(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記選択位置情報表示手段は、前記回転表示体における前記複数の標識の配置に対応する対応領域部と、当該対応領域部に対して相対移動して前記対応領域部内の何れかの位置を選択的に示す指示部と、を有し、前記対応領域部において、前記選択状態となっている部分と対応する位置を前記指示部により示すことによって前記選択位置情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の電子時計の実施形態である電子時計1の模式正面図である。
この電子時計1は、文字盤60(遮蔽板)と、秒針2、分針3と、時針4と、日車5と、機能針6と、小分針7と、小時針8と、24時間小針9と、都市ディスク10(回転表示体)と、サポート針11(指示部)などを備える。
【0011】
文字盤60は、図示略のケーシングの内部において一方の面が外部に露出されるように収められる。本実施形態の文字盤60は、遮光性を有する部材からなる。文字盤60には、時、分及び秒を示す目盛や標識(時字)が所定の円周上に設けられているが、
図1では、煩雑さを避けるためこれらの目盛や標識の記載が省略されている。
【0012】
秒針2、分針3及び時針4は、文字盤60の略中心を回転軸として文字盤60と当該文字盤60の露出面を覆う図示略の透明部材(風防ガラス)との間で文字盤60の略全面に亘って回転動作して時刻を表示する。
【0013】
日車5は、文字盤60の露出面とは反対側に当該文字盤60と平行に設けられた円環状(ディスク形)の指針であり、その周縁部には、日付「1」〜「31」をそれぞれ表す日付標識が順番に等間隔で環状に設けられている。日車5は、回転動作に応じて文字盤60の4時30分位置に設けられた透過小窓61から一の日付標識が露出されることにより日付を表示する。この透過小窓61は、ガラスやアクリル樹脂などの透明部材で覆われていても良い。
【0014】
機能針6は、回転動作に応じて文字盤60の9時位置に配列された曜日標識62を指し示すことにより曜日を表示する。
秒針2、分針3、時針4、日車5及び機能針6は、ユーザが所在地として設定したホーム都市に係る地方時(ローカル日時)を表示する。以下では、このホーム都市に係る地方時の表示を基本時計表示とも記す。
【0015】
小分針7及び小時針8は、文字盤60の6時位置に設けられた小窓63の内部において、世界時計(ワールドタイム)表示の機能に係る設定された都市(以下では、世界時計都市とも記す)における地方時の表示を行う。即ち、本実施形態の電子時計1では、秒針2、分針3及び時針4と、小分針7及び小時針8とにより、2箇所における地方時を同時に表示させることができる。また、24時間小針9は、小分針7及び小時針8に連動して回転し、文字盤60の8時位置に設けられた小窓64の内部において世界時計表示の時刻の午前、午後を表示する。
【0016】
都市ディスク10は、文字盤60の露出面とは反対側に当該文字盤60と平行に設けられた円環状の指針であり、その周縁部には、世界時計表示の機能において設定可能な世界の地域(本実施形態では都市)を示す都市標識MがUTC(所定の標準時)からの時差の順番に所定の円周上に等間隔に配列されて設けられている。この都市ディスク10では、文字盤60の4時30分位置に設けられた透過小窓65(露出部)から3つの都市標識Mが回転動作に応じて露出されるようになっており、このうち指示標識651により指し示された一の都市標識Mが選択状態として認識可能な状態で露出される。都市ディスク10は、このように選択状態として認識可能な状態で露出された一の都市標識Mを表示する。なお、指示標識651を設けずに、透過小窓65から露出された3つの都市標識Mのうち中央の都市標識を選択状態として表示させる態様であっても良い。都市ディスク10は、日車5と同一平面上に設けられていても良いし、日車5と一部重なるように設けられていても良い。また、透過小窓65は、ガラスやアクリル樹脂などの透明部材で覆われていても良い。都市ディスク10に設けられる都市標識Mの数は、電子時計1において設定可能なホーム都市及び世界時計都市の数に対応し、各都市標識Mの大きさや、都市ディスク10及び透過小窓65の大きさは、透過小窓65において表示される都市標識Mがユーザに見易くなるように定められる。本実施形態では、都市ディスク10に28の都市標識Mが設けられている。また、都市ディスク10には、都市を示す都市標識Mに加えて、又は都市標識Mに代えて、行政単位や国といった地域を示す標識が設けられていても良い。
【0017】
サポート針11は、文字盤60の3時位置に設けられた小窓66の時差表示領域67(対応領域部)において、都市ディスク10により表示されている都市標識Mに係るUTCからの時差の概略値を読み取り可能に示す。時差表示領域67は、複数の都市標識Mの配置に対応する円形状の領域であり、時差表示領域67は、UTCに対して+14時間までの時差範囲を示す扇形の第1領域67aと、UTCに対して−12時間までの時差範囲を示す扇形の第2領域67bとからなる。サポート針11及び時差表示領域67は、このように時差の概略値を示すことにより、文字盤60における複数の都市標識Mの配列全体のうち選択状態となっている部分の位置を当該配列全体と対比可能に示す選択位置情報の表示を行う。また、サポート針11及び時差表示領域67により選択位置情報表示手段が構成される。
以下、秒針2、分針3、時針4、日車5、機能針6、小分針7、小時針8、24時間小針9、都市ディスク10及びサポート針11のうち一部又は全部をまとめて示す場合には、指針2〜11などと記す。
