特許第6564488号(P6564488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6564488
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】半田付け装置、および半田付け方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/34 20060101AFI20190808BHJP
   B23K 3/00 20060101ALI20190808BHJP
   B23K 3/06 20060101ALN20190808BHJP
【FI】
   H05K3/34 505A
   H05K3/34 507M
   B23K3/00 310B
   !B23K3/06 K
【請求項の数】6
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-66639(P2018-66639)
(22)【出願日】2018年3月30日
【審査請求日】2018年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】397065767
【氏名又は名称】株式会社パラット
(74)【代理人】
【識別番号】100135781
【弁理士】
【氏名又は名称】西原 広徳
(72)【発明者】
【氏名】中 眞一郎
【審査官】 馬場 慎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平5−343842(JP,A)
【文献】 特開2009−200196(JP,A)
【文献】 特開2017−92222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/34
B23K 1/00
B23K 3/00 − 3/02
B23K 3/06
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導体と第2導体とを溶融半田によって半田付けする半田付け装置であって、
半田片を通過させて溶融位置まで供給する半田片供給通路を有するノズルと、
前記ノズルの前記半田片供給通路に対する前記半田片の供給を所望のタイミングで実行する半田片供給実行手段と、
前記ノズルを支持するヘッド部を移動させることによって前記第1導体および前記第2導体と前記ノズルとの近接離間方向の相対距離を変化させて前記第1導体に前記ノズルを当接または近接させる相対距離変化手段と、
前記ノズルの前記半田片供給通路内の前記半田片を加熱して溶融させる加熱手段とを備え、
前記半田片供給実行手段を装置本体側の前記ヘッド部に備え、
前記ノズルと前記加熱手段をノズルユニットに備えて、
前記ヘッド部に対して前記ノズルユニットを前記近接離間方向に移動可能に支持する移動可能支持手段を備え
前記相対距離変化手段は、
前記ノズルの先端が前記第1導体および前記第2導体の一方に当接する時の前記ヘッド部の位置よりもさらに前記ヘッド部を所定距離移動させて押し込む構成であり、
前記所定距離は、前記移動可能支持手段により前記ノズルユニットを前記ヘッド部に対して移動許容する距離よりも短く設定されており、
前記移動可能支持手段は、前記ヘッド部に対する前記ノズルユニットの前記近接離間方向への移動をガイドするガイド手段を有し、
前記ガイド手段は、前記ヘッド部が前記所定距離移動するときに前記第1導体および前記第2導体の一方に先端が当接した前記ノズルがそれ以上移動しないように前記ヘッド部に対して前記ノズルユニットが相対的にスライド移動可能にガイドする構成であり、
前記ノズルが前記加熱手段により加熱されて半田ごてとして機能し、前記ノズルの先端が前記第1導体および前記第2導体の一方に当接している状態で前記ノズルの半田片供給通路内にて前記半田片を溶融して半田付けする構成であり、
前記ヘッド部に設けられた前記半田片供給実行手段は、前記半田片の貯留/放出を実行し、前記ヘッド部と相対的にスライド移動可能な前記ノズルの前記半田片供給通路へ前記半田片を供給する構成である
半田付け装置。
【請求項2】
第1導体と第2導体とを溶融半田によって半田付けする半田付け装置であって、
半田片を通過させて溶融位置まで供給する半田片供給通路を有するノズルと、
前記ノズルの前記半田片供給通路に対する前記半田片の供給を所望のタイミングで実行する半田片供給実行手段と、
前記ノズルを支持するヘッド部を移動させることによって前記第1導体および前記第2導体と前記ノズルとの近接離間方向の相対距離を変化させて前記第1導体に前記ノズルを当接または近接させる相対距離変化手段と、
前記ノズルの前記半田片供給通路内の前記半田片を加熱して溶融させる加熱手段とを備え、
前記半田片供給実行手段を装置本体側の前記ヘッド部に備え、
前記ノズルと前記加熱手段をノズルユニットに備えて、
前記ヘッド部に対して前記ノズルユニットを前記近接離間方向に移動可能に支持する移動可能支持手段を備え、
前記相対距離変化手段は、
前記ノズルの先端が前記第1導体および前記第2導体の一方に当接する時の前記ヘッド部の位置よりもさらに前記ヘッド部を所定距離移動させて押し込む構成であり、
前記所定距離は、前記移動可能支持手段により前記ノズルユニットを前記ヘッド部に対して移動許容する距離よりも短く設定されており、
前記移動可能支持手段は、前記ヘッド部に対する前記ノズルユニットの前記近接離間方向への移動をガイドするガイド手段を有し、
前記ガイド手段は、前記ヘッド部が前記所定距離移動するときに前記第1導体および前記第2導体の一方に先端が当接した前記ノズルがそれ以上移動しないように前記ヘッド部に対して前記ノズルユニットが相対的にスライド移動可能にガイドする構成であり、
前記ノズルが前記加熱手段により加熱されて半田ごてとして機能し、前記ノズルの先端が前記第1導体および前記第2導体の一方に当接している状態で前記ノズルの半田片供給通路内にて前記半田片を溶融して半田付けする構成であり、
前記移動可能支持手段は、前記ノズルユニットの重心を中心として等距離かつ反対側に設けられている
請求項1記載の半田付け装置。
【請求項3】
前記移動可能支持手段は、前記ヘッド部に対する前記ノズルユニットの前記近接離間方向への移動を付勢する付勢手段とを有する
請求項1または2記載の半田付け装置。
【請求項4】
前記ノズルは、複数の前記半田片供給通路が通路幅方向へ整列して設けられ、
前記移動可能支持手段は、前記半田片供給通路の通路方向に見て前記半田片供給通路の整列方向の直線上とは異なる位置に配置されている
請求項1、2、または3記載の半田付け装置。
【請求項5】
前記ノズルユニットは、前記ヘッド部が移動していても前記ノズルの先端が前記第1導体および前記第2導体の一方に当接することにより移動停止する以外は、前記相対距離変化手段による前記ヘッド部の移動に伴って移動する構成である
請求項1から4のいずれか1つに記載の半田付け装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の半田付け装置により半田付けする半田付け方法であって、
前記ヘッド部を前記半田付け対象に近接させる方向へ移動させて前記ノズルを前記第1導体および前記第2導体の一方に当接させ、この当接位置よりもさらにヘッド部が移動する間は前記移動可能支持手段によって前記ノズルユニットと前記ヘッド部の距離が縮まりノズルが半田付け対象に付与する押圧力を軽減し、
前記第1導体および前記第2導体の一方に前記ノズルが当接している状態で前記ノズルの半田片供給通路内にて前記半田片を溶融して半田付けする
