(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
筐体の前面開口部に開閉可能に設ける扉に、引手と施錠手段及び前記引手に連動して筐体の框部に係脱するラッチとを備えたキャビネットにおける扉の開閉装置であって、前記扉の表面板に形成した引手開口部に臨むように前記引手の指掛け部を配置するとともに、該指掛け部から延びたアーム部の先端部を前記表面板の背面側位置で回動可能に枢支し、前記アーム部の中間部と前記表面板間で該表面板に接して配置し、前記施錠手段の施錠・解錠操作によって前記引手の回動中心軸に平行な方向へスライド変位する規制部材を備え、前記アーム部の中間部に凸部と凹部を形成するとともに、前記規制部材に解錠状態で前記アーム部の凸部を受け入れて引手の回動を許容する逃がし凹部と、施錠状態で前記アーム部の凸部に当止して引手の回動を規制する規制凸部を形成したことを特徴とするキャビネットにおける扉の開閉装置。
前記引手のアーム部の中間部に、該引手の回動中心軸に平行な方向へ一定間隔で交互に前記凸部と凹部を複数形成するとともに、前記規制部材の前記表面板に対する摺動面と反対側に、該規制部材のスライド方向へ一定間隔で交互に前記規制凸部と逃がし凹部を複数形成してなる請求項1記載のキャビネットにおける扉の開閉装置。
前記ラッチを端部に固定し、前記扉の表面板の背面に回動可能に装着したシャフトの中間位置に連動部材を固定し、該連動部材に側設した連動片に、前記引手のアーム部に形成した凸部に連続し前記引手の回動中心軸に平行な方向へ延びて設けた操作突起を、引手操作時に当接してなる請求項1又は2記載のキャビネットにおける扉の開閉装置。
操作ユニットの本体部に前記引手を回動可能に設けるとともに、前記施錠手段及び規制部材を組み込み、更に前記引手のアーム部の前面側で回動中心軸と前記凸部との間にアーチ状の凹陥部を設けるとともに、その延長線上の前記本体部に前面側へ開放したU字凹部を形成し、前記操作ユニットを前記扉の表面板の背面に取付ける際に、前記シャフトを前記本体部のU字凹部に、前記連動部材を前記引手の凹陥部に受け入れると同時に、前記連動片を前記アーム部の当止部に当接してなる請求項3記載のキャビネットにおける扉の開閉装置。
【背景技術】
【0002】
従来から、筐体の前面開口部に開閉可能に設ける扉に、引手と機械錠及び前記引手に連動して筐体の框部に係脱するラッチとを備えたキャビネットは各種提供されている。通常の施錠装置は、機械錠の施錠操作によってデッドボルトが直接扉の縁部が突出し、筐体の框部に形成した開口に挿入される構造、あるいは機械錠のデッドボルトから筐体の框部まで距離がある場合には、前記デッドボルトに連動させて扉の内部にスライド可能に設けた施錠杆を上下に突出させる構造が一般的であり、前記ラッチとは独立したとなっている。この場合、ラッチ駆動機構と施錠杆の駆動機構の二系列必要であり、コスト高となる。
【0003】
この改善策として、特許文献1には、引手枠の内部に指を掛ける押圧ブロックを横方向スライド可能に設け、該押圧ブロックの先端部側面には突起が形成されており、そして押圧ブロックの先端に沿って上下方向にスライド変位可能に作動具を設け、該作動具の側面には前記押圧ブロックの突起を受け入れることが可能な切り欠き部を設け、前記引手枠内に設けた錠の作動片の動作で前記作動具をスライド駆動し、解錠状態で前記突起と切り欠き部の位置を一致させて押圧ブロックをスライド変位させて連動機構を介してシャフトを回転させて、該シャフトの端部に固定したラッチを解除方向に回転させることができ、施錠状態で前記突起と切り欠き部の位置をずらせて、該突起が作動具の側縁に当止して押圧ブロックの変位を規制し、もってラッチの係合状態を維持する構造が開示されている。
【0004】
しかし、前記作動具は扉の表面板の背面に長孔とビス等の取付具によるスライド案内機構であり、また作動具は偏平な板材を用いて作製しているので、作動具のスライド動作が不安定でぐらつきことが想定され、施錠状態において押圧ブロックを強く引くと作動具が変形して、ラッチが回転して框部との係合が解除される恐れもある。また、引手枠と作動具は別の位置に装着し、また錠が合成樹脂製の引手枠内に取付けているが、引手枠の手掛板部の背面部分に設けられているので、防盗性は脆弱であることは否めない。
【0005】
また、特許文献2には、扉に設けた引手ケース内に二つの回動片を断面V型に突出した引手をラッチシャフトに沿って平行に軸設し、前記シャフトには連動片を突設するとともに、シリンダー錠のデッドボルトが嵌入する長溝を形成した連動部材を固設し、前記引手の一方の回動片の押し込み動作により他方の回動片を前記連動部材の連動片に係合して前記シャフトを回動可能とし、またシレンダー錠の施錠操作によって範囲したデッドボルトの先端を前記連動部材の長溝に嵌入することによってシャフトを回動不能とする扉の係止装置が開催されている。
【0006】
しかし、特許文献2に記載のものは、施錠時にシャフトの回動を規制する構造であるので、施錠状態で無理矢理引手を操作しようとした際にシャフトに負荷が掛かるので、シャフトの剛性に対する要求が高く、また連動部材の連動片や引手の回動片に大きな力が加わっても破損しないような強度が要求される。また、電気錠を搭載した際など、開扉状態で施錠された場合、シャフトが固定されるので、ラッチを筐体の係合孔に蹴り込み係合させることが不可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】扉を開いた状態のキャビネットの斜視図である。
【
