特許第6565286号(P6565286)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6565286
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】駆動力伝達装置
(51)【国際特許分類】
   F16D 25/08 20060101AFI20190819BHJP
   F16D 25/0638 20060101ALI20190819BHJP
   F16H 57/04 20100101ALI20190819BHJP
【FI】
   F16D25/08 Z
   F16D25/0638
   F16H57/04 B
   F16H57/04 N
   F16H57/04 J
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-79462(P2015-79462)
(22)【出願日】2015年4月8日
(65)【公開番号】特開2016-200182(P2016-200182A)
(43)【公開日】2016年12月1日
【審査請求日】2018年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128211
【弁理士】
【氏名又は名称】野見山 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100145171
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩行
(72)【発明者】
【氏名】松本 明夫
(72)【発明者】
【氏名】宅野 博
(72)【発明者】
【氏名】大野 峻
【審査官】 渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−199183(JP,A)
【文献】 特開平8−200393(JP,A)
【文献】 実開昭62−2844(JP,U)
【文献】 米国特許第4270647(US,A)
【文献】 特開2007−10003(JP,A)
【文献】 実開昭62−71470(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 25/00− 39/00
F16D 48/00− 48/12
B60K 17/34− 17/358
B60K 23/00
B60K 23/04
B60K 23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力回転部材及び出力回転部材のうち一方の回転部材と一体に回転するクラッチハブと、前記入力回転部材及び前記出力回転部材うち他方の回転部材と一体に回転するクラッチドラムと、前記クラッチハブにスプライン嵌合するインナクラッチプレートと、前記クラッチドラムにスプライン嵌合するアウタクラッチプレートと、前記クラッチハブ及び前記クラッチドラムを収容する収容室を有する収容部材とを備え、前記インナクラッチプレートと前記アウタクラッチプレートとが潤滑油によって潤滑される駆動力伝達装置であって、
前記収容部材には、前記潤滑油を貯留する貯留室が形成され、
閉状態において前記貯留室から前記収容室への前記潤滑油の流動を制限又は停止すると共に、開状態において前記貯留室に貯留された前記潤滑油を前記収容室へ供給可能とする開閉部材を有
前記貯留室は、前記開閉部材の閉状態において、前記収容室における前記潤滑油の油面高さよりも高い油面高さで前記潤滑油を貯留可能である、
駆動力伝達装置。
【請求項2】
前記貯留室は前記収容室側に開口を有し、前記開口の少なくとも一部が前記開閉部材の閉状態における前記収容室内の油面高さよりも高い位置に設けられている、
請求項1に記載の駆動力伝達装置。
【請求項3】
前記貯留室は、前記開口より上方に、前記閉状態において前記開閉部材に閉塞されない流入口を有している、
請求項2に記載の駆動力伝達装置。
【請求項4】
前記流入口は、前記クラッチドラムの回転によって掻き上げられた前記潤滑油を前記貯留室へ流入させる、
請求項3に記載の駆動力伝達装置。
【請求項5】
前記開閉部材は、前記一方の回転部材の回転軸線方向へ移動可能に支持された被支持部と、前記開口の少なくとも一部を閉塞可能な蓋部とを有し、
前記開閉部材の移動により、前記開閉部材の閉状態における前記収容室内の油面高さから前記貯留室内の油面高さまでの間における前記開口が一時に開放される、
請求項3又は4に記載の駆動力伝達装置。
【請求項6】
前記開口が開放される方向への前記開閉部材の移動により、前記インナクラッチプレートと前記アウタクラッチプレートとが互いに摩擦接触するように押圧される、
請求項5に記載の駆動力伝達装置。
【請求項7】
前記貯留室は、前記流入口から前記潤滑油が流れ込む第1貯留部と、前記第1貯留部から溢れ出した前記潤滑油を貯留する第2貯留部とを有し、
前記開閉部材には、開状態において前記第1貯留部に貯留された前記潤滑油を前記収容室に供給する流通孔が形成されている、
請求項3乃至6の何れか1項に記載の駆動力伝達装置。
【請求項8】
デフケース及び前記デフケースと共に回転するリングギヤを有するディファレンシャル装置をさらに備え、
前記リングギヤによって掻き上げられた潤滑油が前記貯留室及び/又は前記収容室に供給される、
請求項3乃至7の何れか1項に記載の駆動力伝達装置。
【請求項9】
前記リングギヤによって掻き上げられた潤滑油が前記収容室に供給され、
前記クラッチドラムの回転により掻き上げられた潤滑油が前記貯留室及び/又はディファレンシャル装置側に供給される、
請求項8に記載の駆動力伝達装置。
【請求項10】
前記収容部材には、前記収容室における前記潤滑油の油面高さが所定値以上となったとき、前記収容室から前記ディファレンシャル装置側に潤滑油を流出させる流通孔が形成された、
請求項8に記載の駆動力伝達装置。
【請求項11】
前記収容部材に、前記貯留室における前記潤滑油の油面高さが所定値以上となったとき、前記貯留室から前記ディファレンシャル装置側に潤滑油を流出させる流通孔が形成された、
請求項8に記載の駆動力伝達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラッチプレート間の摩擦によって駆動力を伝達する駆動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば四輪駆動車に搭載され、駆動源の駆動力が常時伝達される主駆動輪と、走行状態に応じて駆動源の駆動力が伝達される補助駆動輪のうち、補助駆動輪に駆動源の駆動力を断続可能に伝達する駆動力伝達装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の駆動力伝達装置は、同軸上で相対回転可能な外側回転部材及び内側回転部材と、外側回転部材にスプライン嵌合したアウタクラッチプレートと、内側回転部材にスプライン嵌合したインナクラッチプレートと、油圧によって作動し、アウタクラッチプレート及びインナクラッチプレートを押圧する作動ピストンとを有している。アウタクラッチプレートとインナクラッチプレートとの間には潤滑油が介在し、この潤滑油によってアウタクラッチプレートとインナクラッチプレートとの摩擦摺動による摩耗が抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−121796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アウタクラッチプレートとインナクラッチプレートとの間に介在する潤滑油は、上記のように摩擦摺動時における摩耗を抑制するが、作動ピストンがアウタクラッチプレート及びインナクラッチプレートを押圧しない非作動時には、この潤滑油によって引き摺りトルクが発生してしまう。つまり、アウタクラッチプレートとインナクラッチプレートとが押圧されていなくても、これらのクラッチプレート間に介在する潤滑油の粘性により、意図しないトルクが外側回転部材と内側回転部材との間で伝達されてしまう。
