(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記不感領域は、前記表示パネルの左辺または右辺に設けられた筺体の一部を構成する枠体によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の入力装置。
前記制御部は、前記タッチパネルへのタッチ操作を無効として前記不感領域を形成する検出感度制御部を有し、前記選択により移動した記入事項欄に隣設して不感領域を配置することを特徴とする請求項1〜4のうち何れか一項に記載の入力装置。
前記入力装置を筺体前面に形成された載置台の上面部に配するとともに、前記制御部は、通信回線に接続されていることを特徴とする請求項1〜6のうち何れか一項に記載の入力装置を備えた自動取引装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について、
図1乃至
図21を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。
【0019】
図1は、実施形態の自動取引装置としてのVTM(Virtual Teller Machine/以下、VTMと記す。)1の全体の構成を説明する斜視図である。
銀行等の金融機関の支店のATMコーナやコンビニエンスストア等の店舗に設置されたVTM1と、金融機関に設置されたホストコンピュータ2とは、専用回線等の通信回線3を介して接続されている。また、VTM1と、金融機関のセンタに設置されたセンタ端末5とは、公衆網等の通信ネットワーク6を介して接続されている。
【0020】
VTM1は、既に開設された既存の口座を用いて顧客との間での入金取引や出金取引、振込取引、通帳記帳等の各種の取引処理を自動で行う現金自動預払機としての機能を有すると共に、本人確認書類等を読取って、新規口座の開設、カード喪失や住所変更、氏名変更等の諸届け等の取引業務を行う機能等を有している。
【0021】
ホストコンピュータ2は、店舗に設置されているVTM1や図示しない通常の現金自動預払機(ATM)と通信回線3を介して接続している。そして、ホストコンピュータ2は、口座開設者である顧客の口座の口座番号等の口座情報やその暗証番号、口座残高、氏名、住所等の顧客情報を保有して顧客の口座を管理する。
このため、ホストコンピュータ2は、VTM1等で、取引カードや通帳から読取った口座情報や顧客による暗証番号等の入力情報等の取引電文を受信する。そして、ホストコンピュータ2は、本人認証や顧客の口座の口座残高の更新を行い、取引の可否を電文にして送信元のVTM1等へ送信する機能等を有している。
【0022】
また、ホストコンピュータ2は、新規口座の開設や、住所変更届、氏名変更届等の諸届けの取引電文を受信して、それらの取引業務を成立させるか否かを判定する。そして、取引業務が成立した場合、ホストコンピュータ2は、新規口座の口座番号の採番、顧客の口座の住所または氏名の更新等を行う機能を有している。
【0023】
上位装置としてのセンタ端末5は、通信ネットワーク6を介して接続するVTM1からの接続要求を基に、送信元のVTM1と、音声および画像による交信を行って、センタからの遠隔による顧客の操作支援を行う機能等を有している。
なお、センタ端末5を設置するセンタは、全国を束ねて1箇所に設けるようにしてもよく、都道府県毎、都市毎または比較的狭い地域毎に設けるようにしてもよい。つまり顧客支援可能な規模に応じて、センタ端末5の設置場所を決定すればよい。
【0024】
この実施形態のVTM1は、箱型の筺体1aの一部に操作表示部13を設けている。
筺体1aは、垂直に設けられた前面1bの下縁1cから一定の勾配で傾斜して前方に向けて突設された載置台12を有している。この載置台12の上面部には、顧客が操作を行う操作面が設けられている。そして、この操作面の一部に操作表示部13が設けられている。
図2に示すこの操作表示部13は、LCD等の表示パネルから構成される略方形の表示画面13aとその画面上に配置された、入力装置を構成するタッチパネル13bと、記入事項欄等を表示する制御部11等とを備えている。
