(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564373
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】地点ロケーションを表す符号化データから地点ロケーションを決める方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/32 20060101AFI20190808BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
G01C21/32
G09B29/10 A
【請求項の数】27
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-536519(P2016-536519)
(86)(22)【出願日】2014年12月4日
(65)【公表番号】特表2016-540981(P2016-540981A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(86)【国際出願番号】EP2014076628
(87)【国際公開番号】WO2015082639
(87)【国際公開日】20150611
【審査請求日】2017年11月10日
(31)【優先権主張番号】1321357.4
(32)【優先日】2013年12月4日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1407268.0
(32)【優先日】2014年4月24日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515295946
【氏名又は名称】トムトム トラフィック ベスローテン フエンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】TOMTOM TRAFFIC B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】バセロー, スヴェン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デル ラーン, アントワーヌ カール
【審査官】
岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−228566(JP,A)
【文献】
特開2005−300394(JP,A)
【文献】
特開2002−228468(JP,A)
【文献】
特開2000−020891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00−21/36
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロケーションリファレンスから地点ロケーションを決める方法であって、前記ロケーションリファレンスは複数のロケーションリファレンス地点を含み、各ロケーションリファレンス地点は、第1のデジタル地図におけるノードを表し、且つ、開始ロケーションリファレンス地点と終了ロケーションリファレンス地点との間の経路を定義するために、前記ノードの地理的座標を含む、前記第1のデジタル地図における前記ノードと関連付けられた属性を有し、前記ロケーションリファレンスは前記経路に沿った距離を表すオフセット値を更に含み、前記方法は、
前記開始ロケーションリファレンス地点及び前記終了ロケーションリファレンス地点の地理的座標を取得することと、
前記開始ロケーションリファレンス地点と前記終了ロケーションリファレンス地点との間に延びる直線を判定することと、
前記オフセット値に対応する、前記直線に沿ったロケーションの地理的座標を判定することと、
前記ロケーションの前記判定された地理的座標に基づいて、第2のデジタル地図の区分を選択することと、
前記ロケーションを前記区分に投影することと、
前記区分上の前記投影されたロケーションを前記第2のデジタル地図における前記地点ロケーションの概略ロケーションとして使用することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記区分を選択することは、前記ロケーションの地理的座標に対して最も近い前記第2のデジタル地図の区分を判定することを含むことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記区分を選択することは、1つ以上の属性と関連付けられた前記第2のデジタル地図の区分を判定することを含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の属性は、前記ロケーションリファレンスに含まれる1つ以上の属性に対応する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記オフセット値は、前記経路に沿った距離寸法又は前記経路に沿った割合寸法のうちの1つである請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
各ロケーションリファレンス地点は、前記第1のデジタル地図における複数の区分の交差点を示すノードを表すか、あるいは、前記第1のデジタル地図における仮想ノードを表す請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記仮想ノードは、前記第1のデジタル地図の区分の形状情報を提供し、あるいは、前記区分の特性が変化する前記第1のデジタル地図の区分に沿った位置を識別する手段を提供する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ロケーションリファレンスは、2つのロケーションリファレンス地点のみを含む請求項1乃至7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記2つのロケーションリファレンス地点は、開始及び終了ロケーションリファレンス地点を規定する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ロケーションリファレンスは2つより多くのロケーションリファレンス地点を含む請求項1乃至7の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記ロケーションリファレンス地点は、開始及び終了ロケーションリファレンス地点の間の1つ以上の中間ロケーションリファレンス地点を含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
