(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明は、2D1G技術によってメイン画素領域とサブ画素領域のグレースケール値の設定問題を解決することのできる、液晶パネルのグレースケール値の設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の液晶パネルのグレースケール値の設定方法は、
複数
の画素単位からなる液晶パネルのグレースケール値の設定方法であって、
各
前記画素単位がメイン画素領域Mとサブ画素領域Sからなっていて、前記メイン画素領域Mとサブ画素領域Sの面積比はa:bであってかつa>bであり、
前記液晶パネルのグレースケール値の設定方法は、
手順S101において、前記液晶パネルの正視角度αにおける各グレースケール
値Gkの実際の輝度Lv(実)Tα(Gk)を取得し、
手順S102において、前記液晶パネルの斜視角度βにおける各グレースケール
値Gkの実際の輝度Lv(実)Tβ(Gk)を取得し、
前記正視角度αは0°であり、
前記斜視角度βは30〜80°であり、
手順S103において、前記メイン画素領域Mとサブ画素領域Sの面積比に基づいて、実際の輝度Lv(実)Tα(Gk)とLv(実)Tβ(Gk)を以下の関係式によって分け、
Lv(実)Mα(Gk):Lv(実)Sα(Gk)=a:b、
Lv(実)Mα(Gk)+Lv(実)Sα(Gk)=Lv(実)Tα(Gk)、
Lv(実)Mβ(Gk):Lv(実)Sβ(Gk)=a:b、
Lv(実)Mβ(Gk)+Lv(実)Sβ(Gk)=Lv(実)Tβ(Gk)、
正視角度αおよび斜視角度βのときの前記メイン画素領域Mの各グレースケール値Gkにおける実際の輝度Lv(実)Mα(Gk)、Lv(実)Mβ(Gk)をそれぞれ取得し、正視角度αおよび斜視角度βのときの前記サブ画素領域Sの各グレースケール値Gkにおける実際の輝度Lv(実)Sα(Gk)、Lv(実)Sβ(Gk)をそれぞれ取得し、
手順S104において、前記手順S101と前記手順S102とで取得した最高グレースケール値Gmaxでの実際の輝度Lv(実)Tα(Gmax)、Lv(実)Tβ(Gmax)と、
Gamma(γ)=2.2、
(Gk/Gmax)
γ=(Lv(理)Tα(Gk)/Lv(実)Tα(Gmax))、および、
(Gk/Gmax)
γ=(Lv(理)Tβ(Gk)/Lv(実)Tβ(Gmax))、の関係式と、
に基づいて、正視角度αおよび斜視角度βのときの前記液晶パネルの各グレースケール値Gkの理論輝度Lv(理)Tα(Gk)、Lv(理)Tβ(Gk)を算出し、
手順S105において、画素単位のグレースケール値Gkに対して、前記メイン画素
領域Mおよび前記サブ画素
領域Sのグレースケール値の組合せ(Gmk、Gsk)を以下の関係式によって決定することで、正視角度αと斜視角度βにおいて、実際の輝度と理論輝度との差の和ykが最小となるようにし、
Δ1k=Lv(実)Mα(Gmk)+Lv(実)Sα(Gsk)−Lv(理)
Tα(Gk)、
Δ2k=Lv(実)Mβ(Gmk)+Lv(実)Sβ(Gsk)−Lv(理)
Tβ(Gk)、
yk=Δ1k
2+Δ2k
2
このとき、Lv(理)Tα(Gk)およびLv(理)Tβ(Gk)を固定しておいて、{Lv(実)Mα(Gmk)}、{Lv(実)Sα(Gsk)}、{Lv(実)Mβ(Gmk)}および{Lv(実)Sβ(Gsk)}のすべての組み合わせを上記の式に代入して試算し、画素ユニットのグレースケール値Gkに対して、ykが最小値となるグレースケール値Gmk、Gskの組みを求め、
手順S106において、前記画素単位の各グレースケール
値Gkに対して、手順S105を繰り返し、全てのグレースケール値Gkにおいて前記メイン画素
