(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記支持固定部材の前記スペーサが、前記リード線を、前記インナケースの軸心と略直交する方向に屈曲させるとともに、前記インナケース外へ突出させるように配設させる導出部を備え、
前記アウタ部材が、前記周壁部における前記天井壁部から離れた先端縁に、前記導出部を嵌挿可能な嵌挿凹部を配設させていることを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のアクチュエータでは、インナ部材は、カラーによりガス発生器を支持した支持固定部材が金属製のケースに固定されているものの、作動時、合成樹脂製の支持固定部材がカラーを押圧し、そして、そのカラーが軸支具を押圧する構成となっていたことから、楕円管状のカラーが変形しないように、所定の剛性が必要となって、軸支具の外径やインナ部材の外径を変更する場合、連結孔の内径寸法、カラーの内外径の寸法を含めた肉厚の設定、あるいは、カラーの材質の選定に関し、容易に対処できず、簡便に、連結強度を向上させて、ガス発生器等の駆動源を収納したインナ部材等の収納側部と、軸支具と、を連結できる構造が望まれていた。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、駆動源を収納した収納側部と、収納側部を所定の連結部に連結させる軸支具と、の連結強度を、簡便に、向上させることができるアクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るアクチュエータは、一対の連結部における一方の第1連結部に連結されて、駆動源を収納した収納側部と、
前記一対の連結部における他方の第2連結部に連結されて、作動時における前記駆動源の駆動力に押圧されて、前記第1連結部と前記第2側連結部とを離隔させるように、前記収納側部から離れる方向に移動する非収納側部と、
を備えて、
前記収納側部が、
金属製の筒状のケースと、該ケース内に配設され、前記駆動源を支持して前記ケース側に固定される支持固定部材と、を備えるとともに、
前記第1連結部と連結させるために、前記ケースの軸心と直交する方向に配設され、かつ、前記第1連結部に連結された軸支具を挿通させる連結孔、を備えて構成されるアクチュエータであって、
前記収納側部が、
前記駆動源を収納した部位から前記非収納側部の移動方向と逆方向に離れた元部側に、前記支持固定部材と前記ケースとに挿通するように、
前記連結孔と、
前記連結孔と別位置として、前記ケースの軸心と直交する方向に貫通する固定孔と、
を配設させる構成として、
前記駆動源を支持した前記支持固定部材が、前記固定孔に嵌挿させる止め具により、前記非収納側部の移動方向の逆方向への抜けを規制されて、前記ケースに固定され、
前記ケースの前記連結孔が、前記軸支具の外周面に対向する内周面における少なくとも前記非収納側部の移動方向側の面を、前記軸支具に接触可能に配設されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るアクチュエータでは、作動時に、駆動源が駆動力を発生させれば、収納側部から離れるように非収納側部を移動させて、第2連結部を第1連結部から離隔させるように動作する。その際、収納側部では、駆動源を支持していた支持固定部材が、駆動力の反力により、非収納側部の移動方向と逆方向のケースから抜ける方向に、押圧されるが、ケースと支持固定部材との固定孔に貫通された止め具により、ケースに一体的に固定されており、止め具を介して、ケース自体を非収納側部の移動方向と逆方向に押圧する。そして、ケースは、その押圧力により、連結孔の内周面における非収納側部の移動方向側の面を、直接、軸支具に当接させて、その軸支具を押圧することとなる。すなわち、収納側部が、金属製のケースの連結孔の内周面自体の軸支具との直接接触により、軸支具から反力を受けるように支持されることとから、従来のカラーを介在させる場合に比べて、軸支具と収納側部との連結強度が向上し、円滑に、収納側部は、収納側部から離れる方向に、非収納側部を移動させることができる。
【0010】
したがって、本発明に係るアクチュエータでは、ケースと支持固定部材とを止め具で一体化し、そして、軸支具に対し、金属製のケースの連結孔の内周面を直接接触させるだけで、駆動源を収納した収納側部と、収納側部を所定の連結部に連結させる軸支具と、の連結強度を、簡便に、向上させることができる。
【0011】
そして、本発明に係るアクチュエータでは、前記連結孔と前記固定孔とが、それぞれの軸心を直交させて配設されていることが望ましい。
【0012】
このような構成では、連結孔と固定孔とが接近していても、ケースや支持固定部材における連結孔周縁と固定孔周縁との間に、距離を空けることができて、ケースと支持固定部材との強度低下を抑制でき、逆に、強度低下を抑制して、連結孔と固定孔とを接近させて配設可能となり、収納側部の軸支具や止め具を小さなエリアに配設可能となる。
【0013】
そして、本発明に係るアクチュエータでは、前記駆動源が、作動時に、燃焼ガスを利用した作動用ガスを発生させるガス発生器を備えて構成され、
前記収納側部と前記非収納側部とが、
相互に摺動可能に構成されるとともに、前記作動用ガスを充満させるガス室を配設させる構成とし、
前記非収納側部が、
前記ガス室における前記作動用ガスの圧力を受ける受圧部と、
該受圧部に連なるように配設されて、前記収納側部の前記ガス室の構成部位と摺動可能な摺動部位と、
該摺動部位から離れる側で前記受圧部に連なり、前記第2連結部に連結される連結部位と、
を備えて構成されていることが望ましい。
【0014】
このような構成では、ばね等の機械的な付勢力を発生させる駆動源と比べて、駆動源に、燃焼ガスを利用した作動用ガスを発生させるガス発生器を利用しており、作動時、瞬時に、ガス室に燃焼ガスを利用した作動用ガスを充満させることができ、そして、受圧部にそのガス圧を作用させて、収納側部のガス室の構成部位に対し、非収納側部の摺動部位を摺動させて、第2連結部に連結される連結部位を移動させることができることとなり、迅速に、第1連結部に対して、第2連結部を離隔させるように移動させることができる。
【0015】
この場合、本発明に係るアクチュエータでは、前記支持固定部材が、前記ガス発生器に設けられた作動信号の入力部を接続させるコネクタと、該コネクタを支持するスペーサと、を備えて構成されるとともに、
前記コネクタと前記スペーサとが、前記ケースの軸心と直交する方向で二分割される分割体として構成され、
前記コネクタの二つの前記分割体が、相互の間に、前記ガス発生器に設けられた作動信号の入力部を接続させるソケットを保持し、相互に合体されて、前記ケース内に収納固定され、
前記スペーサの二つの前記分割体が、相互の間に、前記ソケットから延びるリード線を保持し、相互に合体されて、前記ケース内に収納固定され、
前記連結孔と前記固定孔とが、前記スペーサの保持する前記リード線の配設位置より、前記非収納側部の移動方向と逆方向に離れた位置に、配設されていることが望ましい。
【0016】
