(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
同一の通信プロトコルを用いて異なる時間にマスター装置としてかつスレーブ装置として別々の通信関係で動作するように構成される無線通信インターフェースを含む無線通信モジュールであって、前記インターフェースは、潜在的なマスター装置としてアドバタイジングする期間と潜在的なスレーブ装置として観測する期間とを交互配置にすることにより、マスター装置モードとスレーブ装置モードの間で切り換わるように構成され、前記無線通信インターフェースは、前記交互に配置することを、
待ち受け期間の間、前記スレーブ装置モードで動作する別の無線通信モジュールから送信されるアドバタイジングデータを前記マスター装置モードで待ち受けることと、
アドバタイジング期間の間、前記マスター装置モードで動作する別の無線通信モジュールにアドバタイジングデータを転送するためにアドバタイジング期間の間にアドバタイジングデータを前記スレーブ装置モードで送信することと、
を含む通信スケジュールを採用することにより実施するように構成されている、無線通信モジュール。
前記無線通信インターフェースはパーソナル・エリア・ネットワーク・プロトコルを動作させるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の無線通信モジュール。
前記インターフェースは、前記マスター装置モードと前記スレーブ装置モードとの間を可変の切り換え速度で切り換わるように構成され、その結果、前記マスター装置モードと前記スレーブ装置モードのうちの少なくとも一方での後に続く待ち受け期間の間の間隔が変化することを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信モジュール。
前記無線通信インターフェースは2.4〜2.485GHzの無線周波数帯域で動作するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の無線通信モジュール。
前記第1及び前記第2のモジュールは、それらの間で前記データトークン以外のデータを送信するために結合関係を確立するように構成される、ことを特徴とする請求項8または9に記載の無線通信ネットワーク。
前記第1のモジュールは、前記通信プロトコルを使用して更なる無線通信モジュールとの結合関係に追加的に参加するように構成され、前記更なるモジュールは前記結合関係のマスター装置として構成され、前記第1のモジュールは前記結合関係のスレーブ装置として構成されることを特徴とする請求項8乃至10いずれか1項に記載の無線通信ネットワーク。
前記第2のノードの無線通信範囲内にある第3のノードにおいて、前記第2のノードでの前記アドバタイジング状態の持続時間の少なくとも一部と同時に、前記第2のノードのアドバタイジングデータが前記第3のノードによって受信される待ち受け状態を採用する工程を更に含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
前記アドバタイジング状態と前記待ち受け状態のうちの少なくとも一方の持続時間は、その状態のその後の採用の間で変化することを特徴とする請求項12乃至14いずれか1項に記載の方法。
前記待ち受け状態はBluetooth(登録商標)マスターモードまたはBluetooth(登録商標)low energy中央モードに対応し、前記アドバタイジング状態はBluetooth(登録商標)スレーブモードまたはBluetooth(登録商標)low energy周辺モードに対応することを特徴とする請求項12乃至15いずれか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、無線通信の挙動の改変された形態に関する。本教示によれば、装置は、Bluetooth(登録商標)またはBluetooth(登録商標)に似た通信プロトコルを使用するように構成することができ、また、その装置と通信するための通信プロトコルを用いて他の装置に対して透過的であることがある様相で、時分割をベースとして同時に異なる通信関係で、マスター/中央装置及びスレーブ/周辺装置の両方として動作することができる。
【0017】
例によっては、装置は、他の通信装置と通信することを可能にする電子機器を備えた、時には電子ニコチン送出装置(END装置)としても知られる、いわゆる「電子タバコ」などのエアロゾル送出装置であり得る。他の例では、装置は、電子名刺または他の携帯装置を含むことがあり、それらは、それらの装置のうちの複数の装置間でメッシュ型の様相で相互作用する能力に関連した機能を有することがある。
【0018】
この例では、装置はBluetooth(登録商標) Low Energy(「BTLE」)を使用しているが、他のBluetooth(登録商標)プロトコルまたはBluetooth(登録商標)に似たプロトコルが、本教示を利用することができる。Bluetooth(登録商標)は、適切に有効にされた装置間での短距離通信のための無線技術標準である。BTLEは、電池寿命の延長及び/または小型電池用途のために、使用時により省電力となるように設計された、元のBluetooth(登録商標)システムの変形例である。Bluetooth(登録商標)及びBTLEは両方とも、2.4〜2.485GHzのUHF無線産業科学医療用(ISM)帯域で動作し、短距離で装置同士を相互接続するための、いわゆる無線パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)を生成するように設計されている。BTLEは、通信用のBluetooth(登録商標)スタックの修正版を使用しており、その結果、1つの装置が両方のプロトコルを実装していない限り、BTLE装置と従来のBluetooth(登録商標)装置とは直接には互換性が無い。Bluetooth(登録商標)標準及びBTLE標準は両方とも、Bluetooth(登録商標) Special Interest Group(SIG)によって維持管理されている。本開示は、BTLEに関連するBluetooth(登録商標) v4仕様の部分を用いたBTLEの実装という文脈で提供される。しかしながら、本教示は、やはりBluetooth(登録商標) v4仕様に記載されている、いわゆるClassic Bluetooth(登録商標)定義などの他のBluetooth(登録商標)方式に適用することができることが、当業者には分かるであろう。また、当然のことながら、本教示は、Bluetooth(登録商標)仕様全体には準拠していないがそれでもなおBluetooth(登録商標)に似た様相で振る舞う技術に適用することができる。
【0019】
例えば、Bluetooth(登録商標) Low Energy Generic Access Profile(GAP)に基づくアドバタイジング構成をやはり使用し、従って
図1に示すようなアドバタイジング構造を実質的に有する、非Bluetoothシステムは、本教示の技術を利用することができる。
図1は、アドバタイジング構造を示しており、この構造によれば、周辺(またはスレーブ、リモート、または2次)装置は、アドバタイズメント期間の間に、周辺(またはスレーブ、リモート、または2次)装置としての利用可能性をアドバタイズし、アドバタイズメント期間はアドバタイズメント間隔だけ分離されている。アドバタイズメントは、送信用のデータ、または送信用のデータが存在するという指摘を含むか、またはデータ参照が全くないことでもよい。アドバタイズメントを受信するために、中央(または1次、または制御)装置は、スキャンウィンドウの期間中にアドバタイズメントを探してスキャンする。複数のスキャンウィンドウが、スキャン間隔によって分離されている。スキャン間隔及びアドバタイズメント間隔の相対的な持続期間は、一方の装置型における間隔は一定であり他方は変化するという決定か、または両方とも変化するという決定によって変更され、その決定は、アドバタイジング・プロトコルを実装するための標準または規則集合によって設定することができる。スキャン間隔及びアドバタイズメント間隔でのこの相対的な変動を設けることによって、最初のアドバタイズメント期間が最初のスキャンウィンドウと重複しない場合であっても、いくつかのアドバタイズメント間隔及びスキャン間隔の後で、スキャンウィンドウと重複するアドバタイズメント期間が発生することになり、その結果、中央装置と周辺装置との間で接続を開始することができる。
【0020】
本教示を利用することができる装置環境1の第1の例を、
図2に示す。この例では、装置環境1中に、複数のノード2a〜2eが存在する。ノード2のうちのいくつかは、点線4によって示される無線リンクを介して相互接続されている。しかしながら、全てのノード2が互いのノードと直接的に相互接続されているわけではない。むしろ、ノード2はスキャッタネットデータフローを伴うメッシュ状のパターンで相互接続される。従って、メッセージがノード2aからノード2dに渡される場合、そのメッセージはノード2dに到達するために、ノード2b及び2c(並びに、場合によっては2eも)を介して渡されることが、分かるであろう。いくつかの観点から、PICONETとしてのこれらの相互作用について、メッシュ化またはメッシュ状相互作用の説明を用いる代わりとして説明することが適切かも知れない。読みやすくするために、この明細書では全体を通してメッシュという用語を用いる。
【0021】
