(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の各画像出力部は、前記制御部が決定した画像を用いて、前記第一の帯域と同一または前記第一の帯域より狭い第二の帯域の画像である第二画像を出力する請求項1記載の画像出力装置。
前記第三の帯域は、空間的に第一の帯域より広帯域である、または時間的に第一の帯域より広帯域である、または階調的に第一の帯域より広帯域である請求項1から請求項2いずれか一項に記載の画像出力装置。
前記複数の画像出力部のうち、少なくとも2つの各画像出力部が第二画像を出力する位置を予め決められた精度でずらして、前記少なくとも2つの各画像出力部が少なくとも2つの第二画像を出力する請求項1から請求項3いずれか一項に記載の画像出力装置。
前記複数の画像出力部のうちの少なくとも一の画像出力部に対応づけて、当該画像出力部の位置を変更可能な1または2以上の駆動部をさらに具備する請求項1から請求項4いずれか一項に記載の画像出力装置。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、画像出力装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0031】
(実施の形態1)
本実施の形態において、第一の帯域の第一画像を受け付け、第二の帯域の第二画像を出力する複数の画像出力部を具備する画像出力装置について説明する。そして、当該複数の画像出力部が出力した結果である第三画像は、第三の帯域の画像である。なお、第二の帯域は、第一の帯域と同一または第一の帯域より狭い帯域である。また、第三の帯域は、第一の帯域より広帯域である。つまり、上記の3つの帯域の間には、「第二の帯域=<第一の帯域<第三の帯域」という関係が成り立つ。
【0032】
また、本実施の形態において、制御部が、複数の各画像出力部に与える画像を決定し、複数の各画像出力部は決定された画像を出力する画像出力装置について説明する。
【0033】
また、本実施の形態において、画像出力部は、例えば、第二画像を光出力する画像出力装置について説明する。その他、2以上の画像出力部から出力される画像は、少なくとも一部には重なる場合、一部の画像出力部13の出力位置を予め決められた精度でずらす場合等、2以上の画像出力部の第二画像の出力方法を工夫している画像出力装置について説明する。
【0034】
また、本実施の形態において、各画像出力部に対応付けて、画像に対して解像度創造等の画像処理を施す機構を有する画像出力装置について説明する。
【0035】
また、本実施の形態において、駆動部を具備し、画像出力部の位置を動かせる画像出力装置について説明する。なお、駆動部は手動で動かしても良いし、制御部により駆動部を動かしても良い。
【0036】
また、本実施の形態において、第一の帯域で受け付けられた第一画像と、空間的または時間的または階調的に広帯域となるような出力制御が施された画像である第三画像を出力する画像出力装置について説明する。
【0037】
また、本実施の形態において、出力制御により、受け付けられた画像に対して、ズームまたはパンまたはチルトまたはスローモーションまたは多階調化を実現する画像出力装置について説明する。
【0038】
図1は、本実施の形態における画像出力装置1のブロック図である。画像出力装置1は、受付部11、制御部12、複数の画像出力部13を備える。また、画像出力部13は、画像処理手段131、画像出力手段132を備える。なお、画像出力部13は、画像処理手段131を具備しなくても良い。
【0039】
画像出力装置1を構成する受付部11は、第一画像情報を受け付ける。第一画像情報は、第一の帯域の第一画像に関する情報である。第一画像情報は、第一画像でも良いし、第一画像のトリガ信号等でも良い。第一画像は、例えば、ハイビジョン画像、4K画像、8K画像等である。第一画像等の画像は、通常、2以上の静止画を有する映像である。ただし、第一画像等の画像は静止画でも良い。また、第一画像のトリガ信号とは、第一画像情報から取得される情報であり、第一画像から有意な情報を抽出したものである。第一画像のトリガ信号とは、例えば第一画像を圧縮した情報や第一画像をサブサンプリングした情報等である。また、ここで、帯域は、通常、情報量と同意義である。つまり、広帯域の画像とは、通常、情報量が多い画像である。狭帯域の画像とは、通常、情報量が少ない画像である。また、帯域は、データ量と言っても良い。なお、受け付けられた第一画像情報(例えば、4K画像)が、HD帯域のトリガ信号に変換される処理について、特願2012−184921等に記載されている。また、受付部11は、第一画像情報を受信する受信手段を具備する、と考えても良い。
【0040】
受付部11は、画像出力部13の位置を変更する変更指示を受け付けても良い。変更指示は、通常、変更する位置を特定する情報を含む。変更指示は、位置の変更のための動作や制御の情報を有しても良い。また、変更指示は、位置を変更する画像出力部13を特定する情報を含んでも良い。
【0041】
受付部11は、出力制御の指示を受け付けても良い。出力制御の指示とは、例えば、出力される第三画像をズームする指示、出力される第三画像に対してパンする指示、出力される第三画像に対してチルトする指示、第三画像をスローモーションで出力する指示、第三画像の階調の一部を拡張する指示等である。なお、パンとは、カメラを左右に振る映像の撮影技法であり、パンする指示とは、カメラが左右に振られたような画像となるように、第三画像を出力する指示である。また、チルトとは、カメラを上下に振る映像の撮影技法であり、チルトする指示とは、カメラが上下に振られたような画像となるように、第三画像を出力する指示である。さらに、第三画像の階調の一部を拡張する指示とは、入力画像に対して、画像を構成する画素の一部の階調を拡張して、画像を出力し、第三画像を得る指示である。なお、受付部11は、上記の変更指示や出力制御の指示等の指示を受け付ける指示受付手段を具備する、と考えても良い。
【0042】
また、受け付けとは、有線または無線の通信回線を介して送信された画像等の受信、放送された画像等の受信、光ディスクや磁気ディスクや半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付け、キーボードやマウスやタッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け等を含む概念である。
【0043】
受付部11は、有線もしくは無線の通信手段、放送受信手段等で実現され得る。また、受付部11は、キーボード、リモコン等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0044】
制御部12は、複数の各画像出力部13に与える情報を決定する。ここで、情報は、画像またはトリガ信号等である。例えば、制御部12は、受付部11が受け付けた第一画像情報を用いた画像であり、複数の各画像出力部13に与える画像を決定する。複数の各画像出力部13が第二画像を出力した結果である第三画像が、予め想定されている画像となるように、制御部12は、複数の各画像出力部13に与える画像を決定する。
【0045】
制御部12は、例えば、受付部11が受け付けた第一画像の一部を複数の各画像出力部13に与えるように、複数の各画像出力部13に与える画像を決定する。制御部12は、例えば、受付部11が受け付けた第一画像を分割し、得られた2以上の各第一分割画像を、複数の各画像出力部13に与える。
【0046】
制御部12は、例えば、画像出力部13が空間的に第三画像の一部の範囲を出力する場合、その領域に対応する第一画像を切り出し、得られた第一分割画像を当該画像出力部13に与える。
【0047】
制御部12は、受付部11が受け付けた第一画像情報に対して、予め決められた処理を行っても良い。予め決められた処理とは、例えば、受付部11が受け付けた第一画像情報から、トリガ信号を取得する処理である。例えば、受付部11が受け付けた第一画像情報が4K画像または8K画像等であり、制御部12は、例えば、当該第一画像情報からHD帯域のトリガ信号を取得する。
【0048】
制御部12は、受付部11が受け付けた変更指示に従って、例えば、駆動部14に対して画像出力部13の位置、または方向、または位置と方向を変更する指示を行う。また、制御部12は、受付部11が受け付けた変更指示に従って、例えば、駆動部14に対して画像出力部13の光学的操作の指示を行う。ここで、光学的操作とは、例えば、画像出力部13に備え付けられたズームレンズによる拡大・縮小およびフォーカス調整、レンズの前に設置された鏡の向きを変えることによる投影位置の変更操作などである。
【0049】
また、制御部12は、複数の各プロジェクタ132が予め決められた精度でずらして第二画像を出力するように、複数の各プロジェクタ132に指示しても良い。なお、予め決められた精度とは、通常、1画素未満のずれであるが、1.5画素、2.8画素等、1画素以上の非整数画素精度のずれでも良い。
