(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
長手方向が同心軸上に並ぶように配置され、それぞれが同じ周波数の交流信号によって励磁される3個以上のセンサコイル(3)を有してなるセンサコイル部(12,41)と、
各センサコイル(3)の両端の差動信号を出力する複数の差動信号出力手段(16)と、
2つのセンサコイル(3)に対応する差動信号を減算して、減算信号を出力する複数の減算信号出力手段(17)と、
前記センサコイル部(12,41)の外周側又は内周側に位置し、前記センサコイル(3)のインピーダンスを変化させる材料からなる測定体(13,55)が前記同心軸方向に沿って移動した際の前記測定体(13)の軸方向位置を、前記減算信号を演算することで線形に変化する位置信号として出力する位置検出手段(19,19A,19B)とを備える位置検出装置において、
前記測定体(13,55)の長さは、少なくとも1つのセンサコイル(3)の長さ以上であり、
複数の差動信号を演算した結果に基づいて、前記測定体(13,55)の現在位置に対応するセンサコイル(3)を特定するコイル特定手段(19,19A,19B)を備え、
前記位置検出手段(19,19A,19B)は、前記コイル特定手段(19,19A,19B)により特定されるセンサコイル(3)に基づいて、複数の減算信号の変化が、複数のセンサコイル(3)の配列順に応じて連続するように位置信号を合成して出力することを特徴とする位置検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について
図1から
図7を参照して説明する。
図4は、センサ部の構成例を示す縦断側面図である。中空円筒状のコイル保持体1の外周側には、間に絶縁材2を介して、複数(例えば6個の)のコイル3A〜3Fが軸方向に連続するように配置されている。これらのコイル保持体1及びコイル(センサコイル)3等は、中空円筒状のセンサスリーブ4の内部に挿入されている。センサスリーブ4の先端部(図中左端側)は、先端部カバー5により封止されている。
【0014】
センサスリーブ4の後端部は、センサケース6の先端部に接続されている。各コイル3の両端に接続される配線7は、コイル保持体1の内部を経由してその後端よりセンサケース6の内部に導出されている。尚、配線7は、コイル3の外側(表面)を引き回しても良い。センサケース6の下部には、センサ引出しケーブル8が接続されており、センサ引出しケーブル8の内部には、
図1に示す検出回路9より引き出された配線10が引き回されている。そして、配線7及び10は、センサケース6内ではんだ付けにより接続されており、センサケース6の後端部は、後端カバー11により覆われている。以上がセンサ部12を構成している。
【0015】
測定体13はリング状であり、センサスリーブ4の外周側を軸方向に直線変位するように配置されている。測定体13は、各コイル3のインピーダンス(インダクタンス)を変化させる部材(材質)で有れば良いから、磁性材,非磁性材の何れでも良い。測定体13に磁性材を使えば、測定体13が近接することでコイル3のインピーダンスは上昇し、非磁性材を使えばインピーダンスは逆に下降する。また、測定体13の軸方向長さは、少なくとも1つのコイル3の軸方向長さ(1区間)に等しければ良い。このように測定体13は、例えば非磁性材からなるパイプのような非常にシンプルなもので良く、極めて低コストであり、強度、耐環境性に優れるという特長を有する。
【0016】
図1は、主として検出回路9の構成を示す機能ブロック図である。コイル3A〜3Fは直列に接続されており、その直列回路の上端であるコイル3Aの一端は、検出回路9が備える発振器14より発振出力され、励磁部15を介した交流信号が印加されている。また、前記直列回路の下端であるコイル3Fの一端はグランドに接続されている。検出回路9は、それぞれがコイル3A〜3Fに対応する6個の差動増幅回路16A〜16F(差動信号出力手段)を備えており、各差動増幅回路16A〜16Fの入力端子は、対応するコイル3A〜3Fの両端に接続されている。
【0017】
差動増幅回路16A〜16Fは、対応するコイル3A〜3Fの両端電圧をVa〜Vfとして出力する。次段には、5個の演算回路17(1)〜17(5)(減算信号出力手段)が配置されており、演算回路17(1)の入力端子X及びYには電圧Va及びVbが入力されている。同様に、演算回路17(2)〜17(5)の入力端子X及びYには、それぞれ電圧Vb及びVc、電圧Vc及びVd、電圧Vd及びVe、電圧Ve及びVfが入力されている。尚、差動増幅回路16A〜16F及び演算回路17(1)〜17(5)にはゲインを付与しても良く、ゲインを付与することで、次段のA/Dコンバータ18に入力する信号レベルを増大させてS/N比を改善できる。
【0018】
図2は、演算回路17の内部構成例を示す。
