特許第6564323号(P6564323)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564323
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】太陽光発電屋根
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/18 20180101AFI20190808BHJP
   E04D 3/40 20060101ALI20190808BHJP
   E04D 13/158 20060101ALI20190808BHJP
   H02S 20/23 20140101ALN20190808BHJP
【FI】
   E04D13/18ETD
   E04D3/40 V
   E04D13/158 501Z
   !H02S20/23 A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-255005(P2015-255005)
(22)【出願日】2015年12月25日
(65)【公開番号】特開2017-115537(P2017-115537A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2018年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】山本 嘉之
【審査官】 前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−214584(JP,A)
【文献】 特開昭63−032050(JP,A)
【文献】 特開2001−123616(JP,A)
【文献】 特開2002−021277(JP,A)
【文献】 特開2002−004528(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0314753(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/00、13/18
H02S 20/23
E04D 13/158
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根面の棟側に敷設される太陽光パネルと、前記屋根面の軒側に敷設される屋根材と、を備える太陽光発電屋根であって、
ケラバに沿って延びるとともに前記太陽光パネルのケラバ側端部を覆う第1ケラバ化粧材と、
前記ケラバに沿って延びるとともに前記屋根材のケラバ側端部を覆う第2ケラバ化粧材と、
前記太陽光パネルと前記屋根材との間の屋根面に固定され、該屋根面から前記屋根材の棟側端部の上面まで延びて該屋根材の棟側端部を覆う水切り部材と、
前記第1ケラバ化粧材と前記第2ケラバ化粧材の連結部から前記水切り部材のケラバ側端部に亘って配置されるケラバ側水切り部材と、を備え、
前記ケラバ側水切り部材は、前記水切り部材が配置される屋根面上に配置される平板状の平面部と、該平面部のケラバ側端部から立ち上がる立上がり部と、を有する太陽光発電屋根。
【請求項2】
前記ケラバ側水切り部材は、前記立上がり部の軒側端部から延出し、軒側に向かうに従いケラバ側とは反対側に傾斜して延びる延出部をさらに有する請求項1に記載の太陽光発電屋根。
【請求項3】
前記ケラバ側水切り部材の平面部は、前記屋根面と前記水切り部材との間に配置される請求項1又は2に記載の太陽光発電屋根。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電屋根に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋根面の棟側に太陽光パネルが敷設され、該屋根面の軒側に屋根材が敷設された所謂張分けタイプの太陽光発電屋根が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような張分けタイプの太陽光発電屋根においては、特に太陽光パネルと屋根材との境において、ケラバ化粧材の良好な水仕舞いを確保する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−4528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