(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564309
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】固定用金具
(51)【国際特許分類】
H02G 7/00 20060101AFI20190808BHJP
G08G 1/095 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
H02G7/00
G08G1/095 C
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-219274(P2015-219274)
(22)【出願日】2015年11月9日
(65)【公開番号】特開2017-93114(P2017-93114A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001292
【氏名又は名称】株式会社京三製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(74)【代理人】
【識別番号】100194146
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100194283
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 大勇
(74)【代理人】
【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓
(72)【発明者】
【氏名】平田 慶樹
【審査官】
石坂 知樹
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭39−012442(JP,Y1)
【文献】
特開2004−326608(JP,A)
【文献】
特開2011−244585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 7/00
G08G 1/095
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通用のセンシング装置を支持アームに取り付ける固定用金具であって、
前記センシング装置を取り付けるアングル部材と、
金属製の帯状のバンドと、
前記バンドを前記支持アームに巻き付けて固定する締結部と、
前記バンドと前記アングル部材とを連結する連結部材と、
前記バンドに巻き付け方向に沿って形成され、かつ、前記締結部による固定に用いられる複数の開口部と、
を備え、
前記開口部は、前記支持アームに巻き付け固定されたときに、回転を防止する回転防止形状を備えることを特徴とする固定用金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定用金具に係り、特に、超音波感知器や画像感知器、光ビーコンなどの交通関連のセンシング装置を支柱に固定するために使用する固定用金具に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波感知器や画像感知器、光ビーコンなどの交通関連のセンシング装置は、一般には既存の信号機や電柱に設置される。取り付けの際に用いられる金具として、例えば、外形が半円形状の一対の金属製の挟持バンドを用いて円柱状の支持アームにボルトで固定するタイプの取付金具が知られている(特許文献1参照)。この種の金属製の挟持バンドでは、取り付け対象となる複数のアーム径に対応し、複数種類の取付金具が予め標準サイズとして用意されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−20985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、標準サイズ以外のアーム径の支持アーム等に感知器等を設置する場合は、それぞれのアーム径によって何種類かの取付金具を用意し対応することが多い。これらの取付金具の選択は、設計担当部署から図番指示のもと工場側で製造及び出荷の対応を行う。しかし、種類が複数あるために、指示ミスや製造出荷ミスなどヒューマンエラーの可能性があった。また、受注から出荷まで納期を短縮するためにも、設計担当部署からの具体的な指示がなくても工場側で出荷対応できることが望まれていた。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みなされたものであって、上記課題を解決する技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、交通用のセンシング装置を支持アームに取り付ける固定用金具であって、前記センシング装置を取り付けるアングル部材と、金属製の帯状のバンドと、前記バンドを前記支持アームに巻き付けて固定する締結部と、前記バンドと前記アングル部材とを連結する連結部材と、前記バンドに巻き付け方向に沿って形成され、かつ、前記締結部による固定に用いられる複数の開口部と、を備え
、前記開口部は、前記支持アームに巻き付け固定されたときに、回転を防止する回転防止形状を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、交通用のセンシング装置を支持アームに取り付ける固定用金具において、支持アームの径に柔軟に対応して取り付け可能な技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る、超音波感知器がセンサ取付金具を用いて支持アームに取り付けられた状態を示した側面図である。
【
図2】本実施形態に係る、超音波感知器がセンサ取付金具を用いて支持アームに取り付けられた状態を示した上面図である。
