(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
[蓄電デバイス用外装体]
図1、3、4に本発明の蓄電デバイス用外装体の3つの実施形態を示す。
【0028】
以下の説明において、同一符号を付した部材は同一物または同等物を表しており、重複する説明を省略する。
(第1の外装体)
図1に示す外装体1は、
図2のラミネート外装材10を立体成形した本体20とフラットなラミネート外装材10からなる蓋板30とで構成されている。
【0029】
図2に示すように、前記ラミネート外装材10は金属箔層11の一方の面に接着剤12を介して耐熱性樹脂層13が貼り合わされ、他方の面に接着剤14を介して熱融着性樹脂層15が貼り合わされている。また、前記ラミネート外装材10は、熱融着性樹脂層15および接着剤14が無く金属箔層11を露出した金属露出部16を有している。前記金属露出部16は外装体1の本体20および蓋板30の所要位置に形成され、組み立て状態における位置に応じて外部導電部または内部導電部となる。
【0030】
前記本体20は、前記ラミネート外装材10に張り出し成形や絞り成形等の加工を施すことにより立体成形された凹部21を有し、凹部21の開口縁から外方にほぼ水平に延びるフランジ22、23、24、25を有している。4辺のうちの一つのフランジ22は他の3辺のフランジ23、24、25よりも広い幅に形成されている。一方、前記蓋板30はラミネート外装材10からなるフラットシートであり、本体20の平面寸法と同寸に形成されている。
【0031】
前記外装体1は、本体20の凹部21の開口側に蓋板30を被せる態様で組み立てられ、前記本体20および蓋板30は熱融着性樹脂層15が互いの対向面となるように加工されている。即ち、外装体1はラミネート外装材10の熱融着性樹脂層15同士を内側に向けて形成されている。
【0032】
前記本体20と蓋板30は平面寸法が同寸であるが、これらは長方形の長手方向に沿って位置をずらして組み立てられる。この組み立てにより凹部21が閉塞されて収納室40が形成され、収納室40の周りで本体20と蓋板30の熱融着性樹脂層15同士が重なる部分がベアセル装填後の熱封止部41となる(
図7A参照)。また、本体20と蓋板30とをずらして組み立てたことで、外装体1の両端に本体20または蓋板30が収納室40外に延長されて熱融着性樹脂層15が露出する部分が生じる。本発明においては熱融着性樹脂層15が露出する部分を導電用フランジとして利用する。本体20においては、幅の広いフランジ22の外側部分が収納室40外に延長されて導電用フランジ26となる。蓋板30においては、本体20の導電用フランジ26と対向する辺の縁部が収納室40外に延長されて導電用フランジ31となる。
【0033】
本体20および蓋板30は、上述したラミネート外装材10の金属露出部16を2つずつ有している。本体20は、導電用フランジ26および凹部21の底面に金属露出部を有し、導電用フランジ26の金属露出部は収納室40外に露出する外部導電部27であり、凹部21底面の金属露出部は収納室40内の内部導電部28である。蓋板30は導電用フランジ31および本体20の凹部21を塞ぐ部分に金属露出部を有し、導電用フランジ31の金属露出部は収納室40外に露出する外部導電部32であり、凹部21を塞ぐ部分の金属露出部は収納室40内の内部導電部33である。即ち、前記外装体1は、金属箔層11を介して収納室40の内外に導通する導電部を2組有し、2組の導電部は互いに絶縁されている。
(第2の外装体)
図3に示す外装体2は、平面視長方形の凹部51を有する本体部50と前記凹部51に被せる蓋板部60とが1枚のラミネート外装材10で一体に形成されている。前記本体部50は凹部51の4辺の開口縁から外方に延びるフランジ52、53、54、55を有し、本体部50と蓋板部60とを二つ折りにすることによって組み立てられ、凹部51が閉塞されて収納室40が形成される。また、4辺のフランジ52、53、54、55のうちの折り曲げ線の対向辺のフランジ53は、その一部が外方に延長され折り曲げた蓋板60から突出し、熱融着性樹脂層15が露出する導電用フランジ56となされている。また、収納室40の周りの3辺の熱融着性樹脂層15同士が重なる部分がベアセル装填後の熱封止部41となる(
図8A参照)
ラミネート外装材10の金属露出部16は前記導電用フランジ56と凹部51底面の2箇所に形成され、導電用フランジ56の金属露出部は収納室40外に露出する外部導電部57であり、凹部51底面の金属露出部は収納室40内の内部導電部58である。即ち、前記外装体2は金属箔層11を介して収納室40の内外に導通する1組の導電部を有している。
(第3の外装体)
2つの部材で構成した蓄電デバイス用外装体は、一方の部材にのみ外部導電部および内部導電部を形成し、他方の部材として金属露出部の無いラミネート外装材を用いることができる。
図4に示す外装体3は、