【0050】
また、制御部12は、受付部11が受け付けた出力制御の指示に従って、画像出力部13に第二画像の出力の指示を行う。
【0051】
受付部11が受け付けた出力制御の指示がズームである場合、制御部12は、当該出力制御の指示が有するズームの領域情報に従って、複数の各画像出力部13に対して、出力する第二画像に関する情報を取得し、当該取得した情報を、各画像出力部13に渡す。
【0052】
また、受付部11が受け付けた出力制御の指示がパンまたはチルトの指示である場合、制御部12は、当該出力制御の指示が有するパンまたはチルトの位置の情報群またはパンまたはチルトの動きの情報に従って、複数の各画像出力部13に対して、出力する第二画像に関する情報を取得し、当該取得した情報を、各画像出力部13に渡す。
【0053】
また、受付部11が受け付けた出力制御の指示がスローモーションの指示である場合、制御部12は、当該指示が有するスローモーションの度合いを示す情報に従ったスピードで、複数の各画像出力部13が第二画像を出力するように、複数の各画像出力部13に対して指示をする。
【0054】
さらに、制御部12は、受付部11が受け付けた出力制御の指示に従って、駆動部14に対して、画像出力部13の位置および方向を変更する指示を行っても良い。例えば、出力制御の指示がズームである場合とスローモーションである場合とでは、駆動部14が画像出力部13に対して発行する位置の変更指示は異なることは言うまでもない。
【0055】
制御部12は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。制御部12の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0056】
複数の各画像出力部13は、第二画像を出力する。なお、第二画像は、例えば、第一画像情報に対応する第一画像の一部の領域の画像である。また、第二画像は、例えば、第一画像情報に対応する第一画像の一部の時間の画像である。
【0057】
画像出力部13は、例えば、第二画像を光出力する。また、画像出力部13は、例えば、第二画像を印刷出力する。なお、第二画像は、第一の帯域と同一または第一の帯域より狭い第二の帯域の画像である。また、複数の画像出力部13のすべては、通常、第二画像を出力する。ただし、複数の画像出力部13のうちの、一部の画像出力部13は、第二画像を出力しなくても良い。複数の画像出力部13のうち、動作していない画像出力部13が存在しても良い。また、複数の画像出力部13のうちの、一部の画像出力部13は、一時的に第二画像を出力しなくても良い。
【0058】
画像出力部13は、第一画像情報を用いて、第二画像を出力する。また、複数の各画像出力部13は、制御部12が決定した情報を用いて、第二画像を出力する。なお、制御部12が決定した情報は、第一画像情報に関する情報である。制御部12が決定した情報は、例えば、第一画像情報の一部の情報から構成される情報である。
【0059】
また、複数の各画像出力部13は、制御部12から渡された画像である第二画像を出力しても良い。
【0060】
また、複数の各画像出力部13が出力した結果である一の画像は第三画像である。第三画像は、第一の帯域より広帯域の第三の帯域の画像である。また、第三画像は、第一画像と比較して、空間的、時間的、階調的のうちの少なくともいずれか一つにおいて、広帯域となるような出力制御が施された画像であっても良い。なお、ここで、出力制御とは、ズームまたはパンまたはチルトされた画像を出力するための制御、またはスローモーションを実現する画像を出力するための制御、またはハイフレームレート化を実現する画像を出力するための制御、第一画像より多階調の画像を出力するための制御等である。
【0061】
第三の帯域は、例えば、空間的に第一の帯域より広帯域である。つまり、例えば、第一の帯域の第一画像の画素数よりも、第三の帯域の第三画像の画素数の方が多い。例えば、第一の画像がHD解像度(1920画素×1080画素)の場合に対して、第三の画像が8K解像度(7680画素×4320画素)の場合などである。
【0062】
また、第三の帯域は、例えば、時間的に第一の帯域より広帯域である。つまり、例えば、第一の帯域の第一画像が30Hzや60Hzの時間解像度を有する画像であり、第三の帯域の第三画像が120Hzや240Hzの時間解像度を有する画像である。また、例えば、第一の帯域の第一画像が60Hzの画像であり、複数の各画像出力部13の第二画像の出力により4倍の時間解像度の画像をクリエーションできる場合に、制御部12は、240Hzで等倍速の第三画像を実現するために、複数の各画像出力部13に第二画像の出力を指示し、複数の各画像出力部13は、当該指示に従ってハイフレームレート化を実現しても良い。また、例えば、第一の帯域の第一画像が60Hzの画像であり、複数の各画像出力部13の第二画像の出力により4倍の時間解像度の画像をクリエーションできる場合に、制御部12は、60Hzで1/4倍速の第三画像を実現するために、複数の各画像出力部13に第二画像の出力を指示し、複数の各画像出力部13は、当該指示に従って第二画像を出力し、スローモーションの第三画像を出力しても良い。
【0063】
また、第三の帯域は、例えば、階調的に第一の帯域より広帯域である。つまり、例えば、第一の帯域の第一画像が4bitや8bitの階調を有する画像であり、第三の帯域の第三画像が16bitや32bitの階調を有する画像である。
【0064】
さらに、複数の第二画像の出力は、例えば、光出力であり、アナログ的な出力であり、最終的な出力結果である第三画像もアナログ的なものである。ここで第三画像は、例えば、16Kという空間解像度、240Hzという時間解像度、16bitという階調等のデジタル的な情報を光出力した場合と同等の出力となる。すなわち、第三画像は、第一の帯域よりも広帯域な第三の帯域を有する画像であると言える。なお、アナログ的な出力とは、離散化されていない連続的な出力である。
【0065】
ここで、出力とは、プロジェクタを用いた投影、プリンタでの印字、ディスプレイへの表示、外部の表示装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
【0066】
また、複数の画像出力部13は、相互に、予め決められた精度でずらして第二画像を出力しても良い。
【0067】
画像出力部13は、例えば、プロジェクタとそのドライバーソフト等で実現され得る。また、画像出力部13は、例えば、プリンタとそのドライバーソフト等で実現され得る。また、画像出力部13は、例えば、ディスプレイ等の出力デバイスとそのドライバーソフト等で実現され得る。
【0068】
画像出力部13を構成する画像処理手段131は、第一画像情報に対して、予め決められた画像処理を行い、出力する第二画像を生成する。画像処理手段131は、例えば、第一画像情報を用いて、第一画像の一部の領域を高解像度化した第二画像を生成する。ここで、第二画像は第一画像と比べて画素数は同じまたは少ないものとする。例えば、第一画像がHD(1920画素×1080画素)の場合、画像処理手段131は、その1/4にあたる960画素×540画素の領域に対して、解像度を2倍する処理を施し、1920画素×1080画素の第二画像を生成する。なお、解像度創造の技術は公知技術であるので、詳細な説明を省略する。また、画像処理手段131は、例えば、第一画像情報に対して、ノイズを除去する処理等の、解像度を創造する処理以外の処理を行っても良い。
【0069】
画像処理手段131は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。画像処理手段131の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0070】
画像出力手段132は、画像処理手段131が生成した第二画像を出力する。画像出力手段132は、例えば、プロジェクタにより実現され得る。また、画像出力手段132は、例えば、プリンタにより実現され得る。特に、画像出力手段132は、例えば、プリンタのトナーの噴出部およびその制御部により実現され得る。なお、画像出力手段132は、制御部12から渡された第二画像を出力しても良い。
【0071】
ここで、出力とは、プロジェクタを用いた投影、プリンタでの印字、ディスプレイへの表示、外部の表示装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
【0072】
画像出力手段132は、ディスプレイやプリンタ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。画像出力手段132は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0073】
