(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複合軌道は、前記車両が前記画面を過ぎるまで前記画面の前記表示面が前記乗り物車両の方を向いたままにするようになっており、前記投影システムは、前記表示面上の前記画像を前記乗り物車両内から観察できるように、前記複合軌道の少なくとも一部を通じて前記画面上に前記画像を投影し続けるように構成される、
請求項2に記載のシステム。
前記投影システム又は前記制御システムは、前記投影画像に対応するデータに歪み補正機能又は遠近補正機能を適用して、前記画像が前記複合軌道の少なくとも一部に沿って前記画面上に実質的に歪みのない形で再現されることを可能にするように構成される、
請求項3に記載のシステム。
前記画面の前記表示面上に投影される前記画像は、前記複合軌道の少なくとも一部によって決定される動作経路に基づく前記画面の動きを考慮して前処理され、該前処理は、前記画面の前記壁部から離れる動きを隠すように前記画面及び前記壁部のそれぞれの縁部の融合を可能にする、
請求項7に記載のシステム。
前記制御システムは、前記投影システム及び前記乗り物車両に通信可能に結合され、前記1又は2以上の処理装置は、前記乗り物車両の動作、前記作動システム及び前記投影システムを連携させて、前記乗り物車両を前記湾曲壁部に向かって進行させ、前記表示面及び前記さらなる表示面上に1又は2以上の画像を投影させ、前記乗り物車両が前記経路に沿って移動して前記湾曲壁部を通過する際に、前記作動システムに前記画面を前記複合軌道に沿って前記経路外に移動させる命令を実行するように構成される、
請求項7に記載のシステム。
前記ロボットアームは、可動連結器を介して接続された一群の剛性部材を含み、前記剛性部材のうちの第1の剛性部材は、第1の可動連結器を介して間接的に床に固定され、前記経路は、前記床に固定された第1の線路によって定められ、前記乗り物車両は、前記線路上を移動して前記経路に沿って動くように構成され、前記第1の剛性部材は、前記第1の線路に隣接して位置する、
請求項1に記載のシステム。
前記乗り物車両に面した前記表示方向に前記画面を用いて前記画像を表示するステップは、前記乗り物車両の前記経路に沿った前記移動の前記第1の部分の最中に、1又は2以上の投影装置を有し、前記第1の複合軌道の少なくとも一部を通じて前記画面上に前記画像を投影するように構成された投影システムを用いて前記画面上に前記画像を投影するステップを含む、
請求項14に記載の方法。
前記乗り物車両の前記移動の前記第1の部分の最中に、前記画面が前記経路を塞いでその静止位置にある時に前記画面によって一部が形成される湾曲した少なくとも部分的な筺体内に前記乗り物車両を移動させるステップと、
前記投影システムを用いて、前記少なくとも部分的な筺体の表面上に1又は2以上の画像を投影し、該1又は2以上の画像が前記乗り物車両を少なくとも部分的に取り囲んでいるように見えるようにするステップと、
前記画面を、前記少なくとも部分的な筺体に開口部を形成するように前記第1の複合軌道に沿って移動させ、前記乗り物車両の前記移動の前記第2の部分の最中に前記開口部を通じて前記乗り物車両が移動するようにするステップと、
を含む請求項16に記載の方法。
前記画面が前記第1の軌道に沿って前記乗り物車両の上方に移動する際に、前記画面上に前記画像を投影し続けるステップを含み、前記画像は、前記画面が前記乗り物車両の上方に存在する時に前記画像が前記画面によって実質的に歪みのない形で表示され続けるように補正される、
請求項17に記載の方法。
少なくとも前記ロボット作動システム及び前記投影システムと通信する制御システムをさらに備え、該制御システムは、前記ロボット作動システムに、前記投影システムを用いた前記画面上及び前記湾曲壁部上への前記画像の投影に同期して前記第1の位置と前記第2の位置との間の複合軌道に沿って前記画面を移動させるように構成された1又は2以上の処理装置を含む、
請求項20に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
いくつかの遊園地アトラクションでは、画像又は小道具などのショーの様々な特徴部分を含むエリアを来園客が歩いて又は乗り物で通り抜けることができる。本開示の態様では、このようなエリアが、家、トンネル、鉱山、学校、部屋、又は来園客が進入できる別の構造のように見えるようにテーマ化された1又は2以上の壁部を有する完全な又は部分的な筐体を含むことができる。ある実施形態では、壁部の少なくとも1つが、来園客のシミュレート環境への没入感を高めるように、来園客に画像を表示するために使用される複雑な(例えば、不規則な)表面、又は表面の組み合わせを含むことができる。このような壁部は、壁部の少なくとも一部がディスプレイ画面として機能する「ショー用壁部」と呼ぶことができる。例えば、壁部は、内部に来園客を位置付けることができる部分的な又は完全なドームを形成するように湾曲することができる。別の例として、筐体は、いくつかの線形の又は不規則な壁部と、外見的に没入できる環境をシミュレートするために利用される湾曲した表示面とを含むことができる。壁部は、例えば、乗り物車両の乗客の視界内の経路区域を覆う部分的な筐体とすることも、又は全ての潜在的視界方向を完全に覆う完全な筐体を形成する他の壁部とすることも、或いはこのような壁部と組み合わせることもできる。しかしながら、本開示は、ショー用壁部が湾曲していない(例えば、真っ直ぐな)構成にも適用可能である。このような実施形態では、ショー用壁部が、必ずしも単独で筐体を形成せず、筐体の一部又は独立壁とすることができる。
【0012】
従って、このような壁部(例えば、独立壁、或いは部分的又は全体的筐体)は、来園客に高度な体験を提供することができると認識されるが、状況によっては、特定の乗り物アトラクションの異なるエリアを隔てる上で壁部の効果をさらに高めるために、壁部の湾曲部分を通じた動きを制御するドアを慎重に制御しなければならないことも認識される。例えば、少なくとも部分的に壁部によって定められたエリア内に来園客が入った時に、この壁部が、壁部の別の側の娯楽用乗り物の他の区域から来園客を光学的に隔離する(例えば、娯楽用乗り物の少なくともいくつかの他の区域が来園客に見えないようにして壁部の別の側からの光を阻む)ようにすることができる。すなわち、壁部を通じたあらゆる見通し線を避けるために、或いは内部に来園客が存在している間に、壁部を用いて形成された部分的又は全体的な筐体に光が入り込むのを避けるために、壁部はできる限り外部環境に続いている(例えば、閉じられている)ことが望ましいと思われる。
