【実施例】
【0058】
(実施例1)
TiC(3μm、レアメタリック)、Ti(35μm、高純度化学)、Al(30μm、高純度化学)のそれぞれの粉末を混合して混合粉末(TiC:Ti:AL=2:1:1モル)とした。得られた混合粉末を、小型真空加圧焼結炉により、Ar気流中1450℃で固相反応させてMAX相セラミックスを作製した。
【0059】
得られたMAX相セラミックスをアルミナ乳鉢で解砕した後、イソプロピルアルコール(IPA)中で直径5mmジルコニアボールを用いたボールミルにより粉砕(24h)、さらに直径0.5mmジルコニアボールを用いた遊星ボールミルにより粉砕(45分)を行った。動的光散乱式粒子径分布測定装置(マルバーン製ゼータサイザーナノZSP)によりIPA中の平均粒子径を測定した結果、1.0μmであった。
【0060】
真空中60℃の条件で、エバポレータを用いてIPAを除去した後、試料水平型多目的X線回折装置によりXRD分析し、Ti
3AlC
2 単一相であることを確認した。結果を
図10に示した。XRD回折試験は、「シリカガラス製ホルダー、40KV/40mA、Scan Speed;8°/min、Sampling Step;0.01°、2θ(5−80°)」の条件で行った。
【0061】
得られたTi
3AlC
2粉末10gを、LiFを18.0gと12MのHCLを300mLの混合水溶液(ポリテトラフルオロエチレンるつぼを氷で冷却)にゆっくり投入し、20℃から30℃に制御した水溶液温度で、24時間撹拌しながら放置した(前処理工程)。
【0062】
遠心分離により、10回 水洗した後、遠心分離、上澄み除去を3回繰り返して、溶媒をエタノールに置換した。室温でエタノールスラリーを乾燥し、XRD分析を行い、結果を
図10に示した。また、エタノールスラリーを粒子濃度2mg/mLに希釈し、ビーズ径50μm(ニッカトーYTZ)を用いたビーズミル処理(3パス、周速 10m/sec、送液速度150mL/分、ビーズ充填率60%)を行った。
【0063】
剥離された薄片状の粒子材料のエタノールスラリーのエタノール中での平均粒子径を動的光散乱式粒子径分布測定装置で測定し、得られた結果を表1に示した。また得られたエタノールスラリー10mLをスピンコーター(ミカサ、MS-B100、600rpm)によりSi製ウエハ上に滴下して、SEM観察により、製造された粒子材料の大きさ(長辺と短辺の平均値)を、AFM分析で厚みをそれぞれ測定した。測定は、それぞれ100個の孤立した粒子を選択して平均の大きさと厚みを算出し、得られた結果を表1に示した。剥離した状態のSEM写真を
図1に示した。SEM写真は走査型電子顕微鏡(日立製作所、SU8020)を用いた。AFMによる厚み測定は原子間力顕微鏡(ブルカー・エイエックス社製、Nano Scope/Dimension Icon、測定モード;タッピングモード、測定点数;512×512)を用いた。
【0064】
得られた粒子材料のエタノールスラリーを室温乾燥し、得られた粉末を用いて表面電気抵抗、化学分析によるTi、Al、C量の測定、真密度測定、XRD分析を行った。
【0065】
化学分析についてはTi、Al、Cのatom%を用いて、Tiを3とした時のAl、C量を算出した。得られた結果を表1に示した。化学分析は、試料を白金皿にはかりとり、硝酸+硫酸+フッ化水素酸を加えて、加熱(120℃程度)して溶解後、さらに高温(300℃)で加熱して硝酸とフッ化水素酸を飛ばして試料溶液(硫酸)を作製し、作製した試料溶液を適宜希釈してICPで定量分析を行った。
【0066】
表面電気抵抗については、直径12mm金型を用いてペレットを作製し、さらに冷間等方圧プレス(CIP)で3ton/cm
2で処理し、相対密度60%から65%の直径12mm×2mmの成形体を作製した。得られた成形体に対して、0.1mm径の銅線を成形体片表面に銀ペーストで固定し、4端子法で電気抵抗を測定し、表面抵抗(Ω/□)とした。得られた結果を表1に示した。真密度はHeガスを用いた定容積膨張法(島津製作所、アキュピックII1340)で測定し、表1に示した。さらにXRD分析し、結果を