このような構成では、コネクタとスペーサとのそれぞれの分割体の間に、ソケットやソケットから延びるリード線を配置させ、そして、対応する分割体相互を合体させて、支持固定部材を形成し、ついで、ガス発生器をコネクタに結合させて、ガス発生器を組み付けた支持固定部材をケース内に挿入し、そして、止め具を固定孔に嵌挿させれば、ガス発生器を組み付けた支持固定部材を、ケース内に固定することができて、収納側部を製造することができる。そのため、従来の支持固定部材を成形して形成する際に、ガス発生器と一体的に成形する場合に比べて、収納側部の組み立て時まで、ガス発生器と支持固定部材とを、それぞれ別場所で形成して保管しておくことができ、燃焼ガスを発生させるガス発生器の保管等に好適となる。また、従来の支持固定部材を成形して形成するような成形型を利用せずに、スペーサの寸法を変更するだけで、収納側部に収納するガス発生器の配置位置を変更でき、すなわち、ガス室の初期容積を簡単に変更でき、アクチュエータの出力を変更する際、容易に対処できる。
【0017】
さらにまた、連結孔と固定孔とが、スペーサの保持するリード線の配設位置より、非収納側部の移動方向と逆方向に離れた位置に、配設されており、収納側部の軸心と直交する連結孔や固定孔の周囲に、収納側部の軸心に沿うようにリード線を挿通させることがないことから、連結孔や固定孔の周囲に、所定の肉厚のスペーサの部位を配設させることができて、連結孔や固定孔の周囲のスペーサの部位の強度低下を抑制できる。
【0018】
そしてさらに、この場合の本発明に係るアクチュエータでは、前記収納側部が、収納した前記ガス発生器から発生する作動用ガスを先端から吐出可能に、先端部を開口させたインナ部材として構成され、
前記非収納側部が、前記インナ部材の前記先端部の前記開口を覆う前記受圧部としての天井壁部と、該天井壁部の外周縁から前記インナ部材の外周面側を覆う周壁部と、を有して、前記ガス発生器から発生する作動用ガスに押圧されて、前記インナ部材から離れるように移動するアウタ部材として構成され、
前記インナ部材が、
前記先端部を開口させた前記ケースとしての略円筒状のインナケースと、
前記先端部側に前記ガス発生器の前記作動用ガスを吐出する先端を向けて、前記ガス発生器を支持し、前記インナケース内に固定される前記支持固定部材と、
を備えて構成され、
前記インナケースの前記先端部の外周側に、前記アウタ部材の前記周壁部の内周面と摺動可能なシール材を設けて突出する鍔状突出部が配設され、
前記アウタ部材の前記周壁部における前記天井壁部から離れた端部側に、前記鍔状突出部までの前記インナケースの外周側の部位と摺動可能とし、かつ、前記鍔状突出部に当接して前記アウタ部材の抜けを規制可能に、前記周壁部の内周側に突出するホルダ部が、配設されて構成されていることが望ましい。
【0019】
このような構成では、作動時、ガス発生器が作動用ガスを発生すれば、作動用ガスがアウタ部材の天井壁部と、アウタ部材の周壁部における天井壁部からインナ部材の鍔状突出部のシール材に圧接される部位までの部位と、インナ部材の先端部と、の間から構成されるガス室、に作動用ガスが充満し、その作動用ガスの圧力を天井壁部が受けて、アウタ部材がインナ部材に対して移動する。その際、アウタ部材の周壁部が、内周面をインナ部材の鍔状突出部のシール材に摺動させ、また、アウタ部材におけるホルダ部が、インナ部材の外周側と摺動して、円滑に、アウタ部材が、最大伸長まで、すなわち、ホルダ部を鍔状突出部に当接させるまで、移動することができる。そして、このような構成では、ガス発生器を保持したインナ部材の周囲を覆うアウタ部材が、周壁部における天井壁部から離れる端部を、ガス発生器を越えて、第1連結部側まで延ばすことができて、換言すれば、ガス発生器の配置部位におけるインナ部材の外周面側を、アウタ部材のホルダ部の摺動部位にできて、作動時のアクチュエータの最大伸長のストローク量を、長く確保できる。
【0020】
さらにこの場合、本発明に係るアクチュエータでは、前記支持固定部材の前記スペーサが、前記リード線を、前記インナケースの軸心と略直交する方向に屈曲させるとともに、前記インナケース外へ突出させるように配設させる導出部を備え、
前記アウタ部材が、前記周壁部における前記天井壁部から離れた先端縁に、前記導出部を嵌挿可能な嵌挿凹部を配設させていることが望ましい。
【0021】
このような構成では、アウタ部材の嵌挿凹部をインナ部材側のスペーサの導出部に嵌挿させれば、アウタ部材の軸周り方向の回転が導出部により規制され、すなわち、アウタ部材が、インナ部材に対して、所定配置位置からずれるように軸周り方向に回転せず、そのため、インナ部材の連結孔の軸方向に対し、アウタ部材の第2連結部への連結部位の配置方向を一定に固定できて、アクチュエータの第1連結部や第2連結部への連結作業が、容易となる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態のアクチュエータ21は、
図1〜2に示すように、自動車用安全装置としてのフード跳ね上げ装置(以下、適宜、「跳ね上げ装置」と略す)Uに使用されるものであり、車両Vにおけるフードパネル10の後端10c側のヒンジ機構11に、配設される。
【0024】
また、実施形態の場合、車両Vのフロントバンパ5には、
図1に示すように、歩行者との衝突を検知若しくは予測可能なセンサ6が、配設されており、センサ6からの信号を入力させている図示しない制御回路が、センサ6からの信号に基づいて車両Vと歩行者との衝突を検知した際に、アクチュエータ21のガス発生器52の図示しない火薬を点火させ、作動用ガスGを発生させることにより、アクチュエータ21を作動させて、跳ね上げ装置Uを作動させるように(
図2のB参照)、構成されている。
【0025】
フードパネル10は、
図1,2に示すように、車両VにおけるエンジンルームERの上方を覆うように配設されるもので、後端10c近傍の左右両側に配置されるヒンジ機構11により、車両Vの車体(ボディ)1側に対して、前開きで開閉可能に連結されている。フードパネル10は、鋼、アルミニウム合金等からなる板金製として、上面側のアウタパネル10aと、下面側に位置してアウタパネル10aより強度を向上させたインナパネル10bと、から構成されている。フードパネル10は、歩行者を受け止めた際に、歩行者の運動エネルギーを吸収できるように、塑性変形可能に構成されている。そして、実施形態では、車両Vと歩行者との衝突時に、アクチュエータ21が作動されて、
図2のBに示すように、上昇したフードパネル10の後端10cと、エンジンルームERと、の間に、変形スペースSを形成できることから、曲げ塑性変形時の塑性変形量を増大させることができ、フードパネル10は、歩行者の運動エネルギーを多く吸収することができる。
【0026】
ヒンジ機構11は、フードパネル10の後端10cの左右両側に、それぞれ、配設される。そして、ヒンジ機構11は、フードパネル10の後端10cの下方におけるボディ1側に固定されるヒンジベース12と、フードパネル10の後端10cの下面側に配置される取付プレート15と、ヒンジベース12と取付プレート15とに軸支されるヒンジアーム14と、を備えて構成される。ヒンジベース12は、詳しくは、ボディ1側のフードリッジリインホース等に連結された取付フランジ2に、固定されている。そして、ヒンジ機構11は、フードパネル10の通常使用の開き時に、ヒンジアーム14のヒンジベース12側となる元部端14a側の軸支部位を回転中心として開く構成としている(
図2のAの二点鎖線参照)。
【0027】
