(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態を
図1から
図9によって説明する。本実施形態では、断熱パネルとしてプレハブ式冷蔵庫を構成するものを例示する。プレハブ式冷蔵庫の冷蔵庫本体10は、
図1に示すように、複数の断熱パネル20を組み付けることで箱形に形成されている。冷蔵庫本体10の前面壁には、出入口となる開口部(図示せず)が形成され、開口部は扉12によって開閉可能となっている。断熱パネル20としては、例えば、冷蔵庫本体10の天井を構成するルーフパネル15A,15B、冷蔵庫本体10の底部を構成するベースパネル16、冷蔵庫本体10の側壁を構成するサイドパネル17、平面視(上方から視た状態)における外周壁の角部を構成するコーナーパネル19などを例示することができる。なお、断熱パネル20の使用枚数や配置態様は、
図1で例示したものに限定されず適宜変更可能であり、断熱パネル20の枚数や配置態様を変更することで、様々な大きさの冷蔵庫本体を構成することが可能である。
【0013】
冷蔵庫本体10の天井は、
図2に示すように、例えば、2枚のルーフパネル15A,15Bから構成されている。
図2の右側のルーフパネル15Aは、
図2及び
図4に示すように、内側に内部空間27(中空部、
図4参照)が形成される外殻体21Aと、内部空間27に発泡充填される硬質ポリウレタンなどの発泡樹脂(ウレタンフォーム)からなる発泡材25(断熱材、
図4参照)と、を備えている。外殻体21Aは、互いに間隔を保ちつつ対向配置された一対の金属製の表面板23,23と、一対の表面板23,23の周縁部に装着される枠材30Aと、を備えている。枠材30Aは、例えば硬質塩化ビニル等の合成樹脂成形品からなり、表面板23の周縁部を取り囲む形状をなしている。枠材30Aは、長手状をなす縁部材(外周枠材)31,32,33と、角部材(コーナー枠材)34,34,36,37と、凹枠材38と、を備えている(詳しくは後述)。なお、表面板23は、縁部が屈曲されており、枠材30Aを構成する各部材に形成された溝(例えば、
図4の溝33E参照)に、その縁部が差し込まれている。また、枠材30A、表面板23、及び発泡材25の材質は上述したものに限定されず適宜変更可能である。
【0014】
図2の左側のルーフパネル15Bは、外殻体21Bと、その内部空間に発泡充填される断熱材(図示せず)と、を備えている。外殻体21Bは、表面板23,23と、枠材30Bと、を備えている。枠材30Bは、長手状をなす縁部材31,32,33と、角部材34,34,39,41と、凸枠材40と、を備えている。なお、ルーフパネル15Aの凹枠材38には、ルーフパネル15Bの凸枠材40が嵌合される構成となっている。なお、枠材30A(又は枠材30B)を構成する各部材の連結は、例えば、ホットメルト等の接着剤を用いて行うことができるが、これに限定されない。
【0015】
(ルーフパネル15Aの構成)
以下の説明では、断熱パネル20の構成について、
図2の右側のルーフパネル15Aを例示して説明する。ルーフパネル15Aは、全体として長方形の板状をなしている。ルーフパネル15Aの一対の短辺は、縁部材32,33によって、それぞれ構成されており、ルーフパネル15Aの一対の長辺は、縁部材31及び凹枠材38によって、それぞれ構成されている。また、縁部材31は、角部材34,34を連結するものとされ、凹枠材38は、角部材36,37を連結するものとされる。そして、縁部材32は、角部材34,36を連結するものとされ、縁部材33(枠材構成部材の一例)は、角部材34,37(枠材における2つの角部の各々を構成する2つの角部材の一例)を連結するものとされる。なお、ルーフパネルを構成する角部材34,34,36,37は、例えば、射出成形によって成形される。
【0016】
縁部材31,32,33の上面及び側面(
図2及び
図3参照)は、意匠面(プレハブ式冷蔵庫の外観を構成する面)とされる。また、角部材34の3面(上面及び隣り合う2つの側面)も意匠面とされる。これに対して、
図4に示すように、縁部材31,32,33及び角部材34(
図4では縁部材32は省略)の下面は凹凸形状をなしており、隣接する各断熱パネル(サイドパネル17又はコーナーパネル19)の上端部が嵌合される構成となっている。また、ルーフパネル15Aは、
図2に示すように、Y軸を対称軸として対称な形状をなしている。このため、以下の説明では、ルーフパネル15AのX軸方向における一方側(角部材34,37及び縁部材33が配される側、
図5参照)の構成について主に説明する。
【0017】