【0013】
なお、部分的な筐体を形成するように湾曲した壁部、又は実施形態によっては真っ直ぐな壁部は、例えば経路の前方区域(すなわち、乗り物車両が乗客に経路を見えるようにする方向)の光を隔絶するが、必ずしも経路の後方区域(すなわち、乗り物車両が乗客に経路を見えないようにする方向)などの光を隔絶するわけではない。この点に関し、本明細書で使用する「壁部」の開示は、部分的な又は完全なドーム、或いは共に接続された複数の壁部(例えば、共に接続された3つの壁部)のうちの少なくとも1つの真っ直ぐな又は湾曲した壁部などを含むことができる。
【0014】
比較的真っ直ぐな(平らな)壁部を通る門では、たとえそれが斜めであっても従来のドア機構(例えば、1又は2以上のヒンジを介して残りの壁部に接続されたドア)を用いて乗り物アトラクションの異なる区域を互いに十分に隔離することができるが、本方法は、これらの構成においても隔離を強化することができる。しかしながら、本開示の態様において使用するような湾曲構造では、このようなヒンジ機構を介した閉鎖が十分又は適切でない場合もある。実際に、ドアも壁も湾曲し、又はこれらの縁部形状が不規則な(例えば、真っ直ぐでない)実施形態では、このようなヒンジ式密閉機構の信頼性が低くなり、ドア及び壁部の様々な部分に機械的応力が加わる恐れがある。さらに、ドアが壁部の一部(例えば、全体的筐体、又は部分的筐体)を形成し、ドア及び壁部を用いて連続画像を表示する(例えば、「ショー用筐体」、「部分的ショー用筐体」、又は「ショー用ドア」を有する「ショー用壁部」)実施形態では、画像の不連続性を緩和するために、ドアと壁部の間の許容差を非常に厳しくすることが望ましいと考えられる。このように、本明細書で説明するショー用ドアは、「画面」という用語と同義的に使用することができ、ショー用ドアが来園客に対して画像を表示するディスプレイ画面であり、又はこのようなディスプレイ画面を別様に含むことを示すように意図するものである。従って、「ショー用ドア」の開示は、「画面」の存在を示すようにも意図されている。
【0015】
従って、本開示によれば、(例えば、壁部を完成させるために)3次元空間を通じた1又は2以上の複雑なドアの軌道を用いて、壁部からのドアの移動及び壁部へのドアの復帰を行うことができると認識される。例えば、ある実施形態では、ドアの引き込み及び壁部の開口部への近付けが比較的直線で行われるようにする(移動の場合と復帰の場合とで同じであっても異なってもよい)軌道でドアの移動及び復帰が行われるが、この軌道は、他の方向の動きを含むこともできる。ドアの少なくとも1回の並進及びドアの少なくとも1回の回転を含むドアの複雑な軌道は、作動システムを用いて引き起こすことができる。本開示の態様では、作動システムが、4つ、5つ、6つ、7つ又は8つ以上などの少なくとも3つの機械的自由度を有するロボットアクチュエータを有するロボット作動システムを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、ロボットアクチュエータが、回転軸受及びヒンジなどを含むことができる可動連結器によって互いに接続された複数の剛体を含むことができる。一例として、ロボットアクチュエータは、上述した自由度をもたらすために2つ〜6つの剛体を含むことができる。特定の例として、ロボットアクチュエータは、2又は3以上の肘状のヒンジ機構(例えば、機械的蝶番関節)と、2又は3以上の手首状の完全回転機構(例えば、機械的旋回関節)とを有するロボットアームを含むことができる。このような作動システムを用いてドアを動かすことにより、ドアと壁部とを結合する1又は2以上のヒンジ機構のみによって動きが制約される構成と比較して、ドアの移動及び復帰を非常に再現性が高く優れた精度で行うことができる。さらに、作動システムを用いて複合軌道に沿ってドアを動かすことにより、ショー用ドアが移動中の場合でも、ショー用ドアによって来園客にさらなる視覚効果を与えることもできる。
【0017】
なお、本開示は、ショー用壁部(例えば、真っ直ぐな壁部、或いは全体的又は部分的筐体)がショー用ドアを含む多くの異なる設定に適用されるように意図されており、これらの両方は、来園客に没入型シミュレーションを提供するために使用される。また、「ショー用ドア」という用語の使用は、壁部(例えば、部分的な又は完全なドームを形成する湾曲壁)によって隔てられた2つの遊園地アトラクション区域間の遷移を可能にするように機能すると同時に、来園客がドアを通過する際に来園客に対して画像(例えば、静止画像又は動画像)を表示するようにも機能するドアを示すように意図されている。
【0018】
本方法の様々な機能を示すために、遊園地のエリアを通じて来園客を運ぶ1又は2以上の乗り物車両を含む乗り物アトラクションシステムに関して本技術を説明する。
図1は、このような遊園地乗り物アトラクション10の実施形態を示す概略図である。図示のように、アトラクション10は、アトラクション10を通る経路14を形成する線路12を含む。単純にするために、線路12は、アトラクション10の入口から出口に及ぶ異なる分割区域を有するものとして示しているが、
図1に明示する特徴と同様の又は異なる他の区域を含むこともできる。さらに、配線、支持体などのいくつかの特徴は、明確にするために省略している。しかしながら、このような特徴も、図示のアトラクション10内に含まれることが意図されている。また、
図1に示す実施形態は、線路が存在しなくても乗り物車両16が1又は2以上の移動方向などに移動できるように定められた経路を含む構成も含むことが意図されている。経路は、環境的特徴、電子制御及びセンサなどを用いた予めプログラムされた作動、又は他のいずれかの適当な機構によって定めることができる。
【0019】
1又は2以上の乗り物車両16は、線路12に結合される(例えば、線路12上に配置又は懸架される)ことにより、アトラクション10を通じて経路14をたどる。乗り物車両16は、来園客のための座席又は別の固定機構と、乗客の体験を向上させるための他の特徴(例えば、視覚効果、聴覚効果及び/又は触覚効果)とを含むことができる。一例として、来園客の注意をアトラクション10の異なるエリアに向ける可聴キューを提供するようにスピーカを設けることができる。乗り物車両16は、乗り物車両16を線路12に沿って(例えば、順方向18及び逆方向20に)動かすように構成された電気機械式及び/又は電磁式の作動システムを含むこともできる。いくつかの例では、このような作動システムを、さらなる動きを生じてさらなる物理的効果をもたらすように(例えば、乗り物車両16にロール、ピッチ又はヨーの動きをもたらすように)構成することができる。
