特許第6564520号(P6564520)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564520
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】圧電デバイスのホールダ
(51)【国際特許分類】
   H01L 41/053 20060101AFI20190808BHJP
   H01L 41/107 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   H01L41/053
   H01L41/107
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-501239(P2018-501239)
(86)(22)【出願日】2016年6月27日
(65)【公表番号】特表2018-520520(P2018-520520A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】EP2016064833
(87)【国際公開番号】WO2017012827
(87)【国際公開日】20170126
【審査請求日】2018年1月12日
(31)【優先権主張番号】102015112044.5
(32)【優先日】2015年7月23日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】300002160
【氏名又は名称】ティーディーケイ・エレクトロニクス・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】TDK ELECTRONICS AG
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】デルガスト, ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】プフ, マルクス
(72)【発明者】
【氏名】クデラ, パヴォル
【審査官】 上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−033969(JP,A)
【文献】 特開平11−031856(JP,A)
【文献】 特開2010−158149(JP,A)
【文献】 特開2008−041737(JP,A)
【文献】 特開2009−141076(JP,A)
【文献】 特開2001−267647(JP,A)
【文献】 特開2008−053405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 41/053,41/107,41/23
H02M 3/24
H02N 2/00
H03H 3/007,9/02,9/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの圧電デバイス(1)用のホールダ(5)であって、
1つのクランプ装置(6)および2つの接続部材(8)を備え、当該接続部材は、1つの導電性のゴム材料を備え、
前記クランプ装置(6)は、ロックされた状態では、前記圧電デバイス(1)を前記接続部材(8)の間にクランプ固定するように構成されており、
前記接続部材(8)は、前記クランプ装置(6)の前記ロックされた状態では、前記圧電デバイス(1)を電気的に接続しており、
当該ホールダ(5)はさらに、1つの接続端子部材(9)を備え、当該接続端子部材(9)は、前記クランプ装置(6)の前記ロックされた状態で、前記クランプ装置(6)と前記接続部材(8)の1つとの間にクランプされており、そして前記接続端子部材(9)は、前記接続部材(8)を電気的に接続しており、
当該接続端子部材(9)は、ワイヤである、
ことを特徴とするホールダ。
【請求項2】
前記クランプ装置(6)は、緩めることが可能であり、そして前記圧電デバイス(1)を前記ホールダ(5)から抜き取ることができる、開放された状態を備えることを特徴とする、請求項1に記載のホールダ。
【請求項3】
前記クランプ装置(6)は、2つのアーム(7)を備え、前記圧電デバイス(1)は、前記ロックされた状態では、当該2つのアームの間に挟まれていることを特徴とする、請求項1または2に記載のホールダ。
【請求項4】
前記クランプ装置(6)は、1つのアーム(7)を備え、前記圧電デバイス(1)は、前記ロックされた状態では、当該アーム(7)と1つの回路基板(10)との間にクランプされていることを特徴とする、請求項1または2に記載のホールダ。
【請求項5】
請求項3または4に記載のホールダにおいて、
前記ホールダ(5)は、1つのハウジングを備え、
少なくとも1つのアーム(7)は、前記ホールダ(5)の前記ハウジングによって形成され、
前記ハウジングが開放される場合に、前記ホールダは、前記クランプ装置がその開放された状態に移行されるように構成されている、