図4】引手と機械錠を組み込む操作ユニットと裏カバーの分解斜視図である。
【
図5】扉に操作ユニットを取付ける構造を示す扉の部分斜視図である。
【
図7】扉にラッチ駆動機構を組み付けた状態の部分斜視図である。
【
図8】扉に操作ユニットを取付ける状態の部分斜視図である。
【
図9】扉に取付けた操作ユニットに裏カバーを装着する状態の部分斜視図である。
【
図10】扉に操作ユニットと裏カバーを装着した状態の部分横断面図である。
【
図11】同じく扉に操作ユニットと裏カバーを装着した状態の部分縦断面図である。
【
図12】ラッチ駆動機構のシャフトと操作ユニット及び裏カバーとの関係を示す扉を省略した状態の斜視図である。
【
図13】操作ユニットから引手を分離し、規制部材と引手の関係を示した斜視図である。
【
図14】解錠状態における引手と規制部材との関係を示す部分縦断面図である。
【
図15】施錠状態における引手と規制部材との関係を示す部分縦断面図である。
【
図16】本発明に係る施錠機能を備えた開閉扉付きキャビネットの斜視図である。
【
図19】操作ユニットの本体ケース部に引手を装着した状態の斜視図である。
【
図20】電気錠と非常解錠用の機械錠が組み込まれた施錠手段を扉と操作ユニットの本体ケース部を省略して示した斜視図である。
【
図21】引手と規制部材及びラッチ駆動機構の連動部材との関係を破断して示す部分斜視図である。
【
図23】通常施錠・解錠機構と非常解錠機構を示す要部の正面図である。
【
図24】電気錠と機械錠による施錠・解錠の動作を示し、(a)は施錠状態の部分断面図、(b)は非常解錠状態の部分断面図である。
【
図25】電気錠と機械錠と、それを格納する格納容器の分解斜視図である。
【
図26】格納用容器に電気錠と機械錠とを格納した状態の斜視図である。
【
図27】
図26の状態から格納容器の本体を省略して示した斜視図である。
【
図28】規制部材と連係具の連結構造を示す斜視図である。
【
図29】操作ユニットの本体ケース部に電気錠と機械錠とを格納した格納用容器を装着した状態の部分正面図である。
【
図30】操作ユニットの本体ケース部に設ける電気錠の認証手段と制御回路を収容する部分を一部破断して示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。
図1及び2は本発明に係る開閉扉付きキャビネットを示し、
図3は扉を示し、
図4〜
図15は本発明の第1実施形態の詳細を示し、
図16〜
図30は本発明の第2実施形態を示し、図中符号Aはキャビネット、1は筐体、2は扉、3は引手、4は機械錠(施錠手段)、5はラッチ、6は操作ユニット、7は裏カバーをそれぞれ示している。
【0019】
本発明のキャビネットAは、筐体1の前面開口部に開閉可能に扉2,2を設け、該扉2には、引手3と機械錠4及び前記引手3に連動して筐体1の框部に係脱するラッチ5とを備えた構造である。ここで、前記引手3と機械錠4は、合成樹脂製で一体成形された操作ユニット6に組み込み、前記扉2の背面側に嵌着して取付けるとともに、該操作ユニット6を合成樹脂で一体成形した裏カバー7で外覆することで、前記操作ユニット6の前記扉2に対する嵌合状態を維持すると同時に、前記扉2を開いたときの外観性を改善している。
【0020】
先ず、前記扉2は、
図3、
図5及び
図6に示すように、表面板8は、周囲を背面側に折曲して縁板9を形成するとともに、上面と両側面は更に内向きに補強板10を折曲形成し、更に補強板10の内縁を表面板8に向かって折曲して折曲板11を形成している。そして、前記扉2の表面板8であって遊端側の側縁部には、前記操作ユニット6に組み込んだ前記引手3を前面側に出現させるために引手開口部12を形成しているが、該引手開口部12の口縁は背面側へ約135°に折曲して傾斜板13を形成し、該傾斜板13の一部、本実施形態では両上下部にそれぞれ1箇所、側縁部から離れた側に二箇所に90°の向き、つまり表面板8に対して直角に係合片14,…を形成し、該係合片14には係合孔15を有している。また、前記操作ユニット6に組み込んだ前記機械錠4は、本実施形態ではシリンダー錠16としたので、該シリンダー錠16の鍵穴17が表面側に臨むように前記表面板8に孔18を形成している。
【0021】
本実施形態では、前記操作ユニット6を前記扉2の背面側に前記係合片14と側縁部の補強板10及び折曲板11を利用して嵌着する前に、前記ラッチ5を引手3に連動させるためのラッチ駆動機構19を前記扉2の遊端側背面に取付けている。前記ラッチ駆動機構19は、扉2の遊端側に沿って配置するシャフト20と、該シャフト20の中間位置にシャフト20に対して回転不能に外嵌した連動部材21と、前記ラッチ5を回動可能に支持して前記扉2の遊端側コーナー部に取付けるラッチ受け部材22とからなり、前記シャフト20の端部は前記ラッチ5の軸部に供回り回転不能に嵌挿している。尚、前記シャフト20は角棒で構成し、前記連動部材21はシャフト20の側方から嵌合し、前記ラッチ5の軸部は軸方向から嵌挿している。ここで、前記操作ユニット6を前記扉2の背面側に嵌着すると同時に、該操作ユニット6の内部に前記シャフト20を受け入れて、前記引手3と連動部材21が連係し、該引手3を手前に引く動作で前記ラッチ駆動機構19を介して前記ラッチ5が筐体1の上下框部の係合孔1Aに対する係合が解除される方向に回転するようになっている。また、前記ラッチ受け部材22は、正面視略L字形の部材であり、前記扉2のコーナー部を挟んで両辺部に嵌合し、地震によって前記筐体1に揺れ、変形が生じて前記ラッチ5に大きな力が加わっても、前記扉2の縁部、特に上下縁部の変形を抑制するようになっている。
