(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【0011】
図1に示す情報処理装置は、電子マネーをユーザ毎に管理するサーバであり、ユーザが店舗で電子マネー決済を行う場合に、決済額に応じた金額を店舗に支払う決済処理を行う。すなわち、情報処理装置は、各ユーザのインターネット上のお財布としての機能を担う。
【0012】
また、電子マネーを用いた決済に対して、ポイント等の特典がユーザへ還元されるのが一般的である。また、特典は、特定の店舗(以下、加盟店と記載する)で使用可能である。
【0013】
情報処理装置は、この特典を管理するとともに、特典を運用することで、ユーザの資産運用を促す。具体的には、まず、情報処理装置は、特典を用いて投資商品を購入する購入処理を行う(ステップS1)。
【0014】
例えば、情報処理装置は、証券会社へユーザ毎に口座を開設しておき、かかる口座を介して投資商品を購入することができる。また、ここで、投資商品とは、元本保証されていない投資商品であり、株券や投資信託などがある。
【0015】
そして、情報処理装置は、ユーザに対して、定期的にユーザが保有する特典としての資産を通知する(ステップS2)。すなわち、株価や投資信託の価値が上がった場合、特典としての資産価値が高くなり、株価や投資信託の価値が下がった場合、特典としての資産価値が低くなる。
【0016】
また、情報処理装置は、ユーザが保有する株券や投資信託の配当を資産に含めて、ユーザへ通知することも可能である。このように、情報処理装置は、資産を通知することで、ユーザに対して資産が増えていることを実感させることが可能となる。
【0017】
そして、ユーザが、加盟店で商品を購入すると(ステップS3)、店舗端末から情報処理装置へ決済要求が通知される(ステップS4)。情報処理装置は、かかる決済要求を受けて投資商品の売却処理を行う(ステップS5)。
【0018】
これにより、投資商品を電子マネーへ交換することができる。このとき、ユーザによる投資商品の売却手続きは不要である。すなわち、情報処理装置側で、決済額に応じて自動的に投資商品を売却する。これにより、ユーザの特典に対する流動性を確保することができる。そして、情報処理装置は、投資商品を売却して得た電子マネーを店舗端末の口座へ振り込む決済処理を行う(ステップS6)。
【0019】
このように、情報処理装置は、特典を投資商品に換えて運用することで、ユーザが容易に資産運用を行うことができるので、ユーザに対して資産運用を促すことが可能となる。なお、情報処理装置は、電子マネーを運用することも可能であるが、かかる点については、後述する。
【0020】
〔2.情報処理システム〕
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム100は、情報処理装置1と、複数の端末装置2−1〜2−n(nは2以上の整数)と、複数の店舗端末3−1〜3−m(mは2以上の整数)と、銀行サーバ4と、投資先サーバ5とを備える。銀行サーバ4は、ユーザU−1〜U―nがそれぞれ保有する電子マネーを運用するための運用口座を提供する銀行のサーバである。運用口座とは、普通預金、定期預金、仕組預金等、各金融機関が提供する預金商品を示す。また、投資先サーバ5は、各種金融商品を提供するサーバである。
【0021】
これら情報処理装置1、複数の端末装置2−1〜2−n、複数の店舗端末3−1〜3−m、銀行サーバ4および投資先サーバ5と、ネットワーク6を介して有線または無線により互いに通信可能に接続される。ネットワーク6は、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。端末装置2−1〜2―nは、ユーザU−1〜U―nによって操作される。
【0022】
以下においては、端末装置2−1〜2−nの各々を区別せずに示す場合、端末装置2と記載する。また、店舗端末3−1〜3−mの各々を区別せずに示す場合、店舗端末3と記載し、ユーザU−1〜U−nの各々を区別せずに示す場合、ユーザUと記載する。
【0023】
端末装置2は、ユーザUの端末装置であり、スマートフォン、タブレット型端末、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータなどのスマートデバイス(通信端末)である。端末装置2は、情報処理装置1の運営者が提供するアプリケーション、ブラウザなどの各種のアプリケーションが実行可能である。端末装置2は、ネットワーク6を介して情報処理装置1へアクセスし、電子マネーに入金を行うことができる。また、ユーザUは、端末装置2を用いて電子マネー決済や、運用口座の預金残高の払い戻しを行うことができる。
【0024】
