(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構成によると、車両の誘導表示が発光体の点滅に依存するため、誘導表示にメッセージ性がない。そのため、ドライバーは、自身の置かれた具体的状況を発光体の点滅から推測しなければならない。例えば、ドライバーは、発光体の発光移動速度に合わせて走行すればよいことを推察することはできるものの、その発光体の発光移動が、車速低減、車速抑制、車速維持又は車速上昇のいずれを喚起しているのかを知ることができない。一方、メッセージを表示する道路用の一般的な情報表示板として、
図10に示すような単一のLED表示板からなる情報表示板が普及している。このような情報表示板では、1つの表示面に十数文字の文章等からなる情報が数行にわたって表示される。しかし、このような情報表示板によると、表示内容に一応のメッセージ性が得られるものの、メッセージの情報性と視認性の両立が難しい。すなわち、メッセージの情報性を担保するために1つの表示板に多数の文字を配列すると一文字が小さくなり視認性が低下し、メッセージの視認性を担保するために文字数を減らすと情報性が低下するという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、道路情報表示のメッセージ性を確保するとともにメッセージの視認性及び情報性を両立することを可能とする道路情報板システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の道路情報板システムは、道路に沿って略等間隔に配列される複数の表示板であって各表示板が、文字表示可能な態様で複数のLEDが配置されたLED表示部、表示データを受信する受信部、及び受信された表示データに従って複数のLEDの各々の発光状態を制御する点灯制御部を有する、複数の表示板と、表示情報を受信する通信部、受信された表示情報に基づいて複数の表示板が一連の表示効果を与えるように複数の表示板の各々で表示する表示データを生成するデータ生成部、及び表示データを各表示板に送信する送信部を有する制御装置とを備える。
【0007】
上記道路情報板システムによると、複数の表示板が一連の表示効果を与えるように各表示板で表示する表示データが表示情報から生成され、この表示データに従って各表示板の表示が制御される。したがって、道路情報板システムにおいて、複数の表示板のそれぞれに文字表示が可能となり、道路情報表示のメッセージ性が確保されるとともにメッセージの視認性及び情報性が両立される。
【0008】
第1の形態の道路情報板システムでは、複数の表示板の各々が1文字及び付加記号を表示可能に構成され、道路の進行方向の上流側の表示板から下流側の表示板にかけて一連のメッセージが表示され、対象となる表示板においてメッセージを構成する1文字及び付加記号が表示されるとともに残余の表示板においてメッセージを構成する1文字が表示され、付加記号の表示が目標車速に対応する速度で上流側の表示板から下流側の表示板に向かって移動するように表示データが構成される。このように、複数の表示板において、一連のメッセージと目標車速に対応する速度で移動する付加記号の表示とが併せて表示されることにより、ドライバーは、道路の状況と、調整すべき車速とを直感的に関連付けて認識することができる。
【0009】
また、上記付加記号が進行方向を指す矢印であることが好ましい。これにより、誘導の直感性が一層高まる。
【0010】
第2の形態の道路情報板システムでは、複数の表示板のうちの選択された第1の対象表示板が車速の規制区間に関する情報を表示し、さらに、第1の対象表示板又は第1の対象表示板以外の第2の対象表示板が車速の速度規制値を示すように表示データが構成される。このように、規制される車速の数値表示と規制区間に関する情報とのシンプルかつ柔軟な組合せにより、表示の一定のメッセージ性が担保されつつも、ドライバーの車速調整における直感性が高まる。
【0011】
ここで、第1の対象表示板において、規制区間に関する情報として、規制区間の始まり、規制区間の終わり又は規制区間内を表す矢印が表示されることが好ましい。これにより、ドライバーに対して規制区間をより直感的に示すことが可能となる。
【0012】
また、複数の表示板の中における少なくとも速度規制値を表示する表示板の選択位置が道路の進行方向に向かって移動し、速度規制値を表示する表示板の選択位置の移動速度が速度規制値に対応するように表示データが構成されるようにしてもよい。このように、規制される車速の数値表示と、その規制速度に従った数値表示の移動との有機的な組合せにより、ドライバーの車速調整における直感性及び誘導性が高まる。
【0013】
なお、第1及び第2の形態の道路情報板システム1において、複数の表示板の設置数は6又は7であることが好ましい。これにより、ドライバーが短時間で読める文字数、表示のメッセージ性、表示内容の汎用性等のバランスを採ることができる。
【0014】
第3の形態の道路情報板システムでは、複数の表示板の各々が幅方向に1文字を表示可能に構成され、複数の表示板によって表示可能な総文字数が10以上20以下であり、道路の進行方向の上流側の表示板から下流側の表示板にかけて一連のメッセージが形成されるように表示データが構成される。これにより、比較的多くの文字数の表示により情報性が向上するとともに、単一の表示板からなる情報表示板の場合と比べて一文字を大きく表示することが可能となり、視認性が向上する。