【0022】
具体的に、前記操作ユニット6を前記扉2の背面側に嵌着するとともに、該操作ユニット6に裏カバー7を装着する構造を
図4〜
図11に基づいて説明する。前記扉2の表面板8には、前記操作ユニット6の引手3を前面側に出現させるために前記引手開口部12を形成するとともに、該引手開口部12の周囲に複数の係合片14を背面側へ向けて形成し、前記操作ユニット6の本体部23に前記係合片14に係合する弾性爪24,…を形成し、前記操作ユニット6の弾性爪24を前記扉2の係合片14に内外から係合した状態で、前記操作ユニット6を覆うように装着した裏カバー7の内部に突設したサポート部25を、前記弾性爪24の背後に当接して、前記係合片14に対する係合解除を規制している。
【0023】
更に詳しくは、前記操作ユニット6の本体部に23は、前面開放した引手装着空間26を有する引手枠部27を形成するとともに、該引手枠部27の周囲に間隔を置いて外枠部28を形成し、前記引手枠部27と外枠部28の間は後方へ開放した挿入空間29となっており、前記引手枠部27の外側に対応する前記外枠部28に前記弾性爪24を一体成形し、前記裏カバー7のサポート部25を前記挿入空間29内に受け入れて前記弾性爪24の背後に当接している。前記弾性爪24は、内外へ弾性変形可能なように成形されているが、前記係合片14の係合孔15に係合した後、前記裏カバー7を嵌着すると前記サポート部25が背後に当接するので、係合孔15から抜ける方向の変位が規制され、係合状態が確実に維持されるのである。
【0024】
また、
図4、
図11及び
図12に示すように、前記操作ユニット6の本体部23に設けた前記引手枠部27の一側の前記外枠部28に、前記機械錠4を保持する前面開口の機械錠収容部30を形成し、該機械錠収容部30にシリンダー錠16を保持している。また、前記操作ユニット6の本体部23には、前記係合片14を受け入れる係合片挿入空間31を形成し、前記弾性爪24は該係合片挿入空間31に臨んでいる。
【0025】
前記操作ユニット6の本体部23の一側縁には、
図4、
図8及び
図10に示すように、前記扉2の遊端側の縁部、つまり折曲板11に係止する係止段部32を形成している。そして、
図8に示すように、前記操作ユニット6の係止段部32を前記扉2の遊端側の折曲板11に斜めから係止し、それから該操作ユニット6を表面板8の背面へ接合すると、前記係合片挿入空間31内に、前記扉2の係合片14を受け入れて該係合片14の係合孔15に前記弾性爪24が係合する。この状態で、前記引手開口部12から引手3が露出し、前記孔18からシリンダー錠16の鍵穴17が露出するのである。尚、本発明では、前記機械錠4は、シリンダー錠のように機械式に限らず、電子式でテンキー操作や、タッチパネル式の制御パネルを備えたものでも良い。
【0026】
ここで、前記扉2の表面板8に形成した引手開口部12の口縁を背面側へ鋭角に折曲して傾斜板13を形成し、該傾斜板13の一部に前記表面板8に対して直角に係合片14を形成して、該係合片14を引手開口部12の口縁から前記表面板8の背後に退避させることにより、この退避部分に引手枠部27を位置させることができ、該引手枠部27の前端を前記引手開口部12に露出させないようにすることができる。尚、この目的のために、前記傾斜板13を形成したが、その角度は135°に限定されないが、120°〜150°程度が製造工程の都合上好ましい。また、前記係合片14を引手開口部12の口縁から前記表面板8の背後に退避させる方法として、前記引手開口部12の口縁をハゼ折り、つまり180°の向きに折曲することも可能であるが、ハゼ折り加工には2回のプレス加工が必要であり、工数が増えるのでコスト高となる。
【0027】
前記裏カバー7は、
図4、
図9及び
図10に示すように、前記操作ユニット6を外覆可能なボックス状であり、内部空間には前記サポート部25を突設し、前縁には前記扉2の遊端側の折曲板11に係止する係止爪33を形成するとともに、両側面の内側に係合爪34,34を形成している。そして、前記裏カバー7を前記操作ユニット6を覆うように装着するには、
図9及び
図10に示すように、先ず該裏カバー7を傾斜させて前記係止爪33を前記扉2の遊端側の折曲板11に係止し、それから前記操作ユニット6に被せるように嵌合すると、前記係合爪34,34が前記操作ユニット6の本体部23の両側面に形成した係合段部35に係止するのである。この際、前述のように、前記裏カバー7のサポート部25が弾性爪24の背後に当接する。また、前記裏カバー7の背面には、
図9〜
図11に示すように、シリンダー錠16を施錠・解錠操作するキー36を挿通して保管するキーポケット37を一体成形している。
【0028】
次に、施錠機構及び前記引手3とラッチ駆動機構19の連係について
図4、
図7、
図10〜
図15に基づいて説明する。本発明に係る扉の開閉装置の要部である施錠機構は、前記扉2の表面板8に形成した引手開口部12に臨むように前記引手3の指掛け部38を配置するとともに、該指掛け部38から延びたアーム部39の先端部を前記表面板8の背面側位置で回動可能に枢支し、前記アーム部39の中間部と前記表面板8間で該表面板8に接して配置し、前記機械錠4の施錠・解錠操作によって前記引手3の回動中心軸に平行な方向へスライド変位する規制部材40を備え、前記アーム部39の中間部に凸部41と凹部42を形成するとともに、前記規制部材40に解錠状態で前記アーム部39の凸部41を受け入れて引手3の回動を許容する逃がし凹部43と、施錠状態で前記アーム部39の凸部41に当止して引手3の回動を規制する規制凸部44を形成したことを特徴とする。
