【実施例1】
【0018】
実施例1の地覆拡幅構造は、車道用の地覆拡幅ユニットである。各地覆拡幅ユニットは、左右方向に連結されて一つの地覆拡幅構造を形成する。
【0019】
{構成}
【0020】
図1は、本発明の実施例1の地覆拡幅構造の斜視図(1)である。
図1は、平面(上面)、正面、右側面を表す図である。
図2は、本発明の実施例1の地覆拡幅構造の斜視図(2)である。
図2は、底面(下面)、背面、左側面を表す図である。
【0021】
本発明の実施例1の地覆拡幅構造は複数の地覆拡幅ユニット1aを左右に並べて構成される。地覆拡幅ユニット1aは、底側が開口部である逆U字型のフェースプレート2aと、フェースプレート2aの底側に配置しフェースプレート2aと組み合わせ、正面側から見て左右方向に延びる中空の縁石部10aを形成する縁石底面部32を縁端側に有するベースプレート3aとを有する。本実施例の地覆拡幅構造は、2以上の地覆拡幅ユニット1aを接続する長さを有する桁材としての溝形鋼のジョイント4を縁石底面部32の下面に接続してあり、ジョイント4によって隣接する地覆拡幅ユニットが互いに連結してある。
【0022】
本実施例の地覆拡幅構造の材質は全て鋼製である。フェースプレート2aとガードプレート7とロックプレート8とジョイント4は、ポリカーボネート等の樹脂製でもよい。
【0023】
地覆拡幅ユニット1aは、背面側を橋梁の両側端すなわち外部側に、正面側を道路側にして、縁石部10aの長手方向が道路の幅員方向と直交するように連続して並べて、コンクリート床版の端部の上にベースプレート3aを載置して、固定用アンカーボルトで固定して設置する。
【0024】
本実施例における地覆拡幅ユニット1aを取り付ける床版は、プレキャスト(PC)床版であるが、RC床版等の通常のコンクリート床版でも、厚みがあるコンクリート床版でもよいし、鋼床版でもよい。
【0025】
本実施例における車道用の地覆拡幅ユニット1aも、後述する実施例2における歩道用の地覆拡幅ユニット1bも、縁石部となる中空部分を背面側端部すなわち縁端側に有するものであり、橋梁上の設置に特に適している。縁石部は地覆部とも言われ、自動車や自転車の車輪等が外側に飛び出さないように、前面部側に隣接する車道あるいは歩道よりも一段高くなっている。
【0026】
フェースプレート2aは、逆U字型であり、上面部24と、上面部24の一端下方側に連設した前面部23aと、前面部23aと対面して上面部24の他端下方側に連設した背面部22とを有し、底側及び左右の側端側が開口部である。なお、本願において、前面部側を正面とし背面部側(縁端側)を背面として左右方向を特定する。前面部23aは正面視長方形、上面部24は上面視長方形、背面部22は背面視長方形である。
【0027】
フェースプレート2aは、鋼製で、曲げ加工により、下方(底側)を開口部とする直角なコの字型すなわち角形の逆U字型の形状に成形されている。すなわち、フェースプレート2aは、上面部24と、上端が上面部24の一端に連続しており上面部24に対し下方に直角な面となる前面部23aと、上端が上面部24の他端に連続しており前面部23aと対面し平行な面となる背面部22とを有する。
【0028】
フェースプレート2aは、本実施例では、フェースプレートの裏面側すなわち縁石部内部側の面にフェースプレート補強リブ21を垂設して設けている。
【0029】
フェースプレート2aの上面部24には、欄干や防護柵等の支柱を取り付ける支柱取付穴243が設けられている。上面部24の裏面中央には、支柱取付穴243を穿設した補強板を有する。
【0030】
フェースプレート2aの前面部23aは、下部に切り欠き部25を有する。本実施例では、切り欠き部25aは、複数あるアンカーバー35a全て(本実施例では5本)が切り欠きの中に含まれるよう、右端のアンカーバー35aよりも右側から開口し、左端のアンカーバー35aよりも左側まで開口している。前面部23aと前面側板36aとを接続するボルト9は、切り欠き部25aよりも上部でガードプレート7よりも下部に設けられている。
【0031】
前面部23aには、ボルト9の上方に右端から左端まで1本のガードプレート7が設けてある。
【0032】
図3は、本発明の実施例1における地覆拡幅ユニットの内部構造説明図である。
【0033】