半田付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、プリント基板やモータ等の適宜の製品における第1導体(端子、ランド、リード線等)と第2導体(端子、ランド、リード線等)を半田付けする半田付け装置、および半田付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント基板に電子部品を機械的に半田付けする半田付け装置が提供されている。この半田付け装置には、半田の液面にプリント基板を接触させて半田付けするフロー半田付け法や、予めパターンに合わせてクリーム半田を基板に印刷しておきクリーム半田に熱を加えて溶かすことで半田付けするリフロー半田付け法等、様々な方式が提案されている。
【0003】
ここで、出願人は、半田ごてとして円筒形の半田ごてを用い、この半田ごて内にプリント基板のスルーホールに挿通された電子部品のピンを挿入し、内部で半田を溶かして半田付けする方式の半田付け装置を開発し、提供している(特許文献1参照)。
【0004】
そして、半田ごてが搭載されたヘッドユニットを、下降させる際にフローティング状態とするフローティングユニットも開発し提供している(特許文献2参照)。このフローティングユニットにより、基板に対する半田ごての押し付け力を一定にすることを実現している。
【0005】
しかしながら、半田付け時の条件が様々である多種類の半田付け対象に対して良好に半田付けされるためには、さらなる改良が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−120869号公報
【特許文献2】特許第5884973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上述の問題に鑑みて、半田付け時に半田付け対象への押しつけ力を小さくできる半田付け装置および半田付け方法を提供し、不良品の発生を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、第1導体と第2導体とを溶融半田によって半田付けする半田付け装置であって、半田片を通過させて溶融位置まで供給する半田片供給通路を有するノズルと、前記ノズルの前記半田片供給通路に対する前記半田片の供給を所望のタイミングで実行する半田片供給実行手段と、前記ノズルを支持するヘッド部を移動させることによって前記第1導体および前記第2導体と前記ノズルとの近接離間方向の相対距離を変化させて前記第1導体に前記ノズルを当接または近接させる相対距離変化手段と、前記ノズルの前記半田片供給通路内の前記半田片を加熱して溶融させる加熱手段とを備え、前記半田片供給実行手段を装置本体側の前記ヘッド部に備え、前記ノズルと前記加熱手段をノズルユニットに備えて、前記ヘッド部に対して前記ノズルユニットを前記近接離間方向に移動可能に支持する移動可能支持手段を備え、前記相対距離変化手段は、前記ノズルの先端が前記第1導体および前記第2導体の一方に当接する時の前記ヘッド部の位置よりもさらに前記ヘッド部を所定距離移動させて押し込む構成であり、前記所定距離は、前記移動可能支持手段により前記ノズルユニットを前記ヘッド部に対して移動許容する距離よりも短く設定されており、前記移動可能支持手段は、前記ヘッド部に対する前記ノズルユニットの前記近接離間方向への移動をガイドするガイド手段を有し、前記ガイド手段は、前記ヘッド部が前記所定距離移動するときに前記第1導体および前記第2導体の一方に先端が当接した前記ノズルがそれ以上移動しないように前記ヘッド部に対して前記ノズルユニットが相対的にスライド移動可能にガイドする構成であり、前記ノズルが前記加熱手段により加熱されて半田ごてとして機能し、前記ノズルの先端が前記第1導体および前記第2導体の一方に当接している状態で前記ノズルの半田片供給通路内にて前記半田片を溶融して半田付けする構成であり、前記ヘッド部に設けられた前記半田片供給実行手段は、前記半田片の貯留/放出を実行し、前記ヘッド部と相対的にスライド移動可能な前記ノズルの前記半田片供給通路へ前記半田片を供給する構成である半田付け装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明により、半田付け時に半田付け対象への押しつけ力を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】半田付け装置の右側面図。
図2】半田付け装置の正面図。
図3】半田付け装置の駆動系および制御系の構成を示すブロック図。
図4】糸半田切断機構部の構成を説明する説明図。
図5】半田片の切断からノズルへの供給までの動作の説明図。
図6】ヘッド部とノズルユニットの構成を説明する縦断面図。
図7】ヘッド部とノズルユニットの構成を説明する縦断面図。
図8】ノズルとヒータの構成を説明する説明図。
図9】実施例2のヒータユニットとベースの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の一実施形態を図面と共に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1および図2は、半田付け装置1の外観構成の説明図であり、図1は右側面図、図2は正面図である。
【0013】
図1に示すように、半田付け装置1は、半田付け対象であるプリント基板Pのスルーホールに半田付けを行うノズル60(半田ごて)を有するヘッド部3と、ヘッド部3が固定されていると共に糸半田2を搭載しているヘッド固定部5と、ヘッド固定部5およびノズル60を半田付け対象に近接/離間させる方向(図1の上下方向)に移動させる近接離間方向移動ユニット6(相対距離変化手段)と、近接離間方向移動ユニット6およびノズル60をプリント基板Pが搬送される搬送方向(図1の奥行方向,図2の左右方向)に移動させる搬送方向移動ユニット7と、搬送方向移動ユニット7およびノズル60を搬送方向移動ユニット7の搬送幅方向(図1の左右方向,図2の前後方向)に移動させる搬送幅方向移動ユニット8と、を有している。
【0014】
ヘッド固定部5の上部には、リールに巻かれた糸半田2が設けられている。この糸半田2は、φ0.3〜φ2.0mmを用いることができ、φ0.6〜φ1.6mmのものを用いることが好ましい。
【0015】
ヘッド部3の下部には、ノズル60が設けられ、ノズル60にはヒータ51(加熱手段)が接続されている。
搬送幅方向移動ユニット8の上面は、プリント基板Pを搬送する搬送路9の上面とほぼ同じ高さに構成されている。
【0016】
ヘッド部3の可動範囲は、搬送幅方向移動ユニット8の上方に位置する待機位置(図1に示すP1の位置)と、プリント基板Pに対して半田付けを行う半田付け領域E1,E2(図1のE1と図2のE2で囲まれる領域)とになる。ヘッド部3は、これらの待機位置、及び半田付け領域のどの位置であっても近接離間方向移動ユニット6によって移動される。
【0017】
この構成により、半田付け装置1は、待機時にはノズル60を待機ポジションP1の高さおよび位置に待機しておき、半田付け工程を実行するときは半田付け領域E1,E2内で待機ポジションP1よりも低い(半田付け対象に近い)半田付けポジションP2の高さにて半田付けを行う。
【0018】
図3は、半田付け装置1の駆動系および制御系の構成を示すブロック図である。半田付け装置1は、搬送幅方向移動ユニット8(図1参照)に固定されて搬送路9(図1参照)へ向かって真っすぐ伸びるY方向(搬送幅方向,図2の奥行方向)の搬送ガイド7fと、ステッピングモータ等の駆動機構部7eによりY方向の搬送ガイド7fに沿って移動するX方向(搬送方向,図2の左右方向)の搬送ガイド7cが設けられている。この駆動機構部7eおよびY方向の搬送ガイド7fは、搬送幅方向移動ユニット8(図1参照)内に収納されている。X方向の搬送ガイド7cは、搬送路9の搬送方向(X方向)へ向かって真っすぐ伸びている。
【0019】
X方向の搬送ガイド7cの上部には、X方向の搬送ガイド7cに沿ってX方向に移動する移動体7aと、この移動体7aをX方向の搬送ガイド7cに沿ってX方向へ移動させるステッピングモータ等で構成された駆動機構部7bが設けられている。この移動体7a、駆動機構部7b、およびX方向の搬送ガイド7cは、搬送方向移動ユニット7(図1参照)内に収納されている。この移動体7a、駆動機構部7b、X方向の搬送ガイド7c、駆動機構部7e、およびY方向の搬送ガイド7fは、作業させたい任意の位置へノズル60およびヘッド部3を移動させるノズル位置移動手段として機能する。