そのようなメッシュ型通信構造を達成するために、本教示と整合性のある装置は、2つ以上のペルソナを引き受けることができ、従って、2つ以上のBTLE通信関係に属することができ、更には、装置は1つのBTLE通信関係の中で中央装置または周辺装置として動作することができ、かつ、別のBTLE通信関係の中で周辺装置として動作することができる。これらの異なるペルソナの同時性を管理するために、本教示の装置は、一度に1つのペルソナのみを採用するように、2つのペルソナの間で切り換わるように動作することができる。ペルソナ間の切り換えは、通信関係を形成する装置が、その装置が利用不可能になったと結論付けてそれらの通信関係を閉じてしまうことなく、各通信関係が維持される程度に、頻繁に行われる。
【0022】
所与の装置内のペルソナ間の切り換えは、その装置に対する特定のアプリケーションからの要求に合致する時間尺度で発生する。上記の
図1に関して図示したように、この切り換えにはランダムな要素が存在する。しかしながら、このランダムな要素が動作することができる時間範囲は、アプリケーションの要求に従って設定される。例えば、装置のメッシュを介して高速のデータ送信を提供するためには、ペルソナの切り換えは比較的に高頻度で行われる。例えば、一過性の位置にいるユーザと関連付けられた装置による相互作用に基づく実装(装置がネットワーク会議における電子名刺である、または社交場にあるEND装置である、など)では、各装置は数秒毎に役割を切り換えるように構成されることがある。他方、より高い電力効率のためには、またメッシュを通じたデータ送信速度があまり重要ではない場合には、比較的低頻度のペルソナ切り換えを使用することができ、ことによると一時間に1度か2度だけ役割を切り換えるのに適切な状況になる。また、周辺及び中央の役割の相対的な持続時間は、実装環境に当てはまる要因に従って、変更することができる。従って、中央ペルソナがアクティブである間は、装置はアドバタイジング・パケットの一部としてデータを送信し、周辺ペルソナがアクティブである間は、装置は他の装置がデータパケットをアドバタイジングするのを待ち受ける。
【0023】
更に、本教示に従った装置は、複数の中央ペルソナを有することができ、この複数の中央ペルソナを使用して、異なるメッシュで通信することができ、または周辺装置の総数を増やすことができ、本教示の装置はこれらの周辺装置と、用いられている特定のBluetooth(登録商標)チップセットによって課される制限を超えて一度に複数の結合関係を保持することができる。これらの複数の中央ペルソナは、上記で概略を説明したペルソナ切り換え方式を用いて、または複数のBTLE MCUを実装して、実装することができる。
【0024】
そのような技術を使用することにより、例えば、ノード2間の相互接続は、第1のBTLE関係でノード2aが中央ノードとして動作し、ノード2bが周辺ノードとして動作する形態で、行われることができる。ノード2bは、ノード2cを周辺ノードとして特に扱う第2のBTLE関係の中で、中央ノードとして動作することもできる。次いで、ノード2cは、ノード2d及び2eを周辺ノードとして含む第3のBTLE関係の中で、中央ノードであることもできる。更に、ノード2dは、ノード2eを周辺ノードとして含む第4のBTLE関係の中で中央ノードであることもできる。当然のことだが、様々な可能なノード関係でどのノードが中央ノード及び周辺ノードとして機能するかについて他の順序付けを実装することができる。例えば、
図1に示す接続性は、ノード2a及び2cが周辺ノードであるBTLE関係の中でノード2bを中央ノードとして機能させ、かつ、ノード2cが周辺ノードである関係の中でノード2dを中央ノードとして機能させ、かつ、ノード2c及び2dが周辺ノードである関係の中でノード2eを中央ノードとして機能させることで、代替的に実現することができる。以下の考察から分かるように、メッシュを構成するための関係の配置は、関係確立処理の結果として、どのノードが中央ノードになるかに応じてアドホックベースで決定することができる。
【0025】
本開示で説明するメッシュ方式は、ノード間に完全なBTLE結合関係を確立する必要なく、ノード間で小さなデータパケットまたはトークンをやり取りするのを可能にする。従って、そのようなトークンは、周辺ノード対中央ノードの関係がトークンを送受信するのに十分な長さの間だけ続く、一過性のまたは非永続的なノード対ノードの関係に基づいて、任意の2つ以上のノードからなるメッシュ内を氾濫することがある。この方式は、メッシュ内のノードの一部または全部が結合関係を確立する(ペアリングとしても知られる)のを妨げない。そのような結合に基づく方式は、例えば、トークンを使用して収容することができるデータ容量よりも大きなデータ容量をメッシュ内のノード間で送信する必要がある状況で、使用することができる。
【0026】
図2に示すように、追加のノード6を設けてもよい。ノード6は、ノード2のメッシュ化可能な相互接続性に関する知識または能力を有する必要は全くなく、その代わり、従来方式での通信プロトコルを実装している。従って、本例では、ノード6は従来のBTLEインターフェースを実装し、従って、ノード6が中央ノードとして動作しノード2が周辺ノードとして動作するように、メッシュ化可能なノード2のうちの1つとの接続6を確立することができる。
【0027】
従って、本教示の方式は、星型の接続形態のためのコアノードを提供する制御装置無しに、Bluetooth(登録商標)またはBTLEベースのメッシュを確立することを可能にすることが分かる。メッシュは、メッシュ型ではない装置と相互作用することができるが、この相互作用は連続的であることもまたは断続的であることもあり、メッシュ型ではない装置は、メッシュを確立、制御、または設定するどのような役割も有する必要はない。
【0028】
従って、そのようなメッシュネットワークを確立することで、様々なノード2が互いに通信することができ、またBTLEなどの既存の通信プロトコルを用いて、範囲内にある他のノードへ情報を渡すことができる。しかしながら、考察から分かるように、ノードは、このアドホックのメッシュ化可能な挙動を達成するために、汎用属性プロファイル(Generic Attribute Profile=GATT)Notificationを用いたBluetooth(登録商標)ハードウェア実装の修正形態を使用する。本教示から分かるように、この修正は、標準通信プロトコルに多くの点で準拠するが例えば本明細書に記載する装置間相互作用を達成するためのスクリプトを用いてもたらされる追加の機能性も含む制御回路の実装を用いることにより、プロトコルの修正ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェア実装を行うことによって、達成することができる。追加の機能性は、修正ハードウェアを用いて導入することができ、これは、非標準のハードウェアを用いることを必要とするのであるが、この修正ハードウェアは、ペルソナを時分割方式で共有する必要無しに、両方のモードを全時間方式で提供できるようにする。制御回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)などの、その構成によって提供される機能性を有するハードウェア回路であることがあり、または、ファームウェア及び/若しくはソフトウェアの制御下で動作するプログラム可能なマイクロプロセッサ(μP)若しくはマイクロ制御装置(MCU)であることがある。
【0029】
図3は、各ノード2の機能構成要素を概略的に示す。各ノード2は、BTLE信号を送受信するためのアンテナ10を有する。アンテナ10は、BTLE MCUなどのBTLE制御回路12に接続されている。制御回路12は、装置コア機能プロセッサ14から送信用データを受け取り、装置コア機能プロセッサ14に受信データを提供し、この装置コア機能プロセッサ14は、例えばメモリ16及び/またはI/O素子18と共に動作して、ノード2のコア計算機能を実行する。
図3では、ノード2の機能構成要素は直接リンクベースで相互作用することが示されているが、
図3は本質的に概略であるので、この説明は、例えばバスによる相互接続ベースでの機能構成要素の代替的配置も含むことは、言うまでもない。図示される1つ以上の機能構成要素が単一の物理的構成要素によってもたらされることがあり、また、1つの機能構成要素が複数の物理的構成要素によってもたらされることもあることは、勿論である。
【0030】
ノード2のコア計算機能に関連する機能構成要素に関して、これらの構成要素の性質及び用途は、装置自体の性質に応じて異なっていてもよいことは、勿論である。電子名刺である特定のノードに対応する装置の例では、コア計算機能は、名刺情報のための記憶、表示、及び送信制御オプションを、そのような情報の送受信(これは、制御回路12及びアンテナ10を用いて実行される)に加えて提供することを含んでいてもよい。END装置であるノード2に対応する装置の例では、コア計算機能は、END装置間での情報トークンのやり取り、装置の充電レベル及び/またはニコチン流体レベルの監視及び報告、紛失及び発見の相互作用、並びに使用記録を含むことがある。従って、コア計算機能は、ユーザが知覚する装置のコア機能とは異なっていることがあることが、理解されよう。例えば、END装置の場合では、ユーザが知覚するコア機能とは、ニコチンを送出するためのエアロゾル生成機能であると思われ、計算機能は、ユーザが知覚するそのコア機能に対して追加的、補足的、または2次的である。
【0031】
図4は、各ノード2の制御回路によって実装されるプロトコル構造を概略的に示す。
