特許第6564263号(P6564263)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6564263画像入力装置、データ処理装置およびそれらの制御方法、並びに、インポートシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564263
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】画像入力装置、データ処理装置およびそれらの制御方法、並びに、インポートシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/20 20180101AFI20190808BHJP
【FI】
   G16H30/20
【請求項の数】17
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-138065(P2015-138065)
(22)【出願日】2015年7月9日
(65)【公開番号】特開2017-21535(P2017-21535A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2018年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】397050545
【氏名又は名称】アレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】阿部 聡
(72)【発明者】
【氏名】山中 誠一
【審査官】 藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/038614(WO,A1)
【文献】 特開2015−099561(JP,A)
【文献】 特開2009−015701(JP,A)
【文献】 特開2008−262260(JP,A)
【文献】 特開2006−320714(JP,A)
【文献】 特開2007−115122(JP,A)
【文献】 特開平08−233749(JP,A)
【文献】 特開2008−269167(JP,A)
【文献】 特開2007−011702(JP,A)
【文献】 特開平5−35804(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0173317(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0094649(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G16H 10/00−80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードに記録されたデータを取得するための第一の取得手段、メディアに記録されたデータを取得するための第二の取得手段、データ処理装置との間の通信を行う通信手段、並びに、前記第一および第二の取得手段および前記通信手段を制御する制御手段を有し、医用データのインポート処理を行う画像入力装置であって、前記制御手段は、
前記第一の取得手段がカードから取得したデータを前記データ処理装置に送信して、前記カードが診察券として有効または無効を示す応答を前記データ処理装置から受信し、
前記有効な診察券を示す応答を受信した場合、前記第二の取得手段に挿入されたメディアに医用データが存在するか否かを判定し、
前記メディアに医用データが存在すると判定した場合、前記メディアから取得した医用データを前記データ処理装置に送信する画像入力装置。
【請求項2】
前記メディアに医用データが存在しないと判定した場合、前記制御手段は、メディアエラーを前記データ処理装置に通知し、前記メディアから取得した画像データを医用画像データに変換し、前記医用画像データを前記データ処理装置に送信する請求項1に記載された画像入力装置。
【請求項3】
前記画像入力装置を操作する人物の顔画像を撮影する撮影手段を有し、
前記制御手段は、前記顔画像を前記データ処理装置に送信する請求項1または請求項2に記載された画像入力装置。
【請求項4】
前記メディアの画像を取得する第三の取得手段を有し、
前記制御手段は、前記メディアの画像を前記データ処理装置に送信する請求項1から請求項3の何れか一項に記載された画像入力装置。
【請求項5】
前記メディアに印刷を行う第一の印刷手段を有し、
前記制御手段は、前記第二の取得手段からメディアを排出する際、前記第一の印刷手段により前記メディアにインポート済みを示す印刷を行う請求項1から請求項4の何れか一項に記載された画像入力装置。
【請求項6】
伝票の印刷を行う第二の印刷手段を有し、
前記制御手段は、前記インポート処理が終了すると、前記第二の印刷手段により医用データの受領を示す受領票の印刷を行う請求項1から請求項5の何れか一項に記載された画像入力装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第一の取得手段にカードが挿入されると、前記インポート処理の開始を前記データ処理装置に通知して前記データ処理装置から受付番号を受信し、前記インポート処理が終了するまで、前記受付番号を用いて前記データ処理装置との通信を行う請求項1から請求項6の何れか一項に記載された画像入力装置。
【請求項8】
画像入力装置および医療用画像管理システムとの間の通信を行う通信手段、並びに、前記通信手段を制御する制御手段を有し、医用データのインポート処理を行うデータ処理装置であって、前記制御手段は、