【0020】
移動体7aには、ノズル60がスルーホールに近接/離間する方向に伸びるZ方向(高さ方向)の搬送ガイド5cが設けられている。この搬送ガイド5cには、Z方向に移動するヘッド固定部支持部5a、およびステッピングモータ等で構成される駆動機構部5bが設けられている。ヘッド固定部支持部5a、駆動機構部5b、および搬送ガイド5cは、ノズル60を半田付け対象に近接/離間させる方向へ移動させる近接離間方向移動手段として機能し、近接離間方向移動ユニット6(図1参照)内に収納されている。ヘッド固定部支持部5aには、ヘッド固定部5が固定されており、このヘッド固定部5にヘッド部3が固定されている。
【0021】
このように構成されたY方向の搬送ガイド7fとX方向の搬送ガイド7c、および駆動機構部7b,7eがノズル位置移動手段として機能することにより、ノズル60およびヘッド部3の位置を半田付けする任意の位置へ移動させることができる。また、Z方向の搬送ガイド5cおよび駆動機構部5bが近接離間方向移動手段として機能することにより、ノズル60を半田付け対象に近接させる方向へ移動させてノズル60の孔(後述の半田片誘導通路63)内に半田付けするピンを挿通しノズル60の先端をランドに当接させ、半田付け後に離間させることができる。また、Z方向の搬送ガイド5cおよび駆動機構部5bにより、ノズルステーション(図示省略)で交換用のノズル60またはヒータ51に近接する方向へ移動させ、ノズル60またはヒータ51を交換した後に離間させることができる。
【0022】
ヘッド部3は、ヘッド固定部5に固定され、糸半田2(図1参照)を挿通する糸半田供給ガイド16と、糸半田供給ガイド16内の糸半田をローラで挟み込んで送り出す糸半田送り出し機構部17(糸半田を先端から繰り出す糸半田繰出手段)が設けられ、その下方(後段)に糸半田切断機構部40を備えている。
【0023】
この糸半田切断機構部40は、ステッピングモータ等により構成される回転機構部19(半田片収納体移動手段,相対移動手段)により移動可能に構成されており、糸半田供給ガイド16に供給されてきた糸半田2(図1参照)を回転機構部19の制御に従って先端から設定長さの位置で切断して半田片を作成する。
【0024】
糸半田切断機構部40の下方位置(後段位置)には、ノズル60が固定されたノズルユニット80がヘッド部3に対して上下動可能(近接離間方向へ移動可能)に装着されている。
【0025】
また、これらの構成要素を駆動するべく、各要素は制御部21によって制御される。制御部21には、駆動機構部5b、駆動機構部7b、駆動機構部7e、糸半田送り出し機構部17、回転機構部19、ヒータユニット密着確認センサ22、温度センサ23、着脱用エアシリンダ24、カメラ25、及び記憶部26が接続されている。
【0026】
カメラ25は、半田付け対象となるプリント基板のスルーホールおよびピンの位置等を確認して位置決めする際、および、半田付アカメが発生した場合等の半田付け異常を検出する際等に用いられる。
【0027】
記憶部26は、プリント基板等の半田付け対象ワークの画像と、この半田付け対象ワークに使用するツール(ノズル60、若しくはヒータ51)を関連づけた半田付け対象ワーク別ツールデータ、現在装着しているツールの種類、現在装着しているツールの使用回数および使用時間等のデータを記憶している。
【0028】
図4は、糸半田切断機構部40の構成を説明する説明図であり、図4(A)は糸半田切断機構部40の分解斜視図、図4(B)は糸半田切断機構部40の縦断面図を示す。
【0029】
糸半田切断機構部40は、下方へ繰り出されてきた糸半田2aを通過させる通路を有する糸半田供給ガイド16(図3参照)と、切断した半田片2bを複数収納する半田片収納体44と、半田片収納体44を移動させる回転機構部19(図3参照)により構成されている。また、半田片収納体44には、収納された半田片2bの貯留/放出を制御するシャッタ36(半田片供給実行手段)と、シャッタ36を付勢する付勢体35(付勢手段)とが設けられている。また、半田片収納体44とは分離して、シャッタ36を解放操作するシャッタ操作部49(シャッタ移動規制体)が設けられている。なお、半田片収納体44と、回転機構部19と、シャッタ36と、シャッタ操作部49は、半田片2bをノズル60(図3参照)の孔(後述の半田片誘導通路63)に供給する半田片供給手段として機能する。
【0030】
糸半田供給ガイド16(図3参照)は、金属部材によって円筒形に形成されており、内側の孔(通路)に糸半田2aを長手方向へ通過させる。また、糸半田供給ガイド16は、糸半田2aの通過方向と直角の方向(糸半田2aの半径方向)へは移動しないように固定されている。
【0031】
付勢体35は、適宜のバネで構成することができ、この実施例では金属製の鶴巻ばねにて構成されている。
【0032】
シャッタ36は、L字型に屈曲させた金属板により構成されており、L字の底面部が水平状態(近接離間方向に垂直な状態)の貯留/放出制御板部38であり、L字の鉛直面部が付勢体35に押圧される押圧操作部37である。貯留/放出制御板部38は、一直線に等間隔で複数の解放孔38a(貫通孔または貫通溝)が設けられている。この実施例では解放孔38aは4つ設けられている。この解放孔38aの隣接部分(解放孔38aと解放孔38aの間部分を含む)は、半田片2bの落下を防止する閉鎖部として機能する。なお、シャッタ36に複数の解放孔38aを設けているが、これに限らず、複数の解放溝を設けて、シャッタ36の貯留/放出制御板部38が平面視櫛状に見える構成としてもよい。この場合も同じ機能を確保できる。
【0033】
半田片収納体44は、横長の立方体形状のブロック部43の下面に当該ブロック部43の短手方向の幅よりも幅広で長手方向に同じ長さのガイド部48が一体形成されている。ガイド部48には、長手方向に貫通するシャッタ挿入孔47が設けられている。このシャッタ挿入孔47は、高さと幅がシャッタ36の貯留/放出制御板部38の高さと幅よりわずかに大きく形成され、シャッタ36がブレなくスムーズに長手方向へスライド移動できるように構成されている。ブロック部43とガイド部48には、上下方向(近接離間方向)に貫通する半田片収納部45が一直線に等間隔で複数設けられている。この実施例では4つ設けられており、シャッタ36の解放孔38aと同じ大きさで同じ間隔で設けられている。
【0034】
なお、シャッタ36の解放孔38aは、半田片収納部45よりも大きく形成されてもよい。これにより、確実に開放状態のときに半田片2bを落下させることができる。また、半田片収納部45は、孔によって形成されているが、これに限らず、複数部材で周囲を囲まれて半田片2bを囲み内に収容できる囲み形状とするなど、半田片2bを落下可能に収納する適宜の形状とすることができる。
【0035】
半田片収納体44の長手方向の一端上部には、半田片収納体44の長手方向に長いガイド板42の一端が連結されている。ガイド板42の他端には、ネジ止め用の孔41が設けられ、係止板32がネジ31によって孔41にネジ止めされている。
【0036】
係止板32は、上部にネジ41を挿通するネジ孔33が設けられている。係止板32のネジ孔33より下方部分には、シャッタ36の押圧操作部37に対向する押圧対抗面34が設けられている。この押圧対抗面34に付勢体35の一端が当接し、シャッタ36の押圧操作部37に付勢体35の他端が当接することで、押圧対抗面34から押圧操作部37までの距離よりも長く伸びた状態が通常状態である付勢体35は、押圧対抗面34と押圧操作部37が離れる方向へ付勢する。これによって、シャッタ36は、押圧操作部37が半田片収納体44の一端面に当接した状態に維持される。このとき、図4(B)に示すように、半田片収納体44の半田片収納部45とシャッタ36の解放孔38aは位置がずれており、半田片収納体44の半田片収納部45がシャッタ36の貯留/放出制御板部38で閉じられた状態となっている。従って、半田片収納部45に存在する半田片2bは、シャッタ36の貯留/放出制御板部38によって下方へ落下しないように貯留されている。
