合部において第1シート層及び前記第2シート層が残存しており、
前記伸縮テープは、前記弾性フィルムの収縮力により収縮しており、幅方向に外力を加えると伸長可能であり、
単位面積内に含まれる前記接合部の総和面積占める割合を示す接合部面積率が、幅方向について中央の第1の領域とこれに隣接する二つの第2の領域とで異なっていることにより、前記第1の領域の伸縮応力が高い、前記第2の領域の伸縮応力が低い又は前記第2の領域が伸縮しない構成とされ、
前記第2の領域のうち基端側の第2の領域が紙おむつ本体に結合され、他方の先端側の第2の領域にメカニカルファスナーの雄材が結合され、この雄材が前身頃にメカニカルに連結されるものであり、
前記伸縮テープの基端部より外方の領域は、おむつの前後方向中間に形成された、外方縁から切り込まれる切れ目により分割可能である、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつである
【0010】
第2の領域の伸縮応力が低い又は伸縮しない構成とされているので、紙おむつ本体に結合するときに安定して結合することができる。また、おむつを止着した状態で伸縮テープが伸長したときにおいても、第2の領域と紙おむつ本体との結合部の形状が変形することが防止され形状安定性が良好なものとなる。
前記伸縮テープの他端部に設ける、前身頃に対して止着する止着部材としては、繰り返し止着の安定性の観点から、面ファスナーとしてのメカニカルファスナーの雄材を設けることができる。
このために、前記伸縮テープは、第1の領域とこれに隣接する二つの第2の領域とを有し、前記伸縮テープは、一方の第2の領域が紙おむつ本体に結合され、他方の第2の領域にメカニカルファスナーの雄材が結合され、この雄材が前身頃に(例えばフロントターゲットテープに)メカニカルに連結されるものである構成とすることができる。
本発明例に従って、メカニカルファスナーの雄材が他方の第2の領域に結合される。第2の領域の伸縮応力が低い又は伸縮しない構成とされているので、メカニカルファスナーの雄材を結合するときに安定して結合することができる。また、おむつを止着した状態で伸縮テープが伸長したときにおいても、第2の領域及び雄材の形状が安定しているので前身頃に対して安定して止着できる。
【0011】
本発明の伸縮テープは、接合部面積率を領域相互間で異ならせることにより、伸縮応力が高い第1の領域と、伸縮応力が低い又は伸縮しない第2の領域とを区分して形成できる。
したがって、本発明の伸縮テープは基本的に一枚の伸縮シートにより形成でき、止着部材を設ける場合においても、素材点数は2つであり、従来のように多数の素材を組み合せる形態と比較して、コストが低い伸縮テープとなる。
また、弾性フィルムが介在されているので、不織布伸縮テープでは得られない、伸縮応力が高いものを得ることができる。
【0012】
本発明の伸縮テープを構成する伸縮シートでは、前記接合部において第1シート層及び第2シート層が残存しているのが望ましい。すなわち、第1シート層及び第2シート層に貫通する孔は形成されない。この点は、特許第4562391号公報の図5又は図7で示される伸縮シートと異なる。
【0013】
前記伸縮テープは、基端側に第2の領域が、先端側に第1の領域が形成され、前記第1の領域の先端部に、人手により破断して分離する又は既に分離している複数のメカニカルファスナーの雄材が結合され、この雄材が前身頃にメカニカルに連結される構成が提案される。
メカニカルファスナーの雄材を複数に分離することで、これらを配置した第1の領域が先端部においても伸縮するようになる。
【0014】
前記伸縮テープの基端部より外方の領域は、おむつの前後方向中間に形成された、外方縁から切り込まれる切れ目により分割可能である。
この形態は、大人向けおむつの場合に特に有効であり、分割された一方と他方とを別の部位に止着可能であるために、着用者の動きによっても、安定しておむつを保持できる。
【0015】
本発明の伸縮部の接合部に関しさらに説明する。
接合部においては、例えば次の接合形態例がある。
(1)第1シート層及び第2シート層が部分溶融し、弾性フィルムに接合する、すなわち第1シート層及び第2シート層が弾性フィルムを介して接合する形態。
(2)弾性フィルムが溶融し、第1シート層及び第2シート層中に移行し、第1シート層及び第2シート層が、弾性フィルムを介在させることなく、直接接合する形態。
(3)(1)の形態と(2)の形態との中間の形態であって、弾性フィルムの両表面部分が溶融して第1シート層及び第2シート層中に移行し、しかし、弾性フィルムは部分的に残存していることにより、第1シート層及び第2シート層が残存弾性フィルムを介して接合する形態。