前記画像入力装置においてカードから取得されたデータを前記画像入力装置から受信し、前記データに基づき前記カードが診察券として有効または無効を示す応答を前記画像入力装置に送信し、
前記有効な診察券を示す応答の送信に対して、前記画像入力装置においてメディアから取得された医用データを前記画像入力装置から受信し、
前記カードから取得された診察券データに基づき、前記医用データに含まれる患者情報の適合化を行い、
前記適合化した患者情報を含む医用データを前記医療用画像管理システムに送信するデータ処理装置。
【請求項9】
前記通信手段は病院情報システムとの間の通信を行い、
前記制御手段は、前記適合化のために、前記診察券データに含まれる患者IDをキーとして前記病院情報システムから漢字表記の患者氏名を取得する請求項8に記載されたデータ処理装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記診察券データが示す患者情報と、前記医用データに含まれる患者情報の間の一致を判定し、前記患者情報の不一致が発生した場合、前記患者情報の不一致を報知する請求項8または請求項9に記載されたデータ処理装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記通信手段を介して、複数の画像入力装置との間の通信を行い、画像入力装置からインポート処理の開始が通知されると、当該画像入力装置に受付番号を送信し、前記受付番号に基づき前記複数の画像入力装置との間で前記医用データのインポート処理を並列に行う請求項8から請求項10の何れか一項に記載されたデータ処理装置。
【請求項12】
前記画像入力装置からメディアに医用データが存在しないことを示すメディアエラーが通知された場合、前記制御手段は、前記画像入力装置から受信した医用画像データをメモリに格納し、前記メディアエラーの発生を報知する請求項8から請求項11の何れか一項に記載されたデータ処理装置。
【請求項13】
カードに記録されたデータを取得する第一の取得手段、メディアに記録されたデータを取得する第二の取得手段、および、データ処理装置との間の通信を行う通信手段を有し、医用データのインポート処理を行う画像入力装置の制御方法であって、
前記第一の取得手段がカードから取得したデータを前記データ処理装置に送信して、前記カードが診察券として有効または無効を示す応答を前記データ処理装置から受信し、
前記有効な診察券を示す応答を受信した場合、前記第二の取得手段に挿入されたメディアに医用データが存在するか否かを判定し、
前記メディアに医用データが存在すると判定した場合、前記メディアから取得した医用データを前記データ処理装置に送信する制御方法。
【請求項14】
画像入力装置および医療用画像管理システムとの間の通信を行う通信手段を有し、医用データのインポート処理を行うデータ処理装置の制御方法であって、
前記画像入力装置においてカードから取得されたデータを前記画像入力装置から受信し、前記データに基づき前記カードが診察券として有効または無効を示す応答を前記画像入力装置に送信し、
前記有効な診察券を示す応答の送信に対して、前記画像入力装置においてメディアから取得された医用データを前記画像入力装置から受信し、
前記カードから取得された診察券データに基づき、前記医用データに含まれる患者情報の適合化を行い、
前記適合化した患者情報を含む医用データを前記医療用画像管理システムに送信する制御方法。
【請求項15】
カードに記録されたデータを取得するための取得手段、医用データの取得コードを入力するための入力手段、サーバ装置および医療用画像管理システムとの間の通信を行う通信手段、並びに、前記取得手段、前記入力手段および前記通信手段を制御する制御手段を有し、医用データのインポート処理を行うインポートシステムであって、前記制御手段は、
前記取得手段がカードから取得したデータに基づき、前記カードが診察券として有効か無効かを判定し、
前記カードが有効な診察券の場合、前記入力手段によって医用データの取得コードを入力し、
前記取得コードを用いて前記サーバ装置から医用データを取得し、
前記カードから取得された診察券データに基づき、前記医用データに含まれる患者情報の適合化を行い、
前記適合化した患者情報を含む医用データを前記医療用画像管理システムに送信するインポートシステム。
【請求項16】
コンピュータを請求項1から請求項12の何れか一項に記載された制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項17】
請求項16に記載されたプログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像データなどのインポート処理に関する。
【背景技術】
【0002】
医療機関から別の医療機関に患者を紹介する際など、当該患者の医用画像データを紹介先の医療機関に送付することがある。紹介元の医療機関は、当該医療機関の医療用画像管理システムから患者の医用画像データをエクスポートし、紹介先の医療機関は患者の医用画像データを当該医療機関の医療用画像管理システムにインポートする。なお、以下では、医療用画像管理システムを「PACS (picture archiving and communication system)」と呼ぶ。出願人は、医用画像データをPACSにインポートする際に、重複インポートを防ぐ装置を提案している(特許文献1参照)。
【0003】
