特許第6564889号(P6564889)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6564889弾性拘束ケーブル制御太陽追尾型ソーラー発電装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6564889
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】弾性拘束ケーブル制御太陽追尾型ソーラー発電装置
(51)【国際特許分類】
   H02S 20/10 20140101AFI20190808BHJP
   H02S 20/32 20140101ALI20190808BHJP
【FI】
   H02S20/10 U
   H02S20/32
   H02S20/10 N
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-7961(P2018-7961)
(22)【出願日】2018年1月22日
(65)【公開番号】特開2018-148780(P2018-148780A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2018年1月22日
(31)【優先権主張番号】106106936
(32)【優先日】2017年3月3日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】513092545
【氏名又は名称】太陽光電能源科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BIG SUN ENERGY TECHNOLOGY INC.
(73)【特許権者】
【識別番号】511271982
【氏名又は名称】羅 家慶
【氏名又は名称原語表記】CHIA CHING LUO
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】羅 家慶
【審査官】 西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3173271(JP,U)
【文献】 特開2013−225650(JP,A)
【文献】 米国特許第01281128(US,A)
【文献】 特開2014−152602(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3195656(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3199012(JP,U)
【文献】 特開2007−113605(JP,A)
【文献】 特表2015−518703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 20/10
H02S 20/32
H02S 20/30
F16F 1/12
F16G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定構造体に取り付けられる弾性拘束ケーブル制御太陽追尾型ソーラー発電装置であって、
ソーラー発電モジュールと、中柱と、第一及び第二巻取装置と、第一から第四ケーブルと、第一から第四弾性アンカー部とを備え、
前記ソーラー発電モジュールは、光エネルギーを電気エネルギーに変換するとともに、第一から第四角部を有し、
前記中柱の第一端は、前記固定構造体に取り付けられ、前記中柱の第二端は前記ソーラー発電モジュールの底部の中間部位にヒンジ接続され、前記ソーラー発電モジュールを回動可能に支持し、
前記第一巻取装置及び前記第二巻取装置は前記中柱の上側または中間に設置され、
前記第一ケーブルは、前記第一角部に接続される第一端及び前記第一巻取装置に接続される第二端を有し、前記第一ケーブルは前記第一巻取装置に巻き付けられ、
前記第二ケーブルは、前記第二角部に接続される第一端及び前記第二巻取装置に接続される第二端を有し、前記第二ケーブルは前記第二巻取装置に巻き付けられ、
前記第三ケーブルは、前記第三角部に接続される第一端及び前記第一巻取装置に接続される第二端を有し、前記第三ケーブルは前記第一巻取装置に巻き付けられ、
前記第四ケーブルは、前記第四角部に接続される第一端及び前記第二巻取装置に接続される第二端を有し、前記第四ケーブルは前記第二巻取装置に巻き付けられ、前記第一巻取装置及び前記第二巻取装置の一方又は両者を回動させて、前記ソーラー発電モジュールの方位角度を調整し、
