特許第6564394号(P6564394)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6564394複素環式化合物およびそのドーパミンD1リガンドとしての使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564394
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】複素環式化合物およびそのドーパミンD1リガンドとしての使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 239/70 20060101AFI20190808BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20190808BHJP
   C07D 491/048 20060101ALI20190808BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20190808BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20190808BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20190808BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20190808BHJP
   C07D 491/052 20060101ALI20190808BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20190808BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20190808BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 7/10 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   C07D239/70
   A61K31/517
   C07D491/048CSP
   A61K31/506
   C07D471/04 104Z
   C07D487/04 140
   A61K31/519
   C07D491/052
   C07D471/04 111
   A61K31/501
   C07D519/00 301
   A61K31/4985
   A61P25/18
   A61P25/28
   A61P25/30
   A61P25/22
   A61P25/24
   A61P25/06
   A61P37/02
   A61P3/10
   A61P3/06
   A61P3/04
   A61P13/12
   A61P9/10
   A61P31/04
   A61P7/00
   A61P7/10
   A61P9/12
   A61P9/04
   A61P27/02
   A61P25/20
   A61P25/04
   A61P43/00 111
   A61P25/16
   A61P25/14
   A61P25/02
   A61P15/00
【請求項の数】23
【全頁数】149
(21)【出願番号】特願2016-564575(P2016-564575)
(86)(22)【出願日】2015年4月14日
(65)【公表番号】特表2017-513910(P2017-513910A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】IB2015052715
(87)【国際公開番号】WO2015166366
(87)【国際公開日】20151105
【審査請求日】2018年4月5日
(31)【優先権主張番号】61/984,919
(32)【優先日】2014年4月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【弁理士】
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アーロン ブロドニー
(72)【発明者】
【氏名】ジェニファー エリザベス ダヴォレン
(72)【発明者】
【氏名】イワン ヴィクトロヴィッチ エフレモフ
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド ローレンス ファーマン グレイ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エリック グリーン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ヴィクター オニール
(72)【発明者】
【氏名】ブルース ネルソン ロジャース
(72)【発明者】
【氏名】レイ ジャン
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 特表平07−500345(JP,A)
【文献】 特表2012−518024(JP,A)
【文献】 特表2007−535548(JP,A)
【文献】 Database REGISTRY,2007年,RN 937700-50-0,Retrieved from STN international [online] ;retrieved on 12 December 2018
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D201/00−519/00
A61K 31/33− 33/44
A61P 1/00− 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】
またはその薬学的に許容できる塩:
[式中、
nは、1または2であり、
は、O、S、NR、C(=O)、CH(OH)、またはCH(OCH)であり、
は、N含有5〜10員ヘテロアリール、N含有4〜12員ヘテロシクロアルキル、またはフェニルであり、それぞれは、1個のRで置換されていてもよく、1、2、3、または4個のR10でさらに置換されていてもよく、
は、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、N(−CH−シクロプロピル)、またはC(Tであり、
は、C(Tであり、
は、C(T、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)であり、
は、NまたはC−Tであり、
は、H、−OH、ハロゲン、−CN、または置換されていてもよいC1〜2アルキルであり、
、T、およびTのそれぞれは、H、−OH、ハロゲン、−CN、置換されていてもよいC1〜4アルキル、置換されていてもよいC3〜4シクロアルキル、置換されていてもよいシクロプロピルメチル、および置換されていてもよいC1〜4アルコキシからなる群から独立に選択され、
は、H、C1〜4アルキル、C3〜4シクロアルキル、または−C1〜2アルキル−C3〜4シクロアルキルであり、
およびRのそれぞれは、H、ハロゲン、−CN、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、およびC3〜6シクロアルキルからなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキルおよびC3〜6シクロアルキルのそれぞれは、ハロ、−OH、−NH、−NH(CH)、−N(CH、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよく、
およびRのそれぞれは、H、ハロゲン、−OH、−NO、−CN、−SF、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7シクロアルキル、4〜10員ヘテロシクロアルキル、−N(R)(R)、−N(R)(C(=O)R)、−C(=O)−N(R)(R)、−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−OC(=O)−R、−N(R)(S(=O))、−S(=O)−N(R)(R)、−SR、および−ORからなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルのそれぞれは、ハロゲン、−CN、−OH、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルコキシ、C3〜6シクロアルキル、−N(R)(R)、−N(R)(C(=O)R)、−C(=O)−OR、−C(=O)H、−C(=O)R、−C(=O)N(R)(R)、−N(R)(S(=O))、−S(=O)−N(R)(R)、−SR、および−ORからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
またはRおよびRは、それらが結合している2個の炭素原子と一緒に、縮合N含有5または6員ヘテロアリール、縮合N含有5または6員ヘテロシクロアルキル、縮合5または6員シクロアルキル、または縮合ベンゼン環を形成しており、それぞれは、ハロ、−CN、−OH、−NH、−NH(CH)、−N(CH、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3ハロアルキル、およびC1〜3ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、H、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、またはC3〜7シクロアルキルであり、
は、Hであるか、またはC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、4〜10員ヘテロシクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、および(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−からなる群から選択され、前記群からの前記選択肢のそれぞれは、−OH、−NH、−NH(CH)、−N(CH、−CN、C1〜4アルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4ヒドロキシルアルキル、−S−C1〜4アルキル、−C(=O)H、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)−O−C1〜4アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−N(C1〜4アルキル)、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよく、
またはRおよびRは、それらが結合しているN原子と一緒に、4〜10員ヘテロシクロアルキルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成しており、それぞれは、ハロゲン、−OH、−NH、−NH(CH)、−N(CH、オキソ、−C(=O)H、−C(=O)OH、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−N(C1〜4アルキル)、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよく、
は、H、C1〜4アルキル、およびC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、
は、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、4〜14員ヘテロシクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、および(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−からなる群から選択され、前記群からの前記選択肢のそれぞれは、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−NH(CH)、−N(CH、オキソ、−S−C1〜4アルキル、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
およびR10のそれぞれは、ハロゲン、−OH、−CN、−SF、−NO、オキソ、チオノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシルアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−、−N(R)(R)、−N(R)(C(=O)R)、−S(=O)N(R)(R)、−C(=O)−N(R)(R)、−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−SR、および−ORからなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、および(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−のそれぞれは、ハロゲン、OH、−CN、−NO、C1〜4アルキル、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4アルコキシ、−N(R)(R)、−S−(C1〜4アルキル)、−S(=O)−(C1〜4アルキル)、C6〜10アリールオキシ、[1または2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよい(C6〜10アリール)−C1〜4アルキルオキシ−]、オキソ、−C(=O)H、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)O−C1〜4アルキル、−C(=O)NH、−NHC(=O)H、−NHC(=O)−(C1〜4アルキル)、C3〜7シクロアルキル、5または6員ヘテロアリール、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよく、
またはRおよび隣接するR10は、それらが結合しているQ上の2個の環原子と一緒に、縮合ベンゼン環または縮合5員もしくは6員ヘテロアリールを形成しており、それぞれは、1、2、3、4、または5個の独立に選択されるR10aで置換されていてもよく、
各R10aは、ハロゲン、−OH、−N(R)(R)、−C(=O)OH、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−N(C1〜4アルキル)、−CN、−SF、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群から独立に選択される]
を含む、哺乳動物においてD1媒介性(D1関連)障害を処置するための医薬
【請求項2】
前記障害が、統合失調症(例えば、統合失調症における認知および陰性症状)、統合失調型パーソナリティ障害、認知障害[例えば、統合失調症に関連した認知障害、ADに関連した認知障害、PDに関連した認知障害、薬物療法(例えば、D2アンタゴニスト療法)に関連した認知障害]、注意欠陥多動障害(ADHD)、衝動性、強迫的ギャンブル、過食症、自閉症スペクトラム障害、軽度認知障害(MCI)、加齢性認知低下、認知症(例えば、老人性認知症、HIV関連認知症、アルツハイマー認知症、レーヴィ小体認知症、血管性認知症、または前頭側頭骨認知症)、レストレスレッグ症候群(RLS)、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、不安、うつ病(例えば、加齢性うつ病)、大うつ病性障害(MDD)、治療抵抗性うつ病(TRD)、双極性障害、慢性感情鈍麻、快感消失、慢性倦怠、心的外傷後ストレス障害、季節情動障害、社会不安障害、産後うつ病、セロトニン症候群、物質乱用および薬物依存症、薬物乱用再発、トゥーレット症候群、遅発性ジスキネジア、嗜眠、日中の過剰な眠気、悪液質、不注意、性機能障害(例えば、勃起機能不全またはSSRI後性機能障害)、片頭痛、全身性エリテマトーデス(SLE)、高血糖症、アテローム硬化症、脂質異常症、肥満、糖尿病、敗血症、虚血後尿細管壊死、腎不全、低ナトリウム血症、治療抵抗性浮腫、ナルコレプシー、高血圧、鬱血性心不全、手術後眼低圧、睡眠障害、および疼痛から選択される、請求項1に記載の医薬
【請求項3】
式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩が、式I−a、I−b、I−c、I−d、I−e、もしくはI−fの化合物:
【化2】
またはその薬学的に許容できる塩である、請求項1または2に記載の医薬
【請求項4】
が、
【化3】
という部分であり、
環Q1aが、N含有5〜6員ヘテロアリールまたはN含有5〜6員ヘテロシクロアルキルであり、
【化4】
が、単結合または二重結合を表し、
およびZのそれぞれが、独立に、CまたはNであり、
が、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、−CN、−N(R)(R)、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、またはC3〜7シクロアルコキシであり、前記C1〜4アルキルおよびC3〜7シクロアルキルのそれぞれが、ハロゲン、−N(R)(R)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよく、
各R10が、ハロゲン、−OH、−CN、−NO、オキソ、チオノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシルアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−、(5〜10員ヘテロアリール)−C2〜4アルケニル−、−N(R)(R)、−N(R)(C(=O)R)、−S(=O)N(R)(R)、−C(=O)−N(R)(R)、−C(=O)−R、−C(=O)−OR、および−ORからなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−、および(5〜10員ヘテロアリール)−C2〜4アルケニル−のそれぞれが、ハロゲン、OH、−CN、−NO、C1〜4アルキル、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4アルコキシ、−N(R)(R)、−S−(C1〜4アルキル)、−S(=O)−(C1〜4アルキル)、C6〜10アリールオキシ、1または2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよい(C6〜10アリール)−C1〜4アルキルオキシ−、オキソ、−C(=O)H、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)O−C1〜4アルキル、−C(=O)NH、−NHC(=O)H、−NHC(=O)−(C1〜4アルキル)、C3〜7シクロアルキル、5または6員ヘテロアリール、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよく、
またはRおよび隣接するR10は、それらが結合している環Q1a上の2個の環原子と一緒に、縮合ベンゼン環または縮合5員もしくは6員ヘテロアリールを形成しており、それぞれは、1、2、3、4、または5個の独立に選択されるR10aで置換されていてもよく、
各R10aは、ハロゲン、−OH、−C(=O)OH、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−N(C1〜4アルキル)、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ヒドロキシルアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群から独立に選択され、
mが、0、1、2、3、または4である、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬
【請求項5】
式Iの化合物:
【化5】
またはその薬学的に許容できる塩:
[式中、
nは、1または2であり、
は、O、S、NR、C(=O)、またはCH(OH)であり、
は、N含有5〜6員ヘテロアリールまたはN含有5〜6員ヘテロシクロアルキルであり、それぞれは、1個のRで置換されていてもよく、1、2、3、または4個のR10でさらに置換されていてもよく、
は、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、N(−CH−シクロプロピル)、またはC(Tであり、
は、C(Tであり、
は、C(Tであり、
は、NまたはC−Tであり、
は、H、F、Cl、メチル、またはCフルオロアルキルであり、
各Tは、H、ハロゲン、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜4シクロアルキル、C3〜4ハロシクロアルキル、シクロプロピルメチル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシからなる群から独立に選択され、
各Tは、H、−OH、ハロゲン、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜4シクロアルキル、C3〜4ハロシクロアルキル、シクロプロピルメチル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシからなる群から独立に選択され、
は、H、ハロゲン、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜4シクロアルキル、C3〜4ハロシクロアルキル、シクロプロピルメチル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシからなる群から独立に選択され、
は、H、C1〜4アルキル、C3〜4シクロアルキル、または−C1〜2アルキル−C3〜4シクロアルキルであり、
およびRのそれぞれは、H、ハロゲン、−CN、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜6シクロアルキル、−C(=O)OH、およびC(=O)−O−(C1〜4アルキル)からなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキルおよびC3〜6シクロアルキルのそれぞれは、ハロ、−OH、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよく、
およびRのそれぞれは、H、ハロゲン、−OH、−NO、−CN、−SF、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7シクロアルキル、4〜10員ヘテロシクロアルキル、−N(R)(R)、−N(R)(C(=O)R)、−C(=O)−N(R)(R)、−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−OC(=O)−R、−N(R)(S(=O))、−S(=O)−N(R)(R)、−SR、および−ORからなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルのそれぞれは、ハロゲン、−CN、−OH、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルコキシ、C3〜6シクロアルキル、−N(R)(R)、−N(R)(C(=O)R)、−C(=O)−OR、−C(=O)H、−C(=O)R、−C(=O)N(R)(R)、−N(R)(S(=O))、−S(=O)−N(R)(R)、−SR、および−ORからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
またはRおよびRは、それらが結合している2個の炭素原子と一緒に、縮合N含有5または6員ヘテロアリール、縮合N含有5または6員ヘテロシクロアルキル、縮合5または6員シクロアルキル、または縮合ベンゼン環を形成しており、それぞれは、ハロ、−CN、−OH、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3ハロアルキル、およびC1〜3ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、H、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、またはC3〜7シクロアルキルであり、
は、Hであるか、またはC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、4〜10員ヘテロシクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、および(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−からなる群から選択され、前記群の前記選択肢のそれぞれは、−OH、−CN、C1〜4アルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4ヒドロキシルアルキル、−S−C1〜4アルキル、−C(=O)H、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)−O−C1〜4アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−N(C1〜4アルキル)、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよく、
またはRおよびRは、それらが結合しているN原子と一緒に、4〜10員ヘテロシクロアルキルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成しており、それぞれは、ハロゲン、−OH、オキソ、−C(=O)H、−C(=O)OH、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−N(C1〜4アルキル)、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよく、
は、H、C1〜4アルキル、およびC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、
は、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、4〜14員ヘテロシクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、および(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−からなる群から選択され、前記群の前記選択肢のそれぞれは、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、オキソ、−S−C1〜4アルキル、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、−CN、−SF、−N(R)(R)、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜7シクロアルコキシ、またはC3〜7シクロアルキルであり、前記C1〜4アルキルおよびC3〜7シクロアルキルのそれぞれは、ハロゲン、−N(R)(R)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよく、
各R10は、ハロゲン、−OH、−CN、−SF、−NO、オキソ、チオノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシルアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−、−N(R)(R)、−N(R)(C(=O)R)、−S(=O)N(R)(R)、−C(=O)−N(R)(R)、−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−SR、および−ORからなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、および(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−のそれぞれは、ハロゲン、OH、−CN、−NO、C1〜4アルキル、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4アルコキシ、−N(R)(R)、−S−(C1〜4アルキル)、−S(=O)−(C1〜4アルキル)、C6〜10アリールオキシ、[1または2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよい(C6〜10アリール)−C1〜4アルキルオキシ−]、オキソ、−C(=O)H、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)O−C1〜4アルキル、−C(=O)NH、−NHC(=O)H、−NHC(=O)−(C1〜4アルキル)、C3〜7シクロアルキル、5または6員ヘテロアリール、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよく、
またはRおよび隣接するR10は、それらが結合しているQ上の2個の環原子と一緒に、縮合ベンゼン環または縮合5員もしくは6員ヘテロアリールを形成しており、1、2、3、4、または5個の独立に選択されるR10aで置換されていてもよく、
各R10aは、ハロゲン、−OH、−N(R)(R)、−C(=O)OH、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−N(C1〜4アルキル)、−CN、−SF、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群から独立に選択され、
ただし、X、X、およびXのそれぞれが、CHであり、Xが、Nであり、Lが、NRである場合、Qは、置換されていてもよいピペリジン−1−イル以外である]。
【請求項6】
が、OまたはSである、請求項5に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項7】
が、Oである、請求項5に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項8】
各Tが、H、ハロゲン、−CN、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、メチル、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、各Tが、H、−OH、ハロゲン、−CN、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、メチル、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される、請求項5から7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項9】
が、Hであり、Tが、Hである、請求項5から8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項10】
の一方がHであり、他方が、Hまたは−OHである、請求項5から9のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できる塩。
【請求項11】
式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩が、式I−a、I−b、I−c、I−d、I−e、もしくはI−fの化合物:
【化6】
またはその薬学的に許容できる塩である、請求項5から10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項12】
式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩が、式I−aの化合物またはその薬学的に許容できる塩である、請求項11に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項13】
およびRのそれぞれが、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれが、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである、請求項5から12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項14】
およびRのそれぞれが、Hであり、Rが、Hであり、Rが、H、ハロゲン、−CN、メチル、またはCハロアルキルである、請求項5から13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項15】
が、
【化7】
という部分であり、
環Q1aが、N含有5〜6員ヘテロアリールまたはN含有5〜6員ヘテロシクロアルキルであり、
【化8】
が、単結合または二重結合を表し、
およびZのそれぞれが、独立に、CまたはNであり、
が、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、−CN、−N(R)(R)、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、またはC3〜7シクロアルコキシであり、前記C1〜4アルキルおよびC3〜7シクロアルキルのそれぞれが、ハロゲン、−N(R)(R)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよく、
各R10が、ハロゲン、−OH、−CN、−NO、オキソ、チオノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシルアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−、(5〜10員ヘテロアリール)−C2〜4アルケニル−、−N(R)(R)、−N(R)(C(=O)R)、−S(=O)N(R)(R)、−C(=O)−N(R)(R)、−C(=O)−R、−C(=O)−OR、および−ORからなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−、および(5〜10員ヘテロアリール)−C2〜4アルケニル−のそれぞれが、ハロゲン、OH、−CN、−NO、C1〜4アルキル、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4アルコキシ、−N(R)(R)、−S−(C1〜4アルキル)、−S(=O)−(C1〜4アルキル)、C6〜10アリールオキシ、1または2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよい(C6〜10アリール)−C1〜4アルキルオキシ−、オキソ、−C(=O)H、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)O−C1〜4アルキル、−C(=O)NH、−NHC(=O)H、−NHC(=O)−(C1〜4アルキル)、C3〜7シクロアルキル、5または6員ヘテロアリール、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよく、
またはRおよび隣接するR10は、縮合ベンゼン環または縮合5員もしくは6員ヘテロアリールを形成しており、それぞれは、それらが結合している環Q1a上の2個の環原子と一緒に、1、2、3、4、または5個の独立に選択されるR10aで置換されていてもよく、
各R10aは、ハロゲン、−OH、−C(=O)OH、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−N(C1〜4アルキル)、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ヒドロキシルアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群から独立に選択され、
mが、0、1、2、3、または4である、
請求項5から14のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項16】
部分Mが、キノリニル、イソキノリニル、1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピラジニル、イミダゾ[2,1−c][1,2,4]トリアジニル、イミダゾ[1,5−a]ピラジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、1H−インダゾリル、9H−プリニル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジニル、イソオキサゾロ[5,4−c]ピリダジニル、イソオキサゾロ[3,4−c]ピリダジニル、および[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジニルからなる群から選択され、それぞれが、1、2、または3個のR10で置換されていてもよく、1または2個のR10aでさらに置換されていてもよいか;または部分Mが、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジニル、ピリダジニル、1H−ピラゾリル、1H−ピロリル、4H−ピラゾリル、1H−イミダゾリル、1H−イミダゾリル、3−オキソ−2H−ピリダジニル、1H−2−オキソ−ピリミジニル、1H−2−オキソ−ピリジニル、2,4(1H,3H)−ジオキソ−ピリミジニル、および1H−2−オキソ−ピラジニルからなる群から選択され、それぞれが、Rで置換されており、1、2、または3個のR10でさらに置換されていてもよい、請求項15に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項17】
部分Mが、
【化9】
であり、
10aが、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、またはC3〜7シクロアルキルであり、
t1が、0または1であり、
tが、0または1である、請求項15に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項18】
部分Mが、
【化10】
である、請求項15に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項19】
部分Mが、
【化11】
であり、
11が、H、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、またはC3〜7シクロアルキルである、請求項15に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項20】
が、C1〜4アルキル、または−CNであり、各R10が、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、−CN、および−N(R)(R)からなる群から独立に選択され、RおよびRのそれぞれが、独立に、Hであるか、もしくはC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、およびC3〜7シクロアルキルからなる群から選択されるか;またはRおよびRが、それらが結合しているN原子と一緒に、4〜7員ヘテロシクロアルキルまたは5員ヘテロアリールを形成しており、それぞれが、ハロゲン、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C3〜6シクロアルキル、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい、請求項5から19のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項21】
4−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−5−イル)−3−メチルフェノキシ]−2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン;
4−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−5−イル)−3−メチルフェノキシ]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン;
5−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン;
5−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン;
(+)−5−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン;
(−)−5−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン;
5−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン、ENT−1;
5−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン、ENT−2;
6−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−1,5−ジメチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン;
6−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−1,5−ジメチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン;
5−{4−[(3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イル)オキシ]−2−メチルフェニル}−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン;
4−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−5−イル)−3−メチルフェノキシ]−2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−3−オール;および
6−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−1,5−ジメチルピラジン−2(1H)−オン
からなる群から選択される、請求項5に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項22】
請求項5から21のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩と、薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物。
【請求項23】
D1媒介性(またはD1関連)障害を処置するための、請求項5から21のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩を含む医薬
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、ドーパミンD1リガンド、例えば、ドーパミンD1アゴニストまたは部分アゴニストである複素芳香族化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
ドーパミンは、ドーパミン受容体の2つのファミリーであるD1様受容体(D1R)およびD2様受容体(D2R)を介してニューロンに作用する。D1様受容体ファミリーは、D1およびD5受容体からなり、これらは、脳の多くの領域において発現する。D1 mRNAは、例えば、線状体および側坐核において見出されている。例えば、Missale C、Nash SR、Robinson SW、Jaber M、Caron MG、「Dopamine receptors:from structure to function」、Physiological Reviews 78:189〜225(1998)を参照されたい。薬理学的研究により、D1およびD5受容体(D1/D5)、すなわち、D1様受容体は、アデニリルシクラーゼの刺激に関連しているのに対して、D2、D3、およびD4受容体、すなわち、D2様受容体は、cAMP産生の阻害に関連していることが報告されている。
【0003】
さらに、ドーパミンD1受容体は、多数の神経薬理学的および神経生物学的機能に関与している。例えば、D1受容体は、種々の種類の記憶機能およびシナプス可塑性に関係している。例えば、Goldman−Rakic PS、Castner SA、Svensson TH、Siever LJ、Williams GV、「Targeting the dopamine D1 receptor in schizophrenia:insights for cognitive dysfunction」、Psychopharmacology 174(1):3〜16(2004)を参照されたい。加えて、D1受容体は、統合失調症(例えば、統合失調症における認知症状および陰性症状)、統合失調型パーソナリティ障害、D2アンタゴニスト療法に関連した認知障害、ADHD、衝動性、自閉症スペクトラム障害、軽度認知障害(MCI)、加齢性認知低下、アルツハイマー認知症、パーキンソン病(PD)、ハンチントン舞踏病、うつ病、不安、治療抵抗性うつ病(TRD)、双極性障害、慢性感情鈍麻、快感消失、慢性倦怠、心的外傷後ストレス障害、季節性情動障害、社会不安障害、分娩後うつ病、セロトニン症候群、物質乱用および薬物依存、トゥーレット症候群、遅発性ジスキネジア、傾眠、性的機能障害、片頭痛、全身性エリテマトーデス(SLE)、高血糖症、脂質異常症、肥満、糖尿病、敗血症、虚血後尿細管壊死、腎不全、治療抵抗性浮腫、ナルコレプシー、高血圧、鬱血性心不全、手術後眼低圧、睡眠障害、疼痛、および哺乳動物における他の障害を含めた、様々な精神医学的障害、神経学的障害、神経発生的障害、神経変性障害、気分障害、動機づけ障害、代謝障害、心臓血管障害、腎臓障害、眼障害、内分泌障害、および/または本明細書に記載の他の障害に関与している。例えば、Goulet M、Madras BK、「D(1) dopamine receptor agonists are more effective in alleviating advanced than mild parkinsonism in 1−methyl−4−phenyl−1,2,3,6−tetrahydropyridine−treated monkeys」、Journal of Pharmacology and Experimental Therapy 292(2):714〜24(2000);Surmeier DJら、「The role of dopamine in modulating the structure and function of striatal circuits」、Prog. Brain Res. 183:149〜67(2010)を参照されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
D1Rをモジュレートする(例えば、作動させる、または部分的に作動させる)新たな、または改良された薬剤が、本明細書に記載のものなどの、D1Rの活性化の調節不全に関連する疾患または状態を処置するための、新しくより有効な医薬品を開発するために必要とされている。
【0005】
WO2011073845は、次式のヒドロキサム酸誘導体
【0006】
【化1】
およびそれらの塩を、細菌感染症を処置するために有用なLpxC阻害薬として報告している。
【0007】
WO2010028174は、次式の化合物
【0008】
【化2】
およびそれらの塩
[式中、RおよびRの少なくとも1個は、
【0009】
【化3】
であり、環Aは、3〜7員シクロアルキル環である]を、アテローム硬化症および糖尿病を処置するために有用なGATAモジュレータとして報告している。
【0010】
Tome,J.P.C.ら、「Novel porphyrin−quinazoline conjugates via the Diels−Alder reaction」、Tetrahedron(2003)、59(40)、7907〜7913は、キナゾリン部分が付加したメソ−テトラフェニルポルフィリンの特定の誘導体の合成を報告している。いくつかの中間体には:
【0011】
【化4】
が含まれる。
【0012】
WO93/08171は、次式の化合物
【0013】
【化5】
およびそれらの塩を、高血圧および/または鬱血性心不全を処置するために有用なアンジオテンシンIIアンタゴニストとして報告している。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の態様では、本発明は、哺乳動物においてD1媒介性(またはD1関連)障害を処置するための方法であって、前記哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物:
【0015】
【化6】
またはその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法を提供する
[式中、
nは、1または2であり、
は、O、S、NR、C(=O)、CH(OH)、またはCH(OCH)であり、
は、N含有5〜10員ヘテロアリール、N含有4〜12員ヘテロシクロアルキル、またはフェニルであり、それぞれは、1個のRで置換されていてもよく、1、2、3、または4個のR10でさらに置換されていてもよく、
は、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、N(−CH−シクロプロピル)、またはC(Tであり、
は、C(Tであり、
は、C(T、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)であり、