【0020】
図1の乗り物車両16は、自動化コントローラ(例えば、プログラマブルロジックコントローラ)を含むことができる制御システム22と通信するように示している。この通信は、有線及び/又は無線とすることができ、制御システム22は、車両16の停止、移動などを引き起こす制御信号を乗り物車両16に送信することができる。実際に、制御システム22は、乗り物車両16に含まれる装備のいずれか1つ又はこれらの組み合わせを部分的に又は完全に制御することができる。
【0021】
これに加えて、又はこれとは別に、他の機構を用いて乗り物車両16の動きを制御することもできる。例えば、いくつかの実施形態では、制御システム22を線路12に通信可能に結合して、制御システム22が線路12の様々なシステムに制御信号を送信できるようにし、これらのシステムが乗り物車両16を移動(又は停止)させるようにすることもできる。例えば、制御システム22は、様々な電気機械式及び/又は電磁式アクチュエータを通電させることによって乗り物車両16を移動又は停止させ、或いはさらなる触覚効果、聴覚効果又は触覚効果を与える制御信号を乗り物車両16及び/又は線路12に送信することができる。いくつかの実施形態では、線路12上で乗り物車両16をモーションベースに移動させ、そこで乗り物車両16を休止させることもできる。このモーションベース上に存在する間、制御システム22は、モーションベースの作動システムなどのさらなるシステムに、様々なピッチ、ロール及びヨー状の動きで乗り物車両を動かして経路に沿った移動をシミュレートさせることができる。いくつかの実施形態では、このシミュレーションを、モーションベースの動きに合わせて乗り物車両16にシミュレーション経路を表示するように構成された壁部及び/又は筐体と組み合わせて行うことができる。
【0022】
実際に、制御システム22は、乗り物車両16の動きと、乗り物アトラクション10の一部である他のシステムとを連携させることができる。制御システム22は、例えばメモリ24(例えば、協働する1又は2以上の記憶装置を含む非一時的機械可読媒体)及びプロセッサ26(例えば、協働する1又は2以上のプロセッサ)を含む処理回路によってこのような連携を行うことができる。メモリ24は、例えば線路12、乗り物車両16、及び乗り物車両16に乗っている来園客を楽しませるために使用される様々な特徴の動作を連携させるようにプロセッサ26によって実行可能な記憶命令を含むことができる。このようにして、制御システム22は、メモリ24に記憶された命令、及びこれらの命令を実行するように適切に構成されたプロセッサ26を通じてこれらのタスクを実行するように構成することができる。従って、制御システム22によって行われる行為に言及する場合、このような行為は、処理回路が適切な命令を実行していることを示すように意図されていると認識されたい。
【0023】
本明細書で説明する制御動作は、いずれかの装置又は装置の組み合わせが、これらを実行できるように適切にプログラムされた回路及び関連装備を含むのであれば、これらの装置を用いて実行することができる。特定の例として、制御システム22は、1又は2以上のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)及びいずれかの適当なネットワーク機器を含むことができる。このようにして、PLCは、再現性のある結果を達成するために特定の一連の動作がシステムによって行われる、製造ライン(例えば、組み立てライン)に利用される制御システムと同様の形でアトラクション10の異なる要素を制御することができる。実際に、現在では、アトラクション10の他の特徴の中でも特に、ショー用壁部32の一部を形成するショー用ドア30の反復的な移動及び復帰を行うために使用されるロボット作動システム28を制御するために、このようなコントローラが望ましいと認識されている。なお、ショー用壁部32は、壁部が湾曲することができ、従って乗り物車両16が進入する部分的な又は完全な筐体を形成できることを示すために、関連する開口部を含むブロックとして示している。しかしながら、本開示は、ショー用壁部32が真っ直ぐである実施形態も含むように意図されている。
【0024】
一例として、制御システム22は、乗り物車両16を線路12に沿って順方向18に、ショー用壁部32に向かって(例えば、部分的な又は完全な筐体に向かって)動かすことができる。制御システム22は、ロボット作動システム28を用いて、この動きをショー用ドア30の動きと連携させることができる。例えば、乗り物車両16が(例えば、壁部32を用いて少なくとも部分的に定められた区域に進入するために)ショー用壁部32に近づくと、制御システム22は、ショー用ドア30を、乗り物車両16の経路14を塞ぐ静止位置(例えば、経路14の前方区域)に維持することができる。この位置は、乗り物車両16の経路14に沿った動きの第1の部分ということができ、この位置ではショー用ドア30が動かず、これを用いて乗り物車両16の一般的方向に画像を表示することができる。いくつかの実施形態では、この静止位置を、上述したようなモーションベース上とすることができる。
【0025】
乗り物車両16の経路14に沿った動きの第2の部分中には、制御システム22が、ショー用ドア30を経路14外に動かす制御信号をロボット作動システム28に送信することにより、乗り物車両16は、ショー用壁部32の門34、すなわち開口部から出ることができるようになる。以下でさらに詳細に説明するように、ロボット作動システム28によるショー用ドア30の動きは、ショー用ドア30が(例えば、壁部32に向かう、及び/又は壁部32から離れる)少なくとも1つの並進36と、少なくとも1つの回転38(例えば、中心軸を中心としたショー用ドア30の傾き)とを含む複合軌道をたどるようなものとすることができる。
【0026】
