(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付図面および非限定的な実施例を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を説明することとする。
【0024】
本発明の第1の好ましい実施形態は、乗客から荷物を受け入れるように構成された荷物処理ステーションまたは装置を含む。ステーションは、荷物を安全に受け入れた後、荷物を処理するように構成されている。好ましくは、荷物の処理は、本明細書中でより詳細に説明されることとなる多段階にわたるプロセスを含むことができる。好ましくは、荷物処理ステーションは、手荷物を受け入れる処理領域を含むことができる。
【0025】
図面を参照すると、乗客の旅行手荷物を登録するための処理ステーション10が提供されている。処理ステーション10は、乗客に関連する手荷物を受託するための投入器14を備える。複数または多数のセンサ6−7が、投入器に付随する。センサ6−7については、以下で詳細に説明する。また、計量器18も、手荷物を投入器14の底面または下面上にある間に計量するために、投入器14に付随する。また、荷物処理ステーションは、乗客がチェックイン済みであることを確認するための様々な入力を受信するユーザインターフェース20も備える。例えば、ユーザインターフェース20は、電子RFID対応の乗客のIDカードから電子識別子を読み取り、乗客のチェックインを確認するために、RFIDカードスキャナ22の形態の電子カードリーダを含む。代替的または追加的には、スキャナ22は、乗客の携帯電話などの電子デバイスに格納される電子識別子であって、近距離RFIDを使用してスキャナに送信される電子識別子を読み取り、乗客のチェックインを確認するように構成されるものであっても、あるいはバーコードまたはQRコードが使用されるものであってもよい。
【0026】
好ましくは、ユーザインターフェースは、磁気ストリップ付きの紙製の搭乗券や一次元(1D)バーコード付きの印刷された搭乗券などの様々な種類の乗客の搭乗券をスキャンするためのスキャナ24も含む。さらに、ユーザインターフェース20は、磁気ストリップ形式の乗客IDカードをスキャンするための磁気カードスキャナも含むことができる。
【0027】
ユーザインターフェースは、手荷物を処理する間、乗客に情報を表示するためのタッチスクリーンディスプレイ26を備える。スクリーン26は、乗客がチェックインしていないことを入力が示す場合に、乗客の手荷物を取り除いて、乗客の手荷物の処理を試みる前にチェックインするよう乗客に指示するメッセージを表示するように構成され、また、スクリーン26は、手荷物の処理を容易にするために、乗客が情報を入力することも可能にする。
【0028】
コントローラ28は、センサ、計量器18およびユーザインターフェース20と関連付けられている。コントローラ28は、乗客の搭乗券またはIDカードを介して受け取った入力が、旅行のために乗客がチェックイン済みであることを示す場合、かつ、センサ6−7からのフィードバックが、後でより詳細に述べる予め設定された基準が満たされていることを示す場合、かつ、計量器18からのフィードバックが、手荷物の重量が予め設定された限度内にあることを示す場合に、手荷物を受託するように構成されている。
【0029】
好ましくは、センサー16a、16b、16cおよび16dは、投入器14の壁30、32および床面34と組み合わせて、積み入れた手荷物の周りに6面の仮想ボックスを生成する(なお、センサ16aおよび16bは、アクセス開口部の近位にある投入器の対向するそれぞれの内面に配置されているため、
図1−5に示す斜視図では見えないことに留意されたい)。仮想ボックスの側壁36および上面38は、投入器14のこれらの面上に物理的障壁が設けられないように、センサの組合せによってそれぞれ生成され、それにより、投入器14への側面のアクセス開口部39を規定して、ユーザインターフェース20に隣接する位置から投入器14内に乗客が荷物を側面から積み入れるのを容易にする。センサの組合せは、積み込まれた荷物の高さと幅が予め設定された許容限度内にあるかどうかの判定を容易にする。センサ16cおよび16dは(16aおよび16bとそれぞれ協働して)、投入器14における手荷物の位置調整と、手荷物の長さが予め設定された許容限度内にあるかどうかの判定を容易にするためのフォトアイを含む。しかしながら、代替的に実施形態では、手荷物の長さと幅を検出するために、3D画像使用カメラを使用することができる。
【0030】
物理的壁30および32は、垂直ガラスパネルを備え、積み入れた荷物への未承認のアクセスを防ぐ一方で、積み入れた手荷物の視認も可能にする。仮想ボックスの初期の高さおよび幅の寸法は、例えば、特定の空港における荷物寸法に関する規制基準に荷物処理ステーションが従うように、適切に承認を受けた技術者が調整することができる。
【0031】
