(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の作動モードは、前記複数の圧電変換器要素の前記第1の部分集合を明示的に指定する情報を該シーケンス中に受信するデバイスとは独立するように構成されている、 ことを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
前記制御論理部は、前記複数の圧電変換器要素のあらゆる部分集合を明示的に指定するあらゆる情報を前記シーケンス中に受信するデバイスとは独立に該シーケンスに従って前記作動モードを連続的に構成することを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
前記制御論理部は、前記シーケンスに従って前記作動モードを連続的に構成し、圧電変換器要素のアレイの回転移動を模擬することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
前記制御論理部は、前記複数の圧電変換器要素がフェーズドアレイとして作動するように前記作動モードを連続的に構成することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
前記第1の作動モードは、前記複数の圧電変換器要素の前記第1の部分集合を明示的に指定する情報を該シーケンス中に受信する前記デバイスとは独立するように構成されている、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
前記シーケンスに従って前記作動モードを連続的に構成する段階は、前記複数の圧電変換器要素のあらゆる部分集合を明示的に指定するあらゆる情報を該シーケンス中に受信する前記デバイスとは独立であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
前記制御論理部は、前記シーケンスに従って前記作動モードを連続的に構成し、圧電変換器要素のアレイの回転移動を模擬することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
圧電超音波変換器デバイスは、高周波数で時間変化する駆動電圧に応答して振動する圧電変換器アレイを使用して、伝播媒質(例えば、空気、水、組織、骨、金属など)中に高周波圧力波を発生することができる。振動変換器アレイの露出した外面は、伝播媒質の近くに又は接触して配置され、露出外面の振動によって担持されるエネルギを伝播媒質中を1又は2以上の方向に沿って伝播する圧力波によって運ばれるエネルギに結合することができる。超音波変換器デバイスは、典型的には、人間の聴覚範囲を超える周波数の音波を発生する。しかし、一部の実施において、本明細書の説明に従って製造される圧電変換器デバイスを使用して、人間の聴覚範囲内又はそれ未満の周波数を有する音波を発生することができる。
【0010】
圧力波が伝播媒質内又は媒質間の境界で密度又は弾性率(又は両方)の変動に遭遇すると、圧力波は反射される。反射された圧力波の一部を変換器アレイの露出外面で捕捉し、超音波変換器デバイスの感知回路により感知される電圧信号へ変換することができる。感知された電気信号を駆動電圧信号と併せて処理して、伝播媒質内又は媒質間境界での密度又は弾性率(又は両方)の変動に関する情報を得ることができる。
【0011】
振動変換器アレイにおける各振動要素の振動を個々に制御し、それぞれの遅延時間及び周波数を用いて計時すると、望ましい形状、大きさ、方向、及び速度を有する波面を発生させることができる。振動要素のサイズ及びピッチ、変換器アレイのレイアウト、駆動周波数、及び振動要素のそれぞれの遅延時間及び位置を振動要素上で感知される電圧信号のそれぞれの強度及びタイミングと併せて使用して、伝播媒質内の密度又は弾性率(又は両方)の変動を決定し、かつ伝播媒質中で圧力波が遭遇した物体及び/又は構造的変動の位置、大きさ、形状、及び/又は速度を推測することができる。伝播媒質中の物体及び/又は構造的変動の位置、大きさ、形状、及び/又は速度に関する推測情報は、例えば、カラー又はモノクロの画像として外部表示デバイス上に提示することができる。超音波変換器デバイスは、例えば、医療診断、製品欠陥検出、低侵襲性手術機器などのような1又は複数の媒質内での内部構造的変動の撮像に関心がある多くの用途を見出すことができる。
【0012】
ある一定の実施形態は、複数の圧電変換器要素と個々の圧電変換器要素に隣接して支持するベース構造体(又は単に「ベース」)とを含むデバイス(簡単のために、本明細書では「タイル」と呼ぶ)を様々に提供する。ベースは、プログラムされるか又は別の方法でタイルの複数の作動モードのいずれかを様々に実施するように構成された集積回路を含むことができる。例えば、作動モードのシーケンスを使用してベースを予めプログラムすることができる。従来の(あまり集積化されていない)手法のように比較的高電圧(HV)のアナログスイッチに頼るのではなく、ある一定の実施形態は、作動のために変換器要素を選択する低電圧(LV)、例えば、3.3Vのアナログスイッチを使用することによって良好な集積化を可能にする。例えば、ある一定の実施形態は、タイルの比較的高い電圧の駆動/送信機能とタイルの低電圧の感知/受信機能の間を分離する何らかの手段を提供する。LVアナログスイッチは、同様なオン抵抗(Ron)を有するHVアナログスイッチよりもかなり小さい。これに加えて、LVアナログスイッチは、レベルシフタ及び/又はゲートドライバ回路を必要としない場合がある。
【0013】
体積測定又は3次元(3D)の撮像は、各々がそれぞれの圧電変換器要素の2次元(2D)アレイを含む1又は2以上の構成可能な(例えば、再構成可能を含めて)タイルを使用して実行することができる。例えば、複数の構成可能タイルをプローブの曲面に様々に配置することができ、複数のタイルは、くさび形、円錐形、又は例えば曲面の一部分からの投影として定められる他の先細体積を撮像するように作用する。プローブの作動中、複数のタイルは、時間と共に様々に再構成することができ、例えば、撮像する体積を増加させる、低減する、移動する、又は別な方法で変化させる。これに代えて又はこれに加えて、複数のタイルの再構成は、特定の大きさ及び位置の体積に対して実行される撮像を変化させることができる。
【0014】
ある一定の他の実施形態は、可撓性(例えば、プラスチックフィルム)基板とその基板に結合された複数のタイルとを有するデバイスを様々に提供する。可撓性基板のタイルへの結合は、例えば、従来の柔軟性のあるMEMS技術から適応された作業で実行することができる。基板は、複数のタイルへ、複数のタイルから、又は複数のタイル間で信号をやり取りするために、そこに又はその上に配置した信号線を有することができる。従って、基板は、デバイスと画像情報を処理する及び/又は通信する遠隔システムの間のやり取りのためのバックプレーンとして機能することができる。タイルの一部又は全てを各々予めプログラムして、それぞれ複数の(例えば、一連の)作動モードのいずれかを実行することができるが、ある一定の実施形態は、この点に関して限定されない。可撓性基板により、複数のタイルを非常に小さい曲率半径を有するプローブデバイスの表面に接合(例えば、接着)するか又は別な方法で結合することが可能になる。
【0015】
更に他の実施形態は、プローブデバイスから伝播する波の成形を容易にするために1又は2以上の曲面レンズ構造体を様々に提供する。プローブデバイスは、曲面を有する一部分とその曲面に様々に結合された複数のタイルとを含むことができる。このようなタイルの一部又は全ては、可撓性の膜を通して曲面に結合することができるが、ある一定の実施形態は、この点に関して限定されない。一実施形態において、複数の個別レンズをそれぞれのタイルに各々結合する。これに代えて、複数のレンズ領域を含む単一レンズ本体を複数のタイルにわたって結合することができる。
【0016】
図1A−1Gは、湾曲した振動要素のアレイを含む圧電変換器デバイスの例示的構成を示している。一部の実施形態において、変換器デバイスは変換器アレイを含む。変換器アレイ内の要素を実質的に平坦な面に配置することができる。