着目地点(POI)のロケーションを判定する方法であって、
前記POIを示すロケーションリファレンスを受信することと、
請求項1乃至11の何れか1項に記載の前記ロケーションリファレンスに基づいて前記POIの概略ロケーションを判定することと、
前記概略ロケーションに基づいて前記POIへの近接を示す通知を出力することと
を含む方法。
【請求項13】
前記POIはスピード違反取り締まり装置である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ロケーションリファレンスから決められたロケーションがデジタル地図データと関連付けられたロケーションに対応しないと判定することと、それに応じて、前記POIの前記概略ロケーションを判定することとを含む請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
ロケーションリファレンスから地点ロケーションを決める装置であって、前記ロケーションリファレンスは複数のロケーションリファレンス地点を含み、各ロケーションリファレンス地点は、第1のデジタル地図におけるノードを表し、且つ、開始ロケーションリファレンス地点と終了ロケーションリファレンス地点との間の経路を定義するために、前記ノードの地理的座標を含む、前記第1のデジタル地図における前記ノードと関連付けられた属性を有し、前記ロケーションリファレンスは前記経路に沿った距離を表すオフセット値を更に含み、前記装置は、
前記開始ロケーションリファレンス地点及び前記終了ロケーションリファレンス地点の地理的座標を取得する手段と、
前記開始ロケーションリファレンス地点と前記終了ロケーションリファレンス地点との間に延びる直線を判定する手段と、
前記オフセット値に対応する、前記直線に沿ったロケーションの地理的座標を判定する手段と、
前記ロケーションの前記判定された地理的座標に基づいて、第2のデジタル地図の区分を選択する手段と、
前記ロケーションを前記区分に投影する手段と、
前記区分上の前記投影されたロケーションを前記第2のデジタル地図における前記地点ロケーションの概略ロケーションとして使用する手段と、
を備える装置。
【請求項16】
前記区分を選択することは、前記ロケーションの地理的座標に対して最も近い前記第2のデジタル地図の区分を判定することを含む請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記区分を選択することは、1つ以上の属性と関連付けられた前記第2のデジタル地図の区分を判定することを含む請求項15又は16に記載の装置。
【請求項18】
前記1以上の属性は、前記ロケーションリファレンスに含まれる1つ以上の属性に対応する請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記オフセット値は、前記経路に沿った距離寸法又は前記経路に沿った比例寸法のうちの1つである請求項15乃至18の何れか1項に記載の装置。
【請求項20】
各ロケーションリファレンス地点は、前記第1のデジタル地図における複数の区分の交差点を示すノードを表すか、あるいは、前記第1のデジタル地図における仮想ノードを表す請求項15乃至19の何れか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記仮想ノードは、前記第1のデジタル地図の区分の形状情報を提供し、あるいは、前記区分の特性が変化する前記第1のデジタル地図の区分に沿った位置を識別する手段を提供する請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記ロケーションリファレンスは、2つのロケーションリファレンス地点のみを含む請求項15乃至21の何れか1項に記載の装置。
【請求項23】
前記2つのロケーションリファレンス地点は、開始及び終了ロケーションリファレンス地点を定義する請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記ロケーションリファレンスは2つより多くのロケーションリファレンス地点を含む請求項15乃至21の何れか1項に記載の装置。
【請求項25】
前記ロケーションリファレンス地点は、開始及び終了ロケーションリファレンス地点の間に1つ以上の中間ロケーションリファレンス地点を含む請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記装置はモバイルコンピューティング装置である請求項15乃至25の何れか1項に記載の装置。
【請求項27】
コンピュータでの実行時に、請求項1乃至14の何れか1項に記載の方法を実行するように構成され、選択的にコンピュータ可読媒体で実現される、コンピュータソフトウェア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1以上の所定の形式により符号化されたデータにより表される地点ロケーションを決める方法に関し、より具体的には、第1のデジタル地図を使用して符号化された、地点ロケーションを、第2の異なるデジタル地図の範囲内で、判定する方法に関する。本発明は、好適には、デジタル地図に表れる道路又は他のナビゲート可能な通行路のネットワークを通る経路に沿った地点ロケーションを表す符号化データの決定に最も適用可能である。
【背景技術】
【0002】
