(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564354
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】足裏押圧器
(51)【国際特許分類】
A61H 39/04 20060101AFI20190808BHJP
【FI】
A61H39/04 F
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-212876(P2016-212876)
(22)【出願日】2016年10月31日
(65)【公開番号】特開2018-68716(P2018-68716A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2018年6月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】512037381
【氏名又は名称】坂口 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100139158
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 正俊
(72)【発明者】
【氏名】坂口 忠雄
【審査官】
家辺 信太郎
(56)【参考文献】
【文献】
実開平2−132403(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3013914(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
足裏のツボや反射区を押圧刺激する着脱可能な複数の押圧突起を備えた足裏押圧器において、底板と一枚の磁石吸着板と複数の貫通孔を形成した木製基板とが積層されて右足用及び左足用の左右の押圧基板が形成されており、前記複数の貫通孔に選択的に挿入される複数の押圧突起には、それぞれ、その下部に前記一枚の磁石吸着板に吸着固定される磁石部が固定されており、前記押圧突起が前記木製基板の複数の貫通孔に選択的に挿入されて、前記押圧突起の横方向の移動が抑止され、前記磁石部が前記一枚の磁石吸着板に吸着されて前記押圧突起が縦方向に一時的に固定されて、足裏のツボや反射区を選択的に押圧刺激することを特徴とする足裏押圧器。
【請求項2】
請求項1記載の足裏押圧器において、前記底板と前記一枚の磁石吸着板と複数の貫通孔を形成した前記木製基板とが積層された前記押圧基板の上面に、裏面に足裏の反射区が印刷された透明な反射区表示板が積層されて、四層構造に形成されており、前記反射区表示板には、前記反射区に対応した複数の押圧点に対応する複数の開孔が形成され、前記木製基板には、前記反射区表示板の前記開孔に対応した位置に前記複数の貫通孔が形成されており、前記反射区表示板の選択された前記開孔を介して、前記木製基板の前記貫通孔に挿入された前記押圧突起により、前記押圧突起が選択的に着脱自在に固定され、足裏の反射区内の押圧点を押圧刺激することを特徴とする足裏押圧器。
【請求項3】
請求項2記載の足裏押圧器において、前記底板の上面の形状と、前記木製基板の下面と上面の形状が、患者の足裏の三次元立体形状に対応した立体形状に形成されており、前記一枚の磁石吸着板と前記反射区表示板とが変形可能な柔軟な材料で形成されていて、前記押圧基板が四層に形成されると、前記押圧基板の上面は、患者の足裏の三次元の立体形状に適合する形状に形成されることを特徴とする足裏押圧器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の足裏押圧器において、前記右足用及び左足用の左右の押圧基板の側面が、それぞれ、側帯で覆われており、複数の固定鋲により、前記側帯が前記積層された押圧基板の側面に固定されており、前記複数の固定鋲のうち、それぞれ、一対の固定鋲により、前記左右の押圧基板を把持する左右の支え帯が固定されていることを特徴とする足裏押圧器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足裏のツボや反射区を押圧刺激する着脱可能な多数の押圧突起を備えた足裏押圧器に関する。
