特許第6564344号(P6564344)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564344
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】自走式車両の保護装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/24 20060101AFI20190808BHJP
   B61B 13/00 20060101ALI20190808BHJP
   B60R 19/48 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   B60R19/24 G
   B61B13/00 A
   B60R19/48 B
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-94550(P2016-94550)
(22)【出願日】2016年5月10日
(65)【公開番号】特開2017-137037(P2017-137037A)
(43)【公開日】2017年8月10日
【審査請求日】2018年5月24日
(31)【優先権主張番号】105104025
(32)【優先日】2016年2月5日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】514176398
【氏名又は名称】金寶電子工業股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100086368
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 誠
(72)【発明者】
【氏名】潘 世 力
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−072502(JP,A)
【文献】 特開2008−171174(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 19/24
B60R 19/48
B61B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走式車両の保護装置であって、
レール又は移動ブロックを有する車両本体と、
移動ブロック又はレールを有し、前記レールに着脱可能に結合された前記移動ブロックを介して、平面上を前記車両本体に対して移動する枠体と、
それぞれ前記平面に対する二本の法線に沿って、前記車両本体及び前記枠体に着脱可能に枢支される少なくとも二つの枢支部材とを含み、
前記枠体は、障害物と衝突した場合、前記枠体の衝突位置によって前記少なくとも二つの枢支部材のうちの一つを回転中心として、前記平面上で前記車両本体に対して回転され
前記レールは、溝構造を有し、前記溝構造は、少なくとも一つの側壁に二つの貫通孔を有し、前記二つの枢支部材はそれぞれ、前記二つの貫通孔を貫通して前記移動ブロックに接続されることを特徴とする自走式車両の保護装置。
【請求項2】
前記自走式車両の保護装置は、中心軸を有し、
前記レール及び前記移動ブロックは、前記中心軸上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の自走式車両の保護装置。
【請求項3】
前記二つの枢支部材は、前記中心軸に対して対称であることを特徴とする請求項2に記載の自走式車両の保護装置。
【請求項4】
前記二つの貫通孔はそれぞれ、拡張された穴であり、その拡張方向には、前記平面上での前記車両本体に対する、前記枠体の回転方向が含まれることを特徴とする請求項に記載の自走式車両の保護装置。
【請求項5】
前記拡張方向には、前記平面上での前記車両本体に対する、前記枠体の回転を伴わない移動方向がさらに含まれることを特徴とする請求項に記載の自走式車両の保護装置。
【請求項6】
前記溝構造は、二つの側壁それぞれに二つの貫通孔を有し、
自走式車両の保護装置は、それぞれ前記平面に対する四本の法線に沿い、前記貫通孔を貫通して前記移動ブロックに接続される四つの枢支部材を有することを特徴とする請求項に記載の自走式車両の保護装置。
【請求項7】
前記移動ブロックに配置される少なくとも二つのセンサをさらに含み、
前記枠体が前記少なくとも二つの枢支部材のうちの一つと、前記平面上で前記車両本体に対して回転される場合には、前記少なくとも二つのセンサのうちの一つが、前記移動ブロック及び前記車両本体の構造が互いに接近したときから起動され、
