特許第6564140号(P6564140)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564140
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】充填状態送信機を有する容器
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/38 20060101AFI20190808BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   G01F23/38
   B65D25/20 K
【請求項の数】16
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-528316(P2018-528316)
(86)(22)【出願日】2016年10月26日
(65)【公表番号】特表2018-537675(P2018-537675A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(86)【国際出願番号】EP2016075747
(87)【国際公開番号】WO2017092935
(87)【国際公開日】20170608
【審査請求日】2018年7月2日
(31)【優先権主張番号】102015224047.9
(32)【優先日】2015年12月2日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518148098
【氏名又は名称】テーイー オートモーティブ テクノロジー センター ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト ヨット.ベッカー
(72)【発明者】
【氏名】パトリック グミュント
(72)【発明者】
【氏名】ゲリット ミヒャエリス
(72)【発明者】
【氏名】トルステン シェファー
【審査官】 森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4923822(JP,B2)
【文献】 特許第4797872(JP,B2)
【文献】 特開2001−52578(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3107774(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0146323(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102007000570(DE,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第0821165(EP,A1)
【文献】 国際公開第88/01046(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填状態送信機を有する容器あって、前記充填状態送信機が、支持体(14、52)に結合されたレバーアームを有する浮動体と、該浮動体が動くにしたがって前記支持体(14、52)が回転するとき該支持体と共に回転する、前記支持体(14、52)に配置された磁石(34、62)と、ソケット(40)を形成する第1の端部と磁石(34、62)磁場強さを検出するためホールセンサ(32、78)を支持する第2の端部とを有するセンサ支持体(30)と、前記容器の外側に露出したカバー部分(18)と前記容器の内部空間内へ張り出す部分とを備えるセンサアダプタ(12)とを有する、ものにおいて、
センサ支持体(30)は、前記センサアダプタのカバー部分(18)に形成された導入開口部(28)を通して挿入され、前記センサ支持体の第2の端部は前記張り出す部分の内側に収容され、
前記センサ支持体の第2の端部に配置された前記ホールセンサが、磁石(34)が回転するにつれて変化する該磁石(34)の磁場強さに面して該磁場強さを測定するように、支持体(14)は、前記張り出す部分に回転可能に取り付けられ、前記容器内の充填状態が検出される、容器。
【請求項2】
容器の壁(10)が、前記センサアダプタ(12)のための取り付け開口部(20)を有しており、前記カバー部分(18)が前記取り付け開口部(20)を閉鎖する、ことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記カバー部分(18)が、前記容器の壁(10)に配置されている構造(44)と協働する回転防止機構(42)を有している、ことを特徴とする請求項に記載の容器。
【請求項4】
前記容器の壁(10)が、少なくとも部分的に円周アンダーカット部分を備えた、外側へ張り出すベース(22)を有しており、前記ベース(22)上に前記センサアダプタ(12)の前記カバー部分(18)が相補的な係止部分によって係止可能である、ことを特徴とする請求項に記載の容器。