【背景技術】
【0002】
人体、特に足裏のツボを押圧刺激する健康器具として、様々な足裏指圧器が開発されている。そして、足裏に分布するツボや反射区を押圧刺激することにより、人体の特定領域のコリの解消や疲労回復を図る健康法が広く実施されている。
【0003】
例えば、銭湯等に設置された合成樹脂で一体成型された足裏指圧器では、指圧部の位置が固定されていて、足の位置を調整して足裏の必要な部位を刺激する。
【0004】
図10は、特許文献1に記載された、底1に足裏のツボや反射区を押圧する多数の突起2を設けたスリッパやサンダル等の履物の特許発明を示している。特許文献1の場合、底1の素材は自由であり、裏面側を斜めにカットする点に特徴があるが、多数の突起2は、底1に一体的に固定されていて、底1に着脱自在ではなく、足裏のツボや反射区の必要箇所に突起2を選択して配置して押圧刺激することはできない。
【0005】
図11は、特許文献2の第13図に記載された足裏反射区図の一例を示す図である。特許文献2に記載された体質改善促進装置では、スリッパの電極を特定の反射区と対応付けるように配置すれば、その反射区に含まれるつぼを電気や熱で刺激することができる。しかし、特許文献2の装置は、電流を通電し、低周波の電気刺激を与える体質改善装置であって、特定の反射区の特定のツボを選択して押圧するものではない。
【0006】
非特許文献1には、反射療法とも呼ばれるリフレクソロジーについての解説が記載されている。アメリカ人医師であるウィリアム・フィッツジェラルト(1872年−1942年)が、手術中の患者が手足を押圧する行為を観察して、痛みを和らげる効果があることを発見し、「ゾーン・セラピー」という本を発表したこと、及び、アメリカの理学療養士であるユーニス・イングハムがゾーン・セラピーを発展させ、足の特定の部位(反射区)が身体の各部位に対応していることを突き止め、「フットチャート」(足裏反射区図)を作成したことが記載されている。
【0007】
「反射区」は、東洋医学でいう「経路経穴」と同じものではないと言われている。「反射区」が“面”であるのに対して、「経路経穴」のツボが“点”で捉えられることも相違点の一つである。なお、足裏には、「湧泉」などの有名な「経路経穴」のツボがあることが知られているが、足裏の「反射区」は、60〜70あるとも言われていて、その数は、足裏の「経路経穴」のツボの数よりも多く、「反射区」内の押圧刺激を行う押圧刺激点の数はさらに多いものとなる。
【0008】
図12は、特許文献3の、スパイラルローレット部21(軸部)と装着用リセス121により凸起状部材2をベース本体12に着脱可能にしたマッサージ用具の説明図である。
図12のマッサージ用具では、凸起状部材2の軸部にスパイラルローレット部21(らせん状の取り付け具)を形成し、らせん状の軸部をベース本体12の装着用リセス121にねじ廻して固定する。特許文献3の着脱自在なスパイラルローレット部21は、構造が複雑で製造が容易なものでは無く、凸起状部材2を更に小型化して、足裏内の多くの「反射区」に、更には、反射区内の複数の押圧刺激点に対応させ、着脱自在とすることは困難である。
【0009】
図13は、特許文献4の永久磁石材料と座金3により、指圧突体4を着脱可能にし、足裏のツボに指圧効果と磁気効果を与える靴用中敷1を示す図である。特許文献4には、磁力により指圧突体2を靴用中敷1に着脱可能にすることが開示されているが、
図13の指圧突体2は、指圧効果と磁気効果を与えるための永久磁石材料のみから構成されていて、加工が容易ではない。また、靴用中敷1の材料は、天然皮革などの柔らかい材料であるため、永久磁石材料の指圧突体2を着脱自在に、しかも固定するためには、座金3の周縁に突縁3aを形成して靴用中敷1に固定し、指圧突体2が横移動しないようにする座金3の複雑な構造が必要であって、製造が容易とは言えない。
【0010】
図13の靴用中敷1の場合には、指圧突体2と突縁3aを有する座金3を、更に小型化して、足裏内の多くの「反射区」、更には、反射区内の複数の押圧刺激点に対応させて多数の押圧突起を着脱自在にして、押圧刺激を行うことは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第4217442号公報