ロボット作動システム28は、ショー用ドア30のさらなる又は過度の動きを可能にするために、一般に乗り物車両16の順方向18及び逆方向20に変位することもできる。例えば、ロボット作動システム28は、経路14に沿ったロボット作動システム28の並進によってショー用ドア30を順方向18に動かすことができる。この動きは、乗り物車両16の順方向18の、ただし線路12の長さの一部のみにわたる(例えば、乗り物車両16の1台分〜5台分の長さの)動きと同期することができる。ショー用ドア30は、このように変位することにより、乗り物車両16が完全に筐体から出た後、又は壁部32を通過した後でも乗り物車両16に向かって画像を表示し続けることができる。
【0027】
経路14に沿ったロボット作動システム28の並進運動は、少なくとも作動システム28のロボットアームを経路14に沿って動かすことができるいずれかの機構を用いて達成することができる。例えば、ロボット作動システム28のロボットアームは、乗り物車両16の動きの一部と同期して経路14に沿ってアームを並進させる線路又は摺動機構に結合することができる。通常、ロボット作動システム28の動きは、制御システム22を用いて制御されるが、他の制御機構を設けることもできる。
【0028】
なお、本開示は、単一のロボット作動システム28(又はアクチュエータ)の使用、又は単一のショー用ドアの使用に限定されるものではない。例えば、いくつかの実施形態では、ショー用壁部32によって部分的に定められる筐体への入口40(又は異なる方向のための異なる出口)を形成するように別のドアが動くこともできる。実際に、ショー用壁部32は、ショー用壁部32に対応するアトラクション10の区域を通過するための複数のドアを含むことができる。ドアを動かすことによって入口40を形成する場合、このドアは、ショー用ドア30と実質的に同様に(例えば、ロボット作動システム28又は別の作動システムによって)操作されるショー用ドアであっても、又はそうでなくてもよい。このような構成では、この入口40を形成するさらなるドアが、乗り物アトラクション10の別の区域からの出口にも対応することができ、このドアを使用して、ショー用ドア30及びショー用壁部32と比べて異なるテーマ又は異なる一連の画像を表示することができる。さらに別の実施形態では、ショー用壁部30が、湾曲してはいるものの経路14の区画を完全に包囲していない時などには、入口40を恒久的開口部とすることもできる。
【0029】
いくつかの構成では、例えば乗り物アトラクションのテーマによって、(例えば、ショー用壁部32及びショー用ドア30に向かう)乗り物車両16の動きの第1の部分と、(例えば、ショー用壁部32を通過する)乗り物車両16の動きの第2の部分とを遅延によって分離することができる。一例として、乗り物車両16は、ショー用壁部32を用いて形成された完全な又は部分的な筐体内で一時停止することができる。この一時停止中には、ショー用壁部32の表示面42から乗り物車両16に向けて画像を表示することができる。実際には、乗り物車両16がショー用壁部32内又はその前方で一時停止しない状況であっても、ショー用壁部32は、表示面42上にこのような画像を表示することができる。表示面42は、ショー用壁部32の内面(例えば、湾曲した壁部の凹んだ側の表面)のほんの一部とすることも、又はショー用壁部32の内面全体とすることもできる。さらに、上述したように、ショー用ドア30は、その静止位置にある時には、壁部32の一部を形成することにより、表示面42が壁部32とショー用ドア30との間の結合部を越えて実質的に連続するように表示面42の一部を形成することができる。
【0030】
表示面42は、あらゆる画像提供技術を使用することができ、非限定的な例として、プロジェクタが画像を投影する投影面、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LEDディスプレイ)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、電界発光ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル、電子インクディスプレイ、又はこれらの及び/又はその他の表示技術のいずれかの組み合わせを含むことができる。本開示の1つの態様では、表示面42が、表示面42と同じ側又はその反対側に存在することができる投影面46に投影画像44が入射するプロジェクションスクリーンを含むことができる。
【0031】
少なくとも部分的に制御システム22の制御下にある1又は2以上のプロジェクタ50を含む投影システム48は、投影画像44を生成することができる。投影システム48は、投影画像44に対応するデータを、例えば非一時的機械可読媒体上に記憶することができ、或いは制御システム22又は別個の媒体記憶装置からのデータに単純にアクセスし、又はこのようなデータを受け取ることができる。動作例として、制御システム22は、ショー用壁部32によって形成された部分的筐体に乗り物車両16を進入させて、このような筐体内で乗り物車両16を一時停止させ、投影システム48に投影画像44を生成させることによって表示面42を介して乗り物車両16に対して画像を表示させる命令を実行することができる。その後しばらくして(又は間髪入れずに)、制御システム22は、車両16をショー用壁部32の門34に向かって進行させ、ロボット作動システム28に、ショー用ドア30を複合軌道に沿って経路14外に移動させる命令を実行することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、制御システム22が、乗り物車両16内の来園客を楽しませ続けるために、(例えば、ショー用ドア30がその静止位置にある時と比べて)ショー用ドア30が移動中であって乗り物車両16に対して異なる配向にある時でも、投影システム48にショー用ドア30上に画像を投影させる命令を実行することもできる。例えば、制御システム22は、投影画像44がショー用ドア30上に斜めの角度で入射する際に画像が実質的に歪みなく表示されるように画像を表すデータを調整する命令を実行することができる。例えば、ショー用ドア30が乗り物車両16の上方又は下方に存在して、ショー用ドア30の表示面が乗り物車両16に向いている場合には、投影画像44に、投影画像44とショー用ドア30との間の大きな入射角によって生じるはずの画像の伸張を補正する補正係数を適用することができる。このように画像を表示し続けることによってアトラクション10の娯楽性が高まり、乗り物車両16上の来園客にとって一層楽しい体験を与えることができる。