図2(a)に示す構成では、入力端子Xは、整流部17Xa及びローパスフィルタ(LPF)17Xbを介して演算器17cの入力端子Aに接続されている。同様に、入力端子Yは、整流部17Ya及びLPF17Ybを介して演算器17cの入力端子Bに接続されている。すなわち入力信号は、整流部17aにおいて交流信号が整流され、LPF17bにより平滑されてから演算器17cに入力される。演算器17cは、入力端子A,Bに与えられた信号の減算結果(A−B)を出力する。
【0019】
図2(b)に示す構成では、初段に演算器17cが配置され、それに続いて整流部17a及びLPF17bが配置されている。また、
図2(c)に示す構成では、(a)の演算器17cを演算器17dに置き換えている。演算器17dは、減算結果(A−B)を加算値(A+B)で除したものを出力するが、これは次段のA/Dコンバータ18における参照電圧の変動の影響を除去する、所謂レシオメトリック動作に対応した構成である。
【0020】
演算回路17(1)は、演算結果として信号Vab(=Va−Vb)を出力する。演算回路17(2)は、演算結果として信号Vbc(=Vb−Vc)を出力する。同様に、演算回路17(3)〜17(5)は、演算結果として信号Vcd,Vde,Vefをそれぞれ出力する。これらの演算結果は、それぞれA/Dコンバータ18(1)〜18(5)を介してコントローラ19(位置検出手段、コイル特定手段)に入力される。
尚、
図3に示すように、A/Dコンバータ18を1つだけ用い、その入力側にマルチプレクサ20を配置して、コントローラ19が信号Vab〜Vef等を時分割で切り換えて入力するように構成しても良い。
【0021】
コントローラ19は、CPUやマイクロコンピュータ、ゲートアレイやFPGA(Field Programmable Gate Array)等で構成され、A/Dコンバータ18を介して信号Vab〜Vefを読み込んで測定体13の位置を求める。コントローラ19には、例えばフラッシュROM等の不揮発性メモリ21が接続されており、コントローラ19は、不揮発性メモリ21に予め記憶させた情報に基づいて、測定体13の絶対的な位置(オフセット成分、ゲイン成分)や直線性の補正、温度ドリフト特性の補正などを実施可能である。
【0022】
コントローラ19は、求めた測定体13の位置を、外部インターフェイス(I/F)22を介して上位ユニット23に出力する。外部I/F22は、位置データをパラレル出力する以外にもネットワークI/F機能を備えることで、ネットワークシステムに接続することも可能になる。
【0023】
また、コントローラ19には、接点出力部24を介して外部機器25が接続されている。コントローラ19は、接点出力部24を介して外部機器25にON/OFF信号(接点の開閉信号)を出力することで、リミットスイッチ機能が実現可能である。リミットスイッチ機能とは、測定体13の所定位置を閾値として、接点出力部24の接点をON/OFFする機能である。
【0024】
リミットスイッチ機能は、位置検出装置(センサ)をひとつのデバイスとして見ると、ハードウェア動作(一度設定されたら破損しない限り動作する)と等価である。たとえ上位ユニット23や上位ユニット23とのデータの送受信等が何らかの不具合により動作異常に陥っても、リミットスイッチ機能は、位置検出装置単体として規定通りの動作をする。したがって、安全装置として動作させる等、システムの安全性を向上させる要素となる。本実施形態の位置検出装置はアブソリュート型であるから、位置データの信頼性は高く、リミットスイッチ機能に求められる高信頼性という要求にも適合し易い。
【0025】
なお、リミットスイッチ機能は、検出範囲内の複数の位置に対応してON/OFFさせることも可能である。
図1においてリミットスイッチ機能を持つ接点出力部24は1つだが複数あっても良い。さらに閾値は、外部I/F22からの入力信号で任意の位置に指定しても良いし、設定スイッチ26等により切替え設定しても良い。
【0026】
また、上述のリミットスイッチ機能に、例えば所定時間当たりの位置の変化と所定閾値との比較結果に応じてON/OFF信号を出力する制限速度検出機能を加えても良い。制限速度検出機能は、測定体13の移動速度が基準(制限の目安)となる所定閾値以上となった時に、出力信号をON又はOFFにする機能であり、外部機器25により各種設定を行うことができる。
また、検出回路9は外部電源27からの電源供給を受けて、図示しない電源回路により例えば電圧5V程度の内部電源28を生成し、その内部電源28が各部に供給されることで動作する。尚、センサ部12及び検出回路9が位置検出装置29を構成している。
【0027】
次に、本実施形態の作用について
図5を参照して説明する。測定体13がセンサスリーブ4に沿って移動した際に、1つのコイル3のインピーダンス(インダクタンス)が上昇すれば、別のコイル3ではインピーダンスが下降する。検出回路9は、それら2つのコイル3の信号を、ハーフブリッジ型差動トランスと同様に差動信号処理する。
