特許第6564504号(P6564504)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564504
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】商品データ処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20190808BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20190808BHJP
   G06Q 50/12 20120101ALI20190808BHJP
【FI】
   G07G1/12 361D
   G07G1/12 361C
   G07G1/01 301C
   G06Q50/12
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-145289(P2018-145289)
(22)【出願日】2018年8月1日
(62)【分割の表示】特願2017-142919(P2017-142919)の分割
【原出願日】2013年7月12日
(65)【公開番号】特開2018-198077(P2018-198077A)
(43)【公開日】2018年12月13日
【審査請求日】2018年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 謙次
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−339126(JP,A)
【文献】 特開平6−84069(JP,A)
【文献】 特開2012−181752(JP,A)
【文献】 特開2001−101291(JP,A)
【文献】 特開2004−326239(JP,A)
【文献】 特開平4−74300(JP,A)
【文献】 米国特許第5235509(US,A)
【文献】 特開2003−256937(JP,A)
【文献】 特開平2−266494(JP,A)
【文献】 特開平1−124093(JP,A)
【文献】 特開平10−21471(JP,A)
【文献】 特開2007−115030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00− 1/14
G06Q30/00−50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入形式を指定する操作を受け付ける第1受付手段と、
商品コードの入力を受け付ける第2受付手段と、
前記購入形式ごとに区分された税区分と、当該税区分での税率とが対応付けて設定された税率設定情報から、前記第1受付手段で受け付けた購入形式の税区分に対応する税率を特定し、当該税率に基づいて前記第2受付手段で受け付けた前記商品コードに対応する商品の税額を算出する算出手段と、
前記税率の特定に係る条件を表示する表示手段と、
を備え、
前記算出手段は、取引の途中で前記第1受付手段が購入形式を変更する操作を受け付けたことを条件に、この操作後に前記第2受付手段が受け付けた前記商品コードに対応する商品の税額を、変更後の購入形式の税区分に対応する税率に基づいて算出する商品データ処理装置。
【請求項2】
前記第1受付手段は、前記商品を持ち帰る第1形式と、当該商品を店舗内で消費する第2形式とを、前記購入形式として受け付け、
前記税率設定情報は、前記第1形式及び前記第2形式それぞれの税区分と、当該税区分での税率とを対応付けて記憶する請求項1に記載の商品データ処理装置。
【請求項3】
前記商品コードに対応する商品を示す情報と、当該商品について前記算出手段が算出した税額とを出力する出力手段を更に備える請求項1又は2に記載の商品データ処理装置。
【請求項4】
前記商品コードに対応する商品の販売登録を行う販売登録手段を更に備え、
前記出力手段は、前記販売登録された前記商品について、当該商品を示す情報と、当該商品について前記算出手段が算出した税額とを出力する請求項3に記載の商品データ処理装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記税区分ごとに、前記商品コードに対応する商品を示す情報と、当該商品について前記算出手段が算出した税額とを出力する請求項3又は4に記載の商品データ処理装置。
【請求項6】
商品データ処理装置のコンピュータを、
購入形式を指定する操作を受け付ける第1受付手段と、
商品コードの入力を受け付ける第2受付手段と、
前記購入形式ごとに区分された税区分と、当該税区分での税率とが対応付けて設定された税率設定情報から、前記第1受付手段で受け付けた購入形式の税区分に対応する税率を特定し、当該税率に基づいて前記第2受付手段で受け付けた前記商品コードに対応する商品の税額を算出する算出手段と、
前記税率の特定に係る条件を表示部に表示させる表示制御手段と、
して機能させ、
