(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明に係るぱちんこ遊技機の実施例について説明する。なお、ここでは先ず、本実施例のぱちんこ遊技機の基本構成について説明し、その後に、本実施例のぱちんこ遊技機における遊技手順、演出、及び、制御態様などについて説明する。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
【0009】
図1は、本実施例に係るぱちんこ遊技機10の前面構成を示している。ぱちんこ遊技機10においては、後述する遊技機枠11に遊技盤50が装着されている。これらのうち、遊技盤50は、ぱちんこ遊技機10の機種に応じて付属機器や意匠等といった構成要素を異ならせているものである。さらに、遊技盤50は、遊技機枠11との電気的な接続関係や、構造的な接続関係を解除することにより、遊技機枠11から分離できるようになっている。
【0010】
また、複数機種の遊技盤50について、遊技機枠11との構造的及び電気的な接続関係を共通化することにより、異機種間で遊技機枠11を共用する所謂機種変更が可能となっている。なお、以下では先ず、遊技機枠11について説明し、その後に遊技盤50の盤面構成について説明する。
【0011】
上述の遊技機枠11は、外枠12、前枠13、及び、下部前板14を有している。さらに、前枠13には、ガラス扉15、及び、皿ユニット16が装着されている。これらのうち外枠12は、ぱちんこ遊技機10を、遊技場(遊技店舗)内の島設備における所定位置に固定するために用いられる矩形の枠体であり、
図1中に示すように、ガラス扉15や皿ユニット16を有する前枠13と、上述の下部前板14とにより、前面側が閉じられる開口部分を有している。
【0012】
前枠13は、外枠12の開口部分に整合する外形を備えた構造であり、
図1中の左側に示すヒンジ機構15A、15Bを介して、外枠12に装着されている。そして、前枠13は、外枠12に対する閉鎖状態から、
図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、前方へ揺動することで開放状態となる。
【0013】
前枠13の外枠12への係止と、外枠12からの解放は、錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、
図1中に示すように、前枠13の自由端側には、錠装置のシリンダ部17が配置されており、このシリンダ部17は、前枠13の下部を覆った前述の皿ユニット16を通して、鍵穴をぱちんこ遊技機10の前方へ向けている。そして、遊技場店員が、鍵をシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば反時計回りに回すと、前枠13の自由端側が錠装置から解放され、前枠13が開放状態となる。
【0014】
このような前枠13に対して、前述の下部前板14は、前枠13のような開閉のための構成は備えておらず、外枠12に、動くことないよう固定されている。そして、下部前板14は、外枠12の前面の下端部を常に塞いでいる。
【0015】
前枠13の前部に配置されたガラス扉15と、皿ユニット16とは、ヒンジ機構(図示略)を介して、前枠13に装着されている。さらに、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、何れも、
図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、各々独立に揺動可能である。そして、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、例えば遊技場店員が、前方に水平に揺動させることで開放状態となり、開放状態から後方へ水平に揺動させ、前枠13に係止させることにより閉鎖状態となる。
【0016】
ガラス扉15の前枠13への係止と、前枠13からの解放は、前述の錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、遊技場店員が、鍵を前述のシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば前枠13の開放時とは逆の時計回りに回すと、ガラス扉15の自由端側が錠装置から解放され、ガラス扉15が開放状態となる。
【0017】
また、ガラス扉15を開放することで、皿ユニット16の係止機構(図示略)が現れて操作可能となり、この係止機構の操作部(図示略)を遊技場店員が、例えば下方向に押し込み操作することで、皿ユニット16が開放状態となる。
【0018】
さらに、ガラス扉15は、例えば平行な2枚の透明板を脱着可能に保持しており、閉鎖状態にある場合に、これらの透明板を通して、ぱちんこ遊技機10の前方から遊技盤50を視認できるようにしている。透明板としては、ガラス板のほか、透明な樹脂板なども利用することができる。
【0019】
皿ユニット16は、その前面に、上球皿18、下球皿19、及び、発射ハンドル20等を有している。これらのうち、上球皿18には、遊技球の貯留、発射ハンドル20を介して操作される発射装置43(
図2及び
図4参照)への遊技球の供給、下球皿19への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。また、下球皿19には、遊技球の貯留、上球皿18から送られてきた遊技球の受入れ、ぱちんこ遊技機10の外部に置かれた玉箱(所謂ドル箱)への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。
【0020】
また、本実施例においては、ガラス扉15の上隅部や、下部前板14などといった部位に、各種のスピーカ21が設けられており、これらのスピーカ21を通して、遊技状態や演出パターンなどに応じたBGMや各種効果音などが出力されるようになっている。
【0021】
さらに、上球皿18の、遊技者に向かう部分には、遊技者により操作が可能な操作ボタン22が設けられている。この操作ボタン22は、上球皿18の上部の外壁面に設けられており、上球皿18の左右方向の中央近傍に位置している。また、操作ボタン22は、内部に操作ボタン用発光体を備えており、実行される演出パターンに応じて光出力を行うようになっている。
【0022】
なお、操作ボタン22を、例えばモータ等の駆動源を用いて、所定の場合に上方に突出するようにしてもよい。また、図示は省略するが、操作ボタン22のほかに十字キーが備えられており、この十字キーを用いて遊技者による各種の環境設定が可能となっている。そして、環境設定の内容としては、スピーカ21の音量調節、後述する演出表示の輝度調節や光量調節、或いは、後述する演出モードの変更などを例示できる。
<ぱちんこ遊技機の背面構成>
【0023】
次に、ぱちんこ遊技機10の背面側における基本的な構成を説明する。
図2に示すように前枠13の背面には、遊技球を誘導又は回収するための遊技球通路等を備えたセット基盤31が取着されており、このセット基盤31の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット32、遊技機枠側の制御を行う払出制御基板103が取り付けられている。また、遊技盤50の背面側においては、遊技全体を統括制御するメイン基板(主制御基板)102や、メイン基板102からの制御コマンドに基づいて演出制御を実行するサブ基板104が、セット基盤31の開口に対応する位置関係で設けられている。
【0024】
セット基盤31においては、上述の開口の上部に賞球タンク33が設けられている。この賞球タンク33は、島設備から供給されて賞球となる遊技球を貯留する。さらに、賞球タンク33の下方には、賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36が設けられている。
【0025】
払出ユニット35は、賞球通路34と連絡し賞球タンク33内に貯留された球を1球単位で下方に排出可能である。さらに、賞球排出通路36は、払出ユニット35から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿18又は下球皿19)に案内する。
【0026】
前述の電源ユニット32は、
図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の左下の部位に設けられている。そして、電源ユニット32は、遊技機外部から供給される交流電源を、遊技機中において使用する各種の電圧に変換して、払出制御基板103、メイン基板102、サブ基板104等へ供給する。また、電源ユニット32には、傾倒スイッチである電源スイッチ40が設けられている。
【0027】
前述の払出制御基板103は、
図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の右下の部位に配置されている。そして、払出制御基板103は、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット35を制御する払出制御機能を有している。また、払出制御基板103は、発射ハンドル20(
図1参照)の操作量に応じた強度で遊技球を遊技領域に発射するよう、発射装置43を制御する発射制御機能も備えている。
【0028】
前述のメイン基板102は、遊技盤50の背面側における中央下部に配置されており、主に、各種の抽選機能や、払出制御基板103及びサブ基板104に対する制御機能などのように、ぱちんこ遊技機10における中心的な処理機能を備えている。前述のサブ基板104は、遊技盤50の背面側における中央上部に配置されており、主に、後述する各種の演出を制御するための機能を備えている。
【0029】
前述のサブ基板104については、演出制御の主体的な機能を担う主サブ基板(本実施例ではサブメイン基板301)と、画像作成などの特定の演出機能に特化した副サブ基板(本実施例ではサブサブ基板302)とに分かれているが、「サブ基板」の用語はこれらを包含したものである。また、セット基盤31の背面側における右上部には、メイン基板102や払出制御基板103等からの信号をぱちんこ遊技機10の外部の機器へ中継する外部中継端子基板46が設けられている。
<遊技盤の盤面構成>
【0030】
次に、前述の遊技盤50や、遊技盤50の盤面に配置された部品(盤面部品)について説明する。本実施例においては、遊技盤50は、透明な樹脂材質(例えば透明アクリル樹脂など)からなる複数の部品により構成されている。また、遊技盤50は、板状に形成されており、遊技球を遊技盤50の裏側に導く遊技球通路や、所定の空間などを有している。そして、遊技盤50は、各種の盤面部品が装着された板面を前方に向けた状態で、遊技機枠11の前枠13に装着されており、閉鎖状態にあるガラス扉15等により、その前方を覆われるようになっている。さらに、遊技盤50の前面側においては、湾曲した帯状に成形された内レールや外レールを組み合せて遊技領域52が区画形成されている。
【0031】
図1中に示すように、遊技領域52には、第1始動入賞口62と第2始動入賞口63、第1大入賞口91と第2大入賞口92、左作動口68aと右作動口68b、複数の一般入賞口72、及び、アウト口58等が備えられている。さらに、遊技領域52には、演出のための表示を行うことが可能な液晶表示装置からなる演出表示装置60や、この演出表示装置60の周辺を装飾するセンター飾り64等が備えられている。
【0032】
また、遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や、風車などの機構が備えられている。さらに、遊技盤50の、遊技領域52の左下の外部には、主制御表示装置53が設けられている。なお、この主制御表示装置53の具体的な構成や機能については後述する。また、遊技盤50の上述のような盤面構成は、例えば、ぱちんこ遊技機10に採用されたゲーム性等に応じて種々に異なり得るものである。そして、盤面構成に係る他の実施例については後述する。
<盤面部品の機能>
【0033】
続いて、上述した個々の盤面部品に係る具体的な機能や構成について説明する。先ず、前述の第1始動入賞口62は、第1遊技に係る始動入賞口であり、遊技球の入口を常時開き、且つ、遊技球の入口の大きさを変化させないタイプのものである。さらに、第1始動入賞口62は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出する第1始動入賞検出装置74(センサ)を有しており、このセンサの出力信号は、前述のメイン基板102に入力されている。
【0034】
前述の第2始動入賞口63は、第2遊技に係る始動入賞口である。第2始動入賞口63は、普通電動役物(所謂「電動チューリップ」或いは「電チュー」)となっており、後述する普通図柄が当りの態様で停止表示された場合に、開放動作する羽根(開閉羽根)を備えている。そして、第2始動入賞口63が、普通電動役物の作動に基づき、開閉羽根を所定時間に亘り開放動作させて拡開することにより、遊技球の第2始動入賞口63への入球が可能となる。
【0035】
さらに、第2始動入賞口63は、
図3中に示すように、第2始動入賞検出装置75(センサ)と、上述の開閉羽根を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76とを備えている。第2始動入賞検出装置75の出力信号は、メイン基板102に入力されている。
【0036】
また、本実施例では、第2始動入賞口63を開放する態様として、複数種類が設けられている。そして、これらの開放態様には、比較的短時間(例えば0.2秒程度)の態様(「ショート開放」や「短開放」などと称する)や、比較的長時間(例えば5秒程度)の態様(「ロング開放」や「長開放」などと称する)などがある。また、ショート開放とロング開放の間の開放時間に設定されたミドル開放の態様を設けることも可能である。そして、第2始動入賞口63に係る各種の開放態様については後述する。
【0037】
前述の一般入賞口72は、
図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(センサ)を備えている。一般入賞検出装置73は、の出力信号はメイン基板102に入力されている。
【0038】
そして、一般入賞検出装置73を複数の一般入賞口72で共用する場合には、複数の一般入賞口72入球した遊技球を、一般入賞検出装置73が配置された箇所に集合させて、検出することが可能である。また、複数の一般入賞口72について、位置関係毎に、または賞球個数毎にグループ化(一般入賞検出装置73の共用)することも可能である。なお、賞球の払出しに係る具体的な態様については後述する。
【0039】
前述の第1大入賞口91は、横長の長方形状に形成された開口を有している。さらに、第1大入賞口91は、上述の開口を開閉するための第1開閉扉(図示略)を備えている。そして、第1大入賞口91は所定の当りが発生した場合に、所定の態様で開放動作を行う。
【0040】
また、第1大入賞口91は、
図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための第1大入賞検出装置78や、上述の第1開閉扉を開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド80を備えている。これらのうち、第1大入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
【0041】
前述の第2大入賞口92は、横長の長方形状に形成された開口を有している。さらに、第2大入賞口92は、上述の開口を開閉するための第2開閉扉(図示略)を備えている。そして、第2大入賞口92は、所定の当りが発生した場合に、所定の態様で開放動作を行う。
【0042】
また、第2大入賞口92は、
図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための第2大入賞検出装置79や、上述の第2開閉扉を開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド81を備えている。これらのうち、第2大入賞検出装置79は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
【0043】
なお、本実施例においては、第1大入賞口91、第2大入賞口92の前方に装飾板91b、92bが各々設けられている。この装飾板91b、92bには、第1開閉扉、第2開閉扉、第1大入賞口91、及び、第2大入賞口92を遊技者が視認できるように透明な材質が採用されている。また、各装飾板に、遊技領域52を装飾するための文字や図形などを描いてもよいが、この場合にも、文字や図形など、第1大入賞口91や第2大入賞口92に進入した遊技球の視認を妨げない程度ものとすることが望ましい。
【0044】
前述の左作動口68aは、
図3中に示すように、左通過検出装置69aを備えており、右作動口68bは、右通過検出装置69bを備えている。さらに、これらの通過検出装置69a、69bは、対応する作動口68a、68bにおける遊技球の通過を検出するセンサを有している。そして、各通過検出装置69a、69bにおけるセンサの出力信号は、メイン基板102に入力されており、各通過検出装置69a、69bは、入球の有無に応じて、センサの出力信号を変化させる。
【0045】
前述のセンター飾り64は、演出の機能等を有しており、センター飾り64の内部には、多数のチップ型LEDが実装されたLED基板が設けられている。そして、センター飾り64のLEDを駆動することで、LEDの光がセンター飾り64を透過し、センター飾り64が光装飾を行うようになっている。
【0046】
また、センター飾り64には、可動演出部材93、94等が設けられており、これらの可動演出部材93、94が、演出用のギミックを構成している。さらに、センター飾り64の、正面から見て右側の部位には遊技球通路部65が形成されており、センター飾り64は、上述のような演出機能のほかに、遊技球の流路の機能を有している。
【0047】
前述の主制御表示装置53は、
図6(a)に示すように、図柄表示基板(メイン図柄表示基板)256上に、7セグメント表示体やLED表示灯を多数配置したものである。この主制御表示装置53には、前述の普通図柄を表示する普通図柄表示部59、第1遊技に対応する第1特別図柄(後述する)を表示する第1特別図柄表示部70、第2遊技に対応する第2特別図柄(後述する)を表示する第2特別図柄表示部71、及び、その他の各種表示部が形成されている。なお、上述の普通図柄表示部59は普通図柄表示装置を構成している。また、第1特別図柄表示部70は第1特別図柄表示装置を構成しており、第2特別図柄表示部71は第2特別図柄表示装置を構成している。また、主制御表示装置53に形成された各表示部の詳細については後述する。
【0048】
また、以下では、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「第1特図」や「特
図1」、第2特別図柄を「第2特図」や「特
図2」などと称する場合がある。さらに、第1特別図柄については「特別図柄1」や「図柄1」などと称し、第2特別図柄については「特別図柄2」や「図柄2」などと称する場合がある。
<基本的な遊技手順>
【0049】
続いて、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技手順について説明する。先ず、前述の上球皿18に遊技球が供給された状況で、遊技者が、前述の発射ハンドル20を操作して回動させると、その回動角度に応じた強度で、上球皿18に貯留された遊技球が1球ずつ所定間隔で発射される。そして、遊技球は、前述の内レールと外レールにより案内され、遊技領域52の上部に達し、内レールと外レールとの間から遊技領域52へ放出される。
【0050】
通常の遊技においては、遊技者は、遊技球が遊技領域52の左側で流下するように発射を行い、遊技領域52の下方中央部に位置する第1始動入賞口62を狙う。このような遊技領域52の左側を主に使用する発射の態様は、所謂左打ちと呼ばれる。また、遊技球の発射は、遊技者が発射ハンドル20を操作している間、前述の発射装置43により、所定の時間間隔(例えば1分間に100発を超えない程度の間隔)で繰り返される。そして、遊技領域52に連続して放出された遊技球は、複数の遊技釘や風車などに干渉しながら、その速度や入射角度(又は反射角度)等の要因に応じた方向へ落下する。
【0051】
遊技球が、前述の一般入賞口72や第1始動入賞口62などの各種の入賞口へ落入すると、入球が検出され、遊技球の払出制御が行われる。そして、入球した入賞口の種類に応じて、所定数の遊技球が、前述の払出ユニット35を介し、賞球として上球皿18に払出される。また、上球皿18が多くの遊技球により満たされ、払出された後続の遊技球が上球皿18に進入できない場合には、これらの遊技球は、溢れ球として下球皿19に導かれる。
【0052】
また、各種の入賞口に落入した遊技球はセーフ球となり、遊技盤50の表面側から裏面側に案内される。また、セーフ球とならなかった遊技球は、遊技領域52の下端部に達してアウト口58に落入し、遊技盤50の裏面側に案内される。そして、遊技盤50の裏面側に達した遊技球は、所定の案内樋やセット基盤31内の遊技球通路を通って下方に導かれ、ぱちんこ遊技機10から、前述の島設備の側へ向けて排出される。
【0053】
前述の左作動口68aと右作動口68bは、上述のセーフ球を発生させる入賞口と異なり、遊技球が通過するゲートとなっている。なお、以下では左作動口68a及び右作動口68bを含めて「入賞口」とし、本実施例における「落入」、「入球」、「入賞」の用語は、ゲートに係る「通過」の意味を含むものとする。
【0054】
遊技球が、作動口(ここでは左作動口68a又は右作動口68b)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(普図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、普通図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される普通図柄は、作動口への入球に基づき実行される乱数抽選(普図抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
【0055】
遊技球が、始動口(ここでは第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(特図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、特別図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される特別図柄は、始動口への入球に基づき実行される乱数抽選(大当り抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
【0056】
前述の演出表示装置60においては、特別図柄に係る演出表示が行われる。この演出表示は、特別図柄が変動表示中であるか、停止表示中であるか、といった違いや、特別図柄の停止表示態様が大当りのものであるか、はずれのものであるか、といった違いに関係して、予め定められた各種の態様の演出を行うものである。
【0057】
特別遊技においては、第1大入賞口91又は第2大入賞口92が開放される単位遊技が複数回繰り返される。さらに、特別遊技には、単位遊技が最大回数に亘り繰り返されるものと、単位遊技が最大回数よりも少ない回数に亘り繰り返されるものとがある。最大回数としては、16回(16R(ラウンド))などを例示でき、最大回数よりも少ない回数としては、4回(4R)などを例示できる。
【0058】
各単位遊技においては、対応する大入賞口(第1大入賞口91又は第2大入賞口92)において、所定数(例えば9個)の遊技球が検出された場合、又は、開放して所定時間(例えば約30秒)が経過した場合に、終了条件が成立して、対応する大入賞口が閉鎖される。
【0059】
さらに、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、上述のように、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数(ここでは2つ)混在するゲーム性が採用されている。つまり、本実施例においては、上述の複数の遊技を、第1始動入賞口62が使用される第1遊技と、第2始動入賞口63が使用される第2遊技とに分けることができる。そして、第2遊技が第1遊技よりも優先されており、第1遊技と第2遊技とが同時に実行されないようになっている。
【0060】
また、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述の大当り抽選の結果に応じて、特別遊技の終了後に、特定遊技が実行される場合がある。この特定遊技は、前述の特別遊技とは別な態様で、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態となるものである。本実施例においては、特定遊技として、確率変動遊技(以下「確変」と称する)、変動時間短縮遊技(以下「時短」と称する)、及び、入球容易化遊技が設けられている。
【0061】
特定遊技が実行される場合には、演出表示装置60の画像や音声などによって右打ちを促す演出が実行される。そして、遊技者が、発射ハンドル20の回動量を時計回りに増やして発射力を強め、遊技球を遊技領域52の右側の領域に向けて発射すると、センター飾り64の上方を通った遊技球が、センター飾り64の遊技球通路部65に進入し、センター飾り64を流下する。さらに、センター飾り64から放出された遊技球は、複数の遊技釘や他の構造物に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。
【0062】
センター飾り64から放出された多数の遊技球のうちの一部は、右作動口68b(
図1参照)を通過して右通過検出装置69b(
図3参照)により検出される。そして、前述のように、右作動口68bを遊技球が通過すると、所定時間、前述の普通図柄が主制御表示装置53(
図6(a)参照)で変動表示され、普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物が所定時間拡開する。
【0063】
本実施例においては、遊技領域52の右側に達した遊技球を、釘等によって、第2始動入賞口63や第2大入賞口92の周辺に導くことが可能となっており、第2始動入賞口63の普通電動役物が1回拡開した際に、1個、または複数個の遊技球が第2始動入賞口63に入球し得るようになっている。さらに、本実施例では、特定遊技中には時短が付加されるようになっており、時短中は、普通電動役物の開放延長が行われ、前述のロング開放が実行され易くなる。
【0064】
なお、大当りが発生して特別遊技が実行される際には、第1大入賞口91や第2大入賞口92が開放するが、この特別遊技中に、遊技者に対して右打ちを行わせることが可能である。そして、この場合には、特別遊技の開始前に、演出表示装置60の画像や音声などによって、遊技者に右打ちを促す演出を実行することが考えられる。
<大当りの種類>
【0065】
次に、上述の第1遊技及び第2遊技における大当りの種類について説明する。先ず、本実施例では、大当りとして、前述の単位遊技を16回繰り返す大当り(以下、適宜「16R大当り」とも称する)や、単位遊技を4回繰り返す大当り(以下、適宜「4R大当り」とも称する)が設けられている。なお、これらの大当りの抽選態様については後述する。
【0066】
上述の単位遊技は、特別遊技において、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)の開放に伴って開始され、所定時間(例えば約30秒)が経過した場合や、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)に所定個数(例えば9個以上)の遊技球が落入した場合に終了し、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)を閉鎖する。このような単位遊技を繰り返す特別遊技は、遊技者に遊技球を獲得させることを目的とする所謂出球あり当りに伴う遊技を基本としている。さらに、各種の大当りのうち、16R大当りや4R大当りなどは、遊技者に相対的に多くの遊技球を獲得させようとするものである。
【0067】
しかし、これに限定されず、大当りの1部の種類として、例えば16R大当りや16R大当りの一部に、確変にならないもの(16R通常や4R通常)を設けることが可能である。また、例えば、16R大当りであっても、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)の開放期間が短く、実質的に4R大当りと同じ程度の出球しか獲得できないといったもの(16R確変(実4R))を設けたり、4R大当りであっても、出球の獲得がほとんどできないといったもの(4R出球無し)を設けたりすることが可能である。
【0068】
また、本実施例では、前述の確変や時短等といった特定遊技状態は、全ての大当りについて発生するようになっている。このため、本実施例における16R大当りは、全てが、確変を伴う16R大当り(以下「16R確変」と称する)であり、4R大当りは、全てが、確変を伴う4R大当り(以下「4R確変」と称する)である。
【0069】
しかし、大当りと、確変や時短等との組合せについては、本実施例のものに限定されず、種々の組合せを採用することが可能である。例えば、確変、時短、及び、入球容易化遊技といった特典機能のうち、少なくとも1部を付与しない大当りを設けることが可能である。より具体的には、確変のみが伴う大当りや、時短のみが伴う大当りを設けることが考えられる。さらに、確変の継続期間の相違や、時短の継続期間の相違によって、大当りの種類を異ならせることも可能である。また、時短中に電チューサポートを併せて実行する場合は、「時短の継続期間」は、「電チューサポートの継続期間」と言い換えることができる。さらに、時短と電チューサポートのうち、電チューサポートのみを実行するといったことも考えられる。
<大当り以外の当り>
【0070】
また、本実施例では、大当り以外の当りの種類として、小当りが設けられている。第1遊技(又は第2遊技)において、この小当りが発生した場合には、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)の開放を、例えば1回行うようになっている。なお、小当りの抽選態様については後述する。
<主制御表示装置>
<<主制御表示装置の構成>>
【0071】
次に、前述の主制御表示装置53について、
図6に基づき説明する。主制御表示装置53は、図柄表示基板256に、セグメント表示体や多数のLED表示灯を配置し、各種の表示体の前方に透明板を重ねて構成されている。さらに、
図6(a)に示すように主制御表示装置53は、図柄表示基板256の、正面から見て左上の部位に、左から順に、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、主制御エラー表示灯233を有している。
【0072】
第1状態表示灯231は、直線状の2つのLEDセグメントを、一列に並べて、数字の「1」の形態のデジットを構成するものである。第2状態表示灯232は、直線状の7つのLEDセグメントを組み合せて、数字の「8」の形態のデジットを構成するものである。さらに、主制御エラー表示灯233は、第2状態表示灯232の右下に付設された真円状の主制御エラー表示灯用ドットにより構成されるものである。
【0073】
上述の第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232は、各セグメントのLEDを選択的に点灯させることで、0〜19の数字、アルファベット文字、ハイフンやその他の記号などの表示が可能となっている。さらに、LEDを点滅させることや、点滅のパターンを異ならせることで、より多様な情報の表示が可能となっている。そして、第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232は、例えば、前述の第1遊技又は第2遊技において大当りが発生し、特別遊技が実行される場合におけるラウンド数の表示などに用いられる。また、主制御エラー表示灯233は、例えば、エラーに係る表示などに用いることが可能となっている。
【0074】
さらに、
図6(a)中に示すように、図柄表示基板256には、上から順に2個、4個、10個、10個のLED表示灯が横に所定ピッチで並べられている。そして、これらの合計で26個のLED表示灯は、図柄表示基板256上において、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、主制御エラー表示灯233が配置された部位に対する残りの部位に、整然と並べられている。ここで、
図6(a)では、説明の便宜上、合計26個のLED表示灯上にA〜Zの符号を記載している。そして、以下の説明では、
図6(a)中に付されたA〜Zの符号によって、各LED表示灯を区別する場合がある。
【0075】
これらのLED表示灯A〜Zも、点灯の有無や点滅パターンに応じて所定の情報の表示を行えるようになっている。
図6(b)には、
図6(a)に示すLED表示灯A〜Zと名称との関係を示している。これらのうち、LED表示灯A〜Cは、後述する普通図柄に係る普通図柄記憶表示用第1LED、普通図柄記憶表示用第2LED、普通図柄表示LEDである。また、LED表示灯D、Eは、第3状態表示灯、第4状態表示灯であり、LED表示灯Fは、前述の右打ちを行うべき場合に例えば点灯する右打ち指示灯である。これらのうち、第3状態表示灯(D)は、特別図柄に係る確率変動機能の作動状態の表示に用いられ、第4状態表示灯(E)は、普通図柄に係る確率変動機能の作動状態の表示に用いられる。
【0076】
さらに、LED表示灯G〜Nの8個は、第1特別図柄表示部70を構成しており、LED表示灯O、Pは、それぞれ第1特別図柄記憶表示用第1LED、第1特別図柄記憶表示用第2LEDである。また、LED表示灯Q〜Xの8個は、第2特別図柄表示部71を構成しており、LED表示灯Y、Zは、それぞれ第2特別図柄記憶表示用第1LED、第2特別図柄記憶表示用第2LEDである。なお、
図6(a)中においては、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71に符号を付すため、それぞれのLED表示灯を波括弧の記号により括って示している。
【0077】
上述の普通図柄表示部59は、1つのLED表示灯Cにより構成されており、このLED表示灯Cの動作態様により、普通図柄の変動表示及び停止表示を行うようになっている。なお、普通図柄表示部59の動作としては、点灯及び点滅の相違や、点滅周期の相違などとにより、多数(例えば3以上)の種類の情報を区別して表示することが可能である。なお、普通図柄の停止表示に係る明確性の観点からは、点灯又は消灯により、普通図柄に係る抽選結果を表示することが望ましい。このため、普通図柄表示部59を構成するLED表示灯の数を例えば2個以上とし、点灯と消灯との組み合せによって、普通図柄の停止図柄を表すようにしてもよい。
【0078】
前述の第1特別図柄表示部70は、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯G〜Nの動作態様によって、第1遊技に係る第1特別図柄の変動表示及び停止表示が可能となっている。この第1特別図柄表示部70による第1特別図柄は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技が実行される。なお、第1特別図柄表示部70は、第1特別図柄の停止表示の際には、各LED表示灯G〜Nの点灯と消灯との組み合せによって、最大で256(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
【0079】
前述の第2特別図柄表示部71についても同様に、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯Q〜Xの動作態様によって、最大で256(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
【0080】
このような構成の主制御表示装置53は、
図3中に示すように、前述のメイン基板102に電気的に接続されている。そして、主制御表示装置53における各種の表示部は、メイン基板102によって制御される。なお、
図3中では、主制御表示装置53における各種の表示部のうち、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71のみを示している。