は、NまたはC−Tであり、
は、H、−OH、ハロゲン、−CN、または置換されていてもよいC1〜2アルキルであり、
、T、およびTのそれぞれは、H、−OH、ハロゲン、−CN、置換されていてもよいC1〜4アルキル、置換されていてもよいC3〜4シクロアルキル、置換されていてもよいシクロプロピルメチル、および置換されていてもよいC1〜4アルコキシからなる群から独立に選択され、
は、H、C1〜4アルキル、C3〜4シクロアルキル、または−C1〜2アルキル−C3〜4シクロアルキルであり、
およびRのそれぞれは、H、ハロゲン、−CN、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、およびC3〜6シクロアルキルからなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキルおよびC3〜6シクロアルキルのそれぞれは、ハロ、−OH、−NH、−NH(CH)、−N(CH、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよく、
およびRのそれぞれは、H、ハロゲン、−OH、−NO、−CN、−SF、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7シクロアルキル、4〜10員ヘテロシクロアルキル、−N(R)(R)、−N(R)(C(=O)R)、−C(=O)−N(R)(R)、−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−OC(=O)−R、−N(R)(S(=O))、−S(=O)−N(R)(R)、−SR、および−ORからなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルのそれぞれは、ハロゲン、−CN、−OH、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルコキシ、C3〜6シクロアルキル、−N(R)(R)、−N(R)(C(=O)R)、−C(=O)−OR、−C(=O)H、−C(=O)R、−C(=O)N(R)(R)、−N(R)(S(=O))、−S(=O)−N(R)(R)、−SR、および−ORからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
またはRおよびRは、それらが結合している2個の炭素原子と一緒に、縮合N含有5または6員ヘテロアリール、縮合N含有5または6員ヘテロシクロアルキル、縮合5または6員シクロアルキル、または縮合ベンゼン環を形成しており、それぞれは、ハロ、−CN、−OH、−NH、−NH(CH)、−N(CH、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3ハロアルキル、およびC1〜3ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、H、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、またはC3〜7シクロアルキルであり、
は、Hであるか、またはC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、4〜10員ヘテロシクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、および(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−からなる群から選択され、群からの選択肢のそれぞれは、−OH、−NH、−NH(CH)、−N(CH、−CN、C1〜4アルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4ヒドロキシルアルキル、−S−C1〜4アルキル、−C(=O)H、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)−O−C1〜4アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−N(C1〜4アルキル)、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよく、
またはRおよびRは、それらが結合しているN原子と一緒に、4〜10員ヘテロシクロアルキルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成しており、それぞれは、ハロゲン、−OH、−NH、−NH(CH)、−N(CH、オキソ、−C(=O)H、−C(=O)OH、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−N(C1〜4アルキル)、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよく、
は、H、C1〜4アルキル、およびC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、
は、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、4〜14員ヘテロシクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、および(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−からなる群から選択され、群からの選択肢のそれぞれは、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、−NH、−NH(CH)、−N(CH、オキソ、−S−C1〜4アルキル、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
およびR10のそれぞれは、ハロゲン、−OH、−CN、−SF、−NO、オキソ、チオノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシルアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−、−N(R)(R)、−N(R)(C(=O)R)、−S(=O)N(R)(R)、−C(=O)−N(R)(R)、−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−SR、および−ORからなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、および(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−のそれぞれは、ハロゲン、OH、−CN、−NO、C1〜4アルキル、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4アルコキシ、−N(R)(R)、−S−(C1〜4アルキル)、−S(=O)−(C1〜4アルキル)、C6〜10アリールオキシ、[1または2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよい(C6〜10アリール)−C1〜4アルキルオキシ−]、オキソ、−C(=O)H、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)O−C1〜4アルキル、−C(=O)NH、−NHC(=O)H、−NHC(=O)−(C1〜4アルキル)、C3〜7シクロアルキル、5または6員ヘテロアリール、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよく、
またはRおよび隣接するR10は、それらが結合しているQ上の2個の環原子と一緒に、縮合ベンゼン環または縮合5員もしくは6員ヘテロアリールを形成しており、1、2、3、4、または5個の独立に選択されるR10aで置換されていてもよく、
各R10aは、ハロゲン、−OH、−N(R)(R)、−C(=O)OH、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−N(C1〜4アルキル)、−CN、−SF、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群から独立に選択される]。
【0016】
一部の実施形態では、Xは、C(Tである。
【0017】
一部の実施形態では、Xが、Nである場合、Xは、C(T以外である。一部のさらなる実施形態では、Xは、C(Tである。
【0018】
一部の実施形態では、Xが、Nである場合、Lは、NR以外である。一部の実施形態では、Xが、Nである場合、Xは、C(T以外である。一部のさらなる実施形態では、Xは、C(Tである。
【0019】
一部の実施形態では、Lは、NR以外である。一部の実施形態では、Xが、Nである場合、Xは、C(T以外である。一部のさらなる実施形態では、Xは、C(Tである。
【0020】
一部の実施形態では、障害は、統合失調症(例えば、統合失調症における認知および陰性症状)、統合失調型パーソナリティ障害、認知障害[例えば、統合失調症に関連した認知障害、ADに関連した認知障害、PDに関連した認知障害、薬物療法(例えば、D2アンタゴニスト療法)に関連した認知障害]、注意欠陥多動障害(ADHD)、衝動性、強迫的ギャンブル、過食症、自閉症スペクトラム障害、軽度認知障害(MCI)、加齢性認知低下、認知症(例えば、老人性認知症、HIV関連認知症、アルツハイマー認知症、レーヴィ小体認知症、血管性認知症、または前頭側頭骨認知症)、レストレスレッグ症候群(RLS)、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、不安、うつ病(例えば、加齢性うつ病)、大うつ病性障害(MDD)、治療抵抗性うつ病(TRD)、双極性障害、慢性感情鈍麻、快感消失、慢性倦怠、心的外傷後ストレス障害、季節情動障害、社会不安障害、産後うつ病、セロトニン症候群、物質乱用および薬物依存症、薬物乱用再発、トゥーレット症候群、遅発性ジスキネジア、嗜眠、日中の過剰な眠気、悪液質、不注意、性機能障害(例えば、勃起機能不全またはSSRI後性機能障害)、片頭痛、全身性エリテマトーデス(SLE)、高血糖症、アテローム硬化症、脂質異常症、肥満、糖尿病、敗血症、虚血後尿細管壊死、腎不全、低ナトリウム血症、治療抵抗性浮腫、ナルコレプシー、高血圧、鬱血性心不全、手術後眼低圧、睡眠障害、および疼痛から選択される。
【0021】
一部の実施形態では、Lは、OまたはSである。一部のさらなる実施形態では、Lは、Sである。
【0022】
一部の実施形態では、Lは、Oである。
【0023】
一部の実施形態では、Lは、NHである。
【0024】
一部の実施形態では、Lは、C(=O)、CH(OH)、またはCH(OCH)である。一部のさらなる実施形態では、C(=O)またはCH(OH)である。
【0025】
一部の実施形態では:
は、H、F、Cl、メチル、またはCフルオロアルキルであり、
各Tは、H、ハロゲン、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜4シクロアルキル、C3〜4ハロシクロアルキル、シクロプロピルメチル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシからなる群から独立に選択され、
各Tは、H、−OH、ハロゲン、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜4シクロアルキル、C3〜4ハロシクロアルキル、シクロプロピルメチル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシからなる群から独立に選択され、
は、H、ハロゲン、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜4シクロアルキル、C3〜4ハロシクロアルキル、シクロプロピルメチル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシからなる群から選択される。一部のさらなる実施形態では、Xは、C(Tである。
【0026】
一部の実施形態では、各Tは、H、ハロゲン、−CN、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、メチル、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、各Tは、H、−OH、ハロゲン、−CN、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、メチル、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のまたさらなる実施形態では、各Tは、Hであり、各Tは、Hおよび−OHからなる群から独立に選択される。一部のいっそうさらなる実施形態では、Xは、C(Tである。
【0027】
一部の実施形態では、nは、1である。
【0028】
一部の実施形態では、nは、2である。
【0029】
一部の実施形態では、Tは、H、F、Cl、またはメチルである。一部のさらなる実施形態では、Tは、Hである。
【0030】
一部の実施形態では、Tは、H、ハロゲン、−CN、メチル、またはC1ハロアルキルである。一部のさらなる実施形態では、Tは、H、F、Cl、またはメチルである。またさらなる実施形態では、Tは、Hである。
【0031】
一部の実施形態では、Tは、Hであり、Tは、Hである。一部のさらなる実施形態では、各Tは、Hであり、各Tは、Hおよび−OHからなる群から独立に選択される。
【0032】
一部の実施形態では、Tの一方は、Hであり、他方は、Hまたは−OHである。
【0033】
一部の実施形態では、Tは両方とも、Hである。
【0034】
一部の実施形態では、Tの一方は、Hであり、他方は、−OHである。
【0035】
一部の実施形態では、Xは、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)である。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0036】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHである。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0037】
一部の実施形態では、Xは、OまたはNHである。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0038】
一部の実施形態では、Xは、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)であり、nは、1であり、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、Xは、C(Tであり、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0039】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、nは、1であり、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、Xは、C(Tであり、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0040】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、nは、1であり、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、Xは、C(Tであり、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0041】
一部の実施形態では、Xは、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)であり、nは、2であり、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、Xは、C(Tであり、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0042】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、nは、2であり、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、Xは、C(Tであり、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0043】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、nは、2であり、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、Xは、C(Tであり、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0044】
一部の実施形態では、Xは、Oである。一部のさらなる実施形態では、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、Xは、C(Tであり、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0045】
一部の実施形態では、Xは、NHである。一部のさらなる実施形態では、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、Xは、C(Tであり、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0046】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩は、式I−aの化合物:
【0047】
【化7】
またはその薬学的に許容できる塩である。
【0048】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩は、式I−bの化合物:
【0049】
【化8】
またはその薬学的に許容できる塩である。
【0050】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩は、式I−cの化合物:
【0051】
【化9】
またはその薬学的に許容できる塩である。
【0052】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩は、式I−dの化合物:
【0053】
【化10】
またはその薬学的に許容できる塩である。
【0054】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩は、式I−eの化合物:
【0055】
【化11】
またはその薬学的に許容できる塩である。
【0056】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩は、式I−fの化合物:
【0057】
【化12】
またはその薬学的に許容できる塩である。
【0058】
本発明の第1の態様における本明細書に記載の実施形態は、別段に指定しない限り、式I、I−a、I−b、I−c、I−d、I−e、もしくはI−fの化合物、またはその薬学的に許容できる塩を使用するための方法を含む。
【0059】
一部の実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンである。
【0060】
一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hである。
【0061】
一部の実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。
【0062】
一部の実施形態では、Rは、Hであり、Rは、H、ハロゲン、−CN、メチル、またはCハロアルキルである。
【0063】
一部の実施形態では、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0064】
一部の実施形態では、Qは、N含有5〜6員ヘテロアリールまたはN含有5〜6員ヘテロシクロアルキルであり、それぞれは、1個のRおよび1、2、3、または4個のR10で置換されていてもよい。
【0065】
一部の実施形態では、Qは、N含有5〜6員ヘテロアリールまたはN含有5〜6員ヘテロシクロアルキルであり、それぞれは、1個のRで置換されており、1、2、3、または4個のR10でさらに置換されていてもよい。
【0066】
一部の実施形態では:
は、ハロゲン(例えば、Cl)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、−CN、−SF、−N(R)(R)、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜7シクロアルコキシ、またはC3〜7シクロアルキルであり、C1〜4アルキルおよびC3〜7シクロアルキルのそれぞれは、ハロゲン、−N(R)(R)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよく、
各R10は、ハロゲン、−OH、−CN、−SF、−NO、オキソ、チオノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシルアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−、−N(R)(R)、−N(R)(C(=O)R)、−S(=O)N(R)(R)、−C(=O)−N(R)(R)、−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−SR、および−ORからなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、および(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−のそれぞれは、ハロゲン、−OH、−CN、−NO、C1〜4アルキル、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4アルコキシ、−N(R)(R)、−S−(C1〜4アルキル)、−S(=O)−(C1〜4アルキル)、C6〜10アリールオキシ、[1または2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよい(C6〜10アリール)−C1〜4アルキルオキシ−]、オキソ、−C(=O)H、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)O−C1〜4アルキル、−C(=O)NH、−NHC(=O)H、−NHC(=O)−(C1〜4アルキル)、C3〜7シクロアルキル、5または6員ヘテロアリール、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3または4個の置換基で置換されていてもよく、
またはRおよび隣接するR10は、それらが結合しているQ上の2個の環原子と一緒に、縮合ベンゼン環または縮合5員もしくは6員ヘテロアリールを形成しており、それぞれは、1、2、3、4、または5個の独立に選択されるR10aで置換されていてもよい。
【0067】
一部の実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、Cl)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、−CN、−SF、−N(R)(R)、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜7シクロアルコキシ、またはC3〜7シクロアルキルであり、C1〜4アルキルおよびC3〜7シクロアルキルのそれぞれは、ハロゲン、−N(R)(R)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよい。一部のさらなる実施形態では、Rは、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、−CN、−SF、−N(R)(R)、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜7シクロアルコキシ、またはC3〜7シクロアルキルであり、C1〜4アルキルおよびC3〜7シクロアルキルのそれぞれは、ハロゲン、−N(R)(R)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよい。
【0068】
一部の実施形態では:
は、
【0069】
【化13】
の部分であり、
環Q1aは、N含有5〜6員ヘテロアリールまたはN含有5〜6員ヘテロシクロアルキルであり、
【0070】
【化14】
は、単結合または二重結合を表し、
およびZのそれぞれは、独立に、CまたはNであり、
は、ハロゲン(例えば、Cl)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、−CN、−N(R)(R)、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、またはC3〜7シクロアルコキシであり、C1〜4アルキルおよびC3〜7シクロアルキルのそれぞれは、ハロゲン、−N(R)(R)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよく、
各R10は、ハロゲン、−OH、−CN、−NO、オキソ、チオノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシルアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−、(5〜10員ヘテロアリール)−C2〜4アルケニル−、−N(R)(R)、−N(R)(C(=O)R)、−S(=O)N(R)(R)、−C(=O)−N(R)(R)、−C(=O)−R、−C(=O)−OR、および−ORからなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−、および(5〜10員ヘテロアリール)−C2〜4アルケニル−のそれぞれは、ハロゲン、OH、−CN、−NO、C1〜4アルキル、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4アルコキシ、−N(R)(R)、−S−(C1〜4アルキル)、−S(=O)−(C1〜4アルキル)、C6〜10アリールオキシ、1または2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよい(C6〜10アリール)−C1〜4アルキルオキシ−、オキソ、−C(=O)H、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)O−C1〜4アルキル、−C(=O)NH、−NHC(=O)H、−NHC(=O)−(C1〜4アルキル)、C3〜7シクロアルキル、5または6員ヘテロアリール、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよく、
またはRおよび隣接するR10は、それらが結合している環Q1a上の2個の環原子と一緒に、縮合ベンゼン環または縮合5員もしくは6員ヘテロアリールを形成しており、それぞれは、1、2、3、4、または5個の独立に選択されるR10aで置換されていてもよく、
各R10aは、ハロゲン、−OH、−C(=O)OH、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−N(C1〜4アルキル)、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ヒドロキシルアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群から独立に選択され、
mは、0、1、2、3、または4である。
【0071】
一部の実施形態では、Qは、部分Mの部分であり、Zは、Cである。
【0072】
一部の実施形態では、Qまたは環Q1aは、置換されていてもよいN含有6員ヘテロアリールである。
【0073】
一部の実施形態では、Qまたは環Q1aは、置換されていてもよいピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、またはピラジニルである。一部のさらなる実施形態では、Qまたは環Q1aは、置換されていてもよいピリミジニル、ピリダジニル、またはピラジニルである。
【0074】
一部の実施形態では、Qまたは環Q1aは、ピリミジニル、ピリダジニル、またはピラジニルであり、それぞれは、OH、ハロゲン(例えば、Cl)、CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、およびC3〜7シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよい。一部のさらなる実施形態では、Qまたは環Q1aは、ピリミジニル、ピリダジニル、またはピラジニルであり、それぞれは、CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、およびC3〜7シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよい。いっそうさらなる実施形態では、Qまたは環Q1aは、ピリミジニル、ピリダジニル、またはピラジニルであり、それぞれは、CN、C1〜4アルキル、およびC1〜4ハロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい。
【0075】
一部の実施形態では、部分Mは、キノリニル、イソキノリニル、1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピラジニル、イミダゾ[2,1−c][1,2,4]トリアジニル、イミダゾ[1,5−a]ピラジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、1H−インダゾリル、9H−プリニル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジニル、イソオキサゾロ[5,4−c]ピリダジニル、イソオキサゾロ[3,4−c]ピリダジニル、および[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジニルからなる群から選択され、それぞれは、1、2、または3個のR10で置換されていてもよく、1または2個のR10aでさらに置換されていてもよいか、または部分Mは、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジニル、ピリダジニル、1H−ピラゾリル、1H−ピロリル、4H−ピラゾリル、1H−イミダゾリル、1H−イミダゾリル、3−オキソ−2H−ピリダジニル、1H−2−オキソ−ピリミジニル、1H−2−オキソ−ピリジニル、2,4(1H,3H)−ジオキソ−ピリミジニル、および1H−2−オキソ−ピラジニルからなる群から選択され、それぞれは、Rで置換されており、1、2、または3個のR10でさらに置換されていてもよい。
【0076】
一部の実施形態では:
部分Mは、
【0077】
【化15】
であり、
10aは、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、またはC3〜7シクロアルキルであり、
t1は、0または1であり、
tは、0または1である。
【0078】
一部の実施形態では、部分Mは、
【0079】
【化16】
である。
【0080】
一部の実施形態では、部分Mは、
【0081】
【化17】
である。
【0082】
一部の実施形態では:
部分Mは、
【0083】
【化18】
であり、
11は、H、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、またはC3〜7シクロアルキルである。
【0084】
一部の実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、Cl)、C3〜6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)、C1〜4アルキル、または−CNである。一部のさらなる実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、Cl)、C1〜4アルキル、または−CNである。
【0085】
一部の実施形態では、Rは、C1〜4アルキルまたは−CNである。一部のさらなる実施形態では、Rは、C1〜4アルキルである。一部のまたさらなる実施形態では、Rは、メチルである。
【0086】
一部の実施形態では、各R10は、ハロゲン(例えば、Cl)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、−CN、および−N(R)(R)からなる群から独立に選択され、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hであるか、もしくはC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、およびC3〜7シクロアルキルからなる群から選択されるか;またはRおよびRは、それらが結合しているN原子と一緒に、4〜7員ヘテロシクロアルキルまたは5員ヘテロアリールを形成しており、それぞれが、ハロゲン、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C3〜6シクロアルキル、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。一部のさらなる実施形態では、各R10は独立に、ハロゲン(例えば、Cl)、C1〜4アルキル、またはCNである。またさらなる実施形態では、各R10は独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。いっそうまたさらなる実施形態では、各R10は、C1〜4アルキル(例えば、メチル)である。さらなる実施形態では、各R10は、C1〜4アルキルメチルである。
【0087】
一部の実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、ハロゲン(例えば、Cl)、C3〜6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)、C1〜4アルキル、または−CNである。一部のさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、ハロゲン(例えば、Cl)、C1〜4アルキル、または−CNである。
【0088】
一部の実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。一部のさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0089】
一部の実施形態では、Xは、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)であり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、本明細書で提供する実施形態の1つにおいて記載するとおりである(例えば、M−g、M−k、M−m、またはM−n)。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0090】
一部の実施形態では、Xは、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)であり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0091】
一部の実施形態では、Xは、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)であり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0092】
一部の実施形態では、Xは、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)であり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0093】
一部の実施形態では、Xは、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)であり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0094】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、QはMであり、Mは、本明細書で提供する実施形態の1つにおいて記載するとおりである(例えば、M−g、M−k、M−m、またはM−n)。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0095】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0096】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0097】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0098】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0099】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、QはMであり、Mは、本明細書で提供する実施形態の1つにおいて記載するとおりである(例えば、M−g、M−k、M−m、またはM−n)。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0100】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0101】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0102】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0103】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0104】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、QはMであり、Mは、本明細書で提供する実施形態の1つにおいて記載するとおりである(例えば、M−g、M−k、M−m、またはM−n)。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0105】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0106】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0107】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0108】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0109】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、QはMであり、Mは、本明細書で提供する実施形態の1つにおいて記載するとおりである(例えば、M−g、M−k、M−m、またはM−n)。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0110】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0111】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0112】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0113】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0114】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、QはMであり、Mは、本明細書で提供する実施形態の1つにおいて記載するとおりである(例えば、M−g、M−k、M−m、またはM−n)。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0115】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0116】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0117】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0118】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0119】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、QはMであり、Mは、本明細書で提供する実施形態の1つにおいて記載するとおりである(例えば、M−g、M−k、M−m、またはM−n)。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0120】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0121】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0122】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0123】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0124】
一部の実施形態では、Xは、NHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、QはMであり、Mは、本明細書で提供する実施形態の1つにおいて記載するとおりである(例えば、M−g、M−k、M−m、またはM−n)。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0125】
一部の実施形態では、Xは、NHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0126】
一部の実施形態では、Xは、NHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0127】
一部の実施形態では、Xは、NHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0128】
一部の実施形態では、Xは、NHであり、Xは、C(Tであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0129】
本発明の第1の態様は、本明細書に記載の任意の実施形態の任意のサブセットを含む。
【0130】
本発明の第1の態様は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組合せ、またはその任意のサブセットを含む。
【0131】
本発明の第1の態様はさらに、本明細書に記載のD1媒介性(またはD1関連)障害の処置において使用するための式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩(本明細書に記載のすべての実施形態および2つ以上の実施形態の組合せ、またはそれらの任意のサブセットを含む)を提供する。
【0132】
本発明の第1の態様はさらに、本明細書に記載のD1媒介性(またはD1関連)障害を処置するための、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩(本明細書に記載のすべての実施形態および2つ以上の実施形態の組合せ、またはそれらの任意のサブセットを含む)の使用を提供する。
【0133】
本発明の第1の態様はさらに、本明細書に記載のD1媒介性(またはD1関連)障害の処置において使用するための医薬品の製造における、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩(本明細書に記載のすべての実施形態および2つ以上の実施形態の組合せ、またはそれらの任意のサブセットを含む)の使用を提供する。
【0134】
用語「治療有効量」は、本明細書で使用する場合、処置される障害の症状の1種または複数をある程度低減する、投与される化合物(薬学的に許容できるその塩を含む)の量を指す。D1媒介性障害(例えば、統合失調症)の処置に関して、治療有効量は、D1媒介性障害(例えば、統合失調症、または統合失調症における認知および陰性症状、または統合失調症に関連した認知障害)に関連した1種または複数の症状をある程度低減する(または、例えば、除去する)効果を有する量を指す。
【0135】
用語「処置すること」は、本明細書で使用する場合、別段に示さない限り、そのような用語が適用されている障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1種もしくは複数の症状を反転するか、緩和するか、その進行を阻害するか、または防止することを意味する。用語「処置」は、本明細書で使用する場合、別段に示さない限り、処置する行為を指し、「処置」は、本明細書において定義されている。用語「処置すること」はまた、対象のアジュバントおよびネオアジュバント処置を含む。
【0136】
本発明のD1媒介性(またはD1関連)障害を処置するための方法において使用される式Iの化合物またはその塩は、D1Rモジュレータ(例えば、D1アゴニスト、例えば、D1部分アゴニスト)である。本発明の方法において使用される式Iの化合物の量または薬学的に許容できる量は、D1Rをモジュレートする(例えば、作動させるか、または部分的に作動させる)のに有効である。
【0137】
本発明はさらに、D1Rの活性を(インビトロまたはインビボのいずれかで)モジュレートする(例えば、作動させるか、または部分的に作動させる)ための方法であって、D1Rを、本明細書に記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩(本明細書の実施例1〜28から選択されるものなど)と接触させること(インキュベートすることを含む)を含む方法を提供する。
【0138】
第2の態様では、本発明は、式Iの化合物:
【0139】
【化19】
またはその薬学的に許容できる塩を提供する:
[式中、
nは、1または2であり、
は、O、S、NR、C(=O)、またはCH(OH)であり、
は、N含有5〜6員ヘテロアリールまたはN含有5〜6員ヘテロシクロアルキルであり、それぞれは、1個のRで置換されていてもよく、1、2、3、または4個のR10でさらに置換されていてもよく、
は、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、N(−CH−シクロプロピル)、またはC(Tであり、
は、C(Tであり、
は、C(Tであり、
は、NまたはC−Tであり、
は、H、F、Cl、メチル、またはCフルオロアルキルであり、
各Tは、H、ハロゲン、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜4シクロアルキル、C3〜4ハロシクロアルキル、シクロプロピルメチル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシからなる群から独立に選択され、
各Tは、H、−OH、ハロゲン、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜4シクロアルキル、C3〜4ハロシクロアルキル、シクロプロピルメチル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシからなる群から独立に選択され、
は、H、ハロゲン、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜4シクロアルキル、C3〜4ハロシクロアルキル、シクロプロピルメチル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシからなる群から選択され、
は、H、C1〜4アルキル、C3〜4シクロアルキル、または−C1〜2アルキル−C3〜4シクロアルキルであり、
およびRのそれぞれは、H、ハロゲン、−CN、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜6シクロアルキル、−C(=O)OH、およびC(=O)−O−(C1〜4アルキル)からなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキルおよびC3〜6シクロアルキルのそれぞれは、ハロ、−OH、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよく、
およびRのそれぞれは、H、ハロゲン、−OH、−NO、−CN、−SF、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7シクロアルキル、4〜10員ヘテロシクロアルキル、−N(R)(R)、−N(R)(C(=O)R)、−C(=O)−N(R)(R)、−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−OC(=O)−R、−N(R)(S(=O))、−S(=O)−N(R)(R)、−SR、および−ORからなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルのそれぞれは、ハロゲン、−CN、−OH、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルコキシ、C3〜6シクロアルキル、−N(R)(R)、−N(R)(C(=O)R)、−C(=O)−OR、−C(=O)H、−C(=O)R、−C(=O)N(R)(R)、−N(R)(S(=O))、−S(=O)−N(R)(R)、−SR、および−ORからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
