(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564350
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】ロボットの不良部品診断装置および方法
(51)【国際特許分類】
B25J 13/08 20060101AFI20190808BHJP
【FI】
B25J13/08 A
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-137368(P2016-137368)
(22)【出願日】2016年7月12日
(65)【公開番号】特開2018-8327(P2018-8327A)
(43)【公開日】2018年1月18日
【審査請求日】2017年7月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】小窪 恭平
【審査官】
稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−008185(JP,A)
【文献】
特開2015−199192(JP,A)
【文献】
特開平08−174453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 − 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットおよび該ターゲットを撮影するセンサを備え、前記ターゲットまたは前記センサの一方をロボットに取り付け、他方を前記ロボットの外部に配置して、前記ロボットの複数の姿勢において、前記センサにより前記ターゲットの位置を測定する位置測定部と、
該位置測定部により測定された前記ターゲットの位置に基づいて、前記ロボットの位置決め誤差を算出する誤差算出部と、
該誤差算出部により算出された前記位置決め誤差が所定の閾値を超える場合に、前記位置測定部により前記姿勢毎に測定された前記ターゲットの位置に基づいて、前記ロボットの各動作軸の機構パラメータを算出するパラメータ算出部と、
該パラメータ算出部により算出された前記機構パラメータの算出値と、各前記姿勢を達成するための前記機構パラメータの設定値との差分が最も大きくなる前記動作軸を原因部位として特定する不良部品特定部とを備えるロボットの不良部品診断装置。
【請求項2】
前記不良部品特定部が、いずれか1つの前記動作軸を判定軸として前記パラメータ算出部により算出された前記機構パラメータの前記算出値を用い、他の前記動作軸については前記機構パラメータの前記設定値を用いて前記ロボットの前記位置決め誤差を算出し、算出された前記位置決め誤差が最も小さくなる前記判定軸を前記原因部位として特定する請求項1に記載のロボットの不良部品診断装置。
【請求項3】
ターゲットまたは該ターゲットを撮影するセンサの一方をロボットに取り付け、他方を前記ロボットの外部に配置して、前記ロボットの複数の姿勢において、前記センサにより前記ターゲットの位置を測定する位置測定ステップと、
該位置測定ステップにより測定された前記ターゲットの位置に基づいて、前記ロボットの位置決め誤差を算出する誤差算出ステップと、
該誤差算出ステップにより算出された前記位置決め誤差が所定の閾値を超えるか否かを判定する誤差判定ステップと、
該誤差判定ステップにおいて前記位置決め誤差が前記閾値を超えていると判定された場合に、前記位置測定ステップにより前記姿勢毎に測定された前記ターゲットの位置に基づいて、前記ロボットの各動作軸の機構パラメータを算出するパラメータ算出ステップと、
該パラメータ算出ステップにより算出された前記機構パラメータの算出値と、各前記姿勢を達成するための前記機構パラメータの設定値との差分が最も大きくなる前記動作軸を原因部位として特定する不良部品特定ステップとを含むロボットの不良部品診断方法。
【請求項4】
前記不良部品特定ステップが、いずれか1つの前記動作軸を判定軸として前記パラメータ算出ステップにより算出された前記機構パラメータの前記算出値を用い、他の前記動作軸については前記機構パラメータの前記設定値を用いて前記ロボットの前記位置決め誤差を算出し、算出された前記位置決め誤差が最も小さくなる前記判定軸を前記原因部位として特定する請求項3に記載のロボットの不良部品診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットの不良部品診断装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボットの位置決め誤差を計測し補正する装置および方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この装置および方法は、テーブルまたはロボットの先端のいずれか一方にターゲットを配置し、他方に配置した測定器によって測定したターゲットまでの距離とロボットの動作指令値とから、リンクパラメータ誤差を求めることにより、ロボット先端の位置決め誤差を推定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−174453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の装置および方法は、位置決め誤差を推定することはできるが、位置決め誤差が大きいことが推定された場合に、ロボットのどの部品が原因で位置決め誤差が大きくなってしまっているのかを簡易に特定することはできない。