(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記管理手段は、ジョブ実行の操作、音声出力の操作、PB番号生成の操作、オペレータ情報を取得するための操作、又はミュートの操作に係る第4操作情報を、ウィスパリングを強制終了しない操作情報として管理し、
上記第1制御手段は、着信側電話装置にウィスパリングを用いて情報を提供中に、着信側電話装置からの操作情報を受信すると、その操作情報が、さらに第4操作情報かを判断し、
判断結果が第4操作情報であるならば、第5操作情報に係る動作を拒否する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の通信制御装置。
上記管理手段は、ジョブ実行の操作、音声出力の操作、PB番号生成の操作、オペレータ情報を取得するための操作、又はミュートの操作に係る第4操作情報を、ウィスパリングを強制終了しない操作情報として管理し、
上記第1制御手段は、着信側電話装置にウィスパリングを用いて情報を提供中に、着信側電話装置からの操作情報を受信すると、その操作情報が、さらに第4操作情報かを判断し、
判断結果が第4操作情報であるならば、第5操作情報に係る動作を拒否する
ことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の通信制御方法。
上記管理手段は、ジョブ実行の操作、音声出力の操作、PB番号生成の操作、オペレータ情報を取得するための操作、又はミュートの操作に係る第4操作情報を、ウィスパリングを強制終了しない操作情報として管理し、
上記第1制御手段は、着信側電話装置にウィスパリングを用いて情報を提供中に、着信側電話装置からの操作情報を受信すると、その操作情報が、さらに第4操作情報かを判断し、
判断結果が第4操作情報であるならば、第5操作情報に係る動作を拒否する
ことを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の通信制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による通信制御装置、方法及びプログラムの第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。ここで、第1の実施形態の通信制御装置は、コールセンタシステム(コンタクトセンタシステム)におけるコールセンタサーバシステムである。
【0018】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態のコールセンタサーバシステム(通信制御装置)が適用されているコールセンタシステムの全体構成を示すブロック図である。
【0019】
図1において、コールセンタシステム1は、顧客電話機11、コールセンタサーバシステム20及び複数のオペレータシステム30(30−1〜30−N)を構成要素として有している。
【0020】
顧客電話機11は、コールセンタシステム1を利用する顧客が所持する電話機である。顧客電話機11の種類を制限しても良く、また、制限しないようにしても良い。例えば、顧客電話機11は、固定電話機であっても携帯電話機であっても良い。また別な観点から分類して、例えば、顧客電話機11は、レガシーな電話機であってもIP電話機(ソフトフォンを含む)であっても良い。なお、オペレータの指示等に基づいて、FAX信号やデータ信号を顧客に提供し得るシステムであれば、顧客電話機11に加え、ファクシミリ端末やパソコンなども顧客に係る端末となる。
【0021】
顧客電話機11は、通信ネットワーク12を介して、コールセンタサーバシステム20に接続可能である。通信ネットワーク12は、顧客電話機11をコールセンタサーバシステム20に接続可能な通信ネットワークであれば良く、その種類は限定されるものではない。また、顧客電話機11及びコールセンタサーバシステム20間に介在するネットワークが複数種類あり、通信ネットワーク12が複数種類のネットワークで構成されていても良い。通信ネットワーク12としては、電話網、IP(Internet Protocol)網、IMS(IP Multimedia Subsystem)網等を挙げることができる。
【0022】
オペレータシステム30(30−1〜30−N)は、コールセンタ作業を行う対応するオペレータが使用するシステムである。第1の実施形態の場合、オペレータシステム30としては、オペレータ電話機31(31−1〜31−N)が適用され、例えば、LAN(Local Area Network)を介してコールセンタサーバシステム20と接続されている。なお、オペレータ電話機31に加え、パソコン等のオペレータ端末を備えるオペレータシステム30であっても良く、この場合において、オペレータ電話機31がLANに接続されているオペレータ端末に収容されていても良く、オペレータ電話機31がオペレータ端末とは独立にLANに接続されていても良い。
【0023】
なお、オペレータ電話機31に対応するオペレータは、コールセンタ作業を行う一般的なオペレータ(エージェント)に限定されず、それらオペレータを管理する管理者(スーパバイザ)であっても良い。
【0024】
以下では、オペレータシステム30としてオペレータ電話機31だけを備える場合を例に説明を行う。なお、このような形態で適用されるオペレータ電話機31は、例えば、操作キーや表示部等を有するIP電話機(ソフトフォンを含む)と同様な電話機である。以下では、オペレータ電話機31とコールセンタサーバシステム20との間でIPパケットを授受するものとして説明する。但し、オペレータ電話機31の種類が問われないことは勿論である。
【0025】
