(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
廃家電品の処理で発生する資源ごみおよび焼却ごみ、廃棄ゴミの中で、金属部品は比重が高いため、トラック運搬においては通常使用される金属製の箱型のコンテナに満杯になるまで収納しなくとも、輸送荷重を超える。換言すれば、コンテナに空間がある状態で運搬される。これに対して、廃家電品の中で容積比では大部分を占め、金属に比べて比重が軽いウレタンやプラスチック等の部品は、破砕してできるだけコンテナ内に空隙が形成されないようにして運搬される。
【0008】
プラスチックや紙、木材の破砕物を運搬するフレキシブルコンテナバッグは、取り扱いが容易で安価であること、破砕物が零れ落ちるのを防止できることのため広く使用されている。しかし、再使用回数が限定されること、及び内容積が少ないため破砕物の収容手間が増すこと、容器の経年劣化が避けられず、それにより吊り上げ時等に不具合を発生する恐れがあること、等の解決すべき課題を有している。
【0009】
特許文献1に記載の可撓式のコンテナ容器では、コンテナ容器を使用しないときは折り畳めるので、コンテナ容器の保管や移動が容易となる。しかし、廃棄物処理に使用するコンテナを運搬材料ごとに変えることは設備費用及び保管の点から困難であり、同一のコンテナでプラスチック破砕物と金属とを交互に運搬するのが実状である。その場合、コンテナ容器には、金属を運搬しても破損等の恐れが少ない、金属製の箱型のコンテナ容器が不可欠となる。従来の金属製の箱型のコンテナは折り畳むことができないので、未使用時の保管では、大スペースが必要となる。
【0010】
一方、プラスチック破砕物を運搬する場合には、比重が小さいので一度に大容量を運搬できることが望まれており、コンテナの内容積が増大している。コンテナの内容積を増大させる場合、フレキシブルコンテナバッグは強度上および作業性の面から使用できなくなり、金属製の箱型の容器が使用される。この箱型の金属製容器を保管性の向上のため、折り畳み式のコンテナとすると、折り畳む各面の重量が約70kg相当にも達し、一人の作業者ではコンテナの折り畳みおよび組み立てができなくなる。
【0011】
また、特許文献2に記載のコンテナでは、コンテナ本体に6個の小コンテナを着脱可能にしているが、車両にコンテナ本体を積載できるようにするためには、小コンテナの内容積を小さくせざるを得ず、小コンテナ内に廃棄物を収容する手間が増大する。また、各小コンテナの未使用時の保管について、十分には考慮されていない。
【0012】
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、大容量の廃棄物を一度に運搬できるようにするとともに、使用後や使用前に折り畳み/組み立てを容易にして廃棄物運搬用折り畳みコンテナの保管性を高めることにある。本発明の他の目的は、プラスチックや紙、木材等の金属に比べて比重の小さい廃棄物を、一度に大容量トラック輸送可能にするとともに、使用後や使用前のコンテナの折り畳み/組み立て作業を作業員一人で可能にしてコンテナの保管性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成する本発明の特徴は、対向する一対の正面パネルと、対向する一対の側
面パネルと、これら正面パネルと側面パネルとが取り付けられフォークリフトの爪挿入部
を四周部に設けたベース部とを備えた廃棄物運搬用折り畳みコンテナにおいて、前記一対
の正面パネルと前記ベース部との間および前記一対の側面パネルと前記ベース部との間
に、前記一対の正面パネルまたは前記一対の側面パネルを折り畳み方向と反対方向に付勢可能なトーションバーを備え、前記一対の正面パネル
は前記トーションバーを介して前記ベー
ス部に回動可能に取り付けられていることにある。
【0014】
そしてこの特徴において、前記側面パネルは上部パネル板と下部パネル板とを有し、前記上部パネル板はヒンジにより前記下部パネル板に対して回動可能に構成されていることが好ましく、前記廃棄物運搬用折り畳みコンテナの内容積はほぼ6m
3であり、プラスチック破砕廃棄物を充てんした場合には、その重量がほぼ2.5トンであり、最大積載量12.5トン車であれば最大5個積載可能であることが望ましい。