【0028】
上記のようにコイル3のインピーダンスを変化させるには、測定体13の長さ寸法は、
図5中に示す「1区間(1つのコイル3の軸方向長さ)」のN倍(Nは自然数)の値に設定すれば良い。したがって、検出対象となるコイル3は、必ずしも互いに隣接する位置関係になるとは限らない(例えば、N=2であれば、コイル3A−3C間で差動信号処理する。第7実施形態参照)。
【0029】
図5は、測定体13が変位した際の各部の信号変化を示している。この例では、測定体13の材質を非磁性材の導体としている。また、測定体13の長さは、コイル3の1区間分に等しいものとする。コイル3Aが図中の左端に位置しており、それに続いてコイル3B〜3Dが図中右方向に順次並んで配置される。尚、コイル3は3個以上であれば上限はない。各コイル3A〜3Dは、全て同じものである。
各信号Va〜Vcは、測定体13の中心部が位置した時の信号レベルをプロットしたもので、コイル3のインピーダンスに比例するように変化している。測定体13が何れのコイル3にもオーバーラップしていない状態では、各信号Va〜Vcは何れも最大値(
図5中のVmax)を示している。
【0030】
測定体13が
図5中のPOS方向(右矢印方向)に移動し、コイル3Aにオーバーラップし始めると、信号Vaのレベルは徐々に低下する。測定体13が更に移動して、その中心部がコイル3Aの中心に重なった時、信号Vaのレベルは最低値(図中のVmin)となる。そこから、測定体13が更にPOS方向に移動すると信号Vaのレベルは再び上昇を開始し、コイル3Aと測定体13のオーバーラップがなくなると、信号Vaは最大値に戻る。このように、測定体13の位置によって信号Vaが変化する範囲は、コイル3Aとオーバーラップする範囲だけである。その範囲の長さは、コイル3の2区間分に当たる。同様に、信号Vb、Vcも、測定体13の通過に伴いレベルが変化する。
【0031】
ここで、図中に示す「コイルA、Bによる測定区間」(以下、第1測定区間と称す)に着目する。この区間は、コイル3Aの中心からコイル3Bの中心の間に、測定体13の中心が位置する範囲である。測定体13がPOS方向に移動した場合、この範囲内で信号Vaのレベルは徐々に増加(単調増加)し、信号Vbのレベルは徐々に減少(単調減少)する。
【0032】
この範囲における演算値「Va−Vb」は、一定の傾きで増加する信号となる。コイル3A及び3Bが同一の特性であれば、演算値「Va−Vb」は第1測定区間の中心点でゼロになる。この動作原理は、コイル3A及び3B並びに測定体13で構成された差動トランスの動作原理である。すなわちこの構成によれば、第1測定区間において、測定体13のPOS方向移動位置を検出するセンサとして動作し、演算値「Va−Vb」は、第1測定区間内で測定体13の位置を示すことになる。また、動作原理が差動トランスと同じということは、位置検出装置29は、差動トランスが有しているメリットを同じく有していることになる。
【0033】
同様に、「コイルB、Cによる測定区間」(以下、第2測定区間と称す)では演算値「Vb−Vc」が、「コイルC、Dによる測定区間」(以下、第3測定区間と称す)では演算値「Vc−Vd」が、測定体13のPOS方向への移動に伴い変化する。そして、上記の各測定区間は、測定体13の移動に伴いコイル3の1区間毎に発生するので、対応する各演算値は、互いに隣接して得られる位置データとして連続的に読み込むことができる。
【0034】
ここで、測定体13が第1測定区間にある場合は、演算値「Va−Vb」を一番末端区間(図中の測定体13が左端)の位置を示すデータとして出力する。さらに、測定体13が第2測定区間にある場合は、演算値「Vb−Vc」を、1区間分の長さに相当する位置データを「オフセット」として、位置データに追加する。
【0035】
同様に、測定体13が位置する測定区間に応じて、それまでに通過した測定区間数がNであれば、1区間分の長さ相当の位置データのN倍を「オフセット」として位置データに追加する。この状態を、
図5中の「波形合成」に示す。これにより、複数の測定区間に亘って直線的に変化する(連続的に変化する)位置データを読み取ることができる。
図5に示すように、コイル3の数が「4」の場合、位置が測定可能な区間数は「3」である。同様に、センサ部12がN個のコイル3で構成されている場合は「N−1」の区間が測定範囲となる。なお、上記のように位置データにオフセットを追加する処理は、コントローラ19がデータをデジタル処理すれば容易に実現できる。
【0036】
次に、コントローラ19が、測定体13がどの測定区間に位置しているかを認識するための手法について説明する。