図1Aに示すように、変換器デバイス102はハンドル104を含む。変換器アレイ106をハンドル104の一遠位端108でハンドル104に取り付けることができ、ハンドル104の形状は変換器アレイ106の形状及び大きさに適合するように修正(例えば、拡幅、平坦化など)される。この例では、変換器アレイ106の振動する外面は、ハンドル104の長軸に沿う前方方向に向いており、すなわち、アレイ106を組み立てる基板の外面105は、ハンドル104の長軸に垂直である。他の実施において、変換器アレイ106の露出外面は、ハンドル104の長軸に垂直な(あるいは、鋭角を成す)方向に沿って側方を向くことができる。変換器デバイス102のオペレータは、ハンドル104を操作して線形変換器アレイ106の振動する外面の方向及び位置を必要に応じて(例えば、撮像される区域に向けて)変えることができる。
【0017】
圧電変換器デバイス102は、振動要素106の線形アレイの下方及びハンドル104の内側に(例えば、拡幅され平坦化された第1の遠位端108の内側に)特定用途向け集積回路(又はASIC、図示せず)を任意に含むことができる。ASICの外部入力接続部に接続するワイヤ110は、ハンドル104の後端から出て外部機器(例えば、制御デバイス及び/又は表示デバイス)に接続することができる。
【0018】
一部の実施において、変換器デバイスは、2次元の変換器アレイを含むことができる。各2次元の変換器アレイは、2次元アレイに配分された複数の湾曲した振動要素を含むことができる。2次元アレイで覆われた区域は、矩形、正方形、円形、八角形、六角形、及び円形のような異なる形状とすることができる。2次元アレイ内の振動要素は、直線から構成される格子(例えば、正方格子や六方格子)又はより複雑なパターンに配分することができる。2次元変換器アレイの振動する外面も、実質的に平面内にあるものとすることができる。2次元変換器アレイをハンドルに(例えば、真っすぐな円筒形ハンドルの一遠位端に)取り付けて、変換器デバイスを形成することができる。変換器アレイの振動する外面の平面は、前方を向く、例えば、ハンドルの長軸に垂直である(例えば、
図1Bに示すように)、又は側方を向く、つまりハンドルの長軸に平行(あるいは、鋭角を成す)であるとすることができる(例えば、
図1Cに示すように)。
【0019】
変換器デバイスのオペレータは、変換器デバイスのハンドルを操作して2次元変換器アレイの振動する外面の向く方向及び位置を必要に応じて(例えば、撮像される区域に向けて)変えることができる。
【0020】
図1Bに示すように、圧電変換器デバイス112は、第1の遠位端118でハンドル114に取り付けられた前向き六角形変換器アレイ116含む。圧電変換器デバイス112は、振動要素の六角形アレイの下方でハンドル114の内側に一体化されたASIC(図示せず)を任意に含むことができる。ASICの外部接続部に接続するワイヤ120は、ハンドル114の裏側(例えば、第2の遠位端)から出て外部機器(例えば、制御デバイス及び/又は表示デバイス)に接続することができる。前向き変換器デバイス112は、血管内超音波検査(IVUS)に使用することができ、これは、従来の超音波画像診断では実現可能ではないものである。
【0021】
図1Cは、第1の遠位端128でハンドル124に取り付けられた横向き正方形変換器アレイ126含む圧電変換器デバイス122を示している。圧電変換器デバイス122は、振動要素の正方形アレイの裏側でハンドル124の内側に一体化されたASIC(図示せず)を任意に含むことができる。ASICの外部接続部に接続するワイヤ130は、ハンドル124の裏側(例えば、第2の遠位端)から出て外部機器(例えば、制御デバイス及び/又は表示デバイス)に接続することができる。
【0022】
一部の実施において、変換器デバイスは、変換器アレイの振動する外面が曲線又は曲面であるように、曲線に沿って又は曲面の周りに巻つけられる1次元変換器アレイ又は2次元変換器アレイを含むことができる。
【0023】
例えば、
図1Dは、曲線に沿って走り、ハンドル134の第1の遠位端138(例えば、拡張部分、湾曲部分、及び平坦部分)でハンドル134に取り付けられた線形変換器アレイ136を含む例示的変換器デバイス132を示している。変換器デバイス132はまた、ASIC(図示せず)に接続されてハンドル134の後端を出るワイヤ140を含む。
【0024】
図1Eは、円の円周の回りを走り、ハンドル144の第1の遠位端148でハンドル144に取り付けられた前向き線形変換器アレイ146を含む例示的変換器デバイス142を示している。変換器デバイス142はまた、ASIC(図示せず)に接続されてハンドル144の後端を出るワイヤ150を含む。
【0025】
図1Fは、円の円周の回りを走り、ハンドル154の第1の遠位端158でハンドル154に取り付けられた横向き線形変換器アレイ156を含む例示的変換器デバイス152を示している。変換器デバイス152はまた、ASIC(図示せず)に接続されてハンドル154の後端を出るワイヤ160を含む。
【0026】
一部の実施において、
図1D、1E、及び1Fに示す線形変換器アレイ136、146、及び156の各振動要素は、小さい2次元のサブアレイで置換することができる。例えば、各サブアレイは、小さい正方形変換器アレイとすることができる。
図1Gに示すように、変換器デバイス162は、振動要素の複数の正方形サブアレイ(例えば、正方形サブアレイ168)で形成される前向き2次元環状アレイ166を含み、その前向き環状アレイ166は、変換器デバイス162のハンドル164の第1の遠位端に取り付けられる。変換器デバイス162はまた、ASIC(図示せず)に接続されてハンドル164の後端を出るワイヤ170を含む。
【0027】
同様に、
図1Hに示すように、変換器デバイス172は、振動要素の複数の正方形サブアレイ(例えば、正方形サブアレイ178)で形成される横向きアレイ176を含み、その横向きアレイ176は、変換器デバイス172のハンドル174の第1の遠位端に取り付けられる。変換器デバイス172はまた、ASIC(図示せず)に接続されてハンドル174の後端を出るワイヤ180を含む。
【0028】
図1A−1Hに示す変換器デバイスの構成は単に例示に過ぎない。変換器アレイ全体の振動外面の向いている方向(例えば、前向き、横向き、又は他の向き角度)及び全体的な形状(例えば、平坦又は湾曲、直線、多角形、又は環状)、ハンドル上の変換器アレイの位置、及び変換器アレイ上の振動要素のレイアウトの異なる組合せが、変換器デバイスの様々な実施で可能である。
【0029】
これに加えて、用途に応じて(例えば、望ましい作動周波数、撮像区域、撮像解像度など)、変換器アレイ内の振動要素の総数、変換器アレイの大きさ、変換器アレイ内の振動要素のサイズ、ピッチ、及び/又は配分も可変である。一例において、線形アレイは、半径50μmの振動要素を200μmピッチで128個含む。別の例において、正方形アレイは、75μmの振動要素を200μmピッチで16個含む。例えば、個々の振動要素(直径50から150μmの凸面又は凹面ドームなど)を2から4個のぎっしり詰めた小ピッチのクラスターに配置することができ、例えば、大きいピッチがこのようなクラスターの中心を分離する。一例示的実施形態において、アレイは、128個の振動要素を含むことができ、その各々は、2から4個の小さいドームから構成されるクラスターを含み、要素間のピッチは(例えば)200μmである。他の例示的構成を様々な実施形態に従って様々に提供することができる。
【0030】
図2A−2Cに関連して、個々の変換器要素の例示的マイクロマシン化された(すなわち、微小電気機械的な又はMEMS的な)態様をここで簡単に説明する。
図2A−2Cに示す構造は、主として特定の実施形態の特定の態様に関連して、及び圧電変換器デバイスの構造に関する様々な実施形態の広範な適応性を更に例示するために含まれることは認められるものとする。
【0031】
図2Aでは、凸面の変換器要素202は、作動中に圧電MEMS超音波変換器(pMUT)アレイの振動外面の一部を形成する上面204を含む。変換器要素202はまた、基板280の上面に取り付けられた底面206を含む。変換器要素202は、基準電極212と駆動/感知電極214の間に配置された凸面又はドーム形状の圧電膜210を含む。一実施形態において、圧電膜210は、平坦な上面に形成されたドームを有するプロファイル転写基板(例えば、パターン化されたシリコン)上に均一層状態で圧電材料粒子を堆積(例えば、スパッタリング)することによって形成することができる。例示的圧電材料は、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)であるが、例えば、以下に限定されるものではないが、フッ化ポリビニリデン(PVDF)ポリマー粒子、BaTiO3、単結晶PMN−PT、及び窒化アルミ(AlN)のような従来のマイクロマシン加工に適する当業技術で公知のいずれかを利用することができる。駆動/感知電極及び基準電極214、212の各々は、プロファイル転写基板上に堆積した(例えば、PVD、ALD、CVDなどにより)導電材料の薄膜層とすることができる。駆動電極層のための導電材料は、例えば、以下に限定されるものではないが、Au、Pt、Ni、Irなどのうちの1又は2以上、それらの合金(例えば、AdSn、IrTiW、AdTiW、AuNiなど)、それらの酸化物(例えば、IrO2、NiO2、PtO2など)、又はこのような材料の2又は3以上の複合積層のようなこのような機能のために当業技術で公知のいずれかとすることができる。