領域Mおよび前記サブ画素
領域Sのグレースケール値の組合せ(Gmk、Gsk)を決定し、
前記画素単位のグレースケール値Gkに対して、前記手順S106で設定されたメイン画素
領域Mおよびサブ画素
領域Sのグレースケール値の組合せ(Gmk、Gsk)に基づいて前記メイン画素
領域Mおよび前記サブ画素
領域Sのそれぞれの表示制御を行う
ことを特徴とする。
【0006】
なお、kは序数であって、Gkはグレースケール値であり、kが0からmaxのときGkは0からGmaxであって、
メイン画素
領域M及びサブ画素
領域Sのグレースケール値をそれぞれGmk及びGskと表わし、
Lv(実)Mα(Gmk)は{Lv(実)Mα(Gk)}のなかから選択される一つの値であり、Lv(実)Sα(Gsk)は{Lv(実)Sα(Gk)}のなかから選択される一つの値であり、Lv(実)Mβ(Gmk)は{Lv(実)Mβ(Gk)}のなかから選択される一つの値であり、Lv(実)Sβ(Gsk)は{Lv(実)Sβ(Gk)}のなかから選択される一つの値である。
ただし、Lv(実)Mα(Gmk)とLv(実)Mβ(Gmk)とはGmkを共通の引数としているのでGmkの値が決まればLv(実)Mα(Gmk)とLv(実)Mβ(Gmk)の値は決まるし、同じく、Lv(実)Sα(Gsk)とLv(実)Sβ(Gsk)とはGskを共通の引数としているのでGskの値が決まればLv(実)Sα(Gsk)とLv(実)Sβ(Gsk)の値は決まる。
【0007】
本発明では、
前記斜視角度βは60°である
ことが好ましい。
【0008】
本発明では、
前記最高グレースケール値Gmaxは255グレースケールである
ことが好ましい。
【0009】
本発明では、
前記手順S101は、
前記液晶パネルの正視角度αにおけるgamma曲線を取得し、
前記gamma曲線に基づいて前記実際
の輝度Lv(実)Tα(Gk)を確定する
ことが好ましい。
【0010】
本発明では、
前記手順S102は、
前記液晶パネルの斜視角度βにおけるgamma曲線を取得し、
前記gamma曲線に基づいて前記実際
の輝度Lv(実)Tβ(Gk)を確定する
ことが好ましい。
【0011】
本発明では、
前記手順S106を終えた後、
前記画
素単位のグレースケール値Gkと前記メイン画素領域Mのグレースケール値Gmkの関係Gm−Lv曲線、及び、前記画素単位のグレースケール値Gkと前記サブ画素領域Sのグレースケール値Gskの関係Gs−Lv曲線を取得し、
前記Gm−Lv曲線とGs−Lv曲線に現れた特異点に対し、平滑化処理を行う
ことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明が提供する液晶ディスプレイは、各画素単位を面積が一様ではないメイン画素領域とサブ画素領域に分け、メイン画素領域とサブ画素領域に異なるデータ信号(異なるグレースケール値)を入力することによって、異なる表示輝度と斜視輝度が得られ、横または斜めに見た際に起こる色ずれの問題を少なくすることができる。そのうち、本考案の実施例が提供するグレースケール値の設定方法に基づいて、メイン画素領域とサブ画素領域のグレースケールを設定することによって、メイン画素領域とサブ画素領域が正視角と斜視角において取得したgamma曲線はどれもgammaに近くなり、色ずれの問題を少なくすることができると同時に好ましい表示効果を得ることができ、正視角の表示効果に明らかな変化がない限り、広い視野角における光漏れや色ずれの問題を改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の技術の特徴と構造を更に詳しく説明するため、以下に実施例及び図を添えて詳細する。
【0015】