また、ユーザUは、ネットワーク6を介して使用可能なプリペイドカードなどの前払い式証票を購入することで、電子マネーの残高を増やすことも可能である。なお、前払い式証票に上乗せされた差額は、特典として扱われることとなる。特典は、いわゆるポイントとして付与される。
【0025】
その他の特典として、加盟店でユーザUが行った購買行動に基づいて付与されるポイントが挙げられる。ここでのポイントは、クレジットカードを用いて決済を行った場合に、クレジットカード会社から付与されるポイントや、商品の購入そのものに対して付与されたポイント等を含む。
【0026】
なお、ユーザUの購買行動に基づくポイントは、購買行動に対してユーザUに還元されるものであり、前払い式証票におけるポイントは、ユーザUが前払い式証票を購入することで、差額分が上記のポイントとして付与されることとなる。
【0027】
店舗端末3は、電子マネー決済が可能な店舗、すなわち加盟店に設置された端末である。店舗端末3は、ユーザUが商品を購入した場合に、ネットワーク6を介して情報処理装置1へアクセスすることで、オンライン決済を行うことができる。
【0028】
銀行サーバ4は、いわゆるネット銀行のサーバであり、各運用口座に入金された資金を集約して投資を行うことで、利益を得ることができる。その利益の一部が、各運用口座の残高や運用期間に応じて利息として各ユーザUの運用口座へ分配される。銀行サーバ4は、情報処理装置1が運用する各サービスで集約されたビッグデータを人工知能(AI)に学習させて、投資先を決定することで、比較的、高い利回りを実現することができる。
【0029】
なお、銀行サーバ4は、運用口座に預けられた金銭に対して元本保証を行ういわゆる預金保険制度を適用する。そのため、運用口座は、元本保証された資産の金融商品とも言える。
【0030】
投資先サーバ5は、各種金融商品を提供するサーバである。投資先サーバ5は、情報処理装置1が管理するユーザUの電子マネーおよび特典に対する各種金融商品を提供する。投資先サーバ5が提供する金融商品として、国債、投資信託、証券、外貨取引、外貨預金等が挙げられる。なお、投資先サーバ5は、1つの証券会社によって運営されものであってもよく、金融商品に応じて異なる会社が運営するものであってもよい。
【0031】
〔3.情報処理装置〕
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、情報処理装置1は、通信部10と、記憶部11と、制御部12(コントローラ)とを備える。以下、通信部10、記憶部11および制御部12を具体的に説明する。
【0032】
〔3.1.通信部〕
通信部10は、ネットワーク6との間で情報の送受信を行う通信インターフェイスである。制御部12は、通信部10およびネットワーク6を介して各々との間で各種の情報を送受信することができる。
【0033】
〔3.2.記憶部〕
記憶部11は、ユーザ情報DB20と、資産情報DB21とを有する。記憶部11は、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、HDD、光ディスク等の記憶装置である。
【0034】
〔3.2.1.ユーザ情報DB〕
ユーザ情報DB20は、ユーザUの情報であるユーザ情報を複数含むユーザ情報テーブルを有する。ユーザUは、情報処理装置1の運営および管理を行う事業者が提供するサービスのユーザである。かかる事業者が提供するサービスは、ユーザUに対してオンラインでサービスを提供するオンラインサービスであり、例えば、電子商取引サイトで提供される電子商取引サービス、オークションサイトで提供されるオークションサービス、動画配信サイトで提供される動画配信サービス、ニュースサイトで提供されるニュース配信サービスなどが含まれる。
【0035】
図4は、実施形態に係るユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
図4に示すユーザ情報テーブル41は、「ユーザID」、「氏名」、「住所」、「性別」、「年齢」、「運用口座」等の各種個人情報が互いに関連付けられた情報である。
【0036】
「ユーザID」は、ユーザUの識別情報である。かかるユーザIDは、上述したオンラインサービスに対するユーザUのアカウントである。なお、ユーザIDは、ユーザUを識別する情報であればよく、ユーザUが使用する端末装置2の識別情報をユーザIDとしてもよい。例えば、ユーザIDは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)クッキーで特定される識別情報であってもよい。
【0037】
「氏名」は、ユーザUの氏名を示し、「住所」、ユーザUの住所を示す。また、「性別」は、ユーザUの性別を示し、「年齢」は、ユーザUの年齢を示す。これらの情報に基づき、上記の運用口座が開設される。また、「運用口座ID」は、運用口座の識別情報である。
【0038】
また、個人情報が登録されていないユーザUについては、ユーザIDのみが付与されることとなる。