近年、紹介先の医療機関に訪れた患者や、紹介先の医療機関において検査を受ける者(以下、被検者)が、紹介元の医療機関において撮影された自身の医用画像データをPACSにインポートすることが望まれている。患者や被検者が、自身の医用画像データをPACSにインポートする場合、煩雑な操作なしに、インポートが完了することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-099561号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】日本医療情報学会(JAMI)「患者に渡す医用画像媒体についての合意事項 改訂版」2011年11月8日、http://www.jami.jp/PDI/pdi2.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、医用画像データなどの容易なインポートを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
【0008】
本発明にかかる画像入力装置は、カードに記録されたデータを取得するための第一の取得手段、メディアに記録されたデータを取得するための第二の取得手段、データ処理装置との間の通信を行う通信手段、並びに、前記第一および第二の取得手段および前記通信手段を制御する制御手段を有し、医用データのインポート処理を行う画像入力装置であって、前記制御手段は、前記第一の取得手段がカードから取得したデータを前記データ処理装置に送信して、前記カードが診察券として有効または無効を示す応答を前記データ処理装置から受信し、前記有効な診察券を示す応答を受信した場合、前記第二の取得手段に挿入されたメディアに医用データが存在するか否かを判定し、前記メディアに医用データが存在すると判定した場合、前記メディアから取得した医用データを前記データ処理装置に送信する。
【0009】
本発明にかかるデータ処理装置は、画像入力装置および医療用画像管理システムとの間の通信を行う通信手段、並びに、前記通信手段を制御する制御手段を有し、医用データのインポート処理を行うデータ処理装置であって、前記制御手段は、前記画像入力装置においてカードから取得されたデータを前記画像入力装置から受信し、前記データに基づき前記カードが診察券として有効または無効を示す応答を前記画像入力装置に送信し、前記有効な診察券を示す応答の送信に対して、前記画像入力装置においてメディアから取得された医用データを前記画像入力装置から受信し、前記カードから取得された診察券データに基づき、前記医用データに含まれる患者情報の適合化を行い、前記適合化した患者情報を含む医用データを前記医療用画像管理システムに送信する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、医用画像データなどの容易なインポートが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】DICOM規格に準拠する医用画像データのデータ構成を説明する図。
図2】医用データのエクスポートとインポートの概要を説明するブロック図。
図3】メディアの一例を示す図。
図4】実施例の画像入力装置とデータ処理装置の構成例を示すブロック図。
図5】画像入力装置におけるインポート処理を説明するフローチャート。
図6】画像入力装置におけるインポート処理を説明するフローチャート。
図7】インポート済み印刷の一例を示す図。
図8】データ処理装置におけるインポート処理を説明するフローチャート。
図9】データ処理装置におけるインポート処理を説明するフローチャート。
図10】メディアエラー時のエラー処理を説明するフローチャート。
図11】患者情報の不一致時のエラー処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明にかかる実施例の医用画像データなどのインポートシステム、画像入力装置、データ処理装置とそれらの処理を図面を参照して詳細に説明する。なお、実施例は特許請求の範囲にかかる本発明を限定するものではなく、また、実施例において説明する構成の組み合わせのすべてが本発明の解決手段に必須とは限らない。また、以下では、患者と被検者を区別せずに「患者」と表現する。
【実施例1】
【0013】
[医用画像データ]
医用画像データは、多くの場合、患者>検査(study)>シリーズ(series)>画像という階層構造で整理される。つまり、一人の患者に複数の「検査」があり、一つの検査に複数の「シリーズ」が含まれ、さらに、一つのシリーズに複数の画像が含まれる。逆に、一つの医用画像データは、患者、検査およびシリーズの一つの組み合わせに含まれる。
【0014】
医用画像データは、通常「検査」単位で取り扱われるため、患者を他の医療機関に紹介する際は、それまでに、紹介元の医療機関で撮影された複数の検査の医用画像データが一括して、紹介先の医療機関に送付される場合が殆どである。
【0015】
図1によりDICOM規格に準拠する医用画像データ(以下、DICOM画像データ)のデータ構成を説明する。なお、日本医療情報学会(JAMI)は、患者に渡す医用画像メディアにおける合意事項を示し、その中で、DICOM規格に準拠することを謳っている(非特許文献1参照)。DICOM画像データは、患者情報、検査情報、シリーズ情報および画像情報、その他を含む付帯情報が記録されたインデックスファイルであるDICOMDIR、並びに、実画像データから構成される。
【0016】
患者情報には、患者のID、氏名、生年月日、性別など患者を特定するための情報が記録される。検査情報には、検査を識別するための検査インスタンスUID (unique identifier)、検査日時、受付または検査番号、担当医師などの検査に関する情報が記録される。シリーズ情報には、シリーズを識別するシリーズインスタンスUID、モダリティ、検査部位、シリーズ番号など、一つの検査において生成されるモダリティごとの一連の医用画像データの単位(シリーズ)に関する情報が記録される。