【0018】
図2は、電子時計1の内部構成を示すブロック図である。
電子時計1は、上述の秒針2、分針3、時針4、日車5、機能針6、小分針7、小時針8、24時間小針9、都市ディスク10及びサポート針11と、複数の歯車が配列された輪列機構21を介して秒針2を回転動作させるステッピングモータ31と、輪列機構22を介して分針3及び時針4を連動して回転動作させるステッピングモータ32と、輪列機構23を介して日車5及び機能針6を連動して回転動作させるステッピングモータ33と、輪列機構24を介して小分針7、小時針8及び24時間小針9を連動して回転動作させるステッピングモータ34と、輪列機構25を介して都市ディスク10を回転動作させるステッピングモータ35と、輪列機構26を介してサポート針11を回転動作させるステッピングモータ36と(以降、以上の6つのステッピングモータをまとめてステッピングモータ31〜36とも記す)、ステッピングモータ31〜36に駆動パルスを出力する駆動回路39と、CPU(Central Processing Unit)41(表示制御手段、地方時算出手段、設定手段)と、ROM(Read Only Memory)42と、RAM(Random Access Memory)43(記憶手段)と、電源部44と、操作部45(操作受付手段)と、発振回路46と、分周回路47と、計時回路48(計時手段)と、計測部49と、標準電波受信処理部50と、衛星電波受信処理部52と、アンテナ51,53などを備えている。
【0019】
輪列機構21〜26は、それぞれ、複数の歯車が噛み合わされて所定のギア比で回転する構成であり、輪列機構21〜26におけるそれぞれ最後の歯車は、各輪列機構に接続されるステッピングモータ31〜36のステップ回転に連動してそれぞれ所定角度の回転動作を指針2〜11に伝えることで、それぞれ所望の位置(回転位置)を指し示させる。
【0020】
ステッピングモータ31は、駆動回路39から1秒に1回入力される駆動パルスにより駆動(ステップ駆動)されてロータが180度ステップ回転動作し、輪列機構21を介して1ステップ当たり秒針2を6度ずつ回転させる。従って、秒針2は、ステッピングモータ31の60回の動作により1周する。
【0021】
ステッピングモータ32は、駆動回路39から10秒に1回入力される駆動パルスにより駆動されてロータが180度ステップ回転動作し、輪列機構22を介して、分針3を1ステップ当たり1度回転させるとともに時針4を1ステップ当たり1/12度回転させる。従って、分針3は、ステッピングモータ32の360回の動作により1周し、時針4は、ステッピングモータ32の4320回の動作により1周する。
【0022】
ステッピングモータ33は、駆動回路39から入力される駆動パルスにより駆動されてロータが180度ステップ回転動作し、輪列機構23を介して機能針6を1ステップ当たり1度回転させる。また、ステッピングモータ33は、一日のうち所定の時間、例えば24時に駆動回路39から入力される複数の駆動パルスにより駆動されて、輪列機構23を介して日車5を回転させて日付標識を一日分進める。
【0023】
ステッピングモータ34は、駆動回路39から1分に1回入力される駆動パルスにより駆動されてロータが180度ステップ回転動作し、輪列機構24を介して、小分針7を1ステップ当たり6度回転させ、小時針8を1ステップ当たり1/2度回転させ、24時間小針9を1ステップ当たり1/4度回転させる。従って、小分針7は、1分で小窓63内を一周し、小時針8は、12時間で小窓63内を一周し、24時間小針9は、24時間で小窓64内を一周する。
【0024】
ステッピングモータ35は、駆動回路39から入力される駆動パルスにより駆動されてロータが180度ステップ回転動作し、輪列機構25を介して都市ディスク10を回転させて透過小窓65において表示される都市標識Mを変更させる。
【0025】
ステッピングモータ36は、駆動回路39から入力される駆動パルスにより駆動されてロータが180度ステップ回転動作し、輪列機構26を介してサポート針11を回転させる。
各指針2〜11は、ステッピングモータ31〜36のロータが逆方向にステッピング回転動作することにより逆転方向に回転動作される。
【0026】
駆動回路39は、CPU41からの制御信号に従ってステッピングモータ31〜36に所定電圧の駆動パルスを出力してステッピングモータ31〜36のロータを1回所定角度(本実施形態では180度)回転動作させる。
【0027】
CPU41は、電子時計1における各種演算処理を行うと共に全体動作の統括制御を行う。CPU41は、日時や都市標識Mの表示に係る指針動作を制御する。また、CPU41は、設定されたホーム都市に係るタイムゾーン設定情報及び夏時間設定情報からなる地方時設定に基づいて計時回路48の計数する日時を適切な地方時に換算し、換算された地方時を秒針2、分針3、時針4、日車5及び機能針6により表示させて基本時計表示を行わせる。また、CPU41は、世界時計表示の機能において設定された都市(世界時計都市)に係る地方時設定に基づいて計時回路48の計数する日時を適切な地方時に換算し、換算された地方時を小分針7、小時針8及び24時間小針9により表示させて世界時計表示を行わせる。また、CPU41は、標準電波受信処理部50を動作させて日時を取得したり、衛星電波受信処理部52を動作させて日時や位置情報を取得したりする。CPU41は、得られた日時に基づいて計時回路48の計数する日時を修正する。また、CPU41は、操作部45により受け付けられたユーザ操作に応じて電子時計1の動作モードの設定を変更し、設定された動作モードに応じて、基本時計表示、コンパス、高度計、気圧計、潮汐計などの機能を実行させる。