ことを特徴とするホールダ。
【請求項6】
前記ホールダ(5)は、前記圧電デバイス(1)を片持ちで保持するように構成されていることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載のホールダ。
【請求項7】
前記導電性のゴム材料は、金属粒子が混入されたシリコンゴムであることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載のホールダ。
【請求項8】
請求項1乃至のいずれか1項に記載のホールダ(5)および1つの圧電デバイス(1)を備える構成体。
【請求項9】
前記クランプ装置(6)は、前記接続部材(8)が、前記圧電デバイスを1つの領域で機械的に固定しそして電気的に接続し、当該領域において前記圧電デバイス(1)の動作の際に当該圧電デバイスの共振周波数で1つの振動節が形成されるように配設されていることを特徴とする、請求項に記載の構成体。
【請求項10】
前記圧電デバイス(1)は、1つの圧電トランスであることを特徴とする、請求項またはに記載の構成体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧電デバイスのホールダに関する。この保持器は、具体的には1つの圧電デバイスの機械的懸架および電気的接続に適した1つのホールダであってよい。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはヨーク形状のホールド部材(複数)を用いて結晶振動子を固定することが開示されており、これらのホールド部材はこの結晶振動子とはんだ付けされる。しかしながらこの方法の欠点は、この振動結晶子が取り外し可能でないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ドイツ国特許出願公開第2626708A1明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、1つの圧電デバイス用の改善されたホールダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は、本願請求項1に記載の物により解決される。
【0006】
1つの圧電デバイス用の1つのホールダが提示され、このホールダは1つのクランプ装置および2つの接続部材を備え、ここでこれらの接続部材は、1つの導電性のゴム材料を備えている。具体的には、これらの接続部材は、導電性のゴム材料から成っている。さらに上記のクランプ装置は、ロックされた状態では上記の圧電デバイスをこれらの接続部材の間にクランプ固定するように構成されており、ここでこれらの接続部材は、このクランプ装置のロックされた状態では、この圧電デバイスを電気的に接続している。
【0007】
これらの接続部材の間でのこの圧電デバイスのクランプ固定によって、この圧電デバイスは機械的に固定することができる。こうして上記のホールダは簡単に、この圧電デバイスを電気的に接続し、そして機械的に固定することを可能とする。
【0008】
上記のホールダは、上記のクランプ装置がロックした状態では、上記の接続部材が直接上記の圧電デバイスに接するように構成されている。ここでこれらの接続部材は、この圧電デバイスの1つの外部メタライジング部に接しており、そしてこうしてこの圧電デバイスには、電圧が供給される。この外部メタライジング部は、たとえばこのデバイスの1つの外部電極であってよい。
【0009】
上記の接続部材と上記の圧電デバイスの1つの外面との間には、この圧電デバイスがこれらの接続部材の間にクランプ固定されている場合には、好適には擦れが全く生じ得ない。
【0010】
さらに上記の導電性のゴム材料は、その弾性的な特性のため、ダンパとして作用する。 この導電性のゴム材料の弾性的な特性のため、上記の接続部材の間に挟まれた圧電デバイスの機械的振動は上記のホールダの他の部材には伝達されない。これに対応して、上記の接続部材は上記の圧電デバイスと上記のホールダとの機械的デカップリング用に用いることができる。これにより上記のホールダは、上記の圧電デバイスの振動に影響を与えない。このようにして、特に、これにより保持された圧電デバイスの動作に悪影響を与えず、そしてこのデバイスを妨害しないホールダを構築することができる。
【0011】
上記の導電性のゴム材料を備える接続部材と、上記の圧電デバイスとの間には機械的な擦れは生じない。以上により、長時間に渡り上記のクランプ装置にクランプされたままとなる1つの圧電デバイスも、その接続特性およびその振動特性に関して変化しないことを保証することができる。
【0012】
上記の接続部材を用いたクランプの際には、制御されない機械的応力が発生することを防止することができる。さもなければ上記の圧電デバイスは、この圧電デバイスの損傷、そしてたとえば破壊をもたらし得るであろう。そうでなければこのような制御されない機械的応力は、不調和振動を励起し得るが、ただしこれは上記の弾性的な接続部材によって防止される。