【0017】
画像情報には、画像を識別するSOPインスタンスUID、画像番号などの医用画像データに関する情報が記録される。その他の情報として、一連の医用画像データが複数のメディアに分けて記録された場合のメディアの数と順番(例えば3枚組の1枚目)などが記録される。また、以下では、付帯情報と医用画像データを合わせて「医用データ」と呼ぶ場合がある。
【0018】
[システムの構成]
図2のブロック図により医用データのエクスポートとインポートの概要を説明する。なお、図2には医療機関10にエクスポータとしての画像出力装置11が、医療機関20にインポートシステム21が配置された例を示すが、医療機関10、20それぞれにエクスポータとインポートシステムが配置されていてもよい。
【0019】
医療機関10において、医師は、患者17について、必要と判断した検査に関する医用画像データのエクスポート指示を画像出力装置11に入力する。エクスポート指示に従い、画像出力装置11は、ローカルエリアネットワーク(LAN)15を介して、必要な医用画像データをPACS12に要求する。PACS12は、要求された医用画像データを画像サーバ13から抽出し、LAN15を介して、抽出した医用画像データを画像出力装置11に送信する。
【0020】
医用画像データを受信した画像出力装置11は、医用画像データに含まれる情報に基づき付帯情報を作成する。そして、図1に示すフォーマットにより、医用画像データと付帯情報をメディア16に記録し、メディア16を排出する。必要に応じて、病院情報システム(HIS)14には、画像出力装置11またはPACS12からの情報に基づき、患者17の医用データのエクスポートが実行されたことが記録される。
【0021】
HIS14は、医療機関10内の検査診断予約システム(オーダリングシステム)、医事会計システム、電子カルテなどを統合したコンピュータシステムである。また、メディア16として、例えば、SD(商標)メモリカード、USB (Universal Serial Bus)メモリ、CD (Compact Disc)、DVD (Digital Versatile Disc)、BD(ブルーレイディスク、商標)などの記録媒体が利用可能である。以下では、医療機関10または30から医療機関20に、患者が携行するディスクによって医用データが送付される場合を説明する。
【0022】
図3によりメディア16の一例を示す。メディア16の表面には、医用データのエクスポートを行った医療機関10の名称、作成日(エクスポート日)、医療機関10における患者ID、患者の氏名・生年月日・性別、撮影日、撮影の種類、メディア16に記録された医用画像の数などが印刷される。
【0023】
一つの患者IDに対して一つのメディアが原則であり、一つのメディアに複数の患者ID(複数の患者)に対応する医用データが記録されることはない。また、一連の医用画像データが複数のメディアに分けて記録された場合、例えば「1/3(3枚組のディスクの1枚目)」などの情報を付加情報としてメディア16に記録することができる。
【0024】
患者17は、上記のように作成されたメディア16を医療機関10の検査課窓口などで受け取り、紹介先医療機関(図1の例では医療機関20)に当該メディア16を携行する。詳細は後述するが、医療機関20において、患者17は、受付窓口の指示に従い、医療機関20における自身の診察券をインポートシステム21の診察券挿入口に挿入し、メディア16に記録された医用データのインポートを開始する。
【0025】
インポートシステム21は、例えば、複数台の画像入力装置211、…、212、および、一台のデータ処理装置213から構成される。詳細は後述するが、画像入力装置211は、インポートを開始すると、診察券の磁気データから読み取ったデータ(以下、診察券データ)、メディア16から読み取った医用データなどをデータ処理装置213に送信する。
【0026】
データ処理装置213は、診察券データ、医用データなどを受信すると、それら情報を受信した旨を示す受信確認を画像入力装置211に送信する。確認応答を受信した画像入力装置211は、インポート終了を示す受領票を印刷し排出して、患者17からみたインポートが終了する。
【0027】
一方、詳細は後述するが、データ処理装置213は、診察券データの判定、付帯情報に含まれる患者情報の適合化、PACS22への医用データなどの送信を行う。医用データなどを受信したPACS22は、それら情報を受信した旨を示す確認応答をデータ処理装置213に送信し、それら情報を画像サーバ23に格納する。また、PACS22は、患者IDに対応する医用データをインポートした旨を示す情報をHIS24に通知し、システムにおけるインポートが終了する。
【0028】
上記では磁気カード式診察券を例に挙げたが、ICカード式診察券の場合、画像入力装置211は、診察券のICチップから診察券データを取得する。また、医療機関30において、自身の医用データが記録されたメディア36を受け取った患者37は、医療機関20において、患者17と同様に、医用データのインポートを行うことができる。
【0029】
なお、図2に示す外部ネットワーク40、サーバ装置41、VPNルータ42、43、については、実施例2において説明する。
【0030】
[装置の構成]
図4のブロック図により実施例の画像入力装置211とデータ処理装置213の構成例を示す。なお、画像入力装置212は、画像入力装置211と同じ構成を有し、その説明を省略する。画像入力装置211は、一つの筐体に格納された情報処理部210と各種周辺機器を有する。