前記第一から第四弾性アンカー部は、前記固定構造体に弾性的に取り付けられ、それぞれ前記第一から第四角部に対応し、前記第一ケーブルから前記第四ケーブルはそれぞれ前記第一から前記第四弾性アンカー部を貫通して二つのW字型構造を形成し、前記第一から前記第四弾性アンカー部のうち一つ又はそれぞれが並列連結された弾性部材及び拘束部材を含み、前記拘束部材は前記弾性部材の最大変形量を制限し、
前記弾性部材は、引張コイルバネであり、前記拘束部材が前記引張コイルバネの中空空間を貫通し、前記拘束部材が金属チェーンであり、
前記金属チェーンは第一区間及び第二区間を有し、
前記第一区間は前記弾性部材の前記最大変形量を制限し、
前記第二区間は、前記弾性部材の前記最大変形量を制限せず、長さ調整のための遊びとなすことを特徴とする弾性拘束ケーブル制御太陽追尾型ソーラー発電装置。
【請求項2】
前記第一から第四弾性アンカー部のうち一つ又はそれぞれは、更に、
前記固定構造体上に固定される固定部品と、
前記固定部品に回動可能に連結される第一連結部品と、
前記弾性部材及び前記拘束部材により前記第一連結部品に連結される第二連結部品と、
前記第二連結部品に回動可能に連結される方向変更ガイド部材と、を有し、
前記方向変更ガイド部材に対応する前記第一から第四ケーブルのうちの一つのケーブルが前記方向変更ガイド部材に連結されるとともに、前記方向変更ガイド部材により方向を変更することを特徴とする請求項1記載の弾性拘束ケーブル制御太陽追尾型ソーラー発電装置。
【請求項3】
前記方向変更ガイド部材は、滑車であり、前記第一から第四ケーブルのそれぞれが鋼索であることを特徴とする請求項2記載の弾性拘束ケーブル制御太陽追尾型ソーラー発電装置。
【請求項4】
前記金属チェーンの前記第二区間は前記固定構造体に固定され、固定機能を補助することを特徴とする請求項1記載の弾性拘束ケーブル制御太陽追尾型ソーラー発電装置。
【請求項5】
固定構造体に取り付けられる弾性拘束ケーブル制御太陽追尾型ソーラー発電装置であって、
ソーラー発電モジュールと、中柱と、第一及び第二巻取装置と、第一から第四ケーブルと、第一から第四弾性アンカー部とを備え、
前記ソーラー発電モジュールは、光エネルギーを電気エネルギーに変換するとともに、第一から第四角部を有し、
前記中柱の第一端は、前記固定構造体に取り付けられ、前記中柱の第二端は前記ソーラー発電モジュールの底部の中間部位にヒンジ接続され、前記ソーラー発電モジュールを回動可能に支持し、
前記第一巻取装置及び前記第二巻取装置は前記中柱の上側または中間に設置され、
前記第一ケーブルは、前記第一角部に接続される第一端及び前記第一巻取装置に接続される第二端を有し、前記第一ケーブルは前記第一巻取装置に巻き付けられ、
前記第二ケーブルは、前記第二角部に接続される第一端及び前記第二巻取装置に接続される第二端を有し、前記第二ケーブルは前記第二巻取装置に巻き付けられ、
前記第三ケーブルは、前記第三角部に接続される第一端及び前記第一巻取装置に接続される第二端を有し、前記第三ケーブルは前記第一巻取装置に巻き付けられ、
前記第四ケーブルは、前記第四角部に接続される第一端及び前記第二巻取装置に接続される第二端を有し、前記第四ケーブルは前記第二巻取装置に巻き付けられ、前記第一巻取装置及び前記第二巻取装置の一方又は両者を回動させて、前記ソーラー発電モジュールの方位角度を調整し、
前記第一から第四弾性アンカー部は、前記固定構造体に弾性的に取り付けられ、それぞれ前記第一から第四角部に対応し、前記第一ケーブルから前記第四ケーブルはそれぞれ前記第一から前記第四弾性アンカー部を貫通して二つのW字型構造を形成し、前記第一から前記第四弾性アンカー部のうち一つ又はそれぞれが並列連結された弾性部材及び拘束部材を含み、前記拘束部材は前記弾性部材の最大変形量を制限し、
前記第一巻取装置は、第一駆動輪を含み、
前記第一駆動輪は、
前記第一ケーブル及び前記第三ケーブルをそれぞれ収容する第一巻取溝及び第三巻取溝を含み、
前記第一ケーブル及び前記第三ケーブルは前記第一駆動輪に前記第一駆動輪の軸孔を介して第一合力を提供し、
前記第一ケーブルと前記第三ケーブルは径方向に累積するようにそれぞれ逆方向に前記第一巻取溝と前記第三巻取溝に巻き取るだけで、前記第一ケーブルと前記第三ケーブル双方の張力程度を維持し、