なお、このヒンジアーム14は、元部端14aから先端14bを前方に延ばすように配設されて、元部端14aが、支持軸13を利用してヒンジベース12の後端側に連結され、この支持軸13を回転中心として、回動可能とし、また、先端14b側も、支持軸16を利用して、取付プレート15の前端側に連結され、この支持軸16を回転中心として、回動可能である。左右の支持軸13,16は、それぞれ、軸方向を、車両Vの左右方向に沿わせるように、配設されている。但し、通常使用時には、ヒンジアーム14と取付プレート15との一対の連結部14c,15aに連結されるアクチュエータ21が、後述する係止リング48(
図3参照)が非収納側部としてのアウタ部材70を係止して、伸長しないので、ヒンジアーム14は、取付プレート15に対して回動しない。そのため、フードパネル10は、通常使用の開閉時、支持軸13の部位を回転中心として、開閉することとなる。すなわち、フードパネル10を開く際には、
図2のAの実線から二点鎖線に示すように、左右の支持軸13を回転中心として、各ヒンジアーム14の先端14b側とともに、フードパネル10の前端側が上昇することとなって、フードパネル10を前開きで開くことができ、そして、前端側を下せば、支持軸13を回転中心として回転して、フードパネル10が閉じることとなる。
【0028】
また、左右のヒンジ機構11は、左右対称形として配設され、ヒンジアーム14と取付プレート15とのエンジンルームER側における一対の連結部14c,15aに、それぞれ、アクチュエータ21の両端(連結部40,78)が連結されている。ヒンジアーム14のアクチュエータ21との第1連結部としての連結部14cは、元部端14aと先端14bとの間の中間部位より、先端14b側に接近して配置され、取付プレート15のアクチュエータ21との第2連結部としての連結部15aは、支持軸16より後方に配置されている。
【0029】
なお、フードパネル10の前端側には、公知のフードロック機構8が配設されている。フードロック機構8は、フードパネル10の前端下面に固定されるロックストライカと、ボディ1側に配設されてロックストライカを係止するラッチと、を備えて構成される。このラッチは、図示しないレバーを操作しなければ、係止したロックストライカを係止解除できないように構成されており、フードパネル10の後端10cの上昇時でも、フードパネル10の前端は、フードロック機構8のロックストライカを係止するラッチにより、ボディ1側から離れるように上昇しない。すなわち、アクチュエータ21が作動して伸長すれば、ヒンジアーム14と取付プレート15との相互の交差角度θ0が大きくなり、フードパネル10は、フードロック機構8に係止された前端側を上昇させずに、後端10cを上昇させることとなる。
【0030】
さらに、フードパネル10の後方には、
図2に示すように、ボディ1側の剛性の高いカウルパネル7aと、カウルパネル7aの上方における合成樹脂製のカウルルーバ7bと、からなるカウル7が、配設されている。カウルルーバ7bは、後端側をフロントウインドシールド3の下部側に連ならせるように配設されている。また、フロントウインドシールド3の左右には、
図1に示すように、フロントピラー4,4が、配設されている。
【0031】
実施形態のアクチュエータ21は、
図3,4に示すように、作動時に作動用ガスGを発生させる駆動源としてのガス発生器52と、ガス発生器52を設けた収納側部としてのインナ部材22と、インナ部材22を覆うように配設されて、ガス発生器52の発生する作動用ガスGにより、前進移動して、フードパネル10を持ち上げることとなる非収納側部としてのアウタ部材70と、を備えて構成されている。
【0032】
インナ部材22は、略円筒状の鋼等からなる金属製のケース(インナケース)23と、インナケース23の内周側に配置されて、ガス発生器52を保持(支持)してインナケース23内に収納固定する支持固定部材55と、から構成されている。
【0033】
インナ部材22のインナケース23は、
図3,4,9に示すように、先端側に、作動用ガスGを流出させるための円形の開口25aを先端面25に開口させた先端部24を備え、先端部24から離れた端部側の元部39に、ヒンジ機構11の第1連結部としての連結部14cと連結される連結部40を配設させている。連結部40には、インナ部材22の軸心C1と直交するように貫通して、連結部14cに配設される軸支具(軸支ピン・軸支ボルト)18を挿通させるための連結孔40aが、開口されている。連結部40は、軸支具18にナット17を締結させて、軸支具18や連結部14cに対して、回動自在に連結される。
【0034】
そして、金属製として剛性の高いインナケース23の連結部40は、インナ部材22自体の連結部22aを構成し、円筒状の元部39側の周壁部39bの軸心C1と直交する二箇所の部位に開口する円形の連結孔40a,40aは、インナ部材22自体の連結孔22bを構成している。連結孔40a,40aは、その内周面40bにおける作動時のアウタ部材70の移動方向側の面を、押圧側内周面40cとして、軸支具18に圧接されることとなる。
【0035】
また、元部39側には、支持固定部材55の抜け止めのための止め具としてのリベット44を締結するための固定孔41も、軸心C1と直交するように、貫通している。固定孔41は、円形に開口し、その軸心C4を連結孔40aの軸心C3と直交交差させるように、配設されるとともに、連結孔40aよりガス発生器52から離れる端面39a側に配設されている。さらに、元部39の端面39a側には、支持固定部材55のリード線67を収納保持した導出部62cを嵌める収納凹部42も、配設されている。
【0036】
さらに、インナケース23の内周面23bには、先端部24から元部39側に離れた位置に、ガス発生器52を位置決めするために、拡径するように傾斜した段差38が設けられている。
【0037】
そして、インナケース23の先端部24には、外周側に突出する鍔状突出部26が配設されている。鍔状突出部26は、アウタ部材70の抜け止めを図るためのストッパとして機能して、元部39側の面を、アウタ部材70のホルダ部80の摺動部82の先端面82bと当接する規制面26aとしている(
図6参照)。規制面26aは、アクチュエータ21の作動時に、アウタ部材70の前進移動を停止させて、アクチュエータ21の最大伸長(最大作動ストローク)を制限することとなる。
【0038】
また、鍔状突出部26の外周面には、先端面25側の環状溝27、規制面26a側の収納溝28、及び、環状溝27と収納溝28との間の凹溝29が、それぞれ、全周にわたって形成されている。環状溝27には、ゴム製のOリングからなるシール材46と金属製のバックアップリング47とが嵌め込まれ、収納溝28には、ロックリング50が収納されている。シール材46は、アウタ部材70の前進移動時のガスシール性を確保するために、アウタ部材70の後述する周壁部73の内周面74aに対し、圧接された状態で摺動する。バックアップリング47は、シール材46より小さな外径寸法として、拡開可能に図示しないスリットを有して構成されており、シール材46のアウタ部材70へのシール状態を安定させるように、シール材46を支持可能として、シール材46の凹溝29側に配設されている。
【0039】
収納溝28に収納されるロックリング50は、アクチュエータ21の作動完了時に、アウタ部材70の後退を防止するための後退防止用ロック機構BRを構成するものである(