また、以下では、各オペレータシステム30がLANに収容されているとして説明するが、各オペレータシステム30が、コールセンタサーバシステム20(の全体やその要素)に対して、回線やケーブルを介して個別に接続されているものであっても良い。
【0026】
コールセンタサーバシステム20は、顧客(顧客電話機11)に対してコールセンタ機能を提供するシステムである。
【0027】
コールセンタサーバシステム20は、メッセージングサーバ(以下、MSGサーバと呼ぶ)21、コールマネージメントサーバ(以下、CMサーバと呼ぶ)22、ラインマネージメントサーバ(以下、LMサーバと呼ぶ)23及びゲートウェイ24を有している。
【0028】
ゲートウェイ24は、通信ネットワーク12とコールセンタ側のLAN25(
図2参照)とを接続させるための処理を行うものである。ゲートウェイ24は、例えば、通信ネットワーク12におけるプロトコルと、LAN25におけるプロトコルとの間の変換を行い、通信ネットワーク12からLAN25への信号やLAN25から通信ネットワーク12への信号が、送出先のネットワークに適合するようにする。
【0029】
MSGサーバ21、CMサーバ22及びLMサーバ23の機能の詳細は、後述する動作説明で明らかになるが、以下では、簡単に機能の概要を説明する。
【0030】
図2は、コールセンタサーバシステム20の各種サーバ21、22、23についての機能的な詳細構成を示すブロック図である。各種サーバ21、22、23はそれぞれ、ハードウェア構成(例えば、専用の集積回路)によって担当する機能を実現するものであっても良く、また、CPU(DSPに搭載されたものであっても良い)が予め用意されているプログラム(特許請求の範囲ではこのようなプログラムを通信制御プログラムと呼んでいる)を実行することによって担当する機能を実現するものであっても良いが、機能的には、
図2で表すことができる。
【0031】
ここで、MSGサーバ21、CMサーバ22及びLMサーバ23のそれぞれと、物理的なサーバとの関係は1対1に限定されるものではない。例えば、1つの物理的サーバが、MSGサーバ21、CMサーバ22及びLMサーバ23としての機能を実行するものであっても良い。また例えば、複数の物理的サーバによって、MSGサーバ21、CMサーバ22、LMサーバ23のうちの1つのサーバが構成されていても良い。
【0032】
MSGサーバ21は、顧客電話機11やオペレータ電話機31(31−1〜31−N)に対するメッセージの管理、提供機能を担っているサーバである。ウィスパリングに供する音声情報も、MSGサーバ21が管理しているメッセージである。MSGサーバ21は、メッセージの提供先毎やメディアの種類毎など、異なるメッセージを取扱う複数のMSGサーバでなっていても良い。以下では、説明の簡単化を期して、MSGサーバ21が1台であるとして説明する。
【0033】
MSGサーバ21は、通信制御処理部21a、メッセージング処理部(以下、MSG処理部と呼ぶ)21b、音声自動応答処理部(以下、IVR処理部と呼ぶ)21c及びウィスパリング処理部21dを有する。
【0034】
通信制御処理部21aは、LAN25に接続しており、主として、他のサーバ22、23等との間でIP通信する機能や、オペレータ電話機31との間で通話用IPパケットを授受する機能等を担っている。
【0035】
メッセージング処理部21bは、主として、電話、FAX、電子メールなど様々な経路で送受信されるメッセージを統合し、一元的に管理するユニファイド機能等を担っている。
【0036】
IVR処理部21cは、音声自動応答機能等を担っている。
【0037】
ウィスパリング処理部21dは、ウィスパリング機能等を担っている。ここで、ウィスパリング機能とは、例えば、コールセンタサーバシステム20が、顧客電話機11から発信信号を受信して、顧客電話機11とオペレータ電話機31とを接続する前に、顧客電話機11に関わる情報を、音声信号としてオペレータ電話機31に送信してオペレータに聴取させる機能である。
【0038】
顧客電話機11に関わる情報としては、例えば、コールセンタサーバシステム20に接続される(又はシステム内に配置される)データベース(図示せず)に記憶されているその顧客電話機11を利用する顧客情報、顧客電話機11を利用する顧客がIVRに応じて操作した情報等である。顧客情報は、例えば、顧客の氏名、顧客の属性(例えば、会社名、役職、部署等)、顧客の住所、コールセンタサーバシステム20に過去又は前回に接続されたときの顧客の用件等である。また、顧客がIVRに応じて操作した情報は、例えば、テンキー等で特定された「商品を購入したい」、「新製品情報がほしい」、「障害に対応してほしい」等のオペレータへの要求情報である。
【0039】
CMサーバ22は、主に、コールセンタ側における呼の管理、制御を行うサーバである。例えば、CMサーバ22は、オペレータ電話機31やMSGサーバ21を制御して両者間に音声パスを接続して、オペレータにウィスパリング音声を提供可能とする。
【0040】
CMサーバ22は、通信制御処理部22a、呼制御処理部22b及び自動呼分配(以下、ACDと呼ぶ)処理部22cを有している。
【0041】
通信制御処理部22aは、LAN25に接続しており、主として、他のサーバ21、23との間でIP通信する機能等を担っている。
【0042】
呼制御処理部22bは、顧客電話機11からの着信を処理する機能や、オペレータ電話機31に対して発信する機能や、顧客電話機11とオペレータ電話機31との間を接続する機能等を担っている。
【0043】
ACD処理部22cは、複数のオペレータ電話機31の中から、今回発信してきた顧客電話機11と接続されるオペレータ電話機31を選択するACD機能を担っている。
【0044】
LMサーバ23は、主に、コールセンタ側において接続する若しくは接続している外線(ライン)の管理、制御を行うサーバである。
【0045】