【0015】
また上記特徴において、前記廃棄物運搬用折り畳みコンテナは、組み立てた状態では上下方向に2層に積層可能であり、折り畳んだ状態では10層まで積層可能であるのがよく、フォークリフト爪を挿入した状態で折り畳みコンテナを回動させるようにして、コンテナ内の廃棄物を一斉排出させるようにしてもよい。さらに、前記一対の正面パネルおよび前記一対の側面パネル、前記ベース部の内壁面は、組み立てられてコンテナ容器の内部空間を形成するときには、廃棄物の収容、排出作業に支障をきたす突起物等の障害物のない実質的に平坦な壁面であるのがよい。
【0016】
さらに、前記一対の正面パネルおよび前記一対の側面パネルを前記ベース部に保持し、前記運搬用コンテナを組み立てる際は、前記正面パネルの姿勢を保持する第1のストッパを前記ベース部に設け、前記側面パネルの姿勢を保持する第2のストッパを前記側面パネルに設けて、前記正面パネルおよび前記側面パネルを相互に係止し、この廃棄物運搬用折り畳みコンテナを折り畳む際には、前記第1及び第2のストッパを用いて前記トーションバーが発生する力に抗して前記正面パルおよび前記側面パネルが起き上がることを防止することが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、廃棄物運搬用折り畳みコンテナを、ベース部と対向する2個の正面パネルおよび対向する2個の側面パネルとから構成し、各正面パネルおよび側面パネルを基底部で回動可能にベース部に取り付け、回動部分にトーションバーを設けたので、廃棄物運搬用折り畳みコンテナを大容量化できるとともに、使用後や使用前に折り畳み/組み立てが容易になり、未使用時の保管性及び使用後の破砕廃棄物発生現場への返却が容易となり、輸送効率も向上する。また、プラスチックや紙、木材等の金属に比べて比重の小さい廃棄物を、一度に大量トラック輸送可能にするとともに、使用後や使用前の廃棄物運搬用折り畳みコンテナの折り畳み/組み立て作業を作業員一人ですることが可能になる。さらに、折り畳みコンテナ自体をフォークリフト作業中に回動可能にし、側面パネルを上下方向中間部で折り曲げ可能構造にして、内容物排出の作業性も向上する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る廃棄物運搬用折り畳みコンテナの一実施例を、図面を用いて説明する。以下の説明においては、運搬する廃棄物は破砕プラスチックを例にとり説明するが、運搬する廃棄物は破砕プラスチックに限るものではなく、破砕前のプラスチック部品や木片、紙類、破砕後の木片、紙類等の比較的容積密度が低い材料を運搬するのに用いるコンテナを対象とする。
【0020】
図1は、本発明に係る廃棄物運搬用折り畳みコンテナ(コンテナ)100の一実施例の分解斜視図である。
図2は、
図1に示したコンテナ100を組み上げた状態を示す3面図であり、
図2(a)はコンテナ100の上面図、
図2(b)はその正面図、
図2(c)はその右側面図である。コンテナ100の内径寸法は、幅が約2200mmであり、奥行きが約1600mm、高さが1600mm強である。その結果、自重は約500kg、内容積が約6m
3で、プラスチック等の破砕物を充填した場合、約2.5トンの重量となる。運搬車両に最大積載量12.5トン車を使用すれば5個同時に運搬できる。
【0021】
コンテナ100は、フォークリフトでの搬送が可能なように、四周部にフォークリフトの爪挿入口が設けられたベース部200と、ベース部200の対向する2辺の上端に載置される正面パネル300と、ベース部200の他の対向する2辺に側面パネル回動支持手段550を介して回動可能に取り付けられた側面パネル400とを有している。したがって、ベース部200は、フォークリフトのパレット機能を有している。
【0022】
正面パネル300はベース部200の長辺側に位置し、側面パネル400はベース部2
00の短辺側に位置している。正面パネル
300の左右両脚部は、ベース部200にトー
ションバー501を介して保持される。トーションバー501は、正面パネル300の折
り畳み/組み立て時に補助力を発生する。側面パネル400の左右ほぼ中間部は、ベース