図1の外装体1の本体20と金属露出部のないラミネート外装材からなる蓋板35とを組み合わせた外装体である。前記蓋板35は本体20の導電用フランジ22を除く平面寸法に形成されているので、本体20に蓋板35を被せると導電用フランジ22が収納室40外に露出する。即ち、前記外装体3は金属箔層11を介して収納室40の内外に導通する1組の導電部を有している。
[ラミネート外装材の構成材料]
ラミネート外装材10を構成する各層の材料は蓄電デバイスの外装材として使用できる限り、任意の材料を使用できる。好ましい材料は以下のとおりである。
(耐熱性樹脂層)
外装体の外側層となる耐熱性樹脂層13を構成する耐熱性樹脂としては、外装材を熱封止する際の熱封止温度で溶融しない耐熱性樹脂を用いる。前記耐熱性樹脂としては、熱融着性樹脂層15を構成する熱融着性樹脂の融点より10℃以上高い融点を有する耐熱性樹脂を用いるのが好ましく、熱融着性樹脂の融点より20℃以上高い融点を有する耐熱性樹脂を用いるのが特に好ましい。
【0034】
前記耐熱性樹脂層13としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられ、これらの延伸フィルムが好ましく用いられる。中でも、成形性および強度の点で、二軸延伸ポリアミドフィルムまたは二軸延伸ポリエステルフィルム、あるいはこれらを含む複層フィルムが特に好ましく、さらに二軸延伸ポリアミドフィルムと二軸延伸ポリエステルフィルムとが貼り合わされた複層フィルムを用いることが好ましい。前記ポリアミドフィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、6−ポリアミドフィルム、6,6−ポリアミドフィルム、MXDポリアミドフィルム等が挙げられる。また、二軸延伸ポリエステルフィルムとしては、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が挙げられる。また、耐熱性樹脂層13は、単層で形成されていても良いし、あるいは、例えばPETフィルム/ポリアミドフィルムからなる複層で形成されていても良い。
【0035】
また、耐熱性樹脂層13の表面の滑り性を向上させて成形用金型との摺動性を高めるために滑剤および/または固体微粒子を配合することも好ましい。
【0036】
前記耐熱性樹脂層13の厚さは9μm〜50μmであるのが好ましい。耐熱性樹脂層13の厚さを9μm以上とすることで蓄電デバイス用外装体として十分な強度を確保でき、50μm以下とすることで立体成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。特に好ましい耐熱性樹脂層13の厚さは10〜30μmである。
【0037】
なお、前記蓄電デバイス用外装体1、2、3は導電用フランジ26、31、56の一部に外部導電部27、32、57を形成した例であるが、導電用フランジ全域の金属箔層を露出させて外部導電部を形成することもできる。
(熱融着性樹脂層)
内側層である熱融着性樹脂層15は、リチウムイオン二次電池等で用いられる腐食性の強い電解液などに対しても優れた耐薬品性を具備させるとともに、外装材に熱封止性を付与する役割を担うものである。
【0038】
前記熱融着性樹脂層15としては、特に限定されるものではないが、耐薬品性および熱封止性の点で、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体、これらの酸変性物およびアイオノマーで構成されるのが好ましい。また、オレフィン系共重合体として、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、EAA(エチレン・アクリル酸共重合体)、EMAA(エチレン・メタアクリル酸共重合体)を例示できる。また、ポリアミドフィルム(例えば12ナイロン)やポリイミドフィルムも使用できる。
【0039】
前記熱融着性樹脂層15もまた耐熱性樹脂層13と同じく、表面の滑り性を高めるために滑剤および/または固体微粒子を配合することも好ましい。
【0040】
前記熱融着性樹脂層15の厚さは、20μm〜80μmに設定されるのが好ましい。20μm以上とすることでピンホールの発生を十分に防止できるとともに、80μm以下に設定することで樹脂使用量を低減できてコスト低減を図り得る。中でも、前記熱融着性樹脂層15の厚さは20μm〜50μmに設定されるのが特に好ましい。なお、前記熱融着性樹脂層15は、単層であってもよいし、複層であってもよい。複層フィルムとして、ブロックポリプロピレンフィルムの両面にランダムポリプロピレンフィルムを積層した三層フィルムを例示できる。
(金属箔層)