図5に示す演算値「Va+Vb」に着目する。コイル3A及び3Bにより差動トランスとして動作する第1測定区間内に測定体13が位置する時、演算値「Va+Vb」は最低値Vmin_abを維持する。測定体13がこれ以外の区間に位置すれば、演算値「Va+Vb」は最低値Vmin_abよりも高い値を示す。同様に、第2測定区間内に測定体13が位置する時、演算値「Vb+Vc」は最低値Vmin_bcを維持する。
【0037】
第1、第2測定区間は隣接しているがオーバーラップはしないので、演算値「Va+Vb」と演算値「Vb+Vc」とがそれぞれ最低値Vmin_ab,Vmin_bcを維持する領域もオーバーラップしない。この演算値は「Va+Vb」、「Vb+Vc」、「Vc+Vd」、「Vd+Ve」…と連続して存在し、その数は、コイル3がN個ある時は(N−1)個存在する。
【0038】
したがって、測定体13が位置している測定区間(現在の測定区間)を判別するには、演算値「Va+Vb」〜「Vd+Ve」…を相互に比較すれば良く、最低値Vmin_ab等を示している区間が現在の測定区間となる。尚、何れの測定区間も最低値を示さない場合は、測定体13が測定可能範囲から逸脱していることを示すので、測定体13の位置異常(測定体13の脱落)の検知も容易にできる。
【0039】
ここまでの説明では、便宜上、演算値「Va+Vb」等の値を用いた。しかし、
図1に示す構成で、コントローラ19が読み込んでいるデータは、減算値「Va−Vb」〜「Vc−Vd」…である。加算値「Va+Vb」を得るには、加算器を別途用いれば良いが、以下に
図1に示す検出回路9の構成において加算値「Va+Vb」を得る手法を説明する。
【0040】
先ず、一番末端(左端)の区間、すなわち第1測定区間を判別するための加算値「Va+Vb」に相当する信号CHK_ABを、次式の演算により得る。
CHK_AB=(Va−Vb)−2×(Vb−Vc)
=(Va+Vb)−2×Vc
図6に示す信号CHK_ABの波形と
図5の演算値「Va+Vb」とを比較すると、第1測定区間で最低値Vmin_ab’等を維持する特徴が一致しており、現在の測定区間を判別するために使用できることが判る。
【0041】
次に、一番末端(左端)の区間に隣接する第2測定区間を判別するための加算値「Vb+Vc」に相当する信号CHK_BCを、次式の演算により得る。
CHK_BC=(Vc−Vd)−(Va−Vb)
=(Vb+Vc)−Va−Vd
図6に示す信号CHK_BCの波形と
図5の演算値「Vb+Vc」とを比較すると、やはり第2測定区間で最低値Vmin_bc’を維持する特徴が一致している。そして、信号CHK_CD、CHK_DE(図示せず)…についても、信号CHK_BCと同様な処理をすれば良い。
【0042】
以上のように、信号CHK_ABのみ演算が異なるが、それ以外については信号CHK_BCと同様な演算で得られる。なお、図示しないが右端の測定区間の判別は、CHK_AB信号と同様な演算を行って得られた信号を用いれば良い。したがって、差動信号だけがデータとして入力される構成でも、コントローラ19の演算により、測定区間判別用の信号を内部で生成できる。
【0043】
また、測定区間を判別するための信号を得るには、
図7に示す手法を用いても良い。例えば、信号CHK_BCを、次式の演算から得る。
CHK_BC=(Vc−Vd)×(Va−Vb)
得られた信号CHK_BCは、第2測定区間においてのみ負の値をとるので、測定体13が第2測定区間に位置していることを判別できる。
【0044】
尚、例えば各コイル3の特性にバラツキがあることにより、例えば第2、第3測定区間の判別に誤差が生じる可能性がある。これは例えば、別途説明する直線性補正などの際にバラツキも補正することで、各コイル3のバラツキによる区間判定誤差をなくすことができる。更に言えば、2つの測定区間の境界に極めて近い領域において、例えば本来は第3測定区間であるのに第2測定区間と間違えて判定しても、演算値「Vb−Vc」は
図5に示すように第3測定区間の領域では急激に減少しないので、最終的に位置データとして算出される値はごく軽微な誤差しか含まず、実用上の問題は少ない。
【0045】
本実施形態の位置検出装置29が有する位置検出の精度・分解能については、以下のように考えられる。先ず、1区間内の精度(直線性)は、差動トランスと同等の高い精度になる。また、複数のコイル3の区間に亘る検出精度は、軸方向に並ぶ各コイル3の位置精度で決まる。コイル3自体はシンプルで形状精度を出し易い状態で巻装され、コイル保持材1も円筒状である。これらの部材の特徴を生かして位置精度の優れたサーボモータやボールネジ等を使えば、コイル3の位置精度を向上することは容易である。したがって、複数コイルの区間に亘る検出精度(絶対位置精度も含む)についても、高い精度が得られるようにセンサ部12を製作できる。
【0046】
また、分解能については、コイル3の1区間の分割数(分解能)を一定に扱うことは容易であり、検出範囲を広げるために、コイル3の区間数を増やす場合は、その区間数によらず、分解能(データ1bitあたりの距離)は一定のままである。