なお、画像出力装置1は、複数の画像出力部13のうちの少なくとも一の画像出力部13に対応づけて、1または2以上の駆動部14を備えても良い。かかる場合の画像出力装置1のブロック図を
図2に示す。かかる場合の画像出力装置1は、受付部11、制御部12、複数の画像出力部13、および1または複数の駆動部14を備える。駆動部14は、画像出力部13に対応付いている。ただし、すべての画像出力部13に対応付けて、駆動部14が存在する必要もない。駆動部14は、一の画像出力部13のみに対応付けて、存在しても良い。また、1つの駆動部が2以上の画像出力部13に対応づいていてもよい。
【0074】
駆動部14は、対応する画像出力部13の位置を変更できる。駆動部14は、制御部12によって決定された位置に従って画像出力部13の位置を変更する。また、駆動部14は、受付部11が受け付けた指示に応じて、画像出力部13の位置を変更しても良い。なお、画像出力部13の位置の変更とは、画像出力手段132の位置の変更でも良い。
【0075】
駆動部14は、通常、アクチュエータにより実現され得る。ここでのアクチュエータは、画像出力部13の位置を変更できる。
【0076】
次に、画像出力装置1の動作について、
図3のフローチャートを用いて説明する。
【0077】
(ステップS301)受付部11は、第一画像情報、または出力制御の指示、または第一画像情報と出力制御の指示を受け付けたか否かを判断する。第一画像情報または/および出力制御の指示を受け付ければステップS302に行き、受け付けなければステップS310に行く。
【0078】
(ステップS302)制御部12は、カウンタiに1を代入する。
【0079】
(ステップS303)制御部12は、i番目の画像出力部13が存在するか否かを判断する。i番目の画像出力部13が存在すればステップS304に行き、存在しなければステップS310に行く。
【0080】
(ステップS304)制御部12は、i番目の画像出力部13の情報を取得する。なお、この画像出力部13の情報は、通常、制御部12が、図示しないバッファに予め保持しているが、i番目の画像出力部13から取得しても良い。また、画像出力部13の情報とは、画像出力部13の位置、または出力する第二画像に関する情報等である。出力する第二画像に関する情報とは、例えば、第一画像情報のうちで、担当する領域の情報(通常、矩形の領域)である。
【0081】
(ステップS305)制御部12は、出力制御の指示、およびステップS304で取得したi番目の画像出力部13の情報を用いて、i番目の画像出力部13に与える情報を決定する。制御部12は、例えば、出力制御の指示とi番目の画像出力部13の位置から、第一画像の全領域のうち、i番目の画像出力部13に与える画像の領域を取得する。なお、この領域の情報は、例えば、(x1,y1)(x2,y2)の情報であり、矩形領域を特定する情報である。ここで、例えば、(x1,y1)は矩形の左上座標、(x2,y2)は矩形の右下座標を示す。
【0082】
なお、ステップS301で出力制御の指示が受け付けられなかった場合、制御部12は、ステップS304で取得したi番目の画像出力部13の情報を用いて、i番目の画像出力部13に与える情報を決定しても良い。
【0083】
(ステップS306)制御部12は、ステップS305で決定した情報を、第一画像情報を用いて取得する。
【0084】
(ステップS307)i番目の画像出力部13を構成する画像処理手段131は、ステップS306で取得された情報(通常、画像)に対して、予め決められた画像処理を行い、出力する第二画像を生成する。なお、ここで、ステップS306で取得された情報が画像でない場合でも、画像に関する情報である。そして、かかる画像に関する情報に対する所定の処理も画像処理と言うこととする。
【0085】
(ステップS308)i番目の画像出力部13を構成する画像出力手段132は、ステップS307で画像処理手段131が生成した第二画像を出力する。
【0086】
(ステップS309)制御部12は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS303に戻る。
【0087】
(ステップS310)受付部11は、変更指示を受け付けたか否かを判断する。変更指示を受け付ければステップS311に行き、変更指示を受け付けなければステップS301に戻る。
【0088】
(ステップS311)制御部12は、ステップS310で受け付けられた変更指示に応じて、1または2以上の各駆動部14に位置の変更を指示する。
【0089】
(ステップS312)駆動部14は、ステップS311における指示に応じて、画像出力部13の位置を変更する。ステップS301に戻る。なお、駆動部14は、すべての画像出力部13の位置を変更しても良いし、変更指示に示された画像出力部13のみの位置を変更しても良い。
【0090】
なお、
図3のフローチャートにおいて、複数の各画像出力部13の処理は並行処理されても良いことは言うまでもない。かかる場合、ステップS304〜ステップS306の処理が、複数の各画像出力部13の処理の前に実行される。
【0091】
また、
図3のフローチャートにおいて、受付部11が受け付けた指示に応じて、画像出力部13の位置を変更した。しかし、駆動部14は、制御部12によって決定された位置に従って画像出力部13の位置を変更しても良い。
【0092】
例えば、第一画像の一部分が高輝度の場合、その部分に集中的に画像出力部13を割り当てられるように画像出力部13の位置を変更する。
【0093】
例えば、画像出力部13のうち1つが故障した場合、それを補うように他の画像出力部13の位置を変更する。
【0094】
また、
図3のフローチャートにおいて、画像処理手段131は動作せず、画像出力手段132は、制御部12から渡された情報である第二画像を出力しても良い。
【0095】
さらに、
図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0096】
以下、本実施の形態における画像出力装置1の具体的な動作について説明する。ここで、画像出力装置1は、複数のプロジェクタを具備する。プロジェクタは、画像出力部13の画像出力手段132に該当する。
【0097】
以下、21の具体例について説明する。具体例1から具体例3は、第一画像、第二画像、および第三画像の帯域のバリエーションについて説明するための具体例である。具体例4から具体例8は、画像出力部13がプロジェクタ132を有し、プロジェクタの位置のバリエーションについて説明するための具体例である。具体例9から具体例13は、画像出力部13がプロジェクタ132を有し、駆動部14等により、プロジェクタの位置や光学デバイス(通常、鏡)を動かして、光出力を制御する具体例である。具体例14から具体例17は、画像出力部13による第二画像の出力方法の工夫により、第一の帯域より広帯域の第三の帯域の第三画像を出力する具体例である。また、具体例18から具体例21は出力制御の指示を受け付け、価値創造が行われた第三画像を出力する具体例である。
【0098】
(具体例1)
具体例1は、入力画像に関する情報である第一画像情報がハイビジョン(以下、「HD」とも言う)画像であり、出力画像である第三画像が16Kの画像である場合である。
【0099】
具体例1において、画像出力部13を構成する画像出力手段132はプロジェクタである。具体例1における画像出力装置1のブロック図を
図4に示す。
図4において、受付部11はHD画像である第一画像情報を受け付ける。次に、制御部12は、2以上の各画像処理手段131の情報を、図示しないバッファから取得する。なお、図示しないバッファは、例えば、制御部12が保持しているバッファである。また、各画像処理手段131の情報は、例えば、画像処理手段131の識別子、画像処理手段131の設置位置を示す情報、画像処理手段131が投影すべき画像の領域を示す情報等である。また、画像処理手段131の情報は、画像処理手段131が出力に使用する画像またはトリガ信号を特定する情報であり、適宜、特定情報と言う。
【0100】
次に、制御部12は、2以上の各画像処理手段131に対応する特定情報を用いて、各画像処理手段131に与える情報を決定する。ここでは、各画像処理手段131に与える情報は、入力のHD画像の一部の空間領域の画像である、とする。
【0101】
次に、制御部12は、画像処理手段131ごとに、決定した情報であるHD画像の一部の空間領域の画像を第一画像から取得し、各画像処理手段131に渡す。
【0102】
次に、2以上の各画像処理手段131は、渡された画像に対して、予め決められた画像処理(例えば、解像度創造の処理、またはノイズ除去の処理等)を行い、出力する第二画像を生成する。そして、2以上の各画像出力手段132は、画像処理手段131が生成した第二画像を光出力する。
【0103】