コントローラ28は、センサを介して、仮想ボックスを通る侵入を監視し、(手荷物に手が加えられたことを示し得る)外部から仮想ボックスに異物が侵入したかどうかを判定し、仮想ボックスへの侵入が検出されない場合にのみ手荷物の更なる処理を可能にするように構成されている。また、コントローラ28は、センサ6−7を介して、手荷物の寸法が特定の空港に適用可能な予め設定された限度内にあるかどうかを監視し、予め設定された限度を超えていないと判定される場合にのみ手荷物の更なる処理を可能にするように構成されている。また、コントローラ28は、センサ16cおよび16dを介して、手荷物が投入器14に適正に配置されているかどうかを監視し、適正に配置されている場合にのみ手荷物の更なる処理を可能にするように構成されている。手荷物が大き過ぎると判定される場合、コントローラ28は、乗客に対して、手荷物を取り除いて大型荷物処理カウンタで同じことを進めるよう、メッセージをスクリーン26に表示させる。手荷物が重量超過であると判定される場合、コントローラ28は、乗客に対して、手荷物を詰め直してその重量を低減するように提案するメッセージをスクリーン26に表示させることができる。手荷物の更なる処理が認められると、コントローラ28は、計量器18を介して手荷物の重さを量らせる。手荷物の計量完了後に仮想ボックスが破られる場合、コントローラ28は、ユーザインターフェース20またはスクリーン26を介して、その旨を示すメッセージを乗客に提供するように構成されている。仮想ボックスの突破が是正されると、コントローラ28は、手荷物の重さを再び量らせるように構成されている。仮想ボックスが手荷物によって引き続き破られる場合には、コントローラ28は、乗客に対して、手荷物を取り除いて大型荷物処理カウンタで同じことを進めるよう、メッセージをスクリーン26に表示させる。
【0032】
また、センサ6−7は、処理ステーション10周囲の予め設定されたゾーンにおけるユーザの存在を検出するためのユーザ検出センサとしても機能する。予め設定されたゾーンは、ユーザインターフェース20の周りのエリアおよび投入器14へのアクセス開口部39にまで及ぶ。コントローラ28は、手荷物の受け取り前にユーザが予め設定されたゾーンから出たことをセンサ16bからのフィードバックが示す場合に、手荷物の処理を終了するように構成されている。
【0033】
手荷物処理ステーション10は、バーコードスキャナ16gを含む検出器を備え、この検出器は、手荷物と乗客および乗客の旅行先とを関連付けるための情報を格納するバッグタグが手荷物に貼付されているか否かを検出する。好ましくは、少なくとも2のバーコードリーダが存在し、その一方が荷物の真上に取り付けられ、もう一方が前壁に沿う中間に取り付けられている。より好ましくは、システムは、3または4の多軸バーコードリーダを含み、それらが、投入器の外面の周囲に取り付けられて、複数の角度から荷物を視覚化することができる。コントローラ28は、検出器に応答することができ、かつ、必要な情報を格納したバッグタグの存在を検出器が検出できない場合に手荷物を拒否するように構成されている。バッグタグ上の旅行情報は、航空機IATAライセンスプレートなど、乗客の手荷物と旅行中に乗客を運ぶための乗り物とを関連付けるための情報を含む。好ましくは、旅行情報は、IATAライセンスプレート番号、フライト日、旅行情報、便名、目的地、乗客者名のうちの何れかまたはすべてを含むことができる。好ましくは、印刷されたバッグタグは、この実施形態では、プリンタ44によって発行されるようにしてもよく、あるいは実施形態に電子的につがれた別個の発券機が処理して適切なバッグタグを印刷できるようにしてもよい。
【0034】
なお、幾つかの更なる実施形態では、センサとして機能するカメラの使用によってセンサ6−7が形成されるものであってもよく、そうした状況では、少なくとも1のカメラが、バーコードリーダとして動作し、コントローラに情報を供給する。
【0035】
バッグタグは、バーコード付きの印刷タグの形式とすることができ、代替機には、RFIDタグを使用することもでき、あるいはそれら2つの方法の組合せであってもよい。
【0036】
好ましくは、ユーザインターフェースは、電子バッグタグ付きの受託荷物に対する荷物受領書を印刷するためのプリンタ44を含む。代替的には、タグは、バーコードスキャナ16gによって読み取り可能な1Dまたは2Dバーコード紙製タグのようなバーコード付きのタグとすることができる。バーコードスキャナ16gは、投入器14の内面上の手荷物との間の見通し線を有するように、移動可能であり、投入器の床面34の上方に配置される。また、バーコードスキャナ16gは、当該バーコードスキャナ16gからx、yおよびz座標に基づいて確立される予め設定されたゾーンの外で検知されたバーコードを無視するようプログラムされる。これは、バーコードスキャナ16gが投入器14内の手荷物とは関係ないバーコードを読み取るリスクを低減する。
【0037】
コントローラ28は、手荷物が予め設定された重量を超えていることを計量器18が示し、よって手荷物が重いものとして分類されるが、最大許容重量未満である場合に、手荷物を拒絶するように構成されている。そのような場合、コントローラ28は、スクリーン26を介して乗客にその旨を示すメッセージを送信するように構成されている。乗客が最大荷物許容重量を超えていない場合は、メッセージが、手荷物にHeavyタグを貼付することを乗客に指示する。それを容易にするため、コントローラ28は、手荷物に貼付するために、投入器14に付随するHeavyタグ・ディスペンサ(図示省略)によって、カラーコード化されたRFID、バーコード付きプリントアウトまたはHeavyタグを分配させるようにしてもよい。好ましくは、カラーコード化されたRFIDタグまたはバーコード付きHeavyタグは、荷物に取り付けられるようにしてもよく、実施形態では、システムに登録するために荷物を受け入れる前に、Heavyタグの存在を確認する。
【0038】
また、処理ステーション10内のタグの在庫レベルの監視を容易にするために、タグのシーケンシャルコーディングも使用される。シーケンシャルコーディングによりタグの在庫レベルが予め設定されたレベルを下回ることが示される場合は、コントローラ28は、例えば、ビーコン、SMSまたはページングによってメッセージを送信し、タグを補充するようスタッフに警告するように構成されている。分配されたHeavyタグは、その代替として、手荷物の重量データを示すための視覚表示および/またはバーコードを含む印刷タグの形態をとることができる。