部200に当接し、側面パネル回動支持手段550によりベース部200に回動自在に連
結される。また、回動支持手段550の左右両側にはトーションバー502の保持部が形
成されており、手動回動時の補助力を発生する。
【0023】
次に、コンテナ100の各構成要素を
図3ないし
図5を用いて説明する。
図3は、ベー
ス部の詳細を示す3面図であり、
図3(a)はその上面図、
図3(b)は正面図、
図3(c)は
右側面図である。矩形平板状の床面板201は、短辺側の両端が上方に折れ曲がっており
、後述する正面プレート202を形成する。床面板201の裏面には、フォークリフトの
爪を挿入できるように、フォークリフトの規格に合致した間隔を置いて、フォークガイド
207が設けられている。フォークガイド207の間に断面矩形の形鋼を配置してフォー
クリフトの爪を挿入
するフォーク爪挿入穴270を形成している。フォーク
爪挿入
穴270は、ベース部200の中央部で左右方
向と前後方
向が交差している。
【0024】
正面方向から見て前後方向両端部であって下端部には、左右方向に延びる断面山形の段積みレール212が延びており、段積み時に、後述する正面パネル300の上端部を収納できるようになっている。左右方向の両端部には床面板201よりも上方まで延びるコーナープレート219が取り付けられており、正面パネルの回動の際のガイドおよび組み立て時の保持手段として用いられる。コーナープレート219については、
図7(a)で詳細を説明する。
【0025】
上述したように、ベース部200の前後端部は、コーナープレート219の間をカバーするように床面プレート201を折り曲げて形成した正面プレート202で覆われており、その上端部には正面パネル300の下端部近傍が当接する段積みパイプ222が配置されている。段積みパイプ222の断面形状が円形であるため、正面パネル300はこの段積みパイプ222上を抵抗少なく回動できる。正面プレート202の外表面側であって左右両端部には、トーションバー501を保持するトーションバー装置280が設けられている。正面プレート202の内表面側(裏側)であって左右両端部には、正面パネル300を垂直に保持するラッチ手段285が設けられている。トーションバー装置280については
図6(a)で、ラッチ手段285については
図7(b)で詳細を説明する。
【0026】
図3(c)の側面図において、側面パネル400が配置されるベース部200の短辺側では、左右両端部の底面側に上述した段積みレール212が配置されており、この段積みレール212間を接続するように底面フレーム213が左右に延びている。床面板201の上面であって、コーナープレート219間には、側面図において左右に延び、側面パネル400が当接する側面パネル支持アングル221が配置されている。側面パネル支持アングル221の水平方向に広がる面の下方には、角型鋼製の上面フレーム204が配置されている。上面フレーム204と側面パネル400との接続の詳細は、
図7(c)で説明する。
【0027】
図4は、正面パネルの図であり、
図4(a)はその正面図、
図4(b)は右側面図である。左右に配置した角型鋼製の支柱302間に矩形状のパネル板301が溶接接続されている。パネル板301の外表面側には、図示を省略したが、上下方向および横方向に延びる複数の補強棒(フレーム)が格子状に配置され、パネル板301の面外への変形を規制している。パネル板301の上端部であって左右両端側には、この正面パネル300を折り畳みまたは組み立てる際にパネル板301を持ち上げるために、L字に形成された取っ手318が設けられている。パネル板301の上端部には、段積みパイプ309が設けられており、コンテナ100を組み立てた状態で積層する際は、コンテナ100同士の係止部を構成する(
図7(d)参照)。
【0028】
パネル板301は、支柱302の下端から、本実施例では200mm程度上方の位置までしか延びていない。この約200mmのスペースは、コンテナ100を折り畳む際に他の正面パネル300および側面パネル400の折り畳み高さを確保するために設定されている。パネル板301の下端部は左右方向に延びる角型鋼製の横メインフレーム310に溶接接続されている。横メインフレーム310の外表面側には、コンテナ100を組み立てて廃棄物を運搬する際に内容物がこぼれ出ないようシールするカバープレート319が溶接されている。