そして、操作表示部13の表示画面13aに、顧客の操作を誘導する取引選択画面や、暗証番号入力画面等の入力画面、顧客に通知する情報等を表示する情報画面等の各種の取引画面を表示する。また、この操作表示部13のタッチパネルにより顧客の操作入力を受付ける。
【0025】
前面1bに設けられたカード取扱部14は、カード挿入口14aから挿入された顧客のキャッシュカードやクレジットカード等の取引カードの磁気ストライプやICチップ等に記録されている顧客の口座情報等のカード情報を読み書きする。またカード取扱部14は、取引終了時に、挿入された取引カードをカード挿入口14aから排出して顧客に返却する。
なお、カード取扱部14は、振込カードの印字発行部を有するものであってもよい。
印字発行部は、感熱式等の印刷ヘッドを備えて、振込みカードに取引内容等を印刷する。そして、カード取扱部14は、取引終了時に、印刷した振り込みカード挿入口14aから排出して顧客に発行してもよい。
【0026】
出力手段としての通帳取扱部16は、通帳挿入口16aから挿入された顧客の通帳の磁気ストライプやICチップ等に記録されている口座情報等の通帳情報を読み書きする。また通帳取扱部16は、取引内容等を挿入された通帳に記帳して、取引終了時に、記帳済みの通帳を通帳挿入口16aから排出して顧客に返却する他、新たな通帳を顧客に発行する通帳発行部等を備えている。
【0027】
紙幣入出金部17は、入金取引時等に紙幣入出金口17aによって顧客が投入した紙幣を受入れ、これを鑑別および計数して収納庫に収納し、出金取引時等に顧客の操作により指定された金額に相当する紙幣を収納庫から繰出して計数し、これを紙幣入出金口17aに集積して顧客に引渡す。
【0028】
硬貨入出金部18は、入金取引時等に硬貨入出金口18aによって顧客が投入した硬貨を受入れ、これを鑑別および計数して収納庫に収納し、出金取引時等に顧客の操作により指定された金額や釣銭等に相当する硬貨を収納庫から繰出して計数し、これを硬貨入出金口18aに集積して顧客に引渡す。
【0029】
書類取扱部19は、書類投入口19aから投入された、顧客が署名、捺印した申込書や届出書等の書類を回収箱に搬送して収納する。書類読取部19bは、スタンドスキャナ等の書類読取器を備えていて、載置台12上に載置された申込書や届出書等の書類、本人確認用の運転免許証等の証明書類等の画像を読取って、その書類画像のデータを制御部11(
図2参照)へ出力することができる。
【0030】
図2は、この実施形態のVTM1の構成を模式的に示すブロック図である。
VTM1の通信部21は、
図1中、VTM1の前面1bに設けられたカメラ部21aおよびモニタ部21bを有している。そして、顧客と金融機関のセンタとの間で対面取引の補助が行なわれる。
外部記憶部25は、顧客と金融機関のセンタとの間で行われた取引の記録を保存するように構成されている。
【0031】
また、出力手段としての書類印刷部29を設けて、VTM1に内蔵されたネットワークプリンタ等によりセンタ端末5からの書類印刷指示に基づいて、申込書や届出書、パンフレット等の書類を印刷して顧客に引渡すようにしてもよい。
電源部27は、VTM1の外部から供給された電力を、VTM1の制御部11を含む各部、たとえば書類印刷部29や通信部21へ供給する。
【0032】
制御部11は、手書き入力判定部101、画像制御部102、検出感度制御部103、記憶部104、および並べ替え制御部105を有している。
【0033】
このうち、入力部としての手書き入力判定部101は、顧客により手書き入力が指定されているか否かを判定して、タッチパネル13bを介して入力された所定の情報を手書き文字として取り込む。
【0034】
画像制御部102は、操作表示部13の表示画面13aに表示される各種画面を生成・制御する。この実施形態の画像制御部102は、表示画面13aに表示される記入事項欄の選択を検知して、選択された記入事項欄を表示領域50(例えば、
図3参照)の周囲に位置する不感領域に沿うように移動させる。
【0035】
検出感度制御部103は、タッチパネル13bの入力感度を表示されている各種画面の領域ごとに変更可能に制御することができる。