【0039】
手荷物が、業務上の健康と安全の理由のために設定される限度をベースとする最大許容重量を超えると判定される場合、コントローラ28は、手荷物を拒絶して、その旨を乗客に通知するとともに手荷物を詰め直してその重量を低減することを乗客に提案するメッセージをスクリーン26を介して乗客に送る。乗客の最大荷物許容重量は、旅行中の乗客を載せる航空機の最大積載量および/または旅行に関連する航空会社における乗客のステータスによって影響を受ける。コントローラは、航空機の重量および旅行の目的のために、手荷物に関連する重量情報を飛行管理システムに送信するように構成されるものであってもよい。
【0040】
幾つかの実施形態では、優先手荷物、特別な取り扱いが必要な手荷物および/または特別クラスの手荷物として手荷物を分類する紙製タグを分配するために、ディスペンサを設けることができる。また、コントローラ28は、乗客に許容される手荷物の最大数または最大荷物許容重量に達した場合に、手荷物を拒絶するように構成されている。そのような場合、コントローラ28は、スクリーン26を介して乗客にその旨を示すメッセージを送信するように構成されている。メッセージは、乗客の荷物を詰め直して重量を低減するかまたは追加料金を支払うなど、乗客の手荷物資格に対する違反を是正するための選択肢を乗客に提供する。乗客が荷物を詰め直すことを選択した場合は、コントローラ28は、手荷物を詰め直したことを乗客がタッチスクリーン26を介して示したときに、かつ仮想ボックスが破られていないと検出された時点で、計量器18に荷物を再計量させる。
【0041】
代替的には、乗客は、追加料金を支払って乗客の手荷物資格を高めることを選択することができる。乗客によって是正措置が講じられた時点で、コントローラ28は、手荷物が乗客の資格の範囲内にあるか否かを再度チェックし、範囲内にあれば、手荷物を受託し、荷物受領書および/または超過荷物受領書または超過荷物通知伝票をプリンタ44に印刷させる。代替的には、上述したように、乗客が適合する電子バッグタグを有する場合、コントローラ28は、RFIDアンテナの1つに、乗客および旅行または乗客が旅行用に予約した乗り物と手荷物とを関連付けるデータを電子バッグタグへと書き込ませる。また、アンテナの1つは、優先手荷物、特別な取り扱いが必要な手荷物および/または特別クラスの手荷物として手荷物を分類する情報を電子バッグタグに書き込むように構成されるものであってもよい。投入コンベア50は、投入器14の床面に設けられている。計量器18は、投入コンベア50の下方に位置し、1またはそれ以上のアンテナを収容する凹部を内部に有し、アンテナ16fの上面は、凹部の定位置にあるとき、コンベア50の下面と同一平面となる。その他のRFIDアンテナは、コンベア50の床上に配置されている。コントローラ28は、手荷物が投入器14の予め設定されたゾーン内にないことをセンサ16c、16dからのフィードバックが示す場合に、コンベア50を作動させるように構成され、このゾーンは、その中で手荷物を計量器で計量し、手荷物の最大長さをセンサ16c、16dまたはその他のセンサ(マイクロソフト社製のKinect(登録商標)スタイルカメラベースのセンサを含む)でチェックし、手荷物上の任意のバッグタグをRFIDアンテナおよび/またはバーコードスキャナ16gで読み取ることができるゾーンである。また、コントローラ28は、RFIDアンテナおよび/またはバーコードスキャナ16gがいずれも手荷物のバッグタグと通信できない場合に、コンベア50を作動させるように構成されている。そのような場合、コンベアを最初に約100mmの距離だけ移動させ、バッグタグとの通信を再度試みる。依然としてバッグタグとの通信が可能ではない場合は、コンベアをさらに約100mmの距離だけ移動させ、通信を再度試みる。コンベア50を予め設定された回数(より好ましくは3回)移動させた後、依然としてバッグタグとの通信に失敗する場合、コントローラ28は、手荷物および/またはバッグタグの位置を手で変えることを乗客に指示するメッセージを表示スクリーン26に送信するように、かつ/または、手荷物の処理を終了するように、構成されるものであってもよい。
【0042】
手荷物が受け入れられると、コントローラ28は、投入コンベア50を作動させて、下流の収集コンベアシステム52に手荷物を搬送する。コンベア50は、変速駆動によって作動させることができ、それは、下流の収集コンベアシステム52に手荷物を搬送するコンベア50の動作中よりも、約100mmの増分で、コンベア50の動作中に、低い速度で動作する。コントローラ50は、投入コンベア50を作動させて、1mm乃至10cm、最も好ましくは100mmの増分で移動時に急激に手荷物を移動させ、それにより、RFIDタグの再方向付けを容易にするように、構成されている。好ましくは、コントローラは、コンベア50を使用して荷物を軽く揺らし、荷物の機械読み取り可能なタグを、上部に取り付けたバーコードリーダまたは正面に取り付けたバーコードリーダに読み取られるような向きに、移動させることができる。
【0043】
好ましくは、投入コンベア50は、当該コンベアから荷物が転げ落ちるのを防止するために地面とほぼ平行になるように方向付けられる。投入コンベアは、好ましくは、コンベア50の長さに沿って横方向に延びる平行な線または溝の形態の追加的なゴム引きグリップを含む。下流のコンベア52においては、コンベアは、乗客から離れた遠位端で持ち上げられて、15度未満の下流コンベアの小さな傾斜をもたらすものであってもよい。下流のコンベア52は、移動のために荷物と係合する把持力および拘束力を向上させるために、ダイヤモンド形状のグリップパターンを有するコンベア面を含むことができる。乗客は通常投入コンベアベルトのみに接触することから、主に安全の理由のために、下流のコンベアは、一般に、投入コンベア50よりも速い速度で動作されるものであってもよい。