【0006】
このような引き摺りトルクは、例えば四輪駆動車の補助駆動輪に伝達される駆動力の制御精度の低下をもたらし、引き摺りトルクが過大である場合には、旋回性能や燃費性能に影響を与えてしまうおそれもある。
【0007】
そこで、本発明は、駆動力を伝達しない非作動時における引き摺りトルクを抑制することが可能な駆動力伝達装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、入力回転部材及び出力回転部材のうち一方の回転部材と一体に回転するクラッチハブと、前記入力回転部材及び前記出力回転部材うち他方の回転部材と一体に回転するクラッチドラムと、前記クラッチハブにスプライン嵌合するインナクラッチプレートと、前記クラッチドラムにスプライン嵌合するアウタクラッチプレートと、前記クラッチハブ及び前記クラッチドラムを収容する収容室を有する収容部材とを備え、前記インナクラッチプレートと前記アウタクラッチプレートとが潤滑油によって潤滑される駆動力伝達装置であって、前記収容部材には、前記潤滑油を貯留する貯留室が形成され、閉状態において前記貯留室から前記収容室への前記潤滑油の流動を制限又は停止すると共に、開状態において前記貯留室に貯留された前記潤滑油を前記収容室へ供給可能とする開閉部材を有前記貯留室は、前記開閉部材の閉状態において、前記収容室における前記潤滑油の油面高さよりも高い油面高さで前記潤滑油を貯留可能である、駆動力伝達装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る駆動力伝達装置によれば、駆動力を伝達しない非作動時における引き摺りトルクを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置が搭載された四輪駆動車の構成例を示す構成図である。
図2】駆動力伝達装置の構成例を水平断面で示す断面図である。
図3】駆動力伝達装置の要部を垂直断面で示す断面図である。
図4】第2ハウジング部材を第2収容室側から見た全体図である。
図5】流入口及びその周辺部における第2ハウジング部材を示す斜視図である。
図6】ピストン部材を示す断面斜視図である。
図7】(a)は、図4のA−A線断面における第2ハウジング部材を、開状態及び閉状態におけるピストン部材と共に示す断面図である。(b)は、図4のB−B線断面における第2ハウジング部材を、開状態及び閉状態におけるピストン部材と共に示す断面図である。
図8】ピストン部材の開状態における潤滑油の流れを説明する拡大断面図である。
図9】第2の実施の形態に係る駆動力伝達装置の一部を拡大して示す拡大断面図である。
図10】第3の形態に係る駆動力伝達装置が搭載された四輪駆動車の構成例を示す構成図である。
図11】第3の実施の形態に係る駆動力伝達装置の全体を示す水平断面図である。
図12】第3の実施の形態に係る駆動力伝達装置の要部を示す垂直断面図である。
図13】第4の本実施の形態に係る駆動力伝達装置の要部を示す垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置が搭載された四輪駆動車の構成例を示す構成図である。
【0012】
(四輪駆動車の全体構成)
四輪駆動車100は、走行用の駆動力を発生させる駆動源としてのエンジン102、トランスミッション103、左右一対の主駆動輪としての前輪104L,104R、及び左右一対の補助駆動輪としての後輪105L,105Rと、エンジン102の駆動力を前輪104L,104R及び後輪105L,105Rに伝達可能な駆動力伝達系101と、制御装置10及び油圧ユニット11とを備えている。なお、本実施の形態において、各符号における「L」及び「R」は、車両の前進方向に対する左側及び右側の意味で使用している。
【0013】
この四輪駆動車100は、エンジン202の駆動力を前輪104L,104R及び後輪105L,105Rに伝達する四輪駆動状態と、エンジン102の駆動力を前輪104L,104Rのみに伝達する二輪駆動状態とを切り替え可能である。なお、本実施の形態では、駆動源として内燃機関であるエンジンを適用した場合について説明するが、これに限らず、エンジンとIMP(Interior Permanent Magnet Synchronous)モータ等の高出力電動モータとの組み合わせによって駆動源を構成してもよく、高出力電動モータのみによって駆動源を構成してもよい。
【0014】
駆動力伝達系101は、駆動力伝達装置1A、フロントディファレンシャル106、前輪側のドライブシャフト107L,107R、プロペラシャフト108、及び後輪側のドライブシャフト109L,109Rを有している。駆動力伝達装置1Aは、プロペラシャフト108と後輪側のドライブシャフト109L,109Rとの間に配置されている。
【0015】
前輪104L,104Rには、フロントディファレンシャル106によって配分された駆動力が前輪側のドライブシャフト107L,107Rを介して伝達される。後輪105L,105Rには、四輪駆動時にプロペラシャフト108によって伝達された駆動力が駆動力伝達装置1A及び後輪側のドライブシャフト109L,109Rを介して伝達される。また、二輪駆動時には、プロペラシャフト108から後輪側のドライブシャフト109L,109Rへの駆動力の伝達が駆動力伝達装置1Aによって遮断される。
【0016】
油圧ユニット11は、制御装置10によって制御され、駆動力伝達装置1Aに作動油を供給する。駆動力伝達装置1Aは、この作動油の圧力によって作動し、プロペラシャフト108から後輪側のドライブシャフト109L,109Rへ駆動力を伝達する。
【0017】
(駆動力伝達装置の構成)
図2は、駆動力伝達装置1Aの構成例を水平断面で示す断面図である。図3は、駆動力伝達装置1Aの要部を垂直断面で示す断面図である。図3では、図面上側が四輪駆動車100への搭載状態における鉛直方向の上側にあたり、図面下側が四輪駆動車100への搭載状態における鉛直方向の下側にあたる。
【0018】
駆動力伝達装置1Aは、図2に示すように、第1乃至第3ハウジング部材21〜23からなる収容部材としてのハウジング2Aと、ハウジング2Aに回転可能に支持されたピニオンギヤシャフト30と、プロペラシャフト108からピニオンギヤシャフト30への駆動力伝達を遮断可能なクラッチ装置4と、ピニオンギヤシャフト30から伝達される駆動力を後輪側のドライブシャフト109L,109Rに差動を許容して配分するディファレンシャル装置5と、油圧ユニット11から供給される作動油の圧力によって動作するピストン部材6とを備えている。
【0019】
また、駆動力伝達装置1Aは、ピニオンギヤシャフト30と一体回転するように連結された出力回転部材としての第1回転部材31と、第1回転部材31と同軸上で相対回転可能な入力回転部材としての第2回転部材32と、プロペラシャフト108が連結される連結部材33と、各部の回転を円滑にする軸受71〜78と、シール部材81〜84とを備えている。連結部材33は、スプライン嵌合によって第2回転部材32と一体回転するように連結され、かつ第2回転部材32に螺合するボルト34と座金35とによって抜け止めされている。
