【実施例1】
【0010】
図2は第1の実施例における現金処理装置の外観斜視図である。
図2において、現金処理装置100は、例えば、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店やディスカウントショップ等の大型量販店等の精算所に設置されたレジスタやPOS(Point Of Sales)用レジスタ等に接続された現金釣銭機である。この現金処理装置100は、硬貨処理装置1と、紙幣処理装置130と、操作部140と、表示部150とを有している。
【0011】
硬貨処理装置1は、現金処理装置100の幅方向(現金処理装置100の前面に向かって左右方向)の左側約半分に設けられ、硬貨の入出金を管理するものである。硬貨処理装置1は、装置の前方に、硬貨入金口2、硬貨出金口3、およびリジェクト口4を有している。硬貨入金口2には、操作者により入金硬貨が投入される。硬貨出金口3には、装置内から出金硬貨が排出される。リジェクト口4は、リジェクト硬貨が排出される。なお、硬貨処理装置1の詳細な構成については後述する。
【0012】
紙幣処理装置130は、現金処理装置100の幅方向の右側約半分に設けられ、紙幣の入出金を管理するものである。紙幣処理装置130は、装置の前方に、紙幣入出金口に対して開閉可能なシャッタ132を有する。操作者は、シャッタ132を開けた状態で、紙幣入出金口に入金紙幣を投入し、又は紙幣入出金口に排出された出金紙幣を取り出す。
操作部140は、キーやボタン等を有し、操作者の操作を受け付けるものである。例えば、操作者は、操作部140により、表示部150に表示された選択画面にて所望の項目を選択する。操作部140は、紙幣処理装置130の前方上面に配置されている。
【0013】
表示部150は、例えば液晶ディスプレイで構成され、メニュー画面等を表示するものである。また、表示部150は、現金処理装置100の状態を示す情報を表示するものである。表示部150は、紙幣処理装置130の前方上面において操作部140の隣に設けられている。
現金処理装置100には、現金処理装置100の全体動作を制御する制御ユニットが設けられている。この制御ユニットは、現金処理装置100の構成要素を制御する制御部と、制御部が実行するプログラム等を記憶する記憶部とを有している。
【0014】
なお、現金処理装置100は、硬貨処理装置1および紙幣処理装置130を含むものとしたが、これに限定されることなく、例えば現金処理装置100は、硬貨処理装置1のみを有するものであっても良い。
また、現金処理装置100は、レジスタ等に接続された現金釣銭機であることとしたが、これに限定されることなく、例えば現金処理装置100は、金融機関の営業店等に設けられたATM(Automated teller machine)に代表される自動取引装置に備えられるものであっても良い。
【0015】
図1は第1の実施例における硬貨処理装置の構成を示す概略上面図である。
図1において、硬貨処理装置1は、硬貨入金口2と、入金搬送路13と、受渡しローラ14と、圧着搬送ベルト15と、鑑別部16と、リジェクトゲート17と、突起付搬送ベルト18と、選別搬送路19と、選別開閉ゲート20と、開放機構ゲート21と、硬貨収納部22と、搬送制御ピン29とを有している。
【0016】
硬貨入金口2は、操作者が投入した入金硬貨を受け入れるものである。硬貨入金口2には、外径等が異なる様々な金種の硬貨が投入可能である。硬貨入金口2の底面には、回転しながら硬貨を繰り出す円盤が設けられている。当該円盤は、硬貨入金口2に非整列状態で投入された硬貨を、遠心力でゲート25へ運び、1枚ずつ入金搬送路13へ向けて繰り出す。
【0017】
搬送路としての入金搬送路13は、硬貨入金口2から繰り出された硬貨を図中矢印Aが示す硬貨の搬送方向(順方向)(以下、「硬貨順搬送方向」という。)および図中矢印Bが示す硬貨の搬送方向(順方向の逆方向)(以下、「硬貨逆搬送方向」という。)に搬送する搬送経路である。入金搬送路13は、硬貨入金口2と選別搬送路19を繋げている。入金搬送路13には、金種の異なる硬貨が搬送される。
