特許第6564370号(P6564370)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564370
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】飲料調製アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/40 20060101AFI20190808BHJP
【FI】
   A47J31/40 101
【請求項の数】17
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-535109(P2016-535109)
(86)(22)【出願日】2014年12月10日
(65)【公表番号】特表2017-504367(P2017-504367A)
(43)【公表日】2017年2月9日
(86)【国際出願番号】EP2014077194
(87)【国際公開番号】WO2015091143
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2017年12月7日
(31)【優先権主張番号】13198958.4
(32)【優先日】2013年12月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【弁理士】
【氏名又は名称】石塚 淳一
(72)【発明者】
【氏名】デュビエフ, フラヴィエン
(72)【発明者】
【氏名】スコッラーノ, ルシオ
(72)【発明者】
【氏名】ボーデ, ラリー
(72)【発明者】
【氏名】ジャモリー, ケヴィン
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公開第01006191(GB,A)
【文献】 国際公開第2013/014142(WO,A1)
【文献】 特開2004−097326(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第01004814(GB,A)
【文献】 特開2012−115574(JP,A)
【文献】 特開2009−032196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00−31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性飲料粉末を貯蔵するための容器(2)であって、タンク(21)及び粉末出口(22)を備える、容器(2)と、
前記水溶性飲料粉末及び希釈液から飲料を調製するための溶解チャンバ(3)であって、少なくとも1つの希釈液入口(31)、及び飲料出口(32)を備える、溶解チャンバ(3)と、
前記容器の前記粉末出口(22)から前記溶解チャンバ(3)に前記水溶性飲料粉末を案内するためのシュート(4)と、
前記溶解チャンバ(3)から空気を排出するように構成された空気出口(5)と、を備える飲料調製アセンブリ(1)であって、
前記粉末出口(22)が、導管(6)によって前記シュート(4)に接続されており、
前記粉末出口(22)、前記導管(6)、前記シュート(4)、及び前記溶解チャンバ(3)が、気密接続部によって一体に接続されており、
前記飲料調製アセンブリは、空気入口(8)を備え、前記空気入口は、前記シュート(4)の上方にのみ配置されており、前記導管(6)の壁に前記シュート(4)に対向して配置されている、飲料調製アセンブリ。
【請求項2】
前記導管の第1の末端部(61)が、前記粉末出口に接続されており、前記導管の第2の末端部(62)が、前記シュートの頂部(41)に接続されている、請求項1に記載の飲料調製アセンブリ。
【請求項3】
環状壁部(42)は、前記シュートの底壁部(43)を包囲して、前記環状壁部(42)と前記シュートの前記底壁部との間の第1の内部環状空間(421)、及び前記環状壁部(42)と前記チャンバの頂壁部(34)との間の第2の外部環状空間(422)を画定しており、前記第1の内部環状空間(421)は、前記溶解チャンバから空気を排出するように構成された前記空気出口(5)に接続されている、請求項1又は2に記載の飲料調製アセンブリ。
【請求項4】
前記シュート(4)及び前記導管(6)は、ある材料からなる一体の単一部品(7)で作製されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲料調製アセンブリ。
【請求項5】
前記空気出口(5)は、前記単一部品(7)の一部である、請求項4に記載の飲料調製アセンブリ。
【請求項6】
前記単一部品(7)は、
前記溶解チャンバ(3)の頂部の対応する接続手段(3a)に適合するように構成された接続手段(7a)と、
前記容器の前記粉末出口の対応する接続手段(2b)に適合するように構成された接続手段(7b)と、
空気抽出ダクト(91)に適合するように構成された接続手段(7c)と、を備える、請求項4又は5に記載の飲料調製アセンブリ。
【請求項7】
記単一部品(7)は、前記環状壁部を備える、請求項3を直接または間接的に引用するときの請求項4〜6のいずれか一項に記載の飲料調製アセンブリ。
【請求項8】
水溶性飲料粉末を貯蔵するための前記容器(2)の前記粉末出口(22)は、
底部部分にくり抜き孔(222)を備える内部送出管(221)と、
底部部分にくり抜き孔(224)を備える外部可動カバー(223)と、を備え、前記外部可動カバーは、前記内部送出管(221)の少なくとも一部を覆っており、
前記内部送出管及び前記外部可動カバーの双方の前記くり抜き孔(222、224)が、互いに重なる位置と、
前記外部可動カバー(223)の表面が、前記送出管の前記くり抜き孔(222)に重なって前記くり抜き孔(222)を閉鎖する位置と、の間で移動可能である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の飲料調製アセンブリ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の飲料調製アセンブリを少なくとも1つ備える、飲料注出機。
【請求項10】
幾つかの飲料調製アセンブリを備え、各飲料調製アセンブリは、特定の飲料の調製に特化されている、請求項9に記載の飲料注出機。
【請求項11】
各飲料調製アセンブリ(1)の各空気出口(5)は、専用の抽出ダクト及び専用の送風機に接続されている、請求項10に記載の飲料注出機。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の飲料調製アセンブリ、又は請求項9〜11のいずれか一項に記載の注出機を使用する、飲料の調製のためのプロセスであって、
a)飲料粉末の用量が、前記容器(2)の前記粉末出口(22)から注出され、前記シュート(4)を通じて、前記溶解チャンバ(3)に送出されるステップと、
b)1回量の希釈液が、前記溶解チャンバ内に送出され、前記1回量の粉末と混合されることにより、飲料が製造されるステップと、
c)前記製造された飲料が、前記チャンバ出口(32)を通じて送出されるステップと、が実施され、
少なくとも前記ステップb)全体の間に、前記空気出口(5)から空気が吸い込まれることにより、前記空気入口(8)から前記シュートの底部(43)へと下降する一方向性の空気の流れ(F)が作り出される、プロセス。
【請求項13】
前記プロセス全体の間に、前記空気出口(5)から空気が吸い込まれる、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
