【実施例】
【0079】
以下、試験例を挙げて、本願発明を説明するが、本願発明はこれらの試験例に限定されるものではない。
【0080】
目的ペプチドの精製
【0081】
評価方法の概略:
目的ペプチドを固相法により合成した場合、得られた粗ペプチドには不純物として類縁ペプチドが混入していることが予想されるが、実際にどのような類縁ペプチドが混入しているかを同定することは困難である。よって、目的ペプチドと類縁ペプチドに相当する配列既知の擬似類縁ペプチドを固相法によりそれぞれ合成し、得られた粗目的ペプチド、粗擬似類縁ペプチド、および各種酸化合物を溶媒下で混合し、凍結乾燥した。残渣に溶媒を加えて上清を除去し、得られた固体における、目的ペプチドと擬似類縁ペプチドの物質量(mol)の合計に対する目的ペプチドの物質量(mol)の割合を測定し、その変化により、当該固体において目的ペプチドが精製されたかを評価する。
【0082】
1−1:ペプチドの合成
下表に示す目的ペプチドおよび類縁ペプチド(擬似)をそれぞれ、以下に説明する固相法により合成した。
【表1】
【0083】
実施例で使用した装置は以下の通りである。
・ペプチド合成装置:国産化学社製「KMS−3」。
・質量分析装置:Agilent社製「6224 TOF LC/MS」および「1260 Infinity series」。「イオン化条件はESI(キャピラリー電圧:3500V、フラグメンター電圧:100V)」
・HPLC分析装置:島津製作所社製「SPD−M20A」、「LC−20AD」、「SIL−20AC」、「DGU−20A」、「CTO−20AC」、「CBM-20A」、または島津製作所社製「SPD−M20A」、「LC−2010C」、またはAgilent社製「1200 series」。
【0084】
(1)保護ペプチド樹脂の合成
保護ペプチド樹脂の合成においては、各構成アミノ酸のα-アミノ基はすべて9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc基)で保護され、活性な側鎖のうち、アスパラギン酸のβ-カルボキシル基およびグルタミン酸のγ-カルボキシル基はtert-ブチル基(tBu基)で、アルギニンのグアニジノ基は2,2,4,6,7-ペンタメチル‐2,3‐ジヒドロベンゾフラン‐5‐イルスルホニル基(Pbf基)で、セリンおよびスレオニンの水酸基はtert-ブチル基(tBu基)で、システインのチオール基およびヒスチジンのイミダゾール基はトリチル基(Trt基)で、チロシンのフェノール性水酸基はtert-ブチル基(tBu基)で、アスパラギンおよびグルタミンのカルボアミド基はトリチル基(Trt基)で、リジンのε-アミノ基およびトリプトファンのインドール基はtert-ブチルオキシカルボニル基(Boc基)で保護されたものを使用した。
【0085】
樹脂としては、C末端がカルボン酸のペプチド配列を合成する場合は(2-クロロ)トリチルクロリド樹脂(渡辺化学社製、約1.6 mmol/g)を用い、C末端がカルボアミドのペプチド配列を合成する場合はFmoc-NH-SAL樹脂(渡辺化学社製、約0.43 mmol/g)を用いた。C末端がカルボン酸のペプチド配列を合成する場合は、樹脂に対し2.5当量のFmocアミノ酸のDMF溶液および2.5当量のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを加え、2時間以上振盪撹拌することでC末端のアミノ酸を導入した。C末端がカルボアミドのペプチド配列を合成する場合は、樹脂と結合したFmoc基を除去するために、20%ピペリジンDMF溶液を加え、10分間以上振盪撹拌した後、DMFで3回から5回樹脂を洗浄し、樹脂に対し2.5当量のFmocアミノ酸のDMF溶液、2.5当量の1-ヒドロキシベンズトリアゾールのDMF溶液および2.5当量のDICを加え、40分以上振盪撹拌することでC末端のアミノ酸を導入した。
【0086】
C末端のアミノ酸が樹脂に導入されたのちは、過剰量の試薬をDMFで3回から5回樹脂を洗浄することで除去した後、末端アミノ基の保護基であるFmoc基を20%ピペリジンで室温下10分間以上振盪撹拌することで除去した。ピペリジンをDMFで3回から5回樹脂を洗浄することで除去し、ついで目的のペプチドのアミノ酸配列における次に位置するアミノ酸のFmoc保護誘導体のカルボキシル基と縮合した。この保護アミノ酸の縮合においては、樹脂に対し2.5当量のFmoc-アミノ酸のDMF溶液と2.5当量の1-ヒドロキシベンズトリアゾールのDMF溶液および2.5当量のDICを加えることにより縮合した。同様のFmoc基の除去およびFmocアミノ酸との縮合反応を目的のペプチドのアミノ酸配列ができるまで繰り返し、目的のペプチドのアミノ酸配列を持つ保護ペプチド樹脂を合成した。
【0087】
N末端が遊離のアミノ基のペプチドを合成する場合はN末端のFmocアミノ酸を縮合した後、20%ピペリジンDMF溶液で室温下10分間以上振盪撹拌することでFmoc基を除去した後、ピペリジンをDMFで3回から5回樹脂を洗浄することで除去し、保護ペプチド樹脂の合成を完了した。N末端がAc基で保護されたペプチド配列を合成する場合は、N末端を上記と同様に遊離のアミノ基とした後、5当量の酢酸と4.95当量のN-ヒドロキシコハク酸のDMF溶液および5当量のDICを加えることにより縮合し、N末端にAc基を導入し目的のペプチドのアミノ酸配列を持つ保護ペプチド樹脂を合成した。N末端のアミノ酸残基が(S)−又は(R)−ピログルタミン酸の場合は、N末端のFmocアミノ酸として5等量の(S)−又は(R)−Fmoc−ピログルタミン酸クロリドと10等量のピリジンを用いて40分以上振盪撹拌することで縮合させたのち、20%ピペリジンDMF溶液で室温下10分間以上振盪撹拌することでFmoc基を除去した後、ピペリジンをDMFで3回から5回樹脂を洗浄することで除去し、保護ペプチド樹脂の合成を完了した。