前記第一ケーブルの前記第二端は前記第一巻取溝の第一側部輪縁の第一嵌め込み溝に嵌め込み固定され、且つ前記第三ケーブルの前記第二端は前記第三巻取溝の第三側部輪縁の第三嵌め込み溝に嵌め込み固定され、
そのうち、前記第一嵌め込み溝と前記第三嵌め込み溝は相互に相反するC字型に延伸する形状を有し、且つ前記第一嵌め込み溝と前記第三嵌め込み溝の開口部分のサイズは封止部分のサイズより大きいことを特徴とする弾性拘束ケーブル制御太陽追尾型ソーラー発電装置。
【請求項6】
前記第二巻取装置は、第二駆動輪を含み、
前記第二駆動輪は、前記第二ケーブル及び前記第四ケーブルをそれぞれ収容する第二巻取溝と第四巻取溝を有し、
そのうち、第二ケーブル及び前記第四ケーブルは、前記第二駆動輪に前記第二駆動輪の軸孔を介して第二合力を提供し、
前記第二ケーブルと前記第四ケーブルは径方向に累積するようにそれぞれ前記第二巻取溝と前記第四巻取溝に逆方向に巻き取るだけで、前記第二ケーブルと前記第四ケーブル双方の張力程度を維持することを特徴とする請求項5記載の弾性拘束ケーブル制御太陽追尾型ソーラー発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性拘束ケーブル制御太陽追尾型ソーラー発電装置に関し、特に中柱及びケーブルによりソーラー発電モジュールの太陽追尾機能を制御するソーラー発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ソーラー発電システムは建築物上に固定されており、太陽の位置に従って方向を調整することができないため、太陽エネルギーの利用率を大幅に低下させている。また、風力ソーラーハイブリッド発電システムは、風力発電機を支持する柱体によりソーラー発電モジュールを固定しているが、この種のシステムのソーラー発電モジュールは通常小さい。ソーラー発電モジュールの中央部は柱体に傾斜して直接固定されるので、ソーラー発電モジュールの面積が大きすぎると、強風により破損する恐れがある。なぜなら、柱体とソーラー発電モジュールとの間の接合強度が不足しているので、強風に抵抗できないからである。また、ソーラー発電モジュールに突然外力がかかった場合、ソーラー発電モジュールの剛性が高すぎるためにソーラー発電モジュールが容易に破壊される。よって、従来のソーラー発電システムは依然改善の余地があった。
【0003】
一方、鋼索を使用して弾性部材とともに制御する場合(例えば、米国特許US8,476,521に開示されたもの)、弾性部材は台風によりその弾性極限が越えるために、破損又は全てのソーラー発電装置までも破壊しかねない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は中柱及びケーブルによりソーラー発電モジュールの太陽追尾機能を制御するソーラー発電装置を提供することであり、これにより、安定した弾性を有する支持と、太陽追尾の効果を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、固定構造体に取り付ける弾性拘束ケーブル制御太陽追尾型ソーラー発電装置を提供し、ソーラー発電装置はソーラー発電モジュールと、中柱と、第一及び第二巻取装置と、第一から第四ケーブルと、第一から第四弾性アンカー部とを備える。ソーラー発電モジュールは、光エネルギーを電気エネルギーに変換するとともに、第一から第四角部を有する。中柱の第一端は、固定構造体に取り付けられ、中柱の第二端はソーラー発電モジュールの底部の中間部位にヒンジ接続され、ソーラー発電モジュールを回動可能に支持する。第一及び第二巻取装置は中柱の上側または中間に設置される。第一ケーブルは、第一角部に接続される第一端及び第一巻取装置に接続される第二端を有し、第一ケーブルは第一巻取装置に巻き付けられる。第二ケーブルは第二角部に接続される第一端及び第二巻取装置に接続される第二端を有し、第二ケーブルは第二巻取装置に巻き付けられる。第三ケーブルは、第三角部に接続される第一端及び第一巻取装置に接続される第二端を有し、第三ケーブルは第一巻取装置に巻き付けられる。第四ケーブルは第四角部に接続される第一端及び第二巻取装置に接続される第二端を有し、第四ケーブルは第二巻取装置に巻き付けられる。第一巻取装置及び第二巻取装置の一方又は両者を回動させて、ソーラー発電モジュールの方位角度を調整する。第一から第四弾性アンカー部は弾性的に固定構造体に取り付けられ、第一から第四角部にそれぞれ対応し、第一ケーブルから第四ケーブルはそれぞれ第一から第四弾性アンカー部を貫通して二つのW字型構造を形成し、第一から第四弾性アンカー部のうち一つ又はそれぞれが並列連結された弾性部材及び拘束部材を含み、拘束部材は弾性部材の最大変形量を制限する。