【0029】
更に詳しくは、前記引手3のアーム部39の中間部に、該引手3の回動中心軸に平行な方向へ一定間隔で交互に前記凸部41と凹部42を複数形成するとともに、前記規制部材40の前記表面板8に対する摺動面45と反対側に、該規制部材40のスライド方向へ一定間隔で交互に前記規制凸部44と逃がし凹部43を複数形成している。本実施形態では、前記引手3のアーム部39の凸部41と、前記規制部材40の規制凸部44は、3箇所に形成し、それぞれその両側と間に凹部42と逃がし凹部43を4箇所に形成している。
【0030】
前記操作ユニット6の本体部23には、前記引手装着空間26から連続した位置に、前記引手3のアーム部39の先端両側部に突設した支軸46,46を回動可能に支持する軸受部47,47を形成している。前記支軸46,46を軸受部47,47に無理嵌めして枢支する。前記規制部材40は、前記扉2の表面板8に沿う直線状の制御部48を、前記操作ユニット6の本体部23の引手枠部27から外枠部28に亘って形成したガイド溝49,49に遊挿して前記表面板8とで取り囲んでスライド可能に支持し、前記制御部48からクランク状に屈曲して延びた連係部50の設けた連結部51を前記機械錠収容部30内で前記シリンダー錠16のデッドボルト52に連係させている。そして、前記シリンダー錠16の施錠・解錠操作に伴って前記デッドボルト52が変位し、該デッドボルト52に連係した前記規制部材40がスライド変位して、前記凸部41と凹部42の位置を前記引手3の規制凸部44と逃がし凹部43に対して変化させるのである。
【0031】
ここで、前記引手3は中心線で対称に形成してあり、前記操作ユニット6の本体部23に設ける機械錠収容部30の位置が反対になっても前記規制部材40を反転させて使用できるように、前記凸部41と凹部42、規制凸部44と逃がし凹部43の関係は反転しても対称な形状となっている。
【0032】
次に、前記引手3とラッチ駆動機構19の連係について説明する。前記ラッチ5を端部に固定し、前記扉2の表面板8の背面に回動可能に装着したシャフト20の中間位置に、連動部材21を回転に対して一体に設け、該連動部材21に側設した連動片53を前記引手3のアーム部39に形成した凸部41に連続して前記引手3の回動中心軸に平行な方向へ延びた操作突起54に引手操作時に常時当接した状態としているが、引手操作時に当接するようにしても良い。
【0033】
前記操作ユニット6の本体部23に前記引手3を回動可能に設けるとともに、前記機械錠4及び規制部材40を組み込み、更に前記引手3のアーム部39の前面側で回動中心軸と前記凸部41との間にアーチ状の凹陥部55を設けるとともに、その延長線上の前記本体部23に前面側へ開放したU字凹部56を形成し、前記操作ユニット6を前記扉2の表面板8の背面に取付ける際に、前記シャフト20を前記本体部23のU字凹部56に、前記連動部材21を前記引手3の凹陥部55に受け入れると同時に、前記連動片53を前記アーム部39の操作突起54に当接してなるのである。
【0034】
前記連動部材21の両端部であって、前記連動片53を設けた側とは反対側に押圧片57,57を側設し、該押圧片57の先端部に圧縮コイルばね58を装着し、前記操作ユニット6を扉2の背面に取付けた際に、本体部23のU字凹部56の近傍に設けた当止面59に圧縮コイルばね58を圧縮状態で当止し、前記連動片53が前記引手3の操作突起54を押圧する方向に弾性付勢している。つまり、前記ラッチ5が筐体1の框部の係合孔1Aに係合する方向に弾性付勢されている。
【0035】
前記引手3は、
図10に示すように、指掛け部38が滑らかに湾曲した面となっている。前記指掛け部38は奥部になるにつれて後退しており、表面からの厚さが増すような形状であるので、前記引手3を合成樹脂製で一体成形すると、成形上、前面側の肉をとってリブを形成せざるを得ない。そこで、本実施形態では、
図4、
図10及び
図13に示すように、前記指掛け部38の前面側に、別部材で成形した化粧部材60を嵌合して、前面をフラットにしている。前記引手3を操作ユニット6の引手装着空間26に装着した状態では、前面側からは前記化粧部材60のみが見えるようになっている。具体的には、前記化粧部材60の一側縁の係合縁61を前記指掛け部38の先端に係合した状態で、他側縁に形成した係合片62,62をアーム部39の凹部42に設けた係合爪63,63に係合して一体化する。尚、前記引手3のアーム部39の側面と前記化粧部材60の外面とは面一に連続してあたかも一体成形物のように見えるようになっている。
【0036】
図14は解錠状態を示し、前記引手3のアーム部39の凸部41と凹部42は、それぞれ前記規制部材40の逃がし凹部43と規制凸部44の位置にあり、前記指掛け部38に指を掛けて手前に引手3を引くと、前記引手3の凸部41は前記規制部材40の逃がし凹部43に進入し、前記引手3の凹部42に前記規制部材40の規制凸部44を受け入れて回動し、前記操作突起54と凸部41で、前記ラッチ駆動機構19の連動部材21の連動片53を押して、前記シャフト20を回転させ、前記ラッチ5を係合が解除され、前記扉2を開くことができる。
【0037】
図15は施錠状態を示し、前記キー36をシリンダー錠16の鍵穴17に差し込んで施錠方向へ回転させると、前記デッドボルト52を介して前記規制部材40がスライド変位し、前記引手3のアーム部39の凸部41は、それぞれ前記規制部材40の規制凸部44に当接する位置になり、前記指掛け部38に指を掛けて手前に引手3を引いても、前記引手3の凸部41が前記規制部材40の規制凸部44に当止し、該規制部材40の背面は前記扉2の表面板8に摺接しているので、前記引手3は回転しない。つまり、前記ラッチ5は係合状態のままで、前記扉2は開かないのである。
