(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1及び前記第2の車輪キャリヤの回転軸(35、37)と、前記横方向の軸(X)との間の最短距離は、前記連結器と前記横方向の軸(X)との間の最短距離と同じ、又は、これらの差分の絶対値は、前記連結器と前記横方向の軸(X)との間の最短距離の10%範囲内である、
ことを特徴とする請求項3に記載の自動車。
【発明を実施するための形態】
【0010】
これらの図面には、同じ参照番号が、同じ構成要素を明確に示すために、使用されている。
【0011】
この下記の説明には、技術分野に属する通常の知識を有する者、いわゆる当業者によく知られた特徴と機能は、詳細に説明していない。
【0012】
図1は、連結可能な自動車2を示す。自動車2は、自動車の駆動輪の回転によって運転するためのモータ又はエンジン(図示略)を装備している。例えば、以下に説明された連結器の改善を除いて、自動車2は、2013年5月8日に出願された仏国特許出願公開第1352128号明細書に記載され、明瞭に表現された自動車の一つと同一である。自動車2のさらなる詳細については、上記した仏国特許出願公開第1352128号明細書を参照するとよい。
【0013】
自動車2は、複数の車輪を回転することができるに確保した車台4と、前方連結器11、後方連結器12と、トーションバー18(
図2参照)とを含む。車台4に確保された複数の車輪は、自動車2のエンジンの動作中であるとき、道路10において回転することによって自動車2を運動させるために用いられる。
【0014】
ここで、自動車2は、縦断面Pに沿って延びる。縦断面Pは、自動車2の路面に対して垂直であり、直進するときの自動車2の進む方向に対して平行である。路面は、道路10と自動車2の車輪との間のコンタクトポイントを通過する断面として定義されている。ここでは、道路10は、平ら、且つ、水平である。そのため、縦断面Pは、道路10に対して鉛直であり、垂直である。この例では、車台4は、一方に関して関節でつなぐ2つの前側パーツおよび後側パーツを含む。縦断面Pは、自動車2の前側パーツおよび後側パーツがその一方について一方向に並ぶとき、更に定義される。
【0015】
前方連結器11及び後方連結器12は、自動車2を別の車両に連結させたり、自動車2を別の車両から分離させたりするために、別の車両に設けられ、対応する連結器に協同するために、それぞれ用いられる。
【0016】
ここで、自動車2の車輪は、車両の前側車軸系20と、後側車軸系22とに分割される。こちらの前側車軸系20、及び後側車軸系22は、共通点を有し、それぞれ2つの車輪を含む。簡単にするため、これ以降、後側車軸系22のみが、詳細に説明される。これらの技術分野に属する通常の知識を有する者、つまり当業者は、後側車軸系22の説明から、前側車軸系20を製造する方法を知る。前側車軸系20は、この前側車軸系20のサスペンションの圧縮とは無関係に、道路10に対して相対的に一定の高さにある前方連結器11を維持する機構を備える。前側車軸系20は、上記した仏国特許出願公開第1352128号明細書において説明されたステアリング装置を含んでもよい。
【0017】
図2は、後側車軸系22のさらなる詳細を示す。車軸系は、
車台4に自由度無く取り付けられたベアリング14、16と、
トーションバー18と、
後方連結器12と、
自動車2の、2つの車輪30、32と、
2つの車輪キャリヤ34、36と、
サスペンション系38、40を含む。
【0018】
この例では、後側車軸系22の構成要素は、縦断面Pに関して対称である。そのため、車輪キャリヤ34と同じ側に設けられた構成要素のみを、以下、詳細について説明する。
【0019】
車輪30の回転軸は、車輪キャリヤの幾何学的な中心を通過しており、自由度無く車輪キャリヤ34に確保される。
【0020】
この明細書では、構成要素の幾何学的な中心は、この構成要素の全てのポイントの重心である。これらのポイントは、それぞれ、同じ荷重係数を割り当てられている。構成要素のポイントは、これらの外側ケースに属する。