【
図3】本実施形態に係る、バンドの一部側面図である。
【
図4】本実施形態の変形例に係る、バンドの開口に着目して示した図である。
【
図5】本実施形態の変形例に係る、バンドの一部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施形態」という)を、図面を参照して具体的に説明する。
【0010】
図1は、超音波感知器60がセンサ取付金具10を用いて支持アーム90に取り付けられた状態を示した側面図である。また、
図2は、その状態の上面図を示している。
図3は、バンド20の側面形状の一部を示している。
【0011】
支持アーム90は、例えば、水平方向に延びる構造を呈しており、信号灯器等の交通用装置が設置されている。超音波感知器60は、支持アーム90にセンサ取付金具10を用いて設置されている。
【0012】
センサ取付金具10は、バンド20と、バンドアングル連結金具40と、センサ取付アングル50とを備える。
【0013】
センサ取付アングル50は、側面視で逆L字状の鋼材で形成されている。具体的には、センサ取付アングル50は、バンドアングル連結金具40に取り付けられ上方向に延びる垂直部51と、垂直部51の上端から前方向に延びる上辺部52と、上辺部52の先端において下方向に延びる吊り下げ部53とを備えて形成されている。吊り下げ部53の下側端部に超音波感知器60が下方向を向けて取り付けられている。
【0014】
バンド20は、主に鋼材で形成されており、支持アーム90への取り付け手段として用いられる。具体的には、バンド20は、帯状のバンド本体21と、その一端に取り付けられたバンド締結部30とを備える。
【0015】
バンド本体21は、巻き付け方向に沿って所定ピッチで複数の開口22を備えている。開口22は、ここでは、長方形となっている。バンド本体21の一端側はストッパー取付部25となっており、バンド締結部30が設けられている。
【0016】
バンド締結部30は、掛具31と、
図3に示すように側面視で略逆U字形状のストッパー32とを備える。ストッパー32には、挿通するように掛具31が取り付けられる。掛具31の先端は係止爪33となっており、この係止爪33がバンド20の開口22に係止される。具体的には、隣合う開口22間が若干上方向に凸状に形成された係止部23となっている。
【0017】
支持アーム90にバンド20を巻き付けて、その係止部23(開口22)にストッパー32が係止する。そして、係止爪33の反対側に形成されたボルト部34にナット35を嵌め込み締め込むことでバンド本体21を縮径させる。
【0018】
バンドアングル連結金具40は、略直方形の筒状形状を呈しており、センサ取付アングル50とバンド20とを連結する。ここでは、左右方向が開口となっており、前面にセンサ取付アングル50が取り付けられている。背面は、上下中央部分が内部側に谷状(三角状)に凹んでおり、この部分が支持アーム90に押しつけられる。
【0019】
上面43と下面44とには、バンド挿通口45が形成されており、バンド20のバンド本体21が挿通可能になっている。すなわち、バンド20をバンドアングル連結金具40のバンド挿通口45に挿通した後に、バンド本体21を縮径させることで、バンド20を支持アーム90に確実に固定することができる。
【0020】
このように、バンド20を用いて超音波感知器60を支持アーム90に固定することで、一種類のセンサ取付金具10で、複数のアーム径に柔軟に対応することができる。特に、標準的に用いられるサイズ以外の特殊径の支持アーム90に超音波感知器60を固定する場合に、別途設計して製造する必要がない。
【0021】
特に、支持アーム90は、管理する地方公共団体等によって異なってくる場合や、既存の古い設備等の場合もあり、標準的なサイズでない場合もある。しかし、本実施形態によると、1種類のセンサ取付金具10で複数種類のアーム径に対応することができるため、ヒューマンエラーの防止、管理工数の低減、納期短縮を実現することができる。
【0022】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、また、そうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0023】
図4は、変形例のバンド20aを示した一部平面図であり、バンド本体21に着目して示している。ストッパー取付部25側の領域21aでは。長さL11の開口22がピッチL12で形成されている。一方、ストッパー取付部25側と反対側、すなわちバンド本体21の端部側の領域21bでは、ストッパー取付部25側の領域21aの開口22より短い長さL13の開口22が形成されている。ピッチL12は同じである。これは、アーム径が小さい場合は、ストッパー取付部25側の領域21aの開口22がバンド締結に用いられるが、その場合、バンド本体21の曲率半径が小さくなり、曲がりが大きくなる。そこで、バンド本体21が曲がりやすいように、開口22を大きく形成している。
【0024】
図5は、バンド20bの一部側面図である。バンド本体21のバンド裏面21aに、回転防止爪26が設けられている。バンド本体21が締結されると、支持アーム90に回転防止爪26が食い込み回転が防止される。
【符号の説明】
【0025】
10 センサ取付金具
20、20a、20b バンド
21 バンド本体
21a バンド裏面
22 開口
23 係止部
25 ストッパー取付部
26 回転防止爪
30 バンド固定部
31 掛具
32 ストッパー
33 係止爪
34 ボルト部
35 ナット
40 バンドアングル連結金具
41 アングル固定面
42 支柱接触部
43 上面
44 下面
45 バンド挿通口
50 センサ取付アングル
51 垂直部
52 上辺部
53 吊り下げ部
60 超音波感知器
90 支持アーム