【0029】
支柱302の外表面側であって上端部には、折れ曲がって形成された開閉防止プレート308が取り付けられており、組み立てて使用する時に正面パネル300と側面パネル400が意図せずに開閉動作するのを防止する。支柱302において、開閉防止プレート308よりやや下方位置には、貫通穴341が形成されており、ラッチ手段285の係止に用いられる。
【0030】
支柱302の下端部はベース部200への接続部であるとともに、正面パネル300をベース部200に対して回動させる回動中心にもなっている。さらに、回動の際にトーションバー501から補助力を得られるよう、トーションバー501の端部を保持するトーションバー保持部330が設けられている。トーションバー保持部330の詳細は、
図6(a)で説明する。
【0031】
図5は、側面パネル400の図であり、
図5(a)はその正面図、
図5(b)はその側面図である。側面パネル400は正面パネル300と異なり、その下端部中央部分を側面パネル回動支持手段550により、ベース部200から離脱しないように保持されている。また、本実施例に係る側面パネル400の特徴として、コンテナ100内から破砕廃棄物を取り出しやすいように、また折り畳んだ際の収納性を確保するために、上下方向三分の一の高さ程度の位置で、上部パネル461と下部パネル462とに分けられている。上部パネル461と下部パネル462とは、ヒンジ(蝶番)410で接続されており、上部パネル461は外面側に折り畳み可能である。後述する折り畳み作業や内容物の取り出し作業では、上部パネル461のラッチ手段460を解除して、下部パネル462のラッチ手段460を働かせて、作業の効率化を図っている。
【0032】
上部パネル461は、矩形状の上部パネル板401と、上部パネル板401の上下端部にそれぞれ溶接接続された角型鋼製の横メインフレーム402、403と、上部パネル板401の左右両端部に溶接接続された角型鋼製の縦メインフレーム404とを有している。上部パネル461の上側の横メインフレーム402の左右方向中間部には、間隔を置いて一対の取っ手408が取り付けられている。
【0033】
下部パネル462は、下側が左右方向にやや幅が狭くなったほぼ矩形状の下部パネル板412と、下部パネル板412の上端部に溶接接続された角型鋼製の横メインフレーム413と、下部パネル板412の左右端部に溶接接続された角型鋼製の縦メインフレーム415、416とを有している。縦メインフレーム415は、縦メインフレーム416よりも上側に位置し、縦メインフレーム416は下部パネル板412の幅狭部に設けられている。下部パネル板412の幅狭部との境には、横方向に延びるサブフレーム424が設けられている。
【0034】
下部パネル板412の下端部は、中央部に側面パネル取付け部450が、その左右両側にトーションバー装置440が設けられている。側面パネル取付け部の詳細は、
図7(c)で、トーションバー装置440の詳細は、
図6(b)で説明する。下部パネル板412の段差部からの破砕廃棄物の零れ落ち及び作業時のけが等の防止のために、段差部には、ゴムカバー521が設けられており、形成される可能性のある隙間を潰している。
【0035】
上部パネル板401の外表面側であって上端部近傍および、下部パネル板412の外表面側であって上端部と中間部には、左右方向端部にラッチ手段460が設けられている。ラッチ手段460を用いて側面パネル400に正面パネル300を係止するために、上部パネル461の縦メインフレーム404および下部パネル462の縦メインフレーム415には、ラッチ手段460に対応する位置に、貫通穴441が形成されている。ラッチ手段460の詳細は、
図7(b)で説明する。上部パネル461の上端であって左右両端側には、正面パネル300と側面パネル400が意図せずに開くのを防止する、アングル材からなる開き防止プレート409が取り付けられている。
【0036】
次に、本発明の特徴的構成のいくつかを、さらに図を用いて詳細に説明する。
図6は、正面パネル300および側面パネル400の折り畳み、または組み立ての際に補助力を付与するトーションバー装置280、440の詳細を示す図である。
