特許第6564448号(P6564448)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6564448RFフィルタ回路、減衰が改善されたrfフィルタおよび分離度が改善されたデュプレクサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564448
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】RFフィルタ回路、減衰が改善されたrfフィルタおよび分離度が改善されたデュプレクサ
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/64 20060101AFI20190808BHJP
   H03H 9/145 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   H03H9/64 Z
   H03H9/145 D
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-500040(P2017-500040)
(86)(22)【出願日】2015年5月28日
(65)【公表番号】特表2017-521007(P2017-521007A)
(43)【公表日】2017年7月27日
(86)【国際出願番号】EP2015061887
(87)【国際公開番号】WO2016000873
(87)【国際公開日】20160107
【審査請求日】2017年1月27日
(31)【優先権主張番号】62/019,335
(32)【優先日】2014年6月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500480274
【氏名又は名称】スナップトラック・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】チャラ, ラヴィ キラン
(72)【発明者】
【氏名】アデプ, バヴヤ
(72)【発明者】
【氏名】カイパ,チャンドラ,セッカー,レディ
(72)【発明者】
【氏名】ダーナー, ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ティル, ヴォルフガング
【審査官】 竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−312146(JP,A)
【文献】 特開2008−053922(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/061694(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/168161(WO,A1)
【文献】 特開2015−033080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H 9/64
H03H 9/145
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFフィルタ回路(FC)であって、
1つの入力端子(IT)を有する1つの入力ポート(IP)と、
1つの出力端子(OT)を有する1つの出力ポート(OP)と、
前記入力ポート(IP)と前記出力ポート(OP)との間に、1つの第1の直列共振器(S1)を有する1つの信号経路(SP)と、
1つのグラウンド端子(GND)と、
前記信号経路(SP)の一部であり、直接前記入力端子(IT)に接続されている、1つの第1のカップリング導体セグメント(CCS1)と、
直接前記出力端子(OT)または前記グラウンド端子(GND)に接続されている、1つの第2のカップリング導体セグメント(CCS2)と
備え、
前記第1のカップリング導体セグメント(CCS1)および前記第2のカップリング導体セグメント(CCS2)は、互いに隣り合って配設されており、そして電磁気的にカップリングされ、当該カップリングが前記Rフィルタ回路の阻止帯域における減衰量を増大するようになっており
前記第1のカップリング導体セグメント(CCS1)および前記第2のカップリング導体セグメント(CCS2)は平行に配設されており、
前記第1のカップリング導体セグメント(CCS1)および前記第2のカップリング導体セグメント(CCS2)は、RF信号を互いに逆方向に伝送するように構成されている、
ことを特徴とするRFフィルタ回路。
【請求項2】
前記第1のカップリング導体セグメント(CCS1)および前記第2のカップリング導体セグメント(CCS2)は、互いに逆方向で位相がずれた電流を伝送するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のRFフィルタ回路。
【請求項3】
前記第2のカップリング導体セグメント(CCS2)は、直接前記出力端子(OT)に接続されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のRFフィルタ回路。
【請求項4】