縁部材31,33は、例えば押出成形にて成形されるもので、
図5に示すように、断面視において内側(ルーフパネル15Aの内側)に開口された略コの字状をなしている。また、図示しないが、縁部材32も同様の形状をなしている。凹枠材38も、例えば押出成形にて成形されており、凹凸を有する板状をなしている。なお、
図4は、ルーフパネル15Aの角部付近を裏側から視た斜視図であり、
図5は、枠材30Aを裏側から視た分解斜視図である。なお、
図5では、縁部材31,33及び凹枠材38の一部を省略してある。
【0018】
角部材34は、
図5及び
図6に示すように、全体として、縁部材31及び縁部材33に向かって、それぞれ開口された略箱状をなしている。具体的には、角部材34は、ルーフパネル15Aの裏面を構成する底壁部51と、ルーフパネル15Aの上面を構成する上壁部52と、2つの側壁部53,54と、を有している。なお、
図5〜
図9では、底壁部51が図の上側に配され、上壁部52が図の下側に配されるように図示されている。底壁部51及び上壁部52は、それぞれ平面視においてL字状をなしており、外周端部同士が直交する2つの側壁部53,54によって連結されている。また、底壁部51及び上壁部52の内周端部同士は、連結部55によって連結されている。
【0019】
角部材34における縁部材31側の端部は、縁部材31に嵌合される嵌合片34A,34B,34Cとされる。嵌合片34Aは、底壁部51から縁部材31側に延びており、嵌合片34Bは、側壁部54から縁部材31側に延びている。また、嵌合片34Cは、上壁部52から縁部材31側に延びている。また、嵌合片34A,34B,34Cの表面は、各嵌合片が設けられた各壁部の表面よりも一段低くなっている。
【0020】
また、角部材34における縁部材31側の端部には、
図6及び
図7に示すように、長手状をなす板状部材42,43が取り付けられている。板状部材42は、角部材34に形成された収容部35Aに差し込まれており、差し込まれた側と反対側の端部が、嵌合片34Aと嵌合片34Bの間に配されている。板状部材43は、角部材34に形成された収容部35Bに挿入されており、挿入方向と反対側の端部が、嵌合片34Bと嵌合片34Cの間に配されている。これにより、板状部材42,43及び嵌合片34A,34B,34Cによって縁部材31に嵌合される嵌合部34Gが構成されている。この嵌合部34Gは、縁部材31の断面形状に倣う略コの字状をなしており、縁部材31の端部に対して、その内側から嵌合されている。
【0021】
一方、角部材34における縁部材33側の端部は、縁部材33に嵌合される嵌合片34D,34E,34Fとされる。嵌合片34Dは、底壁部51から縁部材33側に延びており、嵌合片34Eは、側壁部53から縁部材33側に延びている。また、嵌合片34Fは、上壁部52から縁部材33側に延びている。また、嵌合片34D,34E,34Fの表面は、各嵌合片が設けられた各壁部の表面よりも一段低くなっている。底壁部51は、表側に開口される一対の凹部51A,51Aを有する凹凸形状をなしている。凹部51Aは、平面視においてL字状に延びており、嵌合片34A及び嵌合片34Dは、それぞれ底壁部51の凹凸形状に倣う凹凸形状をなしている。
【0022】
また、角部材34(一方の角部材)における縁部材33側の端部には、
図6及び
図7に示すように、板状部材45,46が取り付けられている。板状部材45は、角部材34に形成された収容部35Eに挿入されており、挿入方向と反対側の一端部が、嵌合片34Dと嵌合片34Eの間に配されている。板状部材46は、角部材34に形成された収容部35Fに差し込まれており、差し込まれる側と反対側の一端部が、嵌合片34Eと嵌合片34Fの間に配されている。これにより、板状部材45,46及び嵌合片34D,34E,34Fによって嵌合部34Hが構成されている。
【0023】
この嵌合部34Hは、縁部材33の断面形状に倣う略コの字状をなしており、縁部材33の端部に対して、その内側から嵌合されている。また、板状部材46は、
図8に示すように、側壁部53と上壁部52によって構成される角部の内側に配されており、当該角部の剛性をより高くする機能も有している。
【0024】
角部材37は、
図5に示すように、側壁部37Aを有している。側壁部37Aは、凹枠材38の表面と共にルーフパネル15Aの側面を構成するものである。また、側壁部37Aにおける裏面(縁部材33側の面)には、縁部材33側に立ち上がる嵌合部37Bが形成されている。この嵌合部37Bは、縁部材33の断面形状に倣う略コの字状をなしており、縁部材33の端部に嵌合される構成となっている。