【0028】
ROM42は、CPU41により実行される各種制御用のプログラムや設定データを記憶する。設定データには、都市時差情報42aが含まれる。
【0029】
都市時差情報42aには、都市ディスク10の外縁に設けられた都市標識Mに係る都市のID、位置(例えば、都市ディスク10の所定の基準位置からのステップ数)、及び当該都市に係る地方時設定情報が記憶されている。この地方時設定情報には、当該都市におけるUTCからの時差を示すタイムゾーン設定情報と、当該都市における夏時間の実施期間及び実施時のシフト時間を示す夏時間設定情報とが含まれる。
【0030】
RAM43は、CPU41に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。また、RAM43には、ホーム都市及び世界時計都市としてそれぞれ設定された都市を示すデータ(都市のID)、日時情報及び位置情報取得の履歴、指針位置を示すデータなどが記憶される。
【0031】
電源部44は、CPU41を介して電子時計1の各部に電力を供給する。この電源部44は、特には制限されないが、例えば、太陽電池と二次電池とを組み合わせて長期間継続的に電力供給を可能としたものである。
【0032】
操作部45は、外部操作スイッチ、例えば、押しボタンやりゅうずなどを含み、ユーザによる押下や回転などの操作を受け付けて電気信号に変換してCPU41に出力する。操作部45のりゅうずは、ケーシングから2段階の引き出し操作が可能となっており、1段階又は2段階引き出された状態で所定の角度の回転操作が行われることにより操作信号が出力され、各種設定に用いられる。
この操作部45とCPU41では、ユーザによるりゅうずの引き出し操作及び回転操作に応じて、都市ディスク10を回転させて都市ディスク10により表示させる都市標識Mを変更するとともに、当該表示された都市標識Mをホーム都市又は世界時計都市に設定することができるようになっている。
【0033】
発振回路46は、所定の周波数信号を発振して出力する。分周回路47は、発振回路46から入力された周波数信号を分周し、電子時計1で用いられる各周波数の信号を生成して出力する。計時回路48は、分周回路47から出力された所定の周波数(例えば、1Hz)の信号の入力回数を計数し、時刻データに加算していくことで現在時刻を保持する。
【0034】
計測部49は、地磁気センサ及び気圧センサを有し、これら各センサから出力された信号をCPU41に出力する。地磁気センサからの出力データは、電子時計1の動作モードがコンパスに設定された場合において行われる方位の算出に用いられ、地磁気センサからの出力データは、電子時計1の動作モードが高度計及び気圧計にそれぞれ設定された場合において行われる高度及び気圧の算出に用いられる。
【0035】
標準電波受信処理部50は、アンテナ51を用いて、長波長帯の電波により時刻情報を符号化送信している標準電波を受信して、符号化された信号(タイムコード)を復調、復号してCPU41に出力する。標準電波受信処理部50による長波長帯の電波への同調周波数は、CPU41の制御により受信対象とされる標準電波送信局からの送信周波数に応じて調整される。上記復号されたタイムコードから取得された時刻データがCPU41から計時回路48に送られて上書きされることで、現在時刻データが上書き修正される。
【0036】
衛星電波受信処理部52は、アンテナ53を用いてL1帯(1.57542GHz)の電波を受信し、測位衛星、ここでは、GPS(Global Positioning System)衛星からのスペクトル拡散された送信電波を復調、復号して衛星信号(航法メッセージ)を解読する。また、衛星電波受信処理部52は、当該解読結果に基づいて、現在の日時や現在位置を算出する。解読された衛星信号の内容は、所定のフォーマットでCPU41に出力される。衛星電波受信処理部52の動作は、CPU41により、電子時計1の他の各部の動作とは独立にオンオフの制御がなされる。衛星電波受信処理部52の動作がオフされている場合には、併せて衛星電波受信処理部52への電力供給が中断されて省電力化が図られている。
【0037】
次に、電子時計1における地方時の設定動作について説明する。
上述の通り、電子時計1では、設定されたホーム都市における地方時を示す基本時計表示、及び設定された世界時計都市における地方時を示す世界時計表示を行うことができる。
このホーム都市及び世界時計都市の設定は、ユーザが手動で行うことができる。即ち、操作部45のりゅうずが2段階引き出された状態でりゅうずを回転させて都市ディスク10により表示される都市標識Mを変更することで、変更後の都市標識Mをホーム都市に設定することができる。また、当該りゅうずが1段階引き出された状態でりゅうずを回転させて都市ディスク10により表示される都市標識Mを変更することで、変更後の都市標識Mを世界時計都市に設定することができる。
【0038】
ここで、電子時計1では、都市ディスク10の回転動作に合わせてサポート針11が回転動作し、サポート針11により、小窓66内の時差表示領域67において都市ディスク10により選択状態として表示されている都市標識Mが示す都市におけるUTCからの時差の概略値が示されるようになっている。
例えば、