また、入金搬送路13には、図中矢印Aが示す硬貨順搬送方向および図中矢印Bが示す硬貨逆搬送方向(以下、「硬貨搬送方向」という。)に略直交する幅方向の硬貨の位置を規制する幅寄せガイド28が設けられている。圧着搬送ベルト15により入金搬送路13を搬送される硬貨は、常に幅寄せガイド28に接触しながら搬送される。
【0018】
さらに、入金搬送路13には、搬送される硬貨の到来および通過を監視する搬送監視センサ26が複数設けられている。
受渡しローラ14は、入金搬送路13において硬貨入金口2の硬貨の繰り出し口に設けられている。受渡しローラ14は、回転することで、硬貨入金口2のゲート25から1枚に分離されて繰り出された硬貨を、圧着搬送ベルト15に1枚ずつ受け渡す。
【0019】
第1の搬送部材としての圧着搬送ベルト15は、入金搬送路13の硬貨順搬送方向における上流側の上方に設けられているものである。この圧着搬送ベルト15は、受渡しローラ14から受け渡された硬貨を、入金搬送路13の搬送面との間で挟持して図中矢印Aが示す硬貨順搬送方向に搬送し、鑑別部16へ搬送する。具体的には、圧着搬送ベルト15は、硬貨を入金搬送路13に押しながら搬送する。これにより、搬送中の硬貨の姿勢の変動が抑制され、鑑別部16による識別が精度良いものとなる。
【0020】
圧着搬送ベルト15は、搬送する硬貨を幅寄せガイド28に寄せるため、入金搬送路13の硬貨搬送方向における中央より幅寄せガイド28寄りに配置されている。
鑑別部16は、圧着搬送ベルト15により搬送中の硬貨の金種等を識別するものである。鑑別部16は、硬貨を検出するセンサにより構成され、例えば、硬貨の材質、外径、厚さを検出することで、金種を識別する。入金搬送路13の幅は、鑑別部16で識別される最大外径の硬貨の外径よりも少し大きくなるように設定されている。
【0021】
リジェクトゲート17は、入金搬送路13の図中矢印Aが示す硬貨順搬送方向における鑑別部16の下流側に設けられている。リジェクトゲート17は、鑑別部16によりリジェクト硬貨と識別された硬貨を振り分ける開閉ゲートである。開放されたリジェクトゲート17で振り分けられたリジェクト硬貨は、図示しない搬送路を介してリジェクト口4へ搬送される。これにより、リジェクト硬貨は、操作者に返却される。
【0022】
第2の搬送部材としての突起付搬送ベルト18は、入金搬送路13の図中矢印Aが示す硬貨順搬送方向における圧着搬送ベルト15の下流側に設けられ、圧着搬送ベルト15との間で受け渡しされた硬貨を搬送するものである。突起付搬送ベルト18は、入金搬送路13と選別搬送路19に跨って設けられ、入金搬送路13と選別搬送路19に向かって突出した突起18aを有する。突起付搬送ベルト18は、回転する際に突起18aが硬貨を押し出すように搬送する。なお、突起18aは、所定の間隔を保持して突起付搬送ベルト18に複数設けられている。
【0023】
リジェクトゲート17は、入金搬送路13の図中矢印Aが示す硬貨順搬送方向における圧着搬送ベルト15の下流側に設けられ、異物を通過させるものである。リジェクトゲート17は、異物を除去するため、常時開放された状態となっており、突起付搬送ベルト18の突起18aの位置をセンサで監視し、そのセンサで検出された突起18aの位置に応じて開閉され、正常硬貨を選別搬送路19へ搬送するようにしている。
【0024】
搬送制御ピン29は、入金搬送路13の硬貨順搬送方向における圧着搬送ベルト15の下流であって、突起付搬送ベルト18の上流部(圧着搬送ベルト15とリジェクトゲート17との間)に配置され、圧着搬送ベルト15と突起付搬送ベルト18との間で受け渡しされる硬貨に当接し、図中矢印Aが示す硬貨順搬送方向および図中矢印Bが示す硬貨逆搬送方向に回動可能に構成されたものである。搬送制御ピン29は、入金搬送路13の搬送面から突出した棒状のものであり、入金搬送路13の幅寄せガイド28との間隔が最小径の硬貨(例えば、1円硬貨)の直径より狭くなるように配置され、搬送される硬貨に当接すると移動するように設けられている。なお、搬送制御ピン29の詳細な構成は後述する。