<<主制御表示装置の機能>>
【0081】
前述の作動口(左作動口68a又は右作動口68b)を遊技球が通過すると、普通図柄表示部59が点滅し、普通図柄の変動表示が実行される。そして、普通図柄の変動表示が開始されてから所定の変動時間(普図変動時間)が経過すると、普通図柄が停止表示される。そして、普通図柄が、はずれの態様(はずれ態様)で表示された場合には、所定の停止時間(普図停止固定時間)の経過の後、後続の作動口への入球があれば、普通図柄に係る次の変動表示が開始される。また、普通図柄が、所定の当りの態様(当り態様)で停止表示された場合には、はずれの場合と同様に次回の変動表示へ移行する一方で、先に停止表示された普通図柄の当り態様に応じて、第2始動入賞口63が所定時間の開放動作を行う。
【0082】
また、LED表示灯A、Bである普通図柄記憶表示用第1LEDと普通図柄記憶表示用第2LEDは、2個で1組となっており、2つのLEDの消灯と点灯、点滅の組合せにより、0〜4の数値を表示できるようになっている。
【0083】
この普図抽選に係る保留数は、普通図柄の変動中に左作動口68a(又は右作動口68b)を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動表示がまだ実行されていない普図柄抽選の回数を示している。すなわち、先に行われている図柄変動が終了していない場合には変動開始条件が成立していないこととなり、当該図柄変動が終了すると変動開始条件が成立し、保留記憶されていた抽選結果(保留抽選結果)に基づき、新たな図柄変動が開始されることとなる。そして、保留数の上限は4個であり、保留記憶は4個を超えて行われることがないようになっている。
【0084】
普通図柄記憶表示用第1LED(A)及び普通図柄記憶表示用第2LED(B)による、0〜4の数値の表示は、例えば、保留数が0の場合(保留がない)場合は両方を消灯し、保留数が1の場合は何れか一方を点灯して他方を消灯するといった態様で行うことが可能である。また、保留数が2の場合は両方を点灯し、保留数が3の場合は何れか一方を点灯して他方を点滅させ、保留数が4の場合は両方を点滅させる、といった態様で保留数の表示を行うことが可能である。
【0085】
前述の第1特別図柄表示部70による第1特別図柄の保留数の表示については、第1特別図柄記憶表示用第1LED(O)と第1特別図柄記憶表示用第2LED(P)の2個を1組として、0〜4の数値を表示することにより行われる。第2特別図柄表示部71による第2特別図柄の保留数の表示については、第2特別図柄記憶表示用第1LED(Y)と第2特別図柄記憶表示用第2LED(Z)の2個を1組として、0〜4の数値を表示することにより行われる。
【0086】
第1特別図柄記憶表示用第1LED(O)及び第1特別図柄記憶表示用第2LED(P)、又は、第2特別図柄記憶表示用第1LED(Y)と第2特別図柄記憶表示用第2LED(Z)による、0〜4の数値の表示は、例えば、前述の普通図柄記憶表示用第1LED(A)と普通図柄記憶表示用第2LED(B)の場合と同様の態様で保留数の表示を行うことが可能である。
【0087】
なお、前述の右打ちを行うべき遊技状況となった場合には、主制御表示装置53(
図6(a)参照)の右打ち指示灯Fを用いた所定態様での表示が行われる。本実施例では、右打ち指示灯Fは、左打ちすべき遊技状況である左打ち時には消灯し、右打ちすべき遊技状況である右打ち時には点灯するよう設定されている。
<演出表示装置の構成と基本的な表示内容>
【0088】
続いて、前述の演出表示装置60の構成と、演出表示装置60の基本的な表示例について説明する。本実施例では、演出表示装置60として、大型(例えば15インチ程度)な液晶ディスプレイが用いられている。この演出表示装置60の表示領域194には、前述の主制御表示装置53で表示される第1特別図柄又は第2特別図柄についての演出表示や、ストーリー表示などといったその他の演出表示が行われる。なお、演出表示装置60においては多様な画像の表示が行われるが、ここでは、第1特別図柄又は第2特別図柄に直接的に関係する基本的な演出表示について説明する。
【0089】
前述のように、主制御表示装置53において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置60において、
図7(a)、(b)に示すように、演出図柄190の変動表示が実行される。本実施例においては、演出図柄190は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cにより構成されている。
【0090】
さらに、本実施例において演出図柄190は、数字の「1」から「9」の記号の意味を有する9種類の要素図柄(記号要素演出図柄)を有している。なお、上述の要素図柄の詳細については後述する。
【0091】
主制御表示装置53における第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に伴い、演出表示装置60において、上述の演出図柄190が変動表示される(
図7(a)参照)。演出図柄の変動表示は、本実施例においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に縦方向に移動(縦スクロール)させ、上述の要素図柄を順次表示領域194中に登場させることにより実行される。
【0092】
また、演出図柄190は、変動表示の途中段階として、所謂「リーチ」の組合せを構成する場合がある。この「リーチ」においては、演出図柄190のうち、2つの演出図柄(ここでは左演出図柄190aと右演出図柄190c)が、例えば「7」と「7」などの同じ数字の図柄、同じ意味、或いは、所定の関係を持った図柄で組合せを構成する。さらに、この「リーチ」においては、リーチの組合せを構成した演出図柄190a、190c以外の、残りの1図柄(ここでは中演出図柄190b)が、他の演出図柄との組合せを構成できない変動中となっている。
【0093】
なお、演出図柄190の表示態様としては、多種類の「リーチ」や、その他の種々のものを採用できるが、各種の表示態様の詳細については後述する。また、演出表示装置60においては、演出図柄190による演出以外にも種々の演出が行われるが、それらの詳細については後述する。
【0094】
また、本実施例では、演出表示装置60は液晶ディスプレイを用いたものとなっているが、これに限らず、例えば、機械式のドラム体やLED表示体といった他の種類の表示体を用いたものであってもよい。さらに、演出表示装置60は、1つの表示体のみを備えたものに限らず、複数の表示体の組合せにより構成されるものであってもよい。
【0095】
さらに、このような付加的な表示体を可動演出部材として備え、付加的な表示体によるギミックを構成することも可能である。そして、通常は、付加的な表示体を、演出表示装置60の表示領域194の視認の障害とならないように、表示領域194の外側に避けて配置しておき、所定の演出パターンが実行される場合に、付加的な表示体が、表示領域194の前方に現れるようにすることが考えられる。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成>
【0096】
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10における電気的構成について説明するが、ここでは電気的構成のうちの主要なものを抽出して説明する。先ず、ぱちんこ遊技機10には、
図4に示すように、電源基板251、払出制御基板103、メイン基板102、及びサブメイン基板301等が備えられている。これらのうち電源基板251には、上述の払出制御基板103等が接続されており、払出制御基板103には、メイン基板102、発射装置43、及び、遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)などが接続されている。また、メイン基板102には、前述の主制御表示装置53や、サブメイン基板301が接続されており、サブメイン基板301には、前述のサブサブ基板302が接続されている。
【0097】
上述の各種構成のうちの電源基板251は、前述の電源ユニット32(
図2参照)に備えられているものである。また、払出制御基板103には、図示を省略するが、エラーの種別の表示などに用いられる状態表示部や、球貸しに係る金銭処理や球貸処理を実行するカードユニットなども接続されている。さらに、上述の遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)には、球貨操作に用いられる球貨操作基板等が接続される。また、上述の発射装置43には、発射ハンドル20(
図1参照)に備えられたタッチスイッチ(図示略)や発射停止スイッチ(図示略)等が接続されている。
【0098】
メイン基板102には、図示を省略した各種の遊技盤接続基板を介して、
図3に示すように、主制御表示装置53、各通過検出装置69a、69b、普通電動役物ソレノイド76、第1始動入賞検出装置74、第2始動入賞検出装置75、一般入賞検出装置73、第1大入賞検出装置78、第2大入賞検出装置79、第1大入賞口ソレノイド80、第2大入賞口ソレノイド81、及び、磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。
【0099】
サブメイン基板301には、図示を省略した各種の中継基板を介して、演出用の各機器が接続されている。演出用の各機器としては、センター飾り64における各種電飾用のLED基板、可動演出部材93、94の各種の可動体モータ、遊技機枠11における電飾用のLED基板、遊技機枠11に備えられた演出用の枠モータ等を例示できる。ここで、遊技機枠11における電飾としては、前述のガラス扉15で行われるもののほか、皿ユニット16で行われるものや、操作ボタン22が備えられたボタン装置において行われるものなどを例示できる。また、上述の枠モータは、遊技機枠11に備えられた可動演出部材(図示略)の駆動に用いられるものである。
【0100】
サブサブ基板302には、
図4中に示すように、前述の演出表示装置60に備えられた液晶ユニット42や、各種スピーカ21などが接続されている。なお、各種スピーカ21を、上述のサブメイン基板301に接続するようにしてもよい。
【0101】
続いて、メイン基板102、及び、払出制御基板103の構成について説明する。
図4に示すように、メイン基板102には、CPU(メインCPU)501、ROM(メインROM)502、RWM503が搭載されている。これらのうち、CPU501としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。なお、本実施例で説明する「ROM」や「RWM」は、CPUデバイスに内蔵されたもの、及び、CPUデバイスに対して外付けされたものの両方を含む包括的な概念のものである。
【0102】
さらに、図示は省略するが、メイン基板102に搭載されたCPUデバイス内には、CPU501のほかに、制御用クロック生成回路、乱数用クロック生成回路、16ビット乱数用の乱数回路、8ビットの乱数用の乱数回路等が備えられている。これらのうち16ビット乱数用の乱数回路、及び、8ビットの乱数用の乱数回路は、内蔵乱数であるハードウェア乱数を発生させるためのものである。
【0103】
また、メイン基板102には、メイン基板102の外部の機器との間でデータの入出力を行う入出力ポート505が搭載されている。さらに、メイン基板102には、図示は省略するが、割込回路やタイマ回路などの各種回路部が形成されている。
【0104】
上述のROM502は、CPU501が遊技に係る処理を行うための遊技プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM503は、CPU501による遊技プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
【0105】
続いて、払出制御基板103には、CPU(払出CPU)511、ROM(払出ROM)512、RWM513が搭載されている。これらのうち、CPU511としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。また、ROM512は、CPU511が払出しに係る処理を行うための払出用プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM513は、CPU501による払出プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
【0106】
前述のサブメイン基板301は、CPU(サブメインCPU)521と、ROM(サブメインROM)522と、ワークRWM523と、入力ポート527と、出力ポート528、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、及び、出力ポート528などが接続されている。
【0107】
サブメイン基板301のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用の演出制御コマンド(指令)に基づいて演出表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
【0108】
なお、前述のメイン基板102とサブメイン基板301の間におけるデータの送受信は、メイン基板102からサブメイン基板301への一方向通信(片方向通信)の態様で行われる。したがって、メイン基板102が保有する情報は、メイン基板102がサブメイン基板301へ送信しない限り、サブメイン基板301で参照することはできない。
【0109】
前述のサブサブ基板302は、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533、サウンドROM534、キャラクタROM535、画像コントローラ(VDP)536、音制御回路537、入力ポート538、出力ポート539、及び、バスライン(図示略)などを備えている。さらに、画像コントローラ(VDP)536は、ビデオメモリ540を備えている。そして、入力ポート538の入力側にはサブメイン基板301の出力側が接続され、入力ポート538の出力側には、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533等の各機器が接続されている。
【0110】
上述のビデオメモリ540は、演出表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオメモリ540における画像データの内容を書き替えることにより、演出表示装置60の表示内容(フレーム画像)が変更される。キャラクタROM535は、演出表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ536は、CPU531、ビデオメモリ540、出力ポート539のそれぞれの動作タイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオメモリ540に記憶される表示データを、キャラクタROM535から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出表示装置60に表示させる。
<電源供給とデータバックアップ>
【0111】
前述の電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、初期化スイッチ544を有する初期化スイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板103等に対して、各種スイッチ、モータ、ロジック回路等を駆動するための所定量の電圧を、メイン基板102や払出制御基板103、及び、その他の所定の機器に対して供給する。
【0112】
初期化スイッチ回路部543は、電源投入時に初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板103へ、バックアップデータをクリアするための初期化信号を出力する回路を備えている。
【0113】
上述のように、メイン基板102におけるRWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。このバックアップエリア503aは、停電(瞬間的な電圧降下による停電である所謂瞬停を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、メイン基板102等の状態が、バックアップエリア503aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
【0114】
また、払出制御基板103におけるRWM513についても、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後において、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。
【0115】
前述のメイン基板102には、上述のような停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部506が設けられている。停電監視回路部506は、電源基板251の電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が所定電圧未満になった場合に、停電(電源遮断)の発生を検知して、上述の電断信号を出力する。このような電断信号の入力に基づき、メイン基板102のCPU501、及び、払出制御基板103のCPU511は、所定の電源断処理を実行する。
【0116】
次に、メイン基板102における基本的な機能について説明する。本実施例のメイン基板102は、前述した各構成(
図4参照)の働きにより、例えば、入球判定、抽選、コマンド送信などの各種の機能を果たす。
【0117】
図5中には、メイン基板102、サブメイン基板301、及び、サブサブ基板302の各々における代表的な機能的手段を示している。これらのうち、メイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段111、第2抽選手段112、普図抽選手段113、保留制御手段114、メイン表示制御手段115、特別遊技制御手段116、特定遊技制御手段117、開閉制御手段118、事前情報通知手段119、メインコマンド送信手段120等を備えている。そして、メイン基板102は、これらの機能的手段により、以下に順に説明するように、特別図柄に関する抽選、普通図柄に関する抽選、保留制御、主制御表示、特別遊技、特定遊技、開閉制御、事前情報通知等を実行する。
【0118】
上述の入球判定手段110は、各入賞口(各作動口、各種始動入賞口、各種大入賞口、一般入賞口など)への遊技球の入球を各入賞口に設けられたセンサ類から出力される信号をもとに判定する。
<<特別図柄に係る当否抽選機能>>
【0119】
前述の第1抽選手段111は、第1始動入賞口62への入球に基づき第1抽選を実行する。第1抽選手段111は、第1抽選値取得手段121、第1当否判定手段122、第1図柄決定手段123、第1パターン決定手段124の機能を有している。第1抽選の結果は、前述の主制御表示装置53(
図6(a)参照)の第1特別図柄表示部70において、停止表示された第1特別図柄により表される。
【0120】
同様に、前述の第2抽選手段112は、第2始動入賞口63への入球に基づき第2の抽選を実行する。第2抽選手段112は、第2抽選値取得手段125、第2当否判定手段126、第2図柄決定手段127、第2パターン決定手段128の機能を有している。第2の抽選の結果は、前述の主制御表示装置53の第2特別図柄表示部71において、停止表示された第2特別図柄により表される。
【0121】
前述の第1抽選手段111に備えられた第1抽選値取得手段121は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1抽選に係る大当り乱数の値を、第1当否抽選値として取得する。また、前述の第2抽選手段112に備えられた第2抽選値取得手段125は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2抽選に係る大当り乱数の値を、第2当否抽選値として取得する。
【0122】
なお、本実施例では、第1当否抽選値として取得される大当り乱数、及び、第2当否抽選値として取得される大当り乱数は、ハードウェア乱数(ハード乱数)とソフトウェア乱数(ソフト乱数)とを用いた演算(加算)により生成されている。ハードウェア乱数としては、例えば16ビット用の乱数回路で生成される内蔵乱数を利用し、ソフトウェア乱数としては、ソフトウェアにおける乱数生成プログラムにより割込毎に更新される値を利用する。なお、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数のうちのいずれか一方を使用するものであってもよい。
【0123】
第1抽選手段111における第1当否判定手段122は、第1当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第1当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。同様に、第2抽選手段112における第2当否判定手段126は、上述の第2当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第2当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。第1当否判定手段122及び第2当否判定手段126による当否判定では、第1当否抽選値や第2当否抽選値と、大当り抽選の抽選結果との対応を定めた当否判定テーブル(
図8(a)参照)が用いられる。ここで、
図8(a)中に示す、通常時確変時大当りとは、常に大当りとなる乱数値範囲を示すものであり、確変時大当りとは、確変時のみ大当りとなる乱数値範囲であることを示している。
【0124】
第1抽選手段111における第1図柄決定手段123や第2抽選手段112における第2図柄決定手段127は、第1特別図柄または第2特別図柄に係る大当り抽選でいずれかの大当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、大当り図柄判定テーブル(
図9参照)に基づき決定する。第1抽選用の大当り図柄判定テーブルは、図柄決定に係る乱数値(図柄乱数)である図柄抽選値と、特別図柄の種類との関係を規定している。
【0125】
ここで、図柄抽選値は、特別図柄に係る「特別図柄当り図柄乱数」や「図柄乱数」などとも称する場合がある。また、本実施例では、当たりの種類に小当りが含まれており、第1図柄決定手段123および第2図柄決定手段127は、特別図柄に係る大当り抽選で小当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、小当り図柄判定テーブル(
図9(c)参照)に基づき決定する。
【0126】
図柄抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。また、特別図柄の種類は、当りの種類に対応付けられており、取得された図柄抽選値に紐付いて、大当りの種類や小当りの有無が定まるようになっている。
【0127】
第1抽選手段111における第1パターン決定手段124や第2抽選手段112における第2パターン決定手段128は、それぞれに対応する特別図柄表示部における特別図柄の変動パターンを、特図変動パターンテーブルに基づき決定する。特図変動パターンテーブルは、多数の特図変動パターンと、特別図柄の変動パターン決定に係る乱数値(変動パターン乱数)であるパターン抽選値との関係を規定している。
【0128】
パターン抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る変動パターンは、例えば、大当り時、はずれ時、リーチの有無、時短の有無、保留数、大当り後の変動回数などといった各種の遊技状況に応じて相違した複数の特図変動パターンテーブルが設けられている。
【0129】
特別図柄に係る変動パターン(特図変動パターン)は、特別図柄の変動表示における、変動開始から停止までの時間(変動時間)を定めている。そして、特図変動パターンは、その種類によって、例えば数秒程度から数十秒度のように、長短様々な変動時間を規定している。すなわち、各特図変動パターンには、変動表示の終了条件として変動時間が定められており、前述の第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71(
図6(a)参照)においては、特別図柄の変動表示が開始されて、規定された変動時間が経過すると、特別図柄が停止表示される。
【0130】
時短時に選択対象となる特図変動パターンの多くについては、非時短時に選択対象となる特図変動パターンよりも、変動時間が短く設定されている。しかし、非時短時で、且つ、保留数が4個の場合に選択対象となり得る特図変動パターンには、時短時の特定の特図変動パターンに比べて、変動時間の短いものが含まれている。
<<普通図柄に係る各種抽選機能>>
【0131】
続いて、前述の普図抽選手段113について説明する。この普図抽選手段113は、普図抽選値取得手段129、普図当否判定手段130、普図図柄決定手段131、普図パターン決定手段132を有している。そして、普図抽選手段113は、前述の入球判定手段110により、各作動口68a、68bにおける遊技球の通過が検出されると、この検出結果に基づき、普通図柄に係る抽選(普図抽選)を実行する。
【0132】
この普図抽選においては、普図抽選値取得手段129により、普通図柄に係る乱数(普図図柄乱数)である普図抽選値が取得され、普図図柄決定手段131により、普図判定テーブルが参照される。この普図判定テーブルには、普図抽選値と、普通図柄の種類との対応関係が定められている。そして、普図当否判定手段130により、普図抽選値に紐付けられた普通図柄が、当りに該当するものであるか否かが判定され、当りに該当する場合には、当たりの種類が判定される。
【0133】
また、左作動口68a又は右作動口68bへの入球を契機に普図パターン抽選値が取得され、取得した普図パターン抽選値を用いて普図パターン決定手段132により、普通図柄に係る変動パターン(普図変動パターン)が決定される。各普図変動パターンは、普図変動パターンに係る乱数(普図変動パターン乱数)である普図パターン抽選値と対応けられており、取得された普図パターン抽選値に紐付いて、遊技の状況に応じた普図変動パターンが定まるようになっている。
【0134】
さらに、本実施例では、普通図柄に係る乱数である普図抽選値、及び、普図パターン抽選値は、ソフトウェア乱数のみを用いて作成されている。
<<特別図柄の保留に関する機能>>
【0135】
続いて、前述の保留制御手段114について説明する。保留制御手段114は、第1保留手段133、第2保留手段134、普図保留手段135を有している。これらのうち第1保留手段133は、新たに第1始動入賞口62への入球があった場合に、第1特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第1当否抽選値、第1図柄抽選値など)に係る情報(第1特図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。本実施例では、第1特別図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、第1特別図柄に係る保留が可能となっている。
【0136】
上述の入球があった際に実行されていた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が終了し、更に、上述の入球よりも前に発生した第1特別図柄又は第2特別図柄に係る保留が存在しない場合には、第1特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第1特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
【0137】
前述の第2保留手段134についても、新たに第2始動入賞口63への入球があった場合に、第2特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第2当否抽選値、第2図柄抽選値など)に係る情報を、一時的に保留記憶する。
【0138】
上述の入球があった際に実行されていた第2特別図柄の変動表示が終了した場合には、第2特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第2特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。なお、本実施例では、第2特別図柄に係る保留の上限値は、第1特別図柄と同様に4個に設定されている。
【0139】
上述の第1特別図柄、および第2特別図柄は、特別遊技を開始する図柄が停止して特別遊技に制御された場合は、特別遊技が終了した後に変動開始条件を判定する。
<<普通図柄の保留に関する機能>>
【0140】
続いて、前述の普図保留手段135について説明する。普図保留手段135は、作動口68a、68b(
図1参照)における入球があった場合に、普通図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された乱数(普図抽選値など)に係る情報(普図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。そして、変動開始条件が成立するまで、上述の入球に係る普通図柄の変動表示を許可しない。なお、本実施例では、普通図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、普通図柄に係る保留が可能となっている。
【0141】
上述の入球があった際に実行されていた普通図柄の変動表示が終了し、普通電動役物が作動していない場合に、普通図柄に係る変動開始条件が成立し、普通図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
<<主制御表示に関する機能>>
【0142】
続いて、前述のメイン表示制御手段115について説明する。メイン表示制御手段115は、第1特図制御手段136、第2特図制御手段137、普図制御手段138、保留表示制御手段139、及び、その他表示制御手段140を有している。これらのうち第1特図制御手段136は、第1抽選手段111により決定された第1特別図柄の変動パターンに従い、第1特別図柄表示部70(
図6(a)参照)で、第1特別図柄の変動表示(例えば、LED表示灯M、Nを100msec毎に点滅させる点滅表示)を行う。そして、第1特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第1特別図柄表示部70において、決定された図柄で停止表示する。
【0143】
さらに、第2特図制御手段137は、前述の第2特別図柄に係る変動開始条件が成立していれば、第2抽選手段112により決定された変動パターンに従い、第2特別図柄表示部71(
図6(a)参照)で、第2特別図柄の変動表示を行う。そして、第2特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第2特別図柄表示部71において、決定された図柄で停止表示される。
【0144】
また、普図制御手段138は、前述の普通図柄に係る変動開始条件が成立していれば、普図抽選手段113により決定された普通図柄の変動パターンに従い、普通図柄表示部59(
図6(a)参照)で、普通図柄の変動表示を行う。さらに、そして、普通図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、普通図柄表示部59において、決定された図柄で停止表示される。
【0145】
さらに、保留表示制御手段139は、前述の第1特別図柄、第2特別図柄、及び、普通図柄に係る保留数の表示を行う。そして、これらの保留数の表示は、
図6(a)に示す主制御表示装置53の、第1特別図柄記憶表示部(LED表示灯O、P)、第2特別図柄記憶表示部(LED表示灯Y、Z)、及び、普通図柄記憶表示部(LED表示灯C、D)にて行われる。また、前述のその他表示制御手段140は、上述した第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄、及び、各種保留表示以外の、主制御表示装置53における表示を制御する。
<<特別遊技に関する機能>>
【0146】
続いて、前述の特別遊技制御手段116について説明する。特別遊技制御手段116は、大当りに当せんした場合に、特別図柄が所定の大当り態様で停止されると、特別遊技作動条件が成立したと判定し、前述のように大当りの種類に応じた所定の態様で開放させる特別遊技を実行する。
<<特定遊技に関する機能>>
【0147】
続いて、前述の特定遊技制御手段117について説明する。特定遊技制御手段117は、前述の確変や時短等に係る制御を行う。特定遊技制御手段117は、大当りの種類に応じて、その特別遊技の終了後の遊技状態を、確変状態や時短状態等へ移行させる。本実施例においては、確変状態は、全ての種類の大当りに付帯しており、特別遊技後の合計の変動表示回数が所定数(例えば100回)に達するまで継続される。確変状態の間は、第1抽選手段111や第2抽選手段112による大当りの当せん確率が、非確変時である通常時よりも高い値のまま維持される。
【0148】
また、本実施例において時短状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数の合計が、特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数(例えば100回など)に達するまで継続される。さらに、時短中は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示時間が、通常状態よりも概ね短くなるよう、第1パターン決定手段124や第2パターン決定手段128が、時短用の変動パターンを選択する。
【0149】
さらに、本実施例においては、前述のように、特定遊技として入球容易化遊技が実行され、普通電動役物の作動が容易になり、第2始動入賞口の入り口に配置された開閉羽根が開放しやすくなる。開閉羽根の開閉制御は、後述する開閉制御手段118により制御される。
<<開閉制御に関する機能>>
【0150】
続いて、前述の開閉制御手段118について説明する。開閉制御手段118は、第2始動入賞口63の普通電動役物(開閉羽根)や、第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉動作を制御する。開閉制御手段118は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物を開放させる。さらに、開閉制御手段118は、特別遊技において、第1大入賞口ソレノイド80や第2大入賞口ソレノイド81に開放指示を送るための制御を行い、第1大入賞口91や第2大入賞口92を開放させる。
<<事前情報通知に関する機能>>
【0151】
続いて、前述の事前情報通知手段119について説明する。事前情報通知手段119は、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が保留されるか否かにかかわらず、取得された各種の乱数値に係る情報を、事前通知情報として、サブ基板(ここではサブメイン基板301)へ送信するための処理を行う。
【0152】
上述の事前通知情報としては、取得した前述の各当否抽選値(第1当否抽選値又は第2当否抽選値)、各図柄抽選値(第1図柄抽選値又は第2図柄抽選値)、各パターン抽選値(第1パターン抽選値又は第2パターン抽選値)が、どのような当否範囲、図柄範囲、パターン範囲に属するものであるのか、といった情報を例示できる。
【0153】
なお、このような事前通知情報の送信により、サブ基板104の側において、各種の先読み演出が可能となる。そして、先読み演出としては、保留予告や連続予告などを例示できるが、これらの詳細については後述する。
<<コマンド送信に関する機能>>
【0154】
続いて、前述のメインコマンド送信手段120について説明する。メインコマンド送信手段120は、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド(メインコマンド)の送信を行う。メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド送信は、始動入賞時、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動停止時、大当り発生時などの種々のタイミングで、種々の情報を含んで行われる。