【0039】
〔3.2.2.資産情報DB〕
資産情報DB21は、ユーザU毎の資産に関する情報である資産情報を複数含む資産情報テーブルを有する。ここでの資産とは、情報処理装置1の運営および管理を行う事業者が提供するサービス側で管理するユーザUの資産を指す。
【0040】
図5は、実施形態に係る資産情報テーブルの一例を示す図である。
図5に示す資産情報テーブル42は、ユーザが保有する資産の種別ごとの入出金履歴に関する情報であり、「日時」、「マネー種別」、「運用先」、「総資産」が互いに関連付けられた情報である。
【0041】
「日時」は、ユーザUの資産に変動があった日時を示し、「マネー種別」は、ユーザUが保有する電子マネーの種別を示し、「電子マネー」と「特典」とに大別される。
【0042】
「電子マネー」は、ユーザUの運用口座の残高に対応する。特典は、ユーザUの購買行動に基づいて付与されるポイント残高や、ユーザUが購入したプリペイドカードなどの前払い式証票に上乗せされた差額に対応する。なお、ユーザUは、電子マネーおよび特典の双方を用いて電子マネー決済を行うことが可能である。また、電子マネー1円と、特典1ポイントとは、同一の価値を持つものとする。
【0043】
「運用先」は、ユーザUが、電子マネーや特典を資金として購入した投資先を示す。
図5に示す例では、「運用先」として、「国債」、「投資信託」、「FX」などが含まれる場合を示す。「総資産」は、ユーザUが保有する全ての資産の総額を示す。
【0044】
図5に示す例では、「2018 3/16」に3000円分の電子マネー決済が行われ、「2018 3/17」に、電子マネーに投資信託の運用益が「+125円」加算されるとともに、特典に投資信託運用益が「12ポイント」加算されたことを示す。
【0045】
〔3.3.制御部〕
制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。
【0046】
図3に示すように、制御部12は、管理部30と、振分部31と、運用部32と、決済処理部33とを備える。管理部30、振分部31、運用部32および決済処理部33の機能は、例えば、制御部12のCPUが制御部12のRAM、ROM、または記憶部11に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0047】
なお、管理部30、振分部31、運用部32および決済処理部33は、それぞれ一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
【0048】
制御部12は、ユーザUが店舗で電子マネー決済を行う場合に、決済額に応じた金額を店舗に支払う決済処理を行うとともに、ユーザUから電子マネーへ入金された資産の各種運用を仲介する。制御部12は、ユーザUが電子マネー決済で得た特典を運用に回すことも可能である。
【0049】
〔3.3.1.管理部〕
管理部30は、加盟店での支払い時に使用可能な特典をユーザU毎に管理する。管理部30は、ユーザU毎の加盟店での購買行動の履歴を管理しており、かかる購買行動に応じて特典としてポイントを付与する。
【0050】
また、管理部30は、上述のように、ユーザUが前払い式証票を購入した場合、前払式証票の差額分をポイントとしてユーザUへ付与することも可能である。すなわち、ユーザUは、加盟店での購買行動および前払い式証票の購入の双方を通じて特典を得ることが可能である。
【0051】
また、管理部30は、電子マネーに対する入金を管理することもできる。例えば、管理部30は、ユーザUの銀行口座から現金がチャージされる口座チャージや、ユーザUがコンビニなどの店舗で現金を支払う店舗チャージなどで電子マネーへの入金を受け付けることができる。
【0052】
また、管理部30は、例えば、情報処理装置1が運営するサービス(ネットオークションやネットフリーマーケットなど)において、ユーザUが得た収益を電子マネーへの入金として受け付けることも可能である。
【0053】
〔3.3.2.振分部〕
振分部31は、ユーザUが保有する資産の種別に応じて運用先を振り分ける。
図6は、振分部31による処理の具体例を示す図である。
図6は、振分部31による処理の具体例を示す図である。なお、ここでは、ユーザUが、現金5000円をそのまま電子マネーへ入金した場合と、5000円分の前払い式証票を購入した場合とでそれぞれ200ポイント分の特典が付与される場合について説明する。なお、特典は、上述のように、ユーザUが加盟店で買物を行った場合にも付与される。
【0054】