【0031】
●画像入力装置
情報処理部210のCPU234は、RAM235をワークメモリとして、ROM236や記憶部237に格納されたOSや各種プログラムを実行し、システムバス233を介して、後述する構成を制御する。記憶部237は、HDD、SSD、フラッシュメモリなどから構成され、画像入力装置211がインポート処理を実行するためのインポート用プログラムや後述する周辺機器用のドライバソフトウェアなどが格納されている。
【0032】
CPU234は、例えばネットワークインタフェイス(I/F)238およびLAN25を介して、データ処理装置213と通信を行う。また、CPU234は、ビデオカード(VC)231を介して、周辺機器であるタッチスクリーン221の表示部にユーザインタフェイス画面を表示する。周辺機器I/F212は、各種周辺機器を接続するための例えばUSBなどのシリアルバスインタフェイスである。なお、周辺機器によってはSATA、eSATA、PCIe(登録商標)、Thunderbolt(商標)などのインタフェイスを周辺機器I/F212に含めてもよい。
【0033】
画像入力装置211は、周辺機器として次を備える。
・ユーザインタフェイス(UI)を提供するタッチスクリーン221、
・カード状の診察券の磁気データまたはICチップから診察券データを読み取るカードリーダ223、
・メディア16に記録されたデータを読み取るディスクドライブのようなメディアリーダ224、
・受領票29などの伝票を印刷するプリンタ225。
【0034】
また、画像入力装置211は、必要に応じて次を備える。
・画像入力装置211を操作する人物の顔画像を撮影するカメラ222、
・メディア16の表面の画像を取得するラインセンサ(LS)226、
・インポートが完了したメディア16にインポート済みを示す印刷を行うラインプリンタ(LP)227、
・UIの表示を読み上げるテキスト読み上げ装置(不図示)、
・音声入力装置(不図示)、など。
【0035】
●データ処理装置
データ処理装置213のCPU241は、RAM242をワークメモリとして、ROM243や記憶部244に格納されたOSや各種プログラムを実行し、システムバス246を介して、後述する構成を制御する。記憶部244は、HDD、SSD、フラッシュメモリなどから構成され、データ処理装置213がインポート処理を実行するためのインポート用プログラムなどが格納されている。CPU241は、例えばネットワークI/F245およびLAN25を介して、画像入力装置211および212、並びに、PACS22と通信を行う。
【0036】
[インポート処理]
●画像入力装置の処理
図5図6のフローチャートにより画像入力装置211におけるインポート処理を説明する。なお、図5図6に示すインポート処理はCPU234によって実行される。また、以下では、診察券が磁気カード式であり、周辺機器としてカメラ222、LS225、LP226が備わる例を説明する。なお、カメラ222、LS225、および/または、LP226が存在しない場合、対応する処理が省略されることは言うまでもない。また、画像入力装置211の操作は、患者17だけでなく、医療機関20のスタッフや患者17の介護者によっても可能であるが、以下では、患者17が画像入力装置211を操作するとして説明を行う。
【0037】
CPU234は、診察券の挿入を促す画面をUIに表示し(S101)、診察券の挿入を待つ(S102)。診察券28がカードリーダ223に挿入されると、CPU234は、インポート処理の開始をデータ処理装置213に通知して、データ処理装置213から受付番号を受信する(S103)。CPU214は、カードリーダ223を制御して、診察券データを読み取り(S104)、診察券28を排出する(S105)。そして、カメラ222を制御して患者の顔画像を撮影し(S106)、受付番号、診察券データ、顔画像データをデータ処理装置213に送信する(S107)。
【0038】
データ処理装置213におけるインポート処理は後述するが、CPU234は、データ処理装置213の応答に基づき処理を分岐する(S108)。ステップS108におけるデータ処理装置213の応答は、診察券の有効無効を示し、例えば、次の何れかの場合、データ処理装置213は「無効な診察券」を示す応答を返す。
・診察券データが患者情報を示さない、
・診察券データが他の医療機関を示す、
・診察券データの形式が医療機関20の患者情報形式と異なる。
【0039】
無効な診察券の場合、CPU234は、例えばUIに「WXYZ大学病院の診察券を入れてください」などのメッセージを表示して、処理をステップS101に戻す。なお、メッセージとして、発生した問題を示す「患者様の情報が読み取れません」「別の医療機関の診察券です」などを併せて表示してもよい。また、無効な診察券の場合、RAM235や記憶部237に一時格納された診察券データや顔画像データが削除される。
【0040】
一方、有効な診察券の場合、CPU234は、メディアの挿入を促す画面をUIに表示し(S109)、メディアの挿入を待つ(S110)。メディア16が挿入されると、CPU234は、LS226を制御して、メディアリーダ224にロードされるメディア16の表面(画像)を読み取る(S111)。なお、読み取られたメディア16の画像は記憶部237などの所定領域に一時格納される。
【0041】
次に、CPU234は、メディアリーダ224を制御して、メディア16のルートにDICOMDIRが存在するか否かを判定する(S112)。DICOMDIRが存在しない場合、メディア内のファイルをスキャンし(S113)、ファイルタイプが「DICOM」のファイル(以下、DICOMファイル)が存在するか否かを判定する(S114)。なお、スキャンの途中でDICOMファイルが発見された場合、その時点でスキャンが終了する。