図4に図示されたプロトコル構造は、Bluetooth(登録商標)スタックに対応しており、このBluetooth(登録商標)スタックはGATT(generic attribute protocol)、GAP(generic access protocol)、SM(service manager protocol)、GATT/ATT(low energy attribute protocol)、L2CAP(logical link control and adaptation layer)及びリンク層を含む。この例では、リンク層はLERF(low energy radio frequency)ベースで動作する。
図4に示すように、このプロトコル・スタックは、いわゆるホスト層と制御装置層との間で概念的に分割することができる。制御装置部分は、物理層パケット及び関連するタイミングのために必要とされる下位層を構成する。スタックの制御装置部分は、統合されたBluetooth(登録商標)無線を有するSoC(system-on-a-chip)パッケージなどの集積回路の形態で実装することができる。
【0032】
本教示を理解するのに関連性のある層の実装には、リンク層、L2CAP、GAP、及び低エネルギー属性プトロコル(low energy attribute protocol)が含まれる。
【0033】
リンク層制御装置は、物理インターフェースを介した低レベルの通信を担当する。リンク層制御装置は、送受信フレームのシーケンス及びタイミングを管理し、リンク層プロトコルを用いて、接続パラメータ及びデータフロー制御に関して他のノードと通信を行う。リンク層制御装置は、装置がアドバタイジングモードまたはスキャナモードにある間に送受信されたフレームも処理する。リンク層制御装置は、露出及び他の装置とのデータ交換を制限するために、ゲートキーピング機能も提供する。フィルタリングが設定されている場合には、リンク層制御装置は、許可された装置の「ホワイトリスト」を維持管理し、他の装置からのデータ交換またはアドバタイジング情報に対する要求全部を無視する。セキュリティ機能を提供するのに加えて、これは電力消費を管理するのにも役立つことができる。リンク層制御装置は、層の実装が同じ場所に配置されていない場合には、ホスト・制御装置・インターフェース(HCI)を使用してスタックの上位層と通信する。
【0034】
L2CAP(logical link control and adaptation layer protocol)構成要素は、セキュリティ・マネジャー・プロトコル及び属性プロトコルのような上位層プロトコルにデータサービスを提供する。L2CAP構成要素は、プロトコルを多重化し、かつデータをリンク層制御装置のために十分に小さいパケットに分割し、さらに、反対に逆多重化及び再構築動作を行うプロトコルを担当する。L2CAPは、GAP用のバックエンドインターフェースを有しており、このバックエンドインターフェースは、BTLE装置の発見と他のBTLE装置との接続のリンク管理様相とに関連した包括的な手順を規定する。GAPは、アドバタイジングまたはスキャニングなどの異なる動作モードを設定し有効にするために、また、他の装置との接続を開始、確立、及び管理するために、アプリケーション用のインターフェースを提供する。従って、GAPは、Bluetooth(登録商標)での接続及びアドバタイジングを制御するために使用される。GAPは、装置の可視性を制御し、2つの装置が互いに相互作用できる(またはできない)方法を決定する。
【0035】
ATT(low energy attribute protocol=低エネルギー属性プロトコル)は、Bluetooth(登録商標) low energyで用いられる小さなパケットサイズに対して最適化されており、属性サーバが属性クライアントに対して属性及び属性に関連付けられた値の集合を公開することが可能になる。これらの属性は、接続先装置(peer device)によって発見、読み出し、及び書き込みを行うことができる。GATTは、ATTを使用するためのフレームワークを提供する。
【0036】
上記の考察から明らかなように、本教示により、アドバタイジング処理を使用して複数の装置のメッシュ型相互作用が容易になり、例えば、距離及び時間を越えてデータを行き渡らせる目的のために、無制限の数の装置間で情報の拡散が可能となる。
【0037】
この例の文脈では、本明細書に記載するメッシュ型構造を介して通信する装置で動作しているアプリケーションは、その装置によって送信されたスキャン応答に応答する、特定のスキャン応答ペイロード(パケット中のデータ本体)を要求するかまたは待ち受けることができる。この方式は、従来のBluetooth(登録商標)実装で使用されて、装置名及び他の識別情報の詳細を送信する。しかしながら、本方式では、このスキャン応答は、31バイトのデータパケットとして定義され、トークンとも呼ばれるのであるが、このスキャン応答は、アプリケーションによって読み込まれると特定の応答または動作をトリガーする変数に関連したID情報を共有するために使用される。そのような要求のタイミングを
図5に示す。この図から分かるように、スキャン応答要求がアドバタイジング間隔の期間中に中央装置によって送信され、スキャン応答データが次のアドバタイジング間隔が開始する前に周辺装置によって提供される。
【0038】
本教示の方式を実装することで、物理層を介してやり取りされるデータは、そのレベルでは通常のBTLEトラフィックと区別がつかなくなる。また、装置のメッシュ化可能なこの相互作用を受け入れるためにより上位の層が修正されるが、非メッシュ型が有効になっているアプリケーションは、本教示に合致する装置を用いて、BTLEを介して通信することができる。
【0039】
また、従来のBTLEスタックのみを利用する装置(上記の
図2に示したノード6など)は、本教示のメッシュ化可能方式を使用する装置2と通信することができる。このとき、従来のBTLE装置は、従来のBTLE装置内のBTLEスタックが装置2のメッシュ型相互作用について何らの知識を有することなく、メッシュ化可能な装置2からデータを受信することができる。従来のBTLE装置が受信するデータは、直接的に接続された装置2から送信された可能性があり、または直接的に接続された装置2にメッシュを介して以前に接続されていた別の装置から送信された可能性があり、そのデータは、メッシュ化可能な装置2に保存されていたかまたはキャッシュされていたものである。そのようなメッシュ転送データの出所は、別のメッシュ型装置2であることがあり、または、メッシュ型装置に接続されている若しくは接続されていた別の従来のBTLE装置であることがある。
【0040】
図6は、中央ノード及び周辺ノードの両方として接続を確立するために各ノード2の二重ペルソナの性質を管理することに関連した、各ノード2の挙動を概略的に示す。BTLEは、プレゼンテーション層において2つの動作モードを提供するので、なお1つの動作モードは中央及び周辺の役割のうちのそれぞれに対応するのであるが、この例のノード2は、これらの2つのモードの間で交互になり、周辺ノードとしてその能力をアドバタイズするためにブロードキャストするアドバタイザーと、ノードが中央ノードとして接続することができる、他の周辺ノードになり得るノードを探すためのオブサーバ活動との両方を実現する。オブサーバとして動作する間、ノードは、受信したブロードキャスターのアドバタイズメントに基づいて動作して、例えばBTLE GAP(Generic Access Profile=汎用アクセスプロファイル)に記載されているように、通常のBTLEの行為に従って、中央ノードとして接続を確立することができる。アドバタイザーのブロードキャスティングを実施する間、ノードは、中央ノードになるために応答する観測ノードと、周辺ノードとして接続を確立することができる。上記で考察したように、中央及び周辺のペルソナ間でのこの時分割は、装置間の接続が確立された後で続けられる。これにより、単一の装置が、装置内の単一のBTLE MCUに基づいて、時間多重化されているにもかかわらず、継続ベースで両方のモードで動作することができるようになる。
【0041】
従って、この例のメッシュ化可能な相互作用を提供するように構成される装置(ノード)は、修正されたGAPと組み合わせて標準的なBTLE GATT(Generic Attribute Profile)仕様を用いて、ノードの二重ペルソナ性質に関連した2つの動作モードを採用する。以下に考察するように、このノードは、中央モード及び周辺モードの両方で他のノードと容易に接続できるように、周辺ノードとしてアドバタイズすることと中央ノードとして待ち受けることとの間で交互に換わる。通常、装置は、装置が参加を意図している特定の装置メッシュ(BTLE用語では「サービス」という)に紐づけられた特定のUUIDを使用するように、予めプログラムされていることがあるという点で、メッシュの識別情報のしるしを既に有している。例えば、全ての電子名刺装置が、同じUUIDを使用するようにプログラムされてもよいし、同様に、特定のブランド、種類、または製造業者からの全てのEND装置が、同じUUIDを使用するようにプログラムされてもよい。この文脈の中で、アクティブなペルソナまたはモードを識別するために、ノードは、メッシュ内のノードを一意に識別するノードIDコードを使用する。ノードID及びUUID(実質的にはメッシュIDまたはグループID)コードは、装置のファームウェア内に保持されており、トークンを構成するデータと共にアドバタイジング・パケットに挿入され、また、装置との及び装置間のGAP相互作用の下でアドバタイジングの一部として、スキャン応答要求及びスキャン応答メッセージ中で参照されることもある。
【0042】
中央ノードとして動作する間、ノードはスキャナー、イニシエイター、及びマスターの状態を採用することができ、周辺ノードとして動作する間、ノードはアドバタイザー及びスレーブの状態を採用することができる。