【発明の効果】
【0006】
これにより、本発明の弾性拘束ケーブル制御太陽追尾型ソーラー発電装置は、安定して弾性的に拘束して支持し、太陽追尾の効果が達成でき、且つ他の張力滑車を設置せずにケーブルの張力程度を維持できるので、大型発電に適しており、更に、自由度が高い回動及び移動能力を有し、太陽追尾の効果が達成でき、又強風に耐えることができ、各種異なる応用にも適合して、ソーラー発電の利用率を有効に向上させ、ソーラー発電装置の破損率を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は本発明の実施例に基づくソーラー発電装置を示す。
図2図2は本発明の実施例に基づくソーラー発電装置を示す。
図3図3は本発明の実施例に基づくソーラー発電装置の立体図である。
図4図4は本発明の実施例に基づくソーラー発電モジュールの俯瞰図である。
図5図5は本発明の実施例に基づくソーラー発電モジュールの俯瞰図である。
図6図6は本発明の実施例に基づくソーラー発電装置のソーラーパネルの俯瞰図である。
図7図7は本発明の実施例に基づくソーラー発電モジュールと第一及び第二巻取装置の接続ブロック図である。
図8図8図3の弾性アンカー部の別の実施例の概略図である。
図9図9は、図3の第一巻取装置の別の実施例の立体図である。
図10図10は、図3の第一巻取装置の別の実施例の前面図である。
図11図11は、図3の第一巻取装置の別の実施例の一部の断面図である。
図12図12は、図3の第二巻取装置の別の実施例の前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の上記内容を更に明白にし、わかり易くするために、以下において実施例を挙げ、図面をあわせて詳細に説明する。
【実施例】
【0009】
以下で述べる「接続」とは、「直接的な接続」又は「間接的な接続」を含むが、これに制限されない。
【0010】
図1図2は本発明の実施例のソーラー発電装置1の二つの状態の概略図である。図3は、本発明第一実施例のソーラー発電装置1の立体図である。図1図3に示されるように、本発明第一実施例の弾性拘束ケーブル制御太陽追尾型ソーラー発電装置1は、固定構造体2に弾性的に取り付けられ、ソーラー発電モジュール10と、中柱20と、第一及び第二巻取装置31,32と、第一ケーブル50と、第二ケーブル60と、第三ケーブル55と、第四ケーブル65と、第一から第四弾性アンカー部41〜44とを含む。特に、図1及び図2の第一及び第二巻取装置31,32は、本発明の特徴をあいまいにしない程度に適切に簡略されている。この他、第一から第四ケーブルはそれぞれが直接接続されておらず、且つケーブルは連結ロープ、特に鋼索と称してもよい。固定構造体2は、地面、建造物、金属ベースなどを含むがこれに限定されない。
【0011】
ソーラー発電モジュール10は、光エネルギーを電気エネルギーに変換し、又第一から第四の角部11〜14を有する。第一から第四の角部11〜14は、ソーラー発電モジュール10の四つの角に非常に隣接させなくてもよく、四つの角の付近であればいい。
【0012】
中柱20の第一端21は固定構造体2に取付けられ、中柱20の第二端22はソーラー発電モジュール10の底部10Bの中間部10Mにヒンジ接続され、ソーラー発電モジュール10を回動自在に支持する。中間部10Mはソーラー発電モジュール10の重心に位置することが最も好ましいが、ソーラー発電モジュール10の重心付近でもよく、これは特に制限されない。中柱20の第二端22は、ユニバーサルジョイント25を介してソーラー発電モジュール10の底部10Bの中間部10Mにヒンジ接続される。ユニバーサルジョイント25は、ボール及びボールに合わせた球形の窪み部を有するが、これは当業者が熟知しているところであるので、詳細に説明しない。このように、ソーラー発電モジュール10は、ユニバーサルジョイント25を中心に回動自在であり、ユーザーがソーラー発電モジュール10の設置角度を容易に調整でき、太陽追尾の効果が達成できる。中柱20の長さは伸縮可能であるが、固定されてもよい。第一/第二巻取装置31/32の回動により、第一/第二巻取装置31/32の両側の第一/第二ケーブル50/60の一部の長さを変更でき、それによりソーラー発電モジュール10の角度を変更できる。
