特許第6564356号(P6564356)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564356
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】テープタイプ使い捨ておむつ
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/62 20060101AFI20190808BHJP
   A61F 13/56 20060101ALI20190808BHJP
   A61F 5/44 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   A61F13/62 120
   A61F13/56 210
   A61F5/44 H
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-229593(P2016-229593)
(22)【出願日】2016年11月25日
(65)【公開番号】特開2018-83025(P2018-83025A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2018年6月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】特許業務法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新井 裕喜
【審査官】 佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−042249(JP,A)
【文献】 特開2012−105986(JP,A)
【文献】 特開2004−267257(JP,A)
【文献】 特表2001−506515(JP,A)
【文献】 特開平10−155523(JP,A)
【文献】 特開2000−070011(JP,A)
【文献】 特開平10−309299(JP,A)
【文献】 特表2008−516742(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/155152(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15−13/84
A61L 15/16−15/64
A44B 13/00−18/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向中央から前側に延在する腹側部分と、後側に延在する背側部分と、背側部分の両側部から突出するファスニングテープと、腹側部分の外面に設けられたターゲット部を有し、
身体への装着に際して、ファスニングテープを左右両側から腹側に回してターゲット部に着脱自在に連結する、テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記ターゲット部の形成領域又はこのターゲット部の形成領域を含むより広い領域に、前記腹側部分の外側を形成する外装不織布シートを有し、
前記ターゲット部は、不織布下地と、この不織布下地を縫うパイル繊維糸により不織布下地の少なくとも外面に形成されたループパイル繊維糸とを有する複合体であり、
前記不織布下地の裏面側に、パイル繊維糸相互が組み合わされた、パイル繊維経糸の交差部列が形成されており、
前記複合体は、前記不織布下地の裏面側においてホットメルト接着剤により前記外装不織布シートに固定されており、
前記ホットメルト接着剤による固定領域はパイル繊維経糸の群の隣接する経糸の交差部列に沿い、かつ交差部列間は、前記ホットメルト接着剤による固定領域が存在しない、
ことを特徴とする、テープタイプ使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記外装不織布シートは、前記ターゲット部の形成領域を含む腹側部分から背側部分に亘る、より広い領域に配置され、前記複合体は、その裏面側においてホットメルト接着剤により前記外装不織布シートに固定されている請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープタイプ使い捨ておむつに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なテープタイプ使い捨ておむつは、前後方向中央から前側に延在する腹側部分と、後側に延在する背側部分と、背側部分の両側部から突出するファスニングテープと、腹側部分の外面に設けられたテープ状のターゲット部とを有し、身体への装着に際して、ファスニングテープを左右両側から腹側に回してターゲット部外面に着脱自在に連結する構造を有している(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