【0037】
半田片収納体44のガイド板42と反対側には、半田片収納体44から離間した位置に半田片収納体44とは独立してシャッタ操作部49が設けられている。このシャッタ操作部49は、シャッタ36の貯留/放出制御板部38の押圧操作部37とは逆側の端面に対向して配置されている。従って、回転機構部19(図3参照)の回転駆動によって半田片収納体44がシャッタ36と共にシャッタ操作部49側へ移動されていくと、シャッタ36の端面がシャッタ操作部49に当接する。そして、回転機構部19(図3参照)の回転駆動によって半田片収納体44がさらに移動されると、シャッタ操作部49によってシャッタ36がそれ以上移動しないために半田片収納体44とシャッタ36の相対位置が変化していき、半田片収納体44の半田片収納部45とシャッタ36の解放孔38aの位置が同じ位置になって解放状態となり、半田片2bが下方へ落下する。
【0038】
半田片収納体44と糸半田供給ガイド16(図3参照)は、互いの対向面が当接して配置され、供給される糸半田2aの半径方向へ相対的に移動できるように構成されている。この実施では、糸半田供給ガイド16が固定され、半田片収納体44が糸半田2aの半径方向へスライド移動できる。従って、糸半田供給ガイド16から繰り出された糸半田2aの一部が半田片収納体44の半田片収納部45に供給されている状態で、半田片収納体44を糸半田2aの半径方向に移動させると、糸半田2aは、半田片収納体44と糸半田供給ガイド16の相対移動によって半田片収納体44と糸半田供給ガイド16の互いの当接面で切断される。従って、半田片収納体44と糸半田供給ガイド16が半田片2bを切断する半田片切断手段となる。切断された半田片2bは、半田片収納体44の半田片収納部45に収納される。
【0039】
また、半田片収納体44の上面と糸半田供給ガイド16(図3参照)の下面、シャッタ36の貯留/放出制御板部38は、全て半田片収納体44の移動方向と平行(特にこの実施例では水平方向)に構成されている。また、半田片収納部45の長手方向(半田片通過方向)とノズル60(図3参照)の半田片誘導通路63(半田片供給通路,図6参照)の長手方向(半田片通過方向)は、全て半田片収納体44の移動方向と垂直(特にこの実施例では鉛直方向)に構成されている。
【0040】
図5は、半田片収納体44によって糸半田2(図1参照)を切断して半田片2bを複数貯留し、その後にシャッタ36を開状態にして複数の半田片2bを落下させる動作を断面図により説明する説明図である。この動作は、制御部21(図3参照)が糸半田送り出し機構部17(図3参照)および回転機構部19(図3参照)の駆動を制御して実行される。
【0041】
図5(A)の断面図に示すように、回転機構部19(図3参照)の回転駆動によって、半田片収納体44は、シャッタ操作部49に最も近い半田片収納部45が糸半田供給ガイド16(図3参照)の下方位置で一直線に連通する状態で停止する。この状態で、巻かれていた糸半田2(図1参照)の先端側から引き出されて棒状となっている糸半田2aが糸半田送り出し機構部17(図3参照)によって送り出され、図5(B)に示すように糸半田2aの先端が半田片収納部45内に収納される。そして、半田片収納体44と糸半田供給ガイド16の対向面部(接触面部)から糸半田2aの先端までの長さが必要な半田片2bの長さとなる状態まで糸半田2aを繰り出すと、糸半田送り出し機構部17(図3参照)は糸半田2aの供給(繰り出し)を停止する。
【0042】
この状態で回転機構部19(図3参照)の回転駆動によって、半田片収納体44をスライド移動させると、半田片収納体44と糸半田供給ガイド16(図3参照)の対向面部(接触面部)によって糸半田2aが切断されて半田片2bとなり、図5(C)に示すように半田片2bが半田片収納部45に収納(貯留)される。図5(C)は、この切断を半田片収納部45の数だけ(必要な数だけ)繰り返して切断完了した状態を示している。このときの半田片収納体44をスライド移動させる距離は、隣接する半田片収納部45の互いの中心間の距離と同一である。したがって、糸半田供給ガイド16の直下には、その前に対応していた半田片収納部45の隣の半田片収納部45が位置することとなる。
【0043】
回転機構部19(図3参照)の回転駆動によって半田片収納体44をスライド移動させると、図5(D)に示すようにシャッタ36の先端がシャッタ操作部49に当接して押圧され、付勢体35が縮み、半田片収納体44の半田片収納部45とシャッタ36の解放孔38aが全て連通して複数の半田片2bが一斉に落下して下方の糸半田切断機構部40に複数設けられた半田片収納部45へ1対1対応で一斉に供給される。
【0044】
図6は、ヘッド部3とノズルユニット80の構成を説明する縦断面図である。
ヘッド部3の下方位置には、略水平な板状である固定板72が設けられ、この固定版72に上下方向(近接離間方向)に一直線の円筒形の押圧抑制ガイド71(ガイド手段)が固定されている。
【0045】
押圧抑制ガイド71は、孔の内径が糸半田供給ガイド16の孔の内径よりも十分に大きく、この押圧抑制ガイド71の孔内に円柱形のスライドロッド81(ガイド手段)が挿入されている。
【0046】
スライドロッド81は、外形サイズが押圧抑制ガイド71の孔の内径よりもわずかに小さく形成され、押圧抑制ガイド71の孔内でガタツキなくスムーズに長手方向へスライド移動できるように構成されている。
【0047】
この押圧抑制ガイド71とスライドロッド81は、図6の奥行方向へ2つずつ平行に配置されており、ノズルユニット80がヘッド部3に対して回転せずに移動可能に支持される移動可能支持手段(ガイド手段)として機能する。
【0048】
なお、押圧抑制ガイド71に対するスライドロッド81の移動方向と、半田片収納体44の半田片収納部45による半田片2bのノズル60への供給方向と、近接離間方向移動ユニット6によりヘッド部3を移動させる近接離間方向とは、全て平行になるように構成されている。これにより、スムーズで安定した動作を実現できる。
【0049】
スライドロッド81の上端には、外周サイズが大きく押圧抑制ガイド71の孔を通過しない係止部81aが設けられている。この係止部81aにより、スライドロッド81が押圧抑制ガイド71から下方へ抜け出ることを防止している。スライドロッド81の下部には、ノズルユニット80のベース83が固定されている。
【0050】
糸半田供給ガイド16は、図5(D)に示したように、糸半田切断機構部40の半田片収納部45と一対一対応で一直線に連通するように構成されている。この糸半田供給ガイド16の内径は、半田片2bの1つの外径よりも太く、かつ、半田片2bの直径の2倍よりは細く形成されている。これにより、半田片2bが二本横並びになることがなく、かつ、確実に半田片2bが通過できるようにしている。
【0051】
ノズルユニット80は、ベース83の上面におけるスライドロッド81周辺にバネ82(付勢手段)の一端が固定されている。このバネ82の他端は、押圧抑制ガイド71の下端に固定されている。
【0052】
これにより、ヘッド部3が下降してノズルユニット80がランドRに当接し、それ以降ノズルユニット80がヘッド部3側へ移動するに際して、バネ82が弾性力にノズルユニット80をランドRへ向かって付勢することとなる。
【0053】
ベース83は、上部に平板部83aが設けられており、この平板部83aを上下方向に貫通する孔83bが設けられている。この孔83bは、糸半田切断機構部40の下方位置に設けられており、糸半田切断機構部40が孔83b内を上下動できるように構成されている。