前記金属箔層11は、ラミネート外装材10に酸素や水分の侵入を阻止するガスバリア性を付与する役割を担うものである。また、本発明においては金属露出部を導電部として利用するので、導電性の良い金属箔を使用する。例えば、アルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔、あるいはこれのクラッド箔、これらの焼鈍箔または未焼鈍箔等が挙げられる。また、ニッケル、錫、銅、クロム等の導電性金属でめっきした金属箔、たとえばめっきしたアルミニウム箔を用いることも好ましい。前記導電性めっき皮膜は金属箔層の少なくとも金属露出部に対応する部分に形成されていれば良い。また、前記金属箔層11は下地処理として下記の化成処理を施して化成皮膜を形成することも好ましい。
(金属箔層の化成皮膜)
ラミネート外装材10の外側層および内側層は樹脂からなる層であり、これらの樹脂層には極微量ではあるが、外装体の外部からは光、酸素、液体が入り込むおそれがあり、内部からは内容物(電池の電解液等)がしみ込むおそれがある。また、外装体の内部導電部に内容物が付着するおそれがある。侵入物や内容物が金属箔層11に到達すると金属箔層の腐食原因となる。本発明のラミネート外装材10は、金属箔層11の表面に耐食性の高い化成皮膜を形成することにより、金属箔層11の耐食性向上を図ることができる。
【0041】
化成皮膜は金属箔表面に化成処理を施すことによって形成される皮膜であり、例えば、金属箔にクロメート処理、ジルコニウム化合物を用いたノンクロム型化成処理を施すことによって形成することができる。例えば、クロメート処理の場合は、脱脂処理を行った金属箔の表面に下記1)〜3)のいずれかの混合物の水溶液を塗工した後乾燥させる。
1)リン酸と、クロム酸と、フッ化物の金属塩およびフッ化物の非金属塩のうちの少なくとも一方と、の混合物
2)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂およびフェノール系樹脂のうちのいずれかと、クロム酸およびクロム(III)塩のうちの少なくとも一方と、の混合物
3)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂、フェノール系樹脂のうちのいずれかと、クロム酸およびクロム(III)塩のうちの少なくとも一方と、フッ化物の金属塩およびフッ化物の非金属塩のうちの少なくとも一方と、の混合物
前記化成皮膜はクロム付着量として0.1〜50mg/m
2が好ましく、特に2〜20mg/m
2が好ましい。かかる厚さまたはクロム付着量の化成皮膜によって高耐食性のラミネート外装材となし得る。
【0042】
なお、金属箔層11のどちらか一方の面に化成皮膜を有するラミネート外装材も本発明に含まれる。
【0043】
前記金属箔層11の厚さは、20μm〜200μmであるのが好ましい。20μm以上であることで金属箔を製造する際の圧延時や熱封止時のピンホールや破れの発生を防止できるとともに、200μm以下であることで張り出し成形時や絞り成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。また、金属箔層11の厚さを200μm以下とすることで、重量増加および材料コストを抑制できる。
(接着剤)
耐熱性樹脂層13側の接着剤12としては、例えば、主剤としてのポリエステル樹脂と硬化剤としての多官能イソシアネート化合物とによる二液硬化型ポリエステル−ウレタン系樹脂、あるいはポリエーテル−ウレタン系樹脂を含む接着剤を用いることが好ましい。
【0044】
一方、熱融着性樹脂層15側の接着剤14としては、例えば、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、エラストマー系接着剤、フッ素系接着剤等により形成された接着剤が挙げられる。中でも、アクリル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤を用いるのが好ましく、この場合には、ラミネート外装材10の耐電解液性および水蒸気バリア性を向上させることができる。また、ラミネート外装体を電池ケースとして使用する場合は、酸変成したポリプロピレンやポリエチレン等の接着剤を使用することが好ましい
また、ラミネート外装材10の総厚は50〜300μmの範囲が好ましい。総厚50μm未満では成形時および熱封止時に破れやピンホールが発生し易くなる。また総厚300μmを超えると成形性が低下するおそれがある。ラミネート外装材が厚くなると材料コストが高くなり、重量も重くなる。
(金属露出部の形成方法)
ラミネート外装材10における金属露出部16の形成方法は特に限定されない。ただし、金属露出部はデバイス本体または他のデバイスと導通させるための接続箇所であるから、確実に導通を得るために金属箔層が面状に露出していることが好ましい。以下に、金属箔層11を面状に露出させる方法例を説明する。
(1)周知の方法により、金属箔層11の一方の面に接着剤12で耐熱性樹脂層13を貼り合わせ、他方の面に接着剤14で熱融着性樹脂層15を貼り合わせて5層構造のラミネート外層材を作製する。このラミネート外装材の熱融着性樹脂層15側の面にレーザーを照射して熱融着性樹脂層15および接着剤14を焼灼除去し、金属箔層11を露出させる。
