(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564279
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】標尺及び水準測量方法
(51)【国際特許分類】
G01C 15/06 20060101AFI20190808BHJP
G01C 5/00 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
G01C15/06 Z
G01C5/00 T
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-168091(P2015-168091)
(22)【出願日】2015年8月27日
(65)【公開番号】特開2017-44610(P2017-44610A)
(43)【公開日】2017年3月2日
【審査請求日】2018年7月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100083563
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 祥二
(72)【発明者】
【氏名】草場 亮一
【審査官】
齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−333354(JP,A)
【文献】
特表2013−509313(JP,A)
【文献】
特開平03−067121(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 15/06
G01C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水準器に視準される標尺であって、前記水準器と正対する面に第1傾斜方向判断部材が設けられ、前記正対する面と反対側の面に第2傾斜方向判断部材が設けられ、前記第1傾斜方向判断部材と前記第2傾斜方向判断部材はそれぞれ前記水準器の視準線に対する傾斜に対応して表示が変化する様構成された標尺。
【請求項2】
前記第1傾斜方向判断部材は垂直レンチキュラーであり、該垂直レンチキュラーは前記視準線に対して垂直な位置から前方に傾いた場合に第1垂直パターンが視認され、前記視準線に対して垂直な位置から後方に傾いた場合に第2垂直パターンが視認される様構成された請求項1に記載の標尺。
【請求項3】
前記第1傾斜方向判断部材は垂直レンチキュラーであり、該垂直レンチキュラーは前記視準線に対して垂直な位置を境に前後に傾斜した場合に表示する色が変化する様構成された請求項1に記載の標尺。
【請求項4】
前記垂直レンチキュラーは、前記視準線に対して垂直又は略垂直となった場合に視認される第3垂直パターンを更に有する様構成された請求項2に記載の標尺。
【請求項5】
前記第1傾斜方向判断部材は水平レンチキュラーであり、該水平レンチキュラーは前記視準線に対して直交する平面から鉛直軸心に対して時計回りに回転していた場合に第1水平パターンが視認され、前記平面から鉛直軸心に対して反時計回りに回転していた場合に第2水平パターンが視認される様構成された請求項1に記載の標尺。
【請求項6】
前記第1傾斜方向判断部材は、前記正対する面に描かれた数値と数値の間に設けられた請求項1に記載の標尺。
【請求項7】
前記第1傾斜方向判断部材は垂直レンチキュラー及び水平レンチキュラーであり、前記垂直レンチキュラーは前記視準線に対して垂直な位置から前方に傾いた場合に第1垂直パターンが視認され、前記視準線に対して垂直な位置から後方に傾いた場合に第2垂直パターンが視認される様構成され、前記水平レンチキュラーは前記視準線に対して直交する平面から鉛直軸心に対して時計回りに回転していた場合に第1水平パターンが視認され、前記平面から鉛直軸心に対して反時計回りに回転していた場合に第2水平パターンが視認される様構成され、前記水準器と正対する面に、前記垂直レンチキュラーと前記水平レンチキュラーが高さ方向に交互に設けられた請求項6に記載の標尺。
【請求項8】