【0025】
(ガス抜き部60の構成)
本実施形態のルーフパネル15Aを製造する際には、外殻体21Aに形成された注入孔(図示せず)から内部空間27に液状の発泡材25(断熱材)を注入し、発泡材25を充填する。この過程では、発泡材25の発泡に起因して内部空間27にガスが発生する。このため、本実施形態の外殻体21Aは、内部空間27で生じたガスを外部に排出することが可能なガス抜き部60(
図9参照)を備えている。ガス抜き部60は、
図9に示すように、例えば、角部材34、縁部材33及び角部材37に亘って設けられている。具体的には、ガス抜き部60は、角部材34側に設けられた隙間S1、隙間S2、第1排気路61と、縁部材33に設けられた第2排気路62と、角部材37に設けられた貫通孔63と、を備えている。
【0026】
隙間S1、隙間S2、第1排気路61は、角部材34と板状部材45によって構成されている。板状部材45が収容される収容部35E(板状部材収容部)は、
図9に示すように、Y軸方向に長い形状をなしており、縁部材33側(
図9の左側)に開口されている。板状部材45は、縁部材33側から、その開口を通じて収容部35Eに挿入される。また、収容部35Eは、
図8に示すように、主に底壁部51と側壁部53によって構成されている。なお、収容部35Eは、内部空間27側(
図8の下側)にも開口されており、板状部材45が収容されていない状態では、内部空間27と連通される構成となっている。また、底壁部51及び側壁部53の内面には、
図8に示すように、板状部材45を支持する支持リブ68がそれぞれ形成されている。一対の支持リブ68,68は、Y軸方向(板状部材45の長手方向)に沿って延びる形状をなし、板状部材45は、一対の支持リブ68,68と底壁部51によって、板厚方向(Z軸方向)の位置決めがされる。
【0027】
板状部材45には、
図7に示すように、突起部45Aが設けられている。
図6及び
図9に示すように、突起部45Aは、側壁部53に形成された規制リブ69(位置規制部)に対して当接する。これにより、収容部35Eの奥側(後述する立壁部67側)に板状部材45が変位する事態が規制される。また、
図9に示すように、側壁部54には、板状部材45側に立ち上がる立壁部67(収容部35Eを構成する奥壁部)が設けられている。立壁部67の先端には、立壁部67よりも厚さが小さい板状の延設部70が形成されている。
【0028】
立壁部67は、板状部材45における長手方向の一端部45B(板状部材45を挿入する方向と同じ側の端部)と対向配置されている。そして、一端部45B(板状部材の周端部、より詳しくは板状部材45の端面45E)と立壁部67との間には、Y軸方向の隙間S1が形成されている。また、板状部材45の一端部45Bと延設部70の間には、Z軸方向の隙間S2が形成されている。
【0029】
板状部材45は、
図9に示すように立壁部67側(収容部35Eの奥側)に向かうにつれて、その板厚が小さくなるものとされる。なお、隙間S1の大きさ(Y軸方向の長さ)は、例えば1〜2mmで設定されるが、これに限定されず適宜変更可能である。また、隙間S2の大きさ(Z軸方向における長さ)は、例えば1〜2mmで設定されるが、これに限定されず適宜変更可能である。また、Y軸方向における隙間S2の長さは、例えば10mmで設定されるが、これに限定されず適宜変更可能である。板状部材45の板面45Dと底壁部51(板状部材収容部を構成する壁部)の内面51Bとの間には、第1排気路61が形成されている。第1排気路61は、隙間S1,S2を介して角部材34の内部空間27A(外殻体21Aの内部空間27を構成する空間)と連通されている。
【0030】
縁部材33における底壁部33Aは、
図5に示すように、Y軸方向に沿って延びる一対の凹部33D,33Dを有する凹凸形状をなしている。底壁部33Aの内部には、
図5に示すように、第2排気路62が形成されている。第2排気路62は、縁部材33の長手方向に沿って延びる長手状をなす空間であり、角部材34側及び角部材37側にそれぞれ開口されている。ここで、底壁部33Aにおける角部材34側の端部(枠材構成部材における一方の角部材側の端部)は、嵌合片34D及び板状部材45に重なる形で配される。そして、
図9に示すように、板状部材45の突起部45Aには、底壁部33Aの端面が当接されている。つまり、突起部45Aは、上述した規制リブ69と底壁部33Aによって挟まれている。なお、Z軸方向における第1排気路61の長さZ1及び、Z軸方向における第2排気路62の長さZ2は、例えば、隙間S1,S2の寸法に比べて大きい値で設定されている。