図7参照)。ロックリング50は、円形断面の弾性変形可能なばね鋼等のCリングから形成されている。そして、収納溝28は、下開きの三角状の凹断面を有して構成されて、元部39側に拡径するように傾斜したテーパ規制面28aを備えて構成されている。ロックリング50は、縮径されるように弾性変形されて収納溝28内に収納され、復元するように拡径しようとしても、アウタ部材70の周壁部73の内周面74aに規制される。そして、ロックリング50は、アウタ部材70の拡径部75(詳しくは延設部84)の部位が到達すると、延設部84の内周面84cに規制されて収納溝28から外れない状態で拡径し、その後、アウタ部材70が後退移動する際、拡径部75の段差面(端面)75aとテーパ規制面28aとの間に挟持され、そして、アウタ部材70の後退移動を停止させるように、アウタ部材70をロックすることとなる。
【0040】
また、インナケース23の元部39側の外周面23aには、係止リング48を係止させる係止溝43が全周にわたって形成されている。係止リング48は、ゴムや合成樹脂等からなり、フードパネル10の前端側の開閉時に、アクチュエータ21が伸長しないように、アウタ部材70の周壁部73の端末側の内周面に設けられた係止溝77を係止する。係止リング48は、アクチュエータ21の作動時、インナケース23に係止された状態を維持して、アウタ部材70の係止溝77との係止状態を解除し、アウタ部材70の前進移動を許容する。
【0041】
そして、インナケース23の先端部24と元部39との間の円柱状の中間部30の外周面23aは、アウタ部材70のホルダ部80の摺動部82が摺動する摺動部位となる。
【0042】
ガス発生器52は、
図3〜5に示すように、作動時に、図示しない所定の火薬を点火させ、火薬自体の燃焼により、あるいは、さらに火薬に着火されるガス発生剤の燃焼により、先端52aから作動用ガスGを発生させるスクイブやマイクロガスジェネレータ等が使用されている。ガス発生器52の先端52aから離れた元部52b側には、
図3,4,11に示すように、インナケース23の段差38に当接する鍔部52cが配設され、元部52b側の端面には、ガス発生器52を作動させるための作動電気信号を入力させるための入力部を構成する2本の端子ピン52dが突設されている。
【0043】
インナケース23内に配設される支持固定部材55は、
図3,4,10〜12に示すように、ガス発生器52を保持してインナケース23内に固定するものであり、略円柱状としている。支持固定部材55は、インナケース23に収納固定されるように、インナケース23の固定孔41に一致するように、リベット44を挿通させる固定孔62aが、支持固定部材55の軸直交方向で貫通するように円形に開口して配設されるとともに、インナケース23の連結孔40aと同心的に、支持固定部材55の軸直交方向で貫通するように、円形に開口した連結孔62bが配設されている。
【0044】
さらに、支持固定部材55は、ガス発生器52の端子ピン52dを結合させるコネクタ56と、コネクタ56をインナケース23から抜けないように支持するとともに、コネクタ56から延びるリード線67を、長さを調整して、所定位置から屈曲させて延ばすように配設させるスペーサ(延長スペーサ)62と、シール性を確保するためのキャップ60と、を備えて構成されている。なお、支持固定部材55の固定孔62aと連結孔62bは、実施形態の場合、スペーサ62に形成されている。
【0045】
なお、実施形態の場合、
図3,4に示すように、支持固定部材55の固定孔62aの内径寸法d2は、インナケース23の固定孔41の内径寸法d1と同等としているが、支持固定部材55の連結孔62bの内径寸法d4は、インナケース23の連結孔40aの内径寸法d3より、若干、大きく設定されている(d4>d3)。勿論、支持固定部材55がインナケース23内に収納される際には、固定孔62a及び連結孔62bは、インナケース23の固定孔41及び連結孔40aと、それぞれ、同心的に同じ位置に配置される。
【0046】
そして、コネクタ56は、
図3,10〜13に示すように、ポリアミド等からなる合成樹脂製として、連結孔40aの軸心C3に沿うインナ部材22の軸直交方向C1Vに沿って、二分されるような分割体57,58から構成されている。また、コネクタ56は、
図10,11に示すように、上端面側に、ガス発生器52の端子ピン52dを挿入させる組付孔56a,56aと、ガス発生器52の元部52bを嵌合させる嵌合凹部56bとを備えて、下端に、キャップ60に嵌合される嵌合部56cを下方へ突出させている。
【0047】
そして、コネクタ56は、二分された分割体57,58を合体させる際に、
図4に示すように、内部に、ガス発生器52の各端子ピン52dを嵌合させるソケット(ピンソケット)66と、各ピンソケット66から延びるリード線67とを、間に挟んで保持している。なお、符号68の部材は、ピンソケット66近傍のリード線67を支持する支持材68である。
【0048】
一方の分割体57は、
図13に示すように、ガス発生器52側となる先端側に、半円板状の天板部57aを備えて、天板部57aの下方に、ピンソケット66、リード線67、及び、支持材68を収納可能な収納凹部57dを有した略半割り円筒状の半割り筒部57cを配設させている。天板部57aには、端子ピン52d,52dを貫通させる組付孔56aを形成するように、組付孔56aを半割りにした形状の貫通凹部57bが形成されている。半割り筒部57cの下端側には、半円板状の底板部57fが形成されている。また、半割り筒部57cの両縁付近の外周側には、分割体57,58相互を合体させるように、分割体58から延びる二つの係止爪部58d,58dを係止する係止凸部57e,57eが形成されている。底板部57fには、内部に収納するリード線67,67を収納支持する支持凹部57gが形成されている。
【0049】
他方の分割体58も、分割体57と同様に、ガス発生器52側となる先端側に、分割体57側の天板部57aに対応して、コネクタ55の嵌合凹部56bを形成可能な半円板状の天板部58aを備えて、天板部58aの下方に、ピンソケット66、リード線67、及び、支持材68を収納可能な収納凹部58dを有した略半割り円筒状の半割り筒部58cを配設させている。天板部58aには、端子ピン52d,52dを貫通させる組付孔56aを、分割体57の貫通凹部57bとともに形成できるように、組付孔56aを半割りにした形状の貫通凹部58bが形成されている。また、半割り筒部58cの下端側には、半円板状の底板部58fが形成されている。半割り筒部58cの両縁付近の外周側には、分割体57の係止凸部57e,57eに係止させる二つの係止爪部58e,58eが突設されている。そして、底板部58fには、内部に収納するリード線67,67を収納支持する支持凹部58gが形成されている。
【0050】
そして、分割体57,58は、収納凹部57d,58d内の所定位置に、ピンソケット66、リード線67、及び、支持材68を配置させて、天板部57a,58a、半割り筒部57c,58c、及び、底板部57f,58fの相互に対向する分割面(当接面)57h,58hを、当接させつつ、係止爪部58e,58eを係止凸部57e,57eに係止させて、分割体57,58を合体させれば、コネクタ56を形成することができる。
【0051】
キャップ60は、