【0047】
今まで述べてきた動作原理はハーフブリッジ型差動トランス(DVRT)の応用であり、DVRTの動作原理に伴う特徴を有している。一方、DVRTの1次コイルと2次コイルとを分離したものが差動トランス(LVDT)であるという捉え方をすると、位置検出装置29でも、N個のコイル3の全域に亘って1次コイル(励磁コイル)を別途設け、N個のコイル3を2次コイルとすれば、上述したセンサの特徴を備えるセンサとして扱うことができる(第5実施形態参照)。
【0048】
次に、
図4に示した各部材等について説明する。
<コイル3>
コイル3の材料としては、表面が絶縁されたマグネットワイヤが使用できる。1つのコイル3は何層か(1層でも可)に巻装され、1区間毎のピッチで配置されるので、1つのコイル3の長さは1区間以下となる。また、コイル3の外周に絶縁体(絶縁紙)を巻きつけて絶縁強化を図ることもできる。また、検出回路9への接続配線10はコイル3の外周側に引き回しても良い。
【0049】
<コイル保持材1、絶縁体2>
コイル保持材1は、コイル3の自己形状保持、及び複数のコイル3の相対位置を固定するもので、電気的導体でも良いが、ショートコイルとして機能するのでコイル3のインピーダンスを低下させる効果がある。したがって、導体を使う場合は、電気抵抗が高いステンレス鋼やニッケル合金(ハステロイ、インコネル…登録商標)を用いた方が良い。またその厚みも薄い方が良い。また、コイル保持材1は、樹脂などの絶縁体でも良い。
【0050】
更に、コイル保持材1に磁性材を使っても良い、この場合コイル3のインピーダンスを増加させ、より感度を高める(信号変化が大きくなる)ことができる。但し、磁性材の温度特性等に注意が必要となる。また、非磁性のコイル支持体1の内周に磁性材を配置することもできる。コイル材(マグネットワイヤ)自身が絶縁されているため、コイル3とコイル保持材1との間の絶縁体2は必ず必要では無いが、コイル3とケース6との絶縁耐圧を向上させる場合等は必要になる。また、コイル3に成型コイルなどを使用し、コイル3間を接着すれば、コイル支持材1を不要にできる。
【0051】
<センサスリーブ4>
センサスリーブ4は、位置検出動作には必須なものでは無い。コイル部の機械的な保護や、密閉構造を実現するため等に必要となる。
図4に示すように測定体13が外周側に位置する場合、センサスリーブ4は非磁性材の必要がある。センサスリーブ4自体は、やはりショートコイルとして機能するので、電気伝導度の低いものを使うとコイル3のインピータンスが低下して信号変化が小さくなり望ましくない。したがって、電気伝導度の高いものが適切である。例えば、オーステナイト系ステンレスや、ニッケル合金(ハステロイ、インコネル…登録商標)などが使用可能である。
【0052】
また同様の理由から、その厚みも薄い方が望ましいが、機械的強度とのバランスを考慮する必要があり、特にセンサコイル部12を例えばシリンダ内蔵とした場合は(第11実施形態参照)、油圧で破損しない厚みが必要となる。圧力が特にかからない、或いは防水の必要が無いような用途では、センサスリーブ4は樹脂性の部材、例えばガラスエポキシ強化或いはカーボンファイバ強化のパイプを使うことができ、軽量化、低コスト化に有利である。
【0053】
<センサケース6、先端部カバー5、後端カバー11、測定体支持材>
センサケース6、先端部カバー5、後端カバー11は、コイル保持材1、センサスリーブ4等の相対位置の固定をするため、或いは密閉構造を実現するための部材であり、磁性材、非磁性材、導電体、絶縁体何れでも良い。
【0054】
<センサ引出しケーブル8>
センサ引出しケーブル8は、コイル3の配線7をセンサコイル部12の外部に引出して、検出回路9に接続するために使用する。引出しケーブル8の末端は、コネクタ接続されていても良い。
【0055】
<その他>
気密性等を高めるために、適宜Oリング(パッキン)などが使用可能である。これらは一般的に、その材質は絶縁体であり位置検出動作に影響を与えないから、必要な個所に任意に装着可能である。また、各部材間の接合は、接着・圧入・溶接・ネジ固定などの方法をとることができる。
【0056】
以上のように本実施形態によれば、それぞれが同じ周波数の交流信号で励磁される複数のコイル3を、長手方向が同心軸上に並ぶように配置してセンサコイル部12を構成する。複数の差動増幅回路16は、各コイル3の両端の差動信号を出力し、演算器17は、2つのコイル3に対応する差動信号を減算して減算信号をコントローラ19に出力する。コントローラ19は、センサコイル部12の外周側に位置し、コイル3のインピーダンスを変化させる材料からなる測定体13が同心軸方向に沿って移動した際の測定体13の軸方向位置を、前記減算信号を演算することで線形に変化する位置信号として出力する。
【0057】