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、位置決め誤差が大きい場合に、交換すべき部品の箇所を簡易に特定することができるロボットの不良部品診断装置および方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、ターゲットおよび該ターゲットを撮影するセンサを備え、前記ターゲットまたは前記センサの一方をロボットに取り付け、他方を前記ロボットの外部に配置して、前記ロボットの複数の姿勢において、前記センサにより前記ターゲットの位置を測定する位置測定部と、該位置測定部により測定された前記ターゲットの位置に基づいて、前記ロボットの位置決め誤差を算出する誤差算出部と、該誤差算出部により算出された前記位置決め誤差が所定の閾値を超える場合に、前記位置測定部により前記姿勢毎に測定された前記ターゲットの位置に基づいて、前記ロボットの各動作軸の機構パラメータを算出するパラメータ算出部と、該パラメータ算出部により算出された前記機構パラメータの算出値と、各前記姿勢を達成するための前記機構パラメータの設定値との差分が最も大きくなる前記動作軸を原因部位として特定する不良部品特定部とを備えるロボットの不良部品診断装置を提供する。
【0006】
本態様によれば、ターゲットまたはセンサの一方をロボットに取り付け、他方をロボットの外部に配置して、ロボットを予め定められた複数の測定姿勢に位置決めした状態で、位置測定部のセンサによりターゲットの位置を測定し、誤差算出部において、測定されたターゲットの位置に基づいてロボットの位置決め誤差が算出される。ロボットの位置決め誤差が所定の閾値を超える場合には、ロボットの構成部品に何らかの不具合が存在する可能性が高いため、どの構成部品に不具合があるのかを特定する必要がある。
【0007】
そこで、パラメータ算出部により、位置測定部により測定されたターゲットの位置に基づいて、ロボットの各動作軸の機構パラメータをロボットの姿勢毎に算出し、不良部品特定部により算出値と設定値との差分が最も大きくなる動作軸を原因部位として特定する。これにより、特定された動作軸近傍に不良部品が存在することが簡易に示されるので、部品交換等の対処を容易に行うことができる。
【0008】
上記態様においては、前記不良部品特定部が、いずれか1つの前記動作軸を判定軸として前記パラメータ算出部により算出された前記機構パラメータの前記算出値を用い、他の前記動作軸については前記機構パラメータの前記設定値を用いて前記ロボットの前記位置決め誤差を算出し、算出された前記位置決め誤差が最も小さくなる前記判定軸を前記原因部位として特定してもよい。
このようにすることで、ロボットの姿勢毎にセンサによる測定結果から求められた各動作軸の機構パラメータを1つずつ判定軸の機構パラメータとして適用し、残りを機構パラメータの設定値にして位置決め誤差を算出した場合に、位置決め誤差が最も小さくなる判定軸が原因部位として特定される。
【0009】
すなわち、全ての動作軸の機構パラメータを各姿勢を達成するための設定値としたときに、いずれかの部品に不具合があって位置決め誤差が増大している場合には、不具合の部品に対応する動作軸の機構パラメータのみをセンサによる測定結果から求められた機構パラメータに設定することにより、算出される位置決め誤差を大きく減少させることができる。したがってこのような動作軸を原因部位として特定することにより、より正確に交換すべき部品を特定することができる。
【0010】
また、本発明の他の態様は、ターゲットまたは該ターゲットを撮影するセンサの一方をロボットに取り付け、他方を前記ロボットの外部に配置して、前記ロボットの複数の姿勢において、前記センサにより前記ターゲットの位置を測定する位置測定ステップと、該位置測定ステップにより測定された前記ターゲットの位置に基づいて、前記ロボットの位置決め誤差を算出する誤差算出ステップと、該誤差算出ステップにより算出された前記位置決め誤差が所定の閾値を超えるか否かを判定する誤差判定ステップと、該誤差判定ステップにおいて前記位置決め誤差が前記閾値を超えていると判定された場合に、前記位置測定ステップにより前記姿勢毎に測定された前記ターゲットの位置に基づいて、前記ロボットの各動作軸の機構パラメータを算出するパラメータ算出ステップと、該パラメータ算出ステップにより算出された前記機構パラメータの算出値と、各前記姿勢を達成するための前記機構パラメータの設定値との差分が最も大きくなる前記動作軸を原因部位として特定する不良部品特定ステップとを含むロボットの不良部品診断方法を提供する。
【0011】
