(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、車両用のシートに設けられた着座検知装置に関する一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両用のシート1は、シートクッション2と、このシートクッション2の後端部に設けられたシートバック3と、を備えている。尚、シートバック3の上端には、ヘッドレスト4が設けられている。また、シートクッション2の着座面Sを構成するシート表皮2aの内側には、そのシート荷重に基づきオン/オフ状態が切り替わるメンブレンスイッチ10が設けられている。そして、本実施形態では、このメンブレンスイッチ10を感圧式の着座センサとして用いることにより、そのシートクッション2に対する乗員の着座状態を検知する着座検知装置20が形成されている。
【0024】
詳述すると、
図2に示すように、本実施形態のメンブレンスイッチ10は、スペーサ30となる中間フィルムF0を挟んで積層(貼り合わせ)された第1フィルムF1及び第2フィルムF2を備えた周知の構成を有している。具体的には、第1フィルムF1及び第2フィルムF2には、それぞれ、中間フィルムF0に形成された連通部(貫通孔)31を介して互いに対向する接点部X(Xa,Xb)を有した回路パターンPが形成されている。尚、これらの回路パターンPは、例えば、導電インクを用いた印刷等により形成される。また、本実施形態のメンブレンスイッチ10は、シート表皮2aの内側に配置された状態において、その第2フィルムF2が下部フィルム34を構成し、第1フィルムF1が上部フィルム35を構成する。そして、シートクッション2の着座面Sに印加されるシート荷重に基づき第1フィルムF1が弾性変形し、下側に撓められることによって、その第1フィルムF1に形成された上側接点部Xaと第2フィルムF2に形成された下側接点部Xbとが接触する構成になっている。
【0025】
即ち、本実施形態のメンブレンスイッチ10は、これら上下方向に対向配置された第1フィルムF1の上側接点部Xa及び第2フィルムF2の下側接点部Xbによって、その感圧スイッチ部(セル)SWが構成されている。そして、この感圧スイッチ部SWの導通状態に基づいて、そのオン/オフ状態が切り替わる構成になっている。
【0026】
さらに詳述すると、
図1に示すように、本実施形態の着座検知装置20において、そのメンブレンスイッチ10がシートクッション2の着座面Sに形成する着座検知部40には、当該着座検知部40をシート前後方向及びシート幅方向に分割(区画)することにより複数(4つ)の検知領域(α1,α2,β1,β2)が設定されている。また、本実施形態のメンブレンスイッチ10には、これらの検知領域毎に配置される複数の感圧スイッチ部SWが設けられている。そして、本実施形態のメンブレンスイッチ10は、これらの各感圧スイッチ部SWが導通状態となる組み合わせに基づいて、そのオン/オフ状態が切り替わるように構成されている。
【0027】
具体的には、
図3に示すように、本実施形態のメンブレンスイッチ10は、左側第1検知領域α1に配置された感圧スイッチ部SW1が導通状態となるとともに、左側第2検知領域α2に配置された感圧スイッチ部SW2が導通状態となることによりオン状態となる。そして、このメンブレンスイッチ10は、右側第1検知領域β1に配置された感圧スイッチ部SW3が導通状態となるとともに、右側第2検知領域β2に配置された感圧スイッチ部SW4が導通状態となった場合にもオン状態となるように構成されている。
【0028】
また、このメンブレンスイッチ10は、左側第1検知領域α1に配置された感圧スイッチ部SW1が導通状態となるとともに、右側第1検知領域β1に配置された感圧スイッチ部SW3が導通状態となることによりオン状態となる。そして、このメンブレンスイッチ10は、左側第2検知領域α2に配置された感圧スイッチ部SW2が導通状態となるとともに、右側第2検知領域β2に配置された感圧スイッチ部SW4が導通状態となった場合にもオン状態となるように構成されている。
【0029】
即ち、本実施形態のメンブレンスイッチ10は、シート前後方向に隣り合う2つの検知領域(α1,α2、又はβ1,β2)において、当該各検知領域に配置された感圧スイッチ部SW(SW1,SW2、又はSW3,SW4)が同時に導通状態となっている場合にオン状態となるように構成されている。そして、このメンブレンスイッチ10は、そのシート幅方向に隣り合う2つの検知領域(α1,β1、又はα2,β2)において、当該各検知領域に配置された感圧スイッチ部SW(SW1,SW3、又はSW2,SW4)が同時に導通状態となっている場合にもオン状態となるように構成されている。
【0030】
図1に示すように、本実施形態の着座検知装置20において、メンブレンスイッチ10のオン/オフ状態を示す着座検知信号Sdは、ECU50に入力される。そして、本実施形態の着座検知装置20は、この着座検知信号Sdがメンブレンスイッチ10のオン状態を示す場合に、その着座判定装置としてのECU50が、シートクッション2に乗員が着座した状態にあるものと判定する構成になっている。
【0031】
(メンブレンスイッチの回路パターン)
次に、本実施形態のメンブレンスイッチ10を構成する第1フィルムF1及び第2フィルムF2に形成された各回路パターンPについて説明する。尚、以下に示すメンブレンスイッチの回路パターン図は、全て、第1フィルムF1及び第2フィルムF2が積層された状態における上面視となっている。
【0032】
図4(a)(b)に示すように、本実施形態のメンブレンスイッチ10において、上部フィルム35を構成する第1フィルムF1には、その一端に接続端子60(60a,60b)を有した第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2が形成されている。また、下部フィルム34を構成する第2フィルムF2には、これらの第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2に形成された接点部X(X1,X2)に対向する接点部X(X3)を有した第3回路パターンP3が形成されている。そして、本実施形態のメンブレンスイッチ10は、その第1回路パターンP1の一端に設けられた第1接続端子60a及び第2回路パターンP2の一端に設けられた第2接続端子60bを接続部として、着座判定装置を構成するECU50に接続される構成になっている。