LMサーバ23は、通信制御処理部23a及びゲートウェイ制御処理部23bを有している。
【0046】
通信制御処理部23aは、LAN25に接続しており、主として、他のサーバ21、22やゲートウェイ24との間でIP通信する機能等を担っている。
【0047】
ゲートウェイ制御処理部23bは、主として、ゲートウェイ24が、顧客電話機11と、コールセンタサーバシステム20又はオペレータシステム30との間のプロトコル変換等を適切に処理できるように、ゲートウェイ24を制御する機能等を担っている。
【0048】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態のコールセンタサーバシステム(通信制御装置)が適用されているコールセンタシステムの動作を、図面を参照しながら場合に分けて説明する。
【0049】
なお、
図1の通信ネットワーク12の動作は、顧客電話機11とコールセンタサーバシステム20との間における通信信号、情報などを中継することなので、以下に記載されるコールセンタシステムの動作の説明は、通信ネットワーク12の動作に関わる記載について、省略して記載される。同様に、
図2のゲートウェイ(GW)24の動作は、コールセンタサーバシステム20と通信ネットワーク12を介した顧客電話機11との間、コールセンタサーバシステム20とLAN25を介したオペレータシステム30との間、コールセンタサーバシステム20内の各サーバ(MSGサーバ21、CMサーバ22、LMサーバ23)間における通信信号、情報などを中継することなので、以下に記載されるコールセンタシステムの動作の説明は、ゲートウェイ(GW)24の動作に関わる記載について、省略して記載される。同様に、
図2のLAN25の動作は、コールセンタサーバシステム20とオペレータシステム30との間における通信信号、情報などを中継することなので、以下に記載されるコールセンタシステムの動作の説明は、
図2のLAN25の動作に関わる記載について、省略して記載される。
【0050】
(A−2−1)ログオン操作時動作
この第1の実施形態においては、オペレータがコールセンタ業務を開始することを通知するために、オペレータ電話機31からコールセンタサーバシステム20に対してログオン操作が行われたことを通知するようになっている。コールセンタサーバシステム20のCMサーバ22は、この通知により、通知元のオペレータが、業務が可能な状態、すなわち、着信を受け付けられる状態になったことを認識する。同様に、オペレータがコールセンタ業務を終了するときには、オペレータ電話機31に対してログオフ操作を行うようになっている。これにより、CMサーバ22は、当該オペレータが業務を終了したことを認識する。
【0051】
図3は、オペレータがログオン操作を行ったときの各部の動作を示すシーケンス図である。
【0052】
オペレータがコールセンタ業務を開始する際には、オペレータ電話機31の入力手段に対してログオン操作を行う(ステップS1)。このとき、オペレータ電話機31は、ログオン操作されたことを通知すべく、ログオン要求をコールセンタサーバシステム20のCMサーバ22に送信する(ステップS2)。ここで、オペレータ電話機31に専用キーを設けておいてログオン操作を行うようにしても良く、また、ログオン操作に該当する複数のキーの同時操作や順次操作によってログオン操作を行うようにしても良く、さらに、オペレータ電話機31に設けられている表示部にログオン用の選択肢(アイコン)を表示させて選択することによりログオンするようにしても良い。
【0053】
コールセンタサーバシステム20のCMサーバ22はログオン要求を受信すると、自己内で管理するオペレータの状態を「ログオン状態(業務状態)」に変更した後(ステップS3)、ログオン要求元のオペレータ電話機31に対してログオンが完了した旨の通知を送信する(ステップS4)。このとき、オペレータ電話機31は、ログオンが完了した旨をオペレータに報知する(ステップS5)。例えば、ブザー音の鳴動によって報知したり、発光素子の所定時間の点灯や点滅によって報知したり、表示部にその旨のメッセージを表示して報知したりする。
【0054】
シーケンス図は省略するが、オペレータ電話機31に対してログオフ操作が実行されたときにも、上述と同様な手順により、CMサーバ22に通知され、該当するオペレータの状態が変更され、その後、オペレータ電話機31にログオフが完了した旨が通知され。オペレータ電話機31はその旨をオペレータに報知する。
【0055】
(A−2−2)顧客電話機からの着信時動作
コールセンタを利用しようとする顧客は顧客電話機11を用いて、コールセンタサーバシステム20に対する発信操作を行い、この第1の実施形態の場合、コールセンタサーバシステム20は発信信号を着信したときにIVR動作を行う。
【0056】
図4は、顧客が発信操作を行ったときの各部の動作を示すシーケンス図であり、主に、IVR動作の流れを示している。
【0057】
顧客がコールセンタによるサービス提供を求めて、顧客電話機11に対して発信操作を行うと、顧客電話機11(外線)からの発信信号がゲートウェイ24を経由してLMサーバ23に到達し(ステップS11)、このとき、LMサーバ23はCMサーバ22へ着信を通知する(ステップS12)。
【0058】
CMサーバ22は、MSGサーバ21上におけるIVRジョブを起動すると共に(ステップS13)、LMサーバ23へ着信応答する(ステップS14)。着信応答は、LMサーバ23からゲートウェイ24経由で顧客電話機11に到達する(ステップS15)。
図4では省略しているが、発信信号や着信応答の授受により、顧客電話機11とコールセンタサーバシステム20との間の通話路が確立する。
【0059】