図6(a)は正面パネル300を折り畳み/組み立てする際に、補助力を付与するトーションバー装置280の斜視図であり、
図6(b)は側面パネル400を折り畳み/組立する際に補助力を付与するトーションバー装置440の斜視図である。
【0037】
トーションバー501、502は、ばね鋼製の丸棒の両端部を折り曲げてかすがい状に形成した単純形状で、トーションバーとして作用する部分の長さが500mm程度であり、正面パネル300並びに側面パネル400を手動で回動させる際に、補助力を発生可能である。正面パネル300側のトーションバー501は、一端側をベース部200に保持し、他端側を正面パネル300の支柱302の下端部に形成したトーションバー保持部330に保持される。
【0038】
そのため、ベース部200の正面プレート202には、矩形状のトーションバー支持プレート232が上下に間隔を置いて溶接されており、一対のトーションバー支持プレート232の両側には他の矩形状のトーションバー支持プレート233が溶接されている。各2枚のトーションバー支持プレート232、233で角筒234が形成される。
【0039】
ここでトーションバー支持プレート232の内側の距離d
1は、トーションバー501の端部の折り曲げ部501aの長さより短くし、トーションバー支持プレート233の内側の距離d
2は、トーションバー501の端部の折り曲げ部501aの長さより長くする。これにより、トーションバー501を横方向から角筒234に挿入することが容易になるとともに、トーションバー501が角筒234内で空転するのを防止できる。角筒234は1個のトーションバー501について2個間隔を置いて設けられている。端部側に位置する角筒234にはトーションバー501が角筒234から抜け出るのを防止するためにネジ穴が形成されており、このネジ穴に6角ボルト513がネジ止めされている。
【0040】
一方、正面パネル300の支柱302の下端部は、下部しまい板304により塞がれており、この下部しまい板304に間隔を置いてほぼ平行に2枚の支持プレート305が溶接されている。2枚の支持プレート305の間隔d
3は、トーションバー501の折り曲げ部501aの長さより短く、2枚の支持プレート305の上下方向長さd
4は、トーションバー501の折り曲げ部501aの長さより長い。2枚の支持プレート305の下端部は、矩形状の板を折り曲げて船形に形成した支持プレート306の水平部に溶接接続されている。支持プレート306を船形にしたのは、正面パネル300を抵抗少なく回動するためであり、円形を簡易に模擬している。
【0041】
このように構成したトーションバー装置280では、トーションバー501を横方向外側(コーナープレート側)から、または内側(正面パネルの中央側)から正面パネル300の支柱下端と角筒234に挿入することにより、これらの部分を支点としてトーションバー501が捩れることが可能になる。トーションバー501の作用部501bは、正面パネル300を完全に折り畳んだ状態で外力が加わらない状態では、正面パネル300を15度程度水平面から浮かせる程度
に、正面パネル300を折り畳み方向とは反対方向に付勢する補助力を発生する。
【0042】
図6(b)に示した側面パネル400のトーションバー装置440も
図6(a)に示したトーションバー装置280と同様の構成である。すなわち、両端502aが折れ曲がったばね鋼製の丸棒でトーションバー502を構成し、一端側は側面パネル400の下端部に形成したトーションバー保持部282に収納する。他端部はベース部200のコーナープレート219内に位置する取付け用ブラケット511の下端部に設けたトーションバー保持部281に保持する。
【0043】
トーションバー保持部282は、水平面を構成する支持プレートに支持プレート(アングル材)425を溶接し、アングル材425の一方の開放面を下部パネル板412に溶接して、横長の箱を形成している。箱の長手方向の内側は、アングル材425を折り曲げて閉止状態にし、長手方向外側にトーションバー502を延在させている。箱の内側は支持プレート426、427で区切られており、トーションバー502の箱内での動きを規制する。
【0044】