【0016】
これらの形態のうち、特に、(2)の形態及び(3)の形態では、接合部と非接合部とで弾性フィルム強度の差異が生じる。したがって、伸長を保持した伸縮シートの伸長状態を、いったん開放して収縮させて製品とした後;あるいは、伸長を保持した伸縮シートを他の部材と結合した後、伸長状態を一旦開放して収縮させて製品した後;伸縮方向に機械的にあるいは人力で伸長させると、接合部と非接合部との境界部分で破断が生じる。
その結果、貫通孔が形成される。
【0017】
貫通孔が形成されたものでは、通気性が確保される利点がある。貫通孔は、全ての接合部において形成される必要はなく、一部の接合部において形成されていても通気性を示す。貫通孔は接合部の縁から伸縮方向に延びた形状となる場合と、貫通孔が接合部の縁から両方向に延びた形状となり、場合により接合部の周りに環状の形状となることがある。
【0018】
接合部の好適例としては、伸縮領域における前記接合部の面積は0.14〜3.5mm2であり、自然長状態における前記貫通孔の開口の面積は、前記接合部の面積の1〜1.5倍であり、伸縮領域における前記接合部の面積率は1.8〜22.5%である。
ここで、「面積率」とは単位面積に占める対象部分の割合を意味し、対象領域(例えば伸縮領域)における対象部分(例えば接合部、貫通孔の開口)の総面積を当該対象領域の面積で除して百分率で表すものであり、特に「接合部の面積率」とは、伸縮方向に弾性限界まで伸ばした状態の面積率を意味するものである。また、貫通孔の開口の面積は、当該伸縮構造が自然長の状態における値を意味し、貫通孔の開口の面積が、弾性フィルムの表と裏で異なる等、厚み方向に均一でない場合には最小値を意味する。
本明細書における接合部面積率は、後に説明するアンビルロールの突起部の大きさ、形状、離間間隔、ロール長方向及びロール周方向の配置パターンなどを選定することにより選択できる。
【0019】
「伸縮応力」とは、JIS K7127:1999「プラスチック−引張特性の試験方法−」に準じて、初期チャック間隔(標線間距離)を50mmとし、引張速度を300mm/minとする引張試験により測定される「弾性限界の50%まで伸ばしたときの応力(N/35mm)」を意味する。幅35mmの試験片を切り出すことができない場合には、切り出し可能な幅で試験片を作成し、測定値を幅35mmに換算した値とする。
対象の領域が小さく、十分な試験片を採取できない場合、伸縮応力の比較であれば、適宜小さい試験片でも、少なくとも比較できる。
また、領域内に複数の伸縮応力が相違するので、試験片の採取をどうするかが問題となる。そこで、伸縮応力の絶対値を求めることから離れて、伸縮応力の比較のためには、伸縮シートの各部位について試験片を採取し、それぞれの試験片について、自然状態の100%長さから150%長さに伸長したときの応力によって大小を比較することも可能である。
【0020】
紙おむつ本体の後身頃の両側部に、伸縮可能な伸縮テープを有するテープタイプ使い捨ておむつは次の方法によって製造できる。
伸縮性を有しない第1シート層と、伸縮性を有しない第2シート層との間に、少なくとも幅方向に伸縮可能な弾性フィルムを伸長状態で介在させる供給工程と、
この供給工程において、前記第1シート層と前記第2シート層との間に前記弾性フィルムがその伸長状態で介在した状態で、前記第1シート層及び前記第2シート層の外方から、熱溶融装置によって間隔を空けた多数の熱溶融部により前記弾性フィルムに熱溶融エネルギーを与え、前記弾性フィルムを溶融し、前記第1シート層及び前記第2シート層を、直接又は弾性フィルムを介して多数の接合部により、この接合部において第1シート層及び前記第2シート層が残存した状態で、接合する接合工程と、
を含んで、伸縮シートを製造する伸縮シート製造段階;
前記伸縮シートを所定の大きさに切断する切断工程と、
切断された伸縮シートを伸縮テープとして、紙おむつ本体の後身頃の両側部に結合する工程と、
を含んで、伸縮テープを紙おむつ本体の後身頃に組み合わせる段階;
を含む方法である。
【0021】
弾性フィルムは伸長させることを要する。弾性フィルムを、対向する一対のニップが前後方向に配置されたニップロール段に通し、前後ニップロール段相互で、前方のニップロール段の周速を後方のニップロール段の周速より速めることにより、前記弾性フィルムを伸長状態にて前記供給工程に供給する方法が提供される。
他の方法は、弾性フィルムを駆動ロールに例えばS字状に巻き掛けながら一対のニップロール段だけを通すものでもよい。