図1は本実施例が提供する液晶ディスプレイの構造を示した図である。
図2は本実施例が提供する液晶パネルにおける画素単位の一部を示した図である。
図1と
図2を参照する。
本実施が提供する液晶ディスプレイは、向かい合わせに設置されたバックライトモジュール1及び液晶パネル2からなり、前記バックモジュール1は液晶パネル2に表示光源を提供することによって、液晶パネル2は映像を表示することができる。
そのうち、前記液晶パネル2は複数の画素単位20からなり、各画素単位20はメイン画素領域(Main pixel)Mとサブ画素領域(Sub pixel)Sからなる。
前記メイン画素領域Mとサブ画素領域Sの面積比はa:bである。
【0016】
図2において、画素単位20におけるメイン画素領域Mとサブ画素領域Sは、異なるデータラインDn、Dn+1と、同じゲートラインGnと、に接続され、データラインDn、Dn+1は、メイン画素領域Mとサブ画素領域Sにそれぞれ異なるグレースケール値のデータ信号を提供することによって、またゲートラインGnは、メイン画素領域Mとサブ画素領域Sにゲート信号を提供することによって、画素単位20におけるメイン画素領域Mとサブ画素領域Sは、同じゲート信号によって起動される。
【0017】
メイン画素領域とサブ画素領域に異なるデータ信号(異なるグレースケール値)を入力することによって、異なる正視輝度と斜視輝度が得られ、横または斜めに見た際に起こる色ずれの問題を少なくすることができる。
【0018】
本実施例が提供するグレースケール値の設定方法で、主に、メイン画素領域Mとサブ画素領域Sのグレースケール値をそれぞれ設定する。
図3のフローチャートに示す通り、前記の設定方法は以下の手順からなる。
【0019】
(a)、前記液晶パネルの正視角αにおける各グレースケール値Gkでの実際の輝度Lv(実)Tα(Gk)を取得する。
添字のkは序数であって、Gkはグレースケールの値である。
例えば、kが0〜255のとき、Gkの値は0〜255である。
【0020】
(b)、前記液晶パネルの斜視角βにおける各グレースケール値Gkの実際の輝度Lv(実)Tβ(Gk)を取得する。
【0021】
(c)、前記メイン画素領域Mの正視角αと斜視角βにおける各グレースケール値Gkの実際
の輝度Lv(実)Mα(Gk)とLv(実)Mβ(Gk)をそれぞれ取得する。
前記サブ画素領域Sの正視角αと斜視角βにおける各グレースケール値Gkの実際
の輝度Lv(実)Sα(Gk)とLv(実)Sβ(Gk)をそれぞれ取得する。
具体的には、前記メイン画素領域Mとサブ画素領域Sの面積比に基づいて、実際
の輝度Lv(実)Tα(Gk)とLv(実)Tβ(Gk)を分割し、メイン画素領域Mとサブ画素領域Sのグレースケール値Gkと実際
の輝度Lv(実)Mα(Gk)、Lv(実)Mβ(Gk)、Lv(実)Sα(Gk)とLv(実)Sβ(Gk)を得る。
以下の関係式によって分ける。
【0022】
Lv(実)Mα(Gk):Lv(実)Sα(Gk)=a:b、
Lv(実)Mα(Gk)+Lv(実)Sα(Gk)=Lv(実)Tα(Gk)、
Lv(実)Mβ(Gk):Lv(実)Sβ(Gk)=a:b、
Lv(実)Mβ(Gk)+Lv(実)Sβ(Gk)=Lv(実)Tβ(Gk)、
【0023】
(d)、手順(a)と(b)で取得した最高グレースケール値Gmaxの画素単位の実際
の輝度(Lv(実)Tα(Gmax)、Lv(実)Tβ(Gmax))に基づいて、各グレースケール値Gkでの理論輝度(Lv(理)Tα(Gk)、Lv(理)Tβ(Gk))を計算する。
例えば、画素単位の最高グレースケール値Gmaxでの実際
の輝度Lv(実)Tα(Gmax)とLv(実)Tβ(Gmax)に、
【0024】
Gamma(γ)=2.2、