【0043】
図6は、複数のノードの相対的なアドバタイジング時間及び観測時間も示している。図示した方式は、互いの範囲内にある複数のノードが同時に同報通信するのを回避させる(但し、必ずしも排除するものではない)傾向がある。この例では、観測持続時間は0.01msから5sの範囲内になるように制御され、アドバタイジング期間は、0.5sから10sの範囲内かもしれない固定された持続時間になる。他の例では、アドバタイジング持続時間は可変でもよく、観測持続時間は、上記で与えられた例示的な範囲と異なる範囲、重複する範囲、または部分集合の中に収まってもよい。そのような時間のオフセットは、ノード間の調整によって、または各ノードが、各モード遷移の間に不規則な時間間隔を設けるなどのために間隔の長さの調節を行うことによって、などのいくつかの方法で達成することができる。そのような間隔の長さの調節は、間隔ごとにいくつかの可能な間隔長さのうちの1つを選択するか、何らかの形態の間隔持続時間乱数発生器を用いておこなうことができる。
【0044】
ノードが、メッシュ内で中央ノードとしての役割を確立することを目的として観測している場合、このノードは、潜在的な周辺ノードからのアドバタイズメントを待ち受けている場合のメッシュ化能力の無いノードと全く同様に動作する。従って、このモードで動作しているノードは、本教示のメッシュ化能力の無い従来のBTLE装置に対して中央ノードになることもできる。
【0045】
ノードがメッシュ内で周辺ノードとしての役割を確立することを目的としてアドバタイジングしている場合、このノードはBTLE GAPデータに基づく構造を使用してアドバタイズする。しかしながら、BTLE GAP構造は、アドバタイズメントを受信するメッシュ化可能な装置によって認識することができるメッシュ固有の情報を含むように修正されている。メッシュ固有の情報は、以下のようなフィールドを含むことができる。
− アドバタイジングノードのノードID。
− そのノードからの送信を待っているパケットのパケットシーケンス番号。これは、アプリケーションに応じて、複製を避けるために使用される。これは、単純に、そのノードから送信されるパケットのパケットシーケンスであり得る(例えば、アドバタイジングノードからのペイロードまたはトークンを複数の他のノードに氾濫させることだけをアプリケーションが要求する場合)が、アプリケーションの要件に従って、所与のメッシュ(グループID)、時間ウィンドウ、及び/または他の独自性範囲に対して、一意であることがある。
− そのパケットシーケンス番号を有するパケットのソースノード識別子。現在渡されているトークンが、現在それを渡しているノードとは異なるノードから送信された可能性があることを反映するため。
− そのパケットシーケンス番号を有するパケットに対する宛先ノード識別子。実装に応じて、これは単一ノードである(何等かの形態の経路指定された動作に対応する)か、または「全ての」ノードである(氾濫タイプの動作に対応する)ことがある。
− そのシーケンス番号を有するパケットに対するソースノードのグループID。これは、複数のメッシュネットワークが同一の物理的空間内に共存することを可能にするために用いられる(上述のように、このグループIDは通常はBTLE UUIDを使用するが、必要に応じて別のグループIDフィールドを定義して用いることができる)。
− そのシーケンス番号を有するパケットの存続期間または満了時間。
− ペイロード。特定のアプリケーションに固有のデータ−例えば、電子名刺またはEND装置アプリケーションに関係するデータ。
【0046】
BTLEデータ処理方式に従って、所与のアプリケーションペイロード項目が単一のパケットとするには大きすぎる場合、そのペイロード項目は分割されて複数のパケット内に分配され、その後で(各)宛先ノードにおいて再構築される。そのようなアプリケーションでは、この大きなデータ容量に対するより優れた送信管理を提供するために、ノード間に結合を確立してもよい。
【0047】
図7は、いくつかのノードN1、N2、N3、及びN4間の接続性パターンを概略的に示す。この図では、ノードN1は、ノードN4との直接通信の範囲外である。ノードの異なる動作モードは、ノードN1からN4のそれぞれの素子制御チップ(CC)22及びメッシュチップ(MC)24によって表わされる。制御チップは、
図2に示す装置6などの従来のBTLE装置と通信するように動作するノードMCUを表す。メッシュチップは、メッシュを通じて通信するために中央モード及び周辺モードの両方で動作するノードMCUを表す。
【0048】
図7の例では、ノードN1は、このノードが送信すべきデータを有していることを示すアドバタイズメント・データ・フィールド内のビット集合を有する。各ノードでのアドバタイジング及び観測のスケジュールにより、ノードN2がN1との直接通信範囲にある第1のノードになって、アドバタイズメント・データ・フィールド・セットを有するノードN1に追従する中央ノードとして待ち受ける。従って、ノードN2は、中央モードにある場合、N1が周辺モードにある間にアドバタイジングするアドバタイジングデータを受信する。N2によって受信されるこのアドバタイジングデータは、N2上で動作するかさもなければN2に関連したアプリケーションと関連して、N2によって使用されることがある。加えて、または代替的に、ノードN2は、アドバタイジングデータをキャッシュして、ノードN2が周辺ペルソナを採用する今後の機会にアドバタイジングデータとして前方へ送信するのに備えることができる。それによって、N1から送信されたアドバタイジングデータは、N2からアドバタイジングデータとして前方に渡すことができ、次いでそのアドバタイジングデータは、N2が周辺ノードとしてアドバタイジングしN3が中央ノードとして待ち受けているときに、ノードN3によって受信される。次いで、N1から送信されたアドバタイジングデータは、N3によって使用及び/または渡されることができ、最終的に同じ方法によってN4に到達する。
【0049】
なお、この実装では、アドバタイジングデータはメッシュ全体に効果的に氾濫する。従って、N2が周辺ノードとしてアドバタイジングするのと同時にN1が偶然に中央ノードとして待ち受ける場合、アドバタイジングデータはN1に戻り、加えてメッシュを通じてN3へと前方に渡される。この状況では、ノードN1か、またはN1上で動作するか若しくはN1に関連した何らかのアプリケーションのいずれかは、戻ってきたアドバタイジングデータを単純に破棄してもよい。実装によっては、ノードまたはアプリケーションは、戻って来たアドバタイジングデータを何らかの方法で利用することがあり、例えば、何らかの形態のランダムな間隔生成器として送信と受信との間の時間を使用したり、或いはメッシュ診断をしたりする。
【0050】
上記で説明したように、メッシュを介した送信は、ノード間に確立された結合を用いて、より構造化されたフォーマットとすることが可能である。そのような状況では、ノードの各対は、確立された結合を介して相互作用し、各ノードでのペルソナ切り換えは、一方のペルソナがメンバーである結合において受信されたデータを、他方のペルソナがメンバーである結合を使用して、前方に送信することができるようにする。
【0051】
データが全てのノードに送信される(氾濫)か、またはデータは選択されたノードにのみ送信される(経路指定)かの制御は、いくつかの態様で達成することができる。データが無制限に全てのノードに自動的に伝達されることになっている場合は、これはノードに設定されたデフォルトの状態であり得る。データがメッシュ内で現在アクティブであるノードにのみ送信されることになっている場合は、これは、ノードでのデフォルトの挙動設定として、または、アプリケーション固有の設定のいずれかとして達成することができ、アプリケーション固有の設定では、アプリケーションはメッシュを認識していて、通信スタックに制御情報を提供してデータの送信範囲を示す。データが特定のノードにのみ送信されることになっている場合は、これは、アプリケーション固有の設定で達成することができ、アプリケーション固有の設定では、アプリケーションはメッシュを認識していて、通信スタックに制御情報を提供してデータの送信範囲を示す。この例は、データが全ての現在メッシュ化された装置に自動的に転送されるように、氾濫方式に基づいて動作するように構成されている。
【0052】
図8は、ノード間のメッシュ化挙動の更なる説明を提供する。この例では、多数のノードN11〜N19がある。
図8の図は、時間的な所与のスナップショットを表しており、これらのノードのうちの異なるノードが、それぞれの周辺ペルソナ及び中央ペルソナのうちの異なるペルソナを現在採用しているものとして示されている。
図8に示した時点では、3つのノードが中央モードになるように構成されており、これらはノードN12、N16、及びN19であり、残りのノードは周辺モードになるように構成されている。上記の考察から分かるように、同じノードの任意の所与のインスタンスが同じ位置に存在する場合、中央モードになるように構成されるノードの正確な数及び識別情報は、各ノードによるそのアドバタイジング/観測期間のスケジューリング、及び中央モードまたは周辺モードのいずれかとして既に構成されている任意の他のノードと比較した各ノードの相対的な位置、などの要因に依存する。データトークンのやり取りは、図ではフラグの存在で示されており、フラグは、このデータトークンをアドバタイジングデータ中に含めて送信するN11からそのアドバタイジングデータを受け取ることになる中央モードで待ち受けているN12に渡される。このトークンは、追ってN12が周辺ペルソナを採用すると、N12からのアドバタイジングデータ中に含まれることになる。それによって、トークンは、メッシュを通じて前方に渡され、最終的に少なくとも一度はメッシュ内の各ノードに到達することができる。