【0022】
前記熱溶融装置は、アンビルロールと超音波ホーンとを有し、前記アンビルロールはその外表面にロール長方向及び外周方向に間隔を空けた多数の突部が形成され、この突部群と前記超音波ホーンとにより前記熱溶融部を構成する態様が提供される。
超音波熱溶融装置に替えて、他の熱溶融手段であってもよい。
【0023】
不織布からなる第1シート層の融点及び不織布からなる第2シート層の融点より、前記弾性フィルムの融点が低く、この融点より高く、かつ第1シート層の融点及び第2シート層の融点より低い温度に相当する溶融エネルギーを与えると、弾性フィルムは熱溶融する一方で、第1シート層及び第2シート層は全く溶融しないあるいは部分的に溶融する結果、接合部領域全体に孔が形成されておらず第1シート層及び第2シート層が残存している形態となる。
しかるに、伸縮シートの製造時におけるライン速度は高速である。したがって、第1シート層及び第2シート層の融点より高い温度に相当する溶融エネルギーを与えても、第1シート層及び第2シート層は全く溶融しないあるいは部分的に溶融するものの、接合部領域全体に孔が形成されていない形態を得ることができる。
【0024】
このような観点から、弾性フィルムの融点は80〜145℃程度のものが好ましく、第1シート層及び第2シート層の融点は85〜190℃程度、特に130〜190℃程度のものが好ましく、また、第1シート層及び第2シート層の融点と、より低い融点を示す弾性フィルム30の融点との差は50〜80℃程度であるのが好ましい。
好適な具体例としては、前記弾性フィルムの融点が95〜125℃であり、第1シート層の融点が125℃超〜160℃、より好ましくは130〜160℃、第2シート層の融点が125℃超〜160℃、より好ましくは130〜160℃である。
【0025】
上記の本発明のテープタイプ使い捨ておむつの製造方法において、説明のない方法は、既存の方法を用いることができる。
既存の方法について説明すれば、構成部品形成工程では、テープタイプ使い捨ておむつを構成する構成部品を形成する。例えば、吸収材料を積層して吸収体を成型する。伸縮シートを形成し、個別に切断して伸縮テープとする。
構成部品組合せ工程では、外装シート、伸縮性テープ、バックシート、吸収体、トップシート等の各種素材を組み合わせる。
切断工程では、脚周りをカットし、個々の物品に切断する。
これにより、テープタイプ使い捨ておむつを製造できる。
【発明の効果】
【0026】
以上のとおり、本発明によれば、所要の十分大きな弾性応力を示し、かつ、コストが低い伸縮シートからなるテープ有するテープタイプ使い捨ておむつを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】接合部の配置パターン例の平面図である。
図2】接合部面積率が相違する例の概略平面図である。
図3】接合部面積率が相違する他の例の概略平面図である。
図4】接合部面積率が相違する別の例の概略平面図である。
図5】伸縮シートの接合前の説明用断面図である。
図6】伸縮シートの接合状態の説明用断面図である。
図7】伸縮シートの収縮状態の説明用断面図である。
図8】貫通孔が形成される伸縮シートの接合状態の説明用断面図である。
図9】(a)(b)は伸長及び接合手段例の概要図である。
図10】貫通孔の形成例の説明用平面図である。
図11】態様を異にする貫通孔の形成例の説明用平面図である。
図12】貫通孔の形成例の説明用平面図である。
図13】第1例のテープタイプ使い捨ておむつの展開状態概要平面図である。
図14】第2例のテープタイプ使い捨ておむつの展開状態概要平面図である。
図15】第3例のテープタイプ使い捨ておむつの展開状態概要平面図である。
図16】使い捨ておむつの製造工程例を示す概要説明図である。
図17】他のテープ構造例の展開図である。
図18】別のテープ構造例の展開図である。
図19】テープタイプ使い捨ておむつの具体例の平面図である。
図20】その裏面図である。
図21】21−21線矢視図である。
図22】22−22線矢視図である。
図23】接合部の各種配列例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。
【0029】
本発明のテープタイプ使い捨ておむつは、体液を吸収し、保持する製品である。
本発明のテープタイプ使い捨ておむつは、紙おむつ本体の後身頃の両側部に、伸縮可能な伸縮テープを有する。
【0030】