前記算出手段は、取引の途中で前記第1受付手段が購入形式を変更する操作を受け付けたことを条件に、この操作後に前記第2受付手段が受け付けた前記商品コードに対応する商品の税額を、変更後の購入形式の税区分に対応する税率に基づいて算出するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品データ処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POS(Point Of Sale)端末等、商品コードを元に特定される商品にかかる商品データを取り扱う商品データ処理装置では、商品ごとに税率を設定している。また、税率については、特定の条件を満たす商品に対して本来の税率より低い税率を適用する軽減税率等の税制度が存在する。
【0003】
ところで、上記した軽減税率等の税制度は、様々な形態で実施されることが考えられる。例えば、購入の対象となった商品(食料品)を、顧客が持ち帰るか或いは店内で飲食するか等の購入形式の違いに応じて、当該商品にかかる税率(消費税)を変更するような税制度が考えられる。しかしながら、従来の商品データ処理装置では、購入形式に応じて税率を変更することができないため、このような税制度に対応することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、商品に課せられる税率を当該商品の購入形式に応じて変更することが可能な商品データ処理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の商品データ処理装置は、購入形式を指定する操作を受け付ける第1受付手段と、商品コードの入力を受け付ける第2受付手段と、前記購入形式ごとに区分された税区分と、当該税区分での税率とが対応付けて設定された税率設定情報から、前記第1受付手段で受け付けた購入形式の税区分に対応する税率を特定し、当該税率に基づいて前記第2受付手段で受け付けた前記商品コードに対応する商品の税額を算出する算出手段と、前記税率の特定に係る条件を表示する表示手段と、を備え、前記算出手段は、取引の途中で前記第1受付手段が購入形式を変更する操作を受け付けたことを条件に、この操作後に前記第2受付手段が受け付けた前記商品コードに対応する商品の税額を、変更後の購入形式の税区分に対応する税率に基づいて算出する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態にかかるPOSシステムの概略構成図である。
図2図2は、ストアサーバの機能的構成を模式的に示すブロック図である。
図3図3は、商品マスタのデータ構成を示す図である。
図4図4は、税率マスタのデータ構成を示す図である。
図5図5は、POS端末の外観斜視図である。
図6図6は、POS端末の機能的構成を模式的に示すブロック図である。
図7図7は、POS端末が実行する動作の手順を示すフローチャートである。
図8図8は、POS端末が印字するレシート用紙の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、商品データ処理装置及びプログラムの実施形態を説明する。なお、本実施形態では、ファストフード店等の飲食店で用いられるPOS端末に商品データ処理装置及びプログラムを適用する場合について説明する。
【0008】
図1は、実施形態にかかるPOSシステム1の概略構成図である。図1に示すように、POSシステム1は、商品データ処理装置としての複数台(図では2台)のPOS端末2と、これらのPOS端末2をLAN(Local Area Network)3等のネットワークで接続して集中管理するストアサーバ4とで構成される。
【0009】
ストアサーバ4は、POSシステム1全体の制御を受け持つものである。図2は、ストアサーバ4の機能的構成を模式的に示すブロック図である。ストアサーバ4は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成されるコンピュータ構成の制御部41と、通信I/F43と、I/O機器制御部44とがバス42によって接続されて構成されている。ストアサーバ4は、通信I/F43およびLAN3(図1参照)を介して複数台のPOS端末2との間で相互にオンライン通信する。また、制御部41にはバス42及びI/O機器制御部44を介して、キーボード45、表示器46、プリンタ47及びHDD(Hard Disk Drive)48が接続されている。HDD48は、制御部41のCPUを動作させる各種制御プログラムの他、商品マスタM1および税率マスタM2を格納している。
【0010】
図3は、商品マスタM1のデータ構成を示す図である。図3に示すように、商品マスタM1は、各商品の「商品コード」に対応付けて、「商品名」や商品の「価格」等の商品情報を記憶する。商品コードは、商品ごとにユニークに設定される識別情報であり、商品の特定に用いられる。例えば、店舗では、商品に添付したラベルに、その商品に設定された商品コードを記載しておく。そして、ラベルに記載された商品コードをバス42や通信I/F43を介して接続するPOS端末2のスキャナ19(図5参照)等で入力する。ストアサーバ4では、入力された商品コードで商品マスタM1を参照することで、商品の特定を行うことができる。
【0011】