その際に、コントローラ19は、複数の差動信号を演算した結果に基づいて測定体13の現在位置に対応するコイル3を特定する。具体的には、複数の減算信号を演算することで2つの差動信号の加算信号を求め、その加算信号に基づいて測定体13の現在位置に対応するコイル3を特定する。又は、複数の減算信号を乗算した結果に基づいてコイル3を特定する。そして、特定されたコイル3に基づいて、複数の減算信号の変化が複数のコイル3の配列順に応じて連続するように位置信号を合成して出力する。
【0058】
したがって、コイル3の配列数に応じて位置信号を連続的且つ線形に出力できるので、測定体13の位置検出範囲を極めて簡単に拡張できる。また、測定体13の軸方向長さ寸法は、少なくとも1つのコイル3の長さ寸法以上あれば良いので、測定体13の外形に対する制約が小さく、設計の自由度を向上させることができる。更に、特許文献1のように、位置検出装置29のゲインが測定体13の特性によって影響を受けることが無く、位置信号のレベルは、コイル3の配列数に比例するので、検出範囲を拡張しても分解能は低下することが無く、温度特性が悪化することもない。
【0059】
また、検出回路9は、位置信号に基づいて、予め設定された位置で接点出力部24をオン・オフさせるスイッチ信号を出力する電子リミットスイッチ機能を備えるので、上位ユニット23や上位ユニット23とのデータの送受信等が何らかの不具合により動作異常に陥っても、位置検出装置29は単体として規定通りの動作が可能であり、外部機器25を介して測定体13の位置に制限を加えるといったように、システムの安全性を向上させることができる。
【0060】
また、リミットスイッチ機能に、所定時間当たりの位置の変化と所定閾値との比較結果に応じてON/OFF信号を出力する制限速度検出機能を備えるので、測定体13の移動速度が速過ぎる状態となった際に速度制限を行うことで、安全性を向上させることができる。
【0061】
尚、測定体13の現在位置に対応するコイル3を特定するため、2つの差動信号の加算信号を求める際に、必ずしも複数の減算信号を演算した結果より加算信号を得る必要はなく、差動増幅回路16の後段に別途加算器を配置して加算信号を求めても良い。
【0062】
(第2実施形態)
図8は第2実施形態を示すもので、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
図8に示すように、第2実施形態の検出回路31では、差動増幅回路16G(差動信号出力手段、温度検出手段)、LPF32及びA/Dコンバータ18(6)が追加されている。差動増幅回路16Gの反転入力端子はコイル3Fの一端(グランド)に接続されており、非反転入力端子はコイル3Aの一端(差動増幅回路16Aの反転入力端子)に接続されている。差動増幅回路16Gの出力信号は、LPF32及びA/Dコンバータ18(6)を介してコントローラ19A(温度検出手段,図示せず)に入力されている。
【0063】
次に、第2実施形態の作用について説明する。上記の構成を追加したことで、コントローラ19AがA/Dコンバータ18(6)を介して読み込まれるデータは、コイル3A〜3Fの直列回路の両端に印加される直流相当電圧となる。これによりコントローラ19Aは、コイル3の温度を測定可能となっている。
【0064】
マグネットワイヤとして使われる一般的な軟銅線は、その抵抗値が、温度に応じて凡そ−0.39%/℃で変化することが知られている。図中の信号源33は、第1実施形態の発振回路14及び励磁回路15に相当するが、信号源33を定電流駆動することで、コイル3に直流電流成分を常に一定値流すことが可能である。コイル3A〜3Fの直列回路両端の電圧(直流成分)は、直列回路の直流抵抗に比例する。したがってコントローラ19Aは、A/Dコンバータ18(6)を介して読み込んだデータ値から、コイル3の温度を逆算できる。
【0065】
このように構成することで、例えば、センサコイル部12と検出回路31とが離れた場所に設置されたような場合でも、コイル3の温度を正確に測定できる。測定された温度は、コイル3よる温度ドリフトをキャンセルするために使用しても良い。また、上位ユニット23に温度情報を伝達することも可能であり、センサコイル部12、或いは、センサコイル部12を備えるシステムが異常な温度になり、放置すると故障に至る状態を警告することもできる。
【0066】
以上のように第2実施形態によれば、センサコイル部12の両端の差動信号を出力する差動増幅回路16Gを有し、コントローラ19Aは、前記差動信号に基づいてセンサコイル部12の温度を検出するようにした。したがって、センサコイル部12が過熱状態となることを防止するための処理が可能になる。
【0067】
(第3実施形態)
図9に示す第3実施形態は、センサコイル部12の駆動形式の変形例を示す。