【0031】
貫通孔63は、角部材37(2つの角部材のうち他方の角部材)の側壁部37Aに貫通形成されており、第2排気路62と重なる箇所に配されている。これにより、貫通孔63は、第2排気路62を介して、第1排気路61と連通されている。なお、角部材37の側壁部37Aは、
図2に示すように、ルーフパネル15Bの角部材39と対向配置される。このため、側壁部37Aに形成された貫通孔63は、冷蔵庫本体10の天井を構成した際に目視されることがなく、意匠性を損なうことがない。
【0032】
(本実施形態の効果)
次に本実施形態の効果について説明する。本実施形態において、外殻体21Aの内部空間27に例えば2液性の発泡材25を供給すると、発泡材25は、発泡しつつ内部空間27(ひいては角部材34の内部空間27A)に充填される。この過程で発生するガスや内部空間27の空気は、隙間S1,S2、第1排気路61、第2排気路62の順番で通過し、貫通孔63から外部に排出される。なお、この時のガスの流れを
図9の矢線A1〜A3で示す。また、発泡材25は、内部空間27内において水平方向に広がりつつ上昇するようにして充填される。
【0033】
ここで、内部空間27と第1排気路61の間には、隙間S1,S2が設けられているから、発泡材25が内部空間27からガス抜き部60に向かった場合において、隙間S1,S2を通過し難い。この結果、発泡材25が第1排気路61に達する事態を抑制することができる。なお、発泡材25は隙間S1を通過する際には、
図9の上方に流れる。ここで、延設部70は隙間S1を上方から覆う形で設けられている。このため、隙間S1を通過した発泡材25は、延設部70に当接することで、その流れが妨げられ易い。これにより、発泡材25が隙間S2を通過する事態をより低減させることができる。
【0034】
また、仮に、発泡材25が隙間S1,S2を通過した場合であっても、発泡材25は、第1排気路61又は第2排気路62内で滞留するため、貫通孔63から発泡材25が漏れる事態を抑制することができる。特に第2排気路62は、縁部材33の長手方向に沿って延びるものであるから、その長さ(ひいては体積)を確保し易く、より多くの発泡材25を滞留させることができ、好適である。以上のことから、上記構成では、発泡材25を遮断するためのシール材を用いることなく、外部への発泡材25の漏れを防止することができる。また、本実施形態では、隙間S1,S2及び第1排気路61は、角部材34に板状部材45を挿入することで形成することができ、容易に形成することができる。
【0035】
また、本実施形態では、収容部35Eには、板状部材45に設けられた突起部45Aに当接することで、立壁部67側に板状部材45が変位することを規制する規制リブ69が設けられ、突起部45Aに対して、規制リブ69とは反対側から、縁部材33における角部材34側の端部が当接されている。規制リブ69を設けることで、隙間S1をより確実に設けることができる。また、板状部材45の突起部45Aには、縁部材33の端部が当接されている。これにより、板状部材45が収容部35Eから抜ける事態を抑制することができる。
【0036】
また、板状部材45は、立壁部67に向かうにつれて、その板厚が小さくなる形状をなすものとされる。このような構成とすれば、板状部材45を収容部35Eに挿入する作業をより容易に行うことができる。また、本実施形態では、板状部材45と角部材34の間に隙間S1,S2を形成する構成としてある。このため、例えば、板状部材45の先端部を切断するなどして、板状部材45の寸法を変えることで、隙間S1の寸法を容易に調節することができる。また、寸法の異なる複数種類の板状部材45を用意しておき、複数の板状部材45のうちいずれかを適宜選択することで、隙間S1の寸法を調整する構成としてもよい。
【0037】
なお、本実施形態のルーフパネル15Bを製造する過程では、例えば、底壁部51が上側となる姿勢で外殻体21Aを配置し、内部空間27に発泡材25を充填する作業が行われる。このため、ガス抜き部60は、内部空間27の上側に配されることとなり、より効果的にガス抜きを行うことができる。また、板状部材45は、
図9に示すように、縁部材33に嵌合される嵌合部34Hを構成するものとされる。このため、縁部材33と角部材34の間に隙間が生じる事態を板状部材45によって防止することができ、発泡材25が漏れる事態を抑制することができる。
【0038】