【0020】
第1ハウジング部材21と第2ハウジング部材22とは、複数のボルト241(図2には、1つのボルト241のみを示す)によって結合されている。第2ハウジング部材22と第3ハウジング部材23とは、複数のボルト242(図2には、1つのボルト242のみを示す)によって結合されている。第1ハウジング部材21は、クラッチ装置4を収容し、第2ハウジング部材22は、ピニオンギヤシャフト30及びディファレンシャル装置5を収容している。第3ハウジング部材23は、組み立て時にディファレンシャル装置5が挿入される第2ハウジング部材22の開口を閉塞している。
【0021】
ディファレンシャル装置5は、デフケース50と、デフケース50に支持されたピニオンシャフト51と、ピニオンシャフト51に軸支された一対のピニオンギヤ52と、一対のピニオンギヤ52にギヤ軸を直交させて噛合する一対のサイドギヤ53と、デフケース50と一体に回転するリングギヤ54とを有している。デフケース50は、車幅方向の両端部が軸受71,72によって回転可能に支持されている。一対のサイドギヤ53には、後輪側のドライブシャフト109L,109Rがそれぞれ一体回転するように連結される。図2では、後輪側のドライブシャフト109L,109Rの端部に配置された等速ジョイントのアウタレースを図示している。
【0022】
ディファレンシャル装置5のリングギヤ54は、ピニオンギヤシャフト30のギヤ部301に噛み合っている。ディファレンシャル装置5は、ピニオンギヤシャフト30からリングギヤ54に伝達された駆動力を、一対のピニオンギヤ52及び一対のサイドギヤ53を介して後輪側のドライブシャフト109L,109Rに配分する。ピニオンギヤシャフト30は、第2ハウジング部材22との間に配置された一対の軸受73,74によって回転可能に支持されている。
【0023】
ディファレンシャル装置5のリングギヤ54とピニオンギヤシャフト30のギヤ部301との噛み合い、及び一対のピニオンギヤ52と一対のサイドギヤ53との噛み合いは、図略のデフオイルによって潤滑される。このデフオイルは、ギヤの噛み合いを潤滑するのに適した粘度を有し、シール部材81〜83によって、ハウジング2Aにおけるピニオンギヤシャフト30及びディファレンシャル装置5を収容する第1収容室2a内に封入されている。シール部材81,82は、第2ハウジング部材22及び第3ハウジング部材23に形成された後輪側のドライブシャフト109L,109Rを挿通させる挿通孔の内面に固定されている。シール部材83は、第1回転部材31の外周面に対向する第2ハウジング部材22の内面に固定されている。
【0024】
クラッチ装置4は、第1回転部材31と一体に回転するクラッチハブ41と、第2回転部材32と一体に回転するクラッチドラム42と、クラッチハブ41にスプライン嵌合する複数のインナクラッチプレート43と、クラッチドラム42にスプライン嵌合する複数のアウタクラッチプレート44と、クラッチハブ41と一体回転するように連結された押圧部材45と、押圧部材45を付勢する弾性部材46とを有している。
【0025】
複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44とは、第1回転部材31及び第2回転部材32の回転軸線Oと平行な方向に沿って交互に並んで配置されている。図3に示すように、インナクラッチプレート43は、その内周端部に複数の係合突起431を有し、アウタクラッチプレート44は、その外周端部に複数の係合突起441を有している。
【0026】
クラッチハブ41は、外周面に回転軸線Oと平行に延びる複数のスプライン突起からなるスプライン嵌合部411aが形成された円筒部411と、円筒部411の一端部から内方に延在して第1回転部材31に連結された連結部412とを一体に有している。本実施の形態では、クラッチハブ41の連結部412が溶接によって第1回転部材31の外周面に連結されているが、これに限らず、連結部412が例えばスプライン嵌合によって第1回転部材31と連結されていてもよい。
【0027】
クラッチハブ41の円筒部411に形成されたスプライン嵌合部411aには、各インナクラッチプレート43の複数の係合突起431が係合する。これにより、各インナクラッチプレート43は、クラッチハブ41に対して相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能である。
【0028】
また、クラッチハブ41の円筒部411には、連結部412とは反対側の先端部に、押圧部材45に形成された複数の内方突起451を挿通させる複数の溝が形成されている。この溝に内方突起451が係合することにより、押圧部材45は、クラッチハブ41に対して相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能である。内方突起451の先端部は、円筒部411の内周面よりも内側(第1回転部材31側)に突出している。
【0029】
弾性部材46は、クラッチハブ41の連結部412と、円筒部411の内周面よりも内側に突出した押圧部材45の内方突起451との間に配置されている。弾性部材46は、回転軸線Oと平行な方向に圧縮された状態で配置され、押圧部材45をクラッチハブ41の連結部412から離間する方向に弾性的に付勢している。押圧部材45は、クラッチハブ41の円筒部411の外周側に配置された環状の押圧部450と複数の内方突起451とを一体に有し、複数の内方突起451は、押圧部450の内周面から内方に突出している。
【0030】
クラッチドラム42は、内周面に回転軸線Oと平行に延びる複数のスプライン突起からなるスプライン嵌合部421aが形成された円筒部421と、円筒部421の一端部から内方に延在する底壁部422と、底壁部422の内周側の端部から第2回転部材32の外周面に沿って延びる連結部423とを一体に有している。クラッチドラム42の円筒部421及び底壁部422は有底円筒状をなし、クラッチドラム42の円筒部421の内周面は、クラッチハブ41の円筒部411の外周面に対向している。
【0031】
クラッチドラム42の円筒部421に形成されたスプライン嵌合部421aには、各アウタクラッチプレート44の複数の係合突起441が係合する。これにより、各アウタクラッチプレート44は、クラッチドラム42に対して相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能である。なお、本実施の形態では、クラッチドラム42の連結部423がスプライン嵌合によって第2回転部材32の外周面に連結されているが、これに限らず、連結部423が例えば溶接によって第2回転部材32と連結されていてもよい。
【0032】
複数のインナクラッチプレート43及び複数のアウタクラッチプレート44は、クラッチドラム42の底壁部422と押圧部材45の押圧部450との間に配置されている。クラッチドラム42の底壁部422と第1ハウジング部材21の内面との間には、スラストころ軸受からなる軸受75が配置され、この軸受75によってクラッチドラム42の軸方向移動が規制されている。
【0033】
複数のインナクラッチプレート43及び複数のアウタクラッチプレート44は、押圧部材45の押圧部450からの押圧力を受けて摩擦接触し、クラッチハブ41とクラッチドラム42との間で駆動力を伝達する。すなわち、複数のインナクラッチプレート43及び複数のアウタクラッチプレート44が押圧部材45からの押圧力を受けて摩擦接触すると第2回転部材32から第1回転部材31へ駆動力が伝達され、複数のインナクラッチプレート43及び複数のアウタクラッチプレート44が押圧部材45からの押圧力を受けないと、第2回転部材32と第1回転部材31との間の駆動力伝達が遮断される。