この実施形態のタッチパネル13bの入力感度は、段階的に変更可能である。そして、全く入力感度を無くす(0=不感状態)ことにより、顧客が触れても入力ができないタッチ操作無効の状態とすることができる。
【0036】
記憶部104は、操作表示部13のタッチパネル13bによって入力された各種データを記憶する。
【0037】
並べ替え制御部105は、記憶部104と連携して手書き入力された文字データを縦書きから横書きに組み替える。なお、この実施形態のVTM1の並べ替え制御部105は、手書き入力された文字データを縦書きから横書きに組み替えるようにしているが、特にこれに限らず、横書きから縦書きに組み替えるようにしてもよい。
【0038】
[実施例1]
次に、この実施形態の実施例1の入力装置について、
図3〜
図8を用いて説明する。
図3は、実施例1のVTM1に用いられる操作表示部13の正面図である。
実施例1の操作表示部13は、外観上、タッチパネル13bによって主に構成される表示領域50と、表示領域50の周囲に位置する非表示領域60とを含む。
【0039】
このうち、実施例1のVTM1は、筺体内に、タッチパネル13bおよびタッチパネル13bの下面側に位置する表示画面13aを収納して保護するように構成されている。このため、内部に設けられた筺体の一部を構成する枠体の端面は、非表示領域60と重複するように構成されている。
【0040】
また、この実施例1の非表示領域60は、正面視では、上下,左右の四辺がほぼ同じ一定の幅h1を有するように構成されている。この実施例1では、非表示領域60は、タッチパネル13bの検出点が存在しないように構成されているが、タッチパネル13bのタッチ操作機能が機能しないように、検出感度制御部103によって不感領域となるように制御されていてもよい。
そして、
図1に示す載置台12の上面と、このタッチパネル13bの上面とはほぼ面一となるように、この操作表示部13は載置台12の一部に装着されている。
【0041】
なお、この実施例1の操作表示部13は、
図2に示す制御部11に接続されて使用されるモニタのような使用態様を採用しているが特にこれに限らず、図示しないCPUやメモリー、大容量記憶部などを備えたいわゆるタブレット端末などによって構成されていてもよい。
【0042】
図4は、実施例1の操作表示部13で初期画面が表示された様子を示す正面図である。
表示領域50には、住所、氏名、氏名(カナ)、電話番号、生年月日等の各記入事項欄51が表示されている。
なお、項目については、住所、氏名、氏名(カナ)、電話番号、生年月日以外の項目が設けられていてもよく、さらに少ない項目数であってもよい。
【0043】
各記入事項欄51は、項目名記入領域52と、記入情報表示領域53とが含まれている。記入情報表示領域53には、未記入の欄は、「タッチしてください」と表示されたボタンが配置され、後述する記入済みの欄には、記入された情報と記入された情報を訂正する場合にタッチ操作可能な修正ボタンが表示される。
【0044】
また、この実施例1の表示領域50には、全ての事項を記入した後に操作して、次の画面へと遷移にさせる確認ボタン54と、前の画面に戻らせる操作を行う戻るボタン55と、操作を説明する説明文表示領域56とが配置されている。
【0045】
図5は、実施例1の操作表示部でタッチペン9を用いて画面から入力する項目を選択する様子を示す正面図である。
たとえば、「住所」を記入する場合、まず
図5中に示すように、記入情報表示領域53のうち「住所」記入欄の「タッチしてください」ボタンをタッチペン9あるいは顧客の指でタッチする操作(以下、タッチ操作と記す)を行う。
【0046】
すると、制御部11は、
図6に示すように住所欄51aを表示領域50内の最下部に差し込むように移動させて、記入可能な入力事項記入領域57を表示する。このとき、他の欄は、押し上げられるように上方へ移動する。他の欄は、タッチペン9などが接触しても反応しないタッチ無効領域になる。
たとえば、これらの他の欄がタッチ操作無効であることを示すために、黒塗り表示やあるいは薄い表示としてもよい。
【0047】
そして、不感領域である非表示領域60の下辺の非表示領域60aに沿う位置に移動した住所欄51aの入力事項記入領域57には、タッチペン9あるいは顧客の指を用いて記入することができる。