【0044】
幾つかの実施形態では、コントローラ28は、投入器14内の手荷物の処理中に、センサ6−7を介して仮想ボックスを通る侵入が検出された場合に、コンベアの動作を停止させるように構成されている。また、コントローラ28は、仮想ボックスを通る侵入が検出された場合に、ランドサイドからエアサイドまでの障壁を閉鎖するように構成さるものであってもよく、これは好ましくは、下流コンベア52の上方の光カーテンまたは適当なセンサが侵入を検出したときに生じさせることができる。
【0045】
コントローラ28は、異物による外部から仮想ボックスを通る侵入が検出された場合に、保安システムまたは保安職員に警報機の起動のような通知を送信するように、更に構成することができる。コントローラ28は、予め設定されたセキュリティコードが入力された場合、かつ/または予め設定された基準を満たす電子識別子が提供された場合に、手荷物の処理の続行または再始動を可能にするように構成されている。予め設定されたセキュリティコードは、航空保安識別カード(ASIC)を介して入力することができる。コントローラ28は、予め設定されたセキュリティコードが入力された場合に、処理ステーション10を介して手荷物の手動処理の続行を可能にするように構成されるものであってもよい。コントローラ28は、下流の収集コンベアシステム52に荷物を送るために、または下流から手荷物を戻すために、予め設定されたセキュリティコードが入力された場合に、投入コンベア50の順方向または逆方向への手動作動を可能にするように構成されるものであってもよい。コントローラ28は、予め設定されたセキュリティコードが入力された場合に、警報機の動作の停止を許可するように構成されるものであってもよい。コントローラ28は、入力された予め設定されたセキュリティコードに応じて、荷物処理ステーション10への異なるレベルのアクセスを可能にするように構成されるものであってもよい。
【0046】
モニタリングデバイスは、荷物が投入器14の底面上に置かれたときを検出するために、かつ手荷物の処理中および下流の収集コンベアシステムへの手荷物の搬送中に侵入を検出するために、投入器14の周りに設けることができる。モニタリングデバイスは、レーザ、フォトアイ16c,16dおよび光カーテン16iのうちの1または複数を備えることができる。
【0047】
ユーザインターフェース20は、荷物の構成に関する質問に回答するよう乗客に要求するように構成されるものであってもよい。例えばストラップを有すること、または通常とは異なる構成であることに起因して、荷物が下流の荷物取り扱い装置に問題をもたらす恐れがあることを乗客の回答が示す場合は、荷物が扱い難いバッグとして分類されて、ユーザインターフェース20が、荷物移送タブ(図示省略)内に荷物を置き、荷物を内部に有するタブ(図示省略)を投入器14内に置くよう乗客に指示するように構成されるものであってもよい。本発明のその他の実施形態では、検証プロセスステップが、更なるユーザとの相互作用無しで、システムによって自動的に達成されるものであってもよい。
【0048】
荷物移送タブ(図示省略)には電子RFIDタグが埋め込まれるものであってもよく、電子RFIDタグは、例えば当該タブ(図示省略)内に成形されることによって、当該タブ(図示省略)に一体的に連結されている。コントローラ28は、荷物がタブ(図示省略)内にあることを(RFID)アンテナからのフィードバックが示す場合に、扱い難い形状または規格外の形状の荷物が処理されることを許容のみするように構成されている。タブ(図示省略)内の手荷物が検出されたとき、コントローラ28は、計量器18によって測定された重量からタブ(図示省略)の重量を自動的に差し引いて、手荷物の実際の重量を測定するように構成されている。
【0049】
好ましくは、RFIDタグ付きのタブは、RFIDタグ無しのタブと置き換えることができ、その場合、センサ6−7がカメラにより構成されるとともに、コントローラ28が3Dパターン認識ソフトウェアを含む。好ましくは、コントローラは、パターン認識ソフトウェアからタブの使用を検出することができるものであってもよく、パターン認識ソフトウェアは、提示されたタブを、ステーションが設置される空港で通常使用されるタブのデータベースと比較する。これは、空港施設内で使用される標準的な荷物タブの使用をシステムが自動的に検出することを可能にし得る。
【0050】
好ましくは、タブが乗客によって使用されていると検出される場合、コントローラは、タブと荷物の合計重量から、タブの重量を自動的に検出することができる。その結果は、乗客フライト情報とともに記録される。また、コントローラは、乗客インターフェースを使用して空港タブの使用を確認することもできる。
【0051】
また、1またはそれ以上のカメラを、受け取った荷物の画像を記録するために投入器の周囲に配置するようにしてもよい。カメラまたはその他の画像取込装置を使用して、仮想ボックスまたは仮想ゾーンを通る侵入の位置を検出することもできる。コントローラ28に付随し、計量器18との関係を管理する重量特有のロジックは、コントローラ28に付随するその他のコードとは分離される。重量特有のロジックは、固有のバージョン番号を有する第1のモジュールに維持され、その他のコードは、別の1または複数のモジュールに維持され、当該モジュールは、重量特有のロジックが維持されるモジュールのバージョン番号とは異なる固有のバージョン番号を有する。この方式では、コントローラ28に付随するコード/ロジックの重量に無関係の態様への変更は、計量デバイスとしての処理ステーション10の再保証を必要としない。計量デバイスは、手荷物の受託後かつ新しい手荷物の計量前に、ゼロの重量に自動的に再較正するように構成されている。