【特許文献2】登録実用新案第3142865号公報
【特許文献3】登録実用新案第3013914号公報
【特許文献4】実公平5-15204号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Wikipedia リフレクソロジー 第1頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の足裏押圧器は、足裏のツボや反射区を押圧刺激する着脱可能な多数の突起を備えた足裏押圧器であって、従来の各問題点を解決し、簡単な構造で、多数の押圧刺激点を選択的に押圧刺激することができる足裏押圧器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の足裏押圧器は、足裏のツボや反射区を押圧刺激する着脱可能な
複数の押圧突起を備えた足裏押圧器であって、底板と一枚の磁石吸着板と複数の貫通孔を形成した木製基板とが積層されて右足用及び左足用の左右の押圧基板が形成されており、前記複数の貫通孔に選択的に挿入される複数の押圧突起には、それぞれ、その押圧突起の突起部の下部に前記一枚の磁石吸着板に吸着固定される磁石部が固定されており、前記押圧突起が前記木製基板の複数の貫通孔に選択的に挿入されて前記押圧突起の横方向の移動が抑止され、前記磁石部が前記一枚の磁石吸着板に吸着されて前記押圧突起が縦方向に一時的に固定され、足裏の
ツボや反射区を選択的に押圧刺激することが可能であることを最も大きな特徴とする。
【0015】
また、本発明の足裏押圧器は、更に、前記底板と前記一枚の磁石吸着板と複数の貫通孔を形成した前記木製基板とが積層された前記押圧基板の上面に、裏面に足裏の反射区が印刷された透明な反射区表示板が積層されて、四層構造に形成されており、前記反射区表示板には、前記反射区に対応した複数の押圧点に対応する複数の開孔が形成され、前記木製基板には、前記反射区表示板の前記開孔に対応した位置に前記複数の貫通孔が形成されており、前記反射区表示板の前記開孔を選択して、前記木製基板の前記貫通孔に挿入された前記押圧突起により、前記押圧突起を選択的に着脱自在に固定して、足裏の反射区内の押圧刺激点を押圧刺激することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の足裏押圧器は、更に、前記底板の上面の形状と、前記木製基板の下面と上面の形状が、患者の足裏の三次元立体形状に対応した形状に形成されており、前記一枚の磁石吸着板と前記反射区表示板とが変形可能な柔軟な材料で形成されていて、前記押圧基板が三層あるいは四層に形成されると、前記押圧基板の上面は、患者の足裏の三次元立体形状に適合する形状に形成されることを特徴とする。
【0017】
本発明の足裏押圧器は、更に、前記右足用及び左足用の左右の押圧基板の側面が、それぞれ、側帯で覆われており、複数の固定鋲により、前記側帯が前記積層された押圧基板の側面に固定されており、前記複数の固定鋲のうち、それぞれ、一対の固定鋲により、前記左右の押圧基板を把持する左右の支え帯が固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の足裏押圧器は、足裏のツボや反射区を押圧刺激する着脱可能な多数の押圧突起を備えた足裏押圧器において、一枚の磁石吸着板と複数の押圧突起の磁石部とによる簡単な構造により、多数の押圧突起を一時的に吸着固定して、足裏の特定の押圧点を選択的に押圧刺激することが可能であり、複数の押圧刺激点に対してより精緻な押圧刺激を行うことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は本発明の足裏押圧器の構造を示す断面図である。(実施例1)
【
図2】
図2は本発明の足裏押圧器の三層の押圧基板の構造を示す斜視図である。(実施例1)
【
図3】
図3は本発明の足裏押圧器に用いる押圧突起の構造を示す断面図である。(実施例1〜3)
【
図4】
図4は本発明の足裏押圧器の左右の押圧基板と複数の押圧突起を示す斜視図である。(実施例1)
【
図5】