【0025】
選別搬送路19は、鑑別部16の識別結果に基づき、搬送中の硬貨を金種別に選別するための経路である。硬貨を選別するために、選別搬送路19には、選別開閉ゲート20および開放機構ゲート21が設けられている。
選別開閉ゲート20は、選別搬送路19の硬貨順搬送方向における下流側に複数設けられている。選別開閉ゲート20は、鑑別部16の識別結果に応じて、突起付搬送ベルト18で搬送中の硬貨を金種別に振り分ける開閉ゲートである。
【0026】
硬貨収納部22は、選別開閉ゲート20で振分けられた硬貨を収納するものである。硬貨収納部22は、複数(例えば、5つ)の選別開閉ゲート20の下方にそれぞれ設けられている。硬貨収納部22は、例えば、5円、10円、50円、100円、500円の5金種の硬貨に対応するように5つ設けられている。
【0027】
また、リジェクトゲート17および各選別開閉ゲート20は、閉塞して硬貨の搬送面の一部を形成する閉塞位置と、搬送面に突出して搬送される硬貨を硬貨リジェクト口4または各硬貨収納部22内に導く開放位置との間を、アクチュエータ等により移動可能に構成されている。
開放機構ゲート21は、選別搬送路19の硬貨順搬送方向における最下流に設けられた駆動を伴わないものである。開放機構ゲート21の下方には、硬貨収納部22aが配設されており、搬送された硬貨(例えば、1円硬貨)が収納される。
【0028】
また、選別開閉ゲート20および各開放機構ゲート21の下方には、硬貨が各硬貨収納部22および硬貨収納部22aに落下したことを検知する収納確定センサ27が配置されている。
なお、硬貨収納部22および硬貨収納部22aに収納された硬貨は、出金処理時に、硬貨出金口3へ図示しない搬送路を介して搬送される。これにより、操作者は、出金硬貨を受け取ることができる。
【0029】
図3は第1の実施例における搬送制御ピンの構成を示す概略上面図、
図4は第1の実施例における搬送制御ピンの構成を示す概略断面図である。
図3および
図4において、圧着搬送ベルト15は、圧着搬送ベルトプーリ31に張架され、モータ等の駆動源により回転可能に構成されている。圧着搬送ベルト15は、入金搬送路13の搬送面との間で硬貨を挟持し、回転することにより硬貨を搬送する。
【0030】
突起付搬送ベルト18は、突起付搬送ベルトプーリ30に張架され、モータ等の駆動源により回転可能に構成されている。突起付搬送ベルト18は、回転することにより突起18aで硬貨を押し出して搬送する。
圧着搬送ベルトプーリ31は、図中矢印Aが示す硬貨順搬送方向における突起付搬送ベルトプーリ30の下流側に配置され、圧着搬送ベルト15で搬送された硬貨を突起付搬送ベルト18へ渡すようにしている。
【0031】
圧着搬送ベルト15は圧着搬送ベルトプーリ31により回転し、また突起付搬送ベルト18は突起付搬送ベルトプーリ30により回転し、圧着搬送ベルトプーリ31および突起付搬送ベルトプーリ30は同一のモータ等の駆動源により回転駆動される。
搬送制御ピン29は、入金搬送路13の硬貨順搬送方向における突起付搬送ベルトプーリ30および圧着搬送ベルトプーリ31の下流であって、リジェクトゲート17の上流に配置され、入金搬送路13に突出するように設けられている。搬送制御ピン29は、入金搬送路13の搬送面に形成されたガイド孔29aの中を移動可能に構成されている。搬送制御ピン29は、入金搬送路13の硬貨搬送方向に直交する方向における一端部側に配置された回転支点としての搬送制御ピン支点35に支持され、入金搬送路13内を回動する。
【0032】