【0052】
処理ステーション10は、調査を容易にするために、受託手荷物の履歴を記憶するように構成されている。コントローラ28は、ユーザが予め設定されたセキュリティコードを与える場合に、履歴のアクセスまたは印刷を可能にするように構成されている。セキュリティコードは、警報機の無効化に関連して上述したように、数多くの形式で提供することができる。
【0053】
なお、上述した処理ステーション10は、従来の乗客荷物取り扱いシステムよりも数多くの利点を提供するものであり、それらのうちの幾つかを述べたが、それに加えて、次のような利点、すなわち、処理ステーション10において荷物処理と投入のみを提供し、それにより行列を大幅に減らすこと;セキュリティおよび安全点検を強化して、荷物の不正開封の発生を検出すること;飛行および重量情報などの情報を電子バッグタグに書き込む能力を提供すること;飛行用荷物のチェックインプロセスを迅速化すること;乗客のセルフサービスを容易にすること;壁32および34の配置、およびコンベア50のアクセス開口部39と同じ側へのユーザインターフェース20の配置と併せて、コンベア50の軸に対して直角なアクセス開口部39の向きにより、手荷物を積み入れて処理する間に、センサ6−7によってカバーされる予め設定されたゾーン内に乗客が留まるのを容易にすること;コンベア50の下方または内部の凹部にRFIDアンテナ(図示省略)を収容することによって、投入器内の手荷物とは関連しないRFIDタグから読み取るリスクおよび/または当該RFIDタグへ書き込むリスクを低減すること;通信が確立できない場合にコンベア50を使用して手荷物の位置を自動的に調整することによって、タグとRFIDアンテナおよび/またはバーコードスキャナ16gとの間の非情報伝達の発生率を上昇させること;複数種類の搭乗券に対応すること;複数のバッグタグ装置に対応すること;レーザ、フォトアイおよび光カーテンで荷物受託エリアを監視し、荷物がエリア内に配置されたときにそれを検出すること、および、受託プロセス中に侵入を検出すること;荷物受託エリア内の荷物を計量および測定すること;対話型ユーザインターフェース;RFIDが埋め込まれた超過荷物受領書およびHeavyタグを印刷して、荷物が重い場合に確実にタグを取り付けるために組み込まれたプリンタ;扱い難い荷物に対してRFIDを埋め込んだタブが使用され、その結果、使用される場合にそれらを検出することができること;カメラを使用して受託荷物の画像を記録することを含むことが理解されよう。
【0054】
好ましくは、それら実施形態では、コントローラは、手荷物55の周囲に人工的な三次元ゾーンを形成することができる。この人工的な三次元ゾーンは、
図1乃至4に示すように、仮想ボックスの形態であってもよく、好ましくは、ゾーン(フィールドと呼ばれることもある)内への第三者の侵入から、ゾーンによって指定されるエリアを遮断する。それら実施形態では、ゾーンは、動的仮想ボックスまたは形状としても説明される。動的仮想形状は、好ましくは、処理される手荷物の周囲または周りに形成される。好ましくは、ゾーンは、荷物55の全体形状に厳密に近づけるように、形状に関して変更されるものであってもよい。ゾーンが荷物の形状により近付くほど、ゾーン内への偶発的な侵入に対するシステムの信頼性も高くなる。例えば、乗客が、揺動ストラップを有するハンドバッグを運んでいて、時として揺動ストラップが投入器の上方を揺れ動く間に、乗客は、投入器内に手荷物を積み込むことができる。この実施形態の利点は、ゾーンに入らない揺動ハンドバッグストラップに対してコントローラが反応しないことである。これは、乗客のより良い経験をもたらすとともに、その他の同様のシステムで起こり得る誤った侵入による時間の無駄をより少なくする。
【0055】
好ましくは、投入器に挿入される荷物に適合するように、形状または寸法に関して動的仮想形状またはゾーンを調節または修正することができる。動的仮想ゾーンは、好ましくは、手荷物の周囲に安全なフィールドを提供して、ユーザまたは異物による当該フィールドの侵入を防止するように構成されている。好ましくは、ゾーンは、手荷物の外周から1mm乃至1mの距離で、手荷物を取り囲み、あるいは包囲する。
【0056】
[動的仮想ボックスまたはゾーン]
好ましくは、本発明の好ましい実施形態では、動的仮想ボックス壁または天井が当初はプリセット値で設定されて、ステーション設置のビルドおよびコミッションステージで構成されるものであってもよい。したがって、好ましいセンサ高さ設定値は、望ましくは、設計上の制約から、多くのバッグの高さよりも遥かに大きい約900mmに設定されるものであってもよい。仮想ボックスの外形は、
図1乃至5において見ることができる。センサ壁の高さおよび位置は、組み込まれたシステムまたはデバイス内の所定プロセスによって投入器内に配置される手荷物に適合するように、動的に変えられるものであってもよい。
【0057】
その後、ユーザがベルト上にバッグを置くと、バッグの第1初期スキャンの後であっても、レーザセンサ判定の侵入高さまたはLMS侵入高さは、変わらないであろう。したがって、これは、前面ガラスパネルにもたれることにより偶発的または無意識的に侵入する乗客の発生、または干渉ゾーン内への乗客の手荷物の揺れ動きが、非常に高くなることを許容する。