この状態では、表示領域50の左右方向にてほぼ中央に住所欄51aが配置されている。このため、利き手が左右何れであっても記入しやすい。
なお、表示領域50の住所欄51aに隣設する右隣には、記入終了後に記入内容を確定させるための登録ボタン7と、記入内容を訂正する際に用いる訂正ボタン8とが配置されている。
【0048】
図7は、実施例1の操作表示部13で不感領域に沿った入力事項記入領域57にタッチペン9を用いて記入する様子を示す
図6中VII−VII線に沿った位置での断面図である。
住所欄51aの記入可能な入力事項記入領域57は、表示領域50内の最下部に差し込まれて、下辺の非表示領域60aに沿うように配置される。
非表示領域60aは、不感領域である。そして、記入の際、顧客の手が非表示領域60aに乗ることになり、手や指が表示領域50の他の部分に接触して生じる誤動作を防止することができる。
【0049】
記入終了後、登録ボタン7(
図6参照)をタッチ操作すると、初期画面のレイアウトに戻る。
図8は、実施例1の入力装置で確認ボタン54により住所欄51aが元の位置に戻る様子を説明する正面図である。
住所欄51aはもとの位置に戻ると、入力事項記入領域57は、記入情報表示領域58となる。記入情報表示領域58は、タッチ操作が無効となり、この記入情報表示領域58に記入された内容を修正する場合は右隣に隣設して配置された修正ボタン59をタッチする。
説明文表示領域56には、修正に関する説明「記入内容を修正する場合は修正ボタンをタッチしてください」が追加表示される。
【0050】
次にこの実施形態の実施例1の入力装置の効果について説明する。上述してきたように、この実施例1の入力装置では、記入情報表示領域53(
図5参照)の入力する項目の欄(例えば住所欄)をタッチペン9あるいは顧客の指でタッチ操作する。これにより
図6に示すように入力事項記入領域57が表示領域50の最下部で、しかも中央部分に移動する。
【0051】
このため、左右のどちらの手でも入力が容易であり、利き手を問わなくなるため、入力に用いるタッチペン9を左,右に用意しなくてもよく、2本のタッチペン9,9を備える場合に比して、製造コストの増大を抑制できる。
また、補助具や段差を設けなくても顧客の手や指が表示領域50に乗ることによる誤動作を防止することができる。
【0052】
さらに、タッチ操作が不要となる領域は、タッチ感度を低下させるのではなく、タッチ操作を無効としてしまうことができる。このため、顧客が意図せずに他の各記入事項欄51に触れたとしても誤動作を発生させることはない。
そして、記入時のタッチ有効領域を入力事項記入領域57内の狭い範囲のみに限定することができる。このため、顧客の手や指が複数個所を同時に触れることによる誤動作を生じにくくすることができる。
【0053】
[実施例2]
しかしながら、
図9に示すように表示領域の下部の枠部分の面積が小さい操作表示部23では、顧客が手や指を乗せる場所がなく、記入が困難である。
図9は、実施例2のVTM1に用いられる操作表示部23の正面図である。なお、実施例1の操作表示部13と同一乃至均等な部分については同一符号を付して説明する。
この実施例2のVTM1では、操作表示部23のうち、表示領域50の上部および下部に位置する非表示領域160の幅h2が非表示領域60(
図3参照)の幅h1に比して小さく設定されている。
【0054】
なお、この実施例2では、
図2に示す外部記憶部25あるいは記憶部104に相当する部分に文字認識プログラムが予め格納されている。
図10は、実施例2のVTM1に用いられる操作表示部23の正面図である。この操作表示部23の表示領域50の右辺および左辺に位置する非表示領域160の幅h3は、上辺および下辺の幅h2に比して大きく設定されている。
他の構成については、実施例1の操作表示部13と同一乃至均等であるので同一符号を付して説明を省略する。
【0055】
図11は、実施例2の入力装置でタッチペン9を用いて画面から入力する項目を選択する様子を示す正面図である。
まず、実施例1と同様に記入情報表示領域53のうち、「住所」記入欄の「タッチしてください」ボタンをタッチペン9または顧客の指でタッチ操作すると、