図10に示した。
【0067】
(実施例2)
TiC(3μm、レアメタリック)、TiN(3μm、レアメタリック)、Ti(35μm、高純度化学)、Al(30μm、高純度化学)のそれぞれの粉末を混合して混合粉末(TiC:TiN:Ti:Al=1:1:1:1モル)とした。得られた混合粉末を、CIP1t/cm
2処理し、Ar気流中1550℃で固相反応させてMAX相セラミックスを作製した。得られたMAX相セラミックスをアルミナ乳鉢で解砕した後、イソプロピルアルコール(IPA)中で直径5mmジルコニアボールを用いたボールミル粉砕(24h)、さらに直径0.5mmジルコニアボールを用いた遊星ボールミル粉砕(45分)を行った。
【0068】
動的光散乱式粒子径分布測定装置でIPA中の平均粒子径を測定した結果、1.0μmであった。真空中60℃の条件で、エバポレータを用いてIPAを除去した後、XRD分析し、Ti
3Al(C
0.5N
0.5)
2 単一相であることを確認した。結果を
図11に示した。得られたTi
3Al(C
0.5N
0.5)
2粉末10gを、実施例1と同様に前処理工程とビーズミル処理を行った。
【0069】
剥離された薄片状の粒子材料のエタノールスラリーのエタノール中での平均粒子径、平均の大きさと厚み、表面電気抵抗、化学分析によるTi、Al、C、N量の測定、真密度測定、XRD分析を実施例1と同様に行い、結果を表1と
図11に示した。剥離した状態の粒子材料のSEM写真を
図2に示した。
【0070】
(実施例3)
TiC(3μm、レアメタリック)、TiN(3μm、レアメタリック)、Ti(35μm、高純度化学)、Al(30μm、高純度化学)のそれぞれの粉末を混合して混合粉末(TiC:TiN:Ti:Al=1.8:0.2:1:1モル)とした。得られた混合粉末を、Ar気流中1450℃で固相反応させてMAX相セラミックスを作製した。得られたMAX相セラミックスをアルミナ乳鉢で解砕した後、イソプロピルアルコール(IPA)中で直径5mmジルコニアボールを用いたボールミル粉砕(24h)、さらに直径0.5mmジルコニアボールを用いた遊星ボールミル粉砕(45分)を行った。動的光散乱式粒子径分布測定装置でIPA中の平均粒子径を測定した結果、1.0μmであった。真空中60℃の条件で、エバポレータを用いてIPAを除去した後、XRD分析し、Ti
3Al(C
0.9N
0.1)
2 単一相であることを確認した。得られたTi
3Al(C
0.9N
0.1)
2粉末10gを、実施例1と同様に前処理工程とビーズミル処理を行った。得られた剥離した状態の粒子材料のSEM観察を行い実施例1で示す
図1と同等であった。
【0071】
剥離された薄片状の粒子材料のエタノールスラリーのエタノール中での平均粒子径、平均の大きさと厚み、表面電気抵抗、化学分析によるTi、Al、C、N量の測定、真密度測定を実施例1と同様に行い、結果を表1に示した。
【0072】
(実施例4)
TiC(3μm、レアメタリック)、Ti(35μm、高純度化学)、Al(30μm、高純度化学)のそれぞれの粉末を混合して混合粉末(TiC:Ti:Al=1:1:1モル)とした。得られた混合粉末を、CIP1t/cm
2処理し、その圧粉体破砕片をAr気流中1350℃で固相反応させてMAX相セラミックスを作製した。得られたMAX相セラミックスをアルミナ乳鉢で解砕した後、イソプロピルアルコール(IPA)中で直径5mmジルコニアボールを用いたボールミル粉砕(24h)、さらに直径0.5mmジルコニアボールを用いた遊星ボールミル粉砕(45分)を行った。真空中60℃の条件で、エバポレータを用いてIPAを除去した後、XRD分析し、Ti
2AlC とTi
3AlC
2 の混合相であることを確認した。結果を
図12に示す。得られたTi
2AlC粉末5gを、LiFを4.5gと6MのHCLを300mLの混合水溶液(ポリテトラフルオロエチレンるつぼを氷で冷却)にゆっくり投入し、20℃から30℃に制御した水溶液温度で、18時間撹拌しながら放置した(前処理工程)。
【0073】