【0033】
図2に、乗り物アトラクション10のさらに具体的な実施形態の概略図を示す。具体的には、図示の乗り物アトラクション10は、ショー用壁部32の実施形態に対応する湾曲構造を含む。さらに具体的には、このショー用壁部32は、いくつかの実施形態では頂部区域60及び底部区域62などの異なる湾曲度を有するエリアを含むことができるドーム状構造を含む部分的な筐体である。図示の実施形態では、頂部区域60を壁部32の湾曲部分と見なすことができる一方で、底部区域62は、壁部32の基部の役割を果たすことができるとともに、投影システム48の部分、配線及び通気孔などの様々な設備を含むこともできる。
【0034】
図示のように、ショー用壁部32は、少なくとも底部区域62の上方の領域において、順方向18における壁部32の反対側の見通し線の存在を軽減する。換言すれば、
図2の実質的な光の隔絶は、方向18に沿った乗客の視界を遮る(例えば、ショー用ドア30が壁部32と共に適所に存在する時に形成される)連続的な投影面の存在を示すように意図されている。いくつかの実施形態では、壁部32の内部に投影システム48以外に外部ソースからの実質的な照明が存在しないこともある。
【0035】
ショー用ドア30は、上述したような連続投影面を可能にするために、その静止位置においてドア30の縁部と壁部32との間に空間がほとんど存在しないように、ショー用壁部32と嵌まり合う形状を有するように設計することができる。このように、ショー用ドア30も、ショー用壁部32と同様に湾曲する。具体的には、図示の実施形態では、ショー用ドア30が、湾曲した縁部64と、(順方向18に対して測定した時に)凹んだ湾曲部とを含む。ショー用ドア30の湾曲した縁部64と、壁部32の対応する湾曲した縁部66との間の許容差(例えば、ショー用ドア30がショー用壁部32に嵌まり込んだ際のこれらの縁部間の距離)は、0.1〜0.5センチメートルなどの1センチメートルを超えないほどとすることができる。上述したように、このような許容差は、ドアが壁部に直接ヒンジ結合された単一のヒンジ式閉鎖機構を用いて達成できない場合があり、或いは少なくとも連続表示面を形成するのに必要な形で再現することができない。さらに、ショー用ドア30とショー用壁部32との間の嵌合は、締まり嵌めを形成するように縁部64、66にテーパ付けすることによって実現することもできる。このような実施形態については、
図5に関して以下でさらに詳細に説明する。
【0036】
ショー用ドア30の表示面68は、開口部34を形成するようにショー用ドア30がロボット作動システム28によって引っ込められた時に、概ね逆方向20を向くように示している。しかしながら、以下で詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、ロボット作動システム28が、乗り物車両16がショー用ドア30を完全に通過してしまうまで表示面68が乗り物車両16の方を向くようにショー用ドア30を操作することもできる。いくつかの実施形態では、ロボット作動システム28が、表示面68が乗り物車両16の前方部分に向くように、又は乗り物車両16の前方部分に向かって傾斜するようにショー用ドア30を操作することができる。乗り物車両16の前方部分がショー用ドア30を通過すると、ロボット作動システム28は、(例えば、ショー用ドア30を壁部32と嵌合した関係に戻すように)表示面68の向きを変えることができる。
【0037】
上述したように、ロボット作動システム28は、ショー用ドア30を操作するように協働してアーム状構造を成す複数の相互接続された剛体を含むことができる。一般に、ロボット作動システム28は、ショー用ドア30への単一の付着点70を用いて(ただし、さらに多くの付着点が存在することもある)複数の自由度を可能にすることができる。図示の実施形態では、ロボット作動システム28が、ショー用ドア30の複合軌道の周囲における壁部32から離れる動き、及び壁部32に向かう動きを協働的に可能にする6つの異なる回転軸を含む。現時点では、4つ〜6つの自由度などの少なくとも4つの自由度があれば、本明細書で説明した形でのショー用ドア30の非常に再現性の高い正確な動きが可能になることが認識されている。図示の実施形態などの1つの実施形態では、6つの回転自由度が、本明細書で説明するショー用ドアの効果を高めることができる。
【0038】
ロボット作動システム28は、ロボット機構74(例えば、ロボットアクチュエータ/アーム)が取り付けられた基部72を含むことができる。基部72は、計算装置(例えば、プロセッサ及びメモリ)、電源、ヒューズ、サーボ機構、配線、熱管理装置、信号変換器、外部装置に接続するための接続パネルなどの様々な装備を収容することができる。計算装置は、ロボット機構74の複数の剛体のうちの単一の剛体を単独で作動させることにより、様々な軸を中心とする、又は様々な軸に沿ったショー用ドア30の動きを引き起こすように構成することができる。図示のロボット機構74は、基部72に固着された第1の剛体76を含み、基部72は、乗り物アトラクション10のプラットフォーム又は床78にさらに固定される。このように、たとえロボット機構74の部分が回転できる場合でも、第1の剛体76は、床78に沿って移動できないこともある。しかしながら、上述したように、ロボット作動システム28(例えば、基部72)は、床78に沿ってロボット機構74を例えば順方向18及び逆方向20に並進させることができる線路又は摺動機構、或いは別の機構を含むこともできる。例えば、この並進は、線路12に沿った乗り物車両16の1台分〜5台分の長さに制限することができる。
【0039】
ロボット機構74の様々な可動部品は、電気機械式、空気式、油圧式、電磁式などのいずれかの適当なタイプのエネルギー移送機構を用いて作動させることができる。従って、いくつかの実施形態では、基部72が、電力変換器、圧縮機、磁石などの、このような作動を可能にする適当な装備を含むことができる。図示の実施形態では、ロボット機構74の異なる剛体の作動が、専ら電気機械的に駆動される。
【0040】
次に、ロボット機構28の様々な部分を参照すると、第1の剛体76は、第1の手首状連結器又は手首軸と見なすことができる第1の回転連結器82を介して第2の剛体80に結合される。一般に、第1の回転連結器82は、床78から第1の剛体76の中心を通って定められる(順方向18に対して垂直な)垂直軸を中心とする完全な360度の回転を可能にする。しかしながら、制御システム22(