(Gk/Gmax)
γ=(Lv(理)Tα(Gk)/Lv(実)Tα(Gmax))
(Gk/Gmax)
γ=(Lv(理)Tβ(Gk)/Lv(実)Tβ(Gmax))
を組合せて、正視角αと斜視角βとにおける各グレースケール値Gkでの理論輝度Lv(理)Tα(Gk)、Lv(理)Tβ(Gk)を算出する。
【0025】
(e)、ある画素単位のグレースケール値Gkに対して、メイン画素領域Mおよびサブ画素領域Sのグレースケール値の組み合わせ(Gmk、Gsk)を設定する。
メイン画素領域M及びサブ画素領域Sのグレースケール値をそれぞれGmk及びGskと表わすとする。
Gmk、Gskはグレースケール値であって、すなわち、Gmk、Gskは0−Gmaxのいずれかの値である。
ここで、i、jが{0・・・k・・・max}から選択された数(序数)であって、i≠jであるときにGmi=Gmjであったり、Gsi=Gsjであったりすることを許す。
このとき、正視角αにおいて、グレースケール値Gmkに対応するメイン画素領域Mの発光輝度を輝度Lv(実)Mα(Gmk)で表す。
正視角αにおいて、グレースケール値Gskに対応するサブ画素領域Sの発光輝度を輝度Lv(実)Sα(Gsk)で表す。
同じく、斜視角βにおいて、グレースケール値Gmkに対応するメイン画素領域Mの発光輝度を輝度Lv(実)Mβ(Gmk)で表す。
斜視角βにおいて、グレースケール値Gskに対応するサブ画素領域Sの発光輝度を輝度Lv(実)Sβ(Gsk)で表す。
そして、画素単位のグレースケール値Gkに対して、メイン画素領域Mおよびサブ画素領域Sのグレースケール値の組合せ(Gmk、Gsk)を以下の関係式によって設定することで、正視角αと斜視角βにおいて、実際の輝度と理論輝度との差の和が最小となるようにする。
手順(c)の結果から得られた実際の輝度Lv(実)Mα(Gk)、Lv(実)Mβ(Gk)、Lv(実)Sα(Gk)、Lv(実)Sβ(Gk)に基づき、かつ、手順(d)の結果から得られた理論輝度Lv(理)Tα(Gk)とLv(理)Tβ(Gk)に基づき、以下の関係式を計算する。
【0026】
ここで、例えば、Lv(実)Mα(Gk)は、{Lv(実)Mα(0)、Lv(実)Mα(1)、・・・・、Lv(実)Mα(255)・・・}であって、グレースケール値Gkに対応するメイン画素
領域Mの実際の発光輝度がLv(実)Mα(Gk)ということである。
この表記に倣って、例えば、次のように解釈されたい。
{Lv(実)Mα(Gmk)}は{Lv(実)Mα(Gk)}と同じであり、すなわち、Lv(実)Mα(Gmk)は{Lv(実)Mα(Gk)}のなかから選択される一つの値である。
{Lv(実)Sα(Gsk)}は{Lv(実)Sα(Gk)}と同じであり、すなわち、Lv(実)Sα(Gsk)は{Lv(実)Sα(Gk)}のなかから選択される一つの値である。
{Lv(実)Mβ(Gmk)}は{Lv(実)Mβ(Gk)}と同じであり、すなわち、Lv(実)Mβ(Gmk)は{Lv(実)Mβ(Gk)}のなかから選択される一つの値である。
{Lv(実)Sβ(Gsk)}は{Lv(実)Sβ(Gk)}と同じであり、すなわち、Lv(実)Sβ(Gsk)は{Lv(実)Sβ(Gk)}のなかから選択される一つの値である。
【0027】
Δ1k=Lv(実)Mα(Gmk)+Lv(実)Sα(Gsk)−Lv(理)Tα(Gk)、
Δ2k=Lv(実)Mβ(Gmk)+Lv(実)Sβ(Gsk)−Lv(理)Tβ(Gk)、
yk=Δ1k
2+Δ2k
2
【0028】
画素単位のグレースケール値Gkを決めれば、Lv(理)Tα(Gk)は決まる値である(手順(d)ですでに求まっている)。
同じくグレースケール値Gkを決めれば、Lv(理)Tβ(Gk)は決まる値である(手順(d)ですでに求まっている)。