道路又は他のナビゲート可能ネットワークの任意の最新のデジタル地図(又は数学グラフ、それらは場合によっては既知である)は、最も単純な形式で、実際には、道路交差点を最も一般的に表すノード及び交差点間の道路を表すノード間の線を表すデータを含むデータベースである。より詳細なデジタル地図では、長さゼロの区分の場合と同じであってもよいがより一般的には分離されている開始ノード及び終了ノードにより定義される区分に、線が分割されてもよい。ノードは、最少で3つの線又は区分が交差する道路交差点を表す時に本願の目的では“リアル”又は“有効”と考えられてもよく、一方、“人工”又は“回避可能な”ノードは、リアルノードにより一端又は両端で定義されていない区分のアンカーとして提供されるものである。これらの人工ノードは、デジタル地図において、とりわけ、特定の一続きの道路の形状情報を提供するのに、あるいは、道路のいくつかの特性、例えば速度制限、が変化する道路に沿った位置を識別する手段を提供するのに役立つ。
【0003】
事実上全ての最新のデジタル地図において、ノード及び区分は、データベースにおけるデータにより更に表される様々な属性により更に定義されており、例えば各ノードは、現実世界の位置、例えば緯度及び経度を定義するために通常地理的座標を有するだろう。道路ネットワークの完全な“グラフ”は、1以上の国又はその一部にわたるエリアをカバーする数百万のノード及び区分により記述される。
【0004】
線ロケーション(すなわち道路ネットワークを通る経路)を効率的に参照又は記述する手段を考案する上で、ロケーションの一部を形成するデジタル地図内の全てのノード(及び/又は区分、選択的にはそれらの属性)の順序リストを提供することは単に非常に非効率的であるだけでなく、そのような参照方法は、特定の地図ベンダーにより作成される特定のバージョンの地図においてノード、区分、線及びそれらの属性は事実上唯一固有に定義されるので、正確に同一のデジタル地図が、例えば、ロケーションリファレンスが送信されるモバイル装置で後に起こる間接参照(de-referencing)中に使用されることを必要とするだろう。特定のノードの緯度及び経度等の基本的属性でさえ、異なるデジタル地図間では異なるかもしれない。
【0005】
デジタル地図でしばしば提供されるある特定の属性は、交通メッセージチャンネル(TMC)ロケーションテーブルリファレンスである。TMCは、車両ユーザへ、特に、車両内に存在し且ついくつかの形式のデジタル地図を含む(ポータブル又は一体型の何れかの)ナビゲーションシステムへ交通移動情報を配信する技術である。TMCメッセージは、(交通に特有である必要はないが、最も一般的な)イベントコード及び、ロケーションリファレンスの順序リストにより構成されるロケーションコードにより構成され、それにより、交通イベントのロケーションをデジタル地図において判定でき且つナビゲーションシステムの画面にグラフィックで表すことができる。最も商業利用可能なデジタル地図における多数の事前定義済ノードは、限定ロケーションテーブルを参照して判定されるTMCロケーションリファレンスを割り当てられている。
【0006】
TMCメッセージは、37ビットの長さで短くそれ故ブロードキャストデータの利用可能な帯域幅に大きな影響を与えないという点で非常に効率的であるが、固定数のロケーションリファレンスのみが利用可能であり、それ故、通常はTMCを提供する各国における高速道路及び主要幹線道路(又はその交差点)のみが参照されうる。
【0007】
事前符号化ロケーション参照方法、例えばTMC、における欠陥を克服するために、近年は多くの動的ロケーション参照方法が開発されている。通常、これらの動的ロケーション参照方法は、ノード間の区分のある属性と共にそれらの地理的座標によって第1のデジタル地図内のノードを参照することにより、ロケーション、例えば線ロケーションを符号化する。この情報は、第2の異なるデジタル地図上で、第2のデジタル地図内の同等なロケーションを判定するために、復号され、あるいは決め(resolve)られうる。
【0008】
動的ロケーション参照方法の一例は、AGORA−Cとして知られている。AGORA−Cロケーション参照アプローチの完全な記述は、ISO 標準 17572−3 高度道路交通システム (ITS)−地理データベース向けロケーションリファレンス−パート3:動的ロケーションリファレンス、に見ることができるが、当該アプローチの基礎は、ロケーションリファレンスが、緯度及び経度の座標ペアにより特定され且つリストで順序付けられるロケーション地点のセットにより完全に特定されうることであり、各地点は、様々なルールに適合するが、最も重要なのは、リストにおける参照されるロケーション及び前の地点の観点で連続的であり、すなわち連続地点は次の地点関係を形成する。他のロケーション参照システムと同様に、各地点には当該地点をより良く定義するのを補助する多数の属性が提供されるが、AGORA−C方法に特有なのはロケーション地点(LP)、交差点地点(IP)又はルーティング地点(RP)の1つとして各地点を識別することである。LPは参照されたロケーションの開始地点及び終了地点を示す。道路区間シグネチャが変化するロケーションに沿った各地点はIPにより表され、道路ネットワーク上の経路であるロケーションであって且つ道路区間シグネチャの変化無しに交差点を通過するロケーションは、交差点地点により参照される必要がない。ルーティング地点は、交差点地点が、デコーダで正確なロケーションを明確に判定するのに不十分であり、且つ、分離地点として追加される場合に提供され、あるいは、所要のルーティング地点が既存の交差点地点に一致する場合には、単純に後者の属性変化が行われる。
【0009】