【0042】
DICOMDIRまたはDICOMファイルが存在しない場合、CPU234は、受付番号を含むメディアエラー通知をデータ処理装置213に送信し(S115)、後述するエラー処理(S116)を行い、処理をステップS101に戻す。
【0043】
一方、DICOMDIRまたはDICOMファイルが存在する場合、CPU234は、メディアリーダ224を制御してDICOMDIRまたはDICOMファイルから付帯情報を読み取る(S121)。なお、付帯情報はRAM235などの所定領域に一時格納される。
【0044】
次に、CPU234は、メディアリーダ224を制御して、メディア16から医用画像データを読み取り(S122)、読み取りが終了するとメディア16を排出する(S123)。なお、医用画像データは記憶部237の所定領域に一時格納される。また、メディアの排出時、CPU234は、LP227を制御して、メディア16にインポート済み印刷を行う。
【0045】
図7によりインポート済み印刷の一例を示す。図7に示すインポート済み印刷例には、インポート日や医療機関の名称が含まれるが、さらに、受付番号、患者ID、インポート時間または医療機関のロゴマークなどを含めてもよい。また、インポート済み印刷の位置や形状は任意であり、印刷位置は排出時のメディア16の向きによって変化する。
【0046】
次に、CPU234は、次のメディアがあるか否かを問い合わせるメッセージをUIに表示し、患者17の応答を待つ(S124)。この問合せに対して、患者17は、次のメディア16があれば当該メディア16を画像入力装置211に挿入し、次のメディアがない場合はUIの「完了」ボタンにタッチする。
【0047】
次のメディア16が挿入された場合、CPU234は、LS226を制御して、メディアリーダ224にロードされるメディア16の表面(画像)を読み取り(S125)、処理をステップS122に戻して、医用画像データの読み取りを行う。なお、二枚目以降のメディアから付帯情報を読み取り、一枚目のメディアの付帯情報との間に矛盾がないか否かを判定してもよい。そして、矛盾がある場合は、一連のメディアではないことを患者17に伝えるメッセージをUIに表示するなど、インポート処理を制御することもできる。
【0048】
他方、ステップS120の問合せに対して「完了」ボタンがタッチされた場合、CPU234は、プリンタ224を制御して医用画像データの受領を示す受領票29を印刷する(S126)。その後、CPU234は、受付番号、医用データ、メディアの画像のデータ処理装置213への送信(S127)、ステップS127のデータ送信に対する確認応答の受信判定(S128)、確認応答受信後の読取情報の削除(S129)などを行いインポート処理を終了する。
【0049】
図5図6には示さないが、ステップS127からS129はバックグラウンド処理として行われ、画像入力装置210は、受領票29の印刷後、次のインポート処理(ステップS101からの処理)を開始することができる。なお、受領票29には、受付番号などを含むバーコード(または二次元コード)、インポート日時、患者情報(少なくとも患者ID)、メディア16に関する情報などが記録される。
【0050】
また、確認応答が受信できない場合として、データ処理装置213における障害発生が考えられるが、その場合の例外処理は本発明の主題ではないので、その説明を省略する。また、読取情報の削除(S129)には、RAM235や記憶部237に一時格納した診察券データ、顔画像データ、医用データ、メディアの画像などの削除が含まれる。
【0051】
●データ処理装置の処理
図8図9のフローチャートによりデータ処理装置213におけるインポート処理を説明する。なお、図8図9に示すインポート処理はCPU241によって実行される。
【0052】
CPU241は、画像入力装置211や212からインポート処理の開始通知を受信するのを待ち(S201)、当該通知を受信すると、インポート処理を開始し、当該通知の送信元の画像入力装置にユニークな受付番号を送信する(S202)。データ処理装置213は、複数の画像入力装置との間で並列にインポート処理を行うことが可能であり、受付番号によって個々のインポート処理を判別する。以下では、画像入力装置211との間でインポート処理を行う場合を説明するが、並列に、画像入力装置212との間のインポート処理が行われている場合がある。
【0053】
次に、CPU241は、画像入力装置211から受付番号、診察券データ、顔画像データを受信し(S203)、診察券データの判定を行う(S204)。前述したように、診察券データが、患者情報を示すか否か、他の医療機関を示すか否か、その形式が医療機関20の患者情報形式と一致するか否かなどの判定が行われる。CPU241は、診察券データの判定結果を画像入力装置211に送信し(S205)、判定結果に基づき処理を分岐する(S206)。つまり、無効な診察券の場合は、画像入力装置211との間のインポート処理を終了して処理をステップS201に戻す。また、有効な診察券の場合は処理をステップS207に進める。
【0054】
次に、CPU241は、画像入力装置211からメディアエラー通知を受信したか否かを判定し(S207)、メディアエラー通知を受信すると、画像入力装置211との間のインポート処理について後述するエラー処理(S208)を実行する。また、メディアエラー通知を受信することなく、画像入力装置211から受付番号、医用データ、メディアの画像を受信すると(S211)、画像入力装置211に確認応答を送信する(S212)。