前記第1傾斜方向判断部材は垂直水平レンチキュラーであり、該垂直水平レンチキュラーは前記視準線に対して垂直な位置から前方に傾いた場合に第1垂直パターンが視認され、前記視準線に対して垂直な位置から後方に傾いた場合に第2垂直パターンが視認されると共に、前記視準線に対して直交する平面から鉛直軸心に対して時計回りに回転していた場合に第1水平パターンが視認され、前記平面から鉛直軸心に対して反時計回りに回転していた場合に第2水平パターンが視認される様構成された請求項6に記載の標尺。
【請求項9】
前記第2傾斜方向判断部材は、前記反対側の面の一部に設けられた取外し可能なシート状であり、目線の高さに合わせて貼付けられる様構成された請求項1〜請求項8のうちのいずれか1項に記載の標尺。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のうちいずれか1項に記載の標尺を水準器で視準し、視準高さを読取る水準測量方法であって、前記標尺に向って前記水準器を水平方向に視準した状態で、第1傾斜方向判断部材の表示が変化する様前記標尺を所定の角度幅で前後方向に揺動させ、該標尺に描かれた数値が最小となる目盛りを視準高さとして読取る水準測量方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水準測量を行う為の標尺に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、高低差を測定する為の水準測量に於いては、測定目標地点に設置した標尺を作業者が水準器(レベル)で視準し、標尺に描かれた数値を目視で読取っていた。この時、標尺が水準器に正対し、且つ標尺が水準器の視準線に対して垂直である必要がある。
【0003】
従来、標尺の値を読取る際には、水準器の視準線に対して標尺が垂直な位置を通る様、標尺側の作業者が標尺を前後方向に揺らし、水準器から視準する作業者が読取れる最も小さい数値を視準高さとしていた。標尺が視準線に対して前後方向に傾いていた場合には、実際の視準高さよりも大きい数値が読取られる為、最も小さい値を視準高さとして測定することで、標尺の目盛りの読み間違いを防止することができる。
【0004】
然し乍ら、標尺が視準線に対して垂直な位置を通ったかどうかを判断する基準はなく、標尺を前後方向に揺らした際に、標尺が視準線に対して垂直な位置を通らない場合がある。この場合には、目盛りの最も小さい値が実際の視準高さとは異なった値となる為、目盛りの誤読が生じ、正確な視準高さを求めることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−250068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、視準線に対して垂直な位置を確実に通過させ、目盛りの誤読を防止する標尺を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水準器に視準される標尺であって、前記水準器と正対する面に該水準器の視準線に対する傾斜に対応して表示が変化する傾斜方向判断部材が設けられた標尺に係るものである。
【0008】
又本発明は、前記傾斜方向判断部材は垂直レンチキュラーであり、該垂直レンチキュラーは前記視準線に対して垂直な位置から前方に傾いた場合に第1垂直パターンが視認され、前記視準線に対して垂直な位置から後方に傾いた場合に第2垂直パターンが視認される様構成された標尺に係るものである。
【0009】
又本発明は、前記傾斜方向判断部材は垂直レンチキュラーであり、該垂直レンチキュラーは前記視準線に対して垂直な位置を境に前後に傾斜した場合に表示する色が変化する様構成された標尺に係るものである。
【0010】
又本発明は、前記傾斜方向判断部材が前記水準器と正対しない面に更に設けられた標尺に係るものである。
【0011】
又本発明は、前記垂直レンチキュラーは、前記視準線に対して垂直又は略垂直となった場合に視認される第3垂直パターンを更に有する様構成された標尺に係るものである。
【0012】
又本発明は、前記傾斜方向判断部材は水平レンチキュラーであり、該水平レンチキュラーは前記視準線に対して直交する平面から鉛直軸心に対して時計回りに回転していた場合に第1水平パターンが視認され、前記平面から鉛直軸心に対して反時計回りに回転していた場合に第2水平パターンが視認される様構成された標尺に係るものである。