図1では、透過小窓65において都市ディスク10により「TKO(東京)」が表示されるとともに、小窓66においてサポート針11によりUTCに対して+9時間の位置が示されている。この状態でりゅうずの回転操作に応じて都市ディスク10が反時計回りに回転動作されて、都市ディスク10により表示される都市標識Mが、所在地の経度がより大きい都市に順に変更されると、サポート針11は、UTCに対するプラスの時差が大きくなる方向(マイナスの時差が小さくなる方向)に、即ち時計回りに回転動作されて、変更後の都市標識Mに係る時差の概略値を示す。また、りゅうずの反対方向の回転操作に応じて都市ディスク10が時計回りに回転動作されて、都市ディスク10により表示される都市標識Mが、所在地の経度が小さい都市に順に変更されると、サポート針11は、UTCに対するプラスの時差が小さくなる方向(マイナスの時差が大きくなる方向)に、即ち反時計回りに回転動作されて、変更後の都市標識Mに係る時差の概略値を示す。
このように、電子時計1では、都市ディスク10により表示されている都市標識Mに係る都市のUTCに対する時差の概略値が常にサポート針11により示される。
【0039】
上記のように都市ディスク10により表示される都市標識Mが変更されると、りゅうずが2段階引き出されている場合には、変更後の都市標識Mにより示される都市の地方時設定に基づいて地方時が算出されて基本時計表示の表示時刻が変更され、りゅうずが押し込まれることにより当該都市がホーム都市として設定される。また、りゅうずが1段階引き出されている場合には、変更後の都市標識Mにより示される都市の地方時設定に基づいて地方時が算出されて世界時計表示の表示時刻が変更され、りゅうずが押し込まれることにより当該変更後の都市が世界時計都市として設定される。
【0040】
次に、本実施形態の電子時計1において上述した基本時計表示及び世界時計表示に係る地方時の設定動作をそれぞれ行う場合の基本時計表示設定処理及び世界時計表示設定処理について説明する。
【0041】
図3は、基本時計表示設定処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
この基本時計表示設定処理は、ユーザにより操作部45のりゅうずが2段階引き出された場合に呼び出されて実行される。
【0042】
基本時計表示設定処理が開始されると、CPU41は、りゅうずの回転操作がなされたか否かを判別する(ステップS101)。ここでは、CPU41は、操作部45からりゅうずの回転に応じた操作信号が出力された場合にりゅうずの回転操作がなされたと判別する。
【0043】
りゅうずの回転操作がなされたと判別された場合には(ステップS101で“Yes”)、CPU41は、操作部45から出力された操作信号に基づいてりゅうずの回転操作の量及び方向を取得し、当該量及び方向と都市ディスク10の現在位置を示す位置データとから、りゅうずの回転操作に応じた都市ディスク10の移動先の位置を設定する。また、CPU41は、当該移動先の位置に対応して表示される都市標識Mに係る都市の都市IDを取得する(ステップS102)。
【0044】
CPU41は、都市ディスク10の現在位置及び移動先の位置をそれぞれ示す位置データの差に応じた数の駆動パルスを駆動回路39によりステッピングモータ35に対して出力させ、都市ディスク10を回転動作させてりゅうずの回転操作に応じた位置に移動させる(ステップS103)。
【0045】
CPU41は、ROM42に記憶された都市時差情報42aを参照し、ステップS102において取得された当該都市IDに係る地方時設定情報を取得する(ステップS104)。
【0046】
CPU41は、取得された地方時設定情報に応じた位置にサポート針11を回転動作させる(ステップS105)。即ち、CPU41は、地方時設定情報のタイムゾーン設定情報により示されるUTCからの時差と対応するサポート針11の移動後の位置を設定し、当該位置を示す位置データとサポート針11の現在位置データとの差に応じた数の駆動パルスを駆動回路39によりステッピングモータ36に対して出力させて、サポート針11を回転動作させる。なお、地方時設定情報の夏時間設定情報により示されるシフト時間をさらに考慮してサポート針11の移動後の位置データを取得しても良い。
【0047】
CPU41は、ステップS104で取得された地方時設定情報に基づいて基本時計表示に係るローカル日時を修正し(ステップS106)、当該修正されたローカル日時に基づいて、分針3及び時針4を回転動作させて当該ローカル日時に係る時刻を表示させる(ステップS107)。
【0048】
CPU41は、りゅうずが押し込まれた状態(引き出されていない状態)であるか否かを判別し(ステップS108)、りゅうずが押し込まれた状態ではないと判別された場合には(ステップS108で“No”)、処理をステップS101に移行させる。
【0049】
りゅうずが押し込まれた状態であると判別された場合には(ステップS108で“Yes”)、CPU41は、基本時計表示設定処理の開始後にりゅうずの回転操作が行われて都市ディスク10が回転したか否かを判別する(ステップS109)。都市ディスク10が回転していないと判別された場合には(ステップS109で“No”)、CPU41は、基本時計表示設定処理を終了させる。
【0050】
都市ディスク10の回転が行われたと判別された場合には(ステップS109で“Yes”)、CPU41は、RAM43に記憶されたホーム都市の設定を示す都市IDをステップS102で取得された都市IDに変更して、当該取得された都市IDに係る都市をホーム都市として設定するとともに、ステップS106で修正されたローカル日時に基づいて日車5及び機能針6を回転動作させて当該ローカル日時に係る日付及び曜日を表示させる(ステップS110)。