【請求項5】
前記センサアダプタ(12)と前記ベース(22)との間に、シール体(24)が配置されている、ことを特徴とする請求項に記載の容器。
【請求項6】
ソケット(40)が、データ及び電源ラインを接続するためのものである、ことを特徴とする請求項に記載の容器。
【請求項7】
充填状態送信機を有する容器であって、該充填状態送信機は、支持体(14、52)に結合されたレバーアームを有する浮動体と、該浮動体が動くにしたがって前記支持体(14、52)が回転するとき該支持体と共に回転する、前記支持体(14、52)に配置された磁石(34、62)と、ソケット(40)を形成する第1の端部と磁石(34、62)の磁場強さを検出するためのホールセンサ(32、78)を支持する第2の端部とを有する、センサ支持体(70)と、センサアダプタ(50)と、支持体アダプタ(48)と、を有するものにおいて、
センサ支持体(70)は、センサアダプタ(50)の上面に取り付けられ、前記容器の壁(10)は、センサアダプタ(50)の取り付け部分を係止するための固定輪郭(66、68)を備え、
支持体アダプタ(48)は前記容器の内側に配置され、センサアダプタ(50)は前記容器の外側に配置され、
支持体(52)は、磁石(62)が回転するにつれて変化する該磁石(62)の磁場強さを前記ホールセンサが測定するように、支持体アダプタ(48)に回転可能に取り付けられて、前記容器内の充填状態が検出される、容器。
【請求項8】
前記浮動体の前記レバーアーム(54)の前記支持体(52)用の前記支持体アダプタ(48)が、端縁部分(56)によって、前記容器の壁(10)のアンダーカット部分(68)内に配置されており、前記アンダーカット部分(68)がブロー金型のスライダ配置によって形成されている、ことを特徴とする請求項に記載の容器。
【請求項9】
前記アンダーカット部分(68)に対する、容器外側の相補部分(66)が、前記センサアダプタ(50)の取り付け部分(64)用の係止輪郭を形成する、ことを特徴とする請求項に記載の容器。
【請求項10】
前記センサアダプタが、ブロー金型用のインサート部品として形成されており、かつ容器成形の際にブロー成型される、ことを特徴とする請求項に記載の容器。
【請求項11】
前記センサアダプタ(50)が、前記容器の壁(10)に配置されている構造(76)と協働する回転防止機構(74)を有している、ことを特徴とする請求項に記載の容器。
【請求項12】
前記支持体アダプタ(48)が、前記容器の壁(10)と協働する少なくとも1つの回転防止部材(58)を有している、ことを特徴とする請求項に記載の容器。
【請求項13】
前記支持体アダプタ(48)が、前側に配置された多数のリブ(58)を有しており、該リブ(58)が、前記支持体アダプタ(48)を前記容器の壁(10)に取り付ける場合に、該壁(10)のまだ流動する柔らかさの材料内へ圧入される、ことを特徴とする請求項12に記載の容器。
【請求項14】
前記センサアダプタ(50)が、前記センサ支持体(70)を収容するための中央部分を有しており、該中央部分が多数の弾性のある接続部(72)を介して前記取り付け部分(64)と結合されている、ことを特徴とする請求項に記載の容器。
【請求項15】
前記弾性のある接続部(72)が、前記センサアダプタ(50)の中央プレートを前記容器の壁(10)に対して押圧する、ことを特徴とする請求項14に記載の容器。
【請求項16】
燃料容器のための充填状態送信機であって、
浮動体のレバーアームが結合された支持体(14、52)と、
該浮動体が動くにしたがって支持体(14、52)が回転するとき該支持体と共に回転する、前記支持体(14、52)に配置された磁石(34、62)と、
ソケット(40)を形成する第1の端部と磁石(34、62)の磁場強さを検出するためのホールセンサ(32、78)を支持する第2の端部とを有する、センサ支持体(30)と、
燃料容器の外側に露出したカバー部分(18)と前記燃料容器の内部空間内へ張り出す部分とを備える、センサアダプタ(12)と、を備え、
センサ支持体(30)は、前記センサアダプタのカバー部分(18)に形成された導入開口部(28)を通して挿入され、前記センサ支持体の第2の端部は前記張り出す部分の内側に収容され、
前記センサ支持体の第2の端部に配置された前記ホールセンサが、磁石(34)が回転するにつれて変化する該磁石(34)の磁場強さに面して該磁場強さを測定するように、支持体(14)は、前記張り出す部分に回転可能に取り付けられ、前記燃料容器内の充填状態が検出される、