Lv(理)Tα(Gk)およびLv(理)Tβ(Gk)を固定しておいて、{Lv(実)Mα(Gmk)}、{Lv(実)Sα(Gsk)}、{Lv(実)Mβ(Gmk)}、{Lv(実)Sβ(Gsk)}をすべての組み合わせで上記の式に代入して試算し、画素単位のグレースケール値Gkに対して、ykが最小値となるグレースケール値Gmk、Gskの組みを求める。
【0029】
(f)、画素単位の各グレースケール値Gkに対して、手順(e)を繰り返し行い、すべてのグレースケール値Gkに対してメイン画素領域Mとサブ画素領域Sのグレースケール値の組み(Gmk、Gsk)を求める。
【0030】
本実施例において、正視角αは0°であり、斜視角βは60°である。
別の実施例において、斜視角βは30〜80°の範囲内で選ぶことができる。
そのうち、正視角αとは液晶ディスプレイの正視角方向であり、斜視角βとは液晶ディスプレイに向かい合う正視方向に対して形成された角度である。
【0031】
本実施例において、前記液晶パネルのグレースケール値は、0から255までの256個のグレースケール値からなり、そのうち、最高グレースケール値Gmaxは255グレースケールである。
【0032】
以下より、メイン画素領域Mとサブ画素領域Sはa:b=2:1、正視角はα=0°、斜視角はβ=60°を具体的な例とする。
【0033】
まず、
図4に示すように、液晶パネルの正視角0°と斜視角60°におけるgamma曲線を取得する。
前記gamma曲線に基づいて、正視角0°と斜視角60°における各グレースケール値Gk(0〜255)の実際の輝度Lv(実)T0(Gk)及びLv(実)T60(Gk)を確定する。
【0034】
次に、メイン画素領域Mとサブ画素領域Sの面積比a:b=2:1によって、実際
の輝度Lv(実)T0(Gk)とLv(実)T60(Gk)を、
Lv(実)M0(Gk)、
Lv(実)S0(Gk)、
Lv(実)M60(Gk)、および、
Lv(実)S60(Gk)
に分ける。
【0035】
これにより、メイン画素領域Mの正視角0°と斜視角60°における各グレースケール値Gk(0〜255)の実際の輝度Lv(実)M0(Gk)及びLv(実)M60(Gk)を取得する。
また、サブ画素領域Sの正視角0°と斜視角60°における各グレースケール値Gk(0〜255)の実際の輝度Lv(実)S0(Gk)及びLv(実)S60(Gk)を取得する。
これにより、画素
単位のグレースケール値Gkに対するメイン画素
領域Mとサブ画素
領域Sの実際の輝度の対応関係を樹立する。
以下の関係式を満たすものとする。
【0036】
Lv(実)M0(Gk):Lv(実)S0(Gk)=2:1、
Lv(実)M0(Gk)+Lv(実)S0(Gk)=Lv(実)T0(Gk)、
Lv(実)M60(Gk):Lv(実)S60(Gk)=2:1、
Lv(実)M60(Gk)+Lv(実)S60(Gk)=Lv(実)T60(Gk)
【0037】
さらに、最高グレースケール値(255)の実際
の輝度Lv(実)T0(255)及びLv(実)T60(255)と、
Gamma(γ)=2.2、
(Gk/255)
γ=(Lv(理)T0(Gk)/Lv(実)T0(255))
(Gk/255)
γ=(Lv(理)T60(Gk)/Lv(実)T60(255))
に基づいて、前記液晶パネルの正視角0°と斜視角60°における各グレースケール値Gk(0−255)での理論輝度Lv(理)T0(Gk)及びLv(理)T60(Gk)(Gkは0〜255)を算出し、グレースケール値Gkと理論輝度Lv(理)T0(Gk)、Lv(理)T60(Gk)の対応関係を構築する。
【0038】
さらに、画素単位のグレースケール値Gk(Gkは0〜255のうちのどれか一つ)に対し、メイン画素領域Mとサブ画素領域Sのグレースケール値の組み合わせ(GmkとGsk)を設定する。