図4は、税率マスタM2のデータ構成を示す図である。図4に示すように、税率マスタM2は、各税区分の「税区分ID」に対応付けて、「税区分名称」と「税率」とを記憶する。「税区分ID」は、税の区分ごとにユニークに設定された識別情報である。本実施形態では、商品の購入形式に応じて課せられる消費税の種別を税区分としている。具体的には、顧客が持ち帰る形式と、店舗内で飲食(消費)する形式とのそれぞれにかかる消費税の種別を、税区分として区分けしている。「税区分名称」は、「税区分ID」で識別される税区分の名称を示す。図4では、「税区分名称」として、「持ち帰り」と、「店内飲食」とを設定した例を示している。また、「税率」は、「税区分ID」に適用される消費税の税率を示す。
【0012】
次に、POS端末2について説明する。図5は、POS端末2の外観斜視図である。図5に示すように、POS端末2は、現金等を収容するためのドロワ12の上に載置されており、このドロワ12の引出し12aの開閉を制御する。POS端末2の正面側には、登録、点検、精算、設定等の各種業務モードを選択するためのモードキー14が設けられている。
【0013】
また、POS端末2の正面に設けられたキーボード13には、オペレータ(店員)が、各種操作入力を行うための操作キーが配置されている。具体的には、預かり金額等を置数するための置数キーや、1商取引として販売登録が行われた商品の合計出力を指示する現計キーが、操作キーとして設けられる。また、販売登録の対象とされた商品の購入形式について、顧客が持ち帰る形式か、或いは店内で飲食する形式かを指示するための区分キーが、操作キーとして設けられる。ここで、「持ち帰り」を指示する区分キーが操作された場合、税区分ID“1”に対応するキーコードが制御部21(CPU)に入力される。また、「店内飲食」を指示する区分キーが操作された場合には、税区分ID“2”に対応するキーコードが制御部21(CPU)に入力される。
【0014】
さらにPOS端末2には、正面側には店員用ディスプレイ15が、背面側には客用ディスプレイ16が取り付けられている。店員用ディスプレイ15、客用ディスプレイ16には、例えば液晶ディスプレイ等が用いられ、販売登録された商品の品名、価格や、1商取引の合計金額、釣銭額等が表示される。POS端末2は、レシート及びジャーナルを印字するプリンタ17を内蔵している。プリンタ17によって印字されたレシートは、POS端末2の正面側に形成されたレシート発行口18から発行される。またPOS端末2には、商品に付与されたバーコードを読取るためのスキャナ19が接続されている。
【0015】
図6は、POS端末2の機能的構成を模式的に示すブロック図である。POS端末2は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)等(いずれも不図示)で構成されるコンピュータ構成の制御部21を備えている。ROMは、CPUが実行する各種プログラムや各種データを記憶している。RAMは、CPUが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶する。また、RAMは、商品の販売記録を示す販売データや、店員用ディスプレイ15や客用ディスプレイ16に表示する各種の画面表示データを記憶する。
【0016】
制御部21は、I/O機器制御部24およびバス22を介して、キーボード13、店員用ディスプレイ15、客用ディスプレイ16、プリンタ17、スキャナ19等のI/O機器を制御する。また、制御部21は、通信I/F23およびLAN3(図1参照)を介してストアサーバ4と相互に通信を行う。
【0017】
制御部21は、CPUがROMに格納されているプログラムをRAMに展開して実行することにより、購入形式受付部31と、商品コード受付部32と、税率特定部33と、販売登録部34と、表示制御部35と、印刷制御部36として機能する。
【0018】
購入形式受付部31は、キーボード13の区分キーが操作された場合に、その操作された区分キーに対応するキーコードの入力を受け付ける。具体的には、購入形式受付部31は、「持ち帰り」を指示する区分キーが操作された場合に、税区分ID“1”に対応するキーコードの入力を受け付ける。また、購入形式受付部31は、「店内飲食」を指示する区分キーが操作された場合に、税区分ID“2”に対応するキーコードの入力を受け付ける。
【0019】
商品コード受付部32は、商品に付されたバーコードがスキャナ19によってスキャンされた場合に、バーコードのデータから商品コードを読み取って受付ける。尚、商品コード受付部32は、キーボード13から入力されたキーにより商品コードの入力を受付けるとしてもよい。また、商品コード受付部32は、二次元コードのようなその他のコードシンボルから商品コードを読み取ってその入力を受付けるとしてもよい。
【0020】
税率特定部33は、キーボード13の区分キーを介して入力された税区分IDをもとに、通信I/F23を介してストアサーバ4の税率マスタM2を参照することで、その税区分IDに対応付けられた税率を特定する。具体的には、税率特定部33は、区分キーの操作に応じて入力された税区分IDをもとに、ストアサーバ4の税率マスタM2を参照することで、この税区分IDに対応する税率を取得する。
【0021】
