【実施例1】
【0013】
[医用画像データ]
医用画像データは、多くの場合、患者>検査(study)>シリーズ(series)>画像という階層構造で整理される。つまり、一人の患者に複数の「検査」があり、一つの検査に複数の「シリーズ」が含まれ、さらに、一つのシリーズに複数の画像が含まれる。逆に、一つの医用画像データは、患者、検査およびシリーズの一つの組み合わせに含まれる。
【0014】
医用画像データは、通常「検査」単位で取り扱われるため、患者を他の医療機関に紹介する際は、それまでに、紹介元の医療機関で撮影された複数の検査の医用画像データが一括して、紹介先の医療機関に送付される場合が殆どである。
【0015】
図1によりDICOM規格に準拠する医用画像データ(以下、DICOM画像データ)のデータ構成を説明する。なお、日本医療情報学会(JAMI)は、患者に渡す医用画像メディアにおける合意事項を示し、その中で、DICOM規格に準拠することを謳っている(非特許文献1参照)。DICOM画像データは、患者情報、検査情報、シリーズ情報および画像情報、その他を含む付帯情報が記録されたインデックスファイルであるDICOMDIR、並びに、実画像データから構成される。
【0016】
患者情報には、患者のID、氏名、生年月日、性別など患者を特定するための情報が記録される。検査情報には、検査を識別するための検査インスタンスUID (unique identifier)、検査日時、受付または検査番号、担当医師などの検査に関する情報が記録される。シリーズ情報には、シリーズを識別するシリーズインスタンスUID、モダリティ、検査部位、シリーズ番号など、一つの検査において生成されるモダリティごとの一連の医用画像データの単位(シリーズ)に関する情報が記録される。
【0017】
画像情報には、画像を識別するSOPインスタンスUID、画像番号などの医用画像データに関する情報が記録される。その他の情報として、一連の医用画像データが複数のメディアに分けて記録された場合のメディアの数と順番(例えば3枚組の1枚目)などが記録される。また、以下では、付帯情報と医用画像データを合わせて「医用データ」と呼ぶ場合がある。
【0018】
[システムの構成]
図2のブロック図により医用データのエクスポートとインポートの概要を説明する。なお、
図2には医療機関10にエクスポータとしての画像出力装置11が、医療機関20にインポートシステム21が配置された例を示すが、医療機関10、20それぞれにエクスポータとインポートシステムが配置されていてもよい。
【0019】
医療機関10において、医師は、患者17について、必要と判断した検査に関する医用画像データのエクスポート指示を画像出力装置11に入力する。エクスポート指示に従い、画像出力装置11は、ローカルエリアネットワーク(LAN)15を介して、必要な医用画像データをPACS12に要求する。PACS12は、要求された医用画像データを画像サーバ13から抽出し、LAN15を介して、抽出した医用画像データを画像出力装置11に送信する。
【0020】
医用画像データを受信した画像出力装置11は、医用画像データに含まれる情報に基づき付帯情報を作成する。そして、
図1に示すフォーマットにより、医用画像データと付帯情報をメディア16に記録し、メディア16を排出する。必要に応じて、病院情報システム(HIS)14には、画像出力装置11またはPACS12からの情報に基づき、患者17の医用データのエクスポートが実行されたことが記録される。
【0021】
HIS14は、医療機関10内の検査診断予約システム(オーダリングシステム)、医事会計システム、電子カルテなどを統合したコンピュータシステムである。また、メディア16として、例えば、SD(商標)メモリカード、USB (Universal Serial Bus)メモリ、CD (Compact Disc)、DVD (Digital Versatile Disc)、BD(ブルーレイディスク、商標)などの記録媒体が利用可能である。以下では、医療機関10または30から医療機関20に、患者が携行するディスクによって医用データが送付される場合を説明する。
【0022】
図3によりメディア16の一例を示す。メディア16の表面には、医用データのエクスポートを行った医療機関10の名称、作成日(エクスポート日)、医療機関10における患者ID、患者の氏名・生年月日・性別、撮影日、撮影の種類、メディア16に記録された医用画像の数などが印刷される。
【0023】
一つの患者IDに対して一つのメディアが原則であり、一つのメディアに複数の患者ID(複数の患者)に対応する医用データが記録されることはない。また、一連の医用画像データが複数のメディアに分けて記録された場合、例えば「1/3(3枚組のディスクの1枚目)」などの情報を付加情報としてメディア16に記録することができる。
【0024】
患者17は、上記のように作成されたメディア16を医療機関10の検査課窓口などで受け取り、紹介先医療機関(