【0053】
上記の考察から分かるように、メッシュは、メッシュ内のノードの数及び位置の変化に基づいて、動的に変化することができる。例えば、いくつかのノードがメッシュの残りのノードから離れるように移動すると、結果的にそれらのノードはメッシュ内の全てのノードとの交信を失い、メッシュを去ることになる。同様に、アクティブではない、または省電力非無線モードに入っているノードは、メッシュ内の他のノードとの交信を失い、メッシュを去ることになる。更に、以前はメッシュの一部ではなかった新しいノードが、メッシュ内のノードの範囲内に入って来たとき、またはメッシュ内のノードの範囲内で電源が入れられたとき、メッシュに加わることができる。また、上記のペルソナ切り換えの考察から分かるように、既にメッシュ内にあり、メッシュ内で周辺ノードとして動作するノードは、異なる時点でメッシュ内で中央ノードとしても動作する。特定のノードが、いくつかの結合において中央ノードとして定義された役割を有し、他の結合において周辺ノードの役割を有するように、メッシュが結合関係を採用している実装においては、あるノードがメッシュ内のノードに対して位置を変えた場合、全ての確立された結合が、新たな位置に対する範囲の動作を停止することがあるので、そのノードは、実質的にメッシュを去ることがある。次いで、そのようなノードは、結合で結びついたメッシュの他のノードとの1つ以上の新しい結合関係を確立するまで、観測及びアドバタイジングの両方を試みることを再開する。
【0054】
当業者であれば分かるように、Bluetooth(登録商標)及びBTLEは、ノード間通信結合の安全性を提供する。これは、アドバタイジングデータの形態での純粋にアドバタイジングベースのトークンの送信に対しては、トークンのそのような送信が結合関係の確立につながらない限りは、当てはまらない。この例では、結合関係が使用される場合であっても、ノードは、異なるノード間または装置間の信頼性を確認するためにユーザ入力を要求することなく、そのような結合を確立するように構成することができる。むしろ、この例では、特定のタイプの装置またはノードは、その特定のタイプの全ての他の装置またはノードを予め信頼するように構成することができる。例えば、装置が電子名刺である場合では、各電子名刺は、所与の製造業者、製造業者のグループ、ブランド、ブランドのグループ、モデル、モデルのグループからの電子名刺として識別される、または所与の電子名刺標準若しくは標準のグループに準拠しているものとして識別される、全ての他の装置を信頼するように構成することができる。ノードがEND装置である場合では、各END装置は、所与の製造業者、製造業者のグループ、ブランド、ブランドのグループ、モデル、モデルのグループからのEND装置として識別される、または所与のEND装置標準若しくは標準のグループに準拠しているものとして識別される、全ての他の装置を信頼するように構成することができる。
【0055】
そのような信頼のパターンは、装置が保存する/送信が許可されている個人データの量に対する固有の制御で補うことができる。例えば、END装置は、所有者を特定するいかなる情報も保持しないように、または情報を共有することを防止するように、所有者によって設定することができる。これは、END装置が他のEND装置と相互作用して、紛失/発見機能のために使用することができる情報をやり取りするのを妨げはせず、また、END装置がそのEND装置自体の情報をやり取りして、例えば以下に考察するような、同じブランドまたはモデルのEND装置間でのグループ相互作用を実現するのを妨げはしない。電子名刺の例では、ユーザは、名前及び業務連絡先の詳細またはユーザのソーシャル・モバイル・プラットフォーム・アドレスなどの、他の方法で公に発見可能な情報のみを保持するように、または共有することを許可するように、装置を制限することができる。ソーシャル・モバイル・プラットフォーム・アドレスは、LinkedIn(商標)または他のビジネス・ソーシャル・ネットワーキング・プラットフォームなどのソーシャル・ネットワーキング・プラットフォーム上のユーザのプロファイルへのリンクの形態を取ることができる。また、電子名刺のユーザは、専門的な教育行事または交流会に出席する場合など、選択された時間にのみ装置をアクティブにするように選択することができ、それによって、電子名刺が、バスまたは他の公共交通機関などの他の位置に存在していることがある何らかの互換性のある電子名刺と情報を共有するのを防止することができる。
【0056】
他の例では、信頼は、ユーザにとって明示的な機能であってもよく、ユーザは、別のノードと通信結合を確立することを能動的に受け入れるかまたは要求することを求められてもよい。
【0057】
例えば、スマートフォン、ファブレットまたはタブレット装置などの、ユーザの従来のBTLE装置と通信するために、特定のノードまたは装置がユーザによって設定される場合、ユーザのメッシュ化可能な装置と従来のBTLE装置との間の信頼関係は、他の従来のBTLEペアリングと同じ態様でセキュリティ保護されて通信結合を確立することができる。
【0058】
従って、本教示の方式を使用することで、二重ペルソナ構造を採用することにより、他の類似の装置とメッシュ型の相互作用をすることができる装置を提供することができ、この二重ペルソナ構造では、装置は、他の類似の装置と通信するためにマスター(中央装置)及びスレーブ(周辺装置)の両方として時分割ベースで動作することができ、一方、二重ペルソナ能力の無い従来の装置に対してはスレーブ/周辺装置として動作することもできることは、勿論である。
【0059】
この方式を使用して、ある範囲の目的のために、ある範囲の装置同士の装置間相互作用を容易にすることができる。上述したように、上記の例のメッシュ型即ちPICONET接続形態方式を使用した、そのような装置間相互作用を備えることができる装置の例としては、電子名刺及び電子ニコチン送出装置(END装置)が挙げられる。
【0060】
図9を参照して、本教示のメッシュ化装置方式を使用して実装されたシステムの第1の例について考察する。
図9に示すように、スマートフォン、ファブレット、またはタブレットなどのユーザ装置42は、電子名刺装置44との通信関係(点線43で示される)を有している。電子名刺装置44は、装置上に1つ以上の目に見える表現を含んで、装置を電子名刺として識別することができ、かつ/または、電子名刺のユーザの文字で書かれた詳細46及び/若しくは写真による詳細48を提供することができる。例によっては、電子名刺装置44は、電子表示部を備えることができ、この電子表示部には、目に見える表現が、電子名刺装置44の動作パラメータまたは電力状態に応じて、選択的に表示されてもよい。
【0061】
電子名刺装置44は、上記で説明した教示と合致する、ノード間のメッシュ型相互作用のための無線通信機能も有する。従って、この例では、電子名刺装置44は、従来のBTLE装置とメッシュ対応BTLE装置の両方との通信が可能なBTLE機能を有する。
【0062】
この例のユーザ装置42は、従来のBTLE機能を有しており、その結果、ユーザ装置42及び電子名刺装置44は、通信関係43として、BTLEペア結合通信関係を確立することができる。ユーザ装置42のユーザは、通信関係43を介して、電子名刺装置44のデータ及び/または動作パラメータを変更することができる。従って、ユーザ装置42のユーザは、電子名刺装置44を設定して、ユーザの業務連絡先情報を記憶させることができる。そのような業務連絡先情報としては、名前、会社名、事業分野、連絡先の詳細、及びソーシャル・メディア・プラットフォーム上のユーザプロファイルのリンク/アドレスのうちの任意の1つまたは複数を含むことができる。そのようなリンクまたはアドレスで参照され得るソーシャル・メディア・プラットフォームの例としては、LinkedIn(商標)またはReseachGate(商標)などの専門的なネットワーキング指向のソーシャル・メディア・プラットフォーム、及びFacebook(商標)、Instagram(商標)、Twitter(商標)、VK(商標)、またはQzone(商標)などの一般用途のソーシャル・メディア・プラットフォームが挙げられる。
【0063】
この例では、電子名刺装置44は、ユーザ名、ユーザの会社名、及びユーザのソーシャル・メディア・プロファイルへのリンクを用いてプログラムされている。また、ユーザの電子名刺装置44は、アクティブ状態にある場合にのみ、他の電子名刺装置と通信するようにプログラムされている。アクティブ状態は、電子名刺装置44上の物理的スイッチ、または、通信関係43を介してユーザ装置42から電子名刺装置44に送信されたコマンドのいずれか、または両方によって、トリガーすることができる。電子名刺装置44は、通信関係43がアクティブであるか否かに関わらず、アクティブ状態で動作可能である。従って、ユーザは、電子名刺装置44が動作するための能力に影響を及ぼすことなく、ユーザ装置42のBTLE機能をオフにするか、または、電子名刺装置44からユーザ装置42を切り離すことができる。
【0064】
電子名刺装置44が、アクティブ状態である間に、他の信頼される電子名刺装置のBTLE通信範囲内にある場合、電子名刺装置44は、それらの他の電子名刺装置と通信するために、メッシュ化機能を用いて通信関係を確立することができる。これは、