箱から延在したトーションバー502の他端部は、ブラケット511とベース部200の上面フレーム204との間にほぼ平行に配置した2枚のトーションバー支持プレート229と、トーションバー支持プレート229に垂直に溶接され、ブラケット511の下端を覆うトーションバー支持プレート228と、上面フレーム204とで形成される空間に挿入され、その動きを規制されて保持される。
【0045】
したがって、側面パネル400を
折り畳み方向に回動すると、トーションバー502の作用部502bにねじり力が発生し、トーションバー502は
側面パネル400を折り畳み方向とは反対方向に付勢し、側面パネル400を元の位置に戻そうとする。外力を付与しなければ、側面パネル400を横方向(水平方向)まで折り畳むと、側面パネルは水平から15度程度の位置まで浮いた状態になる。
【0046】
図7は、正面パネル300および側面パネル400を回動して、その位置を保持するための部材と、段積みのための部材の詳細を示す図である。
図7(a)は、ベース部200の角部に設けるコーナープレート219の斜視図である。コーナープレート219は、平板を折り曲げた形状であり、ベース部200上側角部を覆う形状となっている。コーナープレート219の外表面側に位置する外側ガイド部262は、5角形状をしており、正面パネル300が水平から垂直まで位置を変える際に、正面パネルの300支柱302の下部の案内になっている。そのため、コンテナ100の内部側に位置する内側ガイド部261よりも幅広である。
【0047】
外側ガイド部262の上部には、貫通穴263が形成されており、ストッパ460の受け穴として作用する。内側ガイド部261は長方形状をしており、下部に側面パネル400用のトーションバー502が出入りするための長穴264が形成されている。内側ガイド部261は上下方向に延び、正面パネル300の支柱302と同程度の幅を有する矩形状である。内側ガイド部261の高さ方向中間部には、破線で示した長穴266が形成されている。長穴266は、正面パネル用トーションバー501が出入りするために設けられている。
【0048】
図7(b)は、正面パネル300や側面パネル400を組み立てた際にその姿勢を保持するためのストッパ460(285)の斜視図である。ストッパ285は正面パネル300を保持し、ストッパ460は側面パネルを保持する。ストッパ285は、ベース部200の正面及び背面位置に設けられており、ストッパ460は、側面パネル400に上下方向3段に設けられている。
【0049】
ストッパ460(285)では、ベース部200または側面パネル400にリング状のストッパ保持パイプ429(236)が横方向に間隔を置いて2個取り付けられており、2個のストッパ保持パイプ429(236)間であってやや下方にストッパ保持板432(234)が側面パネル400(ベース部200)に固定されている。ストッパ本体430(237)は軸方向に長い丸棒で、その長手方向中間部にT字状に取っ手431(238)が取り付けられている。ストッパ本体430(237)を中心軸周りに回動させ、取っ手431(238)をストッパ保持板432(234)と干渉しない位置に移動させ、次いで軸方向にストッパ本体430(237)を動かすことにより、相手材に設けた貫通穴との嵌合及びその解除が可能になる。
【0050】
図7(c)は、側面パネル回動支持手段550の断面図である。側面パネル回動支持手段550は、側面パネル400の下端部とベース部200の上面とを接続するもので、側面パネル400の横方向中間部に2個設けられている。ベース部200の床面板201の左右両側端には、角型鋼製の上面フレーム204が取り付けられており、上面フレームの上面であって端部のほぼ面位置にアングル材からなる側面パネル支持アングル221が取り付けられている。上面フレーム204の下面には、端部面位置に上記アングル221よりは小型のアングル240が配置されている。
【0051】
側面パネルの下端部中央部には円管状のパイプフレーム414が取り付けられており、パイプフレーム414と上面フレーム204とをアングル221,240を介して逆J字型の取付け用ブラケット511および固定ネジ512で締め付ける。これにより、側面パネル400はベース部200に連結され、パイプフレーム414はアングル221に接触しながら抵抗少なく回転可能になる。