【0032】
更に
図2Aに示すように、一部の実施において、変換器要素202は、製作中の支持体及び/又はエッチストップとして機能する二酸化珪素のような薄膜層222を任意に含むことができる。誘電体膜224は、これに加えて、駆動/感知電極214を基準電極212から絶縁するために役立つ。垂直向きの電気相互接続226は、駆動/感知電極レール285を通して駆動/感知回路に駆動/感知電極214を接続する。同様の相互接続232は、基準電極212を基準レール234に接続する。変換器要素202の中心を定める対称軸を有する穴241を有する環状支持体236は、圧電膜210を基板280に機械的に結合する。支持体236は、例えば、以下に限定されるものではないが、二酸化珪素、多結晶シリコン、多結晶ゲルマニウム、SiGeのようなあらゆる従来材料とすることができる。支持体236の例示的厚みは、10から50μm、及び膜224の例示的厚みは、2から20μmに及んでいる。
【0033】
図2Bは、変換器要素242の別の例示的構成を示し、そこでは変換器要素202の構造と機能的に類似した構造を同様な参照番号で識別している。変換器要素242は、静止状態で凹面である凹面圧電膜250を例示している。ここでは、駆動/感知電極214は、凹面圧電膜250の底面の下に配置されるが、基準電極212は、その上面の上に配置される。上部保護不動態化層263も示している。
【0034】
図2Cは、変換器要素282の別の例示的構成を示し、そこでは変換器要素202の構造と機能的に類似した構造を同様な参照番号で識別している。変換器要素282は、静止状態で平らである平面状圧電膜290を例示している。ここでは、駆動/感知電極214は、平面状圧電膜290の底面の下に配置されるが、基準電極212は、その上面の上に配置される。
図2A−2Cの各々に示すものと反対の電極構成も可能である。
【0035】
図3は、超音波の(又は他の)画像処理情報を表現する信号を提供するための実施形態によるタイル300の要素を示している。タイル300は、圧電変換器要素アレイと、そのアレイの作動のための集積回路、例えば、パルス論理部、逆多重化論理部、及び/又はデジタル制御論理部などとを含むデバイスの一例である。簡単のために、圧電要素アレイとこのような支持ベースとの一体式組合せをここでは「タイル」と呼ぶ。このような集積回路は、アレイに隣接して物理的に支持するベースの一部とすることができる。例えば、タイル300は、パッケージ化されたデバイスとすることができる。ある一定の実施形態は、支持ベースの逆多重化論理部が、例えば、ベースの別の電圧領域に対応する作動電圧レベル(範囲)と比べて相対的に低い作動電圧レベル(又は電圧範囲)で特徴付けられる電圧領域の一部になることを達成する。
【0036】
限定ではなく例示として、タイル300は、ベース305とベース305の一側面により支持された変換器アレイ310とを含むことができる。例えば、ベース305は、
図2A−2Cで変換器構造体を様々に支持するものいずれかのような基板を含むことができる。ベース305は、集積回路、例えば、単一集積回路(IC)ダイ又はICダイ積層を含むことができ、これをプログラムして、複数の作動モードのいずれかを実行し、各モードでは変換器アレイ305のそれぞれの作動が画像情報を生成する。一実施形態において、ベース305は、外部システム(図示せず)からタイル300に与えられる信号、例えば、制御インタフェース360を通して受信される制御信号を含む信号を受け入れるために、例えば、マイクロコントローラなどを含む制御論理部350を含む。制御信号は、制御論理部350をプログラムしてタイル300の複数の作動モードのうちのいずれかを実行することができる。制御論理部350でプログラムされた例示的モード354は、このようなタイル300の複数の作動モードの一例を表している。これに代えて、制御論理部350がモード354で予めプログラムされた後に、インタフェース360を通して制御信号をタイル300に与えることができる。
【0037】
モード354のプログラミングは、それぞれの状態情報S1、S2、...、SNを制御論理部350に与えて(又は別な方法で制御論理部350を使用して定めて)それぞれの作動モードを少なくとも部分的に実行する段階を含むことができる。ある一定の実施形態は、この点に関して限定されないが、状態情報S1、S2、...、SNを制御論理部350のメモリ内に様々に保存することができる。これに代えて又はこれに加えて、制御論理部350は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブルゲートアレイ(PGA)回路のような回路を含むことができ、そこでは、このような回路は、状態情報S1、S2、...、SNによって表現されるモード354を様々に設定するために状態機械又は別の論理部を実行するようにプログラマブルである。しかし、ある一定の実施形態は、制御論理部350がそれによってモード354のいずれかを実行することになる特定の機構に関して限定されない。
【0038】
モード354のうちの与えられたものに対して、そのモードを構成するための状態情報は、例えば、アドレス、ビットマップ、又はそのモードに対応することになるアレイ310の変換器要素の部分集合を識別する他の情報を含むことができる。そのモードのその後の構成は、例えば、画像情報を通信する部分集合だけを起動するために、このような状態情報に基づく部分集合の選択をもたらすことができる。状態情報はまた、変換器要素の部分集合の一部又は全ての起動を特徴付けるそれぞれのパラメータ(例えば、電圧レベル、持続時間、遅延時間、周波数など)に対して各々1又は2以上の値を含むことができる。例えば、与えられた部分集合の各変換器要素は、同じ電圧レベル、持続時間、遅延時間、周波数などで特徴付けられる起動に対して選択することができる。これに代えて又はこれに加えて、そのモードに対するこのような状態情報は、デバイス300からの画像情報を送信するために実行される逆多重化を識別する情報を含むことができる。例えば、与えられた部分集合の各変換器要素は、バスの同じ信号線に切り換えて接続されるように選択することができる。
【0039】
与えられたモードに対する圧電変換器要素の部分集合は、その与えられたモードに従って作動することになるアレイ300の全ての圧電変換器要素を含むことができる。モードは、そのモードに従って各要素がタイル300から出力すべきそれぞれの信号を与えるように、要素の部分集合が様々に結合しなければならないことを明示するか又は他に決定することができる。モードは、対応する部分集合の各要素を例えばインタフェース365を通してタイル300に結合することになるそれぞれの信号線(図示せず)に関連付けることができる。例えば、モードは、このような要素各々をインタフェース365の複数のパッド、ピン、又は他の入力/出力(I/O)接点(図示せず)のうちのそれぞれ1つと様々に関連付けることができる。
【0040】
限定ではなく例示として、モードは、部分集合の各要素をタイル300からの出力信号のための異なるそれぞれの経路に切り換えて結合することができる。これに代えて又はこれに加えて、このようなモードは、部分集合の複数要素をタイル300からの出力信号のための同じ経路に切り換えて結合することができる。様々な実施形態のある一定の特徴を曖昧にしないように、モードは、圧電変換器要素の各々をタイルが信号を送信することになる信号バスの異なるそれぞれの線に関連付ける段階に関して本明細書で様々に説明する。しかし、このようなモ―ドは、これに加えて又はこれに代えて、複数の圧電変換器要素をこのような信号バスの同じそれぞれの線に関連付けることができる。
【0041】