図9で、追加の電子名刺装置50aから50dによって示される。電子名刺装置44及び50a〜dのメッシュ内での役割の確立は、個々の装置の相対的なアドバタイジングのスケジュールに依存する。しかしながら、組み合わせによっては、電子名刺装置44及び50a〜dは、互いの間にメッシュ通信を確立し、電子名刺装置にプログラムされたアプリケーションの名刺機能に従って、データを交換することができる。
【0065】
従って、電子名刺アプリケーション機能の動作を通じて、電子名刺装置44は、そのユーザのビジネスデータを他の電子名刺装置50a〜dに伝達することができ、また、他の電子名刺装置50a〜dのそれぞれから、それぞれのユーザのビジネスデータを受信することができる。この受信されたユーザビジネスデータは、電子名刺装置44がユーザ装置42との通信関係43を次にアクティブにするまで、電子名刺装置44によって保存することができる。
【0066】
一旦、電子名刺装置44がユーザ装置22と通信して保存されたユーザビジネスデータをユーザ装置に渡すと、ユーザ装置22のビジネスデータ受信アプリケーションを使用してデータを閲覧することができる。この例では、保存されたビジネスデータに、ユーザの名刺がデータを提供したユーザのソーシャル・メディア・プロファイルへのそれぞれのリンクが含まれる場合、ビジネスデータ受信アプリケーションは、そのリンクを辿って他の装置42のユーザが他のユーザのプロファイルを閲覧できるようにし、また任意選択的に、そのソーシャル・メディア・プラットフォームを用いてつながるように他のユーザを招くことができるようにし得る。
【0067】
従って、本明細書で考察するメッシュ化技術は、他のメッシュ型装置との通信を容易にするためにいくつかの使用法を有することができ、一方、スマートフォン、ファブレット、タブレット、ラップトップ・コンピュータ、ネットブック・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータなどのメッシュ化機能を持たないユーザ装置と直接的に通信することもできることは、勿論である。
【0068】
図10から
図14を参照して、本教示のメッシュ化装置方式を使用して実装されるシステムを利用するための方式の別の例を説明する。この例では、END装置を用いる。
【0069】
この例の装置間相互作用は、消費者C1、C2を識別する目的のために、任意の所与の数のEND装置61、62の間でのトークンの通信に基づいており、消費者C1、C2は、例えばBTLEを用いて、END装置との通信63、64用に構成することができるスマートフォン65、66を介して、他のEND装置消費者のEND装置とのEND装置相互作用に参加することに同意しているか、または参加することを選択している。この例では、スマートフォンが考察されているが、計算機能及びEND装置と通信するための無線通信機能を有する別のユーザ装置を用いることができることは、言うまでもない。適当な例としては、スマートフォン、ファブレット、タブレット、ラップトップ・コンピュータ及びネットブック・コンピュータ等が挙げられる。
【0070】
従って、この方式は、第1の消費者C1のEND装置61を消費者間相互作用に連結させ、さらに、この消費者間相互作用を匿名化することができ、その結果、ある消費者は他の消費者について、自身のEND装置と通信することができるEND装置を所有していること以外は何も知らないことになる。END装置61は、消費者のスマートフォン65上で動作しているアプリケーション69を通じてこの相互作用が可能になっており、スマートフォンは、END装置無しでは、他の消費者のEND装置またはアプリケーションと相互作用する能力が無い。
【0071】
END装置の相互作用は、一旦有効にされると、他の互換性のあるEND装置との近接度に基づいて行われる。2つ以上の互換性のあるEND装置が互いの範囲内に入ってくる場合、それらの装置は、上述した装置間メッシュ型相互作用を用いて相互作用する。
【0072】
従って、これは、同じ社交の輪60を共有する消費者に基づくまたは消費者をつなげるアプリケーションの動作を有効にする。この文脈では、社交の輪は、互いの近接域に入ることによって規定され、近接域は、上記の例に従ったメッシュ型の装置間相互作用の無線通信範囲によって規定される。例によっては、この範囲は概ね50フィート(約15メートル)程度であり得るが、これは、END装置の近傍での信号伝搬状態に基づいて変動することがあることは、言うまでもない。これは、例えば、他の複数のEND装置62との複数の近接相互作用に基づくアプリケーション機能、または装置間相互作用が行われる地理的領域に関連した情報に基づくアプリケーション機能を容易にすることができる。アプリケーション69は、アプリケーション69に対するかつ/またはEND装置61に対する選択設定を用いて、スマートフォンアプリケーション69の動態を変更することができる。
【0073】
そのようなアプリケーション及び関連するEND装置の装置間相互作用の例について、説明する。
【0074】
上述したように、アプリケーションが消費者間相互作用に関連した任意の処理を実行するには、END装置の装置間相互作用が有効になっていることが必要である。
【0075】
この例のアプリケーション69は、消費者のEND装置61に関連したアバターが、他の消費者のEND装置62に関連したアバターと、仮想のコンテストで競うことができるようにする。アバター同士のそのような仮想の競争は、アバターが新たな仮想的な能力を開発及び/または習得することを可能にし、この新たな仮想的な能力を、他の消費者のEND装置のアバターとの将来の仮想の競争の際に、そのアバターが利用することができる。そのような仮想の競争に成功すると、アプリケーション内の報酬及び達成バッジを稼ぐことができる。
【0076】
この例のアプリケーション69、70では、各消費者C1、C2には、END装置61、62に関連したアバターの初期状態をアプリケーション69、70との相互作用67、68を通じて設定するための変数の集合が提供される。
【0077】
次いで、消費者C1、C2が自身のEND装置61、62をどのように設定し使用するかに応じて、アプリケーション69、70はアバターを調節して競合能力をカスタマイズする。この例では、競合はアバター同士の仮想競争の形態を取ることがあり、その結果、アバターのプロファイルは、1つ以上の攻撃及び/または防御能力または特性を含むことがある。この例では、アプリケーション69、70は、END装置61、62の使用特性に応じて、アバターの能力を調節する。これらの使用特性には、各装置の起動によって生成されるエアロゾルの中に存在する香りの量に影響を与えるように調節することができる電源設定、及びアプリケーション69、70によって以前に記録された、END装置61、62からの装置起動回数を含むことができる。使用特性がどのように調節されるかは、消費者C1、C2によって設定されるアプリケーション69、70での使用法選択に基づくことができる。例えば、ニコチンの摂取量を制限するという個人的な目的を持っている消費者は、日々の装置を起動する目標最大回数を設定することができ、アプリケーションは、これに応答して、目標が超過された場合にはアバターの競争能力にペナルティを与え、一方、目標が超過されなかった場合にはアバターに特典を与えることができる。
【0078】
次いで、END装置を使用して、アプリケーションのアバター間競争機能にアクセスすることができる。消費者のEND装置61が近接範囲60内にある別の消費者の互換性のあるEND装置62とメッシュ型の接続を確立してそのような接続を有効にした場合、END装置61は他のEND装置62及び消費者のスマートフォン65と相互作用して、アプリケーション69を介して、他の消費者のEND装置62に関連したアバターに挑戦するためのオプションを提供することができる。同様に、第1の消費者のEND装置61と相互接続する他の消費者のEND装置62は、スマートフォンアプリケーション70を介して、第1の消費者のアバターに挑戦するためのオプションを他の消費者に提供することができる。
【0079】
そのような挑戦が行われて受け入れられるために、2人の消費者は互いに関する知識を何ら有する必要はなく、また、現実世界で直接的に交流する必要もない。
【0080】
次いで、両方の消費者とも、アプリケーション69、70を介して実施可能になった挑戦を行うかどうかを、他の消費者から独立して決定することができ、そのような挑戦が行われる場合、アバター間の競争が決着する。この例の戦いの挑戦の文脈では、挑戦を申し入れた消費者に関連したアバターは攻撃者であり、他の消費者と関連したアバターは防御者である。従って、両方の消費者が、それぞれのスマートフォンアプリケーション69、70によって示されるオプションに応答して挑戦する旨を決定した場合には、2つのアバター間競争が結果として起こり、そのそれぞれは各挑戦に基づいており、その競争の挑戦者が攻撃者になる。
【0081】
実際のアバター間相互作用は、この例では、END装置61、62間の装置間相互作用を通じては処理されていない。むしろ、それぞれのアプリケーション69、70が挑戦オプションを提供できるようにするなどのためにEND装置61、62が一旦相互作用すると、各アプリケーションは、挑戦されるアバターに関連した十分なアバター記述情報を有して、挑戦の相互作用は別個のデータサービスを通じて処理される。
【0082】
この例では、アプリケーションは、クラウドサービス73を介して、挑戦の相互作用を行うのに必要な、挑戦されるアバターのプロファイル情報を取得する。この例では、クラウドサービス73はMBass(mobile backend as a service)構造を用いて実装される。END装置間の情報交換に基づいて、アプリケーションは、クラウドサービス73から挑戦されるアバター用のプロファイルを取得するのに十分な情報を把握し、次いでアプリケーションは、競争の結果を決着させることができる。