【0013】
又本発明は、前記傾斜方向判断部材は垂直レンチキュラー及び水平レンチキュラーであり、前記垂直レンチキュラーは前記視準線に対して垂直な位置から前方に傾いた場合に第1垂直パターンが視認され、前記視準線に対して垂直な位置から後方に傾いた場合に第2垂直パターンが視認される様構成され、前記水平レンチキュラーは前記視準線に対して直交する平面から鉛直軸心に対して時計回りに回転していた場合に第1水平パターンが視認され、前記平面から鉛直軸心に対して反時計回りに回転していた場合に第2水平パターンが視認される様構成され、前記水準器と正対する面に、前記垂直レンチキュラーと前記水平レンチキュラーが高さ方向に交互に設けられた標尺に係るものである。
【0014】
更に又本発明は、前記傾斜方向判断部材は垂直水平レンチキュラーであり、該垂直水平レンチキュラーは前記視準線に対して垂直な位置から前方に傾いた場合に第1垂直パターンが視認され、前記視準線に対して垂直な位置から後方に傾いた場合に第2垂直パターンが視認されると共に、前記視準線に対して直交する平面から鉛直軸心に対して時計回りに回転していた場合に第1水平パターンが視認され、前記平面から鉛直軸心に対して反時計回りに回転していた場合に第2水平パターンが視認される様構成された標尺に係るものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、水準器に視準される標尺であって、前記水準器と正対する面に該水準器の視準線に対する傾斜に対応して表示が変化する傾斜方向判断部材が設けられたので、前記標尺が前記視準線に対して垂直な位置を通過しているかどうかを容易に判断することができ、前記標尺の目盛りの誤読が防止され、正確な視準高さを検出することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1の実施例に係る水準測量を説明する概略図である。
【
図2】第1の実施例に係る標尺の要部拡大図である。
【
図3】(A)は第1の実施例に係るレンチキュラーの視準線に対する傾きを示す説明図であり、(B)(C)は(A)の各位置で視認される垂直パターンを示す説明図である。
【
図4】第2の実施例に係る水準測量を説明する概略図である。
【
図5】(A)は第3の実施例に係るレンチキュラーの視準線に対する傾きを示す説明図であり、(B)〜(D)は(A)の各位置で視認される垂直パターンを示す説明図である。
【
図6】第4の実施例に係る視準線に対する標尺の傾きを説明する概略図である。
【
図7】(A)は第5の実施例に係る標尺の要部拡大図であり、(B)は(A)の変形例を示す標尺の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0018】
先ず、
図1、
図2、
図3(A)〜
図3(C)に於いて、第1の実施例について説明する。
【0019】
図1中、1は水準器(レベル)を示し、2は該水準器1を支持する三脚を示し、3は地面に立てられた標尺を示している。
【0020】
該標尺3の前記水準器1と正対する面には、
図2に示される様に、傾斜方向判断部材、例えば垂直レンチキュラー4が高さ方向全長に亘って設けられている。レンチキュラーは、見る角度によって絵柄(パターン)、或は色が変化する性質を有している。本実施例では、前記垂直レンチキュラー4は、前記水準器1の視準線5に垂直な方向に対して上方から視認した場合と、下方から視認した場合とで絵柄(パターン)が異なる様、或は色が変化する様作成されたレンチキュラーとなっている。尚、以下の説明では、パターンが変化する場合について説明する。
【0021】
図3(A)は、前記視準線5に対する前記垂直レンチキュラー4の傾きを示し、
図3(B)、
図3(C)は、その時前記水準器1から視認される前記垂直レンチキュラー4の拡大図を示している。
【0022】
該垂直レンチキュラー4を上方から視認した場合、即ち前記標尺3が前方(前記水準器1に近接する方向)に傾斜していた場合には、該水準器1から前記標尺3を視準する作業者には、左下りの斜線パターンである第1垂直パターン6(