図2に示す制御部11は、左記入欄表示領域34および右記入欄表示領域35を表示領域50の左,右側縁に表示させる。
【0056】
図12は、実施例2の入力装置でタッチペン9を用いて利き手である右側の右記入欄表示領域35が選択される様子を示す正面図である。
表示領域50の左,右側縁には、左記入欄表示領域34および右記入欄表示領域35がそれぞれ左右の非表示領域160a,160bに沿って配置される。
【0057】
また、表示領域50の左記入欄表示領域34および右記入欄表示領域35の間で略中央には、ガイダンス部36が記入情報表示領域53に上から重ね合せられて覆い被さるように表示される。ガイダンス部36には、たとえば「左右どちらかの記入欄をタッチして下さい。」等のタッチ操作を促すガイダンスが表示される。
【0058】
このとき、制御部11の検出感度制御部103は、左記入欄表示領域34および右記入欄表示領域35以外の領域をタッチ操作が無効となるタッチ無効領域とする。また、このとき、タッチ無効領域となった部分を顧客に認識させるため、墨塗り表示や薄い表示としてもよい。
この実施例2の左記入欄表示領域34には、「左利きの方はこちらをタッチ」と表示されたタッチボタン34aが配置されている。この左記入欄表示領域34の下方には、記入後に記入内容を確定させるための登録ボタン34bと、記入された内容を訂正する際に用いる訂正ボタン34cとが上下に並べて配置されている。
【0059】
また、右記入欄表示領域35には、「右利きの方はこちらをタッチ」と表示されたタッチボタン35aが配置されている。この右記入欄表示領域35の下方には、記入後に記入内容を確定させるための登録ボタン35bと、記入された内容を訂正する際に用いる訂正ボタン35cとが上下に並べて配置されている。
【0060】
図13は、入力装置で不感領域に沿った入力事項記入領域にタッチペン9を用いて記入する様子を示す正面図である。
左記入欄表示領域34と右記入欄表示領域35とのうち、右記入欄表示領域35の「右利きの方はこちらをタッチ」と表示されているタッチボタンをタッチ操作した場合、制御部11は、左記入欄表示領域34、登録ボタン34b、訂正ボタン34cの表示を消して、右記入欄表示領域35、登録ボタン35b、訂正ボタン35cの表示を残す。
【0061】
このとき、右記入欄表示領域35内の「右利きの方はこちらをタッチ」と表示されていたタッチボタン表示は、入力事項記入領域57に変更される。
このため、この入力事項記入領域57を介してタッチペン9あるいは顧客の指による手書き入力が可能となる。
【0062】
図14は、実施例2の入力装置で不感領域に沿った入力事項記入領域57にタッチペン9を用いて記入する様子を示す
図13中XIV−XIV線に沿った位置での断面図である。
実施例2では、入力事項記入領域57が表示領域50の最右辺に移動することにより、不感領域である非表示領域160aに沿って隣接配置される。
このため、右利きの顧客の場合は、記入時に手が非表示領域160aに乗ることとなる。したがって、手書き入力を行う際の顧客の手や指が表示領域50の接触することによる誤動作を防止することができる。
【0063】
手書き入力終了後、記入内容を確定させるため、顧客は登録ボタン35bをタッチ操作すると、予め
図2に示す外部記憶部25あるいは記憶部104に記憶されている文字認識プログラムが起動する。
【0064】
図15は、実施例2で縦書きの手書き文字列を横書きに組み替える概念を説明する模式図である。
入力事項記入領域57に縦書きで記入された手書き文字列201は、制御部11の手書き入力判定部101により手書き文字であると認識される。そして、一文字のある範囲を個々に上から下へ順に文字画像a〜lとして、記憶部104に登録する。
【0065】
次に、制御部11は、上から下へ縦一列に並んだ個々の文字画像a〜lを左から右に横一列に並び変える。そして、入力事項記入領域57の右記入欄表示領域35、登録ボタン35b、訂正ボタン35cの表示を消す。
また、タッチ無効領域となった部分を顧客に認識させるために表示されていた、墨塗り表示や薄い表示が解錠される。