前記第2のカップリング導体セグメント(CCS2)は、直接前記グラウンド端子(GND)に接続されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のRFフィルタ回路。
【請求項5】
1つのラダー型構造を有する、請求項1乃至のいずれか1項に記載のRFフィルタ回路であって、
前記RFフィルタ回路は、
前記信号経路(SP)に電気的に接続され、前記第1の直列共振器(S1)に対して直列に接続されている、1つの第2の直列共振器(S2)と、
前記信号経路(SP)をグラウンド(GND)に電気的に接続し、かつ1つの第1の並列共振器(P1)を備える、1つの第1の並列分岐と、
前記信号経路(SP)をグラウンド(GND)に電気的に接続し、かつ1つの第2の並列共振器(P2)を備える、1つの第2の並列分岐と、
を備えることを特徴とするRFフィルタ回路。
【請求項6】
前記減衰量は、前記第1のカップリング導体セグメント(CCS1)および前記第2のカップリング導体セグメント(CCS2)における望ましくないRF信号を相殺することによって増大されていることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載のRFフィルタ回路。
【請求項7】
前記第1の直列共振器(S1)は、音響波で動作するように特化されていることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載のRFフィルタ回路。
【請求項8】
前記第1の直列共振器(S1)は、1つのチップ(CH)上に配設されている共振器の複数の構成要素を備えることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載のRFフィルタ回路。
【請求項9】
前記チップ(CH)は、1つの担体基板(CS)上に配設されていることを特徴とする、請求項に記載のRFフィルタ回路。
【請求項10】
前記第1のカップリング導体セグメント(CCS1)および前記第2のカップリング導体セグメント(CCS2)が、前記チップ(CH)上、または前記担体基板(CS)上に配設されていることを特徴とする、請求項に記載のRFフィルタ回路。
【請求項11】
前記電磁気カップリングは、その主成分として磁界カップリングを含むことを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のRFフィルタ回路。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のRFフィルタ回路(FC)がチップの表面内すなわち表面上に配設されているRFフィルタ(F)。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載のRFフィルタ回路(F)を備えるデュプレクサ(DPX)であって、
前記RFフィルタの阻止帯域は受信帯域(RX)であり、当該受信帯域におけるRF信号の増大された減衰量は、当該デュプレクサの分離度を増大することを特徴とする、デュプレクサ。
【請求項14】
請求項13に記載のデュプレクサにおいて、
前記デュプレクサは、1つの送信フィルタ(TX),1つのインピーダンスマッチング回路(MC),および1つの受信フィルタ(RX)を有し、
前記第1の直列共振器(S1)は、前記送信フィルタの(TX)の1つの素子であり、
前記インピーダンスマッチング回路(MC)は、前記送信フィルタ(TX)と前記受信フィルタ(RX)との間に接続されている、
ことを特徴とするデュプレクサ。
【請求項15】
前記受信フィルタが1つのDMSパターンを備えることを特徴とする、請求項14に記載のデュプレクサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばモバイル通信機器用のRFフィルタ回路、このような回路を有するRFフィルタ、およびこのようなフィルタ回路を有しかつ高い分離度を有するデュプレクサに関する。
【背景技術】
【0002】
RFフィルタ回路は、無線通信機器、たとえば携帯電話に用いることができ、複数の周波数バンドにおいて伝播する複数の信号から所望の信号を選択するために用いることができる。
【0003】
RFフィルタ回路の1つの重要な特徴は、そのもたらし得る減衰量であり、すなわちその挿入損失は、通過帯域において小さくなければならず、そして阻止帯域において大きくなければならない。特にこのフィルタ回路がバンドパスフィルタに用いられる場合、重要な特徴は、帯域幅およびこの通過帯域の側縁部のスロープである。2つのバンドパスフィルタが組み合わされると、1つのデュプレクサが得られる。デュプレクサの重要なパラメータは、そのこれらの分離度である。この分離度は、概ね送信(TX)ポートに入力されたパワーを受信(RX)ポートから逃げるパワーで割った比である。阻止帯域、すなわち多くの場合RX周波数帯域における良好な減衰量(すなわち大きな挿入損失)は、良好な分離度を得るために必要である。
【0004】
原理的に、音響波で動作するフィルタ回路は良好な減衰量をもたらす。このようなフィルタ回路を有するフィルタは、SAWフィルタ(SAW=surface acoustic wave),BAWフィルタ(BAW=bulk acoustic wave),またはGBAWフィルタ(GBAW=guided bulk acoustic wave)であってよい。1つの電子音響フィルタが特許文献1に開示されている。