ガイド孔29aは、入金搬送路13の幅寄せガイド28の反対側に略半円形状に形成され、図中矢印Cが示す硬貨順搬送方向および硬貨逆搬送方向、並びに硬貨搬送方向に略直交する方向(幅寄せガイド28に接近または離間する方向)に搬送制御ピン29が移動できるように形成されている。
【0033】
搬送制御ピン29は、後述する付勢部材としての搬送制御ピンリセットスプリング32により入金搬送路13の幅寄せガイド28側(搬送制御ピン支点35が配置された一端部側に対する反対側の入金搬送路13の他端部側)に付勢され、
図3に示すように、ガイド孔29aの最も幅寄せガイド28に接近した位置に初期位置として配置され、また搬送される硬貨に当接してガイド孔29a内を移動するように構成されている。
【0034】
初期位置に配置された搬送制御ピン29(幅寄せガイド28側の端部)と入金搬送路13の幅寄せガイド28(入金搬送路13の端部)との最小間隔D0は、最小径の硬貨(例えば、1円硬貨)の直径より狭くなるように設定されている。
【0035】
これは、圧着搬送ベルト15で搬送された硬貨が回転する突起付搬送ベルト18の突起18aで押し出されるまでに時間的な余裕がある場合があり、突起付搬送ベルト18の突起18aで押し出されるまでの間、圧着搬送ベルト15で搬送された硬貨を搬送制御ピン29に当接させて停止させ、開放したリジェクトゲート17に落下させないようにするためである。
また、
図4に示すように、圧着搬送ベルトプーリ31は、張架する圧着搬送ベルト15が硬貨に接触しないように、入金搬送路13の搬送面に対して所定の間隔D1を保持して配設されている。この間隔D1は、最も厚い硬貨の厚さより大きくなるように設定されている。
【0036】
さらに、圧着搬送ベルトプーリ31の回転軸31aと、搬送制御ピン29の圧着搬送ベルトプーリ31側の端部との間隔D2は、硬貨の最大径より大きくなるように圧着搬送ベルトプーリ31および搬送制御ピン29が配設されている。
したがって、圧着搬送ベルト15で搬送され、搬送制御ピン29に当接した硬貨は、突起付搬送ベルト18の突起18aで押し出されるまでの間、圧着搬送ベルト15で押し出されることなく搬送制御ピン29に当接した位置で停止する。
【0037】
図5は第1の実施例における搬送制御ピンの説明図である。
図5において、搬送制御ピン29は、支持部材としての搬送制御ピンブラケット34に支持されている。また、搬送制御ピンブラケット34は、回転支点となる搬送制御ピン支点35に、回転可能に設けられている。したがって、搬送制御ピン29は、搬送制御ピン支点35を中心として回転可能に構成されている。
上述した構成の作用について説明する。
まず、硬貨を硬貨順搬送方向の搬送する場合の動作を
図6の第1の実施例における硬貨順搬送時の説明図に基づいて
図1、
図2、
図3を参照しながら説明する。
【0038】
図6(a)に示すように、硬貨入金口2から受渡しローラ14を通過した硬貨33は、図中矢印E1が示す方向に回転する圧着搬送ベルト15により幅寄せガイド28に規制されて案内されながら図中矢印Aが示す硬貨順搬送方向に搬送制御ピン29付近まで搬送される。搬送制御ピン29は幅寄せガイド28との間隔が最小径の硬貨(例えば、1円硬貨)の直径よりも小さくなるように配置されているため、最小径の硬貨の直径以上の硬貨は、搬送制御ピン29に当接し、図中矢印E2が示す方向に回転する突起付搬送ベルトプーリ30により図中矢印Aが示す硬貨順搬送方向に移動する突起付搬送ベルト18の突起18aで押されるまでの間、停止した状態を維持する。したがって、圧着搬送ベルト15により搬送された硬貨33は、搬送制御ピン29に当接して停止しているため、開放したリジェクトゲート17まで到達することはない。
【0039】
図6(b)に示すように、搬送制御ピン29に当接して停止している硬貨33が、突起付搬送ベルト18の突起18aで押されると、当接している硬貨33により、搬送制御ピン29は回転しながら図中矢印Aが示す硬貨順搬送方向および幅寄せガイド28から離れる方向へ移動する。