ステップS110の処理が終了すると、CPU41は、基本時計表示設定処理を終了させる。
【0051】
図4は、世界時計表示設定処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
この世界時計表示設定処理は、ユーザにより操作部45のりゅうずが1段階引き出された場合に呼び出されて実行される。
【0052】
世界時計表示設定処理が開始されると、CPU41は、ステップS201〜S205に係る処理を実行する。ステップS201〜S205に係る処理は、それぞれ上述した基本時計表示設定処理のステップS101〜S105に係る処理と同一であるため説明を省略する。
【0053】
CPU41は、ステップS204で取得された地方時設定情報に基づいて世界時計表示に係る世界時計の時刻を修正し(ステップS206)、当該修正された時刻に基づいて、小分針7、小時針8及び24時間小針9を回転動作させて世界時計に係る時刻を表示させる(ステップS207)。
【0054】
CPU41は、りゅうずが押し込まれた状態(引き出されていない状態)であるか否かを判別し(ステップS208)、りゅうずが押し込まれた状態ではないと判別された場合には(ステップS208で“No”)、処理をステップS201に移行させる。
【0055】
りゅうずが押し込まれた状態であると判別された場合には(ステップS208で“Yes”)、CPU41は、世界時計表示設定処理の開始後にりゅうずの回転操作が行われて都市ディスク10が回転したか否かを判別する(ステップS209)。都市ディスク10が回転していないと判別された場合には(ステップS209で“No”)、CPU41は、世界時計表示設定処理を終了させる。
【0056】
都市ディスク10の回転が行われたと判別された場合には(ステップS209で“Yes”)、CPU41は、RAM43に記憶された世界時計都市の設定を示す都市IDをステップS202で取得された都市IDに変更して、当該取得された都市IDに係る都市を世界時計都市として設定する(ステップS210)。
ステップS210の処理が終了すると、CPU41は、世界時計表示設定処理を終了させる。
【0057】
以上のように、本実施形態に係る電子時計1は、表示対象に係る複数の都市標識Mが所定の順序で配列されて設けられた都市ディスク10と、複数の都市標識Mのうち一の都市標識Mを選択状態として識別可能に外部に露出させる透過小窓65が設けられた文字盤60と、複数の都市標識Mの配列全体のうち選択状態となっている部分の位置を当該配列全体と対比可能に示す選択位置情報を、各都市標識Mが示す都市における時差の概略値を読み取り可能に示すことにより表示するサポート針11及び時差表示領域67と、CPU41と、ユーザ操作を受け付ける操作部45と、を備え、CPU41は、都市ディスク10の回転動作及びサポート針11の表示動作を制御し、操作部45により受け付けられたユーザ操作に応じて都市ディスク10を回転動作させて表示させる都市標識Mを変更するとともに、当該都市標識Mの変更によって選択状態となる部分の位置を示すようにサポート針11及び時差表示領域67により示させる時差の概略値を変更する(表示制御手段)。このようにサポート針11及び時差表示領域67により都市標識Mと対応する時差の概略値が示されることで、透過小窓65から都市ディスク10の都市標識Mの一部のみしか視認することができないユーザに対し、都市標識Mの配列全体のうち選択状態となっている部分の位置を当該配列全体と対比可能に示すことができる。この結果、ユーザは、所望の都市標識Mを表示させるために必要な都市ディスク10の回転量及び効率的な回転方向を容易に把握することができる。これにより、所望の都市標識Mを効率良く表示させ易くすることができる。
【0058】
また、時差表示領域67は、都市ディスク10における複数の都市標識Mの配置に対応する領域であり、サポート針11は、時差表示領域67に対して相対移動して時差表示領域67内の何れかの位置を選択的に示し、当該サポート針11及び時差表示領域67は、時差表示領域67において複数の都市標識Mの配列全体のうち選択状態となっている部分と対応する位置をサポート針11により示すことによって時差の概略値を示す。これにより、ユーザは、都市ディスク10により表示されている都市標識Mの、複数の都市標識Mの配列全体における位置を、時差表示領域67においてサポート針11が示す位置に係る時差の概略値により容易に把握することができる。
【0059】
また、複数の都市標識Mは、都市ディスク10において文字盤60の透過小窓65に対応する円周上に配列されて設けられ、サポート針11及び時差表示領域67は、円形状の時差表示領域67において複数の都市標識Mの配列全体のうち選択状態となっている部分と対応する位置をサポート針11により示すことによって時差の概略値を示す。このような構成によれば、都市標識Mの円周上における配列と時差表示領域67の形状とが対応するため、複数の都市標識Mの配列全体のうち選択状態となっている部分の位置を直観的に分かりやすい態様で示すことができる。
【0060】