【0005】
しかしながら、一方での小型化に向けて進行するトレンド、および他方でのさらに多大の機能性は、このような電子音響フィルタの本質的に良好なフィルタ特性を脅かすものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6441704号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この結果、小さな横方向サイズにおいても良好なフィルタ特性を有するフィルタに対する要求が出てきている。さらに、このようなフィルタを備えるデュプレクサも必要となっている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の独立請求項に記載のフィルタ回路,フィルタ,およびデュプレクサは、これらの要求されている回路および部品を提供するものである。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態を提供する。
【0009】
1つのRFフィルタ回路は、1つの入力端子を有する1つの入力ポートと、1つの出力端子を有する1つの出力ポートとを備える。さらにこのフィルタ回路は、上記の入力ポートと上記の出力ポートとの間に1つの信号経路を備える。この信号経路は、1つの第1の直列共振器を有する。さらにこのフィルタ回路は、1つのグラウンド端子、1つの第1のカップリング導体セグメント,および1つの第2のカップリング導体セグメントを備える。この第1のカップリング導体セグメントは、上記の信号経路の一部であり、直接上記の入力端子に接続されている。第2のカップリング導体セグメントは、直接上記の出力端子または上記のグラウンド端子に接続されている。このRFフィルタ回路は、大きな減衰量を有する阻止周波数帯域を有する。さらに、上記の第1のカップリング導体セグメントおよび上記の第2のカップリング導体セグメントは、互いに隣り合って配設されており、そして電磁気的にカップリングされ、このカップリングがこのRFフィルタ回路の阻止帯域における減衰量を増大するようになっている。
【0010】
上記の入力端子とは別に、上記の入力ポートは1つの第2の入力端子あるいはさらなる入力端子(複数)を有してよい。この結果、この入力ポートはアンバランス信号(1つの入力端子)またはバランス信号(2つの入力端子)で動作することが可能となる。また、上記の出力ポートは、1つの第2の出力端子またはこれより多い複数の出力端子を有してよい。こうして上記のフィルタ回路の出力ポートは、アンバランス信号(1つの出力端子)またはバランス信号(2つの出力端子)で動作することが可能となる。
【0011】
上記の信号経路は、上記の入力ポートと上記の出力ポートとの間に、RF信号が伝播することができる導体セグメント(複数)を備える。この信号経路は、アンバランス信号で動作するか、またはバランス信号で動作するようになっていてよい。上記の第1の直列共振器は、この信号経路内に電気的に直列に接続されている。この信号経路において伝播するRF信号は、この第1の直列共振器を通過しなければならない。
【0012】
上記のグラウンド端子は、グラウンド電位への接続を提供する。このグラウンド電位への接続は、グラウンド電位への直接の接続であってよく、あるいは1つのキャパシタンス素子または1つのインダクタンス素子のような1つのインピーダンス素子を介したものであってよい。
【0013】
上記の第1のカップリング導体セグメントは、上記の信号経路の一部であり、そしてこの第1のカップリング導体セグメントは直接上記の入力端子に接続されているので、この入力端子に供給されるRF信号は、この第1のカップリング導体セグメントを通って伝播する。上記の第1および第2のカップリング導体セグメントは近接しているので、電磁気カップリングが可能であり、またこれが望まれている。理想的なフィルタ回路と比較して、実際のフィルタ回路は、阻止帯域において有限な減衰量を有している。これは、導体セグメントの有限な導電性のために、実際のフィルタにおけるフィルタ回路のグラウンド電位が厳密にはこのグラウンド電位に固定されていないという事実に関係している。RF信号は、このグラウンド電位を汚染し得る。この結果、望ましくない信号の周波数成分がこのグラウンド電位および/またはこのフィルタの出力に現れる。上記の第1のカップリング導体セグメントと上記の第2のカップリング導体セグメントとを電磁気的にカップリングすることにより、このフィルタ回路の減衰特性を改善することができる。以上により、このようなRF回路のデュプレクサは、改善された分離度を有し得る送信フィルタまたは受信フィルタを構築する。
【0014】