またはRおよびRは、それらが結合している2個の炭素原子と一緒に、縮合N含有5または6員ヘテロアリール、縮合N含有5または6員ヘテロシクロアルキル、縮合5または6員シクロアルキル、または縮合ベンゼン環を形成しており、それぞれは、ハロ、−CN、−OH、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3ハロアルキル、およびC1〜3ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、H、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、またはC3〜7シクロアルキルであり、
は、Hであるか、またはC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、4〜10員ヘテロシクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、および(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−からなる群から選択され、群の選択肢のそれぞれは、−OH、−CN、C1〜4アルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4ヒドロキシルアルキル、−S−C1〜4アルキル、−C(=O)H、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)−O−C1〜4アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−N(C1〜4アルキル)、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよく、
またはRおよびRは、それらが結合しているN原子と一緒に、4〜10員ヘテロシクロアルキルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成しており、それぞれは、ハロゲン、−OH、オキソ、−C(=O)H、−C(=O)OH、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−N(C1〜4アルキル)、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよく、
は、H、C1〜4アルキル、およびC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、
は、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、4〜14員ヘテロシクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、および(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−からなる群から選択され、群の選択肢のそれぞれは、ハロゲン、−CF、−CN、−OH、オキソ、−S−C1〜4アルキル、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、−CN、−SF、−N(R)(R)、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜7シクロアルコキシ、またはC3〜7シクロアルキルであり、C1〜4アルキルおよびC3〜7シクロアルキルのそれぞれは、ハロゲン、−N(R)(R)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよく、
各R10は、ハロゲン、−OH、−CN、−SF、−NO、オキソ、チオノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシルアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−、−N(R)(R)、−N(R)(C(=O)R)、−S(=O)N(R)(R)、−C(=O)−N(R)(R)、−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−SR、および−ORからなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、および(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−のそれぞれは、ハロゲン、OH、−CN、−NO、C1〜4アルキル、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4アルコキシ、−N(R)(R)、−S−(C1〜4アルキル)、−S(=O)−(C1〜4アルキル)、C6〜10アリールオキシ、[1または2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよい(C6〜10アリール)−C1〜4アルキルオキシ−]、オキソ、−C(=O)H、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)O−C1〜4アルキル、−C(=O)NH、−NHC(=O)H、−NHC(=O)−(C1〜4アルキル)、C3〜7シクロアルキル、5または6員ヘテロアリール、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよく、
またはRおよび隣接するR10は、それらが結合しているQ上の2個の環原子と一緒に、縮合ベンゼン環または縮合5員もしくは6員ヘテロアリールを形成しており、それぞれは、1、2、3、4、または5個の独立に選択されるR10aで置換されていてもよく、
各R10aは、ハロゲン、−OH、−N(R)(R)、−C(=O)OH、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−N(C1〜4アルキル)、−CN、−SF、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群から独立に選択され、
ただし、X、X、およびXのそれぞれが、CHであり、Xが、Nであり、Lが、NRである場合、Qは、置換されていてもよいピペリジン−1−イル以外である]。
【0140】
一部の実施形態では、X、X、およびXのそれぞれがCHであり、XがNであり、LがNRであり、Qが、置換されていてもよい単環式環である場合、Q環の環形成炭素原子は、R、R、R、およびRで置換されている式Iのフェニル基に連結している。
【0141】
一部の実施形態では、LがNRであり、Qが、置換されていてもよい単環式環である場合、Q環の環形成炭素原子は、R、R、R、およびRで置換されている式Iのフェニル基に連結している。
【0142】
一部の実施形態では、Qが、置換されていてもよい単環式環である場合、Q環の環形成炭素原子は、R、R、R、およびRで置換されている式Iのフェニル基に連結している。
【0143】
一部の実施形態では、Qの環形成窒素原子が、R、R、R、およびRにより置換されている式Iのベンゼン環に直接連結している場合、Qは、置換されていてもよい二環式環(例えば、置換されていてもよい二環式ヘテロアリール)である。
【0144】
一部の実施形態では、Lは、NR以外である。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。
【0145】
一部の実施形態では、Lは、NR以外であり、Qが、置換されていてもよい単環式環である場合、Q環の環形成炭素原子は、R、R、R、およびRで置換されている式Iのフェニル基に連結している。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。一部のまたさらなる実施形態では、Lは、Oである。
【0146】
一部の実施形態では、Qの環形成原子のそれぞれは、窒素または炭素原子である。一部のさらなる実施形態では、Qが、置換されていてもよい単環式環である場合、Qの環形成炭素原子は、R、R、R、およびRにより置換されているベンゼン環に直接連結している。
【0147】
一部の実施形態では、Lは、OまたはSである。一部のさらなる実施形態では、Lは、Sである。
【0148】
一部の実施形態では、Lは、Oである。
【0149】
一部の実施形態では、Lは、NHである。
【0150】
一部の実施形態では、Lは、C(=O)またはCH(OH)である。
【0151】
一部の実施形態では、各Tは、H、ハロゲン、−CN、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、メチル、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、各Tは、H、−OH、ハロゲン、−CN、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、メチル、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のまたさらなる実施形態では、各Tは、Hであり、各Tは、Hおよび−OHからなる群から独立に選択される。
【0152】
一部の実施形態では、nは、1である。
【0153】
一部の実施形態では、nは、2である。
【0154】
一部の実施形態では、Tは、H、F、Cl、またはメチルである。一部のさらなる実施形態では、Tは、Hである。
【0155】
一部の実施形態では、Tは、H、ハロゲン、−CN、メチル、またはC1ハロアルキルである。一部のさらなる実施形態では、Tは、H、F、Cl、またはメチルである。またさらなる実施形態では、Tは、Hである。
【0156】
一部の実施形態では、Tは、Hであり、Tは、Hである。一部のさらなる実施形態では、各Tは、Hであり、各Tは、Hおよび−OHからなる群から独立に選択される。
【0157】
一部の実施形態では、Tの一方は、Hであり、他方は、Hまたは−OHである。
【0158】
一部の実施形態では、Tは両方とも、Hである。
【0159】
一部の実施形態では、Tの一方は、Hであり、他方は、−OHである。
【0160】
一部の実施形態では、Xは、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)である。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0161】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHである。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0162】
一部の実施形態では、Xは、OまたはNHである。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0163】
一部の実施形態では、Xは、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)であり、nは、1であり、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0164】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、nは、1であり、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0165】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、nは、1であり、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0166】
一部の実施形態では、Xは、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)であり、nは、2であり、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0167】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、nは、2であり、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0168】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、nは、2であり、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0169】
一部の実施形態では、Xは、Oである。一部のさらなる実施形態では、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0170】
一部の実施形態では、Xは、NHである。一部のさらなる実施形態では、各Tは、H、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択され、各Tは、H、−OH、CN、F、Cl、Br、メチル、メトキシ、Cフルオロアルコキシ、およびCフルオロアルキルからなる群から独立に選択される。一部のさらなる実施形態では、Xは、C−Tである。
【0171】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩は、式I−aの化合物:
【0172】
【化20】
またはその薬学的に許容できる塩である。
【0173】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩は、式I−bの化合物:
【0174】
【化21】
またはその薬学的に許容できる塩である。
【0175】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩は、式I−cの化合物:
【0176】
【化22】
またはその薬学的に許容できる塩である。
【0177】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩は、式I−dの化合物:
【0178】
【化23】
またはその薬学的に許容できる塩である。
【0179】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩は、式I−eの化合物:
【0180】
【化24】
またはその薬学的に許容できる塩である。
【0181】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩は、式I−fの化合物:
【0182】
【化25】
またはその薬学的に許容できる塩である。
【0183】
本発明の第2の態様における本明細書に記載の実施形態は、別段に指定しない限り、式I、I−a、I−b、I−c、I−d、I−e、もしくはI−fの化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含む。
【0184】
一部の実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hである。
【0185】
一部の実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。
【0186】
一部の実施形態では、Rは、Hであり、Rは、H、ハロゲン、−CN、メチル、またはCハロアルキルである。
【0187】
一部の実施形態では、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0188】
一部の実施形態では、Qは、N含有5〜6員ヘテロアリールまたはN含有5〜6員ヘテロシクロアルキルであり、それぞれは、1個のRで置換されており、1、2、3、または4個のR10でさらに置換されていてもよい。
【0189】
一部の実施形態では:
は、
【0190】
【化26】
の部分であり、
環Q1aは、N含有5〜6員ヘテロアリールまたはN含有5〜6員ヘテロシクロアルキルであり、
【0191】
【化27】
は、単結合または二重結合を表し、
およびZのそれぞれは、独立に、CまたはNであり、
は、ハロゲン(例えば、Cl)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、−CN、−N(R)(R)、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、またはC3〜7シクロアルコキシであり、C1〜4アルキルおよびC3〜7シクロアルキルのそれぞれは、ハロゲン、−N(R)(R)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよく、
各R10は、ハロゲン、−OH、−CN、−NO、オキソ、チオノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシルアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−、(5〜10員ヘテロアリール)−C2〜4アルケニル−、−N(R)(R)、−N(R)(C(=O)R)、−S(=O)N(R)(R)、−C(=O)−N(R)(R)、−C(=O)−R、−C(=O)−OR、および−ORからなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C6〜10アリール、4〜10員ヘテロシクロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(4〜10員ヘテロシクロアルキル)−C1〜4アルキル−、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−、(5〜10員ヘテロアリール)−C1〜4アルキル−、および(5〜10員ヘテロアリール)−C2〜4アルケニル−のそれぞれは、ハロゲン、OH、−CN、−NO、C1〜4アルキル、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4アルコキシ、−N(R)(R)、−S−(C1〜4アルキル)、−S(=O)−(C1〜4アルキル)、C6〜10アリールオキシ、1または2個のC1〜4アルキルで置換されていてもよい(C6〜10アリール)−C1〜4アルキルオキシ−、オキソ、−C(=O)H、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)O−C1〜4アルキル、−C(=O)NH、−NHC(=O)H、−NHC(=O)−(C1〜4アルキル)、C3〜7シクロアルキル、5または6員ヘテロアリール、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよく、
またはRおよび隣接するR10は、それらが結合している環Q1a上の2個の環原子と一緒に、縮合ベンゼン環または縮合5員もしくは6員ヘテロアリールを形成しており、それぞれは、1、2、3、4、または5個の独立に選択されるR10aで置換されていてもよく、
各R10aは、ハロゲン、−OH、−C(=O)OH、−C(=O)−C1〜4アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−N(C1〜4アルキル)、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ヒドロキシルアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群から独立に選択され、
mは、0、1、2、3、または4である。
【0192】
一部の実施形態では、各R10は、ハロゲン、−OH、−CN、−SF、−NO、オキソ、チオノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシルアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、および(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−からなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、および(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−のそれぞれは、ハロゲン、−N(R)(R)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよい。
【0193】
一部の実施形態では、Zは、Cである。
【0194】
一部の実施形態では、Qまたは環Q1aは、置換されていてもよいN含有6員ヘテロアリールである。
【0195】
一部の実施形態では、Qまたは環Q1aは、置換されていてもよいピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、またはピラジニルである。一部のさらなる実施形態では、Qまたは環Q1aは、置換されていてもよいピリミジニル、ピリダジニル、またはピラジニルである。
【0196】
一部の実施形態では、Qまたは環Q1aは、ピリミジニル、ピリダジニル、またはピラジニルであり、それぞれは、OH、CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、およびC3〜7シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよい。一部のさらなる実施形態では、Qまたは環Q1aは、ピリミジニル、ピリダジニル、またはピラジニルであり、それぞれは、CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、およびC3〜7シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよい。いっそうさらなる実施形態では、Qまたは環Q1aは、ピリミジニル、ピリダジニル、またはピラジニルであり、それぞれは、CN、C1〜4アルキル、およびC1〜4ハロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい。またいっそうさらなる実施形態では、Qまたは環Q1aは、ピリミジニル、ピリダジニル、またはピラジニルであり、それぞれは、CNおよびC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい。
【0197】
一部の実施形態では、部分Mは、キノリニル、イソキノリニル、1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピラジニル、イミダゾ[2,1−c][1,2,4]トリアジニル、イミダゾ[1,5−a]ピラジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、1H−インダゾリル、9H−プリニル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジニル、イソオキサゾロ[5,4−c]ピリダジニル、イソオキサゾロ[3,4−c]ピリダジニル、および[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジニルからなる群から選択され、それぞれは、1、2、または3個のR10で置換されていてもよく、1または2個のR10aでさらに置換されていてもよいか、または部分Mは、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジニル、ピリダジニル、1H−ピラゾリル、1H−ピロリル、4H−ピラゾリル、1H−イミダゾリル、1H−イミダゾリル、3−オキソ−2H−ピリダジニル、1H−2−オキソ−ピリミジニル、1H−2−オキソ−ピリジニル、2,4(1H,3H)−ジオキソ−ピリミジニル、および1H−2−オキソ−ピラジニルからなる群から選択され、それぞれは、Rで置換されていて、かつ1、2、または3個のR10でさらに置換されていてもよい。
【0198】
一部の実施形態では:
部分Mは、
【0199】
【化28】
であり、
10aは、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、またはC3〜7シクロアルキルであり、
t1は、0または1であり、
tは、0または1である。
【0200】
一部の実施形態では、部分Mは、
【0201】
【化29】
である。
【0202】
一部の実施形態では、部分Mは、
【0203】
【化30】
である。
【0204】
一部の実施形態では:
部分Mは、
【0205】
【化31】
であり、
11は、H、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、またはC3〜7シクロアルキルである。
【0206】
一部の実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、Cl)、C3〜6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)、C1〜4アルキル、または−CNである。一部のさらなる実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、Cl)、C1〜4アルキル、または−CNである。
【0207】
一部の実施形態では、Rは、C1〜4アルキルまたは−CNである。一部のさらなる実施形態では、Rは、C1〜4アルキルである。一部のまたさらなる実施形態では、Rは、メチルである。
【0208】
一部の実施形態では、各R10は、ハロゲン、−OH、−CN、−SF、−NO、オキソ、チオノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシルアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、および(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−からなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、および(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−のそれぞれは、ハロゲン、−N(R)(R)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよい。
【0209】
一部の実施形態では、各R10は、−CN、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシルアルキル、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−、および−N(R)(R)からなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、および(C3〜7シクロアルキル)−C1〜4アルキル−のそれぞれは、ハロゲン、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換されていてもよい。一部のさらなる実施形態では、各R10は、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ヒドロキシルアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、およびC3〜4シクロアルキル、および−N(R)(R)からなる群から独立に選択される。
【0210】
一部の実施形態では、各R10は、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、(C1〜2アルコキシ)−C1〜4アルキル−、−CN、および−N(R)(R)からなる群から独立に選択され、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hであるか、もしくはC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、およびC3〜7シクロアルキルからなる群から選択されるか;またはRおよびRは、それらが結合しているN原子と一緒に、4〜7員ヘテロシクロアルキルまたは5員ヘテロアリールを形成しており、それぞれは、ハロゲン、−CN、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C3〜6シクロアルキル、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。一部のさらなる実施形態では、各R10は独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またさらなる実施形態では、各R10は独立に、C1〜4アルキルである。いっそうまたさらなる実施形態では、各R10は、メチルである。
【0211】
一部の実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、ハロゲン(例えば、Cl)、C3〜6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)、C1〜4アルキル、または−CNである。一部のさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、ハロゲン(例えば、Cl)、C1〜4アルキル、または−CNである。
【0212】
一部の実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。一部のさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0213】
一部の実施形態では、Xは、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)であり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、本明細書で提供する実施形態の1つにおいて記載するとおりである(例えば、M−g、M−k、M−m、またはM−n)。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0214】
一部の実施形態では、Xは、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)であり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0215】
一部の実施形態では、Xは、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)であり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0216】
一部の実施形態では、Xは、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)であり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0217】
一部の実施形態では、Xは、O、S、NH、N(C1〜4アルキル)、N(シクロプロピル)、またはN(−CH−シクロプロピル)であり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0218】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、本明細書で提供する実施形態の1つにおいて記載するとおりである(例えば、M−g、M−k、M−m、またはM−n)。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0219】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0220】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0221】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0222】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、本明細書で提供する実施形態の1つにおいて記載するとおりである(例えば、M−g、M−k、M−m、またはM−n)。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0223】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0224】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0225】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0226】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0227】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、本明細書で提供する実施形態の1つにおいて記載するとおりである(例えば、M−g、M−k、M−m、またはM−n)。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0228】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0229】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0230】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0231】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0232】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、本明細書で提供する実施形態の1つにおいて記載するとおりである(例えば、M−g、M−k、M−m、またはM−n)。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0233】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0234】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0235】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0236】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、1であり、Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0237】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、本明細書で提供する実施形態の1つにおいて記載するとおりである(例えば、M−g、M−k、M−m、またはM−n)。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0238】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0239】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0240】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0241】
一部の実施形態では、Xは、O、S、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0242】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、本明細書で提供する実施形態の1つにおいて記載するとおりである(例えば、M−g、M−k、M−m、またはM−n)。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0243】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0244】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0245】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0246】
一部の実施形態では、Xは、O、またはNHであり、Xは、C−Tであり、nは、2であり、Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0247】
一部の実施形態では、Xは、NHであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、本明細書で提供する実施形態の1つにおいて記載するとおりである(例えば、M−g、M−k、M−m、またはM−n)。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0248】
一部の実施形態では、Xは、NHであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0249】
一部の実施形態では、Xは、NHであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0250】
一部の実施形態では、Xは、NHであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0251】
一部の実施形態では、Xは、NHであり、Xは、C−Tであり、Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、Lは、OまたはSである。またさらなる実施形態では、Lは、Oである。いっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり、RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。
【0252】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−aの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0253】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−aの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0254】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−aの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0255】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−aの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0256】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−bの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0257】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−bの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0258】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−bの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0259】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−bの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0260】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−cの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0261】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−cの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0262】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−cの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0263】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−cの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0264】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−dの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0265】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−dの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0266】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−dの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0267】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−dの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0268】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−eの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−gである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0269】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−eの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−kである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0270】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−eの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−mである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0271】
一部の実施形態では、式Iの化合物またはその塩は、式I−eの化合物またはその塩であり;Qは、Mであり、Mは、M−nである。一部のさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、Hまたはハロゲンであり;RおよびRのそれぞれは、独立に、H、ハロゲン、−CN、メチル、Cハロアルキル、メトキシ、またはCハロアルコキシである。またさらなる実施形態では、RおよびRのそれぞれは、Hであり、Rは、Hであり、Rは、メチルである。一部のいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、C1〜4アルキルまたはCNである。またいっそうさらなる実施形態では、RおよびR10のそれぞれは、独立に、メチルまたはCNである。
【0272】
一部の実施形態では、本発明はまた、本出願の実施例セクションの実施例1〜28において記載の1種または複数の化合物、それらの化合物の薬学的に許容できる塩;またはそれらの化合物もしくは塩のN−オキシドを提供する。
【0273】
一部の実施形態では、本発明は、
4−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−5−イル)−3−メチルフェノキシ]−2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン;
4−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−5−イル)−3−メチルフェノキシ]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン;
5−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン;
5−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン;
5−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン;
(+)−5−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン;
(−)−5−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン;
5−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン;
5−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン、ENT−1;
5−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン、ENT−2;
6−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−1,5−ジメチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン;
6−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−1,5−ジメチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン;
5−{4−[(3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イル)オキシ]−2−メチルフェニル}−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン;
4−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−5−イル)−3−メチルフェノキシ]−2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−3−オール;および
6−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−1,5−ジメチルピラジン−2(1H)−オン
からなる群から選択される化合物またはその薬学的に許容できる塩を提供する。
【0274】
本発明の第2の態様は、本明細書に記載の任意の実施形態の任意のサブセットを含む。
【0275】
本発明の第2の態様は、本明細書に上記した2つ以上の実施形態の組合せ、またはその任意のサブセットを含む。
【0276】
本発明の第2の態様はさらに、本明細書に記載のD1媒介性(またはD1関連)障害の処置において使用するための式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩(本明細書に記載のすべての実施形態および2つ以上の実施形態の組合せ、またはそれらの任意のサブセットを含む)を提供する。
【0277】
本発明の第2の態様はさらに、本明細書に記載のD1媒介性(またはD1関連)障害を処置するための、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩(本明細書に記載のすべての実施形態および2つ以上の実施形態の組合せ、またはそれらの任意のサブセットを含む)の使用を提供する。
【0278】
本発明の第2の態様はさらに、本明細書に記載のD1媒介性(またはD1関連)障害の処置において使用するための医薬品の製造における、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩(本明細書に記載のすべての実施形態および2つ以上の実施形態の組合せ、またはそれらの任意のサブセットを含む)の使用を提供する。
【0279】
本発明の第2の態様の式Iの化合物またはその塩は、D1Rモジュレータ(例えば、D1Rアゴニスト、例えば、D1R部分アゴニスト)である。したがって、本発明の第2の態様はさらに、D1Rの活性を(インビトロまたはインビボのいずれかで)モジュレートする(例えば、作動させるか、または部分的に作動させる)ための方法であって、D1Rを、本明細書に記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩(本明細書の実施例1〜28から選択されるものなど)と接触させること(インキュベートすることを含む)を含む方法を提供する。
【0280】
本明細書で使用する場合、用語「n員」(nは整数である)は、典型的には、ある部分における環形成原子の数を記載しており、その環形成原子の数がnである。例えば、ピリジンは、6員のヘテロアリール環の例であり、チオフェンは、5員のヘテロアリール基の例である。
【0281】