また、本実施形態では、角部材34は、例えば、成形型を用いた射出成形によって成形され、板状部材42,43,45,46は、例えば、射出成形や切削加工などによって成形される。ここで、角部材34と板状部材42,43,45,46とを別体にすることで、成形型の強度を確保し易いという利点がある。これについて、板状部材45及び角部材34を例示して説明する(
図8参照)。仮に、板状部材45と角部材34と一体的に成形した場合、収容部35Eと角部材34の内部空間27Aとは板状部材45によって分断されることになる。この場合、成形型においては、収容部35Eを成形するための部分(以下、第1成形部と呼ぶ)と、内部空間27Aを成形するための部分(以下、第2成形部と呼ぶ)と、をそれぞれ独立して設ける必要がある。この場合、第1成形部は、収容部35Eの形状に倣う細長い形状となり、その強度を確保し難いものとなる。本実施形態のように、角部材34と板状部材45とを別部材とすれば、板状部材45を取り外した状態では、収容部35Eと内部空間27Aとが連通された状態となる。つまり、角部材34を成形するための成形型においては、第1成形部と第2成形部とを直接的に連結する構成とすることができ、成型型の強度を確保し易い。
【0039】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、ガス抜き部を備える断熱パネルとして、ルーフパネルを例示したが、これに限定されない。上記構成のガス抜き部がベースパネル16やサイドパネル17などに設けられていてもよい。また、上記実施形態では、プレハブ式冷蔵庫の断熱パネルを例示したが、これに限定されない。例えば、プレハブ式冷蔵庫以外の他の収納庫を構成する断熱パネルであってもよい。
(2)上記実施形態で説明した断熱パネルのサイズ、数、形、組み合わせの構成は一例に過ぎず、適宜変更可能である。例えば、プレハブ式冷蔵庫の天井が3枚の断熱パネルによって構成されていてもよい。
(3)上記実施形態では、角部材34、縁部材33及び角部材37に設けられたガス抜き部を例示したが、これに限定されない。例えば、
図2の上側に配される角部材34、縁部材32及び角部材36にガス抜き部が設けられていてもよい。
(4)上記実施形態では、板状部材45を用いてガス抜き部を構成する場合を例示したが、これに限定されない。他の板状部材42,43,46を用いてガス抜き部を構成してもよい。また、ガス抜き部は、一つの枠材について複数箇所に設けられていてもよい。例えば、板状部材46を用いてガス抜き部を構成する場合には、
図9に示すように、板状部材46と立壁部167(収容部35Fを構成する奥壁)の間の隙間S3,S4、上壁部52と板状部材46の間の空間161(第1排気路)、縁部材33に設けられた補強リブ33Bの裏側の空間162(第2排気路)によってガス抜き部を構成することができる。なお、空間162を第2排気路として用いる場合には、角部材37において空間162と重なる箇所に貫通孔を形成すればよい。また、板状部材42を用いてガス抜き部を構成する場合には、例えば、縁部材31に設けられた長手状の空間262(
図5参照)を第2排気路として用いることができ、板状部材43を用いてガス抜き部を構成する場合には、例えば、縁部材31に設けられた長手状の空間362(
図5参照)を第2排気路として用いることができる。
(5)上記実施形態において、隙間S2が設けられていなくてもよく、隙間S1と第1排気路61とが直接的に連通されていてもよい。
(6)上記実施形態では、板状部材45と立壁部67の間に隙間S1を形成する構成としたが、これに限定されない。例えば、立壁部67を備えていなくてもよく、板状部材45と側壁部54の間に隙間S1を形成する構成としてもよい。
(7)上記実施形態では、ガス抜き部の出口である貫通孔(第2排気路と連通される貫通孔)として、角部材37に形成されている貫通孔63を例示したが、これに限定されない。例えば、
図10の変形例に示すように、貫通孔として、縁部材33(枠材構成部材)の底壁部33Aに設けられた貫通孔163を例示することができる。貫通孔163は、底壁部33Aにおける角部材37側の端部を切り欠いた形状をなしており、第2排気路62と連通されている。このため、貫通孔163を通じて第2排気路62内(ひいては内部空間27)のガスを外部に排出することができる(
図10の矢線A4参照)。また、貫通孔163は、冷蔵庫本体10の天井を構成した際にサイドパネル17(
図1参照)によって下方から覆われるため、目視されることがなく、意匠性を損なうことがない。なお、貫通孔163は、底壁部33Aの端部を切り欠いてなるものに限定されず、底壁部33Aの端部よりも内側に形成されていてもよい。