<サブ基板の基本機能>
【0155】
次に、前述のサブ基板104における基本的な機能について説明する。本実施例においてサブ基板104は、サブメイン基板301及びサブサブ基板302により構成されており、メイン基板102からのコマンド受信、演出パターン決定、演出表示制御、演出実行などの各種の機能を果たす。
【0156】
図5中に示すように、サブメイン基板301は、メインコマンド受信手段141、演出パターン決定手段142、サブメインコマンド送信手段143等を有している。さらに、サブメイン基板301は、スピーカ出力等の制御を行うための音制御手段144や、遊技効果ランプ出力等の制御を行う光制御手段145などの機能的手段が備えられている。
【0157】
演出パターン決定手段142により決定される演出パターンは、演出表示装置60に表示される表示演出や、必要に応じ表示演出と併せて行われる音演出及び光演出を指定する情報を含んでおり、演出図柄190の変動表示中に大当りの期待度の高さを示唆する演出を実行する。ここで、本実施例における「期待度」は、「信頼度」と言い換えることが可能なものである。
【0158】
演出パターン決定手段142により演出パターンが決定されると、決定された演出パターンを示す演出パターン情報が、サブメインコマンド送信手段143を介し、サブメインコマンドとして、サブサブ基板302へ送信される。また、サブメイン基板301からサブサブ基板302へ送信されるコマンドには、サブサブ基板のROMから音データやランプデータ等を読み出すために、音情報なども含まれる。
【0159】
サブサブ基板302には、
図5中に示すように、サブメインコマンド受信手段146や演出実行制御手段147などが備えられている。そして、サブサブ基板302においては、演出実行制御手段147により、サブメイン基板301からのサブメインコマンドに基づき、必要な画像データを液晶ユニット42(
図4参照)に順次出力し、アニメーション画像を構成して、演出表示装置60において演出用の動画を表示する。
<特定遊技に係る具体的態様>
【0160】
次に、前述した特定遊技の具体的態様について説明する。本実施例においては、前述のように特定遊技として、特別図柄の確率変動機能(確変)、特別図柄の変動時間短縮機能(時短)、及び、入球容易化遊技(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物の開放延長機能の複合)が設けられている。そして、本実施例では、これらの各種特定遊技のうちの少なくともいずれか1つが、大当り抽選の結果(特別図柄の停止表示図柄)や、大当り中の遊技結果に応じて実行される。
<<確率変動遊技>>
【0161】
上述の確変は、大当り後の特別図柄に係る遊技の確率状態を、通常の確率状態と比べて大当りの発生確率が高くなるように変更するものである。本実施例においては、確変状態の継続期間(確変期間)は、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。
【0162】
特別図柄の変動回数は、特別図柄の変動表示から停止表示までが1回として定まるものである。そして、本実施例において確変期間は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に設定される。このように次回の大当りが発生する前に確変期間が終了し得るようにした機能は、例えばSTや回数切り確変などと称することが可能である。
<<変動時間短縮遊技>>
【0163】
上述の時短は、前述の主制御表示装置53における特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動時間を、通常遊技の場合と比べて、概ね短縮するものである。ここで、「概ね短縮する」とは、全ての場合に通常遊技よりも短縮するとは限らず、一部には、特別図柄の変動時間が通常遊技と同等な場合や、通常遊技よりも長い場合を含み得る、という意味である。そして、この時短によれば、特別図柄の変動時間が短くなることから、連続して始動入賞口(第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63)への入賞が発生しても、特別図柄の変動表示及び停止表示を短い間隔で円滑に進めることができ、大当り抽選の機会を多く確保することが可能となる。
【0164】
さらに、本実施例においては、時短状態の継続期間(時短期間)は、確変状態と同様に、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。そして、本実施例において時短状態は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に達するまで継続される。
【0165】
なお、本実施例では、確変期間と時短期間を同じ期間に設定しているが、確変期間と時短期間を互いに異なる期間としてもよい。例えば、確変期間を104回とし、時短期間を100回とすることなどが可能である。また、確変期間や時短期間は、いずれも一定であることに限定されない。例えば、確変期間を、発生した大当りの種類に応じて4回、25回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。また、時短期間を、発生した大当りの種類に応じて、25回、50回、75回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。
【0166】
また、所謂転落抽選の機能を備えることが可能である。この転落抽選としては、以下のようなものを例示できる。例えば、確変や時短が、上述の最大変動回数(ここでは100回)よりも少ない所定の回数(例えば50回)に達した後には、最大変動回数に達するまで毎回の特別図柄の変動毎に、確変や時短を終了させるか否かの抽選(特定遊技終了抽選)が実行される。そして、この特定遊技終了抽選に当せんした場合には、確変及び時短を終了させ、次回の変動からの遊技状態が、確変や時短が伴わない通常状態に戻る。
【0167】
さらに、確変と時短の両方を実行することに限らず、特定遊技において、いずれか一方のみを実行することも可能である。例えば、当せんした大当りの種類によっては、時短のみが付与され、確変は付与されないようにすることや、時短が付与されず、確変のみが付与されるようにすることなどが可能である。
<<入球容易化遊技>>
【0168】
続いて、前述の入球容易化遊技について説明する。この入球容易化遊技は、普通電動役物に係る機能を遊技者に有利に設定し、第2始動入賞口63の開放態様が通常よりも遊技球を受け入れ易くなり得るようにする遊技状態である。入球容易化遊技が実行された場合には、普通図柄に係る時短、普通図柄に係る確率変動、普通電動役物に係る開放延長などの制御態様や、これらの制御態様の組合せにより、第2始動入賞口63への入球容易性が高められ、入球容易状態が形成される。
【0169】
普通図柄における上述の各種の制御態様のうち、普通図柄に係る時短は、普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される制御態様であり、普通図柄に係る確率変動は、普通図柄の当せん確率を通常状態よりも向上させる制御態様(普通図柄に係る確変)である。さらに、普通電動役物に係る開放延長は、第2始動入賞口63の開放時間を、通常時(非特定遊技時)の開放(ショート開放)よりも長く開放(ロング開放)を行う制御態様である。
【0170】
上述のように、本実施例における特定遊技中の入球容易化遊技は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長という3つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める。しかし、これに限定されず、これら3つの機能のうち、1つ又は2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める構成としてもよい。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間との切り替えを、遊技状態に応じて行う構成としてもよい。
【0171】
このような入球容易化遊技の継続期間は、特別図柄に係る時短期間に基づいて決定することが可能である。例えば、特別図柄に係る時短中は入球容易化遊技を継続し、特別図柄に係る時短が終了すると入球容易化遊技が終了する、といった制御態様の採用が可能である。そして、このようにした場合は、特別図柄の時短が終了した以降に図柄変動が開始される普通図柄の変動パターン(普図変動パターン)は、通常時(非特定遊技時)のために設けられた変動パターンの中から決定されるようにすることが可能である。
<ぱちんこ遊技機における主な演出>
<<演出図柄の基本的表示態様>>
【0172】
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンドに基づき、サブメイン基板301及びサブサブ基板302によって実行される各種の演出について、主要なものを説明する。そして、ここでは先ず、前述の演出図柄190(
図7(a)、(b)参照)の基本的な表示態様について説明する。
【0173】
演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が変動表示されることに伴って、演出表示装置60上において変動表示される(
図7(a)参照)。さらに、演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が停止表示されることに伴って、演出表示装置60上において停止表示(
図7(b)参照)される。
【0174】
演出図柄190の停止に伴い表示される停止図柄は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cの3つの図柄の組合せにより構成される。そして、メイン基板102における大当り抽選の結果が大当りとなった場合には、例えば「777」や「555」のように、3つの図柄が揃ったぞろ目の組合せが、大当りを表す停止図柄として表示される。また、大当り抽選の結果がはずれであった場合には、例えば「767」、「928」、「331」などのように、1部又は全ての演出図柄が他の演出図柄と異なる組合せで、演出図柄190が停止表示される。
【0175】
ここで、本実施例における「停止図柄」や「図柄の停止」は、3つの演出図柄190が「確定停止」していることを意味している。すなわち、3つの演出図柄190a〜190cが、演出表示装置60の表示領域194において、例えば「767」や「928」などの組合せを保った状態で表示されていたとしても、それだけでは「確定停止」したことには該当しない。そして、このように演出図柄190が、組合せを保ちつつ「確定停止」に至っていない状態を、「仮停止」の状態と称することが可能である。
【0176】
このような「仮停止」の表示態様としては、例えば、演出図柄190が小刻みに振動している(揺れている)状態を例示できる。そして、演出図柄190が組合せを維持したまま小刻みに揺れているような仮停止の態様を、「揺れ変動」の態様などと称することが可能である。この「仮停止」における演出図柄190の揺れの態様としては、縦又は横の直線移動や水平方向の回転移動などを例示でき、移動範囲としては数ミリ程度を例示できる。
【0177】
また、上述の「確定停止」の表示態様としては、仮停止の状態を経て、全ての演出図柄190a〜190cが組合せを保ったまま停止した状態を例示できる。さらに、この「確定停止」の際に、確定停止されたことを示す演出を行うことが可能である。そして、確定表示されたことを示す演出としては、確定停止の状態を所定時間(例えば1秒程度)維持することや、確定停止された演出図柄190に対して光を当てるようなエフェクトを表示するなどを例示できる。
【0178】
また、前述の「リーチ」の表示態様において、リーチの組合せを保った演出図柄が、前述の「仮停止」の態様で表示される場合がある。そして、この「仮停止」によるリーチ表示の後に、変動表示されていた図柄(ここでは中演出図柄190b)が、はずれの組合せ(はずれリーチの組合せ)を構成して「仮停止」し、組合せを保ったまま「確定停止」が行われて変動表示が終了する、といった演出を例示することができる。また、3つの演出図柄190a〜190cが、はずれリーチの組合せによる「仮停止」を行っている状態から、中演出図柄190bが変動を再開してリーチ演出が高信頼度のもの(大当りに係る信頼度が相対的に高いもの)に発展する、といった演出(後半リーチ)も例示できる。
【0179】
なお、演出図柄190のスクロール表示の態様としては、上述の縦スクロールに限定されるものではなく、種々の表示態様を採用することが可能である。そして、他の表示態様としては、例えば、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に、鉛直軸まわりに回転(自転)させて、変動表示を行う態様を例示できる。また、例えば、左演出図柄190aから右演出図柄190cが、表示領域194中で、後方から前方、即ち画面の奥から手前に向って、直線軌道或いは曲線軌道に沿って、拡大されながら順次繰り出される、といった表示態様も例示できる。さらに、後方から前方へ向う演出図柄が、上方から下方手前へ降りてくる、といったスクロール表示の態様を採用することも可能である。
【0180】
また、
図7(a)、(b)においては、演出図柄190の組合せが、表示領域194の上下方向の中段でのみ停止表示される表示態様が例示されており、有効ラインは、横方向の1ラインのみとなっている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、有効ラインの数を2ラインや5ラインとすることなども可能である。
【0181】
さらに、
図7(b)においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、所定の字体の数字のみにより簡略化して示しているが、演出図柄190は、数字などの所定の記号を意味する部分(前述の記号要素演出図柄である要素図柄)と、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分(非記号要素演出図柄である要素図柄)との組合せにより構成することが可能である。そして、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分としては、各種のデザイン画や人物画、及び、これらの組合せ等を例示でき、さらに、記号に組合される各種のデザイン画や人物画を、動画とすることも可能である。
<<演出パターンの例示>>
【0182】
続いて、前述の演出パターンについて説明する。演出パターンは、メイン基板102で決定される変動パターンに関連付けられた状態で多数設けられている。さらに、演出パターンには、演出図柄190を含む演出の態様が規定されている。より具体的には、演出パターンには、選択された演出図柄190に対する変動開始から変動停止までの変動過程や、演出図柄190と組合せて表示される背景及びストーリー展開などといった演出過程が定義されている。そして、演出パターンには、前述の「リーチあり」や「リーチなし」に対応したものがある。
【0183】
これらのうち、「リーチあり」の演出パターンが実行される場合は、あと1つの演出図柄(ここでは中演出図柄190b)が揃えば大当りとなるリーチ演出が、演出表示装置60において行われる。そして、特別図柄に係る当否抽選の結果が大当りである場合には、大当りの種類に応じた「777」や「333」などのぞろ目の表示が、確定停止した演出図柄190によって行われる。また、特別図柄に係る当否抽選の結果がはずれである場合には、例えば「767」や「515」などのはずれを示す組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
【0184】
さらに、「リーチなし」の演出パターンが実行される場合は、例えば「928」や「331」などのように、左演出図柄190aと右演出図柄190cがリーチの組合せとならないリーチなしの組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
【0185】
これらの演出パターンには、長短様々な変動時間をもつものがあり、特に、「リーチあり」の変動パターンには、変動時間が数分に及ぶようなものも含まれている。なお、本実施例では、前述した特別図柄に係る変動パターン(
図10(a)〜(c)参照)における、「リーチなし」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ(大当り信頼度の高いリーチ)」に対応した、リーチなしの演出パターン、ノーマルリーチの演出パターン、スーパーリーチの演出パターンが設けられている。そして、これらの演出パターンには、例えば、1つの変動パターンに対して複数の演出パターンが関連付けられており、演出パターン数は、前述の変動パターンよりも多岐に亘っている。さらに、「スーパーリーチ」は、「SP(スペシャル)リーチ」と言い換えることが可能なものである。
<<特別図柄に係る保留演出表示>>
【0186】
次に、演出表示装置60において行われる特別図柄に係る保留表示(保留演出表示)について説明する。演出表示装置60の表示領域194の下部には、
図7(a)、(b)中に示すように、第1遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部196と、第2遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部197とが表示される。なお、ここでは説明や図示を簡略化するため、個々の保留表示を真円によって表しているが、保留表示を、その他の形状や色彩の組み合わせ、キャラクタ画像、アニメーション等により行ってもよい。
【0187】
本実施例においては、第1遊技に係る保留が発生すると、上述の第1保留数表示部196に所定の保留表示が行われる。さらに、保留数が増えると、保留表示が追加される。そして、保留数が上限に達すると、
図7(a)に示すように、第1保留数表示部196において、4つの保留表示が行われる。
【0188】
また、第1保留数表示部196における保留表示は、第1表示位置から第4表示位置にて行うことが可能である。つまり、第1保留数表示部196には、第1表示位置から第4表示位置が含まれており、第1保留数表示部196の、遊技者から見て右端の部位が、第1表示位置となっている。そして、左端へ向かって順に、第2表示位置、第3表示位置、第4表示位置が設けられている。さらに、以下では、第1表示位置から第4表示位置で行われる保留表示を、それぞれ「保1」、「保2」、「保3」、「保4」と称する。
【0189】
例えば、演出表示装置60において、第1遊技に係る演出図柄190が行われている最中で、且つ、第1保留数表示部196に1つの保留表示も行われていない状況において、保留が発生すると、右端の第1表示位置(上述の「保1」の位置)に保留表示が行われる。そして、この際には未だ他の保留表示が行われておらず、「保2」〜「保4」は発生していないものとする。このように「保1」が発生している状況で、更に保留が発生すると、発生した保留に係る表示は、「保1」の左隣の「保2」の位置で行われる。そして、「保1」及び「保2」が表示され、「保3」や「保4」が表示されていない状況で、更に保留が発生すると、発生した保留数に応じて、「保3」や「保4」の表示が行われる。
【0190】
そして、「保1」が発生した際に実行されていた変動表示が終了し、第1遊技に係る他の変動開始条件も成立していれば、上述の「保1」に係る保留記憶情報が消化される段階となり、「保1」の保留表示が、第1保留数表示部196の右側へ移動する。第1保留数表示部196の右側の部位には、当該変動情報表示部195が設けられている。この当該変動情報表示部195は、そのときに実行されている変動表示に係る情報(当該変動情報)を表示する領域である。つまり、「保1」の保留表示は、対応する保留記憶情報に係る変動表示が実行される際には、当該変動情報表示部195に移動して、当該変動情報表示198に変化する。
【0191】
ここで、「保1」の保留表示を当該変動情報表示部195に移動させる際に、アイテムに係るサイズ、色彩、形態などといった表示要素の変更を行うようにしてもよい。
図7(a)、(b)の例では、「保1」の保留表示を当該変動情報表示198に変化させる際に、サイズの拡大を行っている。
【0192】
上述のように「保1」にあった保留表示が当該変動情報表示部195に移動すると、後続の保留表示の待機順位が繰り上り、「保2」は「保1」の位置にシフトする。さらに、「保3」や「保4」が存在した場合には、「保3」は「保2」の位置にシフトし、「保4」は「保3」の位置にシフトする。そして、このような状況で更に保留が発生した場合には、新たに「保4」が発生し、保留数が上限に達することとなる。また、新たな保留が発生しなければ、この次の変動表示の開始に伴い、保留表示のシフトが行われ、各保留の待機順位が繰り上がることとなる。
【0193】
なお、「保1」〜「保4」における保留表示から、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態を含めて、広義に、保留演出と捉えることが可能であるが、これに限らず、「保1」〜「保4」における保留表示までを保留表示とし、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態は保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
【0194】
また、演出図柄190に係る変動表示が行われておらず、保留数が0の状況で、第1始動入賞口62に入球があると、「保1」の表示は行われず、当該変動情報表示部195に、直接的に、当該変動情報表示198が行われるようになっている。そして、このような場合に限って、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198を保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
【0195】
続いて、前述の第2保留数表示部197について説明するが、第1保留数表示部196と同様な点については、説明を省略する。本実施例では、第2保留数表示部197は、図中に示すように、上述の当該変動情報表示部195を挟んで、第1保留数表示部196の反対側(遊技者から見て右側)に、第1保留の画像と異なる色彩にて、「保1」〜「保4」の関係が対象となるよう配置されている。
【0196】
また、保留表示については、種々の遊技状態に応じた態様で行うことが可能である。例えば、大当り抽選の確率が通常確率の場合と高確率の場合などで、異なる演出モードに制御される場合に互いの保留表示の態様を異ならせることなどを例示できる。
【0197】
さらに、第1保留数表示部196、第2保留数表示部197、及び、当該変動情報表示部195の位置関係は、上述のものに限定されず、本実施例のように第2遊技を第1遊技に優先して実行するのではなく、第1遊技及び第2遊技に係る始動入賞の発生順に特別図柄や演出図柄190の変動表示を行うタイプのぱちんこ遊技機には、当該変動情報表示部195の左側に8つの保留表示を並べることができるようにしてもよい。
<<特別図柄に係る保留先読み演出>>
【0198】
次に、特別図柄に係る予告演出(先読み演出)の1つである、保留先読み演出について説明する。この保留先読み演出は、前述の保留記憶情報(第1特図保留記憶情報又は第2保留記憶情報)に基づき、実行される演出である。さらに、保留先読み演出は、前述の事前情報通知の機能を用いて、そのときに演出図柄190等を用いて行われている演出よりも後に消化が行われる保留に対して、リーチや大当りが発生することの期待を示唆する演出として実行される。
【0199】
例えば、前述の第1保留数表示部196における「保3」の位置で発生した保留表示について、前述の基本の表示態様である表示(例えば青色)とは異なり、緑色の保留表示を行うことで、通常の青色の態様である場合に比べて、リーチが発生すること等の期待度が高いことが示される。そして、青や緑の彩色の他に、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を設け、緑色よりも、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄の順で大当りの期待度が高いことを示す、といった演出が行われている。
【0200】
ここで、上述の「所定柄」の表示態様としては、キリン等の動物模様や、所定のキャラクタ画像を含む表示態様などを例示できる。また、保留表示の彩色や柄のみでなく、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。さらに、上述の各種の表示態様に点滅や発光を行っている態様を組み合せて先読み演出を行うことも可能である。また、保留先読み演出を含む先読み演出に当せんした保留を、例えば「トリガ保留」などと称することが可能である。
【0201】
以上説明したような保留に係る先読み演出は、第2遊技においても行われる場合がある。そして、第2遊技に関しては、基本色(オレンジ)のほかに、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を備えることが可能である。また、第2遊技に係る保留表示としても、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。
【0202】
さらに、上述したような第1遊技及び第2遊技において保留表示を用いる先読み演出は、「保留変化」などと称することが可能である。そして、このような「保留変化」には、保留発生の当初から上述のように基本の表示態様と異なる表示態様を示すものや、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものなどがある。
【0203】
これらのうち、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものとしては、例えば、保留が発生して保留表示が開始され、保留の消化が進み、保留表示が、例えば「保2」、「保1」と進む間に、保留表示が変化するようなものを例示できる。そして、例えば、保留発生時には「保3」の位置に青色(第2遊技の場合はオレンジ色)で保留表示が行われ、「保1」の位置に移動した際に、緑色等の他の色に変化する、といったことが行われる。
【0204】
また、第1遊技及び第2遊技の何れについても、当該変動情報表示198となった場合に、保留表示が基本色から、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様や、或いは、真円形状以外のアイテムや人物画像等の表示態様に変化して、大当りの期待度を表す場合もある。
【0205】
さらに、上述のような保留変化に係る制御態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、保留発生時に、保留変化の演出パターン(保留変化パターン)を決定するための抽選(保留変化パターン抽選)を行う。この保留変化パターン抽選には、保留変化パターンテーブルが用いられ、この保留変化パターンテーブルには、保留変化の有無や、保留変化を実行する場合(保留変化ありの場合)には、どのようなタイミングでどのような表示態様を実行するか、といった演出パターンの決定に係る事項が規定されている。また、保留変化パターンとしては、第1遊技のためのものと、第2遊技のためのものとが定められている。
【0206】
また、保留変化に当せんした保留が、「保1」から「保4」の中に複数存在する場合に、いずれか一方の保留先読み演出をキャンセルする、といったことが可能である。より具体的には、例えば、「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、緑色に変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生しているいずれかの保留が、虹色に変化する保留変化パターンに当せんしていれば、上述の「保4」に係る保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
【0207】
さらに、例えば、上述の例と同様に「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、虹色まで変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生している全ての保留が、虹色までは変化せず、緑色などまでしか保留変化しないものであれば、先に発生している保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
<<特別図柄に係る連続予告>>
【0208】
次に、他の先読み演出のパターンとして、特別図柄に係る連続予告(連続演出)について説明する。この連続予告は、真正のものと擬似のものとがあり、これらのうちの真正の連続予告は、特別図柄に係る複数回の変動表示に亘り、連続性のある予告演出を行うものを意味している。また、擬似の連続予告は、特別図柄に係る1回の変動表示について、複数回の特別図柄の変動があったような断続的な予告演出(疑似連続予告)を行うものを意味している。
【0209】
上述の「連続予告」としては、例えば、演出上のストーリーにおいて主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、最終到達目的としている部屋を目指して、順次異なる部屋に移動するようなものなどを例示できる。また、その他の態様の「連続予告」としては、主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、異なる敵と対戦して勝利し、最終目的となる敵を目指すようなものも例示できる。
【0210】
さらに、前述した真正の連続予告(以下では単に「連続予告」と称する場合がある)は、メイン基板102からサブメイン基板301に送信される事前通知情報に基づいて行うことが可能である。より具体的には、例えば、「保3」の保留が発生した場合に受信した事前通知情報に基づいて、サブメイン基板301が、その次以降の特別図柄に係る変動表示に対応した演出パターンとして、3回の変動表示に亘る連続予告を含んだ内容のものを選択する、といったことが可能である。
【0211】
そして、1回分の保留が消化され、上述の「保3」の保留が「保2」の位置にシフトされた際には、選択された連続予告に係る演出パターンのうち、最初の1回目の予告に係る演出パターンが実行される。さらに、保留が順次消化され、保留表示が、「保2」から「保1」に移動した際には、3回のうちの2回目の予告が実行され、「保1」から当該変動情報表示部195に移動した際には、最後となる3回目の予告が実行される。
【0212】
なお、サブメイン基板301において、上述の「保3」の保留が発生した時点で実行されている変動表示に係る変動パターンや、それ以前に発生している「保2」又は「保1」に係る保留記憶情報を確認することも可能である。すなわち、上述の「保3」の保留が発生した際に、既に記憶されている各種の情報の中に、大当り信頼度の高い所定のリーチ演出が実行されることを表す情報や、大当りが発生することを表す情報が存在すれば、「保3」の保留が発生した際に選択した連続予告に係る演出パターンをキャンセルする、といったことが可能である。
【0213】
また、前述した擬似の連続予告(以下では「擬似連続予告」と称する場合がある)としては、特別図柄の1回の変動表示に係る演出パターンにおいて、リーチ表示が、複数回断続的に行われるようなものや、登場人物が複数回の行為を繰り返すようなもの、演出図柄190の仮停止と再変動を繰り返すものなどを例示できる。
【0214】
なお、以上説明したような連続予告の内容は、あくまでも例示であり、連続予告の内容としては、説明したもの以外にも種々のものを採用することが可能である。
<<普通図柄に係る演出図柄>>
【0215】
次に、前述の普通図柄に係る演出について説明する。本実施例では、普通図柄に係る演出表示は行われていない。しかし、普通図柄に係る演出を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。そして、このように普通図柄の演出表示を行う場合には、演出図柄としては、例えば、はずれと、当たりの種類とを識別できる程度の表示を行うことが考えられる。
【0216】
また、前述のように、演出表示装置60を、複数の表示体の組合せにより構成した場合には、相対的に大型な表示体と、これに比べて小型な表示体(複数でもよい)を備えることが可能である。そして、大型な表示体を、例えば「メイン表示体」や「メイン液晶」などと称し、小型な表示体を、例えば「サブ表示体」や「サブ液晶」などと称することが可能である。さらに、上述のような相対的に小型な表示体を備えた場合には、普通図柄に係る演出図柄(199)を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これを普通図柄に係る演出図柄表示装置としてもよい。
【0217】
また、普通図柄に係る演出図柄を用いた演出を行う場合は、普通図柄に係る保留演出表示を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。また、前述のように、演出表示装置60を、大型な表示体及び小型な表示体のような複数の表示体により構成した場合には、普通図柄に係る演出保留表示を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これにより「1」から「4」の普通図柄に係る保留数の演出表示を行ってもよい。
<<限定頻度パターンに係る演出>>
【0218】
次に、限定頻度パターンに係る演出(以下では「限定頻度パターン演出」と称する)について説明する。限定頻度パターン演出は、前述の演出パターンの一部として備えられているものである。さらに、限定頻度演出パターン演出は、メイン基板のパターン決定手段にて特定の期間に決定される変動パターンに対応して、所定の遊技状態において出現し易くなるように設定された演出である。この限定頻度パターン演出の内容は、特定の傾向を示す演出内容となっており、限定頻度パターン演出の内容として、例えば、時短遊技中の特定の変動において、あらかじめ定められた変動パターンをメイン基板で決定し、演出として高信頼度のリーチを必ず発生させるようなものを例示できる。
【0219】
また、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、遊技開始時、所定の演出パターンが実行された直後(例えば、小当り、出球なし当りの直後)、所定の演出モード中(確変、時短遊技モード中)、特別遊技の終了直後などを例示することができる。また、これらに加えて、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、第1遊技(又は第2遊技)に係る保留数が所定数(例えば4個)に達している場合や、保留が存在しない場合なども例示できる。
<<非時短遊技中の普通電動役物の作動に係る演出>>
【0220】
次に、普通電動役物のロング開放に係る演出について説明する。本実施例においては、通常時(非時短遊技中)における第2始動入賞口63のロング開放(通常時ロング開放)に関係した演出(ロング開放用演出)が、演出表示装置60やスピーカ21等を用いて実行される場合がある。そして、この通常時ロング開放に関係したロング開放用演出として、通常時ロング開放が実行されるか否を示す開放抽選演出と、この開放抽選演出の結果に対応して実行される長開放用演出(開放抽選結果演出)とが設けられている。なお、以下では、通常時ロング開放のことを単に「ロング開放」と称する場合がある。
【0221】
これらのうち開放抽選演出としては、例えば、普通図柄の変動中や、変動開始前の段階において、通常時長開放が行われることの期待を煽るための内容の演出を例示することができる。より具体的には、例えば、演出表示装置60の表示領域194の下隅部などに特定のキャラクタを登場させ、前述の第2保留数表示部197を表示するための領域を確保できるか否かの様子を動画により表示する、といったものを例示できる。
【0222】
