(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記異常判定部は、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの各々で測定されるべき基準温度の差と、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの各々で実際に測定される温度の差とを比較して、前記ヒートシンクに対する前記電流制御素子の取り付け不良の有無を判定することを特徴とする請求項1記載の光源装置。
前記異常判定部は、前記第1温度センサで測定されるべき基準温度と前記第1温度センサで実際に測定される温度とを比較するとともに、前記第2温度センサで測定されるべき基準温度と前記第2温度センサで実際に測定される温度とを比較して、前記ヒートシンクの冷却能力の低下の有無を判定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光源装置。
前記異常判定部は、前記電流制御素子の発熱量と、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの各々で測定されるべき基準温度とが対応付けられたテーブルを備えており、前記電流制御素子の発熱量に応じた前記基準温度を前記テーブルから読み出すことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の光源装置。
前記異常判定部によって異常が判定された場合に、前記発光素子への電源供給を停止させ、或いは前記発光素子に電流が流れないように前記電流制御素子を制御する制御部を備えることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の光源装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電流制御素子がヒートシンクに取り付けられた構成では、電流制御素子が過熱状態になる主な原因として以下の2つが考えられる。
(1)ヒートシンクに対する電流制御素子の取り付け不良による熱抵抗の増加
(2)冷却風(或いは、冷却水)の不具合によるヒートシンクの冷却能力の低下
【0006】
上記の特許文献1に開示された発明は、ヒートシンクに取り付けられた1つのサーミスタを用いて温度の測定を行っていることから、過熱状態になった場合に、その原因が上記の(1),(2)の何れであるのかを特定することができないという問題がある。
【0007】
上記の特許文献2に開示された発明は、過熱状態の原因が上記(1)であることを特定することができるが、正常な状態における発熱部品の発熱量が一定であることを前提とするものである。このため、必要となる光パワーに応じて電流制御素子に流れる電流が大幅に変化する(発熱量が大幅に変化する)光源装置には、上記の特許文献2に開示された発明を適用することはできないという問題がある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、過熱状態になった場合の原因を特定することが可能な光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の光源装置は、少なくとも1つの発光素子(L)と、ヒートシンク(31)に取り付けられていて前記発光素子に流れる電流を制御する電流制御素子(21)とを備える光源装置(1、2)において、前記電流制御素子の温度を測定する第1温度センサ(25a)と、前記ヒートシンクの温度を測定する第2温度センサ(25b)と、前記電流制御素子の発熱量に応じて前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの各々で測定されるべき基準温度と、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの各々で実際に測定される温度とを比較して異常を判定する異常判定部(13)とを備えることを特徴としている。
また、本発明の光源装置は、前記異常判定部が、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの各々で測定されるべき基準温度の差と、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの各々で実際に測定される温度の差とを比較して、前記ヒートシンクに対する前記電流制御素子の取り付け不良の有無を判定することを特徴としている。