遠心分離により、5回 水洗した後、遠心分離、上澄み除去を3回繰り返して、溶媒をエタノールに置換した。室温でエタノールスラリーを乾燥し、XRD分析を行い、結果を
図12に示した。
【0074】
実施例1と同様にビーズミル処理を行った。得られた剥離した状態の粒子材料のSEM観察を行い
図3に示した。
【0075】
剥離された薄片状の粒子材料のエタノールスラリーのエタノール中での平均粒子径、平均の大きさと厚み、表面電気抵抗、化学分析によるTi、Al、C量の測定、真密度測定、XRDを実施例1と同様に行い、結果を表1と
図12に示した。
【0076】
(実施例5)
TiC(3μm、レアメタリック)、Ti(35μm、高純度化学)、Al(30μm、高純度化学)のそれぞれの粉末を混合して混合粉末(TiC:Ti:Al=1:1.2:1.2モル)とした。得られた混合粉末を、CIP1t/cm
2処理し、その圧粉体をAr気流中1300℃で固相反応させてMAX相セラミックスを作製した。得られたMAX相セラミックスをアルミナ乳鉢で解砕した後、イソプロピルアルコール(IPA)中で直径5mmジルコニアボールを用いたボールミル粉砕(24h)、さらに直径0.5mmジルコニアボールを用いた遊星ボールミル粉砕(45分)を行った。動的光散乱式粒子径分布測定装置でIPA中の平均粒子径を測定した結果、1.0μmであった。真空中60℃の条件で、エバポレータを用いてIPAを除去した後、XRD分析し、Ti
2AlC とTi
3AlC
2 の混合相ではあるが、ほぼTi
2AlC 相であることを確認した。結果を
図13に示す。得られたTi
2AlC粉末5gを、LiFを4.5gと6MのHCLを300mLの混合水溶液(ポリテトラフルオロエチレンるつぼを氷で冷却)にゆっくり投入し、20℃から30℃に制御した水溶液温度で、18時間撹拌しながら放置した(前処理工程)。
【0077】
遠心分離により、5回 水洗した後、遠心分離、上澄み除去を3回繰り返して、溶媒をエタノールに置換した。室温でエタノールスラリーを乾燥し、XRD分析を行い、結果を
図13に示した。
【0078】
実施例1と同様に前処理工程とビーズミル処理を行った。得られた剥離した状態の粒子材料のSEM観察を行い
図4に示した。
【0079】
剥離された薄片状の粒子材料のエタノールスラリーのエタノール中での平均粒子径、平均の大きさと厚み、表面電気抵抗、化学分析によるTi、Al、C量の測定、真密度測定、XRD測定を実施例1と同様に行い、結果を表1に示した。XRD測定結果を
図13に示した。
【0080】
(実施例6)
TiC(3μm、レアメタリック)、TiN(3μm、レアメタリック)、Ti(35μm、高純度化学)、Al(30μm、高純度化学)のそれぞれの粉末を混合して混合粉末(TiC:TiN:Ti:Al=0.5:0.5:1:1モル)とした。得られた混合粉末を、CIP1t/cm
2処理し、その圧粉体破砕片をAr気流中1350℃で固相反応させてMAX相セラミックスを作製した。得られたMAX相セラミックスをアルミナ乳鉢で解砕した後、イソプロピルアルコール(IPA)中で直径5mmジルコニアボールを用いたボールミル粉砕(24h)、さらに直径0.5mmジルコニアボールを用いた遊星ボールミル粉砕(45分)を行った。
【0081】
真空中60℃の条件で、エバポレータを用いてIPAを除去した後、XRD分析し、ほぼTi
2Al(C
0.5N
0.5) 単一相であることを確認した。結果を
図14に示す。得られたTi
2Al(C
0.5N
0.5)粉末5gを、LiFを4.5gと6MのHCLを300mLの混合水溶液(ポリテトラフルオロエチレンるつぼを氷で冷却)にゆっくり投入し、20℃から30℃に制御した水溶液温度で、18時間撹拌しながら放置した。
【0082】
遠心分離により、5回 水洗した後、遠心分離、上澄み除去を3回繰り返して、溶媒をエタノールに置換した。室温でエタノールスラリーを乾燥し、XRD分析を行い、結果を
図14に示した。
【0083】
実施例1と同様にビーズミル処理を行った。得られた剥離した状態の粒子材料のSEM観察を行い
図5に示した。
【0084】