上述の演出パターン以外に、直接的に抽選の様子を表示するものの採用が可能である。このような直接的な開放抽選演出としては、例えば、ルーレットやおみくじ、或いは、2桁の図柄合わせ、といった抽選に係る動画表示を行うものを例示できる。さらに、上述の普通図柄に係る当り抽選において通常時ロング開放に当せんしている場合には、当せんを示す内容の開放抽選演出が実行され、通常時ロング開放に当せんしていない場合には、はずれを示す内容の開放抽選演出が実行されるようにすることが考えられる。
【0223】
さらに、開放抽選演出の内容と、第2始動入賞口63の開放パターンとの関係を多様に設定することが可能である。例えば、開放抽選演出の内容としてルーレットを用いた演出を採用し、ルーレットの目として設けられた選択肢に、「開放」、「×」、「チャンス」、「リーチ」等を割当てる。そして、通常時ロング開放に当せんしなかった場合に、開放抽選演出の内容として「×」が選択される様子を表示し、第2始動入賞口63の開放を行わない、又は、ショート開放のみ行うようにする。
【0224】
さらに、通常時ロング開放に当せんした場合には、ルーレットにおいて「開放」が選択される演出を実行し、必ずロング開放を行う。また、これ以外にも、演出図柄190に係る演出において、段階的に発展する内容の演出や、スーパーリーチに発展する内容の演出などが実行される場合には、開放抽選演出に係るルーレットにおいて「チャンス」或いは「リーチ」が選択される様子を表示し、第2始動入賞口63の開放を行わない、又は、ショート開放のみ行うようにする、といったことが考えられる。
【0225】
また、このようなロング開放用演出は、前述した 普通図柄に係る保留とも関係して行われる場合があるものである。つまり、普通図柄に係る保留抽選値が、保留中に事前判定され、この事前判定結果に応じて、予告や煽りといった意味を持つロング開放用演出が、所定確率で実行される場合がある。このような事前判定による予告演出は、前述の「先読み演出」に含まれるものである。このような普通図柄に係る先読み演出は、後述する特別図柄に係る先読み演出と同様に行うことが可能なものであり、本実施例では、作動口(68a又は68b)の通過に係る事前通知情報(普通図柄先読みコマンド)が、メイン基板102からサブメイン基板301に送信される。
<<操作ボタンを用いた演出>>
【0226】
次に、前述の操作ボタン22(
図1参照)を利用する演出(以下「ボタン演出」と称する)について説明する。操作ボタン22は、ボタン演出が実行された場合に、遊技者によって押下操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば演出図柄190(
図7(a)、(b)参照)の変動表示過程で、演出表示装置60の表示領域194に、操作ボタン22の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」、「長押しせよ」等といった文字や、或いは残り時間を示すインジケータの動画などの、操作を促すガイド表示を行うことを例示できる。
【0227】
さらに、ボタン演出としては、遊技者が、上述のガイド表示に従って操作ボタン22を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出を例示できる。また、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材93等が作動して、リーチとなることを報知するようなものも例示できる。さらに、リーチ演出中にボタン演出が行われることもあり、その場合には、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材93等が作動して大当りへの期待を煽るものなども例示できる。
【0228】
また、上述の操作ボタン22に関して、通常時は操作ボタン22の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン22の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。
【0229】
なお、操作ボタン22に振動モータやソレノイド(図示略)を組み合わせて、操作ボタン22を振動させる振動演出や、例えばモータ等の駆動源を用いて操作ボタン22の動作範囲を拡大して、操作ボタン22を突没させるといった演出態様を採用することも可能である。さらに、操作ボタン22を突没させる場合は、突出量を比較的大きく(例えば5〜10cm程度)設定することも可能である。
【0230】
また、操作ボタン22としては、外形寸法が小型(例えば数センチ程度)のものに限らず、十数センチ程度の半球体の形態のものなどを採用してもよい。さらに、操作ボタン22のような操作入力機器としては、その他にも種々の形態のものを採用可能であり、例えば、演出内容に関連した、自動車の操作ハンドル、航空機の操作レバー、登場人物の模型(フィギュア)のなども採用が可能である。また、相対的に小型の操作ボタン22と、操作レバー等の形態を有するものを併設し、演出内容などの状況に応じて使い分ける、といったことも可能である。
<<大当り発生時の演出>>
【0231】
次に、大当りが発生した場合の演出について説明する。大当りが発生した場合の演出には、特別遊技開始前の演出(開始デモ)、特別遊技中の演出(ラウンド演出)、特別遊技後の演出(終了デモ)などがある。
【0232】
前述の演出図柄190が確定停止されると、ファンファーレなどの音に伴い、大当りが開始される旨の表示を行う。さらに、特別遊技中の打ち方指示として右打ち案内演出を実行し、遊技者に対し、発射ハンドル20の回動量を増やして右打ちを行うよう案内する内容のものを例示できる。
【0233】
前述の特別遊技中の演出としては、遊技者が大当りを獲得しなければ見ることができない内容の動画を例示できる。また、この際には所定の楽曲が、前述のスピーカ21(
図1参照)から出力される。さらに、特別遊技中の動画としては、例えば、ぱちんこ遊技機10の演出に採用された劇画における所定の登場人物が、ライバルとなる敵と戦う様子を描いたものや、僥倖を享受する様子を描いたものなどを例示できる。
【0234】
なお、特別遊技中のラウンドの切換わりを、例えば、表示領域194(
図7(a)、(b)参照)の隅部(例えば右上隅部)における「1R」、「2R」、・・・、「15R」、「16R」といった表示により報知することが可能である。さらに、特別遊技中の演出の一部として、例えば、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を表示することも可能である。
【0235】
また、本実施例では、全ての種類の大当りに確変や時短等の特典が伴っているが、これに限定されず、例えば、確変を伴わない大当りを設けることも可能である。そして、大当りの種類に、確変を伴わない大当りを含む場合には、特別遊技終了後に確変となるか否かの報知を、特別遊技中の特定のラウンド、或いは、特別遊技終了の際まで報知しないようにすることも可能である。
【0236】
変形例として、大当りの特別図柄による確変を伴わないぱちんこ遊技機において、特別遊技開始前、特別遊技中、或いは、特別遊技終了の際などの所定のタイミングで、遊技球が所定の領域(確率変動機能作動領域)で検出された場合には確変となる、といった制御態様や、それに応じた演出を採用することも可能である。
【0237】
この場合は、例えば、遊技球の検出領域を有する入球装置(ここでは「V入球装置」と称する)を、遊技領域52(
図1参照)における第2大入賞口92の内部に追加して設ける。さらに、特別遊技の所定のタイミングで、V入球装置を、遊技球を受入れ可能な状態とし、この状態においてV入球装置で遊技球が検出された場合に、その後の確率状態が、確変状態となるように制御するとともに、確変となる特典を入手した旨を遊技者へ報知する。
【0238】
続いて、前述の特別遊技後の演出としては、特別遊技中の演出内容の結果に係るもの例示できる。より具体的には、登場人物同士の闘いの結果に応じて勝者が感情を表す内容などを例示できる。このような特別遊技後の演出は、エンディング演出と称することも可能である。
【0239】
さらに、特別遊技後の演出としては、大当りの連続回数を追加して表示するものや、そのときの特別遊技により遊技者が獲得した賞球数を表示するものなどを例示できる。また、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を追加して表示することも可能である。また、大当りの連続に関しては、大当りの発生回数が所定回数(例えば20回)に達した場合に、それ以前には選択されることがない演出パターンを実行する、といったことも可能である。
<メイン基板からサブメイン基板へ送信される各種コマンド>
【0240】
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される各種コマンドについて説明する。なお、以下では、普通電動役物に係るコマンドと、それ以外の主要なコマンドに分けて説明を行うが、ここでは先に、普通電動役物に係るコマンド以外の主要なコマンドについて説明する。先ず、コマンドの送信タイミングとしては、初期画面表示中、客待ちデモ(待機デモ)中、特別図柄の図柄変動開始時、特別図柄の図柄確定時、特別図柄の図柄確定中、大当り開始デモ時、大当り中大入賞口開放時、大当り中大入賞口閉鎖時、当り終了デモ時、大当り終了デモ終了時などがある。このうち初期画面表示中は、ぱちんこ遊技機10の電源投入後、客待ちデモが開始されて定常状態に入るまでの期間である。また、始動入賞時、電断復帰時、及び、エラー検出時は、何れの場合であってもコマンド送信が行われる。さらに、RWMクリア時にもコマンド送信が実行される。
【0241】
これらのうち、RWMクリア時のコマンドとしては、演出表示器初期化、演出LED初期化、各種エラーのコマンドがある。演出表示器初期化コマンドは、演出表示装置60に所定の演出図柄を表示するためのものである。演出LED初期化コマンドは、通信が正常である場合に遊技効果ランプの一部を点灯させるものである。各種エラーコマンドは、エラーの状態に合わせた演出表示等を行うためのものである。
【0242】
客待ちデモのコマンドとしては、客待ちデモコマンドがある。この客待ちデモコマンドは、演出表示装置60や遊技効果ランプを客待ちデモ用に設定し、音声を消去するためのものである。
【0243】
特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとしては、図柄1記憶数、図柄2記憶数、通信検査1、通信検査2、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、変動付加情報、図柄1演出パターン、図柄2演出パターン、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出のコマンドがある。図柄1記憶数コマンドは、第1特別図柄の保留記憶数を示すものであり、図柄2記憶数コマンドは、第2特別図柄の保留記憶数を示すものである。通信検査1コマンド及び通信検査2コマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。演出回数A〜Zの各種コマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2の各種コマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。変動付加情報コマンドは、演出パターン中に例えば大当り期待度の示唆等を行う要素(演出構成要素)を付加するための情報を示すものである。図柄1演出パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2演出パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものである。図柄1キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
【0244】
特別図柄の図柄確定時のコマンドとしては、図柄1演出パターン停止、図柄2演出パターン停止のコマンドがある。図柄1演出パターン停止コマンド、及び、図柄2演出パターン停止コマンドは、それぞれ、第1特別図柄や第2特別図柄に基づく演出図柄190を停止させるためのものである。
【0245】
特別図柄の図柄確定中のコマンドとしては、変動時間短縮回数0(低確率時)、変動時間短縮回数A〜Z(低確率時)、変動時間短縮回数0(高確率時)、確率変動中(所定変動回数まで)のコマンドがある。これらは、その時の遊技状態に関するコマンドを送信するためのものであり、演出モード表示や時短回数表示などに使用される。
【0246】
大当り開始デモ時のコマンドとしては、図柄1大当り開始デモ、図柄2大当り開始デモ、発射位置指定のコマンドがある。図柄1大当り開始デモコマンド、及び、図柄2大当り開始デモコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄に基づいた開始デモを表示させるためのものである。発射位置指定コマンドは、所謂左打ちや右打ちにより、遊技者に、第1大入賞口91及び第2大入賞口92の間で遊技球の打ち分けを行わせる場合に発射位置を報知するためのものである。
【0247】
大当り中大入賞口開放時のコマンドとしては、図柄1大当り中デモ1〜16、図柄2大当り中デモ1〜16のコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄及びラウンド数に基づいた演出を表示させるためのものである。
【0248】
大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドとしては、大入賞口閉鎖演出コマンドがある。これは、大入賞口閉鎖演出を表示させるためのものである。
【0249】
大当り終了デモ時のコマンドとしては、図柄1当り終了デモ、図柄2当り終了デモのコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の当り図柄に基づいた当り終了デモ演出を表示させるためのものである。
【0250】
始動入賞時のコマンドとしては、当り予告(当り予告演出)、図柄予告(当り図柄予告演出)、変動予告(パターン予告演出)、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドは、事前情報通知手段157による前述の先読み演出に係るコマンド(先読みコマンド)である。そして、当り予告コマンドは、当否乱数の乱数値範囲を送信するためものであり、抽選確率に応じた当否の情報などを含んでいる。図柄予告コマンドは、図柄乱数の乱数値範囲を送信するためのものであり、当りの種類に係る情報などを含んでいる。さらに、変動予告コマンドは、変動パターンの乱数範囲を送信するためのものであり、変動パターンのグループの種別(リーチなし、ノーマルリーチ、又は、スーパーリーチなど)の指定に利用可能である。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。そして、本実施例では、当否抽選の結果、先読み演出の有無や期間などの情報は、当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドによって、サブメイン基板301に伝えられるようになっている。
【0251】
電断復帰時のコマンドとしては、通信検査1、通信検査2、電断復帰用遊技状態A〜E、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出、電断復帰当り状態、電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態、発射位置指定、エラーa〜d、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。
【0252】
通信検査1、通信検査2のコマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。電断復帰用遊技状態A〜Eのコマンドは、電断時の遊技状態に応じて異なるコマンドを送信するためのものである。演出回数A〜Zのコマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2のコマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
【0253】
電断復帰当り状態コマンドは、当り中か否かに応じて異なるコマンドを送信するためのものである。電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の、待機中・変動中・当たり中などの状態に応じたコマンドを送信するためのものである。発射位置指定コマンドは、前述のように、状況に応じた適切な発射位置を指定するためのものである。エラーa〜dは、エラーの有無及び種類を送信するためのものである。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。
<メイン基板の主要な制御処理>
【0254】
次に、上述の構成のぱちんこ遊技機10のメイン基板102における主要な制御処理について、
図11〜
図14等に基づいて説明する。なお、説明に先立ち、以下で用いる「特別電動役物」、「条件装置」、「役物連続作動装置」の用語について説明する。これらは何れもぱちんこ遊技機10の制御処理における概念上の機器を表しており、これらのうち「特別電動役物」は、第1大入賞口91、第2大入賞口92を作動させることとなるものである。また、「条件装置」は、特別図柄として特定の図柄組合せが停止表示された場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」は、特別電動役物を連続して複数回作動させることができるものである。
【0255】
また、ここで説明するぱちんこ遊技機10の主要な制御処理は、
図11及び
図12に示す制御開始処理、
図13に示す遊技進行割込み処理、及び、
図14に示す電源断処理であり、これらはメイン基板102において実行される。
<制御開始処理>
【0256】
図11及び
図12に示す制御開始処理は、ぱちんこ遊技機10の電源投入によりCPU501の製造コードを利用したセキュリティチェックが行われた後に開始される制御処理であり、この制御開始処理においては、後述する電源投入時に必要な設定(S1〜S4)を実行後、初期化スイッチ544の操作状態(S5)、電断時状況確認処理(S6〜S8)における電源断情報フラグ(電源断確認情報)の値、及びRWM領域の加算結果(チェックサムデータ)に対応して、電源断復帰時の処理(S9〜S17)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)、遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)、循環処理(S32(S28〜S31))等を実行する。
<<電源投入時に必要な設定>>
【0257】
電源投入時に必要な設定として、スタックポインタの設定(S1)、割込みモードの設定(S2)、及びRWM503へのアクセス許可の設定(S3)が行われ、続いて内蔵レジスタの初期設定が行われる(S4)。
【0258】
これらのうちスタックポインタの設定(S1)の処理においては、スタック領域を確保するため、スタックポインタにスタックポインタの初期値としてセットし、スタックポインタが特定の番地にセットされる。次に、割込みモードの設定(S2)においては、所定番号のモードを設定し、RWMのアクセス許可設定(S3)においては、RWMへのアクセスを許可するため、所定のレジスタにアクセス許可データをセットする。これにより、マスカブル割込みが特定の割込みモードに設定され、CPU内蔵RWMがアクセス許可にされる。さらに、内蔵レジスタの設定(S4)においては、内蔵レジスタ初期設定テーブルを用いて、遊技進行割込み使用設定値やクロック源選択値等といった対応する各種の設定値がセットされる。なお、メイン基板102における割込みについては後述する。
<<RWMクリアスイッチの操作状態の確認>>
【0259】
初期化スイッチ544の操作状態の確認の処理(S5)においては、入力ポートを介して入力される初期化スイッチ544の出力信号の状態が確認される。RWMクリアスイッチが押されたか(オンされたか)否かが判定され、押されていなければ(S5:NO)、後述する電断時状況判定処理(S6〜S8)中の電源断情報フラグの値の判定処理(S6)へ進む。一方、初期化スイッチ544が押されていれば(S5:YES)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)の処理が行われる。
【0260】
ここで、初期化スイッチ544は、対応する入力ポートのRWMクリアスイッチビットが5回連続でオンと判定された場合に操作されたと判断される。また、初期化スイッチ544が押されたか否かの情報の判定はこのとき1回だけ行われ、以降は判定が行われない。
<<電断時状況確認処理>>
【0261】
初期化スイッチ544の操作がなかった場合の電断時状況確認処理(S6〜S8)においては、電源断情報フラグの値が読込まれ、読込まれた値が所定の電源断正常データに一致するか否かが判定される(S6)。電源断正常データは、電源がオフする電源断(電断)が生じた際に、電源断の処理が正常に行われた場合に保存されるものである。
【0262】
電源断情報フラグの値が電源断正常データに一致した場合(S6:YES)場合には、チェックサムデータが算出される(S7)。このチェックサムデータの算出の処理においては、図示は省略するが、チェックサムデータとして初期値がセットされ、チェックサムデータに対して所定の演算が行われた後、演算後のチェックサムデータが0と異なるか否かの判定が実行される。
【0263】
チェックサムデータが0でなかった場合(S8:NO)、即ち再開準備処理実行条件が成立していない場合には、相対アドレスの基準値の上位にRWM先頭上位がセットされ、この場合にもRWMの初期化時の処理(S24以降)へ移行する。一方、チェックサムデータが0であった場合(S8:YES)には、後述する電源断復帰時の処理(S9〜S17)へ移行する。
<<電源断復帰時の処理>>
【0264】
電源断復帰時の処理においては、スタックポインタにスタックポインタバッファの値がセットされ、スタックポインタが電源断時に保存した値に戻される(S9)。さらに、メイン基板102とサブ基板104との通信線の検査を行うため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされ(S10、S11)、装飾ランプ(遊技効果ランプ)及び効果音(音響演出)の演出を電源断発生前の状態に戻すため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされる(S10、S11)。また、特別図柄表示装置の作動保留球数に対応したコマンドの要求を行うため、図柄記憶数コマンド要求処理が実行される(S12)。
【0265】
さらに、ソレノイドが電源断発生前の出力状態に戻される(S13)。具体的には、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。
【0266】
この後、以降の特別図柄の設定の処理(S14)へ進み、特別図柄表示装置(70、71)の確率変動機能の作動状態の情報が設定される。次に、電源復帰の設定(S15)、及びデータ格納処理(S16)、払出制御基板との通信線異常の検出設定(S17)が実行される。
【0267】
続いて、遊技進行割込み処理の起動の処理において、遊技進行割込みを起動させるため、PTC0カウンタ設定レジスタのアドレスがセットされ、所定の大きさ(ここでは約4msに相当)のカウント値がPTC0カウンタ設定レジスタにセットされる(S18)。これにより、遊技進行割込みが4ms毎に発生することとなる。
【0268】
そして、フラグレジスタを除く各種レジスタの復帰の処理が実行され(S19)、電源断が発生したときの状態が割込み許可であったのか否かの判定の処理(S20)が実行される。そして、電源断時が割込み禁止の状態であった場合には(S20:NO)、フラグレジスタを復帰させ(S21)、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき番地の処理に戻す。一方、電源断時が割込み許可の状態であった場合には(S20:YES)、フラグレジスタを復帰させた後(S22)、割込み許可の設定(S23)を行ってから、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき処理に戻す。
【0269】
ここで、フラグレジスタの復帰を他のレジスタとは別に行うのは、フラグレジスタには確変等の遊技状態の情報が記憶されており、これらの情報の復帰を可能な限り、制御処理を電源断の発生前に戻す直前で行うためである。
<<RWMの初期化時の処理>>
【0270】
RWMの初期化時の処理(S24〜S28)においては、RWM領域をクリアした後(S24)、RWMの初期設定(S25)、演出表示器(演出表示装置60)の初期化(S26)、及び遊技進行割込み用の計時設定(S27)を行う。このうちRWM領域のクリア(S24)からRWMの初期設定(S25)の処理においては、RWM全領域にクリアデータ(00H)がセットされ、クリアデータが相対アドレスの基準値としてストアされ、この基準値が+1される。さらに、この基準値のビット7が検査され、検査結果の判定が実行される。検査結果の判定の処理において、検査結果が0であれば、前述のクリアデータを上記基準値にストアする処理に戻り、初期化データ設定テーブルのアドレスがセットされる。これにより、RWMの初期値が設定される。なお、RWM領域のクリアは、全領域に対して行うものに限定されず、例えば特定の情報が記憶された一部の領域のみや、未使用の領域を除いた領域のみをクリアするようにしてもよい。
【0271】
なお、上述のクリアデータの値である「00H」のように、数値の末尾に記載した「H」は、その数値が16進数表記されていることを表している。また、本実施例では、16進数を表す数値には「H」の記号を付し、2進数を表す数値には「B」の記号を付し、これらのような表記法を示す記号が付されていない数値は10進数で表記されたものとする。
【0272】
演出表示器の初期化(S26)においては、演出表示装置60の初期化、エラー状態及び不正賞球監視情報のコマンド送信要求を行うため、演出初期コマンド設定テーブルのアドレスを引数としてコマンド要求データ設定処理を実行する。
<<遊技進行割込み用の計時設定の処理>>
【0273】
遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)においては、遊技進行割込みを起動させるため、対応するカウンタ設定レジスタに所定の大きさのカウント値をセットし、遊技進行割込みを例えば4ms毎に発生させる。
<<循環処理>>
【0274】
遊技進行割込み用の計時設定(S27)の後には、割込み処理時間監視手段である所定のタイマの再帰(リスタート)準備や、各種乱数の初期値の生成に用いられる乱数関係値の更新を行う循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。この循環処理(S32(S28〜S31))においては、遊技機の管理を行うため、先ず、割込みを禁止する(S28)。さらに、割込み処理時間監視手段を再帰させる準備のため、割込み処理時間監視手段クリアレジスタに第1再帰情報となる所定の値をセットする(S29)。この第1再帰情報は、予め定められた例えば55H等の値である。
【0275】
そして、初期値乱数更新処理を実行し(S30)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。この後、割込みを許可した後(S31)、再度割込み禁止(S28)の処理に戻り、それ以降の処理(S28〜S31)を順次繰り返して制御処理を循環させる。
【0276】
割込み許可(S28)が実行される毎に前述の遊技進行割込みが可能となり、遊技進行割込み処理は、S27で設定された周期情報に基づいて、所定の周期(ここでは4ms周期)毎に繰返される。
<<初期値乱数更新処理>>
【0277】
前述の初期値乱数更新処理(S30)においては、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新テーブルから乱数の更新回数取得し、更新回数分、初期値乱数の更新を行う。
<遊技進行割込み処理>
【0278】
次に、遊技進行割込み用の計時設定(S27)の処理において設定された周期情報に基づき4ms周期で繰返される遊技進行割込み処理について説明する。
図13に示すように、遊技進行割込み処理においては、割込み動作条件の設定(S41、S42)、割込み処理時間監視手段の再帰(S43)、遊技機の管理(S45〜S70)、割込みの許可(S71)を順に行い、遊技進行割込みが発生する前の処理に復帰させる。
【0279】
具体的には、割込み動作条件の設定の処理(S41、S42)においては、割込みフラグをクリアするため、割込み動作条件設定値が、遊技進行割込み制御レジスタに格納され(S41)、割込み動作条件設定値が、所定の入力端子に対応した制御レジスタにセットされる(S42)。この後、第2再帰情報がセットされ(S43)、更に第2再帰情報が割込み処理時間監視手段レジスタにセットされる(S44)。
【0280】
遊技機の管理(S45〜S70)においては、遊技機の管理を行うため、以下の処理を順に実行する。
【0281】
先ず、特定の信号の入力を監視するため、入力処理(S45)を実行する。ここで監視の対象となっているのは、遊技盤面に取り付けられている各種スイッチ、受け皿満タンスイッチ、開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、ガラス未検出信号、及び断線短絡電源異常検知信号である。
【0282】
続いて、各種乱数更新処理(S46)を実行し、普通図柄変動パターン乱数、及び変動パターン乱数を更新する。さらに、初期値更新型乱数更新処理(S47)を実行し、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。次に、初期値乱数更新処理(S48)を実行し、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。また、2バイトタイマの更新を行うため、タイマ減算処理(S49)を実行し、第2始動入賞口63の有効期間を設定するため、第2始動口の有効期間設定処理(S50)を実行する。
【0283】
さらに、入賞監視処理(S51)が実行され、賞球を払出す回数の記憶、盤用外部情報の出力要求の作成、及びサブ基板104に送信するコマンドの送信要求が行われる。続いて、払出制御基板103を制御するため、賞球制御処理(S52)を実行する。
【0284】
次に、遊技球が普通図柄作動ゲート(作動口68a、68b)を通過したとき、普通図柄に係る乱数を記憶するため、普通図柄作動ゲート監視処理(S53)を実行し、普通図柄表示装置又は普通図柄電動役物に係る処理を行うため、普通図柄制御処理(S54)を実行する。さらに、普通図柄の変動開始の監視を行うため、普通図柄変動開始監視処理(S55)を実行する。また、遊技球の第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63の入賞の監視を行うため、始動口監視制御処理(S56)を実行し、第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71に係る処理を行うため、特別図柄制御処理(S57)を実行する。続いて、特別電動役物に係る処理を行うため、特別電動役物制御処理(S58)を実行し、第1大入賞口91又は第2大入賞口92の有効期間に係る処理を行うため、大入賞口有効期間設定処理(S59)を実行し、第1特別図柄、及び、第2特別図柄の変動開始の監視を行うため、特別図柄変動開始監視制御処理(S60)を実行する。
【0285】
次に、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠の開閉状態の監視、及びペアガラスの監視を行うため、異常検知処理(S61)を実行し、入球通過時間異常の検出を行うため、入球通過時間異常検出処理(S62)を実行する。さらに、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、遊技状態表示処理(S63)を実行し、発射ハンドル20のタッチ状態(操作量の状態を含む)の監視を行うため、ハンドル状態信号検査処理(S64)を実行する。また、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置(70、71)の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、及びエラーの表示を行うため、LED出力処理(S65)を実行する。
【0286】
続いて、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、発射制御信号出力処理(S66)を実行し、試験装置に出力する信号を作成し出力するため、試験信号出力処理(S67)を実行する。さらに、普通電動役物ソレノイド、第1大入賞口開放ソレノイド、及び第2大入賞口開放ソレノイドの出力データの出力を行うため、ソレノイド出力処理(S68)を実行し、演出制御コマンドを送信するため、演出制御コマンド送信処理(S69)を実行し、外部端子(外部中継端子基板46(
図2参照)の各種外部出力端子)に信号を出力するため、外部情報出力処理(S70)を実行する。
【0287】
この後、割込み許可(S71)が実行され、制御処理がリターン(RET)に抜ける。そして、次回の遊技割込みが実行されるまでの残余時間を利用して、制御開始処理の前述の循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。
<<演出制御コマンド送信処理>>
【0288】
演出制御コマンド送信処理(S69)においては、演出制御基板へ送信するコマンドの送信要求を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファのクリアを行い、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順次行う。コマンドデータの送出タイミングは、演出データストローブにより規定され、演出データストローブ信号のオン時間(ここでは2μs以上)の後の所定時間(ここでは46μs以上)が演出データ保持時間となっている。
【0289】
コマンドの送信要求の検査においては、コマンド要求書き込み位置(領域)の値とコマンド要求読み込み位置(領域)の値を比較し、値が一致しない場合、コマンドの送信要求があると判断する。要求するコマンドデータの取得においては、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値と位置補正ビットデータの論理積の2倍値とコマンドバッファのアドレスを加算し、加算の結果、取得したアドレスの内容をコマンドデータとする。なお、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値の取得後、コマンドデータの読み込み位置の内容を更新するため、コマンド要求読み込み位置を+1する。コマンドバッファのクリアにおいては、コマンドバッファをクリアするため、取得したコマンドデータが格納されていたコマンドバッファを0でクリアする。
【0290】
取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得においては、取得したコマンドデータ上位をMODEデータとする。MODEデータの出力においては、取得したMODEデータを演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。MODEデータの保持においては、MODEデータの保持のため、所定時間(ここでは46μs以上)ウェイトする。取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得においては、取得したコマンドデータ下位をEVENTデータとする。EVENTデータの出力においては、取得したEVENTデータを前述のものと同じ演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。
<<コマンド送信タイミングに係る制御態様>>
【0291】