【0054】
平板部83aの一側方(図示左側)には、上述したスライドロッド81の下部が固定されており、他の側方(図示右側)には、下方へ伸びる固定用支持板83dが設けられている。この固定用支持板83dと、ベース83のスライドロッド81側との間に、支持板84a,84bを介してノズル60が固定されている。
【0055】
ノズル60は、図示左右が支持板84a,84bによって挟まれている。すなわち、図示左側は、支持板84aを介在してベース83のスライドロッド81側へ押圧されてり、図示右側は、支持板84bを介在して押圧固定体85により押圧されている。これにより、ノズル60は、位置ズレすることなくしっかりと固定されている。固定されたノズル60は、半田片誘導通路63が糸半田切断機構部40の半田片収納部45の直下位置に位置するように固定される。
【0056】
図6に示す通常状態のとき、糸半田切断機構部40の下端からノズル60の上端までの距離Lは、ヒータ51による熱によって半田片2bが溶融することがないだけ確保されている。具体的には、連続運転等で長時間運用しても、ヒータ51からの熱等で糸半田切断機構部40の半田片収納部45内の半田片2bを支えるシャッタ36が50℃未満となるように構成されている。
【0057】
このように構成されたヘッド部3とノズルユニット80により、ノズルユニット80がヘッド部3に対して容易に上下にスライド移動でき、かつ、ノズルユニット80をヘッド部3から離間する方向、すなわち半田付け対象となるランドRを押圧する方向へバネ82によって付勢することができる。
【0058】
従って、ヘッド部3およびノズルユニット80が下降し、ノズルユニット80のノズル60の先端が半田付け対象のランドに接触すると、それ以降はノズルユニット80は下降せず、ヘッド部3のみ下降して、バネ82が縮む状況となる。このとき、バネ82が伸びようとする付勢力によって、ノズル60の先端がランドRに確実に押し付けられる。
【0059】
図7は、このヘッド部3のみ下降した状態を示す断面図である。図示するように、バネ82が縮み、スライドロッド81の上端の係止部81aが押圧抑制ガイド71の上端よりも上方へ離れていて、糸半田切断機構部40の下端からノズルユニット80のノズル60の上面までの距離Lが縮まっている。このため、糸半田切断機構部40の半田片収納部45からノズル60の半田片誘導通路63への半田片2bの受け渡しがスムーズに行われる。
【0060】
図8は、ノズル60とヒータ51の構成を説明する説明図であり、図8(A)は分解斜視図、図8(B)は斜視図、図8(C)は縦断面図を示す。
ノズル60は、第1ノズル部材61aと第2ノズル部材61bの2つの部材を重ね合わせて(当接させて)形成され、その外側に第1ヒータ固定部材65aと第2ヒータ固定部材65bとが重ね合わせられている。第1ノズル部材61aと第2ノズル部材61bは、いずれもセラミックにより形成されている。
【0061】
第1ノズル部材61aは、一部材として一体形成された直方体形状の一面(第2ノズル部材61bとの対向面61x)に鉛直方向(近接離間方向)に一直線の半田片誘導溝63aが複数平行に形成されている。また、第1ノズル部材61aは、半田片誘導溝63aが設けられた面の隣となる側面に、固定溝62aが設けられている。
【0062】
第2ノズル部材61bは、外形が第1ノズル部材61aと同じ形状で同じ大きさの直方体に形成されている。すなわち、第2ノズル部材61bは、第1ノズル部材61aとの対向面61yが、半田片誘導溝63aのない平面であり、第1ノズル部材61aと当接する面の大きさおよび形状が同じようになるように形成されている。また、第2ノズル部材61bは、第1ノズル部材61aとの対向面の隣となる側面に、固定溝62bが設けられている。この固定溝62bの位置および深さは、第1ノズル部材61aの固定溝62aと同一に形成されている。
【0063】
第1ヒータ固定部材65aおよび第2ヒータ固定部材65bは、第1ノズル部材61aおよび第2ノズル部材61bとの各対向面に近い位置で、複数の半田片誘導溝63aが並べられた並び方向に貫通するヒータ用貫通孔67a,67bが設けられている。このヒータ用貫通孔67a,67bには、ヒータ51の加熱部52がそれぞれ挿入される。図示の例では、ヒータ用貫通孔67bの一方の開口からヒータ51の各加熱部52がそれぞれ挿入されている。なお、図8(A)ではヒータ51を1つだけ図示しているが、ヒータ用貫通孔67a,67bの数だけ、つまり図の例であれば2つのヒータ51が図8(B)に示すようにそれぞれ1つずつ各ヒータ用貫通孔67a,67bに挿入されている。
【0064】
また、第2ヒータ固定部材65bは、第2ノズル部材61bとの対向面と反対側の面の中央に孔68が設けられ、この孔68に熱電対57が挿入されている。熱電対57は、温度センサ23(図3参照)として機能し、ノズル60の温度を測定する。
【0065】
これらがすべて組み合わせされると、図8(B)に示すように、第1ノズル部材61aと第2ノズル部材61bの対向面同士が隙間なく当接され、第1ノズル部材61aの半田片誘導溝63a(図8(A)参照)と、第2ノズル部材61bの対向面61yのうち半田片誘導溝63aと対向している部分とで半田片2bを端子Tに当接させる位置まで誘導する半田片誘導通路63が形成される。この半田片誘導通路63は、鉛直方向(近接離間方向)に一直線で、かつ、複数(この実施例では4つ)が平行で等間隔に配置されている。
【0066】
各半田片誘導通路63(および半田片誘導溝63a)は、半田片収納体44(図5参照)の半田片収納部45と同じ大きさで同じ間隔に形成されている。
【0067】
従って、図5(D)に示したように糸半田切断機構部40から一斉に(ほぼ同時に)落下する半田片2bは、その下方位置にて半田片収納部45と少し隙間を空けて連通するように配置されたノズル60の半田片誘導通路63に、図8(C)に示すように一斉に(ほぼ同時に)供給される。
【0068】
半田付けをするとき、ノズル60は、下端がプリント基板PのランドRに接触する位置まで下げられており、この位置にて上述した半田片2bの供給を受ける。このとき、半田片2bは、プリント基板Pの電子部品Cの端子Tの先端(若しくはどこかの端部)に接触して停止する。図示の例では端子Tの上に半田片2bが乗った状態で停止する。
【0069】
そして、ノズル60の半田片誘導通路63に供給された半田片2bは、ヒータ51の加熱部52からの熱をうけて溶融する。このとき、加熱部52の熱が半田片2bから端子Tに伝達され、この伝達熱によって端子Tも徐々に加熱されていく。また、ランドRについては、ノズル60から直接熱を受け、端子Tよりも先に加熱されている。
【0070】
そうして、半田片2bが溶融温度に達すると、半田片2bが溶融するが、まだ端子Tの上に略球状となって載った状態となる。この間も端子Tを伝達熱で加熱する。そして、さらに端子Tの加熱が進むと、半田片2bが溶融した複数(4つ)の溶融半田が端子Tに沿って流れ出し、複数(4つ)の端子T(第2導体)とランドR(第1導体)を一斉に(同時に)半付けして電気的に接続する。その後、ノズル60を上方へ移動させて離間させ、溶融半田が冷えて固化することで、複数箇所の半田付けが一斉に(同時に)完了する。
この半田付けの動作について、以下に詳細に説明する。
【0071】
<半田付けの動作>
図8(C)の断面図に示すように、半田付けの母材として、ランドRが形成されたプリント基板Pに、当該プリント基板Pのスルーホールにプリント基板Pの表面側から裏面側(図8(C)では下面側から上面側)に向けて電子部品Cの端子Tが挿入されたものが準備されている。
【0072】
<位置合わせ工程>
制御部21は、Y方向の搬送ガイド7fとX方向の搬送ガイド7c、および駆動機構部7b,7eにより、ノズル60の複数の半田片誘導通路63の位置をXY平面上で移動させて半田付けする複数のランドRに対向させる。このときの位置は、プリント基板Pの裏面側のランドRの中心と半田片誘導通路63の中心がほぼ一致する位置とする、または、端子Tの先端中心と半田片誘導通路63の中心がほぼ一致する位置とする。