MSGサーバ21においては、IVRジョブの起動情報がMSG処理部21bに与えられ(ステップS13)、MSG処理部21bは現在の状況(着信)を通知してIVR処理部21cを起動する(ステップS16)。IVR処理部21cは、現在の状況(着信)に応じた選択肢情報を含む音声ガイダンスを再生することをMSG処理部21bに指示する(ステップS17)。着信時に送信する音声ガイダンスは、例えば、着番号によって定まる。
【0060】
この指示に応じてMSGサーバ21が再生した選択肢情報を含む音声ガイダンスは、中継する各部の説明は省略するが、顧客電話機11に与えられる(ステップS18)。その音声ガイダンスを聴取した顧客は、該当する選択肢に対応したテンキーを操作し(ステップS19)、そのテンキーに応じた選択情報(PB信号)が、中継する各部の説明は省略するが、MSGサーバ21に与えられる(ステップS20)。
【0061】
図4は、顧客に選択肢を選択させる音声ガイダンスを1回だけ顧客電話機11に送信する場合を示しているが、選択された選択肢に応じて次の段階の選択肢を選択させる音声ガイダンスを送信し、このような新たな段階の音声ガイダンスの送信を複数回実行するものであっても良い。
【0062】
最終段階の音声ガイダンスに対する選択情報を受信したMSGサーバ21は、その選択情報を受信した際に用意されている音声ガイダンスを、中継する各部の説明について省略するが、顧客電話機11に与えると共に(ステップS21)、最終段階の選択がなされたことをIVR処理部21cに通知する(ステップS22)。このとき、IVR処理部21cは、MSG処理部21bからの音声ガイダンスの送信処理を終了させ(ステップS23)、このとき、MSG処理部21bは、CMサーバ22(の呼制御処理部22b)に対してIVR処理の終了を通知する(ステップS24)。この終了通知には、顧客によって選択された情報(例えば、新製品紹介、クレーム対応など)が含まれている。
【0063】
(A−2−3)IVR動作に続行するACD動作
この第1の実施形態のコールセンタサーバシステム20では、IVR動作が終了したときには引き続きACD動作が実行される。
【0064】
図5は、IVR動作に引き続いて実行されるACD動作における各部動作を示すシーケンス図である。
【0065】
CMサーバ22の呼制御処理部22bは、IVR処理の終了が通知されると、ACD処理部22cに対してACD処理を起動する(ステップS31)。これにより、ACD処理部22cは、顧客の選択情報に応じて対応可能な1人又は複数人のオペレータの中から、今回の顧客に対応するオペレータを決定し(ステップS32)、決定したオペレータの情報を含むACD終了情報を呼制御処理部22bに返信する(ステップS33)。
【0066】
このとき、呼制御処理部22bは決定されたオペレータに係るオペレータ電話機31に対して顧客からの着信を通知し(ステップS34)、オペレータ電話機31に係るオペレータはその着信に応答する(ステップS35)。着信応答は、例えば、オペレータ電話機31の受話器のオフフックであったり、オペレータ電話機31に設けられているオフフック状態にするキーの操作であったりする。オペレータが着信応答操作を行うことにより、オペレータ電話機31からCMサーバ22の呼制御処理部22bへ応答信号が返信される(ステップS36)。
【0067】
(A−2−4)ACD動作に続行するウィスパリング動作(通常動作)
この第1の実施形態のコールセンタサーバシステム20では、ACD動作が終了したときには引き続きウィスパリング動作が実行される。
【0068】
図6は、ACD動作に引き続いて実行されるウィスパリング動作における各部動作を示すシーケンス図である。
図6は、通常のウィスパリング動作が実行される場合を示している。
【0069】
CMサーバ22(の呼制御処理部22b)は、顧客からの今回の着信に対して対応することに決定されたオペレータに係るオペレータ電話機31から、決定通知の発信に対する応答信号が返信されると、そのオペレータに関し、ウィスパリングを実行する設定になっていることを確認する(ステップS61)。
図6は、ウィスパリングを実行する設定になっている場合を示しているが、ウィスパリングを実行する設定になっていない場合には、顧客電話機11とオペレータ電話機31とを接続させる動作(図示せず)に移行する。ここで、ウィスパリングを実行するか否かの設定は、オペレータ単位に設定する他、オペレータのグループ(商品購入対応のオペレータのグループ、新製品紹介対応のオペレータのグループ、障害などのクレーム対応のオペレータのグループ)単位に設定するようにしても良く、全てのオペレータを単位に統一的に設定するようにしても良い。
【0070】
ウィスパリングを実行する設定になっていると、CMサーバ22(の呼制御処理部22b)は、さらに、顧客待ち時間に基づいて、ウィスパリングを実行しても良いか否かを判断する(ステップS62)。この第1の実施形態の場合、ルールR1に示すように、顧客待ち時間が閾値待ち時間以上のときにはウィスパリングを省略してオペレータによる対応に直ちに移行し、顧客待ち時間が閾値待ち時間より短いときにはウィスパリングを実行後にオペレータによる対応に移行することとしており、いずれになっているかを判断することにより、ウィスパリングを実行しても良いか否かを判断している。
【0071】
ルールR1
顧客待ち時間≧閾値待ち時間 ⇒ ウィスパリング省略
顧客待ち時間<閾値待ち時間 ⇒ ウィスパリング実行
【0072】