【0033】
即ち、このメンブレンスイッチ10は、第1回路パターンP1の接点部X1と第2回路パターンP2の接点部X2とが同時に第3回路パターンP3の接点部X3に接触した状態となることにより、その第3回路パターンP3を介して第1回路パターンP1と第2回路パターンP2とが電気的に接続される。そして、これにより、そのシートクッション2に対して乗員が着座した状態を示すオン状態となるように構成されている。
【0034】
詳述すると、
図4(a)に示すように、本実施形態のメンブレンスイッチ10において、第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2は、それぞれ、シート前後方向(
図4中、上下方向)に延びる幹配線部61(61a,61b)を備えている。そして、これらの第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2は、更に、それぞれ、その幹配線部61から分岐して互いに相反する方向に延びる第1分岐配線部63(63a,63b)及び第2分岐配線部64(64a,64b)を備えている。
【0035】
具体的には、これらの第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2は、
図4(a)中、その第1回路パターンP1の幹配線部61aが左側、第2回路パターンP2の幹配線部61bが右側となる位置関係において、互いの幹配線部61a,61bが略平行してシート前後方向に延びるように配置されている。また、第1回路パターンP1は、その幹配線部61aにおけるシート前方側の端部(
図4(a)中、上側の端部)から分岐して、
図4(a)中、左側に延びる第1分岐配線部63aを備え、第2回路パターンP2は、同じく幹配線部61bにおけるシート前方側の端部から分岐して、
図4(a)中、右側に延びる第1分岐配線部63bを備えている。更に、第1回路パターンP1は、その第1分岐配線部63aよりもシート後方側の位置(
図4(a)中、下側)から分岐して、
図4(a)中、右側に延びる第2分岐配線部64aを備え、第2回路パターンP2は、同じく第1分岐配線部63bよりもシート後方側の位置から分岐して、
図4(a)中、左側に延びる第2分岐配線部64bを備えている。更に、第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2の各接点部X(X1,X2)は、これら第1分岐配線部63及び第2分岐配線部64の先端部分に設けられている。そして、このメンブレンスイッチ10の接続端子60(60a,60b)は、これら第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2の各幹配線部61(61a,61b)におけるシート後方側の端部(
図4(a)中、下側の端部)に設けられている。
【0036】
また、本実施形態のメンブレンスイッチ10において、第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2の各幹配線部61(61a,61b)は、それぞれ、他方側の各幹配線部61(61a,61b)から分岐した第2分岐配線部64(64a,64b)を迂回する迂回配線部65(65a,65b)を備えている。具体的には、第1回路パターンP1は、その幹配線部61aの途中に、
図4(a)中、左側に凸となる略U字状の迂回配線部65aを有しており、第2回路パターンP2の第2分岐配線部64bは、その略U字状をなす迂回配線部65aの内側において、
図4(a)中、左側に延設されている。同様に、第2回路パターンP2もまた、その幹配線部61bの途中に、
図4(a)中、右側に凸となる略U字状の迂回配線部65bを有しており、第1回路パターンP1の第2分岐配線部64aは、その略U字状をなす迂回配線部65bの内側において、
図4(a)中、右側に延設されている。そして、本実施形態のメンブレンスイッチ10は、これにより、その第1フィルムF1において、これら第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2が重ならないように構成されている。
【0037】
更に、第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2の各迂回配線部65(65a,65b)は、その幹配線部61(61a,61b)の延伸方向において、互いに略等しい位置に形成されている。そして、本実施形態の第1フィルムF1は、これら第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2が形成する略格子形状の輪郭に沿うような外形を有している。
【0038】
具体的には、本実施形態の第1フィルムF1は、シート前後方向に延びる第1方向延伸部66と、この第1方向延伸部66に交差して略平行に延びる一対の第2方向延伸部67a,67bと、を備えている。即ち、本実施形態のメンブレンスイッチ10において、第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2の各幹配線部61(61a,61b)は、第1フィルムF1における第1方向延伸部66に形成されている。また、各第1分岐配線部63(63a,63b)は、第1フィルムF1におけるシート前方側の第2方向延伸部67aに形成されている。そして、各第2分岐配線部64(64a,64b)及び各迂回配線部65(65a,65b)は、第1フィルムF1におけるシート後方側の第2方向延伸部67bに形成されている。
【0039】
一方、