【0034】
複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44とは、潤滑油によって潤滑される。この潤滑油により、インナクラッチプレート43及びアウタクラッチプレート44の摩耗が抑制される。また、潤滑油は、第1回転部材31の外周面と第1ハウジング部材21の内面との間に配置されたシール部材84によって、クラッチハブ41とクラッチドラム42とを収容するハウジング2Aの第2収容室2bからの漏れ出しが抑止されている。また、第2収容室2bにおける潤滑油と第1収容室2aにおけるデフオイルとは、第1回転部材31の外周に配置されたシール部材83によって区画されている。第2収容室2bにおける潤滑油は、第1収容室2aにおけるデフオイルよりも低い粘性を有している。
【0035】
第2回転部材32は、シール部材83と並置された軸受76によって第1ハウジング部材21に対して回転可能に支持されている。第2回転部材32における第1回転部材31側の端部にはボス部321が形成され、このボス部321の外周に配置された軸受77が、第1回転部材31に形成された凹部311の内周に嵌着されている。これにより、第1回転部材31と第2回転部材32とは、同軸上で相対回転可能である。
【0036】
第2ハウジング部材22は、第1回転部材31を挿通させる挿通孔220と、油圧ユニット11から作動油が供給されるシリンダ室221と、潤滑油を貯留する貯留室222とが形成されている。シリンダ室221には、第2ハウジング部材22に形成された作動油供給孔223を介して作動油が供給される。
【0037】
シリンダ室221及び貯留室222は、挿通孔220の外周側に環状に形成されている。また、シリンダ室221及び貯留室222は、回転軸線Oを中心として同心状に形成され、シリンダ室221は挿通孔220の外周側に、貯留室222はシリンダ室221よりもさらに外周側に形成されている。シリンダ室221及び貯留室222は、共に第2収容室2bに開口している。
【0038】
ピストン部材6は、回転軸線O方向へ移動可能に支持された被支持部61と、貯留室222の開口222aの少なくとも一部を閉塞可能な蓋部62とを一体に有している。このピストン部材6は、本発明の開閉部材に相当するものであり、閉状態において貯留室222から第2収容室2bへの潤滑油の流動を制限又は停止すると共に、開状態において貯留室222に貯留された潤滑油を第2収容室2bへ供給可能とする。ここで、「停止」とは、貯留室222から第2収容室2bへの潤滑油の流動を実質的になくすことをいい、「制限」とは、貯留室222から第2収容室2bへの潤滑油の流動量を例えば開状態の10分の1以下に抑制することをいう。図2では、回転軸線Oよりも左側にピストン部材6の閉状態を示し、回転軸線Oよりも右側にピストン部材6の開状態を示している。図3では、ピストン部材6の閉状態を示している。
【0039】
ピストン部材6の被支持部61は、第2ハウジング部材22のシリンダ室221に収容されている。また、ピストン部材6の蓋部62は、シリンダ室221の外部において、クラッチ装置4の押圧部材45と対向している。ピストン部材6の蓋部62と押圧部材45との間には、スラストころ軸受からなる軸受78が配置されている。
【0040】
ピストン部材6は、油圧ユニット11からシリンダ室221に作動油が供給されると、被支持部61が作動油の圧力を受けてクラッチ装置4側に移動する。また、ピストン部材6は、シリンダ室221における作動油の圧力が低下すると、押圧部材45及び軸受78を介して受ける弾性部材46の付勢力(復元力)によってクラッチ装置4側とは反対側に移動する。
【0041】
ピストン部材6がクラッチ装置4側とは反対側に移動すると、蓋部62が貯留室222の開口222aを閉塞する。また、ピストン部材6がクラッチ装置4側に移動すると、貯留室222の開口222aが開放され、貯留室222に貯留された潤滑油が第2収容室2bに流れ出す。
【0042】
複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44とは、貯留室222の開口222aが開放される方向(クラッチ装置4側)へのピストン部材6の移動により、軸受78及び押圧部材45を介して互いに摩擦接触するように押圧される。すなわち、複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44とが押圧され、クラッチハブ41とクラッチドラム42との間で駆動力が伝達される際には、貯留室222の開口222aが開放される。
【0043】
これにより、第1回転部材31と第2回転部材32との相対回転によって複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44とが押圧された状態で摩擦摺動しても、貯留室222から第2収容室2bに流れ出た潤滑油によってインナクラッチプレート43及びアウタクラッチプレート44の摩耗が抑制される。
【0044】
貯留室222は、開口222aよりも上方に、ピストン部材6の閉状態において蓋部62に閉塞されない潤滑油Lの流入口222bを有している。貯留室222は、流入口222bにあたる部位が、ピストン部材6の蓋部62に閉塞される範囲よりも外周側に膨出して形成されている。
【0045】
ピストン部材6の閉状態においてクラッチドラム42が回転すると、クラッチドラム42によって掻き上げられた潤滑油Lが流入口222bから流入し、貯留室222に貯留される。そして、貯留室222における潤滑油Lがクラッチドラム42によって掻き上げられなくなるまで減少すると、その状態で貯留室222における潤滑油Lの油面高さ、及び第2収容室2bにおける油面高さが、それぞれ略一定となる。以下、この状態を第1の定常状態という。
【0046】
また、ピストン部材6の開状態において、クラッチドラム42及びクラッチハブ41の回転が停止すると、貯留室222における潤滑油Lの油面高さと第2収容室2bにおける油面高さとが同じになる。以下、この状態を第2の定常状態という。
【0047】
図3では、第1の定常状態における貯留室222の潤滑油Lの油面高さをHで示し、第2収容室2bにおける潤滑油Lの油面高さをHで示している。これらの油面高さH及びHは、鉛直方向における第2収容室2bの最下点2cから貯留室222及び第2収容室2bにおける潤滑油Lの表面までの高さをいう。
【0048】
図3に示すように、第1の定常状態における貯留室222の潤滑油Lの油面高さHは、第2収容室2bにおける潤滑油Lの油面高さをHよりも高い。すなわち、貯留室222は、ピストン部材6の閉状態において、第2収容室2bにおける潤滑油Lの油面高さHよりも高い油面高さHで潤滑油Lを貯留可能である。また、貯留室222の開口222aの少なくとも一部は、ピストン部材6の閉状態における第2収容室2b内の油面高さHよりも高い位置に設けられている。これにより、潤滑油Lは、ピストン部材6が軸方向に移動して開状態となることにより、貯留室222から第2収容室2bに自重によって直ちに流れ出る。
【0049】
また、図3では、第2の定常状態における第2収容室2b及び貯留室222の潤滑油Lの油面高さをHで示している。この油面高さHは、アウタクラッチプレート44の内周側の端部が第2収容室2bの下部において浸かる高さであり、第1の定常状態における貯留室222の潤滑油Lの油面高さHよりも低く、第2収容室2bにおける潤滑油Lの油面高さをHよりも高い。