【0088】
(2)ペプチド粗生成物の合成
ペプチド粗生成物の合成においては、上記で合成した目的のペプチドのアミノ酸配列を持つ保護ペプチド樹脂を酸で処理することにより脱保護および樹脂からの切り出しを行った。目的のペプチドがシステインやメチオニンといった硫黄原子を持つアミノ酸を含むペプチド配列の場合は、TFA/水/エタンジチオール/TIS(94/2.5/2.5/1)を用い、氷冷から室温下で30分以上振盪撹拌することで脱保護および樹脂からの切り出しを行った。目的のペプチドがシステインやメチオニンといった硫黄原子を持つアミノ酸を含まない場合は、TFA/水/TIS(95/2.5/2.5)を用い、氷冷から室温下で30分以上振盪撹拌することで脱保護および樹脂からの切り出しを行った。反応終了後、樹脂を濾過して、脱保護溶液で樹脂を3回から5回洗浄した後、洗浄液と濾液を混合して、エバポレーターで濃縮した。残渣にMTBEを添加し、析出した沈殿をろ過または遠心分離することで固液分離し、MTBE洗浄を複数回行うことで、目的のペプチド粗生成物を合成した。
【0089】
(8)H-YERAKSNM-OHの製造方法(方法A)
【0090】
(1)ペプチド合成装置「KMS−3」付属のPP製カラムに(2-クロロ)トリチルクロリド樹脂(渡辺化学社製、約1.6 mmol/g)187.5mg(0.30 mmol)を入れ、DMF5mLを加えた後、終夜振盪撹拌した。吸引濾過でDMFを除去した後、Fmoc-Met-OHのDMF溶液(375mM)2mL(0.75mmol;2.5当量)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン128μL(0.75mmol;2.5当量)、DMF1mLを加え、6時間振盪撹拌した。吸引濾過で反応液を除去した後、DMF3mLで5回洗浄した。20%ピペリジンDMF溶液を3mL加え、35分振盪撹拌した。吸引濾過し、DMF3mLで5回洗浄した。
【0091】
(2)Fmoc-Asn(Trt)-OHのDMF溶液(375mM)2mL(0.75mmol;2.5当量)、1-ヒドロキシベンズトリアゾールのDMF溶液(750mM)1mL(0.75mmol;2.5当量)およびDIC116μL(0.75mmol;2.5当量)を加え終夜振盪撹拌した。吸引濾過で反応液を除去した後、DMF3mLで5回洗浄した。20%ピペリジンDMF溶液を3mL加え、35分振盪撹拌した。吸引濾過し、DMF3mLで5回洗浄した。
【0092】
(3)上記ステップ(2)を参照して、次のアミノ酸を順次結合する。後続アミノ酸の順番及び反応時間は、Fmoc−Ser(tBu)−OH 20時間、Fmoc−Lys(Boc)−OH 45分間、Fmoc−Ala−OH 3時間、Fmoc−Arg(Pbf)−OH 16時間、Fmoc−Glu(tBu)−OH 2.5時間およびFmoc−Tyr(tBu)−OH 15時間であった。
【0093】
(4)合成した保護ペプチド樹脂に氷冷下、3mLの脱保護液(TFA/水/エタンジチオール/TIS=94/2.5/2.5/1)を加え、氷浴を取り外し、成り行き温度で3時間振盪撹拌した。樹脂を濾過し、脱保護溶液で樹脂を3回洗浄した後、洗浄液と濾液を混合して、エバポレーターで濃縮した。濃縮残渣にMTBE5mLを加え、氷冷下終夜撹拌した。全量を遠心沈降管に移したのち、3000rpmで1分間遠心沈降させた後、上澄み液を除去した。MTBE2mLを加え、3分間振盪撹拌した後、3000rpmで1分間遠心沈降させ、上澄み液を除去する操作を3回行った。沈殿物を減圧乾燥し、目的の配列(H-YERAKSNM-OH)のペプチド粗生成物179.5mgを得た。得られたペプチド粗生成物はHPLCおよびESI−TOF/MS機器での質量分析により確認した。
【0094】
ESI-MS:理論M:[M+H]
+=998.47、実験M:(m/z):[M+H]
+=998.4739
【0095】
HPLC条件(条件A)
カラム:YMC-triartC18 3μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.7mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm([表14−2]の目的ペプチド(8)と類縁ペプチド(22)の分析の際のみ)または274 nm
勾配:2%B(0分)→2%B(0.2分)→6.4%B(0.5分)→6.4%B(11分)→95%B(15.5分)→95%B(20.5分)→2%B(20.6分)→2%B(29分)
保持時間=13.3分付近
【0096】
(12)Ac-ALRAL-NH
2の製造方法(方法B)
【0097】