、太陽光パネルと屋根材との境におけるケラバ化粧材には、太陽光パネル下の縦桟に形成された流路(捨て谷)等から雨水が流れ込む他、太陽光パネルと屋根材との境に設けられる水切り部材のケラバ側端部から雨水が流れ込むところ、従来の張分けタイプの太陽光発電屋根ではケラバ化粧材の外側から雨水がこぼれ落ちる等、水仕舞いが悪かった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、太陽光パネル及び屋根材を備える張分けタイプの太陽光発電屋根において、水仕舞いの良い太陽光発電屋根を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明は、屋根面(例えば、後述する屋根面100A)の棟側に敷設される太陽光パネル(例えば、後述する太陽光パネル2)と、前記屋根面の軒側に敷設される屋根材(例えば、後述するスレート3)と、を備える太陽光発電屋根(例えば、後述する太陽光発電屋根100)であって、ケラバに沿って延びるとともに前記太陽光パネルのケラバ側端部を覆う第1ケラバ化粧材(例えば、後述する第1ケラバ化粧材61)と、前記ケラバに沿って延びるとともに前記屋根材のケラバ側端部を覆う第2ケラバ化粧材(例えば、後述する第2ケラバ化粧材62)と、前記太陽光パネルと前記屋根材との間の屋根面に固定され、該屋根面から前記屋根材の棟側端部の上面まで延びて該屋根材の棟側端部を覆う水切り部材(例えば、後述する水切り部材140)と、前記第1ケラバ化粧材と前記第2ケラバ化粧材の連結部(例えば、後述する連結部63)から前記水切り部材のケラバ側端部に亘って配置されるケラバ側水切り部材(例えば、後述するケラバ側水切り部材141)と、を備え、前記ケラバ側水切り部材は、前記水切り部材が配置される屋根面上に配置される平板状の平面部(例えば、後述する平面部141A)と、該平面部のケラバ側端部から立ち上がる立上がり部(例えば、後述する立上がり部141B)と、を有する太陽光発電屋根を提供する。
【0007】
また、前記ケラバ側水切り部材は、前記立上がり部の軒側端部から延出し、軒側に向かうに従いケラバ側とは反対側に傾斜して延びる延出部(例えば、後述する延出部141C)をさらに有することが好ましい。
【0008】
また、前記ケラバ側水切り部材の平面部は、前記屋根面と前記水切り部材との間に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、太陽光パネル及び屋根材を備える張分けタイプの太陽光発電屋根において、水仕舞いの良い太陽光発電屋根を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る太陽光発電屋根の斜視図である。
図2】本実施形態に係る太陽光発電屋根が備えるケラバ化粧材の連結部をケラバ側から見た斜視図である。
図3】本実施形態に係る太陽光発電屋根が備えるケラバ化粧材の連結部を屋根面側から見た斜視図である。
図4図2においてケラバ化粧材を取り外した状態の斜視図である。
図5図3においてケラバ化粧材を取り外した状態の斜視図である。
図6図3においてケラバ化粧材及び当接板を取り外した状態の斜視図である。
図7図3においてケラバ化粧材、当接板及び延出部を取り外した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る太陽光発電屋根100を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る太陽光発電屋根100が備えるケラバ化粧材60の連結部63をケラバ側から見た斜視図である。図3は、本実施形態に係る太陽光発電屋根100が備えるケラバ化粧材60の連結部63を屋根面側から見た斜視図である。図4は、図2においてケラバ化粧材を取り外した状態の斜視図である。図5は、図3においてケラバ化粧材を取り外した状態の斜視図である。図6は、図3においてケラバ化粧材及び当接板を取り外した状態の斜視図である。図7は、図3においてケラバ化粧材、当接板及び延出部を取り外した状態の斜視図である。
【0013】
図1に示すように、太陽光発電屋根100は、建物101の屋根を構成する。太陽光発電屋根100は、屋根面100Aと屋根面100Bを有する切妻式屋根である。日当たりの良い側の屋根面100Aの棟側には複数の太陽光パネル2が敷設され、軒側には屋根材としてのスレート3が敷設される。また、日当たりの悪い側の屋根面100Bには屋根材としてのスレート7が敷設される。