【0050】
第2の定常状態では、複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44との間に潤滑油Lが介在するので、押圧部材45からの押圧力を受けながらクラッチハブ41とクラッチドラム42とが相対回転しても、インナクラッチプレート43及びアウタクラッチプレート44の摩擦摺動による摩耗が抑制される。
【0051】
図4は、第2ハウジング部材22を第2収容室2b側から見た全体図である。図5は、流入口222b及びその周辺部における第2ハウジング部材22を示す斜視図である。図4では、ピストン部材6の蓋部62の外縁及び内縁を二点鎖線L,Lで示している。すなわち、第2ハウジング部材22は、これらの二点鎖線L,Lの間の領域が、ピストン部材6の閉状態において蓋部62に覆われる。
【0052】
貯留室222とシリンダ室221とは、環状の区画壁224によって区画されている。この区画壁224には、その外周面から外方に突出した一対の凸壁225が形成されている。一対の凸壁225は、貯留室222を周方向に見た場合に、流入口222bを挟む位置に形成されている。
【0053】
一対の凸壁225の間には、流入口222bから潤滑油が流れ込む第1貯留部222cが形成されている。ピストン部材6の閉状態において、第1貯留部222cにその容量を超える潤滑油が流入すると、潤滑油が凸壁225を乗り越えて第1貯留部222cよりも下方における貯留室222の第2貯留部222dに貯留される。すなわち、貯留室222は、流入口222bから潤滑油が流れ込む第1貯留部222cと、第1貯留部222cから溢れ出した潤滑油を貯留する第2貯留部222dとを有し、第1貯留部222cが第2貯留部222dよりも上方に設けられている。
【0054】
区画壁224には、一対の凸壁225の間に、回転軸線Oと平行な方向に沿って貯留室222の底面222e側に向かって窪んだ切り欠き状の凹部224aが形成されている。この凹部224aは、第1貯留部222cと連通している。
【0055】
図6は、ピストン部材6を示す断面斜視図である。ピストン部材6は、被支持部61が円筒状であり、被支持部61の内周面61a及び外周面61bには、内側及び外側のOリング63,64を収容するための環状溝611,612がそれぞれ形成されている。このOリング63,64は、油圧ユニット11から供給される作動油が第2収容室2bに漏れることを防ぐシール部材として機能する。
【0056】
ピストン部材6の被支持部61は、円環板状の蓋部62における第2ハウジング部材22側の側面62aに立設されている。蓋部62は、その一部が被支持部61の内周面61aよりも内方に突出すると共に、一部が被支持部61の外周面61bよりも外方に突出している。また、蓋部62には、軸受78(図3に示す)に当接する当接部623が、被支持部61側とは反対側に突出して形成されている。
【0057】
ピストン部材6の被支持部61には、開状態において第1貯留部222cに貯留された潤滑油を回転軸線Oよりも上方から第2収容室2bに供給する流通孔610が形成されている。流通孔610は、被支持部61を径方向に貫通し、被支持部61の内周面61a及び外周面61bに開口している。また、流通孔610は、被支持部61の上端部、すなわち貯留室222における流入口222bの近傍に設けられている。本実施の形態では、流通孔610が被支持部61の周方向に延びる長孔であるが、これに限らず丸孔であってもよい。また、本実施の形態では被支持部61に1つの流通孔610が形成されているが、流通孔610の数は複数であってもよい。
【0058】
(駆動力伝達装置の動作)
次に、図7及び図8を参照して、駆動力伝達装置1Aの動作について説明する。
【0059】
図7(a)は、図4のA−A線断面における第2ハウジング部材22を、開状態及び閉状態におけるピストン部材6と共に示す断面図である。図7(b)は、図4のB−B線断面における第2ハウジング部材22を、開状態及び閉状態におけるピストン部材6と共に示す断面図である。図7(a)及び(b)では、中心線よりも左側にピストン部材6の開状態を示し、中心線よりも右側にピストン部材6の閉状態を示している。
【0060】
図8は、ピストン部材6の開状態における潤滑油Lの流れを説明するために示す、駆動力伝達装置1Aの一部を拡大した拡大断面図である。図8に示すように、クラッチハブ41の円筒部411には、潤滑油を径方向に流通させる複数の油孔411bが形成され、弾性部材46にも、潤滑油を径方向に流通させる複数の油孔46bが形成されている。またさらに、クラッチドラム42の円筒部421にも、潤滑油を径方向に流通させる複数の油孔421bが形成されている。
【0061】
ピストン部材6が開状態から閉状態となり、クラッチドラム42が回転すると、図8に示すように、クラッチドラム42によって掻き上げられた潤滑油が第2収容室2bの内面をつたって流入口222bから貯留室222に流入する。貯留室222に流入した潤滑油は、まず一対の凸壁225によって形成された第1貯留部222cに溜まり、第1貯留部222cの容量を超える潤滑油が流入すると、潤滑油が凸壁225を乗り越えて第2貯留部222dに貯留される。
【0062】
ピストン部材6の閉状態において、第1貯留部222cは、区画壁224に形成された凹部224aを介してピストン部材6の被支持部61に形成された流通孔610に連通するため、凹部224a及び流通孔610にも潤滑油が流入するが、流通孔610の下側(被支持部61の内周面61a側)の開口は、シリンダ室221の内面によって塞がれるので、第1貯留部222cに溜まった潤滑油が流通孔610から漏れ出してしまうことが抑制されている。
【0063】
ピストン部材6の閉状態において貯留室222に潤滑油が貯留されると、第2収容室2b内の潤滑油が減少する。これにより、第1回転部材31と第2回転部材32との間でクラッチ装置4が駆動力を伝達しない非作動時における複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44との間の引き摺りトルクが低減される。
【0064】
一方、ピストン部材6が閉状態である場合にシリンダ室221に作動油が供給されると、ピストン部材6の被支持部61が作動油の圧力を受け、ピストン部材6が回転軸線O方向に沿ってクラッチ装置4側に移動する。これにより、複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44が軸受78及び押圧部材45を介して押圧されると共に、ピストン部材6の蓋部62が第2ハウジング部材22の第2収容室2b側の端面22aから離間して、ピストン部材6の閉状態における第2収容室2b内の油面高さから貯留室222内の油面高さまでの間における貯留室222の開口222aが一時に開放される。これにより、貯留室222内に貯留されていた潤滑油が第2収容室2bに流れ出す。
【0065】
第1貯留部222cに溜まっていた潤滑油は、図8に示すように、区画壁224の凹部224a及びピストン部材6の流通孔610を介して下方に流れ落ちる。流通孔610から流れ落ちた潤滑油は、第1回転部材31の外周面に付着し、第1回転部材31及びクラッチハブ41の回転に伴う遠心力により、弾性部材46の油孔46b及びクラッチハブ41の油孔411bを介してインナクラッチプレート43とアウタクラッチプレート44との間に供給される。またさらに、インナクラッチプレート43とアウタクラッチプレート44との間に供給された潤滑油は、クラッチドラム42の開口部や油孔421bから放出され、その一部は第2収容室2bの内面をつたって流入口222bから貯留室222に流入する。