そして、左から右に横一列に並び変えられた文字画像a〜lが表示領域50に表示される。
【0066】
図16は、実施例2の入力装置で確認ボタンにより元の位置に戻る様子を説明する正面図である。
表示領域50のうち、住所欄の記入情報表示領域153に、文字画像a〜lが横書きで表示されると、顧客は、記入内容の確認を行える。顧客は、記入情報表示領域153の右隣に設けられた修正ボタン114を用いて、入力された内容を修正することができる。
表示領域50には、全ての事項を記入した後に操作して、次の画面へと遷移にさせる確認ボタン54と、前の画面に戻らせる操作を行う戻るボタン55と、操作を説明する説明文表示領域56bとが配置されている。
説明文表示領域56bには、修正に関する説明「記入内容を修正する場合は修正ボタンをタッチしてください」が追加表示される。
【0067】
次に、この実施例2の作用効果について、前記実施例1との相違点を中心に説明する。
この実施例2の入力装置では、実施例1の作用効果に加えてさらに、左,右記入欄表示領域34,35が左右の非表示領域160a,160bの何れか一方に沿うように移動する。
このため、
図10に示すように記入情報表示領域53の下部に位置する非表示領域160cの幅h2が小さく、顧客の手や指を乗せる部分がない場合であっても、左,右記入欄表示領域34,35を左右の非表示領域160a,160bに沿うように移動させて、縦書き用の入力事項記入領域57とすることができる(
図13参照)。
【0068】
したがって顧客は、左,右記入欄表示領域34,35の左右に隣設配置された非表示領域160a,160bに手や指を乗せて、縦書きで記入事項を記入できる。
よって、顧客の手や指が表示領域50の接触することによる誤動作を防止することができる。
【0069】
また、顧客は、
図12に示すように同時に表示された左,右記入欄表示領域34,35のうちから、何れか一方をタッチペン9にて選択することができる。しかも、いずれの左,右記入欄表示領域34,35を選択して縦書きによる記入を行っても、制御部11は、表示領域50の記入情報表示領域153に横書きで、文字画像a〜lを表示することができる。
このため、右利き用、左利き用にそれぞれ特化した記入環境を使用者に提供することが可能となる。
他の構成、および作用効果については、実施例1と同一乃至均等であるので説明を省略する。
【0070】
[実施例3]
図17は、実施例3の自動取引装置に用いられる入力装置の正面図である。なお、前記実施例1,2と同一乃至均等な部分については同一符号を付して説明する。
この実施例3の操作表示部33の表示領域50の周囲には、枠体によって幅狭の非表示領域260が上下左右全周囲に渡り設けられている。
非表示領域260の各部の幅h3,h4が狭い場合、顧客が表示領域50以外に手や指を乗せる場所がなくなり、記入しづらいといった問題があった。
【0071】
図18は、実施例3の入力装置で初期画面が表示された様子を示す正面図である。
この実施例3のVTM1では、非表示領域260のうち、表示領域50の上部および下部に位置する非表示領域260a,260bの幅h3は非表示領域60(
図3参照)の幅h1に比して小さく設定されている。
また、非表示領域260のうち、表示領域50の左部および右部に位置する非表示領域260c,260dの幅h4は、非表示領域60の幅h1に比して小さく設定されている。
【0072】
図19は、実施例3の入力装置でタッチペン9を用いて画面から入力する項目を選択する様子を示す正面図である。
たとえば、「住所」を記入する場合、まず
図19中に示すように、記入情報表示領域53のうち「住所」記入欄の「タッチしてください」ボタンをタッチペン9あるいは顧客の指でタッチ操作を行う。
【0073】
図20は、実施例3の入力装置で下辺に作成された不感領域に沿った入力事項記入領域にタッチペン9を用いて記入する様子を示す操作表示部33の正面図である。
制御部11は、
図20に示すような不感領域である手乗せ領域26を表示領域50の下辺部で、かつ、下部の非表示領域260bに沿わせて、所定の幅h5を有するように表示する。
【0074】