剥離された薄片状の粒子材料のエタノールスラリーのエタノール中での平均粒子径、平均の大きさと厚み、表面電気抵抗、化学分析によるTi、Al、C、N量の測定、真密度測定、XRD測定を実施例1と同様に行い、結果を表1に示した。XRD測定結果を
図14に示した。
【0085】
(実施例7)
TiC(3μm、レアメタリック)、TiN(3μm、レアメタリック)、Ti(35μm、高純度化学)、Al(30μm、高純度化学)のそれぞれの粉末を混合して混合粉末(TiC:TiN:Ti:Al=0.9:0.1:1:1モル)とした。得られた混合粉末を、CIP1t/cm
2処理し、その圧粉体破砕片をAr気流中1350℃で固相反応させてMAX相セラミックスを作製した。得られたMAX相セラミックスをアルミナ乳鉢で解砕した後、イソプロピルアルコール(IPA)中で直径5mmジルコニアボールを用いたボールミル粉砕(24h)、さらに直径0.5mmジルコニアボールを用いた遊星ボールミル粉砕(45分)を行った。
【0086】
真空中60℃の条件で、エバポレータを用いてIPAを除去した後、XRD分析し、Ti
2Al(C
0.9N
0.1)とTi
3Al(C
0.9N
0.1)
2 の混合相であることを確認した。得られたTi
2Al(C
0.9N
0.1)粉末5gを、実施例4と同様に前処理工程とビーズミル処理を行った。得られた剥離した状態の粒子材料のSEM観察を行い実施例4で示す
図3と同等であった。
【0087】
剥離された薄片状の粒子材料のエタノールスラリーのエタノール中での平均粒子径、平均の大きさと厚み、表面電気抵抗、化学分析によるTi、Al、C、N量の測定、真密度測定を実施例4と同様に行い、結果を表1に示した。
【0088】
(実施例8)
TiC(3μm、レアメタリック)、Ti(35μm、高純度化学)、AlN(0.5μm、トクヤマ)のそれぞれの粉末を混合して混合粉末(TiC:Ti:AlN=1:2:1モル)とした。得られた混合粉末を、CIPで1ton/cm
2処理を行い、圧粉体破砕片をAr気流中1550℃で固相反応させてMAX相セラミックスを作製した。
【0089】
得られたMAX相セラミックスをアルミナ乳鉢で解砕した後、IPA中で直径5mmジルコニアボールを用いたボールミル粉砕(24h)、さらに直径0.5mmジルコニアボールを用いた遊星ボールミル粉砕(45分)を行った。
【0090】
真空中60℃の条件で、エバポレータでIPAを除去した後、XRD分析した結果、Ti
3Al(C
0.5N
0.5)
2の単一相であった。
【0091】
得られたTi
3Al(C
0.5N
0.5)
2粉末10gを、KF 14.9gと6MのHCL、100mLの混合溶液にゆっくり投入し、20℃から30℃に制御した水溶液温度で、30時間撹拌しながら放置した(前処理工程)。遠心分離により10回水洗した後、遠心分離、上澄み液除去を3回繰り返し、溶媒をIPAに置換した。IPAスラリーを粒子濃度2mg/mLに薄め、ビーズ径50μm(部分安定化ジルコニア)のビーズミル処理(20パス、周速10m/sec、送液速度150mL/分、ビーズ充填率60%)を行った。得られた剥離した状態の粒子材料のSEM観察を行い実施例2で示す
図2と同等であった。
【0092】
得られた薄片状の粒子材料の大きさと厚みの平均値、Ti、Al、C、N量、真密度、表面電気抵抗値、IPAスラリーのIPA中の平均粒子径を実施例2と同様に測定し、表1に示した。
【0093】
(実施例9)
ビーズ径100μm(ニッカトー、YTZ)のビーズミル処理(20パス)を行った以外は、実施例8と同様に薄片状の粒子材料を作製した。得られた粒子材料の大きさと厚みの平均値、Ti、Al、C、N量、表面電気抵抗値、IPAスラリーのIPA中の平均粒子径を実施例1と同様に測定し、表1に示した。得られた剥離した状態の粒子材料のSEM観察を行い実施例2で示す
図2と同等であった。
【0094】
(実施例10)