充填状態送信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填状態送信機を有する容器、特にプラスチック燃料容器に関するものであって、その充填状態送信機が、回転可能に軸承された支持体にレバーアームを介して配置された浮動体と、振動によって支持体の回転がもたらされた場合にこの支持体と共に回転する磁石と、磁石に対して固定の位置に配置された、磁石が回転する際に変化する磁場強さを容器内の充填状態を表す尺度として検出するためのホールセンサとを有している。本発明は、さらに、このような充填状態送信機に関する。
【背景技術】
【0002】
液体用の容器において、特に燃料容器においては、それぞれの充填状態についての情報を得たいという要請が多くある。これを達成するために広く用いられている手段は、容器の内部に充填状態送信機を配置することにあって、その場合に充填状態送信機の構造は浮動体を有しており、回転可能に支承されたレバーアームの一方の端部にその浮動体が固定されている。レバーアームの、あるいはレバーアームを支持する支持体の回転軸上に、磁石、たとえば円筒状のディスクマグネットが配置されており、それが上昇する、あるいは下降する液面に比例して回転される。磁石に対向して固定の方向づけでホールセンサが配置されており、そのホールセンサは磁石が回転する場合に変化する磁場にさらされて、それを容器内の充填状態を表す尺度としての電気信号に変換する。この構造の既知の充填状態送信機は、完全に容器の内部に配置されており、したがって故障の場合に接近することが困難である。さらにホールセンサは、大体において、浮動体機構を有する構成ユニットも形成しており、個別に交換することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに基づいて、本発明の課題は、充填状態送信機が容器内に配置されている他のコンポーネントに関係なく位置決め可能である、冒頭で挙げた種類の容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するために、特許請求項1に記載の特徴の組み合わせが提案される。本発明の好ましい形態と展開が、従属請求項から明らかにされる。
【0005】
本発明の基本的な考えは、充填状態送信機の電子的な部分と機械的な部分とを分離して、それぞれ容器壁の領域内に配置することにある。したがって本発明によれば、ホールセンサは容器の外側から取り付け可能なセンサ支持体に配置されている。
【0006】
本発明の第1の実施形態によれば、容器の壁がセンサアダプタ用の取り付け開口部を有しており、そのセンサアダプタが容器の内部空間内へ張り出す部分を有し、そのセンサアダプタに浮動体のレバーアーム用の支持体が支承されており、かつそのセンサアダプタ内にセンサ支持体用の導入開口部が設けられている。
【0007】
センサアダプタは、取り付け開口部を閉鎖するためのカバー部分を有することができる。
【0008】
さらにカバー部分は、容器の壁に配置されている構造と協働する回転防止機構を有することができる。
【0009】
好ましくは、容器の壁は、外側へ張り出す、少なくとも部分的に円周アンダーカット部分を備えたベースを有しており、そのベース上にセンサアダプタのカバー部分を相補的な係止部分によって係止することができる。
【0010】
好ましくは、センサアダプタとベースとの間にシール体が配置されている。
【0011】
電流を供給し、かつデータを伝送するために、センサ支持体は、好ましくは、データ及び電源ラインを接続するためのソケットを有している。
【0012】
本発明の第2の好ましい実施形態によれば、容器の壁は、浮動体のレバーアーム用の、容器内側に配置されている支持体アダプタのための、及び、センサ支持体用の、容器外側に配置されているセンサアダプタのための、固定輪郭を有している。
【0013】
好ましくは、浮動体のレバーアーム用の支持体アダプタは端縁部分によって、容器の壁のアンダーカット部分内に配置されており、そのアンダーカット部分はブロー金型のスライダ配置によって形成されている。
【0014】
センサアダプタは、容器外側の、アンダーカット部分に対する相補部分が、センサアダプタの取り付け部分のための係止輪郭を形成する場合に、特に効果的に容器に配置される。
【0015】
センサアダプタを壁に係止可能に結合する代わりに、センサアダプタは、ブロー金型のためのインサート部品として形成することもでき、そのインサート部品は容器成形する際にブロー成型される。
【0016】
センサの位置を固定するために、センサアダプタは、容器の壁に配置されている構造と協働する、回転防止機構を有することができる。
【0017】
それに応じて支持体アダプタは、容器の壁と協働する少なくとも1つの回転防止部材を有することができるので、センサに対する磁石の位置が固定されている。これは、たとえば、支持体アダプタが前側に配置された多数のリブを有し、それらのリブが、支持体アダプタを容器の壁に取り付ける際に、壁のまだ流れる程度に柔らかい材料内へ圧入されることによって、行うことができる。
【0018】