前記枠体が前記平面上で前記車両本体に対して回転せずして移動される場合には、前記少なくとも二つのセンサが、前記移動ブロック及び前記車両本体の構造が互いに接近したときから同時に起動されることを特徴とする請求項に記載の自走式車両の保護装置。
【請求項8】
前記枠体は、その構造強度を改善する突出リブ構造をさらに含み、前記枠体は、前記車両本体に対して回転される際に、変形されないことを特徴とする請求項1に記載の自走式車両の保護装置。
【請求項9】
前記車両本体に配置された一組の動力車輪をさらに含み、
前記二つの枢支部材の間隔は、前記前記一組の動力車輪の間隔未満であることを特徴とする請求項1に記載の自走式車両の保護装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走式車両の保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ロボット及びその関連技術が次第に発達したことに伴い、自走式装置も一般的なものとなっている。移動メカニズム、センサ及びコントローラが組み込まれた、無人搬送車(AGV)、又は床面清掃(掃き掃除/拭き掃除)ロボットのような無人装置が、次々と開発されている。
【0003】
一般に、経路追従制御及び障害物回避制御の観点から、自走式装置は、能動タイプと受動タイプに分かれる。能動タイプの自走式装置は、先に障害物を認識してルートを計画するものであり、受動タイプの自走式装置は、障害物に接触した後に、力の方向や衝突位置に基づき、続く運転動作を決定するものである。
【0004】
受動タイプの場合、自走式装置は、従来技術であるバンパに複数のセンサを備える。バンパは、センサが起動するように変形され、受動タイプの自走式装置は、センサの信号に基づき決定を行う。しかし、バンパの変形は、材料及び構造強度の影響を受け、変形がいつも一定量維持されるわけではない。そのため、たとえバンパが衝突の影響を受けたとしても、センサが(完全に)起動しない場合が存在し得る。同時に、本体のサイズの変更につれて、バンパの変形量は一定に保たれない。それゆえ、障害物回避制御の観点における自走式装置の性能の改善手法の開発が関係者の間で望まれていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、自走式車両の保護装置を提供する。この自走式車両の保護装置は、経路追従及び障害物回避の点において、より良い性能を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両本体と、枠体と、少なくとも二つの枢支部材とを含む自走式車両の保護装置を提供する。車両本体は、レール又は移動ブロックを有し、枠体は、移動ブロック又はレールを有する。枠体は、レールに着脱可能に結合された移動ブロックを介して、平面上を車両本体に対して移動する。枢支部材は、それぞれ平面に対する二本の法線に沿って、車両本体及び枠体に着脱可能に枢支される。枠体は、二つの枢支部材のうちの一つと、平面上で車両本体に対して回転される。
【発明の効果】
【0007】
以上により、自走式車両の保護装置では、枠体と車両本体とが、平面に沿って、共に着脱可能に結合され、同時に、二つの枢支部材が、それぞれ平面に対する二本の法線に沿って、車両本体及び枠体に着脱可能に枢支される。このようにして、枠体は障害物と衝突した際には、車両本体に対する相対動作、特に、二つの枢支部材のうちの一つと車両本体に対する回転動作を行うことができる。これにより、判定基準及び自走式車両の保護装置が障害物に衝突する走行過程における後続の対応する処理が提供される。衝突により、枠体は、車両本体及び枢支部材に対する枠体の配置により、車両本体に対する動作をより滑らかにはっきりと行う。そのため、誤った判断を招く不完全な動作をもたらす枠体の変形を、効果的に避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例である自走式車両の保護装置の部分的な概要図である。
図2図1の自走式車両の保護装置の構成組立部品部分概略図である。
図3図1の自走式車両の保護装置の部分上面図である。
図4】本発明の他の実施例である自走式車両の保護装置の部分上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な記述において、開示される実施例を説明し、これを完全に理解できるよう数多くの具体的詳細を示す。しかし、これらの具体的詳細がなくても、一つ又はそれ以上の実施例を実施できることは明らかである。他の例では、図面を簡素化するために、周知の構造や装置は概略的に示している。