別の動的ロケーション参照方法はOpenLR(商標)であり、それは、デジタル地図におけるロケーションリファレンスを符号化、送信及び復号するオープン標準を提供するためにTomTom International B.Vによる2009年9月に立ち上げられたオープンソースソフトウェアプロジェクトである。OpenLR(商標)ロケーション参照アプローチの完全な記述は、OpenLR(商標)のホワイト・ペーパー(最新バージョンは2012年1月17日に公開されたv1.5である)等のwww.openlr.orgで提供される素材に見ることができる。線ロケーションが符号化される方法についての更なる詳細は、国際公開第2010/000707号に見ることができ、それが復号される方法は、国際公開第2010/000706号に見ることができ、両文書の全内容が参照によりここに組み込まれる。OpenLR(商標)の背後にある本旨は、1以上の、通常は複数の最短経路の連結によりデジタル地図に表されるナビゲート可能ネットワークに沿った線ロケーションを記述することである。各最短経路は、その開始線及び終了線についての情報により特定される。この情報はいわゆるロケーションリファレンス地点(LRP)に組み込まれる。LRPはロケーションの開始からロケーションの終了まで順序付けられており、2つの後続LRP間の最短経路はロケーションの一部をカバーする。これら全ての最短経路の連結はロケーションを完全にカバーし、この経路はロケーションリファレンス経路と呼ばれる。ロケーションリファレンス経路は、元のロケーションより長くてもよく、オフセットはこの経路をロケーション経路のサイズまで削減する。従って、線ロケーションごとに、ルート計算のガイドとして作用する中間LRPと共に、少なくとも2つのLRPがロケーションの開始及び終了のために必要である。デジタル地図から取られる属性は、符号化されたロケーションリファレンスにおいて、順序リストにおける最後のLRPを除いた、全てのLRPとも関連付けられている。これらの属性は、方位(bearing)(例えば、真北と、LRPの座標及びLRP属性により定義される線に沿った所定距離である座標により定義される線との角度)、機能道路クラス(すなわち、道路の重要度に基づく道路分類)、及び、道の形式(すなわち、物理道路タイプ、例えば高速道路、複数車線自動車道、単一車線自動車道)を含んでおり、ロケーションリファレンス経路を形成する各LRPから外へ向かう経路を定義する。
【0010】
TPEG−ULR等の多数の他の代替動的ロケーション参照システムも存在している。しかしながら、同様に、TPEG−ULRによる符号化線ロケーションリファレンスは、符号化線ロケーションを決めるのに使用される、方向、カテゴリ(例えば、ストリートカテゴリ)及び高度等の追加情報と共に、地理的座標により定義された2以上のロケーションの順序リストを含む。
【0011】
そのような動的ロケーション参照方法を使用して符号化される、ある一般的なタイプのロケーションは、線に沿った地点ロケーションである。その地点ロケーションは、その地理的座標を使用して単純に記述されているのではなく、更に道路又はナビゲート可能ネットワークの区分との関連により記述されている。より具体的には、ロケーションは、一般的にオフセットと呼ばれる、少なくとも2つのノード間の線に沿った任意の距離であるものとして通常定義され、且つ、線の何れかの側の上、線の両側の上、又は、ダイレクトに線の上であるものとして、及び、更にいくつかの実施形態では線に沿った運転方向に対する方向を有するものとして、さらに定義されうる。そうしたロケーションの例は、番地、アドレス地点、そして、ガソリンスタンド、ショッピングモール、レストラン、インディケーションループ(indication loop)、及び、更にはスピードカメラ等の着目地点(POI)でありうる。
【0012】
動的ロケーション参照方法は通常高精度であり、復号ロケーションが、符号化された元のロケーションと等しいという非常に高い確率、例えば90%超を提供するが、上手く復号できないロケーションもいくつかあるだろう。そうした状況では、すなわち符号化ロケーションが決め(resolve)られない時は、そのロケーションは本質的に失われ、(ロケーションが復号されている)デジタル地図を使用する装置は、ロケーションを表示したり、そうでなければ使用したりすることができないであろう。従って、例えば、復号されているロケーションがスピードカメラ又は他のスピード違反取り締まり装置に関連する時、存在することが分かっているにも関わらず、ユーザにカメラが通知されないことになりうる。
【0013】
本発明は、規則的な復号プロセスが失敗した場合でも、任意の受信された符号化“線に沿った地点”ロケーションについて適切な位置が常に判定できることを保証することによって、こうした体験を軽減する方法を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【0014】
本発明によれば、ロケーションリファレンスから地点ロケーションを決める方法であって、前記ロケーションリファレンスは複数のロケーションリファレンス地点を含み、各ロケーションリファレンス地点は、第1のデジタル地図におけるノードを表し、且つ、開始ロケーションリファレンス地点と終了ロケーションリファレンス地点との間の経路を定義するために、前記ノードの地理的座標を含む、前記第1のデジタル地図におけるそれと関連付けられた属性を有し、前記ロケーションリファレンスは前記経路に沿った距離を表すオフセット値を更に含み、前記方法は、
前記開始ロケーションリファレンス地点及び前記終了ロケーションリファレンス地点の地理的座標を取得することと、
前記オフセット値に対応する、前記開始ロケーションリファレンス地点から前記終了ロケーションリファレンス地点の地理的座標間に延びる線に沿ったロケーションの地理的座標を判定することと、
前記判定された地理的座標を第2のデジタル地図における前記地点ロケーションの概略ロケーションとして使用することと、
を含む方法が提供される。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記方法は前記概略ロケーションを前記第2のデジタル地図の区分とマッチングすることを更に含む。前記マッチングすることは、好適には、前記概略ロケーションの前記地理的座標に対して最も近い区分(又は、いくつかの実施形態では前記最も近い区分は任意の属性、例えば前記ロケーションリファレンスに含まれる前記属性に類似する属性を有する)を判定することと、前記概略ロケーションを前記線に直角に沿った前記区分に投影することとを含む。これらの実施形態では、前記区分上の前記投影されたロケーションは、前記第2のデジタル地図における前記地点ロケーションの概略ロケーションとして次に使用される。