図4(b)に示すように、本実施形態の第3回路パターンP3は、シート前後方向に延びる一対の第2方向配線部71a,71bと、これらの各第2方向配線部71a,71b間を接続する接続配線部72と、を備えている。また、本実施形態の第2フィルムF2は、上記のような第1方向延伸部66及び各第2方向延伸部67a,67bを備えた上記第1フィルムF1と略同一の外形を有している(
図4(a)参照)。即ち、本実施形態のメンブレンスイッチ10において、第3回路パターンP3の各第2方向配線部71a,71bは、それぞれ、第2フィルムF2の第2方向延伸部67a,67bに形成されている。そして、第3回路パターンP3の接続配線部72は、その第2フィルムF2における第1方向延伸部66に形成されている。
【0040】
また、第3回路パターンP3の各接点部X3は、その各第2方向配線部71a,71bの両端部分に形成されている。そして、本実施形態のメンブレンスイッチ10は、これにより、その第3回路パターンP3の各接点部X3が、それぞれ、第1回路パターンP1の接点部X1又は第2回路パターンP2の接点部X2の何れかに対向する位置に配置されるようになっている。
【0041】
図4(a)(b)に示すように、本実施形態のメンブレンスイッチ10は、第1回路パターンP1の第1分岐配線部63a及び第2分岐配線部64aに設けられた各接点部X1が、それぞれ、上記シートクッション2の着座面S上の着座検知部40に設定された左側第1検知領域α1及び右側第2検知領域β2に配置されるように構成されている。また、第2回路パターンP2の第1分岐配線部63b及び第2分岐配線部64bに設けられた各接点部X2は、それぞれ、着座検知部40に設定された右側第1検知領域β1及び左側第2検知領域α2に配置されるようになっている。更に、第3回路パターンP3は、シート前後方向に隣り合う2つの検知領域に対して互いに対となる接点部X3を配置するとともに、シート幅方向に隣り合う2つの検知領域に対しても、互いに対となる接点部X3を配置するように構成されている。そして、本実施形態のメンブレンスイッチ10は、これにより、その各検知領域(α1,α2,β1,β2)に対して、これら各回路パターンP(P1〜P3)の各接点部X(X1,X2,X3)の形成する各感圧スイッチ部SW(SW1〜SW4)が配置される構成になっている。
【0042】
即ち、このメンブレンスイッチ10は、シート前後方向に隣り合う2つの検知領域(α1,α2、又はβ1,β2)の一方には第1回路パターンP1の接点部X1が形成する感圧スイッチ部SW1,SW4が配置され、他方には第2回路パターンP2の接点部X2が形成する感圧スイッチ部SW2,SW3が配置されるように構成されている。更に、このメンブレンスイッチ10は、シート幅方向に隣り合う2つの検知領域(α1,β1、又はα2,β2)についてもまた、一方には第1回路パターンP1の接点部X1が形成する感圧スイッチ部SW1,SW4が配置され、他方には第2回路パターンP2の接点部X2が形成する感圧スイッチ部SW2,SW3が配置されるように構成されている。そして、本実施形態のメンブレンスイッチ10は、これにより、シート前後方向又はシート幅方向に隣り合う2つの検知領域において、その各検知領域に配置された感圧スイッチ部SWが同時に導通状態となっている場合にオン状態となるように構成されている。
【0043】
具体的には、
図4中、着座検知部40の左側に位置する左側第1検知領域α1及び左側第2検知領域α2に対してシート荷重が印加された場合には、第1回路パターンP1の第1分岐配線部63aに設けられた接点部X1が第3回路パターンP3の接点部X3に接触する。更に、このとき、第2回路パターンP2の第2分岐配線部64bに設けられた接点部X2もまた、第3回路パターンP3の接点部X3に接触する。そして、本実施形態のメンブレンスイッチ10は、これにより、左側第1検知領域α1及び左側第2検知領域α2に配置された各感圧スイッチ部SW1,SW2がともに導通状態となることで、オン状態となるように構成されている(
図3参照)。
【0044】
また、
図4中、着座検知部40の右側に位置する右側第1検知領域β1及び右側第2検知領域β2に対してシート荷重が印加された場合には、第2回路パターンP2の第1分岐配線部63bに設けられた接点部X1が第3回路パターンP3の接点部X3に接触する。更に、このとき、第1回路パターンP1の第2分岐配線部64aに設けられた接点部X2もまた、第3回路パターンP3の接点部X3に接触する。そして、本実施形態のメンブレンスイッチ10は、これにより、右側第1検知領域β1及び右側第2検知領域β2に配置された各感圧スイッチ部SW3,SW4がともに導通状態となることで、オン状態となるように構成されている。
【0045】
更に、
図4中、着座検知部40の前方側に位置する左側第1検知領域α1及び右側第1検知領域β1にシート荷重が印加された場合には、第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2の各第1分岐配線部63a,63bに設けられた接点部X1が、ともに第3回路パターンP3の接点部X3に接触する。また、
図4中、着座検知部40の後方側に位置する左側第2検知領域α2及び右側第2検知領域β2にシート荷重が印加された場合には、第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2の各第2分岐配線部64a,64bに設けられた接点部X1が、ともに第3回路パターンP3の接点部X3に接触する。そして、本実施形態のメンブレンスイッチ10は、これにより左側第1検知領域α1及び右側第1検知領域β1の各感圧スイッチ部SW1,SW3が同時に導通状態となっている場合、又は左側第2検知領域α2及び右側第2検知領域β2の各感圧スイッチ部SW2,SW4が同時に導通状態となっている場合にも、オン状態となるように構成されている。
【0046】