図1の例では医療機関20)に当該メディア16を携行する。詳細は後述するが、医療機関20において、患者17は、受付窓口の指示に従い、医療機関20における自身の診察券をインポートシステム21の診察券挿入口に挿入し、メディア16に記録された医用データのインポートを開始する。
【0025】
インポートシステム21は、例えば、複数台の画像入力装置211、…、212、および、一台のデータ処理装置213から構成される。詳細は後述するが、画像入力装置211は、インポートを開始すると、診察券の磁気データから読み取ったデータ(以下、診察券データ)、メディア16から読み取った医用データなどをデータ処理装置213に送信する。
【0026】
データ処理装置213は、診察券データ、医用データなどを受信すると、それら情報を受信した旨を示す受信確認を画像入力装置211に送信する。確認応答を受信した画像入力装置211は、インポート終了を示す受領票を印刷し排出して、患者17からみたインポートが終了する。
【0027】
一方、詳細は後述するが、データ処理装置213は、診察券データの判定、付帯情報に含まれる患者情報の適合化、PACS22への医用データなどの送信を行う。医用データなどを受信したPACS22は、それら情報を受信した旨を示す確認応答をデータ処理装置213に送信し、それら情報を画像サーバ23に格納する。また、PACS22は、患者IDに対応する医用データをインポートした旨を示す情報をHIS24に通知し、システムにおけるインポートが終了する。
【0028】
上記では磁気カード式診察券を例に挙げたが、ICカード式診察券の場合、画像入力装置211は、診察券のICチップから診察券データを取得する。また、医療機関30において、自身の医用データが記録されたメディア36を受け取った患者37は、医療機関20において、患者17と同様に、医用データのインポートを行うことができる。
【0029】
なお、
図2に示す外部ネットワーク40、サーバ装置41、VPNルータ42、43、については、実施例2において説明する。
【0030】
[装置の構成]
図4のブロック図により実施例の画像入力装置211とデータ処理装置213の構成例を示す。なお、画像入力装置212は、画像入力装置211と同じ構成を有し、その説明を省略する。画像入力装置211は、一つの筐体に格納された情報処理部210と各種周辺機器を有する。
【0031】
●画像入力装置
情報処理部210のCPU234は、RAM235をワークメモリとして、ROM236や記憶部237に格納されたOSや各種プログラムを実行し、システムバス233を介して、後述する構成を制御する。記憶部237は、HDD、SSD、フラッシュメモリなどから構成され、画像入力装置211がインポート処理を実行するためのインポート用プログラムや後述する周辺機器用のドライバソフトウェアなどが格納されている。
【0032】
CPU234は、例えばネットワークインタフェイス(I/F)238およびLAN25を介して、データ処理装置213と通信を行う。また、CPU234は、ビデオカード(VC)231を介して、周辺機器であるタッチスクリーン221の表示部にユーザインタフェイス画面を表示する。周辺機器I/F212は、各種周辺機器を接続するための例えばUSBなどのシリアルバスインタフェイスである。なお、周辺機器によってはSATA、eSATA、PCIe(登録商標)、Thunderbolt(商標)などのインタフェイスを周辺機器I/F212に含めてもよい。
【0033】
画像入力装置211は、周辺機器として次を備える。
・ユーザインタフェイス(UI)を提供するタッチスクリーン221、
・カード状の診察券の磁気データまたはICチップから診察券データを読み取るカードリーダ223、
・メディア16に記録されたデータを読み取るディスクドライブのようなメディアリーダ224、
・受領票29などの伝票を印刷するプリンタ225。
【0034】
また、画像入力装置211は、必要に応じて次を備える。
・画像入力装置211を操作する人物の顔画像を撮影するカメラ222、
・メディア16の表面の画像を取得するラインセンサ(LS)226、
・インポートが完了したメディア16にインポート済みを示す印刷を行うラインプリンタ(LP)227、
・UIの表示を読み上げるテキスト読み上げ装置(不図示)、
・音声入力装置(不図示)、など。
【0035】
●データ処理装置
データ処理装置213のCPU241は、RAM242をワークメモリとして、ROM243や記憶部244に格納されたOSや各種プログラムを実行し、システムバス246を介して、後述する構成を制御する。記憶部244は、HDD、SSD、フラッシュメモリなどから構成され、データ処理装置213がインポート処理を実行するためのインポート用プログラムなどが格納されている。CPU241は、例えばネットワークI/F245およびLAN25を介して、画像入力装置211および212、並びに、PACS22と通信を行う。
【0036】
[インポート処理]
●画像入力装置の処理
図5、