【0052】
図7(d)は、本発明に係るコンテナ100を2個上下方向に積層した場合(
図8(a)参照)の積層部の詳細を示す断面図である。上側のコンテナ101には正面パネルの下端に沿って延びる逆V字型のレール212が取り付けられている。一方下側のコンテナ102の正面パネル300の上端部には段積みパイプ309が取り付けられているので、下側コンテナ102と上側コンテナ101とは、溝とパイプの関係から円滑に保持され、荷崩れが生じにくくなる。
【0053】
図8は、コンテナ100の段積み状態を示す正面図及び右側面図である。
図8(a)は、コンテナ100を使用中の状態(組み立てた状態)で2段積みした場合であり、
図8(b)は未使用中で折り畳んで段積みした場合である。コンテナ100を組み立てて使用中は、内容量が約2トンに達しており、
図7(d)に示すように、十分な積み重ね安全性をレール212とパイプ309で実現している。2段積みは廃棄物を一時保管するような場合に利用される。2段積み時の高さH
1は3.8m弱であり、幅Lは1.7m程度、奥行きWは約2.3mである。
【0054】
一方未使用時の折り畳んで積み重ねた場合には10段まで可能であり、10段積み重ねた時の高さH
2は4.1mである。このように折り畳んでコンテナ100を格納できるので、省スペースとなる。また、場合によっては倉庫内等への保管も可能であり、安全性及び保守性が向上する。
【0055】
次に、コンテナ100を折り畳んで保管した状態から組み立てる手順を、
図9の斜視図で説明する。
図9(a)に示す折り畳んだ状態のコンテナ100では、左右の側面パネル400a、400bが初めに折り畳まれる。その際、上部パネル板401を下部パネル板412に対し180度折り曲げ、上部パネル板401が上側になるようほぼ水平方向まで折り畳む。その上に背面側となる正面パネル300bがほぼ水平方向まで折り畳まれ、最後に前面側となる正面パネル300aがほぼ水平方向まで折り畳まれている。
【0056】
組み立ての際は、この逆の手順を踏んでいる。すなわち、初めに前側に位置する正面パネル300aを、正面パネル300aの上部角部に設けた取っ手318を用いて垂直まで回動させる。その際、図示を省略したが正面パネル300a用のトーションバー501に蓄積されたひずみエネルギーにより
正面パネル300を折り畳み方向とは反対方向に付勢するよう補助力が発生し、軽度の力で正面パネル300aを持ち上げることが可能になる。
【0057】
前側の正面パネル300aが持ち上がったら、図示しないストッパ285で正面パネル300aを固定保持し、次に
図9(b)に示すように背面側の正面パネル300bを同様の手順で持ち上げ、ストッパ285で固定する。次に
図9(c)に示すように、一方の側面パネル400aの上部パネル板401aをヒンジ410部から折り戻し、1枚の板にして取っ手408を用いて下部パネル板412aとともに持ち上げる。
【0058】
上部パネル板401aの折戻し時には、上部パネル板401aの全重量を作業者が負担しなければならないが、上部パネル板401aの質量は20kg以下であり、作業に支障をきたすことはない。上部パネル板401aと下部パネル板412aを同時に持ち上げるときは、側面パネル400用のトーションバー502が作用し、
側面パネル400は折り畳み方向とは反対方向に付勢されるので、作業者の負荷は低減される。
【0059】
最後に、反対側の側面パネル400bも同様に持ち上げ、垂直に立てる。その後、図示しないストッパを用いて上下方向に3段の位置で、正面パネル300a、300bに設けた貫通穴に係止させて、固定保持する。以上の作業において、正面パネル300a、300bを持ち上げるときは、コーナープレート219がガイドとなるので、歪んで組み上がることはない。折り畳むときは、上記と全く逆の手順で進める。
【0060】
図10に、本発明に係るコンテナ100を用いて、廃棄物を運搬処理する一連の作業を概念図で示す。例えば、廃家電処理の場合である。廃家電処理場で分別されたプラスチックは、
図10(a)に示すように、破砕されて供給元610から供給される。その際、およそ6m