吸い込まれる前記空気の流量は、1回量の飲料粉末を注出する前記a)のステップの間に減少される、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記一方向性の空気の流れ(F)が、前記シュートの底部断面(S2)をミストが横断することを防止するように、前記空気出口(5)から吸い込まれる前記空気の流量が制御される、請求項12〜14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記シュートの前記底部(43)を通過する空気速度V2が、少なくとも0.05m/sとなるように、前記空気出口(5)から吸い込まれる前記空気の流量が制御される、請求項12〜15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
空気は、吸い込み装置(9)によって前記空気出口(5)から吸い込まれ、前記空気出口(5)から吸い込まれる前記空気の流量は、前記吸い込み装置(9)の出力を監視することによって制御される、請求項12〜16のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に貯蔵された可溶性粉末から飲料を調製する、飲料注出機に関し、この飲料注出機内では、1回量の粉末が、容器から溶解チャンバ内に注出されて、希釈液と混合される。
【背景技術】
【0002】
エスプレッソ及び他のコーヒー飲料、乳飲料、チョコレート飲料のような多くの飲料は、食品可溶性粉末と希釈液とを混合することによって調製される。可溶性食品成分と水などの希釈液とを混合することによる、そのような飲料のより迅速な調製のための混合装置が既知である。これらの装置は、典型的には、溶解チャンバを備え、この溶解チャンバ内に、可溶性成分及び希釈液が供給される。希釈液は、温水中に可溶性成分を効率的に溶解させるための渦流を作り出すように溶解チャンバ内に導入することができ、あるいは、混合、溶解、及び起泡を提供するジェットの形態で高温の希釈液を導入することもできる。この混合物はまた、飲料を再構成し、泡を生成するために、溶解チャンバ内のホイッパによって最終的に起泡させることもできる。次いで、その飲料は通常、飲用の受容器内に排出される。
【0003】
食品可溶性粉末は、通常、溶解チャンバ開放口の上方に定置された容器内に貯蔵され、スクリュー又はオーガのような投入装置が、溶解チャンバ内に落下する食品可溶性粉末を、投入及び送出する。この1回量の投入は、容器の出口又は溶解チャンバの頂部に取り付けられたシュートによって、溶解チャンバ開口部に案内される。液体が、同時に溶解チャンバに供給されることにより、溶解が発生する。そのような構成では、幾つかの問題点が存在する。
【0004】
第1に、可溶性粉末は、微細粒子を含む場合が多く、それらの微細粒子は、容器からシュートを通過して溶解チャンバに粉末が落下する際に、容易に飛散し得る(火山効果)。これらの粒子は、注出機の内部ハウジングを汚損する。
【0005】
第2に、案内シュートが、溶解チャンバの上方に出現するという事実により、溶解チャンバ内の飲料調製の間に発生した蒸気及び湿気が、上昇してシュートに入り込む。別の飲料が、別の飲料の後に直ちに調製される場合には、シュートによって送出される新たな1回量の粉末が、シュート内の湿気と部分的に反応して、シュート内に非衛生的な堆積物を作り出す。蒸気及び湿気は、更に粉末容器の出口まで上昇して、その出口、又は投入装置の出口を湿潤させる恐れがある。一定期間の後、このプロセスにより、放出ポート上に、水分の蓄積がもたらされる恐れがある。放出ポート上に蓄積する可溶性粉末の量は、経時的に増大するため、出口及び/又はシュートは、次第に狭窄化される。最終的に、このことにより、出口が完全に閉塞する結果が生じる恐れがあり、このことにより、投入装置の完全な故障が生じる。更には、放出ポートに付着する可溶性粉末は、上昇する蒸気によって、恒常的に湿潤される。このことにより、長期間の使用の後、可溶性粉末が凝結して、更にカビが生えるか、又は有害細菌を増殖させる結果が生じる恐れがある。このことは、投入装置が、粉末原材料を消費不能にさせることをもたらし得る。この問題は、一般的に、以下の公開文献で説明されるように、シュートで空気を吹き込むか又は吸い込むことにより、蒸気を偏向させることによって解決される。
【0006】
欧州特許第2 085 002号は、飲料調製の間、溶解チャンバの頂部をカバーで閉鎖して、送風機で蒸気を吸い込むことを提案している。
【0007】
米国特許第4,245,680号は、粉末送出構造体の区域内に熱風を吹き込むことにより、その構造体を水分から防護する温風シュラウドを作り出すことを提案している。
【0008】
米国特許第4,458,829号は、貯蔵容器内への水分の侵入を防止し、温風循環を有することによって、吸湿による粉末の凝結又は硬化を防止する。
【0009】
米国特許第5,839,610号は、送風機による、混合ボウルの頂部からの水分及び原材料含有空気の吸い込みを説明している。
【0010】
米国特許第7,398,725号は、1回量の原材料を移送し、上昇する水蒸気が投入装置に到達することを防止する空気流の使用を説明している。
【0011】
現行の注出機は、通常、米国特許第5,918,768号に示されるように、溶解チャンバの頂部に配置されたリングキャップに接続される抽出ダクトを実装する。送風機が、この抽出ダクトの端部から空気を吸い込む。
【0012】
しかしながら、この提案された解決策は十分なものではなく、現行の注出機は、依然として洗浄の問題点を提示することが認められており、注出機の内部部分は、定期的に洗浄しなければならない。具体的には、粉末微粒子は、その機械ハウジングの内側に系統的に逸出することが認められている。これらの微粒子の存在により、注出機の内部部分は、急速に、埃にまみれて汚損した外観となる。これらの微粒子の洗浄は、それらの微粒子が最も内側の陥凹部内に存在し得るため、困難であり、それらの微粒子を排除することは困難である。
【0013】
洗浄は、溶解チャンバ及びシュートを解体し、洗浄し、次いで再組み立てしなければならないため、時間を要する作業である。更には、この洗浄は、飲料製造での過誤及び更なる故障を回避するために、分解及び再組み立てに関して訓練された人間によって行わなければならない。通常は、この洗浄は、飲料製造機械の保守管理を専門とするオペレータによって実施される。現在、注出機が動作不能である期間を制限するために、洗浄作業に関する時間を短縮することが必要とされている。更には、注出機を動作させる人間は、訓練を受けることがますます少なくなるため、日常的に洗浄することを必要としない注出機が必要とされている。
【0014】
粉末微粒子が、水力学装置及び電気装置の内側に入り込むことを回避するために、飲料注出機のハウジングは、分離壁によって、これらの装置に関する背面の適切な区域と、前面のより適切ではない区域との間で分割されている。しかしながら、この解決策は、前面区域内での汚損の問題を解決するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、これらの従来技術の飲料注出機の欠点のうちの少なくとも一部に対処するか、又は少なくとも、それらの飲料注出機の代替案を提供することである。
【0016】
急速に汚損されることのない、飲料注出機を提供することが有利であろう。
【0017】
用手洗浄作業の頻度を低減することが可能な、飲料注出機を提供することが有利であろう。
【0018】