【0021】
車輪キャリヤ34、36に確保された車輪の回転軸は、それぞれ参照符号35、37と記載される。ここで、回転軸35、37は、互いに平行であり、縦断面Pに対して垂直に延びる。車輪30は、回転軸35回りに回転可能に、車輪キャリヤ34に確保されている。
【0022】
サスペンション38は、その一方の側に車台4を機械的に接続しており、他方の側に車輪キャリヤ34を機械的に接続している。
【0023】
サスペンション38は、自動車2の重みの一部が車輪30にかかるように、車輪キャリヤ34を車台4に機械的に接続させる。サスペンション38は、少なくとも自由度1に従って、車台4に対して車輪キャリヤ34について往復可能に移動させる(a reversible displacement)ことができる。そのため、車輪キャリヤ34は、車台4に対して遠隔位置と、近接位置との間を移動可能である。この近接位置は、回転軸35(すなわち、車輪キャリヤ36の中心)が、遠隔位置よりも車台4に近い位置にある。
【0024】
この例では、車輪キャリヤ34は、実質的に鉛直方向に移動することができるよう、利用されている。より正確には、車輪キャリヤ34の幾何学的な中心は、この動きの際中に、実施的に鉛直な軌道に追従する。ここで、車輪キャリヤ34の移動の可逆性は、サスペンション38に含まれるダンパ(図示略)ために保証されている。より具体的には、ダンパの弾性的な構成要素(言い換えると、制動的な構成要素)は、往復可能に移動をさせる(a reversible displacement)ことができる。
【0025】
サスペンション38は、例えば、マクファーソンストラット式である。
図2を分かり易くするため、サスペンション38は、その詳細を図示しないものの、破線のみを示した。
【0026】
トーションバー18は、横方向の軸Xに関して、ベアリング14、16の内側に回転可能に設けられている。ここで、軸Xは、縦断面Pに対し垂直であり、車輪30、32の回転軸35、37に対し平行である。ここで、トーションバー18は、直線的な形状を備え、軸Xに沿って延びる。
【0027】
トーションバー18は、自由度無く、車輪キャリヤ34、36にそれぞれの機械的な連結部によって、機械的に接続されている。そのため、車輪キャリヤ34、36が、接近位置と遠隔位置との間を移動することによって、トーションバー18を運転させ、軸Xの周りに回転させる。
【0028】
この目的は、車輪キャリヤ34の機械的な連結部がレバー50を含むことである。
レバー50は、トーションバー18のアタッチメントポイント56で、車輪キャリヤ34をトーションバー18に連結する。ここで、アタッチメントポイント56は、レバー50とトーションバー18との間において、嵌め込まれた連結部を有し、この連結部は、自由度0(ゼロ)の結合(linkage)である。ここで、レバー50は、剛直であり、直線的な形状を有する。レバー50を縦断面Pに直交的に投影した最大長さをD
lと記載する。この長さD
lは、縦断面Pにおける、アタッチメントポイント56及び車輪キャリヤ34の幾何的な中心からの直交的な投影の間を測定される。長さD
lは、例えば、5cm、又は10cmより長く、2m、1m、又は50cmよりも短い。
【0029】
サスペンション38、レバー50、及びアタッチメントポイント56の縦断面Pに関して対称的な構成要素は、それぞれ、
図2において、参照番号40、52、58と記載されている。
【0030】
アタッチメントポイント56は、縦断面Pから離れている。アタッチメントポイント56は、例えば、トーションバー18の一端に位置する。
【0031】
例えば、車輪キャリヤ34が、遠隔位置と近接位置との間を移動するとき、アタッチメントポイント56は、トーションバー18を回転駆動させて、軸X周りに回転させる、または、車輪キャリヤ34の移動によって、回転又はねじれを比例的に与えることによって、軸X周りに回転して、移動する。
【0032】