実施施形態では、制御論理部350は、1又は2以上の条件がモード354のうちの1つを構成するためのトリガ事象を構成していることを検出するために、トリガ検出論理部352を含む。このようなトリガ事象は、例えば、タイル300が受信する制御信号、クロック信号、又は他の信号によって少なくとも部分的に示すことができる。これに代えて又はこれに加えて、トリガ事象は、タイムアウト又はデバイス300により決定される何か他の条件によって示すことができる。トリガ事象の検出の前に、モード354のいずれかを実行するのに必要な状態情報S1、S2、...、SNを使用して制御論理部350を予めプログラムしておくことができる。例えば、トリガ事象の検出自体は、そのトリガ事象により示される次の作動モードを明確に説明するいずれかの状態情報を制御論理部350が受信することとは無関係とすることができる。その結果として、制御論理部350は、構成すべき次の作動モードを識別することによってそのトリガ事象に応答することができ、そこでは、そのような識別する段階は、例えば、変換器要素の部分集合、例えば、いずれかの部分集合を明確に識別する以前の1つの(又は2以上の)作動モード中にタイル300が受信したいずれの状態情報とも無関係に実行される。
【0042】
作動中、制御論理部350は、タイル300に送られた信号に応答して、作動モード354の一部又は全てを使用してタイル300を連続的に構成することができ、例えば、そのような連続構成は、制御論理部350で与えられたシーケンスに従う。特定のモードが構成された状態で、ベース305の回路論理部による変換器アレイ310の作動は、構成されたモードによるものとすることができる。例えば、ベース300は、アレイ310の圧電変換器要素の異なるそれぞれの部分集合を様々な時間に選択的に駆動する(又は「起動する」)ために制御論理部350に応答する高電圧(HV)パルス論理部320を含むことができる。このような部分集合の各々は、モード354のうちの異なるそれぞれのものに対応することができる。
【0043】
限定ではなく例示として、制御論理部350は、各々がアレイ310の異なるそれぞれの圧電変換器要素のためのものである複数のスイッチを有するスイッチ論理部(図示せず)を含む又はそれに結合することができる。与えられたトリガ事象の検出に応答して、制御論理部350は、次の作動モードのために圧電変換器要素の部分集合を選択することができる。このような選択に基づいて、HVパルス論理部320は、作動モードに対応するアレイ310の選択された変換器要素だけを起動することができる。一実施形態において、制御論理部350(又はそれに結合されたスイッチ論理部)は、HVパルス論理部320に対して、選択された変換器要素のこのような起動の一部又は全てを特徴付けることになる1又は2以上のパラメータ(例えば、電圧レベル、持続時間、遅延時間、周波数など)を更に示すことができる。
【0044】
アレイ310の選択された部分集合の起動は、起動された変換器要素の各々がそれぞれの画像情報を表す感知信号を出力するという結果をもたらすことができる。制御論理部350によって構成された作動モードに基づいて、ベース305の回路論理部は、例えば、遠隔システム(図示せず)による処理のために、タイル300からそのような画像情報を選択的に送るように作動させることができる。限定ではなく例示として、ベース305は、アレイ310の複数の圧電変換器要素の各々と様々に結合された低電圧(LV)逆多重化論理部340を更に含むことができる。逆多重化論理部340は、これに加えて、タイル300から画像データを送るために複数の出力信号線を通してインタフェース365に結合可能である。しかし、逆多重化論理部340に結合されたアレイ310の圧電変換器要素の総数は、逆多重化論理部340をインタフェース365に結合させる出力信号線の総数より大きいとすることができる。従って、逆多重化論理部340は、圧電変換器要素の選択された部分集合だけに対して逆多重化を様々に実施し、各々がそれぞれの信号線を通して画像情報をインタフェース365に出力することができる。このような逆多重化は、モード354のうちの現在構成されたものに従って制御論理部350によって時間と共に様々に構成(例えば、再構成)することができる。例えば、与えられた作動モード中、逆多重化論理部340は、信号通信のためにその作動モードに対応する選択された変換器要素の信号線のみを選択するように構成することができる。タイル300の例では互いに区別されるが、インタフェース360、365は、同じインタフェースの一部とすることができる。
【0045】
ベース305の集積回路は、複数の電圧領域を含むことができ、そこでは、このような領域の作動に対する電圧レベル(又は電圧範囲)は、このような別領域に対する対応した電圧レベル(範囲)よりも大きい。例えば、ベース305の第1の電圧領域は、逆多重化論理部340を含むことができ、ベース305の第2の電圧領域は、HVパルス論理部320を含む。このような実施形態において、第1の区域の供給電圧、デジタル論理部レベル(範囲)、又は他のそのような作動特性は、第2の電圧領域の対応する特性よりも小さいとすることができる。本明細書で説明するように、ある一定の実施形態は、第2の電圧領域の比較的高い電圧から第1の電圧領域を保護するための回路(タイル300には図示せず)を更に含むことができる。一部の実施形態で相対的に低電圧の逆多重化論理部340を使用することにより、ベース305は、異なる作動モードに対する画像情報を通信するための効率的な機構を有することができる。
【0046】
図4は、媒質中に圧力波を発生させる実施形態によるタイル400の要素を示している。タイル400は、画像情報の発生及び通信のための一実施形態に従ってやり取りすることができる様々な信号の一例を示している。タイル400は、タイル300の特徴の一部又は全てを含むことができるが、ある一定の実施形態は、この点に関して限定されない。
【0047】
実施形態において、タイル400は、例えば、変換器アレイ310の機能を提供する圧電変換器要素のアレイ410を含む。タイル400のある一定の特徴を例えば
図405に示すようにアレイ410の例示的圧電変換器要素PZT415の作動に関して本明細書で説明する。しかし、このような説明は、アレイ410の一部又は他の全ての変換器要素の作動に対して、これに加えて又はこれに代えて適用するために拡張することができる。
【0048】
アレイ410は、例えば、ベース305の機能の一部又は全てを提供するベースによって隣接して支持されるものとすることができる。
図4に示すように、このようなベースは、タイル400の様々な作動モードに従ってアレイ410を作動させる集積回路を含むことができる。例えば、このような集積回路は、タイル400の異なる作動モード間での様々な移行のための状態機械430を実行するようにプログラムされる制御倫理回路を含むことができる。限定ではなく例示として、状態機械430は、一連のモードSa、Sb、...、Sxの一部又は全てを連続的に構成するように構成することができる。一連のモードSa、Sb、...、Sxは、反復シーケンスとすることができるが、ある一定の実施形態は、この点に関して限定されない。
【0049】
例示的実施形態において、タイル400は、一連の作動モードSa、Sb、...、Sxに対して状態機械430をプログラムする例示的シーケンス422で表現されるような信号を受信するように作動可能である。このようなプログラミングは、状態機械430がこのようなシーケンスを開始するための別の信号をタイル400が受信する前に実行することができる。例えば、このプログラミングは、タイル400があるプローブデバイス(図示せず)の構成要素として適応されることになる前に、更にタイル400の製造が完了する前でさえも実行することができる。一部の実施形態において、状態機械430は、1又は2以上の追加の又は代わりのモードシーケンスを実行するように、更にプログラム可能及び/又は再プログラマブルである。
【0050】
作動中、タイル400の制御論理部は、例えば、遠隔システム(図示せず)からタイル400が受け入れる信号によって示されるトリガ事象に応答して作動モードSa、Sb、...、Sxを連続的に構成することができる。このようなシグナリングは、例えば、シーケンスに従って超音波ビーム伝送に対して構成されたあらゆる現在のモードから次の超音波ビーム伝送のための別モードへ状態機械430がタイル400を移行させることになることを明示する次の伝送(Tx)ビーム信号424を含むことができる。
【0051】