(1)ペプチド合成装置「KMS−3」付属のPP製カラムにFmoc-NH-SAL樹脂(渡辺化学社製、約0.43 mmol/g)348.8mg(0.15mmol)を入れ、DMF5mLを加えた後、1分間振盪撹拌したのち、終夜静置した。吸引濾過でDMFを除去した後、20%ピペリジンDMF溶液を3mL加え、35分振盪撹拌した。吸引濾過し、DMF3mLで5回洗浄した。
【0098】
(2)Fmoc-Leu-OHのDMF溶液(187.5mM)2mL(0.375mmol;2.5当量)、1-ヒドロキシベンズトリアゾールのDMF溶液(375mM)1mL(0.375mmol;2.5当量)およびDIC58μL(0.375mmol;2.5当量)を加え3時間振盪撹拌した。吸引濾過で反応液を除去した後、DMF3mLで5回洗浄した。20%ピペリジンDMF溶液を3mL加え、35分振盪撹拌した。吸引濾過し、DMF3mLで5回洗浄した。
【0099】
(3)上記ステップ(2)を参照して、次のアミノ酸を順次結合する。後続アミノ酸の順番及び反応時間は、Fmoc−Ala−OH 2.5時間、Fmoc−Arg(Pbf)−OH 15.5時間、Fmoc-Leu-OH 2.5時間およびFmoc−Ala−OH 2.5時間であった。N末端が遊離のアミノ基の保護ペプチド樹脂を合成した後、N−ヒドロキシコハク酸のDMF溶液(248mM)3mL(0.744mmol;4.96当量)、酢酸43μL(0.75mmol;5当量)およびDIC116μL(0.75mmol;5当量)を加え16時間振盪撹拌した。吸引濾過で反応液を除去した後、DMF3mLで5回洗浄した後、MTBE3mLで3回洗浄した。
【0100】
(4)合成した保護ペプチド樹脂に氷冷下、3mLの脱保護液(TFA/水/TIS=95/2.5/2.5)を加え、氷浴を取り外し、成り行き温度で4時間振盪撹拌した。樹脂を濾過し、脱保護溶液で樹脂を3回洗浄した後、洗浄液と濾液を混合して、エバポレーターで濃縮した。濃縮残渣にMTBE5mLを加え、氷冷下終夜撹拌した。全量を遠心沈降管に移したのち、3000rpmで1分間遠心沈降させた後、上澄み液を除去した。MTBE2mLを加え、3分間振盪撹拌した後、3000rpmで1分間遠心沈降させ、上澄み液を除去する操作を3回行った。沈殿物を減圧乾燥し、目的の配列(Ac-ALRAL-NH
2)のペプチド粗生成物90.6mgを得た。得られたペプチド粗生成物はHPLCおよびESI−TOF/MS機器での質量分析により確認した。
【0101】
ESI-MS:理論M:[M+H]
+=584.39、実験M:(m/z):[M+H]
+=584.3879
【0102】
HPLC条件(条件B)
カラム:YMC-PackProC18 3μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:5%B(0分)→5%B(5分)→95%B(17分)→5%B(17.1分)→5%B(20.1分)→5%B(24分)
保持時間=10.6分付近
【0103】
(1)Ac-YFYPEL-NH
2の製造方法
【0104】
方法Bと同様にFmoc-NH-SAL樹脂233mg(0.1mmol)に対し、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Glu(tBu)-OH、Fmoc-Pro-OH、Fmoc-Tyr(tBu)-OH、Fmoc-Phe-OH、Fmoc-Tyr(tBu)-OHと順次縮合させた後、N末端が遊離のアミノ基をAc保護することで、保護ペプチド樹脂を合成した。脱保護液(TFA/水/TIS=95/2.5/2.5)を用いて樹脂からの切り出しを行い、同様の操作で、目的の配列(Ac-YFYPEL-NH
2)のペプチド粗生成物90.6mgを得た。得られたペプチド粗生成物はHPLCおよびESI−TOF/MS機器での質量分析により確認した。得られたペプチド粗生成物はHPLCおよびESI−TOF/MS機器での質量分析により確認した。
【0105】
ESI-MS:理論M:[M+H]
+=872.42、実験M:(m/z):[M+H]
+=872.4203
【0106】
HPLC条件(条件C)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:20%B(0分)→20%B(12分)→95%B(15分)→95%B(19分)→20%B(20分)→20%B(28分)
保持時間=10.2分付近
【0107】
上記の方法AまたはBを用い、下表の目的ペプチドをそれぞれ固相法により合成した。
HPLCの分析条件は上記に示したHPLC条件(条件A〜C)のほか、以下に示す条件を用いて分析した。
【0108】
HPLC条件(条件D)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:275 nm
勾配:15%B(0分)→25%B(1分)→25%B(12分)→95%B(14.5分)→95%B(17分)→15%B(17.5分)→15%B(28分)
【0109】
HPLC条件(条件E)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.7mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:20%B(0分)→35%B(17分)→95%B(18分)→95%B(20分)→20%B(20.5分)→20%B(28分)
【0110】
HPLC条件(条件F)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:279 nm
