特許第6564524号(P6564524)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564524
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】アシストグリップ
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/02 20060101AFI20190808BHJP
   B60R 21/00 20060101ALI20190808BHJP
   B60R 11/06 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   B60N3/02 A
   B60R21/00 330
   B60R11/06
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-505794(P2018-505794)
(86)(22)【出願日】2017年2月28日
(86)【国際出願番号】JP2017007913
(87)【国際公開番号】WO2017159354
(87)【国際公開日】20170921
【審査請求日】2018年5月24日
(31)【優先権主張番号】特願2016-54477(P2016-54477)
(32)【優先日】2016年3月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390005430
【氏名又は名称】株式会社ホンダアクセス
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(72)【発明者】
【氏名】竹中 晋平
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 晃彦
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−174147(JP,U)
【文献】 特開平10−314327(JP,A)
【文献】 特開2006−051920(JP,A)
【文献】 特開平11−268568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/02
B60R 11/06
B60R 21/00
B25D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物の室内に取り付けられ、
棒状に延びる把持部と、
前記把持部の両側に連続する屈曲部と、
前記屈曲部に連続し、前記乗り物の内装部材に取り付ける取付部とを備えたアシストグリップであって、
前記把持部内には、一方の前記屈曲部に形成された開口部に連続する収納部が形成され、
前記収納部には、脱出用ハンマーが収納され、
前記把持部には、前記開口部より幅狭で前記把持部の長さ方向に細長形状の細長開口部が前記開口部に連通して形成され、
前記脱出用ハンマーは一端側に斜面部と嵌合部を備えており、
前記収納部に前記脱出用ハンマーを収納した状態で、前記細長開口部が前記嵌合部により塞がれ、前記嵌合部が前記把持部の一部をなし、前記開口部が前記斜面部により塞がれ、
前記斜面部が前記屈曲部の一部をなすことを特徴とするアシストグリップ。
【請求項2】
前記嵌合部は前記斜面部の先端側に設けられ、前記斜面部の内側に切断手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載のアシストグリップ。
【請求項3】
前記脱出用ハンマーの動きを規制する規制部と、前記規制部の規制を解除する操作部とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のアシストグリップ。
【請求項4】
前記開口部側に前記操作部が設けられていることを特徴とする請求項記載のアシストグリップ。
【請求項5】
前記把持部に前記操作部が設けられていることを特徴とする請求項記載のアシストグリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓ガラスを破壊するためのハンマーを備えたアシストグリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして、帯状で中央部分が凹状に湾曲した把持部と、前記把持部の両端に各々垂設され、配設先の車両の窓ガラスが破壊可能なハンマー部材と、配設先の車両のルーフサイド内側に埋め込み固定され、前記ハンマー部材を挿通する挿通穴を有し、前記挿通穴から前記ハンマー部材が前記把持部とともに離脱可能な受部材と、前記挿通穴から前記ハンマー部材の離脱を禁止する状態、及び離脱可能な状態に切換える切換手段とを具備することを特徴とするハンマー付アシストグリップ(例えば特許文献1)がある。
【0003】
また、アシストグリップ(グラブレール)ではないが、発煙筒を利用した緊急脱出用工具(例えば特許文献2)がある。この緊急脱出工具は、発炎筒端部への冠着部を備え、自動車等の強化ガラスを割るためのハンマー部が発炎筒の長手方向に向くように設けられている。
【0004】
しかし、前記緊急脱出工具では、複数のハンマーを装備する場合、複数のハンマーに対応して専用の収納箇所も複数必要となるため、乗り物などの内部スペースに制約のあるものには不向きな面があり、また、専用収納箇所以外の例えばダッシュボードの内部に収納すると、緊急時に直ぐに取り出すことができない場合があり、使い勝手が悪い。
【0005】
これに対して、上記ハンマー付アシストグリップでは、通常時はアシストグリップとして使用するため、前記緊急脱出工具のように専用の収納場所が必要になるという問題はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特願2002−104048号公報