【0015】
また、複数の表示板の各々が4文字又は5文字の縦書き一行の文字列を表示可能に構成され、複数の表示板の設置数が3又は4である構成としてもよい。これにより、ドライバーからの表示の読み易さが向上するとともに、表示板の設置数が少なくて済むことにより設置容易性及び導入容易性が高まる。
【0016】
また、制御装置が、道路における渋滞情報を取得する道路情報取得部を更に有し、渋滞情報が示す渋滞度が閾値を超える場合に、複数の表示板の各々の表示が、進行方向と逆方向に移動するように表示データが構成されてもよい。これにより、ドライバーは、渋滞時に車速が低い場合でも比較的長いメッセージ全体を容易に読み通すことができ、道路情報板システムにおける情報の伝達性が高まる。
【0017】
上記いずれか道路情報板システムは、表示情報を制御装置に無線送信する制御用リモートコントローラをさらに備えていてもよい。これにより、作業者は、制御装置の付近を通過する車両等から道路情報板システムによる表示を選択及び指示することができ、道路情報板システムの利便性が高まる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<基本構成>
図1A及び
図1Bに、本発明の道路情報板システム1の概略構成を示す。道路情報板システム1は、制御装置3及び複数の表示板4−1〜4−nを備え、制御装置3は上位装置2から受信した表示情報に基づいて表示データを生成及び送信し、表示板4−1〜4−nの各々は受信した表示データに従って表示を行う。また、道路情報板システム1は、制御装置3に表示情報を送信するための制御用リモートコントローラ5(以下、「制御リモコン5」という)を有していてもよい。
【0020】
表示板4−1〜4−nは、道路Rに沿って略等間隔に配列され、道路Rの進行方向Aの上流側に表示板4−1が、下流側に表示板4−nが配置される。各表示板4−1〜4−nは、道路Rの進行方向左側に配列され、地面に直接又はポールを介して設置されてもよいし、道路Rの進行方向左側に側壁がある場合には側壁に取り付けられてもよい。なお、以降の説明において、表示板4−1〜4−nを総称して、又は1つを代表して表示板4ともいう。
【0021】
図1A及び
図1Bに示すように、上位装置2と制御装置3とは、通信線L0を介して有線接続される。通信線L0を介した通信は、TCP/IP、RS485等によって行われればよい。制御装置3と各表示板4とは、
図1Aに示すように、通信線L1を介して有線接続されてもよいし、
図1Bに示すように、無線接続されてもよい。制御装置3と各表示板4とが通信線L1を介して有線接続される場合、有線通信はTCP/IP、RS485等によって行われればよい。また、制御装置3と各表示板4とが無線接続される場合、無線通信はZigBee、WiFi等によって行われればよい。ただし、有線及び無線の各通信方式は上記に限定されない。また、制御装置3から表示板4への無線送信においては、制御装置3から各表示板4に表示データが直接無線送信されるようにしてもよいし、制御装置3から所定の表示板4に表示データが無線送信され、その表示データが各表示板4間において無線送信されるようにしてもよい。なお、上位装置2、制御装置3及び各表示板4は、不図示の電力線によってそれぞれ給電されるものとする。
【0022】
<第1の実施形態>
図2A及び
図2Bに、本発明の第1の実施形態による道路情報板システム1のブロック図を示す。
図2A及び
図2Bは、それぞれ
図1A及び
図1Bの構成に対応するブロック図である。
【0023】
上位装置2は交通管理センター等における装置であればよく、少なくとも表示選択部20、データベース21及び通信部22を含む。表示選択部20において、表示板4−1〜4−nにおいて表示すべき表示内容が選択される。例えば、表示選択部20は、データベース21に予め登録された表示内容を上位装置2のオペレータが選択するための手段であってもよいし、オペレータが表示内容をキーボード等によって手動入力するための手段であってもよい。あるいは、表示選択部20は、管理センターにおいて収集された道路情報に基づいて表示内容をデータベース21から自動で選択するように構成されていてもよいし、時刻、曜日、平日/休日の別、季節等に基づいて表示内容をデータベース21から自動で選択するように構成されていてもよい。通信部22は、表示選択部20において選択された表示内容を示す表示情報を、通信線L0を介して制御装置3に送信する。
【0024】
制御装置3は、通信部30、データ生成部31及び送信部32を備える。通信部30は、上位装置2の通信部22からの表示情報を受信する。データ生成部31は、受信した表示情報に基づいて、表示板4−1〜4−nが一連の表示効果を与えるように各表示板4で表示する表示データを生成する。例えば、表示データは、表示効果が構成される期間(以下、「表示サイクル」という)における単位時間当たりの表示板4−1〜4−nにおける各表示内容のデータを含むように構成されればよい。あるいは、各表示板4が1表示サイクル分の表示データを実行できるように表示板4毎に表示データが構成されてもよく、この場合、表示板4同士は共通のクロック等により同期される。このように、データ生成部31は、各表示板4のアドレスと、単位時間当たりの表示データ又は1表示サイクル分の表示データとを対応付ける。送信部32は、表示データの形式を、採用される通信方式のフォーマットに準拠させ、通信線L1を介して(