【0038】
次に、
図16〜
図30に基づき本発明の第2実施形態を詳細に説明する。
図16は本発明を適用した施錠機能を備えた開閉扉付きキャビネットを示し、
図17は扉の背面を示し、
図18〜
図30は本発明の第2実施形態の詳細を示し、図中符号Bはキャビネット、101は筐体、102は回動開閉式の扉、103は引手、104は施錠手段、105はラッチ、106は電気錠、107は機械錠、108は操作ユニットをそれぞれ示している。
【0039】
本発明のキャビネットBは、筐体101の前面開口部に開閉可能に扉102,102を設け、該扉102には、引手103と施錠手段104及び前記引手103に連動して筐体101の框部に係脱するラッチ105とを備えた構造である。ここで、前記施錠手段104は、通常施錠・解錠機構を構成する電気錠106と、非常解錠機構を構成する機械錠107とで構成され、施錠・解錠操作によって前記引手103の回動を規制・許容し、施錠状態では前記ラッチ105が筐体101の上下框部に形成した係合孔(図示せず)に係合した状態を維持するようになっている。本実施形態では、前記電気錠106は、ソレノイド109と該ソレノイド109に通電、非通電の指令を出す認証手段110及び制御回路と電池ユニット(共に図示せず)とからなる。また、前記機械錠107は、本実施形態ではシリンダー錠を用い、その鍵穴111は、
図18に示すように、指入れ空間112の内部の目立たない位置に設けている。そして、前記引手103と施錠手段104は、合成樹脂製で一体成形された操作ユニット108に組み込み、前記扉102の背面に取付け、裏カバー113で外覆されている。前記引手103の回動は、前記扉102の背面遊端側に沿って配置されたラッチ駆動機構114で連動されている。ここで、前記認証手段110における認証パターンとしては、タッチパネルに指で触れて入力するタッチ認証やICカードによるカード認証などがある。タッチ認証では、ワンタッチ認証やジェスチャ認証があり、これらとカード認証を組み合わせる認証もある。
【0040】
前記ソレノイド109は、電磁コイルに電流を流すことにより発生する磁力を応用し、プランジャー(可動鉄芯)を直線運動させるものである。ソレノイドの種類は、コイル部が可動部に働きかける構造によって、コイル部からプランジャーを押し出すプッシュ(push)形と、コイル部がプランジャーを吸引するプル(pull)形と、更にコイルを二つ有し、押す・吸引の二つのコイルを利用した構造のプッシュプル(push-pull)形があるが、本実施形態では一般的なプル形を用いている。
【0041】
先ず、前記扉102は、
図17、
図18及び
図22に示すように、表面板115は、周囲を背面側に折曲して縁板116を形成するとともに、上面と両側面は更に内向きに補強板117を折曲形成し、更に補強板117の内縁を表面板115に向かって折曲して折曲板118を形成している。そして、前記扉102の表面板115であって遊端側の側縁部には、前記操作ユニット108に組み込んだ前記引手103と認証手段110を前面側に出現させるために引手開口部119を形成している。前記引手開口部119は、
図22に示すように、前記表面板115を背面側にハゼ折り加工して形成し、その周囲背面に正面視略ロ字状の取付金具120がスポット溶接されており、該取付金具120の内周縁に沿って直角に立起させた係合板121と扉102の遊端側と反対側に前記裏カバー113を取付けるための支持板122を直角に立起させている。前記操作ユニット108は、一側端部に形成した係合段部123を前記扉102の遊端側の折曲板118に係合させるとともに、前記係合板121に弾性爪124を抜け止め係合して取付ける。また、前記裏カバー113は、一側端部の嵌合部125を同じく前記扉102の遊端側の折曲板118に係合させるとともに、他側の側面板126を前記支持板122の外側に重合し、適宜ネジ止めして取付け、前記操作ユニット108を外覆する。
【0042】
前記操作ユニット108を前記扉102の背面側に嵌着する前に、前記ラッチ105を引手103に連動させるためのラッチ駆動機構114を前記扉102の遊端側背面に取付けている。前記ラッチ駆動機構114は、扉102の遊端側に沿って配置するシャフト127と、該シャフト127の中間位置にシャフト127に対して回転不能に外嵌した連動部材128と、前記ラッチ105を回動可能に支持して前記扉102の遊端側コーナー部に取付けるラッチ受け部材129とからなり、前記シャフト127の端部は前記ラッチ105の軸部に供回り回転不能に嵌挿している。尚、前記シャフト127は角棒で構成し、前記連動部材128はシャフト127の側方から嵌合し、前記ラッチ105の軸部は軸方向から嵌挿している。ここで、前記操作ユニット108を前記扉102の背面側に嵌着すると同時に、該操作ユニット108の内部に前記シャフト127を受け入れて、前記引手103と連動部材128が連係し、該引手103を手前に引く動作で前記ラッチ駆動機構114を介して前記ラッチ105が筐体101の上下框部の係合孔に対する係合が解除される方向に回転するようになっている。また、前記ラッチ受け部材129は、正面視略L字形の部材であり、前記扉102のコーナー部を挟んで両辺部に嵌合し、つまり表面板115の背面と両縁板116,116に当接するとともに、両折曲板118,118に噛合して扉102の両辺縁部を一体化し、地震によって前記筐体101に揺れ、変形が生じて前記ラッチ105に大きな力が加わっても、前記扉102の縁部、特に上下縁部の変形を抑制するようになっている。