後方連結器12は、剛性の有る(硬直な)連結バー60の手段によってトーションバー18に機械的に接続されている。剛性の有る連結バー60は、例えば、永久変形することなく、横方向に100N、又は1000Nよりも大きい力で耐えることのできるものである。後方連結器12は、軸Xに関して連結バー60の動きによって可逆的に動作することを適合し、この連結バー60の動きは、低位置と、後方連結器12が車台4の上部と比較して高位置との間である。
【0033】
ここで、高位置と低位置とは、車台4に関して定義される。車台4と比較した後方連結器12の高さは、これらの高位置と低位置のために、例えば、車台4と、平行な面とを統合する同じ面に関して定義される。ここで、この平面は、道路10に対して平行である。この高さは、この平面と、後方連結器12の幾何的な中心との間の平面に関して、直接垂直な方向に沿って計測されている。
【0034】
連結バー60が、平面Pのアタッチメントポイント62において、自由度が全くなく、トーションバー18に直接固定される又は留められる(anchored)。具体的には、連結バー60の一端がトーションバー18に固定される又は留められる(anchored)。連結バー60の他端は、全く自由度無く、後方連結器12に確保される。ここで、連結バー60は、管形状を備え、平面Pにおいて、長手方向に延びる。後方連結器12は、連結バー60によって、自由度0(ゼロ)で嵌め込みによって接続されている。
【0035】
したがって、アタッチメントポイント62が、軸X回りに回転移動したとき、連結バー60と後方連結器12とが、軸X回りに回転移動する。詳細には、後方連結器12は、アタッチメントポイント62が上方へ移動するにつれて高位置へ移動し、アタッチメントポイント62が下方へ移動するにつれて低位置へ移動する。
【0036】
連結バー60の最も大きな直径は、D
aと記載した。この長さは、平面Pにおいて、直交投影の計測されたものである。長さD
aは、長さD
lと同じであり、その差分の絶対値は、長さD
lの10%範囲内、5%範囲内、好ましくは2%範囲内である。長さD
aは、例えば、5cm又は10cmより大きく、2m、1m又は50cmより小さい。
【0037】
連結バー60とレバー50とを平面Pへ直交投影した投影の角度は、αと記載した。車輪キャリヤ34、36と、連結バー60とが移動し、トーションバー18の捻じれ動作をさせたとき、この角度αは、変化し得る。トーションバー18が無いと、角度αが、例えば、−45°〜+45°であり、好ましくは、−20°〜+20°である。さらに、ここでは、連結バー60とレバー50とを直交投影した投影は両方ともシステマティックに、軸Xを含む垂直な面と同じ側にあるため、角度αは選択された。詳細には、後側車軸系22の場合、これら直交投影は、この垂直平面から離間させておく。ここで、後側は、自動車2の前進移動方向に関して、定義される。前側車軸系20の場合、これらの投影は、垂直平面に対応する前側に設けられている。
【0038】
ここで、アタッチメントポイント62は、トーションバー18に設けられており、トーションバー18におけるアタッチメントポイント62からアタッチメントポイント56までの部位の角度剛性は、トーションバー18におけるアタッチメントポイント62からアタッチメントポイント58までの部位の角度剛性と同じであり、その差分の絶対値は、10%範囲内、又は5%範囲内である。ここで、トーションバー18は、全長にわたって、長さ当たりの一定の角度剛性を有する。そのため、アタッチメントポイント62は、アタッチメントポイント56とアタッチメントポイント58とから等距離に設けられている。トーションバー18の角度剛性は、例えば、100〜1000N.m.deg
−1、又は200〜800N.m.deg
−1に含まれる。例えば、この角度剛性は、400N.m.deg
−1である。
【0039】