【0013】
第一及び第二巻取装置31、32は中柱20に設置される。特に、第一及び第二巻取装置31、32は、中柱20に移動可能に設置されて、第一及び第二巻取装置31、32の高さが調整できる。例えば、歯車とラックの組合せ、ナットとスクリューの組合せなどの機構により第一及び第二巻取装置31、32の高さが調整できる。この種の機構は当業者であれば容易に理解できるので、ここでは詳細に述べない。第一及び第二巻取装置31、32は、手動又は電動の巻取装置であってもよい。第一及び第二巻取装置31、32は中柱20の内部に、又は中柱20の外部に設置できるが、これは特に限定しない。
【0014】
第一ケーブル50は、第一角部11に接続される第一端51及び第一巻取装置31に接続される第二端52を有する。第一ケーブル50は第一巻取装置31に巻き付けられる。
【0015】
第二ケーブル60は第二角部12に接続される第一端61及び第二巻取装置32に接続される第二端62を有する。第二ケーブル60は第二巻取装置32に巻き付けられる。
【0016】
第三ケーブル55は、第三角部13に接続される第一端56及び第一巻取装置31に接続される第二端57を有する。第三ケーブル55は第一巻取装置31に巻き付けられる。
【0017】
第四ケーブル65は第四角部14に接続される第一端66及び第二巻取装置32に接続される第二端67を有する。第四ケーブル65は第二巻取装置32に巻き付けられる。第一巻取装置31及び第二巻取装置32の一方又は両者を回動させて、ソーラー発電モジュール10の方位角度を調整することにより、太陽追尾の効果が達成でき発電効果を最適化することができる。
【0018】
各第一から第四弾性アンカー部41〜44は、並列接続された弾性部材81及び拘束部材82を含み、故に弾性拘束アンカー部と称され、拘束部材82は、弾性部材81の最大変形量を制限し、長さ制限部材とも称される。特に、実施例で挙げたものは、第一から第四弾性アンカー部41〜44のそれぞれが弾性部材81及び拘束部材82を含むものであるが、しかし、実際の設計時において、第一から第四弾性アンカー部41〜44のうちの一つ、二つ、または三つが弾性部材81及び拘束部材82を有するだけでも本発明の効果が達成できる。故に、本発明はこれに制限されない。第一から第四弾性アンカー部41〜44は弾性的に固定構造体2に取り付けられ、第一から第四角部11〜14にそれぞれ対応し、第一ケーブル50、第二ケーブル60、第三ケーブル55及び第四ケーブル65はそれぞれ第一弾性アンカー部41、第二弾性アンカー部42、第三弾性アンカー部43及び第四弾性アンカー部44を貫通して二つのW字型構造を形成する。第一/第二巻取装置31/32が回動することにより、第一/第二巻取装置31/32の両側のケーブルの一部長さを変更させ、これにより、ソーラー発電モジュール10の角度を変更することができる。このような二つのW字構造は、ソーラー発電装置1全ての構造を更に安定させ、強風や地震などの外力を受けても容易に破損することがない。
【0019】
この他、ソーラー発電装置1は、複数のバッファー部材70を更に含み、バッファー部材70は、中柱20及びソーラー発電モジュール10に伸縮自在に接続されて、ソーラー発電モジュール10の支持を補助し、且つ外力を緩衝する。バッファー部材70は、例えば油圧シリンダー、気圧シリンダー等緩衝作用を提供する部材であり、これによりソーラー発電モジュール10が受ける大きな外力を緩衝して、破損を低減させる。
【0020】
図4及び図5は、本発明の実施例のソーラー発電モジュール10の俯瞰図の二つの例である。図4及び図5に示されるように、ソーラー発電モジュール10は、フレーム15及び複数のソーラーパネル16を含む。フレーム15は第一ケーブル50、第二ケーブル60、第三ケーブル55、第四ケーブル65及び中柱20に接続される。複数のソーラーパネル16は、フレーム15に取り付けられ、整列して配列され、且つ並列及び/または直列の方法により電気的に接続される。図4図5との差異は、第一角部11と第二角部12の定義位置が異なることにより、4本のケーブルの経路を異ならせることである。
【0021】