ベースプレート3aは、フェースプレート2aの底側に配置した鋼製の平板であって、フェースプレート2aの背面部22から前面部23aより前方側に延伸したプレートである。
【0034】
ベースプレート3aは、フェースプレート2aと組み合わせ、フェースプレート2aの底部側の開口部を塞ぎ、正面側から見て左右方向に延びる直方体の中空筒状箱である縁石部10aを形成する。縁石部10aを形成する部分となる縁石底面部32は前面部23aまでである。ベースプレート3aは、縁石部10aの前面部23aよりも前方側に延伸した延伸部33を有する。縁石底面部32と延伸部33は、連続した一枚のプレートである。
【0035】
各ユニットのベースプレート3aは左右に連続して並べられ、その上に、各ユニットのフェースプレート2aをそれぞれのベースプレート3aの上に被せて固定してある。
【0036】
本実施例では、ベースプレート3aを床版に取り付けるためのボルト穴38が3つ穿設されている。ボルト穴38には金属系アンカーである固定用アンカーボルトを取り付けることができる。
【0037】
ベースプレート3aの上面側には、複数本の中実体の鋼製角材であるアンカーバー35aが前面部23aに対して直角に取り付けてある。ベースプレート3aは、下部に腹板6を取り付けてある。
【0038】
ベースプレート3aは、背面側板37aと前面側板36aとベースプレート補強リブ31aとを有する。
【0039】
背面側板37aは、ベースプレート3aの背面側端部上面に立設され、フェースプレート2aの背面部22内側面にボルト9で接続される。
【0040】
前面側板36aは、ベースプレート3aの上面に背面側板37aと平行に立設され、フェースプレート2aの前面部23aの裏側(内側面)にボルト9で接続される。
【0041】
前面側板36aの下部には複数の切欠きがあり、それぞれアンカーバー35aが直角に差し込まれて固定されている。本実施例では、アンカーバー35aは20mm程度の厚みがあるが、これに限定されない。前面側板36aの下部の切欠きは、アンカーバー35aが1本ずつ入る切欠きで、前板側板36aに5か所設けられている。
【0042】
ベースプレート補強リブ31aは、ベースプレート3aの上面に立設され、前面側板36aと背面側板37aとを連結する。ベースプレート補強リブ31aは、上端が上面部24の内側面付近に達する高さを有する。ベースプレート補強リブ31aは、複数平行に設けられている。ベースプレート補強リブ31aは、前面側板36aと背面側板37とは直角に接続される。ベースプレート補強リブ31aは、縁石部10aにおいて正面側や上面側からの衝撃に対する補強の役目を果たす。
【0043】
ベースプレート補強リブ31aは、本実施例では、四隅を切り取った長方形である。ベースプレート補強リブは、長方形の他、上辺が下辺より小さい台形形状であってもよい。台形形状とすることにより、軽量化を図れる。
【0044】
背面側板37aと前面側板36aとベースプレート補強リブ31aは、ベースプレート3aの上面側に溶接で取り付けられておりベースプレート3aの一部を構成する。
【0045】
ジョイント4は、2以上の地覆拡幅ユニット1aを接続する長さを有する桁材であり、本実施例では、溝形鋼である。桁材であるジョイント4は、詳細には、開口部を縁端側すなわち外方に向けて配置され上側フランジにボルト穴が穿設された溝形鋼であり、縁石底面部32には、かかるボルト穴に対応してジョイント4をボルトで接続するボルト穴が穿設されている。
【0046】
縁端側である張出部先端をコの字形の溝形鋼材であるジョイント4で連続化し、拡幅部分に荷重がかかった際に1ユニットからジョイント4を伝わり、ジョイント4が接続する全てのユニットに荷重が分散して伝わるため、床版全体で荷重を受け持つことになり、荷重が分散される。
【0047】
橋梁上をトラックが通過する等により活荷重が裁荷した場合、同様に多数のユニットで受けるため、たわみが少なくなり、アスファルトのひび割れが少なくなる。
【0048】
施工する際に、ユニット単位で取り付け設置し、コの字形鋼材であるジョイント4を地覆拡幅ユニット1aにボルトで取り付けるため、強制的に高さ等を隣接するユニットと合わせることができる。従来の地覆拡幅構造では、地覆拡幅ユニットをユニット単位で取り付け設置していて隣接するユニットとの調整が煩雑であったが、本実施例では、強制的に高さ等が合うため、調整が容易である。