ここで、トーションバー18は、後側車軸系22のアンチロールバーである。例えば、トーションバー18と、レバー50、52は、U字形状を有し、連続的に形成される一塊の材料(単一ブロックの材料)である。ここで、レバー50、52は、U字状の横に延びるアームを形成する。例えば、トーションバー18と、レバー50、52とは、金属を含む材料からなる。そのため、トーションバー18は、旋回運動するときの自動車2が行なう回転運動を限定する。
【0040】
図3A及び
図3Bを用いて、車輪キャリヤ34と後方連結器12との動作のさらなる詳細について説明する。
【0041】
車輪キャリヤ34及び車輪キャリヤ36は、遠隔位置にあるとき(
図3A参照)、後方連結器12は、車台4に対して低位置にある。この設計は、例えば、道路10と比較して、自動車2の名目高さに対応する。後方連結器12は、道路10から高さhに位置する。ここで、高さhは、道路10の上側表面と、後方連結器12の幾何的な中心との鉛直方向に沿って計測される。高さhは、例えば、10cm、20cm、30cm、40cm、又は50cm以上であり、1.8m、1.5m、1m以下である。
【0042】
自動車2が使用される際中において、車輪キャリヤ34及び車輪キャリヤ36はともに、それらの近接位置に動く(
図3B参照)。これは、自動車2における有意な(又は著しい)荷重によって、引き起こし得る。自動車2、特に車台4は、道路10に近づく。自動車2の車輪30、32が道路10に接触し続けるように、それらは、上昇方向に移動する間、車台4に対して相対的に動く。それ故、車輪キャリヤ34及び車輪キャリヤ36は、同時に、それらの近接位置に移動する。それらの近接位置に移動するとき、車輪キャリヤ34及び車輪キャリヤ36は、アタッチメントポイント56及びアタッチメントポイント58を駆動するため、軸X周りにトーションバー18が回転する。アタッチメントポイント56とアタッチメントポイント58との回転は、車輪キャリヤ34及び車輪キャリヤ36の変位に比例するような大きさを有する。旋回している際中におけるアタッチメントポイント56とアタッチメントポイント58との回転は、軸X回りに回転するように、アタッチメントポイント62を駆動させるため、後方連結器12は、車台4に対して高位置に向かう。
【0043】
近接位置では、車輪キャリヤ34及び車輪キャリヤ36は、遠隔位置よりも車台4に近づく。後方連結器12は、高位置にある。車台4に対する相対的な高さは、低位置のものと比較して、高い。車台4が道路10に近づくとの事実(fact)を補填するために、値D
lと値D
aとの選択によって明白に、車台4に対して後方連結器12の位置を変化させる。そのため、高位置では、後方連結器12は、地面からの高さh’を有し、地面からの高さh’は、高さhと同じであり、その差分の絶対値は、高さhの20%範囲内、10%範囲内、又は5%範囲内である。ここで、高さh’は、高さhと同じ方法で定義されている。
【0044】
したがって、後方連結器12の高さは、車輪キャリヤ34及び車輪キャリヤ36の位置にもかかわらず、実質的に一定である。そのため、連結バー60が車台4に直接取り付けられている場合において、後方連結器12を用いることによって、自動車2を別の自動車に取り付けることが容易である。後方連結器12は、本質的に、一定の高さを維持する。この高さは、実質的に一定値であると言われており、この一定値は、参照値と同じか、その差分の絶対値は、参照値の20%範囲内、10%範囲内、又は5%範囲内である。
【0045】
この後側車軸系22の構造は、それらの前方連結器11及び後方連結器12によってともに取り付けられる2つの自動車の間において、荷重伝達及び姿勢のバランスを促進する。例えば、自動車2は、前方連結器11によって、構造的に同一な別の自動車のフロントの前方連結器11に取り付けられている。しかしながら、この他の自動車は、自動車2よりも重い荷物を運ぶ。このケースでは、この他の自動車は、自動車2よりも、道路10に関してさらに垂れ下がっている。これら2つの自動車を連結する前に、自動車2の車輪キャリヤが、遠隔位置にある間、この別の自動車のフロント側の車軸の複数の車輪キャリヤが、近い位置にある。これら2つの自動車を連結した後、自動車2の後側車軸系22とこの他の自動車のフロント側車軸系との配置のため、機械的なトルクが、これらの車軸系のそれぞれのトーションバー18において、それぞれの連結バー60によってそれぞれの軸X周りの回転に適用される。これが、他の高さに対してそれらの高さのバランスを取るこれらの自動車によって、それぞれ車台に適用される反応力という結果となる。