飲料調製の間に発生した湿気の抽出が最適に制御される、飲料注出機を提供することが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0019】
第1の態様によれば、飲料調製アセンブリであって、
水溶性飲料粉末を貯蔵するための容器であって、タンク及び粉末出口を備える、容器と、
水溶性飲料粉末及び希釈液から飲料を調製するための溶解チャンバであって、少なくとも1つの希釈液入口及び1つの飲料出口を備える、溶解チャンバと、
容器の粉末出口から溶解チャンバに水溶性飲料粉末を案内するためのシュートと、
溶解チャンバから空気を排出するように構成された空気出口とを備え、
粉末出口が、導管によってシュートに接続され、
粉末出口、導管、シュート、及び溶解チャンバが、気密接続部を通じて一体に接続され、
このアセンブリが、空気入口を備え、その空気入口が、シュートの上方にのみ配置されている、飲料調製アセンブリが提供される。
【0020】
本発明の飲料調製アセンブリは、水溶性飲料粉末及び希釈液から、具体的には、1回量のその粉末と希釈液(好ましくは、水)とを混合することによって、飲料を調製するために考案される。混合の間に、粉末が水中に溶解し、その混合により飲料が製造される。
【0021】
このアセンブリは、水溶性飲料粉末を貯蔵するための容器を備え、その容器は、タンク及び粉末出口を備える。通常は、粉末出口は、タンクの底部に配置されている。好ましくは、このアセンブリは、水溶性飲料粉末を投入して、その投入された粉末を、容器出口を通じて溶解チャンバに送出するための、投入装置を備える。この投入装置は、好ましくは、回転可能な容量投入部材である。この投入用の装置は、投入スクリュー、投入オーガ、又は有孔ディスクのリスト中に含まれ得る。容器のタイプに応じて、投入装置は、容器の内側に一体化させるか、又は容器の出口に設けることができる。好ましい実施形態によれば、投入装置は、容器の内側に定置され、容器の底部に配置されている。この投入装置は、好ましくは、バネ式又はスクリュー式オーガである。そのようなオーガは、ある体積の粉末を、容器から粉末出口に変位させる。容器及び投入装置からなる、この部分アセンブリは、通常、現行の飲料注出機内では、キャニスタとして特定される。
【0022】
本発明のアセンブリは、水溶性飲料粉末及び希釈液から飲料を調製するための、溶解チャンバを備え、この溶解チャンバは、少なくとも1つの希釈液入口及び1つの飲料出口を備える。この溶解チャンバは、通常、可溶性粉末と希釈液とを効率的に接触させ、飲料を製造するための粉末の溶解を改善するように設計される。
【0023】
この溶解チャンバは、チャンバの内側に、ジェットの形態で希釈液を導入するように構成された、少なくとも1つの希釈液入口を備え得る。このチャンバは、好ましくは、液体の渦流がチャンバ内に作り出され、この渦流に希釈液のジェットが衝突するように構成される。そのような溶解チャンバは、国際公開第2008/071613号で説明されている。好ましい実施形態によれば、この溶解チャンバは、チャンバ内の異なる高さに配置された2つの入水口を備える。好ましくは、より高い入口は、頂部に近接する。より高い入口を通じて導入される希釈液は、通常、飲料調製の後にチャンバをすすぐために、又は大きいサイズの飲料を調製するために使用される。
【0024】
あるいは、この溶解チャンバは、ボウル及びホイッパを備え得る。このホイッパは、粉末と希釈液との混合物を混合するようにモーターによって作動され、通常は、その混合物を起泡させる。
【0025】
通常は、この溶解チャンバは、容器の粉末出口の下に配置されていることにより、容器からチャンバ内に、自然落下によって粉末を送出することができる。
【0026】
一般的に、溶解チャンバの頂部は開放されることにより、粉末は、自然落下によって、内側に自由に流れることができる。開放されるとは、例えば蓋によって、チャンバの頂部が覆われていないことを意味する。
【0027】
希釈液入口は、希釈液供給源に接続される。希釈液は、一般的には水である。希釈液供給源は、一般的に、希釈液タンク、ポンプ、希釈液加熱器及び/又は希釈液冷却器、並びに、要求された希釈液をチャンバ内に送出するための弁を備える。
【0028】
本発明のアセンブリは、容器の粉末出口から溶解チャンバに落下する、水溶性飲料粉末を案内するための、シュートを備える。一般的に、このシュートは、円筒形状を呈し、好ましくは、シュートの頂部から底部へと先細となる、円錐形状を呈する。
【0029】
このアセンブリは、溶解チャンバから空気を排出するように構成された、空気出口を備える。この空気出口は、一般的に、通常は送風機である空気吸い込み装置に接続された、単純な孔、管、又は導管である。この空気出口は、一般的に、溶解チャンバの頂部の、上方又は近傍に配置されている。一実施形態によれば、このアセンブリは、2つ以上の空気出口を備え得る。
【0030】
本発明によれば、粉末出口は、導管によってシュートに接続される。その結果、現況技術の現行の実施形態に反して、粉末出口とシュートとの間の粉末流路は、大気に開放されていない。この導管は、溶解チャンバへの粉末の送出の間に、注出機ハウジングの内側に粉末が流れることを防止する、遮蔽体としての役割を果たす。この導管はまた、以下で説明されるように、溶解チャンバ内で生成される湿気から粉末出口を防護することにも関与する。
【0031】
本発明によれば、粉末出口、導管、シュート、及び溶解チャンバは、気密接続部を通じて一体に接続される。それゆえ、これらの種々の要素のアセンブリは、気密閉鎖されたアセンブリを形成する。粉末出口から溶解チャンバへと下降する粉末流路の周囲に、閉鎖空間が作り出される。
【0032】
本発明によれば、飲料調製アセンブリは、空気入口を備え、この空気入口は、シュートの上方にのみ配置されている。この空気入口は、一般的に、そのアセンブリの外側に開放された単純な孔である。この孔は、格子によって防護することができ、又は、格子を形成する幾つかの孔が存在し得る。本発明によれば、この空気入口は、シュートの上方にのみ存在する。それゆえ、シュートの下には、空気入口が存在しない。
【0033】
このアセンブリは、アセンブリ内の空気の流れを制御するために特異的に設計された、これらの空気入口及び空気出口を除いて、アセンブリの内側と外側との間が気密性であるように構成される。このアセンブリの各要素は、それらの設計された空気出口及び空気入口を除いて空気の漏洩を回避するように、一体に組み立てられることにより、空気流路が制御される。
【0034】
このアセンブリは、方向及び安定性の観点から、内側の空気流の総合制御を可能にする。空気流は、アセンブリの各部分内で常に同じ方向であり、システム内で漏洩を作り出す恐れがある、経時的な空気速度の減少は存在しない。
【0035】
一般的に、この気密性は相対的なものであり、アセンブリの要素の種々の部品間の接続部での、ある程度の少ない漏洩は、そのアセンブリ内の全般的な空気の流路を阻害しない限りは、容認することができる。例えば、ねじ込み、スナップ嵌め、共形の形状間でのスライド、バヨネット式接続、それぞれの部品内の対応するピン及び孔を使用する接続のような接続は、全般的に、気密接続を提供し、アセンブリの内側の空気流の制御を可能にするために十分である。
【0036】
好ましくは、このアセンブリの種々の部分は、洗浄のために、一方を他方から解体することができる。それゆえ、このアセンブリは、好ましくは、取り外し可能な接続部を提示する。取り外し可能な接続部は、少なくとも、
溶解チャンバとシュートとの間、及び、
導管と粉末出口との間に存在し得る。
【0037】