(2)
図5に示すように、金属箔層11と熱融着性樹脂層15との貼り合わせる工程において、金属露出部16に対応する部分に接着剤14を塗布しない未塗布部分17を形成しておき、熱融着性樹脂層15を貼り合わせる。そして、前記未塗布部分17の周囲の熱融着性樹脂層15に切り込みを入れ、未塗布部分17上の熱融着性樹脂層15aを除去する。未塗布部分17には接着剤14が塗布されていないので、熱融着性樹脂層15aの除去により金属箔層11が露出して金属露出部16が形成される。
【0045】
上記方法においては、未塗布部分17は判別しやすくするために接着剤14に顔料や着色剤を配合してもよい。
【0046】
前記金属箔層11と耐熱性樹脂層13との貼り合わせは接着剤12を用いて周知の方法で行う。
(3)
図6に示すように、金属箔層11と熱融着性樹脂層15との貼り合わせる工程において、金属露出部16に対応する部分に粘着テープ18を貼っておき、その後に接着剤14を塗布して熱融着性樹脂層15を貼り合わせる。そして、粘着テープ18の周囲の熱融着性樹脂層15に切り込みを入れて熱融着性樹脂層15aを除去する。粘着テープ18と熱融着性樹脂層15とは接着剤14によって接合されているので、粘着テープ18は熱融着性樹脂層15aとともに除去される。熱融着性樹脂層15aおよび粘着テープ18の除去により金属箔層11が露出して金属露出部16が形成される。熱融着性樹脂層15への切り込みは、レーザー照射、カッターによる切断等により行う。
【0047】
前記粘着テープ18の貼付に代えて、金属箔層11に対する接着阻害剤の塗布を行っても良い。
【0048】
前記金属箔層11と耐熱性樹脂層13との貼り合わせは接着剤12を用いて周知の方法で行う。
【0049】
ラミネート外装材10を立体成形する場合は、所要位置に上記の方法で金属露出部16を形成した後に立体成形し、立体成形後に所要寸法にトリミングする。
[蓄電デバイス]
図7A〜
図9Bに、上記の外装体1,2、3を用いたラミネート外装電池101、102、103を示す。
【0050】
ラミネート外装電池101、102、103においてベアセル70は共通であり、負電極71と正電極72との間にセパレーター73を介在させた状態で複層に積層した積層体である。
【0051】
以下の説明において、同一符号を付した部材は同一物または同等物を表しており、重複する説明を省略する。また、
図7B、8B、8C、9Bは外装体1、2、3を構成するラミネート外装材10の金属箔層11、耐熱性樹脂層13および熱融着性樹脂層15のみを図示し、接着剤12、14の図示を省略している。
【0052】
前記ラミネート外装電池101、102、103は本発明の蓄電デバイスに対応し、ベアセルはデバイス本体に対応する。
(第1ラミネート外装電池)
図7Aおよび
図7Bに、
図1の外装体1にベアセル70を装填した第1ラミネート電池101を示す。
【0053】
ベアセル70は下面に正電極72が露出し、上面に負電極71が露出している。
【0054】
前記ラミネート外装電池101は、外装体1を組み立てる過程で外装体1の収納室40内にベアセル70を装填することにより作製する。詳細は以下のとおりである。
【0055】
(1)本体20の凹部21内の内部導電部28にベアセル70の下面に露出する正電極72を導通させる。一方、蓋板30の内部導電部33にベアセル70の上面に露出する負電極71を導通させる。導通方法は限定されない。内部導電部28、33を正電極72または負電極71を物理的に接触させれば導通が得られるが、導電性接着剤による接着、超音波接合等によって両者を結合させることもできる。
図7Bは、導電性接着剤74による接着例を示している。接着または接合によって導通させれば、組み立て工程で正電極72または負電極71が内部導電部28、33から不本意に外れることがないので作業性が向上する。また、接着または接合することによって組み立て後においても安定した導通状態が保持される。
【0056】
(2)本体20凹部21にベアセル70を装填し、蓋板30を被せる。
【0057】
(3)前記凹部21の周りの4辺のフランジ22、23、24、25のうちの3辺を熱封止し、未シール辺からから収納室40内に電解液を注入する。このとき、導電用フランジ26、31の無い辺を未シール辺とし、外部導電部27、32以外の辺から電解液を注入することが好ましく、注入作業時に外部導電部27、32に電解液が付着する危険性を減らすことができる。
【0058】
(4)未シール辺のフランジを熱封止する。これにより、収納室40の全周に熱封止部41が形成され、ベアセル70および電解液が収納室40内部に密封される。
【0059】