図2A)、又は無線で(
図2B)表示データを各表示板4に送信する。なお、説明の便宜上、通信部30と送信部32とを個別の通信手段として示しているが、通信部30と送信部32とは1つの通信手段として構成されていてもよい。
【0025】
各表示板4は、LED表示部40、受信部41及び点灯制御部42を備える。LED表示部40は、マトリクス状、千鳥配置状など、文字表示可能な態様で配置された複数のLEDを有する。受信部41は、送信部32からの表示データを受信する。すなわち、受信部41は、制御装置3によって通信線L1に発信され、又は無線で発信される表示データのうちの自表示板4のアドレスを有する表示データを取り込む。点灯制御部42は、受信部41によって受信された表示データに基づいて、LED表示部40の各LEDの発光状態を制御する。なお、各LEDの発光状態の制御とは、少なくとも各LEDの点灯/消灯の制御を含み、必要に応じて各LEDの発光色の制御、各LEDの輝度の制御等を含んでいてもよい。
【0026】
本実施形態では、各表示板4は、1文字及び付加記号を表示可能である。言い換えると、LED表示部40の大きさ、LED表示部40を構成するLED数(密度)は、LED表示部40が1文字及び付加記号を表示した場合にドライバーから視認容易なものであればよい。なお、表示板4の設置数、すなわちnは、一連の表示効果を奏するために3以上であることが好ましく、ドライバーが一度に読み通せる文字数を考慮して20以下であることが好ましい。そして、本実施形態においては、ドライバーが短時間で読める文字数、表示のメッセージ性、表示内容の汎用性等のバランスを考慮して、表示板4の設置数は6又は7であることがより好ましい。表示板4−1〜4−nにおける表示内容については後述する。
【0027】
制御リモコン5は、表示選択部50、メモリ51及び通信部52を含む。表示選択部50において、作業者が表示内容を選択することができる。表示内容の選択肢は、メモリ51に予め登録されていればよい。通信部52は、表示選択部50において選択された表示内容を示す表示情報を制御装置3に送信する。制御リモコン5が使用される場合には、制御装置3の通信部30はリモコン受信部を備える。制御リモコン5と制御装置3との間のリモコン信号の通信は特定小電力無線、赤外線通信等によるものであればよい。ただし、上記リモコン信号の通信方式はこれらに限定されない。
【0028】
制御リモコン5によって、作業者は、制御装置3の付近を走行中の車両、又は制御装置3の付近に停車している車両から道路情報板システム1による表示を選択及び指示することができ、道路情報板システム1の利便性が高まる。制御リモコン5は、上位装置2と併用されてもよいし、上位装置2の代わりに採用されてもよい。後者の場合、上位装置2と制御装置3との通信線L0の敷設が不要となるので、道路情報板システム1の導入容易性が高まる。
【0029】
また、制御リモコン5の代わりに、携帯電話、スマートフォン、タブレット、パソコン等の無線通信端末が採用されてもよい。この場合、無線通信端末と制御装置3との通信は、一般的な無線通信によって行われ、制御装置3の通信部30は、これらの通信規格に適合するものであればよい。
【0030】
図3を参照して、本実施形態の道路情報板システム1の表示(n=7の場合)について説明する。各表示板4が1文字及び付加記号を表示可能に構成され、進行方向Aの上流側の表示板4−1から下流側の表示板4−7にかけて一連のメッセージが表示される。また、対象となる表示板4(以下、「対象表示板4」という)がメッセージの一部を構成する1文字及び付加記号を表示し、残余の表示板4がメッセージの一部を構成する1文字を表示する。付加記号は、例えば進行方向Aに向いた矢印「→」であればよく、その表示が所定の速度で表示板4−1から表示板4−7に向かって移動する。すなわち、対象表示板4の選択位置が所定の速度で進行方向Aに移動する。このような表示が実行されるようにデータ生成部31によって表示データが構成されるものとする。上記メッセージは、例えば、車速の低減、抑制、維持又は上昇を直接的に促すメッセージ(例えば、「速度落とせ」等)、又はそのような車速調整を示唆又は喚起するための道路状況を示すメッセージ(例えば、「この先急カーブ」)であればよい。なお、本明細書において「1文字」とは、特に断りがない限り、全角1文字又は半角1文字若しくは2文字を意味するものとする。例えば、「40」、「km」、「キロ」、「IC」等の半角英数字及び記号は、本明細書においては1文字として定義される。
【0031】