【0073】
<半田片切断収納工程>
制御部21は、糸半田送り出し機構部17によって半田片収納体44内の1つの半田片収納部45に糸半田2aを必要長さまで供給し、回転機構部19を駆動させて半田片収納体44を移動させ、糸半田切断機構部40(糸半田切断手段)により糸半田2をカットして半田片2bを得て半田片収納部45に収納する。このとき、シャッタ36は閉鎖状態(半田片2bを収容状態で停止させる停止状態)となっているため、半田片収納部45から半田片2bが落下することは無い。この動作を繰り返すことで、全ての半田片収納部45に1つずつ必要長さの半田片2bを収納する。
【0074】
なお、この半田片切断収納工程は、前記ノズル近接工程よりも前に実行する、あるいは、ノズル近接工程と並行して実行するなど、適宜のタイミングとすることができる。
【0075】
<ノズル近接工程>
制御部21は、駆動機構部5bにより搬送ガイド5cに沿ってフローティング状態のヘッド部3をランドRとの近接方向へ移動させて、ノズル60の先端面(図示下端面)をプリント基板Pの裏面側のランドRの表面に当接させる。
【0076】
このとき、ヘッド部3をランドRへ向かって近接方向へ移動させる距離は、ノズル60の先端がランドRに当接する距離よりも所定距離だけ長く設定されている。
【0077】
この所定距離は、図6に示したように自然状態での糸半田切断機構部40に対するノズル60の位置から、図7に示したようにノズルユニット80がヘッド部3に対して相対移動して最も間が縮んだ状態の糸半田切断機構部40に対するノズル60の位置までの移動距離よりも短く、かつ、半田付け対象であるプリント基板PのランドRの位置の製造誤差のある高さ(距離)よりも長く設定されている。
【0078】
これにより、ノズル60がランドRに当接した位置よりもヘッド部3をさらに移動させ押し込んでも、ノズルユニット80はそれ以上移動せずにヘッド部3によるプリント基板Pへの押圧力が弱められる。そして、このときにバネ82の付勢力が働くことで、ノズルユニット80がプリント基板PのランドRに確実に押し当てられる。
【0079】
また、ノズル60がランドRに当接し、この当接したときの位置よりもヘッド部3が沈み込んだ位置で停止したとき、糸半田切断機構部40とノズル60の間の距離は、半田片2bの長さよりも短く設定されることが好ましく、半田片2bの長さの4分の3よりも短く設定されることがより好ましく、半田片2bの長さの半分よりも短く設定されることがさらに好ましい。
【0080】
このように設定することで、糸半田切断機構部40の半田片収納部45からノズル60の半田片誘導通路63へ供給される半田片2bが、その間の受け渡し部分で半田片誘導通路63と異なる方向へ向かうこと(つまり斜めになってしまうこと)を半田片収納部45によってある程度規制でき、半田片誘導通路63に半田片2bが入らないことを防止できる。
【0081】
しかも、半田片誘導通路63の糸半田切断機構部40側が末広がりに形成されているため、半田片2bの先端位置が少々ブレても、その末広がり部分内に収まって半田片誘導通路63内に誘導される。
【0082】
こうして、ノズル60の先端がランドRに確実に当接し、ノズル60の半田片誘導通路63の内側に端子Tの先端が挿入された状態となる。
このとき、端子Tはノズル60の半田片誘導通路63の内壁から等距離だけ離れており、端子Tとノズル60が非接触で離間した状態が保たれている。これにより、ノズル60から端子Tに直接熱が伝達されることを防止しており、端子Tは、輻射熱伝達および対流熱伝達により徐々に加熱される。一方で、プリント基板PのランドRは、接触するノズル60からの直接の熱伝導と、対流熱伝達による伝熱で急速に加熱される。
【0083】
<半田片供給工程>
制御部21は、回転機構部19を駆動させて半田片収納体44をさらに移動させ、シャッタ36がシャッタ操作部49に当接して押圧されるまで移動させる。これにより、シャッタ36の複数の解放孔38aが複数の半田片収納部45とそれぞれ連通し、複数の半田片2bが一斉に落下し、ノズル60の複数の半田片誘導通路63に1つずつ供給される。上方から落下するように供給された半田片2bは、半田片誘導通路63を通過中に予熱され、端部が端子Tに当接して当接位置で停止し、位置および落下が規制される。このとき、半田片誘導通路63の内壁は、半田片2bが端子Tの先端の上で垂直または斜めに立っている状態から落下しないように規制する落下規制部として機能する。
【0084】
<溶融工程>
当接位置(溶融位置)に案内された溶融前の半田片2bは、その位置から落下することなく、端子Tと反対側の端部などの少なくとも一部が、ヒータ51の加熱部52の近くに位置して半田片誘導通路63の内壁に当接する。このため、当接位置にある溶融前の複数の半田片2bは、半田片誘導通路63の内壁に当接した半田片2bの一端部、両端部、又は側部を介した熱伝導により一斉に溶融される。なお、この半田片2bの溶融のとき、ノズル60と接触しての直接熱伝導に加えて、ノズル60からの輻射熱伝達、および、ノズル60内を対流する熱風による対流熱伝達などの間接熱伝導も行われる。
【0085】
複数の半田片2bは、溶融すると表面張力によりそれぞれ丸まって略球状になろうとするが、ノズル60の半田片誘導通路63の内壁と端子Tの先端に規制されるため真球になれず、端子Tの先端に接触している状態(端子Tの上に載っている状態)で溶融前の棒状の半田片2bより太く短い形状に変形する。この形状は、短い円柱の両端が球面になった形状となっている。
【0086】
こうして溶融すると、ノズル60から複数の半田片2bに熱が伝わり、さらに、複数の半田片2bから複数の端子Tにそれぞれ熱が伝わることで、複数の端子Tは以前にも増して急速に加熱される。この加熱中、溶融した半田片2bは端子Tに接触した状態、すなわち端子Tの上に載った状態で半田片供給方向(下方向)へ移動せずに停止している。尚、半田片2bが溶融するのは、217℃以上である。
【0087】
溶融した半田片2bを介して適正温度にまで端子Tが加熱されると、溶融した複数の半田片2bは、ぬれ始め、端子Tの先端から端子Tの側面を伝って一斉に流れ出す。ここで、溶融しはじめてから流れ出す前の半田片2bは、位置が停止したままで熱の影響等によって形状が変化し続けていても良い。そして、端子Tの側面を伝って流れ出した溶融した半田片2bは、裏面側のランドRに広がり、さらに、毛細管現象により、端子Tの側面とスルーホールに面するランドRとの隙間にも流入する。そして、表面側のランドRにも広がっていく。
【0088】
<ノズル離間工程>
その後、制御部21は、駆動機構部5bにより搬送ガイド5cに沿ってフローティング状態のヘッド部3をランドRとの離間する方向へ移動させ、ノズル60の先端面をプリント基板Pの裏面側のランドRの表面から離隔する。これにより、ランドR、端子T、及び溶融した半田片2bは急速に冷却され、溶融した半田片2bが固化して半田付け動作は終了する。
【0089】
溶融した半田片2bのこのような動きにより、複数の端子Tは複数のランドRにそれぞれ確実に半田付けされる。こうして一斉に(ほぼ同時に)半田付けされた複数箇所の半田の仕上がり外観は美しく、バックフィレット形状も綺麗に形成される。
【0090】
以上の構成及び動作により、半田付け時のノズル60のプリント基板Pへの押しつけ力を小さくできる。すなわち、ヘッド部3全体でプリント基板Pを押圧するのではなく、ノズルユニット80のみがプリント基板Pを押圧し、それ以上ヘッド部3が押圧方向へ移動してもノズルユニット80は押圧方向に移動しないことで、プリント基板Pへの押圧力が小さくなる。
【0091】
さらに、バネ82によってノズルユニット80がノズル60へ向かって付勢されているため、プリント基板PのランドRにノズル60の先端をしっかり当接させることができる。