【特許文献2】特願2007−181902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記ハンマー付アシストグリップは、把持部とハンバー部材とを一体に設けたものであるため、全体として大型化し、また、着脱するために車両側に特別な加工が必要になり、さらに、後付けが難しいという問題がある。
【0008】
また、アシストグリップ全体を取り外すため、その取外し作業が煩雑になる面もある。
【0009】
そこで、本発明は上記した問題点に鑑み、従来にない脱出用ハンマーを収容することができるアシストグリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、乗り物の室内に取り付けられ、棒状に延びる把持部と、前記把持部の両側に連続する屈曲部と、前記屈曲部に連続し、前記乗り物の内装部材に取り付ける取付部とを備えたアシストグリップであって、前記把持部内には、一方の前記屈曲部に形成された開口部に連続する収納部が形成され、前記収納部には、脱出用ハンマーが収納され、前記把持部には、前記開口部より幅狭で前記把持部の長さ方向に細長形状の細長開口部が前記開口部に連通して形成され、前記脱出用ハンマーは一端側に斜面部と嵌合部を備えており、前記収納部に前記脱出用ハンマーを収納した状態で、前記細長開口部が前記嵌合部により塞がれ、前記嵌合部が前記把持部の一部をなし、前記開口部が前記斜面部により塞がれ、
前記斜面部が前記屈曲部の一部をなすことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、前記嵌合部は前記斜面部の先端側に設けられ、前記斜面部の内側に切断手段が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項の発明は、前記脱出用ハンマーの動きを規制する規制部と、前記規制部の規制を解除する操作部とを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項に係る発明は、前記開口部側に前記操作部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項に係る発明は、前記把持部に前記操作部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の構成によれば、脱出用ハンマーをアシストグリップ内にコンパクトに収容できる。
【0016】
請求項2の構成によれば、操作部によりアシストグリップを握った状態からのハンマーの取出しが容易である。
【0017】
請求項3の構成によれば、ハンマーの着脱が容易である。
【0018】
請求項の構成によれば、操作部によりアシストグリップを握った状態からのハンマーの取出しが容易である。
【0019】
請求項の構成によれば、把持部の操作部を操作して脱出用ハンマーを取出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例1を断面図である。
図2】同上、脱出用ハンマーを取り外した状態の断面図であり、図2Aはアシストグリップの本体の断面図、図2Bは脱出用ハンマーの正面図である。
図3】同上、要部の拡大断面図である。
図4】同上、斜視図である。
図5】同上、脱出用ハンマーを取り外した状態の斜視図であり、図5Aはアシストグリップの斜視図、図5Bは脱出用ハンマーの斜視図である。
図6】同上、取付方法を説明する斜視図であり、図6Aは型紙により内装部材に印を付ける作業を説明する斜視図、図6Bは印を付けた箇所を穿設する作業を説明する斜視図、図6Cは内装部材にアシストグリップを取り付ける作業を説明する斜視図である。
図7】同上、交換方法を説明する斜視図であり、図7Aは既設のアシストグリップを取り外す作業を説明する斜視図、図7Bは新しいアシストグリップを取り付ける作業を説明する斜視図である。
図8】本発明の実施例2を示す断面図である。
図9】同上、側面図である。
図10】本発明の実施例3を示す断面図である。
図11】同上、規制部の説明図である。
図12】同上、脱出用ハンマーの取り外しを説明する断面図であり、図12Aはアシストグリップの本体の断面図、図12Bは脱出用ハンマーの正面図である。
図13】本発明の実施例4を示す正面図である。
図14】同上、斜視図であり、図14Aはアシストグリップの斜視図、図14Bはハンマーを両側から取り外すことができることを示すアシストグリップの斜視図である。
図15】同上、先端部材を取り外した状態の脱出用ハンマーの斜視図である。
図16】本発明の実施例5を示す断面図である。
図17】本発明の実施例6を示す正面図である。
図18】本発明の実施例7を示す斜視図である。
図19】同上、脱出用ハンマーの断面図である。
図20】同上、脱出用ハンマーの分割体の斜視図である。
図21】本発明の参考例1を示す背面図である。
図22】同上、使用状態の正面図である。
図23】本発明の参考例2を示す正面図であり、図23Aは先端部を取り外した状態のアシストグリップの正面図、図23Bは一方の先端部の正面図、図23Cは他方の先端部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明のアシストグリップの実施例について説明する。
【実施例1】
【0022】
図1図6は本発明の実施例1を示す。同図に示すように、アシストグリップ1は、本体2と取付部3とを一体に備える。前記本体2は、合成樹脂からなり、棒状に延びる把持部4と、この把持部4の長さ方向両端に一体に設けられた屈曲部たる湾曲部5,5とを備える。また、前記湾曲部5,5に前記取付部3,3がそれぞれ設けられ、前記取付部3は乗り物の内装部材6に取り付けられるものである。尚、取付部3は、湾曲部5の背面側に設けられている。
【0023】
また、前記把持部4内には収納部11が形成され、この収納部11は把持部4の長さ方向に形成されると共に、一方の前記湾曲部5に開口する開口部12を有する。
【0024】