図5は本発明の足裏押圧器の左右の押圧基板に側帯と固定鋲と支え帯を追加した外観を示す斜視図である。(実施例1〜3)
【
図6】
図6は本発明の足裏押圧器の上面に反射区表示板を積層した構造を示す断面図である。(実施例2)
【
図7】
図7は本発明の足裏押圧器の上面に反射区表示板を積層した四層の押圧基板の構造を示す斜視図である。(実施例2)
【
図8】
図8は本発明の足裏押圧器が足裏の三次元立体形状に形成されている構造を示す断面図である。(実施例3)
【
図9】
図9は本発明の足裏押圧器が足裏の三次元立体形状に形成されている四層の構造を示す斜視図である。(実施例3)
【
図10】
図10は底に足裏のツボや反射区を押圧する多数の突起を設けたスリッパやサンダル等の履物の従来例の説明図である。
【
図11】
図11は足裏の反射区図の一例を示す従来例の説明図である。
【
図12】
図12はスパイラルローレット部(軸部)と装着用リセスにより凸起状部材を着脱可能にする従来例の説明図である。
【
図13】
図13は永久磁石材料と座金により、指圧突体を着脱可能にする従来例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0020】
図1は本発明の実施例1の足裏押圧器の構造を示す断面図である。
図1において、 100は押圧基板、101は底板、102は磁石吸着板、103は木製基板、105は複数の貫通孔、110は押圧突起、111は突起部、112は磁石部を示している。
【0021】
押圧基板100は、底板101、磁石吸着板102、木製基板103の三層構造に形成される。木製基板103には、複数の貫通孔105が形成されており、各貫通孔105を選んで指圧突起110を挿入することにより、木製基板103の貫通孔105から指圧突起110の突起部111が突出し、貫通孔105の位置の足裏を選択的に押圧刺激することができる。
【0022】
木製基板103に複数の貫通孔105を形成することは容易である。所定の太さのドリル等を用いて、軸方向に直線状の一定の内径の複数の貫通孔105を簡単に穿設することができる。また、指圧突起110の下部に磁石部112を設けることも容易である。押圧突起110の下部に市販の小型磁石を埋め込むか、あるいは、接着することにより、一定の外径の直線状の押圧突起110を容易に製造できる。
【0023】
貫通孔105の内径を、押圧突起110の内径と同程度に穿設し、軸方向に直線状に形成すれば、押圧突起110は軸方向には極めて滑らかに上下に移動可能であり、また、押圧突起110の横方向の移動は、木製基板103の貫通孔105の内径と、押圧突起110の外径との誤差内の範囲で十分に抑止・固定することができる。
【0024】
従来は、押圧突起110の突起部111に足裏を載せ、体重を掛けて押圧刺激を行う際に、突起部111の先端が足裏にくい込み、あるいは、押圧時の汗等により押圧部と足裏が密着して、押圧突起110が押圧基板110から簡単に離脱してしまうという問題点があった。本発明では、一枚の磁石吸着板102を設置して、押圧突起110の下部に設けた磁石部112との間の吸引力により離脱を防止するという簡単な構造により上記の問題点を解決することができる。
【0025】
図2は本発明の実施例1の足裏押圧器の三層の押圧基板の構造を示す斜視図である。
図2において、押圧基板100は、底板100と、一枚の磁石吸着板102と、複数の貫通孔105を設けた木製基板103とにより構成されている。磁石吸着板102は、磁石を吸引して固定する性質を有する板であり、鉄、ニッケル、コバルトなどの金属板、電磁鋼板、亜鉛メッキ鋼板(トタン板)、ニッケルメッキをした磁石吸着用鉄板、パーマロイ、フェライト板などの種々の吸着板を用いることが出来る。
【0026】
図3は本発明の各実施例の足裏押圧器に用いる押圧突起の構造を示す断面図である。
図3(a)は、突起部111を有する押圧突起110の底部に小型の磁石112を埋め込む例を示している。また、
図3(b)は、突起部111を有する押圧突起110の底部に小型の磁石112を接着する例を示している。押圧突起110の底部に埋め込む、あるいは、接着する小型の磁石としては、ネオジム磁石(NdFeB)、フェライト磁石(Ferrite)、サマリウムコバルト磁石(SmCo)等、種々の磁石を用いることができる。