ビーズ径30μm(ニイミNZビーズ30、ニイミ産業)のビーズミル処理(20パス)を行った以外は、実施例8と同様に薄片状の粒子材料を作製した。得られた粒子材料の大きさと厚みの平均値、Ti、AL、C、N量、表面電気抵抗値、IPAスラリーのIPA中の平均粒子径を実施例1と同様に測定し、表1に示した。得られた剥離した状態の粒子材料のSEM観察を行い実施例2で示す
図2と同等であった。
【0095】
(実施例11)
Ti(35μm、高純度化学)、TiN(3μm、レアメタリック)、Al(30μm、高純度化学)の混合粉末(Ti:TiN:Al=1:2:1モル)を用いた以外は実施例8と同様に薄片状の粒子材料を作製した。得られた粒子材料の大きさと厚みの平均値、Ti、Al、N量、表面電気抵抗値、IPA中の平均粒子径を実施例8と同様に測定し、表1に示した。
【0096】
(比較例1)
実施例1と同様にTi
3AlC
2粉末を作製し。実施例8と同様に、酸処理、IPA置換を行い、2mg/cc濃度のIPAスラリーを作製した。そのスラリーを用いて、超音波ホモジナイザーにより、振幅40μm、周波数19.5kHz、出力150Wで3秒間超音波照射、1秒間休止の条件で、30分間超音波照射による剥離を行ない、粒子材料を作製した。得られた粒子材料の大きさと厚みの平均値、Ti、Al、C量、表面電気抵抗値、真密度、IPAスラリーのIPA中の平均粒子径を実施例1と同様に測定し、表1に示した。超音波照射で剥離を試みた後の粒子材料のSEM写真を
図6に示した。
【0097】
(比較例2)
超音波ホモジナイザーにより、振幅40μm、周波数19.5kHz、出力150Wで3時間超音波照射による剥離を行った以外は、比較例1と同様に粒子材料を作製した。得られた粒子材料の大きさと厚みの平均値、Ti、Al、C、N量、表面電気抵抗値、真密度、IPAスラリーのIPA中の平均粒子径を実施例1と同様に測定し、表1に示した。超音波照射で剥離を試みた後の粒子材料のSEM写真を
図7に示した。
【0098】
また、自然放置48時間行う方法で分級した。その上澄み液に存在する薄片状の粒子材料のSEM観察による形態とAFM分析による厚みと大きさの測定を行った。結果を
図15に示した。
【0099】
(比較例3)
ビーズ径500μm(ニッカトー、YTZ)のビーズミル処理(20パス)を行った以外は、実施例8と同様に粒子材料を作製した。得られた粒子材料の大きさと厚みの平均値、Ti、Al、C、N量、表面電気抵抗値、真密度、IPAスラリーのIPA中の平均粒子径を実施例1と同様に測定し、表1に示した。ビーズ径500μmのビーズを用いたビーズミル処理で剥離を試みた後の粒子材料のSEM写真を
図8に示した。
【0100】
(比較例4)
圧力200MPa、クロスノズルの湿式ジェットミル(30パス)による剥離を行った以外は、比較例1と同様に粒子材料を作製した。得られた粒子材料の大きさと厚みの平均値、Ti、Al、C、N量、表面電気抵抗値、真密度、IPAスラリーのIPA中の平均粒子径を実施例1と同様に測定し、表1に示した。湿式ジェットミルで剥離を試みた後の粒子材料のSEM写真を
図9に示した。
【0101】
(比較例5)
実施例1と同様に、Ti
3AlC
2粉末を作製し、前処理工程において、10%HF水溶液、20℃から30℃に制御した水溶液温度で30時間処理し、実施例8と同様に粒子材料を作製した。得られた粒子材料の大きさと厚みの平均値、Ti、Al、C、N量、表面電気抵抗値、真密度、IPAスラリーのIPA中の平均粒子径を実施例1と同様に測定し、表1に示した。
【0102】
(比較例6)
KF14.9g、6M HCl 300mLの混合溶液にゆっくりTi
3AlC
2粉末を投入した後、35℃〜40℃の水溶液温度で、30時間撹拌しながら放置した以外は、比較例5と同様に粒子材料を作製した。得られた粒子材料の大きさと厚みの平均値、Ti、Al、C、N量、表面電気抵抗値、真密度、IPAスラリーのIPA中の平均粒子径を実施例1と同様に測定し、表1に示した。
【0103】
(比較例7)
実施例1において、粉末10gをKF14.9gと6M HCl 300mLの混合溶液で酸処理し、IPAに置換した後、室温で風乾し、粒子材料を得た後、10μm〜300μmのビーズを用いたビーズミルによる剥離操作に代えて、少量の粒子材料をセルガードメンブランに挟み、応力を加えることによりローラーを用いて本比較例のフィルムを作製した。得られたフィルムの外観写真を