勾配:36%B(0分)→36%B(12.5分)→95%B(13分)→95%B(14.5分)→36%B(15分)→36%B(27分)
【0111】
HPLC条件(条件G)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:281 nm
勾配:22%B(0分)→25%B(2分)→25%B(14分)→95%B(17分)→95%B(18.5分)→22%B(19分)→22%B(30分)
【0112】
HPLC条件(条件H)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.65mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:2%B(0分)→2%B(3分)→5%B(12分)→5%B(14分)→8%B(16分)→95%B(19分)→95%B(19.9分)→2%B(20分)→2%B(28分)
【0113】
HPLC条件(条件I)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:23%B(0分)→25%B(2分)→25%B(10分)→35%B(15分)→95%B(17分)→95%B(19分)→23%B(20分)→23%B(28分)
【0114】
HPLC条件(条件J)
カラム:Waters Atlantis T3 3μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:1.0mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:20%B(0分)→20%B(12分)→95%B(17分)→95%B(19分)→20%B(19.1分)→20%B(28分)
【0115】
HPLC条件(条件K)
カラム: Waters Xbridge Phenyl 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:1.0mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:5%B(0分)→5%B(3分)→95%B(20分)→5%B(20.1分)→5%B(26分)
【0116】
HPLC条件(条件L)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:28%B(0分)→38%B(12分)→95%B(15分)→95%B(19分)→28%B(20分)→28%B(28分)
【0117】
HPLC条件(条件M)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.65mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:4%B(0分)→4%B(3分)→7%B(8分)→95%B(15分)→95%B(15.9分)→4%B(16分)→4%B(28分)
【0118】
HPLC条件(条件N)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:1.0mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:0%B(0分)→3%B(8分)→95%B(25分)→95%B(28分)→0%B(28.5分)→0%B(35分)
【0119】
HPLC条件(条件O)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:25%B(0分)→25%B(14分)→95%B(17分)→95%B(21分)→0%B(22分)→0%B(32分)
【0120】
HPLC条件(条件P)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:20%B(0分)→25%B(12分)→25%B(14分)→95%B(17分)→95%B(18.5分)→20%B(19分)→20%B(28分)
【0121】
HPLC条件(条件Q)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:3%B(0分)→5%B(5分)→5%B(16分)→95%B(17分)→95%B(19分)→3%B(19.1分)→3%B(28分)
【0122】
HPLC条件(条件R)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.6mL/分、温度:30℃
検出波長:275 nm
勾配:11%B(0分)→11%B(10分)→20%B(12分)→95%B(15分)→95%B(17.5分)→11%B(18分)→11%B(28分)
【0123】
HPLC条件(条件S)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.6mL/分、温度:30℃
検出波長:281 nm
勾配:29%B(0分)→29%B(10分)→40%B(12分)→95%B(15分)→95%B(17.5分)→29%B(18分)→29%B(28分)
【0124】
【表2-1】
【0125】
【表2-2】
【0126】
同様に、上記の方法を用い、下表の類縁ペプチドをそれぞれ固相法により合成した。
【0127】
【表3-1】