【0092】
従って、ノズル60を半田付け対象であるランドRにしっかりと押し当ててノズル60からランドRへの熱伝達を向上でき、かつ、ノズル60が過度にランドRを押圧してプリント基板P内に残留応力が発生して半田付け部の劣化が生じる不具合を防止できる。
これにより、半田付け不良を防止でき、半田付けした製品の歩留まりを向上させることができる。
【0093】
また、ノズル60を当接させた後に、シャッタ36を開状態にして半田片誘導通路63内に糸半田2bを供給するため、糸半田切断機構部40の半田片収納部45とノズル60の半田片誘導通路63との隙間が最大限短くなった状態で半田片2bを供給できる。従って、半田片2bが糸半田切断機構部40とノズル60の間で詰まることを防止できる。
【0094】
また、半田片誘導通路63の糸半田切断機構部40の半田片収納部45側が末広がりに形成されているため、半田片2bの先端位置が少々ブレても半田片誘導通路63内に半田片2bを確実に供給することができる。
【0095】
また、半田付け前は、半田片2bを保持している糸半田切断機構部40およびシャッタ36が、ヒータ51およびこのヒータ51により加熱されているノズル60から十分離間しているため、シャッタ36の上の半田片2bがヒータ51からの熱によって半田片収納部45内で溶融することを防止できる。
【0096】
また、糸半田切断機構部40がノズル50およびヒータ51に近づいている時間は、ノズル60がランドRに当接して半田付けをし、ノズル60がランドRから離間するまでの短時間のみであるから、糸半田切断機構部40およびシャッタ36に熱が蓄積されることも防止できる。
【0097】
また、移動可能支持手段として機能する押圧抑制ガイド71とスライドロッド81とバネ82は、ノズル60の複数の半田片誘導通路63の整列方向の直線上とは異なる位置に設けられているため、複数の半田片2bを一斉に供給する動作を妨げないことができる。
【0098】
特に、この配置によって押圧抑制ガイド71とスライドロッド81とバネ82は糸半田切断機構部40の移動方向上に存在しないため、半田片の切断機構と移動可能支持手段を両方搭載しつつ全体をコンパクトに製造することができる。
【0099】
また、複数の半田付け対象を短時間で半田付け完了できる。上述した実施例では、4つの半田片2bを順次切断し、一斉に4ヶ所の半田付けを実施できるため、1か所ずつ半田付けするよりも非常に短時間で半田付け完了できる。
【0100】
また、半田片2bの切断のみ1つずつ切断していくが、それ以外のノズル60の近接離間動作、複数の半田片2bの溶融と半田付け動作については、1つずつ半田付けする場合と同じ時間でできるため、この同じ時間でノズル60の半田片誘導通路63の数の半田片2bについて一斉に実施して時間短縮を行える。
【0101】
また、制御部21により回転機構部19の駆動を制御するだけで、糸半田2aから半田片2bを切断して各半田片収納部45に収納し、シャッタ36をシャッタ操作部49で解放状態として収納した複数の半田片2bをノズル60の半田片誘導通路63に一斉に供給できる。従って、小型かつ軽量な構造で、無駄なく短時間に複数の半田片の切断から複数の半田片の一斉供給までを実施できる。
【0102】
また、回転機構部19の動作を制御部21で制御することにより、ノズル60の複数の半田片誘導通路63を全て使って同時に複数の半田付けをするのか、あるいは一部の半田片誘導通路63を使って1か所もしくは複数箇所の半田付けをするのかといったことを容易に制御できる。
【0103】
また、複数の半田片誘導通路63のうちどの半田片誘導通路63に半田片2bを収納するかは、制御部21が、半田片収納体44を移動させる距離と、糸半田送り出し機構部17による糸半田2aの送り出しタイミングを制御することで、自由に制御することができる。従って、1つのプリント基板Pに多数の半田付け箇所がある場合に、この部分は複数同時に半田付けを実行し、別のこの部分は1か所ずつ半田付けするといったことが可能となる。
【実施例2】
【0104】
図8は、実施例2のノズルユニット180の構成を説明する説明図であり、図8(A)は斜視図、図8(B)はノズルユニット180とベース183の平面図を示す。
【0105】
ノズルユニット180は、ノズル60がヒータユニット150に固定されて構成されている。
ヒータユニット150は、平面視が略正方形で平面視の一辺の長さより高さ方向の長さが短い四角柱形状の第1ケーシング155と、第1ケーシング155と同一形状で第1ケーシング155の下方に重ねられた第2ケーシング156を備えている。
【0106】
第1ケーシング155および第2ケーシング156には、中心に上下方向(近接離間方向)に貫通する孔155aがそれぞれ設けられ、この孔155a内にノズル160が固定されている。
【0107】
第1ケーシング155の一側面とその反対側の側面には、水平方向(近接離間方向と直角の方向)に真っ直ぐ伸びる溝155b,155bが対称に設けられ、この溝155b,155bにヒータ153,153の加熱部154,154が対称にそれぞれ固定されている。この加熱部154,154により、ノズル160を周囲の対向する二か所から挟み込むようにして加熱することができる。ヒータ153は、電圧制御により加熱するヒータであり、予め定められた温度でノズル160を加熱し続ける。
【0108】
第2ケーシング156の一側面とその反対側の側面には、水平方向(近接離間方向と直角の方向)に真っ直ぐ伸びる溝156b,156bが対称に設けられ、この溝156b,156bにヒータ151,151の加熱部152,152が対称にそれぞれ固定されている。この加熱部152,152により、ノズル160を周囲の対向する二か所から挟み込むようにして加熱することができる。
【0109】
また、第2ケーシング156における溝156b,156bが設けられていない一側面には、外部から内側の孔156aまで貫通するセンサ用孔156cが設けられ、このセンサ用孔156cに熱電対157(センサ)が挿入されている。熱電対157の先端は、ノズル160に接触している。
【0110】
ヒータ151はPID制御によって加熱温度を変動させながらノズル160を加熱する。具体的には、熱電対157を用いて温度センサ23(図3参照)が検知したノズル160の温度に基づき、制御部21(図3参照)がヒータ151の加熱温度を変化させ、所望の温度よりもノズル160の温度が大きく下がっていれば熱量を増加させて加熱を促進し、ノズル160の温度が所望の温度に近付くにつれて熱量を減少させて緩やかに加熱する。
【0111】
ノズル160は、円柱形で軸方向に複数の貫通孔が形成され、この貫通孔が半田片誘導通路163,163を形成する。この実施例では、一直線の2つの半田片誘導通路163,163が中心から等距離だけ離間させて平行に形成されている。ノズル160は、半田付けの温度に耐えられる耐熱性のある材料で形成され、この実施例ではセラミックにより形成されている。また、各半田片誘導通路163は、前記加熱部152,154の長手方向と平行となる方向に配列され、半田片収納体44(図5参照)の半田片収納部45と同じ大きさで同じ間隔に形成されている。なお、図5に示した半田片収容体44は4つの半田片収納部45を備えていたが、この実施例2では2つの半田片収納部45を備える構成にすると良い。
【0112】
図9(B)の平面図に示すように、ヒータユニット180は、ヘッド部に固定されているベース183の下方に図示省略するケーシングによって固定されている。ベース183は、ノズル160の上方位置に孔183bが設けられている。この孔183bを通じて、実施例1で説明した半田片収容体44がノズル160に対して近接離間できるように構成されている。
【0113】