前記内装部材6としては、乗り物の内部空間の内壁部が例示され、例えばアシストグリップ1は座席の側部上方に設けられる。
【0025】
前記本体2は、把持部4の外縁4Sが略真っ直ぐに形成され、両側の湾曲部5,5の外縁に凸状の曲面部5M,5Mが形成され、これら曲面部5M,5Mは前記把持部4の外縁4Sに連続して形成されている。
【0026】
また、把持部4の内縁4Uは略真っ直ぐに形成され、湾曲部5の内縁5Uは前記内縁4Uと略直交して形成されている。尚、図1において、把持部4の上側が外縁4Sであり、把持部4の下側が内縁4Uであり、以下、図1のアシストグリップ1の向きを基準として、アシストグリップ1などの上下を説明する。
【0027】
前記本体2内には、略円柱状の前記収納部11が形成され、この収納部11の長さ方向一側に前記開口部12が設けられていると共に、収納部11の長さ方向他側(底部側)は閉塞している。また、前記開口部12は一方の前記湾曲部5の曲面部5M側に設けられ、前記把持部4の長さ方向外側には、幅狭で細長形状の細長開口部13が前記開口部12に連通して形成され、その細長開口部13は外縁4S側(上側)に形成されている。さらに、収納部11は開口部12側の内側面14が一段低く形成され、この内側面14は収納部11の下側に位置し、開口部12に連通している。尚、収納部11は把持部4の略全長に設けられている。
【0028】
前記収納部11には、ポンチタイプハンマーである脱出用ハンマー(以下、ハンマーと称す)21が着脱可能に収納される。前記ハンマー21は、合成樹脂製で略円筒状のハンマー把持部22の先端に、硬質材料からなるポンチ23が固定して設けられている。また、ハンマー把持部22の長さ方向一側である基端側には、傾斜面たる曲面部24が設けられ、この曲面部24は、ハンマー21の収納状態で、前記曲面部5Mに略面一になって連続し、該曲面部5Mの一部を構成するものである。また、前記曲面部24の先端側には前記細長開口部13に嵌合する嵌合部25が設けられている。そして、収納状態で、前記開口部12が曲面部24により塞がれ、細長開口部13が嵌合部25により塞がれる。尚、前記嵌合部25はハンマー把持部22の先端側より幅狭に形成れている。
【0029】
前記ポンチ23の基端側は略円筒状のカバー部材26により覆われ、前記ポンチ23の先端はカバー部材26の先端から突出している。この場合、カバー部材26を図示しない付勢手段によりハンマー把持部22の先端面22Aに進退可能に設けてもよい。
【0030】
また、ハンマー把持部22の基端側には、斜めの案内溝31が切欠き状に形成され、この案内溝31の下側底部に切断手段たる刃体32を設け、刃部32Aは上方の湾曲部5により隠れる。前記案内溝31は、ハンマー把持部22の先端側から基端側に向かって上から下になるように斜めに形成され、案内溝31の溝開口部31Aは、ハンマー把持部22の先端側に位置する。そして、前記嵌合部25の先端25Sは、前記ハンマー把持部22の外周から周方向に離れた上方の位置にある。尚、前記刃体32の先端の刃部32Aはハンマー21の中心軸方向に沿って配置されている。
【0031】
前記収納部11の底部には、付勢手段たるコイルスプリング33が設けられ、このコイルスプリング33には、前記ハンマー把持部22の先端面22Aを押す押出手段たる押出ピン34が設けられている。この押出ピン34は筒状をなし、ハンマー21の収納状態で、コイルスプリング33が圧縮され、前記カバー部材26が押出ピン34内に挿入されると共に、押出ピン34の先端が前記ハンマー把持部22の先端面22Aに圧接する。
【0032】
また、アシストグリップ1は、前記ハンマー21の動きを規制する規制部41を備え、この規制部41は、前記コイルスプリング33により付勢された前記ハンマー21の収納部11からの抜け出しを規制する。
【0033】
具体的には、前記規制部41は、収納部11の基端側に、該収納部11と交差方向(上下方向)の縦溝部42を形成し、この縦溝部42内に係止部たるロックピン43を移動可能に設けると共に、このロックピン43を飛び出す方向に付勢する付勢手段を縦溝部42の底部側に設け、この例では付勢手段としてコイルスプリング44を前記縦溝部42の底部側に配置している。
【0034】
また、前記ロックピン43には、前記縦溝部42に係合してロックピン43の突出位置を位置決めする位置決め突起45が設けられている。尚、縦溝部42の内周には、前記位置決め突起45の上部が係止する突起係止部42Aが設けられている。
【0035】
また、前記規制部41は、ロックピン43の動作を操作する操作部たる押しボタン46を備え、前記縦溝部42に交差する段付きの横溝部39を、前記湾曲部5に形成し、前記押しボタン46は前記横溝部39に進退可能に設けられると共に、この横溝部39の段部39Aに当接する抜け止め部たる鍔部46Aを有する。
【0036】
前記押しボタン46は前記ロックピン43に係合し、押しボタン46を押すことにより、コイルスプリング44の付勢に抗してロックピン43の先端が縦溝部42内に引っ込むように構成されており、押しボタン46から指を離すと、コイルスプリング44によりロックピン43の先端が収納部11内に突出する。
【0037】
この場合、例えば押しボタン46の先端に傾斜面49を設け、この傾斜面49に摺動する傾斜面49Aを、前記ロックピン43に設けることにより、押しボタン46を押す操作によりロックピン43を引っ込めることができる。
【0038】
そして、前記ロックピン43の先端には係止突起部47が設けられ、この係止突起部47の先端面47Aは収納部11の底部側から開口部12側に向かって低くなるように斜めに形成されている。また、前記係止突起部47が係止する係止凹部48を、前記ハンマー把持部22に設ける。前記係止凹部48は、上側の前記曲面部24に対して反対側である下側に設けられると共に、前記先端面47Aに対応する湾曲部48Aが係止凹部48の隣りに突設され、係合部たる前記湾曲部48Aは、係止凹部48の収納部11の底部側に位置する。尚、前記湾曲部48Aの代わりに、直線状の傾斜部を設けても良い。