【0013】
上記のホールダは、上記の圧電デバイスとこのホールダの部材との間に全くはんだ付けが存在しないように構成することができる。さらに、このホールダは、上記のクランプ装置と上記の圧電デバイスとの間に恒久的な金属結合部が全く設けられないように構成することができる。むしろこの圧電デバイスは、上記の接続部材を介してこの圧電デバイスに作用するクランプ力によって、保持することができる。このようにして、このホールダの機械的な脆弱部位を形成しかねない金属結合部およびはんだ部位が存在することを避けることができる。具体的には、上記の圧電デバイスが多数回の振動サイクルが行われる持続的な振動負荷では、金属結合部またははんだ部位の破壊の虞がある。この破壊の虞は、クランプ力を利用した固定によって避けることができる。このクランプ力は、このクランプ力が上記の圧電デバイスを確実に固定することができる程度に強くすることができる。
【0014】
上記の接続部材の弾性のおかげで、上記のクランプ力によって上記の圧電デバイスに凹みが刻印されることを避けることができる。この凹みは機械的な擦れと同様に、この圧電デバイスに悪影響を与えかねない。
【0015】
上記のクランプ装置は、緩めることを可能とすることができ、そして上記の圧電デバイスを上記のホールダから抜き取ることができる、開放された状態を取り得るものである。特にこの圧電デバイスは、破損すること無しにこのホールダから抜き取ることができる。これに対応して、この際このデバイスまたはこのホールダを損傷することなく、このデバイスを抜き取ることができる。こうして1つの緩めることが可能なクランプ装置は、上記の圧電デバイスの交換を可能とすることができる。
【0016】
このクランプ装置は、たとえば1つのスナップクランプであってよい。このクランプ装置は、上記の圧電デバイスの上記のホールダにおける簡単な取り付けおよび取り外しを可能とするように構成することができる。デバイスがこのホールダとしっかりとはんだ付けされるホールダとは逆に、ここではこのクランプ装置は、以上のようにして1つの損傷した圧電デバイスを交換し、そして別の圧電デバイスに代えることを可能とする。以上により、圧電デバイスが故障した場合には、この圧電デバイスが交換されなければならないだけで、他の部品はさらに利用することができる。
【0017】
上記のクランプ装置は、2つのアームを備え、上記の圧電デバイスは、上記のロックされた状態では、これらのアームの間に挟まれている。代替として、上記のクランプ装置は、1つのアームを備えてよく、ここで上記の圧電デバイスは、上記のロックされた状態では、このアームと1つの回路基板との間にクランプされている。この第2の場合においては、上記の接続部材は、この回路基板上に形成された導電路に直接接しており、そして上記の圧電デバイスは、この回路基板の導電路に直接接続している。
【0018】
さらに上記のホールダは、1つの接続端子部材を備えてよく、この接続端子部材は、上記のクランプ装置の上記のロックされた状態で、このクランプ装置と上記の接続部材(複数)の1つとの間にクランプされており、そしてこの際上記の接続端子部材は、この接続部材を電気的に接続している。具体的には、上記のホールダは、2つの接続端子部材を備えてよく、ここでこれらの接続端子部材の各々は、上記のロックされた状態では、上記のクランプ装置と上記の接続部材の1つとの間にクランプされており、そしてここでこれらの接続端子部材の各々は、それぞれ上記の接続部材の1つを電気的に接続している。上記の接続端子部材は、たとえば1つの金属ワイヤであってよい。上記の接続部材は、この金属ワイヤと上記の圧電デバイスとの間の機械的デカップリングに用いることができる。
【0019】
導電性のゴム材料を備える上記の接続部材は、上記の接続端子部材と上記の圧電デバイスの外面との間に配設されているので、上記の金属の接続端子部材は、上記の圧電デバイスと直接接続するようになっており、そしてこの圧電デバイスを長時間動作で損傷することがない。たとえば機械的摩擦によって、または凹みが刻印されることによって損傷することがない。
【0020】
上記のホールダは1つのハウジングを備えてよく、ここで少なくとも1つのアームが、このホールダのハウジングによって形成される。このアームは、具体的には、1つのハウジング部品によって形成されてよく、この1つのハウジング部品は、もう1つのハウジング部品に緩めることが可能に固定することができる。このハウジングが開放される場合に、このホールダは、上記のクランプ装置がその開放された状態に移行されるように構成されていてよい。このハウジングの開放の際には、上記のアームを形成する1つのハウジング部品は、上記のもう1つのハウジング部品から解放される。
【0021】