【0043】
次に、施錠機構及び前記引手103とラッチ駆動機構114の連係について
図19〜
図23に基づいて説明する。本発明に係る扉の施錠手段104の要部である施錠機構は、前記扉102の表面板115に形成した引手開口部119に臨むように前記引手103の指掛け部130を配置するとともに、該指掛け部130から延びたアーム部131の先端部を前記表面板115の背面側位置で回動可能に枢支し、前記アーム部131の中間部と前記表面板115間で該表面板115に接して配置し、前記電気錠106の施錠・解錠操作によって前記引手103の回動中心軸に平行な方向へスライド変位する規制部材132を備え、前記アーム部131の中間部に凸部133と凹部134を形成するとともに、前記規制部材132に解錠状態で前記アーム部131の凸部133を受け入れて引手103の回動を許容する逃がし凹部135と、施錠状態で前記アーム部131の凸部133に当止して引手103の回動を規制する規制凸部136を形成したことを特徴とする。
【0044】
前記引手103は、
図19及び
図22に示すように、指掛け部130が滑らかに湾曲した面となっている。前記指掛け部130は奥部になるにつれて後退しており、表面からの厚さが増すような形状であるので、前記引手103を合成樹脂製で一体成形すると、成形上、前面側の肉をとってリブを形成せざるを得ない。そこで、本実施形態では、前記指掛け部130の前面側に、別部材で成形した化粧部材137を嵌合して、前面をフラットにしている。前記引手103を操作ユニット108の引手装着空間138に装着した状態では、前面側からは前記化粧部材137のみが見えるようになっている。尚、前記引手装着空間138に前記引手103を装着した後の残余の空間が前記指入れ空間112となる。
【0045】
更に詳しくは、前記引手103のアーム部131の中間部に、該引手103の回動中心軸に平行な方向へ一定間隔で交互に前記凸部133と凹部134を複数形成するとともに、前記規制部材132の前記表面板115に対する摺動面139と反対側に、該規制部材132のスライド方向へ一定間隔で交互に前記規制凸部136と逃がし凹部135を複数形成している。本実施形態では、前記引手103のアーム部131の凸部133と、前記規制部材132の規制凸部136は、3箇所に形成し、それぞれその両側と間に凹部134と逃がし凹部135を4箇所に形成している。
【0046】
前記操作ユニット108の本体ケース部140には、
図19、
図21及び
図30に示すように、前記引手装着空間138から連続した位置に、前記引手103のアーム部131の先端両側部に突設した支軸141,141を回動可能に支持する軸受部142,142を形成している。前記支軸141,141を軸受部142,142に無理嵌めして枢支する。前記規制部材132は、前記扉102の表面板115に沿う直線状の制御部143を、前記操作ユニット108の本体ケース部140の引手枠部144に形成したガイド溝145,145に遊挿して前記表面板115とで取り囲んでスライド可能に支持し、前記制御部143からクランク状に屈曲して延びた連係部146を連係具147に回動継手構造にて連結している。前記連係具147は、後述のように前記電気錠106と機械錠107とで操作される部材である。つまり、前記電気錠106の施錠・解錠操作に伴って直線駆動する前記ソレノイド109のプランジャー148に連係してカム部材149が回動し、該カム部材149の回転変位によって前記規制部材132がスライド変位して、前記凸部133と凹部134の位置を前記引手103の規制凸部136と逃がし凹部135に対して変化させるのである。
【0047】
ここで、
図19に示すように、前記操作ユニット108の本体ケース部140の中央部には、前記引手枠部144を設け、上部には電気錠106のソレノイド109と機械錠107及び前記連係具147、カム部材149等の施錠手段104の施錠機構部(駆動部)を格納する機構部収容部150を形成し、下部には電気錠106の認証手段110及び制御回路を格納する制御部収容部151を一体成形している。勿論、前記操作ユニット108の本体ケース部140を取付ける向きによって、前記引手枠部144、機構部収容部150及び制御部収容部151の位置関係は上下左右に変更されるが、前記引手103を取付ける引手枠部144を挟んで一側に機構部収容部150を、他側に制御部収容部151が配置されることは共通である。ここで、前記電気錠106に電力を供給するための電池ユニットは、前記本体ケース部140の外側の表面板115の裏面に適宜な手段で取り付けるが、前記制御部収容部151の内部に収容することも可能である。尚、前記ソレノイド109と機械錠107及び前記連係具147、カム部材149等は、
図24〜
図27に示すように、予め駆動部格納容器152に組み込んで、該駆動部格納容器152を前記機構部収容部150に嵌着するようになっている。ここで、前記引手103は中心線で対称に形成してあり、前記操作ユニット108の本体ケース部140に設ける機構部収容部150の位置が反対になっても前記規制部材132を反転させて使用できるように、前記凸部133と凹部134、規制凸部136と逃がし凹部135の関係は反転しても対称な形状となっている。
【0048】