前記伸縮テープは、図5図8に示すように、伸縮性を有しない例えば不織布からなる第1シート層21と、伸縮性を有しない例えば不織布からなる第2シート層22との間に、前記前後方向に伸縮可能な弾性フィルム30が積層されており、かつ、前記第1シート層21及び前記第2シート層22が、直接又は弾性フィルム30を介して、間隔を空けた多数の接合部40で接合されている。
ここで、第1シート層21及び第2シート層22が「伸縮性を有しない」とは全く伸縮しないことを意味するのではなく、弾性フィルムの伸縮性度合いとの比較では、実質的に伸縮しないことを意味する。
【0031】
接合に際しては、例えば図9(a)に示すように、外面に所定のパターンで形成した突起部60aを有するアンビルロール60と超音波ホーン61との間に、第1シート層21、弾性フィルム30及び第2シート層22を供給し、超音波ホーン61により超音波溶融エネルギーを与え、例えば主に弾性フィルム30を溶融することによって、第1シート層21及び前記第2シート層22と接合する。
他方、図9(b)に示す態様でもよい。すなわち、アンビルロール60に対向して対向ロール63が配置され、この対向ロール63に対して駆動ロール65が設けられ、弾性フィルム30を挟み付けるニップロールとされている。
かかる装置の構造において、弾性フィルム30を、対向ロール63に巡らせた後、駆動ロール65とのニップ位置に達し、その後は、アンビルロール60を巡らせる。
その際に、駆動回転するアンビルロール60の周速を駆動ロール65の周速(したがって対向ロール63の周速でもある。)より速くすることにより、弾性フィルム30を伸長するとともに、アンビルロール60の突部60aの群と超音波ホーン61とにより接合を行う。この態様によれば、伸長(延伸)長が図9(a)の態様に対して、より短くなるので、ネックインを抑制できる利点がある。
なお、接合形態例については後に詳説する。
【0032】
弾性フィルム30の製造過程における伸長率(自然状態の長さを100%としたときを基準とする)は、例えば駆動回転するアンビルロール60の周速を、後方の駆動ロール62の周速より速め、それらのロールの速度差を選択することにより設定できる。63はガイドローラである。
【0033】
図6には接合後の伸縮シートについて、伸長状態における断面を模式的に図示してある。伸縮テープ(伸縮シート)の伸長状態を解放すると、図7(模式図)に示すように、弾性フィルム30の収縮力により収縮し、前後方向(図7の左右方向)に外力を加えると伸長可能である。したがって、この伸縮テープを、その伸縮方向を、例えば使い捨ておむつの前後方向に一致させると、使い捨ておむつが前後方向に伸縮可能である。
【0034】
そして、伸縮シートは、所定の面積をもって製造できるので、所望の面積全体に収縮力を作用させたい場合に、その所望の面積に切断した伸縮テープを適用すればよい。
【0035】
他方、上記例では、第1シート層21と第2シート層22とを、弾性フィルム30を溶融させて接合した例である。この場合、(1)第1シート層21又は第2シート層22が弾性フィルム30の表面で接合する態様、(2)弾性フィルム30の表面部分が溶融し、第1シート層21及び第2シート層22のそれぞれの繊維間に侵入して接合する態様、(3)弾性フィルム30のほぼ全体が溶融し、第1シート層21及び第2シート層22のそれぞれの繊維間に侵入して接合する態様などがある。本発明において、層間の接合態様についてこれらの例に限定されるものではない。
これらの態様のうち(3)などの態様においては、第1シート層21と第2シート層22とが、直接、すなわち弾性フィルムを介在することなく接合していると評価することができる。
上記(1)〜(3)の態様は、弾性フィルム30の融点が、第1シート層21及び第2シート層22の融点より低い場合であるが、弾性フィルム30の融点が、第1シート層21及び又は第2シート層22の融点より高い場合であってもよい。この場合は、第1シート層21及び又は第2シート層22の弾性フィルム30側表面部分が活性化あるいは溶融して弾性フィルム30に接合する形態である。
さらに、弾性フィルム30が一部溶融するほか、第1シート層21及び又は第2シート層22も溶融することによって接合するものでもよい。
第1シート層21及び又は第2シート層22が不織布であり、その繊維が芯・鞘構造を有していてもよい。この場合において、例えば繊維の鞘成分のみが溶融して、接合に寄与させることができる。
【0036】
伸縮テープ(伸縮シート)は、単位面積内に含まれる接合部の総和面積が占める接合部面積率が、第1の領域とこれに隣接する第2の領域とで異なっている。
【0037】