図6のフローチャートにより画像入力装置211におけるインポート処理を説明する。なお、
図5、
図6に示すインポート処理はCPU234によって実行される。また、以下では、診察券が磁気カード式であり、周辺機器としてカメラ222、LS225、LP226が備わる例を説明する。なお、カメラ222、LS225、および/または、LP226が存在しない場合、対応する処理が省略されることは言うまでもない。また、画像入力装置211の操作は、患者17だけでなく、医療機関20のスタッフや患者17の介護者によっても可能であるが、以下では、患者17が画像入力装置211を操作するとして説明を行う。
【0037】
CPU234は、診察券の挿入を促す画面をUIに表示し(S101)、診察券の挿入を待つ(S102)。診察券28がカードリーダ223に挿入されると、CPU234は、インポート処理の開始をデータ処理装置213に通知して、データ処理装置213から受付番号を受信する(S103)。CPU214は、カードリーダ223を制御して、診察券データを読み取り(S104)、診察券28を排出する(S105)。そして、カメラ222を制御して患者の顔画像を撮影し(S106)、受付番号、診察券データ、顔画像データをデータ処理装置213に送信する(S107)。
【0038】
データ処理装置213におけるインポート処理は後述するが、CPU234は、データ処理装置213の応答に基づき処理を分岐する(S108)。ステップS108におけるデータ処理装置213の応答は、診察券の有効無効を示し、例えば、次の何れかの場合、データ処理装置213は「無効な診察券」を示す応答を返す。
・診察券データが患者情報を示さない、
・診察券データが他の医療機関を示す、
・診察券データの形式が医療機関20の患者情報形式と異なる。
【0039】
無効な診察券の場合、CPU234は、例えばUIに「WXYZ大学病院の診察券を入れてください」などのメッセージを表示して、処理をステップS101に戻す。なお、メッセージとして、発生した問題を示す「患者様の情報が読み取れません」「別の医療機関の診察券です」などを併せて表示してもよい。また、無効な診察券の場合、RAM235や記憶部237に一時格納された診察券データや顔画像データが削除される。
【0040】
一方、有効な診察券の場合、CPU234は、メディアの挿入を促す画面をUIに表示し(S109)、メディアの挿入を待つ(S110)。メディア16が挿入されると、CPU234は、LS226を制御して、メディアリーダ224にロードされるメディア16の表面(画像)を読み取る(S111)。なお、読み取られたメディア16の画像は記憶部237などの所定領域に一時格納される。
【0041】
次に、CPU234は、メディアリーダ224を制御して、メディア16のルートにDICOMDIRが存在するか否かを判定する(S112)。DICOMDIRが存在しない場合、メディア内のファイルをスキャンし(S113)、ファイルタイプが「DICOM」のファイル(以下、DICOMファイル)が存在するか否かを判定する(S114)。なお、スキャンの途中でDICOMファイルが発見された場合、その時点でスキャンが終了する。
【0042】
DICOMDIRまたはDICOMファイルが存在しない場合、CPU234は、受付番号を含むメディアエラー通知をデータ処理装置213に送信し(S115)、後述するエラー処理(S116)を行い、処理をステップS101に戻す。
【0043】
一方、DICOMDIRまたはDICOMファイルが存在する場合、CPU234は、メディアリーダ224を制御してDICOMDIRまたはDICOMファイルから付帯情報を読み取る(S121)。なお、付帯情報はRAM235などの所定領域に一時格納される。
【0044】
次に、CPU234は、メディアリーダ224を制御して、メディア16から医用画像データを読み取り(S122)、読み取りが終了するとメディア16を排出する(S123)。なお、医用画像データは記憶部237の所定領域に一時格納される。また、メディアの排出時、CPU234は、LP227を制御して、メディア16にインポート済み印刷を行う。
【0045】
図7によりインポート済み印刷の一例を示す。
図7に示すインポート済み印刷例には、インポート日や医療機関の名称が含まれるが、さらに、受付番号、患者ID、インポート時間または医療機関のロゴマークなどを含めてもよい。また、インポート済み印刷の位置や形状は任意であり、印刷位置は排出時のメディア16の向きによって変化する。
【0046】
次に、CPU234は、次のメディアがあるか否かを問い合わせるメッセージをUIに表示し、患者17の応答を待つ(S124)。この問合せに対して、患者17は、次のメディア16があれば当該メディア16を画像入力装置211に挿入し、次のメディアがない場合はUIの「完了」ボタンにタッチする。
【0047】