次に、前記引手103とラッチ駆動機構114の連係について説明する。前記ラッチ105を端部に固定し、前記扉102の表面板115の背面に回動可能に装着したシャフト127の中間位置に、連動部材128を回転に対して一体に設け、該連動部材128に側設した連動片153を前記引手103のアーム部131に形成した凸部133に連続して前記引手103の回動中心軸に平行な方向へ延びた操作突起154に常時当接した状態としているが、引手操作時に当接するようにしても良い。
【0049】
前記操作ユニット108の本体ケース部140に前記引手103を回動可能に設けるとともに、前記施錠手段104及び規制部材132を組み込み、更に前記引手103のアーム部131の前面側で回動中心軸と前記凸部133との間にアーチ状の凹陥部155を設けるとともに、その延長線上の前記本体ケース部140に前面側へ開放したU字凹部156を形成し、前記操作ユニット108を前記扉102の表面板115の背面に取付ける際に、前記シャフト127を前記本体ケース部140のU字凹部156に、前記連動部材128を前記引手103の凹陥部155に受け入れると同時に、前記連動片153を前記アーム部131の操作突起154に当接してなるのである。
【0050】
前記連動部材128の両端部であって、前記連動片153を設けた側とは反対側に押圧片157,157を側設し、該押圧片157の先端部に圧縮コイルばね158を装着し、前記操作ユニット108を扉102の背面に取付けた際に、本体ケース部140のU字凹部156の近傍に設けた当止面159に圧縮コイルばね158を圧縮状態で当止し、前記連動片153が前記引手103の操作突起154を押圧する方向に弾性付勢している。つまり、前記ラッチ105が筐体101の框部の係合孔に係合する方向に弾性付勢されている。
【0051】
また、前記操作ユニット108の本体ケース部140で、前記引手装着空間138と機構部収容部150との間の前記引手枠部144の側面には、前記機械錠107の鍵穴111を引手装着空間138に臨むように開口160を形成している。つまり、
図18に示すように、前記鍵穴111は、視線から隠れる指入れ空間112の上面部分に設けられ、該指入れ空間112に差し入れたキー161を前記鍵穴111に係合し、前記機械錠107を施錠・解錠操作すると、該機械錠107のデッドボルト162が直線駆動するようになっている。
【0052】
前記施錠手段104は、前記電気錠106の施錠・解錠操作によって変位する駆動部と連係具147を介して接触状態で連係した規制部材132を変位させ、前記扉102を開閉制御する構造の通常施錠・解錠機構と、前記電気錠106が施錠状態で使用不能となったとき、解錠操作する前記機械錠107のデッドボルト162によって前記電気錠106とは無関係に、前記規制部材132を解錠方向へ強制的に変位させる非常解錠機構と、を備えている。
【0053】
そして、前記電気錠106は、ソレノイド109と該ソレノイド109に通電、非通電の指令を出す認証手段110とからなり、前記ソレノイド109が非通電時に弾性付勢力によってプランジャー148が突出又は引込終端に位置して施錠状態となり、通電時に弾性付勢力に抗して前記プランジャー148が逆方向へ変位して解錠状態となり、前記規制部材132は、施錠状態になる方向へそれ自体が弾性付勢されており、該規制部材132とプランジャー148の連係機構は前記機械錠107のデッドボルト162によって解錠方向へ変位させる際には解除される構造である。
【0054】
前記ソレノイド109は、通電時に弾性付勢力に抗してプランジャー148を引き込むプル形であり、前記連係機構は、前記プランジャー148の引き込み動作時に直線運動を回転運動に変換するカム部材149の作動片163を、前記規制部材132に連結した連係具147の係止部164に該規制部材132の弾性付勢力によって当止し、前記機械錠107を操作して前記デッドボルト162を変位させたときに、前記規制部材132をその弾性付勢力に抗して前記連係具147の係止部164が前記作動片163から離れる方向へ変位させる非常時連係機構を備えてなる。ここで、前記非常時連係機構は、直線運動する前記デッドボルト162の先端摺動部165を、前記規制部材132に連結した連係具147の側面に形成した傾斜面166を圧接して、該傾斜面166が先端摺動部165から逃げる方向に変位させる構造である。
【0055】
更に詳しくは、
図24及び
図25に示すように、前記駆動部格納容器152の内部に前記ソレノイド109と機械錠107を、前記プランジャー148とデッドボルト162の駆動方向を平行にして格納し、前記連係具147をプランジャー148とデッドボルト162の先端側でその駆動方向に対して直交する方向にスライド可能に保持している。前記カム部材149は、正面視略L字形の部材であり、中央部を前記駆動部格納容器152の内部に突設した支軸167にて回動可能に保持し、該カム部材149の一端部は前記作動片163であり、他端部は前記プランジャー148の先端部に回動可能に連結する駆動片168となっている。前記駆動片168とプランジャー148の連結は、前記プランジャー148の先端部に直径方向にスリット溝169を形成し、該スリット溝169を横切るようにピン170を嵌挿し、前記駆動片168の先端部を前記スリット溝169内に遊挿し、該駆動片168の先端に開放した係合溝171を前記ピン
70に係合させた構造である。
【0056】