【0066】
また、区画壁224の凹部224a及びピストン部材6の流通孔610を介することなく、第2ハウジング部材22の端面22aとピストン部材6の蓋部62との間から流れ出した潤滑油も、クラッチハブ41の油孔411b等からインナクラッチプレート43とアウタクラッチプレート44との間に供給され、クラッチドラム42の外部に放出される。放出された潤滑油の一部は、上記のように流入口222bから貯留室222に流入し、第1貯留部222c及び区画壁224の凹部224aを経てピストン部材6の流通孔610から流れ落ちる。
【0067】
このように、複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44とが摩擦接触する四輪駆動車100の四輪駆動状態では、ピストン部材6の流通孔610を含む循環経路で潤滑油が循環する。
【0068】
(第1の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した第1の実施の形態によれば、以下に述べる作用及び効果が得られる。
【0069】
(1)第2収容室2bに封入された潤滑油は、ピストン部材6の閉状態において貯留室222に貯留されるので、駆動力伝達装置1Aが駆動力を伝達しない四輪駆動車100の二輪駆動時における複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44との間の引き摺りトルクが低減される。また、四輪駆動時には、貯留室222に貯留された潤滑油が第2収容室2bに供給されるので、複数のインナクラッチプレート43及び複数のアウタクラッチプレート44の摩耗を抑制することが可能となる。
【0070】
(2)貯留室222は、ピストン部材6の閉状態において、第2収容室2bにおける潤滑油の油面高さよりも高い油面高さで潤滑油を貯留可能であるので、ピストン部材6が開状態となったとき、潤滑油はその自重によって貯留室222から流れ出る。これにより、例えば潤滑油を貯留室222に送り出す機構を設けることなく、第2収容室2bに潤滑油を供給することができる。
【0071】
(3)貯留室222は、第2収容室2b側に開口222aを有し、開口222aの一部がピストン部材6の閉状態における第2収容室2b内の油面高さよりも高い位置に設けられているので、ピストン部材6が開状態となったとき、円滑にクラッチ装置4に潤滑油を供給することができる。また、本実施の形態では、ピストン部材6の閉状態における第2収容室2b内の油面高さから貯留室222内の油面高さまでの間における貯留室222の開口222aが一時に開放されるので、速やかにクラッチ装置4に潤滑油を供給することが可能となる。
【0072】
(4)貯留室222は、第1回転部材31を挿通させる挿通孔220の外周側に環状に形成され、開口222aの上方に流入口222bが形成されているので、貯留室222を簡素な構成としながら十分な容量を確保することができる。
【0073】
(5)ピストン部材6は、貯留室222の開口222aが開放される方向への移動により、クラッチ装置4の複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44とが互いに摩擦接触するように押圧される。すなわち、ピストン部材6は、蓋部62によって貯留室222の開口222aを開閉する機能と、複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44とを押圧する機能とを兼ね備えているので、駆動力伝達装置1Aの部品点数の増加を抑制して簡素な構成とすることができ、小型化及び低コスト化に寄与できる。
【0074】
(6)貯留室222は、流入口222bから潤滑油が流れ込む第1貯留部222cを上部に有し、ピストン部材6の開状態において第1貯留部222cに貯留された潤滑油が回転軸線Oよりも上方から第2収容室2bに供給されるので、第1回転部材31等の回転による遠心力により、潤滑油を効率よく循環させることができる。
【0075】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図9を参照して説明する。
【0076】
図9は、第2の実施の形態に係る駆動力伝達装置の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【0077】
本実施の形態に係る駆動力伝達装置は、第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置1Aと同様の機能を有しているが、クラッチ装置4の構成が異なっている。以下、この違いの部分を中心に説明する。なお、図9において、第1の実施の形態について説明したものと共通する構成要素については、図8に付した符号と同一の符号を付して、その重複した説明を省略する。
【0078】
第1の実施の形態では、複数のインナクラッチプレート43及び複数のアウタクラッチプレート44が、クラッチドラム42の底壁部422と押圧部材45の環状の押圧部450との間に挟まれる場合について説明したが、本実施の形態では、押圧部材45が、ピストン部材6の蓋部62との間に軸受78を挟む環状の基部452と、基部452からピストン部材6側とは反対側に突出する複数の突部453と、弾性部材46の付勢力を受ける受け部454とを有している。
【0079】
また、第1の実施の形態では、クラッチハブ41が第1回転部材31と一体回転するように連結され、クラッチドラム42が第2回転部材32と一体回転するように連結された場合について説明したが、本実施の形態では、クラッチハブ41が第2回転部材32と一体回転するように連結され、クラッチドラム42が第1回転部材31と一体回転するように連結されている。より具体的には、クラッチハブ41の連結部412が第2回転部材32にスプライン嵌合し、クラッチドラム42の連結部423が第1回転部材31にスプライン嵌合している。
【0080】
クラッチドラム42の底壁部422には、押圧部材45の突部453を挿通させる複数の挿通孔422aが形成されている。また、複数のアウタクラッチプレート44のうち押圧部材45から最も離間して配置されるアウタクラッチプレート44は、その内径が他のアウタクラッチプレート44よりも小さく、押圧部材45からの押圧力によって軸受75に押し付けられる。
【0081】
弾性部材76は、クラッチドラム42の底壁部422と押圧部材45の受け部454との間に配置され、押圧部材45をピストン部材6側に付勢している。
【0082】
以上のように構成された本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、ピストン部材6の閉状態では貯留室222から第2収容室2bへの潤滑油の流動が規制され、ピストン部材6が開状態になると、貯留室222に貯留された潤滑油が第2収容室2bへ供給される。ピストン部材6の開状態及び閉状態における潤滑油の油面高さも、第1の実施の形態と同様であり、ピストン部材6のクラッチ装置4側への移動によって、貯留室222の開口222aが一時に開放されると共に、複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44とが互いに摩擦接触するように押圧される。
【0083】