上記のクランプ装置は、このクランプ装置の両方のアームが上記のホールダの1つのハウジング部品によって形成されるように構成されていてよい。
【0022】
以上より上記のクランプ装置は、追加の部品を何ら必要としないように構成することができる。これは少なくとも1つのアームが、常に存在するハウジングによって形成されるからである。
【0023】
上記のホールダは、このホールダが上記の圧電デバイスを片持ちで保持するように構成されていてよい。これに対応して、このホールダの部品(複数)の他に、具体的には上記のクランプ装置の他に、上記の圧電デバイスを機械的に固定するためのさらなる部品は必要でない。ここでこの圧電デバイスは、導電性のゴム材料をそなえるかまたは導電性のゴム材料から成る上記の接続部材が、上記の圧電デバイスに直接機械的に接している点でのみ、直接接続されることができる。
【0024】
この導電性のゴム材料は、金属粒子が混入されたシリコンゴムであってよい。たとえば、このゴム材料は、グラファイトまたは銀粒子が混入された、シリコーンベースのエラストマであってよい。この際この混入された金属粒子は、上記の接続部材が導電性であることを確実にする。
【0025】
ここで上記の接続部材の大きさおよび形状は、保持する圧電デバイスのデザインに依存する。この接続部材は、たとえば板状または直方体形状であってよい。
【0026】
もう1つの態様は、1つの構成体に関し、この構成体は1つの上述のホールダならびに1つの圧電デバイスを備える。
【0027】
この圧電デバイスは、たとえば1つの圧電トランスであってよい。この圧電デバイスは、1つの多層デバイスであってよい。この圧電デバイスは、1つの積層体を備えてよく、この積層体には、交互に圧電層(複数)と内部電極(複数)とが配設されている。さらに、この圧電デバイスは、その外面上に1つの外部電極を備えてよく、この外部電極は、上記のクランプ装置のロックされた状態では、上記の接続部材(複数)に接している。これに対応して、電圧をこれらの接続部材を介してこれらの外部電極に伝達することができる。これらの外部電極は、さらに上記の内部電極(複数)と電気的に接続されていてよい。
【0028】
上記のクランプ装置は、上記の圧電デバイスの接続部材を1つの領域で機械的に固定しそして電気的に接続し、この領域においてこの圧電デバイスの動作の際にこの圧電デバイスの共振周波数で1つの振動節が形成されるように配設することができる。この振動節の領域においては、この圧電デバイスはこれに対応して動作中は極く僅かしか移動しない。これに対応して、ここでは、振動の腹が形成される領域よりも大幅に小さな機械的負荷が発生する。上記の共振周波数は、この圧電デバイスの幾何形状によって決定される。この共振周波数は10〜1000kHzとなり得る。好ましくは、この共振周波数は20〜100kHzとなっていてよく、そしてたとえば50kHzとなっていてよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
以下では、図および実施形態例を参照して、本発明を詳細に説明する。
図1】1つの圧電デバイスの概略図を示す。
図2】第1の実施形態例による1つのホールダの1つの断面を示し、ここでは1つの圧電デバイスがこのホールダに保持される。
図3】同様に第1の実施形態例によるホールダを示す。
図4】ホールダの1つの第2の実施形態例を示す。
【0030】
図1は、1つの多層デバイス1を示す。この圧電デバイス1は、1つの圧電トランスである。
【0031】
この圧電デバイス1は、1つの入力側2および1つの出力側3を備える。この入力側2に、この圧電デバイス1は1つの多層構造を備え、この多層構造では圧電層(複数)とこれらの間に配設された第1および第2の内部電極(複数)が上下に重なって積層されている。これらの圧電層は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のセラミックを備える。この入力側では、これらの圧電層が積層方向に分極されている。上記の内部電極は銅から成っている。
【0032】
ここで積層方向において、2つの圧電層の間にはそれぞれ、交互に1つの第1の内部電極および1つの第2の内部電極が配設されている。これらの第1の内部電極は、この圧電デバイス1の第1の外面まで引き出されており、そして第2の外面から離間している。第2の内部電極(複数)は、第1の外面に対して離間しており、そして第2の外面まで引き出されている。さらにこの第1の外面およびこの第2の外面上には、それぞれ外部電極4が配設されており、これらの外部電極は、それぞれの外面まで引き出された内部電極(複数)と電気的に接続されている。
【0033】
ここで上記の第1および第2の外面上の外部電極4は、1つのノード点に配設されており、このノード点は、その共振周波数でのこの圧電デバイス1の動作の際に、またはその第2高調波振動でのこのデバイス1の動作の際に形成される。このノード点は、長手方向において、この圧電デバイスの長さの1/4の所に配置され得る。以下に説明するように、このノード点に圧電デバイス1を機械的に固定するために、1つのホールダ5が形成されている。