前記プランジャー148は、ソレノイド109の本体172と先端部に外着したEリング等の係止リング173との間に圧縮コイルばね174を巻装し、該プランジャー148が突出する方向に弾性付勢している。また、前記連係具147の基端部と駆動部格納容器152の内壁との間に圧縮コイルばね175を介装し、該連係具147が駆動部格納容器152から突出する方向へ弾性付勢している。前記連係具147の先端部には側方へ張り出した部分に前記傾斜面166を先端側へ向けて傾斜するように形成し、該先端部に前記規制部材132の連係部146を連係具147に回動継手構造にて連結している。この回動継手構造は、
図24、
図25及び
図28に示すように、前記連係具147の先端部に側設した軸部176の先端に直径方向へ二つのダボ177,177を突設し、一方、前記規制部材132の連係部146に前記軸部176とダボ177,177の外形に一致した挿入孔178を形成し、該挿入孔178に前記軸部176とダボ177,177を挿入し、ダボ177,177が挿入孔178を貫通した状態で前記規制部材132を90°回転させて抜け止め状態で使用する。前記連係具147と規制部材132は直線状に連結して使用するので、その向きとは90°異なる向きで挿入できるように形成している。
【0057】
また、前記機械錠107のデッドボルト162の先端は、前記連係具147の傾斜面166に摺接する先端摺動部165となっているが、具体的には先端摺動部165は、前記傾斜面166と同傾斜の斜面で形成している。尚、前記デッドボルト162の先端を屈曲して前記先端摺動部165としても良い。
【0058】
先ず、電気錠106を用いて解錠状態にするには、前記扉102の表面側の認証手段110に暗礁番号を入力し、その制御回路からの指令を受けて前記ソレノイド109に通電すると、前記プランジャー148は、圧縮コイルばね174の弾性付勢力に抗して本体172側に引き込まれ、前記カム部材149を
図24(a)の時計回りに回転させ、前記作動片163が前記連係具147の係止部164に当接した状態で、前記圧縮コイルばね175の弾性付勢力に抗して該連係具147を駆動部格納容器152の内部に引き込むようにスライド変位させる。当然、前記連係具147のスライド変位と同じように前記規制部材132がスライド変位し、該規制部材132の規制凸部136と前記引手103のアーム部131の凸部133の位置がずれて当該引手103を手前に引いて回転させることができ、それによって前記ラッチ駆動機構114の連動部材128の連動片153を操作突起154で押して、シャフト127を回転させ、前記ラッチ105を回転させて筐体101の框部に対する係合を解除して扉102を開くことができる。
【0059】
それから、前記ソレノイド109への通電を遮断すると、前記圧縮コイルばね174の弾性付勢力によって前記プランジャー148が突出し、前記圧縮コイルばね175の弾性付勢力によって前記連係具147が駆動部格納容器152から突出して初期状態に復帰し、前記規制部材132の規制凸部136と前記引手103のアーム部131の凸部133の位置が一致して、前記引手103を引いても扉102の表面板115と間に規制部材132を挟み込むので、それ以上の回転は規制され、もって前記ラッチ105は筐体101の框部に対する係合が維持され、施錠手段104が施錠状態となる。
【0060】
ここで、電池切れ等の何らかの故障で前記ソレノイド109に通電できなくなった場合、つまり非常時に扉102を開く必要が生じると、前記指入れ空間112からキー161を鍵穴111に差し込んで、前記機械錠107を解錠状態に回転させると、前記デッドボルト162が
図24(b)の矢印の方向に突出し、先端摺動部165が連係具147の傾斜面166を押圧し、該傾斜面166が退避する方向、つまり前記連係具147が駆動部格納容器152の内部に引き込まれる方向に力が作用し、前記圧縮コイルばね175の弾性付勢力に抗して該連係具147が駆動部格納容器152の内部に引き込まれ、前記ソレノイド109に通電したときと同じように、前記規制部材132を解錠状態にスライド変位させることができ、前記引手103を手前に引けるようになり、前記ラッチ105を回転させて筐体101の框部に対する係合を解除して扉102を開くことができる。この際に、前記カム部材149の作動片163から連係具147の係止部164は離れ、カム部材149とは無関係に動作する。
【0061】
また、非常解錠状態から、前記キー161を施錠操作すると、前記デッドボルト162が反対に後退し、前記連係具147は圧縮コイルばね175の弾性付勢力によって駆動部格納容器152から突出する方向にスライド変位し、また前記規制部材132も同様にスライド変位して初期状態に復帰し、施錠手段104が施錠状態となるのである。
【0062】
前記駆動部格納容器152は、
図25に示すように、本体容器179と蓋180からなり、本体容器179に前述のソレノイド109、機械錠107、連係具147、カム部材149及び圧縮コイルばね175等の部品を組み込んで、蓋180を嵌め殺し的に嵌合する。このように組み立てた駆動部格納容器152を
図29に示すように、前記操作ユニット108の機構部収容部150に嵌着して施錠手段104を内蔵させる。
【0063】
前述のように、前記操作ユニット108の本体ケース部140の中央部に前記引手枠部144を設け、該引手枠部144を挟んで一側に機構部収容部150を、他側に制御部収容部151が配置されているが、前記機構部収容部150にはソレノイド109を収容し、前記制御部収容部151には認証手段110と制御回路が収容されるので、前記本体ケース部140に電気錠106のソレノイド109と認証手段110間を繋ぐコード(図示せず)を引掛ける機能を設けている。つまり、
図29及び
図30に示すように、前記本体ケース部140の外側側面にコードフック181,…を複数設けている。