前記第1ラミネート外装電池101は、ベアセル70の正電極72が外装体1の本体20の内部導電部28に導通し、本体20を構成するラミネート外装材10の金属箔層11が導体となって外部導電部27に導通する。また、ベアセル70の負電極71が外装体1の蓋板30の内部導電部33に導通し、蓋板30を構成するラミネート外装材10の金属箔層11が導体となって外部導電部32に導通する。かかる構造により、外装体1の外部導電部27、32を介してラミネート外装電池101に放充電することができる。
(第2ラミネート外装電池)
図8A〜
図8Cに、
図3の外装体2にベアセル70を装填した第2ラミネート外装電池102を示す。
【0060】
前記外装体2は1枚のラミネート外装材10で構成され、収納室40の内外に導通する導電部は1組であるから、ベアセル70の負電極71および正電極72の一方はタブリードを接続して外装体2外に引き出して導通路を得る。図示例ではベアセル70の正電極71が内部導電部58に導電性接着剤74によって接着されている。一方、負電極71には負極タブリード75が接続されている。前記75aは金属板であり、75bは熱封止部41に介在する樹脂フィルムである。
【0061】
前記第2ラミネート外装電池102の組み立て手順は以下のとおりである。
【0062】
(1)ベアセル70の負電極71に負極タブリード75を接続する。接続方法は限定されず、超音波接合等により行う。
【0063】
(2)外装体2の本体部50の凹部51内の内部導電部58にベアセル70の下面に露出する正電極72を導通させる。
図8Bは導電性接着剤74による接着例を示している。
【0064】
(3)負極タブリード75がフランジ53から引き出されるように本体部50の凹部51にベアセル70を装填し、蓋板部60を被せる。
【0065】
(4)前記凹部51の周りの4辺のフランジのうちの3辺を熱封止し、未シール辺からから収納室40内に電解液を注入する。このとき、未シール辺は外部導電部57および負極タブリード75の無いフランジ52またはフランジ54とすることが好ましく、注入作業時に外部導電部57また負極タブリード75に電解液が付着する危険性を減らすことができる。
【0066】
(5)未シール辺のフランジを熱封止する。これにより、収納室40の全周に熱封止部41が形成され、ベアセル70および電解液が収納室40内部に密封される。
【0067】
前記第2ラミネート外装電池102は、ベアセル70の正電極72が外装体2の内部導電部58と導通し、外装体2を構成するラミネート外装材10の金属箔層11が導体となって外部導電部57と導通する。また、ベアセル70の負電極71は負極タブリード75を介して外装体2外との導通を得ている。外装体2が一枚のラミネート外装材10で形成されているために電極の一方はタブリードを使用する必要があり、上記の第1ラミネート外装電池101と比較すると小型軽量化効果、他デバイスとの接続用スペースの縮小効果は少ないが、相応の効果は得られる。また、外装体2が1枚のラミネート外装材10で形成されているので組み立て作業が簡単である。
(第3ラミネート外装電池)
図9Aおよび
図9Bに、
図4の外装体3にベアセル70を装填した第3ラミネート外装電池103を示す。
【0068】
前記外装体3が有する、収納室40の内外に導通する導電部は1組であるから、ベアセル70の負電極71および正電極72の一方はタブリードを接続して外装体3外に引き出す。図示例ではベアセル70の正電極72が内部導電部28に導電性接着剤42によって接着されている。一方、負電極71には負極タブリード75が接続されている。
【0069】
前記第3ラミネート外装電池103の組み立て手順は以下のとおりである。
【0070】
(1)ベアセル70の負電極71にタブリード75を接続する。
【0071】
(2)外装体3の本体20の凹部21内の内部導電部28にベアセル70の下面に露出する正電極72を導通させる。
【0072】
(3)負極タブリード75が導電用フランジ26に対向するフランジ24から引き出されるように本体20の凹部21にベアセル70を装填し、蓋板35を被せる。蓋板35は、負極タブリート75が引き出された側で蓋板35の端部とフランジ24の端部とを合わせ、導電用フランジ26が露出するように被せる。
【0073】
(4)前記凹部21の周りの4辺のフランジ22、23、24、25のうちの3辺を熱封止し、未シール辺からから収納室40内に電解液を注入する。このとき、導電用フランジ26および負極タブリード75が引き出されていない辺を未シール辺とし、外部導電部27および負極タブリード75の無い辺から電解液を注入することが好ましい。
【0074】
(5)未シール辺のフランジを熱封止する。これにより、収納室40の全周に熱封止部41が形成され、ベアセル70および電解液が収納室40内部に密封される。
【0075】
前記第3ラミネート外装電池103は、ベアセル70の正電極72が本体20の内部導電部28と導通し、本体20を構成するラミネート外装材10の金属箔層11が導体となって外部導電部27と導通する。また、ベアセル70の負電極71は負極タブリード75を介して外装体3外との導通を得ている。