接合部面積率とは、図1が参照されるように、単位面積S内に含まれる接合部40,40…の総和面積が占める割合を百分率で示したものである。この場合における単位面積Sとしては、接合部が10個以上含まれるような大きさに設定することが望ましい(少ない個数では伸縮応力の比較をしにくい。)。図1の例では、13個の接合部を含んでいる。また、単位面積Sを定める外形は、正方形以外に長方形や円などの他の形状であってもよい。
接合部40の一例は、図1に示す円形である。もちろん、楕円や長方形などの形状であってもよい。図1のLmはマシン方向の配列間隔長、Lcはマシン方向と直交する直交方向(クロス方向)の配列間隔長、Pmはマシン方向(MD(のピッチ長、Pcは直交方向(クロス方向:CD)のピッチ長である。
【0038】
伸縮テープ内における領域によって、接合部面積率が異なる態様を図2図6に示した。
図2は、領域A、Bについて、接合部面積率をA<Bとすることによって、伸縮応力をA>Bの関係にしたものである。
例えば、ピッチ長Pm及びピッチ長Pcが長い場合Aと、ピッチ長Pm及びピッチ長Pcが短い場合Bとを比較すると、ピッチ長Pm・Pcが長い場合A(接合部面積率が低い場合)の方が、ピッチ長Pm・Pcが短い場合B(接合部面積率が高い場合)より伸長率が大きい。その結果、伸縮応力は、A>Bの関係になる。
図2の形態は、図2の横方向での伸縮応力を領域ごと異なるものとなるので、伸縮応力が高いA領域を、テープタイプ使い捨ておむつの幅方向中間領域に対応させる。そして、伸縮応力が低い(いわば伸縮が小さい)B領域をA領域の両外側に対応させる。
【0039】
図3の場合には、幅方向中間のA領域に対して、その前後に伸縮応力の低いB、B領域を配置した例である。
【0040】
本発明において、接合部面積率の相違は、配置パターンの粗密のほか、接合部面積を変えることによっても可能である。
このことを理解するために、図4では、領域Cは小さな接合部を多数配置し、領域Dと同じ接合部面積とした例を示した。接合部面積をA<C=Dとすることによって、伸縮応力をA>C=Dの関係にしたものである。
【0041】
ところで、本発明における弾性フィルムは、第1の方向(おむつの幅方向)のみに伸張可能なものでもよいが、これと直交する第2の方向にも伸縮する2方向伸縮フィルムの使用でもよい。
【0042】
弾性フィルムの厚み、材料、ひずみ・応力特性、融点などの物性は適宜選択できる。この弾性フィルムと、これに与える超音波溶融エネルギーと、伸縮シートの製造時における弾性フィルムの伸長率との関係などを選択することにより、図8に示すように、結合部40の周囲に貫通孔31を形成することができる。第1シート層21及び第2シート層22として例えば不織布により形成した場合、不織布は通気性を示すので、貫通孔31の形成によって、伸縮シートの表裏に通気性を示す。しかし、その通気性は、特許第4562391号公報によるシートより低いものと思われる。
【0043】
通気貫通孔31が形成される理由は必ずしも明確ではないが、超音波溶融エネルギーによって弾性フィルム30が溶融し、かつ、アンビルロール60の突起部60aよる押圧によって結合部40は薄層化する。このとき弾性フィルム30も薄層化しながら、結合部40の周囲部が破断強度に達し、伸長弾性フィルム30に作用している伸縮応力によって破断が開始し、釣合い個所まで収縮し、開孔するものと考えられる。
【0044】
図10には円形の貫通孔の場合における貫通孔31の形成例を模式的に示した。結合部40のマシン方向(伸長方向)の両側にほぼ三日月状の貫通孔31が形成される。
【0045】
結合部は、伸縮シート製造のマシン方向(伸長方向)と直交する方向(クロス方向:CD方向)に長い形状とすることができる。この場合には、例えば図11に示すように、大きく開孔する半円形の貫通孔31を形成でき、通気性を高めたい場合に好適は手段である。
【0046】
他方、貫通孔31は全ての結合部に形成されることは必須ではない。もし、確実に貫通孔31を形成すること、あるいは大きく開孔することが要請される場合には、図12に示す手法を採ることができる。
すなわち、結合部40を形成した伸縮シートを、図12(b)に示すように、突条又は突起64aを有する一対のロール64間に通し、一方のロール64の隣接する突起64a, 突起64a間に他方のロール64の突起64aを食い込ませて、伸縮シートに変形力を加えて貫通孔31を形成することができる。
【0047】
(テープタイプ使い捨ておむつへの適用例)