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)着座検知装置20は、シートクッション2の着座面Sに着座検知部40を形成するメンブレンスイッチ10と、このメンブレンスイッチ10のオン/オフ状態に基づいてシートクッション2に対する乗員の着座状態を判定する着座判定装置としてのECU50と、を備える。また、着座検知部40には、当該着座検知部40をシート前後方向及びシート幅方向に分割することにより複数の検知領域(α1,α2,β1,β2)が設定される。そして、メンブレンスイッチ10は、シート前後方向に隣り合う2つの検知領域(α1,α2、又はβ1,β2)において、その各検知領域に配置された感圧スイッチ部SW(SW1,SW2、又はSW3,SW4)が同時に導通状態となっている場合にオン状態となるように構成される。
【0047】
即ち、乗員着座時のシート荷重分布は、その臀部に連続する大腿部に対応してシート前後方向にも広がりを有している。特に、このようなシート前後方向のシート荷重分布は、乗員が左右に体を傾けることで、より一層、顕著なものとなる。従って、上記構成によれば、着座面Sに載置された荷物等による誤検知の発生を回避することができるとともに、例えば、車両走行時等、乗員の着座姿勢が変化しやすい状況においても、より精度よく、その乗員検知判定を行うことができる。
【0048】
(2)メンブレンスイッチ10は、そのシート幅方向に隣り合う2つの検知領域(α1,β1、又はα2,β2)において、当該各検知領域に配置された感圧スイッチ部SW(SW1,SW3、又はSW2,SW4)が同時に導通状態となっている場合にもオン状態となるように構成される。
【0049】
上記構成によれば、着座部位となる乗員の臀部に対応したシート幅方向に広がりを有するシート荷重分布に基づいて、より精度よく乗員検知判定を行うことができる。
(3)メンブレンスイッチ10は、スペーサ30となる中間フィルムF0を挟んで積層された第1フィルムF1及び第2フィルムF2と、その第1フィルムF1に形成された第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2と、第2フィルムF2に形成された第3回路パターンP3と、を備える。各感圧スイッチ部SWは、その中間フィルムF0に形成された連通部31を介して第1回路パターンP1の接点部X1及び第2回路パターンP2の接点部X2と第3回路パターンP3の接点部X3とを対向させることにより形成される。そして、このメンブレンスイッチ10は、シート前後方向に隣り合う2つの検知領域(α1,α2、又はβ1,β2)の一方には第1回路パターンP1の接点部X1が形成する感圧スイッチ部SW1,SW4が配置され、他方には第2回路パターンP2の接点部X2が形成する感圧スイッチ部SW2,SW3が配置されるように構成される。
【0050】
上記構成によれば、シート前後方向に隣り合う2つの検知領域において、その各検知領域に配置された感圧スイッチ部SWが同時に導通状態となっている場合にオン状態となるように、メンブレンスイッチ10を構成することができる。
【0051】
(4)メンブレンスイッチ10は、シート幅方向に隣り合う2つの検知領域(α1,β1、又はα2,β2)についてもまた、一方には第1回路パターンP1の接点部X1が形成する感圧スイッチ部SW1,SW4が配置され、他方には第2回路パターンP2の接点部X2が形成する感圧スイッチ部SW2,SW3が配置されるように構成される。
【0052】
上記構成によれば、シート幅方向に隣り合う2つの検知領域において、その各検知領域に配置された感圧スイッチ部SWが同時に導通状態となっている場合にオン状態となるように、メンブレンスイッチ10を構成することができる。
【0053】
(5)第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2は、それぞれ、第1方向に延びる幹配線部61(61a,61b)と、この幹配線部61a,61bから分岐して互いに相反する方向に延びる第1分岐配線部63(63a,63b)及び第2分岐配線部64(64a,64b)と、を備える。更に、第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2の各接点部X1,X2は、その各第1分岐配線部63a,63b及び各第2分岐配線部64a,64bに形成されるとともに、第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2の各第2分岐配線部64a,64bは、それぞれ、他方側の各第1分岐配線部63a,63bと同一方向に延設される。そして、第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2の各幹配線部61a,61bには、それぞれ、他方側の幹配線部61a,61bから分岐した第2分岐配線部64a,64bを迂回する迂回配線部65(65a,65b)が設けられる。
【0054】
上記構成によれば、シート前後方向に隣り合う2つの検知領域において当該各検知領域に配置された各感圧スイッチ部SWが同時に導通状態となっている場合に、そのメンブレンスイッチ10がオン状態となるような第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2を形成することができる。また、シート幅方向に隣り合う2つの検知領域において当該各検知領域に配置された各感圧スイッチ部SWが同時に導通状態となっている場合にも、そのメンブレンスイッチ10がオン状態となるような第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2を形成することができる。更に、互いの重なりを回避しつつ、最小の敷設面積にて、その第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2を第1フィルムF1に形成することができる。そして、これにより、生産効率の向上を図ることができる。
【0055】
(6)第3回路パターンP3は、シート幅方向に延びる一対の第2方向配線部71a,71bと、これらの両第2方向配線部71a,71b間を接続する接続配線部72と、を備える。そして、第3回路パターンP3の各接点部X3は、各第2方向配線部71a,71bに形成されることにより、第1回路パターンP1の接点部X1又は第2回路パターンP2の接点部X2の何れかに対向する位置に配置される。