【0049】
降雨時に、雨水が地覆拡幅構造に付着するが、形鋼のジョイント4が設けてあるため、形鋼が水切りし、耐久性が向上する。
【0050】
ジョイント4が、ベースプレートの下側にあるため、舗装するアスファルトのかぶりが薄くなり剥離しやすくなるなどの問題が生じない。
【0051】
本実施例では、ジョイント4は、長手方向の長さが3200mm、ウェブの高さが150mm、上側フランジ及び下側フランジの長さが75mmであるがこれに限られない。長手方向の長さはさらに長くてもよい。接合方法はボルト接合が好ましい。
【0052】
本実施例では、ジョイント4は、コの字形の溝形鋼であるが、コの字に限らず、強度と重量により、等辺山形鋼、不等辺山形鋼、不等辺不等厚山形鋼、溝形鋼、I形鋼、CT形鋼、H形鋼でもよい。また、樹脂製でもよい。
【0053】
既設橋が古く重量制約がある場合、形鋼のジョイント4に補強リブ等を追加し、サイズアップにより重量増加を防ぐことが好ましい。
【0054】
図4は、本発明の実施例1における地覆拡幅ユニットの平面図である。本実施例では、フェースプレート2aの左右方向の長さ(幅)は1190mmで、ガードプレートから背面部までの長さ(奥行き)は400mmで、縁石部10aの高さは、ベースプレート3a下面からの高さで350mmで、ベースプレート3aの長さ(奥行き)は1540mmで、延伸部33aの長さ(奥行き)は1140mmである。各サイズはこれに限定されない。本実施例では、ジョイント4はフェースプレート2aの左右方向の長さ(幅)の2倍以上であり、ジョイント4は最大4つの地覆拡幅ユニットを連結する。例えば、1つの地覆拡幅ユニットの途中に1つのジョイント4の右端があり、2つの地覆拡幅ユニットは全長に渡り同じジョイント4で支え、さらに左側の地覆拡幅ユニットの途中に同じジョイント4の左端があることが可能である。
【0055】
図5は、本発明の実施例1における地覆拡幅ユニットの右側面図である。
図6は、本発明の実施例1における地覆拡幅ユニットの左側面図である。また、
図7は、本発明の実施例1における地覆拡幅ユニットの正面図である。
図8は、本発明の実施例1における地覆拡幅ユニットの背面図である。
【0056】
フェースプレート2aの左右端には、直角なコの字型すなわち角形の逆U字型の形状のロックプレート8をフェースプレート2aの内側面に沿って嵌め込んであり、ロックプレート8は、フェースプレート2aの左右端部内壁の外側に突出している。ロックプレート8は隣り合う地覆拡幅ユニットのフェースプレートと共有であり、互いに連結する2つの地覆拡幅ユニットのフェースプレートそれぞれの内側面に沿って1つのロックプレート8を嵌め込んである。すなわち、両端の地覆拡幅ユニットを除く各地覆拡幅ユニットは、1ユニットにつき1つのロックプレートを有し、フェースプレートの右又は左の側端部に差し込むことにより、隣接する地覆拡幅ユニットとの接続に使用される。ロックプレート8はフェースプレート2aの上面部24とベースプレート3aの間の高さを保ち、がたつきを防止する。
【0057】
アンカーバー35aは、ベースプレート3aの延伸部33から縁石底面部32の方向に設けられた棒状のリブであって、縁石部10aの内部まで達する。本実施例では、アンカーバー35aは5本設けられているが、本数はこの限りでない。
【0058】
アンカーバー35aは、いずれも同じ長さの中実体の鋼製直方体の棒であり、ベースプレート3aに溶接されている。
【0059】
本実施例では、アンカーバー35aの高さが55mmで、前面側板36aと背面側板37aとベースプレート補強リブ31aの高さが204mmである。なお、アンカーバー35aの左右方向の長さ(幅)は55mmである。また、アンカーバー35aの長手方向の長さ(奥行き)は1180mmである。
【0060】
図9は、本発明の実施例1における地覆拡幅ユニットの底面図である。
【0061】
本実施例においては、ベースプレート3aの裏面側に腹板6が設けてある。
【0062】