図3に示すように、表示板4−1〜4−7には、一連のメッセージの一例として「この先急カーブ」(車速の抑制乃至は低減の喚起)が表示されるとともに、付加記号として進行方向Aを指す矢印「→」が表示板4−1から表示板4−7に向けて順次移動する。これにより、本例では、ドライバーは、急カーブへの進入に際して車速を抑制乃至は低減する必要があることを認識することができる。そして、矢印の移動速度が速度規制値に対応する速度となるように表示が移動することにより、矢印の表示の移動がドライバーにとってのペースメーカーとなる。
【0032】
より具体的には、表示板4−1〜4−7に、それぞれ「こ」、「の」、「先」、「急」、「カ」、「ー」、「ブ」が表示され、時刻t1〜t7が1表示サイクルとなる。
時刻t1において、対象表示板4となる表示板4−1において、矢印「→」が「こ」の下部に表示される。残余の表示板4−2〜4−7には、矢印は表示されない。
時刻t2において、対象表示板4となる表示板4−2において、矢印「→」が「の」の下部に表示される。残余の表示板4−1及び4−3〜4−7には、矢印は表示されない。
その後、時刻t3、t4、t5及びt6(不図示)についても同様に、対象表示板4−3、4−4、4−5及び4−6において矢印「→」が各文字の下部に表示されていく。
時刻t7において、対象表示板4となる表示板4−7において、矢印「→」が「ブ」の下部に表示される。残余の表示板4−1〜4−6には、矢印は表示されない。
その後、表示は時刻t1と同様の状態に戻り、上記動作が繰り返される。
【0033】
ここで、時刻t1〜t7は等間隔の時刻であり、表示板4−1から表示板4−7までの距離を時刻t1から時刻t7までの時間で除算した値が、速度規制値(例えば、時速50km等)となるように表示データが構成される。
【0034】
表示されるメッセージは、上記の例に限られず、「この先上り坂」(速度上昇又は維持の喚起)、「この先下り坂」(速度抑制又は維持の喚起)等、多数のメッセージが表示され得る。すなわち、表示板4の設置場所、道路Rの交通規制、道路状況、気象状況等に応じて種々のメッセージが表示可能である。メッセージの文字数が表示板4の設置数に満たない場合には、例えば、いずれかの表示板4(例えば、両端の表示板4−1又は4−7)がブランクとされればよい。上記のようなメッセージ表示により、ドライバーは、道路の、特に進行方向の状況を的確に把握することができるとともに、車速の低減、抑制、維持又は上昇のいずれが必要となるのかを的確に知ることができる。
【0035】
なお、上記実施形態では、対象表示板4が1つである構成を示したが、2以上の対象表示板4が設定されてもよい。例えば、時刻t1に対象表示板4が表示板4−1、4−4及び4−7となり、時刻t2に対象表示板4が表示板4−2及び4−5となり、時刻t3に対象表示板4が表示板4−3及び4−6となるようにしてもよい。この場合、時刻t1〜t3が1表示サイクルとなる(各時刻の間隔は、
図3における時刻t1〜t3と同じ間隔であればよい)。あるいは、時刻t1に対象表示板4が表示板4−1及び4−5となり、時刻t2に対象表示板4が表示板4−2及び4−6となり、時刻t3に対象表示板4が表示板4−3及び4−7となり、時刻t4に対象表示板4が表示板4−4となるようにしてもよい。この場合、1表示サイクルは時刻t1〜t4である(各時刻の間隔は、
図3における時刻t1〜t4と同じ間隔であればよい)。対象表示板4の数は、表示板4の設置数、間隔等を考慮して適宜設定されればよい。
【0036】
また、上記実施形態では、より直感的な誘導を可能とする付加記号として矢印が用いられるが、付加記号は矢印以外であってもよい。例えば、付加記号は、進行方向Aに向いた頂点を有する楔、三角形等の図形であってもよいし、進行方向を向いた車両、動物等のイラストであってもよいし、文字を囲む枠などの装飾であってもよい。また、対象表示板4が残余の表示板4と異なる発光色で表示されるようにしてもよいし、対象表示板4が残余の表示板4と反転表示されるようにしてもよい。
【0037】
以上のように、本発明の道路情報板システム1によると、道路Rに沿って略等間隔に複数の表示板4−1〜4−nが配置され、制御装置3において、上位装置2又は制御リモコン5から表示情報が入力される。制御装置3において、通信部30が表示情報を受信し、データ生成部31が、表示情報に基づいて表示板4−1〜4−nが一連の表示効果を与えるように各表示板4で表示する表示データを生成し、送信部32が表示データを各表示板4に送信する。そして、各表示板4において、LED表示部40が、文字表示可能な態様で配置された複数のLEDを有し、受信部41が表示データを受信し、点灯制御部42が、受信された表示データに従って各LEDの発光状態を制御する。このように、表示板4−1〜4−nが一連の表示効果を与えるように各表示板4で表示する表示データが表示情報から生成され、この表示データに従って各表示板4の表示が制御される。したがって、道路情報板システム1において、表示板4−1〜4−nのそれぞれに文字表示が可能となり、道路情報表示のメッセージ性が確保されるとともにメッセージの視認性及び情報性が両立される。
【0038】