また、ピストン部材6の開状態においてクラッチドラム42が回転すると、図9に太線で示す循環経路で潤滑油が循環する。すなわち、流入口222bから貯留室222の第1貯留部222cに流入した潤滑油は、区画壁224の凹部224aを経てピストン部材6の流通孔610に流れ、回転軸線Oよりも上方から第1回転部材31の外周面に流れ落ちる。第1回転部材31に流れ落ちた潤滑油は、第1回転部材31の回転による遠心力により、クラッチハブ41の円筒部411に形成された油孔411bを経て複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44との間に供給される。
【0084】
またさらに、複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44との間に供給された潤滑油は、遠心力によってクラッチドラム42の開口部や油孔421bから放出され、その一部は第2収容実2bの内面をつたって流入口222bから貯留室222に流入する。
【0085】
本実施の形態によっても、第1の実施の形態について説明したものと同様の作用及び効果が得られる。
【0086】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について、図10乃至図12を参照して説明する。図10乃至図12において、第1の実施の形態について説明したものと共通する構成要素については、第1の実施の形態で用いた符号と同一の符号を付して、その重複した説明を省略する。
【0087】
図10は、本実施の形態に係る駆動力伝達装置1Bが搭載された四輪駆動車100の構成例を示す構成図である。図11は、本実施の形態に係る駆動力伝達装置1Bの全体を示す水平断面図である。図12は、本実施の形態に係る駆動力伝達装置1Bの要部を示す垂直断面図である。
【0088】
本実施の形態に係る駆動力伝達装置1Bは、第1の実施の形態と同様に、プロペラシャフト108から伝達されるエンジン102の駆動力を後輪側のドライブシャフト109L,109Rに差動を許容して配分する。ただし、第1の実施の形態では、プロペラシャフト108と後輪側のディファレンシャル装置5との間にクラッチ装置4が配置されていたが、本実施の形態では、ディファレンシャル装置5の一対のサイドギヤ53のうち一方(左側)のサイドギヤ53とドライブシャフト109Lとの間にクラッチ装置4が配置されている。
【0089】
すなわち、本実施の形態では、クラッチ装置4によって、一方のサイドギヤ53からドライブシャフト109Lに伝達される駆動力を調節可能である。また、ディファレンシャル装置5の差動機能により、他方のサイドギヤ53からドライブシャフト109Rにも、ドライブシャフト109Lに伝達される駆動力と同等の駆動力が伝達される。
【0090】
本実施の形態に係る駆動力伝達装置1Bは、第1乃至第3ハウジング部材25〜27からなる収容部材としてのハウジング2Bと、プロペラシャフト108に連結されるピニオンギヤシャフト30と、ピニオンギヤシャフト30から伝達された駆動力を一対のサイドギヤ53から差動を許容して出力するディファレンシャル装置5と、一方のサイドギヤ53からドライブシャフト109Lに伝達される駆動力を調節するクラッチ装置4と、油圧ユニット11から供給される作動油の圧力によって動作するピストン部材6と、ディファレンシャル装置5とドライブシャフト109Lとの間に配置された第1第1回転部材36及び第2回転部材37とを備えている。
【0091】
ハウジング2Bは、クラッチ装置4を収容する第1ハウジング部材25と、ピニオンギヤシャフト30及びディファレンシャル装置5を収容する第3ハウジング部材27と、第1ハウジング部材25と第3ハウジング部材27との間に配置された第2ハウジング部材26からなる。第1ハウジング部材25と第2ハウジング部材26とは複数のボルト281によって結合され、第2ハウジング部材26と第3ハウジング部材27とは複数のボルト282によって結合される。
【0092】
ピニオンギヤシャフト30は、ボルト34及び座金35によってプロペラシャフト108が連結される連結部材33と一体回転するように結合されている。また、ピニオンギヤシャフト30は、一対の軸受73,74によって回転可能に支持され、ギヤ部301がディファレンシャル装置5のリングギヤ54に噛み合っている。
【0093】
ディファレンシャル装置5の一対のサイドギヤ53のうち、右側のサイドギヤ53には、ドライブシャフト109Rが一体回転するように連結される。また、左側のサイドギヤ53には、クラッチ装置4へ駆動力を伝達する入力回転部材としての第1回転部材36が一体回転するように連結される。出力回転部材としての第2回転部材37は、ドライブシャフト109Lと一体回転するように連結される。
【0094】
第1回転部材36と第2回転部材37とは、回転軸線Oを共有し、同軸上で相対回転可能である。クラッチ装置4のクラッチハブ41は、第1回転部材36と相対回転不能に連結され、クラッチドラム42は、第2回転部材37と相対回転不能に連結されている。
【0095】
ハウジング2Bにおいて、ピニオンギヤシャフト30及びディファレンシャル装置5を収容する第1収容室2aと、クラッチ装置4を収容する第2収容室2bとは、第2ハウジング部材26に形成された第1回転部材36の挿通孔の内面に固定されたシール部材85によって区画されている。第1収容室2aにはデフオイルが、第2収容室2bには複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44との摩擦摺動を潤滑する潤滑油が、それぞれ封入されている。第1ハウジング部材25において、ドライブシャフト109Lを挿通させる挿通孔の内面には、シール部材86が配置されている。
【0096】
第2ハウジング部材26には、油圧ユニット11から作動油が供給されるシリンダ室261と、潤滑油を貯留する貯留室262とが形成されている。シリンダ室261及び貯留室262は、回転軸線Oを中心として同心状に形成された環状であり、貯留室262はシリンダ室261よりも外周側に形成されている。シリンダ室261及び貯留室262は、共に第2収容室2bに開口している。
【0097】
シリンダ室261には、ピストン部材6の被支持部61が進退移動可能に収容されている。ピストン部材6がクラッチ装置4側に移動すると、貯留室262の開口262aが一時に開放され、貯留室262に貯留された潤滑油が第2収容室2bに流れ出す。貯留室262は、開口262aの上端部が、ピストン部材6の閉状態において蓋部62に閉塞されない潤滑油Lの流入口262bとして形成されている。
【0098】
シリンダ室261と貯留室262とは、環状の区画壁264によって区画されている。区画壁264には、その外周面から外方に突出した一対の凸壁265(図12には、一方の凸壁265のみを示す)が形成されている。一対の凸壁225は、貯留室262を周方向に見た場合に、流入口262bを挟む位置に形成されている。また、区画壁264には、一対の凸壁265の間に、回転軸線Oと平行な方向に沿って貯留室262の底面側に向かって窪んだ切り欠き状の凹部264aが形成されている。
【0099】
一対の凸壁225の間には、流入口262bから潤滑油が流れ込む第1貯留部262cが形成されている。ピストン部材6の開状態においてクラッチドラム42が回転すると、潤滑油が掻き上げられ、流入口262bから貯留室262に流れ込み、第1貯留部262c及び凹部264aを経て、回転軸線Oよりも上側でピストン部材6の流通孔610から流れ落ちる。流れ落ちた潤滑油は、第1回転部材36及びクラッチハブ41の回転による遠心力により、弾性部材46の油孔46b及びクラッチハブ41の油孔411bを経て複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44との間に供給される。