しかしながら、このような第1のカップリング導体セグメントを第2のカップリング導体セグメントの近傍に設けることは、さらなる導体セグメントをフィルタに加えることであり、この結果、上記の小型化に向けて進行するトレンドを脅かすものであり、そしてこれらの導体セグメント間のさらなるクロストークの可能性を増大するものである。この結果、それぞれのカップリング導体セグメントおよびフィルタにおけるこれらの接続形態は、もしそれぞれの電磁気カップリングの全能力が利用されなければならないならば、極めて慎重に選択される必要があり、そしてこのフィルタのそれぞれの他の部品は、この設けられているカップリング導体セグメントに対して合わせ込まれていなければならない。
【0015】
上記の第2のカップリング導体セグメントは、直接上記の出力端子に接続されていてよい。
【0016】
しかしながら、この第2のカップリング導体セグメントは、直接上記のグラウンド端子に接続されていてもよい。
【0017】
この結果、入力信号と上記の出力端子において伝播している信号との間の電磁気カップリングを得ることができ、そして入力信号と非理想的なグラウンド電位との間のようなカップリングもまた得ることができる。
【0018】
上記のRFフィルタは、1つのラダー型構造を有し、そして1つの第2の直列共振器を備えてよい。この第2の直列共振器は、上記の信号経路に電気的に接続されており、そして上記の第1の直列共振器に対して直列に接続されている。そしてさらにこのRFフィルタ回路は、1つの第1の並列分岐および1つの第2の並列分岐を備える。この第1の並列分岐は、上記の信号経路をグラウンドに電気的に接続しており、そして1つの第1の並列共振器を備える。この第2の並列分岐は、上記の信号経路をグラウンドに電気的に接続しており、そして1つの第2の並列共振器を備える。この第1の並列共振器およびこの第2の並列共振器は、この結果上記の信号経路とグラウンドとの間に電気的に並列に接続されており、かつシャント接続を構築している。
【0019】
各々の直列共振器および並列共振器は、1つの共振周波数および1つの反共振周波数を有し得る。それぞれの周波数は、これに応じて選択され、こうして上記のRFフィルタ回路は、1つのバンドパスフィルタまたは1つのバンドストップフィルタを構築することができる。いずれの場合でも、このRFフィルタ回路は、改善された減衰量を有する阻止周波数帯域を有する。
【0020】
この減衰量は、望ましくないRF信号を相殺することによって増大することができる。相殺は上記の第1および第2のカップリング導体セグメントにおいてその電磁気カップリングによって得られる。
【0021】
上記の第1の直列共振器は、音響波で動作するように特化されていてよい。これより、この第1の直列共振器は、1つの電子音響共振器であり、1つのSAW共振器,1つのBAW共振器,または1つのGBAW共振器であってよい。もし上記のRFフィルタ回路が、1つの第2の直列共振器および1つの第1および/または1つの第2の並列共振器のような、さらなる共振器を備えるならば、これらの追加的な共振器もまた電子音響共振器であってよい。これらの追加的な共振器は、上記の第1の直列共振器と同じタイプであってよい。
【0022】
上記の第1の直列共振器は、1つのチップ上に配設されている共振器の構成要素(複数)を備えてよい。もしこの第1の直列共振器が1つのSAW共振器であるならば、これらの共振器の構成要素は、バスバー(複数)および電極フィンガ(複数),1つの熱補償層(TCF層=thermal coefficients of frequency),または1つの周波数調整層であってよい。この周波数調整層の厚さを選択することによって、この共振器の周波数をチューニングすることができる。
【0023】
もし上記のRFフィルタ回路がさらなる共振器を備えるならば、これらのさらなる共振器の構成要素も同じチップ上に配設されてよく、あるいはこれらは別のチップ上に配設されてよい。
【0024】
もし上記の第1の直列共振器が1つのBAW共振器であるならば、その共振器の構成要素は、1つの下側電極領域,1つの上側電極領域,およびこれらの2つの電極領域間の1つの圧電材料から成っている。
【0025】
もし上記の第1の直列共振器が1つのGBAW共振器であるならば、その共振器の構成要素は、バスバー(複数),電極フィンガ(複数),およびこれらのバスバーおよび電極フィンガを埋設する1つの誘電体材料から成っている。
【0026】
SAW共振器またはGBAW共振器の場合には、そのチップはタンタル酸リチウム(LiTaO),ニオブ酸リチウム(LiNbO),または石英等の圧電材料を含んでよい。もし上記の第1の直列共振器が1つのBAW共振器であるならば、そのチップは1つの半導体チップであってよい。
【0027】
上記のチップは、1つの担体基板上に配設されていてよい。
【0028】
この担体基板は、1つの誘電体材料、たとえば1つのPCB(printed circuit board)材料の1つの単層から成っていてよい。この担体基板は、その上面上または底面上に、上記フィルタ回路を1つの外部の周辺回路に接続するための導体セグメント(複数)を備える。
【0029】
しかしながら、上記の担体基板が、2つ以上の複数の誘電体層およびこれらの間のメタライジング層を有する1つの多層基板であることも可能である。これらのメタライジング層内には、信号ライン(複数),キャパシタンス素子またはインダクタンス素子のようなインピーダンス素子(複数)等の導体セグメントがパターニングされ、そして上記の第1直列共振器に電気的に接続されていてよい。こうして上記のRFフィルタ回路の回路要素は、この多層基板内に埋設されていてよい。