図16に示した。得られたフィルムをIPAに投入し、超音波照射(振幅40μm、周波数19.5kHz、出力150W)を30分間行い均一に液中分散したスラリーを作製した。スラリーをSi製ウエハーにごく微量滴下し、乾燥後SEM観察し、粒子材料の剥離状況をSEMにより調べた(
図16)。
【0104】
【表1】
【0105】
(結果及び考察)
(1)MAX相セラミックスの作製方法について
(a)Ti
3Al(C
0.5N
0.5)
2については、混合原料をCIPで1t/cm
2から3t/cm
2の圧力範囲で圧粉体破砕片を作製し、1500℃から1550℃不活性雰囲気中で焼成することで得られた。焼成温度を1500℃以上とすることで未反応生成物と中間生成物の残留が抑制でき、1550℃以下にすることでMAX相セラミックスが分解せずに回収できた。
【0106】
混合原料の圧粉体破砕片の作製条件については、より緻密にすると低い焼成温度で高純度MAX相セラミックスを得ることが可能となるが、酸処理工程でAlの除去が進行しにくくなる一方、10μmから300μmのビーズ径のビーズミルによる剥離工程で、薄片が剥離されにくくなった。用途に応じて、適した形態(圧粉体作製条件)を選択すればよいことが分かった。圧粉体作製を本実験ではCIPを用いているが、1t/cm
2から3t/cm
2の条件による一軸加圧など他の方法でも可能である。得られる薄片状の粒子材料の電気抵抗については、MAX相セラミックス粉末が単一相であることが重要で、Ti
2相との混合相であると酸処理工程で表面の酸化が進行し、電気抵抗が高くなり好ましくないことが分かった。
【0107】
(b)Ti
3AlC
2とTi
3Al(C
0.9N
0.1)
2については、1400℃から1450℃の範囲で、不活性雰囲気中で、焼成することによって得られた。焼成温度を1400℃以上にすることで未反応生成物と中間生成物の残留が抑制され、1450℃以下にすることでMAX相セラミックスを分解せずに回収できた。
【0108】
(c)Ti
2AlCとTi
2Al(C
0.5N
0.5)とTi
2Al(C
0.9N
0.1)については、1300℃から1350℃の範囲で、不活性雰囲気中で、焼成することによって得られた。焼成温度を1300℃から1350℃の範囲にすることで、さらに、TiとAlを少し増量することで、未反応生成物を抑制し、Ti
3相の生成を抑制できることが分かった。圧粉体破砕片の作製条件については、Ti
3Al(C
0.5N
0.5)
2と同様であった。
【0109】
(2)得られた粒子材料の化学組成と真密度
酸処理を行う前処理工程において、20℃から30℃で制御した水溶液温度範囲で、10%以上のHF水溶液に24時間以上浸漬するとAlは完全に除去された(従来技術)。また35℃から45℃で、LiF+HClあるいはKF+HCl水溶液に、24時間以上浸漬してもAlは完全に除去された(従来技術)。いずれも酸処理工程で一部表面酸化が進行し、電気抵抗が増加することが分かった。
【0110】
20℃から30℃でLiF+HClあるいはKF+HCl水溶液に浸漬する条件においては、Alが残留するが、上記に比べると表面酸化の進行が緩く、得られる薄片状の粒子材料の電気抵抗が小さかった。
【0111】
したがって、Alが完全に除去されず残存する条件を採用すると、得られる薄片状の粒子材料の電気抵抗が低下することができるため好ましいことが分かった。
【0112】
また、詳細は示さないが出発原料にC源としてカーボンブラックを用いると、得られるMAX相セラミックスの結晶性が悪く、酸処理によって、Alの他、Tiも大量に溶解し、結果としてC、C
2あるいは[C
(1.0−x)N
x(0<x≦1.0)]あるいは[C
(1.0−x)N
x(0<x≦1.0)]
2の比率が高くなってしまうことが分かっている。
【0113】