【0058】
なお、同様の結果または機能を達成するために、一般に、球を含む、ボックス以外のその他の形状を使用することができる。さらに、単なるボックス形状ではなく、ゾーンをその他の形状に延ばすことにより、ステーションおよびシステムを改善することができる。好ましくは、動的仮想ゾーンは、同様の形状のバッグおよび/または荷物に適合させるために、凸状または凹状に屈折された側壁または上壁を含むことができる。好ましくは、コントローラは、パターン認識アルゴリズムを含み、手荷物が不規則な形状であるか否かを判定し、それに応じて、ゾーンの壁を屈曲させることができる。
【0059】
仮想ゾーンシステムは、固定レーザ感知デバイスに依存する代わりに、マイクロソフト社製のKinect(登録商標)3Dカメラシステムまたはアレイを使用する動的なものに変更することができる。デフォルトの最大高さは、750mm(または必要に応じて別の値)に減少させるようにしてもよい。なお、その他の
ステレオカメラシステムを使用することもできるが、好ましいシステムは、少なくとも2のカメラのアレイを含み、型通りに接続されたカメラを介して三次元画像を与えることに留意されたい。好ましくは、複数のカメラまたはカメラアレイは、電動式マウントに取り付けられて、必要に応じて回転を可能にするものであってもよい。追加的には、カメラは、仮想ゾーンの上限の近傍または近位に配置されて、荷物が受け入れられた投入器の中心に向かう角度に方向付けられるものであってもよい。追加的には、好ましいセンサまたはカメラは、乗客には見えずに雑音ベースの干渉を低減するか、またはそれらが配置される空港施設内における光変動の影響をより受け難くするために、赤外線周波数で動作するように構成されるものであってもよい。
【0060】
好ましくは、投入器は、当該投入器の正面上端に設けられた1つのカメラアレイと、下流のコンベア52にわたるトンネルに設けられた2つのカメラアレイとを含み、それら2つのカメラアレイが、荷物が受け取られる領域に向けられるように構成することができる。
【0061】
動的仮想ゾーンにおいては、ベルト上にバッグを置いて最初の三次元(3D)スキャンが完了すると、バッグの寸法に適合するように、側面および高さ寸法が変更される。したがって、これは、コンベア上に配置されるバッグよりも僅かに高くなり、かつ複雑な3D数学アルゴリズムを用いて算定される。また、仮想天井は、正面ガラスパネルに向けてテーパーが付けられ、乗客がパネルに寄り掛かるような意図的でない侵入の可能性を低減することとなる(上壁61に関して
図5を参照)。
【0062】
動的仮想ボックスが設定された後に乗客が侵入する場合、侵入後のスキャンが完了するまで(動的仮想ボックスが再計算されるように)、デフォルトサイズの仮想ボックス(750mmの高さ)が一時的に使用されるものとなる。これは、バッグの位置の変更、またはベルト上に異なるバッグが配置されることによる、仮想ボックスの動的調節を可能にする。
図4および5に記載のイメージは、コンベア上のバッグまたは手荷物のサイズに適合するように調節された“動的”仮想ボックスを示している。
【0063】
この明細書において、レーザ感知モジュールは、「侵入処理モジュール」または「侵入検知処理モジュール」とも呼ばれる。
【0064】
一般に、侵入処理モジュールは、1またはそれ以上の奥行き画像センサから構成されるが、好ましくは3つのセンサから構成される。センサは、光カーテン、
ステレオカメラであってもよく、それには、マイクロソフト社のKinect(登録商標)デバイス、フォトアイが含まれるが、それらに限定されるものではない。少なくとも1のデフォルト画像センサが、投入器の十分な視野を有する。侵入処理モジュールは、コントローラに接続され、コントローラは、投入コンベア50および発送/下流コンベア52上の動きを許容または制限することができるものであってもよい。
【0065】
一実施形態では、デフォルト奥行き画像センサが、ユーザとスケールコンベアとの間の比較的鉛直方向のカーテンと、スケールコンベア上の比較的水平方向のカーテンとにより構成される仮想ゾーンを作り出す。それら領域の何れかで侵入が発生すると、コントローラは、投入コンベア50を規制または直ぐに停止し、発送/下流コンベア52が動きを停止することとなる。また、コントローラは、荷物をチェックインのために処理するのも停止させることとなる。
【0066】
侵入処理モジュールは、チェックインする乗客の荷物の寸法に基づいて、チェックイン荷物を取り囲む仮想ボックスを動的に調節することができる。これは、高さが乗客の荷物の高さと同様の最適な侵入領域をもたらし、それにより、殆どの場合、手足、ハンドバッグ、機内持ち込みバッグなどの何れかが仮想ゾーンに入ることによる望ましくない偶発的な侵入を減少させることができる。
【0067】
好ましくは、空港における荷物の処理に好ましくは使用するための荷物処理ステーションは、投入器の十分な視野を有する、少なくとも1の奥行き画像センサ、(デフォルト奥行き画像センサ)を含むことができる。すなわち、奥行き画像センサは、その視野においてスケールコンベア全体を有し、すなわち、(センサ16cの位置によって好ましくは判定される)端部ストップで始まって、下流コンベア52で終わり、奥行き画像センサは、その視野においてサイドバー全体を有し、奥行き画像センサは、スケールセンサの長さ全体について、その視野において最大許容バッグ高さを有し、仮想ゾーンの側部または上部領域の何れかにおけるポイントは、奥行き画像センサから3m以上先にあってはならない。
【0068】