図9(a)では、2つの信号源33(1)及び33(2)を用いて、信号源33(1)をコイル3A〜3Cの直列回路の両端に接続し、信号源33(2)をコイル3D〜3Fの直列回路の両端に接続する。この場合、コイル3A〜3Cとコイル3D〜3Fとを電気的に接続する必要はない。また、信号源33(1)と信号源33(2)との周波数や位相関係が違っていても動作は可能である。このように2つの信号源33(1)及び33(2)でセンサコイル部12を駆動するメリットは、1つの信号源33で駆動するコイル3の数が減るため、コイル3に電流をより多く流すことが可能になり、耐ノイズ性の向上や、外部磁界の影響が低減できる。
【0068】
同様に、
図9(b)に示すように、コイル3と信号源33とを1対1で接続して個別に駆動することもでき、
図9(c)に示すように、コイル3A〜3Cの直列回路に信号源33(1)を接続する際に、各コイル3A〜3Cの一端側を共通に(コモン)接続して駆動することも可能である。
【0069】
(第4実施形態)
図10に示す第4実施形態は、センサコイル部12に2つの測定体13(1)及び13(2)を配置した構成である。位置検出装置29では、前述したように測定体13がコイル3の特性に変化を及ぼす範囲が、測定体13の位置するところから有限の範囲内に収まっている。従って、2つの測定体13(1)、13(2)が、それぞれ位置検出の対象となるコイル3のインピーダンス変化に相互に影響を及ぼし始める位置に近づかない限り、2つの測定体13(1)、13(2)の変位は、それぞれ独立した現象として検知することができる。尚、測定体13を3つ以上に増やすことも可能である。更に、複数の測定体13が、上述した制限範囲内にお互い近づいた場合は測定異常として検出し、上位ユニット23へ警告を発するなども可能である。
【0070】
(第5実施形態)
図11及び
図12に示す第5実施形態は、第1実施形態で述べたように1次コイルを設けた構成である。センサコイル部41に、コイル3A〜3Fを2次コイルとして1次コイル(励磁コイル)42を対向配置し、1次コイル42の両端に信号源33を接続して交流信号を供給する。この場合、
図4相当図である
図12に示すように、1次コイル42は、センサスリーブ4の内部に配置される。センサコイル部41をこのように構成することで、位置検出装置43を、ハーフブリッジ型差動トランスと同様の特徴を備える位置センサとすることができる。
【0071】
(第6実施形態)
図13に示す第6実施形態の位置検出装置51は、第2実施形態の検出回路38の構成を備えている(第1実施形態の検出回路9でも良い)。第6実施形態では、不揮発性メモリ21(記憶手段)に位置検出装置51の直線性を補正するためのデータを予め記憶させておき、測定体13の位置を検出した際に、コントローラ19Bが前記データを用いて検出位置の直線性を補正する。以下、その補正に用いるデータの取得について説明する。
【0072】
先ず、絶対値精度、直線性の優れた直線変位検出センサを用意する。ここでは、光学式のリニアスケール52とする。このリニアスケール52の検出ヘッド53と測定体13とを連結して直線移動する台(図示せず)に固定する。この移動台は、外部から任意の位置で移動できるようする。
【0073】
光学式リニアスケール52のスケール54を、検出ヘッド53の移動に伴いそのセンサ出力データ(位置データ)を読み込めるように設置する。検出ヘッド53から位置データが出力されると、位置検出装置51のコントローラ19Bが、その位置データを補正用I/F54を介して読み込む。一般に光学式センサの位置出力はA/B相出力となっているが、補正用I/F54は、そのような2相出力が入力されて、正確な絶対位置を読み込めるようになっている。
【0074】
上記の設置状態において、移動台をセンサコイル部12の一端から他端方向に徐々に移動させる。この時、コントローラ19Bは、光学式リニアスケール52によって得られる正確な絶対位置と、センサコイル部12により自身が検出した位置との偏差を取得し、前記位置の一定距離毎に、その偏差を不揮発性メモリ21に記憶する。例えば全測定範囲を16bitデータで出力する場合、そのデータ値は0〜65535を示す。例えば、データ値1024刻みで偏差を記憶すると、全64ポイントの偏差データをテーブル値として、不揮発性メモリ21に記録することになる。
【0075】
このように偏差データを記録する処理は、工場において位置検出装置51を製造した際に行われる。そのため、コントローラ19Bに補正専用プログラムを書き込むか、予め書き込まれた補正プログラムを外部から指示(設定スイッチ25による入力等)して起動することで補正データ記録処理を実施する。
【0076】
記録処理が完了した後、位置検出装置51が実際に測定体13の位置を検出する際に、その位置が例えば上記64か所の補正ポイントの間にある場合は、その前後の補正ポイントから直線補間した補正データを算出する。そして、補正前のデータから補正データを減算することで直線性が補正された位置データが算出される。
【0077】