構成される次のモードは、例えば、次の超音波ビーム伝送に介入することになるアレイ400の変換器要素の特定の部分集合に対応することができる。次の作動モードの構成は、特定の部分集合を直接的又は間接的に選択する信号を状態機械430が発生させる段階を含むことができる。例えば、タイル400は、各々がアレイ405の異なるそれぞれの圧電変換器要素に対応する複数の回路を含むことができる。アレイ405の複数の圧電変換器要素の駆動/感知作動に関して、そのような回路の各々は、ただ1つの圧電変換器要素の駆動/感知作動の実行専用とすることができる。限定ではなく例示として、PZT415の駆動/感知作動専用であるタイル400の回路は、タイマー436、3レベルHVパルス発生器440、及びHV保護回路450を含むことができる。別の実施形態に従ってタイル400と同様な回路(図示せず)をアレイ405の追加の又は代わりの圧電変換器要素に対して様々な方法で専用とすることができる。
【0052】
実施形態において、タイル400は、各々がアレイ410の変換器要素の異なるそれぞれの1要素のためのものである複数のタイマー回路を含む。このようなタイマー回路は、PZT415に対応するタイマー436を含むことができる。PZT415が次のビーム伝送に介入する場合に、状態機械430は、PZT415の選択を示すようにタイマー436に信号を送ることができる。状態機械430は、部分集合の他の関連する変換器要素の選択を同様に示すように、他のそのようなタイマー回路に様々な方法で信号を送ることができる。
【0053】
状態機械430に応答して、タイマー434は、タイル400のパルス回路に出力434を送ることができる。ある一定の実施形態は、この点に関して限定されないが、出力434のタイミングは、遠隔システムによりタイル400が受信する1又は2以上の信号によって調節することができる。限定ではなく例示として、タイマー436は、移行制御クロック426及びTxビーム発射428の制御信号の一方又は両方を受信することができる。特定の論理部レベルに構成された状態で、受信されたTxビーム発射428は、例えば、Tx制御クロック426の次の連続移行(rise又はfall)時にタイマー436が出力434を出力することができるようにすることができる。しかし、様々な追加の又は代わりの機構のいずれかを適応させて、出力434のタイミングを制御することができる。
【0054】
実施形態において、出力434は、例示する3レベル高電圧パルス発生器440のようなタイル400のパルス論理部に与えられる。パルス発生器440は、タイル400の1又は2以上の他の電圧領域と比べて相対的に高い電圧作動により特徴付けられるタイル400の一電圧領域に存在する。パルス発生器440は、PZT415を駆動する電圧の複数の異なる電圧レベル(この例では、3レベル)のいずれかが圧力波を発生することを可能にする。異なる電圧レベルのうちの特定レベルは、出力434によって及び/又はタイル400の制御論理部からの別の関連する信号により、識別するか又は別な方法で示すことができる。
【0055】
タイマー434に応答して、パルス発生器440は、PZT415が圧力波を発生させる段階、及び対応する戻り波に応答して画像情報を表す感知信号を発生させる段階を含めて、駆動/感知サイクルの実行のためにPZT415を作動させることができる。このような感知信号は、タイル400の比較的低い電圧領域での引き続く処理のために準備することができる。例えば、ベースは、比較的低電圧のデマルチプレクサ470、及びパルス発生器440を組み込む電圧領域の電圧レベルから低電圧デマルチプレクサ470を少なくとも部分的に保護することになる例示的HV保護回路450で表される回路を更に含むことができる。
【0056】
実施形態において、アレイ400の各変換器要素は、異なるそれぞれの電圧保護回路を通して低電圧デマルチプレクサ470に結合される。例えば、PZT415を結合して、HV保護回路450を通してLVデマルチプレクサ470に出力信号を与えることができる。従って、与えられた時間に、アレイ410から構成される変換器要素の選択された部分集合は、それぞれのHV保護回路を通して感知信号をLVデマルチプレクサ470に与えることができる。HV保護回路450は、アレイ410からのこのような感知信号の比較的低電圧バージョンを出力するために、簡単なスイッチ、back−to−backダイオード又は様々な他の回路、例えば、分圧器、オペアンプ、デジタル−アナログ変換器(DAC)、及び/又は他の同種類のものを含むことができる。
【0057】
HV保護回路450から得られる出力の数、例えば、アレイ410の各変換器要素に対して1つは、選択された部分集合に関してタイル400から画像情報を送信するための信号線472の総数より大きいとすることができる。従って、低電圧デマルチプレクサ470は、逆多重化を実行して、信号線472を通じた出力のために、選択された部分集合の変換器要素に対応するHV保護回路450からのそれらの信号だけを選択することができる。実施形態において、このような逆多重化は、作動モードSa、Sb、...、Sxのうちの現在構成されたモードに従って制御することができる。例えば、タイル400の集積回路は、例えば、状態機械430からの情報に基づいて、作動モードに基づいて選択された変換器要素の部分集合に対応するHV保護回路450からの入力セットを識別するために、逆多重化コントローラ460を更に含むことができる。ある一定の実施形態は、この点に関して限定されないが、逆多重化コントローラ460は、タイル400が受信する次のRxビーム420の制御信号に応答して状態機械430からこのような情報を取り出すことができる。一部の実施形態において、次のRxビーム420及び次のTxビーム424は、同じ制御信号である。
【0058】
図5は、様々なシーケンスの作動モードの要素を例示し、各々は変換器アレイの作動のためにそれぞれの実施形態に従っている。特に
図5は、様々な作動モードの各々に関して変換器要素のアレイの対応する選択された部分集合を示している。様々な実施形態のうちの特定の態様を変換器要素の例示的8x8アレイに関してここで説明する。しかし、このような説明を拡張して、様々な追加の又は代替のサイズ及び/又は形状のいずれかを有するピクセルアレイに適用することができる。
【0059】
シーケンス500の実施は、作動モード505a−505hを連続的に構成する段階を含むことができ、例えば、タイル300、400に関して本明細書で説明する技術の一部又は全てに従って。シーケンス500に示すように、作動モード505a−505hの各々は、変換器要素の8x8アレイの異なるそれぞれの列に対応することができ、作動モード505a−505hのうちの1つの構成は、変換器要素の対応する列の選択を組み込む又は他にその選択をもたらす。シーケンス500の特定順序により、このようなモード505a−505hに対応する列の連続した選択は、例えば、2Dの8x8アレイに沿う列方向のより小さいアレイ、例えば、1次元(1D)アレイの並進移動を模擬することができる。
【0060】
別の実施形態において、タイルの制御論理部をプログラムして、作動モード515a−515hから構成されるシーケンス510をこれに加えて又はこれに代えて実施することができる。作動モード515a−515hの各々は、変換器要素の8x8(又は他の)アレイの異なるそれぞれの行に対応することができる。シーケンス510の特定順序により、このようなモード515a−515hの連続する構成は、変換器要素の対応する行の連続する選択をもたらすことができ、このような連続選択は、例えば、行方向のより小さいアレイの並進移動を模擬する。
【0061】
更に他の実施形態において、一連の作動モードは、変換器アレイの回転移動を模擬するのに役立たせることができる。例えば、シーケンス520は、8x8アレイの異なるそれぞれの部分集合に対応する作動モード525a−525pを含む。逆に、このような部分集合は、アレイにわたって延びる異なるそれぞれの線に対応することができ、例えば、各部分集合は、対応する線に最近接であるそれぞれの変換器要素を含む。作動モード525a−525pの順序、及びこのような線の関連する順番は、シーケンス520が図示の8x8アレイの区域内を回転する別の(例えば、1Dの)アレイを近似するという結果をもたらすことができる。
【0062】
作動モード535a、535b、535cを含むシーケンス530は、フェーズドアレイの疑似移動(この例では、回転移動)を達成するシーケンス520の実施形態に類似の別の実施形態をより詳細に示している。モード535a、535b、535cの各々で、そのモードに従って選択された変換器要素は、与えられた作動特性の異なるそれぞれのレベルに従って様々に駆動される。このような作動特性は、例えば、電圧レベル、周波数、遅延時間、又は持続時間などのような1つとすることができる。このような作動特性に関する異なるレベルをシーケンス530に対して、モード535a、535b、535cに従って様々に選択される変換器要素に関して異なる陰影を使用して示している。フレネルリングを実施するための処理モードのような特定の画像処理モードの場合に、圧電変換器要素の部分集合だけを遠隔システムとの通信用アナログバスに接続することができる。別の画像処理モードでは、タイルの全変換器要素をこのようなアナログバスに様々に結合することができる。例えば、あるモードは、複数の圧電変換器要素をアナログバスの同じ信号線に切り換えて結合することができる。複数の圧電変換器要素をアナログバスの共通信号線に結合することは、SN比の改善をもたらすことができる。