図6は、本発明の実施例に基づくソーラー発電装置1のソーラーパネル16の俯瞰図である。図6に示すように、各ソーラーパネル16は複数の太陽電池17を並列及び/又は直列に接続してなる。太陽電池17は、単結晶、多結晶、フィルム又はその他種類の太陽電池であってもよい。
【0022】
図7は、本発明実施例のソーラー発電モジュールと第一及び第二巻取装置の接続ブロック図である。図7に示されるように、第一及び第二巻取装置31,32は、ソーラー発電モジュール10又は充電池又は一般電力供給による電動巻取装置である。
【0023】
図8は、図3の弾性アンカー部の別の実施例の概略図である。図8に示されるように、第一から第四弾性アンカー部41〜44のうちの一つ又はそれぞれが更に、固定部品83と、第一連結部品84と、第二連結部品85と、方向変更ガイド部材86とを含む。固定部品83は、固定構造体2に固定される。第一連結部品84は、固定部品83に回動可能に連結される。弾性部材81及び拘束部材82は、第一連結部品84を第二連結部品85に連結させる。方向変更ガイド部材86は第二連結部品85に回動可能に連結される。方向変更ガイド部材86に対応する第一から第四ケーブル50,60,55,65のうち一のケーブルは、方向変更ガイド部材86に連結されるとともに方向変更ガイド部材86により方向を変更する。
【0024】
第一連結部品84と第二連結部品85は、掛けがね(または、字型金具、シャックル(SHACKLE)と称す)であってもよく、形状はほぼU字型である。第一連結部品84はピンPと合わせて弾性部材81と拘束部材82に接続される。第二連結部品85はピンPと合わせて方向変更ガイド部材86に接続される。第一連結部品84と第二連結部品85の断面部CによりU字型構造の底部を示しされ、それぞれ弾性部材及び固定部品83を掛ける。
【0025】
本実施例において、方向変更ガイド部材86は、滑車であり、且つ第一から第四ケーブルのそれぞれは鋼索である。弾性部材81は引張コイルバネであり、拘束部材82は引張コイルバネの中空空間を貫通し、拘束部材82金属チェーンであり、相互に掛ける複数の環状構造を有する。これら環状構造は弛緩状態では引張コイルバネの内部空間に当接することができる。
【0026】
この他、金属チェーンは、第一区間82A及び第二区間82Bを有し、第一区間82Aは、弾性部材81の最大変形量を制限し、第二区間82Bは弾性部材81の最大変形量を制限せずに、長さを調節するための遊びとする。第二区間82Bが移動しないように、金属チェーンの第二区間82Bを固定構造体2に固定して、固定機能を補助する。つまり、第二区間82B、固定部材83と第一連結部品84はともに作用して、更なる補償を提供して、強風による破損を共に防ぐことができる。
【0027】
図9図11はそれぞれ、図3の第一巻取装置の別の実施例の立体図、前面図及び一部断面図である。第一巻取装置は、第一駆動輪33を含む。また別の実施例において、第一巻線装置は更に、第一駆動輪33を駆動させるモーターを含む。第一駆動輪33は第一巻取溝34と第三巻取溝35を含み、それぞれ第一ケーブル50及び第三ケーブル55を収容し、第一巻取溝34と第三巻取溝35は仕切輪縁辺36Cにより分割される。本実施例において、第一ケーブル50及び第三ケーブル55はいずれも常に張力を維持し、つまり弛緩状態にならない。従って、第一ケーブル50及び第三ケーブル55は第一駆動輪33に対して第一駆動輪33の軸孔33Sを介して第一合力Fを提供する。この効果を達成するため、第一ケーブル50及び第三ケーブル55は、径方向に累積する方法でそれぞれ逆向きに第一巻取溝34と第三巻取溝35に巻き取ることのみ行うことにより、第一ケーブル50及び第三ケーブル55双方の張力を維持することができる。第一巻取溝34と第三巻取溝35の底部の円周面34Cと35Cは、同一のサイズを有するので、第一巻取溝34に巻き取られる第一ケーブル50の長さは、第三巻取溝35に巻き取られる第三ケーブル55の長さに等しく、更に径方向に堆積する方法によりケーブルの引込に対して同期の効果が達成でき、ケーブルの張力の状態が有効に維持でき、弛緩したケーブルが強風にあおられて移動して大きな変位によりその他の部材に衝突破損を与えることを防止できる。従って、図11の巻取溝はV字型溝であるものの、その最大サイズはケーブルの直径の2倍より小さいことが好ましく、又ケーブルの直径の1.8より小さいことがより好ましく、更にはケーブルの直径の1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍より小さいことがより好ましい。