【0039】
従って、開口部12からハンマー21を収納部11に挿入すると、細長開口部13に嵌合部25が嵌り、収納部11に対するハンマー21の周方向の向きが合され、ここからさらに挿入すると、ハンマー把持部22の先端面22Aがカバー部材26を押してコイルスプリング44が圧縮され、コイルスプリング44が所定量だけ圧縮されると、先端面47Aに湾曲部48Aが係合し、ロックピン43が押されて引っ込んだ後、コイルスプリング44の弾性復元力によりロックピン43の係止突起部47がハンマー21の係止凹部48に係止し、ハンマー21が位置固定される。この状態で、湾曲部5が曲面部24に連続する。
【0040】
他方の湾曲部5の内縁5Uには、フック50が把持部4の長さ方向の軸を中心に回動自在に設けられ、付勢手段(図示せず)により、フック50は湾曲部5の内縁5Uに沿う収納位置側に付勢され、付勢手段の付勢に抗してフック50を回転することにより、車内においてフック50が略水平となる使用位置で位置決めされるように構成されている。そして、使用位置で、フック50にハンガー(図示せず)などを掛けることができる。
【0041】
図6はアシストグリップ1の取付け方法の一例を示している。アシストグリップ1を追加で取り付ける場合、即ち後付けの場合、内装部材6に型紙51を当て、この型紙51には、開口部等からなる印52,52が設けられており、筆記手段たるサインペン53によりそれら印52,52に沿って内装部材6に印54,54を付ける。その型紙を外した後、それら印54,54の箇所を穿設して取付孔55を形成する。
【0042】
そして、取付孔55,55に前記取付部3,3を固定して内装部材6の内面にアシストグリップ1を取り付ける。尚、図6及び図7は乗り物である自動車の車内を示し、自動車側部の窓ガラス7の上方にアシストグリップ1が取り付けられる。
【0043】
図7は既設のアシストグリップ101を本発明のアシストグリップ1に交換する例を示している。同図に示すように、既設のアシストグリップ101の前記湾曲部5の一側面には、取付片56が回動自在に設けられ、その取付片56にはクリップ57を挿入する挿通孔58が穿設され、その取付片56にクリップ57を挿入すると共に、クリップ57を取付孔55に挿入した状態で、クリップ57にストッパ59を圧入し、これにより前記クリップ57が拡径してアシストグリップ101が内装部材6に固定されるように構成されている。
【0044】
また、取付片56は図示しない付勢手段により、湾曲部5の背面に沿う方向に付勢されている。尚、取付片56,クリップ57,挿通孔58及びストッパ59を、前記アシストグリップ1の取付部3に設けることができる。
【0045】
そして、既設のアシストグリップ101からストッパ59を抜き取り、ペンチなどの手動利器60によりクリップ57を抜き取ることにより、アシストグリップ101を取り外すことができ、取り外した取付孔55,55に前記取付部3,3を固定して内装部材6の内面に新しいアシストグリップ1を取り付け、交換することができる。
【0046】
次に、前記アシストグリップ1の使用方法について説明する。乗り物の窓ガラス7を割って脱出する際、各乗員の斜め上にあるアシストグリップ1の押しボタン46を押すと、ハンマー21の基端側が部分的に飛び出し、該基端側を持ってハンマー21を抜き取ることができる。この場合、刃体32は湾曲部5側により隠れているから、湾曲部5側を把持することができる。また、係止凹部48から外れたロックピン43が、ハンマー把持部22の外面に当るから、抵抗となってハンマー21の不用意な飛び出しを防止できる。
【0047】
このように普段はアシストグリップ1として使用するものに脱出用ハンマー21を組み込んだため、通常時は邪魔にならず、使用時には直ぐに脱出用ハンマー21を取り出して使用することができる。また、自動車の場合、他の収納場所を車内に確保する必要がなく、略乗員の数に相当する数だけアシストグリップ1を装備することができ、利便性に優れたものとなる。
【0048】
また、シートベルトを切断する必要がある場合は、ハンマー把持部22の先端側を持ってシートベルトの幅方向一側を案内溝31に引っ掛けるようにして底部の刃体32により切断することができる。
【0049】
このように本実施例では、請求項1に対応して、乗り物たる自動車の室内に取り付けられ、棒状に延びる把持部4と、把持部4の少なくとも一端に連続する屈曲部たる湾曲部5と、湾曲部5に連続し、自動車の内装部材6に取り付ける取付部3とを備えたアシストグリップ1であって、把持部4内には、湾曲部5側に形成された開口部12に連続する収納部11が形成され、収納部11には、脱出用ハンマー21が収納されているから、脱出用ハンマー21をアシストグリップ1内にコンパクトに収容することができる。
【0050】
このように本実施例では、請求項2に対応して、脱出用ハンマー21の動きを規制する規制部41と、規制部41の規制を解除する操作部たる押しボタン46とを備えるから、アシストグリップ1からハンマー21を容易に着脱することができる。
【0051】
このように本実施例では、請求項3に対応して、脱出用ハンマー21は少なくとも一端側に斜面部たる曲面部24を備えており、曲面部24が屈曲部たる湾曲部5の一部をなすから、ハンマー21の一部がアシストグリップ1の一部をなすことで、ハンマー21に大きさを持たせることができる。
【0052】
このように本実施例では、請求項5に対応して、アシストグリップ1の開口部12側に操作部たる押しボタン46が設けられているから、押しボタン46によりアシストグリップ1を握った状態からのハンマー21の取出しが容易である。
【0053】
このように本実施例では、請求項8に対応して、脱出用ハンマー21の斜面部たる曲面部24の内側に切断手段たる刃体32が設けられているから、刃体32を安全に保持することができる。
【0054】