特に、本実施形態の道路情報板システム1によると、各表示板4が1文字及び付加記号を表示可能に構成され、進行方向Aの上流側の表示板4−1から下流側の表示板4−nにかけて一連のメッセージが表示され、対象表示板4においてメッセージを構成する1文字及び付加記号が表示されるとともに残余の表示板4においてメッセージを構成する1文字が表示され、付加記号の表示が目標車速に対応する速度で上流側の表示板4−1から下流側の表示板4−nに向かって移動するように表示データが構成される。このように、表示板4−1〜4−nにおいて、一連のメッセージと目標車速に対応する速度で移動する付加記号の表示とが併せて表示されることにより、ドライバーは、メッセージによる道路の状況と、調整すべき車速とを直感的に関連付けて認識することができる。
【0039】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、表示板4−1〜4−nが一連のメッセージを示す構成を示したが、本実施形態では、表示板4−1〜4−nにおいて速度規制表示が行われる構成を示す。本実施形態の道路情報板システム1のブロック図は、第1の実施形態のもの(
図2A又は
図2B)と同じであり、本実施形態と第1の実施形態とは、表示内容(表示データ)が異なる。
【0040】
図4A〜
図4Fを参照して、本実施形態の道路情報板システム1の表示板4−1〜4−n(本例ではn=7)における表示の一例を説明する。本例の表示においては、選択された対象表示板4(第1の対象表示板)が車速の規制区間に関する情報を示し、さらに、第1の対象表示板4又はそれ以外の選択された対象表示板4(第2の対象表示板)が速度規制値を示す。規制区間に関する情報は、規制区間の開始、規制区間の終了又は規制区間内の別を示すものである。例えば、速度規制値が時速50kmである場合には、50を○で囲った表示と、規制区間の始まりを示す「→」(進行方向Aに向いた矢印)、規制区間の終わりを示す「←」(進行方向Aと逆方向に向いた矢印)又は規制区間内を示す両方向を指す矢印若しくは「←」及び「→」の表示とが点灯される。なお、適用される速度規制値は時速50kmに限られない。以下に、具体的な表示例を示す。
【0041】
図4Aに示す例では、表示板4−1において、50を○で囲った表示が、その下部の「規制区間始まり」を示す矢印「→」の表示とともに点灯される。残余の表示板4は消灯されていてもよいし、残余の表示板の一部又は全部が表示板4−1と同様の表示を行うように構成されてもよい。また、ある表示板において50を○で囲った表示が点灯され、隣接する表示板において「規制区間始まり」を示す矢印「→」の表示が点灯されてもよい。例えば、
図4Bに示すように、表示板4−1において矢印「→」の表示が点灯され、表示板4−2において50を○で囲った表示が点灯されてもよい。あるいは、表示板4−2において矢印「→」の表示が点灯され、表示板4−1において50を○で囲った表示が点灯されてもよい。
【0042】
図4Cに示す例では、表示板4−7において、50を○で囲った表示が、その下部の「規制区間終わり」を示す矢印「←」の表示とともに点灯される。残余の表示板4は消灯されていてもよいし、残余の表示板4の一部又は全部が表示板4−7と同様の表示を行うように構成されてもよい。また、ある表示板4において50を○で囲った表示が点灯され、隣接する表示板4において「規制区間終わり」を示す矢印「←」の表示が点灯されてもよい。例えば、
図4Dに示すように、表示板4−7において矢印「←」の表示が点灯され、表示板4−6において50を○で囲った表示が点灯されてもよい。あるいは、表示板4−6において矢印「←」の表示が点灯され、表示板4−7において50を○で囲った表示が点灯されてもよい。
【0043】
図4Eに示す例では、表示板4−4において、50を○で囲った表示が、その下部の「規制区間内」を示す両方向を指す矢印の表示とともに点灯される。残余の表示板4は消灯されていてもよいし、残余の表示板4の一部又は全部が表示板4−4と同様の表示を行うように構成されてもよい。また、ある表示板4において50を○で囲った表示が点灯され、隣接する両側の表示板4において「規制区間内」を示す矢印「←」及び「→」の表示が点灯されてもよい。例えば、
図4Fに示すように、表示板4−4において50を○で囲った表示が点灯され、表示板4−3において矢印「←」の表示が点灯されて、表示板4−5において矢印「→」の表示が点灯されてもよい。
【0044】
なお、規制区間を表す好適な表示例として矢印を示したが、他の表示も可能である。例えば、矢印の代わりに、楔、三角形等の図形が用いられてもよい。また、規制区間の終わりを示す表示として「END」の文字が、例えば
図4Cの表示板4−7において、上記速度規制値の下部に矢印の代わりに表示されてもよい。また、規制区間の始まりを示す表示として、表示板4−1〜4−4に「こ」、「こ」、「か」、「ら」がそれぞれ表示され、表示板4−5に上記速度規制値が表示されるようにしてもよい。
【0045】
本実施形態における表示板4の設置数に実質的に上限はない。例えば、数キロメートルにわたって表示板4を設置し、区間に応じて速度規制値の表示を変更することも可能である。ただし、第1の実施形態のようなメッセージ表示タイプの道路情報板システム1との互換性を考慮して、言い換えると、本実施形態の道路情報板システム1が第1の実施形態の道路情報板システムとしても利用できるように、表示板4の設置数は6又は7であることが好ましい。
【0046】
第2の実施形態の変形例1.