【0046】
2つの自動車の間における荷重と姿勢のバランスは、それらの間において前方連結器11及び後方連結器12が連結している事実によって、悪化する。前方連結器11及び後方連結器12は、以下の2つのことが記載されている。
・前方連結器11及び後方連結器12は、それぞれの連結バーに所定のピッチで、回転する自由度無く、互いに接続されている。
・前方連結器11及び後方連結器12は、それら同士の間において、所定のピッチで、回転する自由度無く、互いに接続されている。
【0047】
自動車2の動きの際中において、転倒することが有り得る、例えば、自動車が移動している道路10上の変形のためである。そのため、車輪キャリヤ34、36は、互いに異なる動きをすることができる。例えば、自動車2が隆起した部位(こぶ)を乗り越えるとき、車輪キャリヤ34が近接位置に移動するものの、車輪キャリヤ36がそのように移動しない。簡単化させるために、車台4は、姿勢のバリエーションを受けないとし、アタッチメントポイント58は、静止している。トーションバー18は、ねじれ運動を受ける。それから、アタッチメントポイント62は、アタッチメントポイント56とアタッチメントポイント58との間の動きのバランスを取りつつ、軸X周りに上方に回転する。この例では、アタッチメントポイント56、58に対して相対的なアタッチメントポイント62の位置の選択のため、アタッチメントポイント62が、アタッチメントポイント56、58の回転の大きさ(範囲)の平均と同じ回転の大きさ(範囲)でX軸回りに回転する。ここで、アタッチメントポイント58が静止したままである間、この大きさ(範囲)は、アタッチメントポイント56の回転の大きさの半分と同じである。
【0048】
図4に示すように、後側車軸系22の代わりに、車軸系80を適用することができる。この車軸系80は、連結バー60が、連結バー60と長さの異なる連結バー82に置換されているところを除いて、後側車軸系22と同一である。連結バー82は、長さD
lよりも長い長さD’
aを有し、長さD’
aは、乗数的因子Fによるものである。例えば、乗数的因子Fは、1.2、1.5、又は2と比較して大きい。ここで、長さD’
aは、長さD
aと同じ方法で定義されている。そのため、車軸系80は、乗数的因子Fによって、軸X回りに連結バー82の回転の大きさを限定する減速ギヤ84を含む。そのため、これは、長さD’
a、D
lが異なっている場合でも、後方連結器12が実質的に一定の高さになるよう維持する。減速ギヤ84は、軸Xに関するレバー50の回転運動に応じて、乗数的因子Fの運動の大きさを減少させながら、軸Xに関する連結バー82の回転動作を伝達するように設計されている。例えば、減速ギヤ84は、レバー50とトーションバー18との接続部に設けられている。そのため、減速ギヤ84は、車輪キャリヤ34が近接位置と遠隔位置との間を移動するとき、乗数的因子Fによって、アタッチメントポイント56の角度変位を減少するように設けられている。より正確には、減速ギヤ84は、以下の関係を満たすように、形成されている。
β=γ*D
a/D
l
ここで、βは、車輪キャリヤ34が近接位置と遠隔位置との間を移動するとき、レバー50の平面Pへの直交投影の角度変位の絶対値である。
γは、車輪キャリヤ34が近接位置と遠隔位置との間を移動するとき、連結バー82の平面Pへの直交投影の角度変位の絶対値である。
【0049】