そして、複数の画像出力手段132が出力した複数の第二画像は、画像を投影するスクリーンで光学合成され、出力画像である第三画像がスクリーン上に表示される。なお、第三画像は、例えば、16Kの空間解像度を有する画像である。なお、スクリーンは、部屋の壁等でも良い。
【0104】
なお、
図4において、画像出力装置1は駆動部14を具備しなかったが、駆動部14を具備しても良い。かかる場合のブロック図は、
図5である。画像出力装置1が、駆動部14を具備する場合、例えば、制御部12は、プロジェクタ132の位置が制御されように、駆動部14に指示する。なお、ここでの駆動部14は、アクチュエータである。
【0105】
(具体例2)
具体例2は、入力画像の情報である第一画像情報が4K画像であり、受け付けられた4K画像が、例えば、HD帯域のトリガ信号に変換される。そして、制御部12は、当該トリガ信号を、複数の各画像処理手段131に渡す。次に、各画像処理手段131は、渡されたトリガ信号を処理し、第二画像を生成する。次に、複数の画像出力手段132は、当該第二画像を出力する。そして、複数の画像出力手段132の出力により表示された出力画像である第三画像が16Kの画像となる。
【0106】
具体例2において、画像出力部13を構成する画像出力手段132はプロジェクタである。具体例2における画像出力装置1のブロック図を
図6に示す。
【0107】
図6において、入力画像である第一画像情報は、例えば、4K画像である。そして、受付部11は4K画像である第一画像情報を受け付ける。次に、受付部11が具備する変換手段は、4K画像をHD帯域のトリガ信号に変換する。なお、変換方法は問わない。
【0108】
次に、制御部12は、2以上の特定情報を、図示しないバッファから取得する。なお、2以上の各特定情報は、各画像処理手段131に対応する情報である。
【0109】
次に、制御部12は、2以上の各特定情報を用いて、各画像処理手段131に与える情報を決定する。
【0110】
次に、制御部12は、画像処理手段131ごとに、決定した情報に対応するトリガ信号を取得し、各画像処理手段131に渡す。
【0111】
次に、2以上の各画像処理手段131は、渡されたトリガ信号に対して、予め決められた画像処理を行い、出力する第二画像を生成する。そして、2以上の各画像出力手段132は、画像処理手段131が生成した第二画像を光出力する。
【0112】
そして、複数の画像出力手段132が出力した複数の第二画像は、画像を投影するスクリーンで光学合成され、出力画像である第三画像がスクリーン上に表示される。なお、第三画像は、例えば、16Kの空間解像度を有する画像である。
【0113】
なお、
図6において、画像出力装置1は駆動部14を具備しなかったが、駆動部14を具備しても良い。かかる場合のブロック図は、
図7である。画像出力装置1が、駆動部14を具備する場合、例えば、制御部12により駆動部14の位置が制御される。なお、ここでは、駆動部14は、アクチュエータである。
【0114】
(具体例3)
具体例3は、入力画像の情報である第一画像情報が、例えば、4K画像から抽出されたHD帯域のトリガ信号であり、出力画像である第三画像が16Kの画像である場合である。
【0115】
具体例2において、4K画像からHD帯域のトリガ信号を抽出する処理は、画像出力装置1が行った。しかし、具体例3では、4K画像からHD帯域のトリガ信号を抽出する処理は、画像出力装置1に対して情報を送信する通信装置または放送装置等が行う。かかる場合の画像出力装置1のブロック図を
図8に示す。
【0116】
具体例3における画像出力装置1の動作は、以下である。まず、受付部11はHD帯域のトリガ信号を受け付ける。
【0117】
次に、制御部12は、2以上の特定情報を、図示しないバッファから取得する。なお、2以上の各特定情報は、各画像処理手段131に対応する情報である。
【0118】
次に、制御部12は、2以上の各特定情報を用いて、各画像処理手段131に与えるトリガ信号を決定する。なお、各画像処理手段131に与えるトリガ信号は、通常、受付部11が受け付けたトリガ信号の全部または一部である。
【0119】
次に、制御部12は、画像処理手段131ごとに、決定したトリガ信号を各画像処理手段131に渡す。
【0120】
次に、2以上の各画像処理手段131は、渡されたトリガ信号に対して、予め決められた画像処理を行い、出力する第二画像を生成する。そして、2以上の各画像出力手段132は、画像処理手段131が生成した第二画像を光出力する。
【0121】
そして、複数の画像出力手段132が出力した複数の第二画像は、画像を投影するスクリーンで光学合成され、出力画像である第三画像がスクリーン上に表示される。なお、第三画像は、例えば、16Kの空間解像度を有する画像である。
【0122】
(具体例4)
具体例4は、画像出力部13がプロジェクタ132を有し、プロジェクタ132が棚901に設置されており、複数のプロジェクタ132の投影範囲が重複しない場合である。複数のプロジェクタ132が棚901に配置されている概念図を
図9に示す。また、ここでは、
図10、および
図11に示すように、複数のプロジェクタの投影範囲は重複しない。また、具体例4における画像出力装置1のブロック図は、例えば、
図4から
図8のいずれかである。なお、具体例4において、画像出力装置1は、16個のプロジェクタ132を有するが、画像出力装置1が有するプロジェクタ132の数は問わない。
【0123】
具体例4において、制御部12は、特定情報を各画像処理手段131に対応付けて保持している。なお、特定情報は、2以上の各画像処理手段131が投影に使用する画像を特定する情報、または2以上の各画像処理手段131が投影に使用するトリガ信号を特定する情報である。また、特定情報は、例えば、受付部11が受け付けた第一画像のうちの空間領域を特定する情報であり、例えば、矩形を特定する2つの座標点(例えば、左上座標の点、右下座標の点)の情報である。そして、例えば、2以上の各画像処理手段131に対応する特定情報は、各画像処理手段131が担当する領域の矩形を特定する情報であり、
図11に記載されている座標のうちの、2点の座標値である。また、特定情報は、
図11に示す各矩形領域のID等でも良い。
【0124】
そして、画像出力装置1の動作は、具体例1から具体例3のいずれかの動作と同様である。
【0125】
(具体例5)
具体例5は、画像出力部13がプロジェクタ132を有し、プロジェクタが棚1201に設置されており、投影範囲が重複する複数のプロジェクタ132が存在する場合である。具体例5において、複数のプロジェクタ132が棚1201に配置されている概念図を
図12に示す。また、ここでは、
図13に示すように、複数のプロジェクタの投影範囲は重複する。また、具体例5における画像出力装置1のブロック図は、例えば、
図4から
図8のいずれかである。
【0126】
そして、画像出力装置1の動作は、具体例1から具体例3のいずれかの動作と同様である。
【0127】
(具体例6)
具体例6は、画像出力部13がプロジェクタ132を有し、プロジェクタ132がアーム1401により支持され、配置されており、複数のプロジェクタ132の投影範囲が重複しない場合である。具体例6における画像出力装置1の概念図を
図14に示す。また、ここでは、
図15に示すように、複数のプロジェクタの投影範囲は重複しない。
【0128】
なお、画像出力装置1の動作は、具体例1から具体例3のいずれかの動作と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、アーム1401は、例えば、伸縮可能であっても良い。かかる場合、受付部11が受け付けた変更指示に応じて、駆動部14は、アーム1401を伸縮させ、プロジェクタ132の位置を変更する。
【0129】
(具体例7)
具体例7は、画像出力部13がプロジェクタ132を有し、プロジェクタ132がアーム1601により支持され、配置されており、投影範囲が重複する複数のプロジェクタが存在する場合である。具体例7における画像出力装置1の概念図を
図16に示す。また、ここでは、
図17に示すように、複数のプロジェクタ132のうちの一部の投影範囲は重複する。
【0130】
なお、画像出力装置1の動作は、具体例1から具体例3のいずれかの動作と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、アーム1601は、例えば、伸縮可能であっても良い。かかる場合、受付部11が受け付けた変更指示に応じて、駆動部14は、アーム1601を伸縮させ、プロジェクタ132の位置を変更する。
【0131】
(具体例8)
具体例8は、画像出力部13がプロジェクタ132を有し、プロジェクタ132が棚901に設置されており(
図9参照)、プロジェクタのズームを制御することにより、投影範囲を制御し、複数のプロジェクタ132の投影範囲が重複しない場合である(
図10参照)。
【0132】