本実施例では、メイン基板102からサブメイン基板301に出力される演出制御コマンドは、送信の前に、コマンド要求により、コマンドバッファに一旦格納される。コマンドバッファは、複数のバッファをリングバッファとして機能させたものであり、コマンド送信のための制御処理(ここでは演出制御コマンド送信処理(S69))において、コマンドバッファに蓄積された順に、1回の遊技進行割込み処理で1コマンドずつ、コマンドバッファから取出されて送信される。なお、優先順位が高く設定されたコマンドから先に送信するような手法も採用可能である。また、各種の制御処理において、送信が必要となったコマンドが発生した場合に、随時コマンド送信を行うことも可能である。このような手法を採用した場合には、1回の遊技進行割込み処理中に、例えば演出制御コマンド送信処理(S69)のような一つの制御処理モジュール内で集約的に演出コマンドの送信が行われるのではなく、コマンド送信の必要が生じる都度、各制御処理モジュール内で、逐次的にコマンド送信が行われることになる。このため、コマンド送信が次回以降の遊技進行割込み処理に持ち越されるといった事態が生じ難い。そして、例えば始動入賞時のコマンドや、特別図柄の変動開始時のコマンド送信に遅れを生じることがなく、迅速なコマンド処理が可能となる。
<<電源断処理>>
【0292】
次に、電源断が生じた場合に実行される電源断処理について説明する。
図14に示すように、電源断処理においては、全使用レジスタのデータをRWMに退避し(S81)、電源断前の割込み許可/禁止の状態を保存する(S82)。さらに、RWMに電源投入正常の情報が保存されているか否かが判定され(S83)、保存されていない場合には(S83:NO)、電源断異常の情報をRWMに保存し(S84)、RWMアクセス禁止の処理(S88)へ移る。一方、保存されている場合には(S83:YES)、スタックポインタの値をスタックポインタバッファに保存し(S85)、電源断正常の情報をRWMに保存し(S86)、RWMのチェックサムを算出し、チェックサムデータを保存する(S87)。そして、RWMをアクセス禁止とし(S88)、制御処理をループさせながらCPU501のリセットを待つ。
<<変動パターンの抽選に係る制御態様>>
【0293】
続いて、変動パターンの抽選に係る各種態様について説明する。ここで説明する変動パターンの決定の態様は、一のぱちんこ遊技機10において、何れかが選択されて適用されてもよく、或いは、適宜併用されていてもよい。そして、複数の態様を併用する場合には、例えば、当否結果等の要素に基づき、態様の使い分けを行うことが可能である。
【0294】
本実施例では、変動パターンの決定には、前述のように、当否結果、保留球数、特別図柄(図柄群の場合もある)、及び、変動パターン選択状態(特別図柄のステイタス情報)が決定要素として用いられているが、これらの決定要素の組合せに対応した変動パターンが選択される。そして、変動パターンの決定に伴い、変動パターンと紐付けされ対になっている変動時間が決定される。さらに、本実施例では、変動パターンの決定に関し、当否抽選の結果が大当りの場合と、はずれの場合とで、決定の要素を異ならせることが行われている。すなわち、大当りの場合には、演出状態(特別図柄のステイタス情報など)、特別図柄群、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンが選択される。一方、はずれの場合には、演出状態、保留球数、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンが選択される。このうち、大当りの場合で、演出上の再抽選の時間が付与される変動パターンについては、演出状態(特定の演出の有無など)と、特別図柄群とに基づき、再抽選の時間の付与の有無が決定され、決定された結果が、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される。
【0295】
また、変動パターン及び変動時間の決定に際して、決定された演出パターン番号(別の言い方をすれば、演出パターンの内容)に応じた後続的な変動時間の決定を行うことが可能である。例えば、選択された変動パターンが、限定頻度パターン演出に対応したものである場合に、それに応じた変動時間の延長分を事後的に決定するといったことが考えられる。
【0296】
また、前述のように特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとして変動付加情報のコマンドを設定することにより、遊技状態や当り図柄といった要素に関係づけて先に決定した変動時間中に、後発的に予告等の演出を付加することができる。そして、この様な態様で、総合的な変動時間を決定する場合には、以下のように、予め設けられる変動パターンの数を少なく抑えつつ、多様な変動パターンを作成することが可能である。すなわち、前述の擬似連続予告(所謂「擬似連」)を行う場合について考えれば、擬似連の変動パターンを単に個別に設定した場合には、演出の種類数と同じ数の変動パターンを予め設けておく必要がある。そして、このように全て個別に演出パターンを用意した場合には、変動パターンの合計数が大となって、例えば256個を超えるほどの数に達することも考えられる。このため、多数の変動パターンに対して識別可能な符号を与えるためには、従来よりも符号を表すためのビット数やバイト数を増やす必要が生じてしまう。
【0297】
しかし、変動付加情報(変動付加パターン)を用いることにより、相対的に少ない数の基本の変動パターンに対し、例えば乱数抽選した変動付加情報を繋げて、事後的に変動パターンを形成することが可能である。そして、このことにより、変動パターンの組合せにより新たな変動パターンを形成できるので、予め設けておく変動パターンの数を過大とすることなく、多様な変動パターンを作成できる。なお、変動付加情報に係る乱数値も、先読み演出用のコマンドとして、始動入賞発生時に、メイン基板102からサブメイン基板301に送信することが可能である。また、限定頻度パターン演出が実行される場合に変動付加情報の付加が行われ易くなるよう、変動付加パターンの出現確率を設定しておくことなども可能である。なお、変動付加情報を用いる例を更に挙げれば、演出図柄190の組合せとして最初から確変図柄である「777」が表示された場合には変動付加情報の設定は行わず、演出図柄190の組合せとして、一旦非確変図柄である「666」が表示された場合には、「777」に昇格させるか否かの結果が表示されるまでの演出(例えば、揺れ変動の演出や、変動態様の展開を表す演出など)を、変動付加情報を設定して行う、といったことがある。
【0298】
また、本実施例では、変動パターンは、保留球数を要素として決定されており、保留球数が幾つであるかに応じて、参照される変動パターンテーブルが異なる。変動パターンテーブルは、保留球数0〜4に対応して設けられている。保留0〜3の4つだけではなく、保留4に対応する変動パターンテーブルが設けられているのは、以下の理由による。例えば、保留球数が4つの状況から新たな変動表示が開始され、保留球数が3となった場合を考える。その時点で実行されている遊技進行割込み処理中の、未だ制御処理が、後の遊技進行割込み処理中の処理である変動パターンの決定に至らない段階において、保留球数が3となっている状態から新たな始動入賞が発生すると、変動パターンの決定時には、保留球数が加算されて4となっている。したがって、このような状況も変動パターンの決定の要素とし得るよう、保留球数0〜4に対応して変動パターンテーブルが設けられているのである。
【0299】
また、変動パターン乱数の取得タイミングとしては、変動パターン抽選時とすることが可能である。すなわち、変動パターン乱数は、特別電動役物等の役物作動に係る乱数ではないので、適正な遊技を行うための要素としては、当否乱数などに比べて、例えば公正な遊技を目指すうえでの制約を設ける必要性が低くなる。したがって、始動入賞時には敢えて変動パターン乱数の取得はせず、例えば、別途設けられたタイミングとして変動パターン抽選時に、変動パターン乱数を取得し、記憶することが考えられる。このようにすることにより、始動入賞時に記憶すべき情報の数を減らすことができ、プログラムやメモリの容量削減が可能となる。
<<図柄の指定に係る制御態様>>
【0300】
図柄の抽選にあたり、図柄乱数を示す符号の上位バイトの値に基づき使用する図柄判定テーブルを決定し、その後、図柄乱数の下位バイトの値に基づき、決定した図柄判定テーブルから図柄を決定することなども可能である。本実施例では、図柄乱数の数値範囲が「0〜999」に設定されているので、これらの数値の2値符号コードを利用することができる。そして、このようにすることにより、メモリやプログラムの容量を削減できる。また、当り図柄(図柄群であってもよい)に対してラウンド数や時短回数等の遊技状態の振分けを行い、当り図柄に応じて、その後のラウンド数や時短回数等が決定されるようにしてもよい。このようにすることにより、遊技状態の固有のデータの記憶や制御処理を行う必要がなく、メモリやプログラムの容量を削減できる。さらに、メイン基板102からサブメイン基板301へ当り図柄等を伝えるコマンド(例えば、本実施例では、図柄1演出パターン、図柄2演出パターンの各コマンド)に、遊技状態を伝える情報(遊技状態指定情報)を付加することも可能である。このコマンドは、作成されてから直ぐにサブメイン基板301へ送信されるものではなく、作成されて一時記憶され、所定のタイミングを待ってからサブメイン基板301へ送信されるものである。
<サブ基板の主要な制御処理>
【0301】
次に、前述のサブ基板104の主要な制御処理について説明する。ここでは、主要な制御処理として、例外処理である各種の割込み処理、及び、これらに関係する処理について、
図15〜18に基づき説明する。
<<割込み要因と優先レベル>>
【0302】
先ず、本実施例においては、サブ基板104を構成するサブメイン基板301において、CPU521が最優先する割込み要因(要因発生元)として、CPU521に設けられたリセット端子への所定信号(リセット信号)の入力、及び、各種の異常の発生がある。これらのうち、リセット信号の入力があるのは電源立ち上げ時、外部リセットが行われる場合、ウォッチドッグタイマのタイムアウトがあった場合などであり、リセット信号の入力に伴い後述するサブメイン初期設定処理(
図15参照)が実行される。
【0303】
一方、各種異常の発生時の割込みは、ウォッチドッグタイマの機能(ウォッチドッグ機能)が有効に設定されているか否かに応じて実行されるものである。すなわち、ウォッチドッグ機能が有効であれば、対象となるような所定の異常が発生した場合に、処理時間がウォッチドッグタイマの設定時間を超えるように、CPU521の処理が例えば所定の無限ループに移行する。そして、ウォッチドッグ機能におけるタイムアウトにより暴走検知がされると、後述するサブメイン初期設定処理(
図15参照)が実行される。そして、上述の各種異常と、リセット信号の入力とが同時に発生した場合には、リセット信号の入力によるリセット(サブメイン初期設定処理)が優先される。
【0304】
サブメイン基板301におけるその他の割込み発生要因として、メイン基板102からのコマンド(メインコマンド)の受信がある。メイン基板102からのコマンドの受信中であることは、メイン基板102からの前述のストローブ信号(演出データストローブ信号)の立ち上がりを検出することにより判定される。このメインコマンド受信割込みが発生すると、後述するメインコマンド受信処理(
図17参照)が実行される。なお、メインコマンド受信処理において、問題なくコマンドを受信できた正常受信の場合は、受信したコマンドの内容がコマンドバッファ(コマンドリングバッファ)に保存され、コマンド解析処理は、後述するメイン処理(
図16参照)内のメインループ処理(S124〜S132の循環処理)にて行われる。そして、メインコマンド受信割込みの優先レベルは、上述の最優先の次に高いレベル7に設定されている。
【0305】
また、前述のウォッチドッグ機能が有効に設定されている場合に、前述の各種異常の発生時のように、故意にタイムアウトさせるような処理を経ずに、CPU521についての暴走検知がされると割込み(暴走検知割込み)が発生し、後述するサブメイン初期設定処理(
図15参照)が実行される。このような通常のウォッチドッグタイマによる割込みの優先レベルは、上述のレベル7よりも4段階低いレベル3である。なお、本実施例では、このレベル3と上述のレベル7との間となるレベル4〜6の割込みは、実行されないようになっている。
【0306】
また、他の割込み発生要因として、サブサブ基板302との送受信がある。このサブサブ基板302との送受信に係る割込み(サブサブコマンド受信割込み)は、サブサブ基板302からの受信コマンド(サブサブコマンド)が入力された場合に発生する。サブサブ基板302からの受信コマンドは、サブサブ基板302が、サブメイン基板301からコマンド(サブメインコマンド)を受信した場合に、正常にコマンド受信した旨をサブメイン基板301伝えるものである。そして、サブサブ基板302との送受信に係る割込みが発生すると、コマンド送受信管理処理が実行される。なお、サブメイン基板301からサブサブ基板302へのコマンド送信は、後述するように、サブサブ基板302からの監視用トグル信号が正常に送られてきた場合に行われるものである。このサブサブ基板302との送受信に係る割込みの優先順位は、レベル2となっている。
【0307】
また、他の割込み発生要因として、サブサブ基板302との通信がある。サブサブ基板302との通信に係る割込み(サブサブ通信割込み)は、後述するように所定周期(本実施例では500μs)毎に発生する。そして、サブサブ基板302との通信に係る割込みが発生すると、サブサブ基板との通信処理が実行される。このサブサブ基板302との通信に係る割込みの優先順位は、上述のサブサブ基板302との送受信に係る割込みと同じレベル2である。
【0308】
さらに、他の割込み発生要因としては、RTCクロック(リアルタイムクロック)との通信、タイマ割込み(サブメインタイマ割込み)の発生、各種ランプ類の割込み要求、などがあり、これらの優先順位は最も低いレベル1に設定されている。これらのうち、RTCクロックとの通信に係る割込みの際には、RTCクロックとの通信処理が実行される。また、上述のタイマ割込みは、ソレノイド出力処理、モータ出力処理、遊技用タイマ管理処理等、遊技演出全般で利用するためのものである。タイマ割込みの起動は、初期化時の設定(初期設定)で直ちに行われ、タイマ割込みは所定の周期(本実施例では約1ms)毎に繰り返される。そして、タイマ割込みが発生した場合には、後述するタイマ割込み処理(
図18参照)が実行される。
<<サブメイン初期設定処理>>
【0309】
ぱちんこ遊技機10の電源投入がされた場合のように、サブメイン基板301の電源がオンされると、
図15に示すサブメイン初期設定処理が実行される。このサブメイン初期設定処理においては、先ず、所定のアドレスがスタックポインタとしてセットされ(S101)、続いて各種の初期設定が完了するまですべての割込みが禁止される(S102)。さらに、ハードウェア初期設定処理(S103)において、ハードウェアに関する基本的な設定(レジスタ設定やポート初期化など)が行われ、RWM初期化処理(S104)において、所定の条件に応じてRWM初期化が行われる。そして、このRWM初期化においては、初期値付き変数には初期値が準備され、初期値なし変数については0クリアがされる。また、RWM初期化処理(S104)においては、RWMへのROMデータ(制御プログラム等)の展開なども行われる。
【0310】
さらに、S105において、メインコマンドの受信以外の割込み禁止がされ、続いて、各種エラー情報の設定を行う電断復帰エラー検出処理(S106)が実行される。この電断復帰エラー検出処理(S106)においては、ゲーム性等の事情に応じた処理が行われる。つまり、サブメイン基板301においては、振動エラーや電波エラー等を含めた各種のエラーに対処する機能が備えられている。しかし、これらの各種エラーに対処する機能は予め選択されており、有効とされているエラーに対してのみ、エラー検出の機能が発揮されるようになっている。例えば、所謂1種と2種のゲーム性を組合せた1種2種タイプや、所謂球確スペックなどのように、遊技球が特定の領域を通過することで所定の当りが発生するか否かが決まるような機種では、振動エラーの検出機能が有効とされる。しかし、本実施例に係るぱちんこ遊技機のように、当否抽選が乱数抽選のみにより行われるタイプの機種では、振動エラー検出機能を有していても、その機能は予め選択的に無効とされており、振動エラー等についての特別な対処は行われない。
【0311】
続いて、全ランプ消灯処理(S107)において、全ランプ消灯を行うために消灯リクエストが行われ、ウォッチドッグタイマ動作開始処理(S108)において、ウォッチドッグタイマをウォッチドッグタイマとして使用する設定に基づき、ウォッチドッグタイマが起動される。なお、
図15においては、S101からS108までの処理にメイン処理(S109)を繋げて記載しているが、S101からS108までの処理がサブメイン初期設定処理となっており、メイン処理(S109)は、このサブメイン初期設定処理(S101〜S108)の後に続いて行われるものとなっている。さらに、メイン処理(S109)において、遊技の主たる処理の管理などが行われるが、このメイン処理(S109)の詳細については後述する。
【0312】
メイン処理(S109)の後には、スリープ処理(S110)が配置されている。通常であれば、メイン処理(S109)からサブメイン初期設定処理を行うリセット動作に復帰することはないため、このスリープ処理(S110)は実行されないが、図中に破線の矢印で示すように、何らかの原因によってこのスリープ処理(S110)が実行されることになった場合には、小消費電力モードへの移行が行われる。
<<サブメイン基板におけるメイン処理>>
【0313】
前述のメイン処理(S109)においては、
図16に示すように、RWM配置アドレス取得処理(S121)が実行され、このRWM配置アドレス取得処理(S121)においては、RWMに展開されたプログラム領域をチェックできるように、展開されたプログラム領域の先頭アドレスの取得が行われる。
【0314】
次に、以降の処理での割込みを可能とするため、すべての割り込みが許可される(S122)。さらに、デバイス初期化処理(S123)において、モータ、ソレノイド、ランプ類等の各種デバイスの初期化動作が行われる。続くウォッチドッグクリア処理(S124)において、ウォッチドッグタイマを使用する設定が行われていれば、ウォッチドッグタイマがクリアされる。さらに、図柄更新処理(S125)において、演出図柄190a〜190cに係るはずれ図柄がカウンタにより決定される。
【0315】
ここで用いられるカウンタとしては、「111」から「999」の3桁のカウンタを例示でき、例えば、取得されたカウンタ値が「757」であった場合には、停止表示される演出図柄190a〜190が「757」となるようにすることが可能である。取得されたカウンタ値が「111」のようなぞろ目の組合せであった場合には、例えば「121」のように所定の桁の数値をオフセットして、はずれの組合せとすることが可能である。
【0316】
この図柄更新処理(S125)は、採用されたはずれ図柄の決定方式によっては実行されない場合がある。例えば、はずれ図柄を抽選で決定する場合は実行されず、具体的なものとしては、全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シート(抽選テーブル)のデータを持ち、該抽選シートを使用してはずれ図柄を決定するような制御態様を例示できる。
【0317】
続くエラー演出管理処理(S126)においては、エラー状態の監視が行われ、監視結果に応じて各種エラー報知が実行される。さらに、プッシュボタン監視制御処理(S127)は、演出用サブボタン(プッシュボタン)である前述の操作ボタン22に係る制御のためのものであり、操作ボタン22の入力状態(操作状態)に応じた処理を実行する。
【0318】
次に、予告抽選管理処理(S128)においては、予告演出を決定するための抽選が実行されるが、この予告演出の抽選は、メイン処理(S109)における後述のループ処理の効率(メインループ処理効率)を上げるため、数回に分けて行われる。すなわち、1回の変動中に複数回の予告演出が実行されるような場合、複数回の予告演出に関する抽選の工程は、1回のメインループで全て行われるのではなく、複数回のメインループに分けた複数回の抽選を経て実行される。また、抽選のタイミングは、変動中における予告演出出現タイミングに関係付けられている。例えば、変動開始直後のように相対的に早いタイミングで出現する予告演出については、抽選時期の優先順位が高く設定されており、優先順位に従ったタイミングで抽選を行うことにより、極力早く画像制御側であるサブサブ基板302にコマンド送信できるようになっている。なお、予告抽選管理処理(S128)において行われる各種の処理については後述する。
【0319】
次に、デバイス管理処理(S129)においては、リアルタイムクロック(RTC)、ランプ、モータ、ソレノイド、ランプ類等のデバイス動作要求があった場合に、該当するデバイスを動作させるための処理が実行される。
【0320】
さらに、コマンド解析処理(S130)においては、メイン基板102から受信したコマンド(メインコマンド)に応じるための処理を開始する必要や、前述のコマンドバッファにコマンドデータが存在する場合に、コマンドの解析を行う。そして、コマンドの解析が行われた場合(S131:YES)には、処理がウォッチドッグクリア処理(S124)に戻り、メインループが実行される。メイン基板102からのコマンド受信の直後はコマンドバッファにコマンドデータがあるため、メインループを実行し、ウォッチドッグクリア処理(S124)以降の処理に戻る。しかし、メインループが繰返されて、後述する次回のタイマ割込みが実行されるまでの間に、コマンドバッファが空になると、コマンド解析を行う必要がなくなり、コマンド解析を行わないことになる。このような場合には、メインループに進まず(S131:NO)、生じた時間を利用して、コマンド解析に比べれば優先順位が低い乱数更新処理(S132)が実行される。この乱数更新処理(S132)は、ソフト乱数更新処理である。また、このコマンド解析処理(S130)においては、サブメイン基板301における変動パターン(後述する「サブ変動パターン」)の決定を行う。また、全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シート(抽選テーブル)のデータを持ち、該抽選シートを使用してはずれ図柄を決定するような制御態様を採用した場合は、コマンド解析処理(S130)で演出図柄の決定を行う。
【0321】
これらのコマンド解析に係る処理(S130、S131)については、言い換えれば、或るコマンドについて、コマンド受信直後には、以降に配置された処理(ここでは乱数更新処理(S132))に進まずにメインループ処理(S124〜S132)内のそれ以外の処理(S124〜S131)を繰り返し、コマンドバッファにコマンドがなくなれば、以降に配置された処理へ進み、この結果、或るメインコマンドについて、コマンド解析処理(S130)の開始直後には、コマンド解析が実行されるので、後に配置されたプログラムモジュールへは進まず、コマンド解析処理(S130)においてコマンド解析が行われなくなると、後に配置されたプログラムモジュールへ進むものであるということができる。なお、コマンド解析したか否かの判定処理(S131)の後に、例えばチェックサムの算出などの処理を行う場合には、この処理についても乱数更新処理(S132)と同様に、コマンド受信直後は実行されない処理であるということがいえる。
【0322】
乱数更新処理(S132)においては、演出に係る抽選用乱数(ソフトウェア乱数)の更新が行われ、この乱数更新処理(S132)が実行される度にサブメイン基板301に係るソフトウェア乱数は新たな値に更新される。そして、乱数更新処理(S132)で逐次更新される値は、前述の予告抽選管理処理(S128)などにおいて、各種の演出態様の抽選のための乱数として用いられる。さらに、乱数更新処理(S132)で生成される値は、前述のメイン基板102における所定の乱数の生成と同様に、各種の演出態様の抽選のためのハードウェア乱数との演算を経て、抽選用の乱数として用いられることもある。
<<メインコマンド受信処理>>
【0323】
次に、メイン基板102からのメインコマンド受信処理について、
図17に基づいて説明する。先ず、コマンド入力値を確定するか否かの判定が行われる(S141)。コマンド入力については、ノイズ等により読み込み失敗の恐れがあるため、2連続で同じ値が読み込まれるまでは入力値は確定とされない。具体的には、コマンドデータを最高5回まで読込み、2連続で同じ値が読み込まれた時点で入力値確定とする処理が実行される。そして、コマンド入力値を確定しない場合(S141:NO)には、このメインコマンド受信処理を抜けて割込み発生前の元の処理へ戻る。
【0324】
コマンド入力値が確定された場合(S141:YES)には、受信したコマンドが第1コマンドか否かの判定が行われ(S142)、第1コマンドであったか第2コマンドであったかの判定結果に応じて処理が分岐する。メイン基板102は、1回のコマンド送信で1バイトのコマンド送信を行うが、メイン基板102からのコマンドはMODEデータ及びEVENTデータの2バイト構成であるため、前述のように2回のコマンド送信が必要である。したがって、メイン基板102からは、1回目に上位バイトのコマンド(MODEコマンド)を送信し、2回目に下位バイトのコマンド(EVENTコマンド)が送信される。そして、コマンドを受信したサブメイン基板301においては、コマンドデータの最上位ビットが「1」であれば第1コマンド(MODEコマンド)と判定し、最上位ビットが「0」であれば第2コマンド(EVENTコマンド)と判断する。
【0325】
受信したコマンドが第1コマンドであった場合(S142:YES)には、第1コマンドがテンポラリに保存され(S148)、記憶される。ここで、テンポラリは、値を一時退避させておくための記憶領域である。
【0326】
さらに、所定のハードウェア乱数であるハード乱数1のそのときの値が、ソフトウェア上のバッファにラッチされて保持され(S149)、その後、処理はこのメインコマンド受信処理を抜けて割込み発生前に戻る。ここで、S149のように、メイン基板102のコマンド(第1コマンド)を受信する毎に、ハード乱数1をラッチしておくのは、乱数の周期が形成されないようにするためである。つまり、ランダムなタイミングで発生する第1コマンドの受信を利用して数値を作成し、演出のための所定の抽選等のタイミングにてそのときの数値を利用することで、周期性を排除した乱数の取得が可能となっている。
【0327】
ハードウェア乱数は高速カウンタを用いて生成されるものであるが、取得するタイミングがランダムでなければ何らかの周期性が生じてしまうことがあり得る。しかし、メイン基板102からの第1コマンドは、遊技球の入賞等に起因する不規則なタイミングにてサブメイン基板301で受信されるものであるため、周期が生じる可能性は少ない。したがって、サブメイン基板301においては、上述のようにコマンドの受信を利用したハードウェア乱数の生成を行い、メイン基板102で行われているような周期性の排除を行っているのである。
【0328】
一方、S142において、受信したコマンドが第1コマンドでないと判定された場合(S142:NO)には、第2コマンドを受信したことになる。そして、第2コマンドを受信した場合には、第1コマンドを受信済みか否かの確認が行われる(S143)。第1コマンドを受信済みでない場合(S143:NO)には、メインコマンド受信処理を抜けて元の処理へ戻る。
【0329】
第1コマンドを受信済みの場合(S143:YES)には、コマンドライトポインタの取得が行われる(S144)。ここで、コマンドライトポインタは、コマンドリングバッファにおける読み取り位置を示すものであり、コマンドライトポインタの取得は、コマンドライトポインタにより示された読み取り位置からデータを取得するものである。
【0330】
さらに、この時点で正常に受信されている第1コマンドと第2コマンドとが解析処理用のコマンドリングバッファに保存される(S145)。保存されたデータは、前述のメイン処理(
図16参照)のコマンド解析処理(S130)にて解析処理される。そして、コマンドライトポインタが更新され(S146)、前述のテンポラリの第1コマンドがクリアされる(S147)。ここで、コマンドライトポインタの更新は、コマンドリングバッファの読み取り位置を1つ更新する処理である。また、テンポラリの第1コマンドをクリアする処理は、S148にて記憶した第1コマンドをクリアするものである。
【0331】
なお、本実施例では、2つの要素コマンド(第1コマンド及び第2コマンド)の組を1組(1セット)とし、第1コマンドの受信に応じてハード乱数1のラッチを行っているので、第2コマンドの受信後の処理(S143〜S147)の系統とは異なった処理系統(S148,S149の系統)でラッチ処理ができ、第2コマンドの受信後の処理を迅速に終えることができる。
<<サブメインタイマ割込み処理>>
【0332】
次に、タイマ割り込み処理について、
図18に基づき説明する。タイマ割込み処理は、所定周期である1ms毎に発生する。このタイマ割り込み処理は、優先度が一番低いレベル1の割込み処理であるため、図中に示すように、先ず、優先レベル2以上の割り込みが許可される(S161)。さらに、ポート入力処理(S162)が実行され、ポートデータの入力処理や出力処理が行われる。このポート入力処理(S162)においては、各種センサ(磁気センサ、振動センサ等)に接続されたポートを確認する処理(入力処理)、及び、各種デバイス(モータ、ソレノイド、ランプ等)に接続されたポートからの情報出力(出力処理)が行われている。
【0333】
また、ポート入力処理(S162)では、これらのポート以外にも、電断時に電断を示す旨の信号(電断信号)が入力される電源電圧監視用のポートに係る処理も行われている。そして、この電断信号が入力されると、CPU521の処理は、全ての割込み処理を禁止し、記憶された情報のバックアップを行うための転送処理へ移行する。なお、このサブメイン基板301のバックアップ機能については後述する。
【0334】
続いて、デバイス制御データ出力処理(S163)が実行され、各種モータ、ソレノイド、ランプ類等を駆動するためのデバイス制御データ出力が行われる。例えば、
図16に示すメイン処理のデバイス管理処理(S129)において、所定のモータに対し100ms間の励磁の後、100ms間の消磁を行うという駆動制御パターンが決定されていた場合には、このデバイス制御データ出力処理(S163)において、100msの時間のカウント処理が行われる。
【0335】
さらに、演出用タイマ更新処理(S164)が実行され、各種演出における所定のタイミングを計るためのタイマ値の更新処理(S165)が行われる。そして、ボタン制御タイマ更新が実行され、プッシュボタン(操作ボタン22)の操作が有効となる期間の管理のための有効時間管理タイマが更新される。
【0336】
次に、タスク制御カウンタの更新(S166)が実行され、所定の複数のタスクに用いられる制御用カウンタ(マルチタスク用カウンタ)が更新される。この制御用カウンタは、16回を1単位として、タイマ割込み周期である1ms毎に1回のカウント値の更新を行うものである。そして、タスク制御用カウンタは、本実施例では、0〜15までの値を1ms毎に順にカウントするとともに、この0〜15の値のカウントをループさせている。
【0337】
また、所定のタスクの一つとして、遊技効果ランプに係るものを例示できる。遊技効果ランプの駆動態様には、演出図柄表示装置60における画像と同期して行われるものも多く、動画の1フレーム(1単位の画像フレーム)の表示の切換えは約16ms又は約32ms(約33msである場合もある)といった周期で行われることが多い(本実施例では16ms周期)。このため、遊技効果ランプに係る制御用カウンタの生成周期が、動画表示における制御単位時間(16msや32ms)と整数倍や整数分の1といった関係を形成するよう、制御用カウンタの設計が行われている。この結果、画像とタイミングを合わせたランプ演出の設計が容易となる。
【0338】
また、制御用カウンタに関しては、例えば遊技効果ランプに係る或る処理が16ms間隔で行われるとすると、制御用カウンタの値が3等の一つの所定の値にとなるタイミングで当該処理が行われる。また、後述する画像CPU暴走監視処理のように8ms間隔で行われる処理については、制御用カウンタが1となる場合及び9となる場合のように、差が8である2箇所のタイミングで処理が行われる。
【0339】
また、制御用カウンタが生成する周期を、例えばタイマ割込み(サブメインタイマ割込み)の1周期(1ms)のように比較的短い周期に合せた場合、エラー報知等の制御のように、30秒間程度の比較的長い時間をカウントする制御を行うと、30秒を計数するのに確保すべきデータ長が長くなり、必要なメモリ数も大となる。このため、制御用カウンタの周期を、タイマ割込みの1周期(1ms)よりも長く設定するとともに、重畳される他の演出(画像演出)に係る制御周期と整数倍或いは整数分の1の関係となるよう、制御用カウンタが一周する周期を所定周期(ここでは16ms)に設定している。なお、このタスク制御カウンタの更新の処理(S166)で更新される制御用カウンタの他の用途としては、サブサブ基板302に対する暴走監視(後述する)がある。
【0340】
次に、画像CPU暴走監視処理(S167)が実行され、サブサブ基板302の画像CPUに対する暴走監視処理が行われる。ここで、本実施例においては、サブサブ基板302のCPUは、
図4中の画像コントローラ526に一体化されている。前述のように、サブサブ基板302からは、動画制御の1つのフレーム表示毎にオンとオフを繰り返す所定の信号(監視用トグル信号)が出力されている。このサブサブ基板302からのトグル信号が、所定期間(例えば50〜100フレーム程度に相当する1600ms)連続して変化しない場合に、画像CPUの暴走のような異常が発生していると判断され、サブメイン基板301からサブサブ基板302に対してリセット信号(外部リセット信号)が送信される。サブサブ基板302では、このリセット信号の受信後、サブサブ基板302の状態初期化のためのリセット処理(サブメイン初期設定処理)が実行される。
【0341】
上述のようなトグル信号の監視は、後述するように、8回のタイマ割込み(8ms)につき1回行われる。また、この監視の周期が到来したことの判断には、前述の制御用カウンタが用いられている。ここで、監視の周期を8msとしているのは、画像の1フレームに係る表示の周期(16ms又は32ms)よりも短い周期で監視を行うことにより1フレームの表示周期中に必ず1回は監視が行われるようにするためである。さらに、監視の周期を8msとしていることの他の理由としては、前述の制御用カウンタが生成する周期の整数分の1とすることで、制御用カウンタの更新タイミングを利用できるようにするためである。
【0342】
この画像CPU暴走監視処理(S167)に続いて、エラー管理タイマ処理(S168)が実行される。このエラー管理タイマ処理(S168)においては、エラー管理タイマの減算が行われ、タイムアウト時には所定の処理を実行する。タイムアウト時の処理としては、前述のエラー報知を終了させる処理などを挙げることができる。なお、このエラー管理タイマは、16回のタイマ割込みにつき1回のカウントを行うものであり、エラー管理タイマを用いたエラー管理に係る処理も、前述の制御用カウンタを用いる所定のタスクのうちの一つである。このエラー管理タイマ処理が終わるとサブメインのメイン処理(
図16参照)の、タイマ割込み前の元の処理へ戻る。ここで、前述のS161において割込み許可の対象に制限をかけているため、図示は省略するが、全ての割込みを許可してから、サブメインのメイン処理へ戻るようになっている。
<<サブサブ基板との通信処理>>
【0343】
次に、前述のサブサブ基板302との通信処理について説明する。サブメイン基板301からサブサブ基板302へのコマンド送信(サブメインコマンドの送信)は、サブサブ基板302との通信に係る割込み(サブ通信割込み)を一定間隔(ここでは500μs)毎に発生させ、割込みの度にサブサブ基板302との通信処理を実行することにより行われている。このサブサブ基板302との通信処理においては、順に、バッファチェックが行われて送信すべきデータの存在が確認され、データがあればこのデータが読み込まれる。そして、読み込まれたデータが送信バッファにセットされ、コマンド送信に係る設定が更新されて、サブサブとの通信処理が終了する。
<<コマンド送受信管理処理>>
【0344】