ここで、顧客待ち時間の開始時点としては、以下の数例を挙げることができる。第1の例は、IVR動作が終了した時点、言い換えると、ステップS24によるIVR処理の終了通知をCMサーバ22(の呼制御処理部22b)が受信した時点を顧客待ち時間の開始時点とするものである。第2の例は、顧客待ち時間の開始時点は顧客電話機11からの着信時点、言い換えると、ステップS12による着信通知をCMサーバ22(の呼制御処理部22b)が受信した時点を顧客待ち時間の開始時点とするものである。また一方、顧客待ち時間の終了時点としては、以下の数例を挙げることができる。第1の例は、ACD動作が終了した時点、言い換えると、ステップS36による応答信号をCMサーバ22(の呼制御処理部22b)が受信した時点を顧客待ち時間の終了時点とするものである。第2の例は、CMサーバ22(の呼制御処理部22b)においてウィスパリングの起動指示(後述するステップS63)が生じた時点を顧客待ち時間の終了時点とするものである。第3の例は、MSGサーバ21(のMSG処理部21d)においてウィスパリング情報の選択依頼(後述するステップS64参照)を行った時点を顧客待ち時間の終了時点とするものである。
図6は、顧客待ち時間の開始時点として第1の例の場合、顧客待ち時間の終了時点として第1の例の場合を示している。顧客待ち時間の開始時点として第2の例の場合、顧客待ち時間の終了時点として第2や第3の例の場合、顧客待ち時間が閾値待ち時間以上か否かの判断を、呼制御処理部22bではなくMSG処理部21bが行う方が簡便であって好ましい。
【0073】
ここで、顧客待ち時間の開始時点は顧客電話機11からの着信時点である。一方、顧客待ち時間の終了時点としては、以下の数例を挙げることができる。第1の例は、ACD動作が終了した時点、言い換えると、ステップS36による応答信号を受信した時点を顧客待ち時間の終了時点とするものである。第2の例は、ウィスパリングの起動指示(後述するステップS63)が生じた時点を顧客待ち時間の終了時点とするものである。第3の例は、ウィスパリング情報の選択依頼(後述するステップS64参照)を行った時点を顧客待ち時間の終了時点とするものである。
図6は、第1の例の場合を示している。第2や第3の例の場合、顧客待ち時間が閾値待ち時間以上か否かの判断を、呼制御処理部22bではなくMSG処理部21bが行う方が簡便であって好ましい。
【0074】
顧客待ち時間が閾値待ち時間より短くウィスパリング実行と判断すると、CMサーバ22の呼制御処理部22bは、MSGサーバ21のMSG処理部21bに対してウィスパリング(ウィスパリングジョブ)の起動を指示する(ステップS63)。
【0075】
この起動指示時には、CMサーバ22の呼制御処理部22bは、顧客自身の情報や、音声ガイダンスに応じて顧客が選択した情報など、ウィスパリングの種類を特定できるための情報も併せてMSG処理部21bに送信する。MSG処理部21bは、ウィスパリング種類の特定情報等をウィスパリング処理部21dに与えてウィスパリング処理部21dからオペレータに提供するウィスパリング情報を取り出す(ステップS64、S65)。そして、MSG処理部21bは、ウィスパリング情報を含む音声パケット(例えばRTPパケット)をオペレータ電話機31に送信する(ステップS66)。オペレータに提供するウィスパリング情報の量によっては、MSG処理部21bは、ウィスパリング情報を複数の音声パケットに分配し、複数の音声パケットを順次オペレータ電話機31に送信する。オペレータ電話機31は、
図6では省略しているが、受信した音声パケットからウィスパリング情報を抽出、再生してオペレータに向けて発音出力する。
【0076】
MSGサーバ21のMSG処理部21bは、ウィスパリングに係る全ての音声パケットの送出が終了すると、CMサーバ22の呼制御処理部22bに対してウィスパリングの終了を通知する(ステップS67)。
【0077】
(A−2−5)顧客電話機及びオペレータ電話機間の音声パス確立動作
ウィスパリングによってオペレータに対して今回の通話に関する予備知識を提供した後に、中継する各部の説明は省略するが、顧客電話機11及びオペレータ電話機31間の音声パス(通話パス)の確立動作が実行される。
【0078】
なお、呼制御処理部22bが管理するウィスパリングの提供処理に供しているオペレータ電話機31に対する状態は、ウィスパリングが終了したときに、顧客電話機11及びオペレータ電話機31間の音声パスの確立動作が実行し易いように管理しておけば良い。例えば、オペレータ電話機31がLAN25(構内回線)に接続されているものであれば「着信状態」と管理し、オペレータ電話機31が公衆回線に接続されているものであれば「通話状態」と管理すれば良い。第1の実施形態は、前者の場合である。
【0079】
図7は、顧客電話機11及びオペレータ電話機31間の音声パスの確立時の各部動作を示すシーケンス図である。
【0080】
CMサーバ22の呼制御処理部22bは、MSGサーバ21のMSG処理部21bからウィスパリングの終了が通知されると、オペレータ電話機31に対して、その接続先を、今までのMSGサーバ21から、顧客電話機11と接続しているLMサーバ23へ変更することを指示し(ステップS71)、オペレータ電話機31は、その指示を受け付けたことの応答をCMサーバ22の呼制御処理部22bに返信する(ステップS72)。オペレータ電話機31は、この変更指示に応じて、自己の接続先を、MSGサーバ21からLMサーバ23へ変更する。
【0081】
また、CMサーバ22の呼制御処理部22bは、LMサーバ23(のゲートウェイ制御処理部23b)に対して、音声パスの接続先を、オペレータ電話機31へ変更することを指示し(ステップS73)、LMサーバ23(のゲートウェイ制御処理部23b)は、その指示を受け付けたことの応答をCMサーバ22の呼制御処理部22bに返信する(ステップS74)。LMサーバ23(のゲートウェイ制御処理部23b)は、この変更指示に応じて、顧客電話機11とオペレータ電話機31とを接続するように、ゲートウェイ24を制御する。
【0082】
CMサーバ22の呼制御処理部22bは、LMサーバ23(のゲートウェイ制御処理部23b)からの応答を受信すると、オペレータ電話機31に対して、通話相手側が、接続先をオペレータ電話機31に変更したことを通知する(ステップS75)。