好ましくは、導管の第1の末端部は、容器の粉末出口に接続され、導管の第2の末端部は、シュートの頂部に接続される。好ましくは、導管の第1の末端部は、容器の粉末出口に係合するように、水平に方向付けされる。この実施形態によれば、導管は、通常、その第2の末端部が本質的に垂直となるように、屈曲部を提示する。好ましい実施形態によれば、容器の粉末出口と、導管の第1の末端部とは、一方が他方に係合して接続部を作り出すことができるように、共形の形状を呈する。好ましくは、導管の第1の末端部は、容器の粉末出口を包囲する。この接続は、粉末出口の周囲に、導管の第1の末端部をスライドさせることによって、確立することができる。
【0038】
好ましくは、このアセンブリ内では、環状壁部が、シュートの底壁部を包囲して、
・この環状壁部とシュートの底壁部との間の第1の内部環状空間、及び、
・この環状壁部とチャンバの頂壁部との間の第2の外部環状空間を画定し、
第1の内部環状空間は、溶解チャンバから空気を排出するように構成された、空気出口に接続される。
【0039】
好ましくは、シュート及び導管は、ある材料からなる一体の単一部品で作製される。この実施形態では、導管の底部が、シュートを形成する。溶解チャンバ及び容器の粉末出口を、この単一部品に接続することができ、また、その単一部品から解体することもできる。
【0040】
この好ましい実施形態では、好ましくは、空気出口は、その単一部品の一部である。
【0041】
好ましくは、この単一部品は、溶解チャンバの頂部の対応する接続手段に適合するように構成された接続手段を備える。この接続手段は、好ましくは、気密接続を保証する。この接続手段は、ねじ込み接続、バヨネット式接続、それぞれの2つの部品内の対応するピン及び孔、あるいは、2つの部品を接続するための任意の他のタイプの手段とすることができる。
【0042】
好ましくは、この単一部品は、容器の粉末出口の対応する接続手段に適合するように構成された接続手段を備える。この接続手段は、好ましくは、気密接続を保証する。この接続手段は、単純に、上記で既に説明されたような共形の形状とすることができる。
【0043】
好ましくは、この単一部品は、空気抽出ダクトに適合するように構成された接続手段を備える。好ましくは、この適合は、気密接続を保証する。この場合も、その接続手段は、単純に、上記で既に説明されたような共形の形状とすることができる。
【0044】
気密接続は、ガスケットを使用することによって、補強することができる。しかしながら、ねじ込み及びバヨネットのような単純な接続も十分なものであり得る。
【0045】
好ましくは、このアセンブリが、上記で説明されたような環状リングを備える場合には、単一部品は、その環状リングを備える。
【0046】
好ましくは、水溶性飲料粉末を貯蔵するための容器の粉末出口は、溶解チャンバ内での飲料の調製の間、閉鎖されるように構成される放出ポートを備える。
【0047】
好ましくは、この水溶性飲料粉末を貯蔵するための容器の放出ポートは、
その底部部分内にくり抜き孔を備える内部送出管と、
その底部部分内にくり抜き孔を備える外部可動カバーとを備え、この外部可動カバーは内部送出管の少なくとも一部を覆い、
・内部送出管及び外部可動カバーの双方のくり抜き孔が互いに重なる投入位置と、
・外部可動カバーの表面が、送出管のくり抜き孔に重なって閉鎖する休止位置との間で、移動可能である。
【0048】
一般的に、放出ポートの内部送出管は、固定されている。一般的に、この内部送出管は、容器タンクの出口に取り付けられる。一実施形態によれば、この内部送出管は、容器タンクの出口の一部とすることができる。この内部送出管は、通常、円筒形の形状を呈する。内部送出管の端部の基底部は、出口末端部の近傍で閉鎖されることにより、投入装置によって変位された1回量の飲料粉末は、くり抜き孔のみによって排出することができる。好ましくは、このくり抜き孔は、管の端部に隣接する。一実施形態によれば、内部送出管は、そのくり抜き孔の前で管の下側部分を遮断する、部分的堰、好ましくは半月形の堰を備え得る。
【0049】
放出ポートはまた、外部可動カバーも備える。外部とは、容器タンクから粉末を送出する内部送出管を、この管が包囲することを意味する。この外部カバーもまた、その底部部分内に、くり抜き孔を備える。この外部カバーは、移動可能であることにより、その位置に従って、そのくり抜き孔は、送出管のくり抜き孔に重なることも、又は重ならないことも可能であり、その結果、粉末を送出するための放出ポートの、開放又は閉鎖が可能となる。
【0050】
好ましくは、外部可動カバーは、くり抜き孔に隣接する内部送出管の端部を覆う、その端部に、少なくとも1つの開口部を備える。この開口部は、一部の粉末又は微粒子が、この可動カバーの移動の間に、管の端部とカバーの端部との間に捕捉されたまま留まることを回避させる。粉末又は微粒子は、この開口部を通じて、可動カバーから逸出することができる。
【0051】
好ましくは、外部可動カバーは、並進移動に従って移動する。この並進移動は、好ましくは、内部送出管の軸方向に沿ったものである。この方向は、通常、バネ式オーガの軸の方向である。
【0052】
好ましくは、このアセンブリは、外部可動カバーに力を加えることにより、そのカバーを内部送出管のくり抜き孔から離れる方向に押すことが可能な、作動装置を備える。それゆえ、粉末を送出することができる。
【0053】
そのような放出ポートを備える実施形態によれば、粉末出口に接続されたこのアセンブリの導管は、外部可動カバーの移動のための空間を提供するように構成される。好ましくは、その空間は、粉末の送出の間、外部可動カバーが、空気入口とシュートの底部との間の空気に関する経路を、少なくとも部分的に封鎖するように構成される。
【0054】
このアセンブリを構成する種々の要素の気密接続により、空気がアセンブリ内に入り込み、アセンブリ内で循環し、アセンブリから流出する方式を、制御することができる。具体的には、空気出口で空気を吸い込むことにより、空気入口からシュートの底部断面S2を通過する、一方向性の空気の流れFを作り出すことができる。「一方向性」とは、空気が、その断面を通過して、1つの方向のみに従って流れることを意味する。このアセンブリの使用の通常の意味によれば、通常、その方向は、シュートの頂部からシュートの底部へと下降する、垂直方向であることを意味する。シュートの底部断面S2にわたって、空気流は、均一に分布されることもまた望ましい。「均一に」とは、空気が、その断面全体にわたって、本質的に同じ速度を呈することを意味する。
【0055】
好ましくは、吸い込まれた空気は、溶解チャンバ内に存在するミストに対する遮蔽を作り出すために十分な(シュートの底部断面S2をミストが横断することを防止するための)速度V2を呈する、その一方向性の空気流を作り出す。このミストは、飲料調製又はチャンバの洗浄の間に、対流によって自然に上昇することが可能な、蒸気、水蒸気、小さい液滴からなる。上記の制御された空気流の実装により、シュート底部の下にのみ、ミストが存在することが可能となる。その結果、湿気は、シュート底部を通過する空気流によって作り出された、この境界を横断することができない。
【0056】
画定されたシュート底部断面S2に基づいて、空気出口で空気を流量Qで吸い込むことによって、一方向性の空気速度V2に到達することができる。適切な流量Qは、ミストに対する遮蔽を作り出すための、十分な空気の速度に到達することを保証する。好ましくは、V2は、ミストの対流速度に対応する、0.05m/sを上回る。
【0057】
このアセンブリの内部幾何学形状の設計はまた、アセンブリの内側での空気流の循環を最適化するように、設計することもできる。
【0058】