このようなテープタイプ使い捨ておむつは、乳幼児向けとして用いられる他、介護用途(成人用途)で広く使用されており、ターゲット部外面におけるファスニングテープの連結位置を適宜調整することにより、ウエスト周りの寸法を調整できるという利点を有している。
【0004】
また、ファスニングテープとしては、大別して、粘着テープタイプのもののほか、面ファスナーにより結合するいわゆるメカニカルファスナータイプのものもある。
後者のメカニカルファスナータイプにおけるターゲット部としては、一般的には、繊維糸を、ループを形成しながら線状に、基材となるプラスチックフィルム上に接合したものである。
【0005】
近年の使い捨ておむつにおける外装体としては、不織布シートを使用するのが一般的である。その結果、その外装シートは不織布で、ターゲット部はプラスチックフィルムを基材とする点から、製品の外面の手触り感が異なるので、製品全体に対してターゲット部の存在が消費者に違和感を与えてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5683982号公報
【特許文献2】特表2000−506427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明の主たる課題は、外装不織布シートと親和感を与えるターゲット部を有するテープタイプ使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
【0009】
本発明のテープタイプ使い捨ておむつは、前後方向中央から前側に延在する腹側部分と、後側に延在する背側部分と、背側部分の両側部から突出するファスニングテープと、腹側部分の外面に設けられたターゲット部を有し、
身体への装着に際して、ファスニングテープを左右両側から腹側に回してターゲット部に着脱自在に連結する、テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記ターゲット部の形成領域又はこのターゲット部の形成領域を含むより広い領域に不織布シートを有し、
前記ターゲット部は、不織布を下地として少なくとも外面にループパイル繊維糸を織り出した複合体であり、このターゲット部が前記腹側部分の外側を形成する外装不織布シートに固定されていることを特徴とする。
【0010】
本発明では、ターゲット部として、不織布を下地とし少なくとも外面にループパイル繊維糸を織り出した複合体を使用する。このターゲット部は腹側部分の外側を形成する外装不織布シートに固定されているものである。
その結果、腹側部分の外側を形成する外装不織布シートと、不織布を下地として少なくとも外面にループパイル繊維糸を織り出した複合体とは、全体として不織布様である点で共通するから、製品の購入者及び使用者にとって親和感を与え、製品全体に高級感を与えるものとなる。
【0011】
また、パイル編みしたシートのみでターゲット部を形成するのではなく、ターゲット部は、不織布を下地とし少なくとも外面にループパイル繊維糸を織り出した複合体であるから、不織布によるシート状下地が、裏面側に編み出されたパイル繊維の抜け止め用アンカーとなるので、ファスニングテープと係合させたときにおいて抜け止めが図られ、高い係合力を示すものとなる。パイル繊維の抜け止めは、ファスニングテープの止着位置を変えるときにも考慮すべき事項である。
【0012】
他方、前記複合体は、その裏面側においてホットメルト接着剤により外装不織布シートに固定されている構成とすることができる。
【0013】
この場合、前記複合体は、その裏面側全体において、ホットメルト接着剤により前記外装不織布シートに固定されている形態とすることができる。
裏面側全体の固定によって、複合体と外装不織布シートとの接合強度は大きいものとなる。
【0014】
他方で、ホットメルト接着剤による外装不織布シートとの固定領域は、たとえば次のように部分的な固定領域とすることもできる。
(1)経糸の群の隣接する経糸の交差部列に沿い、かつ交差部列間は固定領域が存在しない、
(2)経糸の群の隣接する経糸の交差部列に沿う領域のホットメルト接着剤量が多く、かつ交差部列間の領域のホットメルト接着剤量が少ない。
この部分的な固定領域とする形態においては、ホットメルト接着剤による固定領域又は塗布量が多い領域以外において通気性を示すので、ターゲット部の裏面側の通気性を示す外装不織布シートと相俟って、全体として通気性を示す製品を得ることができる。
また、経糸の群の隣接する経糸の交差部列をホットメルト接着剤による固定領域としているから、経糸の交差部列のパイル繊維糸が下地を構成する不織布シートからの抜け止めを図ることの利点も併せて得ることができる。
【0015】