【0128】
【表3-2】
【表3-3】
【0129】
1−2:酸化合物
【0130】
以下の酸化合物を購入して使用した。
硫酸:ナカライテスク社 特級
塩酸:ナカライテスク社 0.1N 特級
【化12】
:東京化成工業(株)
【化13】
:東京化成工業(株)
【化14】
:東京化成工業(株)
【化15】
:東京化成工業(株)
【化16】
:東京化成工業(株)
【化17】
:東京化成工業(株)
【化18】
:東京化成工業(株)
【化19】
:東京化成工業(株)
【化20】
:東京化成工業(株)
【化21】
:東京化成工業(株)
【化22】
:ナカライテスク社 特級
【化23】
:和光純薬社 特級
【化24】
:東京化成工業(株)
【化25】
:ナカライテスク社 一級
【化26】
:東京化成工業(株)
【化27】
:東京化成工業(株)
【化28】
:東京化成工業(株)
【0131】
以下に示すスルホン酸は特に記載がない限りそれぞれ、相応するハロゲン化物を亜硫酸ナトリウムと反応させ、得られたスルホン酸ナトリウム塩を塩酸で酸性とすることにより合成して使用した。
【0132】
具体例として、p−メチルベンジルスルホン酸:
【化29】
の合成を以下に説明する。
p−メチルベンジルブロミド1.55g(7mmol)をエタノール4mLに溶かし、亜硫酸ナトリウム0.97g(7.7mmol;1.1当量)、水8mLを加え、終夜加熱還流した。反応終了後、エバポレーターで濃縮しエタノールを除去した後、析出した固体をろ過し、1.09gのp−メチルベンジルスルホン酸ナトリウム塩を得た。得られた固体625mgに濃塩酸1mLと水1.5mLを加え終夜撹拌した。反応液を濾過し、水0.5mLで2回洗浄し、p−メチルベンジルスルホン酸448mgを得た。
1H NMR (400 MHz, D2O) 7.25 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 4.07 (s, 2H), 2.28 (s, 3H)
【0133】
上記のp−メチルベンジルスルホン酸の合成方法に従って、下表のスルホン酸を、相応するハロゲン化物を用いて合成した。
【0134】
【表4-1】
【0135】
【表4-2】
【0136】
【表4-3】
【0137】
【表4-4】
【0138】
ベンジルスルホン酸の合成
【化30】
ベンジルブロミド1.71g(10mmol)にエタノール10mL、チオウレア0.76g(10mmol)を加え、終夜加熱還流した。TLCで原料の消失を確認した後、エバポレーターで濃縮乾固した。残渣にアセトニトリル10mLを加え溶解させ、氷浴にて冷却した。氷冷下2N塩酸2mL(4mmol)、N−クロロスクシンイミド5.34g(40mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液をエバポレーターで濃縮し、残渣に酢酸エチル5mLを加え分液した後、有機層をエバポレーターで濃縮した。残渣にMTBE5mL、ヘプタン5mLを加え、析出した固体をろ別した後、ろ液をエバポレーターで濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:富士シリシア社、PSQ-100B、50g;溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)にて精製し、ベンジルスルホニルクロリド0.64gを得た。得られたベンジルスルホニルクロリド0.59gに水5.9mLを加え、5日間加熱還流した。反応液を濃縮乾固、真空ポンプで乾燥することで、ベンジルスルホン酸0.39gを得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) 7.42 (m, 2H), 7.28 (m, 3H), 4.05 (s, 2H)
【0139】
p-カルボキシベンジルスルホン酸の合成
【化31】
上記で合成したp-メトキシカルボニルベンジルスルホン酸0.50gに濃塩酸0.6mL、水0.6mLを加え、90℃に加熱した。終夜90度で加熱撹拌した後、室温まで冷却し、析出した固体を減圧濾過することで、p-カルボキシベンジルスルホン酸0.37gを得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) 7.97 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.53 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 4.12 (s, 2H)
【0140】
略語の説明
TFA:トリフルオロ酢酸
IPA:イソプロピルアルコール
DMSO:ジメチルスルホキシド
DIC:ジイソプロピルカルボジイミド
TIS:トリイソプロピルシラン
MTBE:メチルターシャリーブチルエーテル
【0141】
試験例1:目的ペプチドの精製−1(粗類縁ペプチドの除去に関して)
1−1で得られた粗目的ペプチドと粗類縁ペプチドをそれぞれ1%TFA含有水/アセトニトリル=100〜70/0〜30に溶解し、20mM(各ペプチドの純度を100%と仮定)の粗目的ペプチド溶液または粗類縁ペプチド溶液とした。溶けにくいペプチドは約5mM(各ペプチドの純度を100%と仮定)まで希釈して溶解させた。