本実施形態の一変形例として、表示板4−1〜4−nにおいて、規制区間に関する表示である矢印の表示の位置を固定した状態で、速度規制値を示す表示の位置が移動する構成を示す。
【0047】
図5A又は
図5Bを参照して、本変形例の道路情報板システム1の表示板4−1〜4−n(本例ではn=7)における表示の一例を説明する。本例の表示においては、表示板4−1〜4−7のうちの所定の選択された対象表示板4(第1の対象表示板)が規制区間に関する表示を行い、他の選択された対象表示板4(第2の対象表示板)が速度規制値を示す。そして、表示板4−1〜4−7における第2の対象表示板4の選択位置が進行方向Aに向かって移動し、第2の対象表示板4の選択位置の移動速度が速度規制値に対応する。このような表示が実行されるように、データ生成部31によって表示データが構成されるものとする。
【0048】
図5Aに示す例では、速度規制値が時速50kmである区間の開始地点において、表示板4−1において、規制区間の始まりを示す矢印「→」が表示され、表示板4−2〜4−7において、50を○で囲った表示が時速50kmで進行方向に移動していく。
【0049】
具体的には、全期間において、第1の対象表示板は表示板4−1である。第2の対象表示板は、時刻t11において表示板4−2であり、時刻t12において表示板4−3であり、時刻t13〜t15(不図示)においてそれぞれ表示板4−4〜4−6となり、時刻t16において表示板4−7となる。その後、表示は時刻t11と同様の状態に戻り、上記動作が繰り返される。
【0050】
ここで、時刻t11〜t16は等間隔の時刻であり、表示板4−2から表示板4−7までの距離を時刻t11から時刻t16までの時間で除算した値が、速度規制値(本例では時速50km)となるように表示データが構成される。
【0051】
なお、上記構成は、速度規制区間の終了地点においても同様に実施可能である。すなわち、表示板4−7において、規制区間の終わりを示す矢印「←」が表示され、表示板4−1〜4−6において、50を○で囲った表示が時速50kmで進行方向に移動していくようにすればよい。
【0052】
図5Bに示す例では、速度規制値が時速50kmである区間内において、表示板4−1及び4−7に規制区間内を示す矢印「←」及び「→」がそれぞれ表示され、表示板4−2〜4−6において、50を○で囲った表示が時速50kmで進行方向に移動していく。
【0053】
具体的には、全期間において、第1の対象表示板は表示板4−1及び4−7である。第2の対象表示板は、時刻t21において表示板4−2であり、時刻t22において表示板4−3であり、時刻t23〜t24(不図示)においてそれぞれ表示板4−4〜4−5となり、時刻t25において表示板4−6となる。その後、表示は時刻t21と同様の状態に戻り、上記動作が繰り返される。
【0054】
ここで、時刻t21〜t25は等間隔の時刻であり、表示板4−2から表示板4−6までの距離を時刻t21から時刻t25までの時間で除算した値が、速度規制値(本例では時速50km)となるように表示データが構成される。
【0055】
第2の実施形態の変形例2.
本実施形態の他の変形例として、上記変形例の構成(速度規制値を示す数値表示の移動)及び上記第1の実施形態の構成(付加記号の移動)を応用して、表示板4−1〜4−nにおいて速度規制表示全体が移動する構成を示す。
【0056】
図6を参照して、本変形例の道路情報板システム1の表示板4−1〜4−n(本例ではn=7)における表示の一例を説明する。本例の表示においては、表示板4−1〜4−7のうちの選択された対象表示板4が車速の速度規制値を示し、表示板4−1〜4−7の中における対象表示板4の選択位置が進行方向Aに向かって移動し、対象表示板の選択位置の移動速度が速度規制値に対応する。このような表示が実行されるように、データ生成部31によって表示データが構成されるものとする。
【0057】
例えば、速度規制値が時速50kmである場合に、
図6に示すように、50を○で囲った表示が、その下部に表示される進行方向Aを指す矢印「→」とともに、時速50kmで進行方向に移動していく。このように、本変形例における矢印の表示は、第1の実施形態における移動する付加記号と同様の機能も果たすものである。
【0058】
より具体的には、上記の表示は、対象表示板4で行われ、残余の表示板4は消灯される。対象表示板は、時刻t31において表示板4−1であり、時刻t32において表示板4−2であり、時刻t33〜t36(不図示)においてそれぞれ表示板4−3〜4−6となり、時刻t37において表示板4−7となる。その後、表示は時刻t31と同様の状態に戻り、上記動作が繰り返される。
【0059】
ここで、時刻t31〜t37は等間隔の時刻であり、表示板4−1から表示板4−7までの距離を時刻t31から時刻t37までの時間で除算した値が、速度規制値(本例では時速50km)となるように表示データが構成される。
【0060】