【0030】
上記の第1のカップリング導体セグメントおよび上記の第2のカップリング導体セグメントが、上記のチップ上、または上記の担体基板上に配設されていることも可能である。
【0031】
所望のカップリングの程度に依存し、および上記のカップリング領域と他の回路部品との間の距離に依存して、上記のカップリング導体セグメントを上記のチップ上または上記の担体基板上に配設するには2つの方法がある。
【0032】
従来の公知の技術は、上記のチップおよび上記の担体基板を組み合わせることに対しては可能である。こうして上記のチップおよび上記の担体基板が、DSSP(登録商標)技術を用いて、1つのフィルタ部品に込み込まれることが可能ある。ここでDSSP(die sized SAW packaging)は、小型高密度の電子フィルタ部品の商標名である。
【0033】
上記の第1のカップリング導体セグメントおよび上記の第2のカップリング導体セグメントは平行に並んでいることが可能である。これらの2つの導体セグメントは、1つのチップにおける1つの層系内の同じ層に、または1つの多層基板における1つの層系内に、互いに隣り合って配設されていてよい。しかしながら、これら2つの導体セグメントが1つの多層基板の異なる層にあって上下に重なって配設されていることも可能である。これら2つの平行な導体セグメントの長さおよびこれらの間の距離を選択することによって、そしてこれらの導体セグメントの間の材料およびこの材料の誘電体特性を選択することによって、これら2つの導体セグメントの間のカップリングの程度を、このフィルタが満足すべき仕様にしたがって調整することができる。
【0034】
上記の第1のカップリング導体セグメントおよび上記の第2のカップリング導体セグメントは、RF信号を同方向または互いに逆方向に伝送するように特化されていてよい。
【0035】
互いの相対的な伝播の方向を選択することによって、設計者はカップリングの程度を調整するためのさらなる自由度を得る。
【0036】
上記の第1のカップリング導体セグメントおよび上記の第2のカップリン導体セグメントが、カップリングされた差動信号ラインの1つのセグメントを構築することが可能である。
【0037】
たとえば、上記の2つの異なる導体セグメントを反対向きに設置することによって、反対向きに流れる電流が、互いに弱め合うかあるいはキャンセルし得る、逆極性の磁場および/または電場を生成し得る。こうして1つの差動ラインの動作を得ることができる。このような差動ラインを、TXグラウンド経路またはこのフィルタの出力ポートにおいて伝播するTX信号および電磁信号用に利用することにより、打消し効果が生成され、これはこのフィルタ回路の減衰量およびこれを用いたフィルタの電気特性を改善する。これを用いたデュプレクサは、改善された分離度を有する。
【0038】
上記の第1のカップリング導体セグメントおよび上記の第2のカップリング導体セグメントは、互いに逆方向で位相がずれた電流を伝送するために特化されていることが可能である。これらの導体セグメントの部位で伝播するRF信号の位相を選択することによって、設計者は、カップリングの程度の調整におけるさらなる自由度を得る。
【0039】
上記の電磁気カップリングは、その主成分として磁界カップリングを含み得る。
【0040】
一般的に電磁気カップリングは、電界成分および磁界成分を有する。上記の導体セグメントの詳細形状およびこれらの導体セグメントの間の距離およびこれらの間の材料の電磁気的特性を選択することによって、カップリングの強調を磁界的な面に置くかまたは電界的な面に置くことができる。こうして、カップリングの程度の調整における自由度のさらに高い度合を得ることができる。
【0041】
このようなRFフィルタ回路をこれに適合したRFフィルタに用いることができる。この結果1つのRFフィルタはこのようなRFフィルタ回路を備えてよい。
【0042】
さらに、1つのデュプレクサがこのような改善された減衰量を有するRFフィルタを備えることが可能である。こうしてこのRFフィルタの阻止帯域を受信帯域(RX)とすることが可能である。この受信帯域におけるRF信号の増大された減衰量は、このデュプレクサの分離度を増大する。
【0043】
上記のデュプレクサが、1つの送信フィルタ,1つの受信フィルタ,および1つのインピーダンスマッチング回路を有することが可能である。上記のフィルタ回路の第1の直列共振器は、この送信フィルタの1つの素子である。このインピーダンスマッチング回路は、この送信フィルタとこの受信フィルタとの間に接続されている。このようなデュプレクサが、この受信フィルタにおいて1つのDMSパターン(DMS=double mode SAW)を有することが可能である。
【0044】
特にもしこのようなフィルタが1つのデュプレクサに使用されるならば、TX入力信号およびグラウンド電流はアンテナで加算され(干渉し)、そしてこの受信フィルタの出力ポートで互いに相殺する。この結果デュプレクサの分離度が改善される。
【0045】