前記構築したメイン画素領域Mとサブ画素領域Sのグレースケール値Gkに対する実際
の輝度Lv(実)M0(Gk)、Lv(実)S0(Gk)、Lv(実)M60(Gk)、Lv(実)S60(Gk)の対応関係に基づいて、グレースケール値GmkおよびGskに対応する実際
の輝度Lv(実)M0(Gk)、Lv(実)M60(Gk)、Lv(実)S0(Gk)、Lv(実)S60(Gk)を取得することができ、前記構築したグレースケール値Gkと理論輝度Lv(理)T0(Gk)、Lv(理)T60(Gk)の対応関係に基づいて、グレースケール値Gkに対応する理論輝度Lv(理)T0(Gk)、Lv(理)T60(Gk)を取得することができる。以下の関係式を計算する。
【0039】
Δ1k=Lv(実)M0(Gmk)+Lv(実)S0(Gsk)−Lv(理)0(Gk)、
Δ2k=Lv(実)M60(Gmk)+Lv(実)S60(Gsk)−Lv(理)60(Gk)、
yk=Δ1k
2+Δ2k
2
【0040】
GmkとGskの取得値の組み合わせの試行を繰り返すことによって、GmkとGskの組み合わせが式中のykの最小値を与えるとき、そのグレースケール値GmkとGskは、画素単位がグレースケール値Gkのときにメイン画素領域Mとサブ画素領域Sにそれぞれ入力するグレースケール値Gmk、Gskとして設定する。
【0041】
最後に、画素単位の各グレースケール値Gk(0〜255)に対し、先ほどの手順を繰り返すと、全てのグレースケール値Gk(0〜255)においてメイン画素領域Mとサブ画素領域Sに入力されるグレースケール値Gmk、Gskを取得することができる。
【0042】
本発明の実施例において、メイン画素領域Mとサブ画素領域Sのグレースケール値の調整をすると、液晶パネルの正視角0°と斜視角60°におけるgamma曲線は、
図5のようになる。
メイン画素領域Mとサブ画素領域Sのグレースケール値を設定することによって、メイン画素領域Mとサブ画素領域Sの正視角と斜視角において、取得されたgamma曲線は、gamma(γ)=2.2に近づき、色ずれの問題を少なくすることができると同時に好ましい表示効果を得ることができ、正視角の表示効果に明らかな変化がない限り、広い視野角における光漏れや色ずれの問題を改善することができる。
【0043】
以上の手順で設定した後の、画素単位のグレースケール値Gkに対するメイン画素領域Mのグレースケール値Gmkの関係Gm−Lv曲線、及び画素単位のグレースケール値Gkに対するサブ画素領域Sのグレースケール値Gskの関係Gs−Lv曲線図を
図6に示す。
図6が示す関係曲線図において、157グレースケール値付近でグレースケール値の反転が生じているとともに、曲線上に特異な離散データ点が存在するが、これが液晶ディスプレイの表示品質に影響を与える。
この問題を改善するため、以下の方法を採用して関係曲線図にスムージング処理を行う。
【0044】
(1)局所重み付け散布図平滑化法(locally weighted scatter plot smoothing、LOWESSまたはLOESS)を採用してスムージング処理を行う。
LOWESS法は、移動平均法に似ており、指定された範囲の中で、全てその範囲の近くで重み付けを行う回帰によって各データ点が取得され、回帰方程式は線方程式または二次方程式を用いることができる。
指定された範囲内で、スムージングしようとするデータ点の両側のスムージングされたデータ点が等しければ、対称LOWESSといい、両側のデータ点が等しくなければ、非対称LOWESSと言う。
一般的に、LOWESSは以下の手順からなる。
【0045】