【0014】
屋根面100A側には、下地材5と(図4参照)、太陽光パネル2と、不図示の太陽光パネル2の架台と、スレート3と、水切り部材140と、ケラバ化粧材60と、が設けられる。
【0015】
下地材5は、野地板、防水シート及び鋼板、を備える。下地材5は、太陽光発電屋根100の土台部分を構成し、後述する架台を固定支持する。野地板としては合板等の板材が用いられる。防水シートとしてはアスファルトルーフィング等の防水材料が用いられる。また鋼板としては従来公知の防火鋼板等が用いられる。
【0016】
太陽光パネル2の周縁部には、隣接する太陽光パネル2同士の隙間21が形成され、該周縁部の上端は長尺材22によって押えられている。これら隙間21及び長尺材22の下方には、縦桟24(図6参照)及び不図示の横桟が設けられる。
【0017】
架台は、上述の下地材5上に配置される。架台は、ビス止めされることで下地材5に固定される。
架台は、格子状に枠組みされた複数の上記縦桟24及び横桟と、架台の軒側端部に沿って設けられる軒カバー23と(図1参照)、を有する。
【0018】
縦桟24は、屋根面100Aの傾斜方向に延びて設けられる。縦桟24は、屋根面100Aの傾斜方向に直交する幅方向に一定の間隔で複数配置されて、下地材5にビス止めされる。
また、縦桟24の底部には、太陽光パネル2の表面側から下面側に侵入して縦桟24に流れ込む雨水を軒側に案内して排水するための捨て谷24Aが形成されている(図6参照)。
【0019】
横桟は、屋根面100Aの傾斜方向に直交する幅方向に延びて設けられ、縦桟24上にビス止めされる。
【0020】
軒カバー23は、太陽光パネル2の軒側端部に配置され、該軒側端部の上面から軒側に向かって下方に傾斜して設けられる。
軒カバー23のケラバ側端部は、後述の第2ケラバ化粧材62の連結部63における屋根面側の側面を構成する当接板62Dに当接する。即ち、軒カバー23の両ケラバ側端部はそれぞれ、第2ケラバ化粧材62の内部までは至らず、第2ケラバ化粧材62に隣接して配置されている。
【0021】
太陽光パネル2は、上記の架台を構成する縦桟24及び横桟に取り付けられ、固定支持される。
【0022】
ケラバ化粧材60は、屋根面100Aの妻側の端部において、棟から軒にかけて延びて設けられる。ケラバ化粧材60は、太陽光パネル2のケラバ側端部を覆う第1ケラバ化粧材61と、スレート3のケラバ側端部を覆う第2ケラバ化粧材62と、両化粧材を連結する連結部63と、を有する。
【0023】
第1ケラバ化粧材61は、太陽光パネル2が敷設された棟側のケラバに沿って延びて設けられる。第1ケラバ化粧材61は、縦桟24にビス止めされて固定される内側枠材61Bと、この内側枠材61Bにビス止めされる外側枠材61Aと、第1ケラバ化粧材61と太陽光パネル2との間の隙間を塞ぐ隙間カバー61Cと、を含んで構成される(図4等参照)。この第1ケラバ化粧材61は、太陽光パネル2のケラバ側端部の他、縦桟24及び捨て谷24A等を覆うように設けられる。
【0024】
第2ケラバ化粧材62は、スレート3が敷設された軒側のケラバに沿って延びて設けられる。第2ケラバ化粧材62は、屋根面に固定される内側枠材62Bと、この内側枠材62Bに固定される外側枠材62Aと、第2ケラバ化粧材62とスレート3との隙間を塞ぐ隙間カバー62Cと、第2ケラバ化粧材62の屋根面側の側面を構成する側面部62Eと、を含んで構成される(図2図3参照)。第2ケラバ化粧材62の内部には、スレート3を固定する止水部材31がケラバに沿って延びて設けられている(図5図7参照)。この第2ケラバ化粧材62は、スレート3のケラバ側端部の他、後述の水切り部材140等を覆うように設けられる。
【0025】
連結部63は、第1ケラバ化粧材61と第2ケラバ化粧材62とを連結する。本実施形態の太陽光発電屋根100では、この連結部63の水仕舞いが従来よりも向上している。
なお、本実施形態の連結部63は、第1ケラバ化粧材61の軒側端部の近傍から第2ケラバ化粧材62の棟側端部の近傍を含む範囲を指す。
【0026】