また、ステーションは、3Dスキャナまたはカメラ(センサ6−7のうちの何れか1つまたはそれ以上)と侵入処理モジュールとの間で作動するリアルタイム通信モジュールも含むことができる。侵入処理モジュールは、好ましい投入器に関連する各奥行き画像センサについて、最新で正確な校正ファイルを必要とする。
【0069】
何れかの奥行き画像センサの幾何学的配置が移動した場合、3Dスキャナは、侵入処理モジュールが再び信頼できると示される前に、再校正が必要とされることとなる。
【0070】
各スキャンの後、侵入処理モジュールは、手荷物を取り囲む仮想ゾーンを動的に再配置するために、荷物の高さを必要とすることとなる。
【0071】
投入器の十分な視野を有する、少なくとも1の奥行き画像センサ、(デフォルト奥行き画像センサ)は、投入器の壁30,32および床面14と協働して、仮想側面カーテン36および仮想上面カーテン38を構成することにより、手荷物の周囲に仮想ゾーンを形成することができる。デフォルト奥行き画像センサと関連する処理モジュールは、仮想ゾーンを通る侵入を監視し、手荷物の寸法の予め設定された制限を超えているか否か、または異物が外部から仮想ゾーンに侵入したか否かのうちの1またはそれ以上を判定し、仮想ゾーンに侵入が検出されない場合にのみ手荷物の更なる処理を可能にする。
【0072】
初期設定ルーチンの一部として、侵入処理モジュールは、デフォルト仮想側面カーテンおよび仮想上面カーテンを規定して、初期の仮想ゾーンを形成することとなる。また、侵入処理モジュールは、予め規定された間隔または刻み幅で予め規定された最小および最大高さを有する複数の仮想ゾーンも規定することとなる。
【0073】
“仮想ボックス(virtual box)”または“仮想ゾーン(virtual zone)”という語は、本明細書を通じて、全体としてまたは部分的に非物理的障壁からなるゾーンを意味するものとして理解されたい。仮想ゾーンは、手荷物を取り囲む三次元領域から構成され、好ましくは2またはそれ以上の奥行き画像センサによって生成される。好ましくは、仮想ゾーンは、手荷物を取り囲み、床面がゾーンの一面を形成し、ゾーンの残りの部分が、物理的障壁およびセンサにより生成される仮想壁により決定される。幾つかの実施形態では、(壁30および32として
図1−4に示されるような)物理的障壁を省略して、仮想壁と置き換えるようにしてもよい。
【0074】
仮想ゾーンまたはボックスの寸法は、特定の空港についての荷物寸法のそれぞれの規制基準に従うように調整されるものであってもよい。
【0075】
仮想側面および上面カーテンはともに予め規定された厚さを有し、それが、規定された最小および最大奥行き侵入領域をもたらし、この奥行き領域内に含まれることが見出された任意の物体の任意の部分が、積極的な侵入であるか否かを判定するために、分析されることとなる。偶発的な侵入を防止するためには、一般に、侵入が予め規定された期間(好ましくは1ms−2s、最も好ましくは100ms)継続することが必要とされる。この特徴は、偶発的な侵入を防止し、ノイズを取り除くことができる。
【0076】
好ましくは、侵入が有効であると見なされるために、侵入物のサイズは、予め規定された最小閾値を超えるように、システムによって規定されるべきである(例えば、1−100mm)。
【0077】
奥行きフレームは、30Hzのサンプリング周波数で侵入処理モジュールによって処理される。しかしながら、その他の周波数範囲も可能である。
【0078】
殆どの実施においては、投入コンベア50を完全に撮像できるようにするために、奥行き画像センサは、最大許容バッグ高さの上方に置かれ、よって、下方に向けて傾けられる。そのため、奥行き画像センサの観察領域を最大化するために、投入コンベア50が下流コンベア52に接近するときに、仮想上面カーテン61が(
図5に示すように)フラットではなく下方に向けてテーパーが付くように、侵入処理モジュールを構成することができる。これは、視野についての奥行き画像センサの制限を弱め、その結果、仮想上面カーテン全体が、奥行き画像センサの視野の範囲内に留まるようになる。
【0079】
仮想側面カーテン61は、サイドガードの高さに正確に追随するように可変の下側高さを有している(
図4を参照)。これは、数ミリメートル(好ましくは1mm乃至1cm)の範囲内に調整することができ、それにより、手荷物またはその他の物体が、サイドガードと側面仮想カーテンの下部との間の間隙に、侵入できなくなり、そこで発見されることがなくなる。
【0080】
実施例または実施形態の幾つかでは、(仮想ボックスを形成する以外の)その他の目的のために、同じシステム上で2以上の奥行き画像センサを使用することも可能である。その他のスキャン機能が、ステーションの周囲に設置されたその他のセンサにより行われる。
【0081】
好ましくは、ステーションは、1またはそれ以上のセンサを含むことができるが、好ましい実施形態では、ステーションが、3つのセンサアレイと、2つのバーコードリーダを含むことができる。
【0082】
各スキャンの後、3Dスキャナ(例えば、この実施形態では、このセンサがセンサ6−7として示されている)が、侵入処理モジュールに、現在の手荷物の高さを伝達することとなる。荷物の高さと予め規定された安全範囲との合計を使用して、侵入処理モジュールは、(動的仮想ゾーンを含む)複数の仮想ボックスのうちの一つで仮想側面および上面カーテンを最新の状態にする。動的仮想ゾーンの高さを選択する基準は、可能な限り荷物の高さに近付けることであるが、それは、荷物の高さと予め規定された安全範囲との合計の上方にある。好ましくは、ゾーンは、投入器内への様々な手荷物の挿入の間に、修正および変更される。
【0083】