具体例8において、ユーザは、例えば、画像出力装置1と投影面との距離、投影面の大きさに応じて、プロジェクタ132のズームを制御する指示を入力した、とする。すると、受付部11は、当該指示を受け付ける。次に、制御部12は、受け付けられた指示に応じて、プロジェクタ132のズームを制御する。なお、プロジェクタ132のズームを制御する処理は公知技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0133】
そして、プロジェクタ132のズームを制御する処理後の画像出力装置1の動作は、具体例1から具体例3のいずれかの動作と同様である。
【0134】
(具体例9)
具体例9は、画像出力部13がプロジェクタ132を有し、プロジェクタ132が棚1801に設置されており、プロジェクタ132のズームを制御することにより、投影範囲を制御し、投影範囲が重複する複数のプロジェクタが存在する場合である。具体例9における画像出力装置1の概念図を
図18に示す。また、ここでは、
図19に示すように、複数のプロジェクタの投影範囲のうちの一部が重複する。また、具体例9における画像出力装置1のブロック図は、例えば、
図4から
図8のいずれかである。
【0135】
そして、画像出力装置1の動作は、具体例1から具体例3のいずれかの動作と同様である。
【0136】
(具体例10)
具体例10は、画像出力部13がプロジェクタ132を有し、プロジェクタ132が可動棚2001に設置されており、駆動部14による可動棚2001の移動により、プロジェクタ132の位置を変更可能な場合である。かかる場合の画像出力装置1の概念図を
図20に示す。
【0137】
図20において、可動棚2001は、例えば、矢印2002に示すように前後、または矢印2003に示すように上下、または前後と上下に移動可能である、とする。また、矢印2004に示すように、プロジェクタ132が左右に移動可能である、とする。
【0138】
かかる状況において、ユーザは、例えば、画像出力装置1と投影面との距離、投影面の大きさに応じて、可動棚1201を移動させる変更指示を入力した、とする。すると、受付部11は、当該変更指示を受け付ける。次に、駆動部14は、受け付けられた変更指示に応じて、可動棚1201を移動させ、プロジェクタ132の位置を変更する。なお、ここでの変更指示は、可動棚2001を移動させる距離、または可動棚2001の移動位置を示す情報、プロジェクタ132の位置などの情報を有する。なお、ユーザとは、例えば、画像出力装置1のメンテナンスをする者である。また、投影面とは、第三画像が表示されるスクリーン、壁等である。
【0139】
そして、可動棚1201を移動させた後の画像出力装置1の動作は、具体例1から具体例3のいずれかの動作と同様である。
【0140】
なお、このような画像出力装置1によって、
図9、
図10に示すような配置(具体例4参照)、
図12、
図13に示すような配置(具体例5参照)、
図18、
図19に示すような配置(具体例9参照)などに、プロジェクタ132の位置を制御可能であることは言うまでもない。
【0141】
(具体例11)
具体例11は、画像出力部13がプロジェクタ132を有し、プロジェクタ132がロボットアーム2101により支持さて、設置されており、ロボットアーム2101を含む駆動部14により、プロジェクタ132の位置を変更可能な場合である(
図21参照)。また、具体例11において、プロジェクタ132の投影範囲が一部に重複する場合である(
図22参照)。
【0142】
具体例11において、ユーザは、例えば、画像出力装置1と投影面との距離、投影面の大きさに応じて、ロボットアーム2101を伸縮させる変更指示を入力した、とする。すると、受付部11は、当該変更指示を受け付ける。次に、駆動部14は、受け付けられた変更指示に応じて、ロボットアーム2101を移動させ、プロジェクタ132の位置を変更する。
【0143】
そして、ロボットアーム2101を移動させた後の画像出力装置1の動作は、具体例1から具体例3のいずれかの動作と同様である。
【0144】
なお、ロボットアーム2101および画像出力部13を制御することで、例えば
図14、
図15のような配置(具体例6参照)に、プロジェクタ132の位置を制御可能であることは言うまでもない。
【0145】
(具体例12)
具体例12は、画像出力部13がプロジェクタ132を含み、プロジェクタ132が可動棚2301に設置されており、画像出力部13が有する光学デバイス2302を動かして光路制御が可能であり(
図23参照)、複数のプロジェクタの投影範囲が重複しない場合である(
図24参照)。なお、光学デバイス2302は、通常、鏡である。
【0146】
具体例12において、ユーザは、例えば、画像出力装置1と投影面との距離、投影面の大きさに応じて、光学デバイス2302を回転させる変更指示を入力した、とする。すると、受付部11は、当該変更指示を受け付ける。次に、制御部12は、受け付けられた変更指示に応じて、駆動部14に光学デバイス2302を回転させる指示を行う。そして、駆動部14は、当該指示に応じて、光学デバイス2302を回転させる。そして、光学デバイス2302は、プロジェクタ132が投影する画像(光)の光路を変更するように回転する。なお、光学デバイス2302を回転させる変更指示は、光路を変更するための光学デバイス2302を移動させる指示に含まれる、とする。また、光学デバイス2302の回転は、ここでは、鏡の1辺を軸とした回転である。
【0147】
以下、上述した光学デバイス2302の制御について、
図25から
図27を用いて説明する。
【0148】
図25は、プロジェクタ132の前に光学デバイス2302を設置して、その光学デバイス2302の角度を2次元的に変えることにより、投影位置を制御する処理を説明する図である。
図25において、スクリーン2501の面の座標軸をX−Y軸、スクリーン2501の面と垂直な座標軸をZ軸とする。また、プロジェクタ132の光軸はX軸と平行とし、光学デバイス2302はY軸およびZ軸周りに(φ/2,θ/2)回転するものとする。さらに、投影距離Lに対して、プロジェクタ132と光学デバイス2302との間の距離L
0は無視できる程度に短いものとするものとする。つまり、L
0は、近似的に0として扱うものとする。なお、光学デバイス2302を回転させることは、プロジェクタ132を2次元的に回転させることと等価的に扱うことができる(
図26参照)。
図26において、光学デバイス2302がY軸およびZ軸周りに(φ/2,θ/2)回転した場合、
図28に示すように、プロジェクタ132をX軸周りにθ、Y軸周りにφ回転させたとみなすことができる。
【0149】
また、
図27に示すように、θ=0、φ=0の時に、プロジェクタ132から投影された一の画素のスクリーン上における投影位置が(x,y,L)であったとする。そして、
図28に示すように、この一の画素の投影位置が、プロジェクタ132が回転することにより(u,v,L)に移動する。
【0150】
かかる場合の画素の位置(x,y,L)と、画素の位置(u,v,L)との関係を数式1に示す。なお、数式1において、Kは画素の位置を補正するための補正係数である。
【数1】
【0151】
つまり、制御部12は、光学デバイス2302を回転させない場合の一の画素の投影点(x,y,L)と、当該一の画素の目標投影点(u,v,L)とを数式1に代入し、θとφとを算出する。そして、制御部12は、駆動部14に、算出したθとφとに従って、光学デバイス2302を回転させる指示を行う。そして、駆動部14は、当該指示に応じて、光学デバイス2302を回転させる。そして、光学デバイス2302は、プロジェクタ132が投影する画像(光)の光路を変更するように回転する。
【0152】
なお、制御部12がθとφとを算出する式は、上記の数式1には限らず、さらに厳密なモデル等に基づく式等でも良い。
【0153】
そして、光学デバイス2302を動かして光路制御を行った後の画像出力装置1の動作は、具体例1から具体例3のいずれかの動作と同様である。
【0154】
(具体例13)
具体例13は、画像出力部13がプロジェクタ132を含み、プロジェクタ132が可動棚2301に設置されており、画像出力部13が有する光学デバイス2302(鏡)を動かして光路制御が可能であり(
図23参照)、投影範囲が重複する複数のプロジェクタが存在する場合である(
図28参照)。
【0155】
具体例13において、ユーザは、例えば、画像出力装置1と投影面との距離、投影面の大きさに応じて、光学デバイス2302を回転させる変更指示を入力した、とする。すると、受付部11は、当該変更指示を受け付ける。次に、駆動部14は、受け付けられた変更指示に応じて、光学デバイス2302を回転させ、プロジェクタ132が投影する画像(光)の光路を変更する。
【0156】
そして、光学デバイス2302を動かして光路制御を行った後の画像出力装置1の動作は、具体例1から具体例3のいずれかの動作と同様である。
【0157】