外装不織布シートは、ターゲット部の形成領域を含む腹側部分から背側部分に亘る、より広い領域に配置されてもよい。
なお、本発明において、ターゲット部が、不織布を下地として少なくとも外面にループパイル繊維糸を織り出した複合体であることを条件にしているのである。したがって、使い捨ておむつの外面の全体又は大部分を本発明に係る複合体とすることができ、この場合には腹側部分の一部がファスニングテープのターゲット部となるものである。
【0016】
複合体の外装不織布シートへの固定形態としてホットメルト接着剤によるほか、不織布下地の少なくとも裏面側に縫い出されたパイル繊維糸が、外装不織布シートに熱融着状態で固定されている形態であってもよい。
【発明の効果】
【0017】
以上のとおり、本発明によれば、外装不織布シートと親和感を与えるターゲット部を有するテープタイプ使い捨ておむつを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】テープタイプ使い捨ておむつの展開状態の内面側を示す平面図である。
図2】テープタイプ使い捨ておむつの展開状態の外面側を示す平面図である。
図3図1のiii-iii断面図である。
図4図1のiv-iv断面図である。
図5図1のii-ii断面図である。
図6】テープタイプ使い捨ておむつの装着状態を概略的に示す斜視図である。
図7】テープタイプ使い捨ておむつの装着状態を概略的に示す斜視図である。
図8】複合体の外面側の説明用概念図である。
図9】複合体の外面側の説明用概念図である。
図10】複合体例の外面側の写真である。
図11】複合体例の裏面側の写真である。
図12】ホットメルト接着剤による複合体接合例の説明図であり、(a)は概念的斜視図、(b)はそのX方向からの視図、(c)はY方向からの視図である。
図13】熱融着部を有する複合体例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。
まず、使い捨ておむつの構造例を説明し、その後に本発明の形態例について説明する。
なお、ホットメルト接着剤等の接合手段及びそれによる接合箇所のうち説明上必要と認めた箇所については、図中に網点模様を付して表現している。
【0020】
図1図6は、テープタイプ使い捨ておむつの一例を示している。このテープタイプ使い捨ておむつは、液不透過性シート1の内面と、透液性トップシート2との間に、吸収体3が介在された基本構造を有している。
【0021】
(吸収体)
吸収体3としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。図示形態の吸収体3は一層構造とされているが、下層吸収体とその上に積層された上層吸収体とからなる二層構造であっても良い。また、必要に応じて、吸収体3はクレープ紙(図示せず)により包むことができる。また、吸収体3の形状は適宜定めることができるが、図示のような砂時計形状の他、長方形等のように、股間部の前側から後側まで延在する形状が好適である。吸収体3におけるパルプ目付けは100〜500g/m2程度、厚みは1〜15mm程度であるのが望ましい。また、高吸水性樹脂の目付けは0〜300g/m2程度であるのが望ましい。高吸水性樹脂含有率が少な過ぎると、十分な吸収能を与えることができず、多過ぎるとパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、ヨレや割れ等が発生し易くなる。
【0022】
(液不透過性シート)
液不透過性シート1は、吸収体3の周囲より外側に延在しており、吸収体3に吸収された排泄物の裏面側への移動を遮断するものである。液不透過性シート1としては、ポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルムの他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。液不透過性シート1の単位面積あたりの重量は13〜40g/m2であるのが好ましく、厚みは0.01〜0.1mmであるのが好ましい。
【0023】
おむつ外面を布のような外観、肌触りとするために、液不透過性シート1の裏面全体は外装不織布シート12で覆われており、両シート1,12の外周縁はおむつの外周縁まで及んでいる。外装不織布シート12としては各種の不織布を用いることができるが、スパンボンド不織布が好適である。
【0024】
(トップシート)
トップシート2としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布の加工方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができる。透液性トップシート2に用いる不織布の繊維目付けは15〜30g/m2であるのが好ましく、厚みは0.05〜1mmであるのが好ましい。
【0025】