腹板6は、基部折曲面部66と先部折曲面部67とを有するL字型であって、基部折曲面部66をベースプレート3aの裏面に固定し先部折曲面部67を下方に突出させてある。腹板6は、ベースプレート3aの裏側にボルト9で固定されている。腹板6は、基部折曲面部66と先部折曲面部67の内側面に当接して固定した腹板補強リブ61を有する。腹板補強リブ61は基部折曲面部66と先部折曲面部67に溶接して固定してある。腹板補強リブ61は、基部折曲面部66及び先部折曲面部67に垂直に設けられている。本実施例では、先部折曲面部67は延伸部33の下部に位置する。
【0063】
本実施例では、腹板補強リブ61は3枚であるがこれに限らない。ベースプレート補強リブ31及び腹板補強リブ61はいずれも強度を保つ役割を果たす。
【0064】
腹板6は、ベースプレート3aの裏面に固定し先部折曲面部67を床版側面に接触した状態で取り付ける。腹板6のボルト穴68にはボルトを取り付けて腹板6を床版側面に固定することができる。本実施例によれば、道路幅員は、ベースプレート3aにおける先部折曲面部67が設けられた部分からベースプレート3aの外側端部までの距離分広がる。
【0065】
腹板6は、本実施例では、先部折曲面部67の高さが275mmであるが、これに限られない。
【0066】
また、
図10は、本発明の実施例1における地覆拡幅ユニットのA−A線断面図である。また、
図11は、本発明の実施例1における地覆拡幅ユニットのB−B線断面図である。
【0067】
地地覆拡幅ユニット1aは、背面側を外部側に、正面側をコンクリート床版側にしてコンクリート床版の端部に腹板6の先部折曲面部67が接するように、腹板6の腹板補強リブ61が道路の幅員方向と平行になるようにし、地覆拡幅ユニット1aを、道路橋の床版側端部に沿って縦列に連続して並べて床版に取り付け、次に、2以上の地覆拡幅ユニット1aを接続する長さを有する桁材を縁石底面部32の下面に接続することにより、連続設置する。
【0068】
本実施例においては、延伸部33の上にアスファルト等を流し入れて、車道等の幅を拡張する。地覆拡幅ユニット1aの上に欄干や防護柵等を設けてもよい。
【0069】
地覆拡幅ユニット1aは、床版の上にベースプレート3aを載置した後、床版の上にベースプレート3aを取り付けて固定する。
【0070】
{効果}
本実施例によれば、広い範囲で荷重を受けることができ、アスファルトのひび割れを軽減し、隣接するユニット間の高さ調節が容易である。
【0071】
形鋼の桁材が、並べられた地覆拡幅ユニットの複数本の全長にわたり設けられているので、連続化が容易である。
【0072】
本実施例によれば、形鋼材で形成される桁材により隣接するユニットに荷重が伝わるため、床版全体で荷重を受けることができる。また、多数のユニットに荷重が分散することによりたわみが少なくなり、したがって、活荷重載荷の時、アスファルトのひび割れが少なくなる。また、形鋼材に各ユニットをボルトで取り付けるため強制的に隣接するユニットの高さが揃うので、施工するときに、隣接するユニット同士の高さ調整等がやりやすい。さらに、雨水は、伝わり構造物の腐食原因となるところ、形鋼が、付着した雨水の水切り機能を発揮するので、雨水の水切り効果が生まれ、構造物の耐久性が向上する。
【0073】
本実施例では、溝形鋼の桁材であるので、コの字の形のラインが一直線に通るため、景観上も力強くモダンに見える。
【0074】
また、5m程度の生活道路橋であれば、橋台まで形鋼材を延長し、橋桁代わりにすることで、片持ち梁構造から、2点支持構造となり、したがって、張り出し長さの延長が可能となる。
【実施例2】
【0075】
実施例2の地覆拡幅構造は、歩道用の地覆拡幅ユニットである。実施例1との相違点を中心に述べる。
【0076】
{構成}
図12は、本発明の実施例2の地覆拡幅構造の斜視図(1)である。
図12は、平面(上面)、正面、右側面を表す図である。また、
図13は、本発明の実施例2の地覆拡幅構造の斜視図(2)である。
図13は、底面(下面)、背面、左側面を表す図である。
【0077】
本発明の実施例1の地覆拡幅構造は複数の地覆拡幅ユニット1bを左右に並べて構成される。地覆拡幅ユニット1bは、底側が開口部である逆U字型のフェースプレート2bと、フェースプレート2bの底側に配置しフェースプレート2bと組み合わせ、正面側から見て左右方向に延びる中空の縁石部10bを形成する縁石底面部32を縁端側に有するベースプレート3bとを有する。本実施例の地覆拡幅構造は、2以上の地覆拡幅ユニット1bを接続する長さを有する桁材としての溝形鋼であるジョイント4を縁石底面部32の下面に接続してあり、ジョイント4によって隣接する地覆拡幅ユニットが互いに連結してある。