(具体例14)
具体例14は、画像出力部13がプロジェクタ132を有し、複数のプロジェクタ132が出力する第二画像が重なることにより、広帯域な階調を有する第三画像を出力する場合である。なお、広帯域な階調とは、狭帯域の階調と比較して、多階調であることを言う。
【0158】
具体例14において、複数のプロジェクタ132が、少なくとも一部に重なる領域に、異なる第二画像を出力することにより、投影面が明るくなり、第二画像の出力が重ならない場合と比較して、階調が増加する(
図29参照)。なお、
図29において、プロジェクタ132は二つ(132(1)、132(2))である。また、複数のプロジェクタ132が同じ第二画像を出力する場合は、階調は増加しない。
【0159】
また、かかる場合の理論を
図30のグラフを用いて説明する。
図29の各プロジェクタ132が8bitの階調(各画素の画素値は0〜255)の第二画像を出力する、とする。そして、
図30のグラフにおいて、縦軸が明るさ、横軸がプロジェクタ132の投影位置を示す。また、3001はプロジェクタ132(1)が出力する第二画像による各位置(領域)の明るさの増加分、3002はプロジェクタ132(2)が出力する第二画像による各位置(領域)の明るさの増加分を示す。そして、2つの第二画像の出力の結果である第三画像の各画素の画素値は0〜510を採り得、その階調は511階調になる。つまり、プロジェクタ132(1)が出力する第二画像(1)の各画素の画素値は0から255を採り得、プロジェクタ132(2)が出力する第二画像(2)の各画素の画素値は0から255を採り得るので、2つの第二画像が重なった領域の各画素の画素値は0から510を採り得る。
図30に示すように、2つのプロジェクタ132のうちの一方プロジェクタ132の出力である第二画像の画素値を1増減させることにより、第三画像の階調を増やすことが可能となる。
【0160】
なお、具体例14において、制御部12は、各プロジェクタ132に対応する特定情報を図示しないバッファから読み出し、
図29に示すように、各プロジェクタ132が出力する第二画像が重なるように、各プロジェクタ132に与える情報を決定する。ここで、特定情報は、各プロジェクタ132に対応付けられている情報であり、例えば、各プロジェクタ132が第二画像を出力する領域を示す情報である。
【0161】
次に、画像処理手段131は、制御部12が決定した情報(通常、画像)に対して、予め決められた画像処理を行い、各プロジェクタ132が出力する第二画像を生成する。そして、各プロジェクタ132は、画像処理手段131が生成した第二画像を出力する。その結果、スクリーンまたは壁等に、第一画像または/および第二画像と比較して、階調が増加した第三画像が表示される。
【0162】
(具体例15)
具体例15は、画像出力部13がプロジェクタ132を有し、複数の各プロジェクタ132が、予め決められた精度でずらして第二画像を出力することにより、広帯域な空間解像度を有する第三画像を出力する場合である(
図31参照)。なお、
図31において、プロジェクタ132は二つ(132(1)、132(2))である。
【0163】
また、かかる場合の理論を
図32、
図33のグラフを用いて説明する。
図31の各プロジェクタ132が、例えば、第二画像の出力位置を1画素未満(例えば、0.6画素)ずらして、第二画像を出力する。すると、
図32のように、プロジェクタ132(1)が出力した第二画像の画素と画素の間に、プロジェクタ132(2)が出力した第二画像の画素が入り込む態様になり、第二画像と比較して、空間解像度が増加した第三画像が表示される。空間解像度が増加した第三画像のイメージは、
図33のグラフの3301である。第三画像において、通常、各画素の明るさも増加する。
【0164】
なお、ここで、複数の各プロジェクタ132が出力する第二画像の画素位置のずれ量は1画素を超えていてもよい。その場合は、画素単位のずれを予め第二画像で補正した上で、1画素未満のずれに対する処理を同様に行う。
【0165】
(具体例16)
具体例16は、画像出力部13が複数のプロジェクタ132を有し、各プロジェクタ132の画素構造がベイヤ配列になっている場合である。また、ここで第一画像は、このプロジェクタのベイヤ配列に対応した帯域の画像が入力されるものとする。そして、複数の各プロジェクタ132が、例えば、第二画像を1画素ずらして、第二画像を出力することにより、広帯域な空間解像度を有する第三画像を出力する場合である
図34に示すように、各プロジェクタは緑の画素(G)、赤の画素(R)、青の画素(B)が市松状に配置されている。
図34において、各々異なる位置に配置されたプロジェクタ132(1)、プロジェクタ132(2)、プロジェクタ132(3)、およびプロジェクタ132(4)が、例えば、各々1画素ずらして、第二画像を出力する、とする。すると、
図35に示すイメージのように、例えばある場所においてはプロジェクタ132(1)およびプロジェクタ132(4)が緑の画素(G)、プロジェクタ132(2)が赤の画素(R)、プロジェクタ132(3)が青の画素(B)が割り当てられる。その結果、第一画像または/および第二画像と比較して、空間解像度が増加した第三画像が表示される。
【0166】
(具体例17)
具体例17は、画像出力部13がプロジェクタ132を有し、複数の各プロジェクタ132が第二画像を時分割で出力することにより、広帯域な時間解像度を有する第三画像を出力する場合である。
【0167】
通常、例えば、複数の各プロジェクタ132は、60Hzの時間解像度で、第二画像を出力する、とする。
【0168】
そして、例えば、画像出力装置1が2つのプロジェクタ132(132(1)、132(2))を有する場合、制御部12は、2つの各プロジェクタ132が、時分割で、順次、かつ繰り返し、第二画像を出力するように制御する。
【0169】
かかる制御を、
図36、
図37を用いて説明する。制御部12は、表示開始時(0/120(s))の時点において、プロジェクタ132(1)の特定情報(例えば、「ON」または「1」)、プロジェクタ132(2)の特定情報(例えば、「OFF」または「0」)を図示しないバッファから読み出す。そして、制御部12は、プロジェクタ132(1)の特定情報(例えば、「ON」)に従って、受付部11が受け付けた第一画像情報のうちの、0/120(s)時点の画像を取得し、プロジェクタ132(1)に対応する画像処理手段131に渡す。
【0170】
次に、当該画像処理手段131は、渡された画像に対して、予め決められた処理を行い、第二画像を生成する。次に、プロジェクタ132(1)は当該第二画像を出力する(
図36参照)。また、制御部12は、プロジェクタ132(2)の情報(例えば、「OFF」)に従って、プロジェクタ132(2)に対応する画像処理手段131には情報を渡さない。なお、制御部12は、プロジェクタ132(2)の出力を遮る処置を施しても良い(
図36参照)。
【0171】
次に、制御部12は、表示開始から「1/120(s)」の時点において、受付部11が受け付けた第一画像情報のうちの、1/120(s)時点の画像を取得し、プロジェクタ132(2)に対応する画像処理手段131に渡す。次に、当該画像処理手段131は、渡された画像に対して、予め決められた処理を行い、第二画像を生成する。次に、プロジェクタ132(2)は当該第二画像を出力する(
図37参照)。また、制御部12は、プロジェクタ132(1)に対応する画像処理手段131には情報を渡さない。なお、制御部12は、プロジェクタ132(1)の出力を遮る処置を施しても良い(
図37参照)。
【0172】
また、受付部11が画像を受け付けている間、制御部12および画像出力部13は、
図36、
図37で説明した処理を交互に繰り返し行う。その結果、各プロジェクタ132から出力される第二画像の時間解像度は「60Hz」であるが、第三画像の時間解像度は「120Hz」となる(
図38参照)。なお、
図38において、3801はプロジェクタ132(1)の出力であり、3802はプロジェクタ132(2)の出力である。
【0173】
つまり、具体例17において、第一画像または/および第二画像と比較して、時間解像度が増加した第三画像が表示される。
【0174】
(具体例18)
具体例18から具体例19は、
図39に示す処理を実現する場合である。
図39において、第一画像が、例えば、HD画像である、とする。そして、複数の画像出力部13による第二画像の出力により表示された第三画像は、第一画像の一部分を高解像度化した画像である。例えば、第一画像を水平垂直それぞれに解像度を4倍にし、そのうちの水平垂直それぞれ半分の領域を第三画像として表示した場合、第三画像は第一画像を8K相当の画像に高解像度化しつつ、その一部を4K画像としてズーム表示していることになる。
【0175】
今、ユーザは、
図40のリモコンを用いて、画像出力装置1が出力する画像を操作する、とする。