【0083】
この例では、競争の結果はアプリケーションによって使用され、そのアバターに対する勝敗結果を記録する。競争結果はクラウドサービス73にも提供され、その結果、勝敗の結果は挑戦されたアバターのアプリケーションにクラウドサービス73によって渡され、その挑戦されたアバター用の勝敗結果に書き留めることができる。他の例では、勝敗の結果は、挑戦したアバターについてのみ記録されることがあり、挑戦されたアバターの勝敗結果はこの挑戦結果に影響されない。更なる例では、競争結果を決定するための挑戦の相互作用は、クラウドサービス73内で実施されることがあり、このとき、結果は挑戦したアバターと挑戦されたアバターのアプリケーションのうちの片方または両方に提供される。
【0084】
アプリケーションの性能を支える装置間相互作用を提供するためにEND装置によって実施される様々な工程を、
図11及び
図12に示す。
【0085】
図11は、ユーザ及びアプリケーションの識別子トークンを第1の消費者のEND装置61から第2の消費者のEND装置62に渡す処理を示す。
図11に示すように、第1のEND装置61は、アドバタイジングペルソナで動作するウィンドウの期間中に、BTLE GAPに従って、工程S11−1でデータを用いてアドバタイズを行い、このデータは、第1のユーザの識別子及びアプリケーションの識別子、即ち1UID/1APPIDを含むトークンの形態をしている。このアドバタイズメントは、工程S11−3で第2のEND装置62によって受信される。第2のEND装置62が、観測ペルソナで動作しているウィンドウ内にある間にこのアドバタイズメントを受信すると、第2のEND装置は工程S11−5で、第1のEND装置の中央(マスター)の役割に対して周辺(スレーブ)の役割になる。従って、第2のEND装置62は、アドバタイジングトークン中のデータを処理することができ、第2のEND装置62は、受信したデータトークン1UID/1APPIDを装置自体の記憶装置に保存する。
【0086】
メッシュ型の構成で動作するように動作可能な装置についての上述の考察から分かるように、第1及び第2のEND装置61及び62のそれぞれは、アドバタイジングペルソナと待ち受けペルソナの両方を異なる時点で採用する。従って、データトークンを第1のEND装置61から第2のEND装置62に転送するための
図11に示した方法に加えて、反対のペルソナが一致する場合には、逆の処理が発生する。これは、
図12に示されている。
【0087】
上述したように、END装置の使用法を用いて、関連するユーザのアバターのプロファイルを変更することができる。この処理は、
図13に示されている。この処理は、適切な間隔でアバターを更新するために従われることがあり、競争の実施を取り仕切る規則によって定義されることがある。例によっては、アバターの更新は1日に1回、1週間に1回、1日に複数回、または1週間に複数回、行われることがある。更新頻度は、ユーザが設定可能であることがあり、かつ/または、1つ以上の使用目標の性質に関連していることがある。
【0088】
以下の考察では、この処理は、第1のスマートフォン65のアプリケーション69と相互作用する第1のEND装置61に関して説明される。第2のEND装置62と第2のスマートフォン66の第2のアプリケーション70との間の通信のために同じ方式を用いることができることは、言うまでもない。
【0089】
この更新処理は工程S13−1で開始し、アプリケーション69はEND装置61が使用データを提供するための要求をEND装置61に送信する。工程S13−3でEND装置61によってこの要求が受信されると、END装置61は次いで工程S13−5でアプリケーション69にこの使用データを提供する。アプリケーション69は工程S13−7で使用データを受信し、次いで、このデータを使用して、この使用データから得られるアバターのプロファイルに対する任意の変更点を計算する。例えば、アバター間の競争が攻撃特性及び防御特性に基づく仮想戦闘の形態であるこの例の文脈では、規定された使用目標を満足するのに失敗すると、アバターのプロファイルの攻撃特性及び防御特性のうちの片方または両方の低下につながることがある。代替的に、または加えて、攻撃及び/または防御の能力または特典が、低下したり無効にされたりすることがある。一方、使用目標が達成された場合、アバターのプロファイルの攻撃特性及び防御特性のうちの片方または両方が増加することがある。その代わりにあるいはそれに加えて、攻撃及び/または防御の能力または特典を増やしたり有効にしたりすることがある。
【0090】
アバターの更新が一旦決定されると、更新されたアバターのプロファイルは工程S13−11で保存される。この処理の後で、例えばアプリケーションとクラウドサービスとの次の接続時に、または
図13の処理の最終工程(図示せず)として、アプリケーションは、クラウドサービスによる記憶のために、更新されたアバターのプロファイルをクラウドサービスに送信することができる。次いで、クラウドサービスは、そのユーザのアバターからの挑戦に対する防御において使用するために、アプリケーションの別のインスタンスに最新のアバタープロファイルを提供することができる。
【0091】
上記の
図11及び
図12を参照して説明した任意のEND装置間相互作用の後で、各END装置は受信した任意のアドバタイジングトークンをそれぞれのユーザのスマートフォン上のアプリケーションに渡すことができる。この処理は、
図14に示されている。以下の考察では、この処理は、第1のスマートフォン65のアプリケーション69と相互作用する第1のEND装置61に関して説明される。第2のEND装置62と第2のスマートフォン66の第2のアプリケーション70との間の通信のために同じ方式を用いることができることは、言うまでもない。
【0092】
図14を参照すると、工程S14−1で、アプリケーション69は第1のEND装置61に保存されたトークンに対する問い合わせを送信する。END装置61は工程S14−3でこの問い合わせを受信し、次いで工程S14−5で保存されたトークンをアプリケーションに提供する。アプリケーション69は、工程S14−7でEND装置61からトークンを受信し、工程S14−9で、受信したトークンからそのアプリケーションに関係のあるものを識別する。
【0093】
これに代わる方法として、END装置からトークンを引き出すアバター及び挑戦活動に関連したアプリケーションの代わりに、スマートフォンのEND装置管理アプリケーションがEND装置に対するトークンを引き出し、次いで、関連するトークンをアバター及び挑戦活動に関連したアプリケーションに対して利用可能にすることができる。
【0094】
END装置61から受信した少なくとも1つの関連トークンを識別すると、次いで工程S14−11で、アプリケーション69は、クラウドサービス73からのそれらのトークンに関連したアバターのプロファイルを要求する。工程S14−13で、クラウドサービスは要求を受信し、次いで工程S14−15で、関連するアバターのプロファイルをアプリケーションに提供する。工程S14−17で、アプリケーション69が少なくとも1つのトークンに対応するプロファイルを一旦受信すると、次いで工程S14−19で、アプリケーション69は競争の結果を決定する。
【0095】
競争結果は、アプリケーション69内で規定された挑戦規則に従って決定される。上述のように、この例では、競争は、それぞれの攻撃及び防御能力または特性に基づく、アバター同士の仮想戦闘の形態を取ることができる。従って、例えば、戦闘は、挑戦するアバターの攻撃特性と挑戦されるアバターの防御特性との比較に従って、計算することができる。戦闘の計算に偶然の要素を加えるために、例えば、1〜20%または1〜15%の範囲内でランダムに決定された修飾子を各特性の値に当てはめることができる。その代わりに、アバターは、上述したようにプロファイルを修正するのに使用された使用情報に基づいて与えられる、特典能力または恩恵を有することができる。例として、目標の使用が達成された場合、アバターのランダムな要素を倍増させるか、または敵対するアバターのランダムな要素を半減させる特典能力を用いることができる。
【0096】
競争結果が決定されると、工程S14−21で、その競争結果はアプリケーション69によって保存される。競争結果は、工程S14−23でクラウドサービスに対しても報告され、工程S14−25で、それぞれのアバターのプロファイルと関連付けるために、その報告がクラウドサービスによって受信される。
【0097】
従って、各アプリケーション69、70はクラウドサービスと相互作用して競争の挑戦を開始し、かつ競争の挑戦の結果を受信することができ、アバターによって開始されたかまたはアバターに対抗して開始されたかは、アプリケーションが動作しているスマートフォンの所有者すなわちユーザに関連する。
【0098】
従って、競争の結果は、挑戦されたアバターのトークンに基づく要求に応答してクラウドサービスによって提供される、挑戦されたアバター用のアバタープロファイルに基づいて、挑戦を行うユーザのアプリケーションによって計算される。競争の結果は、1つ以上のランダムな要素または部分的にランダムな要素と結合したアバターの能力及び/または特性に依存する。
【0099】
2つのアバター間の競争の結果は、クラウドサービスに保存された結果データにアクセスすることで、各アバターに関連したユーザが見ることができる。