【0055】
次に、CPU241は、診察券データに含まれる患者IDをキーとしてHIS24から漢字表記の患者氏名を取得し(S213)、診察券データの患者情報と、付帯情報に含まれる患者情報が一致するか否かを判定する(S214)。診察券データにはアルファベット表記または仮名表記のみの患者氏名が記録されている場合が多く、漢字表記の患者氏名を取得することにより、患者情報の一致を判定する際の情報量の不足が補われる。
【0056】
患者情報の一致判定は、診察券データの患者氏名、生年月日、性別、HIS24から取得した漢字表記の患者氏名と、付帯情報に含まれる患者情報の患者氏名、生年月日(西暦表記)、性別を比較することで行う。生年月日や性別が一致しない場合は患者情報の不一致と判定することができる。
【0057】
生年月日や性別が一致する場合は、患者氏名に基づき患者情報の一致を判定することになる。しかし、付帯情報に含まれる患者氏名がアルファベット表記または仮名表記の場合、HIS24から取得した漢字表記の患者氏名を用いて判定を行うことができない。この場合、付帯情報に含まれる患者氏名(アルファベット表記または仮名表記)と、診察券データに含まれる患者氏名(アルファベット表記または仮名表記)の間で類似度を計算し、類似度が所定の閾値未満の場合は患者情報の不一致と判定する。
【0058】
患者情報が不一致と判定した場合、CPU241は、画像入力装置211との間で実行中のインポート処理について、後述するエラー処理(S215)を実行する。一方、患者情報が一致すると判定した場合、CPU241は、付帯情報やDICOM画像データに含まれる患者情報の適合化を行う(S216)。患者情報の適合化は、患者IDの付け替え(ABCD病院の患者IDをWXYZ大学病院の患者IDに書き換える)、患者氏名の表記統一(ABCD病院の表記をWXYZ大学病院の表記に変更する)などである。
【0059】
次に、CPU241は、医用データ、メディアの画像をPACS22に送信し(S217)、ステップS217のデータ送信に対する確認応答をPACS22から受信したか否かを判定する(S218)。確認応答が受信できない場合として、PACS22における障害発生が考えられるが、その場合の例外処理は本発明の主題ではないので、その説明を省略する。
【0060】
確認応答を受信すると、CPU241は、受信情報の削除を行い(S219)、画像入力装置211との間のインポート処理を終了し、処理をステップS201に戻す。なお、受信情報の削除には、RAM242や記憶部244に一時格納した診察券データや医用データなどの削除が含まれる。また、RAM242や記憶部244に一時格納した顔画像データやメディアの画像などは所定期間後に削除される。また、顔画像データは、例えば受付番号に関連付けられて、データ処理装置213において管理されるか、HIS24に送信されてHIS24において管理される。
【0061】
[エラー処理]
●メディアエラー(S116、S208)
図10のフローチャートによりメディアエラー時のエラー処理(S116、S208)を説明する。
【0062】
メディアエラー(メディア16にDICOMDIRが存在せず、DICOMファイルも存在しない)は、医療機関20における運用形態により、エラー扱いとする場合と、メディアから画像を取得する場合がある。エラー扱いとする場合、画像入力装置211のCPU234は、UIにエラーメッセージを表示し(S301)、メディア16を排出して、インポート処理を終了する(S302)。この場合、データ処理装置213のCPU241は、画像入力装置211との間のインポート処理を終了する(S303)だけである。
【0063】
また、メディアから画像を取得する場合、CPU234は、メディア16に記録されたJPEG画像などの一般的な画像データを取得し(S311)、取得した画像データをDICOM画像データに変換する(S312)。そして、受付番号、DICOM画像データ、メディアの画像をデータ処理装置213に送信し(S313)、メディア16を排出して、インポート処理を終了する(S314)。なお、インポート処理の終了時、ステップS129と同様に読取情報の削除が行われる。さらに、インポート処理の終了時、ステップS123と同様のンポート済み印刷やステップS128と同様の受領票の印刷を行ってもよい。
【0064】
CPU241は、診察券データ、DICOM画像データ、メディアの画像を受付番号に関連付けて記憶部244の所定領域に格納する(S315)。そして、メディアエラーの発生を報知し(S316)、画像入力装置211との間のインポート処理を終了する(S317)。
【0065】
メディアエラー発生の報知により、例えば、医療機関20のシステム管理者は、記憶部244の所定領域に格納されたDICOM画像データの取り扱い(例えば、PACS22に送信する、削除する)を判断する。
【0066】
●患者情報の不一致(S215)
図11のフローチャートにより患者情報の不一致時のエラー処理(S215)を説明する。
【0067】
患者情報の不一致が発生した場合、データ処理装置213のCPU241は、診察券データ、医用データ、メディアの画像、顔画像データを、受付番号に関連付けて記憶部244の所定領域に格納する(S321)。そして、患者情報の不一致発生を報知し(S322)、画像入力装置211との間のインポート処理を終了する(S323)。
【0068】
患者情報の不一致発生の報知により、例えば、医療機関20のシステム管理者は、記憶部244の所定領域に格納された診察券データ、医用データ、メディアの画像、顔画像データの取り扱い(例えば、PACS22に送信する、削除する)を判断する。医用画像データをPACS22に送信する場合、システム管理者は、診察券データに基づき適合化した付帯情報をPACS22に送信する。