図10〜12に示すように、シール性を有したゴム製として、略円板状の底壁部60aと、底壁部60aの外周縁から上方に延びる略円筒状の周壁部60dと、を備えた断面U字状としている。底壁部60aには、リード線67,67を挿通させる二つの貫通孔60bが形成されている。底壁部60aの下面には、スペーサ62の上端に嵌合させる略円柱状の嵌合凸部60cが形成され、さらに、底壁部60aの外周面には、インナケース23の内周面23bにおける元部39側に圧接される2条のリップ部60eが、全周にわたって配設されている。
【0052】
スペーサ62は、
図3,4,10〜12,14に示すように、ポリアミド等からなる合成樹脂製とした略円柱状に形成され、下端側の外周に、リード線67,67を側方に屈曲させて排出するように、リード線67,67を保持して突出する導出部62cを備えている。連結孔62bは、支持固定部材55の軸心に沿ったエリアにおいて、導出部62cと一部重なるものの、保持したリード線67,67の下方にずれて配置されるように配設され、固定孔62aは、連結孔62bのさらに下方に、ずれて配設されている。
【0053】
そして、スペーサ62も、連結孔40aの軸心C3に沿うインナ部材22の軸直交方向に沿って、二分されるような分割体63,64から構成されている。スペーサ62は、二分された分割体63,64を、相互の分割面(当接面)63b,64bを当接させて合体させる際に、各リード線67を間に挟んで保持している。なお、分割体63,64は、スペーサ62の固定孔62aと導出部62cとを半分ずつに二分するような分割面63b,64bにより、分割されている。
【0054】
一方の分割体63は、キャップ60の嵌合凸部60cを嵌合可能な嵌合凹部63aを、上端に配置させた略半割り円柱状として、分割面63bの片側の縁から、導出部用凸部63gを突設させている。嵌合凹部63aから導出部用凸部63gの分割面63b側には、リード線67,67を収納する収納凹部63cが形成されている。収納凹部63cの嵌合凹部63a側の端部には、分割体64側の嵌合凹部64aに嵌合される嵌合凸部63dが突設され、収納凹部63cにおける導出部用凸部63g付近には、リード線67,67を分離させる区画壁部63eが配設され、その近傍の分割面63bには、分割体64から延びる係止爪部64c,64cを係止する係止孔部63f,63fが、収納凹部63cを間にして、配設されている。収納凹部63cにおける導出部用凸部63g側に曲がった屈曲部位の分割面63bには、連結孔62bを形成する挿通孔63hが、分割体63を貫通するように配設されている。挿通孔63hの下方には、分割面63bから凹むように、固定孔62aを形成すための半割り円柱状に凹む凹部63jが形成されている。凹部63jの導出部用凸部63g側の縁には、分割体64から延びる係止爪部64gを係止する係止孔部63iが、配設されている。また、分割体63の下端には、分割面63bから凹むように、嵌合凹部63kが形成されている。
【0055】
他方の分割体64は、キャップ60の嵌合凸部60cと分割体63の嵌合凸部63dとを嵌合可能な嵌合凹部64aを、上端に配置させた略半割り円柱状として、分割面64bの片側の縁から、導出部用凸部64dを突設させている。嵌合凹部64a近傍の分割面64bの両縁には、分割体63の係止孔部63f,63fに係止させる係止爪部64c,64cが突設されている。導出部用凸部64dには、分割面64bから連なるように、リード線67,67を収納する収納凹部64eが形成されている。導出部用凸部64dの近傍には、分割体63の挿通孔63hとともに、スペーサ62の連結孔62bを形成するように、分割体64を貫通する挿通孔64fが形成されるとともに、分割体63の係止孔部63iに係止させる係止爪部64gが突設されている。挿通孔64fの下方には、分割面64bから凹むように、固定孔62aを形成すための半割り円柱状に凹む凹部64hが形成され、さらに、分割体64の下端には、分割面64bから突出するように、分割体63の嵌合凹部63kに嵌合する嵌合凸部64iが形成されている。
【0056】
そして、分割体63,64は、収納凹部63c,64e内の所定位置に、リード線67,67を配置させて、相互に対向する分割面63b,64bを当接させつつ、係止爪部64c,64gを係止孔部63f,63iに挿入係止させて、分割体63,64を合体させれば、スペーサ62を形成することができる。
【0057】
この支持固定部材55の組み立てでは、まず、支持材68を使用しつつ、リード線67,67を結線させたピンソケット66,66を間にして、係止爪部58e,58eを係止凸部57e,57eに係止させて、分割体57,58を合体させてコネクタ56を形成する。そして、コネクタ56の下端側の嵌合部56cに、キャップ60の周壁部60dの上端側を嵌める。なお、キャップ60の貫通孔60bには、分割体57,58を合体させる前に、リード線67,67を貫通させておく。そして、キャップ60の下端側の嵌合凸部60cを嵌合凹部63a,64aに嵌めつつ、リード線67,67を間にして、係止爪部64c,64gを係止孔部63f,63iに挿入係止させ、分割体63,64を合体させてスペーサ62を形成すれば、支持固定部材55を組み立てることができる。
【0058】
その後、コネクタ56の組付孔56a,56aを経て、ピンソケット66に対応する端子ピン52dを差し込むとともに、元部52bを嵌合凹部56bに嵌め込んで、支持固定部材55にガス発生器52を組み付けた組付体69を形成する。ついで、組付体69をインナケース23内に元部39側から挿入する。そして、スペーサ62の導出部62cをインナケース23の収納凹部42に嵌めて、ガス発生器52の鍔部52cをインナケース23の段差38に当接させれば、支持固定部材55の固定孔62aとインナケース23の固定孔41とが一致することから、固定孔62aと固定孔41とに貫通するように、止め具としてのリベット44を貫通させて、インナケース23にリベット44を締結すれば、支持固定部材55のインナケース23からの抜けを規制して、ガス発生器52をインナケース23内の所定位置に取付固定することができる。
【0059】
アクチュエータ21のアウタ部材70は、
図3,4,8に示すように、鋼等の金属製として、インナ部材22(インナケース23)の先端部24における開口25aを覆う天井壁部72と、天井壁部72の外周縁から、ガス発生器52の配置位置を越えた連結孔40a付近までのインナ部材22の外周を覆うように、アウタ部材70の後退側、すなわち、
図3,4の下方側、に延びる略円筒状の周壁部73と、を備えて構成されている。
【0060】
なお、アウタ部材70は、本体としてのアウタ本体71と、周壁部73の天井壁部72から離れた端部73a側の内周に、かしめて固定されるアウタ本体71と別体とした鋼製のホルダ部80と、から構成されている。
【0061】
アウタ部材70におけるアウタ本体71の天井壁部72には、丸穴状の連結孔78aを有して取付プレート15に連結される連結部78が、先端部24と離れた上面側に突設されている。この連結部78は、連結孔78aに挿入される軸支具(軸支ピン・軸支ボルト)19を利用して、第2連結部としての取付プレート15の連結部15aに対して、回動自在に連結されている。軸支具19は、連結孔78aを貫通して、ナット17を締結されて、軸支具19や取付プレート15の連結部15aに対して、連結部78は、回動自在に連結される。
【0062】
周壁部73は、アウタ部材70の軸心C2に沿って天井壁部72から離れた端部73aまでの間に、摺動本体部74と、内周側を摺動本体部74より拡径させた拡径部75と、を備えて構成されている。