【0056】
上記構成によれば、敷設面積の最小化を図りつつ、シート前後方向又はシート幅方向に隣り合う2つの検知領域において当該各検知領域に配置された各感圧スイッチ部SWが同時に導通状態となっている場合に、そのメンブレンスイッチ10がオン状態となるような第3回路パターンP3を第2フィルムF2に形成することができる。また、その第2フィルムF2の形状を第1フィルムF1の形状と略等しくすることができる。そして、これにより、生産効率の向上を図ることができる。
【0057】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、メンブレンスイッチ10において、その第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2を有した第1フィルムF1が上部フィルム35を構成し、第3回路パターンP3を有した第2フィルムF2が下部フィルム34を構成することとした。しかし、これに限らず、第1フィルムF1が下部フィルム34を構成し、第2フィルムF2が上部フィルム35を構成するものであってもよい。
【0058】
・また、メンブレンスイッチ10の配置については、シート表皮2aに印加されたシート荷重に基づいてオン/オフ動作する位置であれば、そのシート表皮2aとクッション材との間であっても、クッション材の下方であってもよい。
【0059】
・上記実施形態では、シート前後方向を第1方向とし、これに対して略直交するシート幅方向を第2方向とした。しかし、これに限らず、シート幅方向を第1方向とし、シート前後方向を第2方向としてもよい。また、シート前後方向及びシート幅方向に対して斜行する方向を第1方向としてもよい。そして、第2方向についてもまた、第1方向に対して交差する方向であれば、必ずしも直交するものでなくともよい。
【0060】
・上記実施形態では、メンブレンスイッチ10は、着座検知部40をシート前後方向及びシート幅方向に分割することにより設定された各検知領域(α1,α2,β1,β2)につき、それぞれ、1つずつ、その各検知領域に配置される感圧スイッチ部SW(SW1〜SW4)を備えることとした。しかし、これに限らず、同一の検知領域に配置されるとともに当該検知領域に印加されたシート荷重に基づいて導通状態となる複数の感圧スイッチ部SWを有する構成であってもよい。
【0061】
例えば、
図5(a)(b)に示すメンブレンスイッチ10Bのように、第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2の第1分岐配線部63及び第2分岐配線部64の基端側に、それぞれ、2つずつ、接点部X1,X2を形成する。また、第3回路パターンP3についても同様に、これら第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2における追加された基端側の各接点部X1,X2に対向する位置に、それぞれ、新たな各接点部X3を追加する。そして、これら第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2の第1分岐配線部63及び第2分岐配線部64に形成された各2つの各接点部X1,X2を、その分岐配線毎に、それぞれ、着座検知部40の各検知領域(α1,α2,β1,β2)に配置する構成とすればよい。
【0062】
即ち、各検知領域(α1,α2,β1,β2)に印加されたシート荷重に基づいて、その各検知領域に配置された2つの感圧スイッチ部SWのうちの少なくとも何れか一方が導通状態となるように構成する。そして、これにより、より精度よく、乗員検知判定を行うことができる。
【0063】
・また、
図5(a)(b)に示すメンブレンスイッチ10Bは、着座検知部40の各検知領域(α1,α2,β1,β2)について、それぞれ、2つずつ感圧スイッチ部SW(SW1〜SW4)を配置することとした。しかし、これに限らず、各検知領域に配置される感圧スイッチ部SWの数は、3つ以上であってもよい。更に、必ずしも、全ての各検知領域に複数の感圧スイッチ部SWを設けなくともよい。例えば、シート幅方向左側又は右側の検知領域(α1,α2又はβ1,β2)についてのみ、複数の感圧スイッチ部SWを設ける構成であってもよい。そして、シート前部又は後部の検知領域(α1,β1又はα2,β2)についてのみ、複数の感圧スイッチ部SWを設ける構成であってもよい。
【0064】
・上記実施形態では、着座面Sに形成される着座検知部40には、当該着座検知部40をシート前後方向及びシート幅方向に分割することにより4つの検知領域(α1,α2,β1,β2)が設定されることとした。しかし、これに限らず、シート前後方向又はシート幅方向の少なくとも何れか一方について、その着座検知部40を3分割以上に分割する。そして、これにより形成される複数の検知領域について、それぞれ、メンブレンスイッチの感圧スイッチ部SWを配置する構成としてもよい。
【0065】
例えば、
図6(a)(b)に示すメンブレンスイッチ10Cは、第1方向延伸部66に交差して延びる3つの第2方向延伸部67a〜67cを備えた第1フィルムF1及び第2フィルムF2を備えている。また、第1フィルムF1に形成された第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2には、それぞれ、その最も後方に配置される第2方向延伸部67cに沿って第1分岐配線部63(63a,63b)が形成されている。そして、第2フィルムF2に形成された第3回路パターンP3には、上記第1の実施形態におけるメンブレンスイッチ10と比較した場合において、これらの追加された第1分岐配線部63(63a,63b)の各接点部X1,X2に対向する接点部X3を有した第2方向配線部71cが形成されている。
【0066】