図40のリモコンは、例えば、いわゆるスマートフォンである。なお、リモコンは、携帯端末、携帯電話、専用のリモコン等でも良い。また、
図40のリモコンにおいて、4001はズームを実現するボタンである。また、4002はパンを実現するボタンである。また、4003はチルトを実現するボタンである。また、4004はスローモーションを実現するボタンである。
【0176】
ここで、ユーザは、ズームボタン4001を押下し、かつズーム窓4005の大きさ、位置を、
図40に示すように設定した、とする。なお、リモコンの画面部分には、4006に示すように、画像出力装置1が出力され得る画像が表示されている。
【0177】
次に、受付部11は、出力制御の指示を受け付ける。この出力制御の指示は、ズームの指示であり、かつズーム窓4005の領域の情報を有する。
【0178】
次に、制御部12は、4つの各プロジェクタ(132(1)、132(2)、132(3)、132(4))の位置の情報を図示しないバッファから取得する。
【0179】
次に、制御部12は、出力制御の指示、および取得した各プロジェクタ132の情報を用いて、各プロジェクタ132が出力する第二画像の情報を取得する。
【0180】
次に、制御部12は、取得した第二画像の情報を用いて、
図41の132(1)で囲まれた領域の画像を取得する指示をプロジェクタ132(1)に対応する画像処理手段131に対して行う。また、制御部12は、取得した情報を用いて、
図41の132(2)で囲まれた領域の画像を取得する指示をプロジェクタ132(2)に対応する画像処理手段131に対して行う。また、制御部12は、取得した情報を用いて、
図41の132(3)で囲まれた領域の画像を取得する指示をプロジェクタ132(3)に対応する画像処理手段131に対して行う。さらに、制御部12は、取得した情報を用いて、
図41の132(4)で囲まれた領域の画像を取得する指示をプロジェクタ132(4)に対応する画像処理手段131に対して行う。
【0181】
次に、各プロジェクタ132に対応する各画像処理手段131は、予め決められた画像処理を行い、出力する第二画像を生成する。
【0182】
次に、各プロジェクタ132は、各画像処理手段131が生成した第二画像を出力する。そして、
図42に示すように、4Kのズームされた第三画像4201が出力される。
【0183】
(具体例19)
具体例19において、ユーザは、
図40のリモコンを用いて、画像出力装置1が出力する画像のパンまたはチルトの指示を入力した(4003または4004のボタンを押下した)、とする。 次に、受付部11は、パンまたはチルトの指示を受け付ける。この出力制御の指示は、ズーム窓4005の領域および当該領域の動きの情報を有する。
【0184】
次に、制御部12は、4つの各プロジェクタ(132(1)、132(2)、132(3)、132(4))の位置の情報を図示しないバッファから取得する。
【0185】
そして、以下、(A)から(D)の処理を、パンまたはチルトの終了まで、繰り返して行う。
(A)制御部12は、出力制御の指示、および取得した各プロジェクタ132の情報を用いて、各プロジェクタ132が出力する第二画像の情報を取得する。
(B)制御部12は、取得した第二画像の情報を用いて、
図41の132(1)で示された領域の画像を取得する指示をプロジェクタ132(1)に対して行う。また、制御部12は、取得した情報を用いて、
図41の132(2)で示された領域の画像を取得する指示をプロジェクタ132(2)に対して行う。また、制御部12は、取得した情報を用いて、
図41の132(3)で示された領域の画像を取得する指示をプロジェクタ132(3)に対して行う。さらに、制御部12は、取得した情報を用いて、
図41の132(4)で示された領域の画像を取得する指示をプロジェクタ132(4)に対して行う。
(C)各プロジェクタ132に対応する各画像処理手段131は、予め決められた画像処理を行い、出力する第二画像を生成する。
(D)各プロジェクタ132は、各画像処理手段131が生成した第二画像を出力する。そして、ズームする位置を変更して、(A)に戻る。つまり、ズーム位置を移動させると、パンまたはチルトが実現できる。
【0186】
そして、
図43に示すように、4Kのズームされた第三画像4201が順次、出力され、パンまたはチルトが実現される。
【0187】
(具体例20)
具体例20において、ユーザは、
図40のリモコンを用いて、画像出力装置1が出力する画像のスローモーションおよびズームの2つの指示を入力した(4001、および4004のボタンを押下した)、とする。また、この指示は、1/4倍速のスローモーションの指示であり、ズームの指示であった、とする。
【0188】
次に、受付部11は、当該出力制御の指示を受け付ける。
【0189】
次に、制御部12は、4つの各プロジェクタ(132(1)、132(2)、132(3)、132(4))の位置の情報を図示しないバッファから取得する。
【0190】
次に、制御部12は、出力制御の指示、および取得した各プロジェクタ132の情報を用いて、各画像出力部13に与える情報を決定する。次に、制御部12は、決定した情報を、第一画像情報を用いて取得する。つまり、制御部12は、各プロジェクタ132に対応する各画像処理手段131に与える情報を取得する。
【0191】
次に、4つの各画像処理手段131は、制御部12が取得した情報に対して、予め決められた画像処理を行い、出力する第二画像を生成する。
【0192】
次に、各プロジェクタ(132(1)、132(2)、132(3)、132(4))は、対応する画像処理手段131が生成した第二画像を光出力する。なお、本具体例において、具体例17で説明したように、4つの各プロジェクタ132が第二画像を時分割で出力することにより、4倍の時間解像度を有する第三画像を出力できる。また、制御部12が取得した画像がズームの指示が示す領域の画像であることにより、ズームが実現できる。かかる場合の概念図を
図44に示す。
図44において、第一画像が60HzのHD画像であり、第三画像が240HzのHD画像であることを示す。
【0193】
なお、本具体例において、第三画像を60Hzで再生した場合、スローモーションが実現できる。
【0194】
(具体例21)
具体例21において、ユーザは、出力制御の指示の一種である、階調拡張出力指示を画像出力装置1に対して入力した、とする。階調拡張出力指示とは、第三画像の階調の一部を拡張する指示である。階調拡張出力指示とは、画像出力装置1が出力する画像の、一部の階調を拡張して出力することの指示であるとも言える。ここで、階調を拡張して出力するとは、例えば、
図45のように、受付部11が8ビットの第一画像情報である入力画像を受け付けた時に、入力信号レベルのうち0〜127の範囲を0〜255に変換して出力したり、128〜255の範囲を0〜255に変換して出力したりすることである。この際、信号処理によって階調クリエーションを行うことは好適である。
【0195】
受付部11が8ビットの第一画像情報である入力画像を受け付けている際に、受付部11は、例えば、ユーザから階調拡張出力指示を受け付けた、とする。
【0196】
次に、制御部12は、4つの各プロジェクタ(132(1)、132(2)、132(3)、132(4))の位置の情報を図示しないバッファから取得する。
【0197】
次に、制御部12は、階調拡張出力指示、および取得した各プロジェクタ132の情報を用いて、各画像出力部13に与える情報を決定する。次に、制御部12は、決定した情報を、第一画像情報を用いて取得する。つまり、制御部12は、各プロジェクタ132に対応する各画像処理手段131に与える情報を取得する。
【0198】
次に、4つの各画像処理手段131は、制御部12が取得した情報に対して、上述した、入力画像の一部の階調の拡張処理を行い、出力する第二画像を生成する。
【0199】
次に、各プロジェクタ(132(1)、132(2)、132(3)、132(4))は、対応する画像処理手段131が生成した第二画像を光出力する。
【0200】
そして、
図45に示すように、一部の階調を拡張した第三画像が出力される。なお、
図45における8bitの入力画像(a)について、その入力信号レベルのうち0〜127の範囲を0〜255に変換して出力する場合(
図45の(b)の場合)は、入力画像のうちの暗い箇所が潰れずに、第三画像が表示される。また、
図45における8bitの入力画像(a)について、その入力信号レベルのうち128〜255の範囲を0〜255に変換して出力する場合(
図45の(c)の場合)は、入力画像のうちの明るい箇所が飛ばずに、第三画像が表示される。
【0201】
以上、本実施の形態において、広帯域の画像出力を狭帯域で実現する画像出力装置1を提供する。なお、ここで、広帯域とは、例えば、狭帯域と比較して、空間解像度が大きいこと、時間解像度が大きいこと、多階調であること等である。
【0202】