また、実施例上の効果として、規制部41は、収納部11に先端が突出するロックピン43と、ハンマー21に設けられ前記ロックピン43が係止する係止凹部48とを備え、ハンマー21の挿脱によりロックピン43を出没させる出没手段が、コイルスプリング44,先端面47A及び先端面47Aを押圧する押圧部たる湾曲部48Aを備えるから、収納部11内にハンマー21を挿入するだけで、規制部41によりハンマー21が位置固定される。また、脱出用ハンマー21を開口部12側へ付勢する付勢手段たるコイルスプリング33を備えるから、アシストグリップ1からハンマー21を容易に着脱することができる。
【0055】
また、変形例として、アシストグリップ1に、操作部たる押しボタン46を設けずに、ハンマー21の基端側である曲面部24側を引っ張ってハンマー21を収納部11から取り出せるようにしてもよく、この場合、規制部41は、曲面部24側を引っ張ると、ロックピン43と係止凹部48との係止が解除できる程度の規制を行う構成にすればよい。さらには、後述する実施例3のように規制部41を設けず、本実施例で示した付勢手段たるコイルスプリング33も設けずに、収納部11にハンマー21を圧入状態などで挿入することにより、ハンマー21が収納状態で固定保持され、使用時には曲面部24側を引っ張って取り出すことできるように構成してもよく、この場合、開口部12を大きく形成すると共に開口部12に対応してハンマー21の曲面部24側を大きく形成し、或いは収納状態でハンマー21の基端側を開口部12から一部突出するように形成し、曲面部24側を引っ張り易くすることが好ましい。
【実施例2】
【0056】
図8及び図9は、本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例の脱出用ハンマー21は、図示しない操作部を押すなどの操作をすると、ポンチ23が突出するものである。また、付勢手段たるコイルスプリング33には、押圧体61を設け、この押圧体61がハンマー把持部22の先端面22Aを押すように構成している。
【0057】
また、前記規制部と前記操作部の両者を構成する規制操作部62を備える。この規制操作部62は、前記開口部12側に固設したリング体63と、このリング体63に着脱自在に設けられ前記開口部12を閉塞するキャップ状の閉塞部材64とからなる。この閉塞部材64は前記リング体63に外装するリング部64Aと、このリング部64Aの基端側を閉塞する閉塞部64Bとを備える。
【0058】
前記閉塞部材64は着脱構造65により前記リング体63に着脱自在に設けられ、着脱構造65としては、螺子機構やバヨネット結合などの回転式のものや、閉塞部材64を把持部4の長さ方向に押すことにより該閉塞部材64がリング体63に結合されると共に、この結合状態の閉塞部材64を押すことにより前記結合が解除されて閉塞部材64を取り外すことができる押圧式のものでもよい。
【0059】
また、前記ハンマー21のハンマー把持部22の外面に、反射材や蓄光材を設ければ、目印の役目を付与することができる。
【0060】
従って、規制操作部62を操作して閉塞部材64を取り外し、開口部12が開くと、コイルスプリング33の付勢によりハンマー21の一部が収納部11からリング体63を通って飛び出し、そのハンマー21を用いて窓ガラス7を破壊して脱出することができる。
【0061】
また、この例では、規制部と操作部を兼用する規制操作部62により、ハンマー21の取り出しを簡便に行うことができる
【実施例3】
【0062】
図10図12は、本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、規制部を、前記開口部12とは反対側に位置する収納部11の底部側に設け、操作部を開口部12側に設けている。
【0063】
この例の規制部はプッシュラッチ91であり、このプッシュラッチ91は、前記収納部11の底部に固定したロック本体92と、このロック本体92に係脱可能で前記ハンマー把持部22の先端側に設けた被ロック部93とを備え、前記収納部11にハンマー21を挿入し、先端の被ロック部93がロック本体92を押すと、被ロック部93にロック本体92が係止し、これによりハンマー21が規制されて固定され、一方、固定状態から操作部であるハンマー21の基端側を所定量押すと、ロック本体92による係止が解除され、前記コイルスプリング33の付勢によりハンマー21の基端側が開口部12から外部に出るように構成している。
【0064】
一例として、前記ロック本体92は、前記収納部11の底部に取付けられ前記開口部12側が開口するケーシング94と、このケーシング94に収納部11の長さ方向に進退自在に設けられたスライド部材95と、このスライド部材95の先端に開閉自在に設けられた対をなす保持部たる保持アーム96,96と、これら保持アーム96,96の間で前記スライド部材95に設けられ前記被ロック部93に押される押圧部97とを備え、上述した動作をする機構と付勢手段等(図示せず)を前記ケーシング94等に内蔵する。
【0065】
また、前記被ロック部93は、フック部材98を備え、ロック状態で、前記フック部材98のフック部99,99に、前記保持アーム96,96が閉まって係止する。この係止状態がプッシュラッチ91の固定状態であり、この状態から操作部である曲面部24を押すと、フック部材98がスライド部材95を押し、スライド部材95が後退した後、付勢手段によりスライド部材95が前進し、保持アーム96,96が開いて固定が解除される。
【0066】
また、この例では、規制部がプッシュラッチ91であり、操作部が収納状態で露出する曲面部24であり、このように規制部を開口部12の反対側に設けることができると共に、プッシュラッチ91を用いたから、曲面部24を押すことによりハンマー21の固定と、ハンマー21の取り出しとを簡便に行うことができる。
【0067】
また、変形例として、本実施例3のアシストグリップ1に、実施例1又は2の規制部と操作部とを設けてもよく、例えば、本実施例3において、実施例1の規制部41と操作部たる押しボタン46等を設けた場合、ハンマー21を取り出す際、押しボタン46と曲面部24を押す作業が必要になるが、ハンマー21を二重に規制することができる。