以上のように第6実施形態によれば、位置信号の線形性を補正するための補正データが予め記憶されている不揮発性メモリ21を備え、コントローラ19Bは、位置信号を求める際に、前記補正データを用いて線形性を補正する。したがって、位置検出精度を向上させることができる。
【0078】
(第7実施形態)
図14に示す第7実施形態は、測定体13Aの長さをコイル3の1区間分の2倍としたときの検出状態を示す。この場合、差動トランスとしてのコイル3は、1つおきの2つのコイル3によって構成され、差動信号は(Va−Vc),(Vb−Vd),(Vc−Ve)となる。図中に示すように最初は「コイルA、Cによる測定区間」、続いて「コイルB、Dによる測定区間」になる。このような場合は、測定可能な区間範囲は、コイル3の数がN個であれば、測定範囲数は「N−2」となる。
【0079】
また、加算信号(Va+Vc),(Vb+Vd),(Va+Vc)は、最低値(L=Vmin)を示す区間がそれぞれ1区間ずつずれている。したがって、これらの加算信号の変化を参照することで、測定体13Aの現在位置に対応するコイル3(測定区間)を特定することができる。すなわち、加算信号が最低値(L)を示さない状態を「×」とすると、
加算信号/測定区間 3A及び3C 3B及び3D 3C及び3E
Va+Vc L L ×
Vb+Vd L L L
Va+Vc × L L
となっている。例えば、コイル3B及び3Dが測定区間となる場合は、加算信号(Va+Vc),(Vb+Vd),(Va+Vc)が全て最低値(L)を示している。これにより、測定区間の特定が可能である。
【0080】
尚、例えば加算信号(Va+Vc)は、以下の演算により得ることができる。
(Va−Vc)+2(Vc−Ve)
=Va−Vc+2Vc−2Ve=(Va+Vc)−2Ve
加算信号(Va+Vc)が最低値を示す区間で信号Veはゼロレベルであるから、第2項の影響はない。
【0081】
(第8実施形態)
図15に示す第8実施形態は、円柱状の測定体55を、それより径小となる棒状の支持体56の先端に固定し、コイル保持材1の内部で変位させるようにした構成である。この場合、コイル保持材1の材質は、信号の変化を検出するため非磁性材か樹脂などの絶縁体の必要がある。また、支持体56の材質は、磁性材、非磁性材、導電体、絶縁体何れも使用可能であるが、磁性材を用いる場合、測定体13によるコイル3のインピーダンス変化よりも、十分に影響が少ないものを使用しないと誤差などが増える。
【0082】
この場合、先端部カバー5Aは、測定体55をコイル保持材1の内部に導入させるための貫通孔を有している。また、センサケース6Aも、コイル保持材1の中空部に連通する連通部6Bを有した形状であり、更に後端カバー11Aも、中心部に連通部6Bと同径の孔を有する形状となっている。
【0083】
(第9実施形態)
図16に示す第9実施形態は、センサケース6の内部空間に検出回路9を配置した構成である。この場合、引出ケーブル8を介して外部に導出される配線57は、外部電源27に接続される電源線や、上位ユニット23及び外部機器25との接続線となる。このように構成すれば、位置検出装置29をよりコンパクトに構成できる。但し、位置検出装置29の耐熱温度は、検出回路9に実装されている半導体素子などの動作可能温度範囲で制限される場合がある。
【0084】
(第10実施形態)
図17に示す第10実施形態は、コイル3を1層巻きとした場合を示す。1層巻きの場合、コイル3を巻く作業は、ワイヤを常に一方向に巻き続け、途中で各コイルA〜Dのタップを出すだけで良い。したがって、極めて作業性が良く、製造工程を簡略化することができる。
【0085】
(第11実施形態)
図18に示す第10実施形態は、センサコイル部12を、シリンダ61の内部を往復移動するロッド62の内部に配置した構成を示す。ロッド62の内部にセンサスリーブ4が接触しない径で穴をあけ、測定体13をロッド62の内壁端部に固定する。センサのスリーブ4や測定体13にはシリンダの圧力がかかるが、センサコイル部12は前述のように強固な構造であるため、適用が可能である。可動するロッド62に結合されるのは金属性のリング(測定体13)のみであり、ロッド62に加わる振動・衝撃に対して極めて強い耐性を持つ。尚、シリンダ61として必要なOリング(パッキン)類やオイルのポート等は図示していない。
【0086】
本発明は、上記した又は図面に記載した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のような変形又は拡張が可能である。
コイル3を、絶縁体からなるコイル支持体1に直接巻き付けても良い。
図4において、各コイル3の配線をコイル支持体1の内部を介して行う必要が無ければ、コイル支持体1は中空(パイプ形状)である必要はない。
電子リミットスイッチ機能や、制限速度検出機能は、必要に応じて設ければ良い。
温度検出手段は、サーミスタ等を用いても良い。