【0028】
現場作業でのケーブルの簡便な取り付けのために、第一ケーブル50の第二端52を第一巻取溝34の第一側部輪縁36の第一嵌め込み溝37に嵌め込んで固定し、且つ第三ケーブル55の第二端57を第三巻取溝35の第三側部輪縁38の第三嵌め込み溝39に嵌め込んで固定する。そのうち、第一嵌め込み溝37と第三嵌め込み溝39は相互に相反するC字型に延伸する形状を有し、且つ第一嵌め込み溝37と第三嵌め込み溝39の開口部分37A,39Aのサイズは封止部分37B、39Bのサイズより大きい。鋼索の末端は一般的に閉じられて大きな頭部が形成される必要があるので、大きな頭部により鋼索を固定することができる。
【0029】
図12図3の第二巻取装置の別の実施例の前面図である。図12に示されるように、第二巻取装置32は、第二駆動輪33´を含み、第二駆動輪33´は第二巻取溝34´と第四巻取溝35´を含みそれぞれ第二ケーブル60及び第四ケーブル65を収容する。第二ケーブル60及び第四ケーブル65は第二駆動輪33´に第二駆動輪33´の軸孔33S´を介して第二合力F´を提供する。そのうち、第二ケーブル60及び第四ケーブル65は、径方向に累積するようにそれぞれ逆方向に第二巻取溝34´と第四巻取溝35´に巻き取るだけで、第二ケーブル60及び第四ケーブル65双方の張力を維持することができる。第二駆動輪と第一駆動輪は類似する構造を有することができる。
【0030】
従って、第二ケーブル60の第二端62は、第二巻取溝34´の第二側部輪縁36´の第二嵌め込み溝37´に嵌め込み固定され、且つ第四ケーブル65の第二端67は第四巻取溝35´の第四側部輪縁38´の第四嵌め込み溝39´に嵌め込み固定される。そのうち、第二嵌め込み溝37´と第四嵌め込み溝39´は相互に逆方向のC字型に延伸する形状を有し、且つ第二嵌め込み溝37´と第四嵌め込み溝39´の開口部分37A´、39A´のサイズは封止部分37B´、39B´のサイズより大きい。
【0031】
本発明の弾性拘束ケーブル制御太陽追尾型ソーラー発電装置により、安定して弾性的に拘束して支持し、太陽追尾の効果が達成でき、且つ張力滑車を更に設けてケーブルの張力程度を維持する必要がないので、大型発電などに適しており、更に、自由度が高い回動及び移動能力を有し、太陽追尾の効果が達成でき、又強風に耐えることができ、各種異なる応用にも適合して、ソーラー発電の稼働率を有効に向上させ、ソーラー発電装置の破損率を低下させることができる。
【0032】
実施例により本発明を説明したが、しかし、本発明の範囲をこれに限定するものではない。本発明の本質内であれば、当業者は各種変形や変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0033】
C:断面部
F:第一合力
F´:第二合力
P:ピン
1:ソーラー発電装置
2:固定構造体
10:ソーラー発電モジュール
10B:底部
10M:中間部
11:第一角部
12:第二角部
13:第三角部
14:第四角部
15:フレーム
16:ソーラーパネル
17:太陽電池
20:中柱
21:第一端
22:第二端
25:ユニバーサルジョイント
31:第一巻取装置
32:第二巻取装置
33:第一駆動輪
33´:第二駆動輪
33S、33S´:軸孔
34:第一巻取溝
34´:第二巻取溝
34C、35C:円周面
35:第三巻取溝
35´:第四巻取溝
36:第一側部輪縁
36C:仕切輪縁辺
36´:第二側部輪縁
37A、39A、37A´、39A´:開口部分
37B、39B、37B´、39B´:封止部分
37:第一嵌め込み溝
37´:第二嵌め込み溝
38:第三側部輪縁
38´:第四側部輪縁
39:第三嵌め込み溝
39´:第四嵌め込み溝
41:第一弾性アンカー部
42:第二弾性アンカー部
43:第三弾性アンカー部
44:第四弾性アンカー部
50:第一ケーブル
51:第一端
52:第二端
55:第三ケーブル
56:第一端
57:第二端
60:第二ケーブル
61:第一端
62:第二端
65:第四ケーブル
66:第一端
67:第二端
70:バッファー部材
81:弾性部材
82:拘束部材
82A:第一区間
82B:第二区間
83:固定部材
84:第一連結部品
85:第二連結部品
86:方向変更ガイド部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12