水切り部材140は、スレート3の棟側端部に配置される。水切り部材140の棟側端部は軒カバー23で覆われており、その軒側端部はスレート3の棟側端部の上面まで延びている。水切り部材140のケラバ側端部は、当接板62Dに後述するカバー部141D(図5参照)を介して当接している。この水切り部材140と軒カバー23とにより、太陽光パネル2の上面を流れる雨水は、スレート3の上面に案内される。
【0027】
第1ケラバ化粧材61と第2ケラバ化粧材62の連結部63には、当接板62Dと、ケラバ側水切り部材141と、が配置される。
【0028】
当接板62Dは、第2ケラバ化粧材62の連結部63における屋根面側の側面を構成する。当接板62Dは、軒カバー23のケラバ側端部に当接しており、軒カバー23からケラバ側へ流れる雨水をせき止める。当接板62Dは、その高さが軒カバー23よりも小さい一方で、水切り部材140よりは大きい。また、当接板62Dは、軒カバー23の軒側におけるケラバ側端部と水切り部材140のケラバ側端部に当接している。
【0029】
ケラバ側水切り部材141は、第1ケラバ化粧材61と第2ケラバ化粧材62の連結部63から、水切り部材140のケラバ側端部に亘って配置される。また、このケラバ側水切り部材141は、縦桟24の捨て谷21Aの軒側に配置されている(図5図7参照)。これにより、捨て谷24Aを流れる雨水は、ケラバ側水切り部材141に流れ込むようになっている。
【0030】
ケラバ側水切り部材141は、水切り部材140が配置される屋根面上に配置される平板状の平面部141Aと、平面部141Aのケラバ側端部から立ち上がる立上がり部141Bと、立上がり部141Bの軒側端部から延出し、軒側に向かうに従いケラバ側とは反対側に傾斜して延びる延出部141Cと、を有する(図5及び図6参照)。
また、ケラバ側水切り部材141は、上記平面部141Aの上面を覆う平面状のカバー部141Dと、該カバー部141Dのケラバ側端部から起立して上記延出部141Cに接続される起立部141Eと、をさらに有する(図5及び図6参照)。
【0031】
なお、本実施形態では、平面部141A及び立上がり部141Bが、一部材で構成される。即ち、板状部材の一部を屈曲させて立ち上げることで、これら平面部141Aと立上がり部141Bが形成される。
また、延出部141C、カバー部141D及び起立部141Eが、一部材で構成される。即ち、板状部材の一部を屈曲させて起立させ、起立部の一端を内側に屈曲させることで、これら延出部141C、カバー部141D及び起立部141Eが形成される。
【0032】
平面部141A、より詳しくは平面部141Aのケラバ側とは反対側の端部は、水切り部材140に当接して配置される(図7参照)。これにより、平面部141Aは、水切り部材140の裏側に侵入した雨水は軒側に案内される。
また、平面部141Aの棟側端部は、捨て谷24Aが形成された縦桟24の下面に配置される防水テープ21Bに当接する位置に配置される。これにより、捨て谷24Aから流れ込む雨水は軒側に案内される。
【0033】
立上がり部141Bは、第2ケラバ化粧材62を構成する内側枠材62Bの外側側面に連なるように設けられる。この立上がり部141Bは、縦桟24の軒側端部から内側枠材62Bの棟側端部まで延びている(図4図7参照)。これにより、水切り部材140側から侵入した雨水や捨て谷24Aから流れ込む雨水は、ケラバ化粧材60の外側にこぼれ落ちることなく、軒側に案内される。
【0034】
即ち、平面部141Aと立上がり部141Bは、上述したように一部材で構成されて断面視略L字形状を有し、ケラバ化粧材60内部においてケラバ側に向かう雨水をせき止め、軒側の延出部141Cに案内する。これにより、捨て谷24Aや水切り部材140からケラバ化粧材60内部に流れ込む雨水が、ケラバ化粧材60の外側にこぼれ落ちるのが回避される。
【0035】
延出部141Cは、立上がり部141Bの軒側端部から延出し、軒側に向かうに従いケラバ側とは反対側に傾斜して延びている。延出部141Cは、ケラバ化粧材60に流れ込む雨水を、ケラバ側とは反対側に案内する。また、スレート3のケラバ側端部の一部には、複数の隙間32が形成されており(図6参照)、延出部141Cは、最も棟側の隙間32よりも棟側に配置される。これにより、雨水が隙間32に侵入するのが回避される。
【0036】