(a1)指定された範囲内の各データ点の最初の重みを計算する。
重み関数は、一般に数値間のユークリッド距離比の三次関数を表す。
【0046】
(b1)最初の重みによって回帰推定し、推定式の残差定義の落ち着いた重み関数によって、新たな重みを計算する。
【0047】
(c1)新たな重みを使って(b1)の手順を繰り返して重み関数を修正し、N回目の時に重みが収斂すると、多項式と重みに基づいて任意の点のスムース値を取得することができる。
【0048】
LOWESS法によってデータをスムージングしたキーパラメータは、範囲の広さの選択において、範囲が広すぎてスムース点がカバーされた過去のデータが多すぎると、最新の値の情報がスムース値に与える影響が少なくなり、反対に、範囲が狭すぎると、スムージング後のデータは平滑ではなくなる。
【0049】
図7は、本実施例における、LOWESS法により処理した後のグレースケール値Gkとグレースケール値GmkおよびGskとの関係曲線図である。
処理後の関係曲線は平滑で、最初の計算時に生じた誤差が修正され、液晶ディスプレイの表示品質が向上される。
【0050】
(2)べき関数を採用して近似処理する。グレースケール値の反転が生じるグレースケール値Gk(例えば本実施例における157グレースケール)のあとの曲線をフィッティングする。
そのうち、本実施例で採用したべき関数の表現式は、f=m*x^n
+Cである。
【0051】
図8と
図9は、べき関数をフィッティングする過程を示した図である。
そのうち
図8は、サブ画素領域Sのグレースケール値Gskを示すGs−Lv曲線にフィッティングした図であり、図における横座標は、グレースケール値の反転が始まるグレースケール値Gkを表し、縦座標は、サブ画素領域Sに対応するグレースケール値Gskを表し、曲線power1はフィッティングによって得られた曲線である。
図9は、メイン画素領域Mのグレースケール値Gmkを示すGm−Lv曲線にフィッティングした図であり、図における横座標は、グレースケール値の反転が始まるグレースケール値Gkを表し、縦座標は、メイン画素領域Mに対応するグレースケール値Gmkを表し、曲線power2はフィッティングによって得られた曲線である。
【0052】
本実施例において、べき関数によってフィッティングした後のグレースケール値Gkとグレースケール値GmkおよびGskの関係は
図10に示す通りであり、メイン画素領域MのGm−Lv曲線とサブ画素領域SのGs−Lv曲線からなる。
フィッティング後の関係曲線は平滑で、液晶ディスプレイの表示品質を向上させることができるとともにべき関数によってフィッティングする方法は簡単で、速く、正確である。
【0053】
要約すると、本発明の実施例が提供する液晶ディスプレイは、各画素単位を面積が一様ではないメイン画素領域とサブ画素領域に分け、メイン画素領域とサブ画素領域に異なるデータ信号(異なるグレースケール値)を入力することによって、異なる正視輝度と斜視輝度が得られ、横または斜めに見た際に起こる色ずれの問題を少なくすることができる。
そのうち、本発明の実施例が提供するグレースケール値の設定方法に基づいて、メイン画素領域とサブ画素領域のグレースケール値を設定することによって、正視角と斜視角において取得した曲線はどれも理論値に近くなり、色ずれの問題を少なくすることができると同時に好ましい表示効果を得ることができる。
【0054】
当然のことながら、本発明の保護範囲は、上述の具体的な実施方式に限定されず、本領域の技術者は、本発明の精神と範囲を逸脱しない範囲内で、本発明を変更または変形することができる。
このように、本発明のこれらの修正や変形は本発明の特許請求範囲及び同等の技術の範囲内に属し、本発明はこれらの変更や変化を含むものとする。