制御部11の画像制御部102は、「手を乗せてご使用ください」の表示をこの手乗せ領域26に行なうとともに、検出感度制御部103によって、タッチ操作しても反応しないタッチ無効領域となるように手乗せ領域26を変更する。
そして、住所欄51aを表示領域50内の下部で、手乗せ領域26の上部に差し込むように移動させて、記入可能な入力事項記入領域57を表示する。このとき、他の欄は、押し上げられるように圧縮されながら上方へ移動する。さらに、他の欄は、タッチペン9などが接触しても反応しないタッチ操作無効領域になる。
【0075】
たとえば、これらの他の欄がタッチ操作無効であることを示すために、黒塗り表示やあるいは薄い表示としてもよい。
なお、手乗せ領域26の幅h5は、使用するタッチパネルの表示領域の大きさや使用用途に合わせて変更可能である。
【0076】
図21は、実施例3の入力装置で不感領域である手乗せ領域26に沿った入力事項記入領域57にタッチペン9を用いて記入する様子を示す
図20中XXI−XXI線に沿った位置での断面図である。
この実施例3の入力装置では、前記実施例1または2の作用効果に加えてさらに、不感領域である手乗せ領域26に沿う位置に移動した入力事項記入領域57には、タッチペン9あるいは顧客の指を用いて記入することができる。
この状態では、表示領域50の左右方向にてほぼ中央に住所欄51aが配置されている。このため、利き手が左右何れであっても、表示領域50に触れることなく記入しやすい。そして、登録ボタン7が選択されると手乗せ領域26は、表示領域50から削除される。
他の構成、および作用効果については、実施例1と同一乃至均等であるので説明を省略する。
【0077】
上述してきたように、この実施例3の入力装置によれば、表示領域50を囲む全周に顧客の手や指を乗せられるような不感領域を設けられなくても、手乗せ領域26を表示領域50の下辺部に表示して、検出感度制御部103により不感領域とすることにより、必要な時だけタッチ操作出来ない箇所を形成できる。
【0078】
この実施例3では、さらに、非表示領域260の各部の幅h3,h4を実施例1の非表示領域60の幅h1(
図3参照)やあるいは実施例2の非表示領域160の幅h3(
図10参照)と比較して狭く設定出来る。
このため、表示領域50として使用できる面積を拡大することができる。
また、
図20に示す登録ボタン7をタッチ操作することにより、手乗せ領域26を表示領域50から消去することもできる。
【0079】
さらに、この実施例3では、記入可能な入力事項記入領域57以外の他の欄は、押し上げられるように圧縮されながら上方へ移動する(
図20参照)。このため、入力事項記入領域57に記入しながら、他の欄にどのような項目があるのか顧客は認識することができる。
他の構成、および作用効果については、実施例1、2と同様であるので説明を省略する。
【0080】
上述してきたように、この実施形態の入力装置およびVTM1では、タッチペン9により操作表示部13の記入事項欄51の何れかが選択的にタッチ操作される。
これにより、表示画面13aの周囲に位置する不感領域としての非表示領域60aの全幅に沿うように選択された記入事項欄51が移動して、入力事項記入領域57に変更される。
このため、顧客は、表示画面13aの他の部分に触れることなく、所望の項目の入力事項記入領域57へ手書き入力を行うことができる。
【0081】
しかも、傾斜した載置台12の上面部を構成する操作面の一部に操作表示部13が設けられている。このため、顧客の身体に近い位置に不感領域としての非表示領域60aが配置されて、安定して手書き入力を行うことができる。
そして、非表示領域60aは、操作表示部13の略全幅に渡り形成されている。このため、何れの部分に掌を支持させても安定する。したがって右利きの顧客、左利きの顧客の何れもが入力しやすく、意図しない接触による誤操作の発生を防止することができる。
【0082】
また、
図6および
図7に示すように枠体を非表示領域60aの不感領域として利用するため、補助具や段差を設けなくても、顧客の手や指がタッチパネル13bに乗ることによる誤動作を防止できる。
したがって、装置構成や構造を変更する必要がない。
さらに、表示画面13aの他の部分の感度を下げる若しくは無くして、タッチ操作無効とすることにより、誤動作の発生を抑制もしくは無くすことができる。