トップシート2は、吸収体3の周囲より外側に延在しており、吸収体3側縁より外側に延在する部分が液不透過性シート1にホットメルト接着剤等により固着されている。なお、図中の点模様は固着部分を表しているものである。
【0026】
(脚周り立体ギャザー)
図3図5にも示されるように、物品内面の両側部(図示形態ではトップシート2の側縁部表面からその側方に延在する液不透過性シート1の表面)には、脚周り立体ギャザー4を構成する脚周り立体ギャザーシート4sの幅方向外側の付根部分4xが前後方向全体にわたり貼り付けられている。脚周り立体ギャザーシート4sは、各種不織布(スパンボンド不織布が好適である)の他、液不透過性シートに用いられるものと同様のプラスチックフィルム、又はこれらの積層シートを用いることができるが、肌への感触性の点で、撥水処理を施した不織布が好適である。脚周り立体ギャザーシート4sの幅方向中央側の突出部分4cは、前後方向両端部では倒伏状態で物品内面(図示形態ではトップシート2表面)にホットメルト接着剤等の手段により固着され、倒伏部分とされているが、これらの間の中間部は非固定の自由部分となっており、この自由部分の先端部等(展開状態における幅方向中央側の端部)には、細長状弾性伸縮部材4Gが前後方向に沿って伸張した状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性伸縮部材4Gは図示例では所定の間隔を空けて複数本設けられているが、一本でも良い。細長状弾性伸縮部材4G(他の細長状弾性伸縮部材も同様)としては、糸状、紐状、帯状等に形成された天然ゴム又は合成ゴム、具体的にはスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコーン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。この自由部分は、細長状弾性伸縮部材4Gの収縮力が作用する結果、図4に示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート2表面)に対して起立する脚周り立体ギャザーを構成する。この起立部分の基端4bは脚周り立体ギャザー4における幅方向外側の固定部分4xと内側の部分4cとの境に位置する。
【0027】
使い捨ておむつの前後方向両端部では、液不透過性シート1、外装不織布シート12、透液性トップシート2および脚周り立体ギャザーシート4sが吸収体3の前後端よりも前後両側にそれぞれ延在され、吸収体3の存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。一方、使い捨ておむつの左右両側部では、液不透過性シート1、外装不織布シート12、透液性トップシート2および脚周り立体ギャザーシート4sが吸収体3の側縁よりも側方にそれぞれ延在され、吸収体3の存在しないサイドフラップ部SFが形成されている。サイドフラップ部SFのうち腹側部分Fのウエスト側部分及び背側部分Bのウエスト側部分にそれぞれ位置する部分は、それらの間の中間部分よりも側方に延出されており、これらの部分が、おむつの胴周り部分となり、中間部分が脚周り包囲部分LHとなり、その両側縁が脚開口の縁Leとなる。
【0028】
(平面ギャザー)
サイドフラップ部SFの前後方向中間部には、液不透過性シート1と外装不織布シート12との間に細長状弾性部材7が前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されており、この細長状弾性部材7の収縮によりサイドフラップ部SFにはいわゆる平面ギャザーが形成されている。この平面ギャザーにより、おむつの側部が弾性伸縮して脚周りにフィットするようになる。
【0029】
左右各側における細長状弾性部材7の本数は適宜定めることができるが、1〜10本程度、より好ましくは3〜8本程度が適当であり、複数本とする場合には、その間隔は2〜15mm程度、特に6〜10mm程度とするのが好ましい。また、各細長状弾性部材7としては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコーン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができ、太さとしては500〜1500dtex程度、天然ゴムの場合0.1〜3mm程度、特に0.5〜3mm程度が好ましい。また、各細長状弾性部材7の固定時の伸長率は150〜250%程度であるのが好ましい。
【0030】
(ファスニングテープ)
背側部分Bのサイドフラップ部SFには、その側縁からそれぞれ突出するファスニングテープ5が取り付けられるとともに、腹側部分Fの胴周り部表面に幅方向に沿ってターゲット部6が貼着されており、身体への装着に際しては、おむつ100を身体にあてがった状態で、両側のファスニングテープ5を左右各側から腹側に回してターゲット部6に連結する。