【0063】
摺動本体部74の内周面74aは、インナ部材22のシール材46と摺動可能として、ガスシール性を確保して前進移動できるように、アクチュエータ21の軸心C0(すなわち、アウタ部材70の移動中心軸C0)と同心的に、平滑な円形の弧面状に構成されている。
【0064】
拡径部75には、拡径部75を縮径させるようにかしめて、ホルダ部80が固定されている。拡径部75は、天井壁部72側の段差面75aを、ロックリング50によるアウタ部材70のロック位置(後退規制位置)を設定する部位として、機能させており、アウタ部材70を、最大伸長後に後退させて停止させる位置に対応させて、配置させている。
【0065】
なお、後退防止用ロック機構BRを構成する収納溝28に収納されて拡径された状態のロックリング50を、
図7に示すように、段差面75aと収納溝28のテーパ規制面28aとの間で挟持すれば、アウタ部材70の後退移動が規制されて、アクチュエータ21は、フードパネル10の後端10cを、下降させずに変形スペースSを設けた状態として支持して、フードパネル10の後端10cを持ち上げた状態を維持することなる。
【0066】
そして、ホルダ部80は、鋼等の金属製の略円筒状部材として、既述したように、周壁部73の拡径部75の端部の内周側にかしめて固定されており、かしめ用のかしめ用凹部81を外周側に設けられた摺動部82と、摺動部82から拡径しつつ天井壁部72側に延びる延設部84と、を備えて構成されている。
【0067】
摺動部82は、略円筒状としている。この摺動部82の内周面82aは、軸心C2と同心とした平滑な円形弧面状として構成され、インナ部材22の外周面23aにおける摺動部36と摺動可能として、軸心C0に沿うアウタ部材70の前進移動を案内する。なお、摺動部82の内径寸法は、インナ部材22の摺動部36による摺動部82の摺動を案内可能な寸法差として、インナ部材22の外径寸法より、若干、大きく設定されている。
【0068】
また、摺動部82の延設部84側の先端面82bは、アウタ部材70の前進移動完了時に、インナ部材22のストッパとしての鍔状突出部26に、当接するように設定されている(
図6参照)。
【0069】
ホルダ部80の延設部84は、摺動部82より拡径して天井壁部72側に延びる先端84aを、拡径部75の段差面75aに接触する位置まで延設させている。なお、延設部84の内径寸法は、縮径させて収納溝28に収納させておいたロックリング50の外周側に、移動してきた延設部84の部位が配置されて、ロックリング50が復元するように拡径しても、そのロックリング50の拡径を規制して、収納溝28からのロックリング50の外れを防止して、その後のアウタ部材70の後退時、ロックリング50が、段差面75aとテーパ規制面28aとの間に挟持可能な寸法に、設定されている。
【0070】
また、拡径部75の天井壁部72から離れた端部75bの内周側には、係止溝77が形成されている。この係止溝77は、アクチュエータ21の作動前には、インナ部材22のインナケース23の元部39の外周側に設けられた係止溝43と一致する位置に配設され、係止溝77,43間には、係止リング48が配設されている。
【0071】
この係止リング48は、インナ部材22の元部39の係止溝43に係止されて、アウタ部材70の係止溝77を係止し、アクチュエータ21の作動前のアクチュエータの伸長を防止する。そのため、既述したように、アクチュエータ21が伸長しなければ、ヒンジアーム14が取付プレート15に対して回動しない。そのため、フードパネル10は、通常使用の開閉時、支持軸13の部位を回転中心として、開閉できることとなる。アクチュエータ21の作動時には、
図5に示すように、係止リング48は、インナ部材22の元部39の係止溝43に係止された状態を維持し、アウタ部材70は、係止リング48から係止溝77を離脱させて、前進移動することとなる。
【0072】
なお、係止リング48は、アウタ部材70とインナ部材22との間の防水性を確保し、また、アウタ部材70とインナ部材22との間からのゴミの侵入防止を図る機能も有している。
【0073】
そしてまた、アウタ部材70には、周壁部73における摺動本体部74側の拡径部75の近傍部位に、内外周を貫通する複数の排気孔74bが貫通されている。排気孔74bの配置位置の周壁部73の外周面側には、熱収縮シート等からなる円筒状の閉塞材86を組み付ける組付凹部85が形成されている。
【0074】
閉塞材86は、アクチュエータ21の作動時、
図6に示すように、アウタ部材70が前進移動して、排気孔74bがインナ部材22の先端部24を超えた位置付近に配置された際、換言すれば、アウタ部材70の天井壁部72と、アウタ部材70の周壁部73における天井壁部72からインナ部材22の鍔状突出部26のシール材46に圧接される部位までの部位と、インナ部材22の先端部24と、の間から構成されて作動用ガスGを充満させるガス室91が、排気孔74bの配置位置に到達した際、排気孔74bを経て作用する作動用ガスGの熱と圧力とにより、破断するように構成されている。アクチュエータ21は、この閉塞材86の破断により、余剰の作動用ガスGを排気孔74bから排気できて、前進移動力を低減でき、その結果、フードパネル10の後端10cのバウンドを抑制し、ロックリング50のロック位置で静止させた位置に対応させて、フードパネル10の後端10cを、持ち上げて静止させた状態で、安定して支持できることとなる。
【0075】
このアクチュエータ21では、リード線67,67を図示しない制御回路に結線するとともに、連結部40,78を、軸支具18,19を利用して、フードパネル10の左右のヒンジ機構11におけるヒンジアーム14と取付プレート15との連結部(連結部位)14c,15aに連結させれば、アクチュエータ21をヒンジ機構11に配設できて、跳ね上げ装置Uを車両Vに搭載することができる。
【0076】
車両Vへの搭載後、実施形態の跳ね上げ装置Uでは、アクチュエータ21の作動時、ガス発生器52が作動用ガスGを発生すれば、作動用ガスGがアウタ部材70の天井壁部72と、アウタ部材70の周壁部73における天井壁部72からインナ部材22の鍔状突出部26のシール材46に圧接される部位までの部位と、インナ部材22の先端部24と、の間から構成されるガス室91、に作動用ガスGが充満し、その作動用ガスGの圧力を天井壁部72が受けて、
図2のBの二点鎖線から実線に示すように、あるいは、
図4から
図6に示すように、アウタ部材70がインナ部材22に対して前進移動する。その際、アウタ部材70が、係止溝77から係止リング48を離脱させるとともに、アウタ部材70の周壁部73が、内周面74aをインナ部材22の鍔状突出部26のシール材46に摺動させ、また、アウタ部材70におけるホルダ部80の摺動部82が、インナ部材22の外周側の摺動部36と摺動して、前進移動し、アクチュエータ21が伸長する。この時、伸長するアクチュエータ21が、取付プレート15とヒンジアーム14との交差角度θ0(
図2のB参照)を広げることから、フードパネル10の後端10c側が上昇し、フードパネル10が、変形スペースSを広く確保できて、変形量を多くした塑性変形により、衝撃を緩和させて歩行者を受け止めることができる。勿論、その際、閉塞材86の破断により、排気孔74bから作動用ガスGが排気されることとなる。
【0077】
そして、アウタ部材70は、