【0083】
以上のような処理により、顧客電話機11及びオペレータ電話機31間の音声パス(通話パス)が確立し(ステップS76)、顧客とオペレータとの通話が可能となる。
【0084】
(A−2−6)ウィスパリング中の切断操作時の動作
第1の実施形態のコールセンタサーバシステム20は、オペレータ電話機31に対してウィスパリングを提供中であっても、オペレータ電話機31に対する切断操作を有効なものとすることを一つの特徴としている。
【0085】
図8は、ウィスパリングの提供中にオペレータ電話機31に対する切断操作がなされた場合の各部動作を示すシーケンス図である。
図8において、
図6との同一、対応ステップには同一符号を付して示している。
【0086】
CMサーバ22の呼制御処理部22bに、ACD処理によって決定されたオペレータに係るオペレータ電話機31から、決定通知の発信に対する応答信号が返信されたときから(ステップS36)、ウィスパリングを提供するまでの各部動作(ステップS61〜S66)は、
図6を用いて上述した通りであり、ここではその詳細説明を省略する。
【0087】
ウィスパリングによる音声を聴取したオペレータが、今回の着信に対して応答しない方が良いと判断した場合には、
図8では処理ブロックを設けていないが、ウィスパリングの途中であってもオペレータ電話機31に対して切断操作を行う。このとき、呼制御信号の一つである切断操作情報が、オペレータ電話機31からCMサーバ22の呼制御処理部22bに与えられる(ステップS81)。ここで、切断操作は、例えば、受話器のオンフックであったり、予め用意されている切断キーに対する操作であったりする。
【0088】
図8では省略しているが、CMサーバ22の呼制御処理部22bは、顧客対応のオペレータ電話機31や他のオペレータ電話機からの操作情報の到来を監視している。到来した操作情報が、顧客対応のオペレータ電話機31からの切断操作情報の場合には、以下のように動作する。
【0089】
切断操作情報が与えられるCMサーバ22の呼制御処理部22bは、ウィスパリングを強制終了させるために、MSGサーバ21のMSG処理部21bに対してウィスパリング(ウィスパリングジョブ)の強制終了を指示する(ステップS82)。
【0090】
このとき、MSG処理部21bは、送信中のウィスパリングを途中で終了させる処理を行う(ステップS83)。すなわち、ウィスパリングに係る音声パケットの送出を停止する。これにより、音声パケットがオペレータ電話機31に到達しない。そして、ウィスパリング処理部21dにウィスパリングを途中終了させた旨を通知する(ステップS84)。ウィスパリング処理部21dは、内部の管理情報を途中終了に合わせて更新する等の処理を行った後、ウィスパリングを途中終了したことを、MSGサーバ21のMSG処理部21b経由でCMサーバ22の呼制御処理部22bに与える(ステップS85)。
【0091】
このとき、呼制御処理部22bは、顧客電話機11との通話路の切断処理を実行する(ステップS86)。ここで、呼制御処理部22bは、ステップS86における切断処理信号に、コールセンタ側で切断処理を行うことに関わる通知情報を含めて送信しても良く、顧客電話機11は、受信した切断処理信号に含まれる通知情報に基づいて、コールセンタ側で切断処理を行うことに関わる情報を、顧客電話機11を利用する顧客に音声や表示によって通知しても良い。
【0092】
なお、呼の切断を伴わないウィスパリングの強制終了の操作を認めるようにしても良く(以下では、この操作も許容されているとして説明する)、この操作がなされた場合には、ステップS82〜S85の動作を行い、ステップS86の動作を実行しないようにすれば良い。
【0093】
(A−2−7)ウィスパリング中の転送操作時の動作
第1の実施形態のコールセンタサーバシステム20は、オペレータ電話機31に対してウィスパリングを提供中であっても、オペレータ電話機31に対する転送操作を有効なものとすることを一つの特徴としている。
【0094】
図9は、ウィスパリングの提供中にオペレータ電話機31に対する転送操作がなされた場合の各部動作を示すシーケンス図である。
図9では、転送元のオペレータ電話機の符号として「31−x」を用い、転送先のオペレータ電話機の符号として「31−y」を用いている。また、
図9において、
図6や
図8との同一、対応ステップには同一符号を付して示している。
【0095】
転送操作がなされる前の動作は記述した通りである。すなわち、CMサーバ22の呼制御処理部22bに、ACD処理によって決定されたオペレータに係るオペレータ電話機31から、決定通知の発信に対する応答信号が返信されたときから(ステップS36)、ウィスパリングを提供するまでの各部動作(ステップS61〜S66)は、
図6を用いて上述した通りであり、ここではその詳細説明を省略する。
【0096】
ウィスパリングによる音声を途中まで聴取したオペレータが、今回の着信に対して他のオペレータ(例えばスーパバイザ)が応答した方が良いと判断した場合には、
図9では処理ブロックを設けていないが、ウィスパリングの途中であってもオペレータ電話機31−xに対して転送操作を行う。このとき、呼制御信号の一つである転送操作情報が、オペレータ電話機31−xからCMサーバ22の呼制御処理部22bに与えられる(ステップS91)。ここで、転送操作は、例えば、予め用意されている転送キーに対する操作である。
【0097】
図9では省略しているが、CMサーバ22の呼制御処理部22bは、顧客対応のオペレータ電話機31−xや他のオペレータ電話機からの操作情報の到来を監視している。到来した操作情報が、顧客対応のオペレータ電話機31−xからの転送操作情報の場合には、以下のように動作する。
【0098】