【0016】
前記オフセット値は、前記経路に沿った実際の距離寸法、例えば前記開始又は終了ロケーションリファレンス地点からのメートルであり、あるいは、割合寸法、例えば百分率値として与えられうる。
【0017】
前記ロケーションリファレンスは、2つのロケーションリファレンス地点、すなわち開始及び終了ロケーションリファレンス地点、のみを含んでもよい。他の実施形態では、前記ロケーションリファレンスは、前記開始及び終了ロケーションリファレンス地点間の1以上の中間ロケーションリファレンス地点を伴う2つより多くのロケーションリファレンス地点を含んでもよい。
【0018】
本発明は、ここに記載される本発明の態様又は実施形態の何れかに従った方法を実行する電子処理装置に及ぶ。
【0019】
従って、本発明の第2の態様によれば、ロケーションリファレンスから地点ロケーションを決める装置であって、前記ロケーションリファレンスは複数のロケーションリファレンス地点を含み、各ロケーションリファレンス地点は、第1のデジタル地図におけるノードを表し、且つ、開始ロケーションリファレンス地点と終了ロケーションリファレンス地点との間の経路を定義するために、前記ノードの地理的座標を含む、前記第1のデジタル地図におけるそれと関連付けられた属性を有し、前記ロケーションリファレンスは前記経路に沿った距離を表すオフセット値を更に含み、前記装置は、
前記開始ロケーションリファレンス地点及び前記終了ロケーションリファレンス地点の地理的座標を取得する手段と、
前記オフセット値に対応する、前記開始ロケーションリファレンス地点から前記終了ロケーションリファレンス地点までの地理的座標間に延びる線に沿ったロケーションの地理的座標を判定する手段と、
前記判定された地理的座標を第2のデジタル地図における前記地点ロケーションの概略ロケーションとして使用する手段と、
を備える装置が提供される。
【0020】
当業者に理解されるように、本発明のこの更なる態様は、必要に応じて、本発明の他の態様の何れかについてここに記載の本発明の好適な又は選択的な特徴の何れか1つ以上又は全てを含むことができ、好適には含む。明示的に述べられていなくても、ここでの本発明のシステムは、何れかの態様又は実施形態における本発明の方法に関して記載された任意のステップを実行する手段を備えてもよい。
【0021】
本発明はコンピュータ実施発明であり、本発明の態様又は実施形態の何れかに関連して記載された任意のステップは、1以上のプロセッサのセットの制御下で実行されてもよい。システムに関連して記載された任意のステップを実行する手段は、1以上のプロセッサのセットであってもよい。
【0022】
一般に、任意の実施形態の本発明は、少なくとも1つの処理装置であってもよく、あるいは、少なくとも1つの処理装置で実行されてもよい。処理装置は、PND又は一体型装置であるナビゲーション装置等のモバイル装置、又は、サーバの装置であってもよい。
【0023】
本発明に従った方法の何れかは、ソフトウェア、例えばコンピュータプログラムを少なくとも部分的に使用して実施されてもよい。従って、本発明は、本発明の態様又は実施形態の何れかに従った方法を実行する、あるいは、ナビゲーション装置及び/又はサーバ等の装置に実行させるための実行可能なコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラムにも及ぶ。
【0024】
それに応じて、本発明は、データ処理手段を備えるシステム又は装置を動作させるために使用される時に、前記データ処理手段と連動して、前記装置又はシステムに本発明の方法のステップを実行させるソフトウェアを含むコンピュータソフトウェアキャリアにも及ぶ。当該コンピュータソフトウェアキャリアは、ROMチップ、CDROM又はディスク等の非一時的な物理記憶媒体でありえ、あるいは、有線での電子信号、光学信号、又は、衛星等の無線信号等の信号でありうる。本発明は、機械で読み取られた場合に前記機械に本発明の態様又は実施形態の何れかの方法に従って動作させる命令を含む機械可読媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
添付図面を参照して本発明の実施形態が以降で更に記載される。
【
図1】
図1は、本発明の実施形態によるシステムの図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態により近似された地点を例示する。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態による投影地点を例示する。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による方法を例示する。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態によるシステムを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
OpenLR(商標)ロケーション参照方法を使用して符号化されるような、線に沿った地点を表すロケーションリファレンスを特に参照して、本発明の実施形態を記載する。しかしながら、上述したように、実施形態は、AGORA−C及びTPEG−ULR等の、他の動的ロケーション参照方法を使用して符号化されたロケーションリファレンスを決めることに同様に適用可能であることが理解されるだろう。
【0027】
本発明の実施形態は、固定又はモバイルのスピードカメラ、赤信号カメラ等のスピード違反取り締まり装置に代表されるロケーションリファレンスを決めることを特に参照して記載もされるだろう。
【0028】
しかしながら、ロケーションリファレンスは他の着目地点(POI)も表してもよいことが理解されるだろう。用語“着目地点”は、当該技術の通常の意味を持ち、従って、特定のロケーションにおける永続的又は一時的なオブジェクト、例えば人間又は会社にとって関心のあり且つ継時的に変化する特性を有してもよい地点又は領域、を指している。それ故、POIは、店、観光地等の建物、又は公園等のエリアであってもよい。同様に、POIは、(上述の)スピード制限違反取り締まり装置、駐車スペース、例えば電気車両のための充電所、及び(遠隔ロケーションから送信されるデータを表示可能な)動的広告スペースであってもよい。