販売登録部34は、商品コード受付部32が受け付けた商品コードで特定される商品の売登録を行う。具体的には、商品コード受付部32が受け付けた商品コードを通信I/F23を介してストアサーバ4に問い合わせ、その商品コードに対して商品マスタM1に設定されている商品名や価格を取得する。次いで、取得した価格と、税率特定部33が取得した「税率」とをもとに、税額と税込み価格とを算出する。具体的には、販売登録部34は、取得した価格と、税率特定部33が取得した「税率」とを掛け合わせることで、その商品に課せられる税額を算出する。また、販売登録部34は、算出した税額をその商品の価格に加算することで、税込み価格を算出する。そして、販売登録部34は、商品名、価格、税額、税込み価格(販売価格)等を、販売された商品の情報として登録する。
【0022】
表示制御部35は、店員用ディスプレイ15、客用ディスプレイ16に販売登録部34が登録した各商品の商品名、価格、税額、税込み価格等を表示する。具体的には、表示制御部35は、税率特定部33による判別結果をもとに、税区分ごとに、その税区分が判別された商品を示す情報(商品名、価格、税込み価格)と、その商品にかかる税額とを表示する(詳細は後述する)。なお、表示制御部35が表示する表示内容は、店員用ディスプレイ15及び客用ディスプレイ16の双方においてその全てを表示する必要はなく、表示内容は利便性に応じて適宜振り分けて表示されればよい。
【0023】
印刷制御部36は、販売店の店名や連絡先、販売登録部34が登録した各商品の商品名、価格、税込み価格、税額等をプリンタ17によってレシート用紙に印字する。具体的には、印刷制御部36は、税率特定部33による判別結果をもとに、税区分ごとに、その税区分が判別された商品を示す情報(商品名、価格、税込み価格)と、その商品にかかる税額とをレシート用紙に印字する(詳細は後述する)。印字したレシート用紙はレシート発行口18から発行される。
【0024】
次に、POS端末2が実行する動作の手順について説明する。図7は、POS端末2が実行する動作の手順を示すフローチャートである。
【0025】
まず、POS端末2において、購入対象(販売登録の対象)となる商品の購入形式について、顧客が持ち帰る形式か、或いは店内で飲食する形式かが、キーボード13の区分キーの操作により指示される。係る操作は、例えば、店員が顧客に商品を持ち帰るか否かを確認することで、その確認結果が反映される。
【0026】
購入形式受付部31は、キーボード13において区分キーが操作されるまで待機する(ステップS11:No)。区分キーが操作されると、購入形式受付部31は、操作された区分キーに対応する税区分ID(キーコード)の入力を受付ける(ステップS11:Yes)。次いで、税率特定部33は、ステップS11で入力された税区別IDをもとに、この税区分IDに対応付けられた税率を税率マスタM2から取得することで、税率を特定する(ステップS12)。
【0027】
続いて、商品コード受付部32は、スキャナ19によりバーコードがスキャンされるまで待機する(ステップS13:No)。スキャナ19によりバーコードがスキャンされると、商品コード受付部32は、このバーコードのデータから商品コードを読み取って受付ける(ステップS13:Yes)。
【0028】
販売登録部34は、商品コードに対して商品マスタM1に設定されている商品名や価格等の商品情報を取得し、税率特定部33が特定した税率をもとに、税額や税込み価格を算出する(ステップS14)。次いで、販売登録部34は、税率特定部33が取得した税区分及び税率に、商品コードで特定された商品の商品情報と、算出した税額とを対応付けてRAMに記憶する(ステップS15)。具体的には、税区別を示す「税区別ID」用に確保された配列(記憶領域)に、商品コード受付部32が受け付けた商品コードと、算出した税額とをスタックする。
【0029】
続いて、販売登録部34は、商品名、価格、税額、税込み価格等、販売された商品の情報を登録する(ステップS16)。次いで、表示制御部35は、店員用ディスプレイ15、客用ディスプレイ16に、販売登録部34が登録した各商品の商品名、価格、税額、税込み価格等を表示する(ステップS17)。
【0030】
次に、購入形式受付部31は、キーボード13において購入形式を変更する操作が生じたか否かを判定する(ステップS18)。係る判定処理において、購入形式受付部31は、区分キーの切り替えが行われたか否かを判定する。例えば、“店内飲食”を指示する区分キーの操作されていた場合に、“持ち帰り”を指示する区分キーが操作されると、POS端末2の制御部21は、購入形式を変更する操作が行われたと判定する。
【0031】
ステップS18において、購入形式受付部31は、購入形式を変更する操作が行われたと判定すると(ステップS18:Yes)、ステップS11に戻り、操作された区分キーをもとにステップS12の処理を実行させる。また、区分キーの変更が確認できない場合(ステップS18:No)、POS端末2の制御部21は、キーボード13において現計キーが押下されたか否かを判定する(ステップS19)。現計キーが押下されていない間(ステップS19:No)は、ステップS12に戻る。したがって、ステップS15では、販売登録の対象となった全商品について、税区分ごとに商品と算出した税額とがRAMにスタックされて、記憶されることとなる。
【0032】