次のメディア16が挿入された場合、CPU234は、LS226を制御して、メディアリーダ224にロードされるメディア16の表面(画像)を読み取り(S125)、処理をステップS122に戻して、医用画像データの読み取りを行う。なお、二枚目以降のメディアから付帯情報を読み取り、一枚目のメディアの付帯情報との間に矛盾がないか否かを判定してもよい。そして、矛盾がある場合は、一連のメディアではないことを患者17に伝えるメッセージをUIに表示するなど、インポート処理を制御することもできる。
【0048】
他方、ステップS120の問合せに対して「完了」ボタンがタッチされた場合、CPU234は、プリンタ224を制御して医用画像データの受領を示す受領票29を印刷する(S126)。その後、CPU234は、受付番号、医用データ、メディアの画像のデータ処理装置213への送信(S127)、ステップS127のデータ送信に対する確認応答の受信判定(S128)、確認応答受信後の読取情報の削除(S129)などを行いインポート処理を終了する。
【0049】
図5、
図6には示さないが、ステップS127からS129はバックグラウンド処理として行われ、画像入力装置210は、受領票29の印刷後、次のインポート処理(ステップS101からの処理)を開始することができる。なお、受領票29には、受付番号などを含むバーコード(または二次元コード)、インポート日時、患者情報(少なくとも患者ID)、メディア16に関する情報などが記録される。
【0050】
また、確認応答が受信できない場合として、データ処理装置213における障害発生が考えられるが、その場合の例外処理は本発明の主題ではないので、その説明を省略する。また、読取情報の削除(S129)には、RAM235や記憶部237に一時格納した診察券データ、顔画像データ、医用データ、メディアの画像などの削除が含まれる。
【0051】
●データ処理装置の処理
図8、
図9のフローチャートによりデータ処理装置213におけるインポート処理を説明する。なお、
図8、
図9に示すインポート処理はCPU241によって実行される。
【0052】
CPU241は、画像入力装置211や212からインポート処理の開始通知を受信するのを待ち(S201)、当該通知を受信すると、インポート処理を開始し、当該通知の送信元の画像入力装置にユニークな受付番号を送信する(S202)。データ処理装置213は、複数の画像入力装置との間で並列にインポート処理を行うことが可能であり、受付番号によって個々のインポート処理を判別する。以下では、画像入力装置211との間でインポート処理を行う場合を説明するが、並列に、画像入力装置212との間のインポート処理が行われている場合がある。
【0053】
次に、CPU241は、画像入力装置211から受付番号、診察券データ、顔画像データを受信し(S203)、診察券データの判定を行う(S204)。前述したように、診察券データが、患者情報を示すか否か、他の医療機関を示すか否か、その形式が医療機関20の患者情報形式と一致するか否かなどの判定が行われる。CPU241は、診察券データの判定結果を画像入力装置211に送信し(S205)、判定結果に基づき処理を分岐する(S206)。つまり、無効な診察券の場合は、画像入力装置211との間のインポート処理を終了して処理をステップS201に戻す。また、有効な診察券の場合は処理をステップS207に進める。
【0054】
次に、CPU241は、画像入力装置211からメディアエラー通知を受信したか否かを判定し(S207)、メディアエラー通知を受信すると、画像入力装置211との間のインポート処理について後述するエラー処理(S208)を実行する。また、メディアエラー通知を受信することなく、画像入力装置211から受付番号、医用データ、メディアの画像を受信すると(S211)、画像入力装置211に確認応答を送信する(S212)。
【0055】
次に、CPU241は、診察券データに含まれる患者IDをキーとしてHIS24から漢字表記の患者氏名を取得し(S213)、診察券データの患者情報と、付帯情報に含まれる患者情報が一致するか否かを判定する(S214)。診察券データにはアルファベット表記または仮名表記のみの患者氏名が記録されている場合が多く、漢字表記の患者氏名を取得することにより、患者情報の一致を判定する際の情報量の不足が補われる。
【0056】
患者情報の一致判定は、診察券データの患者氏名、生年月日、性別、HIS24から取得した漢字表記の患者氏名と、付帯情報に含まれる患者情報の患者氏名、生年月日(西暦表記)、性別を比較することで行う。生年月日や性別が一致しない場合は患者情報の不一致と判定することができる。
【0057】
生年月日や性別が一致する場合は、患者氏名に基づき患者情報の一致を判定することになる。しかし、付帯情報に含まれる患者氏名がアルファベット表記または仮名表記の場合、HIS24から取得した漢字表記の患者氏名を用いて判定を行うことができない。この場合、付帯情報に含まれる患者氏名(アルファベット表記または仮名表記)と、診察券データに含まれる患者氏名(アルファベット表記または仮名表記)の間で類似度を計算し、類似度が所定の閾値未満の場合は患者情報の不一致と判定する。