【0029】
図1は、モバイル及び/又は固定のスピードカメラ等のスピード制限違反取り締まり装置の更新データベース46を維持し、更新されたスピードカメラ情報50を複数のモバイル装置20又は別のサーバ60へ送信する例示的なシステムを示す。モバイル装置20は、好適には、(装置が位置している)車両がスピード制限違反取り締まり装置に近づいている時にユーザに警告を提供するように構成される。特に、警告は、道路の法定スピード制限を超えたスピードでスピード制限違反取り締まり装置に車両が近づいている時に提供されてもよい。警告は、モバイル装置のディスプレイ上での視覚的な警告、可聴警告、触覚警告、それらの所望の組み合わせを含んでもよい。当該警告を提供するために、ナビゲーション装置は、少なくともスピード制限違反取り締まり装置のロケーション及び当該装置のスピード制限を含むスピード制限違反取り締まり装置のデータベースにアクセスする。データベースは、モバイル装置のメモリに通常格納され、サーバ10からの新しいデータで定期的に更新されるだろう。しかしながら、モバイル装置20は、すぐ近くにあるか、あるいは、移動されるべき計画ルート上にあるスピード制限違反取り締まり装置のデータベースの部分を一時的に格納するのみであってもよいことが想定される。
【0030】
スピードカメラの性質により、例えば新しい固定スピードカメラが継続的に取り付けられており、固定スピードカメラは新しいロケーションに移動されるかもしれず、モバイルスピードカメラはしばしば短い期間動作するであろうし、サーバ10のデータベース46における情報は、正確且つ最新であることを保証するために常にリフレッシュされる必要がある。
【0031】
スピードカメラの現在のステータスについての情報は、データベース46の情報の精度に関連し、多数のソースから取得でき、データベース46を更新するために融合エンジン40で組み合わされる。例えば、カメラの存在又はその属性を確認するか、あるいは、カメラの削除を要求するユーザレポート30が、例えばモバイル装置20のユーザから受信されうる。ユーザレポートは必要に応じてモバイル装置20で任意の方法で生成されてもよい。例えば、ナビゲーション装置は、レポートを自動的に生成してサーバ10へ送信するために押下できるハードボタン又は(タッチスクリーンディスプレイ上の)ソフトキーを有してもよい。当該レポートは、ボタン押下時のロケーション、スピード及び/又は装置20(ひいては車両)の移動方向を含んでもよい。スピードカメラについての追加の情報又はより正確な情報が、続いて、サーバ10に送信される前にユーザによりレポートに追加されてもよい。例えば、ユーザは道路の実際の速度制限を提供してもよく、必要に応じてスピードカメラのロケーションを調整してもよい(例えば、レポートで提供される装置のロケーションは、スピードカメラの実際の一を常に反映するとは限らないが、通常はカメラの実際の位置の前後の短い距離にあるだろう)。スピードカメラデータは、政府データ、他の会社のニュースペーパー及び他の新聞雑誌ソース等の様々なサードパーティ32からも取得できる。スピードカメラの存在は、モバイルマッピング車両により収集され、モデレータ34により確認された画像等のソースから更に判定できる。個々の車両又は車両36の集合の速度の変化からスピードカメラのロケーションが推論されることも想像される。
【0032】
融合エンジン40では、受信したスピードカメラ情報が、(i)スピードカメラデータベース46に既に存在する情報、(ii)例えば、スピードカメラのロケーションを特定するための、地図データベース42からの情報、及び(iii)例えば、特定のユーザから以前に受信したレポートの精度に関する指標を提供するためのユーザトラストデータベース44からの情報、のうちの1つ以上と組み合わされてもよい。これら全てのソースからの情報は、新規の又は補正されたスピードカメラのエントリをスピードカメラデータベース46において作成するために融合エンジン40により組み合わされる。
【0033】
理解されるように、各スピードカメラは多数の属性と共にデータベース46に格納される。これらの属性は、地理的座標の観点でのカメラのロケーション(例えば緯度および経度);デジタル地
図42内の区分に対するカメラのロケーション、例えば区分に沿った位置、カメラが位置する区分の側;スピードカメラの種類(例えば固定カメラ、モバイルカメラ等);カメラと関連付けられたスピード制限;および、カメラが動作している期間、のうちの1つ以上を含みうる。
【0034】
いくつかの実施形態では、モバイル装置20は、装置の現在位置およびデジタル地図に基づいて、スピードカメラを示す警告等の移動情報をユーザへ提供するように構成される。それ故、モバイル装置は、ロケーションデータを含む衛星ブロードキャスト信号が受信されて続いて装置の現在位置を判定するために処理されうる全地球航法衛星システム(GNSS)アンテナ等の、装置の現在位置を判定する手段を備える。いくつかの場合モバイル装置におけるデジタル地図はサーバ10におけるデジタル地
図42と同一であってもよいが、多くの場合それらは異なっているだろう。従って、スピードカメラデータベース46内の情報の変更または更新は、デジタル地図に依存しない形式で、すなわち動的ロケーション参照方法を使用した地図非依存の方法で、(更新メッセージ50として)モバイル装置20へ送信されることがしばしば必要とされる。
【0035】
同様に、他の実施形態では、スピードカメラデータベース46の更新は、第三者サーバ60へ、例えばバルク供給52として送信されてもよい。第三者は、例えば更新を独自のフォーマットへ変換した後に、これらの変更を関連モバイル装置へ送信してもよい。従って、再び、スピードカメラデータベース46内の情報の変更または更新は地図非依存形式で送信されることが望まれる。
【0036】