例えば、減速ギヤ84は、回転中に噛み合い、同じ回転軸に関して同じ方向に回転するように設けられた3つのギヤを含む。これらのギヤのうち一つは、全く自由度無く、レバー50に一体となって設けられている。これらのギヤのうち、もう一つ(又は、他もの)は、全く自由度無く、トーションバー18に一体となって設けられている。
【0050】
図5に示すように、トーションバー18は、レバー50、52とともに連続的に形成されるものではない。例えば、これらのレバー50、52は、分離したパーツである。アタッチメントポイント56、58は、エラストマー(弾性)材料90、92を含み、エラストマー材料90、92は、例えば、レバー50、52とトーションバー18とを機械的に接続する。これは、機械的な衝撃の減衰を助ける。このエラストマー材料は、例えば、「ブッシング」として知られている。
【0052】
自動車2が差異を有してもよい。例えば、自動車2は、明瞭に表現されていなくてもよい(分節できなくてもよい)。自動車2は、他に対して、ヨー回転における動き、この目的のため、フロントパーツ及びリアパーツを含まなくてよい。自動車2は、異なる車輪を複数有することができる。これらの車輪は、車軸系において配置される。2つの車軸系よりも多くの車軸系がある。
【0053】
自動車2は、前方連結器11及び後方連結器12の一方、又は他方のみを備えてもよい。
【0054】
自動車2は、この自動車に搭載されており、かつ、ドライバーによってこの自動車をコントロールするためのエンジン、又はデバイスを備えなくてもよい。例えば、自動車2は、トレーラーである。
【0055】
後方連結器12は、連結バー60に異なるように接続することができる。例えば、連結バー60に嵌め込まれるのではなく、連結バー60に対して自由度がある。
【0056】
もし、複数の自動車が、これらの連結のために回転ピッチにおいて自由度を有しない場合、互いに取り付けられた複数の自動車の間における荷重と姿勢のバランスとの効果は、悪化する。この目的のために、これらの取り付けた複数の自動車の後方連結器12のそれぞれは、例えば、それらがともに連結しているとき、所定のピッチで回転する自由度を有しない。もし、軸Xに関して平行な回転軸に沿って取り付けられている1つ、若しくは他の自動車、又は、連結バー60に対して旋回することができる場合、後方連結器12は、所定のピッチで回転する自由度を有する。
【0057】
ベアリング14、16の一つ、又は他のものは、省略してもよい。
【0058】
トーションバー18は、異なる方法によって製造することができる。特に、トーションバー18は、必ずしも全長にわたって、直進的でなくてもよい。トーションバー18は、例えば、クランクシャフト形状を有してもよく、この目的のため、1つ、又は複数の「U字状」のエルボー(ひじ形状のもの)を含んでもよい。「U字状」のエルボーは、トーションバー18の端から端までの部位に設けられるとよい。トーションバー18は、直線に延びてもよいし、ベアリング14、16の高さのみにおいて軸Xに沿って一直線に延びてもよい。
【0059】
トーションバー18は、必ずしもアンチロールバーでなくてもよい。これは、特に、サスペンション系38、40が、アンチロールバーの代わりの役割を果たす、いわゆるアクティブサスペンション系を備える場合である。その後、トーションバー18の角度剛性が、それに応じて、選択される。
【0060】
トーションバー18の角度剛性は、異なっていてもよい。例えば、トーションバー18は、各レバー50と、トーションバー18を備える。
車輪キャリヤ34に機械的に接続された各レバー50は、他のレバー52に接続されているアタッチメントポイント58が軸Xに関する回転を止めるように固定するとき、鉛直、すなわち、道路に対して垂直な方向において変位することができる。その変位量は、たかだか1cm、2cm、又は5cmである。
トーションバー18は、10kN.m.deg
−1、15kN.m.deg
−1、又は20kN.m.deg
−1を超える角度剛性を有する。
【0061】