【0027】
図4は本発明の実施例1の足裏押圧器の左右の押圧基板と複数の押圧突起を示す斜視図である。
図4において、100−Rは右足用の押圧基板、100−Lは左足用の押圧基板を示している。右足用の押圧基板100−Rの木製基板103の貫通孔105を選択して、複数の押圧突起110を挿入し、また、左足用の押圧基板100−Lの木製基板103の貫通孔105を選択して、複数の押圧突起110を挿入すると、左右の足裏の異なる箇所を選択して押圧刺激することができる。
【0028】
また、左右の押圧基板100−R、100−Lの異なる位置の貫通孔を選択して複数の押圧突起110を挿入すると、左右の足裏に対して異なるパターンの特定の押圧刺激点を押圧刺激することができる。
【0029】
図5は本発明の足裏押圧器の左右の押圧基板に側帯130と固定鋲140と支え帯150を追加した外観を示す斜視図である。(実施例1〜3)
図5において、側帯130は、例えば、布等の材料を用いて、左右の押圧基板の側面を被覆する。側帯130は、複数の固定鋲140により、左右の押圧基板の側面に固定する。側帯130と固定鋲140により、左右の足裏押圧器をより堅固に製造することができ、また、側帯130の布等の絵柄を選択することにより、必要な装飾を施すことができる。
【0030】
側帯130を固定する複数の固定鋲140を兼用して、支え帯150を支持固定することができる。左右の支え帯150は、左右の足裏押圧器を患者が把持して運ぶための支え帯150とすることもできるし、足裏を押圧刺激する際に、足の甲を支持固定するための支え帯150とすることもできる。また、支え帯150の絵柄を選択することにより、側帯130と同様に、左右の足裏押圧器に必要な装飾を施すことができる。
【実施例2】
【0031】
図6は本発明の足裏押圧器の上面に,反射区表示板を積層した四層構造の足裏押圧器を示す断面図である。(実施例2)
図6において、100、101〜103、105、110〜112は、実施例1の
図1と同様であるので 説明を省略する。
【0032】
上面の反射区表示板104には、その裏側に足裏を押圧刺激する際の足裏反射区が模式的に印刷されている。反射区表示板104は透明の材料で形成されており、表面から見て、裏面に印刷された足裏反射区を識別することができる。また、反射区表示板104には、各足裏反射区に対応して、一乃至複数の開孔106が形成されており、この開孔106の位置は、木製基板103の複数の貫通孔105の位置と対応しており、患者は、足裏反射区を確認しながら、開孔106を介して、貫通孔105内に、押圧突起110を挿入可能であって、足裏反射区に対応した位置の押圧刺激点に対して選択的に押圧刺激を行うことができる。
【0033】
図7は本発明の足裏押圧器の上面に,反射区表示板を積層した四層の押圧基板の構造を示す斜視図である。(実施例2)
図7において、100、101〜103、105は、実施例1の
図2と同様であるので 説明を省略する。
【0034】
上面の反射区表示板104には、その裏側に足裏を押圧刺激する際の足裏反射区107が模式的に印刷されている。反射区表示板104は透明の材料で形成されており、表面から見て、裏面に印刷された足裏反射区107を識別することができる。また、反射区表示板104には、足裏反射区107に対応して、1乃至複数の開孔106が形成されており、この開孔106の位置は、木製基板103の複数の貫通孔105の位置と対応している。
【0035】
図7の底板101、磁石吸着板102、木製基板103、反射区表示板104は、四層に積層されて押圧基板100となる。患者は、反射区表示板104の裏面に印刷された足裏反射区107を確認しながら、開孔106を介して、貫通孔105内に、押圧突起110を挿入可能であって、足裏反射区107に対応した位置の押圧刺激点に対して選択的に押圧刺激を行うことができる。
【0036】
なお、実施例2についても、
図5の実施例1の場合と同様に、本発明の足裏押圧器の左右の押圧基板100−R、100−Lに、側帯130と固定鋲140と支え帯150を設けることができる。
【実施例3】
【0037】