3の破砕廃棄物が1個のコンテナ100に送り出される。この量は、通常用いられるフレキシブルコンテナバッグの6倍にもなり、フレキシブルコンテナバッグを用いた場合に比べ取り付け・取り出し回数を減少でき、作業者の作業能率が向上する。
【0061】
破砕廃棄物が充填されたコンテナ100は、
図10(b)に示すように、コンテナ下部のフォークパレットに相当するベース部200を利用して、フォークリフトでトラック621に積載される。例えば、最大積載量12.5トン車であれば、5個のコンテナが並んで積載される。
【0062】
トラックで処理場まで運搬された廃棄物が充填したコンテナ100は、フォークリフトによりトラックから降ろされ、処理現場まで運ばれる。処理現場では、
図10(c)に示すように、初めに一方の側面パネル400の上部パネル401のストッパを解除し、上部パネル401を開放した状態で、フォークリフト631がコンテナ100ごと回動させる。これによりコンテナ100内部の廃棄物611は、一度に多量が排出されることなく、所定量ずつ排出される。また、作業効率を高めるために、フォークリフト631がコンテナ100ごと回動させて、一斉に廃棄物611をコンテナ100から排出することもできる。
【0063】
図10(c)は、人力でコンテナ100内の破砕廃棄物611を取り出す作業を示す図である。コンテナを床面において、作業者641がスコップ692等を用いてコンテナ100内から排出作業する場合である。コンテナ100内の廃棄物611が充填状態に近い場合には、一方の側面パネル401の上部パネルのみを開放し、廃棄物が雪崩落ちることを防止する。コンテナ100内の廃棄物611が少なくなったら、一方の側面パネル401の下部パネルも開放する。これにより、残らず廃棄物611をコンテナ100から排出でき、作業効率が向上する。
【0064】
以上述べたように本発明の各実施例によれば、廃棄物、特に金属よりも比重の軽い破砕廃棄物を大量に収容できるコンテナが折り畳み可能であり、その折り畳みおよび組み立て作業において、重量物であるコンテナの各パネルを一人の作業者でハンドリングでき、作業性とコンテナ運搬性・保管性の双方を同時に向上できる。また、コンテナを大容量にしたので、最大積載量12.5トントラックの場合には5個併載でき、トラックへのコンテナ搭載、荷卸しが容易になる。さらに、各パネルは組み立てた状態で過大な隙間が生じない構造となっており、破砕された廃棄物であっても、運搬中に零れ落ちる恐れがない。
【0065】
また、側面パネルを高さ方向の中間部で折り曲げ可能形状としているので、コンテナ内に収容された(破砕)廃棄物の一部を手作業で排出可能であり、回転式フォークリフトが能力不足の場合の作業者の補助が可能になる。さらにコンテナを上下に段積みした時は、組み立てた状態及び折り畳んだ状態のいずれにおいても、ベース部底面の段積みレールが正面パネルの上面の丸パイプを覆って支持するので、荷重がコンテナの一部に集中することがなく、コンテナを形成するフレームの歪み発生を防止できる。
【0066】
さらに、正面パネルおよび側面パネルの各部を係止するストッパは、手動で差し込み可能な貫通方式であり、コンテナ運搬中及び荷卸し中の意図しないストッパ開放を防止できる。正面パネルおよび側面パネルを折り畳んだ状態では、トーションバーが発生する力でこれらパネルが起き上がる恐れがあるが、ストッパを折り畳んだ状態の保持具として兼用することで、簡単な構成で安全性を向上できる。トーションバーは差し込み式であり、交換可能であり、万一破損等した場合には交換容易のゆえにメンテナンス性が向上する。
【0067】
なお、トーションバーに不測の荷重が加わり破損したときを考慮して、カバーを設けてトーションバーを保護しているので、作業者がトーションバーの破損により被害を受ける恐れが全くない。特に正面パネルおよび側面パネルを折り畳んだ状態では、トーションバーに大きなねじり力が作用するので、パネル操作時の事故防止に有効である。同様に正面パネルおよび側面パネルはベース部に容易に着脱可能であり、フレーム変形等の破損が生じても容易に交換可能である。
【0068】
側面パネルの支柱部の下端隙間に、ゴム製のカバーを設けているので、コンテナからの破砕廃棄物の漏出を防止できるとともに、側面パネルを折り畳んだ時にベース部ストッパとの干渉による機能不具合を防止できる。