【0076】
上述したとおり、本発明の蓄電デバイスはデバイス本体に接続する導電部が外装体の一部として収納室の内外に形成されているので、タブリードを無くすことができる。外装体に少なくとも1組の導電部を形成すれば、正電極および負電極のうちの少なくとも一方のタブリードを無くすことができる。タブリードを無くすことで、蓄電デバイスを軽量化および小型化でき、かつ材料コストを削減できる。また、蓄電デバイスと他のデバイスとの接続スペースも縮小できるので、蓄電デバイスを搭載する装置も軽量化および小型化できる。
また、熱封止部にタブリードが介在せず外装体の熱融着性樹脂層同士が直接接合されるので、接合不良による電解液漏れの事故を防ぐことができる。また、タブリード付近で起きやすい短絡を無くすことができる。
【0077】
また、蓄電デバイスの各種装置への装着方法として、乾電池のように、ホルダーに蓄電デバイスを嵌め込むという簡単な装着方法を採用することもできる。また、各種電子装置の回路に導電部を直接接続することもでき、回路と一体に接続することで電子装置の小型化を図ることができる。
【0078】
また、外部導電部および内部導電部はいずれも熱融着性樹脂層に形成されているので、内外の導電部を耐熱性樹脂層と熱融着性樹脂層に形成するよりもラミネート外装体作製の作業効率が良い。
【0079】
さらに、熱封止部にタブリードが介在せず外装体の熱融着性樹脂層同士が直接接合されるので、接合不良による電解液漏れの事故を防ぐことができる。
【0080】
外装体に2組の導電部を形成する場合は、2組の導電部を収納室の異なる辺に形成し、正極と負極とを離れた位置に設けることが好ましい。
図7Aの第1ラミネート外装電池101は外部導電部27、32を収納室40の対向辺に設けた例である。また、収納室の隣接する辺に設けても良い。このように2つの外部導電部を収納室の異なる辺に設けることで正負両極の不本意な接触が防がれ、短絡事故の発生を防ぐことができる。なお、本発明は2つの外部導電部が収納室の同じ辺に形成された外装体を除外するものではない。
【0081】
外装体の立体成形、上記実施形態における凹部の形成の有無は任意に選択できる。外装体に凹部を形成することにより収納室容積を拡大できるので、凹部を形成した外装体は積層数の多いベアセルを使用する中〜高容量の電池に適している。一方、凹部を形成することなく縁部を熱封止する袋状の外装体は低容量の電池に適している。
【0082】
本発明の蓄電デバイスは電池に限定されるものではない。また、電池以外の他のデバイスとしてキャパシタ、コンデンサを挙げることができる。
【実施例】
【0083】
各種模擬電池を作製した。実施例1の模擬電池は
図1に参照される外装体1に2組の導電部を形成したラミネート外装電池(
図7A、7B参照)、実施例2の模擬電池は
図4に参照される1組の導電部を形成したラミネート外装電池(
図9A、9B参照)、比較例1の模擬電池は
図10に参照される外装体に導電部を有さないラミネート外装電池である。また、外装体は立体成形して凹部を形成した本体と、フラットシートからなる蓋板との組み合わせであることが共通する。
【0084】
なお、
図1、
図4、
図7A、7B、
図9A、9B、
図10A、10Bは電池の構造の説明を補助するために用いた参照図であり、図面と実施例および比較例の電池の寸法は一致していない。
【0085】
各例の外装体を構成するラミネート外装材および電池本体等の材料は共通であり、以下のとおりである。
(ラミネート外装材)
本体用ラミネート外装材および蓋板用ラミネート外装材の各層の材料を表1に示すとおりである。
【0086】
【表1】
【0087】
また、金属露出部形成用の粘着テープ80、81として厚さ50μmのポリエステル粘着テープを用いた。
(電池本体等)
負電極71として100mm×100mmに断裁した厚さ30μmの銅箔、正電極72として100mm×100mmに断裁した厚さ30μmのアルミニウム箔、セパレーター73として厚さ30μmで幅100mmのポリプロピレンフィルムを用いた。
【0088】
図11に示すように、セパレーター73を90mm間隔でつづら折りして、負電極71と正電極72をつづら折りしたセパレーター71の谷部分に交互に挿入し、負電極71と正電極72を各40枚重ねた。セパレーター71から余分にはみ出した負電極71と正電極72はそれぞれの40枚を超音波溶接により繋げて固定し、電池本体70とした。
【0089】
電解液は、エチレンカーボネート、ジメチレンカーボネート、ジメチルカーボネートを体積比1:1:1で混合し、この混合液1Lにつき1モルのLiPF
6を添加して調製した。
【0090】