図6に示すように、ユーザUが5000円を電子マネーに入金した場合、電子マネーが5000円分増えることとなる。この場合、振分部31は、電子マネー5000円の運用先として運用口座へ振分け、電子マネー5000円に対する200ポイント分の特典については、運用先として投資商品へ振分ける。上記のように、投資商品は、元本保証されていない投資商品であり、元本保証された国債や社債等は除かれる。なお、投資商品の運用益、売却益は、特典と同様に扱われるが、運用口座へ入金することも可能である。
【0055】
同様に、振分部31は、ユーザUが5000円分の前払い式証票を購入した場合、5000円に対する運用先を上記の電子マネー5000円と同様に運用口座に振り分けるとともに、電子マネーへの入金に際し、特典として付与された200ポイントについては、運用先を投資商品へ振分ける。
【0056】
運用口座においては、預金残高および運用期間に応じて利息を得ることが可能である。さらに、振分部31は、ユーザUの運用口座の預金残高の運用先として、各種金融商品を振り分けることもできる。この場合、ユーザUは、運用口座の預金残高を用いて、投資商品を含む全ての金融商品を購入することが可能である。すなわち、振分部31は、運用口座の残高の運用先については、特に規定しない。
【0057】
また、各種金融商品の購入に応じてユーザUに分配される運用益や、各種金融商品の売却益は、運用口座に入金される。なお、振分部31は、電子マネーの運用先として、運用口座を介さずに、国債や社債、投資信託へ直接振分けることも可能である。しかし、この場合、一日当たりの取引額に上限が設けられており、ユーザUは、上限を超えて取引を行うことができない。これに対して、運用口座を仲介することで、上記の取引額の上限を撤廃することができる。
【0058】
すなわち、ユーザUは、運用口座を介して各種金融商品を購入することで、一日当たりに取引可能な取引額を引き上げることが可能となる。したがって、電子マネーの運用先を一旦、運用口座へ振分けることで、自動的に利息が得られるのみならず、各種金融商品を電子マネーに設けられた取引額の上限を超えて購入することが可能となる。
【0059】
このように、振分部31が、マネーの種別に応じて、運用先を振り分けることで、ネットワーク6上で使用可能な全ての通貨をユーザUの資産運用に回すことが可能となる。また、ユーザUは、マネー種別に応じて、それぞれ異なる投資商品を購入することで、リスクヘッジを行うことが可能となる。
【0060】
このように、振分部31が、マネーの種別に応じて、運用先を振り分けることで、ネットワーク6上で使用可能な全ての通貨をユーザUの資産運用に回すことが可能となる。また、ユーザUは、マネー種別に応じて、それぞれ異なる投資商品を購入することで、リスクヘッジを行うことが可能となる。
【0061】
なお、振分部31は、運用口座が開設されていないユーザUについては、前払い式証票のすべてを特典として扱うことにしてもよい。また、振分部31は、特典の運用先とのバランスを考慮して、電子マネーについては、元本保証された金融商品のみを購入可能なように、運用先を振分けることにしてもよい。
【0062】
〔3.3.3.運用部〕
運用部32は、管理部30によって管理される特典を投資商品に換えて運用する。また、運用部32は、電子マネーを上記の運用口座を介して各種金融商品に換えて運用することも可能である。また、運用部32は、上述の振分部31によってマネーの種別に応じて振り分けられた運用先の投資商品を購入することとなる。
【0063】
ところで、一般的に特典には、有効期間が設けられる。このため、仮に、特典を運用に回している期間に有効期限が切れる場合も想定される。このため、運用部32は、特典を投資商品に換えている期間については、その期間の分だけ有効期間を延長させることも可能である。
【0064】
これにより、ユーザUは、特典の有効期限を気にせず、特典を運用に回すことが可能となる。また、運用部32は、投資商品を特典へ再び換えた場合に、有効期限をリセットすることもできる。
【0065】
これにより、ユーザUに対して、特に有効期限が迫った特典について運用を促すことが可能となる。また、運用部32は、特典に基づく投資商品の運用益や売却益を特典としてユーザUへ還元する。これにより、ユーザUに対して加盟店における買物を促進することが可能となる。
【0066】
なお、運用部32は、特典に基づく運用益や売却益をユーザUの運用口座へ入金することも可能である。この場合、かかる運用益や売却益を現金としてユーザUへ払い戻しを行うことも可能である。
【0067】
〔3.3.4.決済処理部〕
決済処理部33は、加盟店での支払い時に、支払額に応じて投資商品を売却して得た電子マネーを用いて決済処理を行う。決済処理部33は、ユーザUが加盟店で支払を行った場合、加盟店に設置された店舗端末3(
図2参照)から決済要求を受け付ける。続いて、決済処理部33は、ユーザUが保有する特典の残高を確認する。
【0068】