一般的に、断面S2は、粉末出口から落下する1回量の粉末が、シュートの上側表面上に堆積しないように画定される。底部シュートの画定された断面S2に基づいて、空気出口での流量Qの制御が、上記の制御を可能にするパラメータとなる。シュート底部断面を通過する空気流を制御する目標に最適に到達するように、他のパラメータ、具体的には、空気入口とシュート底部との距離、及びリングの幾何学形状を規定することができる。
【0059】
好ましくは、空気出口の断面S3は、溶解チャンバ内に存在する水が、その空気出口を通じて吸い込まれないように画定することができる。実際に、この断面S3が、過度に小さい場合には、その空気出口での局所的な空気流の速度は、飲料調製又はすすぎの間に、液滴がチャンバから吸い込まれるようなものとなる恐れがある。
【0060】
好ましくは、空気入口の断面S1は、空気の圧力損失を回避するように画定される。実際に、この断面S1が、過度に小さい場合には、その空気入口での圧力降下は、送風機が、必要とされる流量Qを達成するために、その高い圧力降下に対抗しなければならないようなものとなる恐れがある。このことは、その必要とされる流量Qを得るために、極めて強力な送風機が必要とされることを意味し、この送風機は、飲料注出機に関しては、過剰なサイズとなる恐れがある。更には、過度に小さい断面S1は、通常、その高い局所速度により騒音を生じさせる。
【0061】
特定の実施形態によれば、本発明は、シュートの底部断面S2が、2〜20cmに含まれる断面を呈し、空気出口での10−5〜10−3/sに含まれる吸い込み空気流量Qを呈することにより、0.05〜0.5m/sに含まれるシュート底部での速度V2を得ることが可能な、飲料調製アセンブリに関連する。
【0062】
この特定の実施形態によれば、
空気入口とシュートの底部断面S2との距離は、5〜15cmに含まれ得る。
【0063】
空気出口の断面S3は、2〜8cmに含まれる断面を呈する。
【0064】
空気入口(又は、幾つか存在する場合には、全ての空気入口)の断面S1は、2〜8cmに含まれる断面を呈する。
【0065】
アセンブリの幾何学形状に応じて、上記で説明されたような一方向性の空気流路を得るために、上記の数字を適応させることができる。
【0066】
第2の態様によれば、上記で説明されたような、少なくとも1つの飲料調製アセンブリを備える、飲料注出機が提供される。
【0067】
この飲料注出機内では、少なくとも1つの飲料調製アセンブリの空気出口は、抽出ダクトに接続され、この抽出ダクト内に、送風機が存在する。
【0068】
好ましくは、この飲料注出機は、幾つかの飲料調製アセンブリを備え、各飲料調製アセンブリは、特定の飲料の調製に特化される。この飲料注出機は、コーヒー飲料の調製に特化された、少なくとも1つの飲料調製アセンブリと、乳飲料の調製に特化された、少なくとも1つの飲料調製アセンブリと、チョコレート飲料の調製に特化された、少なくとも1つの飲料調製アセンブリとを備え得る。
【0069】
各飲料アセンブリは、飲料粉末貯蔵部から、対応する飲料注出区域へと下降する、1つのタイプの飲料の調製に特化された縦列を形成し、各縦列間での交差汚染を回避させる。
【0070】
一般的に、各飲料調製アセンブリの空気出口は、同じ抽出ダクト及び同じ送風機に接続することができる。特定のモードによれば、各飲料調製アセンブリの各空気出口は、専用の抽出ダクト及び専用の送風機に接続することができる。そのようなモードは、各アセンブリ内での、より良好な空気流の制御を可能にする。
【0071】
飲料調製アセンブリとは別に、この飲料注出機は、一般的に、
ハウジングと、
溶解チャンバの少なくとも1つの希釈液入口に希釈液を送出するための流体システムと、
注出区域と、
ユーザインタフェースとを備える。
【0072】
このユーザインタフェースは、飲料の注文を可能にする。
【0073】
溶解チャンバの少なくとも1つの希釈液入口に希釈液を送出するための、流体システムは、加熱装置及び/又は冷却装置、ポンプ、及び一般的に、溶解チャンバ内の希釈液の注出を可能にするための弁を備え得る。
【0074】
注出区域は、製造された飲料を受容するための、受容器の位置決めを可能にする。
【0075】
通常は、この注出機は、粉末の投入を作動させるように、飲料アセンブリの容器に関連付けられた、少なくとも1つのモーターを備える。
【0076】
一般的に、この注出機は、選択された飲料を製造するように、種々のモーターの作動を命令する、制御ユニットを備える。
【0077】
第3の態様によれば、上記で説明されたような飲料調製アセンブリ、又は上記で説明されたような飲料注出機を使用する、飲料の調製に関するプロセスが提供され、以下のステップが実施される。
a)1回量の飲料粉末が、容器の粉末出口から注出され、シュートを通じて、溶解チャンバに送出され、
b)1回量の希釈液が、溶解チャンバ内に送出され、1回量の粉末と混合されることにより、飲料が製造され、
c)製造された飲料が、チャンバ出口を通じて送出され、
ステップb)全体の間に、空気出口から空気が吸い込まれることにより、空気入口からシュートの底部へと下降する、一方向性の空気の流れ(F)が作り出される。
【0078】
一般的には、プロセス全体の間、空気入口から空気が吸い込まれる。飲料が調製されない場合であっても、空気は、本質的に恒常的に吸い込むことができる。しかしながら、注出機が省エネルギーモードにある場合には、空気吸い込みのスイッチを切ることができる。しかしながら、好ましくは、空気が吸い込まれる流量は、1回量の飲料粉末を注出するステップa)の間、減少される。このことは、粉末微粒子が、そのステップの間、空気出口内で直接吸い込まれることを回避させる。
【0079】
好ましくは、一方向性の空気の流れFが、シュートの底部断面S2をミストが横断することを防止するように、空気出口から吸い込まれる空気の流量が制御される。
【0080】
好ましくは、空気出口から吸い込まれる空気の流量は、シュートの底部を通過する空気速度V2が、少なくとも0.05m/sとなるように制御される。
【0081】
シュートの底部の断面S2の値に応じて、空気出口での空気流量を調節することにより、好ましくは0.05m/sの値を上回る、底部シュートでの空気速度V2に到達することができる。実際に、このアセンブリ内の、アセンブリの内側の断面Sを通過して流れる空気の流量Qは、一般的に、Q=S×Vとして定義され、Vは、その断面を通過する空気の速度である。その結果、ある空気流量Qが、アセンブリの空気出口で、送風機のような吸い込み装置によって吸い込まれる場合には、アセンブリの気密性により、その流れQが、シュート底部の断面S2を通じて吸い込まれる。この断面では、その空気流Qは、S2×V2に等しく、V2は、シュート底部を通過する空気の速度である。吸い込み装置を制御することにより、空気流量Qが、シュート底部で少なくとも0.05m/sの速度V2を達成するように、設定することができる。
【0082】
一般的に、空気は、吸い込み装置によって空気出口から吸い込まれ、その空気出口から吸い込まれる空気の流量は、吸い込み装置の出力を監視することによって制御される。
【0083】
本出願では、用語「底部」、「上側」、「頂部」、「側方」、「上方」、「下」、「下側」、「水平」、「上位」、「外部」、及び「垂直」は、本発明の機構の相関的な位置決めを説明するために使用される。これらの用語は、例えば、図1図2図5図6、及び図7に示されるように、飲料の製造のために飲料調製機械内に配置されている場合の、通常の向きにある、飲料調製アセンブリの要素に言及するものであると理解するべきである。
【0084】