上記のように形成された伸縮シートは、次のように、テープタイプ使い捨ておむつに使用されるテープ一般に適用される。すなわち、図13図15に示すように、テープタイプ使い捨ておむつTD1の後身頃の両側部に結合される伸縮テープTとして適用できる。
【0048】
図14に示すように、使い捨ておむつTD1として、長いテープTaによって前身頃を包むいわゆる「ふんどし」タイプのものでもよい。
【0049】
図15に示すように、いわゆる「ストレートタイプ」のものでもよい。図示の例では、伸縮シート1の両外側に、糸ゴムなどの細長状弾性伸縮部材4Gによる立体ギャザーG,Gを形成してある。これらの立体ギャザーG,Gは両側縁より内側に形成してあり、外装シートの形状保持性を損なうものではない。
【0050】
本発明のテープタイプ使い捨ておむつの製造例を図16によって説明する。
すなわち、紙おむつ本体の後身頃の両側部に、伸縮可能な伸縮テープを設ける。
伸縮テープ1の原シートとしての伸縮シートは、図5図7に示すように、伸縮性を有しない例えば不織布からなる第1シート層21と、伸縮性を有しない例えば不織布からなる第2シート層22との間に、少なくとも幅方向に伸縮可能な弾性フィルム30を伸長状態で介在させる供給工程と、
この供給工程において、前記第1シート層21と前記第2シート層22との間に前記弾性フィルム30がその伸長状態で介在した状態で、前記第1シート層21及び前記第2シート層22の外方から、熱溶融装置によって間隔を空けた多数の熱溶融部により前記弾性フィルム30に熱溶融エネルギーを与え、前記弾性フィルムを溶融し、前記第1シート層21及び前記第2シート層22を、直接又は弾性フィルム30を介して多数の接合部40により、この接合部40において第1シート層21及び前記第2シート層22が残存した状態で、接合する接合工程と、
を含んで、伸縮シートを製造する。
【0051】
そして、例えばライン方向に沿って流れている第1の領域Aと第2の領域Bとが交互に形成される連続シートに対し、その流れの過程でメカニカルファスナーの雄材fuをホットメルト接着剤などにより第2の領域Bに対して結合する。
その後、連続シートを第2の領域B内で切断し、伸縮テープ1として個別化する。
【0052】
個別化された伸縮テープ1は、ライン方向から90度回転し、公知のバキューム手段(図示せず)などによりチャックし、ライン方向に沿って流れている他の素材に(例えば不透液性バックシート10と外装シート11の間に)、物品の幅方向に沿って位置決めし、ホットメルト接着剤や熱溶融手段などにより結合する結合工程を含む。
【0053】
前述のように、伸縮シート1は、図17図19に示すように、伸縮テープ1のうち、幅方向中央領域の第1の領域Aと第2の領域Bとで伸縮率を異ならせることができる。この場合、バキューム手段により伸縮テープ1の両端部をチャックすることができる。
【0054】
本発明のテープタイプ使い捨ておむつにおける吸収体としては、綿状パルプを主体とする吸収体、あるいは綿状パルプ層に高分子吸収性ポリマーを含有させた吸収体を使用することができる。
後にさらに詳説する吸収体も含めて、使用する吸収体としては、公知のもの、例えばパルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本要素とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。この吸収体は、形状及びポリマー保持等のため、必要に応じてクレープ紙等の、液透過性及び液保持性を有する包装シートによって包装することができる。
吸収体の形状は、股間部に前後両側よりも幅の狭い括れ部分を有するほぼ砂時計状に形成することができるほか、長方形状等、適宜の形状とすることができる。
【0055】
<テープタイプ使い捨ておむつの具体例>
図19図22は、テープタイプ使い捨ておむつの一例を示しており、この使い捨ておむつは、背面側の不透液性バックシート10の内面と、透液性トップシート2との間に、吸収体3が介在されているものである。
【0056】
布製おむつ外面のような外観、肌触りとするために、ポリエチレンなどのシートからなる不透液性バックシート10の裏面側には、不織布などからなる裏面シート11が設けられおり、両シート10、11の外周縁はおむつの外周縁まで及んでいる。裏面シート11の不織布としてはスパンボンド不織布が好適である。
【0057】
(トップシート)