本明細書の様々な箇所において、本発明の化合物の置換基は、群または範囲で開示されている。本発明は、そのような群および範囲のメンバーのいずれもすべての個々の部分的組合せを含むことが特に意図されている。例えば、用語「C1〜6アルキル」は、具体的に、Cアルキル(メチル)、Cアルキル(エチル)、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、およびCアルキルを含むことが意図されている。別の例では、用語「5〜10員のヘテロアリール基」は、具体的に、任意の5員、6員、7員、8員、9員、または10員のヘテロアリール基を含むことが意図されている。
【0282】
本明細書で使用する場合、用語「アルキル」は、直鎖および分枝鎖を含めた飽和脂肪族炭化水素を含むと定義される。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、または1〜4個の炭素原子を有する。例えば、用語「C1〜6アルキル」、さらには、本明細書において言及される他の基のアルキル部分(例えば、C1〜6アルコキシ)は、1〜6個の炭素原子の直鎖または分枝鎖ラジカル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、またはn−ヘキシル)を指す。また別の例では、用語「C1〜4アルキル」は、1〜4個の炭素原子の直鎖または分枝鎖脂肪族炭化水素鎖を指し、用語「C1〜3アルキル」は、1〜3個の炭素原子の直鎖または分枝鎖脂肪族炭化水素鎖を指し、用語「C1〜2アルキル」は、1〜2個の炭素原子の直鎖または分枝鎖脂肪族炭化水素鎖を指し、用語「Cアルキル」は、メチルを指す。アルキル基は、1個または複数(例えば、1〜5個)の適切な置換基によって置換されていてもよい。
【0283】
本明細書で使用する場合、用語「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する直鎖および分枝鎖を含めた、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する脂肪族炭化水素を指す。一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜20個の炭素原子、2〜10個の炭素原子、2〜6個の炭素原子、3〜6個の炭素原子、または2〜4個の炭素原子を有する。例えば、本明細書で使用する場合、用語「C2〜6アルケニル」は、これだけに限定されないが、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニルなどを含めた、2〜6個の炭素原子の直鎖または分枝鎖不飽和ラジカル(少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する)を意味する。アルケニル基は、1個または複数(例えば、1〜5個)の適切な置換基によって置換されていてもよい。式Iの化合物が、アルケニル基を含有する場合、そのアルケニル基は、純粋なE型、純粋なZ型、または任意のその混合物として存在してよい。
【0284】
本明細書で使用する場合、用語「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する直鎖および分枝鎖を含めた、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する脂肪族炭化水素を指す。一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜20個、2〜10個、2〜6個、または3〜6個の炭素原子を有する。例えば、本明細書で使用する場合、用語「C2〜6アルキニル」は、2〜6個の炭素原子を有する上記で定義したとおりの直鎖または分枝鎖炭化水素鎖アルキニルラジカルを指す。アルキニル基は、1個または複数(例えば、1〜5個)の適切な置換基によって置換されていてもよい。
【0285】
本明細書で使用する場合、用語「シクロアルキル」は、飽和または不飽和非芳香族単環式または多環式(二環式など)炭化水素環(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルなどの単環式、またはスピロ、縮合、もしくは架橋系を含めた二環式(ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、またはビシクロ[5.2.0]ノナニル、デカヒドロナフタレニルなど)を指す。シクロアルキル基は、3〜15個の炭素原子を有する。一部の実施形態では、シクロアルキルは、1個、2個、またはそれ以上の非累積非芳香族二重もしくは三重結合および/または1〜3個のオキソ基を含有してもよい。一部の実施形態では、ビシクロアルキル基は、6〜14個の炭素原子を有する。例えば、用語「C3〜14シクロアルキル」は、3〜14個の環形成炭素原子の飽和または不飽和非芳香族単環式または多環式(二環式など)炭化水素環(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、またはシクロデカニル)を指し、用語「C3〜7シクロアルキル」は、3〜7個の環形成炭素原子の飽和または不飽和非芳香族単環式または多環式(二環式など)炭化水素環(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1−イル、またはビシクロ[1.1.1]ペンタン−2−イル)を指す。別の例では、用語「C3〜6シクロアルキル」は、3〜6個の環形成炭素原子の飽和または不飽和非芳香族単環式または多環式(二環式など)炭化水素環を指す。さらに別の例では、用語「C3−4シクロアルキル」は、シクロプロピルまたはシクロブチルを指す。他にも、シクロアルキルの定義には、シクロアルキル環に縮合した1個または複数の芳香環(アリールおよびヘテロアリールを含む)を有する部分、例えば、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサンなどのベンゾまたはチエニル誘導体(例えば、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル、または1H−インデン−2(3H)−オン−1−イル)が含まれる。シクロアルキル基は、1個または複数(例えば、1〜5個)の適切な置換基によって置換されていてもよい。
【0286】
本明細書で使用する場合、用語「アリール」は、共役π電子系を有する全炭素単環式または縮合環多環式芳香族基を指す。アリール基は、環(複数可)中に6または10個の炭素原子を有する。最も一般的には、アリール基は、環中に6個の炭素原子を有する。例えば、本明細書で使用する場合、用語「C6〜10アリール」は、フェニルまたはナフチルなどの、6〜10個の炭素原子を含有する芳香族ラジカルを意味する。アリール基は、1個または複数(例えば、1〜5個)の適切な置換基により置換されていてもよい。
【0287】
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の環中にO、S、およびNからそれぞれ独立に選択される1個または複数のヘテロ原子環員(環形成原子)を有する単環式または縮合環多環式芳香族複素環基を指す。ヘテロアリール基は、1〜13個の炭素原子、ならびにO、S、およびNから選択される1〜8個のヘテロ原子を含む5〜14個の環形成原子を有する。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、1〜4個のヘテロ原子を含む5〜10個の環形成原子を有する。ヘテロアリール基はまた、1〜3個のオキソ基またはチオノ基(すなわち=S)を含有することができる。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、1個、2個、または3個のヘテロ原子を含む5〜8個の環形成原子を有する。例えば、用語「5員ヘテロアリール」は、単環式ヘテロアリール環中に5個の環形成原子を有する上記で定義したとおりの単環式ヘテロアリール基を指し、用語「6員ヘテロアリール」は、単環式ヘテロアリール環中に6個の環形成原子を有する上記で定義したとおりの単環式ヘテロアリール基を指し、用語「5または6員ヘテロアリール」は、単環式ヘテロアリール環中に5または6個の環形成原子を有する上記で定義したとおりの単環式ヘテロアリール基を指す。別の例では、用語「5または10員ヘテロアリール」は、単環式または二環式ヘテロアリール環中に5、6、7、8、9、または10個の環形成原子を有する上記で定義したとおりの単環式または二環式ヘテロアリール基を指す。ヘテロアリール基は、1個または複数(例えば、1〜5個)の適切な置換基によって置換されていてもよい。単環式ヘテロアリールの例には、1〜3個のヘテロ原子を含む5個の環形成原子を有するもの、または1個、2個、もしくは3個の窒素ヘテロ原子を含む6個の環形成原子を有するものが含まれる。縮合二環式ヘテロアリールの例には、1〜4個のヘテロ原子を含む2つの縮合5員および/または6員単環式環が含まれる。
【0288】
ヘテロアリール基の例には、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピロリル、オキサゾリル(例えば、1,3−オキサゾリル、1,2−オキサゾリル)、チアゾリル(例えば、1,2−チアゾリル、1,3−チアゾリル)、ピラゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル(例えば、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル)、オキサジアゾリル(例えば、1,2,3−オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(例えば、1,3,4−チアジアゾリル)、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、インドリル、1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピラジニル、イミダゾ[2,1−c][1,2,4]トリアジニル、イミダゾ[1,5−a]ピラジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、1H−インダゾリル、9H−プリニル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジニル、イソオキサゾロ[5,4−c]ピリダジニル、イソオキサゾロ[3,4−c]ピリダジニル、ピリドン、ピリミドン、ピラジノン、ピリミジノン、1H−イミダゾール−2(3H)−オン、1H−ピロール−2,5−ジオン、3−オキソ−2H−ピリダジニル、1H−2−オキソ−ピリミジニル、1H−2−オキソ−ピリジニル、2,4(1H,3H)−ジオキソ−ピリミジニル、1H−2−オキソ−ピラジニルなどが含まれる。ヘテロアリール基は、1個または複数(例えば、1〜5個)の適切な置換基により置換されていてもよい。
【0289】
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロシクロアルキル」は、1〜14個の環形成炭素原子ならびにO、S、およびNからそれぞれ独立に選択される1〜10個の環形成ヘテロ原子を含む単環式または多環式[スピロ、縮合、または架橋系を含めた一緒に縮合している2個以上の環、例えば、二環式環系を含む]の飽和または不飽和非芳香族4〜15員環系(4〜14員環系、4〜12員環系、5〜10員環系、4〜7員環系、4〜6員環系、または5〜6員環系など)を指す。ヘテロシクロアルキル基はまた、1個または複数のオキソまたはチオノ(すなわち、=S)基を含有してもよい。例えば、用語「4〜12員ヘテロシクロアルキル」は、O、S、およびNからそれぞれ独立に選択される1個または複数の環形成ヘテロ原子を含む単環式または多環式飽和または不飽和非芳香族4〜12員環系を指し、用語「4〜10員ヘテロシクロアルキル」は、O、S、およびNからそれぞれ独立に選択される1個または複数の環形成ヘテロ原子を含む単環式または多環式飽和または不飽和非芳香族4〜10員環系を指す。別の例では、用語「4〜6員ヘテロシクロアルキル」は、O、S、およびNからそれぞれ独立に選択される1個または複数の環形成ヘテロ原子を含む単環式または多環式飽和または不飽和非芳香族4〜6員環系を指し、用語「5〜6員ヘテロシクロアルキル」は、O、S、およびNからそれぞれ独立に選択される1個または複数の環形成ヘテロ原子を含む単環式または多環式飽和または不飽和非芳香族5〜6員環系を指す。他にも、ヘテロシクロアルキルの定義には、非芳香族ヘテロシクロアルキル環、例えば、ピリジニル、ピリミジニル、チオフェニル、ピラゾリル、フタルイミジル、ナフタルイミジル、および非芳香族ヘテロシクロアルキル環のベンゾ誘導体に縮合している1個または複数の芳香環(アリールおよびヘテロアリールを含む)を有する部分が含まれる。ヘテロシクロアルキル環は、1個または複数(例えば、1〜5個)の適切な置換基により置換されていてもよい。
【0290】
そのようなヘテロシクロアルキル環の例には、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル、テトラヒドロチアジニル、テトラヒドロチアジアジニル、モルホリニル、オキセタニル、テトラヒドロジアジニル、オキサジニル、オキサチアジニル、キヌクリジニル、クロマニル、イソクロマニル、ベンゾオキサジニル、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−オン−2−イル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニルなどが含まれる。ヘテロシクロアルキル環のさらなる例には、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、イミダゾリジン−1−イル、イミダゾリジン−2−イル、イミダゾリジン−4−イル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、1,3−オキサゾリジン−3−イル、1,4−オキサゼパン−1−イル、イソチアゾリジニル、1,3−チアゾリジン−3−イル、1,2−ピラゾリジン−2−イル、1,2−テトラヒドロチアジン−2−イル、1,3−チアジナン−3−イル,1,2−テトラヒドロジアジン−2−イル、1,3−テトラヒドロジアジン−1−イル、1,4−オキサジン−4−イル、オキサゾリジノニル、2−オキソ−ピペリジニル(例えば、2−オキソ−ピペリジン−1−イル)などが含まれる。芳香族縮合ヘテロシクロアルキル基の一部の例には、インドリニル、イソインドリニル、イソインドリン−1−オン−3−イル、5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル、6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル、4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジン−5−イル、5,6−ジヒドロチエノ[2,3−c]ピリジン−7(4H)−オン−5−イル、1,4,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5−イル、および3,4−ジヒドロイソキノリン−1(2H)−オン−3−イル基などが含まれる。ヘテロシクロアルキル基は、1個または複数(例えば、1〜5個)の適切な置換基により置換されていてもよい。ヘテロシクロアルキル基の例には、5員または6員単環式環、および9員または10員縮合二環式環が含まれる。
【0291】
本明細書で使用する場合、用語「ハロ」または「ハロゲン」基は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を含むと定義される。
【0292】
本明細書で使用する場合、用語「ハロアルキル」は、1個または複数のハロゲン置換基を有するアルキル基を指す(ペルハロアルキルまで、すなわち、アルキル基のすべての水素原子がハロゲン原子により置き換えられるまで)。例えば、用語「C1〜6ハロアルキル」は、1個または複数のハロゲン置換基を有するC1〜6アルキル基を指す(ペルハロアルキルまで、すなわち、アルキル基のすべての水素原子がハロゲン原子により置き換えられるまで)。別の例では、用語「C1〜4ハロアルキル」は、1個または複数のハロゲン置換基を有するC1〜4アルキル基を指し(ペルハロアルキルまで、すなわち、アルキル基のすべての水素原子がハロゲン原子により置き換えられるまで)、用語「C1〜3ハロアルキル」は、1個または複数のハロゲン置換基を有するC1〜3アルキル基を指し(ペルハロアルキルまで、すなわち、アルキル基のすべての水素原子がハロゲン原子により置き換えられるまで)、用語「C1〜2ハロアルキル」は、1個または複数のハロゲン置換基を有するC1〜2アルキル基(すなわち、メチルまたはエチル)を指す(ペルハロアルキルまで、すなわち、アルキル基のすべての水素原子がハロゲン原子により置き換えられるまで)。また別の例では、用語「Cハロアルキル」は、1個、2個、または3個のハロゲン置換基を有するメチル基を指す。ハロアルキル基の例には、CF、C、CHF、CHF、CHCF、CHClなどが含まれる。
【0293】
本明細書で使用する場合、用語「ハロシクロアルキル」は、1個または複数のハロゲン置換基を有するシクロアルキル基を指す(ペルハロアルキルまで、すなわち、アルキル基のすべての水素原子がハロゲン原子により置き換えられるまで)。例えば、用語「C3〜4ハロシクロアルキル」は、1個または複数のハロゲン置換基を有するシクロプロピルまたはシクロブチル基を指す。ハロシクロアルキルの例は、2−フルオロシクロプロパン−1−イルである。
【0294】
本明細書で使用する場合、用語「アルコキシ」または「アルキルオキシ」は、−O−アルキル基を指す。例えば、用語「C1〜6アルコキシ」または「C1〜6アルキルオキシ」は、−O−(C1〜6アルキル)基を指し、用語「C1〜4アルコキシ」または「C1〜4アルキルオキシ」は、−O−(C1〜4アルキル)基を指し、別の例では、用語「C1〜2アルコキシ」または「C1〜2アルキルオキシ」は、−O−(C1〜2アルキル)基を指す。アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n−プロポキシおよびイソプロポキシ)、tert−ブトキシなどが含まれる。アルコキシまたはアルキルオキシ基は、1個または複数(例えば、1〜5個)の適切な置換基によって置換されていてもよい。
【0295】
本明細書で使用する場合、用語「ハロアルコキシ」は、−O−ハロアルキル基を指す。例えば、用語「C1〜6ハロアルコキシ」は、−O−(C1〜6ハロアルキル)基を指す。別の例では、用語「C1〜4ハロアルコキシ」は、−O−(C1〜4ハロアルキル)基を指し、用語「C1〜2ハロアルコキシ」は、−O−(C1〜2ハロアルキル)基を指す。また別の例では、用語「Cハロアルコキシ」は、1、2、または3個のハロゲン置換基を有するメトキシ基を指す。ハロアルコキシの例は、−OCFまたは−OCHFである。
【0296】
本明細書で使用する場合、用語「シクロアルコキシ」または「シクロアルキルオキシ」は、−O−シクロアルキル基を指す。例えば、用語「C3〜7シクロアルコキシ」または「C3〜7シクロアルキルオキシ」は、−O−(C3〜7シクロアルキル)基を指す。別の例では、用語「C3〜6シクロアルコキシ」または「C3〜6シクロアルキルオキシ」は、−O−(C3〜6シクロアルキル)基を指す。シクロアルコキシの例には、C3〜6シクロアルコキシ(例えば、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、シクロヘキサノキシなど)が含まれる。シクロアルコキシまたはシクロアルキルオキシ基は、1個または複数(例えば、1〜5個)の適切な置換基によって置換されていてもよい。
【0297】
本明細書で使用する場合、用語「C6〜10アリールオキシ」は、−O−(C6〜10アリール)基を指す。C6〜10アリールオキシ基の例は、−O−フェニル[すなわち、フェノキシ]である。C6〜10アリールオキシ基は、1個または複数(例えば、1〜5個)の適切な置換基によって置換されていてもよい。
【0298】
本明細書で使用する場合、用語「フルオロアルキル」は、1個または複数のフッ素置換基を有するアルキル基を指す(ペルフルオロアルキルまで、すなわち、アルキル基のすべての水素原子がフッ素原子により置き換えられるまで)。例えば、用語「C1〜2フルオロアルキル」は、1個または複数のフッ素置換基を有するC1〜2アルキル基を指す(ペルフルオロアルキルまで、すなわち、C1〜6アルキル基のすべての水素原子がフッ素により置き換えられるまで)。別の例では、用語「Cフルオロアルキル」は、1個、2個または3個のフッ素置換基を有するCアルキル基(すなわち、メチル)を指す。フルオロアルキル基には、CF、C、CHCF、CHF、CHF、などが含まれる。
【0299】
本明細書で使用する場合、用語「フルオロアルコキシ」は、−O−フルオロアルキル基を指す。例えば、用語「C1〜2フルオロアルコキシ」は、−O−C1〜2フルオロアルキル基を指す。別の例では、用語「Cフルオロアルコキシ」は、1、2、または3個のフッ素置換基を有するメトキシ基を指す。Cフルオロアルコキシの例は、−OCFまたは−OCHFである。
【0300】
本明細書で使用する場合、用語「ヒドロキシルアルキル」または「ヒドロキシアルキル」は、1個または複数(例えば、1、2、または3個)のOH置換基を有するアルキル基を指す。用語「C1〜6ヒドロキシルアルキル」または「C1〜6ヒドロキシアルキル」は、1個または複数(例えば、1、2、または3個)のOH置換基を有するC1〜6アルキル基を指す。用語「C1〜4ヒドロキシルアルキル」または「C1〜4ヒドロキシアルキル」は、1個または複数(例えば、1、2、または3個)のOH置換基を有するC1〜4アルキル基を指し、用語「C1〜3ヒドロキシルアルキル」または「C1〜3ヒドロキシアルキル」は、1個または複数(例えば、1、2、または3個)のOH置換基を有するC1〜3アルキル基を指し、用語「C1〜2ヒドロキシルアルキル」または「C1〜2ヒドロキシアルキル」は、1個または複数(例えば、1、2、または3個)のOH置換基を有するC1〜2アルキル基を指す。ヒドロキシルアルキルの例は、−CHOHまたは−CHCHOHである。
【0301】
本明細書で使用する場合、用語「オキソ」は、=Oを指す。オキソが炭素原子上で置換されている場合、それらは、一緒に、カルボニル部分[−C(=O)−]を形成している。オキソが硫黄原子上で置換されている場合、それらは、一緒に、スルフィニル部分[−S(=O)−]を形成しており、2個のオキソ基が硫黄原子上で置換されている場合、それらは、一緒に、スルホニル部分[−S(=O)−]を形成している。
【0302】
本明細書で使用する場合、用語「チオノ」は、=Sを指す。チオノが炭素原子上で置換されている場合、それらは一緒に、[−C(=S)−]の部分を形成している。
【0303】
本明細書で使用する場合、用語「置換されていてもよい」は、置換が、場合によるものであり、したがって、非置換および置換の原子および部分の両方を含むことを意味する。「置換の」原子または部分は、指定の原子または部分上の任意の水素が、示されている置換基からの選択肢で置き換えられていてよいことを示しているが(指定の原子または部分上のすべての水素原子が、示されている置換基からの選択肢で置き換えられるまで)、ただし、指定の原子または部分の通常の原子価を超えず、また、その置換が安定な化合物をもたらすことを条件とする。例えば、メチル基(すなわち、CH)が置換されていてもよい場合、炭素原子上の最高3個の水素原子が、置換基で置き換えられていてよい。
【0304】
本明細書で使用する場合、用語「置換されていてもよいC1〜4アルキル」は、−OH、ハロゲン、−CN、−NH、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1個または複数(例えば、1〜5個)の置換基により置換されていてもよいC1〜4アルキルを指す。
【0305】
本明細書で使用する場合、用語「置換されていてもよいC1〜2アルキル」は、−OH、ハロゲン、−CN、−NH、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1個または複数(例えば、1〜5個)の置換基により置換されていてもよいC1〜2アルキルを指す。
【0306】
本明細書で使用する場合、用語「置換されていてもよいC3〜4シクロアルキル」は、−OH、ハロゲン、−CN、−NH、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1個または複数(例えば、1〜5個)の置換基により置換されていてもよいC3〜4シクロアルキルを指す。
【0307】
本明細書で使用する場合、用語「置換されていてもよいシクロプロピルメチル」は、−OH、ハロゲン、−CN、−NH、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ヒドロキシルアルキル、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1個または複数(例えば、1〜5個)の置換基により置換されていてもよいシクロプロピルメチルを指す。
【0308】
本明細書で使用する場合、用語「置換されていてもよいC1〜4アルコキシ」は、−OH、ハロゲン、−CN、−NH、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)、C1〜4アルコキシ、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1個または複数(例えば、1〜5個)の置換基により置換されていてもよいC1〜4アルコキシを指す。
【0309】
本明細書で使用する場合、指定がない限り、置換基の結合点は、置換基の任意の適切な位置からであってよい。例えば、ピペリジニルは、ピペリジン−1−イル(ピペリジニルのN原子を介して結合)、ピペリジン−2−イル(ピペリジニルの2位のC原子を介して結合)、ピペリジン−3−イル(ピペリジニルの3位のC原子を介して結合)、またはピペリジン−4−イル(ピペリジニルの4位のC原子を介して結合)であってよい。別の実施例では、ピリジニル(またはピリジル)は、2−ピリジニル(またはピリジン−2−イル)、3−ピリジニル(またはピリジン−3−イル)、または4−ピリジニル(またはピリジン−4−イル)であってよい。
【0310】
置換基への結合が、環中の2個の原子を接続する結合を横切って示されている場合、そのような置換基は、別段の指定があるかまたは別段に文脈から暗示されていない限り、その環中の置換可能な(すなわち、1個または複数の水素原子に結合している)環形成原子のいずれに結合していてもよい。例えば、以下の式a−101に示されているとおり、R10は、それぞれ1個の水素原子(図示されていないが)を担持する2個の環炭素原子のいずれかに結合していてよい。別の例では、以下の式a−102に示されているとおり、R10は、それぞれ1個の水素原子(図示されていないが)を担持するピラジン環上の2個の環炭素原子のいずれかに結合していてよく、R10aは、それぞれ1個の水素原子(図示されていないが)を担持するイミダゾール環上の2個の環炭素原子のいずれかに結合していてよい。
【0311】
【化32】
【0312】
その原子を介して置換基に結合している原子を示すことなく、置換部分または置換されていてもよい部分が記載されている場合、置換基は、そのような部分中の任意の適切な原子を介して結合していてよい。置換アリールアルキルの例では、アリールアルキル[例えば、(C6〜10アリール)−C1〜4アルキル−]上の置換基は、アリールアルキルのアルキル部分またはアリール部分の上の任意の炭素原子に結合していてよい。置換基および/または変項の組合せは、そのような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ、許容される。
【0313】
上記のとおり、式Iの化合物は、式Iの化合物の酸付加塩および/または塩基付加塩などの薬学的に許容できる塩の形態で存在し得る。語句「薬学的に許容できる塩(複数可)」には、本明細書で使用する場合、別段に示さない限り、式Iの化合物中に存在し得る酸付加塩または塩基塩が含まれる。
【0314】
式Iの化合物の薬学的に許容できる塩には、その酸付加塩および塩基塩が含まれる。
【0315】
適切な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から形成される。例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、およびキシノホ酸塩(xinofoate)が含まれる。
【0316】
適切な塩基塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成される。例には、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオラミン、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、および亜鉛の塩が含まれる。
【0317】
酸および塩基の半塩、例えば、半硫酸塩および半カルシウム塩も、形成され得る。
【0318】
適切な塩についての総説については、「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties, Selection, and Use」、Stahl and Wermuth(Wiley−VCH, 2002)を参照されたい。式Iの化合物の薬学的に許容できる塩を作製するための方法は、当業者に知られている。
【0319】
本明細書で使用する場合、用語「式I」、「式Iまたは薬学的に許容できるその塩」、「化合物の薬学的に許容できる塩または[式Iの]塩」は、水和物、溶媒和物、異性体(例えば、回転立体異性体を含む)、結晶質および非結晶質形態、同類形態、多形、代謝産物、ならびにそのプロドラッグを含めた式Iの化合物のすべての形態を含むと定義される。
【0320】
当業者には知られているとおり、アミン化合物(すなわち、1個または複数個の窒素原子を含むもの)、例えば、第三級アミンは、N−オキシド(アミンオキシドまたはアミンN−オキシドとしても知られている)を形成することができる。N−オキシドは、(R100200300)N−Oの式を有し、親アミン(R100200300)Nは、例えば、第三級アミン(例えば、R100、R200、R300のそれぞれは、独立に、アルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリールなどである)、複素環式または複素芳香族アミン[例えば、(R100200300)Nは、一緒に、1−アルキルピペリジン、1−アルキルピロリジン、1−ベンジルピロリジン、またはピリジンを形成している]であってよい。例えば、イミン窒素、特に、複素環式もしくは複素芳香族イミン窒素、またはピリジン−型窒素(
【0321】
【化33】
)原子[ピリジン、ピリダジン、またはピラジン中の窒素原子など]は、N−酸化されて、基(
【0322】
【化34】
)を含むN−オキシドを形成し得る。したがって、1個または複数の窒素原子(例えば、イミン窒素原子)を含む本発明による化合物は、そのN−オキシドを形成し得る(例えば、安定なN−オキシドを形成するために適した窒素原子の数に応じて、モノ−N−オキシド、ビス−N−オキシド、またはマルチ−N−オキシド(multi−N−oxide)、またはそれらの混合物)。
【0323】
本明細書で使用する場合、用語「N−オキシド(複数可)」は、モノ−N−オキシド(アミン化合物の1個より多い窒素原子がモノN−オキシドを形成し得る場合には、異なる異性体を含む)もしくはマルチ−N−オキシド(例えば、ビス−N−オキシド)、またはあらゆる比でのそれらの混合物など、本明細書に記載のアミン化合物(例えば、1個または複数のイミン窒素原子を含む化合物)のすべての可能な、とりわけ、すべての安定なN−オキシド形態を指す。
【0324】
式Iの化合物および本明細書に記載のそれらの塩は、それらのN−オキシドをさらに含む。
【0325】
式Iの化合物(その塩を含む)は、完全な非晶質から完全な結晶質までの範囲の連続した固体状態で存在し得る。用語「非晶質」は、その物質が、分子レベルで長距離秩序を欠いていて、温度に応じて固体または液体の物理的特性を示し得る状態を指す。典型的には、このような物質は、特有のX線回折図を示さず、固体の特性を示しながらも、より形式的には液体として記載される。加熱すると、固体の外観から液体の特性を持つ物質への変化が生じ、これは、典型的には二次の状態変化によって特徴づけられる(「ガラス遷移」)。用語「結晶質」は、その物質が、分子レベルで規則的に配列している内部構造を有し、規定のピークを有する特有のX線回折図を示す固相を指す。このような物質は十分に加熱すると、液体の特性も示すが、固体から液体への変化は、典型的には一次の相変化によって特徴づけられる(「融点」)。
【0326】
式Iの化合物(その塩を含む)は、非溶媒和形態および溶媒和形態で存在し得る。溶媒または水が緊密に結合している場合、複合体は、湿度とは無関係に、十分に定義される化学量論を有するはずである。しかしながら、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物においてのように、溶媒または水の結合が弱い場合、水/溶媒含有量は、湿度および乾燥状態に左右される。このようなケースでは、非化学量論組成が標準となる。
【0327】
式Iの化合物(その塩を含む)は、クラスレートまたは他の複合体(例えば、共結晶)としても存在し得る。薬物およびホストが、化学量論的量または非化学量論的量で存在しているクラスレート、薬物−ホスト包接錯体などの複合体も、本発明の範囲内に包含される。化学量論的量または非化学量論的量であってよい2種以上の有機および/または無機構成成分を含有する式Iの化合物の複合体も包含される。その結果生じる複合体は、イオン化、部分イオン化、または非イオン化であってよい。共結晶は、典型的には、非共有結合相互作用を介して共に結合している中性分子構成成分同士の結晶錯体と定義されるが、中性分子と塩との錯体でもあり得るであろう。溶融結晶化、溶媒からの再結晶化、または構成成分同士の物理的粉砕により、共結晶を調製することができる。O.AlmarssonおよびM.J.Zaworotko、Chem. Commun.2004、17、1889〜1896を参照されたい。多構成成分錯体の一般的総説に関しては、J.K.Haleblian、J. Pharm. Sci. 1975、64、1269〜1288を参照されたい。
【0328】
本発明の化合物(その塩を含む)は、適切な条件に置いた場合に、中間状態(中間相または液晶)でも存在し得る。中間状態は、真の結晶状態と真の液体状態(溶融体または溶液)との中間である。温度変化の結果として生じる液晶性は、「サーモトロピック」と記載され、水または他の溶媒などの第2の構成成分を加えると生じる液晶性は、「リオトロピック」と記載される。リオトロピック中間相を形成する可能性のある化合物は、「両親媒性」と記載され、イオン性極性ヘッド基(−COONa、−COO、または−SONaなど)または非イオン性極性ヘッド基(−N(CHなど)を持つ分子からなる。さらなる情報に関しては、N.H.HartshorneおよびA.Stuartによる「Crystals and the Polarizing Microscope」、第4版(Edward Arnold、1970)を参照されたい。
【0329】
本発明はまた、式Iの化合物のプロドラッグに関する。したがって、それ自体は薬理活性をほとんど、または全く有さなくてもよい式Iの化合物のある種の誘導体は、体内または体上に投与されると、例えば加水分解による切断によって変換されて、所望の活性を有する式Iの化合物になり得る。そのような誘導体が、「プロドラッグ」と称される。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、Pro−drugs as Novel Delivery Systems、Vol.14、ACS Symposium Series(T.HiguchiおよびW.Stella)およびBioreversible Carriers in Drug Design、Pergamon Press、1987(E.B.Roche編、American Pharmaceutical Association)において見出すことができる。
【0330】
本発明によるプロドラッグは、例えば、式Iの化合物中に存在する適切な官能基を、「プロ部分(pro−moieties)」として当業者に知られており、例えば、Design of Prodrugs、H.Bundgaard(Elsevier、1985)、またはProdrugs:Challenges and Reward、2007版、Valentino Stella、Ronald Borchardt、Michael Hageman、Reza Oliyai、Hans Maag、Jefferson Tilley編、134〜175頁(Springer、2007)に記載されているとおりの特定の部分に置き換えることによって作製することができる。
【0331】
さらに、ある種の式Iの化合物は、それ自体が、他の式Iの化合物のプロドラッグとして作用することがある。
【0332】
式Iの化合物の代謝産物、すなわち、薬物を投与するとインビボで形成される化合物も、本発明の範囲内に包含される。
【0333】
式Iの化合物(その塩を含む)は、立体異性体および互変異性体のすべてを含む。式Iの立体異性体には、1種より多い種類の異性を示す化合物;およびその混合物(ラセミ化合物およびジアステレオ異性体対など)を含めた式Iの化合物のシスおよびトランス異性体、RおよびS鏡像異性体などの光学異性体、ジアステレオ異性体、幾何異性体、回転異性体、アトロプ異性体、ならびに配座異性体が含まれる。他にも、対イオンが光学的に活性である酸付加塩または塩基付加塩、例えば、D−乳酸塩もしくはL−リシン、またはラセミ体、例えば、DL−酒石酸塩もしくはDL−アルギニンが含まれる。
【0334】
一部の実施形態では、式Iの化合物(その塩を含む)は、不斉炭素原子を有することがある。式Iの化合物の炭素−炭素結合は、本明細書において、実線(
【0335】
【化35】
)、黒塗りのくさび型(
【0336】
【化36】
)、または破線のくさび型(
【0337】
【化37】
)を使用して示すことができる。不斉炭素原子への結合を示すための実線の使用は、その炭素原子での可能な立体異性体(例えば、個々の鏡像異性体、ラセミ混合物など)のすべてが含まれることを示すこととする。不斉炭素原子への結合を示すための中実または破線くさび型の使用は、示されている立体異性体のみが包含されることを意味することを示すこととする。式Iの化合物は、1個を超える不斉炭素原子を含有することも可能である。これらの化合物では、不斉炭素原子への結合を示すための実線の使用は、可能な立体異性体のすべてが包含されることを意味することを示すこととする。例えば、別段に述べられていない限り、式Iの化合物は、鏡像異性体およびジアステレオ異性体として、またはラセミ化合物およびそれらの混合物として存在し得ることが意図されている。式Iの化合物中の1個または複数の不斉炭素原子への結合を示すための実線の使用および同じ化合物中の他の不斉炭素原子への結合を示すための中実または破線くさび型の使用は、ジアステレオ異性体の混合物が存在することを示すこととする。
【0338】
一部の実施形態では、式Iの化合物(その塩を含む)は、アトロプ異性体(例えば、1種または複数のアトロプ鏡像異性体)として存在し得、かつ/または単離することができる。当業者であれば、アトロプ異性は、2個以上の芳香環(例えば、単結合を介して連結している2個の芳香環)を有する化合物で存在し得ることが分かるであろう。例えば、Freedman,T.B.ら、Absolute Configuration Determination of Chiral Molecules in the Solution State Using Vibrational Circular Dichroism. Chirality 2003、15、743〜758;およびBringmann,G.ら、Atroposelective Synthesis of Axially Chiral Biaryl Compounds. Angew. Chem., Int. Ed. 2005、44、5384〜5427を参照されたい。
【0339】
任意のラセミ体を結晶化させると、異なる種類の結晶が可能である。1つの種類は、等モル量で両方の鏡像異性体を含有する1種の均一な形態の結晶が生じるラセミ化合物(真のラセミ化合物)である。別の種類は、それぞれ単一の鏡像異性体を含む2種の形態の結晶が等モル量もしくは異なるモル量で生じるラセミ混合物または集合体である。
【0340】
式Iの化合物(その塩を含む)は、互変異性および構造異性の現象を示し得る。例えば、式Iの化合物は、エノールおよびイミンの形態、アミドおよびイミド酸の形態、ならびにケトおよびエナミンの形態を含めた複数の互変異性型、幾何異性体、ならびにそれらの混合物で存在し得る。そのような互変異性型のすべてが、式Iの化合物の範囲内に含まれる。互変異性体は、溶液中では互変異性セットの混合物として存在し得る。固体形態では、通常、1種の互変異性体が優勢である。1種の互変異性体が記載されていることがあるとしても、本発明は、式Iの化合物の互変異性体のすべてを含む。例えば、次の本発明の2種の互変異性体の1種が、本明細書の実験セクションにおいて開示されている場合、当業者であれば、本発明が他方も含むことは容易に分かるであろう。
【0341】
【化38】
【0342】
別の例では、次の本発明の3種の互変異性体の1種が、本明細書の実験の章で開示されている場合、当業者であれば、本発明が以下に示されている他の2種などの他の互変異性体も含むことは容易に理解しているものと予想される。
【0343】
【化39】
【0344】
本発明は、1個または複数の原子が、同じ原子番号を有するが、天然において優勢な原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられている薬学的に許容できる同位体標識された式Iの化合物(その塩を含む)のすべてを含む。
【0345】
本発明の化合物中に包含されるために適している同位体(その塩を含む)の例には、HおよびHなどの水素、11C、13C、および14Cなどの炭素、36Clなどの塩素、18Fなどのフッ素、123Iおよび125Iなどのヨウ素、13Nおよび15Nなどの窒素、15O、17O、および18Oなどの酸素、32Pなどのリン、ならびに35Sなどの硫黄の同位体が含まれる。
【0346】
ある種の同位体標識された式Iの化合物、例えば、放射性同位体を導入されているものは、薬物および/または基質の組織分布研究において有用である。放射性同位体のトリチウム、すなわちHおよび炭素−14、すなわち14Cは、導入の容易さおよび検出の迅速な手段である点において、この目的のために特に有用である。
【0347】
ジュウテリウム、すなわちHなどのより重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増大または投薬量要求の低減から生じるある種の治療的利点をもたらし得るので、場合によっては好ましいことがある。
【0348】
11C、18F、15O、および13Nなどの陽電子放出同位体での置換は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放出断層撮影法(PET)研究において有用であり得る。
【0349】
当業者に知られている従来の技術によって、または以前に使用された非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用する添付の実施例および調製に記載のプロセスと同様のプロセスによって、同位体標識された式Iの化合物(その塩を含む)を一般的に調製することができる。
【0350】
本発明はまた、本発明の第2の態様における新規の式Iの化合物(その薬学的に許容できる塩を含む)を含む組成物(例えば、医薬組成物)を提供する。したがって、一実施形態では、本発明は、(治療有効量の)新規の式Iの化合物(またはその薬学的に許容できる塩)を含み、場合により、薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物を提供する。さらなる一実施形態では、本発明は、(治療有効量の)式Iの化合物(またはその薬学的に許容できる塩)を含み、場合により、薬学的に許容できる担体および場合により、少なくとも1種の追加の薬品または医薬品(下記の抗精神病薬または抗統合失調症薬など)を含む医薬組成物を提供する。一実施形態では、追加の薬品または医薬品は、下記のとおりの抗統合失調症薬である。
【0351】
薬学的に許容できる担体は、任意の従来の医薬担体または添加剤を含み得る。適切な医薬担体には、不活性な希釈剤または充填剤、水、および様々な有機溶媒(水和物および溶媒和物など)が含まれる。医薬組成物は、所望の場合には、香味剤、結合剤、添加剤などの追加の成分を含有してよい。したがって、経口投与では、クエン酸などの様々な添加剤を含有する錠剤を、デンプン、アルギン酸、およびある種の錯体ケイ酸塩などの様々な崩壊剤と一緒に、また、スクロース、ゼラチン、およびアラビアゴムなどの結合剤と一緒に使用することができる。加えて、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびタルクなどの滑沢剤は、多くの場合に、製錠の目的のために有用である。同様の種類の固体組成物を、充填された軟および硬ゼラチンカプセル剤中で使用することもできる。したがって、材料の非限定的例には、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールが含まれる。水性懸濁剤またはエリキシル剤が経口投与のために望ましいときには、その中の活性化合物を、様々な甘味剤または香味剤、着色剤または色素および、所望の場合には、乳化剤または懸濁化剤と、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、またはそれらの組合せなどの希釈剤と一緒に組み合わせることができる。
【0352】
医薬組成物は、例えば、経口投与では錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、持続放出製剤、液剤、もしくは懸濁剤として、非経口注射では滅菌液剤、懸濁剤、もしくは乳剤として、局所投与では軟膏剤もしくはクリーム剤として、または直腸投与では坐剤として適した形態で存在してよい。
【0353】
例示的な非経口投与形態には、滅菌水溶液、例えば、プロピレングリコール水溶液またはデキストロース溶液中の活性化合物の液剤または懸濁剤が含まれる。そのような剤形は、所望の場合には、適切に緩衝されていてよい。
【0354】
医薬組成物は、正確な投薬量の単回投与に適した単位剤形であってよい。当業者であれば、複数の用量が想定されるように、組成物を治療量以下の投薬量で製剤化することができることは分かるであろう。
【0355】
一実施形態では、本組成物は、治療有効量の式Iの化合物(またはその薬学的に許容できる塩)および薬学的に許容できる担体を含む。
【0356】
式Iの化合物(その薬学的に許容できる塩を含む)は、D1Rモジュレータである。一部の実施形態では、式Iの化合物は、D1Rアゴニスト[すなわち、D1受容体と結合し(D1R受容体に対して親和性を有し)、活性化させる]である。一部の実施形態では、ドーパミンを基準完全D1Rアゴニストとして使用すると、式Iの化合物は、スーパーアゴニスト(すなわち、D1R受容体について、内在性D1Rアゴニストであるドーパミンよりも高い最大応答をもたらし得て、したがって、約100%よりも高い、例えば、120%の有効性を示し得る化合物)である。一部の実施形態では、ドーパミンを基準完全アゴニストとして使用すると、式Iの化合物は、完全D1Rアゴニストである(すなわち、ドーパミンの有効性と比較して、約100%、例えば、90%〜100%の有効性を有する)。一部の実施形態では、ドーパミンを基準完全D1Rアゴニストとして使用すると、式Iの化合物は、部分アゴニスト[すなわち、D1受容体に結合し、それを活性化させるが、完全アゴニストであるドーパミンに対して、D1受容体において部分的な有効性のみ(すなわち、100%未満、例えば、10%〜80%または50%〜70%)を有する化合物]である。D1Rアゴニスト(スーパーアゴニスト、完全アゴニスト、および部分アゴニストを含む)は、D1Rの活性を作動させるか、または部分的に作動させ得る。一部の実施形態では、D1Rに関する式Iの化合物のEC50は、約10μM、5μM、2μM、1μM、500nM、200nM、100nM、50、40、30、20、10、5、2、または1nM未満である。
【0357】
本明細書で使用する場合、化合物について言及する場合、用語「D1Rモジュレータ」または「D1Rアゴニスト」(D1Rスーパーアゴニスト、D1R完全アゴニスト、およびD1R部分アゴニストを含む)は、それぞれ、D1様受容体モジュレータまたはD1様受容体アゴニストである化合物を指す(すなわち、D1様受容体のサブタイプ間で、またはそのうちで、必ずしも選択的ではない)。Lewis、JPET 286:345−353、1998を参照されたい。D1Rには、例えば、ヒトではD1およびD5、ならびにげっ歯類ではD1AおよびD1Bが含まれる。
【0358】
式Iの化合物の投与は、当該化合物を作用部位に送達することを可能にする任意の方法により行うことができる。これらの方法には、例えば、腸内経路(例えば、経口経路、頬側経路、唇下経路、舌下経路)、経口経路、鼻腔内経路、吸入経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内、または注入を含む)、髄腔内経路、硬膜外経路、脳内経路、脳室内経路、局所、および直腸投与が含まれる。
【0359】
本発明の一実施形態では、式Iの化合物は、経口経路により投与する/作用させることができる。
【0360】
投与計画を、最適な所望の応答が得られるように調節することができる。例えば、単回ボーラス剤を投与することができるか、複数の分割用量を経時的に投与することができるか、または用量を、治療状況の急迫によって示されるとおりに、比例して低減または増加することができる。投与の容易さ、および投薬量の均一のために、非経口組成物を投薬単位形態に製剤化することが、有利であり得る。投薬単位形態は、本明細書で使用する場合、治療する哺乳動物対象のための単位投薬量として適した物理的に別個の単位を指し;各単位は、必要な医薬担体に関連して所望の治療効果を生じるように計算された活性化合物の所定の量を含有する。本発明の投薬量単位形態についての仕様は、治療薬の特有の特徴、および達成されるべき特定の治療効果または予防効果などの様々な因子により規定される。本発明の一実施形態では、式Iの化合物は、ヒトを処置するために使用することができる。