上記態様においては、前記不良部品特定ステップが、いずれか1つの前記動作軸を判定軸として前記パラメータ算出ステップにより算出された前記機構パラメータの前記算出値を用い、他の前記動作軸については前記機構パラメータの前記設定値を用いて前記ロボットの前記位置決め誤差を算出し、算出された前記位置決め誤差が最も小さくなる前記判定軸を前記原因部位として特定してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、位置決め誤差が大きい場合に、交換すべき部品の箇所を簡易に特定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係るロボットの不良部品診断装置が備えられたロボットシステムを示す全体構成図である。
【
図2】
図1のロボットの不良部品診断装置を示すブロック図である。
【
図3】
図1のロボットの不良部品診断装置を用いた不良部品診断方法を説明するフローチャートである。
【
図4】
図3の不良部品診断方法の位置測定ステップを説明するフローチャートである。
【
図5】
図3の不良部品診断方法の機構パラメータ算出ステップを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係るロボット2の不良部品診断装置1および方法について、図面を参照しながら以下に説明する。
本実施形態に係るロボット2の不良部品診断装置1は、
図1および
図2に示されるように、ロボット2と、該ロボット2の動作を制御するロボット制御装置3とを備えるロボットシステムに装備され、ロボット2の位置決め誤差を測定する誤差測定部4と、該誤差測定部4により測定された位置決め誤差が所定の閾値より大きい場合に、各動作軸の機構パラメータを算出するパラメータ算出部5と、該パラメータ算出部5により算出された機構パラメータによって、位置決め誤差を大きくしている原因となる部品を特定する不良部品特定部6とを備えている。図中符号7は教示操作盤である。
【0015】
誤差測定部4は、
図1および
図2に示されるように、ロボット2の先端に固定されたターゲットOと、ロボット2の外部(例えば、床)のターゲットを撮影可能な位置に固定されたカメラ(センサ、位置測定部)8と、ロボット制御装置3から得られたロボット2の各動作軸の位置情報とカメラ8により取得された画像情報とに基づいて、位置決め誤差を算出する誤差算出部9とを備えている。
【0016】
具体的には、誤差算出部9は、ロボット2が予め定められたN個の測定姿勢をとったときの各動作軸のモータに備えられたエンコーダによる角度検出値に基づいて、ターゲットOの位置を演算し、カメラ8により取得された画像に基づいて、ターゲットOとカメラ8との位置関係を演算し、演算されたターゲットOの位置と、ターゲットOとカメラ8との位置関係とから、カメラ8の設置位置をN個の測定姿勢毎に演算するようになっている。そして、誤差算出部9は、演算されたN個のカメラ8の設置位置の標準偏差σ
0を位置決め誤差として算出するようになっている。
【0017】
パラメータ算出部5は、N個のカメラ8の設置位置の標準偏差σ
0が所定の閾値εを超えているか否かを判定するようになっている。閾値εを超えている場合には、交換すべき部品があると判定するようになっている。また、閾値ε以下の場合には、交換すべき部品がないと判定するようになっている。
【0018】
交換すべき部品があると判定された場合には、パラメータ算出部5は、誤差測定部4により演算されたN個のカメラ8の設置位置を用いて、公知の方法により、N個の測定姿勢毎に、ロボット2の機構パラメータを算出するようになっている。上述の公知の方法としては、例えば、R.Bernhardt “Robot Calibration” KLUWER ACADEMIC PUBLISHERS ISBN 0−412−49140−0に記載の方法や、Hanqi Zhuang, Zvi S.Roth “Camera−Aided Robot Calibration” CRC Pressに記載の方法等がある。この場合に、位置決め誤差を大きくする要因となる機構パラメータを全て列挙しておく。
【0019】
機構パラメータとしては、例えば、ロボット2の各リンクの幾何学的な状態を示すDHパラメータや、ロボット2の撓みを補正するばね定数などのキャリブレーションで取り扱うパラメータを挙げることができる。
ここでは、説明を簡単にするために、ロボット2の全ての動作軸がリンクを相対的に回転させる回転軸であり、機構パラメータとして、動作軸毎のDHパラメータ(d,a,θ,α)を用いることとする。ここで、dはリンク間の距離、aは動作軸間距離、θはリンク間の角度、αはリンクのねじれ角である。また、位置決め誤差を大きくする要因となる機構パラメータの数Lは、ロボット2の動作軸の数に一致しているものとする。
【0020】
不良部品特定部6は、パラメータ算出部5によりN個の測定姿勢毎に算出された各動作軸の機構パラメータの内、各測定姿勢を達成するための設定値との差の絶対値が最も大きな機構パラメータを検出することにより、検出された機構パラメータの属する動作軸付近の部品を、交換すべき部品として特定するようになっている。
【0021】
このように構成された本実施形態に係るロボット2の不良部品診断装置1を用いた不良部品診断方法について以下に説明する。
本実施形態に係る不良部品診断方法は、
図3に示されるように、カメラ8の設置位置を測定する位置測定ステップS1と、カメラ8の設置位置の標準偏差σ