即ち、このメンブレンスイッチ10Cが着座面Sに形成する着座検知部40は、そのシート前後方向に3分割される。また、上記第1回路パターンP1、第2回路パターンP2、及び第3回路パターンP3に追加された各接点部X1,X2,X3は、それぞれ、着座検知部40の最も後方側に設定された左側第3検知領域α3及び右側第3検知領域β3に対して配置されることにより感圧スイッチ部SW5,SW6を形成する。そして、このメンブレンスイッチ10Cは、これにより、左側第2検知領域α2及び左側第3検知領域α3に配置された各感圧スイッチ部SW2,SW5が同時に導通状態、又は右側第2検知領域β2及び右側第3検知領域β3に配置された各感圧スイッチ部SW4,SW6が同時に導通状態となった場合にも、オン状態となるように構成されている。
【0067】
・また、
図7(a)(b)に示すメンブレンスイッチ10Dのように、第1分岐配線部63a,63b、第2分岐配線部64a,64b、及び迂回配線部65a,65bを繰り返し単位として、その幹配線部61a,61bの延設方向に、第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2(並びに第3回路パターンP3)を伸ばしてもよい。このような構成を採用することで、その着座面Sに形成される着座検知部40を、より多くの検知領域に分割することができる。尚、
図6(a)(b)に示されるメンブレンスイッチ10Cのような第1分岐配線部63(63a,63b)を追加する構成は、この場合、「1.5回」の繰り返しとみなすことができる。そして、これにより、奇数分割にも対応することができる。
【0068】
例えば、この
図7に示すメンブレンスイッチ10Dは、第1方向延伸部66に交差して延びる4つの第2方向延伸部67a〜67dを備えた第1フィルムF1及び第2フィルムF2を備えている。また、このメンブレンスイッチ10Dにおいて、第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2は、それぞれ、上記の繰り返し単位を2回繰り返す態様で設けられた各2つの第1分岐配線部63(63a,63b)、第2分岐配線部64(64a,64b)、及び迂回配線部65(65a,65b)を備えている。そして、第3回路パターンP3は、これらの各第1分岐配線部63、第2分岐配線部64、及び迂回配線部65に対応する4つの第2方向配線部71a〜71dを備えている。
【0069】
また、このメンブレンスイッチ10Dは、シート幅方向(
図7中、左右方向)に第1方向延伸部66を沿わせる態様で、その着座面Sを構成するシート表皮2aの内側に配置される。そして、この
図7に示す例においては、これにより、その着座面Sに形成される着座検知部40がシート前後方向に2分割及びシート幅方向に4分割される構成となっている。
【0070】
具体的には、このメンブレンスイッチ10Dにおいて、第1回路パターンP1の各第1分岐配線部63aに設けられた接点部X1は、上記分割により着座検知部40に設定される第1後部検知領域γ2及び第3後部検知領域ε2に配置され、各第2分岐配線部64aの接点部X1は、第2前部検知領域δ1及び第4前部検知領域ζ1に配置される。また、第2回路パターンP2の各第1分岐配線部63bに設けられた接点部X2は、第1前部検知領域γ1及び第3前部検知領域ε1に配置され、各第2分岐配線部64bの接点部X2は、第2後部検知領域δ2及び第4後部検知領域ζ2に配置される。そして、これにより、着座検知部40の各検知領域に配置された第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2の各接点部X1,X2、並びに第3回路パターンP3の各接点部X3が、それぞれ、その検知領域毎に独立した感圧スイッチ部SW(SW1〜SW8)を形成する構成になっている。
【0071】
即ち、このメンブレンスイッチ10Dは、シート前後方向(
図7中、上下方向)に隣り合う2つの検知領域の一方には第1回路パターンP1の接点部X1が形成する感圧スイッチ部SW2,SW3,SW6,SW7が配置され、他方には第2回路パターンP2の接点部X2が形成する感圧スイッチ部SW1,SW4,SW5,SW8が配置される。また、シート幅方向(
図7中、左右方向)に隣り合う2つの検知領域についても同様に、その一方には第1回路パターンP1の接点部X1が形成する感圧スイッチ部SW2,SW3,SW6,SW7が配置され、他方には第2回路パターンP2の接点部X2が形成する感圧スイッチ部SW1,SW4,SW5,SW8が配置される。そして、このメンブレンスイッチ10Dは、これによりシート前後方向又はシート幅方向に隣り合う2つの検知領域において、その各検知領域に配置された感圧スイッチ部SWが同時に導通状態となっている場合に、オン状態となるように構成されている。
【0072】
・また、第1フィルムF1に形成される第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2の形状、並びに第2フィルムF2に形成される第3回路パターンP3の形状は任意に変更してもよい。但し、製造工程の簡略化を考慮した場合、その第1フィルムF1において、第1回路パターンP1と第2回路パターンP2とが重ならないようにすることが望ましい。そして、その生産効率を考慮した場合、これら第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2の敷設面積の最小となるようにすることが望まれる。
【0073】
例えば、
図8に示すメンブレンスイッチ10Eのように、その第1フィルムF1に第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2を形成するとよい。これにより、両者の重なり合いを回避しつつ、最小の面積にて、その第1フィルムF1に第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2を形成することができる。
【0074】
