【実施例1】
【0015】
まず、本発明であるゲートバルブの制御方法が適用される半導体製造装置について説明する。
図1は、半導体製造装置の概観を示す斜視図である。
図2は、半導体製造装置に設置されるゲートバルブの構造を示す斜視図である。
図3は、ゲートバルブの動作を説明するための側面図である。
図4は、ゲートバルブの内部構成を説明するためのブロック図である。
【0016】
図1に示すように、半導体製造装置100は、複数のチャンバ110を備え、プロセスごとに各チャンバ110に基板を搬送して処理が行われる。例えば、複数のチャンバ110が星状に配置されるクラスタ型の場合、搬送室となるトランスファーチャンバの周りに、真空予備室となるロード(アンロード)ロックチャンバや、処理室となるプロセスチャンバなどが配置される。
【0017】
各チャンバ110の間には、開口部を塞ぐためのゲートバルブ200が介される。また、各チャンバ110には、排気用の真空バルブを介して、真空ポンプ120が取り付けられる。各チャンバ110は、真空ポンプ120により所定の圧力まで減圧される。そして、基板をチャンバ110に移送する際にゲートバルブ200を開き、チャンバ110内で基板を処理する際にゲートバルブ200を閉じる。
【0018】
図2に示すように、ゲートバルブ200は、真空バルブの一つであり、チャンバ110に取り付けられる高気密性の開閉弁である。真空バルブには、用途によって、半導体製造装置100の出入口に設置されるドアバルブ、チャンバ110間に設置されるゲートバルブ200、真空ポンプ120との間に配置される排気バルブなどがある。
【0019】
ゲートバルブ200には、バルブを上下等にスライド移動させて開閉する角型バルブ、円板状のバルブを回転させて開閉するバタフライバルブ、バルブを振り子のように回動させて開閉するペンドロールバルブなどがある。
【0020】
例えば、角型バルブの場合、チャンバ110の出入口に開口部310を合わせて取り付けられる弁箱300、弁箱300内で可動して開口部310を塞ぐための弁体210、開口部310の周縁部である弁座320に弁体210を押し当てたときに気密性を維持するシール材220、弁体210を支持する弁ロッド230、弁体210で開口部310を閉塞又は開放するために弁ロッド230を移動させる弁体駆動機構400等を有する。
【0021】
弁体210は、弁箱300の開口部310より一回り大きい板材を使用すれば良い。シール材220は、ゴム製のOリング等を使用し、開口部310の周りであって弁体210と弁座320とが接触する部分に沿って環状に配置されれば良い。なお、弁体210には、振動センサ510など各種センサを設けても良い。
【0022】
弁ロッド230は、例えば、上下移動又は伸縮することにより、弁体210を昇降させる。また、開口部310を閉塞するときは弁体210を弁座320に押し付けてシール材220を潰し、開口部310を開放するときは弁体210をシール材220から引き剥がす。
【0023】
弁体駆動機構400は、弁ロッド230に与える動力を発生させる駆動装置である。例えば、駆動方式として、加圧空気を使用する圧空式のものや、モーターを使用する電動式のもの等がある。
【0024】
圧空式の場合、
図3(a)に示すように、開状態においては、弁座320とシール材220との間が空いた状態で、弁体210が下がった位置にあり、開口部310が開放されている。なお、ピストンロッド420を囲むように支持枠330の下側に配されたべローズ450は、伸張した状態となる。
【0025】
図3(b)に示すように、閉状態に移行する際は、外部(例えば、電磁弁)からシリンダ410に加圧空気が供給されてピストンロッド420が押し上げられることで可動体430が上方に移動し、弁ロッド230が上昇する。それによって、弁体210が開口部310を塞ぐための高さに合わせられる。なお、可動体430が上昇することで支持枠330との間に挟まれたべローズ450は、圧縮された状態となる。
【0026】
図3(c)に示すように、さらに、シリンダ410に加圧空気が供給されて可動体430が上方に移動するとカム440によって弁ロッド230が開口部310に向かって押し出される。それによって、弁体210に固定されているシール材220が弁座320に押し付けられる。
【0027】
図4に示すように、ゲートバルブ200は、半導体製造装置100における上位装置130、すなわちゲートバルブ200以外の外部装置(例えば、チャンバ110など)との間で通信することにより、開閉動作を行う。なお、圧空式の角型バルブで説明するが、電空レギュレータで空気の圧力を連続的にコントロールするような方式でも良い。
【0028】
ゲートバルブ200を開くときは、上位装置130からの開指令に基づいて開電磁弁140aが開き、加圧空気が弁体駆動機構400に供給される。ゲートバルブ200のべローズ450が伸張して、弁体210が下降する。ゲートバルブ200には開位置センサ240aが設置されており、弁体210が開位置に到達したことを検出したら、上位装置130に開信号を送信する。
【0029】
また、ゲートバルブ200を閉じるときは、上位装置130からの閉指令に基づいて閉電磁弁140bが開き、加圧空気が弁体駆動機構400に供給される。ゲートバルブ200のピストンロッド420が伸張して、弁体210が上昇する。ゲートバルブ200には閉位置センサ240bが設置されており、弁体210が閉位置に到達したことを検出したら、上位装置130に閉信号を送信する。
【0030】
なお、弁体駆動機構400が電動式の場合は、弁体210の動作速度などをゲートバルブ200内で制御可能であるが、圧空式の場合は、上位装置130が開電磁弁140a又は閉電磁弁140bを開くことで供給される加圧空気によって動作するだけなので、弁体210の動作速度などは上位装置130で制御されることになる。
【0031】