さらに、センサアダプタはセンサ支持体を収容するための中央部分を有することができ、その中央部分が多数の弾性のある接続部を介して取り付け部分と結合されている。弾性のある接続部は、ばねの形式で壁の方向へ付勢されており、かつセンサアダプタの中央部分を壁に対して押圧し、それによって、壁の他の側に配置されている磁石に対するホールセンサの確実な位置決めがもたらされる。
【0019】
本発明の第1の変形例によれば、上述した種類の容器のための充填状態送信機は、回転可能に支承されている支持体にレバーアームを介して配置された浮遊体と、浮遊体によって支持体が回転される場合にこの支持体と共に回転する、支持体に配置されている磁石と、容器内の充填状態を表す尺度として、磁石が回転する場合に変化する磁場強さを検出するために、磁石に対して固定された位置に配置されているホールセンサとを有している。充填状態送信機は、容器開口部に取り付けるためのセンサアダプタを特徴としており、その場合にセンサアダプタは、容器の内部空間内へ張り出す部分を有し、その部分に浮動体のレバーアームの支持体が支承されており、かつその場合にセンサアダプタは、容器の外側から接近できる、ホールセンサのための導入開口部を有している。本発明の第2の変形例によれば、充填状態送信機は、容器内側において容器の壁の固定輪郭に配置すべき、浮動体のレバーアーム用の支持体アダプタと、容器外側において容器の壁に配置すべき、ホールセンサを収容するためのセンサアダプタとを、特徴としている。
【0020】
以下、図面に図式的に示す実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1a】容器壁に配置された充填状態送信機の第1の変形例を容器の外側から示す斜視図である。
図1b】容器壁に配置された充填状態送信機の第1の変形例を容器の内側から示す斜視図である。
図2図1に基づく充填状態送信機と容器壁を示す断面図である。
図3図1に基づく充填状態送信機を示す分解斜視図である。
図4a】容器壁に配置された充填状態送信機の第2の変形例を示す斜視断面図である。
図4b】容器壁に配置された充填状態送信機の第2の変形例を示す斜視断面図である。
図5a図4に基づく充填状態送信機のセンサアダプタを示している。
図5b図4に基づく充填状態送信機の支持体アダプタを示している。
図6図4に基づく充填状態送信機を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
容器壁内に配置された充填状態送信機の第1の変形例が図1から3に、そして第2の変形例が図4から6に示されている。第1の変形例は、容器壁内の開口部を必要とするが、第2の変形例はこの種の開口部を必要としない。
【0023】
図1は、容器の壁10を示しており、その壁に充填状態送信機が配置されており、その充填状態送信機はセンサアダプタ12を有し、そのセンサアダプタが容器の内部へ張り出す部分を有しており、かつその部分に、詳しく図示されない浮動体のレバーアーム16のための支持体14が配置されている。センサアダプタ12は、カバー部分18を有しており、そのカバー部分が壁10内の取り付け開口部20を閉鎖する。そのために壁10は、少なくとも部分的に円周アンダーカット部分を備えた、外側へ張り出すベース22を有しており、そのベース上にカバー部分18がシール体24(図2)を介在させて相補形状の係止部分26によって係止される。
【0024】
さらに、センサアダプタ12は、外側へ向かって開放したスロット形状の開口部28を有しており、その中へセンサ支持体30を差し込むことができる。センサ支持体30は、容器内へ張り出すその端部領域にホールセンサ32を支持しており、そのホールセンサはセンサ支持体30が取り付けられた状態において、センサアダプタ12の容器内へ張り出す部分の包囲する材料を通して、浮動体のレバーアーム16用の支持体14に配置された磁石34(図2を参照)に対して機能的に近傍に位置決めされているので、液体表面上で浮遊する浮遊体によって容器内の液体のレベルが変化した場合に支持体14が回動する結果、ディスクマグネットとしてとして形成されている磁石34の回動が、ホールセンサ32の領域内の磁場強さの変化をもたらし、その変化が容器内の充填状態を表す尺度としての電気信号に変換される。そのために、センサ支持体30上に、それ自体知られた電子モジュール36が配置されており、その信号が、センサ支持体30のソケット40内の電気的な接点を介して取り出し可能である。接点38は、電子モジュール36の電流供給のための接点も有している。
【0025】
センサアダプタ12のカバー部分18は、径方向に張り出すフォーク形状の回転防止機構42を有しており、それが、壁10に配置されている構造44と協働して、壁10に対するセンサアダプタ12の回動とそれに伴って容器内部の浮動体の位置変化を阻止する。
【0026】