【0034】
出力側3には、この圧電トランス1は1つのモノリシックな構造を備える。具体的には、この出力側3は、入力側2と同じ圧電材料を備える。この圧電デバイス1の出力側3は、長手方向で分極されている。さらにこの出力側3に配設されている圧電デバイス1の端面はメタライジングされている。
【0035】
この圧電デバイス1の動作の際には、入力側2の外部電極4に交流電圧が印加され、この交流電圧は上記の内部電極間に積層方向に圧電振動を励起する。以上により長手方向に進行する波が形成される。このようにして出力側3のメタライジングされた端面に高電圧が生成される。この高電圧を用いて、ガス、たとえば空気をイオン化することができ、そしてこうして大気の非熱プラズマを発生することができる。
【0036】
その動作の際に、この圧電デバイス1は振動を発生し、この振動はこの圧電デバイス1の長さ変化を伴う。
【0037】
図2および3はそれぞれ、圧電デバイス1用の1つのホールダ5を断面で示している。このホールダ5は、1つのクランプ装置6を備える。このクランプ装置6は2つのアーム7を備える。ここでこのクランプ装置6のこれらのアーム7は、ホールダ5のハウジング部品によって形成することができる。
【0038】
さらにこのクランプ装置6は、2つの接続部材8を備える。これらの接続部材8は、このクランプ装置6のロックされた状態においては、この圧電デバイス1と共にクランプされている。これによりこの圧電デバイス1は機械的に固定される。
【0039】
この際1つの接続部材8は、上記の第1の外面上の圧電デバイス1の外部電極4に接しており、そして第2の接続部材8は、上記の第2の外面上の圧電デバイス1の外部電極4に接している。これらの接続部材8は、1つの導電性のゴム材料を備える。これによりこれらの接続部材8は、電圧をこの圧電デバイス1の外部電極4に伝達することを可能とする。
【0040】
さらにホールダ5は、接続端子部材9を備える。この接続端子部材9は、ワイヤである。1つの第1の接続端子部材9は、クランプ装置6の第1のアーム7と第1の接続部材8との間に挟み込まれている。1つの第2の接続端子部材9は、クランプ装置6の第2のアーム7と第2の接続部材8との間に挟み込まれている。これらの接続端子部材9は、さらなる接続を可能とし、そしてたとえばこれらの接続部材8を、1つの回路基板上に形成されている1つの回路に接続することができる。
【0041】
ホールダ5のハウジングが開放されると、これによりクランプ装置6は緩められ、そしてそのロックされた状態から開放された状態に移行する。この開放された状態においては、クランプ装置6は、圧電デバイスをもはやしっかりと保持しておらず、そしてこの圧電デバイスはこのホールダ5から取り外すことができる。
【0042】
圧電デバイス1は、ホールダ5に片持ちで固定されている。この圧電デバイスは、接続部材8を介してクランプ装置6からデバイス1に印加されるクランプ力によってのみ保持される。具体的には、このデバイス1は、2つの接続部材8のみに接触し、そしてこれ以外のこのホールダ5の他のどの部材とも接触していない。
【0043】
1つの代替の実施形態例においては、圧電デバイス1の1つ以上のさらなる振動節に、この圧電デバイスを機械的に固定する、さらなるホールダ部材が配設されていてよい。これらのさらなるホールダ部材は、たとえば同様に1つのクランプ装置を備えてよい。しかしながら、これらのさらなるホールダ部材は、電気エネルギーの伝達用に設置または形成されているものではない。
【0044】
図4は、ホールダ5の1つの第2の実施形態例を示す。この第2の実施形態例は、クランプ装置6が1つのアーム7のみを備えることが、第1の実施形態と異なっている。圧電デバイス1は、このクランプ装置6がロックされている状態においては、このアーム7と1つの回路基板10との間に挟み込まれており、ここでこのアーム7と圧電デバイス1との間、ならびにこの回路基板10とこの圧電デバイス1との間には、導電性のゴム材料を備える1つの接続部材8がそれぞれ配設されている。ここでこの接続部材8は、直接この回路基板10の1つの導体路11に接しており、そしてこれよりこの圧電デバイス1はこの回路基板10上に形成されている回路に接続している。ここでもこのクランプ装置6の第1のアーム7は、1つのハウジング部品によって形成することができ、こうしてこのハウジングの開放の際にクランプ装置6が緩められる。
【符号の説明】
【0045】
1 : 圧電デバイス
2 : 入力側
3 : 出力側
4 : 外部電極
5 : ホールダ
6 : クランプ装置
7 : アーム
8 : 接続部材
9 : 接続端子部材
10 : 回路基板
11 : 導電路
図1
図2
図3
図4