トップシート2としては、有孔又は無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維のほか、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布の加工方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができる。透液性トップシート2に用いる不織布の繊維目付けは15〜30g/m2であるのが好ましく、厚みは0.05〜1mmであるのが好ましい。
【0058】
トップシート2は、吸収体3の周囲より外側に延在しており、吸収体3側縁より外側に延在する部分が不透液性バックシート10に例えばホットメルト接着剤等により固着されている。なお、図中の点模様は固着部分を表しているものである。
【0059】
(脚周り立体ギャザー)
必要により、脚周り立体ギャザーを設けることができ、その形態例を図示してある。脚周り立体ギャザーシートは、各種不織布(スパンボンド不織布が好適である)のほか、バックシートに用いられるものと同様のプラスチックフィルム、又はこれらの伸縮シートを用いることができるが、肌への感触性の点で、撥水処理を施した不織布が好適である。脚周り立体ギャザーシートの幅方向中央側の突出部分は、前後方向両端部では倒伏状態で物品内面(図示形態ではトップシート2表面)にホットメルト接着剤等の手段により固着され、倒伏部分とされているが、これらの間の前後方向中間部は非固定の自由部分となっており、この自由部分の先端部等(展開状態における幅方向中央側の端部)には、糸ゴムなどの細長状弾性伸縮部材4Gが前後方向に沿って伸張した状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性伸縮部材4Gは図示例では所定の間隔を空けて複数本設けられているが、一本でも良い。この自由部分は、細長状弾性伸縮部材4Gの収縮力が作用する結果、図22に示されるように、おむつの使用面(図示形態ではトップシート2表面)に対して起立する脚周り立体ギャザーGを構成する。
【0060】
(ファスニングテープ)
背側部分Baのサイドフラップ部には、その側縁からそれぞれ突出する伸縮テープ1A(ファスニングテープT)が取り付けられるとともに、腹側部分Fの胴回り部表面に幅方向に沿ってフロントターゲットテープ6が貼着されており、身体への装着に際しては、おむつを身体にあてがった状態で、両側の伸縮テープ1Aを腰の各側から腹側外面に回してフロントターゲットテープ6に雄材(フック材)fuを介して止着する。フロントターゲットテープ6は省略することもでき、その場合にはファスニングテープTはおむつ外面の不織布に直に掛止止着させる。1aは切れ目である。
【0061】
本発明に係る伸縮テープ例1Aの一つは、図17にも示すように、伸縮テープの基端部より外方の領域は、おむつの前後方向中間に形成された、外方縁から切り込まれるミシン目などの切れ目1aにより分割可能である形態である。
この形態は、大人向けおむつの場合に特に有効であり、分割された一方と他方とを別の部位に止着可能であるために、着用者の動きによっても、安定しておむつを保持できる。
【0062】
図18に示す他の例としての伸縮テープ1Bは、基端側に第2の領域Bが、先端側に第1の領域Aが形成され、前記第1の領域Aの先端部に、1b線に沿って人手により破断して分離する又は既に分離している複数のメカニカルファスナーの雄材fu,fuが結合され、この雄材fu,fuが前身頃にメカニカルに連結される構成が提案される。
メカニカルファスナーの雄材が複数に分離することで、第1の領域Aが先端部においても伸縮する。
【0063】
第1シート層21及び第2シート層22の構成材は、シート状のものであれば特に限定なく使用できるが、通気性及び柔軟性の観点から不織布を用いることが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その目付けは10〜25g/m2程度とするのが好ましい。
【0064】
ところで、個々の接合部40及び貫通孔31の自然長状態での形状は、真円形、楕円形、長方形等の多角形(線状や角丸のものを含む)、星形、雲形等、任意の形状とすることができる。個々の接合部40の大きさは、適宜定めれば良いが、大きすぎると接合部40の硬さが感触に及ぼす影響が大きくなり、小さすぎると接合面積が少なく資材同士が十分に接着できなくなるため、通常の場合、個々の接合部40の面積は0.14〜3.5mm2程度とすることが好ましい。個々の貫通孔31の開口面積は、貫通孔31を介して接合部が形成されるため接合部以上であれば良いが、接合部の面積の1〜1.5倍程度とすることが好ましい。
【0065】
また、本発明の接合部としては、主伸縮部から非伸縮領域に直接移行するものでもよいが、その中間の遷移伸縮部を形成することもできる。