現計キーが押下された場合(ステップS19:Yes)、印刷制御部36は、税区分ごとにRAMに記憶されている商品と税額とを順次読み出し、税区分ごとに各商品の品名、価格、税額、税込み価格をレシート用紙に印字する(ステップS20)。具体的には、税区分ごとにRAMに記憶されている商品コードを順次読み出し、その商品コードで特定される商品についてステップS16で登録した内容(商品名、価格、税額、税込み価格)を読み出してレシート用紙に印字する。また、印刷制御部36は、税区分ごとの「税区分名称」を税率マスタM2より読み出し、税区分において商品の価格に対して課税される割合等の、税区分に関する情報をレシート用紙に印字する。
【0033】
図8は、POS端末2が印字するレシート用紙の一例を示す概念図である。図8に示すように、ステップS19によりレシート用紙には、税区分ごとに各商品の品名、税込み価格、各商品にかかる税額が印字される。図示例では、税区分である“持ち帰り”、“店内飲食”ごとに、商品名(“商品C”等)と税額(“¥2”等)とがレシート用紙に印字されている。また、税区分に関する情報として、商品の価格に対して課税される税率(“ゼイ:5%”等)が印字される。
【0034】
図7に戻り、印刷制御部36は、レシート発行口18から印字したレシート用紙を発行する(ステップS21)。そして、店員は会計処理を行って一会計の販売登録処理を終了する。
【0035】
なお、本実施形態ではステップS20、S21においてレシート用紙に印字して出力する動作を例示しているが、表示制御部35が上述したステップS20、S21においてレシート用紙に印字する内容を店員用ディスプレイ15、客用ディスプレイ16に表示してもよい。すなわち、表示制御部35による店員用ディスプレイ15、客用ディスプレイ16への表示及び印刷制御部36によるレシート用紙への印字の少なくとも一方で出力されればよい。
【0036】
以上のように、POS端末2では、商品コードで特定される商品の購入形式に応じて、その購入形式に応じた税率を特定し、当該税率をもとに算出した税額及び税込み価格を用いて販売登録を行う。これにより、商品に課せられる税率を当該商品の購入形式に応じて変更することができるため、商品の購入形式を条件に税率(消費税)を変更するような税制度への対応が可能となる。また、本実施形態のPOS端末2では、販売登録される商品について、その購入形式(税区分)ごとに、商品名、税込み価格等の商品を示す情報と、その商品にかかる税額とが出力される。したがって、店員や顧客は、販売登録される商品の各々について、税区分ごとに、その税区分にかかる商品と税額とを容易に知ることができる。
【0037】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0038】
例えば、本実施形態では、購入形式として商品を持ち帰る形式と店舗内で飲食(消費)する形式との二つを挙げたが、これに限らず、購入形式に応じて税率が変わるものであれば、他の購入形式を採用してもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、商品マスタM1及び税率マスタM2をストアサーバ4が保持する形態としたが、これに限らず、商品マスタM1及び税率マスタM2の一部又は全てを、POS端末2が保持する形態としてもよい。
【0040】
なお、本実施形態のPOS端末2で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のPOS端末2で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0041】
さらに、本実施形態のPOS端末2で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態のPOS端末2で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0042】
本実施形態のPOS端末2で実行されるプログラムは、上述した各部(購入形式受付部31、商品コード受付部32、税率特定部33、販売登録部34、表示制御部35、印刷制御部36)を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM上にロードされ、当該RAM上に生成される。
【符号の説明】
【0043】
1…POSシステム、2…POS端末、3…LAN、4…ストアサーバ、12…ドロワ、12a…引き出し、13…キーボード、14…モードキー、15…店員用ディスプレイ、16…客用ディスプレイ、17…プリンタ、18…レシート発行口、19…スキャナ、21…制御部、22…バス、24…I/O機器制御部、23…通信I/F、31…購入形式受付部、32…商品コード受付部、33…税率特定部、34…販売登録部、35…表示制御部、36…印刷制御部、41…制御部、42…バス、43…通信I/F、44…I/O機器制御部、45…キーボード、46…表示器、47…プリンタ、48…HDD、M1…商品マスタ、M2…税率マスタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0044】
【特許文献1】特開2012−181752号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8