また、複数の都市標識Mの各々は、世界の都市を示し、都市ディスク10には、複数の都市標識Mの各々により示される都市に係るUTCからの時差に応じた順序で複数の都市標識Mが設けられ、サポート針11及び時差表示領域67は、複数の都市標識Mの配列全体のうち選択状態となっている部分が示す都市における時差の概略値を示す。これにより、都市ディスク10を回転動作させるために操作部45のりゅうずを回転操作するユーザは、複数の都市標識Mの配列全体のうち選択状態となっている部分に係る時差の概略値をサポート針11の表示から把握することができる。よって、表示させたい都市標識Mに係る時差とサポート針11により表示されている時差との差から、所望の都市標識Mを表示させるために必要な都市ディスク10の回転量及び効率的な回転方向を容易に把握することができる。この結果、ユーザが世界の各都市の時差を十分に把握していない場合においても、所望の標識を効率良く表示させることができる。
【0061】
また、電子時計1は、現在日時を計数する計時回路48と、複数の都市標識Mの各々により示される都市に係るUTCからの時差を少なくとも含む地方時設定情報を記憶するROM43とを備え、CPU41は、計時回路48により計数されている日時及び地方時設定情報に基づいて、都市ディスク10により表示されている都市標識Mにより示される都市に係る地方時を算出する(地方時算出手段)。これにより、容易に地方時の表示に係る設定を変更することができる。
【0062】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。第2の実施形態に係る電子時計1aは、都市ディスク10に代えて動作設定ディスク10aを、またサポート針11に代えてサポート針11aを備え、動作設定ディスク10aの回転に応じて電子時計1の動作設定が行われる点で第1の実施形態と異なる。以下では、主に第1の実施形態との相違点について説明する。
【0063】
図5は、第2の実施形態に係る電子時計1aの模式正面図である。
この電子時計1aは、上述した指針2〜9と、動作設定ディスク10aと、サポート針11aなどを備えている。
【0064】
動作設定ディスク10aは、文字盤60の露出面とは反対側に当該文字盤60と平行に設けられた円環状の指針であり、その周縁部には、電子時計1aの動作設定を示す複数の設定標識Maが等間隔に所定の円弧上に配列されて設けられている。動作設定ディスク10aは、透過小窓65から3つの設定標識Maが露出されるようになっており、回転動作に応じて透過小窓65から露出された一の設定標識Maが指示標識651により指し示されることにより設定標識Maを選択状態として表示する。
【0065】
図6は、動作設定ディスク10aを示す正面図である。
図6に示されるように、動作設定ディスク10aには、全周の約1/3の範囲に亘って設定標識Maが設けられている。なお、
図6に示される設定標識Maの配置は一例であり、例えば動作設定ディスク10aの全周に亘って設定標識Maが設けられていても良い。
【0066】
動作設定ディスク10aでは、設定標識Maは、電子時計1の動作設定に係る3つの設定種別(「MODE」、「RECEIVING」、「ALARM」)に区分されて、この設定種別ごとに所定の順序で配置されている。
3つの設定種別のうち「MODE」には、電子時計1の動作モードに係る設定標識Maが割り当てられている。具体的には、「MODE」の設定種別には、基本時計表示、ストップウォッチ、タイマー、コンパス、高度計、気圧計、潮汐計の動作モードをそれぞれ示す設定標識「TIME」、「STW」、「TR」、「COMP」、「ALTI」、「BARO」、「TIDE」が割り当てられている。
また、「RECEIVING」の設定種別には、電子時計1の電波受信設定に係る設定標識Maが割り当てられている。この「RECEIVING」の設定種別に割り当てられた設定標識Maには、衛星電波受信処理部52によりGPS衛星からの送信電波から日時情報のみを取得する設定を示す「GPST」、GPS衛星からの送信電波から日時情報及び現在位置情報の双方を取得する設定を示す「GPSTP」、衛星電波受信処理部52を用いず標準電波受信処理部50により標準電波を受信する設定を示す「RC」がある。
また、「ALARM」の設定種別には、電子時計1のアラーム機能の設定に係る設定標識Maが割り当てられている。即ち、「ALARM」の設定種別には、各々異なるアラーム時刻を設定可能な5つのアラームモードを示す設定標識「AL1」〜「AL5」、及びスヌーズ設定に係る設定標識「SNZ」が割り当てられている。
【0067】
サポート針11aは、文字盤60の3時位置に設けられた設定範囲表示領域68(対応領域部)において、動作設定ディスク10aにより表示されている設定標識Maに対応する位置を示すことにより選択位置情報を表示する指針である。設定範囲表示領域68は、動作設定ディスク10aのうち設定標識Maが設けられた範囲に対応する一定の幅を有した円弧形状をなす領域である。当該標識の円弧形状の中心角は、動作設定ディスク10aのうち設定標識Maが設けられた円弧の中心角と等しくなっている。また、設定範囲表示領域68は、動作設定ディスク10aにおける設定標識Maの3つの設定種別(「MODE」、「RECEIVING」、「ALARM」)の配置範囲と対応した範囲に区切られている。従って、サポート針11aは、設定範囲表示領域68において、動作設定ディスク10aにより表示されている設定標識Maに対応する位置と併せて、当該設定標識Maが属する設定種別を選択位置情報として表示する。なお、設定範囲表示領域68は、上記円弧形状に代えて、当該円弧形状と同一の中心角を有する他の図形、例えば扇形とされていても良い。本実施形態では、サポート針11a及び設定範囲表示領域68により選択位置情報表示手段が構成される。
【0068】