従って、更新エンジン48において、新規の、修正又は消去されるべきスピードカメラのロケーションは、
好適にはOpenLR(商標)等の動的ロケーション参照方法を使用して符号化される。
【0037】
例えば、OpenLR(商標)を使用する場合、当業者に理解されるように、スピードカメラのロケーションは、“線に沿った地点”タイプとして記述され、参照経路は“最初の(第1の)ロケーションリファレンス地点(LRP)”と“最後のLRP”との間に規定される。最初のLRPは、参照経路の開始を記述し、最後のLRPは参照経路の終了を記述する。最初のLRPは以下の属性を有する。COORD(地理的座標、例えば緯度および経度);BEAR(ベアリング、方角);FRC(機能道路クラス);FOW(道の形態);LFTCNP(次の地点に対して最も低い機能道路クラス);およびDNP(次の地点までの距離)。最後のLRPは以下の属性を有する。COORD(地理的座標、例えば緯度および経度);BEAR(ベアリング、方角);FRC(機能道路クラス);およびFOW(道の形態)。通常、ロケーションリファレンスは、メートルで又は経路長のパーセンテージのどちらかで、最初のLRPからの距離を示すPOFF(正のオフセット)属性をさらに含むだろう。また、スピードカメラが位置する道路の側を示すSOR(道路の側)属性および/または運転方向に対するスピードカメラの方位を示すORI(方位)属性をさらに含んでもよい。スピードカメラの当該属性、あるいは変更された属性はロケーションリファレンスとも関連付けられるだろうし、従ってモバイル装置20のうち1つ以上へ、あるいは別のサーバ60へ、送信できる更新メッセージを作成する。
【0038】
これらの更新メッセージはモバイル装置20又はサーバ60により受信され、そこに含まれる情報の復号する試みがなされる。換言すると、当該装置又はサーバで動作するデコーダはロケーションリファレンスを受信し、それと、当該装置又はサーバに格納されたデジタル地図内のロケーションとをマッチングさせることを試行するだろう。このデジタル地図は、ロケーションを符号化するのに使用した、すなわちロケーションリファレンスを作成するのに使用したデジタル地図と同一であってもよいが、例えば異なるバージョンのデジタル地図であったり、異なる地図プロバイダにより提供されていたり、しばしば異なっているだろう。多くの場合、ロケーションリファレンスは首尾よく決められ、スピードカメラはデジタル地図内の適切なロケーションとうまくマッチングされ、その後、例えばユーザがスピードカメラに近づいた時にユーザに警告するために使用されうる。しかしながら、時にはロケーションリファレンスが決められないこともあるだろう。
【0039】
この後者の状況では、ロケーションリファレンスが常に決められることを保証する方法を有することが望まれる。従って、少なくとも本発明の実施形態において、“線に沿った地点”ロケーションリファレンスを決めるためのデコーダの失敗の後に、2つのLRPの地理的座標がロケーションリファレンスから取得される。通常、地理的座標は、ロケーションを決めるためのオリジナルの試行においてロケーションリファレンスから既に抽出されているだろう。
図2に示されるように、抽出された複数の地理的座標はそれらの間に延びる直線を規定するために使用されうる。再びロケーションリファレンスから抽出されたオフセット属性は、線に沿った概略(近似)地点ロケーションを規定するために使用されうる。例えば、オフセット属性が最初のLRPからの参照経路長の20%である
図2の実施形態では、概略地点ロケーションは規定の直線に沿った距離の20%であり、従って概略地点ロケーションの地理的座標を判定できる。いくつかの実施形態では、判定された概略地点ロケーションは、例えば表示または更なる処理のために、モバイル装置又はサーバで、スピードカメラのロケーションとして使用される。
【0040】
他の実施形態では、
図3に示されるように方法は更なるステップを含むことができ、概略地点ロケーションはモバイル装置又はサーバにおけるデジタル地図内の−投影地点ロケーションにより示されるように−区分上に投影されうる。区分は、概略地点ロケーションに最も近い区分であってもよいし、あるいは、例えばロケーションリファレンスから抽出された追加属性のうちの1つ以上に基づいて、ある属性を有する概略地点ロケーションの所定距離内にある区分であってもよい。判定された投影地点ロケーションは、例えば表示または更なる処理のために、モバイル装置又はサーバで、スピードカメラのロケーションとして使用されうる。
【0041】
図4は、本発明の実施形態による方法400を示す。方法400は、本発明の実施形態によるシステム500を示す
図5を参照しながら説明する。方法400は、ロケーションリファレンスから地点ロケーションを決める方法である。方法は、コンピューティング装置530、例えばモバイルコンピューティング装置のプロセッサ等の、当該方法のステップを実行する手段を有する装置によって実行されてもよい。方法400は、符号化ロケーションが決められない場合にコンピューティング装置530によって実行されてもよい。符号化ロケーションは、サーバコンピュータ又は別のモバイルコンピューティング装置等の別のコンピューティング装置510からコンピューティング装置530によって受信されてもよい。ロケーションリファレンスは、少なくとも部分的にインターネットを含んでもよく且つモバイル通信ネットワークも含んでもよい通信ネットワーク520を介して、別のコンピュータ装置510からモバイルコンピューティング装置530へ伝達される。ロケーションは、OpenLR(商標)、AGORA−C又はTPEG−ULRのうちの1つ等の、動的ロケーション参照技術を使用して符号化されていてもよいが、他の動的ロケーション参照技術が使用されてもよいことが認識されるだろう。
図5を参照すると、方法400は、装置530のロケーションまたは専用ナビゲーション装置等のユーザへナビゲーション情報を提供する装置のロケーションに応じてナビゲーション又は他のソフトウェアを実行してもよいスマートフォン、タブレット等のモバイルコンピューティング装置530によって実行されてもよい。ソフトウェアは、装置530のロケーションに近くにあるPOIのユーザへ通知を提供してもよい。POI530はスピード違反取り締まり装置であってもよい。