【0063】
図6は、実施形態に従って超音波画像情報を提供するデバイス600の要素を示している。デバイス600は、複数のタイル605を含み、タイル605は、例えば、各々がタイル300の特徴のうちの一部又は全てを様々に含む。各タイル605はデバイス600の可撓性基板610に結合され、基板610は、タイル605への、タイル605からの、及び/又はタイル605間での信号をやり取りする機能を提供する。
【0064】
限定ではなく例示として、タイルTa−Thから構成される例示的4x2アレイで表されるように、タイル605をアレイに配置することができる。基板610は、インタフェース630と、タイルTa−Thをインタフェース630に結合する信号線620とを更に含むことができる。信号線620は、1又は2以上のバスを含むことができ、例えば、各バスはそれぞれのデータ、アドレス、及び/又は制御信号をやり取りすることになる。信号線620の特定数は単に例示に過ぎず、実施固有の詳細に従って変えることができる。ある一定の実施形態は、この点に関して限定されないが、基板610内又は上の信号線は、タイルTa−Thを互いに直列に結合させることができる。
【0065】
タイルTa−Thのうちのいずれの与えられたタイルに対しても、そのタイルの制御論理部を複数の作動モードのためにプログラムすることができる。このような制御論理部は、信号線620を通して信号を受信し、それに応答して、作動モードに対応するタイルの変換器要素の選択的起動のためにこのような作動モードを構成することができる。このような変換器要素の選択的起動は、信号線620を通してタイルが送信することになる画像情報の発生をもたらすことができる。
【0066】
実施形態において、タイルTa−Thのうちの一部又は全てを様々に予めプログラムして、インタフェース630を通して受信する信号で示される同じトリガ事象に応答して、各々が異なるそれぞれの作動モードを構成することができる。例えば、タイルTa及びTbは、同様な形状及びサイズの変換器要素のアレイを有することができる。それにもかかわらず、共通のトリガ事象は、タイルTa及びTbに対して、例えば、位置、形状、数のような異なるそれぞれの変換器要素を選択させることができる。これに代えて又はこれに加えて、タイルTa及びTbは、例えば、異なる駆動電圧、開始時間、持続時間、周波数などによって特徴付けられる異なるタイプの起動に対して変換器要素を選択することができる。
【0067】
図7は、実施形態に従って超音波画像情報を通信するシステムの要素を示している。
図7のシステムは、例えば、デバイス600とある点では類似しているものとすることができるデバイス700を含む。特に、デバイス700は、タイルTa−Thの機能に対応する機能を提供する複数のタイルT0−T7を含むことができる。複数のタイルT0−T7の各々は、そこに又はその上に配置された信号線715を有する可撓性基板710に結合することができ、その信号線715は、画像情報がデバイス700から送られることになるタイルT0−T7とインタフェース720間の通信を様々にもたらす。
図7の例示的実施形態において、タイルT0−T7の各々は、タイルT0−T7のいずれの他のタイルとも独立してインタフェース720に結合される。
【0068】
遠隔システム(図示せず)によるデバイス700とのインタフェース720を通じた(又は同様に、デバイス600とのインタフェース630を通じた)信号のやり取りは、プログラマブル適合性回路によって提供される追加の信号処理機能を使用して容易にすることができる。このような回路の一例は、例示的適合性回路730で表される。一実施形態において、適合性回路730は、デバイス700を作動させてデバイス700及び増幅器734から受信する画像情報を処理することになる特定タイプの遠隔システムの作動を受け入れるためにPGA(例えば、FPGA)の機能のような機能を含む。
【0069】
例えば、適合性回路730は、様々な制御、遠隔システムから受け入れる(又は遠隔システムに送られることになる)データ、及び/又は他の信号のいずれかを様々に渡す、並び換える、遅らせる、結合する、変換する、又は別な方法で処理するためにプログラマブルであるか又は別な方法で構成することができる。限定ではなく例示として、適合性回路730は、例えば、適合性回路730のバス738で受信した制御信号及び/又はデータ信号をモニタする送信検出器740を実行するようにプログラマブルにすることができる。送信検出器740は、送信/受信のサイクルがタイルT0−T7の選択された変換器要素により様々に実施される機会(又は必要性)を示す際に、バス738上の特定作動を識別するように作用することができる。これに応答して、送信検出器740は、信号線715へインタフェース720を通して、例えば、信号Txビーム発射428と機能的に対応する信号Txビーム発射742を送ることができる。これに代えて又はこれに加えて、適合性回路730は、例えば、信号次回Txビーム424に対応する信号次回Rxビーム750を渡す又は別な方法で与えるように構成することができる。様々な追加の又は代替の信号処理のいずれも、デバイス700の作動に関する様々な実施形態に従って適合性回路730によって提供することができる。
【0070】
このような制御信号に応答して、タイルT0−T7は、画像情報を表す信号を発生するために様々に作動させることができる。このような信号は、画像情報の遠隔システムへの通信のために更に処理するために、信号線715及びインタフェース720を通して適合性回路730に送ることができる。例えば、データ信号732は、例えばバス738を通じた遠隔システムへの送信を改善するために、低ノイズ増幅器734に与えることができる。ある一定の実施形態は、この点に関して限定されないが、適合性回路730は、例えば、遠隔システムの相対的に高い電圧からデバイス700を少なくとも部分的に保護するHV保護回路を提供するようにプログラムするか又は別な方法で構成することができる。
【0071】
様々な実施形態は、例えば、タイル300、タイル400、デバイス600、又はシステム700などを使用して画像情報を発生する方法を含む。本方法は、本明細書に説明する様々なタイルのいずれかを有するデバイスで信号を受信する段階を含むことができ、例えば、デバイスは、このようなタイルの1つであるか又は可撓性基板上に複数のタイルを含む。1又は2以上のこのようなタイルを各々それぞれの複数の作動モードでプログラムした後に、信号を受信することができ、例えば、タイルは一連の作動モードでプログラムされる。受信した信号に応答して、本方法は、タイルの1又は2以上の作動モードを構成することができる。例えば、デバイスのタイルは、予めプログラムされたシーケンスに従って作動モードを連続的に構成することができる。これに代えて又はこれに加えて、デバイスの複数タイルの各々は、それぞれの作動モードを構成することができる。
【0072】
実施形態において、本方法は、1又は2以上のタイルの構成された作動モードにそれぞれに従う駆動/感知作動を含む。限定ではなく例示として、本方法は、1又は2以上のこのようなタイルの各々に対して、タイルの複数の変換器要素の部分集合を起動する段階を有することができる。実施形態において、本方法は、タイルからの送信のためにそのタイルが発生された画像情報を逆多重化する段階を更に含む。このような逆多重化は、タイルのそれぞれの作動モードの構成に基づくものとすることができる。本方法は、例えば、タイルの連続する作動モードに対して駆動/感知作動を各々実行し、及び/又はデバイスの異なる個々のタイルに対する駆動/感知作動を実行する方法を含む複数のこのような駆動/感知作動を様々に実施することができる。
【0073】
図8Aは、実施形態に従って可撓性基板状に配置された複数のタイルを有するプローブデバイス800の例を示している。プローブデバイス800の断面図を
図8Bに示している。