【0361】
投薬量の値は、緩和されるべき状態の種類および重症度と共に変動してよく、また、単回または多回用量を含んでよいことに注意されたい。さらに、任意の特定の対象について、具体的な投与計画を、個々の必要性、および組成物を投与するか、または組成物の投与を監督する人物の専門的判断に従って経時的に調節すべきこと、かつ本明細書に記載の投薬量範囲は、例示に過ぎず、特許請求の範囲の組成物の範囲または実施を制限することを意図したものではないことを理解されたい。例えば、用量は、毒性作用および/または臨床検査値などの臨床作用を含み得る薬物動態または薬力学的パラメーターに基づき調節することができる。したがって、本発明は、当業者によって決定されるとおりの患者内用量漸増を含む。化学療法薬を投与するための適切な投薬量およびレジメンの決定は、関連分野においてよく知られており、本明細書において開示されている教示を得れば、当業者によって達成されることは理解されるであろう。
【0362】
投与される式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩の量は、治療される対象、障害または状態の重症度、投与速度、化合物の素質、および処方する医師の裁量に依存するはずである。一般に、有効な投薬量は、単回用量または分割用量で1日あたり体重1kgあたり約0.0001〜約50mg、例えば、約0.01〜約10mg/kg/日の範囲である。70kgのヒトでは、これは、約0.007mg〜約3500mg/日、例えば、約0.7mg〜約700mg/日の量となるであろう。一部の場合には、前記の範囲の下限未満の投薬量レベルが、適正を超えてしまうこともある一方で、他の場合には、さらに多い用量を、どのような有害な副作用も惹起することなく、使用することができるが、ただし、そのような多い用量は、初めに、一日を通じて投与するために、複数の小さな用量に分割されることを条件とする。
【0363】
本明細書で使用する場合、用語「併用療法」は、逐次に、または同時に、少なくとも1種の追加の医薬品または薬品(例えば、抗統合失調症薬)と一緒に、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩を投与することを指す。
【0364】
本発明は、式Iの化合物(またはその薬学的に許容できる塩)と、1種または複数の追加の薬学的に活性な薬剤(複数可)との組合せの使用を含む。活性薬剤の組合せを投与する場合には、それらを、逐次に、または同時に、別々の剤形で、または単一の剤形に組み合わせて投与することができる。したがって、本発明はまた、(a)式Iの化合物(そのN−オキシド、または当該化合物もしくは当該N−オキシドの薬学的に許容できる塩を含む)を含む第1の薬剤;(b)第2の薬学的に活性な薬剤;および(c)薬学的に許容できる担体、ビヒクル、または希釈剤の量を含む医薬組成物を含む。
【0365】
様々な薬学的に活性な薬剤を、処置される疾患、障害、または状態に応じて、式Iの化合物(またはその薬学的に許容できる塩を含む)と併せて使用するために選択することができる。本発明の組成物と組み合わせて使用することができる薬学的に活性な薬剤には、限定ではないが:
(i)塩酸ドネペジル(ARICEPT、MEMAC)などのアセチルコリンエステラーゼ阻害薬;またはPreladenant(SCH 420814)またはSCH 412348などのAdenosine A2A受容体アンタゴニスト;
(ii)pan HLA DR結合エピトープ(PADRE)にコンジュゲートしたAβ1−15およびACC−001(Elan/Wyeth)などのアミロイド−β(またはその断片);
(iii)バピヌズマブ(AAB−001としても知られている)およびAAB−002(Wyeth/Elan)などのアミロイド−β(またはその断片)に対する抗体;
(iv)コロストリニンおよびビスノルシムセリン(bisnorcymserine)(BNCとしても知られている)などのアミロイド低下性(amyloid−lowering)または阻害性薬剤(アミロイド産生、蓄積、原線維化を減少させるものを含む)および;
(v)クロニジン(CATAPRES)などのα−アドレナリン受容体アゴニスト;
(vi)カルテオロールなどのβ−アドレナリン受容体遮断薬(β遮断薬);
(vii)アミトリプチリン(ELAVIL、ENDEP)などの抗コリン作動薬;
(viii)カルバマゼピン(TEGRETOL、CARBATROL)などの抗痙攣薬;
(ix)ルラシドン(SM−13496としても知られている;Dainippon Sumitomo)などの抗精神病薬;
(x)ニルバジピンなどのカルシウムチャネル遮断薬(ESCOR、NIVADIL);
(xi)トルカポン(TASMAR)などのカテコールO−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬;
(xii)カフェインなどの中枢神経系刺激薬;
(xiii)プレドニゾン(STERAPRED、DELTASONE)などのコルチコステロイド;
(xiv)アポモルヒネ(APOKYN)などのドーパミン受容体アゴニスト;
(xv)テトラベナジン(NITOMAN、XENAZINE、クエチアピンなどのドーパミンD2アンタゴニスト)などのドーパミン受容体アンタゴニスト;
(xvi)マレイン酸ノミフェンシン(MERITAL)などのドーパミン再取り込み阻害薬;
(xvii)バクロフェン(LIORESAL、KEMSTRO)などのγ−アミノ酪酸(GABA)受容体アゴニスト;
(xviii)シプロキシファン(ciproxifan)などのヒスタミン3(H)アンタゴニスト;
(xix)酢酸グラチラマーなどの免疫調節薬(コポリマー−1;COPAXONEとしても知られている);
(xx)メトトレキサート(TREXALL、RHEUMATREX)などの免疫抑制薬;
(xxi)インターフェロンβ−1a(AVONEX、REBIF)およびインターフェロンβ−1b(BETASERON、BETAFERON)を含めたインターフェロン;
(xxii)単独か、またはDOPAデカルボキシラーゼ阻害薬(例えば、カルビドパ(SINEMET、CARBILEV、PARCOPA))と組み合わせたレボドパ(またはそのメチルまたはエチルエステル);
(xxiii)メマンチン(NAMENDA、AXURA、EBIXA)などのN−メチル−D−アスパルタート(NMDA)受容体アンタゴニスト;
(xxiv)セレギリン(EMSAM)などのモノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害薬;
(xxv)塩化ベタネコール(DUVOID、URECHOLINE)などのムスカリン様受容体(詳細には、M1サブタイプ)アゴニスト;
(xxvi)2,3,4,9−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−3−オンオキシムなどの神経保護薬;
(xxvii)エピバチジンなどのニコチン受容体アゴニスト;
(xxviii)アトモキセチン(STRATTERA)などのノルエピネフリン(ノルアドレナリン)再取り込み阻害薬;
(xxix)ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害薬、例えば、BAY 73−6691(Bayer AG)などのPDE9阻害薬およびパパベリンなどのPDE10(例えば、PDE10A)阻害薬;
(xxx)(a)PDE1阻害薬(例えば、ビンポセチン)、(b)PDE2阻害薬(例えば、エリスロ−9−(2−ヒドロキシ−3−ノニル)アデニン(EHNA))、(c)PDE4阻害薬(例えば、ロリプラム)、および(d)PDE5阻害薬(例えば、シルデナフィル(VIAGRA、REVATIO))を含めた他のPDE阻害薬;
(xxxi)キニン(その塩酸塩、二塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、およびグルコン酸塩を含む)などのキノリン;
(xxxii)WY−25105などのβ−セクレターゼ阻害薬;
(xxxiii)LY−411575(Lilly)などのγ−セクレターゼ阻害薬;
(xxxiv)スピペロンなどのセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)1A(5−HT1A)受容体アンタゴニスト;
(xxxv)PRX−03140(Epix)などのセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)4(5−HT)受容体アゴニスト;
(xxxvi)ミアンセリン(TORVOL、BOLVIDON、NORVAL)などのセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)6(5−HT)受容体アンタゴニスト;
(xxxvii)アラプロクラート、シタロプラム(CELEXA、CIPRAMIL)などのセロトニン(5−HT)再取り込み阻害薬;
(xxxviii)神経成長因子(NGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF;ERSOFERMIN)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、カルジオトロフィン−1、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューブラスチン、メテオリン、およびグリア由来神経栄養因子(GDNF)などの栄養因子、ならびにプロペントフィリンなどの栄養因子の産生を刺激する薬剤
などが含まれる。
【0366】
式Iの化合物(その薬学的に許容できる塩を含む)は、別の活性薬剤と組み合わせて使用することもできる。そのような活性薬剤は、例えば、非定型抗精神病薬または抗パーキンソン病薬または抗アルツハイマー病薬であってよい。したがって、本発明の別の実施形態では、D1媒介性障害(例えば、D1と関連する神経および精神障害)を処置する方法であって、哺乳動物に、有効量の式Iの化合物(そのN−オキシド、または当該化合物もしくは当該N−オキシドの薬学的に許容できる塩を含む)を投与することを含み、さらに、別の活性薬剤を投与することを含む方法を提供する。
【0367】
本明細書で使用する場合、用語「別の活性薬剤」は、対象の障害を処置するために有用である、式Iの化合物(またはその薬学的に許容できる塩を含む)以外の任意の治療薬を指す。追加の治療薬の例には、抗うつ薬、抗精神病薬(抗統合失調症など)、抗疼痛薬、抗パーキンソン病薬、抗LID薬(レボドパ誘発性ジスキネジア)、抗アルツハイマー病薬、および抗不安薬が含まれる。本発明の化合物と組み合わせて使用することができる抗うつ薬の詳細なクラスの例には、ノルエピネフリン再取り込み阻害薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、NK−1受容体アンタゴニスト、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)、モノアミン酸化酵素の可逆的阻害薬(RIMA)、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレノセプターアンタゴニスト、および非定型抗うつ薬が含まれる。適切なノルエピネフリン再取り込み阻害薬には、第三級アミン三環系および第二級アミン三環系が含まれる。適切な第三級アミン三環系および第二級アミン三環系の例には、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン、トリミプラミン、ドチエピン、ブトリプチリン、イプリンドール、ロフェプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アモキサピン、デシプラミン、およびマプロチリンが含まれる。適切な選択的セロトニン再取り込み阻害薬の例には、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、およびセルトラリンが含まれる。モノアミンオキシダーゼ阻害薬の例には、イソカルボキサジド、フェネルジン、およびトラニルシクロプラミン(tranylcyclopramine)が含まれる。モノアミンオキシダーゼの適切な可逆的阻害薬の例には、モクロベミドが含まれる。本発明において有用な適切なセロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害薬の例には、ベンラファキシンが含まれる。適切な非定型抗うつ薬の例には、ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドン、およびビロキサジンが含まれる。抗アルツハイマー病薬の例には、メマンチンなどのDimebon、NMDA受容体アンタゴニスト、ならびにドネペジルおよびガランタミンなどのコリンエステラーゼ阻害薬が含まれる。本発明の化合物と組み合わせて使用することのできる抗不安薬の適切なクラスの例には、ベンゾジアゼピン、セロトニン1A(5−HT1A)アゴニストまたはアンタゴニスト、特に、5−HT1A部分アゴニスト、および副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)アンタゴニストが含まれる。適切なベンゾジアゼピンには、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼパート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、およびプラゼパムが含まれる。適切な5−HT1A受容体アゴニストまたはアンタゴニストには、ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロン、およびイプサピロンが含まれる。適切な非定型抗精神病薬には、パリペリドン、ビフェプルノックス、ジプラシドン、リスペリドン、アリピプラゾール、オランザピン、およびクエチアピンが含まれる。適切なニコチンアセチルコリンアゴニストには、イスプロニクリン、バレニクリン、およびMEM3454が含まれる。抗疼痛薬には、プレガバリン、ガバペンチン、クロニジン、ネオスチグミン、バクロフェン、ミダゾラム、ケタミン、およびジコノチドが含まれる。適切な抗パーキンソン病薬の例には、L−DOPA(またはそのメチルまたはエチルエステル)、DOPAデカルボキシラーゼ阻害薬(例えば、カルビドパ(SINEMET、CARBILEV、PARCOPA)、アデノシンA2A受容体アンタゴニスト[例えば、Preladenant(SCH 420814)またはSCH 412348]、ベンセラジド(MADOPAR)、α−メチルドパ、モノフルオロメチルドパ、ジフルオロメチルドパ、ブロクレシン、またはm−ヒドロキシベンジルヒドラジン)、ドーパミンアゴニスト[アポモルヒネ(APOKYN)、ブロモクリプチン(PARLODEL)、カベルゴリン(DOSTINEX)、ジヒドレキシジン(dihydrexidine)、ジヒドロエルゴクリプチン、フェノルドパム(CORLOPAM)、リスリド(DOPERGIN)、ペルゴリド(PERMAX)、ピリベジル(TRIVASTAL、TRASTAL)、プラミペキソール(MIRAPEX)、キンピロール、ロピニロール(REQUIP)、ロチゴチン(NEUPRO)、SKF−82958(GlaxoSmithKline)、およびサリゾタンなど]、モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害薬[セレギリン(EMSAM)、セレギリン塩酸塩(L−デプレニル、ELDEPRYL、ZELAPAR)、ジメチルセレギリン、ブロファロミン、フェネルジン(NARDIL)、トラニルシプロミン(PARNATE)、モクロベミド(AURORIX、MANERIX)、ベフロキサトン、サフィナミド(safinamide)、イソカルボキサジド(MARPLAN)、ニアラミド(NIAMID)、ラサギリン(AZILECT)、イプロニアジド(MARSILID、IPROZID、IPRONID)、CHF−3381(Chiesi Farmaceutici)、イプロクロジド、トロキサトン(HUMORYL、PERENUM)、ビフェメラン、デソキシペガニン(desoxypeganine)、ハルミン(テレパチン(telepathine)またはバナステリン(banasterine)としても知られている)、ハルマリン、リネゾリド(ZYVOX、ZYVOXID)、およびパルギリン(EUDATIN、SUPIRDYL)など]、カテコールO−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬[トルカポン(TASMAR)、エンタカポン(COMTAN)、およびトロポロンなど]、N−メチル−D−アスパルタート(NMDA)受容体アンタゴニスト[アマンタジン(SYMMETREL)など]、抗コリン作動薬[アミトリプチリン(ELAVIL、ENDEP)、ブトリプチリン、メシル酸ベンズトロピン(COGENTIN)、トリヘキシフェニジル(ARTANE)、ジフェンヒドラミン(BENADRYL)、オルフェナドリン(NORFLEX)、ヒヨスチアミン、アトロピン(ATROPEN)、スコポラミン(TRANSDERM−SCOP)、臭化メチルスコポラミン(PARMINE)、ジシクロベリン(BENTYL、BYCLOMINE、DIBENT、DILOMINE、トルテロジン(DETROL)、オキシブチニン(DITROPAN、LYRINEL XL、OXYTROL)、臭化ペンチエナート、プロパンテリン(PRO−BANTHINE)、シクリジン、イミプラミン塩酸塩(TOFRANIL)、イミプラミンマレイン酸塩(SURMONTIL)、ロフェプラミン、デシプラミン(NORPRAMIN)、ドキセピン(SINEQUAN、ZONALON)、トリミプラミン(SURMONTIL)、およびグリコピロレート(ROBINUL)など]、またはこれらの組合せが含まれる。抗統合失調症薬の例には、ジプラシドン、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾール、アセナピン、ブロナンセリン、またはイロペリドンが含まれる。一部の追加の「別の活性薬剤」の例には、リバスチグミン(エクセロン)、クロザピン、レボドパ、ロチゴチン、アリセプト、メチルフェニデート、メマンチン、ミルナシプラン、グアンファシン、ブプロピオン、およびアトモキセチンが含まれる。
【0368】
上述のとおり、式Iの化合物(その薬学的に許容できる塩を含む)は、本明細書に記載されている1種または複数の追加の抗統合失調症薬と組み合わせて使用することができる。併用療法を使用する場合は、1種または複数の追加の抗統合失調症薬を、本発明の化合物と逐次または同時に投与することができる。一実施形態では、追加の抗統合失調症薬を、本発明の化合物を投与する前に、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与する。別の実施形態では、追加の抗統合失調症薬を、本発明の化合物を投与した後に、哺乳動物に投与する。別の実施形態では、追加の抗統合失調症薬を、本発明の化合物(もしくはそのN−オキシド、または上述のものの薬学的に許容できる塩)の投与と同時に、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与する。
【0369】
本発明はまた、ヒトを含めた哺乳動物において統合失調症を処置するための医薬組成物であって、ある量の上記で定義したとおりの式Iの化合物(またはその薬学的に許容できる塩)(前記化合物または薬学的に許容できるその塩の水和物、溶媒和物、および多形を含む)を、ジプラシドン、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾール、アセナピン、ブロナンセリン、またはイロペリドンなどの1種または複数(例えば、1〜3種)の抗統合失調症薬と組み合わせて含み、活性薬剤および組合せの量は、服用した場合に、全体として、統合失調症を処置するために治療上有効である、医薬組成物を提供する。
【0370】
本発明はまた、ヒトを含めた哺乳動物におけるパーキンソン病(PDに関連する認知欠陥を含む)を処置するための医薬組成物であって、ある量の上記で定義したとおりの式Iの化合物(またはその薬学的に許容できる塩)(前記化合物またはその薬学的に許容できる塩の水和物、溶媒和物、および多形を含む)を、1種または複数(例えば、1〜3種)のL−DOPAなどの抗パーキンソン病薬と組み合わせて含み、活性薬剤および組合せの量は、服用した場合に、全体として、パーキンソン病を処置するために治療上有効である医薬組成物を提供する。
【0371】
上記の式Iの化合物は、示されている特定の立体異性体(例えば、鏡像異性体またはアトロプ異性体)に限定されず、そのすべての立体異性体および混合物を含むと理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0372】
N−オキシド、および当該化合物またはN−オキシドの塩を含めた本発明の化合物は、既知の有機合成技法を使用して調製することができ、多くの可能な合成経路のいずれかに従って合成することができる。
【0373】
本発明の化合物を調製するための反応は、有機合成の当業者が容易に選択することができる適切な溶媒中で実施することができる。適切な溶媒は、反応を実施する温度、例えば、溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度までの範囲であり得る温度において、出発物質(反応物)、中間体、または生成物と実質的に非反応性であってよい。所与の反応を、1種の溶媒または1種を超える溶媒の混合物中で実施することができる。特定の反応ステップに応じて、当業者は、特定の反応ステップに適した溶媒を選択することができる。
【0374】
本発明の化合物の調製は、様々な化学基の保護および脱保護を伴い得る。当業者であれば、保護および脱保護の必要性、ならびに適切な保護基の選択を容易に決定することができる。保護基の化学作用は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Ed.、Wiley & Sons、Inc.、New York(1999)において見出され得る。
【0375】
反応を、当技術分野で知られている任意の適切な方法に従ってモニターすることができる。例えば、生成物の形成を、核磁気共鳴分光法(例えば、Hまたは13C)、赤外分光法、分光測光法(例えば、可視UV)などの分光学的手段、質量分析法、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または薄層クロマトグラフィー(TLC)などのクロマトグラフィーによる方法によりモニターすることができる。
【0376】
式Iの化合物およびその中間体は、次の反応スキームおよび添付の論述に従って調製することができる。別段に示さない限り、次の反応スキームおよび論述におけるR、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、L、X、X、X、X、Q、および構造式Iは、上記で定義したとおりである。一般に、本発明の化合物は、化学分野において知られているプロセスと類似のプロセスを含むプロセスにより、特に、本明細書に含まれる説明を考慮して、作製することができる。本発明の化合物およびその中間体を製造するための特定のプロセスを本発明のさらなる特徴として提供し、次の反応スキームにより例示する。他のプロセスを、実験セクションにおいて記載する。本明細書において提供されているスキームおよび実施例(対応する説明を含む)は、単なる例示のためのものであり、本発明の範囲を制限することを意図したものではない。
【0377】
【化40】
スキーム1は、式Iの化合物の調製に関する。スキーム1を参照すると、式1−1の化合物[式中、Lgは、ハロ(例えば、F、ClまたはBr)などの適切な脱離基である]および式1−2の化合物[式中、Zは、例えば、ハロゲン(例えば、BrまたはI)またはトリフルオロメタンスルホナート(トリフラート[トリフリン酸塩])であってよい]は、市販されているか、または本明細書に記載の方法または当業者によく知られている他の方法により作製することができる。式1−3の化合物は、適切な条件下で、式1−1の化合物を式1−2の化合物とカップリングさせることにより調製することができる。カップリングは、例えば、CsCOなどの塩基の存在下、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの適切な溶媒中、式1−1の化合物と式1−2との混合物を加熱することにより達成することができる。別法では、金属触媒(例えば、パラジウムまたは銅触媒を使用)カップリングを使用して、上記カップリングを達成することができる。カップリングのこの変法では、式1−1の化合物および式1−2の化合物の混合物を、塩基(CsCOなど)、金属触媒[パラジウム触媒、例えば、Pd(OAc)など]、およびリガンド[ジ−tert−ブチル[3,4,5,6−テトラメチル−2’,4’,6’−トリ(プロパン−2−イル)ビフェニル−2−イル]ホスファンなど]の存在下で、1,4−ジオキサンなどの適切な溶媒中で、加熱することができる。引き続いて、式1−3の化合物を、金属触媒(例えば、パラジウム触媒を使用)カップリング反応により、式Q−Zの化合物[式中、Zは、Br;B(OH);B(OR)(ここで、各Rは、独立に、HまたはC1〜6アルキルであるか、または2個の(OR)基は、それらが結合しているB原子と一緒に、1個または複数のC1〜6アルキルで置換されていてもよい5〜10員ヘテロシクロアルキルを形成している);トリアルキルスズ部分;などである]と反応させると、式Iの化合物を得ることができる。式Q−Zの化合物は、市販されているか、または本明細書に記載の方法、または化学分野において記載されている方法と類似の方法により作製することができる。別法では、式1−3の化合物を、式1−4の化合物(式中、Zは、上記のとおりに定義される)に変換することができる。例えば、式1−3の化合物(式中、Zは、BrまたはIなどのハロゲンである)は、本明細書に記載の方法または当業者によく知られている他の方法により、式1−4の化合物[式中、Zは、B(OH);B(OR)(ここで、各Rは、独立に、HまたはC1〜6アルキルであるか、または2個の(OR)基は、それらが結合しているB原子と一緒に、1個または複数のC1〜6アルキルで置換されていてもよい5〜10員ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールを形成している)である]に変換することができる。この例では、この反応を、例えば、式1−3の化合物(式中、Zは、Brなどのハロゲンである)を1,4−ジオキサンなどの適切な溶媒中で4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン、適切な塩基(酢酸カリウムなど)、およびパラジウム触媒{[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)など}と反応させることにより達成することができる。別の例では、式1−3の化合物(式中、Zは、Brなどのハロゲンである)は、本明細書に記載の代替方法または当業者によく知られている他の方法により、式1−4の化合物(式中、Zは、トリアルキルスズ部分である)に変換することができる。この例では、この反応を、例えば、式1−3の化合物(式中、Zは、Brなどのハロゲンである)を1,4−ジオキサンなどの適切な溶媒中でパラジウム触媒[テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)など]の存在下でヘキサアルキルジスタンナン(ヘキサメチルジスタンナンなど)と反応させることにより達成することができる。次いで、式1−4の化合物を、金属触媒(例えば、パラジウム触媒を使用)カップリング反応により式Q−Zの化合物[式中、Zは、上記のとおりに定義される]と反応させると、式Iの化合物を得ることができる。式Q−Zの化合物は、市販されているか、または本明細書に記載の方法、または化学分野において記載されている方法と類似の方法により作製することができる。使用される反応の種類は、ZおよびZの選択に依存している。例えば、Zがハロゲンまたはトリフラートであり、Q−Z試薬がボロン酸またはボロン酸エステルである場合は、鈴木反応を使用することができる[A.Suzuki、J.Organomet.Chem.1999、576、147〜168;N.MiyauraおよびA.Suzuki、Chem.Rev.1995、95、2457〜2483;A.F.Littkeら、J.Am.Chem.Soc.2000、122、4020〜4028]。一部の具体的な実施形態では、式1−3の芳香族ヨウ化物、臭化物、またはトリフラートを、テトラヒドロフラン(THF)などの適切な有機溶媒中で1〜3当量の式Q−Zのアリールまたはヘテロアリールボロン酸またはボロン酸エステルおよびリン酸カリウムなどの適切な塩基と混合する。S−Phosプレ触媒{クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチルフェニル)]パラジウム(II)−tert−ブチルメチルエーテル付加物としても知られている}などのパラジウム触媒を加え、反応混合物を加熱する。別法では、Zがハロゲンまたはトリフラートであり、Zがトリアルキルスズである場合は、Stilleカップリングを使用することができる[V.Farinaら、Organic Reactions 1997、50、1〜652]。より具体的には、式1−3の化合物(式中、Zは、Br、I、またはトリフラートである)を、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)などのパラジウム触媒の存在下で、トルエンなどの適切な有機溶媒中で、式Q−Zの化合物(式中、Q−Z化合物は、Q−スタンナン化合物である)と混合することができ、反応物を加熱することができる。ZがBr、I、またはトリフラートであり、ZがBrまたはIである場合は、根岸カップリングを使用することができる[E.Erdik、Tetrahedron 1992、48、9577〜9648]。より具体的には、式1−3の化合物(式中、Zは、Br、I、またはトリフラートである)を、THFなどの適切な溶媒中で、−80℃〜−65℃の範囲の温度において、1〜1.1当量のアルキルリチウム試薬、続いて、1.2〜1.4当量の塩化亜鉛の溶液で処理することにより金属交換することができる。10℃〜30℃の間の温度に加温した後に、反応混合物を、式Q−Zの化合物(式中、Zは、BrまたはIである)で処理し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などの触媒を添加しながら、50℃〜70℃において加熱することができる。反応を、式Iの化合物を得るために、1〜24時間の範囲の時間にわたって実施することができる。
【0378】
【化41】
スキーム2も、式Iの化合物の調製に関する。スキーム2を参照すると、式Iの化合物は、スキーム1において記載した化学的転換と類似の化学的転換を利用して調製することができるが、ステップの順番が異なる。式2−1の化合物[式中Pgは、LがNHである場合にはBocもしくはCbz、またはLがOである場合にはメチル、ベンジル、テトラヒドロピラニル(THP)、もしくはtert−ブチルジメチルシリル(TBS)などの適切な保護基である]は、市販されているか、または本明細書に記載の方法または当業者によく知られている他の方法により、作製することができる。式2−1の化合物は、スキーム1に記載されている方法と類似の方法を使用して、直接、または式2−3の化合物に変換した後に、式2−2の化合物に変換することができる。次いで、式2−2の化合物を、Pg基の選択に応じて適切な条件を使用して脱保護して、式2−4の化合物を得ることができ、次いでこれを、スキーム1における式1−1の化合物とカップリングさせると、式Iの化合物を得ることができる。使用されるカップリング条件は、スキーム1において式1−3の化合物を調製するために記載した方法と類似し得る。
【0379】
【化42】
スキーム3は、Aが式A1aの部分またはPgである式3−4の化合物の調製に関する。スキーム3を参照すると、式3−1の化合物は、市販されているか、または本明細書に記載の方法または当業者によく知られている他の方法により作製することができる。式3−1の化合物の遊離N−Hを、テトラヒドロピラン(THP)、トリチル、ベンジル、またはp−メトキシベンジル(PMB)などの適切な保護基Pgにより保護すると、式3−2の化合物を得ることができる。次いで、式3−3の化合物は、スキーム1において式1−3の化合物を調製するために記載した同様の条件に従って、式3−2の化合物を式2−4の中間体とカップリングすることにより調製することができる。次いで、Pgを、Pgの選択に応じて、当技術分野でよく知られている適切な脱保護条件下で除去すると、式3−4の化合物を得ることができる。例えば、THPおよびトリチル基の脱保護は、塩化水素の溶液(例えば、1,4−ジオキサン中4M)を使用して達成することができ;PMB基の脱保護は、トリフルオロ酢酸を使用して達成することができ、ベンジル基の脱保護は、エタノールおよび酢酸などの適切な溶媒中で、水酸化Pd(II)または炭素上のパラジウムにより触媒される水素化により達成することができる。
【0380】
【化43】
スキーム4は、Aが式A1aまたはPgの部分である式4−6の化合物の調製に関する。スキーム4を参照すると、式4−1の化合物は、市販されているか、または本明細書に記載の方法または当業者によく知られている他の方法により作製することができる。式4−3の化合物は、酢酸パラジウム(II)などの適切なパラジウム触媒、トリブチル(メトキシ)スタンナン、および適切なホスフィンリガンド(トリ−o−トリルホスフィンなど)の存在下で、式4−1の化合物を式4−2のアシル化エノールエーテルと反応させることにより調製することができる。その結果生じた式4−3のケトンは、二酸化セレンなどの適切な酸化剤で処理すると、式4−4のα−ジケトンに変換することができる。式4−4のジケトンを、水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下で、グリシンアミドまたはその塩(酢酸塩など)と反応させると、式4−5のピラジノンを得ることができる。式4−6の化合物を得るためのピラジノン窒素のアルキル化は、式4−5の化合物を、塩基[リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LHMDS)など]およびR11−Zの式の化合物[式中、Zは、Cl、Br、I、メタンスルホナート(メシラート)などの許容できる脱離基であり、式中、R11は、例えば、C1〜3アルキル(例えば、メチル)である]で処理することにより達成することができる。適切な反応溶媒は、典型的には、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、1,4−ジオキサン、またはTHFなどの極性非プロトン性溶媒から選択することができる。
【0381】
【化44】
別法では、式4−6の化合物は、LがO、NH、N(C1〜4アルキル)、およびN(C3〜6シクロアルキル)であるスキーム5の場合と同様にして調製することができる。スキーム5を参照すると、式5−1および5−2の化合物は、市販されているか、または本明細書に記載の方法または当業者によく知られている他の方法により作製することができる。式5−3の化合物は、式5−1の化合物を式5−2の化合物とカップリングさせることにより調製することができる。上記のカップリングは、適切な塩基(炭酸カリウムなど)、適切な触媒[テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)など]、および適切な溶媒(エタノールなど)の存在下で式5−1の化合物を式5−2の化合物と反応させることにより達成することができる。式5−3の化合物を、溶媒(ジクロロメタンなど)中でマレイン酸無水物および過酸化水素と反応させると、式5−4の化合物を得ることができ、これは、N−オキシド位置異性体の混合物を含有し得る。式5−5の化合物は、式5−4の化合物から、無水酢酸と加熱することにより調製することができ;当初生成物は、適切な極性溶媒(水またはメタノールなど)中で塩基(NaOHなど)を使用してけん化することができる。式4−6の化合物は、式5−5の化合物から、適切な塩基(LDA、LHMDSなど)、臭化リチウム、および式R11−Zの化合物(式中、Zは、Cl、Br、I、メシラートなどの許容される脱離基である)と反応させることにより調製することができる。適切な反応溶媒は、典型的には、極性非プロトン性溶媒(DMF、1,4−ジオキサン、またはTHFなど)から選択することができる。
【0382】
【化45】
スキーム6は、LがO、NH、カルボニル、N(C1〜4アルキル)、またはN(C3〜6シクロアルキル)であり、Aが式A1aの部分またはPg(ベンジル基など)である式6−4の化合物の調製に関する。スキーム6を参照すると、式5−1および6−1の化合物は、市販されているか、または本明細書に記載の方法または当業者によく知られている他の方法により作製することができる。式6−2の化合物は、式5−1の化合物を、式6−1のエノールトリフルオロメタンスルホナートとカップリングさせることにより調製することができる。上記のカップリングは、適切な塩基(炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムなど)、適切な触媒[酢酸パラジウム(II)など]、場合により、適切なリガンド(トリシクロヘキシルホスフィンなど)、および場合により、塩化テトラブチルアンモニウムなどの適切な相転移触媒の存在下で式5−1の化合物を式6−1のトリフルオロメタンスルホナートと反応させることにより達成することができる。適切な反応溶媒は、典型的には、1,4−ジオキサンまたはTHFなどの極性非プロトン性溶媒から選択することができる。式6−2の化合物を、酸素雰囲気下で1〜5当量の適切な塩基[1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)など]と反応させると、式6−3の化合物を得ることができる。適切な反応溶媒は典型的には、DMF、1,4−ジオキサン、またはTHFなどの極性非プロトン性溶媒から選択することができる。式6−4の化合物は、1−ブタノールなどの適切な溶媒中で式6−3の化合物をヒドラジンと反応させることにより得ることができる。
【0383】
【化46】
スキーム7は、式7−5の化合物の調製に関する。スキーム7を参照すると、式7−1の化合物は、スキーム6(式中、Pgは、適切な保護基(ベンジルなど)である)において記載したとおりに調製することができる。式7−1の化合物は、本明細書に記載の方法、または当業者によく知られている他の方法を使用して、式7−2の適切に保護された化合物(式中、Pgは、Pgに対してオルトゴナルな反応条件下で除去することができる適切な保護基(THPなど)である)に変換することができる。式7−3の化合物は、Pgの選択に応じて、適切な脱保護条件下でのPgの選択的除去によって調製することができる。例えば、Pgがベンジル基である場合、これは、メタノールおよび酢酸エチルなどの適切な溶媒中、水素化条件下で、パラジウム(炭素上10%)で処理することによって除去することができる。スキーム1において記載した上述の反応条件を使用して、式7−3の化合物を式1−1の試薬とカップリングさせると、式7−4の化合物を得ることができる。式7−5の化合物は、Pgの選択に応じて、適切な脱保護条件下でPgを除去することにより得ることができる。例えば、PgがTHPである場合、これは、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中の塩化水素などの酸性条件下で除去することができる。
【0384】
【化47】
スキーム8は、式8−6の化合物の調製に関する[式中Rは、例えば、C1〜3アルキル(例えば、メチル)であり、R11は、例えば、HまたはC1〜3アルキル(例えば、メチル)であり、Pgは、適切な保護基[例えば、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、またはベンジルオキシメチルアセタール(BOM)]。スキーム8を参照すると、式8−1および8−2の化合物は、市販されているか、または本明細書に記載の方法または当業者によく知られている他の方法により調製することができる。式8−3の化合物は、適切な塩基(炭酸カリウムなど)および適切な触媒{[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)など}の存在下で式8−1の化合物を式8−2の化合物とカップリングすることにより調製することができる。式8−4の化合物は、Pgの選択に応じて、適切な脱保護条件下でPgの選択的な除去により調製することができる。例えば、Pgがベンジル基である場合、これは、メタノールおよび酢酸エチルなどの適切な溶媒中、水素化条件下で、パラジウム(炭素上10%)で処理することにより除去することができる。スキーム1において記載した上述の反応条件を使用して、式8−4の化合物を式1−1の試薬とカップリングさせると、式8−5の化合物を得ることができる。別法では、式8−5の化合物を、スキーム1に記載のカップリング条件に従って、LがOである中間体1−4から調製することができる。次いで、式8−6の化合物は、当業者に知られている適切な脱保護条件下でPgを除去することによって、式8−5の化合物から得ることができる。
【0385】
【化48】
スキーム9は、式9−5および9−6の化合物の調製を指す。スキーム9を参照すると、式9−1の化合物は、市販されているか、または本明細書に記載の方法または当業者によく知られている他の方法により作製することができる。式9−1の化合物は、スキーム1に記載の方法と類似の方法を使用して、直接か、または式9−3の化合物に変換した後に、式9−2の化合物に変換することができる。次いで、式9−2の化合物のニトロ基を、パラジウム(炭素上10%)などの適切な触媒の存在下で、水素化により、アミンに変換すると、式9−4の化合物を得ることができる。次いで、式9−4の化合物を、スキーム1中の式1−1の化合物とカップリングさせると、式9−5の化合物を得ることができる。使用するカップリング条件は、スキーム1において式1−3の化合物を調製するために記載した条件と類似であってよい。式9−6の化合物は、Y−Z[式中、Yは、C1〜4アルキルまたはC3〜6シクロアルキルであり、Zは、Cl、Br、I、メシラートなどの許容される脱離基である]の試薬を使用して、式9−5の化合物をN−アルキル化することにより調製することができる。
【0386】
【化49】
スキーム10は、式10−4の化合物の調製に関する。スキーム10を参照すると、式10−1の化合物は、トリエチルアミンなどの適切な塩基の存在下で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物などの適切な試薬を使用して、LがOである式2−4(スキーム2)の化合物をトリフラート化することにより調製することができる。式10−1の化合物は、トルエンなどの適切な溶媒中、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などの適切な金属触媒、および(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィンなどの適切なリガンドの存在下で、チオ酢酸カリウムとカップリングさせることによって、式10−2の化合物に変換することができる。次いで、式10−2の化合物を加水分解すると、式10−3の化合物を得ることができ、次いでこれを、スキーム1中の式1−1の化合物とカップリングさせると、式10−4の化合物を得ることができる。使用するカップリング条件は、スキーム1において式1−3の化合物の調製について記載した条件と類似し得る。
【0387】
【化50】
スキーム11は、式11−3の中間体の調製に関する。スキーム11を参照すると、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)などの適切な塩基を使用して式11−1の化合物をリチオ化し、続いて、置換されていてもよい式11−2のオキセタンに付加し、ヘテロアリールフッ素を現場分子内SAr置換して、式11−3の化合物を得る。3つのステップすべてを、ワンポットで、テトラヒドロフラン(THF)などの適切な溶媒を使用することにより、各ステップに適した温度において実施することができる。式11−3の化合物は、上記のスキームにおいて式1−1の中間体として使用することができる。
【0388】
【化51】
スキーム12は、式12−5の化合物の調製に関する。スキーム12を参照すると、適切な保護基Pg(ベンジルなど)を有する式12−1の化合物を、スキーム1において式1−3の化合物を調製するために記載した類似の反応条件に従って式2−4の化合物とカップリングさせると、式12−2の化合物を得ることができる。式12−3の化合物は、Pgの選択に応じて、当技術分野でよく知られている適切な反応条件(例えば、ベンジル脱保護では、THF中1M三塩化ホウ素)下で、式12−2の化合物の脱保護により合成することができる。次いで、式12−3の化合物を、カリウムtert−ブトキシドなどの適切な塩基の存在下、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの適切な溶媒中でヨウ化トリメチルスルホニウムと反応させると、式12−5の化合物を得ることができる。別法では、式12−5の化合物は、式12−4の化合物から、IOWA培地(グルコース、20g/L;大豆粉、5g/L;酵母抽出物、5g/L;NaCl、5g/L;KHPO、5g/L;7.0にpH調節、オートクレーブを使用して滅菌)などの適切な培地中で、放線菌(Streptomyces cattleya)などの適切な微生物により媒介される生体内変化により調製することができる。
【0389】
本発明の化合物を作製するために有用な追加の出発物質および中間体は、Sigma−Aldrichなどの化学薬品供給業者から得ることができるか、または化学分野において記載されている方法に従って作製することができる。
【0390】
当業者であれば、本明細書に記載のスキームのすべてにおいて、置換基、例えば、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、L、X、X、X、X、およびQなどの官能(反応)基が、化合物構造の一部の上に存在するならば、適切かつ/または所望の場合には、当業者によく知られている方法を使用して、さらなる変更形態を作製することができることは分かり得る。例えば、−CN基を加水分解して、アミド基を得ることができ;カルボン酸をアミドに変換することができ;カルボン酸をエステルに変換することができ、次いで、これを、アルコールに還元することができ、次いで、これを、さらに修飾することができる。別の例では、OH基を、メタンスルホナートなどのより良好な脱離基に変換することができ、次いで、これは、シアニドイオン(CN)などによる求核性置換に適している。別の例では、−S−を、−S(=O)−および/または−S(=O)−に酸化させることができる。また別の例では、C=CまたはC≡Cなどの不飽和結合を、水素化により飽和結合に還元することができる。一部の実施形態では、第一級アミンまたは第二級アミン部分(R、R、R、R10などの置換基上に存在)を、これを酸塩化物、スルホニル塩化物、イソシアナート、またはチオイソシアナート化合物などの適切な試薬と反応させることにより、アミド、スルホンアミド、尿素、またはチオ尿素部分に変換することができる。当業者であれば、さらなるそのような修飾が分かるであろう。したがって、官能基を含有する置換基を有する式Iの化合物は、別の置換基を有する別の式Iの化合物に変換することができる。
【0391】
同様に、当業者であればまた、本明細書に記載のスキームのすべてにおいて、官能(反応)基が、R、R、R、R10などの置換基上に存在するならば、これらの官能基を、適切および/または所望の場合には、本明細書に記載の合成スキームの経過において、保護/脱保護することができることが分かり得る。例えば、OH基を、ベンジル、メチル、またはアセチル基により保護することができ、これらを、合成プロセスの後の段階において、OH基に再び脱保護および変換することができる。別の例では、NH基は、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)またはBoc基により保護することができ;合成プロセスの後の段階において脱保護により、NH基への再変換を行うことができる。
【0392】
本明細書で使用する場合、用語「反応させること」(または「反応」または「反応させる」)は、化学的転換が生じて、系に最初に導入された任意のものとは異なる化合物が生成するように、指定の化学的反応物を一緒にすることを指す。反応は、溶媒の存在下または不在下で実施することができる。
【0393】
式Iの化合物は、アトロプ異性体、ラセミ化合物、鏡像異性体、またはジアステレオ異性体などの立体異性体として存在し得る。個々の鏡像異性体を調製/単離するための従来の技法には、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成または例えば、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用してのラセミ体の分割が含まれる。別法では、ラセミ体(またはラセミ前駆体)を適切な光学的に活性な化合物、例えば、アルコールと、または化合物が酸性または塩基性部分を含有する場合には、酒石酸または1−フェニルエチルアミンなどの酸または塩基と反応させることもできる。その結果生じたジアステレオ異性体の混合物を、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶化により分離し、そのジアステレオ異性体の一方または両方を、当業者によく知られている手段により対応する純粋な鏡像異性体(複数可)に変換することができる。クロマトグラフィー、典型的にはHPLCを、不斉樹脂上で、炭化水素、典型的には、2−プロパノール0〜50%、典型的には2から20%およびアルキルアミン0から5%、典型的にはジエチルアミン0.1%を含有するヘプタンまたはヘキサンからなる移動相と共に使用して、式Iのキラル化合物(およびそのキラル前駆体)を鏡像異性体濃縮された形態で得ることもできる。溶離液を濃縮すると、濃縮混合物が得られる。当業者に知られている従来の技法により、立体異性体集合体を分離することができる。例えば、その開示全体が参照により本明細書に援用されるE.L.ElielおよびS.H.Wilenによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley、New York、1994年)を参照されたい。適切な立体選択的技術は、当業者によく知られている。