0を算出する誤差算出ステップS2と、標準偏差σ
0が所定の閾値εより大きいか否かを判定する判定ステップ(誤差判定ステップ)S3と、標準偏差σ
0が所定の閾値εより大きいと判定された場合に、機構パラメータを算出するパラメータ算出ステップS4と、算出された機構パラメータに基づいて不良部品を特定する不良部品特定ステップS5とを含んでいる。
【0022】
位置測定ステップS1は、
図4に示されるように、数値nを初期化し(ステップS11)、ロボット2をn番目の測定姿勢に設定し(ステップS12)、エンコーダからの各動作軸のモータの角度検出値を取得し(ステップS13)、カメラ8によってターゲットOの画像を取得し(ステップS14)、n番目のカメラ8の設置位置を算出し(ステップS15)、数値nをインクリメントし(ステップS16)、数値nがNより大きいか否かを判定し(ステップS17)、数値nがN以下の場合にはステップS12からの工程を繰り返すようになっている。
【0023】
パラメータ算出ステップS4は、
図5に示されるように、数値nを初期化し(ステップS21)、数値cを初期化する(ステップS22)。n番目の測定姿勢を達成するための各動作軸の機構パラメータの設定値R
ns=(r
n1s,r
n2s,…,r
nLs)は既知であり、全ての動作軸の機構パラメータを設定値とする(ステップS23からS26)。そして、c番目の動作軸の機構パラメータr
ncのみを位置測定ステップS1においてカメラ8により測定されたn番目の測定姿勢におけるターゲットOの位置から逆算して求める(ステップS27)。
【0024】
そして、数値cをインクリメントし(ステップS28)、数値cがLより大きいか否かを判定し(ステップS29)、数値cがL以下の場合にはステップS23からの工程が繰り返される。一方数値cがLより大きい場合には、数値nをインクリメントし(ステップS30)、数値nがNより大きいか否かを判定し(ステップS31)、数値nがN以下の場合にはステップS22からの工程が繰り返される。
【0025】
これにより、N個の測定姿勢毎に、いずれか1つの機構パラメータのみをカメラ8により取得された画像から算出し残りの機構パラメータとして設定値が設定されたL個の機構パラメータ群が生成される。
【0026】
不良部品特定ステップS5は、
N個の測定姿勢毎に算出された各動作軸の機構パラメータの内、各測定姿勢を達成するための設定値との差の絶対値が最も大きな機構パラメータを検出することにより、検出された機構パラメータの属する動作軸付近の部品を、交換すべき部品として特定する。
【0028】
すなわち、カメラ8により取得された現実のターゲットOの位置から算出した機構パラメータが、ロボット2にその測定姿勢を達成させるための設定値から大きく乖離している場合に、不良部品が存在する動作軸であるとして特定することができる。
【0029】
このように、本実施形態に係るロボット2の不良部品診断装置1および方法によれば、ロボット2の位置決め誤差が大きい場合に、位置決め誤差を大きくする主原因となっている部品を交換すべき動作軸(原因部位)として簡易に特定することができる。したがって、本来交換すべき部品であるにもかかわらず、キャリブレーションによって位置決め誤差を所定の範囲に収めて出荷されてしまう不都合の発生を未然に防止することができるという利点がある。
【0030】
なお、本実施形態においては、誤差測定部4が、ロボット2の先端に固定されたターゲットOと、ロボット2の外部に固定されたカメラ8とを備えることとしたが、ロボット2の先端にカメラ8、ロボット2の外部にターゲットOを配置することにしてもよい。
【0031】
また、本実施形態においては、不良部品特定部6において、N個の測定姿勢毎に算出された各動作軸の機構パラメータの内、標準値との差の絶対値が最も大きな機構パラメータを検出することにより、検出された機構パラメータの属する動作軸付近の部品を、交換すべき部品として特定することとしたが、これに代えて、以下の方法により特定してもよい。
【0032】
すなわち、
図5のフローチャートにより、特定の動作軸のみをカメラ8により測定されたN個の測定姿勢におけるターゲットOの位置から逆算して求めた機構パラメータを用いてカメラ8の設置位置をそれぞれ算出し、その標準偏差を算出し、算出された標準偏差が最も小さくなる動作軸(判定軸)を位置決め誤差を大きくする主原因となっている部品を交換すべき動作軸(原因部位)として特定することにしてもよい。
【0033】
また、本実施形態においては、機構パラメータとしてDHパラメータを例示したが、これに代えて、他の任意の機構パラメータを採用してもよい。この場合に、単位の異なる機構パラメータについて設定値との差分の大小関係を比較するために、単位のスケールを予め適切に設定しておいて、数値をそのまま比較できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 不良部品診断装置
2 ロボット
5 パラメータ算出部
6 不良部品特定部
8 カメラ(センサ、位置測定部)
9 誤差算出部
O ターゲット
ε 閾値
S1 位置測定ステップ
S2 誤差算出ステップ
S3 判定ステップ(誤差判定ステップ)
S4 パラメータ算出ステップ
S5 不良部品特定ステップ