【0010】
図1は、本発明の一実施例である自走式車両の保護装置の部分的な概要図である。ここでは、異なる部位は、破線と実線により区別されている。図2は、図1の自走式車両の保護装置の構成組立部品部分概略図である。構成の記述を容易にするために、X−Y−Z直交座標が同時に示される。図1及び図2を参照すると、本実施例の自走式車両の保護装置100は、車両本体110と、枠体120と、枢支部材130A、130B(130C、130D)と、動力車輪140と、センサ150A、150Bとを含む。枠体120は、車両本体110に着脱可能に結合されている。動力車輪140は、自走式車両の保護装置100の走行駆動源となるように、車両本体110に配置されている。センサ150A、150Bは、例えば、トリガスイッチ(triggered switches)である。センサ150A、150Bは、枠体120と車両本体110との間で相対動作が起きた際に起動されるように、車両本体110と枠体120との間に配置されている。ここに示されない他の構成は、周知の技術から採用できるものであり、本発明の主要な技術ではないため、再度説明は行わない。
【0011】
図1に示すように、枠体120は、自走式車両の保護装置100の外装品であり、枠体120の外部表面領域は、自走式車両の保護装置100が一つの方向に沿って(例えば、X軸の正方向に向かって)走行する際の、すべての可能性のある衝突範囲を実質的に含んでいる。すなわち、自走式車両の保護装置100がX軸の正方向に向かって走行する際に、枠体120は、自走式車両の保護装置100の走行ルート上のあらゆる障害物に実際に衝突する可能性がある。さらに、枠体120が自走式車両の保護装置100の周辺に配置されるならば、自走式車両の保護装置100の枠体120は、X−Y平面上のあらゆる方向の走行ルート上にある障害物に衝突する可能性があることが分かる。
【0012】
注目すべきは、本実施例の車両本体110は構造部材A1を有し、構造部材A1は、レール114を有することである。図2に示されるように、レール114は、側面ダンピング(dumping)U字型溝構造であり、枠体120は、移動ブロック122を有する。枠体120は、互いに結合された移動ブロック120とレール114の外側輪郭を介して、X−Y平面上で、車両本体110に対して、移動することができる。X−Y平面は、自走式車両の保護装置100が走行する平面とみなすことができる。さらに、枢支部材130A、130B(130C,130D)が、それぞれX−Y平面に対する二(四)本の法線の方向(すなわち、Z軸)に沿って、車両本体110及び枠体120に枢支される。
【0013】
レール114と移動ブロック122が配置される物体は、ここに記載のものに限られない。すなわち、(図示しない)他の実施例では、車両本体110の構造部材A1に移動ブロックが配置され、枠体120がレールを有するようにしても良い。また、互いに結合される移動ブロックとレールとを介して、車両本体110と枠体120との間で、同じ相対動作が引き起こされる。
【0014】
具体的には、溝構造を有するレール114は、溝構造の二つの対向側壁のそれぞれにビア112A、112Bを有する(斜視図のため、構造部材A1の上部のビアのみが示される)。枢支部材130A、130Bは、ビア112A、112Bを貫通して、移動ブロック122上の枢支部122A、122Bに固定される(構造部材A1の底部も、枢支部材130C、130Dが貫通するためのビアを有するため、枢支部材130C、130Dは、移動ブロック122に枢支される)。四つの枢支部材130A、130B、130C、130Dは、図2に示されていることに留意する。しかしながら、枢支部材130A、130Cが同軸(Z軸)であるとともに、枢支部材130B、130Dが同軸であるため、全体として、二本の枢支軸だけと考えることができる。それゆえ、以下では、例として、枢支部材130A、130Bと、ビア112A、112Bとに基づいて、記述がなされる。すなわち、本実施例の自走式車両の保護装置100は、二回転軸構造といえる。
【0015】
ビア112A、112Bは、それぞれ拡張された穴であり、その拡張範囲内で、枢支部材130A、130Bが動くことができるようになっていることに留意する。それゆえ、枢支部材130A、130Bは、依然として、X−Y平面上の一定領域での動作を維持することができる。これにより、枠体120は、障害物衝突により押された際に、枢支部材130A、130Bのうちの一つを回転中心として、X−Y平面上で、車両本体110に対して回転される。