【0394】
式Iの化合物がアルケニルまたはアルケニレン(アルキリデン)基を含有する場合、幾何シス/トランス(またはZ/E)異性体が可能である。シス/トランス異性体は、当業者によく知られている従来の技法、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶化により分離することができる。本発明の塩は、当業者に知られている方法に従って調製することができる。
【0395】
もともと塩基性である式Iの化合物は、様々な無機酸および有機酸と共に広範囲の様々な塩を形成し得る。このような塩は、動物に投与するためには薬学的に許容できなければならないが、実際問題として、反応混合物から本発明の化合物を初めは薬学的に許容できない塩として単離し、次いで、これを、アルカリ試薬で処理することにより遊離塩基化合物へ単純に戻し変換し、引き続いて、この遊離塩基を薬学的に許容できる酸付加塩に変換することが多くの場合に望ましい。水性溶媒媒体中、またはメタノールもしくはエタノールなどの適切な有機溶媒中で、塩基化合物を実質的に当量の選択された無機酸または有機酸で処理することにより、本発明の塩基化合物の酸付加塩を調製することができる。溶媒を蒸発させると、所望の固体塩が得られる。また、適切な無機酸または有機酸を溶液に加えることにより、有機溶媒中の遊離塩基の溶液から、所望の酸塩を沈殿させることができる。
【0396】
本発明の化合物が塩基である場合は、当技術分野で利用可能な任意の適切な方法により、例えば、遊離塩基を塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸で、または酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、イソニコチン酸、乳酸、パントテン酸、重酒石酸(bitartric acid)、アスコルビン酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、グルコン酸、サッカリン酸、ギ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびパモ[すなわち、4,4’−メタンジイルビス(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸)]酸、グルクロン酸またはガラクツロン酸などのピラノシジル酸、クエン酸や酒石酸などのα−ヒドロキシ酸、アスパラギン酸やグルタミン酸などのアミノ酸、安息香酸またはケイ皮酸などの芳香族酸、エタンスルホン酸などのスルホン酸などの有機酸で処理することにより、所望の薬学的に許容できる塩を調製することができる。
【0397】
もともと酸性である式Iの化合物は、様々な薬理学的に許容できるカチオンと塩基塩を形成し得る。このような塩の例には、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、特に、ナトリウムおよびカリウム塩が含まれる。これらの塩はすべて、従来の技法により調製される。本発明の薬学的に許容できる塩基塩を調製するための試薬として使用される化学塩基は、式Iの酸性化合物と非毒性の塩基塩を形成するものである。任意の適切な方法により、例えば、遊離酸を、アミン(第一級、第二級、または第三級)、アルカリ金属水酸化物、またはアルカリ土類金属水酸化物などの無機または有機塩基で処理することにより、これらの塩を調製することができる。また、対応する酸化合物を、所望の薬理学的に許容できるカチオンを含有する水溶液で処理し、次いで、その結果生じた溶液を例えば、減圧下で蒸発乾固させることにより、これらの塩を調製することができる。別法では、酸性化合物の低級アルカノール溶液および所望のアルカリ金属アルコキシドを一緒に混合し、次いで、前記と同じ手法で、その結果生じた溶液を蒸発乾固させることにより、これらを調製することもできる。いずれの場合も、例えば、化学量論的量の試薬を使用して、反応の完了および所望の最終生成物の最大収率を確実にする。
【0398】
式Iの化合物(式IaまたはIbの化合物を含む)の薬学的に許容できる塩は、次の3つの方法の1つまたは複数により調製することができる:
(i)式Iの化合物を所望の酸または塩基と反応させることによる方法;
(ii)式Iの化合物の適切な前駆体から、酸もしくは塩基に不安定な保護基を除去することによる方法、または所望の酸もしくは塩基を使用して、適切な環式前駆体、例えば、ラクトンもしくはラクタムを開環することによる方法;または
(iii)式Iの化合物の1つの塩を、適当な酸もしくは塩基との反応によって、または適切なイオン交換カラムによって別の塩に変換することによる方法。
【0399】
3つの反応をすべて、典型的には溶液中で実施する。その結果生じた塩は、沈殿し得るか、濾過により収集し得るか、または溶媒の蒸発により回収し得る。その結果生じた塩のイオン化の程度は、完全なイオン化からほとんどイオン化していない程度まで様々であり得る。
【0400】
当業者によく知られている技法に従って、例えば、結晶化により、多形を調製することができる。
【0401】
任意のラセミ体が結晶化する場合、2種の異なる種類の結晶が可能である。第1の種類は、両方の鏡像異性体を等モル量で含有する1種の均質な形態の結晶が生じる、上記で言及したラセミ化合物(真のラセミ体)である。第2の種類は、それぞれが単一の鏡像異性体を含む2種の形態の結晶が等モル量で生じる、ラセミ混合物または集合体である。
【0402】
ラセミ混合物中に存在する結晶形の両方は、ほとんど同一の物理的特性を有する可能性があるが、それらは、真のラセミ体と比較して、異なる物理的特性を有することがある。ラセミ混合物は、当業者に知られている従来の技法により分離することができる。例えば、E.L.ElielおよびS.H.WilenによるStereochemistry of Organic Compounds(Wiley、New York、1994)を参照されたい。
【0403】
本発明はまた、1個または複数の原子が、同じ原子番号を有するが、天然に通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子により置き換えられている同位体標識された式Iの化合物を含む。同位体標識された式Iの化合物(または薬学的に許容できるその塩もしくはそのN−オキシド)は、一般に、そうでなければ使用される非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して、当業者に知られている従来の技法により、または本明細書に記載のプロセスと類似のプロセスにより調製することができる。
【0404】
例えば、式Iの化合物中に存在する適切な官能基を、例えば、H.Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985)に記載されているとおりの「プロ部分」として当業者に知られているある種の部分に置き代えることにより、本発明によるプロドラッグを生産することができる。
【0405】
提示された適応症の処置に最も適切な剤形および投与経路を選択するために、式Iの化合物を溶解度および溶液安定性(pH全域で)、透過性などのその生物製剤特性について評価すべきである。
【0406】
医薬的使用を意図されている本発明の化合物は、結晶質または非晶質生成物として投与することができる。これらは、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥、または蒸発乾燥などの方法によって、例えば、固体プラグ、粉末、またはフィルムとして得ることができる。マイクロ波または高周波乾燥を、この目的のために使用することができる。
【0407】
これらは、単独で、または1種もしくは複数の他の本発明の化合物と組み合わせて、または1種もしくは複数の他の薬物と組み合わせて(またはその任意の組合せとして)投与することができる。一般に、これらは、1種または複数の薬学的に許容できる添加剤と共に製剤として投与される。用語「添加剤」は本明細書では、本発明の化合物(複数可)以外の任意の成分を記載するために使用される。添加剤の選択は、特定の投与様式、溶解性および安定性に対する添加剤の作用、ならびに剤形の性質などの要因に大きく左右される。
【0408】
本発明の化合物(または薬学的に許容できるその塩)を送達するために適した医薬組成物およびその調製方法は、当業者には容易に分かるであろう。そのような組成物およびそれらの調製方法は、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、19th Edition(Mack Publishing Company、1995)において見出すことができる。
【0409】
本発明の化合物(薬学的に許容できるその塩およびそのN−オキシドを含む)は、経口投与することができる。経口投与は、化合物が胃腸管に入るような嚥下、および/または化合物が口から直接、血流に入る頬側、舌面、もしくは舌下投与を伴ってもよい。
【0410】
経口投与に適している製剤には、錠剤などの固体、半固体、および液体系;マルチもしくはナノ微粒子、液体、または粉末を含有する軟または硬カプセル剤;ロゼンジ剤(液体充填を含む);チューイング剤;ゲル剤;急速分散剤形;フィルム剤;卵形剤;噴霧剤;ならびに頬側/粘膜接着パッチ剤が含まれる。
【0411】
液体製剤には、懸濁剤、液剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が含まれる。そのような製剤は、軟カプセル剤または硬カプセル剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースから作製される)中の充填剤として使用することもでき、典型的には、担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適切なオイル、ならびに1種または複数の乳化剤および/または懸濁化剤を含む。液体製剤はまた、固体、例えばサシェからの再構成によって調製することもできる。
【0412】
本発明の化合物はまた、LiangおよびChenによるExpert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981〜986(2001)に記載されているものなどの急速溶解、急速分解剤形で使用することもできる。
【0413】
錠剤剤形では、用量に応じて、薬物は、剤形の1重量%〜80重量%、より典型的には剤形の5重量%〜60重量%を構成していてよい。薬物に加えて、錠剤は一般的に、崩壊剤を含有する。崩壊剤の例には、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、α化デンプン、およびアルギン酸ナトリウムが含まれる。一般的に、崩壊剤は、剤形の1重量%〜25重量%、例えば、5重量%〜20重量%を構成している。
【0414】
結合剤を一般的には使用して、錠剤製剤に粘着性を付与する。適切な結合剤には、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム、ポリビニルピロリドン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。錠剤はまた、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプン、および二塩基性リン酸カルシウム二水和物などの希釈剤を含有してよい。
【0415】
錠剤はまた場合により、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80などの界面活性剤ならびに二酸化ケイ素およびタルクなどの流動促進剤を含んでよい。存在する場合には、界面活性剤は、錠剤の0.2重量%〜5重量%を構成し、流動促進剤は、錠剤の0.2重量%〜1重量%を構成してよい。
【0416】
また錠剤は一般に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物などの滑沢剤を含有する。滑沢剤は一般に、錠剤の0.25重量%〜10重量%、例えば0.5重量%〜3重量%を構成する。
【0417】
他の可能な成分には、抗酸化剤、着色剤、香料、防腐剤、および矯味剤が含まれる。
【0418】
例示的な錠剤は、薬物約80%まで、結合剤約10重量%〜約90重量%、希釈剤約0重量%〜約85重量%、崩壊剤約2重量%〜約10重量%、および滑沢剤約0.25重量%〜約10重量%を含有する。
【0419】
錠剤ブレンドを、直接か、ローラーによって圧縮して、錠剤を形成することができる。別法では、錠剤ブレンドまたはブレンドの一部を湿式、乾式、もしくは溶融造粒するか、溶融凝固させるか、または押し出し、その後に錠剤化することができる。最終製剤は、1つまたは複数の層を含んでよく、被覆されていてよいか、または被覆されていなくてもよく、さらにカプセル封入されていてもよい。
【0420】
錠剤の製剤化は、H.LiebermanおよびL.Lachmanによる「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets」、Vol.1(Marcel Dekker、New York、1980)において論じられている。
【0421】
ヒトまたは獣医学的使用のための一般用経口フィルム剤(consumable oral film)は、典型的には柔軟な水溶性または水膨潤性薄膜剤形であり、これは迅速溶解性または粘膜付着性であり得、典型的には式Iの化合物、フィルム形成性ポリマー、結合剤、溶媒、保湿剤、可塑剤、安定剤、または乳化剤、粘度改質剤、および溶媒を含む。製剤の一部の構成成分は、1つより多い機能を果たし得る。
【0422】
式Iの化合物(または薬学的に許容できるその塩もしくはそのN−オキシド)は、水溶性または水不溶性であってよい。水溶性化合物は、典型的には、1重量%〜80重量%、より典型的には20重量%〜50重量%の溶質を含む。溶解性の低い化合物は、組成物のより小さい割合、典型的には30重量%までの溶質を含み得る。別法では、式Iの化合物は、多粒子ビーズの形態であり得る。
【0423】
フィルム形成性ポリマーは、天然多糖、タンパク質、または合成親水コロイドから選択され得、典型的には、0.01〜99重量%の範囲で、より典型的には30〜80重量%の範囲で存在する。
【0424】
他の可能な成分には、抗酸化剤、着色剤、香味剤、および香味増強剤、防腐剤、唾液分泌刺激剤、冷却剤、補助溶媒(油を含む)、皮膚軟化剤、膨化剤、消泡剤、界面活性剤、および矯味剤が含まれる。
【0425】
本発明によるフィルムは、典型的には、剥脱可能な裏張り支持体または紙上に被覆される水性薄フィルムの蒸発乾燥により調製される。これは、乾燥オーブンもしくはトンネル、典型的には複合コーティング乾燥機(a combined coater dryer)中で、または凍結乾燥もしくは真空処理により実行され得る。
【0426】
経口投与のための固体製剤は、即時および/または調節放出するよう製剤化され得る。放出調節製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的化放出、およびプログラム放出が含まれる。
【0427】
本発明の目的のための適切な放出調節製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散ならびに浸透性および被覆粒子などの他の適切な放出技法の詳細は、Vermaら、Pharmaceutical Technology On−line、25(2)、1〜14、(2001)において見出される。制御放出を達成するためのチューイングガムの使用は、WO00/35298に記載されている。
【0428】
本発明の化合物(または薬学的に許容できるその塩を含む)はまた、血流中、筋肉中、または内臓中に直接投与することができる。非経口投与のための適切な手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液包内、および皮下が含まれる。非経口投与のための適切なデバイスには、針(たとえば微小針)注射器、無針注射器、および注入技法が含まれる。
【0429】
非経口製剤は、典型的には、塩、炭水化物、および緩衝剤(例えば、pH3〜9)などの添加剤を含有し得る水溶液であるが、一部の用途では、それらは、滅菌非水性溶液として、または滅菌、発熱物質不含の水などの適切なビヒクルと併せて用いられるべき乾燥形態としてより適切に製剤化され得る。
【0430】
例えば、凍結乾燥による滅菌条件下での非経口製剤の調製は、当業者によく知られている標準的な製剤技法を使用して容易に達成することができる。
【0431】
非経口液剤を調製する際に使用される式Iの化合物(その薬学的に許容できる塩を含む)の溶解度を、溶解度増強剤の導入などの適切な製剤技法の使用により、上昇させることができる。
【0432】
非経口投与のための製剤を、即時および/または調節放出するように製剤化することができる。放出調節製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出、およびプログラム放出が含まれる。したがって、本発明の化合物は、懸濁剤として、または活性化合物の調節放出を提供する埋め込みデポー剤として投与するための固体、半固体、もしくは揺変性液体として製剤化され得る。このような製剤の例には、薬物被覆ステントならびに薬物充填ポリ(DL−乳酸−コグリコール酸)(PLGA)マイクロスフェアを含む半固体および懸濁液が含まれる。
【0433】
本発明の化合物(薬学的に許容できるその塩を含む)はまた、局所的、皮膚(皮膚内)的、または経皮的に、皮膚または粘膜に投与することができる。この目的のための典型的な製剤には、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、散布剤、仕上げ剤、発泡剤、フィルム剤、皮膚貼付剤、ウエハース剤、埋め込み注射剤、スポンジ剤、繊維剤、包帯剤、およびマイクロ乳剤が含まれる。リポソームも使用することができる。典型的な担体には、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールが含まれる。透過促進剤を組み込むことができる。例えば、FinninおよびMorgan、J Pharm Sci、88、955〜958(1999)を参照されたい。
【0434】
局所投与の他の手段には、電気穿孔法、イオン泳動法、音波泳動法、超音波導入法(sonophoresis)、および顕微針または無針(たとえばPowderject(商標)、Bioject(商標)など)注射による送達が含まれる。
【0435】
局所投与のための製剤を、即時および/または調節放出するように製剤化することができる。放出調節製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出、およびプログラム放出が含まれる。
【0436】
本発明の化合物(薬学的に許容できるその塩を含む)はまた、典型的には、乾燥粉末吸入器からの乾燥散剤(単独で;たとえばラクトースとの乾燥配合物中で混合物として;または例えば、ホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合された混合構成成分粒子として)の形態で、1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴射推進剤の使用を伴って、または伴わずに、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(例えば、微細霧を生み出すために電気流体力学を使用するアトマイザー)またはネブライザーからのエアロゾル噴霧剤として、または点鼻薬として、鼻腔内に、または吸入により投与することができる。鼻腔内使用では、散剤は、生体用粘着剤、例えば、キトサンまたはシクロデキストリンを含んでよい。
【0437】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーは、活性構成成分、溶媒としての噴射剤(複数可)、およびトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、またはオリゴ乳酸などの場合による界面活性剤の分散、可溶化、または放出延長のために、例えば、エタノール、エタノール水溶液、または適切な代替薬剤を含む本発明の化合物(複数可)の溶液または懸濁液を含有する。
【0438】
乾燥粉末または懸濁液製剤中で用いる前に、薬物製品を、吸入による送達に適したサイズ(典型的には5ミクロン未満)に微粉状にする。これは、スパイラルジェット粉砕、流動床ジェット粉砕、ナノ粒子を形成するための超臨界流体処理、高圧均質化、または噴霧乾燥などの任意の適切な微粉砕方法により達成することができる。
【0439】
吸入器または注入器中で使用するためのカプセル(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースから作製される)、ブリスター、およびカートリッジを、本発明の化合物、ラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤、ならびにL−ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウムなどの性能改質剤の粉末混合物を含有するよう製剤化することができる。ラクトースは、無水であるか、または一水和物の形態であってよい。他の適切な添加剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、およびトレハロースが含まれる。
【0440】
微細霧を生成するために電気流体力学を使用するアトマイザー中で使用するための適切な溶液製剤は、一動作当たり1μg〜20mgの本発明の化合物を含有し、動作体積は、1μLから100μLまで変わり得る。典型的な製剤は、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール、および塩化ナトリウムを含み得る。プロピレングリコールの代わりに使用することができる代替溶媒には、グリセロールおよびポリエチレングリコールが含まれる。
【0441】
メタノールおよびレボメタノールなどの適切な香味剤、またはサッカリンもしくはサッカリンナトリウムなどの甘味剤を、吸入/鼻腔内投与を意図した本発明の製剤に添加することができる。
【0442】
吸入/鼻腔内投与のための製剤を、例えば、PLGAを使用して、即時および/または調節放出するように製剤化することができる。放出調節製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出、およびプログラム放出が含まれる。
【0443】
乾燥粉末吸入器およびエアロゾルの場合、投薬量単位は、計測量を送達する弁により決定される。本発明による単位は、典型的には、0.01〜100mgの式Iの化合物を含有する計測用量または「パフ」を投与するように調整される。総1日用量は、典型的には、1μg〜200mgの範囲であり、これを単回用量で、またはより通常では、1日を通して分割用量として投与することができる。
【0444】
本発明の化合物を、直腸にまたは膣に、たとえば坐剤、膣坐剤、または浣腸剤の形態で投与することができる。カカオバターは伝統的な座剤基剤であるが、様々な代替物を適宜使用することができる。
【0445】
直腸/膣投与のための製剤を、即時および/または調節放出するように製剤化することができる。放出調節製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出、およびプログラム放出が含まれる。
【0446】
本発明の化合物(その薬学的に許容できる塩を含む)はまた、典型的には、等張性pH調整滅菌生理食塩水中の微粒化懸濁液または溶液の滴剤の形態で、眼または耳に直接投与することができる。眼および耳投与に適した他の製剤には、軟膏剤、ゲル剤、生分解性(例えば、吸収性ゲル、スポンジ、コラーゲン)および非生分解性(例えば、シリコーン)埋め込み注射剤、ウエハース剤、レンズ剤、およびニオソームまたはリポソームなどの微粒子または小胞状系が含まれる。ポリマー、例えば、架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースもしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、例えば、ゲランゴムを、塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤と一緒に組み込むことができる。このような製剤も、イオン泳動法により送達することができる。
【0447】
眼/耳投与のための製剤を、即時および/または調節放出するように製剤化することができる。放出調節製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出、およびプログラム放出が含まれる。
【0448】
本発明の化合物(その薬学的に許容できる塩を含む)は、上述の投与方式のいずれかにおいて使用するために、それらの溶解性、溶解速度、矯味性、生物学的利用能、および/または安定性を改良するために、シクロデキストリンおよびその適切な誘導体などの可溶性高分子物質、またはポリエチレングリコール含有ポリマーと組み合わせることができる。
【0449】
例えば、薬物−シクロデキストリン複合体は、ほとんどの剤形および投与経路のために一般に有用であることが見出されている。包接および非包接複合体の両方を使用することができる。薬物との直接の複合体生成に代わるものとして、シクロデキストリンを、補助添加剤として、すなわち、担体、希釈剤、または溶解補助剤として使用することができる。これらの目的のために最も一般的に使用されるのは、α−、β−、およびγ−シクロデキストリンであり、その例は、国際特許出願WO91/11172、WO94/02518、およびWO98/55148において見出すことができる。
【0450】
本発明は、本明細書に記載の疾患/状態を、別々に投与することができる活性成分の組合せで処置することに関する態様を有するので、本発明はまた、別個の医薬組成物をキットの形態に組み合わせることに関する。このキットは、2種の別個の医薬組成物、すなわち、式Iの化合物、そのプロドラッグ、またはそのような化合物もしくはプロドラッグの塩と、上記の第2の化合物とを含む。このキットは、容器、分割されたボトルまたは分割されたホイルパケットなどの、別個の組成物を収容するための手段を含む。典型的には、キットは、別個の構成成分の投与についての説明書を含む。キットの形態は、別個の構成成分を、例えば、異なる剤形で(例えば、経口および非経口で)投与する場合に、異なる投薬間隔で投与する場合に、または処方する医師が、組合せの個々の構成成分の用量設定を所望する場合に、特に有利である。
【0451】
このようなキットの例は、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックは、包装業界においてよく知られており、医薬品単位剤形(錠剤、カプセル剤など)の包装に広く使用されている。ブリスターパックは、一般に、透明なプラスチック材料のホイルで覆われた比較的堅い材料のシートからなる。包装プロセスの間に、プラスチックホイルに凹部を形成する。この凹部は、包装される錠剤またはカプセル剤の大きさおよび形状を有する。次に、錠剤またはカプセル剤を凹部の中に配置し、比較的堅い材料のシートを、凹みが形成された方向とは反対のホイル面において、プラスチックホイルに密封する。結果として、錠剤またはカプセル剤は、プラスチックホイルとシートとの間の凹部の中に密封される。一部の実施形態では、シートの強度は、凹部に手で圧力をかけ、それによって凹部の位置でシートに開口部が形成されることで、錠剤またはカプセル剤をブリスターパックから取り出すことができるような強度である。次いで、錠剤またはカプセル剤を、前記開口部から取り出すことができる。
【0452】
例えば、錠剤またはカプセル剤に隣り合い、そのように指定された錠剤またはカプセル剤を摂取すべきである計画の期日と一致する番号の形態で、キットにメモリーエイドを設けることが望ましいことがある。そのようなメモリーエイドの別の例は、例えば、「1週間目、月曜日、火曜日など・・・2週間目、月曜日、火曜日・・・」などのようにカードに印刷されたカレンダーである。メモリーエイドの他の変形形態は、容易に明白であろう。「1日用量」は、単一の錠剤もしくはカプセル剤であっても、または所与の日に服用されるいくつかの丸剤もしくはカプセル剤であってもよい。また、式Iの化合物の1日用量が、1個の錠剤またはカプセル剤からなってよい一方で、第2の化合物の1日用量が、いくつかの錠剤またはカプセル剤からなってもよく、その逆も同様である。メモリーエイドは、これを反映すべきである。
【0453】
本発明の別の詳細な実施形態では、その意図されている使用の順序で、1日用量を1回分ずつ分配するように設計されたディスペンサーを提供する。例えば、このディスペンサーは、計画の服薬遵守をさらに促進するように、メモリーエイドを備えている。そのようなメモリーエイドの一例は、分配された1日用量の数を表示する機械式計数機である。そのようなメモリーエイドの別の例は、液晶表示装置と連結された電池式のマイクロチップメモリ、または例えば、直近の1日用量が服用された日付を読み出す、かつ/または次の用量を服用する時期を人に気付かせる可聴式の注意信号である。
【0454】
本発明を、具体的な例により、より詳細に記載する。次の例は、例示を目的として提供するものであって、本発明をいかようにも限定することを意図したものではない。当業者であれば、変更または修正しても本質的に同じ結果を得ることのできる決定的ではない様々なパラメーターが容易に分かるであろう。本発明の範囲内の追加の化合物を、これらの実施例において例示されている方法を単独で、または当技術分野で一般に知られている技術と組み合わせて使用して、調製することができる。次の実施例および調製例において、「DMSO」はジメチルスルホキシドを意味し、濃度に関する場合の「N」は規定を意味し、「M」はモル濃度を意味し、「mL」はミリリットルを意味し、「mmol」はミリモルを意味し、「μmol」はマイクロモルを意味し、「eq.」は当量を意味し、「℃」は摂氏温度を意味し、「MHz」はメガヘルツを意味し、「HPLC」は高速液体クロマトグラフィーを意味する。
【実施例】
【0455】
下記で、様々な本発明の化合物の合成を例示する。これらの実施例において例示する方法を単独で、または当技術分野で一般に知られている技法と組み合わせて使用して、本発明の範囲内の追加の化合物を調製することができる。
【0456】
特に酸素または水分に敏感な試薬または中間体を使用した場合では、実験を、一般に、不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)中で実施した。市販の溶媒および試薬を、一般にさらに精製することなく使用した。適切な場合には、無水溶媒を使用した(一般に、Acros OrganicsのAcroSeal(登録商標)製品またはEMD ChemicalsのDriSolv(登録商標)製品)。他の場合には、水について次のQC標準:a)ジクロロメタン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、およびテトラヒドロフランでは<100ppm;b)メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、およびジイソプロピルアミンでは<180ppmが達成されるまで、市販の溶媒を、4Å分子ふるいを充填されたカラムに通した。非常に感受性のある反応では、溶媒を、金属のナトリウム、水素化カルシウム、または分子ふるいでさらに処理し、使用直前に蒸留した。生成物を、一般に、さらなる反応に進めるか、または生物学的試験に送る前に真空乾燥させた。質量分析データは、液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)、大気圧化学イオン化(APCI)、またはガスクロマトグラフィー−質量分析(GCMS)計装のいずれかから報告する。核磁気共鳴(NMR)データの化学シフトは、使用した重水素化溶媒からの残留ピークを基準とした百万分率(ppm、δ)で表す。一部の実施例では、キラル分離を実施して、ある種の本発明の化合物の鏡像異性体またはアトロプ異性体(またはアトロプ鏡像異性体)を分離した(一部の実施例では、分離したアトロプ異性体を、それらの溶離順序によってENT−1およびENT−2と称する)。一部の実施例では、鏡像異性体またはアトロプ異性体の旋光性は、旋光計を使用して測定した。その観察された回転データ(またはその特異的回転データ)により、時計回りの回転を伴う鏡像異性体またはアトロプ異性体(またはアトロプ鏡像異性体)を(+)−鏡像異性体または(+)−アトロプ異性体[または(+)アトロプ鏡像異性体]と指定し、および半時計回りの回転を伴う鏡像異性体またはアトロプ異性体(またはアトロプ鏡像異性体)を(−)−鏡像異性体または(−)−アトロプ異性体[または(−)アトロプ鏡像異性体]と指定した。
【0457】
検出可能な中間体を介して進行する反応を、一般に、LCMSによって追跡し、その後の試薬を添加する前に、完全な変換まで進行させた。他の実施例または方法における手順を参照する合成では、反応条件(反応時間および温度)が変わることがある。一般に、反応を、薄層クロマトグラフィーまたは質量分析によって追跡し、適切な場合は、後処理にかけた。精製は、実験によって様々でよく、一般に、溶離液/勾配に使用した溶媒および溶媒比率は、適切なRまたは保持時間が得られるように選択した。
【0458】
(実施例1)
4−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−5−イル)−3−メチルフェノキシ]−2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン(1)
【0459】
【化52】
ステップ1. 5−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−4,6−ジメチルピリミジン(C1)の合成
[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)−ジクロロメタン錯体(5g、6mmol)を、1,4−ジオキサン(300mL)および水(150mL)中の2−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(30g、120mmol)、5−ブロモ−4,6−ジメチルピリミジン(22.5g、120mmol)、およびリン酸カリウム(76.3g、359mmol)の脱気混合物に加えた。反応混合物を還流において4時間にわたって加熱し、その後、これを濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の酢酸エチル)により精製して、生成物(C1)を茶色の固体として得た。収量:25g、110mmol、92%。LCMS m/z 229.3 [M+H+]. 1H NMR (300 MHz, CDCl3)
δ 8.95 (s, 1H), 6.94 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.87-6.89 (m,
1H), 6.84 (dd, J=8.3, 2.5 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H), 2.21 (s, 6H), 1.99 (s, 3H).
【0460】
ステップ2. 4−(4,6−ジメチルピリミジン−5−イル)−3−メチルフェノール(C2)の合成
三臭化ホウ素(3.8mL、40mmol)を、ジクロロメタン(150mL)中のC1(3.0g、13mmol)の溶液に−70℃において滴下で加えた。反応混合物を室温において16時間にわたって撹拌し、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH8に調節した。水層をジクロロメタン(3×200mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中60%〜90%酢酸エチル)により、生成物(C2)を黄色の固体として得た。収量:1.2g、5.6mmol、43%。LCMS m/z 215.0 [M+H+]. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 8.98 (s, 1H), 6.89 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.86 (d, J=2.3
Hz, 1H), 6.80 (dd, J=8.3, 2.5 Hz, 1H), 2.24 (s, 6H), 1.96 (s, 3H).
【0461】
ステップ3. 4−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−5−イル)−3−メチルフェノキシ]フロ[3,2−c]ピリジン(C3)の合成
化合物C2(3.05g、14.3mmol)、4−クロロフロ[3,2−c]ピリジン(2.3g、15.0mmol)、および炭酸セシウム(13.9g、14.3mmol)ジメチルスルホキシド(15mL)中で合わせ、反応混合物を16時間にわたって120℃に加熱した。追加分の4−クロロフロ[3,2−c]ピリジン(220mg、1.4mmol)を加え、加熱を120℃においてさらに2時間にわたって継続した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルおよび水の間に分配した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[勾配:ジクロロメタン中0%〜20%(80:20:1のジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウム)]により、生成物(C3)を黄色の固体として得た。収量:3.1g、9.4mmol、66%。LCMS m/z 332.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 8.94 (s, 1H), 8.03 (d, J=5.9 Hz, 1H), 7.63 (d, J=2.2
Hz, 1H), 7.23-7.18 (m, 2H), 7.15 (dd, J=8.8, 2.0 Hz, 1H), 7.04 (d, J=8.4 Hz,
1H), 6.85 (dd, J=2.2, 1.0 Hz, 1H), 2.23 (s, 6H), 2.00 (s, 3H).
【0462】
ステップ4. 4−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−5−イル)−3−メチルフェノキシ]−2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン(1)の合成
化合物C3(100mg、0.302mmol)をエタノール(11mL)に溶解させた。反応混合物を、H−cube反応器および10%Pd/C ThalesNanoカートリッジ(製品ID THS01111 batch n 03127)を使用して50℃において、充満水素および流速1mL/分で水素化した。溶媒を真空中で除去して、混合物(82mg)を得た。LCMS分析により、反応が完了したと判断し、この固体をメタノール(10mL)に再び溶解させ、H−cube反応器、炭素上の10%パラジウムThalesNanoカートリッジを使用して50℃において、充満水素ガスおよび流速0.5mL/分で水素化した。溶媒を真空中で除去し;逆相HPLC精製(カラム:Phenomenex Luna(2) C18、5μm;勾配:水中5%〜100%メタノール)により、生成物(1)を黄色の固体として得た。収量:3mg、0.01mmol、3%。LCMS m/z 334.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 8.98 (s, 1H), 7.98 (d, J=5.7 Hz, 1H), 7.14 (d, J=2.3
Hz, 1H), 7.06-7.11 (m, 1H), 7.01-7.05 (m, 1H), 6.60 (d, J=5.7 Hz, 1H), 4.75 (t,
J=8.9 Hz, 2H), 3.26 (t, J=8.8 Hz, 2H), 2.25 (s, 6H), 2.01 (s, 3H).
【0463】
(実施例2)
4−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−5−イル)−3−メチルフェノキシ]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン(2)
【0464】
【化53】
ステップ1. 4−クロロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン(C4)の合成
テトラヒドロフラン(10mL)中の4−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン(300mg、1.57mmol)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(528mg、6.28mmol)、およびp−トルエンスルホン酸(27mg、0.16mmol)の混合物を撹拌し、4時間にわたって80℃に加熱した。水を加え、混合物を酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:5:1の石油エーテル/酢酸エチル)により、生成物(C4)を黄色の油状物として得た。収量:120mg、0.50mmol、32%。
【0465】
ステップ2. 4−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−5−イル)−3−メチルフェノキシ]−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン(C5)の合成
1,4−ジオキサン(1.5mL)中のC4(50mg、0.21mmol)、C2(45mg、0.21mmol)、酢酸パラジウム(II)(7mg、0.03mmol)、1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン)(BINAP、39mg、0.06mmol)、および炭酸セシウム(204mg、0.63mmol)の混合物を120℃において1時間にわたってマイクロ波反応器中で照射した。反応混合物を濾過し、真空中で濃縮した。分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:1:2の石油エーテル/酢酸エチル)により、多少の追加の物質を含有する生成物(C5)(100mg)を黄色の油状物として得た。これを、さらに精製せずに、次のステップに入れた。
【0466】
ステップ3. 4−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−5−イル)−3−メチルフェノキシ]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン(2)の合成
C5(先行するステップから、100mg、≦0.21mmol)および塩化水素の溶液(1,4−ジオキサン中の4M、5mL)の混合物を、室温において4時間にわたって撹拌し、次いで、濃縮した。分取HPLC(カラム:Bonna−Agela Durashell、5μm;移動相A:水中0.225%ギ酸;移動相B:アセトニトリル中0.225%ギ酸;勾配:1%〜31%B)により、生成物を黄色の固体として得た。収量:13mg、39μmol、2ステップで19%。LCMS m/z 333.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 9.23 (s, 1H), 7.82 (d, J=7.0 Hz, 1H), 7.24-7.36 (m,
3H), 6.59 (d, J=7.0 Hz, 1H), 3.84 (t, J=9.0 Hz, 2H), 2.76 (t, J=9.3 Hz, 2H),
2.40 (s, 6H), 2.11 (s, 3H).
【0467】
(実施例3)
5−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(3)
【0468】
【化54】
ステップ1. 3,5−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4(2H)−オン(C6)の合成
エタノール(50mL)中のフロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(5.0g、37mmol)および炭素上のパラジウム(炭素上の10%乾燥物、0.5g)の混合物を70℃において水素(1気圧)下で、24時間にわたって撹拌した。反応混合物を濾過し、真空中で濃縮し;シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜10%メタノール)により、生成物を黄色の固体として得た。収量:3.0g、22mmol、60%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 12.82 (br s, 1H), 7.29 (d, J=7.0 Hz, 1H), 6.06 (d, J=7.0 Hz, 1H),
4.69 (t, J=9.3 Hz, 2H), 3.14 (t, J=9.0 Hz, 2H).
【0469】
ステップ2. 4−クロロ−2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン(C7)の合成
C6(2.74g、20.0mmol)およびオキシ塩化リン(25mL)の混合物を還流において1時間にわたって加熱した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチル(50mL)で希釈し、次いで、0℃において水(200mL)にゆっくり注ぎ入れた。混合物を炭酸カリウム水溶液でpH7〜8に調節し、酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層を真空中で濃縮し;シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中10%〜50%酢酸エチル)により、生成物を無色の油状物として得た。収量:600mg、3.6mmol、18%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.10 (d, J=5.5 Hz, 1H), 6.69 (d, J=5.5 Hz, 1H), 4.71 (t, J=9.0 Hz,
2H), 3.27 (t, J=9.0 Hz, 2H).
【0470】
ステップ3. 4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフラン−2(5H)−オン(C8)の合成
D.Kalaitzakisら、Tetrahedron:Asymmetry 2007、18、2418〜2426の方法に従って、エチル3−オキソペンタノアートをメチル化して、エチル2−メチル−3−オキソペンタノアートを得;その後、クロロホルム中の1当量の臭素で処理して、エチル4−ブロモ−2−メチル−3−オキソペンタノアートを得た。この粗製の物質(139g、586mmol)を、水(700mL)中の水酸化カリウム(98.7g、1.76mol)の0℃溶液にゆっくりと加えた。内部反応温度が、添加の間に30℃に上昇した。次いで、反応混合物を、氷浴中で4時間にわたる激しい撹拌に掛け、この時点で、濃塩酸をゆっくり加えることにより、酸性化した。酢酸エチルで抽出した後に、水性層を固体塩化ナトリウムで飽和させ、酢酸エチルでさらに3回抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、油状物および固体の混合物(81.3g)を得た。この物質を、クロロホルム(200mL)に懸濁させ;固体を濾過により除去し、クロロホルム(2×50mL)で洗浄した。合わせた濾液を真空中で濃縮し、ヘプタンおよびジエチルエーテルの3:1混合物(300mL)で処理した。混合物を、油状物の一部が固化し始めるまで、激しく撹拌し、その後、減圧下で濃縮して、油状の固体(60.2g)を得た。ヘプタンおよびジエチルエーテルの3:1混合物(300mL)を加え、10分間にわたって激しく撹拌した後に、濾過して、生成物をオフホワイト色の固体として得た。収量:28.0g、219mmol、37%。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 4.84 (br q, J=6.8Hz, 1H), 1.74 (br s, 3H), 1.50 (d, J=6.8Hz, 3H).
【0471】
ステップ4. 2,4−ジメチル−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン−3−イル トリフルオロメタンスルホナート(C9)の合成
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(23.7mL、140mmol)を、ジクロロメタン(500mL)中のC8(15.0g、117mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(99%、24.8mL、140mmol)の溶液に−20℃において、内部反応温度を−10℃未満に維持するために十分な速度で少しずつ加えた。反応混合物を、5時間かけて、−20℃から0℃へと徐々に加温した。次いで、これを、シリカプラグゲルに通し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をジエチルエーテルに懸濁させ、濾過し;濾液を減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%〜17%酢酸エチル)を使用して精製して、生成物を淡黄色油状物として得た。収量:21.06g、80.94mmol、69%。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 5.09-5.16 (m, 1H), 1.94-1.96 (m, 3H), 1.56 (d, J=6.6Hz, 3H).