【0068】
このように複数の規制部と操作部を設けることにより、ハンマー21を二重に規制することができる。
【実施例4】
【0069】
図13図15は、本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記本体2には、両側の前記湾曲部5,5に前記開口部12,12を設けており、前記脱出用ハンマー21は、両側の開口部12,12からそれぞれ取出し可能に設けられている。
【0070】
前記把持部4は、管状の把持中央部110と両側の把持筒部110A,110Aを有し、前記把持部110Aは前記湾曲部5に一体に設けられている。前記把持中央部110の両側に前記湾曲部5,5を連結し、前記把持中央部110の端部は前記把持筒部110Aに挿入固定されている。また、湾曲部5,把持中央部110及び湾曲部5の内部に連続して前記収納部11が設けられると共に、この収納部11の両側には、両側の前記湾曲部5,5に開口する前記開口部12,12が設けられている。尚、この例では、前記細長開口部13は設けられていない。また、前記収納部11は全長に渡って前記把持中央部110の内周と略同一形状の円柱状に形成されている。そして、前記把持部4は、前記把持中央部110と、該把持中央部110より径大な前記把持筒部110A,110Aとにより構成されている。
【0071】
前記ハンマー21には、前記ハンマー把持部22の先端にキャップとなる先端部材111が着脱可能に設けられている。この先端部材111は、前記カバー部材26に着脱可能に外嵌固定される筒部112と、この筒部112の先端側を塞ぐ前記曲面部24とを一体に備える。そして、前記筒部112を前記カバー部材26に外嵌することにより、ハンマー把持部22に先端部材111が固定されると共に、該先端部材111により前記ポンチ23が覆われる。
【0072】
また、前記曲面部24に滑り止め部たる凹凸部113を設け、この凹凸部113は、前記ハンマー21の長さ方向と交差する方向の突条113Aと凹溝113Bを、該長さ方向に複数並設してなる。そして、前記凹凸部113を設けた曲面部24により、操作部24Sを構成している。
【0073】
前記ハンマー把持部22の基端側には、前記先端部材111と同一構成の基端部材114が固着されている。そして、前記収納部11にハンマー21を収納した状態で、両側の前記曲面部24,24が両側の開口部12,12を塞ぎ、それら曲面部24,24は、前記把持部4の把持筒部110Aの外縁4Sに略連続するように形成されている。
【0074】
前記収納部11の内周には、ハンマー21の動きを規制する規制部たる弾性圧接部115,115が設けられ、これら弾性圧接部115,115は、ハンマー21を挟んで対向する位置に設けられ、前記ハンマー把持部22の外周に前記弾性圧接部115,115が圧接することにより、ハンマー21が規制されて収納部11に固定される。また、どちらか一方の曲面部24を押すことにより、他方の開口部12からハンマー21を押し出して抜き取ることができ、さらに、突条113Aに指を掛けて手前にハンマー21を引き出すこともできる。このように収納部11にハンマー21を出し入れすることができる。
【0075】
このようにしてアシストグリップ1からハンマー21を取り外し、このハンマー21から先端部材111を外し、ポンチ23により窓ガラス7を破壊することができる。そして、使用後は、ハンマー把持部22の先端に先端部材111を取付けた後、収納部11に挿入してアシストグリップ1にハンマー21を再び収納状態で固定することができる。
【0076】
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、脱出用ハンマー21は少なくとも一端側に、この例では両端に斜面部たる曲面部24,24を備えており、曲面部24が屈曲部たる湾曲部5の一部をなすから、ハンマー21の一部がアシストグリップ1の一部をなすことで、ハンマー21に大きさを持たせることができる。
【0077】
また、このように本実施例では、請求項4に対応して、把持部4の両側に屈曲部たる湾曲部5,5が形成され、これら両側の湾曲部5,5にはそれぞれ開口部12,12が形成され、脱出用ハンマー21の両端には斜面部たる曲面部24,24が形成されており、脱出用ハンマー21が開口部12,12のいずれからも取出し可能であるから、脱出用ハンマー21を両側の開口部12,12のいずれからも取出すことができ、利便性に優れる。
【0078】
また、このように本実施例では、請求項7に対応して、脱出用ハンマー21に操作部24Sが設けられているから、脱出用ハンマー21の操作部24Sを操作して脱出用ハンマー21を取出すことができる。
【0079】
また、実施例上の効果として、操作部24Sは、収納状態で開口部12に位置する曲面部24に凹凸部113を設けたものであるから、構造簡易にして、操作部24Sを押したり、引いたりして簡便にハンマー21を取出すことができる。
【実施例5】
【0080】
図16は、本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、規制部の変形例を示し、例えば実施例1のアシストグリップ1において、前記規制部41を設けずに、規制部と操作部を兼用する規制操作部121を設けている。
【0081】
前記規制操作部121は、前記ハンマー把持部22の一側の内縁4U側に透孔122を穿設し、この透孔122に連通する取付孔123を、前記ハンマー把持部22に設け、前記透孔122を挿通して前記取付孔123に着脱可能に固定可能な規制ピン124を備える。
【0082】
前記規制ピン124は、そのピン本体124Aを前記取付孔123に圧入などすることにより固定され、前記規制ピン124の径大な頭部124Bを所定以上の力で引っ張ることにより、アシストグリップ1から規制ピン124を抜き取ることができる。