なお、本実施の形態の具体例において、通常、プロジェクタ等の画像処理手段131の数は2のべき乗であったが、2のべき乗であるとは限らないことは言うまでもない。
【0203】
また、本実施の形態において、複数の画像出力手段132が第二画像を出力する場合の出力領域は、例えば、
図11に示したように重なりが無くても良いし、重なりがあっても良い。なお、重なりがある場合は、例えば、
図46のように、複数の各画像出力手段132の出力領域の概ね全体が重なる場合である。また、重なりがある場合は、例えば、
図47のように、2以上の領域に分割され、かつその一部に重なりがあり、かつ輝度が均一である場合である。また、重なりがある場合は、例えば、
図48のように、2以上の領域に分割され、かつその一部に重なり、かつ輝度が不均一である場合である。また、重なりがある場合は、例えば、
図49のように、2以上の各画像処理手段131が出力する領域の外側一部のみが重複している場合(ブレンディングの場合)である。
【0204】
また、本実施の形態の具体例において、画像出力装置1はプロジェクタによる光出力を行ったが、プリンタによる印刷等を行うものでも良い。なお、プリンタはインクジェットプリンタでも、レーザープリンタ等でも良く、その種類は問わない。
【0205】
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における画像出力装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、第一の帯域 の第一画像に関する情報である第一画像情報 を受け付ける受付部と、前記第一画像情報を用いて、前記第一の帯域と同一または前記第一の帯域より狭い第二の帯域の画像である第二画像を出力する複数の画像出力部として機能させ、前記複数の各画像出力部が第二画像を出力した結果である第三画像 は、前記第一の帯域より広帯域の第三の帯域の画像であるものとしてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0206】
また、上記プログラムにおいて、コンピュータを、前記受付部が受け付けた第一画像情報を用いた画像であり、前記複数の各画像出力部に与える情報を決定する制御部としてさらに機能させ、前記複数の各画像出力部は、前記制御部が決定した情報を用いて、前記第一の帯域と同一または前記第一の帯域より狭い第二の帯域の画像である第二画像を出力するものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
【0207】
また、上記プログラムにおいて、前記制御部は、前記第一画像の一部を前記複数の各画像出力部に与えるように、前記複数の各画像出力部に与える画像を決定するものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
【0208】
また、上記プログラムにおいて、前記第三の帯域は、空間的に第一の帯域より広帯域であるものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
【0209】
また、上記プログラムにおいて、前記第三の帯域は、時間的に第一の帯域より広帯域であるものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
【0210】
また、上記プログラムにおいて、前記第三の帯域は、階調的に第一の帯域より広帯域であるものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
【0211】
また、上記プログラムにおいて、前記画像出力部は、前記第二画像を光出力するものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
【0212】
また、上記プログラムにおいて、前記画像出力部は、前記第二画像を印刷するものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
【0213】
また、上記プログラムにおいて、前記複数の画像出力部のうち、少なくとも2つの画像出力部が出力する2つの第二画像は一部に重なるものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
【0214】
また、上記プログラムにおいて、前記複数の画像出力部のうち、少なくとも2つの各画像出力部が第二画像を出力する位置を1画素未満の距離ずらして、前記少なくとも2つの各画像出力部が少なくとも2つの第二画像を出力するものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
【0215】
また、上記プログラムにおいて、前記複数の画像出力部のうちの少なくとも一の画像出力部は、前記第一画像情報を用いて、前記第一画像の解像度より大きな解像度の第二画像を生成する画像処理手段と、前記画像処理手段が生成した第二画像を出力する画像出力手段とを具備するものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
【0216】
また、上記プログラムにおいて、コンピュータを、前記複数の画像出力部のうちの少なくとも一の画像出力部に対応づけて、当該画像出力部の位置を変更可能な1または2以上の駆動部としてさらに機能させるプログラムであることは好適である。
【0217】
また、上記プログラムにおいて、前記制御部は、前記複数の画像出力部のうちの少なくとも一の画像出力部の位置を決定し、前記複数の画像出力部のうちの少なくとも一の画像出力部に対応づけて、前記決定された位置に従って前記画像出力部の位置を変更する1または2以上の駆動部をさらに具備するものとして、コンピュータを機能させるプログラムであることは好適である。
【0218】
また、
図50は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の画像出力装置1を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
図50は、このコンピュータシステム300の概観図であり、
図51は、システム300のブロック図である。
【0219】
図50において、コンピュータシステム300は、CD−ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
【0220】
図51において、コンピュータ301は、CD−ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、バス3014と、ROM3015と、RAM3016と、ハードディスク3017とを含む。なお、バス3014は、MPU3013やCD−ROMドライブ3012に接続されている。また、ROM3015には、ブートアッププログラム等のプログラムが記憶されている。また、RAM3016は、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのものである。また、ハードディスク3017は、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのものである。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0221】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の画像出力装置1の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM3101に記憶されて、CD−ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD−ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0222】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の画像出力装置1の機能を実行させるオペレーティングシステム、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0223】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0224】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(端末情報送信部、端末情報受信部など)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0225】
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0226】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。