【0472】
ステップ5. 4−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−3,5−ジメチルフラン−2(5H)−オン(C10)の合成
化合物C9(40.0g、154mmol)を、1,4−ジオキサン(1L)中の2−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(47.7、154mmol)および炭酸カリウム(63.8g、462mmol)と合わせ、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(11.3g、15.0mmol)で処理した。反応混合物を120℃において5時間にわたって加熱した後に、これを濾過した。濾液を真空中で濃縮し;シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:10:1の石油エーテル/酢酸エチル、続いて、10:1のジクロロメタン/メタノール)により精製して、生成物を茶色の固体として得た。収量:29.5g、100mmol、65%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.47-7.37 (m, 7H), 7.10-7.06 (m, 2H), 5.42-5.36 (m, 1H), 5.13 (s,
2H), 2.06 (d, J=1.5 Hz), 1.39 (d, J=6.9 Hz, 3H), 1.25 (s, 3H).
【0473】
ステップ6. 4−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−5−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフラン−2(5H)−オン(C11)の合成
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(76g、500mmol)を、アセトニトリル(400mL)中のC10(29.5g、100mmol)の溶液に加えた。溶液を−70℃に冷却し、酸素を、反応混合物に吹き込み;20分後に、酸素導入を停止し、反応混合物を50℃に加温した。12時間後に、これを真空中で、その当初の体積の半分に濃縮した。次いで、これを、水(500mL)に注ぎ入れ;その結果生じた沈澱物を濾過により収集して、生成物を淡黄色の固体として得た。収量:28g、90mmol、90%.1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.46-7.27 (m, 7H), 7.06-7.03 (m, 2H), 5.11 (s, 2H), 2.02 (s, 3H),
1.84 (s, 3H).
【0474】
ステップ7. 5−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(C12)の合成
ヒドラジン(水中85%、16g、270mmol)を、n−ブタノール(500mL)中のC11(28g、90mmol)の溶液に加えた。12時間にわたって100℃において加熱した後に、反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を酢酸エチルで洗浄して、生成物をオフホワイト色の固体として得た。収量:15g、49mmol、54%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.14 (br s, 1H), 7.47-7.35 (m, 5H), 7.10-7.05 (m, 4H), 5.12 (s,
2H), 2.04 (s, 3H), 1.98 (s, 3H).
【0475】
ステップ8. 5−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−4,6−ジメチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ピリダジン−3(2H)−オン(C13)の合成
p−トルエンスルホン酸(0.86g、5mmol)を、テトラヒドロフラン(1.2L)中のC12(15g、49mmol)および3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(168g、200mmol)の溶液に加えた。反応混合物を還流において24時間にわたって加熱した後に、これを酢酸エチルで希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中10%〜50%酢酸エチル)により精製して、生成物を黄色の固体として得た。収量:9.5g、24mmol、49%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.48-7.37 (m, 5H), 7.08-7.01 (m, 4H), 6.14 (dd, J=11.4, 2.0 Hz,
1H), 5.11 (s, 2H), 4.19-4.16 (m, 1H), 3.82-3.76 (m, 1H), 2.06 (s, 3H), 1.96 (s,
3H), 1.75-1.54 (m, 6H).
【0476】
ステップ9. 5−(4−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジメチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ピリダジン−3(2H)−オン(C14)の合成
炭素上のパラジウム(1.0g)を、メタノール(200mL)中のC13(9.5g、24mmol)の溶液に加えた。反応混合物を30℃において水素(40psi)下で12時間にわたって加熱した後に、これを濾過し、濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中20%〜50%酢酸エチル)により、生成物を白色の固体として得た。収量:5.1g、17mmol、71%。LCMS m/z 301.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)
δ 7.05-7.00 (m, 2H), 6.94-6.90 (m, 2H), 6.03 (dd,
J=11.0, 2.5 Hz, 1H), 4.10-4.05 (m, 1H), 3.75 (td, J=11.0, 2.5 Hz, 1H), 2.06 (s,
3H), 1.93 (s, 3H), 1.82-1.55 (m, 6H).
【0477】
ステップ10. 5−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−4,6−ジメチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ピリダジン−3(2H)−オン(C15)の合成
化合物C14(742mg、2.47mmol)、C7(351mg、2.26mmol)、炭酸セシウム(2.2g、6.7mmol)、酢酸パラジウム(II)(50.5mg、0.23mmol)、および4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(キサントホス、260mg、0.45mmol)を1,4−ジオキサン(9mL)中で合わせ、混合物を脱気し、120℃において8時間にわたって撹拌し、室温に冷却した。反応混合物を珪藻土のパッドを通して濾過し、次いで、パッドを、酢酸エチルで十分にすすいだ。合わせた濾液を真空中で濃縮し;シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中20%〜50%酢酸エチル)により、生成物(C15)を白色の固体として得た。収量:572mg、2.26mmol、60%。LCMS m/z 420.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 7.97 (d, J=5.5 Hz, 1H), 7.25 (m, 2H), 7.11 (m, 2H),
6.61 (d, J=5.7 Hz, 1H), 6.15 (dd, J=10.8, 2.2 Hz, 1H), 4.75 (t, J=8.9 Hz, 2H),
4.18 (m, 1H), 3.80 (td, J=11.7, 2.5 Hz, 1H), 3.25 (t, J=8.9 Hz, 2H), 2.36 (m,
1H), 2.10 (s, 3H), 1.99 (s, 3H), 1.75 (m, 3H), 1.59 (m, 2H).
【0478】
ステップ11. 5−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(3)の合成
1,4−ジオキサン(16mL)およびジクロロメタン(16mL)中のC15(572mg、1.36mmol)の溶液を、塩化水素の溶液(1,4−ジオキサン中の4M、16mL)で処理した。反応混合物を室温において16時間にわたって撹拌し、その時間中に、沈澱物が形成した。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルの間に分配した。残渣の一部は溶けず;これをジクロロメタンで洗浄し、濾過した。濾液を真空中で濃縮して、生成物(3)を白色の固体として得た。酢酸エチル層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で固体に濃縮し、これを酢酸エチルおよびジエチルエーテルで摩砕して、追加の生成物を白色の固体として得た。合計収量:402mg、1.2mmol、88%。LCMS m/z 336.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 10.56 (br s, 1H), 7.99 (d, J=5.7 Hz, 1H), 7.22 (br AB四重線, JAB=8.8 Hz, ΔνAB=46.5 Hz, 4H), 6.63 (d, J=5.7 Hz, 1H), 4.76 (t, J=8.9 Hz, 2H), 3.26
(t, J=8.9 Hz, 2H), 2.07 (s, 3H), 2.01 (s, 3H).
【0479】
(実施例4)
5−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(4)
【0480】
【化55】
ステップ1. 4−クロロ−1−トリチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン(C16)の合成
4−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン(522mg、3.38mmol)を、ジクロロメタン(40mL)に部分的に溶解させ、0℃に冷却し、その後、トリエチルアミン(0.94mL、6.8mmol)および塩化トリフェニルメチル(1.15g、4.12mmol)を加えた。反応混合物を1分間にわたって撹拌した後に、これを室温に加温し、22時間にわたって撹拌し、その後、追加分の塩化トリフェニルメチル(192mg、0.689mmol)を加え、反応混合物を3時間にわたって撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜10%酢酸エチル)により精製して、生成物を黄色の油状物として得た。LCMS m/z 397.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 7.53 (d, J=5.7 Hz, 1H), 7.25-7.27 (m, 15H), 5.44 (d,
J=5.7 Hz, 1H), 3.62 (t, J=8.8 Hz, 2H), 3.01 (t, J=8.8 Hz, 2H),
【0481】
ステップ2. 4,6−ジメチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−5−{4−[(1−トリチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリダジン−3(2H)−オン(C17)の合成
化合物C14(450mg、1.5mmol)、C16(592mg、1.49mmol)、酢酸パラジウム(II)(30mg、0.2mmol)、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−3,4,5,6−テトラメチル−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル(140mg、0.3mmol)、および炭酸セシウム(1.46g、4.47mmol)を1,4−ジオキサン(15mL)中で合わせ、反応混合物を脱気し、次いで、120℃において3時間にわたってマイクロ波反応器中で照射した。室温に冷却し、終夜そのままにした後に、反応混合物を同じ規模で実施した別の反応混合物と合わせ、珪藻土を通して濾過し、次いで、珪藻土を酢酸エチルですすいだ。合わせた濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の5%〜50%酢酸エチル)により、生成物を、多少の出発フェノールを含有するオフホワイト色の固体(1.6g)として得た。この物質を、さらに精製せずに、次のステップに入れた。LCMS m/z 661.4 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 7.47 (d, J=5.9 Hz, 1H), 7.39-7.42 (m, 5H), 7.19-7.34
(m, 8H), 7.16-7.19 (m, 2H), 7.01-7.09 (m, 2H), 6.14 (dd, J=10.8, 2.0 Hz, 1H),
5.46 (d, J=5.7 Hz, 1H), 4.16-4.19 (m, 1H), 3.70-3.86 (m, 1H), 3.64 (t, J=8.8
Hz, 2H), 2.99 (t, J=8.7 Hz, 2H), 2.27-2.40 (m, 1H), 2.07 (s, 3H), 1.97 (s, 3H),
1.72-1.78 (m, 3H), 1.25-1.30 (m, 2H).
【0482】
ステップ3. 5−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(4)の合成
化合物C17(先行するステップから、1.6g)を、1,4−ジオキサン(100mL)およびジクロロメタン(100mL)に溶解させた。この溶液に、1,4−ジオキサン中の塩酸の溶液(4M、60mL)を加え、反応混合物を室温において終夜撹拌した。次いで、これを真空中で濃縮し、その結果生じた固体を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルの間に分配した。水層を酢酸エチルで2回、およびジクロロメタンで2回抽出し;合わせた有機層を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の20%〜100%酢酸エチル、続いて、酢酸エチル中の2%メタノール)により精製して、生成物をオフホワイト色の固体(240mg)として得た。酢酸エチル中の15%メタノールで、続いて、4:10:86の水酸化アンモニウム/メタノール/酢酸エチルでさらに溶離して、さらなる生成物(それぞれ178および160mg)を得た。最終的に、負荷カラムに残留した追加の固体物質を水および酢酸エチル中5%メタノールの間に分配し;有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で順に洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、追加の生成物(98mg)を得た。4つの生成物フラクションは、同様の純度であり、オフホワイト色の固体の単一バッチに合わせた。収量:670mg、2.0mmol、2ステップで67%。LCMS m/z 335.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 7.64 (d, J=5.7 Hz, 1H), 7.23 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.14
(d, J=8.4 Hz, 2H), 6.56 (s, 1H), 6.29 (d, J=5.3 Hz, 1H), 3.59 (t, J=9.0 Hz,
2H), 2.92 (t, J=8.8 Hz, 2H), 1.94 (s, 3H), 1.80 (s, 3H).
【0483】
(実施例5、6、および7)
5−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(5)、(+)−5−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(6)、および(−)−5−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(7)
【0484】
【化56】
ステップ1. 2−[4−(ベンジルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(C18)の合成
1,4−ジオキサン(500mL)中のベンジル4−ブロモ−3−メチルフェニルエーテル(19.0g、68.6mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(7.5g、10mmol)、酢酸カリウム(26.9g、274mmol)、および4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン(20g、79mmol)の混合物を還流において2時間にわたって加熱した。次いで、反応混合物を、珪藻土を通して濾過し、濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜1%酢酸エチル)により、生成物を黄色のゲルとして得た。収量:15g、46mmol、67%。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.73 (d, J=8.0Hz, 1H), 7.30-7.46 (m, 5H), 6.76-6.82 (m, 2H), 5.08
(s, 2H), 2.53 (s, 3H), 1.34 (s, 12H).
【0485】
ステップ2. 4−[4−(ベンジルオキシ)−2−メチルフェニル]−3,5−ジメチルフラン−2(5H)−オン(C19)の合成
化合物C9(5.0g、19mmol)、C18(7.48g、23.1mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.22g、1.92mmol)、および炭酸ナトリウム(4.07g、38.4mmol)を、1,4−ジオキサン(100mL)および水(5mL)中で合わせ、還流において2時間にわたって加熱した。反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:10:1、次いで、5:1の石油エーテル/酢酸エチル)により、生成物を白色の固体として得た。収量:5.8g、19mmol、100%。NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.33-7.49
(m, 5H), 6.98 (d, J=8.5Hz, 1H), 6.94 (br d, J=2.5Hz, 1H), 6.88 (br dd, J=8.3,
2.5Hz, 1H), 5.20 (qq, J=6.7, 1.8Hz, 1H), 5.09 (s, 2H), 2.21 (s, 3H), 1.78 (d,
J=1.8Hz, 3H), 1.31 (d, J=6.8Hz, 3H).
【0486】
ステップ3. 4−[4−(ベンジルオキシ)−2−メチルフェニル]−5−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフラン−2(5H)−オン(C20)の合成
アセトニトリル(100mL)中のC19(5.4g、18mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(13.3g、87.4mmol)の溶液を、−60℃に冷却した。酸素を、反応混合物に20分間にわたって−60℃において吹き込み;次いで、溶液を50℃において18時間にわたって撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:5:1の石油エーテル/酢酸エチル)により精製して、生成物を無色の油状物として得た。収量:3.5g、11mmol、61%。1H NMR (400MHz, CDCl3), 特徴的ピーク: δ 7.33-7.49 (m, 5H), 6.92-6.96 (m, 1H),
6.88 (dd, J=8.5, 2.5Hz, 1H), 5.09 (s, 2H), 2.20 (s, 3H), 1.73 (s, 3H).
【0487】
ステップ4. 5−[4−(ベンジルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(C21)の合成
n−ブタノール(60mL)中のC20(3.5g、11mmol)およびヒドラジン水和物(水中85%、1.9g、32mmol)の混合物を還流において18時間にわたって加熱した。揮発性物質を減圧下で除去した後に、残渣を酢酸エチル(20mL)と共に30分間にわたって撹拌し、その後、濾過により、生成物を白色の固体として得た。収量:2.0g、6.2mmol、56%。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 10.93 (br s, 1H), 7.33-7.51 (m, 5H), 6.96 (s, 1H), 6.88-6.94 (m,
2H), 5.10 (s, 2H), 2.04 (s, 3H), 1.95 (s, 3H), 1.91 (s, 3H).
【0488】
ステップ5. 5−[4−(ベンジルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ピリダジン−3(2H)−オン(C22)の合成
テトラヒドロフラン(800mL)中のC21(17.8g、55.6mmol)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(233g、2.77mol)、およびp−トルエンスルホン酸一水和物(2.1g、11mmol)の混合物を還流において18時間にわたって加熱した。トリエチルアミン(10mL、72mmol)を加え、混合物を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜25%酢酸エチル)により、そのH NMRスペクトルからジアステレオ異性アトロプ異性体の混合物であると推定される生成物を固体として得た。収量:20g、49mmol、88%。1H NMR (400MHz, CDCl3), 特徴的ピーク: δ 7.32-7.50 (m, 5H), 6.82-6.96 (m, 3H),
6.15 (br d, J=10.3Hz, 1H), 5.08 (s, 2H), 4.14-4.23 (m, 1H), 3.76-3.85 (m, 1H),
2.28-2.41 (m, 1H), 2.01および2.04 (2 s, 計3H), 1.97および1.98 (2 s, 計3H), 1.89および1.89 (2 s, 計3H).
【0489】
ステップ6. 5−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4,6−ジメチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ピリダジン−3(2H)−オン(C23)の合成
パラジウム(炭素上10%、1.16g、1.09mmol)を、メタノール(30mL)および酢酸エチル(10mL)中のC22(1.47g、3.63mmol)の溶液に加え、混合物をParrシェーカー上で、18時間にわたって室温において水素化した(50psi)。反応混合物を、珪藻土を通して濾過し、フィルターパッドを酢酸エチルですすぎ;合わせた濾液を真空中で濃縮し、ヘプタンで摩砕して、生成物を、そのH NMRスペクトルからジアステレオ異性アトロプ異性体の混合物であると推定される白色の固体として得た。収量:1.01g、3.21mmol、88%。1H NMR (400MHz, CDCl3), 特徴的ピーク: δ 6.74-6.85 (m, 3H), 6.12-6.17 (m, 1H),
4.15-4.23 (m, 1H), 3.76-3.84 (m, 1H), 2.28-2.41 (m, 1H), 1.99および2.01 (2 s, 計3H), 1.97および1.98 (2 s, 計3H), 1.89および1.89 (2 s, 計3H).
【0490】
ステップ7. 5−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ピリダジン−3(2H)−オン(C24)の合成
化合物C23(157mg、0.5mmol)、C7(78mg、0.5mmol)、酢酸パラジウム(II)(11.6mg、0.05mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(58mg、0.10mmol)、および炭酸セシウム(489mg、1.5mmol)を1,4−ジオキサン(3mL)中で合わせた。反応混合物を脱気し、120℃において4時間にわたって照射し、次いで、室温に冷却した。室温において終夜そのままにした後に、反応混合物を、珪藻土のパッドを通して濾過し、次いで、パッドを酢酸エチルで洗浄した。合わせた濾液を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の20%〜80%酢酸エチル)により精製して、生成物を、そのH NMRスペクトルから、ジアステレオ異性アトロプ異性体の混合物であると推定される固体として得た。収量:173mg、0.4mmol、80%。LCMS m/z 434.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 7.98 (d, J=5.7 Hz, 1H), 7.04-7.12 (m, 2H), [6.98 (d,
J=8.2 Hz)および6.95 (d, J=8.2 Hz), 計1H], 6.62 (d, J=5.7 Hz, 1H), 6.15 (br d, J=10 Hz, 1H), 4.75 (t,
J=8.9 Hz, 2H), 4.15-4.24 (m, 1H), 3.77-3.85 (m, 1H), 3.22 (t, J=8.9 Hz, 2H),
2.28-2.42 (m, 1H), 2.04および2.07 (2 s, 計3H), 2.01および2.02 (2 s, 計3H), 1.92および1.92 (2 s, 計3H), 1.72-1.80 (br m, 3H), 1.55-1.6 (br m, 2H).
【0491】
ステップ8. 5−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(5)、(+)−5−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(6)、および(−)−5−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(7)の合成
ジクロロメタン(10mL)中のC24(173mg、0.40mmol)の溶液を、1,4−ジオキサン中の塩化水素の溶液(4M、3mL)で処理し、反応混合物を室温において終夜撹拌した。次いで、これを真空中で濃縮し、その結果生じた固体を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルの間に分配した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮して、薄黄色の固体を得、これを、ジエチルエーテルで摩砕して、生成物(5)を淡褐色の固体として得た。収量:109mg、0.31mmol、80%。5:LCMS m/z 350.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 8.02 (d, J=5.7 Hz, 1H), 7.14 (d, J=2.0 Hz, 1H),
7.08-7.12 (m, 1H), 7.01 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.64 (d, J=5.7 Hz, 1H), 4.77 (t,
J=8.9 Hz, 2H), 3.23 (t, J=8.8 Hz, 2H), 2.08 (s, 3H), 1.99 (s, 3H), 1.94 (s,
3H).
【0492】
5の一部(102mg)を、超臨界流体クロマトグラフィー(カラム:Chiral Technologies Chiralcel OJ−H、5μm;溶離液:3:1の二酸化炭素/メタノール)により、その構成成分であるアトロプ鏡像異性体に分離した。第1に溶離するアトロプ鏡像異性体を6として指定し、これは、プラスの(+)回転を示した。収量:43mg、0.12mmol、全体収率31%。7として割り当てられた第2に溶離する物質は、マイナスの(−)回転を示した。収量:44mg、0.13mmol、全体収率32%。
6:LCMS m/z 350.2 [M+H]+. 1H
NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.02 (d, J=5.7 Hz,
1H), 7.14 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.08-7.12 (m, 1H), 7.01 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.64
(d, J=5.7 Hz, 1H), 4.77 (t, J=8.9 Hz, 2H), 3.23 (t, J=8.8 Hz, 2H), 2.08 (s,
3H), 1.99 (s, 3H), 1.94 (s, 3H).
7:LCMS m/z 350.2 [M+H]+. 1H
NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.02 (d, J=5.7 Hz,
1H), 7.14 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.08-7.12 (m, 1H), 7.01 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.64
(d, J=5.7 Hz, 1H), 4.77 (t, J=8.9 Hz, 2H), 3.23 (t, J=8.8 Hz, 2H), 2.08 (s,
3H), 1.99 (s, 3H), 1.94 (s, 3H).
【0493】
(実施例8、9、および10)
5−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(8)、5−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン、ENT−1(9)、および5−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン、ENT−2(10)
【0494】
【化57】
ステップ1. 4,6−ジメチル−5−{2−メチル−4−[(1−トリチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ピリダジン−3(2H)−オン(C25)の合成
化合物C23(146mg、0.46mmol)、C16(184mg、0.46mmol)、酢酸パラジウム(II)(10.6mg、0.05mmol)、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−3,4,5,6−テトラメチル−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル(39.5mg、0.09mmol)、および炭酸セシウム(454mg、1.39mmol)を、1,4−ジオキサン(15mL)中で合わせた。反応混合物を脱気し、マイクロ波反応器中、120℃において3時間にわたって照射し、その後、これを室温に冷却した。終夜そのままにした後に、反応混合物を、珪藻土のパッドを通して濾過し、次いで、パッドを酢酸エチルですすぎ;合わせた濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%〜60%酢酸エチル)により、生成物を白色の固体として得た。収量:220mg、0.33mmol、70%。LCMS m/z 675.5 [M+H]+.
【0495】
ステップ2. 5−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(8)、5−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン、ENT−1(9)、および5−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン、ENT−2(10)の合成
1,4−ジオキサン(20mL)およびジクロロメタン(20mL)中のC25(220mg、0.33mmol)の溶液を、塩化水素の溶液(1,4−ジオキサン中4M、8.1mL)で処理し、反応混合物を室温において終夜撹拌した。次いで、これを真空中で濃縮し、その結果生じた固体を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルの間に分配した。水層を酢酸エチルで2回、ジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機抽出物を真空中で濃縮し;シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:酢酸エチル中0%〜10%メタノール)により、生成物を白色の固体として得た。収量:65mg、0.15mmol、46%。8: LCMS m/z 349.2 [M+H]+.
【0496】
8の一部(60mg)を、超臨界流体クロマトグラフィー(カラム:Chiral Technologies Chiracel OJ−H、5μm;勾配:1:4のメタノール/二酸化炭素)により、その構成成分であるアトロプ鏡像異性体に分離した。第1に溶離するピークを、9、ENT−1として指定した。収量:6.0mg、0.02mmol、全収率5%。第2に溶離する物質を10、ENT−2として割り当てた。収量:11.8mg、0.3mmol、全収率10%。
9:LCMS m/z 349.2 [M+H]+. 1H
NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.64 (d, J=6.5 Hz,
1H), 6.99 (s, 1H), 6.94 (d, J=1.4 Hz, 2H), 6.40 (d, J=6.7 Hz, 1H), 3.70 (t,
J=9.1 Hz, 2H), 2.68 (t, J=9.0 Hz, 2H), 1.98 (s, 3H), 1.86 (s, 3H), 1.77 (s,
3H).
10:LCMS m/z 349.2 [M+H]+. 1H
NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.64 (d, J=6.5 Hz,
1H), 6.99 (s, 1H), 6.94 (d, J=1.4 Hz, 2H), 6.40 (d, J=6.7 Hz, 1H), 3.70 (t,
J=9.1 Hz, 2H), 2.68 (t, J=9.0 Hz, 2H), 1.98 (s, 3H), 1.86 (s, 3H), 1.77 (s,
3H).
【0497】
(実施例11)
5−[4−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(11)
【0498】
【化58】
ステップ1. 4−クロロ−7−(4−メトキシベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C26)の合成
2−(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)アセトアルデヒド(3.6g、19mmol)および(4−メトキシ)ベンジルアミン(2.51mL、18.8mmol)を、1,2−ジクロロエタン(75mL)中で合わせ、酢酸(1.08mL、18.8mmol)で処理した。反応混合物を5分間にわたって撹拌し、その後、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(5.99g、28.3mmol)を一度に加え、反応混合物を19時間にわたって撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、混合物を30分間にわたって撹拌し、水で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン中20%酢酸エチル)により、生成物をコハク色の油状物として得た。収量:3.93g、14.3mmol、76%。LCMS m/z 276.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 8.24 (s, 1H), 7.20 (d, J=8.5 Hz, 2H), 6.87 (d, J=8.5
Hz, 2H), 4.54 (s, 2H), 3.81 (s, 3H), 3.49-3.56 (m, 2H), 3.02 (t, J=8.8 Hz, 2H).
【0499】
ステップ2. 5−(4−{[7−(4−メトキシベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]オキシ}フェニル)−4,6−ジメチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ピリダジン−3(2H)−オン(C27)の合成
化合物C14(160mg、0.55mmol)、C26(150mg、0.54mmol)、酢酸パラジウム(II)(10.0mg、0.06mmol)、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−3,4,5,6−テトラメチル−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル(52mg、0.11mmol)、および炭酸セシウム(532mg、1.63mmol)を1,4−ジオキサン(5mL)中で合わせ、反応混合物を脱気し、マイクロ波反応器中、120℃において3時間にわたって照射し、室温に冷却した。終夜そのままにした後に、反応混合物を、酢酸エチルで珪藻土のパッドを通して濾過し、濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の20%〜100%酢酸エチル)により、生成物をオフホワイト色の固体として得、これは、LCMS分析によると、多少の少量の不純物を含有した。収量:102mg、0.19mmol、35%。この物質を、さらに精製せずに、次のステップに進めた。LCMS m/z 540.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 8.24 (s, 1H), 7.09-7.26 (m, 5H), 6.89 (d, J=8.6 Hz,
2H), 6.15 (dd, J=10.7, 2.1 Hz, 1H), 4.58 (s, 2H), 4.16-4.21 (m, 2H), 3.82 (s,
3H), 3.46-3.58 (m, 2H), 2.98 (t, J=8.9 Hz, 2H), 2.09 (s, 3H), 1.98 (s, 3H),
1.74 (m, 3H), 1.47-1.64 (m, 4H).
【0500】
ステップ3. 5−[4−(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(11)の合成
化合物C27(98mg、0.18mmol)を、トリフルオロ酢酸(5mL)に溶解させ、反応混合物を密封し、終夜撹拌し、その後、これを28時間にわたって還流させ、次いで、室温において72時間にわたって撹拌した。真空中で濃縮した後に、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルの間に分配した。水層を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%〜100%酢酸エチル、続いて、酢酸エチル中10%メタノール)により、生成物をオフホワイト色の固体として得た。収量:41mg、0.12mmol、67%。LCMS m/z 336.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)
δ 7.97 (s, 1H), 7.27 (s, 4H), 3.67-3.73 (m, 2H),
2.97-3.02 (m, 2H), 2.06 (s, 3H), 1.95 (s, 3H).
【0501】
(実施例12)
6−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−1,5−ジメチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(12)
【0502】
【化59】
ステップ1. 6−アミノ−1,5−ジメチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン塩酸塩(C28)の合成
メタノール中のナトリウムメトキシドの溶液(4.4M、27mL、119mmol)を、メタノール(75mL)中のエチル2−シアノプロパノアート(95%、13.2mL、99.6mmol)および1−メチル尿素(98%、8.26g、109mmol)の溶液に加え、反応混合物を還流において18時間にわたって加熱し、次いで、室温に冷却した。溶媒を真空中で除去した後に、残渣を減圧下でアセトニトリル(3×50mL)と共に繰り返し蒸発させ、次いで、アセトニトリル(100mL)および水(100mL)の間に分配した。pHが約2に達するまで、6M塩酸水溶液をゆっくりと加え;その結果生じた混合物を1時間にわたって撹拌した。沈澱物を濾過により収集し、tert−ブチルメチルエーテルで洗浄して、生成物を白色の固体として得た。収量:15.2g、79.3mmol、80%。LCMS m/z 156.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)
δ 10.38 (br s, 1H), 6.39 (s, 2H), 3.22 (s, 3H), 1.67
(s, 3H).
【0503】
ステップ2. 6−ブロモ−1,5−ジメチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(C29)の合成
アセトニトリルおよび水の1:1混合物(120mL)を、C28(9.50g、49.6mmol)、亜硝酸ナトリウム(5.24g、76mmol)、および臭化銅(II)(22.4g、100mmol)の混合物に加え{注意:発泡および多少の発熱!}、反応混合物を室温において66時間にわたって撹拌した。硫酸水溶液(1N、200mL)および酢酸エチル(100mL)を添加して、沈澱物を得、これを濾過により収集し、水および酢酸エチルで洗浄して、生成物を薄黄色の固体(7.70g)として得た。濾液の有機層をよりわずかな体積まで濃縮し、その間に、追加の沈澱物が形成し;これを濾過により単離し、1:1の酢酸エチル/ヘプタンで洗浄して、追加の生成物(0.4g)を得た。総収量:8.1g、37mmol、75%。GCMS m/z 218, 220 [M+]. 1H NMR (400 MHz,
DMSO-d6) δ 11.58 (br s, 1H), 3.45 (s, 3H),
1.93 (s, 3H).
【0504】
ステップ3. 6−ブロモ−3−(3,4−ジメトキシベンジル)−1,5−ジメチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(C30)の合成
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(98%、5.57mL、36.5mmol)を、アセトニトリル(80mL)中のC29(4.00g、18.3mmol)および4−(クロロメチル)−1,2−ジメトキシベンゼン(5.16g、27.6mmol)の懸濁液に加え、反応混合物を60℃において18時間にわたって加熱した。真空中で溶媒を除去した後に、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中25%〜50%酢酸エチル)により精製して、生成物を白色の固体として得た。収量:5.70g、15.4mmol、84%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.08-7.12 (m, 2H), 6.80 (d, J=8.0 Hz, 1H), 5.07 (s, 2H), 3.88 (s,
3H), 3.85 (s, 3H), 3.65 (s, 3H), 2.14 (s, 3H).
【0505】
ステップ4. 3−(3,4−ジメトキシベンジル)−6−(4−ヒドロキシフェニル)−1,5−ジメチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(C31)の合成
化合物C30(3.5g、9.5mmol)、(4−ヒドロキシフェニル)ボロン酸(2.7g、19mmol)、および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)−ジクロロメタン錯体(592mg、0.71mmol)を1,4−ジオキサン(100mL)中で合わせ、その後、水(10mL)中の炭酸カリウム(3.97g、28.4mmol)の溶液を、反応混合物に加えた。100℃において24時間にわたって加熱した後に、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルおよび水の間に分配し、珪藻土を通して濾過した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の25%〜50%酢酸エチル)により、生成物を白色の固体として得た。収量:3.4g、8.9mmol、94%。LCMS m/z 383 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 7.23 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.20 (dd, J=2.0, 8.2 Hz, 1H),
7,10-7.05 (m, 2H), 6.98-6.95 (m, 2H), 6.83 (d, J=8.2 Hz, 1H), 5.65 (br s, 1H),
5.16 (s, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 3.07 (s, 3H), 1.71 (s, 3H).
【0506】
ステップ5. 6−[4−(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−1,5−ジメチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(12)の合成
化合物C31(160mg、0.55mmol)、C16(150mg、0.54mmol)、酢酸パラジウム(II)(10.0mg、0.06mmol)、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−3,4,5,6−テトラメチル−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル(52mg、0.11mmol)、および炭酸セシウム(532mg、1.63mmol)を1,4−ジオキサン(5mL)中で合わせ、反応混合物を110℃に終夜加熱し;室温に冷却したら、これを酢酸エチル(4mL)および水(4mL)で希釈し、数分間にわたって撹拌した。その結果生じた二相混合物を、珪藻土を通して濾過した。有機層を、ピペットにより除去し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。その結果生じた残渣に、アニソール(0.1mL)およびトリフルオロ酢酸(2mL)を加えた。反応容器を密封し、72時間にわたって90℃に加熱し、その後、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(4mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4mL)で希釈した{注意:発泡!}。酢酸エチル層を、ピペットにより除去し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。その結果生じた物質の約半分を、逆相HPLC(カラム:Waters XBridge C18、5μm;移動相A:水中0.03%水酸化アンモニウム(v/v);移動相B:アセトニトリル中0.03%水酸化アンモニウム(v/v);勾配:5%〜100%B)により精製して、生成物を得た。収量:6mg、0.02mmol、3%。LCMS m/z 351.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 7.64 (d, J=5.3 Hz, 1H), 7.32 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.18
(d, J=8.8 Hz, 2H), 6.53 (br s, 1H), 6.31 (d, J=5.3 Hz, 1H), 3.59 (t, J=8.8 Hz,
2H), 2.92 (t, J=8.8 Hz, 2H), 2.91 (s, 3H), 1.53 (s, 3H).