【0100】
ピストン部材6の開状態及び閉状態において、貯留室262及び第2収容室2bにおける潤滑油の油面高さは第1の実施の形態と同様であり、貯留室262は、ピストン部材6の閉状態において、第2収容室2bにおける潤滑油の油面高さよりも高い油面高さで潤滑油を貯留可能である。
【0101】
本実施の形態によっても、第1の実施の形態について説明したものと同様の作用及び効果が得られる。また、本実施の形態に係る駆動力伝達装置1Bでは、四輪駆動車100の二輪駆動時に、ディファレンシャル装置5の差動機能によって第1回転部材36と第2回転部材37とが互いに逆方向に回転する。これにより、第1の実施の形態に比較して、複数のインナクラッチプレート43と複数のアウタクラッチプレート44との相対回転速度が高速になるが、この場合でも、潤滑油が貯留室222に貯留されることにより、引き摺りトルクを低減することが可能となる。
【0102】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について、図13を参照して説明する。図13において、第1乃至第3の実施の形態について説明したものと共通する構成要素については、第1乃至第3の実施の形態で用いた符号と同一の符号を付して、その重複した説明を省略する。
【0103】
図13は、本実施の形態に係る駆動力伝達装置の要部を示す垂直断面図である。この駆動力伝達装置は、第3の実施の形態に係る駆動力伝達装置1Bと同様の機能を有しているが、ハウジング2Bにおける第1収容室2aと第2収容室2b及び貯留室262との間で潤滑油が流通可能とした構成が、第3の実施の形態と異なる。なお、本実施の形態では、第1収容室2a及び第2収容室2bに共通の潤滑油が封入されている。
【0104】
具体的には、本実施の形態では、第2ハウジング部材26に第1乃至第4流通孔266〜269が形成されている。第1流通孔266は、回転軸線Oよりも上方に設けられ、第1収容室2aと貯留室262の第1貯留部262cとを連通している。この第1流通孔266を介して、ディファレンシャル装置5のリングギヤ54によって掻き上げられた潤滑油が第1収容室2aから貯留室262の第1貯留部262cへ供給される。これにより、第3の実施の形態に係る駆動力伝達装置に比較して、より多くの潤滑油が第1貯留部262cに供給される。
【0105】
第2流通孔267は、回転軸線Oよりも下方に設けられ、第2収容室2bと第1収容室2aとを連通している。この第2流通孔267を介して、第2収容室2bにおける潤滑油の油面高さが所定値以上となったとき、第2収容室2bからディファレンシャル装置5側の第1収容室2aに潤滑油が流出する。これにより、第2収容室2bにおける潤滑油が過剰となってディファレンシャル装置5の潤滑が不十分となることが抑制される。
【0106】
第3流通孔268は、貯留室262の開口262aよりも上方に設けられ、第1収容室2aと第2収容室2bとを連通している。この第3流通孔268を介して、ディファレンシャル装置5のリングギヤ54によって掻き上げられた潤滑油が第1収容室2aから第2収容室2bへ供給される。これにより、第3の実施の形態に係る駆動力伝達装置に比較して、より多くの潤滑油が第2収容室2bに供給される。第3流通孔268は、水平方向に対して傾斜し、第1収容室2a側における開口が第2収容室2b側における開口よりも上方に設けられている。これにより、第1収容室2aから第2収容室2bへの潤滑油の流動が促進されると共に、第2収容室2bから第1収容室2aへの潤滑油の流動が抑制されている。
【0107】
第4流通孔269は、第1流通孔266よりも下方に設けられ、貯留室262の第1貯留部262cと第1収容室2aとを連通している。この第4流通孔269を介して、貯留室262における潤滑油の油面高さが所定値以上となったとき、潤滑油が貯留室262からディファレンシャル装置5側の第1収容室2aへ流出する。これにより、貯留室262にその容量を超えて流入した潤滑油が開口262aから溢れ出すことが抑制される。
【0108】
なお、第1乃至第4流通孔266〜269のうち、第1流通孔266及び第3流通孔268は、何れか一方がなくともよい。また、第2流通孔267及び第4流通孔268は、何れか一方がなくともよい。本実施の形態では、上記の構成により、ディファレンシャル装置5のリングギヤ54によって掻き上げられた潤滑油が貯留室262及び/又は第2収容室2bに供給される。また、クラッチドラム42の回転により掻き上げられた潤滑油が貯留室262及び/又はディファレンシャル装置5側の第1収容室2aに供給される。これにより、第1収容室2aと第2収容室2bとの間で潤滑油が循環され、潤滑油をより効率良く冷却することができる。
【0109】
(付記)
以上、本発明の駆動力伝達装置を第1乃至第4の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0110】
10…制御装置、100…四輪駆動車、101…駆動力伝達系、102…エンジン、103…トランスミッション、104L,104R…前輪、105L,105R…後輪、106…フロントディファレンシャル、107L,107R…前輪側ドライブシャフト、108…プロペラシャフト、109L,109R…後輪側ドライブシャフト、11…油圧ユニット、1A,1B…駆動力伝達装置、202…エンジン、21〜23,25〜27…第1乃至第3ハウジング部材、220…挿通孔、221…シリンダ室、222…貯留室、222a…開口、222b…流入口、222c…第1貯留部、222d…第2貯留部、222e…底面、223…作動油供給孔、224…区画壁、224a…凹部、225…凸壁、22a…端面、241,242…ボルト、261…シリンダ室、262…貯留室、262a…開口、262b…流入口、262c…第1貯留部、264…区画壁、264a…凹部、265…凸壁、266…第1流通孔、267…第2流通孔、268…第3流通孔、269…第4流通孔、281,282…ボルト、2A,2B…ハウジング(収容部材)、2a…第1収容室、2b…第2収容室(収容室)、2c…最下点、30…ピニオンギヤシャフト、301…ギヤ部、31…第1回転部材(出力回転部材)、311…凹部、32…第2回転部材(入力回転部材)、321…ボス部、33…連結部材、34…ボルト、35…座金、36…第1回転部材(入力回転部材)、37…第2回転部材(出力回転部材)、4…クラッチ装置、41…クラッチハブ、411…円筒部、411a…スプライン嵌合部、411b…油孔、412…連結部、42…クラッチドラム、421…円筒部、421a…スプライン嵌合部、421b…油孔、422…底壁部、422a…挿通孔、423…連結部、43…インナクラッチプレート、431…係合突起、44…アウタクラッチプレート、441…係合突起、45…押圧部材、450…押圧部、451…内方突起、452…基部、453…突部、454…受け部、46…弾性部材、46b…油孔、5…ディファレンシャル装置、50…デフケース、51…ピニオンシャフト、52…ピニオンギヤ、53…サイドギヤ、54…リングギヤ、6…ピストン部材、61…被支持部、610…流通孔、611,612…環状溝、61a…内周面、61b…外周面、62…蓋部、623…当接部、62a…側面、63,64…Oリング、71〜78…軸受、76…弾性部材、81〜84…シール部材、L…潤滑油、O…回転軸線
図1
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図13