図8は本発明の足裏押圧器が患者の足裏の三次元立体形状に形成されている構造を示す断面図である。(実施例3)
図8においては、本発明の足裏押圧器は、患者の足裏の足裏反射区により適合した配置の押圧刺激が可能である。
【0038】
図8において、200は立体基板、201は立体底板、202は可撓性磁石吸着板、203は立体木製基板、204は可撓性反射区表示板、205は貫通孔、206は開孔、207は足裏反射区、208は立体形状を示している。立体底板201の上面、立体木製基板203の下面及び上面、可撓性磁石吸着板202の下面及び上面、立体木製基板203の下面及び上面、及び、可撓性反射区表示板204の下面及び上面は、患者の足裏の三次元の立体形状208に形成されている。
【0039】
立体木製基板203には、貫通孔110が形成されており、突起部111を有する押圧突起110を貫通孔110に挿入すると、押圧突起110の底部の磁石部112が可撓性磁石吸着板202に吸着固定され、複数の位置の押圧刺激点に対して選択的に押圧刺激を行うことができる。
【0040】
図9は本発明の足裏押圧器が患者の足裏の三次元立体形状に形成されている構造を示す斜視図である。(実施例3)
図9の立体底板201の上面は、患者の足裏の三次元の立体形状208に形成されている。患者の足裏の形状を3Dスキャナーで計測して三次元データを取得して、その三次元データにより、XYZ軸の制御フライス盤等を用いて、立体底板201の上面を三次元の立体形状208に製造することができる。また、粘度等の可塑性材料に患者の足裏を押圧して固形化して、直接、立体底板201を製造することも可能である。
【0041】
また、立体木製基板203の上面及び下面の立体形状208は、上記の3Dスキャナーで計測した足裏の三次元データ、あるいは、上記の可塑性材料に患者の足裏を押圧して固形化した立体底板201の上面を計測した三次元データを用いて、患者の足裏に対応した立体形状208に製造できる。
【0042】
可撓性磁石吸着板202及び可撓性反射区表示板204は、可撓性材料を用いて形成することが出来る。立体底板201、可撓性磁石吸着板202、立体木製基板203及び可撓性反射区表示板204を積層して押圧すると、可撓性材料は、患者の足裏の立体形状208に追従し、押圧基板200の最上面は、患者の足裏の立体形状208に適合する形状となる。
【0043】
患者は、足裏の形状に適合する三次元の立体形状208の可撓性反射区表示板204の裏面に印刷された足裏反射区207を確認しながら、可撓性反射区表示板204の開孔106を介して、立体木製基板203の複数の貫通孔105内に、押圧突起110を挿入可能であって、足裏反射区207に対応した位置の押圧刺激点に対して選択的に押圧刺激を行うことができる。
【0044】
なお、実施例3についても、
図5の実施例1の場合と同様に、本発明の足裏押圧器の左右の押圧基板100−R、100−Lに、側帯130と固定鋲140と支え帯150を設けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の足裏押圧器は、足裏のツボや反射区を押圧刺激する着脱可能な多数の押圧突起を備えた足裏押圧器に適用可能であるが、足裏のツボ、あるいは、足裏の反射区を押圧刺激する専用の足裏押圧器、あるいは、足裏のツボと反射区とを押圧刺激する兼用の足裏押圧器にも適用可能である。
【0046】
また、熱刺激、電気刺激、磁気刺激などの他の療法との兼用も可能である。更に、足裏押圧器に用いる押圧突起としては、足裏のツボを押圧刺激する押圧突起と反射区を押圧刺激する押圧突起の太さや長さを異なるように形成することも可能である。
【符号の説明】
【0047】
100 押圧基板
100−R 右足用の押圧基板
100−L 左足用の押圧基板
101 底板
102 磁石吸着板
103 木製基板
104 反射区表示板
105 複数の貫通孔
106 複数の開孔
107 足裏反射区
110 押圧突起
111 突起部
112 磁石部
130 側帯
140 固定鋲
150 支え帯
200 立体基板
201 立体底板
202 可撓性磁石吸着板
203 立体木製基板
204 可撓性反射区表示板
205 複数の貫通孔
206 複数の開孔
207 足裏反射区
208 立体形状