具体的には、このメンブレンスイッチ10Eにおいて、第1回路パターンP1は、着座検知部40に設定される第1前部検知領域γ1、第2後部検知領域δ2、第3前部検知領域ε1及び第4後部検知領域ζ2に対し、それぞれ、その接点部X1を配置するように構成されている。そして、第2回路パターンP2は、着座検知部40に設定される第1後部検知領域γ2、第2前部検知領域δ1、第3後部検知領域ε2及び第4前部検知領域ζ1に対し、それぞれ、その接点部X2を配置するように構成されている。尚、第2フィルムF2及び第3回路パターンについては、例えば、上記
図5(b)と同様のものを用い、その寸法を第1フィルムF1上の第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2に合せるとよい。
【0075】
即ち、このような構成を採用しても、上記
図7に示されるメンブレンスイッチ10Dと同様、その着座面Sに形成される着座検知部40がシート前後方向に2分割及びシート幅方向に4分割される。また、シート前後方向又はシート幅方向(
図8中、上下方向、左右方向)に隣り合う2つの検知領域の一方には第1回路パターンP1の接点部X1が形成する感圧スイッチ部SW1,SW4,SW5,SW8が配置され、他方には第2回路パターンP2の接点部X2が形成する感圧スイッチ部SW2,SW3,SW6,SW7が配置される。そして、これにより、シート前後方向又はシート幅方向に隣り合う2つの検知領域において、その各検知領域に配置された感圧スイッチ部SWが同時に導通状態となっている場合にオン状態となるようなメンブレンスイッチ10Eを構成することができる。
【0076】
・
図4に示された上記実施形態のメンブレンスイッチ10、及び
図5〜
図8に示された別例の各メンブレンスイッチ10B〜10Eは、それぞれ、シート前後方向又はシート幅方向に隣り合う2つの検知領域において、その各検知領域に配置された感圧スイッチ部SWが同時に導通状態となっている場合にオン状態となることとした。しかし、これに限らず、シート前後方向に隣り合う2つの検知領域において当該各検知領域に配置された感圧スイッチ部SWが同時に導通状態となっている場合にのみ、オン状態となる構成としてもよい。
【0077】
具体的には、例えば、
図9(a)〜
図9(d)に示すように、その第2フィルムF2に対し、シート前後方向に隣り合う2つの検知領域に対して互いに対となる接点部X3を配置するような独立した複数の第3回路パターンP3を形成するとよい。
【0078】
即ち、
図4(a)に示すような第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2を有するメンブレンスイッチ10については、
図9(a)に示すように、第2フィルムF2に対し、その第1方向延伸部66及び第2方向延伸部67a,67bに沿わせるかたちで、略コ字形状をなす左右一対の第3回路パターンP3(P3a,P3b)を形成する。そして、これら各第3回路パターンP3a,P3bの両端部分に形成された各接点部X3が、それぞれ、左側第1検知領域α1及び左側第2検知領域α2において対となる各感圧スイッチ部SW1,SW2、及び右側第1検知領域β1及び右側第2検知領域β2において対となる各感圧スイッチ部SW3,SW4を形成する構成とすればよい。これにより、そのシート前後方向に隣り合う2つの検知領域(α1,α2、又はβ1,β2)において当該各検知領域に配置された感圧スイッチ部SWが同時に導通状態となっている場合にのみ、オン状態となる構成とすることができる。
【0079】
・また、例えば、
図5(a)に示すような第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2を有するメンブレンスイッチ10Bについても同様に、第2フィルムF2に対し、
図9(b)に示すような略コ字形状をなす左右一対の第3回路パターンP3(P3a,P3b)を形成する。そして、これらの各第3回路パターンP3a,P3bについて、それぞれ、第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2の第1分岐配線部63及び第2分岐配線部64の基端側に追加された各接点部X1,X2に対向する各接点部X3を設けるとよい。
【0080】
・更に、例えば、
図6(a)に示すような第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2を有するメンブレンスイッチ10Cについては、
図9(c)に示すように、第2フィルムF2に対し、その3つの第2方向延伸部67a〜67cに沿わせるかたちで、略E字形状をなす左右一対の第3回路パターンP3(P3a〜P3c)を形成する。そして、これら各第3回路パターンP3a〜P3cの先端部に形成された各接点部X3が、それぞれ、左側第1検知領域α1〜左側第3検知領域α3において対となる各感圧スイッチ部SW1,SW2,SW5、及び右側第1検知領域β1〜右側第3検知領域β3において対となる各感圧スイッチ部SW3,SW4,SW6を形成する構成とすればよい。
【0081】
・また、例えば、
図7(a)に示すような第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2を有するメンブレンスイッチ10Dについては、
図9(d)に示すように、第2フィルムF2に対し、その各第2方向延伸部67a〜67dに沿って延びる4つの第3回路パターンP3(P3a〜P3d)を形成する。そして、これら各第3回路パターンP3a〜P3dの両端部分に形成された各接点部X3が、それぞれ、シート前後方向において隣り合う2つの検知領域(γ1,γ2、δ1,δ2、ε1,ε2、ζ1,ζ2)において対となる各感圧スイッチ部SW1,SW2、SW3,SW4、SW5,SW6、SW7,SW8を形成する構成とすればよい。
【0082】
・更に、例えば、
図8に示すような第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2を有するメンブレンスイッチ10Eについては、