【0031】
図2及び図3に示されるように、ファスニングテープ5は、背側部分Bのウエスト側サイドフラップ部SFにおけるシート間にホットメルト接着剤等の手段により固定された固定部5fと、サイドフラップ部SFの側縁のシート間から幅方向外側に突出する突出部5eとを有しており、この突出部5eは先端部5pと、この先端部5pよりも基端側の本体部5bとを有している。ファスニングテープ5の先端部5pの内面側(トップシート2側)には、ターゲット部6との連結のための固定部として、表面にフック状突起を多数有するフック材(メカニカルファスナー(面ファスナー)の雄材)9,9がそれぞれ取り付けられている。
【0032】
また、図2に示されるように、ファスニングテープ5には、上下方向中間部における幅方向外側縁から本体部5b内まで幅方向に沿うミシン目10が設けられており、このミシン目10を切り離すことにより、図6に示すように各々が固定部、本体部、先端部及び固定部を備えた上段部5W及び下段部5Uに分離することができるものである。ミシン目10に代えて、予め切断等により分離されていても良い。このようなファスニングテープ5は、図6に示すように、上段部5Wと下段部5Uとを交差させた状態で、腹側部分Fのターゲット部6に着脱自在に連結することができる。もちろん、このような上下2段分割タイプに限られず、図7に示すように、2段分割しないタイプ等、他の公知のファスニングテープに応用することもできる。
【0033】
(ターゲット部)
ターゲット部6は、ファスニングテープ5の着脱を確実容易にするためのものであり、ファスニングテープ5の固定部がフック材9により形成されている場合には、フック状突起が着脱可能に掛止される表面を有するシート材、例えばメカニカルファスナー(面ファスナー)の雌材や不織布を用いることができ、フック材9ではなく粘着剤層を用いる場合には、その粘着性を十分に発揮させうる樹脂シートを用いたりすることができる。
【0034】
ターゲット部6の形状は幅方向両側にわたり延在する限り特に限定されず、図示形態のように現在広く採用されている幅方向に長い長方形状のものの他、各辺を波状等に切断した略長方形状のもの、幅方向に長い楕円形状とすることもできる。ファスニングテープ5を縦方向に複数有する形態や、独立してターゲット部6に連結される突出部分を縦方向に複数有する形態等の場合、ターゲット部6を縦方向に複数設けることもできる。
【0035】
ターゲット部6の寸法は特に限定されないが、腹側部分F外面に固定される幅方向中央部6Cは、製品幅X(ターゲット部6及びファスニングテープ5を除く部分。以下同じ。)の30〜70%程度とすることが望ましい。また、サイド部6Sは、展開した状態で製品幅Xの10〜30%程度とすることが望ましい。
【0036】
ターゲット部6の寸法は特に限定されないが、腹側サイド部FSを展開した状態で、展開状態の製品幅X2の60〜90%程度とすることが望ましい。また、腹側サイド部FSの折り畳み状態の製品幅X1は、展開状態の製品幅X2の10〜40%程度とすることが望ましい。
【0037】
<複合体及びその固定形態>
上記例におけるターゲット部6として、本発明においては、たとえば図8図13に示す複合体を使用することが特に望ましい。
実施の形態におけるターゲット部6は、図2に示すように、ターゲット部6の形成領域又はこのターゲット部の形成領域を含むより広い領域、たとえば腹側部分から背側部分に亘る、より広い領域に配置される。
【0038】
ターゲット部6は、不織布60とパイル繊維糸61によるパイルとを有する複合体62からなる。具体的には、不織布60を下地としてパイル繊維糸を編み込み、少なくとも外面にループパイル繊維糸61aを形成してある。
パイルは、パイル繊維糸61によって、たとえば径方向(横方向:図8及び図9の横方向)に連続して編み物として編成されている。
【0039】
そして、図8及び図12に示すように、不織布60の外面、すなわち使い捨ておむつの外面側には、ループパイル繊維糸61aが緯径方向に間隔を置いて張り出して形成されている。 他方、不織布60の裏面側(着用者側)には、パイル繊維糸61相互が組み合わされ、パイル繊維経糸の交差部列61bが形成されている。
複合体62は、ターゲット部6として、先に説明したように、腹側部分の外側を形成する外装不織布シート12に、ホットメルト接着剤や熱融着などによって固定されている。
【0040】
この場合、複合体62は、その裏面側全体において、ホットメルト接着剤64により外装不織布シート12に固定されている形態とすることができる。
裏面側全体の固定によって、複合体62と外装不織布シート12との接合強度は大きいものとなる。
【0041】
他方で、ホットメルト接着剤64による外装不織布シート12との固定領域は、たとえば次のように部分的な固定領域とすることもできる。