【0078】
本実施例の地覆拡幅構造の材質は全て鋼製である。フェースプレート2aとロックプレート8はポリカーボネート製でもよい。本実施例では、地覆拡幅ユニット1bはガードプレート7を設けていない。
【0079】
地覆拡幅ユニット1bは、背面側を橋梁の両側端すなわち外部側に、正面側を歩道側にして、縁石部10bの長手方向が歩道の幅員方向と直交するように連続して並べて、コンクリート床版の端部の上にベースプレート3bを載置して、固定用アンカーボルトで固定して設置する。
【0080】
本実施例の地覆拡幅ユニット1bは、床版に取り付けるが、床版は、プレキャスト(PC)床版でも、RC床版等の通常のコンクリート床版でも、厚みがあるコンクリート床版でもよい。地覆拡幅ユニットは、鋼床版に取り付けてもよい。
【0081】
フェースプレート2bは、前面部23bは、下部に複数の切り欠き部25を有する。本実施例では、切り欠き部には、アンカーバー35b1つの全体分切り欠いてある切り欠き部25bと、アンカーバー35bの側面部352を差し込む切り欠き部25cと、1つのアンカーバー35bの側面部352から隣りのアンカーバー35bの側面部352までを含む切り欠き部25dとを有する。本実施例では、切り欠き部25は、切り欠き部25b、c、dのうち1又は複数を組み合わせるものであるが、組み合わせは制限されない。切り欠き部と切り欠き部の間に前面部23bと前面側板36bとを接続するボルト9を有する。
【0082】
フェースプレート2bの前面部23bは、切り欠き部25で前面部の一部がない以外は、実施例1の地覆拡幅ユニット1aの前面部23aと同様である。
【0083】
その他の点では、フェースプレート2bは、上述した実施例1における地覆拡幅ユニット1aのフェースプレート2aと同様の構成及び材質である。
【0084】
図14は、本発明の実施例2における地覆拡幅ユニットの内部構造説明図である。
【0085】
ベースプレート3bの上面側には、縁石部10bの内部から前方へ突出しベースプレート3b上面に取り付けた底面部351と底面部351の左右両端上方に連設した側面部352とを有し上方が開口したU字型(開口部が上側のコの字形状)の鋼製のアンカーバー35bが設けられている。アンカーバー35bはU字型であるので、中実の角材より軽い。
【0086】
ベースプレート3bの前面側板36bには、アンカーバー35bの側面部352a、bを通して嵌め込むスリットが設けてあり、前面側板36bの下端のうち、ベースプレート3b上面にアンカーバー35bが取り付けてある部分はアンカーバー35bの底面部351の上面までで、ベースプレート3b上面にアンカーバー35bが取り付けていない部分はベースプレート3bの上面まで延び、ベースプレート3bに溶接されている。
【0087】
ベースプレート3bの前面側板36bは、下側の両隅を切り取った長方形である。
【0088】
本実施例では、アンカーバー35bの高さが75mm、前板側板36bと背面側板37bとベースプレート補強リブ31bの高さが80mmである。アンカーバー35bの左右方向の長さ(幅)は125mmである。各サイズはこれに限定されない。
【0089】
その他の点は、ベースプレート3bは、上述した実施例1における地覆拡幅ユニット1aのベースプレート3aと同様の構成及び材質である。
【0090】
本実施例では、ジョイント4は、長手方向の長さが3200mm、ウェブの高さが150mm、上側フランジ及び下側フランジの長さが75mmであるがこれに限られない。長手方向の長さはさらに長くてもよい。
【0091】
図15は、本発明の実施例2における地覆拡幅ユニットの平面図である。本実施例では、フェースプレート2bの左右方向の長さ(幅)は1194mmで、前面部から背面部までの長さ(縁石部奥行き)は400mmで、縁石部10bの中央からベースプレート3bの延伸部33まで伸びるアンカーバー35bの長手方向の長さ(奥行き)は1563mmで、ベースプレート3bの長さ(奥行き)は1913mmで、延伸部33の長さ(奥行き)は1513mmである。各サイズはこれに限定されない。
【0092】
図16は、本発明の実施例2における地覆拡幅ユニットの右側面図である。
図17は、本発明の実施例2における地覆拡幅ユニットの左側面図である。また、