また、本発明の光源装置は、前記異常判定部が、前記第1温度センサで測定されるべき基準温度と前記第1温度センサで実際に測定される温度とを比較するとともに、前記第2温度センサで測定されるべき基準温度と前記第2温度センサで実際に測定される温度とを比較して、前記ヒートシンクの冷却能力の低下の有無を判定することを特徴としている。
また、本発明の光源装置は、前記異常判定部が、前記電流制御素子の発熱量と、前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの各々で測定されるべき基準温度とが対応付けられたテーブル(TB)を備えており、前記電流制御素子の発熱量に応じた前記基準温度を前記テーブルから読み出すことを特徴としている。
また、本発明の光源装置は、前記電流制御素子の電圧降下を検出する電圧検出器(24)と、前記電流制御素子に流れる電流を検出する電流検出器(22)とを備えており、前記異常判定部が、前記電圧検出器及び前記電流検出器の検出結果を用いて前記電流制御素子の発熱量を求めることを特徴としている。
また、本発明の光源装置は、前記ヒートシンクを空冷する空冷機構(40)を備えることを特徴としている。
また、本発明の光源装置は、前記ヒートシンクを水冷する水冷機構(50)を備えることを特徴としている。
また、本発明の光源装置は、前記異常判定部によって異常が判定された場合に、前記発光素子への電源供給を停止させ、或いは前記発光素子に電流が流れないように前記電流制御素子を制御する制御部(14)を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電流制御素子の温度を測定する第1温度センサと、電流制御素子が取り付けられたヒートシンクの温度を測定する第2温度センサとを設け、電流制御素子の発熱量に応じて第1温度センサ及び第2温度センサの各々で測定されるべき基準温度と、第1温度センサ及び第2温度センサの各々で実際に測定される温度とを比較して異常を判定するようにしている。このため、過熱状態になったか否かを判定できるだけではなく、過熱状態になった場合の原因を特定することが可能であるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による光源装置について詳細に説明する。
【0013】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態による光源装置の要部構成を示すブロック図である。
図1に示す通り、本実施形態の光源装置1は、光源部11、駆動部12、異常判定部13、及び電源制御部14(制御部)を備えており、所定の波長の光(例えば、可視光、赤外光、或いは紫外光)を出力する。また、本実施形態の光源装置1は、駆動部12に設けられたFET21(詳細は後述する)が過熱状態になったか否か(異常が生じたか否か)を判定することができるとともに、過熱状態の原因を特定することが可能である。この光源装置1は、電源部PSから電源線PLを介して供給される電力によって動作する。
【0014】
光源部11は、直列接続された複数の発光素子Lを備える。発光素子Lは、例えばLD(Laser Diode:レーザダイオード)、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の固体光源である。発光素子Lの数は、必要となる光量に応じて設定される。例えば、発光素子Lの数は、数個〜数十個程度に設定される。尚、光源部11は、発光素子Lを1つのみ備えるものであっても良い。
【0015】
駆動部12は、FET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)21(電流制御素子)、シャント抵抗22(電流検出器)、FET駆動回路23、電圧検出器24、及び温度測定部25を備えており、光源部11の低電位側に設けられて光源部11に流れる電流を制御する。具体的に、駆動部12は、光源部11とグランドGとの間に設けられており、一定の電流が光源部11に流れるように制御する。
【0016】
FET21は、光源部11とシャント抵抗22との間に設けられており、FET駆動回路23から出力される駆動信号DSによって駆動される電流制御素子である。例えば、FET21は、駆動信号DSによってオン状態とオフ状態とが交互に切り替えられるように駆動される。このFET21は、例えばドレイン端子が光源部11に接続され、ソース端子がシャント抵抗22に接続され、ゲート端子がFET駆動回路23に接続される。尚、FET21に代えてバイポーラトランジスタを用いることも可能である。
【0017】
FET21は、FET駆動回路23によって駆動されると発熱が生じるため、
図2に示す通り、ヒートシンク31に取り付けられている。