このとき、決済処理部33は、支払金額に対して特典の残高が足りる場合、かかる特典を加盟店の口座に振り込むことで、決済処理を行う。また、決済処理部33は、特典の残高が不足している場合、運用部32を介して特典に基づく投資商品の売却処理を行う。なお、この際、どの投資商品を売却するかについては、ユーザUが指定することも可能である。
【0069】
そして、決済処理部33は、投資商品を売却して得た電子マネーを用いて上記の決済処理を行うことが可能となる。このように、決済処理部33は、投資商品を売却して決済を行うことで、ユーザUの資産の流動性を確保することが可能となる。また、決済処理部33が、ユーザUに代わって投資商品の売却手続きを行うため、ユーザUによる操作を簡略化することができる。
【0070】
なお、この際、決済処理部33は、特典の残高と電子マネーの残高とを組み合わせて決済処理を行うことも可能である。すなわち、決済処理部33は、決済額の一部に特典を用い、残りの決済額に電子マネーを充てて決済処理を行うことができる。
【0071】
また、決済処理部33は、投資商品を用いてそのまま決済処理を行うことも可能である。すなわち、投資商品をユーザUから加盟店へ譲渡することで決済処理を行うことも可能である。この場合、投資商品を売却する処理を省略することができるため、決済処理を容易に行うことができる。
【0072】
また、決済処理部33は、ユーザUが保有する電子マネー決済を行うことも可能である。この場合、決済処理部33は、ユーザUの電子マネーによる支払い時に運用部32を介して運用口座から必要額を電子マネーへ引き出して決済処理を行う。
【0073】
また、この場合に、決済処理部33は、ユーザUが運用口座を介して購入した金融商品を適宜、売約したのちに、金融商品の対価を用いて電子マネー決済を行うことも可能である。
【0074】
このように、ユーザUは、情報処理装置1が管理するユーザUの全ての資産を用いて決済を行うことが可能である。これにより、ユーザUに対して、電子マネーの利用を促進するとともに、加盟店での購買行動を促進することが可能となる。
【0075】
次に、
図7A〜
図7Dを用いて、ユーザUに対して資産を通知してからユーザUが特典で投資商品を購入するまでの一例の処理について説明する。
図7Aは、通知画面の一例を示す図である。
【0076】
図7Aに示すように、端末装置2には、ロック画面において、ユーザUの資産の増減が通知される。
図7Aに示す例では、端末装置2に予めインストールされたアプリケーションがメッセージを通知するいわゆるアプリ通知である場合を示す。
【0077】
これにより、ユーザUは、資産価値の変動を容易に確認することが可能となる。また、メッセージには、前日比の資産変動分が通知される。したがって、ユーザUは、自身の資産の増減額を容易に把握することが可能となる。
【0078】
なお、アプリ通知に限らず、ユーザUがアプリや情報処理装置1が提供するウェブページを開いた場合に、資産の変動分を通知するなど、その他の通知手法を用いて通知することにしてもよい。
【0079】
また、ユーザUが端末装置2を操作し、アプリを開くと
図7Bに示すよう資産の内訳が表示される。なお、
図7Bは、資産の内訳を示す画面の一例を示す図である。
図7Bに示すように、アプリケーションを開くと、ユーザUの「マネー総額」と、「総資産」および「総資産の内訳」が表示される。
【0080】
「マネー総額」は、ユーザUが保有する電子マネーの総額であり、運用口座の残高を示す。「総資産」は、マネー総額に加え、金融商品を含めた情報処理装置1が管理するユーザUの資産の総額を示す。また、「総資産」には、上記の総額に加え、特典の総額が表示される。
【0081】
「総資産の内訳」は、総資産の内訳を示す。
図7Bに示す例では、YYファンド(証券会社)、株およびマネーが内訳として表示される場合を示す。また、各内訳には、前日比の増減額が表示される。これにより、ユーザUは、どの金融商品において、総資産が増減したかを容易に把握することができる。
【0082】
ユーザUは、金融商品毎の前日比の増減額に基づき、金融商品の購入または売却を容易に検討することが可能となる。また、ユーザUは、
図7Bに示す「その他の商品を見る」を選択すると、端末装置2には、金融商品の選択画面が表示される。
【0083】
図7Cは、金融商品の選択画面の一例を示す図である。
図7Cに示すように、選択画面においては、電子マネーまたは特典で、購入可能な金融商品が一覧表示される。また、
図7Cに示すように、各金融商品には、相対的なリスクが表示される。
【0084】
図7Cに示す例では、MMF(Money Management Fund)のリスクが低であり、YYファンド(証券会社)のリスクが中であり、FXのリスクが大であることを示す。このように、ユーザUに対して、予め相対的なリスクを提示しておくことで、ユーザUが金融商品毎のリスクを容易に把握することが可能となる。
【0085】