カバー部141Dは、ケラバ化粧材60内において、水切り部材140の表面を覆うように設けられる。また、カバー部141Dのケラバ側端部は、延出部141Cの底部に連続して成形できる。これにより、カバー部141Dの途中に配置される延出部141Cにより、水切り部材140表面を伝いケラバ化粧材60内部に流れ込む雨水を、ケラバ側とは反対側に案内できる。
【0037】
なお、第2ケラバ化粧材62の内部に配置される止水部材31は、スレート3のケラバ側端部の上面に配置される。止水部材31の棟側端部は、上記延出部141Cに当接している。この止水部材31の棟側端部近傍に、最も棟側に位置する隙間32が形成されている。
【0038】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、屋根面100Aの棟側に敷設される太陽光パネル2と、屋根面の軒側に敷設されるスレート3と、を備える太陽光発電屋根100に、ケラバ化粧材60に沿って延びるとともに太陽光パネル2のケラバ側端部を覆う第1ケラバ化粧材61と、ケラバに沿って延び、スレート3のケラバ側端部を覆う第2ケラバ化粧材62と、を設けた。また、太陽光パネル2とスレート3との間の屋根面に固定され、該屋根面からスレート3の棟側端部の上面まで延びてスレート3の棟側端部を覆う水切り部材140と、第1ケラバ化粧材61と第2ケラバ化粧材62の連結部63から水切り部材140のケラバ側端部に亘って配置されるケラバ側水切り部材141と、を設けた。そして、ケラバ側水切り部材141は、水切り部材140が配置される屋根面上に配置される平板状の平面部141Aと、該平面部141Aのケラバ側端部から立ち上がる立上がり部141Bと、を有する構成とした。
【0039】
これにより、太陽光パネル2のケラバ側端部を覆う第1ケラバ化粧材61と、スレート3のケラバ側端部を覆う第2ケラバ化粧材62との連結部63から、太陽光パネル2とスレート3との境に設けられる水切り部材140のケラバ側端部に亘って、ケラバ側水切り部材141が配置されているため、ケラバ化粧材60の水仕舞いが向上している。具体的には、水切り部材140が配置される屋根面上に平板状の平面部141Aを設けるとともに、該平面部141Aのケラバ側端部から立ち上がる立上がり部141Bを設けたことにより、太陽光パネル2下の縦桟24に形成された捨て谷24Aから流れ込む雨水や、水切り部材140のケラバ側端部から流れ込む雨水が、ケラバ化粧材60の外側からこぼれ落ちるのを回避できる。
従って本実施形態によれば、水仕舞いの良い張分けタイプの太陽光発電屋根100を提供できる。
【0040】
また本実施形態によれば、ケラバ側水切り部材141を、立上がり部141Bの軒側端部から延出し、軒側に向かうに従いケラバ側とは反対側に傾斜して延びる延出部141Cを有する構成とした。
これにより、ケラバ化粧材60に流れ込む雨水を、ケラバ側とは反対側に案内することができるとともに、隙間32に雨水が流れ込むのを回避でき、水仕舞いをより向上できる。
【0041】
また本実施形態によれば、ケラバ側水切り部材141の平面部141Aを、屋根面100Aと水切り部材140との間に配置する構成とした。
これにより、水切り部材140の下面に雨水が流れ込んだとしても、その雨水はケラバ側水切り部材141の平面部141A及び立ち上がり部142によって、ケラバ化粧材60の外側にこぼれ落ちるのを回避できるため、水仕舞いをさらに向上できる。
【0042】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、上記実施形態では、太陽光発電屋根100を切妻屋根として説明したが、これに限られない。太陽光発電屋根100は、張合せタイプの片流れ屋根でもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、屋根材としてスレート3を例に説明しているが、これに限られない。屋根材としては、下地材の上に敷設されて屋根の表面を構成する部材であれば、瓦や金属板等であってもよく、特に限定されない。
【符号の説明】
【0044】
100…太陽光発電屋根
100A…屋根面
140…水切り部材
141…ケラバ側水切り部材
141A…平面部
141B…立ち上がり部
141C…延出部
2…太陽光パネル
3…スレート(屋根材)
23…軒カバー
24…縦桟
60…ケラバ化粧材
61…第1ケラバ化粧材
62…第2ケラバ化粧材
63…連結部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7