図8Aに示すように、デバイス800は、遠位端を有する主本体部分840を含むことができ、そこでは湾曲した側面が主本体部分840の長さ方向に沿って形成される。プローブデバイス800の複数タイル805は、主本体部分840のこのような湾曲側面に沿って様々に設置することができ、実施形態において、主本体部分840から離れるように様々に半径方向を向くことができる。従って、タイル805の変換器膜構造体を様々に作動させて、それぞれのタイルが向く方向に各々が圧力波を送ることができる。タイル805の一部又は全ては、それぞれに例えばタイル300の1又は2以上の特徴を有することができる。
【0074】
ある一定の実施形態は、この点に関して限定されないが、タイル805は、各々、例えば、基板610(又は基板710)の特徴の一部又は全てを有する可撓性基板810に結合することができる。例えば、プローブ800に対して示す例示的8x2アレイによって表されるように、タイル805を基板810上のアレイに配置することができる。基板810は、主本体部分840の湾曲側面に適応かつ結合される。一実施形態において、基板810は、主本体部分840の円周(又は他の周囲)の周りに延びている。
【0075】
基板810は、タイル805を互いに、及び/又は基板810が制御、データ、及び/又は他の信号をやり取りするためのインタフェース(図示せず)に様々に結合させるために、そこに又はその上に配置された例示的信号線815で表されるような信号線を有することができる。例えば、このようなインタフェースは、基板810と、プローブデバイスを遠隔システム(図示せず)に結合することになる1又は2以上の相互接続850との間での信号のやり取りを達成することができる。一実施形態において、このようなやり取りは、例えば、遠位端830内に設置することができる適合性回路(図示せず)を通じたものである。適合性回路は、プローブデバイス800と特定タイプの遠隔システム間の通信のために信号処理を提供するようにプログラマブルにすることができる。
【0076】
図8Bに示すように、タイル805の変換器要素の選択的起動により、プローブデバイス800は、広範に伝播する超音波のいずれかを発生することができる。例えば、様々な変換器要素は、主本体部分840の長さ方向に延びる線に沿って起動することができる(本明細書では「エレベーション」と呼ぶ)。このような起動により、エレベーション方向に沿う画像スライスを表す画像情報の発生を容易にすることができる。
図870に示すように、変換器要素の異なるグル―プを時間と共に連続して起動し、主本体部分840エレベーションに沿う及び/又は主本体部分840の周囲周り(又は「方位角」)のこのようなスライスの移動を達成することができる。
【0077】
これに代えて又はこれに加えて、変換器要素を主本体部分840の周囲に沿って起動し、周囲の少なくとも一部の周りの画像スライスを表す別の画像情報の発生を容易にすることができる。実施形態において、例示的90°FOV860及び180°FOV865で様々に表されるように、変換器要素の範囲を特定の視野(FOV)に対して選択することができる。
図872に示すように、変換器要素の異なるグル―プを時間と共に連続して起動し、主本体部分840エレベーションに沿う及び/又は周囲周りのこのような方位角スライスの移動を達成することができる。
【0078】
一部の実施形態において、タイル805の変換器要素の起動は、時間だけでなく電圧、持続時間、及び/又は周波数などに関しても変えることができる。このような変化に基づいて、タイル805の複数タイルは曲線形又は平面状のフェーズドアレイを実行するように連携して作動させることができる。
図8Bに示す例では、90°FOV860及び180°FOV865の各々は、その様々な方位角位置に基づくそれぞれの勾配により様々に特徴付けられる。このような勾配は、タイル805によって発生される伝播波の振幅、周波数、持続時間、遅延、又は他の特性に関するものとすることができる。
図874に示すように、変換器要素の異なるグル―プを時間と共に連続して起動し、主本体部分840エレベーションに沿う及び/又は周囲周りのフェーズドアレイの移動を達成することができる。
【0079】
変換器要素の異なるグループの選択的起動は、プローブの表面からの放射のように延びるテーパ状体積、例えば、例示的くさび形状体積876の画像処理を達成することができる。画像処理される体積及び/又はその体積に対して実行される画像処理のタイプは、変換器要素が主本体部分840の特定区域で起動されることになるか否か及び/又はどのように起動されるのかを連続的に再構成することによって変化させることができる。例えば、主本体部分840のエレベーションに沿う及び/又はその周囲周りのフェーズドアレイの移動は、画像処理体積876の主本体部分840に沿う又はその周りの対応する移動をもたらすことができる。
【0080】
ある一定の用途に関して、プローブデバイスは、そのきつく湾曲した表面の周りに様々に位置決めされたベース構造体を含むことができ、そこでは、このようなベース構造体の各々は、それぞれの複数の変換器要素を支持する。しかし、このようなベース構造体の各々に関して、それぞれの変換器要素を支持するベース構造体の表面は、例えばベースが配置された表面の曲率半径(ROC)と比べて、相対的に平坦であるものとすることができる。これらの平坦な変換器要素の様々な方向付けは、ビーム操縦又は媒質中での滑らかに湾曲する波の伝播に寄与しない場合がある。
【0081】
例えば、
図9Aは、主本体部分910の周りに様々に配置されたタイル905を含むプローブデバイス900の断面図を示している。タイル905は、例えば、基板610のような可撓性基板(図示せず)を通して主本体部分910に結合させることができる。プローブデバイス900の断面図では、タイル905のそれぞれの外向き表面上の変換器要素(図示せず)は、多角形又は他に区分的に連続な形状に一致することができる。しかし、多くの場合に、円形、楕円形、又は他の滑らかに湾曲した波面がプローブデバイス900のようなデバイスから伝播することが望ましい。
【0082】
比較的より滑らかな波の伝播を促進するために、ある一定の実施形態は、各々が変換器要素のそれぞれの平面状アレイの周りに又はその上に様々に配置された1又は2以上のレンズ構造体を提供する。限定ではなく例示として、プローブデバイス900は、主本体部分910の周りに位置決めされた複数タイル905の各々に対してそれぞれの凸面レンズ部分(LP)920を更に含む。LP920の一部又は全てに関して、LP920の断面プロファイルは、少なくとも部分的に半円形、半楕円形、放物線、又は他の曲線形状に一致することができる。
【0083】
LP920の形状は、LP920中の超音波速度C
lensがLP920に隣接して又は他に最の近く取り囲む媒質中の超音波速度C
mediaよりも大きい場合の適用を容易にする。例えば、隣接する媒質が主として水から構成される場合は(異なる医療診断用途でのように)、LP920は、Emerson&CumingのStycast(登録商標)1090SIのような様々なエポキシ封入材料のいずれかを含むことができる。しかし、実施固有の詳細に従って様々な代替材料のいずれかを使用してLP920の一部又は全てを形成することができる。
【0084】
図930に示すように、タイル905からの連続する波面の各々は、それぞれの凸面LP920を通って伝播するので、このような波の縁部は、より遅い音波伝播特性を有する媒質に入った後に遅れ始める。ある一定の実施形態は、この点に関して限定されないが、デバイス900は、このようなより遅い音波伝播特性を有する被覆材料935を更に含むことができる。与えられた波がそれぞれの凸面LP920を離れる時までには、全体的な波面は、比較的滑らかな湾曲(例えば、円弧)形状を有する。
【0085】
図9Bは、主本体部分960のきつく湾曲した表面の周りに様々に位置決めされたタイル955を有する別のプローブデバイス950の断面図を示している。プローブデバイス950の例示する実施形態において、1又は2以上の凹面LP970は、タイル905の個々のタイルの周りに又はその上にそれぞれに配置することができる。LP970の一部又は全てに関して、LP970の断面プロファイルは、少なくとも部分的に半円形、半楕円形、放物線、又は他の曲線形状に一致することができる。LP970の形状は、LP970に対するC
lensがLP970に隣接して又は他に最の近く取り囲む媒質に対するC
mediaよりも小さい場合の適用を促進する。例えば、隣接する媒質が主として水から構成される場合に、LP920は、様々なタイプの室温加硫(RVT)シリコーンゴムのいずれかを含むことができる。しかし、実施固有の詳細に従って様々な代替材料のいずれかを使用してLP920の一部又は全てを形成することができる。