図3(B)参照)が視認される。
【0023】
又、前記垂直レンチキュラー4を下方から視認した場合、即ち前記標尺3が後方(前記水準器1から離反する方向)に傾斜していた場合には、該水準器1から前記標尺3を視準する作業者からは右下りの斜線パターンである第2垂直パターン7(
図3(C)参照)が視認される。
【0024】
前記第1垂直パターン6と前記第2垂直パターン7は、例えば前記第1垂直パターン6を黒、前記第2垂直パターン7を赤として色で区別される様になっていてもよい。尚、前記第1垂直パターン6と前記第2垂直パターン7は、
図3(B)、
図3(C)に示される斜線パターン以外のパターンでもよく、区別が容易となるパターン或は模様等が適宜設定される。
【0025】
次に、
図1を参照して本実施例の前記標尺3を用いた水準測量について説明する。
【0026】
先ず、所定の地点に前記水準器1を設置し、目標地点に前記標尺3を立て、該標尺3の目盛りが設けられた面を前記水準器1に正対させる。
【0027】
この状態で、一方の作業者が前記水準器1により前記標尺3に向って水平方向を視準し、他方の作業者が前記標尺3を所定の角度幅、例えば10°〜20°程度の幅で前後方向に揺動させる。
【0028】
一方の作業者は、前記垂直レンチキュラー4が前記第1垂直パターン6から前記第2垂直パターン7、或は該第2垂直パターン7から前記第1垂直パターン6に変化するのを確認する。
【0029】
この時、前記垂直レンチキュラー4が前記第1垂直パターン6のまま変化しない、或は前記第2垂直パターン7のまま変化しない場合には、一方の作業者は、他方の作業者に対し、視認されているパターンに応じてより前方に傾ける、或はより後方に傾ける等の指示を出す。
【0030】
一方の作業者は、前記垂直レンチキュラー4のパターンが変化するのを確認すると、数値が最小となる前記標尺3の目盛りを視準高さとして読取る。
【0031】
別の目標地点についても同様に、前記水準器1により数値が最小となる前記標尺3の目盛りを視準高さとして読取る。読取った2つの視準高さの差を求めることで2つの目標地点の高低差を求め、水準測量を終了する。
【0032】
本実施例では、前記標尺3の高さ方向全長に亘って前記垂直レンチキュラー4を設け、前記視準線5に対して垂直な位置から前方に傾斜した場合と後方に傾斜した場合とで、前記垂直レンチキュラー4のパターンが前記第1垂直パターン6と前記第2垂直パターン7とで変化する様にしている。
【0033】
従って、前記標尺3を揺動させた際に、該標尺3が前記視準線5に対して垂直な位置を通過しているかどうかを容易に判断することができるので、前記視準線5に対して垂直な位置を前記標尺3が確実に通過し、該標尺3の目盛りの誤読が防止され、正確な視準高さを検出することができる。
【0034】
次に、
図4に於いて、第2の実施例について説明する。
【0035】
第2の実施例では、標尺3の水準器1の正対する面の垂直レンチキュラー4に加え、前記水準器1と正対しない面、即ち他方の作業者と正対する面にも、高さ方向全長に亘って垂直レンチキュラー8を設けている。尚、該垂直レンチキュラー8の構造は前記垂直レンチキュラー4と同様であるので説明を省略する。
【0036】
前記垂直レンチキュラー8を設けたことで、他方の作業者からも、前記標尺3が視準線5に対して垂直な位置を通過したかどうかを判断することができるので、一方の作業者が指示を出す必要がなくなり、前記標尺3の目盛りの誤読を防止できると共に、作業性を向上させることができる。
【0037】
尚、第2の実施例では、必ずしも前記垂直レンチキュラー8を前記標尺3の高さ方向全長に亘って設ける必要はなく、前記垂直レンチキュラー8は前記標尺3の一部に設けられるものであってもよい。
【0038】
例えば、前記垂直レンチキュラー8を取外し可能なシート状とし、水準測量を行なう際に他方の作業者の目線の高さに合わせて前記垂直レンチキュラー8を貼付ける様にしてもよい。該垂直レンチキュラー8が目線の高さに設けられることで、常に同じ高さに設けられた該垂直レンチキュラー8を目視することができ、前記標尺3が前記視準線5に対して垂直な位置を通過したかどうかをより正確に判断することができる。
【0039】
次に、