図2は、本発明の第1実施形態による光源装置が備えるFET及びヒートシンクを示す斜視図である。
図2に示す通り、ヒートシンク31は、熱伝導率が高い金属(例えば、アルミニウム(Al))で形成された板状部材である。尚、フィン(放熱フィン)が設けられたヒートシンクをヒートシンク31として用いてもよい。このようなヒートシンクを用いれば、放熱効率を高めることができる。
【0018】
FET21は、ネジ止めによってヒートシンク31の一面31aに取り付けられる。FET21とヒートシンク31との間には絶縁板32が設けられる。絶縁板32は、例えばマイカ(雲母)によって形成されたシート状のものであり、FET21とヒートシンク31とを電気的に絶縁するために設けられる。尚、絶縁板32の厚みが厚いと熱抵抗が高くなってヒートシンク31によるFET21の冷却効率が低下する。このため、絶縁板32は、FET21とヒートシンク31との電気的な絶縁が保たれ、且つ、極力厚みが薄いものが用いられる。
【0019】
FET21が取り付けられたヒートシンク31は、FET21の冷却効率を向上させるために、
図3に示す通り、一般に空冷又は水冷される。
図3は、本発明の一実施形態による光源装置が備える空冷機構及び水冷機構の一例を模式的に示す図である。尚、
図3(a)は、空冷機構の一例を模式的に示す図であり、
図3(b)は水冷機構の一例を模式的に示す図である。
【0020】
図3(a)に示す通り、空冷機構としてのファン40は、ヒートシンク31の他面31b(FET21が取り付けられた一面31aの反対側の面)側に配置されており、ヒートシンク31に向けて送風することによってヒートシンク31を空冷する。尚、ヒートシンク31の他面31b側にファン40を設置することが困難な場合には、ヒートシンク31の一面31a側にファン40を設置し、或いはヒートシンク31の側方にファン40を設置してヒートシンク31に向けて送風するようにしても良い。
【0021】
図3(b)に示す通り、水冷機構としての水冷ユニット50は、ヒートシンク31の他面31b側に取り付けられた水冷ヘッド51と、水冷ヘッド51に取り付けられた循環パイプ52とを備えており、冷却水Wを循環させることによってヒートシンク31を水冷する。水冷ヘッド51は、熱伝導率が高い金属(例えば、アルミニウム(Al))で形成され、内部で冷却水Wが循環するようにされた部材である。循環パイプ52は、冷却水Wを水冷ヘッド51の内部に導くとともに、水冷ヘッド51の内部を循環した冷却水Wを外部に導くためのものである。
【0022】
図1に戻り、シャント抵抗22は、光源部11の低電位側に設けられた抵抗であり、FET21に流れる電流を検出するために設けられる。具体的に、シャント抵抗22は、一端がFET21に接続されるとともに他端がグランドGに接続されている。このシャント抵抗22の検出信号(電流の検出結果を示す信号)D1は、異常判定部13及びFET駆動回路23に出力される。尚、上記検出信号D1は、シャント抵抗22に流れる電流に応じて生ずるシャント抵抗22の電圧降下を示す信号でもある。
【0023】
ここで、シャント抵抗22の抵抗値が大きいと電力損失が大きくなる(発熱が大きくなる)ことから、シャント抵抗22の抵抗値は小さい方が望ましい。但し、シャント抵抗22の抵抗値が小さすぎると、シャント抵抗22で生ずる電圧降下が小さくなり、検出誤差が生じやすくなる。このため、シャント抵抗22の抵抗値は、電力損失と検出誤差とを考慮して設定される。例えば、シャント抵抗22の抵抗値は、0.1[Ω]程度に設定される。
【0024】
FET駆動回路23は、シャント抵抗22から出力される検出信号D1に基づいて、FET21を駆動する。具体的に、FET駆動回路23は、検出信号D1に基づいてFET21に流れる電流(光源部11に流れる電流)を一定とする駆動信号DSを生成してFET21を駆動する。FET駆動回路23によるFET21の駆動方法としては、例えばFET21に流れる電流をアナログ的に制御して一定にする駆動方法が用いられる。尚、FET駆動回路23によるFET21の駆動方法としては、上記の駆動方法に限られることはなく、任意の駆動方法を用いることが可能である。
【0025】
電圧検出器24は、FET21で生ずる電圧降下を検出するために設けられる。具体的に、電圧検出器24は、FET21のドレイン端子とソース端子とに接続されており、これらドレイン端子とソース端子との間に生ずる電圧降下を検出する。この電圧検出器24の検出信号(電圧降下の検出結果を示す信号)D2は、異常判定部13に出力される。尚、FET21で生ずる電圧降下を検出するのは、異常判定部13でFET21の発熱量を求める際に必要となるからである。