負極タブリード75は、幅15mm×長さ100mm×厚さ0.1mmのニッケル製タブ75aの中央部の上下に幅15mm×長さ15mm×厚さ0.1mmの無水マレイン酸変性ポリプロピレンフィルム(融点168℃、三菱化学株式会社製 モディック(登録商標)P502)75bを配置し、上下を200℃に加熱したフラットな熱板で4秒間挟んで加熱し、熱封止することによって作製した。
【0091】
正極タブリード76は、幅15mm×長さ100mm×厚さ0.1mmのアルミニウム板75aの中央部の上下に幅15mm×長さ15mm×厚さ0.1mmの無水マレイン酸変性ポリプロピレンフィルム(融点168℃、三菱化学株式会社製 モディック(登録商標)P502)75bを配置し、上下を200℃に加熱したフラットな熱板で4秒間挟んで加熱し、熱封止することによって作製した。
〈実施例1〉
図7Aおよび
図7Bに参照されるラミネート外装電池101であり、
図1に参照されるように、外装体1は本体20と蓋板30とからなる。
【0092】
前記本体20を以下の方法で作製した。
【0093】
A4サイズに裁断した金属箔層11(アルミニウム箔)の片面に、溶剤で濃度調整した接着剤12を乾燥後の塗布量が3g/m
2となるように塗布し、100℃にて20秒間乾燥した後耐熱性樹脂層13を貼り合せ、40℃のエージング炉で3日間養生して接着剤12を硬化させた。
【0094】
図12に示すように、養生後、金属箔層11の反対の面の中央(内部導電部予定位置)に80mm×80mmの粘着テープ80を貼り、この貼付位置から25mm離れた外部導電部予定位置に80mm×5mmの粘着テープ81を貼った(
図12上段)。次に、粘着テープ80、81を貼り付けた面の全面に溶剤で濃度調節した接着剤14を乾燥後の塗付量が2g/m
2となるように塗布して100℃にて20秒間乾燥した後、熱融着性樹脂層15を貼り合せ、40℃のエージング炉で3日間養生して接着剤14を硬化させた。
【0095】
接着剤14養生後、粘着テープ80,81を貼り合せた部分の周縁の熱融着性樹脂層15にカッターナイフで切込みを入れ、粘着テープ80、81と共に熱融着性樹脂層15を剥離し、金属箔層11を露出させて、2つの金属露出部16を形成した(
図6参照)。80mm×80mmの金属露出部16は内部導電部28となり、80mm×5mmの金属露出部16は外部導電部27となる。
【0096】
以上により、
図2に参照される本体用のラミネート外装材10を得た。このラミネート外装材10はフラットシートであり、所定位置に内部導電部28と外部導電部27が形成されている。
【0097】
前記ラミネート外装材10に対し、雄型の天面が100mm×100mmでコーナーRが2mmの深絞り金型にて、内部導電部28が凹部21の中央に位置するように深さ4mmにプレス成形した(
図12中段)。外部導電部27を有する辺のフラットな部分の幅を20mmにトリミングして導電用フランジ26を形成し、その他の3辺の幅を5mmにトリミングしてフランジ23、24、25を形成した。これにより、本体20を得た(
図12下段)。この本体20の平面寸法は110mm×125mmであり、導電用フランジ26の幅は15mmである。
【0098】
前記蓋板30を以下の方法で作製した。
【0099】
金属箔層11および耐熱性樹脂層13を変更し、
図13に示すように、金属箔層11に2枚の粘着テープ80、81を20mm離して貼付した(
図13上段)ことを除いて、前記本体20と同じ方法でフラットシートのラミネート外装材10を作製した。このラミネート外装材10における2つの金属露出部16は内部導電部33および外部導電部32である。この蓋板用のラミネート外装材10を、内部導電部33側に15mmの余白を残し、外部導電部32側に5mmの余白を残し、他の2辺に5mmの余白を残して110mm×125mmにトリミングし、これを蓋板30とした(
図13下段)。この蓋板30の外部導電部32側の幅15mmの部分が導電用フランジ31となる。
【0100】
前記本体20の凹部21内に電池本体70を装填して内部導電部28に導電性接着剤74を介し正電極72を接合させ、本体20に蓋板30を、導電用フランジ26、31が互いに相手部材の端部から突出するように被せ、蓋板30の内部導電部33に導電性接着剤74を介し負電極71を接合させた。
【0101】
前記組み立て物の収納室40の周囲の4辺のうちの外部導電部27、32を有する2辺および他の1辺の合計3辺に蓋板30側から200℃に加熱した熱板で3秒間かけて熱封止した。そして、未熱封止の辺から電解液10mLを注入した後、750mmHgの減圧下で残った1辺を200℃に加熱した熱板にて3秒間かけて熱封止し、
図7Aおよび
図7Bに参照されるラミネート外装電池101を作成した。前記ラミネート外装電池101は、本体20と蓋板30の組み立てにより収納室40が形成され、収納室40に装填された電極本体70の正電極72は本体20の金属箔層11に導通して収納室40外において外部導電部27が正極となり、負電極71は蓋体30の金属箔層11に導通して収納室40外において外部導電部37が負極となる。