図6に示すように、摺動部82の先端面82bが、インナ部材22の鍔状突出部26の規制面26aに当接して、前進移動が停止される。その後、アウタ部材70は、フードパネル10を支持した状態で後退するが、
図7に示すように、拡径したロックリング50が、アウタ部材70のホルダ部80における延設部84の内周面84cを摺動し、そして、アウタ部材70の拡径部75の段差面75aと当接する。その際、ロックリング50は、アクチュエータ21の軸心C0に沿ったアウタ部材70の前進移動側と後退移動側、すなわち、上下両側において、上面側を段差面85aに当接させ、下面側をインナ部材22の収納溝28におけるテーパ規制面28aに当接させ、そしてさらに、拡径方向をホルダ部80の延設部84の内周面84cで規制され、縮径方向を収納溝28のテーパ規制面28aに規制される。換言すれば、ロックリング50が、アクチュエータ21の軸心C0と直交する方向の変形を規制された状態で、その上下移動を規制されることとなる。そのため、アウタ部材70が、後退移動することなく、その位置でロックされて、アクチュエータ21は、降下させることなく、フードパネル10の後端10cを持ち上げた状態、を維持する。
【0078】
その結果、作動後のフード跳ね上げ装置Uは、フードパネル10の後端10cを、下方に所定のスペースSを確保して、支持でき、その後、歩行者がフードパネル10の後端10c付近に当たることとなっても、フードパネル10の後端10cが、所定量、塑性変形して、歩行者の運動エネルギーを吸収して、歩行者を保護することができる。
【0079】
そして、実施形態のアクチュエータ21では、作動時に、駆動源としてのガス発生器52が駆動力となる作動用ガスGを発生させれば、
図3〜5に示すように、収納側部としてのインナ部材22から離れるように非収納側部としてのアウタ部材70を前進移動させて、第2連結部としての連結部15aを第1連結部としての連結部14cから離隔させるように動作する。その際、収納側部としてのインナ部材22では、駆動源としてのガス発生器52を支持していた支持固定部材55が、駆動力の反力により、すなわち、作動用ガスGの圧力により、非収納側部としてのアウタ部材70の移動方向と逆方向のインナケース23から抜ける方向に、押圧されるが、インナケース23と支持固定部材55との固定孔41,62aに貫通された止め具44により、インナケース23に一体的に固定されており、止め具44を介して、インナケース23自体をアウタ部材70の前進移動方向と逆方向の後退方向側に押圧する。そして、インナケース23は、その押圧力により、連結孔40aの内周面40bにおけるアウタ部材70の前進移動方向側の面40cを、直接、軸支具18に当接させて、その軸支具18を押圧することとなる。すなわち、インナ部材22が、金属製のインナケース23の連結孔40aの内周面40bにおける押圧側内周面40c自体の軸支具18との直接接触により、軸支具18から反力を受けるように支持されることとから、従来のカラーを介在させる場合に比べて、軸支具18とインナ部材22との連結強度が向上し、円滑に、インナ部材22は、インナ部材22から離れる前進移動方向に、アウタ部材70を移動させることができる。
【0080】
したがって、実施形態のアクチュエータ21では、インナケース23と支持固定部材55とを止め具44で一体化し、そして、軸支具18に対し、金属製のインナケース23の連結孔40aの内周面40bを直接接触させるだけで、駆動源を収納したインナ部材22と、インナ部材22を所定の連結部14cに連結させる軸支具18と、の連結強度を、簡便に、向上させることができる。
【0081】
そして、実施形態のアクチュエータ21では、連結孔40a,62bと固定孔41,62aとが、それぞれの軸心C3,C4を直交させて配設されている。
【0082】
そのため、実施形態では、連結孔40a,62bと固定孔41,62aとが接近していても、インナケース23や支持固定部材55における連結孔40a,62b周縁と固定孔41,62a周縁との間に、距離を空けることができて、インナケース23と支持固定部材55との強度低下を抑制でき、逆に、強度低下を抑制して、連結孔40a,62bと固定孔41,62aとを接近させて配設可能となり、インナ部材22の軸支具18や止め具44を小さなエリアに配設可能となる。
【0083】
また、実施形態のアクチュエータ21では、駆動源が、作動時に、燃焼ガスを利用した作動用ガスGを発生させるガス発生器52を備えて構成され、収納側部としてのインナ部材22と非収納側部としてのアウタ部材70とが、相互に摺動可能に構成されるとともに、作動用ガスGを充満させるガス室91を配設させる構成としている。さらに、アウタ部材70が、ガス室91における作動用ガスGの圧力を受ける受圧部としての天井壁部72と、受圧部としての天井壁部72に連なるように配設されて、インナ部材22のガス室91の構成部位となるシール材46と摺動可能な摺動部位としての周壁部73と、摺動部位としての周壁部73から離れる側で受圧部としての天井壁部72に連なり、第2連結部としての連結部15aに連結される連結部位としての連結部78と、を備えて構成されている。
【0084】
そのため、実施形態では、ばね等の機械的な付勢力を発生させる駆動源と比べて、駆動源に、燃焼ガスを利用した作動用ガスGを発生させるガス発生器52を利用しており、作動時、瞬時に、ガス室91に燃焼ガスを利用した作動用ガスGを充満させることができ、そして、受圧部としての天井壁部72にそのガス圧を作用させて、インナ部材22のガス室91の構成部位となるシール材46に対し、アウタ部材70の周壁部73を摺動させて、第2連結部としての連結部15aに連結される連結部78を移動させることができることとなり、迅速に、第1連結部として連結部14cに対して、第2連結部としての連結部15aを離隔させるように移動させることができる。
【0085】
なお、この点を考慮しなければ、駆動源としてばねを利用し、弾性変形させたばねの復元力を、駆動力として、非収納側部を収納側部から移動させるように、アクチュエータを構成してもよい。
【0086】
さらに、実施形態のアクチュエータ21では、支持固定部材55が、ガス発生器52に設けられた作動信号の入力部としての端子ピン52dを接続させるコネクタ56と、コネクタ56を支持するスペーサ62と、を備えて構成されるとともに、コネクタ56とスペーサ62とが、インナケース23の軸心C1と直交する方向C1Vで二分割される分割体57,58,63,64として構成されている。そして、コネクタ56の二つの分割体57,58が、相互の間に、ガス発生器52に設けられた作動信号の入力部として端子ピン52dを接続させるソケット(ピンソケット)66を保持し、相互に合体されて、インナケース23内に収納固定される。また、スペーサ62の二つの分割体63,64が、相互の間に、ソケット66から延びるリード線67を保持し、相互に合体されて、インナケース23内に収納固定される。そして、連結孔40a,62bと固定孔41,62aとが、スペーサ62の保持するリード線67の配設位置より、アウタ部材70の前進移動方向と逆方向の後退方向(元部39の端面39a側)に離れた位置に、配設されている。
【0087】