本発明の上記の態様は、任意の好適な組み合わせで、組み合わせることができる。更には、本明細書での様々な機構を、上記の態様のうちの1つ以上と組み合わせることにより、具体的に図示及び説明されるもの以外の組み合わせを提供することができる。本発明の更なる目的及び有利な機構は、特許請求の範囲から、詳細な説明、及び添付図面から明らかとなるであろう。
【0085】
本発明の特性及び利点は、以下の図面に関連して、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0086】
図1】本発明による飲料調製アセンブリの概略図である。
図2】本発明による別の飲料調製アセンブリの概略図である。
図3a図2で概略的に示されるような、溶解チャンバに関連付けられた単一部品の実施例の側面図である。
図3b図2で概略的に示されるような、溶解チャンバに関連付けられた単一部品の実施例の斜視図である。
図4a図3a、図3bの単一部品の斜視図である。
図4b図3a、図3bの溶解チャンバの斜視図である。
図4c】容器の粉末出口の斜視図である。
図5】本発明による少なくとも1つの飲料調製アセンブリを備える飲料注出機の概略図である。
図6】本発明による3つの飲料調製アセンブリを備える、飲料注出機の正面図である。
図7】本発明による少なくとも1つの飲料調製アセンブリを備える飲料注出機の概略図である。
図8a】飲料調製アセンブリ内での流れの分布を示す。
図8b】飲料調製アセンブリ内での流れの分布を示す。
図8c】飲料調製アセンブリ内での流れの分布を示す。
図9a】飲料調製の間の放出ポートの移動を示す、本発明のアセンブリの一部の断面図である。
図9b】飲料調製の間の放出ポートの移動を示す、本発明のアセンブリの一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0087】
図1は、本発明による飲料調製アセンブリ1を示す。このアセンブリは、水溶性飲料粉末を貯蔵するための、容器2を備える。この容器は、タンク21及び粉末出口22を備える。容器2は、通常、1回量の粉末を、出口22を通じて投入及び移動させるための、投入装置を備える。この装置は、図1には表されない。
【0088】
飲料調製アセンブリ1は、粉末出口22の下に配置されていた、溶解チャンバ3を備える。このチャンバ3は、水溶性飲料粉末及び希釈液から、飲料を調製するように構成される。図1では、溶解チャンバは、2つの希釈液入口31、及び1つの飲料出口32を備える。希釈液入口は、希釈液供給源に接続される。希釈液は、通常は水である。このチャンバは、容器出口22から注出された1回量の粉末が通過して流れることが可能な、開放頂部33を提示する。図1では、図示のチャンバには、溶解を改善するための、モーターによって作動されるいずれの機械装置も与えられていない。溶解は、希釈液と粉末との接触によって得られる。そのようなチャンバは、国際公開第2008/071613号で説明されるように構成することができる。しかしながら、本発明はまた、(図7に示されるような)モーターによって作動されるホイッパを備える、溶解チャンバで実装することもできる。
【0089】
アセンブリ1は、溶解チャンバ3から空気を排出するように構成された、空気出口5を備える。この空気出口5は、溶解チャンバの頂部の近傍に配置されている。この空気出口は、通常は導管を通じて、吸い込み装置に、好ましくは送風機に接続される。一般的に、この導管は、湿気及び微粒子が吸い込み装置内に入り込むことを回避するための、フィルタを備える。
【0090】
アセンブリ1は、容器の粉末出口22から、溶解チャンバ3に水溶性飲料粉末を案内するための、シュート4を備える。このシュートは、溶解チャンバの頂部に接続されており、この接続は、例えば、シュートの側縁部とチャンバの頂部との間に定置されたガスケット10によって、気密性かつ水密性である。好ましくは、このシュートは、上側希釈液入口31及び空気出口5が、シュート4とチャンバの側方上壁部との間に形成される環状空間内に配置されているように、チャンバに接続される。
【0091】
アセンブリ1内で、粉末出口22は、導管6によってシュート4に接続される。粉末出口22、導管6、シュート4、及びチャンバは、気密接続部を通じて、一体に接続される。これらの気密接続部は、導管6が、その双方の末端部で、アセンブリの他の要素と密着接続部を形成することで得ることができる。図1では、導管の第1の末端部61は、粉末出口22に接続して、その粉末出口を包囲することによって係合する。この導管の第1の末端部61は、図1の具体的に示された粉末出口を包囲するように、水平に方向付けられ、導管6は、その第2の末端部62が垂直に方向付けられるように、屈曲部を提示するが、粉末出口の向き及び形状に応じて、この導管の他の構成を実装することもできる。導管の第2の末端部62は、シュートの頂部41に接続される。図1では、導管6の底部が、シュート4を形成し、これらの双方の要素は、1つの単一部品7を形成する。そのことにより、これらの双方の要素間の、完全な気密接続が保証される。しかしながら、本発明によれば、導管及びシュートは、別個の要素とすることも可能であり、これらの要素は、気密接続部を通じて一体に接続される。
【0092】
導管6及びシュート4を統合する単一部品7は、上記で説明されたようなガスケット10で、チャンバの頂部に気密方式で接続される。このガスケットはまた、水の渦流がチャンバの頂部に到達する場合に備えて、水密接続も可能にする。
【0093】
その結果、粉末出口22、導管6、シュート4、及び溶解チャンバ3は、気密閉鎖されたアセンブリを形成する。アセンブリ1は、粉末出口から溶解チャンバに流れる粉末に関する閉鎖環境及び閉鎖経路を画定する。アセンブリ1は、1つの空気入口8を備える。この空気入口8は、シュート4の上方にのみ配置されている。粉末投入の経路の周囲のこのアセンブリの気密性により、粉末微粒子は、投入の間、溶解チャンバの外側に流れることはない。更には、空気入口からシュート底部へと下降して空気出口を通過するこの閉鎖環境内の空気流を制御することにより、シュート底部の上方の乾燥ゾーン、及びシュート底部の下の湿潤ゾーンを作り出すことが可能となる。
【0094】
好ましくは、シュート4の底部断面S2は、粉末が、シュート上に堆積することなく、その断面を通過して容易に流れることができるように十分に大きく構成される。空気出口5を通じて流量Qで吸い込まれる空気の流れを制御することによって、空気入口6からシュートの底部断面S2を通過する一方向性の空気の流れFが作り出される。これは、空気が、その断面を通過して、頂部からチャンバへと下降する1つの方向のみに従って流れることを意味する。更には、この流れは、好ましくは、シュートの底部断面S2全体にわたって、均一に分布される。
【0095】
断面S2の値、及び出口5を通じて吸い込まれる流量Qの値に基づいて、シュート底部43を通過して流れる一方向性の空気流は、シュートの底部断面S2を溶解チャンバのミストが横断することを防止するための遮蔽を作り出すために十分な速度V2を呈する。このミストは通常、蒸気、湿り空気、水滴、水の飛沫からなり、対流によってチャンバからシュートへと自然に上に移動される。シュート底部を通過する空気の速度V2は、対流を通じて移動する空気の速度を上回るように定義される。シュート底部43を通過する空気流は、チャンバ内で生成された湿気に対する障壁を作り出す。結果として、底部シュート43の上方の、このアセンブリの上側部分は、常に乾燥したまま維持されるため、粉末微粒子が上に落下し得るシュートの上面44は、常に乾燥したまま維持される。粉末が投入されると、その1回量の粉末は、このシュートの乾燥した上面44上を滑り、従来技術のシュート内でのようにシュート内の湿気と反応して、シュート上に粘着性の堆積をもたらすことがない。それゆえ、オペレータは、このアセンブリが洗浄作業のために分解される場合、シュートのその部分を迅速に洗浄することができる。図8aは、シュート底部にわたって均一に分布された一方向性の空気の流れFの生成を示す。この流れは、上側乾燥ゾーンと下側湿潤ゾーンとの間に、仮想境界を作り出す。反対に、図8bは、均一に分布されていない、シュート底部にわたる空気の流れの生成を示すものであり、その理由のため、ミストの流れFmは、シュート内で上向きに流れることが可能である。この不履行は、底部シュートの過度に大きい断面S2によるものである。