また、本変形例においても第1の実施形態と同様に、2個以上の対象表示板4が適宜設定されてもよいし、付加記号は矢印以外であってもよい。なお、変形例における表示板4の設置数は、付加記号(矢印)の移動速度を規定するために3以上であればよく、上記実施形態と同様に実質的に上限はない。
【0061】
以上のように、本実施形態の道路情報板システム1によると、表示板4−1〜4−nのうちの選択された第1の対象表示板4が車速の規制区間に関する情報を表示し、さらに、第1の対象表示板4又は第1の対象表示板4以外の第2の対象表示板が車速の速度規制値を示すように表示データが構成される。このように、規制される車速の数値表示と規制区間に関する情報とのシンプルかつ柔軟な組合せにより、表示の一定のメッセージが担保されつつもドライバーの車速調整における直感性が高まる。特に、規制区間に関する情報として、規制区間始まり、規制区間終わり又は規制区間内の別を規制速度表示とともに矢印によって表すことにより、ドライバーに対して規制区間をより直感的に示すことが可能となる。
【0062】
また、上記各変形例によると、表示板4−1〜4−nの中における少なくとも速度規制値を表示する表示板4の選択位置が道路Rの進行方向Aに向かって移動し、速度規制値を表示する表示板4の選択位置の移動速度が速度規制値に対応するように表示データが構成される。このように、規制される車速の数値表示と、その規制速度に従った数値表示の移動との有機的な組合せにより、ドライバーの車速調整における直感性及び誘導性が高まる。
【0063】
<第3の実施形態>
上記第1の実施形態では、比較的短いメッセージが付加記号の移動とともに表示される構成を示したが、本実施形態では、比較的長いメッセージが表示される構成を示す。本実施形態は、例えば、
図10に示すような単一の表示板からなる情報表示板10の代替として有用である。
【0064】
本実施形態の道路情報板システム1のブロック図は、第1の実施形態のもの(
図2A又は
図2B)と同じであり、本実施形態と第1の実施形態とは、表示板4−1〜4−nの設置数及び表示内容(表示データ)が異なる。表示板4−1〜4−nによって表示可能な総文字数は、汎用性、情報量、人の平均的な読解能力等を考慮して10〜20程度であることが好ましい。
【0065】
本実施形態では、表示板4−1〜4−nの各々が幅方向(進行方向A)において1文字を表示可能に構成される。そして、進行方向Aの上流側の表示板4−1から下流側の表示板4−nにかけて一連のメッセージが形成されるように表示データが構成される。メッセージの文字数がnに満たない場合には、いずれかの表示板4がブランク(例えば、消灯)とされればよい。
【0066】
図7に、本実施形態における道路情報板システム1の表示板4−1〜4−n(本例ではn=12)における表示の一例を示す。
図7に示すように、表示板4−1〜4−12において、例えば、全体として「○○地区 工事中 通行止」を表示することができる。もちろん、メッセージはこれに限られず、多種のメッセージの表示が可能である。すなわち、表示板4の設置場所、道路Rの交通規制、道路状況、気象状況等に応じて多種多様なメッセージが表示可能である。
【0067】
このように、本実施形態の道路情報板システム1によると、表示板4−1〜4−nの各々が幅方向に1文字を表示可能に構成され、進行方向Aにかけて文字数10〜20の一連のメッセージが形成される。したがって、第1の実施形態(
図3参照)の場合と比べて文字数を多くすることができ、情報性が高まるとともに、
図10に示す単一の表示面からなる道路表示板10の場合と比べて一文字を大きく表示することが可能となり、視認性が向上する。
【0068】
第3の実施形態の変形例1.
本実施形態の一変形例として、表示板4の各々が、4文字又は5文字の縦書き一行の文字列を表示可能に構成され、表示板4の設置数が3又は4である構成としてもよい。
【0069】
図8に、本変形例における道路情報板システム1の表示板4を示す。表示板4は、3個の表示板4−1〜4−3からなり、その各々に4文字の縦書き一行の文字列が表示される。一例として、表示板4−1、4−2、4−3に「○○地区」、「工事中 」、「通行止 」がそれぞれ表示される。なお、メッセージはこれに限られず、多種のメッセージの表示が可能である。
【0070】
表示板4における1行あたりの文字数は4文字又は5文字であることが好ましい。1行が3文字以下の場合、文章の改行が多くなり、読み易さが低下し得る。一方、1行が6文字以上の場合、各表示板4の高さが増し、至近距離からの読み易さが低下し得る。一行あたりの文字数と表示板4の設置数との組合せとして、4文字×3個(合計12文字(本例))、5文字×3個(合計15文字)、4文字×4個(合計16文字)、5文字×4個(合計20文字)等が可能である。
【0071】
このように、
図7の実施形態の場合との比較において、縦書き4文字又は5文字を一組として表示板4を構成することにより、ドライバーからの表示の読み易さが向上する。また、本変形例では、表示板4の設置数が3又は4と少なく、設置容易性及び導入容易性が高まる。
【0072】
第3の実施形態の変形例2.