【0016】
加えて、枠体120は、さらに、(車両本体110上の)枠体120により占められている領域に対応して配置される複数の突出リブ構造を実質的に含んでいる。突出リブ構造124は、枠体120の構造強度を向上するために用いられている。そのため、枠体120は、車両本体110に対する動作を引き起こしたときに変形しない。換言すれば、突出リブ構造124は、枠体120の剛性向上に寄与している。そのため、枠体120は、動作において、剛体みなすことができる。
【0017】
一方、前述のセンサ150A、150Bは、枢支部材130A、130Bに対応して、それぞれ移動ブロック122に設けられ、移動ブロック122とレール114の相対動作を検出するのに用いられる。すなわち、障害物衝突により、枠体120が車両本体110に対して回転される際、対応するセンサ150A、150Bが起動される。このようにして、自走式車両の保護装置100の(図示しない)制御モジュールは、センサ150A、150Bが起動されたか否かに基づいて、どの方向からの位置と力とで衝突が発生したかを判定する。また、弾性部材160は、移動ブロック122とレール114(溝構造の底板部)との間に配置され且つ掛けられる。そのため、枠体120の引き起こす相対動作を、衝突の後で、リセットすることができる。
【0018】
図3は、図1の自走式車両の保護装置の部分上面図である。図1から図3を参照すると、動力車輪140の車輪軸L1と枠体120の中心軸L2は、同時に、基準として用いられる(L1とL2は互いに直交する)。本実施例では、移動ブロック122と構造部材A1(レール114)は、ほぼ中心軸L2上且つ動力車輪140のホイールベースの間に設置される(すなわち、車輪軸L1への移動ブロック122、レール114、枢支部材130A、130Bの正射影は、二つの動力車輪140の間にある)。それゆえ、集中化した配置により、枠体120の車両本体110に対する相対動作をよりスムーズなものにすることができ、同時に、車両本体110の空間を有効利用することができる。
【0019】
図3の部分拡大図に示されるように、枢支点P1、P2は、枢支部材130A、130Bがビア112A、112B内で固定されている位置を表す。このようにして、枢支部材130A、130Bが、それぞれ、主可動方向V1、V2(二つの方向の間の範囲を含む)、主可動方向V3、V4(二つの方向の間の範囲を含む)を有しており、このうち主可動方向V1、V4は、X軸の負方向に向かう方向といえるのが明確に分かる。それゆえ、枢支点P1、P2は、X軸の負方向に向かって移動できるのみならず、互いに対する相対可動方向を有することができる。これにより、枠体120は、車両本体110に対して、回転して移動されることができる。換言すれば、本実施例の枢支点P1、P2により、車両本体110上に、枢支基準軸L3A、L3Bを形成することができる。
【0020】
例えば、図3において、枠体120の左側に障害物が接触した場合に、衝突位置から枢支基準軸L3Aまでの距離は、より遠くなる。すなわち、衝突のフォースアーム(force arm)は、枠体120の右側の衝突のフォースアームに対してより長く、枠体120の左側の動作は、枠体120の右側の動作よりも大きくなる。それゆえ、枠体120は、センサ150Bを起動するように、枢支点P1とともに(時計回りに)回転される。図3において、枠体120の右側に障害物が接触した場合に、衝突位置から枢支基準軸L3Bまでの距離は、より遠くなる。このように、枠体120の右側の動作は、枠体120の左側の動作よりも大きくなる。それゆえ、枠体120は、センサ150Aを起動するように、枢支点P2とともに(反時計回りに)回転される。障害物が枠体120の中心軸L2に沿って衝突した場合、枢支点P1、P2は、X軸の負方向に沿って、移動する。この時、枠体120は、回転動作を伴わない移動動作のみを行う。拡張された穴であるビア112A、112Bの拡張方向は、X−Y平面上での枠体120の車両本体110に対する回転方向を含み、かつX−Y平面上での枠体120の車両本体110に対する回転を伴わない移動方向を含むものといえることが分かる。重要なことには、実際の動き方では、障害物が中心軸L2に沿って枠体120に衝突する可能性は、障害物が枠体120の左側又は右側に衝突する可能性よりもはるかに小さい。さらに、本実施例では、二つの枢支基準軸L3A、L3Bが採用されていることで、枠体120は、どの位置に衝突があろうとも、回転を引き起こすようになっている。それゆえ、衝突位置を、効果的に検出することができる。