なお、転送先のオペレータ電話機31−yは、転送元のオペレータ電話機31−xがどのオペレータ電話機であっても同じであっても良く、また、転送元のオペレータ電話機31−xに応じて転送先のオペレータ電話機31−yが定まるものであっても良く、対応テーブルを呼制御処理部22bが内蔵していれば良い。転送操作情報が与えられたCMサーバ22の呼制御処理部22bは、転送先のオペレータ電話機31−yを認識する(ステップS92)。
【0099】
ここで、ステップS92の処理は、次のような処理でも良い(図示せず)。CMサーバ22の呼制御処理部22bは、CMサーバ22のACD処理部22cに対してACD処理を起動する。ACD処理部22cは、対応可能なオペレータの中からオペレータ電話機31−yに対応するオペレータを決定し、決定したオペレータの情報を含むACD終了情報を呼制御処理部22bに返信する。CMサーバ22の呼制御処理部22bは、転送先のオペレータ電話機31−yを認識する。
【0100】
その後、ウィスパリングを強制終了させる動作が実行される。ウィスパリングを強制終了させる各部動作(ステップS82〜S85)は、
図8を用いて上述した通りであり、ここではその詳細説明を省略する。
【0101】
ウィスパリング処理部21dからウィスパリングを途中終了したことが与えられたCMサーバ22の呼制御処理部22bは、転送先のオペレータ電話機31−yに対して発信信号を送信し(ステップS93)、その受信応答を受け取る(ステップS94)。これにより、顧客対応のオペレータ電話機がオペレータ電話機31−xからオペレータ電話機31−yに切り換わったこととなる。
【0102】
図9では省略しているが、これ以降、顧客電話機11とオペレータ電話機31−yとの音声パスの確立動作が実行される。
【0103】
(A−2−8)ウィスパリング中の操作無視時の動作
第1の実施形態のコールセンタサーバシステム20において、ウィスパリングの提供中において有効とする操作は、切断操作、ウィスパリング強制終了操作及び転送操作である。その他の操作(無効操作と呼ぶ)がなされたときは、第1の実施形態のコールセンタサーバシステム20は無視する。
【0104】
無効操作は、例えば、保留のための操作、複数のオペレータで相談するための会議発信操作、顧客に対する自動的なサービスを提供するためのジョブ実行操作若しくは音声出力操作、オペレータがシステムに指示するためのPB番号(Digits)生成操作、オペレータのプレゼンス一覧の取得操作、音声レベルを0とするミュート操作等である。
【0105】
図10は、ウィスパリングの提供中にオペレータ電話機31に対してコールセンタサーバシステム20が無視する操作がなされた場合の各部動作を示すシーケンス図である。
図10において、
図6との同一、対応ステップには同一符号を付して示している。
【0106】
CMサーバ22の呼制御処理部22bに、ACD処理によって決定されたオペレータに係るオペレータ電話機31から、決定通知の発信に対する応答信号が返信されたときから(ステップS36)、ウィスパリングを提供するまでの各部動作(ステップS61〜S66)は、
図6を用いて上述した通りであり、ここではその詳細説明を省略する。
【0107】
オペレータがオペレータ電話機31に対して、無効操作を行っても、その操作情報が、オペレータ電話機31からCMサーバ22の呼制御処理部22bに与えられる(ステップS101)。無効な操作情報が与えられるCMサーバ22の呼制御処理部22bは、操作情報の判別で無効であることを認識し、操作拒否情報をオペレータ電話機31に返信する(ステップS102)。オペレータ電話機31は、例えば、拒否情報の受信時用の発光素子を所定時間だけ点灯若しくは点滅して拒否されたことをオペレータに通知し、若しくは、拒否用の鳴動音をブザーから放音して拒否されたことをオペレータに通知する。
【0108】
以上のように、無効な操作情報の到来時には、CMサーバ22の呼制御処理部22bはMSGサーバ21に対する指示を何ら実行しないので、ウィスパリング送出は継続される。
【0109】
図10は、無効操作情報が顧客対応のオペレータ電話機31からCMサーバ22の呼制御処理部22bに与えられる場合を示したが、今回の顧客に対応しないオペレータ電話機(ここでは符号「31−z」で表す)からCMサーバ22の呼制御処理部22bに無効操作情報が与えられることもある。例えば、スーパバイザはその配下のオペレータの対応をモニタリングすべく、キャプチャーを要求する操作を行うことがあり、このような操作情報も、CMサーバ22の呼制御処理部22bに与えられる。
【0110】
第1の実施形態のコールセンタサーバシステム20は、このような今回の顧客に対応しないオペレータ電話機31−zからの操作情報も無視する。この際の動作も図示は省略するが、
図10と同様である。すなわち、オペレータ電話機31−zから受信した操作情報に係る操作が有効か無効かを判断し、無効と結果を得ると、操作情報の送信元のオペレータ電話機31−zに拒否情報を返信させ、オペレータ電話機31−zからオペレータに拒否を通知させる。この際、ウィスパリングによる音声パケットの送出は継続する。
【0111】
(A−3)第1の実施形態の効果
上記第1の実施形態によれば、ウィスパリングの提供中に、コールセンタサーバシステム20に到来する可能性をある操作情報を、予め、ウィスパリングを強制終了してその操作情報が指示する動作を実行するものと、その操作情報を無視してウィスパリングを継続するものとに分類しておき、今回、到来した操作情報がどちらの分類に属するかを判断し、その後の動作を制御するようにしたので、ウィスパリング提供中になされたオペレータの操作に対し、適切かつ明確に対応することができる。
【0112】
すなわち、ウィスパリング中の有効操作を選定することにより、オペレータで対応できない顧客との通信を排除すると共に、無駄な処理をなくして顧客との通信接続をスムーズに行うことを可能とする。