【0096】
アセンブリ1内では、空気出口5の断面S3は、好ましくは、溶解チャンバ内に存在する水を、空気出口5を通じて吸い込むことができないように画定される。具体的には、S3は、過度に小さくしてはならず、さもなければ、圧力降下は、飲料調製又は洗浄の間に液滴が吸い込まれるようなものとなる。図8cは、空気出口5での過度に重大な空気流が、その出口内に液体を吸い込もうとする実施形態を示す。
【0097】
同様に、アセンブリ1上では、空気入口8の断面S1は、好ましくは、圧力損失を回避するように画定される。具体的には、S1は、過度に小さくしてはならず、さもなければ、空気の流量Qを著しいものにすることが必要となり、断面S2での空気流の制御は、制御することが困難となる。
【0098】
一般的に、シュートの底部での特定の断面S2に関しては、空気流量Qは、断面S2を通過する、一方向性かつ好ましくは均一な空気の流れを維持する目標に到達するように制御される。以下の他のパラメータを最適化することができる。
・空気入口8とシュート底部との距離、
・空気入口の断面S1、
・空気出口の断面S3、
・環状壁部41の存在及び幾何学形状。
【0099】
飲料調製アセンブリ1で飲料を調製するために、1回量の飲料粉末が、容器の粉末出口22から注出され、シュート4を通じて溶解チャンバ3に送出され、次いで、1回量の希釈液が、溶解チャンバ内に送出されて、1回量の粉末と混合されることにより、飲料が製造され、その製造された飲料が、チャンバ出口32を通じて送出される。少なくとも粉末と希釈液との混合ステップ全体の間、空気出口5から空気が吸い込まれることにより、
【0100】
−空気入口6からシュートの底部43へと下降する、一方向性の空気の流れFが作り出され、
−この一方向性の空気の流れFは、生成されたミストのあらゆる流れが、シュート4を通過して上に流れることを防止する。
【0101】
好ましくは、空気はまた、粉末投入のステップの間も吸い込まれる。最終的には、空気が吸い込まれる流量は、その1回量の飲料粉末を注出するステップの間に、減少させることができる。この減少は、過度に重大な空気の流れが、抽出ダクトを通じて粉末微粒子を吸い込むことを回避させる。
【0102】
図2は、図1で説明されるような飲料調製アセンブリを示すが、ただし、シュート4、導管6、及び空気出口5は、1つの単一部品7の一部である。粉末出口22及び溶解チャンバ3との水密及び気密接続部は、ガスケット10で得られる。図2では、このアセンブリは、シュートの底壁部43を包囲する、環状壁部42を備える。この環状壁部は、以下の2つの環状空間を画定する。
この環状壁部42とシュートの底壁部43との間の、第1の内部環状空間421、及び、
この環状壁部42とチャンバの頂壁部34との間の第2の外部環状空間422。
【0103】
双方の空間421、422の底部は、溶解チャンバ3の上方で開放される。
【0104】
第1の内部環状空間421の頂部は、溶解チャンバから空気を排出するように構成された、空気出口5に接続される。それゆえ、環状壁部42は、チャンバから空気出口に空気を吸い込むための、導管を形成する。第1の内部環状空間421の幾何学形状は、必要に応じて、このシステムを通過する空気流、具体的には、空気出口の近傍の空気流の制御を改善するために、最適化することができる。
【0105】
この環状壁部はまた、隔壁部を作り出すため、希釈液入口31からの水が部分的に吸い込まれることも防止する。
【0106】
図3a及び図3bはそれぞれ、図2で概略的に示されるような、溶解チャンバ3に関連付けられた単一部品7の実施例の側面図及び斜視図である。空気入口8は、格子によって防護される。そのような格子は、注出機ハウジングが開放されている場合に、虫又は小片が内側に落下することを回避させることができる。
【0107】
図4a及び図4bは、図3a並びに図3bの単一部品7及び溶解チャンバ3のそれぞれの斜視図である。単一部品7は、溶解チャンバ3の頂部の対応する接続手段3aに適合するように構成された接続手段7aを備える。図示の実施形態では、単一部品7は、その内側表面内に、溶解チャンバの頂部のピン3aが滑り込むことが可能な、スロット7aを提示する。
【0108】
図4cは、放出ポート220の斜視図である。この放出ポートの外部形状は、単一部品7の末端部61が、その放出ポートの周囲でスライドすることができるように設計される。放出ポート220の外部形状、及び単一部品7の末端部61の内部形状は、共形である。
【0109】
同様に、空気出口5の末端部61の内部形状、及び空気吸い込み装置9への導管の外部形状は、それらが、一方を他方内にプラグ接続することができるように、共形の形状を呈し得る。
【0110】
一般的に、全ての接続部は、気密接続手段を通じて作製される。
【0111】
それらの接続部はまた、容易にオペレータが解体することも可能となるように構成される。
【0112】
図5は、上記で説明されたようなアセンブリを備える、飲料注出機を示す。この注出機内では、飲料注出機の希釈液入口31が、好ましくはボイラー13である、水の供給源に接続されることが明らかとなる。この注出機は、ボイラーから水をポンプ圧送するための、ポンプ12を備える。溶解チャンバ3は、その出口32を通じて、注出区域17内に位置決めすることが可能な飲用カップ内に、調製された飲料を送出する。粉末容器2の底部の粉末投入装置11は、モーター111によって作動されることにより、溶解チャンバ内に、1回量の粉末を送出する。送風機9は、抽出ダクト91を通じて、空気出口5に接続される。ユーザインタフェース14は、飲料調製を顧客が選択して開始させることを可能にする。制御ユニット15は、ユーザインタフェース及び種々のモーターに連係して、注文された飲料を調製する。これらの種々の装置の全ては、ハウジング16内に収容される。上記の装置は、飲料注出機の分野において、現行のものである。
【0113】
図6は、前面のハウジングパネルが取り外されている、図5の飲料注出機の正面図を示す。この注出機は、図3a、3bで説明された実施形態による、3つの飲料調製アセンブリ1a、1b、1cを備える。各容器2a、2b、2cは、インスタントコーヒー、粉ミルク、及び粉末チョコレートのような、異なる可溶性粉末を貯蔵することができる。このアセンブリはまた、調製される飲料の性質に応じて決定することが可能な、混合チャンバ3a、3b、3cの容積も異なり得る。例えば、コーヒーと比較して、乳飲料を調製するためには、より大きいチャンバが必要となり得る。この注出機内では、各飲料調製アセンブリは、そのアセンブリの容器2a、2b、2c内に貯蔵された粉末からの、特定の飲料の調製に特化される。特定の各飲料に関して、アセンブリは、その特定の飲料の調製に特化された、粉末分配縦列を形成する。それゆえ、混合チャンバ内では、交差汚染が発生し得ず、各縦列は、気密性のまま維持することができる。