ベース183には、2つのスライドロッド81の下端が固定されている。このスライドロッド81は、ノズル160の半田片誘導通路163の整列方向の直線上とは異なる位置に配置されている。図示の例では、半田片誘導通路163の整列方向と直角の方向に、半田片誘導通路163から等距離だけ離れて配置されている。
【0114】
ベース183の上方には、実施例1の糸半田切断機構部40の半田片収納部45を2つに減らした半田片収納部145を有する糸半田切断機構部140が設けられている。この糸半田切断機構部140は、矢印Yに示すように、ノズル160の半田片誘導通路163の整列方向に移動し、半田片2bを切断収容した後に、半田片収納部145に半田片2bを供給する。
【0115】
この実施例2では、ノズル160の上方位置まで移動させた糸半田切断機構部140のシャッタ(図示省略)を開状態へ移動させることで、ノズル160の半田片誘導通路163へ半田片2bを直接供給する。
【0116】
その他の構成は、実施例1と同一であるので、その詳細な説明を省略する。
この実施例2も、実施例1と同じ作用効果を奏することができる。
さらに、2つのスライドロッド181を結ぶ直線の中心にノズルユニット180の重心が位置するように構成されているため、非常にスムーズにノズルユニット180が近接離間方向に移動することができる。
【0117】
また、2つの半田片誘導通路163の整列方向の直線上には押圧抑制ガイド71、スライドロッド181、およびバネ182が配置されていないため、これらが半田切断機構部40の切断用の移動を阻害しない。これにより、装置全体を小型化することができる。
【0118】
なお、この発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、様々な実施形態とすることができる。
【0119】
例えば、半田片収納体44の半田片収納部45とシャッタ36の解放孔38aとノズル60の半田片誘導通路63は、全て同じ間隔で一列に配置したが、これに限らず、配置間隔を変更する、1列ではなく複数列にするなど、適宜の構成とすることができる。これにより、半田付け対象の配置間隔に合わせて一斉に半田付けができるとともに、複数列にした場合には複数ずつ半田片2bを切断してより多くの半田片2bを一斉に半田付けすることができる。
【0120】
また、ノズル60の形状と半田片誘導通路63の数や形状は半田付け対象に合わせて様々構成とすることができ、これに合わせて半田片収納体44の半田片収納部45とシャッタ36の形状を形成することで、様々な半田付け対象に対して複数箇所に一斉に半田付けすることができる。
【0121】
また、半田片収納体44は、一面に一直線の溝を複数平行に配置した2つの部材を互いの溝が対向するように合わせて、この溝が半田片収納部45を形成するように構成してもよい。この場合、2つの部材の対向面は当接していることが好ましいが、半田片2bの厚みよりも小さい隙間だけ離間させて構成してもよい。この場合も半田片2bを半田片収納部45に収納し、シャッタ36を動作させて半田片2bを一斉に落下させることができる。
【0122】
また、ノズル60は、第1ノズル部材61aと第2ノズル部材61bを当接させて構成させたが、半田片2bの厚みよりも小さい隙間だけ離間させて構成してもよい。この場合も、半田片誘導通路63にて半田片2bを端子Tに当接するまで誘導し、端子Tに当接して停止している半田片2bを端子Tの上で溶融して半田付けすることができる。
【0123】
なお、第1ノズル部材61aと第2ノズル部材61bを当接させていた場合は、半田ボールやフラックスが半田片収納部45から外部へ放出されることをより防止できる効果が得られる。
【0124】
また、ノズル60の半田片誘導通路63は、断面四角の孔としたが、断面正方形、断面長方形、断面円形、断面楕円形、断面半円形など、適宜の形状の孔とすることができる。この場合、第1ノズル部材61aと第2ノズル部材61b(図にない)の両方に半田片誘導溝63aを設けて重ね合わせたときにこれらの適宜の形状の孔となるように構成してもよい。
【0125】
また、ノズル60の各半田片誘導通路63から第1ノズル部材61aと第2ノズル部材61bの一方または両方に水平方向に伸びる側孔をそれぞれ設け、半田付け時に半田片誘導通路63内で発生するヒュームを外部へ排出する構成としてもよい。この場合、この側孔は、半田片誘導通路63内で端子Tに当接する半田片2bの上端よりも上方に設けることが好ましい。これにより、半田ボールやフラックス等が側孔からノズル60の外へ飛散することを防止できる。
【0126】
また、半田付け対象である第1導体と第2導体は、プリント基板Pの端子TとランドRに限らず、例えば、モータの端子とリード線とする、プリント基板の配線上に寝かした状態で置いた端子と当該配線とする、など、適宜の半田付け対象とすることができる。これらの場合も同様にノズルを第1導体に近接または当接させた状態で第1導体と第2導体を半田付けして電気的に接続することができる。
【0127】
また、ノズルユニット80をヘッド部3の下方に設けることに限らず、ヘッド部3の側方や前方に突出させたアーム等によってヘッド部3の側方や前方にてノズルユニット60が上下方向へ伸縮可能に支持する構成であってもよい。この場合、半田片収容体44もヘッド部3の側方や前方でノズル60の上方位置に設けると良い。この場合も同様の作用効果を奏することができる。
【0128】
また、半田切断機構部40を備えず、予め切断された半田片2bを1つずつ繰り出す構成としてもよい。この場合も、糸半田供給ガイド16とノズル60の間の距離Lを半田付け時に縮め、ノズル60がランドRに当接して糸半田供給ガイド16とノズル60の間の距離Lが短くなった状態で糸半田供給ガイド16からノズル60の半田片誘導通路63に1つずつ供給し、良好に半田付けを行うことができる。
【0129】
また、バネ82は、ノズルユニット80がヘッド部3から離間する方向へ付勢する構成としたが、これとは逆に、ノズルユニット80をバネ82で吊り下げてノズルユニット80をヘッド部3へ向かって付勢する構成としてもよい。この場合も、ノズル60がランドRに当接する際の衝撃とその後の押圧力を軽減できる。特に、ノズルユニット80が本来自重によってプリント基板Pに与える衝撃と押圧力よりも軽減することができる。
【0130】
また、ノズル60,160の半田片誘導通路63,163は、複数ではなく1つであってもよい。この場合も、実施例1,2と同様の作用効果を奏することができる。
【産業上の利用可能性】
【0131】
この発明は、生産設備で半田付けを実行するような産業に利用することができる。
【符号の説明】
【0132】
1…半田付け装置
2b…半田片
3…ヘッド部
6…近接離間方向移動ユニット
40,140…糸半田切断機構部
45,145…半田片収納部
51,151…ヒータ
60,160…ノズル
63,163…半田片誘導通路
71,171…押圧抑制ガイド
82…バネ
80,180…ノズルユニット
81,181…スライドロッド
R…ランド
T…端子
【要約】
【課題】半田付け時に半田付け対象への押しつけ力を小さくできる半田付け装置および半田付け方法を提供する。
【解決手段】半田片2bを通過させて溶融位置まで供給する半田片供給通路63を有するノズル60と、ノズル60の半田片供給通路63に対する半田片2bの供給を所望のタイミングで実行する糸半田切断機構部40およびシャッタ36と、端子TおよびランドRとノズル60との近接離間方向の相対距離を変化させてランドRにノズル60を当接または近接させる近接離間方向移動ユニット6と、ノズル60の半田片供給通路63内の半田片2bを加熱して溶融させるヒータ51とを備え、糸半田切断機構部40およびシャッタ36を装置本体側のヘッド部3に備え、ノズル60とヒータ51をノズルユニット80に備えて、ヘッド部3に対してノズルユニット80を近接離間方向に移動可能に支持する押圧抑制ガイド71とスライドロッド81を備えた。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9