各領域における個々の接合部40の面積及び面積率は、通常の場合次のようにするのが好ましい。
(非伸縮領域)
接合部40の面積:0.14〜3.5mm2(特に0.25〜1.0mm2
接合部40の面積率:16〜45%(特に25〜45%)
(主伸縮シート1)
接合部40の面積:0.14〜3.5mm2(特に0.14〜1.0mm2
接合部40の面積率:1.8〜19.1%(特に1.8〜10.6%)
(遷移伸縮部)
接合部40の面積:0.14〜3.5mm2(特に0.25〜1.0mm2
接合部40の面積率:8〜22.5%(特に12.5〜22.5%)
【0066】
接合部40及び貫通孔31の平面配列は適宜定めることができるが、規則的に繰り返される平面配列が好ましく、図23(a)に示すような斜方格子状や、図23(b)に示すような六角格子状(これらは千鳥状ともいわれる)、図23(c)に示すような正方格子状、図23(d)に示すような矩形格子状、図23(e)に示すような平行体格子(図示のように、多数の平行な斜め方向の列の群が互いに交差するように2群設けられる形態)状等(これらが伸縮方向に対して90度未満の角度で傾斜したものを含む)のように規則的に繰り返されるもののほか、接合部40の群(群単位の配列は規則的でも不規則でも良く、模様や文字状等でも良い)が規則的に繰り返されるものとすることもできる。接合部40及び貫通孔31の配列形態は、主伸縮シート1、遷移伸縮部、及び非伸縮領域において同じものとするほか、異なるものとすることもできる。
【0067】
弾性フィルム30は特に限定されるものではなく、それ自体弾性を有する樹脂フィルムであれば特に限定なく用いることができ、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー及びポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーの1種又は2種以上のブレンド物を、Tダイ法やインフレーション法などの押出成形によりフィルム状に加工したものを用いることができる。また、弾性フィルム30としては、無孔のもののほか、通気のために多数の孔やスリットが形成されたものも用いることができる。特に、伸縮方向における引張強度が8〜25N/35mm、伸縮方向と直交する方向における引張強度が5〜20N/35mm、伸縮方向における引張伸度が450〜1050%、及び伸縮方向と直交する方向における引張伸度が450〜1400%の弾性フィルム30であると好ましい。なお、引張強度及び引張伸度(破断伸び)は、引張試験機(例えばSHIMADZU社製のAOUTGRAPHAGS−G100N)を用い、試験片を幅35mm×長さ80mmの長方形状とした以外は、JIS K7127:1999「プラスチック−引張特性の試験方法−」に準じて、初期チャック間隔を50mmとし、引張速度を300mm/minとして測定される値を意味する。弾性フィルム30の厚みは特に限定されないが、20〜40μm程度であるのが好ましい。また、弾性フィルム30の目付は特に限定されないが、30〜45g/m2程度であるのが好ましく、特に30〜35g/m2程度であるのが好ましい。
【0068】
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載がない限り、以下の意味を有するものである。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:10gf/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・試験や測定における環境条件についての記載がない場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内で行うものとする。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、伸縮テープを備えるテープタイプ使い捨ておむつ全般に利用できるものである。
【符号の説明】
【0070】
A…第1の領域、B…第2の領域、C〜D…領域、Ba…後身頃、Fr…前身頃、T,Ta…テープ、TD…テープタイプ使い捨ておむつ、1、1A、1B…伸縮シート、2…トップシート、3…吸収体、10…バックシート、11…外装シート、21…第1シート層、22…第2シート層、30…弾性フィルム、31…貫通孔、40…接合部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23