各酸化合物を水、または、水に溶けにくい場合は10%IPA水溶液または10%DMSO水溶液に溶かし、50mMの酸化合物溶液とした。
粗目的ペプチド溶液(1μmol(目的ペプチドの純度を100%と仮定))、粗類縁ペプチド溶液(0.1μmol(類縁ペプチドの純度を100%と仮定))を混合した。
当該混合物に酸化合物溶液(1.5μmol)を混合し(HPLC分析(処理前))、凍結乾燥により乾固した。
残渣にIPA 100μLを加え、室温にて終夜振盪した。
得られたスラリーを遠心ろ過(5000〜15000rpm、1〜5分)し、ケーキをIPA 150μLで2回洗浄した。濾液と洗浄液は合一した。
得られた固体と濾洗液をそれぞれHPLC分析した(処理後固体/処理後濾洗液)。
【0142】
HPLCの測定機器は上記と同様である。
測定条件:ペプチド合成時の各HPLC条件(HPLC条件A〜M)に従う。
【0143】
芳香族アミノ酸残基を含むペプチドでは、長波長側紫外吸収は専ら該芳香族側鎖に帰する事ができる。これに該当するペプチドを分析する際のHPLC検出波長は、条件A(274 nmで検出する場合)、条件D、条件F〜Gである。条件A(274 nmで検出する場合)では目的ペプチドも類縁ペプチドも芳香族アミノ酸残基を1個ずつ、条件Fでは5個ずつ、条件Gでは4個ずつ持ち、条件Dでは目的ペプチドが芳香族アミノ酸残基を3個、類縁ペプチドは2個持つ。即ち274〜281 nmの長波長紫外吸収に寄与する芳香族側鎖の数は目的ペプチドと類縁ペプチドで同じか1つの差であり、HPLC面積値の比を凡そのモル比とみなす事ができる。
【0144】
一方芳香族アミノ酸残基を含まないペプチドでは長波長側に紫外吸収はなく、カルボニル基による短波長紫外吸収(205 nm)を検出に用いる事ができる。条件A(205 nmで検出する場合)と条件Jでは目的ペプチドのカルボニル基は10個、類縁ペプチドは9個のカルボニル基を持つ。同様に条件Bと条件Kでは目的ペプチド6個、類縁ペプチド5個、条件Cでは8個と7個、条件Eでは16個と15個、条件Hでは9個と6個又は8個、条件Iでは31個と30個、条件Lでは32個と31個、条件Mでは9個と8個である。即ち205 nmの短波長紫外吸収に寄与するカルボニル基の数は目的ペプチドと類縁ペプチドで1〜3個の差であり、HPLC面積値の比を凡そのモル比とみなす事ができる。尚目的ペプチド(9)と(10)は芳香族側鎖を持つものの十分に鎖長が長くカルボニル基が多いので条件Iではカルボニル基の紫外吸収(205 nm)で検出したが、長波長側で検出する事もできる(目的ペプチドも類縁ペプチドも芳香族アミノ酸残基を6個ずつ持つ)。同様に目的ペプチド(16)と類縁ペプチド(25)は芳香族側鎖を2個ずつ持つが、205 nmで検出した。
【0145】
下式1)のとおり、HPLC測定値(面積)を用いて、目的ペプチドと類縁ペプチドの合計面積に対する目的ペプチドの面積の割合(%)を算出し、目的ペプチドと類縁ペプチドの物質量(mol)の合計に対する目的ペプチドの物質量(mol)のおおよその割合(%)(目的ペプチド率)とした。
式1)
目的ペプチド率(%)=目的ペプチドの面積/(目的ペプチドの面積+類縁ペプチドの面積)×100
≒目的ペプチド(mol)/(目的ペプチド(mol)+類縁ペプチド(mol))×100
【0146】
評価1:塩形成の検証
ペプチドと酸化合物を混合した場合、N末端のアミノ基、あるいは、塩基性アミノ酸(リジンK、アルギニンR、ヒスチジンH等)の側鎖部分と酸化合物が塩を形成する可能性がある。
塩基性アミノ酸不含の目的ペプチド:H-YFYPEL-NH
2および1残基欠損体であるその類縁ペプチド:H-YYPEL-NH
2、ならびにこれらのN末端をアセチル基(Ac)で保護した目的ペプチドAc-YFYPEL-NH
2および1残基欠損体であるその類縁ペプチドAc-YYPEL-NH
2を用いて、固体における目的ペプチド率(%)の変化により、ペプチドと酸化合物との塩形成の有無を検証した。
【0147】
目的ペプチド率(%)の変化は、下式2)を用いて「目的ペプチド率(%)の上昇ポイント」として算出した。
式2):
目的ペプチド率(%)の上昇ポイント=処理後固体の目的ペプチド率(%)−処理前の目的ペプチド率(%)
結果を下表に示す。
【0148】
【表5】
【0149】
N末端がAc基で保護された目的ペプチドAc-YFYPEL-NH
2およびその類縁ペプチドAc-YYPEL-NH
2では、目的ペプチド率(%)の上昇ポイントは、酸化合物を使用しない場合では1.4ポイント、硫酸では2.0ポイント、当該スルホン酸化合物では2.1ポイントであり、酸化合物使用の有無で目的ペプチド率(%)の上昇ポイントに大きな差はなかった。
対して、N末端がフリーである目的ペプチド:H-YFYPEL-NH
2とその類縁ペプチド:H-YYPEL-NH
2では、酸化合物を使用しない場合では−0.3ポイント、硫酸では0.2ポイントであるのに対して、当該スルホン酸化合物では3.1ポイントであり、当該スルホン酸化合物での上昇ポイントは酸化合物不使用および硫酸に比べて大きかった。
目的ペプチドと類縁ペプチドの構造が類似している場合、溶媒に対する溶解特性は通常近似する。そうすると、ペプチドが酸化合物と塩を形成して固体となった場合には、得られた固体の溶媒に対する溶解特性が元のペプチドに比べ大きく変化するので、固液分離する事によって、類縁ペプチドより多く含まれる目的ペプチドの割合が上昇する可能性は顕著に高まる。従って、これらの結果は、当該スルホン酸化合物がペプチドのN末端のアミノ基と塩を形成したことを示唆する。