図1)は、例えば壁部32との衝突を避けるために、或いはショー用ドア30の移動とその復帰との間の時間を延ばす不必要な動きを防ぐために、第2の剛体80の回転を抑制するさらなるフィードバックを提供することができる。他の実施形態では、ロボット作動システム28の様々な計算装置(例えば、基部72の計算装置)によってこのような抑制を行うことができる。一般に、第1の回転連結器82は、ロボット機構74の可動部分全体及びショー用ドア30を壁部32の方に、及び壁部32から離して動かすものであると考えることができる。実際に、第1の回転連結器82は、ショー用ドア30の複合軌道の線形部分、すなわち3次元空間を通じたショー用ドア30の並進に対する重要な寄与因子とすることができる。
【0041】
第2の剛体80は、第2の回転自由度を可能にするために、第1のヒンジ連結器86を介して第3の剛体84に結合される。第1のヒンジ連結器86は、上述した垂直軸に交差するように配向されているがそこからオフセットされた軸を中心とした回転を可能にすることができる。一般に、第1のヒンジ連結器86を中心とする第3の剛体84の回転は、ショー用ドア30に結合されたロボット機構74の残り部分の高さを制御するとともに、第1の剛体76の垂直軸と概ね平行に配向された平面に沿ってショー用ドア30を回転させる。実際に、第1のヒンジ連結器86を中心とする回転は、ショー用ドア30を上下させることができる。図示の実施形態では、第3の剛体84を、第1の剛体76の垂直軸に対して、ショー用ドア30を線路12の上方に維持する90度を上回る角度に維持することができる。他の実施形態では、乗り物車両が線路12から懸架されている場合などに、第3の剛体84を第1の剛体76の垂直軸に対して90度未満の斜角などの一定の角度未満に維持することができる。
【0042】
第2のヒンジ連結器88は、第3の剛体84と第4の剛体90との間に形成される。第2のヒンジ連結器88は、第1のヒンジ連結器86と同じ平面内における回転を可能にする。しかしながら、第2のヒンジ連結器88とショー用ドア30への付着点70との間の距離が短いことにより、ショー用ドア30の傾きの精度を高めることができる。すなわち、第1のヒンジ連結器86は、第2のヒンジ連結器88に比べてショー用ドア30をより大きな円形変位で動かすことができる。また、一般に、第1のヒンジ連結器86及び第2のヒンジ連結器88は、ロボット機構74がショー用ドア30を乗り物車両16の経路外に除去できるようにすることができる。
【0043】
理解できるように、基部72から離れれば離れるほど、ロボット機構74が行える制御は細かくなる。従って、残りの連結器は、乗り物車両16及び壁部32に対するショー用ドア30の細かな制御及び位置決めのために使用することができる。図示の実施形態では、第4の剛体90が、第4の回転自由度を可能にする第2の回転連結器94を介して第5の剛体92に結合される。第3のヒンジ連結器96は、第5の剛体92と第6の剛体98とを接続して第5の回転自由度を可能にし、第3の回転連結器100は、(例えば、第7の剛体を介して)第6の剛体98をショー用ドア30への付着点70に接続する。
【0044】
一例として、ショー用ドア30をその(壁部32に嵌合した)静止位置から図示の位置に動かす複合軌道は、第2の剛体80からショー用ドア30までのロボット機構74の可動部分全体を円弧状に動かし、これによってショー用ドア30を大まかに方向18に沿った湾曲方向に動かすことができる、第1の回転連結器82を中心とする第1の回転を含むことができる。しかしながら、ロボット機構74によるさらなる回転は、このショー用ドア30の動きを実質的に線形にすることができる。
【0045】
第1のヒンジ連結器86を中心とする第2の回転は、ショー用ドア30と第3〜第6の剛体とを一般に線路12及び経路14から離して動かす。第2のヒンジ連結器88を中心とする第3の回転は、この動きを誇張する。第2の回転連結器94を中心とする第4の回転は、ショー用ドア30の底部102を線路12から離して傾けさせ、第3のヒンジ連結器96を中心とする第5の回転は、ショー用ドア30の左側縁部104と右側縁部106とを相対的に傾けさせる(例えば、ショー用ドア30の長手方向中心線を中心に左側縁部104を右側縁部106に対して持ち上げさせる)。この第3のヒンジ連結器96を中心とする第5の回転は、第1の回転連結器82を中心とする回転によって引き起こされる回転運動の一部をショー用ドア30の観点から実質的に線形にすることもできる。第3の回転連結器100を中心とする第6の回転は、ショー用ドア30の左側縁部104と右側縁部106とをその中心周りに相対的に傾けさせ、この場合も左側縁部104を右側縁部106に対して持ち上げる。
【0046】
ショー用ドア30を復帰させるには、同様の動きを行うことができる。しかしながら、ショー用ドア30を壁部32に復帰させるには、ショー用ドア30を壁部32から移動させるために使用した軌道をたどり直す(逆にする)必要はない。実際に、ショー用ドア30を復帰させる際には、第1の複合軌道と比べて同じ(すなわち同じ経路である)又は異なる(すなわち異なる経路である)第2の複合軌道に沿ってロボット作動システム28によってショー用ドア30を動かすことができる。
【0047】
図示の実施形態では、ショー用ドア30の表示面68が線路12から、従って乗り物車両16から離れた方向を向く形でショー用ドア30を示しているが、いくつかの実施形態では、制御システム22が、たとえショー用ドア30が壁部21から移動しても、ロボット作動システム28が表示面68を乗り物車両16の方に向け続けるようにすることができる。実際に、いくつかの実施形態では、ショー用ドア30が、たとえ乗り物車両16の上方に存在する場合でも乗り物車両16に対して画像を表示し続けることができる。
【0048】