【0083】
そして、入力事項記入領域57内の狭い範囲のみにタッチ操作が可能な範囲を限定することができる。このため、顧客の手や指が複数個所を同時に触れることによる誤動作を生じにくくすることができる。
【0084】
また、
図9に示すように、非表示領域160の下辺にスペースがなく、左,右辺を構成する非表示領域160a160bに沿って、左,右記入欄表示領域34,35を隣接配置
できる。
このため、載置台12の上面部を構成する操作面のスペースが限られている場合でも、縦書きによる手書き入力を容易に行わせることができる。
【0085】
図12および
図13に示すように選択された一方の辺に隣設する不感領域が筺体の一部を構成する枠体によって構成されている。顧客の手や指がタッチパネル13bに乗ることによる誤動作を防止できる。
【0086】
しかも、選択された記入事項欄の右記入欄表示領域35以外の表示領域50を不感領域とすることができる。
このため、さらに誤動作の発生を抑制もしくは無くすことができる。
【0087】
さらに、
図2に示すように、制御部11に設けられた並べ替え制御部105によって、
図15に示すように、入力事項記入領域57の記入事項欄から入力された縦書きの入力は、横書きに変換されて並べ替えられる。
このため、
図12に示すように左右いずれの左,右記入欄表示領域34,35から手書き入力を行っても同様に横書き入力のデータが得られる(
図16参照)。
したがって、右利き用、左利き用にそれぞれ特化した記入環境を使用者に提供することが可能となる。
【0088】
また、
図20に示すように、下辺の非表示領域260bと入力事項記入領域57との間に、手乗せ領域26を差し込むように移動させて、不感領域とする。
これとともに、手乗せ領域26に「手を乗せてご使用ください」の表示を行い、不感領域であることを顧客に知らせる。
このため、
図17に示すように操作表示部33の表示領域50の周囲の枠体が全周に渡り幅狭であっても、一定の幅h5のタッチ操作無用領域を手書き入力を行う場合だけ形成して、不要となる場合には、削除することができる。
さらに、
図20に示すように、記入可能な入力事項記入領域57以外の他の欄を、押し上げるように圧縮しながら上方へ移動させることができる。このため、入力事項記入領域57に記入しながら、不感領域の他の欄にどのような項目があるのか顧客は認識することができる。
【0089】
以上、本実施形態に係る自動取引装置について詳述してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでない。
【0090】
例えば、本実施形態では、自動取引装置としてVTMを例示して説明してきたが、たとえばATM等、他の自動取引装置であっても、タッチパネル13bを含む操作表示部13が備えられていれば、どのような自動取引装置であってもよい。
【0091】
さらに、本実施形態では、LCD等の表示パネルから構成される略方形の表示画面13aを例示して説明してきたが特にこれに限らず、表示画面13aと重ねてタッチパネル13bが一部または全部に設けられているものであればよい。例えば、表示画面13aの形状が、円形、長円形、三角形を含む多角形や、それらの組み合わせ、たとえば、方形の中央画面の両側に半円形状の左,右画面を連設するものであってもよい。
【0092】
そして、タッチパネル13bは、表示画面13aの一部または全部に設けられているものであればよく、または、その逆であってもよく、操作表示部13はどのような形状、数量およびモニタの種類であってもよい。
【0093】
さらに、実施例3では、
図20に示すような不感領域である手乗せ領域26を表示領域50の下辺部で、かつ、下部の非表示領域260bに沿わせて、所定の幅h5を有するように表示している。しかしながら、特にこれに限らず、たとえば表示領域50の左,右辺部の何れかで、かつ、左,右の非表示領域260c等に沿わせて不感領域である手乗せ領域26を表示してもよい。
さらに、たとえば表示領域50中であれば、何れの箇所であっても、選択により移動した記入事項欄51に隣設して不感領域である手乗せ領域26を配置してよい。