【0026】
温度測定部25は、
図2,
図3に示す温度センサ25a(第1温度センサ)及び温度センサ25b(第2温度センサ)を備えており、FET21の温度及びヒートシンク31の温度を測定する。温度センサ25aは、例えばサーミスタであり、FET21の外表面に取り付けられてFET21の温度を測定する。温度センサ25bは、例えば温度センサ25aと同様のサーミスタであり、ヒートシンク31に取り付けられてヒートシンク31の温度を測定する。この温度センサ25bの取り付け位置は、ヒートシンク31の一面31aにおけるFET21の取り付け位置の近傍であることが望ましい。温度測定部25(温度センサ25a,25b)の測定信号D3は、異常判定部13に出力される。
【0027】
異常判定部13は、駆動部12に設けられたFET21が過熱状態になったか否か(異常が生じたか否か)を判定するとともに、過熱状態の原因を特定する。具体的に、異常判定部13は、シャント抵抗22により検出された電流値と電圧検出器24により検出された電圧降下とによってFET21の発熱量を求め、FET21の発熱量に応じて温度センサ25a,25bの各々で測定されるべき温度(基準温度)と、温度センサ25a,25bの各々で実際に測定される温度とを比較して異常を判定する。また、異常判定部13は、これらの温度を異なる比較方法を用いて比較することで、過熱状態の原因を特定する。
【0028】
ここで、上記の基準温度は、FET21が過熱状態になる原因(以下の(1),(2)に示す原因)が生じていない正常な状態である場合に、FET21の発熱量に応じて温度センサ25a,25bで測定される温度及び温度差である。
(1)ヒートシンク31に対するFET21の取り付け不良による熱抵抗の増加
(2)ファン40や水冷ユニット50の不良によるヒートシンク31の冷却能力の低下
つまり、異常判定部13は、上記の正常な状態である場合にFET21の発熱量に応じて温度センサ25a,25bで測定される温度と、実際に温度センサ25a,25bで測定される温度とを比較することで、FET21が過熱状態になったか否か(異常が生じたか否か)を判定している。
【0029】
より具体的に、異常判定部13は、シャント抵抗22から出力される検出信号D1と、電圧検出器24から出力される検出信号D2とを用いてFET21の発熱量を求める。検出信号D1は、FET21に流れる電流の検出結果を示す信号であり、検出信号D2は、FET21で生ずる電圧降下の検出結果を示す信号であるため、検出信号D1,D2を乗算することでFET21の発熱量を求めることができる。
【0030】
異常判定部13は、
図4に示すテーブルTBを備えており、上記の基準温度を、テーブルTBから読み出すことによって得る。
図4は、本発明の第1実施形態による光源装置で用いられるテーブルを示す図である。
図4に示すテーブルTBは、FET21の発熱量と、温度センサ25a,25bの基準温度とが対応付けられたテーブルである。このテーブルTBは、例えば上記の正常な状態である場合に、FET21に流れる電流を変化させつつ温度センサ25a,25bの測定結果を得る作業を行うことによって作成される。尚、
図4に例示するテーブルTBは、FET21の発熱量が1[W]刻みのものであるが、発熱量の刻みは任意である。
【0031】
異常判定部13は、以下に示す第1,第2比較処理を行う。
・第1比較処理…
図4に示すテーブルTBから読み出した温度センサ25a,25bの基準温度の差と、温度センサ25a,25bで実際に測定された温度の差とを比較する処理
・第2比較処理…
図4に示すテーブルTBから読み出した温度センサ25aの基準温度と温度センサ25aで実際に測定された温度とを比較するとともに、
図4に示すテーブルTBから読み出した温度センサ25bの基準温度と温度センサ25bで実際に測定された温度とを比較する処理
【0032】
図4に示すテーブルTBから読み出した温度センサ25aの基準温度をT1、温度センサ25bの基準温度をT2、温度センサ25aで実際に測定された温度をTa、温度センサ25bで実際に測定された温度をTbとする。上記の第1比較処理では、(T1−T2)と(Ta−Tb)とを比較する処理が行われる。また、上記の第2比較処理では、T1とTaとを比較するとともに、T2とTbとを比較する処理が行われる。
【0033】