【0100】
END装置の使用によりアバタープロファイルの向上及び/または特典(及び罰則)が生じるのに加えて、アバタープロファイルは、アバター間の競争の勝敗の結果として、時間と共に変更されることもある。勝利結果には、ポイントで報酬が与えられることがあり、このポイントは、アバターの競争能力、及び/または、関連アプリケーションによってスマートフォンの画面上に表示されたときのアバターの見た目を更新するなどのアバターの他のカスタマイズと、交換することができる。
【0101】
アバターの勝敗記録は、アバターによって獲得される承認トークンまたはバッジをもたらすこともできる。例えば、承認は、連勝または他の勝利パターンに対して与えられることがある。そのような承認バッジは、クラウドサービスを介してアバターの公開プロファイルの一部として表示されることがあり、かつ/または任意の潜在的な挑戦者が見ることができるようになっていることがある。
【0102】
上記の考察から分かるように、END装置によってENDトークンが交換されるとすぐに競争が決着するように相互作用が実時間で行われる一方で、ユーザにとって都合の良い後の時点で、かつ/または、固定の時間尺度で挑戦を決着させることも可能であり、例えば、特定の日からの全ての交換されたトークンが、1日に1回の(または他の適切な時間間隔での)挑戦のバッチ処理で処理されるか、かつ/または順番に基づく時間を使用して挑戦を決着させるように管理される。
【0103】
本明細書で説明する様々な実施形態は、特許請求される特徴を理解し教示するのを助けるためだけに提示される。これらの実施形態は、実施形態の代表的な例として提供されたものに過ぎず、網羅的でも、かつ/または排他的でもない。本明細書で説明する利点、実施形態、実施例、機能、特徴、構造、及び/または他の態様は、特許請求の範囲によって規定される開示範囲への制限、または特許請求の範囲に対する均等物への制限としてみなされるべきではなく、また、特許請求の範囲及び/または趣旨から逸脱することなく、他の実施形態を用いることができ、かつ変更を加えることができることは、言うまでもない。
【0104】
本教示と合致する更なる例を、以下の番号付の条項に説明する。
[条項1] 第1の無線接続可能な電子ニコチン送出(END)装置から第2の無線接続可能なEND装置へデータトークンを渡す工程と、第3の無線接続可能な装置の動作の様相を制御するのにこのトークンを使用する工程とを含み、第3の無線接続可能な装置は、第2の無線接続可能なEND装置との通信関係が確立されている、方法。
[条項2] 第3の無線接続可能な装置の動作の様相を制御するのにトークンを使用する工程は、第3の無線接続可能な装置上で動作しているアプリケーションに対する入力としてこのトークンを使用する工程を含む、条項1に記載の方法。
[条項3] 第1及び第2の無線接続可能なEND装置は、Bluetooth(登録商標)動作標準に基づく通信プロトコルを用いてトークンをやり取りする、条項1または2に記載の方法。
[条項4] 第1の無線接続可能なEND装置はアドバタイジングモードを採用しており、かつアドバタイジングデータ中にトークンを含める第1の無線接続可能なEND装置によってトークンを第2の無線接続可能なEND装置に渡し、一方、第2の無線接続可能なEND装置はアドバタイジングデータを受信することができる待ち受けモードにある、条項1乃至3いずれか1項に記載の方法。
[条項5] 第1及び第2の無線接続可能なEND装置はエアロゾル送出装置を含む条項1乃至4いずれか1項に記載の方法。
[条項6] 第3の無線接続可能な装置が、トークンを受信した結果としてユーザによって受け取られることになる恩恵を確立する工程を更に含む、条項1乃至5いずれか1項に記載の方法。
[条項7] 恩恵を確立する工程は、トークンの受信に応答して、メッセージを遠隔サービスに送信する工程と、遠隔サービスから応答を受信する工程とを含み、この応答は恩恵を決定するための情報を提供する、条項6に記載の方法。
[条項8] 恩恵を決定するための情報は、恩恵の説明を含む、条項7に記載の方法。
[条項9] 恩恵を決定するための情報は第3の無線接続可能な装置の動作の様相を制御するための更なるデータを含み、制御された動作の様相は恩恵計算処理を含む、条項7に記載の方法。
[条項10] 恩恵はユーザアカウントにおける非通貨の対価への変更である、条項6乃至9いずれか1項に記載の方法。
[条項11] 第3の無線接続可能な装置の動作の様相はユーザアカウントに関連したデータのユーザ間相互作用を含む、条項1乃至10いずれか1項に記載の方法。
[条項12] ユーザ間相互作用は競争的な相互作用であり、相互作用の結果は部分的にトークンに依存する、条項11に記載の方法。
[条項13] 恩恵は競争的な相互作用への入力に影響を与える、条項12に記載の方法。
[条項14] ニコチンエアロゾル供給装置を動作させる方法であって、装置の無線通信インターフェースを待ち受けモードで動作させる工程と、この待ち受けモードでの動作の間に、別のエアロゾル供給装置の無線通信インターフェースからデータトークンを受信する工程と、エアロゾル供給装置に受信したデータトークンを保存する工程と、アプリケーション動作装置の動作の様相を制御するために、保存されたデータトークンをそのアプリケーション動作装置に提供する工程と、を含む方法。
[条項15] 装置のインターフェースをアドバタイジングモードで動作させる工程と、アドバタイジングモードの動作の期間中にインターフェースからデータトークンを送信する工程とを更に含み、このデータトークンは、別のエアロゾル供給装置に関連したアプリケーション動作装置の動作の様相を制御するように動作可能である、条項14に記載の方法。
[条項16] ニコチンエアロゾル送出装置であって、別のエアロゾル供給装置の無線通信インターフェースからデータトークンを受信するために待ち受けモードで動作可能な無線通信インターフェースと、受信したデータトークンを保存するように動作可能なデータストアと、を備え、この無線通信インターフェースは、アプリケーション動作装置の動作の様相を制御するために、受信したデータトークンを、エアロゾル送出装置と動作上関連するこのアプリケーション動作装置に送信するように更に動作可能である、ニコチンエアロゾル送出装置。
[条項17] 無線接続された電子ニコチン送出(END)装置から、その接続されたEND装置に保存されているトークンを、その接続された装置と別のEND装置との装置間相互作用の結果として要求する工程と、要求されたトークンを無線接続されたEND装置から受信する工程と、そのトークンを遠隔サービスに提供する工程と、その遠隔サービスからプロファイルを受信する工程と、受信したプロファイルと無線接続されたEND装置に関連したプロファイルとの比較または相互作用を実施する工程と、を含む方法。
[条項18] 要求されたトークンを無線接続されたEND装置から受信する工程の後で、受信したトークンに関連するユーザ通知を提供する工程と、比較または相互作用を実施するか否かに関するユーザ入力を要求する工程と、を更に含む、条項17に記載の方法。
[条項19] 無線接続されたEND装置に関連したプロファイルを規定するためのユーザ入力の要求を提供する工程を更に含む、条項17または18に記載の方法。
[条項20] 無線接続されたEND装置は、パーソナル・エリア・ネットワーク・プロトコルを介して無線接続されている、条項17乃至19いずれか1項に記載の方法。
[条項21] トークンは、無線接続されたEND装置と別のEND装置との間のマスター/スレーブプロトコルを用いた装置間相互作用の結果として、接続されたEND装置に保存され、このマスター/スレーブプロトコルでは、無線接続されたEND装置と別のEND装置無線のそれぞれは同一の通信プロトコルを用いた別個の通信相互作用において、異なる時点でマスター装置として及びスレーブ装置として動作するように構成されており、無線接続されたEND装置と別のEND装置のそれぞれはマスター装置モードとスレーブ装置モードとの間で切り換わるように構成される、条項17乃至20いずれか1項に記載の方法。
[条項22] 比較または相互作用を実施する工程は、プロファイルのうちの1つに1つ以上の変更係数を当てはめる工程を更に含む、条項17乃至21いずれか1項に記載の方法。
[条項23] 比較または相互作用を実施する工程は、プロファイル間の競合分析を実施して成功結果を決定する工程を含む、条項17乃至22いずれか1項に記載の方法。
[条項24] 比較または相互作用の結果を遠隔サービスに提供する工程を更に含む、条項17乃至23いずれか1項に記載の方法。
[条項25] 無線接続されたEND装置にその使用情報を問い合わせる工程と、無線接続されたEND装置から使用情報を受信する工程と、受信した使用情報に応じて、無線接続されたEND装置に関連したプロファイルを修正する工程と、を更に含む、条項17乃至24いずれか1項に記載の方法。
[条項26] 受信した使用情報を使用目標と比較する工程と、比較結果に応じて、無線接続されたEND装置に関連した仮想のアバタープロファイルを修正する工程と、を更に含む、条項25に記載の方法。
【0105】
特許請求された範囲の様々な実施形態は、本明細書で具体的に記載した以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部品、工程、手段等の適切な組み合わせを適切に含む、からなる、または、から実質的に構成される、ことがある。更に、本開示は、現在は特許請求されていない他の概念を含むことができ、この他の概念は、将来、現在特許請求された特徴と組み合わせてまたは別個に特許請求されることがある。