上記の導体セグメント(複数)の詳細形状に依存して、減衰量が改善されるように、互いに相殺する逆極性の磁界が得られ、この結果改善された分離度が得られる。
【0046】
直列共振器および並列共振器は、バスバー(複数)および電極フィンガ(複数)有する櫛歯電極(複数)を備えてよく、これらの櫛歯電極は、音響反射器(複数)の間の音響トラックに配設されている。しかしながら各々の共振器は、それぞれの音響トラックに2つ以上の電子音響トランスデューサを有する1つのマルチポート共振器(MPR)として実現されていてよい。
【0047】
さらに上記のフィルタ回路,上記のフィルタ,上記のデュプレクサ,そしてその基本的動作原理および好ましい実施形態が、これらに付随する概略図で詳細に説明されるが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】1つのラダー型構造を有する1つのフィルタ回路FCを示し、ここで1つの入力ポートは、グラウンドポートに電磁気的にカップリングされている。
図2】1つのデュプレクサを示し、ここで送信フィルタの入力ポートは、受信フィルタのバランス出力ポートの1つの出力端子に電磁気的にカップリングされている。
図3】1つのフィルタ接続形態の1つの可能なレイアウトおよび第2のカップリング導体セグメントに対する第1のカップリング導体セグメントの1つの可能な配置を示す。
図4】1つのチップが担体基板の上に配置された1つの可能な構成を示す。このチップおよびこの基板は、1つのRFフィルタFを構築する。
図5】もう1つの可能なレイアウトおよび第1のカップリング導体セグメントのもう1つの可能な配置を示す。
図6】1つのフィルタ部品の多層構造内における第1および第2のカップリング導体セグメントの物理的な実装を斜視図で示す。
図7】1つのフィルタ部品の物理的実装のもう1つの可能な実施形態を斜視図で示す。
図8】シミュレーションされたマトリックス要素S12,S13を示し、電磁気カップリングの異なる実施形態の影響を示している。
図9】シミュレーションされたマトリックス要素S13を示し、電磁気カップリングの異なる実施形態の影響を示している。
図10】1つのデュプレクサのシミュレーションされたマトリックス要素S12,S23を示し、電磁気カップリングの異なる実施形態の影響を示している。
図11】シミュレーションされた周波数依存のマトリックス要素S13を示し、電磁気カップリングの異なる実施形態の影響を示している。
【0049】
図1は、1つの基本例のフィルタ回路FCの等価回路図を示し、このフィルタ回路においては、1つの入力ポートと1つのグラウンド電位との間に電磁気カップリングが得られている。このフィルタ回路FCは、1つの信号経路を備え、この信号経路には、1つの第1の直列共振器S1,1つの第2の直列共振器S2,1つの第3の直列共振器S3が電磁気的に直列に接続されている。1つの第1の並列共振器P1は、1つの第1の並列分岐に接続されており、上記の信号経路をグラウンドGNDにシャント接続している。1つの第2の並列共振器P2は、1つの第2の並列分岐に接続されており、上記の信号経路SPをグラウンドGNDにシャント接続している。1つの第3の並列共振器P3は、1つの第3の並列分岐に接続されており、上記の信号経路SPをグラウンドGNDにシャント接続している。
【0050】
上記の第3の並列共振器P3が、2つの並列共振器から成ることが可能であり、この内1つの並列共振器は、従来の共振器であり、もう1つはMPR共振器である。
【0051】
入力ポートIPは、少なくとも1つの入力端子ITを備える。この入力端子ITから、複数の導体セグメントが、電磁気カップリングの領域まで続いている。この電磁気カップリングは、上記の入力ポートの上記の第1のカップリング導体セグメントCSS1と、この例ではグラウンドGNDへの導体セグメントとなっている、第2のカップリング導体セグメントCCS2との間に生じる。
【0052】
図1に示す等価回路図においては、出力ポートOPは、1つの単一の出力端子OTから成っている。しかしながら、上記の入力ポートIPでのバランスRF入力信号または上記の出力ポートOPでのバランス出力信号で動作する、1つのフィルタ回路SCも可能である。
【0053】
図2は、1つのデュプレクサDPXにおける改善された減衰量のための、カップリング導体セグメントの1つの可能な実装形態を示す。このデュプレクサDPXは、1つの送信フィルタTXおよび1つの受信フィルタRXを備える。この送信フィルタTXは、上述のフィルタ回路FCを有するRFフィルタであってよい。この送信フィルタTXは、3つの直列共振器S1,S2,S3,および3つの並列共振器を備える。この受信フィルタRXは、1つの第1の直列共振器S1と、1つの第2の直列共振器S2と、1つの第1の並列分岐における1つの第1の並列共振器P1と,1つの第2の分岐における1つの第2の並列共振器P2と、を備える。この受信フィルタRXは、さらに1つのDMSフィルタパターンDMSを備える。このDMSフィルタパターンDMSは、1つのバランス信号出力を有し、そしてバランス信号に適合した1つの出力ポートOPを提供する。こうしてこの出力ポートOPは、2つの出力端子を備える。この出力ポートOPの1つの出力端子OTは、上記の入力ポートIPの入力端子ITに電磁気的にカップリングされている。このため、上記の入力ポートIPに電磁気的に接続された第1のカップリング導体セグメントCCS1が、上記の第2のカップリング導体セグメントとなっている、上記の出力端子OTの導体セグメントの近傍に配設されている。