異常判定部13は、上記の第1比較処理を行った結果、温度センサ25a,25bの基準温度の差と温度センサ25a,25bで実際に測定された温度の差とが一致しない(或いは、予め規定された範囲内に収まらない)という比較結果が得られた場合には、FET21が過熱状態になった(異常が生じた)と判定する。そして、異常判定部13は、この異常の原因が上記(1)であると特定する。ここで、ヒートシンク31に対するFET21の取り付け不良が生ずると、温度センサ25aで検出される温度が上昇し、温度センサ25bで検出される温度が下がる。このように、熱抵抗が増加して温度センサ25a,25bで測定される温度の差は大きくなる。このため、異常判定部13は、上記の比較結果が得られた場合には、その原因が上記(1)であると特定する。
【0034】
異常判定部13は、上記の第2比較処理を行った結果、温度センサ25aの基準温度と温度センサ25aで実際に測定された温度が一致せず(或いは、予め規定された範囲内に収まらず)、且つ、温度センサ25bの基準温度と温度センサ25bで実際に測定された温度が一致しない(或いは、予め規定された範囲内に収まらない)という比較結果が得られた場合には、FET21が過熱状態になった(異常が生じた)と判定する。そして、異常判定部13は、この異常の原因が上記(2)であると特定する。ここで、ファン40や水冷ユニット50の不良によるヒートシンク31の冷却能力の低下が生ずると、温度センサ25a,25bで測定される温度は共に大きくなる。このため、異常判定部13は、上記の比較結果が得られた場合には、その原因が上記(2)であると特定する。尚、異常判定部13は、上記の第1比較処理において上記の比較結果が得られ、且つ上記の第2比較処理において上記の比較結果が得られた場合には、異常の原因が上記(1),(2)の双方であると特定する。
【0035】
電源制御部14は、FET21が過熱状態になった(異常が生じた)と異常判定部13で判定された場合に、光源部11への電源供給を停止させる制御を行う。具体的に、電源制御部14は、異常が生じたと異常判定部13で判定された場合には、電源部PSに対して電源供給停止信号S1を出力することで、光源部11への電源供給を停止させる。このような制御を行うのは、過熱状態になったFET21の故障を防止するためである。尚、FET21が過熱状態になった(異常が生じた)と異常判定部13で判定された場合に、電源制御部14が、駆動部12のFET駆動回路23に対して制御信号を出力し、光源部11に電流が流れないようにFET21を制御するようにしても良い。
【0036】
次に、上記構成における光源装置1の動作について簡単に説明する。FET駆動回路23によるFET21の駆動が開始されると、電源部PSから電源線PLに供給された電流が、光源部11、FET21、及びシャント抵抗22を順に流れた後にグランドGに流れ込む。駆動部12では、光源部11に流れる電流が所望の値となるように、FET21がFET駆動回路23によって駆動される。
【0037】
FET21が駆動されている間、FET21に流れる電流がシャント抵抗22で検出され、FET21で生ずる電圧降下が電圧検出器24検出される。シャント抵抗22の検出結果を示す検出信号D1及び電圧検出器24の検出結果を示す検出信号D2は、異常判定部13に出力される。すると、異常判定部13では、検出信号D1,D2を用いてFET21の発熱量が求められ、この発熱量に応じた温度センサ25a,25bの基準温度が、
図4に示すテーブルTBから読み出される。
【0038】
続いて、異常判定部13では、テーブルTBから読み出された温度センサ25a,25bの基準温度と、温度測定部25から出力される測定信号D3(温度センサ25a,25bの各々で実際に測定される温度を示す信号)とが比較される。そして、異常が生じたか否かが判定されるとともに、過熱状態の原因が特定される。具体的には、前述した第1,第2比較処理が異常判定部13で行われて、異常が生じたか否かが判定されるとともに、過熱状態の原因が特定される。
【0039】
FET21が過熱状態になる原因(前述した(1),(2)に示す原因)が生じていない正常な状態では、前述した第1比較処理が行われると、温度センサ25a,25bの基準温度の差と温度センサ25a,25bで実際に測定された温度の差とが一致する(或いは、予め規定された範囲内に収まっている)という比較結果が得られる。また、前述した第2比較処理が行われると、温度センサ25aの基準温度と温度センサ25aで実際に測定された温度が一致し(或いは、予め規定された範囲内に収まり)、且つ、温度センサ25bの基準温度と温度センサ25bで実際に測定された温度が一致する(或いは、予め規定された範囲内に収まる)という比較結果が得られる。これにより、異常判定部13では、FET21が過熱状態になっていない(異常が生じていない)と判定される。
【0040】