【0150】
なお、酸化合物の有無に関わらず、N末端がAc基で保護された目的ペプチドAc-YFYPEL-NH
2およびその類縁ペプチドAc-YYPEL-NH
2では、目的ペプチド率(%)が上昇したのは、これらのペプチドのIPA中での溶解挙動の差に起因すると考えられる。
【0151】
評価2:スルホン酸化合物の効果
下表の酸化合物、目的ペプチドおよび類縁ペプチドを用いて、上記と同様の方法で、得られた固体における目的ペプチド率(%)の上昇ポイントを算出した。
結果を下表に示す。
【0152】
【表6】
【0153】
酸化合物不使用の場合と比較して、スルホン酸化合物を使用することにより、目的ペプチド率(%)の上昇ポイントは増加し、スルホン酸化合物は目的ペプチドと類縁ペプチドの分離において優れた効果を示した。これは評価1から示唆される様にスルホン酸化合物との塩形成により溶解挙動が変化した為と考えられる。
【0154】
評価3:無機酸との比較
下表の酸化合物、目的ペプチドおよび類縁ペプチドを用いて、上記と同様の方法で、得られた固体における目的ペプチド率(%)の上昇ポイントを算出した。
結果を下表に示す。
【0155】
【表7】
【0156】
目的ペプチド率(%)の上昇ポイントは、塩酸および硫酸と比較してスルホン酸化合物の方が大きく、スルホン酸化合物は目的ペプチドの精製において優れた効果を示した。
【0157】
評価4:カルボン酸化合物との比較
下表のスルホン酸化合物またはカルボン酸化合物、ならびに目的ペプチドおよび類縁ペプチドを用いて、上記と同様の方法で、得られた固体における目的ペプチド率(%)の上昇ポイントを算出した。
結果を下表に示す。
【0158】
【表8】
【0159】
【表9】
【0160】
目的ペプチド率(%)の上昇ポイントは、カルボン酸化合物と比較してスルホン酸化合物の方が大きく、スルホン酸化合物は目的ペプチドの精製において優れた効果を示した。
【0161】
評価5:各種スルホン酸化合物の効果(1)
下表のスルホン酸化合物、目的ペプチドおよび類縁ペプチドを用い、分析上の問題で固体における目的ペプチド率が算出できなかった試料があったため濾洗液における目的ペプチド率(%)の変化を、下式3)を用いて「目的ペプチド率(%)の低下ポイント」として算出した。目的ペプチドと類縁ペプチドの処理前後のそれぞれの濃度は不明であること、および目的ペプチドと類縁ペプチドのHPLC感度は同一ではないことから、「目的ペプチド率(%)の低下ポイント」から「目的ペプチド率(%)の上昇ポイント」への換算はできないものの、濾洗液において目的ペプチド率が減少したことは固体において目的ペプチド率が増加したことを意味する。
【0162】
式3):
目的ペプチド率(%)の低下ポイント=処理後濾洗液の目的ペプチド率(%)−処理前の目的ペプチド率(%)
結果を下表に示す。
【0163】
【表10】
【0164】
【表11】
【0165】
【表12】
【0166】
【表13】
【0167】
【表14-1】
【0168】
【表14-2】
【0169】
【表15-1】
【0170】
【表15-2】
【0171】
【表16-1】
【0172】
【表16-2】
【0173】
【表16-3】
【0174】
【表16-4】
【0175】
【表17】
【0176】
評価6:各種スルホン酸化合物の効果(2)
下表の酸化合物、目的ペプチドおよび類縁ペプチドを用いて、上記と同様の方法で、得られた固体における目的ペプチド率(%)の上昇ポイントを算出した。
結果を下表に示す。
【0177】
【表18】
【0178】
【表19】
【0179】
【表20】
【0180】
【表21】
【0181】
【表22】
【0182】
【表23】
【0183】
【表24】
【0184】
【表25】
【0185】
【表26】
【0186】
表5〜26に示すとおり、得られた固体における目的ペプチド率は上昇し、スルホン酸化合物は種々の目的ペプチドの精製において優れた効果を示した。
【0187】
試験例2:溶媒の検討−1
1−1で得られた粗目的ペプチド((8)H-YERAKSNM-OH)と粗類縁ペプチド((13)H-YERKSNM-OH)をそれぞれ水/アセトニトリル=1/2に溶解し、10mM(各ペプチドの純度を100%と仮定)の粗目的ペプチド溶液または粗類縁ペプチド溶液とした。
酸化合物を水に溶かし、30mMの酸化合物溶液とした。
粗目的ペプチド溶液(1μmol(目的ペプチドの純度を100%と仮定))、粗類縁ペプチド溶液(0.1μmol(類縁ペプチドの純度を100%と仮定))を混合した。
当該混合物に酸化合物溶液(0.9μmol)を混合し(HPLC分析(処理前))、凍結乾燥により乾固した。酸化合物は、
【化32】
を使用した。
残渣に下表の溶媒 100μLを加え、室温にて終夜振盪した。
得られたスラリーを遠心ろ過(14000rpm、1分)し、ケーキを当該溶媒 100μLで2回洗浄した。濾液と洗浄液は合一した。
得られた固体と濾洗液をそれぞれHPLC分析した(処理後固体/処理後濾洗液)。
上記と同様の方法で、得られた濾洗液における目的ペプチド率(%)の低下ポイントを算出した。
加えて、処理前溶液と処理後固体についてのHPLC分析結果から、目的ペプチドのHPLC面積百分率(但し、総面積からスルホン酸化合物のピークを除く)を算出した。