図18は、本発明の実施例2における地覆拡幅ユニットの正面図である。
図19は、本発明の実施例2における地覆拡幅ユニットの背面図である。
【0093】
本実施例において、ロックプレート8は、上述した実施例1における地覆拡幅ユニット1aのロックプレート8と同様の構成及び材質である。
【0094】
図20は、本発明の実施例2における地覆拡幅ユニットの底面図である。また、
図21は、本発明の実施例2における地覆拡幅ユニットのA−A線断面図である。
図22は、本発明の実施例2における地覆拡幅ユニットのB−B線断面図である。
【0095】
本実施例においては、ベースプレート3bの裏面側に腹板6が設けてある。本実施例では、腹板補強リブ61は3枚であるがこれに限らない。
【0096】
本実施例においては、実施例1と同様な方法で地覆拡幅し、延伸部33の上にアスファルト等を流し入れて、歩道の幅を拡張する。地覆拡幅ユニット1の上に欄干や防護柵等を設けてもよい。
【0097】
腹板6は、ベースプレート3bの裏面に固定した基部折曲面部66と下方に突出させてある先部折曲面部67とを有するL字型であり、腹板補強リブ61で補強してある。本実施例では、先部折曲面部67は、下方に突出させてあり、高さが桁材であるジョイント4の高さより短い。
【0098】
腹板6は、本実施例では、先部折曲面部67の高さが140mmであるが、これに限られない。本実施例によれば、橋梁の横から見た際に、先部折曲面部67がジョイント4に隠れるので、美観に優れる。
【0099】
地覆拡幅ユニット1bは、床版の上にベースプレート3bを載置した後、床版の上にベースプレート3bを取り付けてボルト穴38にアンカーボルトを通して固定し、ボルト穴68にホールインアンカーを通して床版側面に固定してある。
【0100】
他の構成は、上述した実施例1の地覆拡幅ユニット1aと共通する。
【0101】
本実施例によれば、広い範囲で荷重を受けることができ、アスファルトのひび割れを軽減し、隣接するユニット間の高さ調節が容易である。
【0102】
本実施例によれば、形鋼材により隣接するユニットに荷重が伝わるため、床版全体で荷重を受けることができる。また、多数のユニットに荷重が分散することによりたわみが少なくなり、したがって、活荷重載荷の時、アスファルトのひび割れが少なくなる。また、形鋼材に各ユニットをボルトで取り付けるため強制的に隣接するユニットの高さが揃うので、施工するときに、隣接するユニット同士の高さ調整等がやりやすい。さらに、雨水は、伝わり構造物の腐食原因となるところ、形鋼が、付着した雨水の水切り機能を発揮するので、雨水の水切り効果が生まれ、構造物の耐久性が向上する。また、5mm程度の生活道路橋であれば、橋台まで形鋼材を延長し、橋桁代わりにすることで、片持ち梁構造から、2点支持構造へすることが可能となり、張り出し長さの延長が可能となる場合がある。
【0103】
また、本実施例によれば、中実の角材のアンカーバーを有する地覆拡幅ユニットに比して長さあたりの重さが軽いため、歩道用として張出長が1000mm以上である拡幅工事にも適用することができ、自転車歩行者道として有効幅員1500mmを確保できる。本実施例によれば、アンカーバーの自重が軽いため、アンカーバーの全長を長くすることができ、たわみがさらに少なくなる。
【0104】
本実施例によれば、アンカーバーの溶接線が少なく溶接熱影響が少ないため、ベースプレートを薄くすることができる。本実施例によれば、溶接部がフレアー溶接となり、溶接性がよい。本実施例によれば、R形状で溶接するため、疑似開先の効果が生まれる。本実施例によれば、連結ボルトをU字型のアンカーバーの内部(下側)に設置してあるため、連結ボルトがアスファルトの中に埋設され、美観がさらに良くなる。
【0105】
また、本実施例によれば、アンカーバーがU字型のため断面係数が小さく、安全率が過大とならない。本実施例によれば、アンカーバーの溶接線が少ないため、溶接熱影響による溶接ひずみが少ない。
【0106】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。また、上記各実施の形態の構成要素を発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に組み合わせることができる。