複数の仮想ボックスまたはゾーン内に含まれる仮想側面カーテンまたは壁は、低くした仮想上部カーテンに正確に追随し、その結果、側面および上部カーテンがともに同じ高さを有する。
【0084】
好ましくは、(高さに関して)低い仮想ゾーンはほぼ平坦または水平または投入器の床面とほぼ平行な仮想上壁からなり、投入コンベアが下流コンベアに近付いて奥行き画像センサの視野についての制限が弱められる場合に、仮想ボックスが最小閾値を超えて高さが増加するときに、仮想上面カーテンまたは壁は、投入器の中心に向けてテーパーが付け始めるものであってもよい。
【0085】
好ましくは、本発明の幾つかの実施形態では、すべての仮想側面カーテンまたは壁が、サイドバーの高さに正確に追随する複数の仮想ボックスまたはゾーン内に含まれ得る。
【0086】
ほぼ30Hzの予め設定された速度で、侵入処理モジュールにより生成された必要な情報すべてを有するデータパケットが、コントローラに送信される。この情報には、仮想側面カーテンに有効な侵入が現在存在するか否かと、仮想上面カーテンに有効な侵入が現在存在するか否かと、仮想側面カーテンが奥行き画像センサから十分に見えるか否かと、仮想上面カーテンが奥行き画像センサから十分に見えるか否かとが含まれる。
【0087】
また、奥行き画像センサにより受信された各奥行き画像が受信されて侵入の確認がなされると直ぐに、データパケットが侵入処理モジュールからコントローラに送られることが好ましい。各データパケットは、コントローラに対して、侵入処理モジュールが正常に作動していることを示すハートビートとして機能する。コントローラが予め規定された期間内にハートビートを受信しない場合は、侵入処理モジュールが、障害状態にあると宣言されるとともに、コントローラが、適切な安全動作を取らなくてはならない。
【0088】
本願発明の代替的な実施形態では、システムまたはステーション全体に更なる改良が加えられるものであってもよい。幾つかのネットワーク環境の“ノイズ”または信頼性の欠如により、侵入処理モジュールによって送信されたすべてのパケットがコントローラによって受信されるわけではない。送信時にデータパケットが従うプロトコルは、UDPであり、これは、データの配信を保証するものではない。このため、侵入処理モジュールは、有効な侵入が検出されたときに、侵入が既に存在しなくなった後でも、データパケット内の側面または上面侵入ビットが予め規定した延長期間「true」に設定され得るように、構成することができる。これにより、侵入がコントローラに確実に登録されるものとなる。
【0089】
上面および側面の仮想カーテンは、スケールコンベアに対するそれらの高さおよび位置において設定可能である。奥行き画像センサの視野の範囲外となる何れかの仮想カーテンの一定の割合は、指定された立入禁止区域である。立入禁止区域である何れかの仮想カーテンの一定の割合が予め規定された閾値を超える場合には、侵入の正確な確認のために、侵入処理モジュールを信頼することができなくなり、侵入処理モジュールを再構成しなければならない。
【0090】
奥行き画像センサの視野の範囲内のポイントが有効な奥行きを有していない場合、そのポイントは、“不可視”と呼ばれる。奥行き画像センサの視野の範囲内に不可視のポイントが存在する理由には、奥行き画像センサの視野内の太陽光、または奥行き画像センサの視野内の反射面が含まれ、反射面には、例えば、次のようなものがある。
a.サイドバーが良く反射する場合
b.荷物のある部分がよく反射する場合
c.顧客の衣類が反射する場合
d.物体、人またはその他のものが、その赤外線カメラを覆うことにより奥行き画像センサの視野を見えなくしている
e.特大の手荷物が奥行き画像センサに接近し過ぎている
f.“不可視”である何れかの仮想カーテンの一定の割合が予め規定された閾値を超える場合、侵入処理モジュールは、侵入の正確な確認のために、信頼すべきではなく、好ましくは再構成すべきである。
【0091】
[更なる好ましい特徴]
動的仮想ボックスは、仮想側面カーテンに向けて、すなわちユーザに向けて先細となるようにし、それにより、ユーザまたは乗客の揺動するハンドバッグ・ストラップによる偶発的な侵入の可能性をさらに低減することによって、さらに改善することができる。
【0092】
また、本発明の好ましい実施形態は、乗客の旅行手荷物を登録する処理ステーションを含むこともでき、処理ステーションが、第1形状を有する荷物移送タブであって、乗客に付随する手荷物を受け入れるように構成された荷物移送タブと、手荷物を内部に有するタブを受け取るための投入器と、投入器に付随する少なくとも1のカメラであって、荷物を有するタブの画像が撮られるように配置される少なくとも1のカメラと、少なくとも1のカメラに関連するコントローラであって、少なくとも1のカメラの動作を制御するように構成されたコントローラとを備え、コントローラが、予め設定されたタブの形状のデータベースと画像を比較する。
【0093】
好ましくは、コントローラは、上述したタッチスクリーン・インターフェースまたはコントローラを使用することにより、タブの使用を乗客に確認することができる。また、コントローラは、投入コンベアに配置される計量センサを使用して、荷物とタブの重量を測定し、その後、コントローラは、乗客に関連する記録した荷物の重量からタブの重さを自動的に差し引くことができる。
【0094】
特定の実施例を参照して本発明を説明したが、当業者であれば分かるように、本発明は、本明細書に記載の本発明の明白な原理および意図に従って、数多くのその他の形態で具現化され得るものである。
【0095】
本発明および記載した好ましい実施形態は、産業上利用可能な少なくとも1の特徴を明確に含むものである。