この点に関し、ロボット機構74は、投影システム48のプロジェクタ50及び乗り物車両16に対するショー用ドア30の適切な方向的及び配向的関係を維持することにより、ショー用ドア30を介して乗り物車両16に画像が表示され続けるようにすることができる。また、上述したように、投影システム48によって画像として再現される媒体は、画像処理機能を用いて前処理し、投影画像44の領域を伸張及び/又は斜視化(squinching)することができる。ショー用ドア30の表示面68に投影した時には、画像が実質的に歪まないようにすることができる。すなわち、ショー用ドア30上及び/又はショー用壁部32上に画像を生成するために使用するデータは、画像の異なる領域を圧縮(斜視化)及び/又は拡大(伸張)、又は他のいずれかの歪み補正及び/又は遠近補正された状態にする1又は2以上のアルゴリズム(コンピュータベースの処理)を通じて前処理することができる。これらの様々な画像処理アルゴリズムは、例えば歪み補正及び遠近補正などの多くの目的を果たすことができる。さらに、以下でさらに詳細に説明するように、このような処理は、ショー用ドア30を用いたショー用壁部32の開放と閉鎖との間の遷移を少なくともある程度隠すことができる。
【0049】
図3は、ショー用ドア30がショー用壁部32から分離した後にショー用ドア30を用いて乗り物車両16内の来園客に画像を表示できるようにする方法の表現例である。具体的には、
図3は、乗り物車両16がショー用壁部16から出た後の車両内の乗客の視点を表すものと見なすことができる。図示のように、ショー用ドア30は、壁部32から離れてその縁部64と、ショー用壁部32の縁部66とをあらわにしている。ショー用ドアは、複合軌道を介して乗り物車両の
占有空間(例えば、乗り物車両に接触しないように乗り物車両によって確保された空間)から外に動かすことができるが、図示の実施形態では、ショー用ドア30が、概略図内で部分的に頭上に存在すると考えられ、その表示面上に画像要素100(例えば、雲)を表示し続けている。壁部32も、その表示面42上に画像要素100を表示している。
【0050】
図1に関して上述したように、表示面42、68上に表示する投影画像44を生成するプロジェクタ50を含むことができる投影システム48も、表示画像に対応するデータに対して何らかの処理を行うことができる。これとは別に、又はこれに加えて、制御システム22も、このような処理を行うことができる。一例として、このデータは、湾曲した両表示面42、68上に実質的に歪まない形で表示を行うように予調整することができる。データは、例えば異なるプロジェクタによって生成された投影画像44間の縁部融合を可能にするように、及び/又は異なる深さの表面を補正するように予調整することができる。
【0051】
例えば、壁部32の縁部66と表示面68との境界にわたる第1の画像要素112は、これらの2つの構造的特徴間の境界114(又は、遷移部)が容易に明らかにならないように前処理することができる。いくつかの画像要素の前処理は、例えば時間の関数としてのショー用ドア30の動作経路に基づくことができる。このように、ショー用ドア30が動作経路に沿って動くと、投影システム48(及び/又は、制御システム22)は、画像要素をもたらすデータを調整し、或いは、例えばプロジェクタ50とドア30との間の距離が増したことを考慮して投影画像要素の投影強度が増加するように調整し、角度付与及び動きなどを考慮してデータ及び/又は画像要素を調整することができる。
【0052】
これらの画像要素及び/又は要素の生成に使用するデータをこのように調整した結果、縁部66が明らかにならず、画像要素112によって隠すことができるようになる。このようなデータの予調整は、画像ルミネッセンス(例えば、異なる距離に存在する2つの異なる表面を異なる強度の投影によって照明すること)の差分の補正、異なる表示面42、68の異なる入射角の補正、及び乗り物車両16及び/又はドア30の動きに依存する色ずれの補正などを含むことができる。さらに、上述したように、個々の画像要素100は、表示面42、68のどちらを照明するかに応じて異なる程度に予調整することができ、この場合もやはり距離、配向などを考慮することができる。この点に関し、ショー用壁部32の閉じた状態から開いた状態への遷移を隠すように媒体を予調整することにより、異なる設定間で輸送される効果を高めることができる。乗り物車両16が壁部32から出た後、又は壁部32を通過した後には、図示の実施形態では壁部32の縁部66とショー用ドア30の破線の縁部とによって囲まれた重複部分に対応するショー用ドア30の残り部分が見えるようになる。
【0053】
上述したように、観察者に対する(例えば、乗り物車両16に対する)ショー用ドア30の特定の配向は、ロボット作動システム28(例えば、ロボット機構74)の関節要素によって生み出される少なくとも1つの並進36及び少なくとも1つの回転38を用いて生成することができる。これらの動きは、共に複合軌道118を形成し、その一例をショー用ドア30の横に示す(並進36は、その方向がページの奥に向かうことを表すように点で示している)。なお、複合軌道118は、並進36及び回転38を含むが、実際には、回転38は異なる複合回転を含む。具体的には、回転38は、並進方向によって定められる軸を中心としたものに限定されず、ショー用ドア30のさらなる回転(例えば、傾き)によって形成される並進方向から離れてそれる複合回転である。従って、図示の実施形態における回転38は、複数の軸を中心とした複合回転である。
【0054】
この場合も、制御システム22は、本明細書において説明した要素のいずれか1つ又は組み合わせを単独で、又は乗り物車両16、線路12、ロボット作動システム28及び投影システム48に関連する様々な処理装置/計算装置と組み合わせて連携させることができる。
図4に、アトラクションシステム10の動作方法130の例をブロックフロー図として示す。
【0055】
図示のように、方法130の実施形態は、部分的筺体を形成する壁部又は全体的筺体の壁部などの壁部に向けて経路(例えば、経路14)に沿って乗り物車両(例えば、
図1の乗り物車両16)を移動させるステップ(ブロック132)を含む。ある実施形態によれば、壁部が湾曲している。上述したように、経路は、乗り物車両が存在する線路によって定めることができるが、他の構成では、他の特徴を利用して乗り物車両による動きを制約することもできる。例えば、乗り物車両は、例えば環境的特徴によって定められた経路に沿った動きのための予め記憶されたコマンドを含むことができる。このような乗り物車両は、乗員及び車両を経路に沿って動かすための電気モータ又は他のタイプのモータを含むことができる。上述したような乗り物アトラクションでは、制御システム22が、ブロック132によって表される行為の全部又は一部を実行する際に、乗り物車両16を線路12に沿って動かすことができる。
【0056】