【0188】
【表27】
【0189】
【表28】
【0190】
表27および28に示されるとおり、スルホン酸化合物は、いずれの溶媒を使用した場合においても、目的ペプチドの精製において効果を示した。溶媒の組成を通常行われる範囲で検討することで類縁ペプチドの除去に適する溶媒を選択できる。
【0191】
試験例3:スケールアップ
【0192】
試験例2と同じ目的ペプチド、類縁ペプチド、スルホン酸化合物を用いて以下の試験を行った。
粗目的ペプチド、粗類縁ペプチド、スルホン酸化合物をそれぞれ水/アセトニトリル(1/2)に溶解し、粗目的ペプチドと粗類縁ペプチドについては50 mM(それぞれ純度を100%と仮定)、スルホン酸化合物については75 mMの溶液を調製した。粗目的ペプチド溶液1 mL(50 μmol)、粗類縁ペプチド0.1 mL(5 μmol)を混合した。
スルホン酸化合物溶液1 mL(75 μmol)を添加し(HPLC分析(条件A、処理前))、凍結乾燥した。残渣にIPA 1 mLを加え分散した後、再度凍結乾燥し残渣(67.35 mg)を得た。
上記残渣にIPA 2 mLを加え、700rpmで3時間振盪後固体を遠心沈降した(14000rpm、1分)。固体と上清を分離し、それぞれ凍結乾燥して固体由来残渣60.74 mg、上清由来残渣5.84 mgを得た。それぞれHPLC分析した(条件A、処理後)。結果を下表に示す。
【表29】
【0193】
スケールアップした場合でも、試験例2と同様の結果が得られた。
【0194】
試験例4:スルホン酸除去
【0195】
試験例3と同じ目的ペプチド、類縁ペプチド、スルホン酸化合物を用いて以下の試験を行った。
粗目的ペプチド、粗類縁ペプチド、スルホン酸化合物をそれぞれ水/アセトニトリル(1/2)に溶解し、粗目的ペプチドと粗類縁ペプチドについては50 mM(それぞれ純度を100%と仮定)、スルホン酸化合物については75 mMの溶液を調製した。粗目的ペプチド溶液1 mL(50 μmol)、粗類縁ペプチド0.1 mL(5 μmol)を混合した。
スルホン酸化合物溶液1 mL(75 μmol)を添加し(HPLC分析した(条件A、処理前))、凍結乾燥した。残渣にIPA 1 mLを加え分散した後、再度凍結乾燥し残渣(70.93 mg)を得た。
上記残渣にIPA 5 mLを加え、700rpmで3.5時間振盪後固体を遠心沈降した(14000rpm、1分)。固体と上清を分離し、IPA 1 mLで固体を洗浄した。固体と上清および洗浄溶液を合わせたもの、それぞれを凍結乾燥して固体由来残渣59.58 mg、上清および洗浄由来残渣5.40 mgを得た。
Oasis WAX Cartridge(6cc/150mg)(Waters社製)を用い、1N水酸化ナトリウム水溶液1 mL、水(精製水)7 mL、水/MeOH(10/1)2 mLの順で通液し、前処理を行った。
上記固体由来残渣15.74 mg を 水/MeOH(10/1)1 mLに溶解し、HPLC分析した(条件A、処理後。スルホン酸は5.1分付近に溶出した)。
前処理を行ったOasis WAX Cartridge(6cc/150mg)に上記溶液をロードし、水/MeOH(10/1)9 mLを通液した。このカートリッジを通した溶液をHPLC分析し、スルホン酸の除去を確認した(条件A、スルホン酸除去後)。凍結乾燥して残渣9.47 mgを得た。
【0196】
スルホン酸化合物による処理前の溶液と処理後の固体、並びにスルホン酸化合物除去後の当該HPLC分析における的ペプチドのHPLC面積百分率を下表に示す。
【0197】
【表30】
【0198】
試験例5:溶媒の検討−2
1−1で得られた粗目的ペプチド((8)H-YERAKSNM-OH)と粗類縁ペプチド((23)H-YERAKSN-OH)をそれぞれ水/アセトニトリル=1/2に溶解し、10mM(各ペプチドの純度を100%と仮定)の粗目的ペプチド溶液または粗類縁ペプチド溶液とした。
スルホン酸化合物を水に溶かし、50mMのスルホン酸化合物溶液とした。
粗目的ペプチド溶液(1μmol(目的ペプチドの純度を100%と仮定))、粗類縁ペプチド溶液(0.1μmol(類縁ペプチドの純度を100%と仮定))を混合した。
当該混合物にスルホン酸化合物溶液(1.5μmol)を混合し(HPLC分析(処理前))、凍結乾燥により乾固した。スルホン酸化合物は、
【化33】
を使用した。
残渣に下表の溶媒 100μLを加え、室温にて終夜振盪した。
得られたスラリーを遠心ろ過(14000rpm、1分)し、ケーキを当該溶媒 100μLで2回洗浄した。濾液と洗浄液は合一した。
得られた固体と濾洗液をそれぞれHPLC分析した(処理後固体/処理後濾洗液)。
上記と同様の方法で、得られた濾洗液における目的ペプチド率(%)の低下ポイントを算出した。
加えて、処理前溶液と処理後固体についてのHPLC分析結果から、目的ペプチドのHPLC面積百分率(但し、処理後固体については総面積からスルホン酸化合物のピークを除く)を算出した。
【0199】
【表31】
【0200】
【表32】
【0201】
試験例6:目的ペプチドの精製−2
下表の目的ペプチド、類縁ペプチド、およびスルホン酸化合物に関し、試験例1で行ったHPLC分析結果から、処理前溶液と処理後固体の目的ペプチドのHPLC面積百分率(但し総面積からスルホン酸化合物のピークを除く)を算出した。
【0202】
【表33】