【0114】
これらの飲料調製アセンブリの空気出口は、送風機9(図5に示すもの)により空気が吸い込まれる抽出ダクトに、それぞれが接続される。各アセンブリのチャンバの希釈液入口は、図5に示される希釈液供給源に接続される。
【0115】
図7は、図1図6の溶解チャンバが、モーター351によって作動されるホイッパ35を備える、溶解チャンバによって置き換えられる、代替的な飲料注出機を示す。図7で参照される他の要素は、同じ参照番号を呈する、図5の要素と同一である。
【0116】
図5及び図7に示される双方の注出機内では、溶解チャンバに水を送出するための流体システムは、水の温度、及び希釈液入口内での水の導入のシーケンスを、飲料調製の処方に従って制御するための、加熱装置及び/又は冷却装置、並びに弁を備え得る。
【0117】
図9aは、タンク出口、図4cに示されるような放出ポート22、図3a、図3b、図4aに示されるような溶解チャンバの頂部及び単一部品7の、拡大断面図である。
【0118】
この放出ポートは、
底部部分内にくり抜き孔222を備える内部送出管221と、
底部部分内にくり抜き孔224を備える外部可動カバー223とを備える。
【0119】
内部送出管221は、固定され、タンク出口に取り付けられる。外部可動カバー223は、内部送出管221を包囲して、その周囲を、2つの位置間の並進移動に従ってスライドすることが可能である。
【0120】
双方のくり抜き孔222、224の寸法、及び、組み立てられた場合の内部送出管221と外部可動カバー223との相対位置は、外部可動カバー223が、内部送出管221の少なくとも一部を覆い、くり抜き孔222、224が、一方の第1の位置では互いに重なることができ、他方の第2の位置では重なることができないように構成される。その場合、外部可動カバーのくり抜き孔224の寸法は、少なくとも送出管のくり抜き孔222に重なるように構成される。
【0121】
図9aでは、放出ポートは、第2の投入位置で表され、2つのくり抜き孔222、224は、互いに重なり、投入手段11の作動によって押し出される可溶性飲料粉末の注出を可能にする。
【0122】
図9aはまた、粉末投入の間の外部可動カバー223が、どのように空気入口8の下に変位し、その動作の間、空気入口を実質的に閉鎖するかも示す。結果として、粉末微粒子が空気入口を通過して逸出するリスクは、更に一段と低減される。一般的に、粉末投入のステップの間、空気出口を通じて空気が吸い込まれる流量は、その空気出口を通じて粉末微粒子が吸い込まれることを回避するために、減少される(又は更に、停止される)。この吸い込みの減少の欠点は、溶解内の潜在的なミストが、自然対流によって、シュートを通過して上向きに流れる恐れがある点とすることができる。しかしながら、外部可動カバー223の端部による、空気経路の閉鎖は、ミストの速度、及びミストが上向きに流れる可能性を制限することによって、そのような煙突効果を低減する。
【0123】
図9bは、図9aに対応するが、ただし、外部可動カバー223は、第1の休止位置にあり、2つのくり抜き孔222、224は、互いに重ならず、可溶性飲料粉末の注出を可能にしない。
【0124】
図9a及び図9bは、本発明によるアセンブリ内の空気流の制御を可能にする、シュート底部断面、空気入口断面、及び空気出口断面の寸法を示す。図示のアセンブリは、円形の底部シュートの断面S2を呈する。この底部シュートの直径は、40mmであり、この直径は、放出ポート220から落下する粉末がシュート上に堆積するリスクを制限するために、十分に大きい。断面S2は、1257mmである。3,8・10−4/sの流量での空気の吸い込みを、空気出口5に適用することによって、底部シュート43で、溶解チャンバから上昇するミストが横断することができない空気の速度V2に、到達することができる。空気入口8とシュート底部43との間の高さは、約100mmである。
【0125】
同じ空気吸い込み条件では、空気入口8の断面S1は、好ましくは、約200mmである。例示される図9a及び図9bでは、この断面S1は、格子内の全ての孔の断面の総和に相当する。
【0126】
同じ空気吸い込み条件では、空気出口5(図3bで、より明確に示されるもの)の断面S3は、好ましくは、約500mmの断面を呈する。
【0127】
本発明は、機械内での粉末微粒子の逸出を回避する利点を提示する。
【0128】
本発明はまた、飲料調製の間に生成される湿気、水蒸気、及び蒸気の移動を制御して、粉末シュートの上方の湿気の存在を防止する利点も提示する。
【0129】
具体的には、本発明は、容器からチャンバへの粉末の経路を、上側乾燥ゾーン及び下側湿潤ゾーンの、2つのゾーンに分離することを作り出す利点を提示する。
【0130】
本発明のアセンブリは、アセンブリの内側での、粉末及び空気流に関する、封入経路を形成する。封入により、粉末微粒子は、投入の間、溶解チャンバの外側に流れることがない。更には、この封入により、空気の移動を制御することができ、空気は、本質的に空気入口のみを通じて入り込み、本質的に空気出口のみを通じて流れ出ることができる。結果として、吸い込み装置による空気流量の制御により、アセンブリの種々の場所での、具体的にはシュート底部での、空気の移動及び速度の制御が可能となる。アセンブリ内に乾燥ゾーン及び湿潤ゾーンを作り出すこと、並びに、その湿潤ゾーンから乾燥ゾーンへと、湿気が上に流れることを防止することが可能になる。
【0131】
本発明の別の利点は、シュートの用手洗浄の間隔を最適化することができる点であり、粉末がシュート内に粘着する恐れがないため、洗浄を行う頻度を少なくすることができ、かつ迅速に洗浄を行うことができる。
【0132】
本発明は、上記に例示された実施形態を参照して説明されているが、特許請求される本発明は、いかなる方式でも、これらの例示された実施形態によって限定されるものではないことが理解されるであろう。
【0133】
特許請求の範囲で定義されるような、本発明の範囲から逸脱することなく、変形及び修正を実施することができる。更には、特定の機構に対して、既知の等価物が存在する場合、そのような等価物は、本明細書で具体的に言及されるかのごとく組み込まれる。
【0134】
本明細書で使用するとき、用語「備える」、「備えている」、及び同様の用語は、限定的又は包括的な意味で解釈されるべきではない。換言すれば、それらは、「含むが、それらに限定されない」ことを意味するものとする。
【符号の説明】
【0135】
1、1a、1b、1c 飲料調製アセンブリ
2、2a、2b、2c 容器
21 タンク
22 粉末出口
220 放出ポート
221 内部送出管
222 くり抜き孔
223 外部可動カバー
224 くり抜き孔
3 溶解チャンバ
31 希釈液入口
32 飲料出口
33 チャンバ開放頂部
34 チャンバ頂壁部
3a 接続手段
35 ホイッパ
351 ホイッパモーター
4 シュート
41 シュートの頂部
42 環状リング
421 第1の内部環状空間
422 第2の外部環状空間
43 シュート底部
431 シュートの底壁部
44 シュートの上壁部
5 空気出口
6 導管
61 導管の第1の末端部
62 導管の第2の末端部
7 単一部品
7a 接続手段
8 空気入口
9 吸い込み装置
91 抽出ダクト
10 ガスケット
11 投入装置
111 投入装置のモーター
12 ポンプ
13 ボイラー
14 ユーザインタフェース
15 制御ユニット
16 ハウジング
17 注出区域
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図9a
図9b