そのため、ゲートバルブ200には、制御ユニットと、開圧力センサ460a及び閉圧力センサ460bを設ける。制御ユニットは、制御部500、振動センサ510、AD変換器520、タイマー530及び通信手段540などを有する。
【0032】
開圧力センサ460aは、開電磁弁140aが開くことで供給された加圧空気の圧力値を検出する。また、閉圧力センサ460bは、閉電磁弁140bが開くことで供給された加圧空気の圧力値を検出する。圧力値は、AD変換器520でアナログ信号からデジタル信号に変換されて制御部500に送られる。
【0033】
振動センサ510は、弁体210が開動作又は閉動作する際に発生した振動状況を検出する。なお、振動センサ510としては、三軸加速度センサなどを用いて、弁体210又はゲートバルブ200全体に発生した振動の周波数や振幅を測定すれば良い。振動状況は、AD変換器520で信号変換されて制御部500に送られる。
【0034】
タイマー530は、上位装置130から出された開指令及び閉指令と、ゲートバルブ200の開位置センサ240aから出された開信号及び閉位置センサ240bから出された閉信号について時間を取得する。そして、制御部500において、上位装置130が開指令を出してから開信号を受けるまでの開時間、及び上位装置130が閉指令を出してから閉信号を受けるまでの閉時間を算出する。
【0035】
制御部500は、開圧力センサ460a及び閉圧力センサ460bから取得した圧力値が正常な範囲に収まっているか否かを判断し、通信手段540を介して異常の有無を上位装置130に通知する。
【0036】
また、制御部500は、振動センサ510から取得した振動状況(例えば、三軸の振動波形など)が正常な範囲に収まっているか否かを判断し、通信手段540を介して異常の有無を上位装置130に通知する。
【0037】
また、制御部500は、タイマー530から取得した開時間及び閉時間が正常な範囲に収まっているか否かを判断し、通信手段540を介して異常の有無を上位装置130に通知する。
【0038】
さらに、異常がある場合は、その内容を上位装置130に通知する。例えば、開時間が正常時よりも長ければ開動作時の圧力不足が予想される。弁体210の振動波形が正常時よりも大きければ、駆動部品の劣化が予想される。なお、圧力値が大きいと、弁体210の移動が速くなって開閉時間が速くなり、さらに振動も大きくなるといった関連性を有する場合もある。
【0039】
また、上位装置130が出す開指令又は閉指令を変更させるための指示を含めても良い。例えば、弁体210の振動が通常よりも大きい場合に、開電磁弁140a又は閉電磁弁140bの開度を変動させて加圧空気の圧力値が下がるように調整することにより、弁体210の振動が小さくなるようにしても良い。
【0040】
加圧空気の圧力値、開閉時間及び振動状況については、予め正常値のデータを取得しておく。なお、複数のデータから平均値を求めて正常値としても良いし、それを基に正常な範囲を設定しても良い。なお、その範囲の上限と下限を、正常な範囲外か否かを判断するための閾値とすれば良い。
【0041】
例えば、振動センサ510から取得した振幅が上限値を超えたら動作速度を落として振幅が範囲内に収まるように、上位装置130の開閉指令の変更指示を出し、振幅が下限値を下回ったら動作速度を元に戻すよう、上位装置130の開閉指令の変更指示を出す。
【0042】
閾値は、複数の段階を設定しても良い。例えば、第1段階では開閉指令を変更させるための指示を出す基準とし、第2段階では半導体製造装置100を停止させて部品の交換などメンテナンスするように警告する基準となる等である。
【0043】
また、異常を検出した回数をカウントするなど履歴を蓄積しておくことで、閾値が適正となるように適宜調整しても良いし、異常の内容に応じて(例えば、振動の種類を判別する等して)劣化や故障の部位を特定し、更にそれに応じて上位装置130に出す変更指示が適正となるように学習させても良い。
【0044】
図5〜7は、ゲートバルブの制御方法によりゲートバルブを動作させたときの結果を示すグラフである。各図における下側の図は、上側の図の一部を拡大したものであり、弁体210の変位が開位置600a(0mm)から閉位置600b(70mm)までにおける振動加速度の時系列データである。なお、振動加速度(−)0.2Gに閾値を設定したとする。
【0045】
図5では、圧力センサで検出した圧力値が0.45Mpaであり、約2秒の動作時間のうち弁体210の押付時に振動610aが発生している。また、
図6では、圧力センサで検出した圧力値が0.5Mpaであり、約2秒の動作時間のうち弁体210の押付時に振動610bが発生している。なお、圧力値が僅かに高いことから、振動610bも少し大きくなっているが許容範囲である。
【0046】
図7では、圧力センサで検出した圧力値が0.7Mpaであり、約2秒の動作時間のうち弁体210の押付時に振動610cが発生している。なお、圧力値が高くなっていることから、振動610bも大きくなっており、許容範囲を超えている。ゲートバルブ200は、上位装置130に対して、振動状況(振動加速度)の異常と、圧力値の異常(加圧空気が高圧)が通知され、上位装置130はそれに基づいて加圧空気の圧力を調整するような開閉指令を出せば良い。
【0047】
本発明によれば、ゲートバルブ自体が弁体を動作させるための圧力や、弁体が動作したときの振動を検出し、異常の有無を上位装置に伝達することで、上位装置がゲートバルブを動作させるための指令を調整し、動作速度の調整や部品交換を警告することにより、故障に伴う復旧時間を短縮し、装置の稼働時間を確保することができる。
【0048】
以上、本発明の実施例を述べたが、これらに限定されるものではない。例えば、電空レギュレータを搭載した空操式ゲートバルブにおいて、加圧空気を変化させて振動状況を制御することにより、ゲートバルブの延命動作をさせても良い。