また、サブメイン基板301がサブサブ基板302へコマンド送信した際には、サブサブ基板302側から、正常にコマンド(サブメインコマンド)を受信できた旨を示す前述の受信コマンド(サブサブコマンド)がサブメイン基板301側に送信される。このコマンド送受信管理処理においては、コマンドの読み込みが行われ、コマンド解析が実行された後、コマンドの保存が行われる。サブサブコマンドの受信にあたっては、サブサブ基板302においてコマンド受信割込み処理が実行されるが、このコマンド受信割込み処理は、前述のサブ通信割込み内で、コマンド受信割込み処理を実行するためのフラグを設定することにより実行される。つまり、サブサブ基板302からのサブサブコマンドの入力は、サブメイン基板301からのサブメインコマンドの送信後に発生するものであるため、コマンド受信割込み処理は、サブ通信割込みに係る処理に対し付帯的に行われるものとなっている。
<<サブサブ基板における制御処理>>
【0345】
サブサブ基板302においては、サブメイン基板301と同様に、電源立ち上げ後に開始されるサブサブ初期設定処理、このサブサブ初期設定処理後に実行されるメイン処理、メイン処理に対し所定周期で発生するサブサブタイマ割込みに伴って実行されるタイマ割込み処理、サブメインコマンドの受信に伴って発生する割込み処理であるサブメインコマンド受信処理、などが実行される。これらのうち、サブメインコマンド受信処理においては、サブメイン基板301からのサブメインコマンドを受信すると、正常にサブメインコマンドを受信できた旨を示す前述の受信コマンド(サブサブコマンド)を送信する処理が実行される。
<サブメイン基板における予告抽選に係る各種の処理>
【0346】
次に、前述したサブメイン基板301のメイン処理(
図16参照)における予告抽選管理処理(S128)に関し、本実施において特徴的な事項について説明する。本実施例における予告抽選管理処理(S128)には、
図19に示すように、サブ変動パターン決定処理(S171)、演出シナリオ決定処理(S172)、テーブル期待度決定処理(S173)、及び、個別演出バリエーション決定処理(S174)が備えられている。
【0347】
これらのうち、サブ変動パターン決定処理(S171)は、変動開始時にメイン基板102から送信された特図変動パターン(第1特図変動パターン又は第2特図変動パターン)に関する情報(変動パターン情報、付加変動情報)に基づき、演出に係る変動パターン(サブ変動パターン)を決定し、更にリーチの発生の有無を含めた変動表示の終了まで(確定停止まで)の演出の流れを定めるものである。そして、上述の「演出の流れ」は、例えば、賑やかし系の予告演出(後述する)、疑似連(擬似連続予告)の回数、リーチの有無などの要素によって構成されるようになっている。
【0348】
また、前述の演出シナリオ決定処理(S172)は、上述のサブ変動パターン決定処理(S171)にて決定されたサブ変動パターンに基づき演出シナリオを決定するものである。この演出シナリオは、1つのサブ変動パターンの情報に対して複数紐付けられている。各演出シナリオは、複数(本実施例では8個)の演出ブロックに分けて構成されており、後述するように各演出ブロックは、時系列に実行される関係や、所定の複数のブロック(例えばブロック1〜4)が同時に実行される関係にある。そして、各演出シナリオには、上述のブロックを利用して、演出図柄190の変動時から停止(確定停止)時まで発生する演出の種類、実行する予告演出、予告演出の実行順序、リーチの有無等といった事項が定められている。
【0349】
さらに、各演出シナリオには、演出図柄190によるリーチの発生前に係る演出ブロック(リーチ前演出ブロック)と、リーチの発生後に係る演出ブロック(リーチ後演出ブロック)とが設けられている。例えば、本実施例における8つの演出ブロックのうち、第1〜6までの演出ブロックをリーチ前演出ブロックとし、第7、第8演出ブロックをリーチ後演出ブロックとすることが可能である。そして、リーチが発生しない場合の演出ブロックの使用態様としては、そのときに実行されるサブ変動パターンについて、変動開始から変動停止(確定停止)までを第1〜6までの演出ブロックによりカバーし、第7、第8演出ブロックを使用しないブロックとする、といったことが可能である。
【0350】
続いて、前述のテーブル期待度決定処理(S173)は、後述する個別演出バリエーション決定処理(S174)が実行されるよりも前に、各種抽選で用いられるテーブルの選択要素となる「テーブル期待度」の組合せを決定するものである。本実施例では、この「テーブル期待度」は、上述したリーチ前演出ブロック及びリーチ後演出ブロックのそれぞれについて決定され、リーチ前後の演出についての「テーブル期待度」の組合せが、後述する「信頼度経路」を構成するようになっている。
【0351】
また、前述の「テーブル期待度」における「テーブル」は、上述したリーチ前演出ブロックについては、個別の予告演出を決定するための抽選テーブルを意味しており、上述したリーチ後演出ブロックについては、個別のリーチ演出を決定するのための抽選テーブルを意味している。
【0352】
前述の個別演出バリエーション決定処理(S174)は、前述の演出シナリオで基本となる内容が定められた演出について、最終的な演出内容(演出のバリエーション)を決定するものである。そして、この個別演出バリエーション決定処理(S174)では、上述のテーブル期待度決定処理(S173)で決定されたテーブル期待度に応じて、予告演出やリーチ演出といった付加的な演出構成要素について、対応する所定の抽選テーブルを使用し、実行すべき演出パターンを決定する。なお、これらの各処理(S171〜S174)において行われる各種抽選や、使用される抽選テーブルの詳細については後述する。
<付加的な要素を含む演出パターンの決定>
【0353】
次に、本実施例における、前述した演出パターンのうち、特にリーチ発生の前後に係る演出パターンの決定について、より具体的に説明する。前述のように、サブメイン基板301(
図4参照)は、メイン基板102(
図4参照)からの各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに基づき、特図変動パターン(第1特図変動パターン又は第2特図変動パターン)に対応した演出パターンの決定を行う。
【0354】
メイン基板102からサブメイン基板301へ送信されるコマンドとしては、例えば、特別図柄の図柄変動開始時であれば、前述した図柄1記憶数、図柄2記憶数、通信検査1、通信検査2、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、変動付加情報、図柄1演出パターン、図柄2演出パターン、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出のコマンドを挙げることができる。
【0355】
これらのうち、変動付加情報コマンドは、前述したように、演出パターン中に例えば大当り期待度の示唆等を行う要素(演出構成要素)を付加するための情報を示すものである。図柄1演出パターンコマンドは、前述のように、第1特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2演出パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものである。さらに、図柄1キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
【0356】
さらに、大当り開始時のコマンドとしては、前述のように、図柄1大当り開始デモ、図柄2大当り開始デモ、発射位置指定のコマンドがある。図柄1大当り開始デモコマンド、及び、図柄2大当り開始デモコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄に基づいた開始デモを表示させるためのものである。
【0357】
そして、ここに例示したものも含めて、初期画面表示中、客待ちデモ(待機デモ)中、特別図柄の図柄変動開始時、特別図柄の図柄確定時、特別図柄の図柄確定中、大当り開始デモ時、大当り中大入賞口開放時、大当り中大入賞口閉鎖時、当り終了デモ時、大当り終了デモ終了時などといった各種の状況に応じて、演出に利用可能なコマンドの送信が行われるようになっている。
【0358】
また、各種の演出の実行にあたり、前述のように、サブメイン基板301からサブサブ基板302へのコマンド送信も行われている。そして、サブメイン基板301からサブサブ基板302へのコマンド(サブメインコマンド)には、演出に係る各種の情報が含まれており、サブメインコマンドに含まれる情報としては、「演出に係る変動パターン」の情報、各種予告に係る情報(実行が決定された演出シナリオの予告情報およびその予告に関する個別演出のバリエーション情報)、各種リーチに係る情報(実行が決定されたリーチ演出の種類を示す情報、リーチ演出中の各予告のバリエーション情報)、及び、その他の情報(ランプ、スピーカの同期タイミングを指定する情報など)などを挙げることができる。
【0359】
ここで、上述した「演出に係る変動パターン」は、メイン基板102から特図変動パターン(第1特図変動パターン又は第2特図変動パターン)に紐付けられ、特図変動パターンに係る乱数値を引数として、演出パターンに係る変動時間等を定めるものである。そして、演出パターンに係る変動時間は、演出表示装置60等の視認可能な機器においては、多くの場合、演出図柄190の変動開始から確定停止までの時間として考えることが可能なものである。
【0360】
なお、以下では、メイン基板102で決定される変動パターンである上述の特図変動パターンを「メイン変動パターン」と称し、サブメイン基板301で決定される変動パターン(演出に係る変動パターン)を「サブ変動パターン」と称する。
【0361】
続いて、サブメイン基板301で行われる演出パターンの決定について説明する。サブメイン基板301における演出パターンの決定は、以下のように分類可能な複数の抽選処理を経て行われる。すなわち、本実施例では、演出パターンの決定のための抽選処理は、
図20に上段から順に示すように、「停止図柄抽選」、「その他単独抽選」、及び、「予告シナリオ抽選」に分けることができる。以下に、これらの各抽選について説明する。
<停止図柄抽選>
【0362】
これらのうち、
図20中の上段に示す「停止図柄抽選」は、前述のようにメイン基板102で決定されるメイン変動パターンに対して、前述の演出図柄190(ここでは左中右の演出図柄190a〜190c)の停止パターン(ここでは確定停止される各演出図柄)を抽選するものである。そして、この停止図柄抽選は、確定停止される演出図柄190(
図7(a)、(b)参照)がはずれの態様(組合せ)となる場合、及び、当りの態様(組合せ)となる場合についての、各停止図柄を抽選するものである。
【0363】
そして、この「停止図柄抽選」により決定される演出図柄190の確定停止態様としては、
図20中に示すように、はずれの態様となる場合であれば、付加的な予告演出を伴わないリーチなしのはずれ(所謂「どはずれ」)や、数字「1」の意味を有する左演出図柄190a及び右演出図柄190cによるリーチ、チャンス目(「331」、同系統(同色)図柄停止)などといったものを例示できる。なお、チャンス目と呼ばれる図柄は、リーチ態様とは異なり、左右の図柄が異なるものであるハズレであって、停止することによりその後に実行される変動がチャンス(好機)である旨を示すものであり、先読み演出実行中の変動時のみ抽選対象として選択される。また、リーチ図柄組合せ、チャンス目図柄組合せは、所謂どはずれである場合の停止図柄としては選択されないように、どはずれの図柄組合せテーブルの選択対象からは除外されている。
<単独抽選>
【0364】
続いて、
図20中の中段に示す前述の「その他単独抽選」は、メイン基板102で決定されるメイン変動パターンに対して、後述する「予告シナリオ抽選」の結果に関係なく単独で行われるものである。ここで、「単独抽選」の意味は、例えば、前述の「停止図柄抽選」で決定される停止図柄の組み合わせや、後述の「予告シナリオ抽選」により決定される予告シナリオなど各抽選の結果に紐付けられていない、といったものである。
【0365】
この「その他単独抽選」には、
図20中に示すように、「信頼度経路抽選」と「単独予告抽選」とが含まれている。これらのうち、「信頼度経路抽選」は、各種の予告やリーチの信頼度経路(後述する)を抽選するものである。そして、この「信頼度経路抽選」は、上述のように「予告シナリオ抽選」とは無関係に行われるものの、「予告シナリオ抽選」の結果に関係づけて決定される「バリエーション抽選」では、予告やSPリーチの決定に影響を与えるようになっている。
【0366】
一方、上述の「単独予告抽選」は、「その他単独抽選」に含まれる予告抽選を意味するものであり、例えば、各種の先読み抽選などを例示することができる。ここで、先読み抽選は、前述した保留変化や連続予告といった各種の先読み演出を実行するか否かを決定するための抽選を意味している。また、本実施例のぱちんこ遊技機10は、この「単独予告抽選」としての先読み抽選に限らず、後述の「予告シナリオ抽選」に紐付けて行われるようなタイプの先読み抽選を併せて備えるものであってもよい。
【0367】
また、「単独予告抽選」には、先読み抽選以外の他のタイプの予告抽選を含めることも可能である。そして、先読み抽選以外の他のタイプの予告抽選としては、例えば、前述した限定頻度パターン演出を予告として用いることが可能な場合には、限定頻度パターン演出を実行するか否かの決定(抽選)を例示することができる。
<予告シナリオ抽選>
【0368】
続いて、
図20中の下段に示す前述の「予告シナリオ抽選」は、サブメイン基板301におけるサブ変動パターンの抽選(以下では「サブ変動抽選」と称する)で決定されたサブ変動パターンに基づき行われるものである。さらに、この「予告シナリオ抽選」は、前述の演出シナリオとして予告シナリオを決定するものである。そして、この予告シナリオには、後述する各種の「バリエーション抽選」が紐付けられるものである。
【0369】
すなわち、この「予告シナリオ抽選」は、メイン基板102から伝えられたメイン変動パターンに基づき実行され、予告シナリオを決定する。そして、
図20中の例では、「予告シナリオ抽選」により決定され得る予告シナリオは、複数の演出ブロックであるブロック1〜ブロック8に分けられたものである。ここで、この「予告シナリオ抽選」により決定されるブロック1〜8の演出は、本実施例では、ブロック1〜6(第1〜6演出ブロック)がリーチ前演出ブロックとされており、ブロック7、8(第7、第8演出ブロック)がリーチ後演出ブロックとされている。
【0370】
さらに、本実施例では、ブロック1〜6は、演出内容の傾向に応じて区分されており、それぞれ「賑やかし系A」、「賑やかし系B」、「擬似1メイン系A」、「擬似1メイン系B」、「擬似2演出」、「擬似3演出」、「SPリーチ」、「崖リーチ」といった名称によって表されるようになっている。
【0371】
これらのうち、ブロック1の「賑やかし系A」の演出、及び、ブロック2の「賑やかし系B」の演出は、基本となる所定の演出(基本演出(ここではブロック3〜6にて実施される演出))に賑やかさを付加する内容のものである。ここで、上述の基本演出としては、例えば、複数設けられた演出モードに応じた背景の映像に、
図7(a)、(b)に示すような演出図柄190や、キャラクタによるアニメーション画像、文字表示を行うテロップ等の基本的なオブジェクトを加えたものや、連動する音・光による演出を例示できる。ここで、上述の演出モードは、「演出のカテゴリ」と称することもできる。
【0372】
そして、上述の「賑やかし系A」や「賑やかし系B」の演出としては種々の態様のものを採用可能であるが、例えば、所定の基本演出に対して、相対的に短時間のカットイン映像や、相対的に長時間のストーリー映像などを表示するもの、さらには表示領域194の周縁部に炎を模したエフェクト表示を行うものなどを、賑やかし系の演出として例示できる。また、前述した各種の可動演出部材を所定の態様で動作させる演出を、賑やかし系の演出とすることも可能である。
【0373】
そして、これらの賑やかし系の演出は、前述の「リーチなし」及び「リーチあり」のいずれの演出においても付加的に実行される場合があるものとなっている。また、「リーチあり」の場合であっても、演出図柄190によるリーチ表示が行われる前の段階や、後の段階のいずれにおいても実行される場合がある。
【0374】
なお、本実施例においては、賑やかし系の演出が、上述のように「賑やかし系A」の演出、及び、「賑やかし系B」の演出に区別できるよう分類されている。このため、例えば、上述したようなカットイン映像に係る賑やかし系の演出を「賑やかし系A」とし、ストーリー映像に係る賑やかし系の演出を「賑やかし系B」とする、といったことが可能である。
【0375】
続いて、
図20中の「予告シナリオ演出」のうち、ブロック3〜6の「擬似1メイン系A」、「擬似1メイン系B」、「擬似2演出」、「擬似3演出」の演出は、前述の擬似連続予告(所謂「擬似連」)に係る演出の分類である。そして、これらのうち「擬似1メイン系A」及び「擬似1メイン系B」は、「擬似1演出」と総称することも可能である。
【0376】
続いて、
図20中のブロック7に係る「SPリーチ」は、前述の「スペシャルリーチ」の意味である。さらに、「SPリーチ」の演出は、基本となる所定のリーチ演出(基本リーチ演出)に比較して大当り期待度を高めたものである。そして、「SPリーチ」の演出としては種々の態様のものを採用可能であるが、例えば、基本となる相対的に短時間(例えば十秒程度など)のリーチ演出に比較して、長時間(例えば数十秒など)を要するものや、所定の画像オブジェクトを大当り期待度が高いことを表す態様(例えば赤色、金色、虹色や所定柄など)で表示するもの、或いは、これらを組合せたものなどを例示できる。
【0377】
また、本実施例では、「SPリーチ」には、前述した「強リーチ」及び「弱リーチ」の両方が含まれている。しかし、これに限らず、「強リーチ」及び「弱リーチ」のうちの「強リーチ」のみを「SPリーチ」とすることなども可能である。また、「SPリーチ」に、前述のリーチの態様の一部である「スーパー1」、「スーパー2」、「スーパー3」が含まれるものとすることが可能である。さらに、「SPリーチ」に該当するリーチを、前述の「スーパー1」、「スーパー2」、「スーパー3」のうちの、例えば「スーパー2」及び「スーパー3」としたり、「スーパー3」のみとしたりすることも可能である。
【0378】
続いて、
図20中のブロック8に係る「崖リーチ」は、特別なリーチ演出の一態様を示すものであり、本実施例では、演出の場面設定が崖であることから「崖リーチ」と名称が付されている。そして、
図20中では、一例としてこの「崖リーチ」を挙げ、ブロック7の「SPリーチ」と区別される特別なリーチが設けられていることを示している。なお、この「崖リーチ」を、「SPリーチ」の中の特別なものとして位置付けてブロック7に割り当てることも可能である。また、他の内容のリーチをブロック8に割り当てることも可能である。
【0379】
なお、
図20中に示すブロック1〜8は一例を示すものであり、例えば、ブロック数を8未満や、9以上とすることが可能である。さらに、各ブロックに係る演出として示した「賑やかし系A」、「賑やかし系B」、「擬似1メイン系A」、「擬似1メイン系B」、「擬似2演出」、「擬似3演出」、「SPリーチ」、「崖リーチ」なども一例であり、各ブロック1〜8とこれらの演出との対応関係を異ならせたり、これら以外の形態で分類された演出を各ブロックに割当てたりすることが可能である。
<<バリエーション抽選>>
【0380】
続いて、
図20中の下段において、上述の予告シナリオ抽選の右側に示す「バリエーション抽選」は、上述の「予告シナリオ抽選」に関連付けて行われる各予告抽選として行われるものである。そして、
図20中に示すように、ブロック1の「賑やかし系A」に対しては「アイキャッチ予告」等の予告演出が備えられており、ブロック2の「賑やかし系B」に対しては「パズル予告」等の予告演出が備えられている。さらに、ブロック3の「擬似1メイン系A」に対しては、「ニュース予告」等の予告演出が備えられており、ブロック4の「擬似1メイン系B」に対しては「会話予告」等の予告演出が備えられている。
【0381】
また、ブロック5の「擬似2演出」に対しては「会話ロング予告」等の予告演出が備えられており、ブロック6の「擬似3演出」に対しては「事件推理予告」等の予告演出が備えられている。さらに、ブロック7の「SPリーチ」に対しては「救出リーチ」等の予告演出が備えられており、ブロック8の「崖リーチ」に対しては「崖リーチ(モード1)」等の予告演出が備えられている。
【0382】
ここで、
図20中における「崖リーチ(モード1)」の記載は、複数ある各演出モード毎に「崖リーチ」が設けられており、そのうちのモード1における「崖リーチ」であることを表している。また、各ブロック1〜8に対応した上述の各予告演出としては種々のものを採用できるが、一部の予告演出の内容については後述する。
<予告演出抽選に係る複層構造>
【0383】
以上説明したようなサブメイン基板301における各種の抽選は、以下のような複層構造を有している。すなわち、サブメイン基板301における演出パターンの決定のための抽選は、階層1から階層3の3つの階層に分けることが可能である。そして、これらのうち、階層1には、
図20中に示す「停止図柄抽選」、「信頼度経路抽選」、「サブ変動抽選」が含まれるものとすることが可能である。さらに、これらの階層1に属する抽選のうち、
図20中の下段に示す「サブ変動抽選」を、階層1Aとし、
図20中の中段に示す「信頼度経路抽選」を階層1Bとすることが可能である。
【0384】
また、
図20中の中段に示す「その他単独抽選」の「単独予告抽選」、及び、
図20中の下段に示す「予告シナリオ抽選」を、階層1〜3のうちの階層2に含まれるものとし、「予告シナリオ抽選」に紐付けられた前述の「バリエーション抽選」を、階層3に含まれるものとすることが可能である。
【0385】
なお、本実施例においては、階層1中の「停止図柄抽選」、「サブ変動抽選」は、
図16中に示す各処理のうち、サブ変動パターン決定処理(S171)で行われるものとすることが可能である。また、本実施例では、階層2中の「予告シナリオ抽選」は演出シナリオ決定処理(S172)で行われ、階層1中の「信頼度経路抽選」は、テーブル期待度決定処理(S173)で行われる。さらに、階層3「バリエーション抽選」は個別演出バリエーション決定処理(S174)で行われるようになっている。
【0386】
続いて、上述の階層1A、階層1B、階層2、及び、階層3にそれぞれ該当する「サブ変動抽選」、「信頼度経路抽選」、「停止図柄抽選」、「予告シナリオ抽選」、及び、「バリエーション抽選」について、
図21〜
図29に基づき説明する。先ず、階層1Aである「サブ変動抽選」は、
図21〜
図23に示すように、サブ変動パターン抽選(
図21参照)、付加情報別変動グループ抽選(
図22参照)、リーチ別変動グループ抽選(
図23参照)を含んでいる。さらに、階層1Bである「信頼度経路抽選」は後に行われる「バリエーション抽選」に先立って、信頼度に係る傾向を予め定めておくものである。
【0387】
また、階層2である「予告シナリオ抽選」は、
図25〜
図27に示すように、切り札シナリオ抽選(
図25参照)、予告シナリオ抽選(
図26参照)、SPシナリオ抽選(
図27参照)切り札シナリオ抽選(
図25参照)、予告シナリオ抽選(
図26参照)、SPシナリオ抽選(
図27参照)を含んでいる。また、階層3である「バリエーション抽選」は、
図28及び
図29に示すように、ニュース予告抽選(
図28参照)、SPバリエーション抽選(
図29参照)を含んでいる。
【0388】
さらに、前述の「サブ変動抽選」におけるサブ変動パターン抽選(
図21参照)、付加情報別変動グループ抽選(
図22参照)、リーチ別変動グループ抽選(
図23参照)は、サブ変動パターンを決定し、決定したサブ変動パターンに基づき更に抽選を行うものである。また、「予告シナリオ抽選」における切り札シナリオ抽選(
図25参照)、予告シナリオ抽選(
図26参照)、SPシナリオ抽選(
図27参照)は、切り札シナリオ抽選(
図25参照)の結果が切り札シナリオ「あり」となった場合に、予告シナリオを決定し、更に必要に応じてSPシナリオを決定するものである。
【0389】
さらに、「バリエーション抽選」におけるニュース予告抽選(
図28参照)、SPバリエーション抽選は、上述の「予告シナリオ抽選」や前述の「信頼度経路抽選」の結果を踏まえて抽選テーブルを選択し、予告やSPリーチの演出を決定するものである。以下にこれらの階層化された各種抽選について説明する。
<サブ変動抽選(階層1A)>
<<サブ変動パターン抽選>>
【0390】
上述した各種抽選のうち、
図21に示すサブ変動パターン抽選は、前述のようにメイン基板102で決定されるメイン変動パターンに基づき、メイン変動パターンの乱数値を引数として、サブ変動パターンを振り分けるものである。前述したように、メイン変動パターンは、例えば、大当り時、はずれ時、リーチの有無、リーチの発展の程度、時短の有無、保留数、などといった各種の遊技状況の相違に対応した決定要素毎に、複数ずつ設けられている。
【0391】
つまり、メイン変動パターンは、演出の発展態様(発展経路)に応じ分けて設けられているものであるということができる。このため、メイン変動パターンに紐付けて決定されるサブ変動パターンは、発展態様(発展経路)に応じて決定されるものとなっている。そして、このサブ変動パターン抽選に基づき、以下の付加情報別変動グループ抽選(
図22参照)や、リーチ別変動グループ抽選(
図23参照)などが実行される。
【0392】
例えば、
図21(a)中の左側の図表(メイン変動の図表)に示すように、メイン基板102において決定されるメイン変動パターン(MH)として、メイン変動パターン1〜760(MH1〜760)の760個が設けられているものとする。これらのメイン変動パターン(MH1〜760)は、前述の特図変動パターン(
図10(a)〜(c)参照)を、より細分化し、更に当否の区別や当りの種類区別を表記せずに「1」から「760」の符号を付して、表中の上から下へ順に並べたものであるということができる。
【0393】
ここで、
図21中左側のメイン変動(MH)の表中では、表記が冗長にならないよう、メイン変動パターン1〜760を、単に「変動パターン1(MH1)」〜「変動パターン760(MH760)」と記載している。さらに、このメイン変動(MH)の表中では、メイン変動パターン21〜759の記載を「etc.」として省略している。
【0394】
前述したように、これらのメイン変動パターン1〜760には、特別図柄の変動時間が定められており、選択されたメイン変動パターンによって、特別図柄の変動時間が異なるようになっている。そして、本実施例では、例えば、
図21中左側の表中のメイン変動パターン1〜760のうち、メイン変動パターン4(MH4)は、変動時間が12秒に定めらた複数のメイン変動パターンのうちの1つとなっている。
【0395】
なお、本実施例では、12秒のメイン変動パターン以外にも、例えば、3秒、6秒、9秒、15秒、18秒、21秒などのメイン変動パターン(MH)を設けることが可能である。さらに、各メイン変動パターン1〜760(MH1〜760)には、前述したように、例えば、大当り時、はずれ時、リーチの有無、リーチの発展の程度、時短の有無、保留数、などといった各種の遊技状況の相違に対応した決定要素毎に、複数ずつ設けることが可能である。
【0396】
続いて、
図21(a)中の右側の図表(サブ変動(SH)の図表)に示すように、サブメイン基板301において決定されるサブ変動パターンとして、サブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)の1404個が設けられているものとする。これらのサブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)は、前述のメイン変動パターン1〜760(MH1〜760)に所定の関係で紐付けられているものである。そして、サブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)については、変動時間、当否抽選の結果、リーチの有無といった各種要素の相違に応じて、種類が異なっている。
【0397】
なお、
図21中右側のサブ変動(SH)の表中では、表記が冗長にならないよう、サブ変動パターン1〜1404を、単に「変動パターン1(SH1)」〜「変動パターン1404(SH1404)」と記載している。さらに、このサブ変動の表中では、サブ変動パターン21(SH20)からサブ変動パターン1403(SH1403)の記載を「etc.」として省略している。
【0398】
また、ここでは、サブ変動パターン4(SH4)とサブ変動パターン5(SH5)が、メイン変動パターン4(MH4)に紐付けられたものとなっており、その変動時間は12秒となっている。そして、サブ変動パターン4(SH4)は、付加的な予告演出を伴わないリーチなしのはずれ(所謂「どはずれ」)であって、且つ、変動時間が12秒のサブ変動パターンとなっている。さらに、サブ変動パターン5(SH5)は、同じく変動時間が12秒であり、且つ、リーチありのサブ変動パターンとなっている。
【0399】
つまり、サブ変動パターン4(SH4)、及び、サブ変動パターン5(SH5)は、いずれもメイン変動パターン4(MH4)に紐付けられたサブ変動パターンである点で共通しているが、変動パターン4(SH4)がリーチなしに該当する「どはずれ」に対応したものであり、変動パターン5(SH5)がリーチありに該当するものである点で異なっている。
【0400】
なお、ここでは、メイン変動パターン4(MH4)に紐付けられたサブ変動パターンを、説明が煩雑にならないよう、2つのサブ変動パターン(SH4、SH5)のみとしているが、1つのメイン変動パターンに紐付けられたサブ変動パターンの数を3つ以上とすることも可能である。また、1つのメイン変動パターンに紐付けられたサブ変動パターンの数を1つとすることも可能である。
【0401】
続いて、
図21(b)の図表は、
図21(a)のメイン変動パターン(MH)とサブ変動パターン(SH)の振り分けに係る数値の割振り(置数)を、簡略的に説明するためのものである。すなわち、
図21(b)の図表中、横軸(表頭)は、前述のメイン変動パターン1〜760(MH1〜760)を表しており、縦軸(表側)は、前述のサブ変動パターン0〜1404(SH0〜1404)を示している。
【0402】
ここで、サブ変動パターンSH0は、ダミー変動を表している。この「ダミー変動」は、サブメイン基板301において、メイン基板102から、前述の特別図柄の図柄確定時のコマンド(図柄1及び図柄2に係る演出パターン停止のコマンド)を受信するまで、演出図柄190の表示を特殊な態様で行わなければならない場合に用いられるものである。
【0403】
例えば、特別図柄の変動中停電が発生し、その後に電断復帰を行った場合などには、メイン基板102の側で、バックアップしていたデータに基づき、変動時間の残り時間に基づく制御が行われる。しかし、サブメイン基板301の側にデータバックアップの機能がなく、変動時間の残り時間を把握できない場合には、単に演出図柄190が停止している態様の表示を行ったのでは、電断復帰時の演出表示が不自然になり、遊技者に違和感を与えてしまうことも考え得る。そこで、このようなダミー変動の変動パターンを設けることで、上述の電断復帰時のような所定の場合であっても演出図柄190の変動表示を可能とし、演出表示に違和感が生じるのを防止している。なお、このダミー変動においては、予告やリーチ等の付加変動情報に基づく演出は行われないないようになっている。
【0404】
また、
図21(b)中では、メイン変動パターン1〜760をMH1〜760と表記し、サブ変動パターン0〜1404をSH0〜S1404と表記している。さらに、
図21(b)中では、メイン変動パターン9〜759(MH9〜759)の記載、及び、サブ変動パターン20〜1403(SH20〜1403)の記載をそれぞれ「etc.」として省略している。
【0405】
また、
図21(b)中の「32768」、「20000」、「12768」、「10000」、「2768」といった数値は、各メイン変動パターン1〜760(MH1〜760)に対して紐付けられたサブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)に割り振られている。そして、
図21(b)には、例えば、メイン変動パターン1(MH1)にはサブ変動パターン1(SH1)が紐付けられ、同様に、メイン変動パターン2(MH2)やメイン変動パターン3(MH3)に対しては、サブ変動パターン2(SH2)、サブ変動パターン3(SH3)がそれぞれ紐付けられていることが示されている。
【0406】
さらに、
図21(b)は、メイン変動パターン4(MH4)にはサブ変動パターン4(SH4)とサブ変動パターン5(SH5)の2つのサブ変動パターンが紐付けられ、メイン変動パターン5(MH5)にはサブ変動パターン6〜8(SH6〜8)の3つのサブ変動パターンが紐付けられていることを示している。
【0407】
また、
図21(b)に示すサブ変動抽選の置数に係る分母は、2の15乗である「32768」となっている。そして、
図21(b)においては、メイン変動パターン1〜3(MH1〜3)について、サブ変動パターン1〜3(SH1〜3)が、分子及び分母を「32768」とした抽選により、それぞれ100%の割合で(1:1の関係で)選択されることが示されている。
【0408】
また、
図21(b)においては、メイン変動パターン4(MH4)については、サブ変動パターン4(SH4)及びサブ変動パターン5(SH5)が、それぞれ「20000/37268」、「17268/37268」の割合で選択され、メイン変動パターン5(MH5)については、サブ変動パターン6〜8(SH6〜8)が、それぞれ「10000/37268」、「10000/37268」、「17268/37268」の割合で選択されることが示されている。
【0409】
なお、ここで説明したメイン変動パターン(MH)とサブ変動パターン(SH)の関係は、あくまでも説明が煩雑にならないよう簡素化されたものである。そして、1つのメイン変動パターンに対して紐付けられたサブ変動パターンの数は、1〜4個といった程度の個数に限らず、5個以上とすることが可能である。また、サブ変動パターンに割当てられた置数も、「10000」や「20000」などといった、10、100、或は、1000等の整数倍の数に限定されるものではない。
<<付加情報別変動グループ抽選>>
【0410】
続いて、上述のサブ変動パターン抽選(
図21参照)とともに、階層1Aである前述の「サブ変動抽選」に含まれる、付加情報別変動グループ抽選について、
図22に基づき説明する。この付加情報別変動グループ抽選は、前述のようにサブメイン基板301で決定されるサブ変動パターン1〜1404(
図22(a)中左側の図表におけるSH1〜1404)に基づき、サブ変動パターンの乱数値を引数として、
図22(a)中右側の図表に示す付加情報別変動グループ(FH)の中から、付加情報変動パターンを、発展経路別に振り分けるものである。ここで、
図22(a)中左側の「サブ変動」の図表は、
図21(a)中の右側に示す「サブ変動」の図表と同じものである。
【0411】
図22(a)中右側に示す「付加情報別変動グループ」の図表は、所定数の付加情報変動パターンを上から下に並べて記載している。そして、
図22(a)中の「付加情報別変動グループ」の図表においては、18個の付加情報変動パターン(FH1〜18)が示されている。
【0412】
さらに、本実施例では、
図22(a)中の「付加情報別変動グループ」の図表に示す付加情報変動パターン(FH1〜18)について、演出内容の区別を可能にする識別名称が付されている。そして、
図22(a)中の「付加情報別変動グループ」の図表においては、各々の付加情報変動パターンは、「12秒−解明の時(出球なし確変大当り煽り)」、「15秒−解明の時orバトル」、「18秒SP−弱」、「特定チャンスSP−強」、「擬似2:12秒A・SP−all」、「擬似2:15秒A・SP−all」、「擬似2:18秒A・SP−all」、「擬似2:12秒+ゾーン秒B・SP−all」、「擬似2:12秒C・SP−弱」、「擬似2:15秒C・SP−弱」、「擬似2:18秒C・SP−弱」、「擬似3:12秒AC・SP−強」、「擬似3:15秒AC・SP−強」、「擬似3:18秒AC・SP−強」、「擬似3:12秒+ゾーン−BB・SP−強」、「擬似3:12秒CC・SP−強」、「擬似3:15秒CC・SP−強」、「擬似3:18秒CC・SP−強」とそれぞれ名称が付されている。
【0413】