【0069】
[変形例]
上記では、ステップS112とS114において、メディア16にDICOMDIRが存在せず、DICOMファイルも存在しないと判定した場合、図10に示すメディアエラー時のエラー処理に分岐する例を説明した。しかし、運用によっては、メディア16から無条件に画像ファイル(DICOMファイルの場合もあれば、そうでない場合もある)を読み込むこともある。その場合、図5のステップS111の処理後、図10のステップS311からS317を実行すればよい。
【実施例2】
【0070】
以下、本発明にかかる実施例2の医用画像データなどのインポートシステム、画像入力装置、データ処理装置とそれらの処理を図面を参照して詳細に説明する。なお、実施例2において、実施例1と略同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
【0071】
実施例1においては、患者が携行するメディアを介して医用データのインポートを行う例を示したが、地域医療連携ネットワークやインターネットを介したVPNなどの外部ネットワークを利用して医用データのエクスポートとインポートも可能である。
【0072】
図2において、医療機関10のLAN15はVPNルータ42を介して外部ネットワーク40に接続されている。外部ネットワーク40に配置されたサーバ装置41は、医用データ、検査結果、処方情報などを一時保管するためのサーバである。同様に、医療機関20のLAN25はVPNルータ43を介して外部ネットワーク40に接続されている。
【0073】
医療機関10の画像出力装置11は、サーバ装置41に、患者17の医用データをアップロードする(エクスポート処理)。患者17は、医療機関10の検査課窓口などで自身の医用データを取得するための取得コード(以下、トークン)が記録された伝票を受け取り、メディア16の代わりに当該伝票を医療機関20に携行する。医療機関20において、患者17は、受付窓口の指示に従い、医療機関20における自身の診察券を画像入力装置211の診察券挿入口に挿入し、医用データのインポートを開始する。つまり、画像入力装置211は、ステップS101からS108の処理を行う。
【0074】
データ処理装置213から「有効な診察券」を示す応答を受信すると、画像入力装置211は、例えば「医用画像の取得コードを入力してください」などのメッセージをUIに表示する。患者17は、当該メッセージに従い、タッチスクリーン221を操作して伝票に記録されたトークンを入力するか、伝票に記録されたバーコード(または二次元コード)を画像入力装置211に読み取らせる。バーコード(または二次元コード)の読み取りには、カメラ222または図示しないハンディスキャナが用いられる。
【0075】
画像入力装置211は、診察券データ、トークンなどをデータ処理装置213に送信する。データ処理装置213は、診察券データ、トークンなどを受信すると、それら情報を受信した旨を示す受信確認を画像入力装置211に送信する。確認応答を受信した画像入力装置211は、インポート終了を示す受領票29を印刷し排出して、患者17からみたインポートが終了する。
【0076】
一方、データ処理装置213は、トークンをキーにしてサーバ装置41から医用データをダウンロードする。以降、データ処理装置213は、実施例1と同様の手順で、患者情報の一致判定、患者情報の適合化、PACS22へのデータ送信を行う(インポート処理)。
【0077】
[変形例]
実施例1では、ステップS124において、患者17によって次のメディアの有無が指示される例を説明した。CPU234が付帯情報から一連の医用画像データが記録されたメディアの数を認識可能な場合がある。この場合、CPU234は、当該情報に基づき、次のメディアの挿入を患者17に促し(S124)、全メディアの読み取りが終了すると処理をステップS126に進めることができる。
【0078】
CPU234は、発生した問題やエラーを、受付番号に対応させたログとして記憶部237に記録する。また、ステップS108において、受付番号などを含むバーコード(または二次元コード)とエラーメッセージを記録した伝票をプリンタ225により印刷し、当該伝票を患者17に提供することができる。この場合、患者17は、当該伝票を医療機関20の受付に提示して、医療機関20のスタッフに問題解決(またはその補助)を依頼することができる。
【0079】
UIには、常に「キャンセル」ボタンが表示され、患者17は「キャンセル」ボタンにタッチすることで、メディアの読み取り期間中、何時でもインポートの中止を指示することができる。インポートの中止が指示された場合、CPU234は、RAM235や記憶部237に一時格納した情報やデータを削除し、メディア16を排出し、その後、処理をステップS101に戻す(インポート処理の中止)。
【0080】
図2には、データ処理装置213が独立に存在する例を示したが、画像入力装置が一台の場合はデータ処理装置213と画像入力装置を一体化することができる。あるいは、PACS23にデータ処理装置213の機能をもたせ、PACS23と画像入力装置をLAN25を介して接続することもできる。
【符号の説明】
【0081】
21 … インポートシステム、211、212 … 画像入力装置、213 … データ処理装置、22 … PACS、24 … HIS
図1
図2
図3
図4
図5
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