第2の実施形態の電子時計1aでは、操作部45のりゅうずが回転操作されることにより、動作設定ディスク10aが、上述した3つの設定種別に亘る設定標識Maを表示可能な範囲で回転動作される。また、この動作設定ディスク10aの回転動作に合わせてサポート針11aが回転動作し、サポート針11aにより、設定範囲表示領域68のうち動作設定ディスク10aにより表示されている設定標識Maに対応する対応位置が常に表示される。
また、電子時計1aでは、動作設定ディスク10aにより表示される設定標識Maが変更されると、電子時計1の動作モードや動作設定が、表示された設定標識Maに対応する動作モードや動作設定に切り替わるようになっている。電子時計1の動作モードがストップウォッチ、タイマー、コンパス、高度計、気圧計、潮汐計にそれぞれ設定された場合には、小窓63において小分針7及び/又は小時針8により各動作モードに応じた表示が行われる。このうちコンパス、高度計、気圧計及び潮汐計の各動作モードにおける方位、高度、気圧及び潮汐の値は、小窓63の周囲に設けられた図示しない目盛が小分針7及び/又は小時針8により示されることで表示される。
【0069】
このように、第2の実施形態に係る電子時計1では、複数の設定標識Maは、動作設定ディスク10aにおいて文字盤60の透過小窓65に対応する円弧上に配列されて設けられ、サポート針11a及び設定範囲表示領域68は、上記円弧の中心角と同一の中心角を有する円弧形状をなす設定範囲表示領域68において複数の設定標識Maの配列全体のうち選択状態となっている部分と対応する位置をサポート針11により示すことによって選択位置情報を表示する。このような構成によれば、設定標識Maが配列された円弧と設定範囲表示領域68の円弧形状とが対応するため、複数の設定標識Maの配列における現在表示されている設定標識Maの位置を直観的に分かりやすい態様で示すことができる。
【0070】
また、複数の設定標識Maの各々は、電子時計1aの動作に係る複数の設定種別に各々属する設定を示し、動作設定ディスク10aには、複数の設定標識Maが複数の設定種別ごとに設けられ、上記選択位置情報には、複数の設定標識Maの各々が属する設定種別が含まれる。これにより、電子時計1aのユーザは、表示させたい設定標識Maが属する設定種別と現在表示されている設定標識Maに係る設定種別との位置関係をサポート針11の表示から把握することができる。よって、所望の設定標識Maを表示させるために必要な動作設定ディスク10aの回転量及び効率的な回転方向を容易に把握することができる。これにより、ユーザが所望の設定標識Maを効率良く表示させ易くすることができる。
【0071】
また、CPU41は、動作設定ディスク10aにより表示されている設定標識Maにより示される設定に従って電子時計1aの動作設定を行う(設定手段)。これにより、容易に電子時計1aの動作設定を変更することができる。
【0072】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記各実施形態では、都市ディスク10(動作設定ディスク10a)とサポート針11(11a)とが別個のステッピングモータのステップ動作により互いに独立して回転動作される例を用いて説明したが、都市ディスク10(動作設定ディスク10a)とサポート針11(11a)とを一のステッピングモータのステップ動作により互いに連動して回転動作させても良い。
【0073】
また、上記各実施形態では、サポート針11,11aとして針状の指針を用いる例を挙げて説明したが、これに代えてディスク形などの他の形状の指針を用いても良い。また、サポート針11,11aは、回転動作により表示を行うものに限られず、例えば直線上の移動範囲内を移動することで表示を行う指針などであっても良い。
【0074】
また、上記各実施形態では、指示部としてのサポート針11,11aを回転動作させることにより、固定された対応領域部としての時差表示領域67,設定範囲表示領域68において選択位置情報を表示する例を用いて説明したが、これに限定する趣旨ではなく、指示部を固定させて対応領域部を動作させても良い。例えば、第1実施形態では、固定されたサポート針11に対して時差表示領域67を回転させることにより時差の概略値を示しても良い。また、第2実施形態では、固定されたサポート針11aに対して設定範囲表示領域68を移動させることにより選択位置情報を表示しても良い。
【0075】
また、上記各実施形態のサポート針11,11aによる表示を他の指針により行わせる構成としても良い。例えば、サポート針11,11aに代えて、秒針2を用いても良い。秒針2を用いる構成を上記第1の実施形態に適用する場合には、文字盤60の周縁部やベゼルなどにタイムゾーンを示す標識を設ければ良い。また、上記構成を第2の実施形態に適用する場合には、文字盤60の周縁部やベゼルなどに設定範囲表示領域68に相当する標識を設ければ良い。
【0076】
また、上記第1の実施形態では、時差表示領域67においてサポート針11が指し示す位置により時差の概略値を表す例を用いて説明したが、これに限定する趣旨ではない。例えば、ディスク形の指針に設けられた時差を示す複数の標識の一部を透過小窓から露出させることにより時差を表示させても良い。また、デジタル表示が可能な液晶表示体といった表示部により時差を表示させても良い。電子時計1のユーザは、透過小窓65において表示されている都市標識Mの時差を知ることができれば、都市ディスク10上の都市標識Mの配列全体における表示されている都市標識Mの位置を把握することができる。このため、上記のような態様によっても、時差を示すことによって、複数の都市標識Mの配列全体のうち透過小窓65において選択状態となっている部分の位置を当該配列全体と対比可能に示すことができる。