【0113】
例えば、顧客電話機との呼の切断操作があった場合において、ウィスパリングの終了を待って切断しても、切断操作があってからウィスパリングが終了するまでの間のウィスパリングは全く意味を待たないが、第1の実施形態では、直ちに、ウィスパリングを強制終了して呼を切断するようにしたので、呼の切断が迅速に実行され、オペレータは他の顧客に対応できる状態に速やかに移行することができる。
【0114】
また例えば、顧客電話機との呼の転送操作があった場合において、ウィスパリングの終了を待って転送しても、転送操作があってからウィスパリングが終了するまでの間のウィスパリングはもはや対応しないオペレータに聴取させるため全く意味を待たないが、第1の実施形態では、直ちに、ウィスパリングを強制終了して呼を転送するようにしたので、呼の転送が迅速に実行され、転送元のオペレータは他の顧客に対応できる状態に速やかに移行し、顧客の待ち時間が短い状態で転送先のオペレータと通話し得る状態になる。すなわち、ウィスパリング中になされた操作ではあるが、最初に割り当てられたオペレータで対応できない顧客からの電話について、顧客に余計な手間をかけさせることなく他のオペレータに割り当てを変更することを可能とする。
【0115】
一方、ウィスパリング提供中にオペレータによって保留操作がなされても、顧客から見れば、ウィスパリングによる待ち時間に保留による待ち時間が加算され、待ち時間が徒に長くなって耐えることができない恐れが高くなる。第1の実施形態によれば、保留操作されても、ウィスパリングを継続し、その後、オペレータと通話できる状態にするので、顧客に対するサービス低下を生じることはない。
【0116】
(B)他の実施形態
上述した第1の実施形態の説明においても、種々変形実施形態に言及したが、さらに、以下に例示するような変形実施形態を挙げることができる。
【0117】
第1の実施形態では、顧客待ち時間を閾値待ち時間と比較してウィスパリングの実行を、顧客の待ち時間が閾値待ち時間以上のときにオペレータとの接続時間の長さに伴う苛立ちの感情を抑制することを考慮して、ルールR1:『「顧客待ち時間≧閾値待ち時間 ⇒ ウィスパリング省略」、「顧客待ち時間<閾値待ち時間 ⇒ ウィスパリング実行」』に基づいて実行することとしたが、ルールR2に基づいて実行することとしても良い。
【0118】
ルールR2は、下記に示すルールであり、顧客の待ち時間が閾値待ち時間以上のときにオペレータが顧客に尋ねる定型の確認項目などについてウィスパリングで事前収集することで、顧客待ち時間の長さに加えて確認時間の長さに伴う苛立ちの感情を抑制することを考慮したものである。
【0119】
ルールR2
顧客待ち時間≧閾値待ち時間 ⇒ ウィスパリング実行
顧客待ち時間<閾値待ち時間 ⇒ ウィスパリング省略
【0120】
この変形例の場合、ルールR2に示すように、顧客待ち時間が閾値待ち時間以上のときにはウィスパリングを実行後にオペレータによる対応に移行し、顧客待ち時間が閾値待ち時間より短いときにはウィスパリングを省略してオペレータによる対応に直ちに移行することとしており、第1の実施形態と同様に、いずれになっているかを判断することにより、ウィスパリングを実行しても良いか否かを判断している。
【0121】
なお、第1の実施形態とこの変形例の場合において、ウィスパリングは、ウィスパリングの実行時間を短くするために、予めオペレータ、管理者などで設定された項目について実行しても良い。
【0122】
第1の実施形態では、顧客待ち時間を閾値待ち時間と比較してウィスパリングの実行有無を定める場合を示したが、顧客待ち時間によってウィスパリングの情報や情報量を切り替えるようにしても良い。例えば、第1及び第2の閾値待ち時間を設け(第2の閾値待ち時間の方が長い)、顧客待ち時間が第2の閾値待ち時間以上であればウィスパリングを実行せず、顧客待ち時間が第1の閾値待ち時間以上第2の閾値待ち時間未満であれば今回の用件に関するウィスパリングを実行し、顧客待ち時間が第1の閾値待ち時間未満であれば顧客の属性と今回の用件とに関するウィスパリングを実行する。
【0123】
第1の実施形態では、無効な種類の操作情報が与えられた場合にはその操作を無視するものを示したが、完全な無視ではなく、ウィスパリング終了までの延期で対応するようにしても良い。例えば、操作情報をバッファリングしておき、ウィスパリングが終了したときに、バッファリングされている操作情報を読出して対応するようにすれば良い。この場合によって、完全に無視する操作種類と、ウィスパリング終了を待って対応する操作種類とに分類しておくようにしても良い。
【0124】
第1の実施形態では、オペレータを問わずに、操作情報の種類に応じてウィスパリングの強制終了の実行有無を判断するものを示したが、オペレータによって、ウィスパリングを強制終了させる操作情報の種類を変えるようにしても良い。この場合には、各オペレータに対応付けて、ウィスパリング中に有効とする操作情報を記述したテーブルを設けておくことが好ましい。例えば、オペレータAにはスーパバイザへのウィスパリング中の転送を認め、オペレータBにはスーパバイザへのウィスパリング中の転送を認めないようにしても良い。このようなオペレータ毎のウィスパリングを強制終了させる操作情報の種類の設定を、そのようなアプリケーションのアクセス権に制限を設けるなどして、特定の者(例えばスーパバイザ)だけが設定、変更できるようにしても良い。
【0125】
第1の実施形態では、コールセンタサーバシステムに本発明を適用した場合を示したが、ウィスパリング機能に対応する他の通信制御装置に、本発明を適用するようにしても良い。例えば、読み出された内線端末にウィスパリングを実行するIP−PBX装置に対して、本発明を適用することができる。