【0054】
上記の送信フィルタTXと上記の受信フィルタRXとの間には、1つのインピーダンスマッチング回路MCが配設されている。さらに、この送信フィルタTXとこのインピーダンスマッチング回路MCとの間には、1つのアンテナポートが配設されており、このアンテナポートは、1つのアンテナに接続されてよい。
【0055】
このようなデュプレクサは、複数の共振器,複数の導体セグメント,および1つのインピーダンスマッチング回路における複数の回路素子を備え、さらに上記の第1および第2のカップリング導体セグメントを介した電磁気カップリングのための複数の導体セグメントを提供し、この電磁気カップリングの設計は、簡単なものでなく注意深く行われる必要があり、またこのデュプレクサの他のそれぞれの構成要素の電磁気的および音響的特性に合わせ込まれる必要がある。
【0056】
図3は、1つのデュプレクサDPXの1つの可能なレイアウトを示す。直列共振器S1,S2,S3は、上記の入力ポートIPからアンテナポートAPに接続されたアンテナANTまでの送信信号の主要な伝播経路を画定する。受信フィルタは、1つの直列共振器、および2つの平行に並んだ音響トラックにおける2つのDMSパターンを備える。上記の第1,第2,および第3の直列共振器とは別に、上記の送信フィルタは、さらに5個までの並列共振器P1〜P5を備え、これらの内、たとえばP4およびP5は、1つのMPR共振器の異なる音響トラックを構築している。
【0057】
上記のデュプレクサDPXは、図3に太線で示す導体セグメント(複数)を備え、これらは上記の電磁気カップリングのために必要な導体セグメントを構成している。具体的には、1つの並列共振器すなわち1つの第3の並列共振器P3と、グラウンドとの間の、上記の導体セグメント(複数)は、上記の電磁気カップリングのために用いられる導体パターンを構成している。この結果、この共振器とグラウンドとの間の接続ラインは、1つのインダクタンス素子となる1つのコイル状パターンに配設することができる。上記の電磁気カップリングは、2つの平行に並んだ矢印で示されている。上記の導体セグメント(複数)で実現されているこのインダクタンス素子は、0.1〜0.5nHの範囲のインダクタンス、たとえば0.3nHのインダクタンスを有してよい。上記の第2のカップリング導体セグメントCCS2および上記の第1のカップリング導体セグメントにおいて伝播する信号の位相に依存して、上記の電磁気カップリングの場所での平行あるいは反平行の電流を調整することができる。これらの導体セグメントの1つまたは2つでの信号の位相は、これらのカップリング導体セグメントを含むそれぞれの導体セグメントの長さを調整することによって調整することができる。
【0058】
図3および図5に示すレイアウトの接続形態は、1つのチップ上の異なるレイヤに配設されている導体セグメント(複数)を備えている。特にもし導体セグメント(複数)が重なり領域を有するならば、1つの誘電体層がこれらの導体セグメントの間に配設されていてよい。
【0059】
図4は、1つのRFフィルタFを概略的に示し、ここでこのフィルタの構成要素は、1つのチップCHの表面内すなわち表面上に配設されている。このチップは、1つの担体基板CS上に配設されている。このチップCHおよびこの担体基板CSは、バンプ接続部(複数)BUを介して電気的および機械的に接続されていてよい。しかしながら、ボンディングワイヤ等の他の電気的接続部も可能である。
【0060】
上記の第1および第2のカップリング導体セグメントの場所は、上記のチップCH上かまたは上記の担体基板CS上に位置していてよい。
【0061】
図5は、1つのデュプレクサDPXの1つの可能なレイアウトを示し、ここで上記の第2のカップリング導体セグメントCCS2を含む導体セグメント(複数)は、上記の電磁気カップリングの場所においては、反平行の矢印で示されているように、反平行の磁界を生じる反平行の電流が設定されている。
【0062】
図6は、上記の第1のカップリング導体セグメントCCS1および上記の第2のカップリング導体セグメントCCS2を構築する導体セグメント(複数)の、1つのフィルタのレイヤ構造内の1つの可能な実装形態を示す。上記の第1のカップリング導体セグメントCCS1は、上記の入力ポートIPを構成する領域に直接接続されている。この第1のカップリング導体セグメントCCS1の近傍には、上記の第2のカップリング導体セグメントCCS2が配設されており、この第2のカップリング導体セグメントは、さらなる導体セグメント(複数)を介してグラウンドに接続されている。
【0063】
図7は、もう1つの可能な実施形態の斜視図を示し、ここでは上記の第1のカップリング導体セグメントCCS1は、受信フィルタの出力ポートにカップリングされている。この実施形態においては、出力ポートの上記の第2のカップリング導体セグメントCCS2を含む導体セグメント(複数)は、TXフィルタの入力ポートIPの近傍まで続いている。