〈実施例2〉
図9Aおよび
図9Bに参照されるラミネート外装電池103であり、
図4に参照されるように、外装体3は本体20と蓋板35とからなる。
【0102】
前記本体20は実施例1と同じである。
【0103】
前記蓋板35は以下の方法で作製した。
【0104】
蓋板35用のラミネート外装材は、金属箔層11の熱融着性樹脂層15側の面に粘着テープ80、81を貼付しなかったことを除き、実施例1の蓋板用のラミネート外装材を同じ方法で作製した。このラミネート外装材を110mm×110mmに切断して蓋板35とした。
【0105】
電池本体70の負電極71に負極タブリード75を超音波接合して固定した。
【0106】
前記本体20の凹部21内に電池本体70を装填して内部導電部28に導電性接着剤74を介し正電極72を接合させ、本体20に蓋板35を、導電用フランジ26が蓋板35の端部から突出し、負極タブリード75が導電用フランジ26の対向辺であるフランジ24から突出するように被せた。
【0107】
前記組み立て物の収納室40の周囲の4辺のうちの外部導電部27を有する辺、負極タブリード75を引き出した辺、さらに他の1辺の合計3辺に蓋板35側から200℃に加熱した熱板で3秒間かけて熱封止した。そして、未熱封止の辺から電解液10mLを注入した後、750mmHgの減圧下で残った1辺を200℃に加熱した熱板にて3秒間かけて熱封止し、
図9Aおよび
図9Bに参照されるラミネート外装電池103を作成した。前記ラミネート外装電池103は、本体20と蓋板35の組み立てにより収納室40が形成され、収納室40に装填された電池本体70の正電極72は本体20の金属箔層11に導通して収納室40外において外部導電部27が正極となり、負電極71は収納室40外において負極タブリード75が負極となる。
〈比較例1〉
図10Aおよび
図10Bに参照されるラミネート外装電池104であり、外装体4は本体85と蓋板35とからなる。
【0108】
前記本体85は、実施例2の蓋体用のラミネート外装材、即ち金属露出部の無いラミネート外装材に実施例1と同じ方法で凹部21を成形し、凹21部の4辺に幅5mmのフランジを残してトリミングした。前記本体85の平面寸法は110mm×110mmである。
【0109】
前記蓋体35は実施例2の蓋体と同じである。
【0110】
電池本体70の負電極71に負極タブリード75を超音波接合して固定し、正電極72に正極タブリード76を超音波接合して固定した。
【0111】
前記本体20の凹部21内に電池本体70を装填し、凹部21の対向する2辺から負極タブリード75および正極タブリード76を引き出して蓋板35を被せた。
【0112】
前記組み立て物の収納室40の周囲の4辺のうちの負極タブリード75および正極タブリード76を引き出した2辺、さらに他の1辺の合計3辺に蓋板35側から200℃に加熱した熱板で3秒間かけて熱封止した。そして、未熱封止の辺から電解液10mLを注入した後、750mmHgの減圧下で残った1辺を200℃に加熱した熱板にて3秒間かけて熱封止し、
図10Aおよび10Bに参照されるラミネート外装電池104を作成した。前記ラミネート外装電池104は、本体20と蓋板35の組み立てにより収納室40が形成され、収納室40に装填された電極本体70の正電極72および負電極71は収納室40外において正極タブリード76および負極タブリード75が電極となる。
[ラミネート外装電池の評価]
(軽量化率)
作製した3種類のラミネート外装電池の重量を電子天秤(株式会社島津製作所製 UX820H)で測定し、実施例1、2のラミネート外装電池の軽量化率を下記式により求めた。下記式においてAは実施例1または実施例2のラミネート外装電池の重量であり、Bは比較例のラミネート外装電池の重量である。
【0113】
軽量化率(%)={(B−A)/B}×100
(絶縁抵抗)
各例のラミネート外装電池について、外部に露出する正極−負極間の絶縁抵抗を測定した。具体的な測定位置は、実施例1は外装体1の外部導電部27(正極)と外部導電部32(負極)との間であり、実施例2は外装体3の外部導電部27(正極)と外装体3から引き出された負極タブリート75との間であり、比較例1は外装体4から引き出された正極タブリート76と負極タブリート75との間である。絶縁抵抗の測定は、絶縁抵抗試験器(日置電機株式会社製 3154)を用い、25V,100V、1000Vの電圧をかけてから1分後に測定した。なお、前記絶縁抵抗試験器は200MΩが測定限界である。
【0114】
表2に3種類のラミネート外装電池の概要および評価結果を示す。
【0115】
【表2】
【0116】
表2より、外装体に金属露出部による導電部を形成することで電池の軽量化を図り得ることを確認した。また、絶縁抵抗値はいずれも測定限界の200MΩを超えており、外装体の金属箔層を導体として使用してもラミネート外装材の絶縁抵抗は非常に高いことを確認した。