そのため、実施形態では、コネクタ56とスペーサ62とのそれぞれの分割体57,58,63,64の間に、ソケット66やソケット66から延びるリード線67を配置させ、そして、対応する分割体57,58,63,64相互を合体させて、支持固定部材55を形成し、ついで、ガス発生器52をコネクタ56に結合させて、ガス発生器52を組み付けた支持固定部材55、すなわち、組付体69をインナケース23内に挿入し、そして、止め具44を固定孔41,62aに嵌挿させれば、ガス発生器52を支持固定部材55に組み付けた組付体69を、インナケース23内に固定することができて、収納側部としてのインナ部材22を製造することができる。そのため、従来の支持固定部材を成形して形成する際に、ガス発生器と一体的に成形する場合に比べて、インナ部材22の組み立て時まで、ガス発生器52と支持固定部材55とを、それぞれ別場所で形成して保管しておくことができ、燃焼ガスを発生させるガス発生器52の保管等に好適となる。また、従来の支持固定部材を成形して形成するような成形型を利用せずに、スペーサ62の軸心C1に沿った長さ寸法を変更するだけで、インナ部材22に収納するガス発生器の配置位置を変更でき、すなわち、ガス室91の初期容積を簡単に変更でき、アクチュエータ21の出力を変更する際、容易に対処できる。
【0088】
なお、ガス室91の初期容積を変更するように、スペーサ62の軸心C1に沿った長さ寸法を調整する場合、従来構成の調整と同様に、インナケース23におけるガス発生器52の鍔部52cを位置規制する段差38の配置位置も対応させて、変更する必要があるが、従来のような成形型を利用する場合に比べて、他の変更調整部位が、スペーサの単なる長さ調整で行なえることから、従来構造に比べて、容易に対処できる。
【0089】
さらにまた、実施形態では、連結孔40a,62bと固定孔41,62aとが、スペーサ62の保持するリード線67の配設位置より、アウタ部材70の前進移動方向と逆方向の後退方向におけるインナケース23の元部39の端面39a側に離れた位置に、配設されており、インナ部材22の軸心C1と直交する連結孔40a,62bや固定孔41,62aの周囲に、インナ部材22の軸心C1に沿うようにリード線67を挿通させることがないことから、連結孔40a,62bや固定孔41,62aの周囲に、所定の肉厚のスペーサ62の中実支持部位62eを配設させることができて(
図3〜5参照)、連結孔40a,62bや固定孔41,62aの周囲のスペーサ62の中実支持部位62eの強度低下を抑制できる。
【0090】
そしてさらに、実施形態のアクチュエータ21では、収納側部が、収納したガス発生器52から発生する作動用ガスGを先端52aから吐出可能に、先端部24を開口させたインナ部材22として構成され、非収納側部が、インナ部材22の先端部24の開口25aを覆う受圧部としての天井壁部72と、天井壁部72の外周縁からインナ部材22の外周面側を覆う周壁部73と、を有して、ガス発生器52から発生する作動用ガスGに押圧されて、インナ部材22から離れるように前進移動するアウタ部材70として構成されている。そして、インナ部材22が、先端部24を開口させたケースとしての略円筒状のインナケース23と、先端部24側にガス発生器52の作動用ガスGを吐出する先端を向けて、ガス発生器52を支持し、インナケース23内に固定される支持固定部材55と、を備えて構成されている。インナケース23の先端部24の外周側には、アウタ部材70の周壁部73の内周面74aと摺動可能なシール材46を設けて突出する鍔状突出部26が配設されている。また、アウタ部材70の周壁部73における天井壁部72から離れた端部73a側に、鍔状突出部26までのインナケース23の外周側の摺動部36と摺動可能とし、かつ、鍔状突出部26に当接してアウタ部材70の抜けを規制可能に、周壁部73の内周側に突出するホルダ部80が、配設されて、アクチュエータ21が構成されている。
【0091】
このような構成では、作動時、ガス発生器52が作動用ガスGを発生すれば、作動用ガスGがアウタ部材70の天井壁部72と、アウタ部材70の周壁部73における天井壁部72からインナ部材22の鍔状突出部26のシール材46に圧接される部位までの部位と、インナ部材22の先端部24と、の間から構成されるガス室91、に作動用ガスGが充満し、その作動用ガスGの圧力を天井壁部72が受けて、アウタ部材70がインナ部材22に対して移動する。その際、アウタ部材70の周壁部73が、内周面74aをインナ部材22の鍔状突出部26のシール材46に摺動させ、また、アウタ部材70におけるホルダ部80が、インナ部材22の外周側の摺動部36と摺動して、円滑に、アウタ部材70が、最大伸長まで、すなわち、ホルダ部80を鍔状突出部26に当接させるまで、移動することができる。そして、このような構成では、ガス発生器52を保持したインナ部材22の周囲を覆うアウタ部材70が、周壁部73における天井壁部72から離れる端部73a(75b)を、ガス発生器52を越えて、第1連結部の連結部14c側まで延ばすことができて、換言すれば、ガス発生器52の配置部位におけるインナ部材22の外周面23a側を、アウタ部材70のホルダ部80の摺動部36にできて、作動時のアクチュエータ21の最大伸長のストローク量を、長く確保できる。
【0092】
なお、この点を考慮しなければ、ピストンロッドのピストン部を、ガス発生器を保持したシリンダに収納するようなピストンシリンダタイプとして、アクチュエータを構成してもよい。
【0093】
そしてさらに、実施形態のアクチュエータ21では、支持固定部材55のスペーサ62が、リード線67を、インナケース23の軸心C1と略直交する方向に屈曲させるとともに、インナケース23外へ突出させるように配設させる導出部62cを備えている。そして、アウタ部材70が、周壁部73における天井壁部72から離れた端部73aの先端縁に、導出部62cを嵌挿可能な嵌挿凹部73bを配設させている。
【0094】
そのため、実施形態では、アウタ部材70の嵌挿凹部73bをインナ部材22側のスペーサ62の導出部62cに嵌挿させれば、アウタ部材70の軸周り方向の回転が導出部62cにより規制され、すなわち、アウタ部材70が、インナ部材22に対して、所定配置位置からずれるように軸周り方向に回転せず、そのため、インナ部材22の連結孔22b(40a)の軸方向に対し、アウタ部材70の第2連結部としての連結部15aへの連結部位の配置方向を、換言すれば、連結部78の連結孔78aの軸方向を、一定に固定できて、アクチュエータ21の第1連結部としての連結部14cや第2連結部としての連結部15aへの連結作業が、容易となる。
【0095】
なお、実施形態では、支持固定部材55をインナケース23に固定するために固定孔41,62aに装着する止め具として、リベット44を例示したが、支持固定部材55をインナケース23から抜け止めを図れれば、ボルトやピン等でもよい。
【0096】
また、実施形態のアクチュエータ21では、フードパネル10を跳ね上げる跳ね上げ装置Uに使用する場合を例示したが、ヘッドレストを前後に二分割して車両が追突される際にヘッドレスト前部を前進移動させる頭部保護装置や、着座した運転者の前方の膝受パネルとボディ側のインパネリンホースとに、収納側部(インナ部材)と非収納側部(アウタ部材)とを連結させ、車両の正面衝突時、膝受パネルを後方移動させる膝保護装置のアクチュエータに、本発明を利用してもよい。さらに、本発明のアクチュエータでは、所定時に、ガス発生器やばね等の駆動源を作動させて、収納側部に対して相対的に非収納側部を移動させる構成であれば、実施形態に限定されず、種々の自動車用安全装置に使用することができる。