方法130は、乗り物車両の経路をショー用ドア(例えば、ショー用ドア130)で塞ぐステップ(ブロック134)を含むこともできる。ブロック134によって表される行為は、一例として、壁部と嵌合した状態でショー用ドアを位置付けて、壁部をショー用ドアによって完成させるステップ(ブロック136)を含む。一例として、ショー用ドア及び壁部は、乗り物車両の乗員に画像を表示する(ブロック138)ための連続表示面を形成することができる。他の実施形態では、ショー用ドア及び壁部のそれぞれの表示面を用いて別個の非連続画像を表示することができる。
【0057】
なお、壁部によって表示される画像は、静止したもの、すなわち変化しないものとすることも、或いは時間と共に変化するものとすることもできる。この点、ショー用ドアよって表示される画像も、壁部によって表示される画像と別個に又は協働して、変化しないものとすることも、或いは時間と共に変化するものとすることもできる。
【0058】
方法130は、乗り物の所定の時点において、例えば上述したような(少なくとも1つの並進と少なくとも1つの回転とを含む)複合軌道を用いて、ショー用ドアを乗り物車両の経路外に移動させるステップ(ブロック140)を含む。この移動中も、乗り物車両はショー用ドアに向かって動いて壁部を通過することができる。
【0059】
また、いくつかの実施形態では、方法130が、この複合軌道に沿ったショー用ドアの移動中に、ショー用ドアを用いて乗り物車両に画像を表示し続けるステップ(ブロック142)を含むことができる。上述したように、このような表示は、投影システム(例えば、
図1の投影システム48)による画像投影と、ロボットアクチュエータ(例えば、
図1の作動システム28)による複合軌道に沿ったショー用ドアの移動と、時間の関数としての乗り物車両、経路に沿った乗り物車両の位置、又はこれらの両方に対するショー用ドアの位置的及び配向的関係を考慮した画像予調整/補正とを連携させることを含むことができる。
【0060】
図5に関して、ショー用ドア30とショー用壁部32との間の嵌合、及びショー用壁部に対するショー用ドア30の動きをさらに理解することができる。具体的には、
図5は、ドア30が、壁部32との嵌合関係(図の一番下)と、一般に壁部32に対して斜めの方向に画像を表示する位置(図の一番上)との間で遷移する際のショー用壁部32及びドア30の断面を通じたビューを示すスキーム150である。
【0061】
上述したように、また
図5に示すように、いくつかの実施形態では、ショー用ドア30及び壁部32が湾曲することができる。これらの湾曲面間の嵌合を強化できるように、ドア30の縁部64と壁部32の縁部66とにテーパ付けすることができる。このテーパ付けにより、縁部64、66間に、ドア30と壁部32との間の接合部を通じて光が浸入するのを防ぐ嵌合関係152をもたらすことができる。基本的に、図示の実施形態では、この嵌合をドア30と壁部32との間の締まり嵌めと見なすことができる。従って、このような嵌合を生じるために、ドア30は、比較的真っ直ぐな動作経路に沿って少なくとも短距離にわたって動かすことができると理解すべきである。この場合も、ロボット作動システム28(
図1〜
図3)を用いてこのような動きを可能にし、その再現性を高める。
【0062】
縁部のテーパは、一般に壁部32及びドア30の最も最内部の表面の周囲長をより小さくすることによって形成される。すなわち、一般にこれらのそれぞれの表示面42、68の周囲長を、これらのそれぞれの外面154、156の周囲長に比べて小さくする。一般に、それぞれの外面154、156は、表示面の反対側の表面、又は乗り物車両の移動方向から離れた側を向く表面となるように定めることができる。
【0063】
図5の一番下から説明すると、壁部32及びドア30が嵌合関係で示されている。
図1及び
図4に関して上述したように、この関係にある場合、投影システム48は、それぞれの表示面42、68(或いは、構成によっては反対面)上に投影画像44を投影することができる。投影画像44は、表示面42、68上に比較的歪んでいない形で提示されるように画素マッピングすることができる。
【0064】
ドア30は、複合軌道118に沿って動く際に、壁部32との締まり嵌め結合からドア30を引っ張る少なくとも1つの並進36に沿って移動する。この場合も、このような嵌合は、連続表示(投影)面を形成するとともに、乗り物アトラクションの1つの区域を別の区域から実質的に光学的に隔絶することが望ましいと思われる。投影画像44は、引き続きショー用壁部32の表示面42上に表示することができる。しかしながら、ショー用ドア30が画像を表示し続ける実施形態では、ショー用ドア30上に投影される画像を、深さ補正した投影画像158とすることができる。この場合も、この深さ補正は、強度補正及び画素解像度補正などにより、プロジェクタ50(
図1)と壁部32との間、及びプロジェクタ50とドア30との間の投影距離の違いを考慮することができる。このようにして、深さの違いが明らかにならないようにすることができる。
図3に関して上述したように、ドア30と壁部32との間の縁部の遷移を隠すように一定量の縁部融合を行うこともできる。
【0065】
上述したように、ドア30は、その複合軌道に沿って進み続ける際にも画像を表示し続けることができる。図示の実施形態では、例えばドア30が、
図3に示すように乗り物車両16の上方に位置して(すなわち、乗り物車両が少なくとも部分的にドア30と床との間に存在して)表示面68を下方の乗り物車両の方に傾けるのとは対象的に、乗り物車両16の下方(すなわち、乗り物車両と床との間)の位置に遷移して、その表示面68を上方の乗り物車両16の方に傾けている。従って、表示面68上に表示される画像要素は、観察者の下方に位置し得る、例えば水などの特徴に対応することができる。
【0066】
最も上方の構成においてドア30上に投影される画像は、深さ及び配向を補正した投影画像160とすることができる。このような深さ及び配向の補正は、上述したものと同様の深さ補正を含むことができ、配向補正は、入射角の違い及び輝度のさらなる違いなどを考慮して提供される補正率を含むことができる。
【0067】
本明細書では、いくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲では、全てのこのような修正及び変更が本開示の実際の趣旨に含まれるものとして対象になると理解されたい。