ここで、各付加情報変動パターン(FH1〜18)の名称中、「12秒」、「15秒」、「18秒」といった部分は、サブ変動パターン(SH)により特定される変動時間を表している。また、「解明の時」、「バトル」、「特定チャンス」といった部分は、謎の解明が行われる場面、闘いの場面、特別なチャンスであることを表す場面といった、演出におけるストーリーの違いを表すものとなっている。さらに、「SP」の部分はスペシャルリーチに対応したものであることを表しており、「弱」や「強」は、前述の弱リーチや強リーチに該当することを表している。また、「all」は、弱リーチ及び強リーチを含む全ての「SP」であることを表している。
【0414】
さらに、付加情報変動パターンの名称中、「擬似2」、「擬似3」の部分は、
図20中の下段に示した「予告シナリオ抽選中」の「擬似2」、「擬似3」に対応したものである。また、「12秒A」、「15秒A」、「18秒A」、「12秒C」、「15秒C」、「18秒C」、「12秒AC」、「15秒AC」、「18秒AC」、「12秒+ゾーン秒B」、「12秒+ゾーン−BB」、「12秒CC」、「15秒CC」、「18秒CC」といった部分は、各変動時間を有する演出の種類の違いを表している。
【0415】
続いて、
図22(b)の図表は、
図22(a)のサブ変動パターンと付加情報変動パターン(FH0〜18)の振り分けに係る数値の割振り(置数)を、簡略的に説明するために記載したものである。すなわち、
図22(b)の図表中、横軸(表頭)は、前述のサブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)を表しており、縦軸(表側)は、前述の付加情報変動パターン(FH1〜18)を示している。なお、
図22(b)中では、サブ変動パターン3〜300(SH3〜300)、309〜1403(SH309〜1403)の記載をそれぞれ「etc.」として省略している。
【0416】
また、
図22(b)中の「32768」の数値は、各サブ変動パターン1〜1404(SH1〜SH1404)に対して紐付けられた付加情報変動パターン(FH1〜18)に割り振られている。そして、
図22(b)には、例えば、サブ変動パターン301〜305(SH301〜305)には付加情報変動パターン(FH1〜5)がそれぞれ紐付けられていることが示されている。さらに、
図22(b)には、サブ変動パターン306(SH306)には付加情報変動パターン(FH12)が紐付けられ、サブ変動パターン307(SH307)には付加情報変動パターン(FH9)が紐付けられていることが示されている。
【0417】
さらに、
図22(b)に示す付加情報別変動グループ抽選の置数に係る分母は、2の15乗である「32768」となっている。そして、
図22(b)においては、サブ変動パターン301〜308(SH301〜308)、及び、サブ変動パターン1404(SH1404)について、付加情報変動パターン(FH1〜5、FH9、FH12、FH18)が、それぞれ100%の割合で(1:1の関係で)選択されることが示されている。
【0418】
なお、全てのサブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)に対して、付加情報変動パターン(FH1〜18)のうちのいずれかの付加情報変動パターンを割り当ててもよい。この場合には、例えば、付加情報変動パターンとしては特段の演出の付加を行わないダミー変動の付加情報変動パターン(FH0)を設けることが考えられる。また、付加情報変動パターン(FH1〜18)が割当てられていないサブ変動パターン(SH)を設けるようにしてもよい。さらに、サブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)と付加情報変動パターン(FH1〜18)との置数の関係は、必ずしも両者が1:1の関係となることを要するものではない。
<<リーチ別変動グループ抽選>>
【0419】
続いて、前述のサブ変動パターン抽選(
図21参照)や付加情報別変動グループ抽選(
図22参照)とともに階層1Aである前述の「サブ変動抽選」に含まれる、リーチ別変動グループ抽選について、
図23に基づき説明する。このリーチ別変動グループ抽選は、前述のように、サブメイン基板301で決定されるサブ変動パターン1〜1404(
図23(a)中左側の図表のSH1〜1404)に基づき、サブ変動パターンの乱数値を引数として、
図23(a)中右側の図表に示すリーチ別変動グループ(RH)の中から、いずれかのリーチ別変動パターンをSPリーチ別に決定するものである。ここで、
図23(a)中左側の「サブ変動」の図表は、
図21(a)中や
図22(a)中の左側に示す「サブ変動」の図表と同じものである。
【0420】
図23(a)中右側に示す「リーチ別変動グループ」の図表は、所定数(ここでは300個)のリーチ別変動パターンRH1〜300を上から下に並べて記載している。そして、
図23(a)中の「リーチ別変動グループ」の図表においては、一部のリーチ別変動パターン(ここではRH9〜291)の記載を「etc.」として省略している。なお、リーチ別変動パターンの数は、300個未満であってもよく、或いは301個以上であってもよい。
【0421】
さらに、本実施例では、
図23(a)中の「リーチ別変動グループ」の図表に示すリーチ別変動パターンRH1〜300について、演出内容の区別を可能にする識別名称が付されている。そして、
図23(a)中の「リーチ別変動グループ」の図表においては、リーチ別変動パターンRH1〜8は、「3秒変動」、「6秒変動」、「9秒変動」、「12秒変動」、「12秒変動:保留0用」、「15秒変動」、「18秒変動」、「21秒変動」とそれぞれ名称が付されている。
【0422】
また、
図23(a)中の「リーチ別変動グループ」の図表においては、リーチ別変動パターンRH9〜RH291の名称の記載は省略されている。さらに、
図23(a)中の「リーチ別変動グループ」の図表においては、RH292〜300は、「第四事件:予告プレミア」、「第四事件:警察ミッションプレミア」、「第四事件:鳩笛・病院ミッションプレミア」、「弱SP→崖チャレンジ成功」、「第四事件:第1ミッション外れ(はずれ)→崖チャレンジ」、「第四事件:第1ミッション外れ(はずれ)→第2ミッション外れ(はずれ)→崖チャレンジ」、「第四事件:いきなり・ラストミッション→崖チャレンジ成功」、「解明の時成功」、「第四事件:ノーマル突確」とそれぞれ名称が付されている。
【0423】
ここで、リーチ別変動パターンの名称中、「3秒変動」、「6秒変動」、「9秒変動」、「12秒変動」、「12秒変動」、「15秒変動」、「18秒変動」、「21秒変動」といった部分は、変動時間の違いを表している。また、「保留0」といった部分は、保留個数(ここでは保留個数が0の場合)に対応したものであることを表している。また、「第四事件:予告プレミア」、「第四事件:警察ミッションプレミア」、「第四事件:鳩笛・病院ミッションプレミア」といった名称は、プレミアムな演出(プレミアム演出)におけるストーリーの違いに基づくものとなっている。
【0424】
さらに、「弱SP→崖チャレンジ成功」、「第四事件:第1ミッション外れ(はずれ)→崖チャレンジ」、「第四事件:第1ミッション外れ(はずれ)→第2ミッション外れ(はずれ)→崖チャレンジ」、「第四事件:いきなり・ラストミッション→崖チャレンジ成功」といった名称は、「→」の前段の名称の演出から、「→」の後段の名称の演出へ移行(発展)することを示している。また、「解明の時成功」といった名称は、演出におけるストーリー上の結果を表しており、「第四事件:ノーマル突確」といった名称は、その後に所定の遊技状態(ここでは所謂「突確」)になる場合の演出であることを表している。なお、「突確」は、確変になることを明示せずに開始される確変を意味している。
【0425】
続いて、
図23(b)の図表は、
図23(a)のサブ変動パターンとリーチ別変動パターン(RH1〜300)の振り分けに係る数値の割振り(置数)を、簡略的に説明するために記載したものである。
図23(b)の図表中、横軸(表頭)は、前述のサブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)を表しており、縦軸(表側)は、前述のリーチ別変動パターン(RH1〜300)を示している。なお、
図23(b)中では、リーチ別変動パターンRH9〜291の記載をそれぞれ「etc.」として省略している。
【0426】
また、
図23(b)中の「32768」の数値は、各サブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)に対して紐付けられたリーチ別変動パターンに割り振られている。そして、
図23(b)には、例えば、サブ変動パターン301〜304(SH301〜304)にはリーチ別変動パターン(RH1〜4)がそれぞれ紐付けられていることが示されている。さらに、
図23(b)には、サブ変動パターン305(SH305)にはリーチ別変動パターンRH295が紐付けられ、サブ変動パターン306(SH306)にはリーチ別変動パターンRH8が紐付けられていることが示されている。
【0427】
また、
図23(b)に示すリーチ別変動グループ抽選の置数に係る分母は、2の15乗である「32768」となっている。そして、
図23(b)においては、サブ変動パターン301〜308(SH301〜308)、及び、サブ変動パターン1404(SH1404)について、リーチ別変動パターンRH1〜8、RH293、RH295、RH300が、それぞれ100%の割合で(1:1の関係で)選択されることが示されている。
【0428】
なお、全てのサブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)に対して、リーチ別変動パターン(RH1〜300)のうちのいずれかのリーチ別変動パターンを割り当ててもよい。また、リーチ別変動パターンRH1〜R300が割当てられていないサブ変動パターンを設けるようにしてもよい。さらに、サブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)とリーチ別変動パターン(RH1〜RH300)との置数の関係は、必ずしも両者が1:1の関係となることを要するものではない。
<信頼度経路抽選(階層1B)>
【0429】
次に、前述の「その他単独抽選」(
図20参照)に含まれる階層1Bの信頼度経路抽選について、
図24に基づき説明する。この信頼度経路抽選は、前述のように、
図20中に示す「予告シナリオ抽選」に対し単独で、予告やリーチ等の信頼度を経路として大まかに抽選するものである。そして、この信頼度経路抽選において決定された信頼度(信頼度経路)は、後述するバリエーション抽選(
図28、
図29参照)で、予告やSPリーチの決定において参照されるテーブルの期待度(テーブル期待度)を定めるものとなっている。
【0430】
この信頼度経路抽選は、前述のように、サブメイン基板301で決定されるサブ変動パターン1〜1404(
図24(a)中左側の図表のSH1〜1404)に基づき、
図24(a)中右側の図表に示す信頼度経路(SK)の中から、信頼度経路パターンを決定するものである。ここで、
図24(a)中左側の「サブ変動」の図表は、
図21(a)中、
図22(a)中、
図23(a)中のそれぞれの左側に示す「サブ変動」の図表と同じものである。
【0431】
図24(a)中右側に示す「信頼度経路」の図表は、前述のSPリーチについて、予告からリーチの演出に至るまでの大当り信頼度の組合せ(テーブル期待度)を示している。すなわち、
図24(a)中の「信頼度経路」の図表には、予告L、予告M、予告Hと、リーチL、リーチM、リーチHとの9種類の組合せを示している。さらに、上述の「L」、「M」、「H」の記号は、信頼度の程度を表している。そして、これらのうち「L」は信頼度が相対的に低いこと(停信頼度であること)を示しており、「M」は信頼度が相対的に中程度であること(中信頼度であること)を示している。また、「H」は信頼度が相対的に高いこと(高信頼度であること)を示している。ここで、
図24中の「予告」とは、前述の演出シナリオのブロック1〜6(リーチ前演出ブロック)のすなわちリーチ前演出にて実行される演出のことを示し、「リーチ」とはブロック7、8(リーチ後演出ブロック)のすなわちリーチ後に実行される演出のことを示している。
【0432】
例えば、表示オブジェクトの彩色により大当り期待度の予告が行われる場合を例に挙げれば、予告Lが決定された場合には、前述した基本の表示態様である青色や緑色の表示までしか行われないようバリエーション抽選で使用されるテーブルを設定し、それ以上の大当り期待度を表す黄色や赤色等の表示は実行されない。この場合、黄色や赤色等の高い期待度を表す表示態様は、バリエーション抽選のテーブルより予め選択対象から除外しておくことが考えられる。
【0433】
また、予告Mが選択された場合には、黄色や赤色等の表示が実行され、低期待度の青色や緑色の表示、及び、金色や虹色等の高期待度の表示は実行されない。また、予告Hが選択された場合には、金色や虹色等の高期待度の表示が実行され、赤色以下の中期待度及び低期待度の表示は実行されない。なお、「L」と「M」の間で、一部の表示態様である緑色を共通に採用するといったことや、「M」と「H」の間で、一部の表示態様である黄色を共通に採用するといったことが考えられる。
【0434】
さらに、「L」、「M」、「H」は、演出の最適化を目指して決定されるものであり、例えば、「L」を大当り信頼度40%未満とし、「M」を大当り信頼度40%から70%未満とし、更に「H」を大当り信頼度70%超とすること等が考えられる。また、これ以外にも、例えば、「L」を大当り信頼度50%未満とし、「M」を大当り信頼度50%から80%未満とし、更に「H」を大当り信頼度80%超とすること等も考えられる。
【0435】
さらに、
図24(a)中の「信頼度経路」の図表において、「予告L」は低信頼度の予告であることを示しており、「予告M」は中信頼度の予告であることを示している。また、「予告H」は高信頼度の予告であることを示している。さらに、
図24(a)中の「信頼度経路」の図表において、「リーチL」は低信頼度のリーチであることを示しており、「リーチM」は中信頼度のリーチであることを示している。また、「リーチH」は高信頼度のリーチであることを示している。
【0436】
そして、
図24(a)中の「信頼度経路」の図表の最上段に示す「予告L」と「リーチL」の組合せ(SK1)は、低信頼度の予告を経て低信頼度リーチの演出が実行される組合せを表しており、「予告L」と「リーチM」の組合せ(SK2)は、低信頼度の予告を経て中信頼度リーチの演出が実行される組合せを表している。さらに、「予告L」と「リーチH」の組合せ(SK3)は、低信頼度の予告を経て高信頼度リーチの演出が実行される組合せを表している。
【0437】
また、
図24(a)中の「信頼度経路」の図表に示す「予告M」と「リーチL」の組合せ(SK4)は、中信頼度の予告を経て低信頼度リーチの演出が実行される組合せを表しており、「予告M」と「リーチM」の組合せ(SK5)は、中信頼度の予告を経て中信頼度リーチの演出が実行される組合せを表している。さらに、「予告M」と「リーチH」の組合せ(SK6)は、中信頼度の予告を経て高信頼度リーチの演出が実行される組合せを表している。
【0438】
また、
図24(a)中の「信頼度経路」の図表に示す「予告H」と「リーチL」の組合せ(SK7)は、高信頼度の予告を経て低信頼度リーチの演出が実行される組合せを表しており、「予告H」と「リーチM」の組合せ(SK8)は、高信頼度の予告を経て中信頼度リーチの演出が実行される組合せを表している。さらに、「予告H」と「リーチH」の組合せ(SK9)は、高信頼度の予告を経て高信頼度リーチの演出が実行される組合せを表している。
【0439】
続いて、
図24(b)の図表は、
図24(a)のサブ変動パターンと信頼度経路(SK1〜9)の振り分けに係る数値の割振り(置数)を、簡略的に説明するために記載したものである。
図24(b)の図表中、横軸(表頭)は、前述のサブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)を表しており、縦軸(表側)は、前述の信頼度経路SK1〜9を示している。
【0440】
また、
図24(b)中の「10000」、「12768」、「8768」、「8000」、「4000」等といった数値は、各サブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)に対して紐付けられた信頼度経路SK1〜9に割り振られている。そして、
図24(b)には、例えば、サブ変動パターン1(SH1)には「予告M」と「リーチM」の組合せによる信頼度経路であるSK5、及び、「予告H」と「リーチH」の組合せによる信頼度経路であるSK9がそれぞれ紐付けられていることが示されている。
【0441】
さらに、
図24(b)には、サブ変動パターン2(SH2)、及び、サブ変動パターン3(SH3)に、「予告L」と「リーチL」の組合せによる信頼度経路であるSK1、「予告L」と「リーチM」の組合せによる信頼度経路であるSK2、及び、「予告L」と「リーチH」の組合せによる信頼度経路であるSK3がそれぞれ紐付けられていることが示されている。また、
図24(b)には、サブ変動パターン4〜6(SH4〜6)に、信頼度経路SK1〜5がそれぞれ紐付けられていることが示されている。
【0442】
さらに、
図24(b)には、サブ変動パターン7(SH7)に信頼度経路SK4〜6が紐付けられ、サブ変動パターン8(SH8)に信頼度経路SK4〜SK9が紐付けられていることが示されている。また、
図24(b)には、サブ変動パターン1404(SH1404)に信頼度経路SK5、SK6、SK8、SK9がそれぞれ紐付けられていることが示されている。
【0443】
また、
図24(b)に示す信頼度経路抽選の置数に係る分母は、2の15乗である「32768」となっている。そして、
図24(b)においては、例えば、サブ変動パターン1(SH1)について、信頼度経路SK5、SK9が「10000/37268」の割合で選択されることが示されている。また、
図24(b)においては、例えば、サブ変動パターン2(SH2)、及び、サブ変動パターン3(SH3)について、信頼度経路SK1〜3が、それぞれ「12768/37268」、「10000/37268」、「10000/37268」の割合で選択されることが示されている。
【0444】
さらに、
図24(b)においては、例えば、サブ変動パターン4〜6(SH4〜6)について、信頼度経路SK1〜5が、それぞれ「12768/37268」、「8000/37268」、「8000/37268」、「4000/37268」、「4000/37268」の割合で選択されることが示されている。そして、その他のサブ変動パターンについても、紐付けられた所定の信頼度経路が所定の割合で選択されるようになっている。
【0445】
なお、ここで説明したサブ変動パターンと信頼度経路の関係は、あくまでも説明が煩雑にならないよう簡素化されたものである。そして、必ずしも全てのサブ変動パターンに対して信頼度経路を紐付けることは必要なく、例えば、一部のサブ変動パターンに対して信頼度経路の紐付けを行わないことも可能である。また、各信頼度経路に割当てられた置数も、「4000」、「8000」、「10000」などといった、10、100、或は、1000等の整数倍の数に限定されるものではない。また、本実施例ではSK4、7、8に示したように、予告の信頼度よりもリーチの信頼度が低いものを選択対象としているが、これら予告よりもリーチの信頼度が下がるものは、選択しないようにすることが好ましい。このようにすることで、リーチに発展する前に高まった遊技者の期待が、リーチ演出中に否定されることを防ぐことができる。
<予告シナリオ抽選(階層2)>
【0446】
次に、前述の階層2に含まれる「予告シナリオ抽選」(
図20参照)について、
図25〜
図27に基づき説明する。本実施例では、「予告シナリオ抽選」は、
図25に示す「切り札シナリオ抽選」を経て実行されるようになっている。このため、「予告シナリオ抽選」の説明に先立ち、
図25に示す「切り札シナリオ抽選」について説明する。なお、「切り札シナリオ抽選」の名称の「切り札」は、演出内容が、登場人物が、切り札を出す、切り札を使う、奥の手を出す、或いは、強い手札を使う、といったような表現が当てはまるものであるために付されている名称である。
<<切り札シナリオ抽選>>
【0447】
図25に示す切り札シナリオ抽選は、前述のように、サブメイン基板301で決定されるサブ変動パターン1〜1404(
図25(a)中左側の図表のSH1〜1404)に基づき、サブ変動パターンの乱数値を引数として、
図25(a)中右側の図表に示す複数の切り札シナリオ(グループ)の中から、1又は複数の切り札シナリオ(KF)を振り分けるものである。ここで、
図25(a)中左側の「サブ変動」の図表は、これまでに説明した「サブ変動」の図表(
図21(a)等参照)と同じものである。
【0448】
図25(a)中右側に示す「切り札シナリオ」の図表は、切り札シナリオの適用態様、及び、所定数(ここでは14個)の切り札シナリオKF1〜14を、上から下に並べて記載している。そして、
図25(a)中の「切り札シナリオ」の図表においては、切り札シナリオに係る演出の適用がないことを示す「なし」の切り札シナリオKF0と、切り札シナリオに係る演出の適用がされ得る13種類の切り札シナリオKF1〜13が示されている。
【0449】
さらに、本実施例では、
図25(a)中の「切り札シナリオ」の図表に示す各演出について、演出内容の区別を可能にする識別名称が付されている。そして、
図25(a)中の「切り札シナリオ」の図表においては、切り札シナリオKF0〜13は、「なし」、「予告→ミッション1」、「予告→ミッション2」、「予告→ラストミッション」、「予告→弱SP」、「予告→救出」、「予告→説得」、「予告→崖」、「弱SP→崖チャレ煽り」、「弱SP→救出」、「弱SP→説得」、「弱SP→崖」、「予告→弱SP→説得」、「予告→弱SP→崖」とそれぞれ名称が付されている。
【0450】
ここで、
図25(a)中の切り札シナリオに関して「なし」と記載されているのは、前述のように切り札シナリオに係る演出の適用がないことを示している。また、切り札シナリオの名称中の「→」は、前段の名称の演出から、「→」の後段の名称の演出へ移行(発展)することを示している。さらに、切り札シナリオの名称中の「ミッション1」、「ミッション2」、「ラストミッション」、「救出」、「説得」、「崖」、「崖チャレ煽り」といった名称は、演出におけるストーリーの違いに基づくものとなっている。さらに、「SP」の部分はスペシャルリーチに対応したものであることを表しており、「弱」は、前述の弱リーチに該当することを表している。
【0451】
続いて、
図25(b)の図表は、
図25(a)のサブ変動パターンSH1〜1404と各切り札シナリオKF0〜13の振り分けに係る数値の割振り(置数)を、簡略的に説明するために記載したものである。すなわち、
図25(b)の図表中、横軸(表頭)は、前述のサブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)を表しており、縦軸(表側)は、切り札シナリオを適用しない「なし」の場合をKF0として、各切り札シナリオの適用態様と、適用した場合(切り札シナリオ「あり」の場合)に選択され得る切り札シナリオKFA1〜13を併せて示している。なお、
図25(b)中では、サブ変動パターン3〜300、309〜1403(SH9〜1403)の記載をそれぞれ「etc.」として省略している。
【0452】
また、
図25(b)中の「12768」、「10000」、「8768」、「8000」、「4000」等といった数値は、各サブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)に対して紐付けられた切り札シナリオKF0〜13に割り振られている。なお、ここでは説明が煩雑にならないよう、「切り札シナリオ」の概念中に、切り札シナリオの適用が「なし」の場合(A0)も含まれるものとしている。
【0453】
そして、
図25(b)には、例えば、サブ変動パターン301(SH301)にはKF0の切り札シナリオとして上述した「なし」と、KF5の切り札シナリオである「予告→救出」と、KF10の切り札シナリオである「弱SP→説得」が、それぞれ紐付けられていることが示されている。
【0454】
さらに、
図25(b)には、サブ変動パターン302(SH302)、及び、サブ変動パターン303(SH303)に、KF0〜2の切り札シナリオである「なし」、「予告→ミッション1」、「予告→ミッション2」がそれぞれ紐付けられていることが示されている。また、
図25(b)には、サブ変動パターン304(SH304)、及び、サブ変動パターン305(SH305)に、KF0〜4の切り札シナリオである「なし」、「予告→ミッション1」、「予告→ミッション2」、「予告→ラストミッション」、「予告→弱SP」がそれぞれ紐付けられていることが示されている。
【0455】
さらに、
図25(b)には、サブ変動パターン306(SH306)に、KF0〜3及びKF5の切り札シナリオである「なし」、「予告→ミッション1」、「予告→ミッション2」、「予告→ラストミッション」、及び、「予告→救出」がそれぞれ紐付けられていることが示されている。また、
図25(b)には、サブ変動パターン307(SH307)に、KF3、KF5、KF6の切り札シナリオである「予告→ラストミッション」、「弱SP→救出」、「予告→説得」がそれぞれ紐付けられていることが示されている。
【0456】
さらに、
図25(b)には、サブ変動パターン308(SH308)に、KF3、KF5〜9の切り札シナリオである「予告→ラストミッション」、「予告→救出」、「予告→説得」、「予告→崖」、「弱SP→崖チャレ煽り」、「弱SP→救出」、がそれぞれ紐付けられていることが示されている。そして、
図25(b)には、サブ変動パターン1404(S1404)に、KF13の切り札シナリオである「予告→弱SP→崖」が紐付けられていることが示されている。
【0457】
また、
図25(b)に示す切り札シナリオ抽選の置数に係る分母は、2の15乗である「32768」となっている。そして、
図25(b)においては、例えば、サブ変動パターン1(SH301)について、切り札シナリオKF0、KF5、KF10がそれぞれ「12768/32768」、「10000/37268」、「10000/37268」の割合で選択されることが示されている。また、
図25(b)においては、例えば、サブ変動パターン302(SH302)、及び、サブ変動パターン303(SH303)について、切り札シナリオKF0〜2がそれぞれ「12768/32768」、「10000/37268」、「10000/37268」の割合で選択されることが示されている。
【0458】
さらに、
図25(b)においては、例えば、サブ変動パターン304(SH304)、及び、サブ変動パターン305(SH305)について、切り札シナリオKF0〜4がそれぞれ「8768/32768」、「8000/32768」、「8000/37268」、「4000/37268」、「4000/37268」の割合で選択されることが示されている。そして、その他のサブ変動パターンについても、紐付けられた所定の切り札シナリオが所定の割合で選択されるようになっている。
【0459】
なお、ここで説明したサブ変動パターン(SH)と切り札シナリオ(KF)の関係は、あくまでも説明が煩雑にならないよう簡素化されたものである。そして、必ずしも全てのサブ変動パターン(SH)に対して切り札シナリオ(KF)を紐付けることは必要なく、例えば、一部のサブ変動パターン(SH)に対して切り札シナリオ(KF)の紐付けを行わないことも可能である。また、各切り札シナリオ(KF)に割当てられた置数も、「4000」、「8000」、「10000」などといった、10、100、或は、1000等の整数倍の数に限定されるものではない。
【0460】
このような切り札シナリオ抽選において、切り札シナリオ「なし」が選択された場合(KF0の場合)、所定のフラグ(昇格演出実行あり決定フラグ)の設定は行われず、このフラグの値は0のままとなる。しかし、切り札シナリオ抽選において、切り札シナリオ「あり」が選択された場合(KF1〜13の場合)、昇格演出実行あり決定フラグ(以下「昇格演出決定フラグ」と称する)が設定され、フラグの値は1となる。そして、この昇格演出決定フラグを設定するか否かを決定する切り札シナリオ抽選は、後述する予告シナリオ抽選の前に行われるようになっている。なお、この昇格演出決定フラグが設定された場合の演出例については、
図30〜
図32に基づき後述する。
<<予告シナリオ抽選>>
【0461】
続いて、
図26に示す予告シナリオ抽選は、前述のように、サブメイン基板301で決定されるサブ変動パターン1〜1404(
図26(a)中左側の図表のSH1〜SH1404)に基づき、サブ変動パターンの乱数値を引数として、
図26(a)中右側の図表に一例を示す複数の予告シナリオ(YS)の中から、1つの予告シナリオを振り分けるものである。ここで、
図26(a)中左側の「サブ変動」の図表は、これまでに説明した「サブ変動」の図表(
図25(a)等参照)と同じものである。
【0462】
図26(a)中右側に示す「予告シナリオ」の図表は、前述した切り札シナリオ抽選(
図25参照)の抽選結果に応じて決定されたシナリオテーブルの一例を示している。すなわち、
図26(a)中には、「予告シナリオ」の一例として、選択対象となる所定数の予告シナリオの中から、所定の演出モード(ここでは演出モード1)に係る所定の切り札シナリオ(ここではKF=0)が決定された場合に選択されるものを示している。そして、予告シナリオ抽選では、前述した切り札シナリオ抽選(
図25参照)の抽選結果が所定の第1結果であった場合と、それ以外の所定の第2結果であった場合とで異なるシナリオテーブルが用いられるようになっている。
【0463】
上述の第1結果としては、前述した切り札シナリオ抽選(
図25参照)における「なし」の切り札シナリオKF0を、その一部として例示することができる。また、第1結果に、前述の「あり」の場合の切り札シナリオKF1〜13(
図25参照)のうち、「弱SP→**」(「**」は任意の演出であることを示す)の名称が付されたKF8〜11を含めることが考えられる。
【0464】
一方、前述の第2結果としては、前述した切り札シナリオ抽選(
図25参照)における「あり」の切り札シナリオKF1〜13のうち、「予告→**」(「**」は任意の演出であることを示す)の名称が付されたKF1〜7、KF12、KF13を含めることが考えられる。
【0465】
さらに、本実施例では、切り札シナリオ抽選(
図25参照)の抽選結果が第1結果であった場合、及び、第2結果であった場合のいずれについても、各々複数(例えば3個ずつ)のシナリオテーブルが備えられている。そして、第1結果、或いは、第2結果の場合の複数のシナリオテーブルとしては、例えば、演出モード毎に複数設けらえたものを例示できる。より具体的には、例えば、第1結果に係るモード1〜3について各々の予告シナリオテーブルを備え、第2結果についても、モード1〜3について各々の予告シナリオテーブルを備える、といったことが考えられる。また、さらに先読み実行中であるか否かで、テーブルを切り替えるようにしてもよい。
【0466】
図26(a)中右側に示す「予告シナリオ」の図表は、前述の切り札シナリオ抽選(
図25参照)において第1結果が得られた場合に用いられるシナリオテーブルのうち、所定の1つの演出モード用に設けられたものの一例を示している。図中に示すように、このシナリオテーブルにおいては、ブロック1〜8の欄が行方向に並べられており、列方向には個々の予告シナリオYS1〜20が示されている。
【0467】
これらのうち、行方向に並んだブロック1〜8は、前述の
図20中の「予告シナリオ抽選」について示したブロック1〜8に相当するものである。そして、予告シナリオ抽選により決定される演出は、このブロック1〜8に割り当てられた予告演出によって主要部分が構成されるようになっている。
【0468】
例えば、
図26(a)中右側の図表における予告シナリオYS1は、ブロック1〜8の順に、「アイキャッチ予告」、「なし」、「ニュース予告」、「なし」、「なし」、「なし」、「なし」、「なし」となっている。これは、予告シナリオYS1の構成が、ブロック1を「アイキャッチ予告」とし、ブロック2を「なし」とし、ブロック3を「ニュース予告」とし、ブロック4〜8を「なし」としたものであることを示している。
【0469】
前述のように(
図20参照)、ブロック1〜8は、「賑やかし系A」、「賑やかし系B」、「擬似1メイン系A」、「擬似1メイン系B」、「擬似2演出」、「擬似3演出」、「SPリーチ」、「崖リーチ」の演出を表している。そして、上述の予告シナリオYS1は、ブロック1である「賑やかし系A」として「アイキャッチ予告」を実行し、ブロック2である「賑やかし系B」を実行しないものとなっている。また、この予告シナリオYS1は、ブロック3である「擬似1メイン系A」として「ニュース予告」を実行し、ブロック4〜8である「擬似1メイン系B」、「擬似2演出」、「擬似3演出」、「SPリーチ」、「崖リーチ」を実行しないものとなっている。さらに、この予告シナリオYS1は、「アイキャッチ予告」と「ニュース予告」を複合させるものとなっている。
【0470】
なお、
図26中(a)右側のシナリオテーブルの図表に示す「アイキャッチ予告」、「ニュース予告」等といった各種の予告演出の違いについては、各予告シナリオYS1〜20の構成について説明した後に、その説明を行う。また、各種の予告演出の複合の態様についても後述する。
【0471】
図26(a)中右側の図表に示すシナリオテーブルでは、予告シナリオYS2〜4は、ブロック1で上述の予告シナリオYS1と同様に「アイキャッチ予告」を実行し、ブロック2を「なし」とし、ブロック3で「特定チャンス演出」、「パズル予告」、「体験工房予告」をそれぞれ実行し、ブロック4〜8を「なし」としたものになっている。
【0472】
さらに、
図26(a)中右側の図表に示すシナリオテーブルでは、予告シナリオYS5〜8は、ブロック1(賑やかし系A)を「なし」とし、ブロック2(賑やかし系B)で「パズル予告」を実行し、ブロック3(擬似1メイン系A)で「ニュース予告」、「特定チャンス演出」、「パズル予告」、「体験工房予告」をそれぞれ実行し、ブロック4〜8を「なし」としたものになっている。
【0473】
また、
図26(a)中右側の図表に示すシナリオテーブルでは、予告シナリオYS9、YS10は、ブロック1(賑やかし系A)を「アイキャッチ予告」とし、ブロック2(賑やかし系B)で「パズル予告」を実行するものとなっている。さらに、予告シナリオYS9、YS10は、ブロック3(擬似1メイン系A)を「なし」とし、ブロック4(擬似1メイン系B)で「会話予告」、「切り札神の手予告」をそれぞれ実行し、ブロック5〜8を「なし」としたものになっている。
【0474】
また、
図26(a)中右側の図表に示すシナリオテーブルでは、予告シナリオYS11は、ブロック1〜4を、それぞれ「アイキャッチ予告」、「パズル予告」、「ニュース予告」、「サブリミナル予告」とし、ブロック5〜8を「なし」としたものになっている。
【0475】
さらに、
図26(a)中右側の図表に示すシナリオテーブルでは、予告シナリオYS12は、ブロック1〜3を「なし」とし、ブロック4、ブロック5をそれぞれ「会話予告」、「会話ロング予告」とし、ブロック6〜8を「なし」としたものになっている。
【0476】
また、
図26(a)中右側の図表に示すシナリオテーブルでは、予告シナリオYS13〜YS17は、ブロック1、ブロック2をそれぞれ「アイキャッチ予告」、「パズル予告」とし、ブロック3を「なし」としている。さらに、予告シナリオYS13〜17は、ブロック4〜6をそれぞれ「会話予告」、「会話ロング予告」、「事件推理予告」としている。また、予告シナリオYS13〜17は、ブロック7をそれぞれ「警察探索リーチ」、「追跡リーチ」、「発見リーチ」、「推理リーチ」、「救出リーチ」とし、ブロック8を「なし」としている。
【0477】
また、
図26(a)中右側の図表に示すシナリオテーブルでは、予告シナリオYS18は、ブロック1、ブロック2をそれぞれ「アイキャッチ予告」、「パズル予告」とし、ブロック3を「なし」としている。さらに、予告シナリオYS18は、ブロック4、ブロック5をそれぞれ「会話予告」、「会話ロング予告」とし、ブロック6、ブロック7を「なし」とし、ブロック8を「崖リーチ(演出モード1)」としている。
【0478】
また、
図26(a)中右側の図表に示すシナリオテーブルでは、予告シナリオYS19は、ブロック1、ブロック2をそれぞれ「アイキャッチ予告」、「パズル予告」とし、ブロック3〜5を「なし」としている。さらに、予告シナリオYS19は、ブロック6〜8をそれぞれ「推理リーチ」、「救出リーチ」、「崖リーチ(演出モード1)」としている。また、