本実施形態の他の変形例として、渋滞時において、表示板4−1から表示板4−nまでの比較的長いメッセージを読み易くするために、表示板4−1〜4−nの表示が進行方向Aの逆方向にスクロールされる構成としてもよい。
【0073】
図9に、本実施形態の変形例の道路情報板システム1のブロック図を示す。本変形例において、上記各実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、又はその図示を省略し、重複する説明を省略する。なお、本実施形態においては、制御装置3と各表示板4とが有線接続される構成を示すが、
図2Bに示すように制御装置3と各表示板4とが無線接続される構成であってもよい。本変形例においても、第3の実施形態と同様に、n=12の場合を例示する。
【0074】
制御装置3は、通信部30、データ生成部31、送信部32及び道路情報取得部33を備える。道路情報取得部33は、道路Rにおける車両混雑度又は平均車速といった道路情報を取得する。道路情報は、上位装置2からの表示情報とともに取得されるようにしてもよいし、道路Rの表示板4付近に設けられた適宜のセンサ(不図示)によって取得されるようにしてもよい。道路情報取得部33によって取得された道路情報において、混雑度が所定値を超える場合又は平均車速が所定値未満となる場合、すなわち渋滞度が閾値を超える場合に、表示板4−1〜4−12に表示が進行方向Aと逆方向に移動するように表示データが構成される。なお、複数の上記所定値及び閾値が設定されていてもよく、渋滞度が高いほど表示の移動速度(スクロールの速度)が上昇するようにしてもよい。
【0075】
このように、道路Rにおける渋滞度が閾値を超える場合に、表示板4−1〜4−nの各々の表示が進行方向Aと逆方向に移動するように表示データが構成されるので、ドライバーは、比較的長いメッセージ全体を容易に読み通すことができる。例えば、ドライバーは、渋滞中にいずれかの表示板の位置に停止してしまった場合、又はいずれかの表示板の前を非常に遅い速度で通過する場合においても、一連のメッセージの開始付近の内容を失念することなくメッセージを最後まで読むことができる。したがって、道路情報板システム1における情報の伝達性が高まる。
【0076】
<変形例>
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は、例えば以下に示すように種々の態様に変形可能である。
【0077】
(1)各実施形態の組合せ
上記各実施形態においては、各実施形態を独立した形態として説明したが、各実施形態は相互に組合せ可能な場合もある。例えば、第1の実施形態の表示(
図3)と第2の実施形態の表示(
図4A〜4F、
図5A、
図5B又は
図6)とが、周期的に切り換えられるようにしてもよい。すなわち、
図3に示したt1〜t7の表示と、
図4A〜4Fに示した表示、
図5Aに示したt11〜t16の表示、
図5Bに示したt21〜t25の表示、又は
図6に示したt31〜t37表示とが交互に実行されるようにしてもよい。また、第1の実施形態で示したような目標車速に対応する速度で移動する付加記号(矢印)の表示が第3の実施形態の表示板4において行われてもよい。
【0078】
(2)表示板4の設置位置に関する変形
上記各実施形態においては、各表示板4が道路Rの進行方向左側の領域に配列される構成を示した。一方、道路Rに対向車線がない場合には、各表示板4は道路Rの進行方向右側の領域に配列されてもよいし、中央分離帯がある場合には、各表示板4は中央分離帯(すなわち進行方向右側)に配列されてもよい。特に、第2の実施形態(
図4A〜
図4F、
図5A、
図5B及び
図6)においては、表示板4が道路Rの左右いずれに配列されるかは、表示の視認性に実質的に影響しない。また、第3の実施形態の変形例1(
図8)については、一般に縦書きの文章は右行から左行にかけて記載される場合が多いことから、表示板4が道路Rの右側に配置されることによって違和感は生じない。
【0079】
また、道路Rがトンネル内にある場合には、各表示板4は、トンネルの内壁又は天井(すなわち、道路Rの上部)に配列されてもよい。各表示板4がトンネルの天井に設置される場合、各表示板4の表示面の照射方向が進行方向Aと逆方向を向くように各表示板4が設置されることが好ましい。この場合、第1及び第2の実施形態の各表示における矢印は、横向きではなく、上向き又は下向きとなるように表示される。また、第3の実施形態の変形例1(
図8)については、表示板4の各々が4文字又は5文字の横書き一行の文字列を表示可能に構成されればよい。
【0080】
(3)各表示板4の設置方向に関する変形
上記各実施形態においては、各表示板4の表示面の照射方向と進行方向Aのなす角が略90度となるように各表示板4が配置される例を図示したが、各表示板4の設置角度は適宜設定可能である。例えば、各表示板4の表示の照射方向と進行方向Aとのなす角が概ね90度〜180度となるように各表示板4が配置されていればよい。なお、道路Rがカーブである場合には、進行方向Aは道路Rの外側の接線方向と定義される。また、各表示板4において、表示面と照射方向のなす角は必ずしも90度でなくてもよい(すなわち、LED表示部40の各LEDが所定の指向で配置されていてもよい)。