一方、20℃から30℃でLiF+HClあるいはKF+HCl水溶液に浸漬する条件においては、酸処理後の剥離工程において、従来の超音波照射による方法では粒子材料の剥離が極めて困難であることが明らかになった。
【0114】
MAX相セラミックス粉末の真密度は、Ti
2AlCが4.16g/mL、Ti
3AlC
2が4.30g/cm
3、Ti
3Al(C
0.5N
0.5)
2が4.53/cm
3であった。Ti
3AlC
2粉末を35℃から45℃でKF+HCl水溶液に24時間浸漬した場合、真密度が3.35g/cm
3、20℃から30℃で10%HF水溶液に24時間浸漬した場合、真密度が3.35g/cm
3と小さかったが、Ti
3AlC
2粉末を20℃から30℃でLiF+HCl水溶液に24時間浸漬した場合、真密度が3.88g/cm
3であった。MAX相セラミックス作製でCIP圧を小さくすると真密度は小さくなり、CIP圧を大きくすると真密度が大きくなった。これはMAX相セラミックス粉末からAlが除去される量が多いほど真密度が小さくなったためであり、CIP圧を小さくするとAlの除去量が大きくなるからである。
【0115】
Ti
2AlC粉末については、35℃から45℃でKF+HCl水溶液に24時間浸漬した場合、真密度が3.35g/cm
3、20℃から30℃で10%HF水溶液に24時間浸漬した場合、真密度が3.35g/cm
3と小さかったが、20℃から30℃でLiF+HClに18時間浸漬した場合、真密度が3.42g/cm
3であった。
【0116】
(3)粒子材料の剥離手法について
剥離する方法として従来は超音波照射やローラーによる方法を用いていた。超音波照射による剥離方法について検討を行った結果、剥離して薄片状の粒子材料を製造するのは困難であることが分かった。超音波照射によって層間を剥離する速度は極めて遅い上に、超音波照射によっては剥離しない場合もあった。またローラーによる方法でも剥離はほとんど進行しなかった。
【0117】
また、湿式ジェットミルによる方法でも剥離が困難であった。ビーズ径10μmから300μmの範囲のビーズを用いたビーズミル処理することで、SEM像から得られる大きさ[(長辺+短辺)/2]の平均値が50nm以上300nm以下、AFM分析によって得られる厚みの平均値が3.5nm以上で20nm以下の薄片が均一な状態で速やかに得られることが分かった。
【0118】
特にスラリーの粒子濃度を1から5mg/mLに調整して有機溶媒中で剥離工程を行うことにより、有機溶媒中で測定した平均粒子径がD50%径で、50nm以上500nm以下で、かつ高分散のスラリーを得ることができた。一方、ビーズ径500μmのビーズを用いたビーズミル処理を行うと、粉砕が進行して剥離は十分に起きなかった。
【0119】
酸処理後に超音波照射して剥離を試みた粒子材料について、従来から行われている自然放置する手法で剥離されていない粗大粒子を除去する方法で分級し薄片状の粒子を作製した。大きさの平均値は26.7nm、厚みの平均値が4.2nmであり、本開発品の大きさの平均値が50nm以上300nm以下であり、かつ厚みの平均値が3.5nm以上20nm以下である薄片状の粒子材料を得ることができないことを確認した。
【0120】
図10と
図11と
図12と
図13と
図14に本開発品の代表例である実施例1、実施例2、実施例4、実施例5、と実施例6で作製した薄片状の粒子材料のXRDパターンを示した。例えば
図10で示すと、(002)面が低角度にシフトし、Al層が除去され、表面官能基が付着したことによって、面間隔が0.923nmから1.360nmまで拡がり、約0.43nmの空隙層が形成されたことを示した。この層間にNaイオンやLiイオンが貯蔵されることによって、Naイオン電池やLiイオン電池に使用可能となる。
【0121】
(4)薄片状の粒子材料を含むスラリーについて
エタノール、IPA、その他のアルコール、N−メチルピロリドン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコール、モノメチルエーテルを分散媒として用いて実施例の薄片状の粒子材料を液中に分散したスラリーを調整できた。