【0083】
このようにして規制ピン124を抜き取ると、前記コイルスプリング33の付勢により、開口部12からハンマー21の基端側が部分的に飛び出し、該基端側を持ってハンマー21を抜き取ることができる。
【0084】
また、このように本実施例では、請求項6に対応して、把持部4に操作部たる規制操作部121が設けられているから、把持部4の規制操作部121を操作して脱出用ハンマー21を取出すことができる。
【0085】
また、実施例上の効果として、規制操作部121はハンマー21に挿入等して該ハンマー21を仮固定する規制ピン124と、脱出用ハンマー21を開口部12側へ付勢する付勢手段たるコイルスプリング33とを備えるから、構造簡易にして、規制ピン124を抜く操作により、ハンマー21が部分的に収納部11から出てくるため、操作も容易となる。
【実施例6】
【0086】
図17は、本発明の実施例6を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、規制部の変形例を示し、実施例4のアシストグリップ1において、規制部たる前記弾性圧接部115を設けずに、前記規制操作部121を設けている。
【0087】
そして、把持部4の一部を構成する前記把持筒部110Aの内縁に前記透孔122を穿設している。
【0088】
また、この例では、コイルスプリング33を用いないから、規制ピン124を抜いても、操作しないかぎりハンマー21が部分的に収納部11から出ることがなく、規制ピン124を抜いた後、状況に応じて、両側の開口部12,12のいずれかから、ハンマー21を押し出したり、引き出したりすることができる。
【0089】
さらに、規制ピン124は、把持中央部110より径大で外側の把持筒部110Aに設けられているから、把持中央部110が握り易い。また、規制ピン124は、前記把持筒部110Aの内縁4Uに設けられているから、邪魔にならない。
【実施例7】
【0090】
図18図20は、本発明の実施例7を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、ハンマー21の変形例を示し、この例のハンマー21は、前記ハンマー把持部22の先端にキャップとなる前記先端部材111が着脱可能に設けられている。
【0091】
前記ハンマー把持部22の基端側に設けられた曲面部24及び前記先端部材111の先端側に設けられた曲面部24には、それぞれ操作部たる操作凹部131が設けられている。この操作凹部131は、前記曲面部24の上側に挿入用開口部132を設け、この挿入用開口部132の下縁には、上面部133と縦面部134を有する指掛け部135が設けられ、この指掛け部135の奥には指Yを挿入する空間が設けられ、前記指掛け部135は操作用掛け部である。尚、前記挿入用開口部132は、一例として上下寸法が15mm、幅寸法が13mm程度である。そして、この例では、前記指掛け部135が操作部である。
【0092】
図18及び図19に示すように、前記操作凹部131のハンマー21の先端側には底面部136が設けられ、前記ハンマー把持部22の前記底面部136には、ハンマー21の先端側に円形の管状部137が一体に設けられている。また、実施例1に比べて前記案内溝31はハンマー把持部22の中心軸に対する角度が大きく、案内溝31と中心軸のなす角度は45度程度である。また、前記刃体32の刃部32Aは、前記案内溝31の下側底部31Tの近傍で、該案内溝31の下側底部31Tと平行に設けられている。尚、前記下側底部31Tは、ハンマー21の中心軸に対して前記案内溝31と逆方向に傾斜している。
【0093】
前記管状部137の左右には、コ字形の切欠き溝138が貫通形成され、この切欠き溝138は、先端側に縦溝138Tを設け、この縦溝138Tの上,下端で基端に横溝138Y,138Yを設けており、その切欠き溝138内に、先端側が自由端の弾性片139を設けてなる。また、前記弾性片139の外面に突起140を設け、この突起140が前記収納部11の内周に圧接し、それら弾性片139と突起140により規制部141を構成している。尚、弾性片139は、その先端側、上下側の三方の周囲に前記切欠き溝138を設け、基端側のみが管状部137に連結されていることにより、弾性変形可能に構成されている。
【0094】
前記先端部材111の前記操作凹部131のハンマー21の基端側には、前記底面部136が設けられ、前記先端部材111の底面部136には、ハンマー21の基端側に、前記管状部137より短い管状部137Aが一体に設けられている。この管状部137Aの左右に前記規制部141,141を設け、この規制部141は前記弾性片139の先端がハンマー21の中央側に位置する。
【0095】
図20に示すように、前記ハンマー把持部22は、左右方向に二分割した分割体142,142を組み合わせ形成することができ、図18に示すように、組み合わせた分割体142,142の先端に前記ポンチ23が設けられる。また、前記ハンマー把持部22の先端にキャップとなる前記先端部材111が着脱可能に設けられている。
【0096】
前記収納部11にハンマー21を収納した状態では、前記突起140が収納部11の内周に圧接し、ハンマー21が動かないように規制される。この状態で指掛け部135に指Y等を掛け、外側に引っ張ることにより、開口部12からハンマー21を抜き取ることができる。この場合、両側の開口部12,12の両方からハンマー21を抜き取ることができるから便利である。また、一方の曲面部24を押して他方の開口部12からハンマー21を抜き出すこともできる。
【0097】
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【0098】
また、このように本実施例では、請求項7に対応して、脱出用ハンマー21に操作部たる指掛け部135が設けられているから、脱出用ハンマー21の指掛け部135を操作して脱出用ハンマー21を取出すことができる。
【0099】