これにより、ユーザUは、かかるリスクに基づき、購入する金融商品を選択することが可能となるので、自身の価値観にあった金融商品を容易に選択することが可能となる。
【0086】
図7Dは、購入画面の一例を示す図である。
図7Dでは、
図7Cに示した金融商品のうち、ユーザUが「YYファンド」を選択した場合を示す。
図7Dにおいて、購入画面においては、価格の変動を示すチャートとともに、ユーザUが、購入金額を指定する購入金額欄および、お支払方法等が表示される。
【0087】
購入画面において、チャートを提示することで、ユーザUに対して金融商品の価値の変動を容易に把握させることが可能となる。また、
図7Dに示すように、お支払方法として、特典が選択されている場合、特典の残高をあわせて表示する。
【0088】
すなわち、かかる特典の残高が、ユーザUが特典を用いて金融商品を購入可能な金額の上限となる。なお、その他のお支払い方法としては、電子マネーを用いた決済や、クレジットカード決済等がある。
【0089】
なお、「YYファンド」のように、元本保障されていない投資商品については、特典の残高と電子マネー残高をあわせて表示することにしてもよい。
【0090】
ユーザUは、購入金額およびお支払い方法を指定したのちに、
図7Dに示すスライドバーを操作することで、金融商品を購入することができる。運用部32は、かかる操作に基づき、指定された金融商品を指定された金額分だけ購入することとなる。
【0091】
このように、運用部32は、特典を用いて投資商品を購入することで、ユーザUに対して資産運用を促すことが可能となる。特に、特典は、購買行動に対するおまけとしてユーザUへ還元されることから、投資商品の購入に対するユーザUの心理的障壁を下げることが可能となる。このため、ユーザUが、資産運用を始めて行う際に有効となる。
【0092】
〔4.情報処理装置の処理手順〕
図8を用いて、情報処理装置1の処理手順について説明する。
図8は、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0093】
図8に示すように、情報処理装置1は、まず、特典を保有しているユーザUを選別し(ステップS101)、選別したユーザ毎に指定された額の投資商品を購入する(ステップS102)。
【0094】
続いて、情報処理装置1は、所定周期でユーザUに対して資産を通知する(ステップS103)。情報処理装置1は、ユーザUによる加盟店での支払いがあったか否かを判定する(ステップS104)。
【0095】
情報処理装置1は、ユーザUによる加盟店での支払いがあった場合(ステップS104,Yes)、決済額が特典の残高以上か否かを判定する(ステップS105)。情報処理装置1は、決済額が特典の残高以上である場合(ステップS105,Yes)、不足額に応じて投資商品を売却する(ステップS106)。
【0096】
続いて、情報処理装置1は、投資商品を売却して得た電子マネーを用いて決済処理を行って(ステップS107)、処理を終了する。また、ステップS105において、決済額が特典残高未満であった場合(ステップS105,No)、ステップS107の処理へ移行する。また、情報処理装置1は、加盟店での支払いがなかった場合(ステップS104,No)、処理を終了する。
【0097】
なお、ステップS101〜ステップS103の処理については、ステップS104以降の処理の有無によらず、繰り返し実行される。
【0098】
〔5.ハードウェア構成〕
上述した実施形態における情報処理装置1は、それぞれ例えば
図11に示すような構成のコンピュータ200がプログラムを実行することによって実現される。
【0099】
図11は、実施形態に係るプログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ200は、CPU201、RAM202、ROM203、HDD204、通信インターフェイス(I/F)205、入出力インターフェイス(I/F)206、およびメディアインターフェイス(I/F)207を備える。
【0100】
CPU201は、ROM203またはHDD204に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM203は、コンピュータ200の起動時にCPU201によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ200のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0101】
HDD204は、CPU201によって実行されるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス205は、通信部10に対応し、ネットワーク6を介して他の機器からデータを受信してCPU201へ送り、CPU201が生成したデータを、ネットワーク6を介して他の機器へ送信する。