支持体14は、軸ボルト46によってセンサアダプタ12に対して回転可能に軸承されており、その軸ボルトは支持体14とセンサアダプタ12の櫛状に互いに入り組んだ部分を通して案内されている。
【0027】
図2は、充填状態送信機の第1の実施形態を断面で示しており、図3はこの充填状態送信機を分解斜視図で示している。
【0028】
充填状態送信機の第2の実施形態が、図4から6に示されている。充填状態送信機は、容器の壁10のサイド部分(図4a)に、あるいは上部分(図4b)に配置することができる。もちろんこれは、図1から3に示す充填状態送信機の第1の実施形態についても該当する。
【0029】
この第2の実施形態の特別な利点は、容器の壁10は充填状態送信機を取り付けるために切り抜く必要がなく、したがって液体又は蒸気の流出に対するバリアが損なわれることがないことにあって、それは特に燃料容器の場合には重要である。
【0030】
充填状態送信機は、容器の内部に配置されている支持体アダプタ48と、容器の外部に配置されているセンサアダプタ50と、詳しく図示されない浮動体のレバーアーム54のための支持体52とを有している。2つのアダプタ48、50を壁10に取り付けるために、これらは、たとえば容器を形成するためのブロー金型内で、アダプタ58、50を壁10に確実に保持することを可能にする構造を設けられる。
【0031】
支持体アダプタ48は、その壁10へ向いた側にフランジ端縁56を有しており、そのフランジ端縁によって支持体アダプタ48が、たとえばブロー金型内でマニピュレータによって、壁10の内側に添接される。その後、壁10は、適切な成形機構により、たとえばブロー金型に配置されたスライダによって、外側からフランジ端縁56を中心に成形される。また、最初に壁10に内側のアンダーカット部分を形成して、その後フランジ端縁56をアンダーカット部分内へ係止することも、可能である。フランジ端縁56は、さらに、前側に張り出す多数の突出部又はリブ58を有しており、それらは、ブロー金型内でまだ流れる柔らかさの壁10に支持体アダプタ48を取り付ける場合に、壁10の材料内へ圧入されて、一緒に壁10に対する支持体アダプタ48のための回転防止機構を形成する。
【0032】
支持体52は、第1の実施形態のセンサアダプタ12における支持体14の軸承と類似した手段で、軸ボルト60によって貫通される支持体52と支持体アダプタ48の互いに櫛状に入り組んだ部分によって、支持体アダプタ48に回転可能に軸承されている。支持体52は、壁10を向いた前側に磁石62を支持しており、その磁場は、ホールセンサに関して、支持体アダプタ48に対して支持体52が回転する場合に変化する。
【0033】
センサアダプタ50は、壁10の付与形状と協働する保持部分64を有しており、その保持部分が壁10のアンダーカット部分66内へ嵌入し、そのアンダーカット部分は、支持体アダプタ48のために容器内側にアンダーカット68を形成する際に形成される。センサアダプタ50は、センサ支持体70を収容するための中央部分を端縁側の保持部分64と結合する、多数の弾性のある接続部72を有している。これらは、壁10の方向へばね状に付勢されており、センサアダプタの中央部分を壁10に対して押圧し、それによってホールセンサと磁石62の間の間隔が最小限に抑えられ、かつ一定に維持される。
【0034】
センサアダプタ50は、さらに、径方向外側へ延びる突出部74を有しており、その突出部が壁10上の隆起した構造76と共にセンサアダプタ50のための回転防止機構として作用する。
【0035】
センサ支持体70は、付与された形状が異なることを除いて、機能的には第1の実施形態のセンサ支持体30に相当する。センサ支持体70上にホールセンサ78と電子モジュール80が配置されており、かつセンサ支持体は信号及び電流供給ラインを接続するためのソケット82を有している。センサ支持体70を失われないように、しかし故障した場合には交換できるように、センサアダプタ50に固定するために、センサ支持体70とセンサアダプタ50の中央プレートは、協働する係止機構を有している。
【0036】
要約すると、以下のことが確認される:本発明は、充填状態送信機を有する容器、特にプラスチック−燃料容器に関するものであって、その充填状態送信機が、回転可能に軸承された支持体14、52にレバーアーム16、54を介して配置されている浮動体と、浮動体により支持体14、52が回転される場合にそれと共に回転する、支持体14、52に配置された磁石34、62と、容器内の充填状態の尺度として、磁石34、62が回転する場合に変化する磁場強さを検出するための、磁石34、62に対して固定の位置に配置されているホールセンサとを有している。本発明によれば、ホールセンサ32、78は、容器の外側から取り付け可能なセンサ支持体30、70に配置されている。
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6