【0507】
(実施例13)
6−[4−(2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−1,5−ジメチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオントリフルオロ酢酸塩(13)
【0508】
【化60】
化合物C31(70mg、0.18mmol)、C7(37mg、0.238mmol)、炭酸セシウム(179mg、0.549mmol)、酢酸パラジウム(II)(8.3mg、0.037mmol)、および2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−3,4,5,6−テトラメチル−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル(18.3mg、0.037mmol)を1,4−ジオキサン(2mL)中で合わせ、反応混合物を密封し、80℃において1時間にわたって、かつ110℃において2時間にわたって撹拌した。次いで、これを室温に冷却し、週末にわたって撹拌し、珪藻土を通して濾過した。濾液を真空中で濃縮し;アニソール(0.099mL、0.915mmol)を、続いて、トリフルオロ酢酸(2mL)を残渣に加えた。この反応混合物を密封し、80℃において終夜、かつ110℃においてさらに24時間にわたって加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。精製を、逆相HPLC(カラム:Waters Sunfire C18、5μm;移動相A:水中0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);移動相B:アセトニトリル中0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);勾配:5%〜100%B)により実施した。収量:10mg、0.28mmol、16%。LCMS m/z 352.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 7.91 (d, J=5.3 Hz, 1H), 7.38 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.28
(d, J=8.8 Hz, 2H), 6.72 (d, J=5.3 Hz, 1H), 4.72 (t, J=8.8 Hz, 2H), 3.19 (t,
J=8.8 Hz, 2H), 2.92 (s, 3H), 1.53 (s, 3H).
【0509】
(実施例14)
5−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]ピリジン−5−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(14)
【0510】
【化61】
ステップ1. 5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]ピリジン(C32)の合成
テトラヒドロフラン(30mL)中のジイソプロピルアミン(1.28mL、9.12mmol)の溶液を−78℃に冷却し、ヘキサン中のn−ブチルリチウムの溶液(2.5M、3.65mL、9.1mmol)で滴下処理した。その結果生じた混合物を30分間にわたって撹拌し、その後、テトラヒドロフラン(10mL)中の2−クロロ−4−フルオロピリジン(1.0g、7.6mmol)の溶液を加え、撹拌をさらに1時間にわたって継続した。オキセタン(0.61mL、9.12mmol)を加え、反応混合物を30分間にわたって撹拌し、次いで、室温に加温し、1時間にわたって撹拌した。反応混合物を還流において4時間にわたって加熱し、室温に冷却し、酢酸エチルに注ぎ入れ、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中40%酢酸エチル)により、生成物を固体として得た。収量:111mg、0.65mmol、9%。LCMS m/z 170.0, 172.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCl3) δ 8.01 (d, J=5.6 Hz, 1H), 6.68 (d,
J=5.6 Hz, 1H), 4.23 (dd, J=5.3, 5.1 Hz, 2H), 2.76 (dd, J=6.5, 6.5 Hz, 2H), 2.06
(m, 2H).
【0511】
ステップ2. 5−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]ピリジン−5−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ピリダジン−3(2H)−オン(C33)の合成
化合物C23(206mg、0.65mmol)、C32(111mg、0.65mmol)、酢酸パラジウム(II)(15mg、0.07mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(76mg、0.13mmol)、および炭酸セシウム(639mg、1.96mmol)を1,4−ジオキサン(4mL)中で合わせ、反応混合物を4時間にわたって120℃に加熱し、次いで、室温に冷却した。混合物を、珪藻土のパッドを通して濾過し、パッドを、酢酸エチルで十分にすすぎ;合わせた濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中10%〜50%酢酸エチル)により、生成物を淡白色の固体として得た。収量:208mg、0.46mmol、71%。この物質は、多少の不純物を含有したが、さらに精製せずに先に送った。LCMS m/z 448.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 7.84 (d, J=5.5 Hz, 1H), 6.92-7.09 (m, 2H), 6.54 (d,
J=5.5 Hz, 1H), 6.15 (d, J=10.9 Hz, 1H), 4.26-4.31 (m, 2H), 4.19 (t, J=11.5 Hz,
1H), 3.81 (t, J=11.5 Hz, 1H), 2.78 (t, J=6.4 Hz, 2H), 2.33 (br s, 1H),
2.02-2.11 (m, 8H), 1.92 (s, 3H), 1.72-1.81 (m, 3H), 1.58 (s, 3H).
【0512】
ステップ3. 5−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]ピリジン−5−イルオキシ)−2−メチルフェニル]−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(14)の合成
1,4−ジオキサン(6mL)およびジクロロメタン(6mL)中のC33(202mg、0.45mmol)の溶液を、1,4−ジオキサン中の塩化水素溶液(4M、3mL、12mmol)で処理し、反応混合物を室温において3時間にわたって撹拌した。次いで、これを真空中で濃縮し、その結果生じた固体を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルの間に分配した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。この物質を、初めはシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:100%ジクロロメタン、次いで、ヘプタン中50%〜100%酢酸エチル)により、次いで、逆相HPLC(カラム:Phenomenex Lux Cellulose−2、5μm;勾配:ヘプタン中50%〜100%エタノール)により精製して、生成物を白色の固体として得た。収量:70mg、0.19mmol、43%。LCMS m/z 364.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 7.74 (d, J=5.9 Hz, 1H), 7.11-6.97 (m, 3H), 6.60 (d,
J=5.8 Hz, 1H), 4.33-4.25 (m, 2H), 2.77 (t, J=6.5 Hz, 2H), 2.13-2.02 (m, 5H),
1.99 (s, 3H), 1.89 (s, 3H).
【0513】
(実施例15)
4,6−ジメチル−5−[2−メチル−4−(1,2,3,4−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジン−5−イルオキシ)フェニル]ピリダジン−3(2H)−オン(15)
【0514】
【化62】
ステップ1. 5−{4−[(1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジン−5−イル)オキシ]−2−メチルフェニル}−4,6−ジメチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ピリダジン−3(2H)−オン(C34)の合成
化合物C23(180mg、0.59mmol)、1−ベンジル−5−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジン(150mg、0.58mmol)、酢酸パラジウム(II)(20mg、0.08mmol)、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−3,4,5,6−テトラメチル−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル(58mg、0.12mmol)、および炭酸セシウム(570mg、1.7mmol)を1,4−ジオキサン(10mL)中で合わせ、反応混合物を脱気し、6時間にわたって100℃に加熱し、次いで、室温に冷却し、終夜そのままにした。これを、珪藻土のパッドを通して濾過し、パッドを、酢酸エチルで十分にすすぎ、合わせた濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中10%〜50%酢酸エチル)により、生成物をオフホワイト色の固体として得た。収量:210mg、0.39mmol、68%。LCMS m/z 537.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 7.72 (d, J=5.9 Hz, 1H), 7.22-7.40 (m, 4H), 6.85-7.07
(m, 3H), 6.28 (d, J=5.9 Hz, 1H), 6.15 (d, J=10.9 Hz, 1H), 4.56 (s, 2H), 4.19
(t, J=9.2 Hz, 1H), 3.81 (t, J=10.9 Hz, 1H), 3.30-3.49 (m, 2H), 2.82 (t, J=6.4
Hz, 2H), 2.38 (br s, 1H), 2.33 (br s, 1H), 1.96-2.15 (m, 8H), 1.92 (d, J=1.6
Hz, 3H), 1.68-1.85 (m, 3H), 1.52-1.63 (m, 2H).
【0515】
ステップ2. 4,6−ジメチル−5−[2−メチル−4−(1,2,3,4−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジン−5−イルオキシ)フェニル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ピリダジン−3(2H)−オン(C35)の合成
化合物C34(207mg、0.39mmol)を、エタノール(20mL)に部分的に溶解させ、水酸化パラジウム(II)(炭素に担持された20重量%、27mg、0.04mmol)で処理した。反応混合物を水素ガス圧50psi下で終夜振盪した。追加分の担持パラジウム触媒(炭素に担持された20重量%、27mg、0.04mmol)と共に、メタノール(20mL)を加えた。次いで、反応混合物を50℃に加熱し、水素ガス(50psi)下で4時間にわたって振盪した。追加分のパラジウム触媒(炭素に担持された20重量%、40mg、0.06mmol)と共に、酢酸(1mL)を加え、反応混合物を、50℃において水素圧(50psi)下で72時間にわたって振盪した。追加分のパラジウム触媒(炭素に担持された20重量%、40mg、0.06mmol)を加え、反応混合物を50℃において、水素圧(50psi)下で24時間にわたって振盪した。反応混合物を、珪藻土のパッドを通して濾過し、パッドを、メタノールで十分にすすいだ。合わせた濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中50%〜100%酢酸エチル)により、生成物を白色の固体として得た。収量:130mg、0.29mmol、75%。LCMS m/z 446.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 7.69 (d, J=5.5 Hz, 1H), 6.96-7.06 (m, 2H), 6.87-6.95
(m, 1H), 6.19 (d, J=5.9 Hz, 1H), 6.15 (d, J=10.9 Hz, 1H), 4.49 (br s, 1H),
4.15-4.23 (m, 1H), 3.80 (t, J=11.1 Hz, 1H), 3.37 (t, J=4.1 Hz, 2H), 2.75 (t,
J=6.2 Hz, 2H), 2.35 (m, 1H), 1.94-2.12 (m, 8H), 1.92 (d, J=1.6 Hz, 3H),
1.71-1.80 (m, 3H), 1.53-1.64 (m, 2H).
【0516】
ステップ3. 4,6−ジメチル−5−[2−メチル−4−(1,2,3,4−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジン−5−イルオキシ)フェニル]ピリダジン−3(2H)−オン(15)の合成
化合物C35(125mg、0.28mmol)を、1,4−ジオキサン(4mL)およびジクロロメタン(4mL)に溶解させた。この溶液に、1,4−ジオキサン中の塩化水素の溶液(4M、3.5mL、14mmol)を加え、反応混合物を室温において終夜撹拌した。次いで、これを真空中で濃縮し;その結果生じた固体を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルとの間に分配した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、ヘプタンに再懸濁させ、真空中で濃縮した。その結果生じた固体をヘプタンで摩砕して、生成物をオフホワイト色の固体として得た。収量:82mg、0.23mmol、81%。LCMS m/z 363.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 7.50 (d, J=5.8 Hz, 1H), 7.04-6.87 (m, 3H), 6.30 (d,
J=5.8 Hz, 1H), 3.33 (m, 2H), 2.67 (t, J=6.3 Hz, 2H), 2.09-1.83 (m, 11H).
【0517】
(実施例16)
5−{4−[(3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−4−イル)オキシ]−2−メチルフェニル}−4,6−ジメチルピリダジン−3(2H)−オン(16)
【0518】
【化63】
予め培養しておいたシードロットバイアルをフラスコ1個当たり0.4mL使用して、放線菌(Streptomyces Cattleya)(ATCC35852)を、IOWA Medium(グルコース、20g/L;大豆粉、5g/L;酵母抽出物、5g/L;NaCl、5g/L;KHPO、5g/L;7.0に調節したpH、オートクレーブを使用して滅菌)40mLをそれぞれ含有する30個の振盪フラスコに接種した。フラスコを28℃の回転振盪機上に置き、3日間インキュベートし、その後、ジメチルスルホキシド中の7の溶液(10mg/mL溶液0.8mL、合計240mg、0.69mmol)を、各フラスコに加え、その後、同じ条件下のインキュベーターに戻した。フラスコを振盪機から外し、容器をすすぐためのリン酸カリウム緩衝液(100mM、pH7.0、約100mL)を使用して、内容物の全部をプールした。この混合物を5000×gで30分間にわたって遠心分離し;上清を廃棄し、酢酸エチル(1L)で抽出した。合わせた有機フラクションを硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮して、油状物(50mg)を得た。逆相HPLC(カラム:Phenomenex Luna(2) C18、5μm;移動相A:水中0.1%ギ酸;移動相B:メタノール中0.1%ギ酸;勾配:25%〜100%B)により精製して、生成物を白色の固体として得た。収量:28mg、77μmol、11%。LCMS m/z 366.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 8.11 (s, 1H), 7.95 (d, J=5.7 Hz, 1H), 7.18 (s, 1H),
7.07-7.14 (m, 2H), 6.73 (d, J=6.1 Hz, 1H), 5.49 (d, J=4.9 Hz, 1H), 4.70 (dd,
J=10.8, 6.7 Hz, 1H), 4.54 (dd, J=10.6, 2.0 Hz, 1H), 2.08 (s, 3H), 2.00 (s, 3H),
1.90 (s, 3H).
【0519】
(実施例17)
4−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−5−イル)−3−メチルフェノキシ]−2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−3−オール(17)
【0520】
【化64】
ステップ1. 4−(ベンジルオキシ)−2−クロロピリジン−3−カルボアルデヒド(C36)の合成
水素化ナトリウム(油中の60%懸濁液、987mg、24.7mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミドと0℃において混合し、数分間にわたって撹拌し、その後、N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中のベンジルアルコール(2.38mL、22.4mmol)の溶液を、0℃において撹拌しながら滴下で加えた。次いで、N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)中の2−クロロ−3−ホルミル−4−ヨードピリジン(6.0g、22mmol)の溶液を滴下で加え、反応混合物を75分間にわたって撹拌した。水をゆっくりと慎重に加え、液体を廃棄すると、粘着性の黄色の残渣がフラスコに残った。その粘着性の固体を酢酸エチルに溶解させ、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。水性部分を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を水で洗浄し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。合わせた有機部分を真空中で濃縮し;シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中10%〜30%酢酸エチル)により、濃厚な黄色の油状物を得、これを、ヘプタンで4回摩砕し、部分的にジエチルエーテルに溶解させ、次いで、真空中で濃縮して、粘着性の黄色の固体を得た。収量:1.37g、5.38mmol、25%(生成物を多少の不純物と共に含有した)。この物質を、さらに精製せずに、次のステップに入れた。LCMS m/z 248.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 10.53 (s, 1H), 8.35 (d, J=5.9 Hz, 1H), 7.35-7.47 (m,
5H), 6.95 (d, J=5.9 Hz, 1H), 5.28 (s, 2H).
【0521】
ステップ2. 4−(ベンジルオキシ)−2−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−5−イル)−3−メチルフェノキシ]ピリジン−3−カルボアルデヒド(C37)の合成
1,4−ジオキサン(50mL)中のC36(525mg、2.1mmol)の溶液をC2(460mg、2.1mmol)で、続いて、酢酸パラジウム(II)(60mg、0.3mmol)、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−3,4,5,6−テトラメチル−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル(220mg、0.44mmol)、および炭酸セシウム(2.1g、6.4mmol)で処理した。反応混合物を脱気し、80℃において6時間にわたって撹拌し、次いで、室温において終夜そのままにした。反応混合物を、珪藻土を通して濾過し、次いで、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中20%〜100%酢酸エチル)により、生成物を黄色の固体として得た。収量:597mg、1.4mmol、66%。LCMS m/z 426.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 10.66 (s, 1H), 8.98 (s, 1H), 8.18 (d, J=6.1 Hz, 1H),
7.35-7.52 (m, 5H), 7.05-7.19 (m, 3H), 6.77 (d, J=5.9 Hz, 1H), 5.32 (s, 2H),
2.26 (s, 6H), 2.03 (s, 3H).
【0522】
ステップ3. 2−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−5−イル)−3−メチルフェノキシ]−4−ヒドロキシピリジン−3−カルボアルデヒド(C38)の合成
三塩化ホウ素(テトラヒドロフラン中1M溶液、5.08mL、5.08mmol)を、ジクロロメタン(50mL)中のC37(541mg、1.27mmol)の溶液に0℃において加えた。反応混合物を終夜撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル、続いて、酢酸エチル中5%メタノール)により、生成物を黄色−白色の固体として得た。収量:214mg、0.64mmol、50%。この物質は、多少の不純物を含有したが、さらに精製せずに、次のステップに入れた。LCMS m/z 336.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 12.38 (s, 1H), 10.47 (s, 1H), 9.00 (s, 1H), 8.10 (d,
J=6.0 Hz, 1H), 7.08-7.22 (m, 3H), 6.66 (d, J=5.9 Hz, 1H), 2.28 (s, 6H), 2.05
(s, 3H).
【0523】
ステップ4. 4−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−5−イル)−3−メチルフェノキシ]−2,3−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−3−オール(17)の合成
トリメチルスルホキソニウムヨージド(310mg、1.4mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(160mg、1.4mmol)を、ジメチルスルホキシド(9mL)中のC38(184mg、0.55mmol)の溶液に加え、反応混合物を1時間にわたって撹拌した。次いで、これを氷水に注ぎ入れ、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中50%〜100%酢酸エチル)により、白色のゴムを得、これを、金属製スパチュラで、粘着性の固体を流動性の固体にしながら、ヘプタンで6回摩砕した。ヘプタンを廃棄した後に、残存する固体をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜5%メタノール)により精製して、生成物をオフホワイト色の固体として得た。収量:96mg、0.27mmol、50%。LCMS m/z 350.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 9.00 (s, 1H), 8.06 (d, J=5.7 Hz, 1H), 7.20 (d, J=2.2
Hz, 1H), 7.15 (dd, J=8.2, 2.4 Hz, 1H), 7.07 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.67 (d, J=5.7
Hz, 1H), 5.68 (dd, J=6.8, 2.5 Hz, 1H), 4.71-4.77 (m, 1H), 4.62-4.67 (m, 1H),
2.29 (s, 6H), 2.03 (s, 3H).
【0524】
調製例
下記の調製例では、本発明の化合物の特定の例を調製するために出発物質として使用することができるP1およびP2の調製を記載する。
【0525】
調製例P1
3−メチル−4−(6−メチルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−5−イル)フェノール(P1)
【0526】
【化65】
ステップ1. (4−ブロモ−3−メチルフェノキシ)[トリ(プロパン−2−イル)]シラン(C39)の合成
N,N−ジメチルホルムアミド(420mL)中の4−ブロモ−3−メチルフェノール(70g、0.374mol)および1H−イミダゾール(51.52g、0.748mol)の溶液に、トリ(プロパン−2−イル)シリルクロリド(88mL、0.41mol)を滴下で加えた。反応混合物を室温において終夜撹拌し、次いで、水(1.5L)に注ぎ入れ、ヘプタン(1.2L)で抽出した。有機層を水(1L)および飽和塩化ナトリウム水溶液(400mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を真空中で除去して、生成物を黄色の油状物として得た。収量:137g、0.37mmol、収率100%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.32 (d, J=8.7 Hz, 1H), 6.76 (d, J=2.7 Hz, 1H), 6.64 (dd, J=8.5,
2.7 Hz, 1H), 2.32 (s, 3H), 1.22 (m, 3H), 1.09 (d, J=8.0 Hz, 18H).
【0527】
ステップ2. [3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ][トリ(プロパン−2−イル)]シラン(C40)の合成
1,4−ジオキサン(1.3L)中のC39(137g、0.374mol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン(190g、0.748mol)、および酢酸カリウム(147g、1.49mol)の脱気溶液に、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(12.2g、15mmol)を加え、反応混合物を還流において終夜加熱した。次いで、これを、酢酸エチルを使用して珪藻土を通して濾過し、濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%〜3%酢酸エチル)により、生成物を黄色の油状物として得た。収量:131g、0.34mmol、90%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.62 (d, J=7.8 Hz, 1H), 6.65 (m, 2H), 2.47 (s, 3H), 1.31 (s, 12H),
1.27 (m, 1H), 1.08 (d, J=8.0 Hz, 18H).
【0528】
ステップ3. 3−メチル−4−(6−メチルイミダゾ[1,2−a]ピラジン−5−イル)フェノール(P1)の合成
水(17μL、0.94mmol)を、脱気1,2−ジメトキシエタン(2mL)中の5−ブロモ−6−メチルイミダゾ[1,2−a]ピラジン(A.R.Harrisら、Tetrahedron 2011、67、9063〜9066を参照されたい)(100mg、0.472mmol)、C40(368mg、0.943mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(35mg、47μmol)、および炭酸カリウム(130mg、0.943mmol)の懸濁液に加えた。反応混合物を還流において24時間にわたって加熱し、次いで、アセトン(20mL)で洗浄して中性珪藻土を通して濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:酢酸エチル中0%〜10%メタノール)により精製して、生成物を淡ピンク色の固体として得た。収量:114mg、0.47mmol、定量的収率。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.94 (s, 1H), 7.72 (d, J=1.4 Hz, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.13 (d, J=8.2
Hz, 1H), 6.89 (d, J=2.7 Hz, 1H), 6.83 (dd, J=8.2, 2.3 Hz, 1H), 2.29 (s, 3H),
1.94(s, 3H).
【0529】
調製例P2
6−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−1,5−ジメチルピラジン−2(1H)−オン(P2)
【0530】
【化66】
ステップ1. 1−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)プロパン−2−オン(C41)の合成
この実験を4回実施した(基質4×250g)。トリブチル(メトキシ)スタンナン(400g、1.24mol)、1−ブロモ−4−メトキシ−2−メチルベンゼン(250g、1.24mol)、プロパ−1−エン−2−イルアセタート(187g、1.87mol)、酢酸パラジウム(II)(7.5g、33mmol)、およびトリオルトトリルホスフィン(10g、33mmol)を一緒に、トルエン(2L)中で100℃において18時間にわたって撹拌した。それを室温に冷却した後に、反応混合物をフッ化カリウム水溶液(4M、400mL)で処理し、2時間にわたって40℃において撹拌した。その結果生じた混合物をトルエン(500mL)で希釈し、珪藻土を通して濾過し;フィルターパッドを酢酸エチル(2×1.5L)で十分に洗浄した。合わせた濾液からの有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜5%酢酸エチル)により精製して、生成物を黄色のオイルとして得た。合わせた収量:602g、3.38mol、68%。LCMS m/z 179.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ7.05 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.70-6.77 (m, 2H), 3.79 (s,
3H), 3.65 (s, 2H), 2.22 (s, 3H), 2.14 (s, 3H).
【0531】
ステップ2. 1−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)プロパン−1,2−ジオン(C42)の合成
化合物C41(6.00g、33.7mmol)および二酸化セレン(7.47g、67.3mmol)を、1,4−ジオキサン(50mL)中に懸濁させ、100℃において18時間にわたって加熱した。反応混合物を室温に冷却し、珪藻土で濾過し;濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中10%酢酸エチル)により、生成物を明黄色のオイルとして得た。収量:2.55g、13.3mmol、39%。LCMS m/z 193.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ7.66 (d, J=8.6 Hz, 1H), 6.81 (br d, AB四重線の半分, J=2.5 Hz, 1H), 6.78 (br dd, ABXパターンの半分,
J=8.7, 2.6 Hz, 1H), 3.87 (s, 3H), 2.60 (br s, 3H), 2.51 (s, 3H).
【0532】
ステップ3. 6−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−5−メチルピラジン−2(1H)−オン(C43)の合成
化合物C42(4.0g、21mmol)および酢酸グリシンアミド(2.79g、20.8mmol)をメタノール(40mL)に溶かし、−10℃に冷却した。水酸化ナトリウム水溶液(12N、3.5mL、42mmol)を加え、その結果生じた混合物を室温にゆっくりと加温した。3日間にわたって撹拌した後に、反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を水で希釈し、pHが約7になるまで、1M塩酸水溶液を加えた。水性相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。その結果生じた残渣を3:1の酢酸エチル/ヘプタンでスラリー化し、5分間にわたって撹拌し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)により、生成物を淡褐色の固体として得、これは、15%の不所望の位置異性体を含有した;この物質をさらに精製することなく使用した。収量:2.0g、LCMS m/z 231.1 [M+H]. 1H NMR (400MHz, CDCl3), 生成物のピークのみ: δ 8.09 (s, 1H), 7.14 (d, J=8.2Hz, 1H),
6.82-6.87 (m, 2H), 3.86 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.11 (s, 3H).
【0533】
ステップ4. 6−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−1,5−ジメチルピラジン−2(1H)−オン(C44)の合成
化合物C43(先行するステップから、1.9g)をN,N−ジメチルホルムアミド(40mL)に溶かした。臭化リチウム(0.86g、9.9mmol)およびナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(95%、1.91g、9.89mmol)を加え、その結果生じた溶液を30分間にわたって撹拌した。ヨウ化メチル(0.635mL、10.2mmol)を加え、撹拌を室温において18時間にわたって継続した。次いで、反応混合物を水で希釈し、1M塩酸水溶液をゆっくりと少量ずつ加えることにより、約7のpHにした。水性層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を、水で複数回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中75%〜100%酢酸エチル)により、生成物を粘稠性のオレンジ色のオイルとして得た。収量:1.67g、6.84mmol、2ステップで33%。LCMS m/z 245.1 [M+H]. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.17 (s, 1H), 7.03 (br d, J=8Hz, 1H), 6.85-6.90 (m, 2H), 3.86 (s,
3H), 3.18 (s, 3H), 2.08 (br s, 3H), 2.00 (s, 3H).
【0534】
ステップ5. 6−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−1,5−ジメチルピラジン−2(1H)−オン(P2)の合成
−78℃ジクロロメタン中のC44(1.8g、7.4mmol)の溶液に、ジクロロメタン(40mL)中の三臭化ホウ素の溶液(1M、22mL、22mmol)を加えた。30分後に、冷却浴を外し、反応混合物を室温に加温し、18時間にわたって撹拌した。反応物を−78℃に冷却し、メタノール(10mL)をゆっくりと加え;その結果生じた混合物を室温に徐々に加温した。溶媒を真空中で除去した後に、メタノール(20mL)を加え、混合物を再び、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(300mL)および水(200mL)で希釈し、水層を、飽和炭酸ナトリウム水溶液を少量ずつ加えることにより、pH7にし、混合物を酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を薄い淡褐色の固体として得た。収量:1.4g、6.0mmol、81%。LCMS m/z 231.1 [M+H]. 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.21 (s, 1H), 6.98 (d, J=8.2Hz, 1H), 6.87-6.89 (m, 1H), 6.85 (br
dd, J=8.2, 2.5Hz, 1H), 3.22 (s, 3H), 2.06 (br s, 3H), 2.03 (s, 3H).
【0535】
下記の表1に、本明細書に記載の方法、出発物質または中間体、および調製例を使用して作製された発明の化合物のいくつかの追加の実施例(実施例18〜28)を列挙する。
【0536】
【表1-1】
【0537】
【表1-2】
【0538】
【表1-3】
【0539】
(実施例AA)
ヒトD1受容体結合アッセイおよびデータ
本明細書に記載の化合物の親和性を、Ryman−Rasmussenら、「Differential activation of adenylate cyclase and receptor internalization by novel dopamine D1 receptor agonists」、Molecular Pharmacology 68(4):1039〜1048(2005)に記載のものと同様の競合結合アッセイにより決定した。この放射性リガンド結合アッセイでは、D1受容体に結合するときに、放射性リガンドと競合する被験化合物の能力を評価するために、放射標識されたD1リガンドである[H]−SCH23390を使用した。
【0540】
D1結合アッセイを、過剰発現性LTKヒト細胞系を使用して行った。基礎アッセイパラメーターを決定するために、リガンド濃度を飽和結合研究から決定し、この際、[H]−SCH23390についてのKは1.3nMであることが見出された。組織濃度曲線研究から、組織の最適量は、0.5nMの[H]−SCH23390を使用する96ウェルプレートあたり1.75mg/mLであると決定された。これらのリガンドおよび組織濃度を、時間経過研究において使用して、結合についての直線性および平衡条件を決定した。結合は、規定量の組織で30分で37℃において平衡した。これらのパラメーターから、Polytronを使用して、2.0mM MgClを含有する50mMトリス(4℃においてpH7.4)中でそれぞれの種での規定量の組織を均質化し、40,000×gにおいて10分間にわたって遠心分離機中で回転させることによって、K値を決定した。ペレットをアッセイ緩衝液[4mM MgSOおよび0.5mM EDTAを含有する50mMトリス(室温においてpH7.4)]に再懸濁させた。インキュベーションを、組織200μLを、被験薬(2.5μL)および0.5nM [H]−SCH23390(50μL)を含有する96ウェルプレートに250μLの最終体積で加えることにより開始した。非特異的結合を、D1アンタゴニストである(+)−ブタクラモール(10μM)の飽和濃度の存在下での放射性リガンドの結合により決定した。37℃においての30分のインキュベーション期間の後に、アッセイ試料を、Unifilter−96 GF/B PEI−コーティングフィルタープレートで迅速に濾過し、50mMトリス緩衝液(4℃においてpH7.4)ですすいだ。膜結合[H]−SCH23390レベルを、Ecolumeにおけるフィルタープレートの液体シンチレーションカウントにより決定した。IC50値(特異的結合の50%阻害が生じる濃度)を、Microsoft Excelにおいて濃度−応答データの線形回帰により計算した。K値を、Cheng−Prusoff式に従って計算した。
【0541】
【数1】
(式中、[L]=遊離の放射性リガンドの濃度、およびK=D1受容体についての放射性リガンドの解離定数([H]−SCH23390では1.3nM))。
【0542】
(実施例BB)
D1 cAMP HTRFアッセイおよびデータ
本明細書において使用および記載されているD1 cAMP(環式アデノシン一リン酸)HTRF(均一時間分解蛍光)アッセイは、細胞により産生される天然のcAMPと、XL−665で標識されたcAMPとの競合イムノアッセイである。このアッセイを使用して、被験化合物がD1を作動させる(部分的に作動させることを含む)能力を決定した。Mab抗cAMP標識クリプタートは、トレーサーを可視化する。試料が、ドナー(Eu−クリプタート)およびアクセプター(XL665)実体の近接によって、遊離のcAMPを含有しない場合に、最大シグナルが達成される。したがって、シグナルは、試料中のcAMPの濃度に反比例する。時間分解およびレシオメトリック測定(em665nm/em620nm)は、媒体の干渉を最小化する。cAMP HTRFアッセイは、例えば、Cisbio Bioassays、IBAグループから市販されている。
【0543】
材料および方法
材料:cAMP Dynamicキットを、Cisbio International(Cisbio 62AM4PEJ)から入手した。Multidrop Combi(Thermo Scientific)を、アッセイ添加のために使用した。EnVision(PerkinElmer)リーダーを使用して、HTRFを読み取った。
【0544】
細胞培養:HEK293T/hD1#1安定細胞系は、社内(Pfizer Ann Arbor)でコンストラクトした。細胞を、付着細胞として、NuncT500フラスコ内で、高グルコースDMEM(Invitrogen 11995−065)、透析10%ウシ胎児血清(Invitrogen 26400−044)、1×MEM NEAA(Invitrogen 1140、25mM HEPES(Invitrogen 15630)、1×Pen/Strep(Invitrogen 15070−063)、および500μg/mL Genenticin(Invitrogen 10131−035)中で、37℃および5%COにおいて成長させた。成長から72または96時間目に、細胞をDPBSですすぎ、0.25%トリプシン−EDTAを加えて、細胞を取り外した。次いで、培地を加え、細胞を遠心分離し、培地を除去した。細胞ペレットを、40000000細胞/mLの密度でCell Culture Freezing Medium(Invitrogen 12648−056)中に再懸濁させた。1mLアリコットの細胞を、Cryoバイアル内で作製し、D1 HTRFアッセイにおいて将来使用するために、−80℃において凍結させた。
【0545】
D1 cAMP HTRFアッセイ手順:凍結細胞を急速解凍し、温培地50mLに再懸濁させ、5分間にわたって放置し、その後、室温において遠心分離(1000rpm)した。培地を除去し、細胞ペレットをPBS/0.5μm IBMX中に再懸濁させて、200000細胞/mLを生じさせた。Multidrop Combiを使用して、5μL細胞/ウェルを、被験化合物5μLをすでに含有するアッセイプレート(Greiner 784085)に加えた。化合物対照[ドーパミン5μm(最終)および0.5%DMSO(最終)]も、データ分析のために、各プレート上に含まれた。細胞および化合物を、室温において30分間にわたってインキュベートした。cAMP−D2および抗cAMP−クリプタートの使用液を、Cisbioの指示書に従って調製した。Multidropを使用して、cAMP−D2使用液5μLを、被験化合物および細胞を含有するアッセイプレートに加えた。Multidropを使用して、抗cAMP−クリプタート使用液5μLを、被験化合物、細胞、およびcAMP−D2を含有するアッセイプレートに加えた。アッセイプレートを1時間にわたって室温においてインキュベートした。アッセイプレートを、Cisbioが推奨する設定を使用してEnVisionプレートリーダー上で読み取った。cAMP標準曲線を、Cisbioキットに備えられているcAMP原液を使用して生成した。
【0546】
データ分析:データ分析を、コンピュータソフトウェアを使用して行った。効果百分率を、化合物対照から計算した。比EC50を、EnVisionリーダーからの生の比データを使用して決定した。cAMP標準曲線を、分析プログラムにおいて使用して、生の比データからのcAMP濃度を決定した。cAMP EC50を、計算されたcAMPデータを使用して決定した。
【0547】
【表2-1】
【0548】
【表2-2】
【0549】
本明細書に記載の形態に加えて、本発明の様々な変更形態が、上述の記載から当業者には明らかであろう。そのような変更形態も、添付の特許請求の範囲内に該当することが意図されている。本出願において引用した各参照文献(すべての特許、特許出願、雑誌論文、書籍、および任意の他の刊行物を含む)は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。