図10に示すように、第2フィルムF2に対し、その第1方向延伸部66を対称軸として左右に2つずつ、略コ字状の第3回路パターンP3(P3a〜P3d)を形成する。そして、この場合においてもまた、これら各第3回路パターンP3a〜P3dの各接点部X3が、それぞれ、シート前後方向において隣り合う2つの検知領域(γ1,γ2、δ1,δ2、ε1,ε2、ζ1,ζ2)において対となる各感圧スイッチ部SW1,SW2、SW3,SW4、SW5,SW6、SW7,SW8を形成する構成とすればよい。
【0083】
・また、
図11に示すような第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2を有するメンブレンスイッチ10Fについて、その第2フィルムF2に形成される第3回路パターンP3を、
図9(b)に示すような略コ字形状をなす左右一対の第3回路パターンP3a,P3bとしてもよい。これにより、このメンブレンスイッチ10Fについてもまた、シート前後方向に隣り合う2つの検知領域(α1,α2、又はβ1,β2)において当該各検知領域に配置された感圧スイッチ部SWが同時に導通状態となっている場合にのみ、オン状態となるように構成することができる。
【0084】
具体的には、このメンブレンスイッチ10Fにおいて、第1回路パターンP1は、その第1フィルムF1を構成する第2方向延伸部67aに沿って延設された第2方向配線部82(82a)を有し、第2回路パターンP2は、同じく第1フィルムF1を構成する第2方向延伸部67bに沿って延設された第2方向配線部82(82b)を有している。また、これらの第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2は、それぞれ、上記第2方向配線部82(82a,82b)から分岐して第1フィルムF1の第1方向延伸部66に沿って延びる第1方向配線部83(83a,83b)を有している。更に、第1回路パターンP1は、その第1方向配線部83aの途中に、第2回路パターンP2の第2方向配線部82bを迂回する迂回配線部84を有している。尚、このメンブレンスイッチ10Fの接続端子60(60a,60b)は、その第1方向配線部83(83a,83b)の先端部分に設けられている。そして、これら第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2の各第2方向配線部82(82a,82b)には、それぞれ、均等間隔で4つの接点部X1,X2が形成されている。
【0085】
即ち、このメンブレンスイッチ10Fは、着座検知部40に設定された左側第1検知領域α1及び右側第1検知領域β1に対し、その第1回路パターンP1の第2方向配線部82aに設けられた各接点部X1を、それぞれ2つずつ配置する。また、このメンブレンスイッチ10Fは、着座検知部40に設定された左側第2検知領域α2及び右側第2検知領域β2に対し、その第2回路パターンP2の第2方向配線部82bに設けられた各接点部X2を、それぞれ2つずつ配置する。そして、これにより、各検知領域(α1,α2,β1,β2)に印加されたシート荷重に基づいて、その各検知領域に配置された2つの感圧スイッチ部SWのうちの少なくとも何れか一方が導通状態となるように構成されている。
【0086】
・更に、この
図11に示すような第1回路パターンP1及び第2回路パターンP2を有するメンブレンスイッチ10Fにおいて、
図10に示すように、その第2フィルムF2に対し、第1方向延伸部66を対称軸として左右に2つずつ、略コ字状の第3回路パターンP3(P3a〜P3d)を形成する構成としてもよい。
【0087】
このような構成を採用することで、その着座面Sに形成される着座検知部40は、
図10に示されるようなシート前後方向に2分割及びシート幅方向に4分割されたものとなる。つまり、各第3回路パターンP3a〜P3dの両端部分に形成された各接点部X3が、それぞれ、シート前後方向において隣り合う2つの検知領域(γ1,γ2、δ1,δ2、ε1,ε2、ζ1,ζ2)において対となる各感圧スイッチ部SW1,SW2、SW3,SW4、SW5,SW6、SW7,SW8を形成する。そして、これにより、これらのシート前後方向に隣り合う2つの検知領域において当該各検知領域に配置された感圧スイッチ部SWが同時に導通状態となっている場合にのみ、メンブレンスイッチ10Fがオン状態となるように構成することができる。
【0088】
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想を効果とともに記載する。
(イ)前記第3回路パターンは、シート前後方向に隣り合う2つの前記検知領域に対し、互いに対となる前記接点部を配置するものであること、を特徴とする着座検知装置。
【0089】
(ロ)前記第3回路パターンは、シート幅方向に隣り合う2つの前記検知領域に対し、互いに対となる前記接点部を配置するものであること、を特徴とする着座検知装置。
(ハ)前記第3回路パターンは、前記第1方向に交差する第2方向に延びる複数の第2方向配線部と、該各第2方向配線部間を接続する接続配線部と、を備え、第3回路パターンの各接点部は、前記第2方向配線部に形成されることにより前記第1回路パターンの接点部又は前記第2回路パターンの接点部の何れかに対向すること、を特徴とする着座検知装置。
【0090】
上記構成によれば、敷設面積の最小化を図りつつ、シート前後方向又はシート幅方向に隣り合う2つの検知領域において当該各検知領域に配置された各感圧スイッチ部が同時に導通状態となっている場合に、そのメンブレンスイッチがオン状態となるような第3回路パターンを第2フィルムに形成することができる。また、その第2フィルムの形状を第1フィルムの形状と略等しくすることができる。そして、これにより、生産効率の向上を図ることができる。
【0091】
(ニ)前記第2フィルムには、シート前後方向に隣り合う2つの前記検知領域に対して互いに対となる前記接点部を配置する独立した複数の前記第3回路パターンが形成されること、を特徴とする着座検知装置。
【0092】
上記構成によれば、シート前後方向に隣り合う2つの検知領域において当該各検知領域に配置された感圧スイッチ部SWが同時に導通状態となっている場合にのみ、オン状態となるように、メンブレンスイッチを構成することができる。