【0064】
図8は、1つのデュプレクサの、周波数依存の行列要素S12(送信フィルタの入力ポートとアンテナポートとの間の挿入損失)および行列要素S23(アンテナポートと受信フィルタの出力ポートとの間の挿入損失)に対するシミュレーション結果を示す。このデュプレクサのこれらのフィルタは、2つの通過帯域を提供する。700〜740MHzの周波数を含む通過帯域は、送信帯域、すなわちこの送信フィルタの通過帯域を構成する。760〜790MHzの周波数を含む通過帯域は、受信帯域、すなわちこの受信フィルタの通過帯域を構成する。
【0065】
曲線IL1は、1つのデュプレクサの行列要素S12であり、ここでは上記の入力ポートは、並列共振器をグラウンドに接続している導体パターンに電磁気的にカップリングされており、0.3nHのインダクタンスを有している。曲線IL2は、上記の2つのカップリング導体セグメントにおいて同じ方向に電流が流れる、1つの実施形態のシミュレーションされた行列要素S12である。曲線IL3は、上記の2つのカップリング導体セグメントにおいて反対方向に電流が流れる、1つの実施形態のシミュレーションされた行列要素S12である。
【0066】
図9は、図8に示す挿入損失に対応する、このデュプレクサの計算された行列要素S13(分離度)を示す。曲線IS1は、このデュプレクサの行列要素S13であり、ここでは上記の第2のカップリング導体セグメントの導体セグメント(複数)は、0.3nHのインダクタンス素子を構成している。曲線IS2は、上記のカップリング導体セグメント(複数)における電流が同じ方向に流れている実施形態の行列要素S13であり、曲線IS3は、上記のカップリング導体セグメント(複数)における電流が反対方向に流れている実施形態の行列要素S13である。
【0067】
図10は、1つのデュプレクサの送信フィルタおよび受信フィルタに対するシミュレーションされた挿入損失を示す。曲線IL1は、1つの実施形態の行列要素S12であり、ここでは上記の2つのカップリング導体セグメントは、1つの差動信号ラインのセグメント(複数)を構成しており、ここでこれらのカップリング導体セグメントは、1つのDSSP(die sized SAW packaging)部品のパッケージ内に配設されている。曲線IL2は、1つの実施形態の行列要素S12であり、ここでは上記のカップリング導体セグメント(複数)は、1つの差動信号ラインの導体セグメント(複数)を構成しており、そしてこれらのカップリング導体セグメントは、上記の多層担体基板の1つの積層構造体内に配設されている。曲線IL3は、1つの実施形態の行列要素S12であり、ここでは上記の2つのカップリング導体セグメントは、1つの差動信号ラインの導体セグメント(複数)を構成しており、ここでこれらのカップリング導体セグメントは、送信フィルタと受信フィルタとの間で、これらのフィルタのフィルタチップ上に配設されている。
【0068】
図11は、図10に示す曲線のそれぞれに対応した、このデュプレクサの行列要素S13の対応する曲線を示す。曲線IS1は、行列要素S13であり、ここで上記のカップリング導体セグメント(複数)は、DSSP部品のパッケージ内に配設されている。曲線IS2は、1つの実施形態の行列要素S13であり、ここでこれらのセグメント(複数)は上記の担体基板の積層構造体における1つの差動信号ラインを構成している。曲線IS3は、行列要素S13であり、ここで上記の電磁気カップリングの領域は、上記のTXフィルタと上記のRXフィルタとの間で、このフィルタチップ上に配設されている。
【0069】
図8〜11により、設計者が1つのデュプレクサの電気的特性を外部条件に合わせ込むための複数の可能性を持ち得ることが明瞭となっている。
【0070】
上記のフィルタ回路も、上記のフィルタも、また上記のデュプレクサも、上述の説明および実施形態あるいは以上の図で示したものに限定されない。さらなるカップリング導体セグメント(複数)またはさらなる回路構成要素(複数)を備えるフィルタ回路,フィルタ,およびデュプレクサも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
ANT : アンテナ
AP : アンテナポート
BU : バンプ接続部
CCS1 : 第1のカップリング導体セグメント
CCS2 : 第2のカップリング導体セグメント
CH : チップ
DMS : 二重モードSAW
DPX : デュプレクサ
F : フィルタ
FC : フィルタ回路
GND : グラウンド
IE : インダクタンス素子
IL1,IL2、IL3 : 行列要素S12/挿入損失
IP : 入力ポート
IS1,IS2,IS3 : 行列要素S13/分離度
IT : 入力端子
OP : 出力ポート
OT : 出力端子
P1,P2,P3 : 並列共振器
P4,P5 : 並列共振器
RX : 受信フィルタ
Rxout : 受信フィルタの出力ポート
S1,S2,S3 : 直列共振器
SP : 信号経路
TX : 送信フィルタ
TXin : TXフィルタの入力ポート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11