(1)図12に示すように、経糸の群の隣接する経糸の交差部列61bに沿い、かつ交差部列61b,61b間は固定領域が存在しない形態。
(2)経糸の群の隣接する経糸の交差部列61bに沿う領域のホットメルト接着剤量が多く、かつ交差部列61b,61b間の領域のホットメルト接着剤量が少ない形態。
この部分的な固定領域とする形態においては、ホットメルト接着剤64による固定領域又は塗布量が多い領域以外において通気性を示すので、ターゲット部の裏面側の通気性を示す外装不織布シート12と相俟って、全体として通気性を示す製品を得ることができる。
また、経糸の群の隣接する経糸の交差部列61bをホットメルト接着剤による固定領域としているから、経糸の交差部列61bに位置するパイル繊維糸が下地を構成する不織布60からの抜け止めを図ることの利点も併せて得ることができる。
【0042】
複合体62の外装不織布シート12への固定形態としてホットメルト接着剤によるほか、図13に示すように、不織布60下地の少なくとも裏面側に縫い出されたパイル繊維糸61(実施の形態では経糸の交差部列61b)が、外装不織布シート12に熱融着状態で固定されている形態であってもよい。符合65は熱融着部を示す。
この場合、熱融着部分を全体とするのは、剛性が高くなるので、経糸の交差部列61bに沿う部分のみなどの部分的な固定(接合)形態とするのが望ましい。
【0043】
複合体62を形成する不織布の材料に関し必ずしも限定されないが、既に説明したものを使用できる。すなわち、不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布の加工方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができる。
不織布の繊維目付けは15〜30g/m2であるのが好ましく、厚みは0.05〜1mmであるのが好ましい。
下地としての不織布は一枚であるのが好ましいが、必要により積層した不織布を使用することもできる。
【0044】
またパイル繊維糸の編物としては、緯パイル織や、経パイル織などが挙げられ、その他に紗織や絽織などのからみ織物、ドビー織やジャガード織などの紋織物などを挙げることができる。
【0045】
上記実施の形態例によって説明した本発明では、ターゲット部6として、不織布60を下地とし少なくとも外面にループパイル繊維糸を織り出した複合体62を使用する。このターゲット部6は腹側部分の外側を形成する外装不織布シート12に固定されているものである。
その結果、腹側部分の外側を形成する外装不織布シート12と、不織布を下地として少なくとも外面にループパイル繊維糸61aを織り出した複合体62とは、全体として不織布様である点で共通するから、製品の購入者及び使用者にとって親和感を与え、製品全体に高級感を与えるものとなる。
【0046】
また、パイル編みしたシートのみでターゲット部6を形成するのではなく、ターゲット部6は、不織布60を下地とし少なくとも外面にループパイル繊維糸を織り出した複合体62であるから、不織布60によるシート状下地が、裏面側に編み出されたパイル繊維の抜け止め用アンカーとなるので、ファスニングテープと係合させたときにおいて抜け止めが図られ、高い係合力を示すものとなる。
【0047】
なお、図面について補足説明すると、図8は複合体62の外面におけるループパイル繊維糸61aの列を図示しており、裏面の編組みは図示されていない。図10は実物例を撮影した写真を示している。図9は複合体62の裏面における経糸の交差部列61aを図示しており、外面のループパイル繊維糸61aは図示されていない。図11は実物例を撮影した写真を示している。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、上記例のようにテープタイプ使い捨ておむつに利用できるものである。
【符号の説明】
【0049】
1…液不透過性シート、2…トップシート、3…吸収体、4…脚周り立体ギャザー、4f…自由部分、4e…倒伏部分、5…ファスニングテープ、6…ターゲット部、9…フック材、10…ミシン目、12…外装不織布シート、F…腹側部分、B…背側部分、60…不織布、61…パイル繊維糸、61a…ループパイル繊維糸、61b…交差部列、62…複合体。
図1
図2
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図5
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図7
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図10
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図13