【0042】
別のコンピュータ装置510、以後サーバコンピュータ510は、第1のフォーマットによるデジタル地図データを格納する地図データベース515と関連付けられている。コンピューティング装置530は第2のフォーマットによる地図データベース535と関連付けられている。第1および第2のフォーマットは、異なるプロバイダまたはサプライヤによって提供される地図データ、異なるソースデータに基づく地図データまたは異なるバージョンの同じ地図でデータであってもよい。第1および第2のフォーマット間の他の変形例も想定されてもよいことが理解されるだろう。サーバコンピュータ510は、第1のフォーマットによる地図データベース515に基づいてロケーションを判定する。ロケーションは、スピード違反取り締まり装置等のPOIのロケーションに対応してもよい。ロケーションは、次に動的ロケーション参照技術に従って符号化され、通信ネットワーク520を介してコンピューティング装置530へ伝達される。コンピューティング装置530は、第2のフォーマットによる地図データベース535を参照して符号化ロケーションを決めることを試みる。方法400は、例えば第1および第2のフォーマット間の差異により、符号化ロケーションを決めることが失敗した場合に実行される。方法400は、符号化ロケーションが装置530により破棄されるのを回避するために、例えばスピード違反取り締まり装置の警告が提供されることの失敗を防止するために実行される。
【0043】
ステップ410では、ロケーションリファレンス地点の座標が判定される。符号化ロケーションは経路の開始および終了を特定する少なくとも第1および第2のロケーションリファレンス地点を含む。ロケーションリファレンス地点は地理的座標に対応しており、地図データ内のノードに対応してもよい。ノードは“リアル”又は“有効”ノードであってもよく、ノードは、道路区分が交差する道路交差点等の道路特徴を表し、あるいは“人工”、“仮想”又は“回避可能”ノードを表してもよく、それらは千二沿った地点を表すノードである。“仮想”ノードは、リアルノードの一端又は両端で規定されていない区分のアンカーとして提供されてもよい。これらの人工ノードは、とりわけ、道路の特定ストレッチの形状情報を提供するのに、あるいは道路のいくつかの特性、例えばスピード制限、が変化する道路に沿った位置を特定する手段を提供するのにデジタル地図において役立つ。座標は、例えば緯度および経度等の座標系でロケーションリファレンス地点の地理的ロケーションを特定するが、他の座標系が使用されてもよい。
図2に示される第1のロケーションリファレンス地点の座標210および第2のロケーションリファレンス地点の座標220がステップ410で判定される。座標は、符号化ロケーションを決めるための以前に失敗した試行からコンピューティング装置530にとって利用可能であってもよい。
【0044】
ステップ420では、
図2に示されるようにステップ410から取得された座標210、220間の線230が判定される。線230は、第1および第2の座標210、220を横切る、それらの間の経路を示す直線であってもよい。
【0045】
ステップ430では、線230に沿ったロケーションが判定される。ロケーションは、
図2に示されるように、決めることに失敗した符号化ロケーションに近いロケーション250として判定される。ロケーションは、経路に沿った距離を表すオフセット値240に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、オフセットは第1および第2のロケーション210、220間の経路の長さのパーセンテージ値を示す。他の実施形態では、オフセットは、例えば第1の座標210からの、経路に沿った絶対距離を示してもよい。従って、ステップ430の結果、ロケーション250が判定される。決めることに失敗した符号化ロケーションの概略(近似)として使用されてもよい。ロケーション250は、スピードカメラ等の着目地点のロケーションとして使用されてもよく、その結果、例えば、モバイルコンピューティング装置のロケーションがスピードカメラのロケーションに近づくと警告が提供されてもよい。いくつかの実施形態では、方法400はステップ430の後に終了してもよい。
【0046】
他の実施形態では、方法400は、ステップ430で判定されたロケーション250が置き換えられる、あるいは道路区分へ投影される、更なるステップ440を備える。道路区分は、地図データベース535に存在するものであってもよい。ステップ440では、地図データベース535内の道路区分は1以上の基準に従って選択されてもよい。基準は、概略地点ロケーション250に最も近い区分、または、例えばロケーションリファレンスから抽出された1つ以上の追加属性に基づいた、ある属性を有する概略地点ロケーションの所定距離範囲内の区分、である1つ以上の道路区分を含んでもよい。例えば、道路区分は、区分が代表する道路のクラスを示す属性に基づいて選択されてもよい。
図3に示されるように、道路区分310がステップ440で選択される。ステップ440では、地点は、ステップ430で判定されたロケーションに基づいて道路区分310に投影される。投影地点320は、ステップ430で判定された概略ロケーション250に最も近い道路区分310に沿ったロケーションであってもよい。投影地点320は、例えば、スピードカメラ警告を提供するために符号化ロケーションとして使用されてもよいが、本発明の範囲内での他の使用が想定されることが認識されるだろう。
【0047】
明示していない場合でも、本発明は、その側面の何れかにおいて本発明の他の側面又は実施形態についての特徴の何れか又は全てを相互に排他的でない程度まで含んでもよいことが理解されるだろう。特に、方法及び装置によって実行されてもよい様々な実施形態の動作が説明されているが、これらの動作の何れか1つ以上又は全てが、何れかの組み合わせで、必要に応じて、適切に、方法及び装置によって実行されてもよいことが理解されるだろう。