図6(c)に示すように、さらに、硬貨33が突起付搬送ベルト18の突起18aで押され、搬送制御ピン29を通過し、搬送制御ピン29から離間すると、搬送制御ピン29は、搬送制御ピンリセットスプリング32により付勢されているため、振り子運動のように硬貨逆搬送方向へ移動する。
【0040】
図6(d)に示すように、搬送制御ピン29の振り子運動は収束し、搬送制御ピン29は、幅寄せガイド28に最も接近した初期位置に戻る。
このように、硬貨33が搬送される度に、
図6(a)から
図6(d)に示す動作を繰り返す。
次に、硬貨を硬貨逆搬送方向の搬送する場合の動作を
図7の第1の実施例における硬貨逆搬送時の説明図に基づいて
図1、
図2、
図3を参照しながら説明する。
【0041】
図7(a)に示すように、図中矢印F2が示す方向に回転する突起付搬送ベルトプーリ30により図中矢印Bが示す硬貨逆搬送方向に移動する突起付搬送ベルト18の突起18aで押されて硬貨逆搬送方向に搬送される硬貨33は、搬送制御ピン29に当接する。搬送制御ピン29は幅寄せガイド28との間隔が最小径の硬貨(例えば、1円硬貨)の直径よりも小さくなるように配置されているため、最小径の硬貨の直径以上の硬貨は、搬送制御ピン29に当接する。
【0042】
図7(b)に示すように、さらに、突起付搬送ベルト18の突起18aで硬貨33が押されると、搬送制御ピン29は、当接している硬貨33により、回転しながら図中矢印Bが示す硬貨逆搬送方向および幅寄せガイド28から離れる方向へ移動する。
図7(c)に示すように、さらに、突起付搬送ベルト18の突起18aで硬貨33が押されると、搬送制御ピン29は、搬送制御ピンリセットスプリング32により付勢されているため、図中矢印G1が示す、硬貨順搬送方向および幅寄せガイド28に接近する方向へ移動する。
【0043】
このとき、突起付搬送ベルト18の突起18aで搬送される硬貨33は、搬送制御ピン29により、図中矢印G1が示す、硬貨逆搬送方向および幅寄せガイド28に接近する方向に押圧され、圧着搬送ベルト15および幅寄せガイド28側へ移動する。
圧着搬送ベルトプーリ31付近では、圧着搬送ベルト15と入金搬送路13の搬送面との間には、硬貨33の厚さ以上の隙間が形成されているため、硬貨は、その隙間が硬貨33の厚さ未満になる位置まで突起付搬送ベルト18の突起18aで搬送され、隙間が硬貨33の厚さ未満になる位置からは図中矢印F1が示す方向に回転する圧着搬送ベルト15により硬貨入金口2まで硬貨逆搬送方向に搬送される。
【0044】
このように、硬貨を順方向または逆方向に搬送する入金搬送路13に、移動可能な搬送制御ピン29を幅寄せガイド28との間隔が最小径の硬貨の直径よりも小さくなるように配置したことにより、圧着搬送ベルト15で順方向に搬送される硬貨が、搬送制御ピン29に当接して突起付搬送ベルト18の突起18aで押されるまで停止するため、開放されたリジェクトゲート17に落下することを防止することができる。したがって、圧着搬送ベルト15から送出される硬貨が入金搬送路13の硬貨順搬送方向における下流側へ行き過ぎてしまうことを抑制することができる。
【0045】
また、圧着搬送ベルト15で順方向に搬送される硬貨を突起付搬送ベルト18に確実に渡すことができる。
さらに、突起付搬送ベルト18で逆方向に搬送される硬貨を搬送制御ピン29で圧着搬送ベルト15へ押し出すことができ、圧着搬送ベルト15へ確実に渡すことができるようになる。したがって、入金搬送路13上に残留した硬貨を硬貨入金口2へ搬送するときの硬貨の搬送不能を抑制することができる。
【0046】
以上説明したように、第1の実施例では、圧着搬送ベルトから送出される硬貨の入金搬送路の順方向下流側への行き過ぎを抑制することができ、また残留した硬貨を硬貨入金口へ搬送するときの硬貨の搬送不能を抑制することができるという効果が得られる。
さらに、搬送制御ピンを設けたことにより、入金搬送路を短縮することができるという効果が得られる。