【0058】
患者情報が不一致と判定した場合、CPU241は、画像入力装置211との間で実行中のインポート処理について、後述するエラー処理(S215)を実行する。一方、患者情報が一致すると判定した場合、CPU241は、付帯情報やDICOM画像データに含まれる患者情報の適合化を行う(S216)。患者情報の適合化は、患者IDの付け替え(ABCD病院の患者IDをWXYZ大学病院の患者IDに書き換える)、患者氏名の表記統一(ABCD病院の表記をWXYZ大学病院の表記に変更する)などである。
【0059】
次に、CPU241は、医用データ、メディアの画像をPACS22に送信し(S217)、ステップS217のデータ送信に対する確認応答をPACS22から受信したか否かを判定する(S218)。確認応答が受信できない場合として、PACS22における障害発生が考えられるが、その場合の例外処理は本発明の主題ではないので、その説明を省略する。
【0060】
確認応答を受信すると、CPU241は、受信情報の削除を行い(S219)、画像入力装置211との間のインポート処理を終了し、処理をステップS201に戻す。なお、受信情報の削除には、RAM242や記憶部244に一時格納した診察券データや医用データなどの削除が含まれる。また、RAM242や記憶部244に一時格納した顔画像データやメディアの画像などは所定期間後に削除される。また、顔画像データは、例えば受付番号に関連付けられて、データ処理装置213において管理されるか、HIS24に送信されてHIS24において管理される。
【0061】
[エラー処理]
●メディアエラー(S116、S208)
図10のフローチャートによりメディアエラー時のエラー処理(S116、S208)を説明する。
【0062】
メディアエラー(メディア16にDICOMDIRが存在せず、DICOMファイルも存在しない)は、医療機関20における運用形態により、エラー扱いとする場合と、メディアから画像を取得する場合がある。エラー扱いとする場合、画像入力装置211のCPU234は、UIにエラーメッセージを表示し(S301)、メディア16を排出して、インポート処理を終了する(S302)。この場合、データ処理装置213のCPU241は、画像入力装置211との間のインポート処理を終了する(S303)だけである。
【0063】
また、メディアから画像を取得する場合、CPU234は、メディア16に記録されたJPEG画像などの一般的な画像データを取得し(S311)、取得した画像データをDICOM画像データに変換する(S312)。そして、受付番号、DICOM画像データ、メディアの画像をデータ処理装置213に送信し(S313)、メディア16を排出して、インポート処理を終了する(S314)。なお、インポート処理の終了時、ステップS129と同様に読取情報の削除が行われる。さらに、インポート処理の終了時、ステップS123と同様のンポート済み印刷やステップS128と同様の受領票の印刷を行ってもよい。
【0064】
CPU241は、診察券データ、DICOM画像データ、メディアの画像を受付番号に関連付けて記憶部244の所定領域に格納する(S315)。そして、メディアエラーの発生を報知し(S316)、画像入力装置211との間のインポート処理を終了する(S317)。
【0065】
メディアエラー発生の報知により、例えば、医療機関20のシステム管理者は、記憶部244の所定領域に格納されたDICOM画像データの取り扱い(例えば、PACS22に送信する、削除する)を判断する。
【0066】
●患者情報の不一致(S215)
図11のフローチャートにより患者情報の不一致時のエラー処理(S215)を説明する。
【0067】
患者情報の不一致が発生した場合、データ処理装置213のCPU241は、診察券データ、医用データ、メディアの画像、顔画像データを、受付番号に関連付けて記憶部244の所定領域に格納する(S321)。そして、患者情報の不一致発生を報知し(S322)、画像入力装置211との間のインポート処理を終了する(S323)。
【0068】
患者情報の不一致発生の報知により、例えば、医療機関20のシステム管理者は、記憶部244の所定領域に格納された診察券データ、医用データ、メディアの画像、顔画像データの取り扱い(例えば、PACS22に送信する、削除する)を判断する。医用画像データをPACS22に送信する場合、システム管理者は、診察券データに基づき適合化した付帯情報をPACS22に送信する。
【0069】
[変形例]
上記では、ステップS112とS114において、メディア16にDICOMDIRが存在せず、DICOMファイルも存在しないと判定した場合、
図10に示すメディアエラー時のエラー処理に分岐する例を説明した。しかし、運用によっては、メディア16から無条件に画像ファイル(DICOMファイルの場合もあれば、そうでない場合もある)を読み込むこともある。その場合、
図5のステップS111の処理後、
図10のステップS311からS317を実行すればよい。