これに対し、FET21が過熱状態になる前述した(1)に示す原因が生じたときには、前述した第1比較処理によって、温度センサ25a,25bの基準温度の差と温度センサ25a,25bで実際に測定された温度の差とが一致しない(或いは、予め規定された範囲内に収まらない)という比較結果が得られる。これにより、異常判定部13では、FET21が過熱状態になった(異常が生じた)と判定され、その原因が前述した(1)に示す原因であると特定される。すると、電源制御部14から電源部PSに対して電源供給停止信号S1が出力されて電源部PSから電源線PLへの電源供給が停止され、これによりFET21の動作が停止される。
【0041】
他方、FET21が過熱状態になる前述した(2)に示す原因が生じたときには、前述した第2比較処理によって、温度センサ25aの基準温度と温度センサ25aで実際に測定された温度が一致せず(或いは、予め規定された範囲内に収まらず)、且つ、温度センサ25bの基準温度と温度センサ25bで実際に測定された温度が一致しない(或いは、予め規定された範囲内に収まらない)という比較結果が得られる。これにより、異常判定部13では、FET21が過熱状態になった(異常が生じた)と判定され、その原因が前述した(2)に示す原因であると特定される。すると、電源制御部14から電源部PSに対して電源供給停止信号S1が出力されて電源部PSから電源線PLへの電源供給が停止され、これによりFET21の駆動が停止される。
【0042】
このようにして、異常判定部13では、FET21が過熱状態になったか否か(異常が生じたか否か)が判定され、過熱状態の原因が特定される。また、異常が生じたと判定されると、その旨を示す信号が異常判定部13から電源制御部14に出力される。すると、電源制御部14から電源部PSに対して電源供給停止信号S1が出力され、電源部PSから電源線PLへの電源供給が停止される。これにより、光源部11への電源供給が停止されてFET21の駆動が停止され、過熱状態になったFET21の故障が防止される。
【0043】
以上の通り、本実施形態では、FET21の温度を測定する温度センサ25aと、FET21が取り付けられたヒートシンク31の温度を測定する温度センサ25bとを設け、FET21の発熱量に応じて温度センサ25a,25bの各々で測定されるべき基準温度と、温度センサ25a,25bで実際に測定される温度とを比較して異常を判定するようにしている。このため、過熱状態になったか否かを判定できるだけではなく、過熱状態になった場合の原因を特定することが可能である。
【0044】
〔第2実施形態〕
図5は、本発明の第2実施形態による光源装置の要部構成を示すブロック図である。尚、
図5においては、
図1に示すブロックに相当するブロックには同一の符号を付してある。
図5に示す通り、本実施形態の光源装置2は、光源部11及び駆動部12を有し、電源線PLとグランドGとの間に並列接続された複数の回路C1〜C3を備える。このような光源装置2は、光量を増大して高出力化を図ったものである。尚、
図5に示す光源装置2は、電源線PLとグランドGとの間に3つの回路C1〜C3を備えているが、電源線PLとグランドGとの間に設けられる回路の数は必要となる光量に応じて設定される。
【0045】
図5に示す回路C1〜C3の各々に設けられた駆動部12からは、シャント抵抗22、電圧検出器24、及び温度測定部25(
図5では何れも図示省略)の各々から出力される検出信号D1、検出信号D2、及び測定信号D3がそれぞれ出力される。これら検出信号D1、検出信号D2、及び測定信号D3は、異常判定部13に入力される。
【0046】
異常判定部13は、これら検出信号D1、検出信号D2、及び測定信号D3を用いて回路C1〜C3の各々について、FET21が過熱状態になったか否か(異常が生じたか否か)を個別に判定し、その原因を特定する。尚、回路C1〜C3の各々について、FET21が過熱状態になったか否か(異常が生じたか否か)の判定方法、及びその原因の特定方法は、第1実施形態と同様である。
【0047】
回路C1〜C3の何れかで過熱状態になった(異常が生じた)と判定された場合には、その旨を示す信号が、異常判定部13から電源制御部14に出力される。これにより、電源制御部14から電源部PSに対して電源供給停止信号S1が出力されて、電源部PSから電源線PLへの電源供給が停止される。すると、光源装置2に設けられた回路C1〜C3に設けられた全ての光源部11への電源供給が停止され、光源装置2からの発光が停止される。
【0048】
尚、回路C1〜C3の何れかで過熱状態になった(異常が生じた)と判定された場合には、その判定がされた回路に設けられているFET21の駆動のみを停止させるように制御しても良い。このような制御を行うことで、過熱状態になった(異常が生じた)と判定された回路のみを停止させ(発光を停止させ)、残りの回路の動作を継続させる(発光を継続させる)ことができる。