【0086】
図980に示すように、タイル955からの連続する波面の各々は、それぞれの凹面LP970を通って伝播するので、このような波の中央は、より早い音波伝播特性を有する媒質に入った後に先導し始める。ある一定の実施形態は、この点に関して限定されないが、デバイス950は、このようなより早い音波伝播特性を有する被覆材料985を更に含むことができる。与えられた波がそれぞれの凹面LP970を離れる時までには、全体的な波面は比較的滑らかな湾曲形状を有する。
【0087】
図10は、実施形態に従って変換器デバイスを使用する超音波変換器装置1000の機能ブロック図である。例示的実施形態において、超音波変換器装置1000は、水、組織物質のような媒質中での圧力波の発生及び感知のためのものである。超音波変換器装置1000は、例えば、医療診断、製品欠陥検出のような1又は複数の媒質内での内部構造的変動の撮像が対象になる多くの用途を有する。装置1000は、少なくとも1つのタイル1016を含み(かつ実施形態では可撓性基板及び/又はレンズ構造体)、タイル1016は本明細書の他所で説明した構造及び機構を含むことができる。例示的実施形態において、タイル1016は、機械又は装置1000のユーザにより操作されてタイル1016の起動面の対面する向き及び位置を望ましいように(例えば、撮像される区域に向けて)変えることのできるハンドル1014に収容される。電気コネクタ1020は、タイル1016の駆動/感知電極をハンドル1014の外部にある通信インタフェースに電気的に結合させる。
【0088】
実施形態において、装置1000は、少なくとも1つの信号発生器を含み、信号発生器は、このような目的のために当業技術で公知のいずれかとすることができ、例えば、電気コネクタ1020を通してタイル1016に結合される。信号発生器は、異なる駆動/感知電極を駆動するトリガ事象を示すために電気信号を与えることになる。実施形態において、1又は2以上の信号発生器の各々は、後でデマルチプレクサ1006によって逆多重化される制御信号を直並列変換するために直並列変換器1004を含む。例示的信号発生器は、デジタル制御信号をタイル1016内の個々の変換器要素の起動をトリガするための信号に変換するために、デジタル−アナログ変換器(DAC)1008を更に含む。ビームを操縦して望ましいビーム形状、フォーカス、及び方向などを発生するために、それぞれの遅延時間を遅延時間コントローラ1010によって個々の駆動電圧信号に加えることができる。pMUTチャネルコネクタ1020と信号発生器間に結合されるのは、駆動モードと感知モード間でタイル1016を切り換えるためのスイッチネットワーク1012である。
【0089】
実施形態において、装置1000は、少なくとも1つの信号受信機を含み、信号受信機は、このような目的のために当業技術で公知のいずれかとすることができ、例えば、電気コネクタ1020を通してタイル1016に結合される。信号受信機は、タイル1016内の駆動/感知電極チャネルの各々から電気応答信号を収集することになる。信号受信機の一例示的実施形態において、アナログ−デジタル変換器(ADC)1014は、電圧信号を受信してそれをデジタル信号に変換することになる。デジタル信号を次にメモリ(図示せず)に保存し、又は最初に信号プロセッサへ渡すことができる。例示的信号プロセッサは、デジタル信号を圧縮するためにデータ圧縮ユニット1026を含む。マルチプレクサ1028及び直列化回路1002は、受信した信号をメモリ、他のストレージ、又は受信した信号に基づいて図形表示を発生することになる画像処理プロセッサのような下流側プロセッサに中継する前に、受信した信号を更に処理することができる。
【0090】
圧電変換器デバイスを作動させるための技術及びアーキテクチャを本明細書に説明した。上記では、説明を目的として、ある一定の実施形態の完全な理解を提供するために多くの特定詳細を明らかにした。しかし、ある一定の実施形態をこれらの特定詳細なしに実施することができるということは、当業者には明らかであろう。別の例では、説明を曖昧にしないように構造及びデバイスをブロック図に示している。
【0091】
本明細書における「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、特定の特徴、構造、又はその実施形態に関して説明される特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な場所で「一実施形態では」という言い回しが現れるからといって、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。
【0092】
本明細書における詳細説明の一部は、コンピュータメモリ内でのデータビット上の演算のアルゴリズム及び記号表現によって提示されている。これらのアルゴリズミック的説明及び表現は、その仕事の実体を他の当業者に最も実質的に伝えるためにコンピュータ技術者によって使用される手段である。アルゴリズムは、本明細書でかつ一般的に、望ましい結果を誘導する自己矛盾のない一連の段階であると考えられる。その段階は、物理量の物理的操作を必要とする段階である。典型的に、必ずしもそうではないが、これらの量は、保存され、転送され、結合され、比較され、及び別な方法で操作することの可能な電気的又は磁気的な信号の形態を取る。これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、条件、又は数などとして言及することは、主として共通使用という理由により、時には有利なものとなっている。
【0093】
しかし、これら及び類似の用語の全ては、適切な物理量に関連付けられるべきであり、これらの量に付与される単に便宜上のラベルに過ぎないということに注意しなければならない。本明細書の説明から明らかなように具体的に明記しない限り、本明細書全体を通して「処理する」、「演算する」、「計算する」、「決定する」、又は「表示する」のような用語を利用した説明は、コンピュータシステム、又はコンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理的な(電子的な)量として表現されるデータを操作して、コンピュータシステムのメモリ、レジスタ、又は他のこのような情報ストレージ、送信又は表示デバイス内の物理的な量として同様に表現される別のデータに変換する類似の電子計算デバイスのアクション及び処理を指すと理解しなければならない。
【0094】
ある一定の実施形態はまた、本明細書の作動を実行するための装置に関する。この装置は、必要とされる目的のために特別に構成することができ、又はそれは、コンピュータ内に格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動されるか又は再構成される汎用コンピュータを含むことができる。そのようなコンピュータプログラムは、以下に限定されるものではないが、フロッピーディスク、光学ディスク、CD−ROM、及び磁気光学ディスクを含むあらゆるタイプのディスク、読出し専用メモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、EPROM、EEPROMのようなランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気又は光学カード、又は電子命令を格納するのに適切であってコンピュータシステムバスに結合されたあらゆるタイプの媒体のようなコンピュータ可読ストレージ媒体に格納することができる。
【0095】
本明細書に提示するアルゴリズム及びディスプレイは、いずれの特定のコンピュータ又は他の装置にも本質的には関連しない。本明細書の教示によるプログラムを使用して様々な汎用システムを使用することができ、又はより専用の装置を組み立てて必要とされる方法段階を実行することが便利である場合がある。様々なこれらのシステムに必要とされる構造は、本明細書の説明から明らかであろう。これに加えて、ある一定の実施形態は、いずれかの特定のプログラミング言語に関して説明されるものではない。様々なプログラミング言語を使用して本明細書に説明するような実施形態の教示を実施することができることは認められるであろう。
【0096】
本明細書に説明したもの以外に、開示する実施形態及びその実施に対してその範囲から逸脱することなく様々な修正を加えることができる。従って、本明細書の図及び例は、限定的な意味ではなく例示的であると解釈しなければならない。本発明の範囲は、以下に続く特許請求の範囲に関連してのみ評価されるべきである。