【0077】
また、上記各実施形態では、文字盤60に設けられた露出部としての透過小窓65から都市標識Mや設定標識Maを露出させる例を用いて説明したが、これに限定する趣旨ではない。例えば、文字盤60に設けられた切り欠きから都市標識Mや設定標識Maを露出させる構成としても良い。また、文字盤60が複数のパーツからなる場合において、当該複数のパーツの間隙から都市標識Mや設定標識Maを露出させる構成としても良い。また、これらの露出部は、都市標識Mや設定標識Maを識別可能な状態で露出させるものであれば良く、都市標識Mや設定標識Maでの反射光の一部を吸収したり散乱させたりする部材が露出部に用いられていても良い。
【0078】
また、上記各実施形態では、遮光性を有する文字盤60が用いられる例を挙げて説明したが、文字盤60は、都市標識Mや設定標識Maを認識不能な状態で遮蔽することが可能な透光性を有する部材により構成されていても良い。このような部材としては、微細な光透過穴が設けられた遮光板や、すりガラスなどが挙げられる。
【0079】
また、上記各実施形態では、指針により表示を行うアナログ方式の電子時計1を例に挙げて説明したが、文字盤60に液晶パネル等のデジタル表示部を備え、アナログ方式及びデジタル方式の双方による表示が可能な電子時計に本発明を適用しても良い。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0081】
[付記]
<請求項1>
表示対象に係る複数の標識が所定の順序で配列されて設けられた回転表示体と、
前記複数の標識のうち一の標識を選択状態として識別可能に外部に露出させる露出部が設けられた遮蔽板と、
前記複数の標識の配列全体のうち前記選択状態となっている部分の位置を当該配列全体と対比可能に示す選択位置情報を表示する選択位置情報表示手段と、
前記回転表示体の回転動作及び前記選択位置情報表示手段の表示動作を制御する表示制御手段と、
ユーザ操作を受け付ける操作受付手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記操作受付手段により受け付けられたユーザ操作に応じて前記回転表示体を回転動作させて表示させる標識を変更するとともに、当該標識の変更によって前記選択状態となる部分の位置を示すように前記選択位置情報表示手段により表示させる前記選択位置情報を変更する
ことを特徴とする電子時計。
<請求項2>
前記選択位置情報表示手段は、前記回転表示体における前記複数の標識の配置に対応する対応領域部と、当該対応領域部に対して相対移動して前記対応領域部内の何れかの位置を選択的に示す指示部と、を有し、前記対応領域部において、前記選択状態となっている部分と対応する位置を前記指示部により示すことによって前記選択位置情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
<請求項3>
前記複数の標識は、前記回転表示体において前記露出部に対応する円周上に配列されて設けられ、
前記選択位置情報表示手段は、円形状の前記対応領域部において、前記選択状態となっている部分と対応する位置を前記指示部により示すことによって前記選択位置情報を表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の電子時計。
<請求項4>
前記複数の標識は、前記回転表示体において前記露出部に対応する円弧上に配列されて設けられ、
前記選択位置情報表示手段は、前記円弧の中心角と同一の中心角を有する図形の形状をなす前記対応領域部において、前記選択状態となっている部分と対応する位置を前記指示部により示すことによって前記選択位置情報を表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の電子時計。
<請求項5>
前記複数の標識の各々は、世界の地域を示し、
前記回転表示体には、前記複数の標識の各々により示される地域における所定の標準時からの時差に応じた順序で前記複数の標識が設けられ、
前記選択位置情報表示手段は、前記選択状態となっている部分が示す地域における前記時差の概略値を読み取り可能に示すことにより前記選択位置情報を表示する
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電子時計。
<請求項6>
現在日時を計数する計時手段と、
前記複数の標識の各々により示される地域に係る前記時差を少なくとも含む地方時設定情報を記憶する記憶手段と、
前記計時手段により計数されている日時及び前記地方時設定情報に基づいて、前記回転表示体により表示されている前記標識により示される地域に係る地方時を算出する地方時算出手段と、
を備えることを特徴とする請求項5に記載の電子時計。
<請求項7>
前記複数の標識の各々は、当該電子時計の動作に係る複数の設定種別に各々属する設定を示し、
前記回転表示体には、前記複数の標識が前記複数の設定種別ごとに設けられ、
前記選択位置情報には、前記複数の標識の各々が属する設定種別が含まれる
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電子時計。
<請求項8>
前記回転表示体により表示されている前記標識により示される設定に従って当該電子時計の動作設定を行う設定手段を備える
ことを特徴とする請求項7に記載の電子時計。