【0049】
以上の通り、本実施形態では、複数設けられた駆動部12の各々に、FET21の温度を測定する温度センサ25aとヒートシンク31の温度を測定する温度センサ25bとを設け、FET21の発熱量に応じて温度センサ25a,25bの各々で測定されるべき基準温度と、温度センサ25a,25bで実際に測定される温度とを比較して異常を判定するようにしている。このため、何れの駆動部12で過熱状態になったか否かを判定することができるとともに、過熱状態になった場合の原因を特定することが可能である。
【0050】
〔ファイバレーザ装置〕
図6は、本発明の実施形態による光源装置を備えるファイバレーザ装置の要部構成を示すブロック図である。
図6に示す通り、ファイバレーザ装置FLは、増幅媒体として機能する光ファイバF1、伝送媒体として機能する光ファイバF2、光源装置61、光パワーモニタ装置62、及び制御装置63を備えており、制御装置63の制御の下で光ファイバF2の出力端Xから出力光L1を出力する。
【0051】
増幅媒体として機能する光ファイバF1は、活性元素が添加されたコアと、コアを取り囲むクラッドとを備えるシングルクラッドファイバである。この光ファイバF1は、光源装置61から供給される励起光によって励起された活性元素により、光ファイバF1のコアを伝播する光を増幅するものである。この光ファイバF1には、コアの屈折率を周期的に変化させたファイバブラッググレーティングG1,G2が形成されている。このため、光ファイバF1のコアを伝播する光は、これら2つのファイバブラッググレーティングG1,G2による反射が繰り返されつつ増幅される。
【0052】
伝送媒体として機能する光ファイバF2は、コアと、コアを取り囲むクラッドとを備えるシングルクラッドファイバである。尚、光ファイバF2のコアは、光ファイバF1のコアのように活性元素は添加されていない。この光ファイバF2は、一端が出力光L1の出力端Xとされており、他端が光パワーモニタ装置62内において光ファイバF1と融着接続されている。
【0053】
光源装置61は、
図1に示す第1実施形態の光源装置1、或いは
図5に示す第2実施形態の光源装置2であり、制御装置63の制御の下で光ファイバF1に対して励起光を供給する。光パワーモニタ装置62は、光ファイバF2の出力端Xから出力される出力光L1のパワー、及び出力端Xを介して入力される反射光L2(例えば、ワークの加工中にワークの加工面で生じた反射光のうち、出力端Xを介して入力される反射光)のパワーをモニタする。
【0054】
制御装置63は、光パワーモニタ装置62でモニタされる出力光L1及び反射光L2のパワーを参照しつつ、出力端Xから出力される出力光L1のパワーが一定となるように光源装置61を制御する。また、制御装置63は、光パワーモニタ装置62でモニタされる反射光L2のパワーが、予め規定された閾値を超えた場合には、ファイバレーザ装置FLを保護するために、光源装置61の発光を停止させる制御を行う。
【0055】
このようなファイバレーザ装置FLにおいて、光源装置61では、駆動部12(
図1,
図5参照)から出力される検出信号D1,D2及び測定信号D3を用いてFET21が過熱状態になったか否かが判定される。過熱状態になったかと判定された場合には、例えば光源装置61に設けられた光源部11への電源供給が停止されて光源装置61の発光が停止される。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、FET21が過熱状態になったと判定されて、その原因が特定された場合に、その原因を表示する表示器(例えば、ランプ)等を設けても良い。これにより、表示器の表示内容を参照するだけで、FET21が過熱状態になった原因が、ヒートシンク31に対するFET21の取り付け不良による熱抵抗の増加によるものなのか、或いはファン40や水冷ユニット50の不良によるヒートシンク31の冷却能力の低下によるものなのかを知ることができる。
【0057】
また、光源部11の実装形態は、1つの発光素子Lのみを備える発光モジュール(シングルチップの発光モジュール)が複数直列に接続されてなる形態であっても良く、複数の発光素子Lが1つのパッケージ内に収められたマルチチップの発光モジュールを備える形態であっても良い。つまり、光源部11の実装形態は、特定の形態に制限されることはなく、任意の形態とすることができる。また、光源装置1,2は、ファイバレーザ装置FL以外に、各種照明装置に適用することが可能である。