この明細書では、トーションバー18を参照するときに用いられる文言「バー」は、トーションバーを明確に示す。この技術分野に属する通常の知識を有する者(当業者)は、剛性の有るバーであっても、もし、十分に高いトルクを用いるとねじれ変形することを知っている。
【0062】
トーションバー18は、後側車軸系22の車輪と異なる位置に設けることができる。例えば、後側車軸系22のトーションバー18は、車輪30、32の位置とよりも自動車2の後部に位置することができる。連結バー60は、アーム(レバー)50、52の反対方向に延びる。より確実には、トーションバー18は、自動車2の後端と回転軸35、37との間に位置する。言い換えると、連結バー60の平面Pへの直交投影は、軸Xを含む鉛直な平面に対して位置する。その反対側に、バー50、52の同じ平面Pへの直交投影は位置する。この構成では、連結バー60と、レバー50、52とが、それらが一連動作をするとき、同じ鉛直方向に動作中に移動するために、後側車軸系22は、トランスミッション装置をさらに含む。例えば、鉛直的な移動をする構成要素は、鉛直な平面における、この構成要素の直交投影の変位として定義されている。
【0063】
もし、連結バー60が自動車2の後方に延びつつレバー50、52がその反対方向、自動車2の前方に延びる場合、トーションバー18が回転するとき、これは、鉛直的な変位をする方向の反対側に上昇する。このようなケースでは、車輪キャリヤ34、36が、車台4にさらに接近するとき、後方連結器12は、車台4から離れるように移動し、道路10へ接近する。後方連結器12は、道路10に対して相対的に、実質的に一定の高さではない。これを回避するため、トランスミッション装置は、接続部に設けられており、当該接続部は、トーションバー18と、レバー50、52との間の接続部、又は、トーションバー18と連結バー60との間の接続部である。
【0064】
このトランスミッション装置は、例えば、2つの噛み合うギヤであり、当該ギヤは、それらの間に平行な回転軸に関して、反対側の回転方向に、旋回するために用いられている。例えば、当該ギヤの一方は、トーションバー18に自由度無く取り付けられており、当該ギヤの他方は、連結バー60に自由度無く取り付けられている。そのため、車輪キャリヤ34、36の遠隔位置から近接位置への変位は、後方連結器12を反対方向ではなく、低位置から高位置への変位をさせるように、駆動する。
【0065】
トーションバー18は、トーションバー18と、車台4、及びレバー50、52の少なくとも一方との間の接続部に遊びを与えるため、軸Xに関して僅かなズレを有する。トーションバー18は、例えば、軸Xに関するギャップを備え、当該ギャップは、20°、10°、又は5°より小さく、好ましくは、3°、又は1°よりも小さい。
【0066】
前側車軸系20及び後側車軸系22は、異なっていてもよい。特に、前側車軸系20、後側車軸系22は、異なるジオメトリのサスペンション系を含む。前側車軸系20は、この前側車軸系20の車輪を旋回させるための旋回装置をさらに含んでもよい。
【0067】
サスペンション系38、40は、異なっていてもよい。例えば、サスペンション系は、ウィッシュボーン式、車軸懸架式、又はテレスコピック式によって利用することができる。サスペンションのダンパは、異なるように車輪キャリヤに、直接、又は非直接に接続することができ、この接続では、例えば、複数のアーム、ウィッシュボーン、又は、複数のコネクティングロッドの方法を用いる。
【0068】
レバー50、52は、硬直なバーである必要は無く、テレスコピックダンパを備えてもよい。
【0069】
連結バー60は、異なっていてもよい。連結バー60の長さは、乗数的因子F’の長さよりも短くなるように短縮してもよい。このケースでは、乗数的因子F’と等しい乗数的因子によってレバー50の移動を増加させるため、減速ギヤ84は、乗数的因子F’により置換され、角度βにおける状態が充足される。そのため、後方連結器12の高さが維持される。
【0070】
減速ギヤ84は、異なる位置に設けることができる。例えば、連結バー60とトーションバー18との接続部に設けることができる。