【0021】
自走式車両の保護装置100の実際の走行プロセスにおいて、前述の動作モジュールのほかに、障害物が枠体120と対向する方向(すなわち中心軸L2に沿って)で衝突する確率が低いことから、(中心軸L2を基準として)枠体120の右側又は左側で衝突が起こる確率がより高くなっている。このように、枢支部材130A、130Bの配置により、枠体120の回転動作を発生させることができる。同時に、動作モジュールの動作がスムーズに実行されるため、中心軸L2上に集約した方法で配置される枠体120及び車両本体110の結合構造が必要とされる。この集約した方法は、動力車輪140のホイールベースの範囲を超えずに、中心軸L2に向かって集約するものということができる。
【0022】
図4は、本発明の他の実施例である自走式車両の保護装置の部分上面図である。図4を参照するとともに図3と比較すると、自走式車両の保護装置200の車両本体が、中心軸L2に沿って対称に配置された二つの構造部材A2、A3を有し、構造部材A2、A3それぞれがレール(前述の実施例の構造部材A1とレール114と性質は類似している)を有している点が、異なっている。枠体220は、中心軸L2に沿って対称に配置された二つの移動ブロック222A、222Bを有する。移動ブロック222A、222Bは、それぞれ構造部材2A、2Bのレールに結合される。枢支部材130A、130Bは、移動ブロック222A、222Bに固定されるように、それぞれ、構造部材2A、2Bのビア112A、112Bを貫通している。また、それぞれ結合された移動ブロック222A、222Bとレールに対応する、一組の弾性部材260A、260Bが、相対動作後のリセットのために、自走式車両の保護装置200に配置される。記述されない残りの構成は、依然として前述の実施例と同様である。移動ブロック222A、222Bとレールは、実際の要求に基づいて、適切に変形することができ、その配置は、依然として前述の実施例と同様である。このように、自走式車両の保護装置200は、前述の実施例のような動作ができるという効果を得ることができる。
【0023】
要するに、本発明の前述の実施例では、枠体により、自走式車両の保護装置が、平面に沿って、車両本体に着脱可能に結合され、二つの枢支部材が車両本体と枠体に枢支される。また、平面上での枢支部材の移動の自由度も維持される。このように、枠体が障害物に衝突した際に、枠体は、車両本体に対して、スムーズに回転動作又は移動動作を行うことができる。加えて、集約した配置により、移動ブロック、レール及び枢支部材は、すべて、自走式車両の保護装置の中心軸に向かって集約される。このように、枠体は、走行プロセスにおいて、自走式車両の保護装置による経路追従及び障害物回避の判断制御基準となるように、車両本体に対する動作をよりスムーズに行うことができる。
【0024】
また、枢支部材は、車両本体に実質的に固定されるように、ビアを貫通する。そして、ビアは、互いに対応する方向に拡張範囲を有し、これにより、拡張された穴内で、枢支部材が平面移動するという効果を効率的に享受することができる。このように、枠体は、車両本体に対して、枢支部材のうちの一つを回転中心として、回転移動されることができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、車両本体と、枠体と、少なくとも二つの枢支部材を含む自走式車両の保護装置に関する。車両本体は、レールと、移動ブロックを有する枠体とを有しており、移動ブロックは、枠体が平面上を車両本体に対して移動するように、レールに着脱可能に結合される。二つの枢支部材は、それぞれ平面に対する二本の法線に沿って、車両本体及び枠体に着脱可能に枢支され、枠体は、二つの枢支部材のうちの一つと、平面上で車両本体に対して回転される。
【符号の説明】
【0026】
100 自走式車両の保護装置
110 車両本体
112A、112B ビア
114 レール
120、220 枠体
122、222A、222B 移動ブロック
124 突出リブ構造
130A、130B、130C、130D 枢支部材
140 動力車輪
150A、150B センサ
160、260A、260B 弾性部材
A1、A2、A3 構造部材
L1 車輪軸
L2 中心軸
L3A、L3B 基準軸
P1、P2 枢支点
V1、V2、V3、V4 可動方向
X−Y−Z 直交座標
図1
図2
図3
図4