【0102】
CPU201は、入出力インターフェイス206を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU201は、入出力インターフェイス206を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU201は、生成したデータを、入出力インターフェイス206を介して出力装置へ出力する。
【0103】
メディアインターフェイス207は、記録媒体208に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM202を介してCPU201に提供する。CPU201は、当該プログラムを、メディアインターフェイス207を介して記録媒体208からRAM202上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体208は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0104】
コンピュータ200のCPU201は、RAM202上にロードされたプログラムを実行することにより、上述した管理部30、振分部31、運用部32および決済処理部33の機能を実現することができる。また、かかる管理部30、振分部31、運用部32および決済処理部33は、それぞれ一部または全部がハードウェアのみで構成されてもよい。
【0105】
コンピュータ200のCPU201は、プログラムを、記録媒体208から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワーク6を介してこれらのプログラムを取得してもよい。なお、HDD204は、記憶部11に対応し、記憶部11と同様のデータを記憶する。また、HDD204に代えて、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、光ディスク等の記憶装置を用いてもよい。
【0106】
〔6.効果〕
情報処理装置1は、特定の店舗での支払い時に使用可能な特典をユーザ毎に管理する管理部30と、管理部30によって管理される特典を投資商品に換えて運用する運用部32を備える。したがって、ユーザUに対して資産運用を促すことができる。
【0107】
また、管理部30は、特定の店舗におけるユーザの購買行動に基づいて付与されるポイントを特典として管理する。したがって、ユーザUが購買行動に基づいて貯めたポイントを用いて資産運用を行うことが可能となる。
【0108】
また、管理部30は、前払式証票に上乗せされた差額を特典として管理する。したがって、ユーザが特典を任意に増やすことができるので、特典による資産運用を促すことができる。
【0109】
また、運用部32は、特典を元本保証されていない投資商品へ換える。したがって、特典を通して資産運用を行うことが可能となる。
【0110】
また、情報処理装置1は、特定の店舗での支払い時に、投資商品を売却して得た電子マネーを用いて決済処理を行う決済処理部33を備える。したがって、ユーザUの資産の流動性を確保しつつ、ユーザUの資産運用を容易にすることが可能となる。
【0111】
決済処理部33は、特定の店舗での支払い時に、投資商品を用いて決済処理を行う。したがって、決済処理を容易に行うことが可能となる。
【0112】
また、運用部32は、特典を投資商品として運用している期間について、当該特典に設けられた利用期間を延長する。したがって、ユーザUは、特典の有効期限を気にせず、特典を運用に回すことが可能となる。
【0113】
また、運用部32は、投資商品の運用期間に基づく資産をユーザUへ通知する。したがって、ユーザUに対して資産が増えていることを実感させることが可能となる。
【0114】
また、情報処理装置1は、ユーザが保有する資産の種別に応じて運用先を振り分ける振分部31を備える。したがって、ユーザUが保有する全ての資産を資産運用に回すことが可能となる。
【0115】
また、上述した情報処理装置1は、それぞれ複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0116】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【0117】
以上、上記実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者には明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【解決手段】情報処理装置1は、特定の店舗での支払において利用可能な特典をユーザ毎に管理する管理部30と、管理部30によって管理される特典を投資商品へ換えて運用する運用部32と、を備える。