図26(a)中右側の図表に示すシナリオテーブルでは、予告シナリオYS20は、ブロック1〜8をいずれも「なし」としている。
【0479】
続いて、前述した各種の予告演出(
図26(a)中右側の図表参照)のうち、所定のものについて説明する。各種の予告演出のうちの「アイキャッチ予告」は、遊技者の注意を引くための短時間の映像や効果音といった演出出力を行うものである。そして、短時間の映像としては、演出に採用されているストーリーに係るタイトル表示などを例示でき、効果音としてはストーリーに係る楽曲などを例示できる。
【0480】
前述の「ニュース予告」は、報道番組においてアナウンサーがニュースを伝える内容のものとなっている。そして、「ニュース予告」においては、伝えられる内容に応じて大当りの期待度が変化し、更に所定の予告演出(例えばアナウンサーが「続いてのニュースは…」と次の原稿を読み始める演出)が複合することによって必ず擬似連演出(擬似連続予告の演出)に移行するようになっている。また、「ニュース予告」においては、映像中にプレミアムに関連する所定の表示物(オブジェクト)が出現すれば、必ず大当りとなるようになっている。
【0481】
前述の「会話ロング予告」は、映像中の登場人物同士が会話を行う内容のものとなっている。そして、リーチ表示がされて所定回数目(例えば3回目)の会話が行われると、「アイキャッチ予告」が出現し、擬似連演出に突入するようになっている。ここで、
図26(a)に示す予告シナリオにおいては、前述のブロック1に係る「アイキャッチ予告」と、ブロック5に係る上述の「会話ロング予告」に伴って実行される「アイキャッチ予告」とは異なる演出態様のものとなっている。より具体的には、ブロック1の「アイキャッチ予告」を、音による演出であって、且つ、ブロック3、4の演出と同時に実行(複合)されるものとし、「会話ロング予告」に伴う「アイキャッチ予告」を、会話予告等からの発展時における映像のカットインを音出力と併せて行うもの、とすることなどを例示できる。
【0482】
ここで、予告演出の構成や内容としては種々のものを採用することができる。さらに、各種の予告演出中に大当り期待度に応じた態様で、物品や台詞文字等のオブジェクト表示を行うことが可能である。また、例えば、
図26(a)中右側の図表において、予告シナリオYS3のブロック3(パズル予告)と、予告シナリオYS5のブロック2(パズル予告)に示すように、1種類の予告演出を、複数の予告シナリオにおいて、異なるブロックに割り当てることも可能である。
【0483】
続いて、
図26(b)の図表は、
図26(a)のサブ変動パターンと各予告シナリオ(YS1〜20)の振り分けに係る数値の割振り(置数)を、簡略的に説明するために記載したものである。すなわち、
図26(b)の図表中、横軸(表頭)は、前述のサブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)を表しており、縦軸(表側)は、
図26(a)中右側に示すシナリオテーブルに定められた予告シナリオYS1〜20を示している。なお、
図26(b)中では、サブ変動パターン9〜1403(SH9〜1403)の記載をそれぞれ「etc.」として省略している。
【0484】
また、
図26(b)中の「12768」、「10000」、「8768」、「8000」、「4000」等といった数値は、各サブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)に対して紐付けられた予告シナリオ(YS1〜20)に割り振られている。そして、
図26(b)には、例えば、サブ変動パターン1(SH1)には予告シナリオYS1〜20のうち、YS1、YS5、YS10の予告シナリオがそれぞれ紐付けられていることが示されている。
【0485】
さらに、
図26(b)には、サブ変動パターン2(SH2)、及び、サブ変動パターン3(SH3)に、YS1〜3の予告シナリオがそれぞれ紐付けられ、サブ変動パターン4〜6(SH4〜6)には、YS1〜5の予告シナリオがそれぞれ紐付けられていることが示されている。
【0486】
さらに、
図26(b)には、サブ変動パターン7(SH7)に、YS4〜6の予告シナリオが紐付けられ、サブ変動パターン8(SH7)にYS4〜9の予告シナリオが紐付けられ、サブ変動パターン1404(SH1404)にYS14〜19の予告シナリオが紐付けられていることが示されている。
【0487】
また、
図26(b)に示す予告シナリオ抽選の置数に係る分母は、2の15乗である「32768」となっている。そして、
図26(b)においては、例えば、サブ変動パターン1(SH1)について、予告シナリオYS1、YS5、YS10がそれぞれ「12768/32768」、「10000/37268」、「10000/37268」の割合で選択されることが示されている。また、
図26(b)においては、例えば、サブ変動パターン2(SH2)、及び、サブ変動パターン3(SH3)について、予告シナリオYS1〜3がそれぞれ「12768/32768」、「10000/37268」、「10000/37268」の割合で選択されることが示されている。
【0488】
さらに、
図26(b)においては、例えば、サブ変動パターン4〜6(SH4〜6)について、予告シナリオYS1〜5がそれぞれ「8768/32768」、「8000/32768」、「8000/37268」、「4000/37268」、「4000/37268」の割合で選択されることが示されている。そして、その他のサブ変動パターンについても、紐付けられた所定の予告シナリオが所定の割合で選択されるようになっている。
【0489】
なお、ここで説明したサブ変動パターン(SH)と予告シナリオ(YS)の関係は、あくまでも説明が煩雑にならないよう簡素化されたものである。また、例えば、一部のサブ変動パターン(SH)に対して予告シナリオ(YS)の紐付けを行わないことも可能であるが、本実施例では、全ての演出ブロック(ここでは1〜8)を「なし」としたダミーの予告シナリオ(YS20)を設け、全てのサブ変動パターン1〜1404(SH1〜1404)に予告シナリオ(YS)の紐付けを行うことを可能にしている。各予告シナリオ(YS)に割当てられた置数も、「4000」、「8000」、「10000」などといった、10、100、或は、1000等の整数倍の数に限定されるものではない。
【0490】
また、
図26(a)中右側に示すシナリオテーブルは、
図25に示す切り札シナリオ抽選で切り札シナリオ「なし」の抽選結果が得られた場合に選択され得るシナリオテーブルの一例を示しているが、これに限定されるものではなく、切り札シナリオ抽選(
図25参照)で切り札シナリオ「なし」の抽選結果(KF0)が得られた場合に、
図26(a)中右側に示すものとは異なる、切り札シナリオ「なし」用のシナリオテーブルを用いることも可能である。
【0491】
さらに、切り札シナリオ「あり」の抽選結果(KF1〜13)が得られた場合に、前述の昇格演出決定フラグに基づき、切り札シナリオ「あり」に対応したいずれかのシナリオテーブルに切り替えて予告シナリオ抽選を行うことが可能である。
<<SPシナリオ抽選>>
【0492】
図27に示すSPシナリオ抽選は、前述のリーチ別変動グループ(
図27中右側の図表のRH1〜300)に基づき、リーチ別変動パターンの乱数値を引数として、
図27中右側の図表に一例を示す複数のSPシナリオ(SS)の中から、1つのSPシナリオを振り分けるものである。
【0493】
ここで、
図27中左側には「リーチ別変動グループ」(RH1〜300)の図表が示されている。この
図27中左側に示す「リーチ別変動グループ」の図表は、
図27(a)中右側に示す「リーチ別変動グループ」と同じものである。これは、SPシナリオ抽選が、リーチに対して適用されるものであり、「リーチ別変動グループ」に基づきSPシナリオを振り分けるものとして考えられるため、サブ変動パターン1〜1404(
図26(a)中左側の図表等参照)に代えて、「リーチ別変動グループ」の図表を用いているものである。
【0494】
図27中右側に示す「SPシナリオ」の図表は、リーチに係るSPシナリオテーブルの一例を示している。すなわち、SPシナリオ抽選では、複数のSPシナリオテーブルの中から一つのSPシナリオテーブルが決定される。そして、SPシナリオテーブルには、SPブロック1〜8の欄が行方向に並べられており、列方向には個々のSPシナリオ(SS1〜5)が示されている。
【0495】
これらのうち、行方向に並んだSPブロック1〜8は、SPリーチ演出についてのシナリオを定めるためのものであり、SPシナリオ抽選により決定されるリーチ演出は、このSPブロック1〜8に割り当てられたSPリーチ演出によって主要部分が構成されるようになっている。そして、これらのSPブロック1〜8は、演出内容の傾向に名称が付されており、それぞれ「賑やかし系A」、「賑やかし系B」、「賑やかし系C」、「リーチ内容」、「強リーチ系A」「強リーチ系B」、「強リーチ系C」、「強リーチ系D」となっている。
【0496】
このSPシナリオ抽選に係る特徴的な賑やかし系の演出としては、例えば、リーチラインの表示を行う、大当り期待度が段階的に上がっていく内容の演出(所謂「チャンスアップ演出」)を出力する、演出上のストーリーに係るタイトル表示を行う、等といったものを例示できる。また、上述の「強リーチ系」の演出として、上述の所謂「チャンスアップ演出」等を行うことも可能である。
【0497】
上述のSPブロック1〜8は、演出の内容を構成する点で、前述の予告シナリオについて説明したブロック1〜8(
図26(a)中右側の図表参照)と共通しているが、特定のリーチに係るリーチ成立以降の演出内容に限られたものである点で、SPブロック1〜8と前述の予告シナリオについて説明したブロック1〜8(
図26(a)中右側の図表参照)とは異なっている。ただし、演出パターンによっては、SPブロック1〜8と、前述の予告シナリオについて説明したブロック1〜8(
図26(a)中右側の図表参照)とが、同じ内容のブロックで構成されていてもよい。
【0498】
図27中右側の図表におけるSPシナリオSS1は、SPブロック1〜8の順に、「なし」、「チャージ予告」、「特定ミッション」、「なし」、「なし」、「なし」、「なし」、「なし」となっている。これは、SPシナリオSS1の構成が、SPブロック1を「なし」とし、SPブロック2を「賑やかし系A」に属する「チャージ予告」とし、SPブロック3を「賑やかし系B」に属する「特定ミッション」とし、SPブロック4〜8を「なし」としたものであることを示している。
【0499】
また、
図27中(a)右側の図表に示すSPシナリオテーブルでは、SPシナリオSS2は、SPブロック1〜8の順に、「リーチ中ミニゲーム予告」、「チャージ予告」、「なし」、「弱リーチ」、「救出リーチ中崖煽り」、「救出リーチ」、「なし」、「なし」となっている。さらに、
図27中右側の図表に示すSPシナリオテーブルでは、SPシナリオSS3は、SPブロック1〜4までは、SS2と同じく「リーチ中ミニゲーム予告」、「チャージ予告」、「なし」、「弱リーチ」となっており、SPブロック5〜8は「なし」、「なし」、「説得リーチ」、「なし」となっている。
【0500】
また、
図27中右側の図表に示すSPシナリオテーブルでは、SPシナリオSS4は、SPブロック1〜6までは、SS3と同じく「リーチ中ミニゲーム予告」、「チャージ予告」、「なし」、「弱リーチ」、「なし」、「なし」となっており、SPブロック7は「なし」、SPブロック8は「特定崖リーチ」となっている。さらに、
図27中右側の図表に示すSPシナリオテーブルでは、SPシナリオSS5は、SPブロック1〜7までは、SS4と同じく「リーチ中ミニゲーム予告」、「チャージ予告」、「なし」、「弱リーチ」、「なし」、「なし」、「なし」となっており、SPブロック8も「なし」となっている。
【0501】
なお、
図27中に例示したようなSPシナリオテーブルについても、各SPシナリオ(ここではSS1〜SS5)と、リーチ別変動グループ(RH1〜300)との選択割合(置数)の関係が定められているが、ここではSPシナリオの置数に係る図示は省略する。
<バリエーション抽選(階層3)>
【0502】
次に、前述の階層3に含まれる「バリエーション抽選」について、
図28、
図29に基づき説明する。本実施例では、「バリエーション抽選」は、
図25〜
図27に示す階層2の「予告シナリオ抽選」で決定された予告から、
図24に示す階層1Bの「信頼度経路抽選」の結果を参照して実行されるようになっている。さらに、本実施例では、「バリエーション抽選」には、予告バリエーション抽選(
図28(a)中右側の「ニュース予告抽選」等の図表参照)と、SPバリエーション抽選(
図29(a)中右側の図表参照)とが含まれている。なお、以下では、予告バリエーション抽選として「ニュース予告抽選」が行われる場合を例に挙げて説明する。
<<ニュース予告抽選>>
【0503】
図28に示すニュース予告抽選は、前述の付加情報別変動グループ(
図22中右側の図表のFH1〜18)に基づき、付加情報変動パターンの乱数値を引数として、
図28中右側の図表に一例を示す複数の予告(NM1〜9)の中から、1つの予告演出を振り分けるものである。そして、
図28には、前述した付加情報別変動グループ(
図22(a)中右側の図表のFH1〜18)に基づき選択された「ニュース予告M」(NM1〜9)からいずれかのニュース予告を振り分ける例を示している。ここで、
図28(a)中左側の「付加情報別変動グループ」の図表は、前述した「付加情報別変動グループ」の図表(
図22(a)中右側の図表参照)と同じものである。
【0504】
図28(a)中右側に示す「ニュース予告M」の名称のうちの「ニュース予告」の部分は、
図26(a)中右側の「予告シナリオ」の図表に示す前述の「ニュース予告」(例えばYS1のブロック3など)に紐付くものであることを示している。また、「ニュース予告M」の名称のうちの「M」は、前述の信頼度経路抽選(
図24参照)に係る信頼度の程度「L」、「M」、「H」のうちの中信頼度に対応したものであることを示している。つまり、「ニュース予告M」は、前述の信頼度経路抽選(
図24参照)で「予告M」が選択されている場合の「ニュース予告」であることを示している。
【0505】
図28(a)中右側に示す「ニュース予告M」の図表は、「ニュース予告M」に属する9種類のニュース予告NM1〜9を示している。なお、ここでは、説明が煩雑にならないよう、「ニュース予告M」に属するニュース予告NM1〜9の具体的な名称およびその内容を省略している。
【0506】
続いて、
図28(b)の図表は、
図22(a)の付加情報変動パターンFH1〜18と各ニュース予告NM1〜9の振り分けに係る数値の割振り(置数)を、簡略的に説明するために記載したものである。すなわち、
図28(b)の図表中、横軸(表頭)は、前述の付加情報変動パターンを表しており、縦軸(表側)は、各ニュース予告NM1〜9を示している。なお、
図28(b)中では、付加情報変動パターンFH9〜17の記載をそれぞれ「etc.」として省略している。
【0507】
また、
図28(b)中の「32768」、「10000」、「2768」、「5000」等といった数値は、各付加情報変動パターンFH1〜18に紐付いたニュース予告NM1〜9に割り振られている。そして、
図28(b)には、例えば、付加情報変動パターンFH1、及び、付加情報別変動グループFH2には、ニュース予告NM1が紐付けられていることが示されている。
【0508】
さらに、
図28(b)には、付加情報別変動パターンFH3〜5についてはニュース予告NM3、NM4、NM7〜9がそれぞれ紐付けられ、付加情報変動パターンFH6にはニュース予告NM7〜9がそれぞれ紐付けられていることが示されている。また、
図28(b)には、付加情報別変動パターンF7、F8にニュース予告NM4、NM5がそれぞれ紐付けられ、付加情報別変動パターンF18にニュース予告NM6が紐付けられていることが示されている。
【0509】
また、
図28(b)に示すニュース予告NM1〜NM9の置数に係る分母は、2の15乗である「32768」となっている。そして、
図28(b)においては、例えば、付加情報別変動パターンFH1、FH2について、ニュース予告NM1が100%の割合で(1:1の関係で)選択されることが示されている。また、
図28(b)においては、例えば、付加情報別変動パターンFH3〜5について、ニュース予告NM3、NM4、NM7〜9がそれぞれ「10000/32768」、「2768/37268」、「10000/37268」、「5000/37268」、「5000/37268」の割合で選択されることが示されている。
【0510】
さらに、
図28(b)においては、例えば、付加情報別変動パターンFH6について、ニュース予告NM7〜9がそれぞれ「17768/32768」、「10000/37268」、「5000/37268」の割合で選択されることが示されている。そして、その他の付加情報別変動パターンについても、紐付けられた所定のニュース予告Mが所定の割合で選択されるようになっている。
【0511】
なお、ここで説明した付加情報変動パターンとニュース予告Mの関係は、あくまでも説明が煩雑にならないよう簡素化されたものである。そして、必ずしも全ての付加情報変動パターンFH1〜18に対していずれかのニュース予告M(NM1〜9)を紐付けることは必要なく、例えば、一部の付加情報変動パターンに対してニュース予告Mの紐付けを行わないことも可能である。また、各ニュース予告Mに割当てられた置数も、「5000」、「10000」、「20000」などといった、10、100、或は、1000等の整数倍の数に限定されるものではない。
<<SPバリエーション抽選>>
【0512】
図29に示すSPバリエーション抽選は、前述のリーチ別変動グループ(
図23中右側の図表のRH1〜300)に基づき、リーチ別変動パターンの乱数値を引数として、
図29中右側の図表に一例を示す複数のSPリーチ(KH1〜20)の中から、1つのSPリーチを振り分けるものである。そして、
図29には、前述したリーチ別変動グループ(
図23(a)中右側の図表のRH1〜300)に基づき選択された「救出リーチH」からいずれかの救出リーチを振り分ける例を示している。ここで、
図29(a)中左側の「リーチ別変動グループ」の図表は、前述した「リーチ別変動グループ」の図表(
図23(a)参照)と同じものである。
【0513】
図29(a)中右側に示す「救出リーチH」の名称のうちの「救出リーチ」の部分は、
図26(a)中右側の「予告シナリオ」の図表に示す前述の「救出リーチ」(例えばYS17のブロック7など)に紐付くものであることを示している。また、「救出リーチH」の名称のうちの「H」は、前述の信頼度経路抽選(
図24参照)に係る信頼度の程度「L」、「M」、「H」のうちの高信頼度に対応したものであることを示している。つまり、「救出リーチH」は、前述の信頼度経路抽選(
図24参照)で「リーチH」が選択されている場合の「救出リーチ」であることを示している。
【0514】
図29(a)中右側に示す「救出リーチH」の図表は、「救出リーチH」に属する複数種類の救出リーチKH1〜20を示している。また、各救出リーチは、大当り期待度を示す態様(彩色や柄等)や、ストーリー展開等の要素により区別されるようになっているが、ここでは説明が煩雑にならないよう、各救出リーチKH1〜20の違いの詳細については説明を省略する。
【0515】
続いて、
図29(b)の図表は、
図29(a)のリーチ別変動パターン(RH)と各救出リーチKH1〜20の振り分けに係る数値の割振り(置数)を、簡略的に説明するために記載したものである。すなわち、
図29(b)の図表中、横軸(表頭)は、前述のリーチ別変動パターンを表しており、縦軸(表側)は、各救出リーチKH1〜20を示している。なお、
図29(b)中では、リーチ別変動パターン9〜299(RH9〜299)の記載をそれぞれ「etc.」として省略している。
【0516】
また、
図29(b)中の「32768」、「10000」、「2768」、「5000」等といった数値は、各リーチ別変動パターンRH1〜300に紐付いた救出リーチKH1〜20に割り振られている。そして、
図29(b)には、例えば、リーチ別変動パターンRH1、及び、リーチ別変動パターンRH2には、救出リーチKH1が紐付けられていることが示されている。
【0517】
さらに、
図29(b)には、リーチ別変動パターンRH3〜5については救出リーチKH3、KH4、KH7、KH8、KH20がそれぞれ紐付けられ、リーチ別変動パターンRH6には救出リーチKH7、KH8、KH20がそれぞれ紐付けられていることが示されている。また、
図29(b)には、リーチ別変動パターンRH7、RH8には救出リーチKH4、KH5がそれぞれ紐付けられ、リーチ別変動パターンRH300には救出リーチKH6が紐付けられていることが示されている。
【0518】
また、
図29(b)に示す救出リーチKH1〜KH20の置数に係る分母は、2の15乗である「32768」となっている。そして、
図29(b)においては、例えば、リーチ別変動パターンRH1、RH2について、救出リーチKH1が100%の割合で(1:1の関係で)選択されることが示されている。また、
図29(b)においては、例えば、リーチ別変動パターンRH3〜RH5について、救出リーチKH3、KH4、KH7、KH8、KH20がそれぞれ「10000/32768」、「2768/37268」、「10000/37268」、「5000/37268」、「5000/37268」の割合で選択されることが示されている。
【0519】
さらに、
図29(b)においては、例えば、リーチ別変動パターンRH6について、救出リーチKH7、KH8、KH20がそれぞれ「17768/32768」、「10000/37268」、「5000/37268」の割合で選択されることが示されている。そして、その他のリーチ別変動パターンについても、紐付けられたいずれかの所定の救出リーチH(KH1〜20)が所定の割合で選択されるようになっている。
【0520】
なお、ここで説明したリーチ別変動パターン(RH)と救出リーチH(KH)の関係は、あくまでも説明が煩雑にならないよう簡素化されたものである。そして、必ずしも全てのリーチ別変動パターン(RH)に対して救出リーチH(KH)を紐付けることは必要なく、例えば、一部のリーチ別変動パターンに対して救出リーチHの紐付けを行わないことも可能である。また、各救出リーチHに割当てられた置数も、「5000」、「10000」、「20000」などといった、10、100、或は、1000等の整数倍の数に限定されるものではない。
<昇格演出決定フラグが設定された場合の演出例>
【0521】
続いて、前述の昇格演出決定フラグが設定されている場合の演出例を、
図30〜
図32に基づいて説明する。本実施例においては、前述の切り札シナリオに基づく演出表示として、昇格実行予告表示を実行したのち、昇格予告オブジェクトの表示を実行し続け、その後に前記昇格予告オブジェクトを使用した個別演出の期待度上昇演出を実行する、といった演出を行うことが可能となっている。
【0522】
例えば、
図30〜
図32は、切り札シナリオに基づく演出の一例を概略的に示している。このうち、
図30(a)〜(c)に示す演出例においては、変動期間中に切り札シナリオに基づき、予告演出の一部として、カード画像401が表示される。さらに、
図30(a)の演出例では、カード画像401が、演出中の登場人物である男性のキャラクタ402により獲得される様子が表示される。ここで、
図30(a)〜(c)では、カード画像401中に「切り札」の文字を記載することで、カード画像401が切り札シナリオで用いられていることを表している。
【0523】
さらに、このカード画像401により表された切り札は、
図30(b)に示すように、男性のキャラクタ402により前方(遊技者の側)へ向けて投げられる。
図30(b)においては、カード画像401が男性のキャラクタ402の前方へ投げられた様子が、カード画像401を拡大することにより示されている。そして、
図30(b)に示す演出例では、男性のキャラクタ402により、カード画像401による切り札が使用されることを示す内容が表現されている。
【0524】
ここで、
図30(b)においては、当該変動情報表示部195、第1保留数表示部196、第2保留数表示部197、当該変動情報表示198等の図示は省略しているが、例えば実際に、カード画像401を用いた演出が行われている間は、これらの表示を消去してもよい。また、カード画像401を用いた演出が行われている間に当該変動情報表示部195等の表示を継続する場合は、これらの画像の透明度を通常よりも下げて画像が目立たないようにしてもよい。
【0525】
さらに、
図30(c)は、切り札の使用が成功したか否かを表すものとなっている。そして、
図30(c)の演出例では、カード画像401が縮小されて画面(表示領域194)の右下に残り、切り札が有効であったことが示されている。そして、このカード画像401が画面中に静止して残ることにより、切り札がストックされたことが表現されている。さらに、
図30(c)に示すように切り札がストックされた状態においては、カード画像401に昇格の内容が遊技者に理解できるような描画は行われておらず、どのような演出に昇格するかは遊技者に判らないようになっている。
【0526】
なお、このような演出例に限定されるものではなく、例えば、カード画像401に昇格の内容が遊技者に理解できるような描画を行い、どのような演出に昇格するかが事前に遊技者に判るようにしてもよい。
【0527】
ここで、カード画像401の出現を複数回繰り返し、切り札の使用に成功する度に切り札をストックし、ストックされた切り札の数が多いほどその後の大当り期待度が高いことを表す、といった演出を採用することも可能である。また、
図30(c)は、切り札の使用が成功した内容の演出例を示しているが、例えば、切り札の使用に失敗した場合には、
図30(b)のカード画像401が投げられた後、停止せずにフェードアウトして画面から消える、といった演出を行うことが可能である。
【0528】
続いて、
図31及び
図32に基づき、切り札シナリオに基づき実行され得る「期待度上昇演出」について説明する。先ず、
図31は、相対的に大当り期待度が低い弱リーチの場合を示している。
図31(a)の演出例では、リーチ演出中に、演出図柄190が画面の右上に移動し、更に画面中央に、男性のキャラクタ402の台詞が、白色の帯403の中にテロップとして文字表示されている。ここでは、男性のキャラクタ402の台詞として「あれ、どこへ行ったんだろう?」を例示している。
【0529】
さらに、演出が
図31(b)に示すように変化し、画面右下のカード画像401が、捲られて裏返しの状態になり、カード画像401の裏面に描かれた昇格内容の表示を遊技者に示してから、その後に拡大表示される。ここで、
図31(b)では、カード画像401に「切り札(裏)」の文字を記載して、切り札が裏返しになったことを示している。
【0530】
また、
図31(b)の演出例では、テロップの背景となっている帯403に網掛けして示すように、テロップの背景の彩色が赤等に変化し、大当り期待度が高いことを表している。この際、リーチ演出の基本的構成としては、
図31(a)に示すカード画像401の反転前と変わらず、リーチ演出の流れは維持されている。なお、テロップの背景の表示態様は、相対的に大当り期待度が高くなったことを表せるものであればよく、赤色の彩色以外にも虹色、ピンクの動物柄(豹柄やキリン柄など)等といったものを例示できる。
【0531】
ここで、
図31(a)、(d)の演出例では、演出図柄190の表示を継続しているが、このときの演出図柄の表示態様としては、演出図柄190の画像の透明度を高めて薄く表示するものを例示できる。また、演出図柄190を、遊技者が視認できない程度に透明にすることも考えられる。
【0532】
以上説明したように、切り札であるカード画像401が登場する昇格予告表示が実行され(
図30(a)〜(c)参照)、このカード画像401が、「昇格予告オブジェクト」として使用されている。そして、カード画像401の表示が、その後も継続され(
図30(c)〜
図31(a)参照)、その後にカード画像401を使用した個別演出の期待度上昇演出が実行されている(
図31(b)参照)。そして、昇格予告表示として、切り札であるカード画像401のオブジェクトが出現し、切り札の使用が成功すると、その後に演出が昇格し、遊技者が大当りの期待を膨らませることができるようになっている。
【0533】
続いて、
図32(a)〜(d)に基づき、
図31(a)、(b)の演出例に比べて大当り期待度が高い強リーチに係る昇格演出の実施例を説明する。
図32の演出例では、他のリーチ演出中(弱SPリーチなど)に、昇格の契機を示す所定の演出が実行される。ここで行われる所定の演出としては、例えば、所謂フリーズ演出(表示中の画像を一時停止させる演出)を例示でき、このフリーズ演出の具体的態様としては、一時停止した画像に重ねて、
図32(a)に示すような所謂砂嵐の画像の表示を行うことや、図示は省略するが所謂ブラックアウトの表示を行うことなどを挙げることができる。
【0534】
さらに、
図32(b)に示すように所定のキャラクタ(ここでは女性のキャラクタ)404が登場し、この女性のキャラクタ404が、更に画面中に表示していたカード画像401を拾い上げるかのようにして、新たなカード画像405を獲得する。そして、女性のキャラクタ404がカード画像405を前方の投げる様子が表示され(図示略)、
図32(c)に示すように、カード画像405が画面一杯に拡大される。
【0535】
その後、表示内容が、
図32(d)に示すようなSPリーチ(ここでは「特定崖リーチ」)の導入を示す表示(SPリーチ導入表示)が出現し、導入表示がされたSPリーチに係る演出が展開さる。ここで、
図32(d)に示すSPリーチ導入表示においては、大当り期待度が高くなったことを示す態様で画像が構成されている。そして、大当り期待度が高くなったことを示す態様としては、赤の彩色が多く施した態様や、赤色以上の稀な表示態様(虹色や動物柄など)を例示できる。
<本実施例に係る発明の作用効果>
【0536】
以上説明したように、本実施例に係るぱちんこ遊技機10によれば、サブメイン基板301において、変動時演出内容決定処理が実行され、この変動時演出内容決定処理は、サブ変動パターン決定処理と、演出シナリオ決定処理と、個別演出バリエーション決定処理と、を有する。さらに、本実施例に係るぱちんこ遊技機10によれば、上述の個別演出バリエーション決定処理が実行されるよりも前に実行されるテーブル期待度決定処理を有している。
【0537】
そして、上述の演出シナリオ決定処理において演出シナリオ(本実施例の「予告シナリオ」が該当する)が決定される。さらに、この演出シナリオには、リーチ前演出ブロックと、リーチ発生後に実行されるリーチ後演出ブロックとがあり、演出シナリオによって、演出図柄190が確定停止するまでに発生する演出の種類および順序が定められている。
【0538】
したがって、上述の演出シナリオに沿って演出を進行させることができ、予告やリーチ等の演出の種類を多数化しても、演出シナリオを軸として、各種の演出を整然と組み合わせて実行することができる。さらに、演出シナリオは複数の演出ブロックからなる構成を有しており、演出ブロックごとに例えば演出の序盤、中盤、終盤といったような分類を事前に行っておくことが可能である。したがって、予告やリーチ等の演出の種類を多数化しても、変動時間中の演出の流れが予期しないような雑然としたものになることを防止でき、演出内容の構成を予め調整しておくことが容易である。
【0539】
また、本実施例によれば、信頼度経路抽選(
図24参照)が行われ、この信頼度経路抽選において、予告からリーチへの間の信頼度の組合せが事前に決定される。したがって、決定され得るこの信頼度の組合せを、例えば、極端な信頼度の低下がないように調整しておくことで、遊技者が違和感を抱くことを防止できる。
【0540】
より具体的には、信頼度経路抽選を行うことによって、リーチ前とリーチ後の演出に係る大当り期待度の関係を事前に調整しておく(先決めしておく)ことが可能となり、リーチ前に実行される演出と、リーチ後に実行される演出とがアンバランスになることを防止できる。そして、リーチ前の演出では相対的に高い大当り期待度の演出(赤や虹色等の彩色を伴う演出)が実行されたにも関らず、リーチ後には相対的に低い大当り期待度の演出(緑色や黄色等の彩色の演出)が実行されてしまい、遊技者が失望感等の消極的な感情を抱いてしまうことを防止できるようになる。
【0541】
さらに、本実施例によれば、演出シナリオに係る抽選(ここでは切り札シナリオ抽選や予告シナリオ抽選)と、信頼度経路抽選とが併せて行われているので、演出パターンを数多く備えても、時間的な前後関係を有する演出の管理が容易になり、前後関係を有する演出の信頼度にアンバランスが生じるのを可及的に防止することができる。
【0542】
また、本実施例によれば、サブ変動パターンを、例えば1404個といった多数に細分化しているので、付加情報変動パターン(FH)やリーチ別変動パターン(RH)を、サブ変動パターンに1:1の関係で振り分けることができる。このため、例えば、演出の開発段階において、演出パターンの数が多くても、サブ変動パターンを指定することで、必要な個別演出を即座に呼び出すことができる。そして、このことにより、演出の確認が容易になり、製品開発期間の短縮が可能となる。言い換えれば、付加情報別変動グループ(FH)およびリーチ別変動パターン(RH)をサブ変動パターンと1:1としている理由は、サブ変動パターンのメイン変動パターンに基づく振り分けで、十分に演出のシナリオにバリエーションを持たせられるためであり、設計時の確認(デバッグ)の負荷を減らすためであるといえる。
【0543】
さらに、本実施例に係る発明は、以下のようにも説明することができる。例えば、リーチ前の予告や、リーチ発生後の演出などに係る各種の抽選の態様としては、出現し得る一連の(変動開始から停止までの)演出パターンの数と、メイン変動パターン(及び/又はサブ変動パターン)の数を1:1の関係とし、全ての演出パターンからを、毎回の変動毎に、事項する変動パターンを抽選することが考えられる。しかし、このような抽選態様では、記憶しておくべきデータ量(ファイル量)が多くなり、演出に係るCPUの処理量が多く(重く)、処理が遅くなる。
【0544】
また、1つメイン変動パターン(及び/又はサブ変動パターン)に複数の演出パターンを紐づけて、状況に応じ、選択対象を紐づけられたものに絞って抽選を行うことも考えられる。しかし、このような抽選態様によって多様な演出を行うためには、特段の工夫がなければ、演出の決定に要するタイマ割込みの回数が多くなる。そして、演出の抽選に許容される時間によっては、十分な回数の抽選を行うことができず、演出開発者が望む程には演出を多様化できないことも考えられる。
【0545】
しかし、本実施例のぱちんこ遊技機10のように、決定されたメイン変動パターンに基づきサブ変動パターンの振り分けを行った後(
図21参照)、更に付加情報別変動グループ(
図22参照)、リーチ別変動グループ(
図23参照)としてまとめられたものの振り分けを行い、これらのグループをもとに、より下層の抽選(
図24〜29参照)を行うことで、抽選回数を過大とすることなく、多様な演出パターンを構成できるようになる。
【0546】
また、本実施例に係る発明は、以下のようにも説明することができる。例えば、演出シナリオ(ここでは切り札シナリオ、予告シナリオ)をサブの変動パターンに基づき決定したのち、各個別演出に対する抽選に使用する期待度別テーブル(予告やSPリーチに係るの抽選テーブル)の選択を行う。
【0547】
そして、基準となる信頼度情報を、リーチ前予告群、リーチ後予告群の2つの情報(ここでは予告L〜HとリーチL〜H)に分けて、予告やSPリーチに係る個別演出の内容が抽選される前に、リーチ前予告群とリーチ後予告群の組合せ(信頼度経路)を決定する抽選処理を行う(
図24参照)。このように構成することにより、リーチ前予告群、リーチ後予告群のそれぞれにおいて、個別演出で実行される演出の期待度に統一感を与えることができる。
【0548】
なお、本発明は上述した各種の実施例に限定されるものではなく、種々に変形が可能なものである。例えば、
図28、29に示した個別の演出バリエーション抽選において、付加情報変動パターン(FH1〜18)やリーチ別変動パターン(RH1〜300)を引数にして演出パターンの決定を行っているが、付加変動情報パターン(FH1〜18)およびリーチ別変動パターン(RH1〜300)がサブ変動パターンと1:1の関係であるため、演出バリエーション抽選においてサブ変動パターンを引数(横軸)として抽選を実行するようにしてもよい。