図5に於いて、第3の実施例について説明する。
【0040】
第3の実施例では、第1の実施例に於ける垂直レンチキュラー4に対して、第1垂直パターン6と第2垂直パターン7に加え、
図5(C)に示される様な、標尺3(
図1参照)が視準線5に対して垂直となった際に視認される第3垂直パターン9を設けている。尚、第3の実施例に於いても、前記第1垂直パターン6、前記第2垂直パターン7、前記第3垂直パターン9が傾きによって色が変化する様にしてもよい。
【0041】
前記第1垂直パターン6、前記第2垂直パターン7とは異なったパターンの前記第3垂直パターン9が設けられることで、前記標尺3が前記視準線5に対して垂直な位置を通過したかどうかをより正確に判断することができ、より作業性を向上させることができる。
【0042】
尚、前記第3垂直パターン9に所定の角度幅、例えば1°〜2°程度の幅を持たせ、該第3垂直パターン9が視認された時の目盛りの数値を読取る様にしてもよい。
【0043】
次に、
図6に於いて、第4の実施例について説明する。
【0044】
第4の実施例では、標尺3に傾斜方向判断部材、例えば水平レンチキュラー11が水平方向全長に亘って設けられている。該水平レンチキュラー11は、前記標尺3の目盛りが設けられた面が、視準線5に直交する位置に対して右方向(
図6中紙面に対して下側)から視認した場合と、左方向(
図6中紙面に対して上側)から視認した場合とで、絵柄(パターン)が異なる様作成されたレンチキュラーとなっている。
【0045】
即ち、前記標尺3が鉛直軸心に対して時計回り方向に回転していた場合には、第1水平パターン(図示せず)が視認され、前記標尺3が鉛直軸心に対して反時計回り方向に回転していた場合には、第2水平パターン(図示せず)が視認される様になっている。
【0046】
水準測量の際には、一方の作業者が前記標尺3を視準した状態で、他方の作業者が該標尺3を回転させ、水平パターンの変化を見ることで、該標尺3の方向合わせを行うことができる。
【0047】
第4の実施例では、前記標尺3に前記水平レンチキュラー11を設けることで、前記標尺3の前記視準線5に直交する平面に対する回転の影響を除去することができ、より正確な目盛りの読取りを行うことができる。
【0048】
次に、
図7(A)に於いて、第5の実施例について説明する。
【0049】
第5の実施例では、標尺3の高さ方向に、垂直レンチキュラー4と水平レンチキュラー11とを交互に設け、水準器1(
図1参照)により前記標尺3を視準する際に、前記垂直レンチキュラー4と前記水平レンチキュラー11とを同時に視認可能としている。
【0050】
従って、一方の作業者は、前記標尺3が視準線5(
図1参照)に対して垂直な位置を通過しているかどうか、及び前記標尺3が前記視準線5に直交する平面に対して回転しているかどうかを同時に判断することができ、目盛りの誤読が防止されると共に、作業性を向上させることができる。
【0051】
又、
図7(B)は、第5の実施例の変形例を示している。
【0052】
該変形例では、前記垂直レンチキュラー4と前記水平レンチキュラー11とを組合わせた垂直水平レンチキュラー12を、前記標尺3の高さ方向に複数設けている。
【0053】
該標尺3に設けるレンチキュラーを前記垂直水平レンチキュラー12とすることで、一方の作業者が視認するレンチキュラーは1つでよく、より作業性を向上させることができる。
【0054】
尚、上記した第1の実施例〜第5の実施例は単独で実施してもよく、複数の実施例を適宜組合わせてもよいのは言う迄もない。
【0055】
又、第1の実施例〜第5の実施例では、傾斜方向判断部材としてレンチキュラーを用いているが、ホログラム等、視準方向により絵柄(パターン)が変更されるものであれば他のものであってもよい。
【0056】
更に、目盛り自体を傾斜方向判断部材とし、前記標尺3自体を傾斜方向判断部材としてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 水準器
3 標尺
4 垂直レンチキュラー
5 視準線
6 第1垂直パターン
7 第2垂直パターン
8 垂直レンチキュラー
9 第3垂直パターン
11 水平レンチキュラー
12 垂直水平レンチキュラー