また、実施例上の効果として、指掛け部135は、縦面部134を有するから、縦面部134に指を掛けることにより、ハンマー21を容易に引き出すことができる
[参考例1]
図21図22は、本発明の参考例1を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例のアシストグリップ1は、把持部4の背面側中央に収納凹部71を設け、この収納凹部71にポンチ体72を着脱可能に収納している。前記ポンチ体72は、前記ポンチ23と取付体73とを一体に備える。また、一方の前記湾曲部5の先端縁に、前記取付体73を着脱可能に取り付ける取付受け部74を設けている。尚、収納状態で、取付体73が収納凹部71に仮固定される。
【0100】
尚、取付受け部74に対する取付体73の着脱構造は、螺子機構やバヨネット結合などの回転式のもの、圧入固定式のもの、磁石・吸盤などの吸着式によるものなどでもよい。また、収納凹部71の開口部には、開閉式や着脱式の蓋体(図示せず)を設けてもよい。
【0101】
また、湾曲部5,5の曲面部5Mの先端側には、着脱操作部たる押しボタン75を設け、この押しボタン75を押した状態で、アシストグリップ1を引っ張ると、該アシストグリップ1から取付部3,3が外れるように構成している。
【0102】
従って、アシストグリップ1を取り外し、湾曲部5の先端縁にポンチ体72を固定し、アシストグリップ1の把持部4を持って窓ガラス7を破壊することができる。
【0103】
また、参考例上の効果として、アシストグリップ1の本体2に、収納部たる収納凹部71を設け、この収納凹部71にポンチ23を着脱自在に収納し、使用時にはポンチ23を本体2に取り付けて使用可能に構成したから、アシストグリップ1を脱出用ハンマーとして使用することができる。また、乗り物たる自動車の室内に取り付けられ、棒状に延びる把持部4と、把持部4の少なくとも一端に連続する屈曲部たる湾曲部5と、湾曲部5に連続し、自動車の内装部材6に取り付ける取付部3とを備えたアシストグリップ1であって、把持部4には、ポンチ23を収納する収納部たる収納凹部71を設け、アシストグリップ1の外側にポンチ23を取り付ける取付受け部74を設けたから、ポンチ23をアシストグリップ1内にコンパクトに収容し、脱出時にはアシストグリップ1に取り付けて脱出用ハンマーとして使用することができる
[参考例2]
図23は、本発明の参考例を示し、上記各実施例及び参考例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例のアシストグリップ1は、湾曲部5の先端部5Sを着脱可能に分離し、その先端部5S内には収納空間81が設けられ、また、先端部5Sに取付部3が設けられている。
【0104】
一方の湾曲部5には、前記先端部5Sの分離箇所に切断手段取付部82が設けられ、この切断手段取付部82には縦方向の開口溝83が設けられ、この開口溝83内に前記刃体32を取り付け、その刃部32Aは開口溝83の長さ方向に対して斜めに形成されている。
【0105】
他方の湾曲部5には、前記先端部5Sの分離箇所に前記ポンチ体72が設けられている。尚、前記切断手段取付部82及びポンチ体72は、前記収納空間81,81内に収納される。
【0106】
また、先端部5Sには、着脱操作部たる押しボタン84を設け、この押しボタン84を押した状態で、把持部4を引っ張ると、該アシストグリップ1から先端部5S,5Sが外れるように構成している。尚、使用後は、先端部5S,5Sを再び取り付けることができる。
【0107】
従って、先端部5S,5Sを残してアシストグリップ1を取り外し、アシストグリップ1の把持部4を持って窓ガラス7を破壊したり、シートベルトを切断したりすることができる。
【0108】
また、参考例上の効果として、アシストグリップ1の本体2に、収納部たる収納空間81を設け、この収納空間81にポンチ23を収納し、使用時には、先端部5Sを外すことにより、アシストグリップ1を脱出用ハンマーとして使用することができる。また、先端部5Sがポンチ23と刃体32のカバーとなって、ポンチ23と刃体32を湾曲部5に内蔵することができる。
【0109】
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、規制部は上記実施例に限定されず各種タイプのものを用いることができる。また、操作部を把持部に設けたり、開口部の反対側の湾曲部に設けたりすることができる。さらに、付勢手段は、コイルスプリング以外でも各種のバネなどを用いることができる。また、プッシュラッチは実施例のものに限らず、押すとロックされてロックの状態が保持され、前記ロック後に押すとロックが解除されるものであれば、各種のものを用いることができる。また、プッシュラッチに、押圧部を前方に付勢する付勢手段が設けられている場合、プッシュラッチの付勢手段により、脱出用ハンマーを開口部側へ付勢する付勢手段を構成してもよく、この場合は、実施例1で示した付勢手段たるコイルスプリングを省略することもできる。また、例えば実施例4と実施例7の規制部及び操作部を交換するなど各実施例の規制部及び操作部を他の実施例に適用することができる。さらに、アシストグリップの材質は合成樹脂以外でも各種の材質のものを用いることができる。
【符号の説明】
【0110】
1 アシストグリップ
3 取付部
4 把持部
5 湾曲部(屈曲部)
6 内装部材
11 収納部
12 開口部
21 脱出用ハンマー
23 ポンチ
24 曲面部(斜面部・操作部)
24S 操作部
33 コイルスプリング(付勢手段)
41 規制部
42 縦溝部
46 押しボタン(操作部)
62 規制操作部(規制部・操作部)
91 プッシュラッチ(規制部)
115 弾性圧接部(規制部)
121 規制操作部(規制部・操作部)
135 指掛け部(操作用凹部・操作部)
141 規制部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23