(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示のような室内ユニットでは、ケーシング内のレイアウトの制約上、室内熱交換器の一部をドレンパンの外側に配置したり、この室内熱交換器を水平寄りに傾けて配置したりすることが想定される。ところが、このような配置では、伝熱管やフィンの表面で発生した凝縮水が、ドレンパンに回収されずに空気中へ飛散してしまう可能性がある。
【0007】
本発明は、このような点に着目してなされたものであり、伝熱管やフィンの表面で発生した凝縮水が空気中へ飛散してしまうことを抑制できる空気調和装置の室内ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、ケーシング(20)と、前記ケーシング(20)に収容され、空気を搬送するファン(30)と、前記ケーシング(20)に収容され、前記ファン(30)で搬送された空気を冷媒によって冷却可能な少なくとも1つの室内熱交換器(40,50)とを備え、前記室内熱交換器(40,50)は、伝熱管(45,55)と、前記伝熱管(45,55)と伝熱可能なフィン(47,57)とを有し、前記フィン(47,57)は、三次元的に連続する骨格(B)を有するとともに、該骨格(B)により三次元的に連通する複数の気孔(H)を形成する三次元網目状構造の多孔質金属で構成され、前記伝熱管は、隣り合うように配列される複数の扁平管(45,55)で構成され、前記フィン(47,57)が、隣り合う各2つの前記扁平管(45,55)の間にそれぞれ介設され、各扁平管(45,55)は、該扁平管(45,55)の厚さ方向の両端側の各幅広面(46,56)がそれぞれ側方を向くように配列され、前記室内熱交換器は、前記ファン(30)の前側から上側に亘って配設されるとともに、第1の前記複数の扁平管(45)を有する第1室内熱交換器(40)と、前記ファン(30)の後側から上側に亘って配設されるとともに、第2の前記複数の扁平管(55)を有する第2室内熱交換器(50)とを備え、前記第1室内熱交換器(40)の前記複数の第1扁平管(45)は、第1のドレンパン(23)の上側に配置されるドレンパン側扁平管部(80)と、前記第1扁平管(45)の上端に形成され、且つ前記ファン(30)の上側に配置される第1上側扁平管部(45E)とを備え、前記第2室内熱交換器(50)の前記複数の第2扁平管(55)は、第2のドレンパン(25)の上側に配置されるドレンパン側扁平管部(80)と、前記第2扁平管(55)の上端に形成され、且つ前記ファン(30)の上側に配置される第2上側扁平管部(55C)とを備え、前記第1上側扁平管部(45E)は、その管軸が水平面に対して0°より大きく45°より小さい角度θ1をなすように上側に傾斜し、前記第2上側扁平管部(55C)は、その管軸が水平面に対して0°より大きく45°より小さい角度θ2をなすように上側に傾斜し、
前記フィン(47,57)は、
前記第1ドレンパン(23)の上側に配置されるドレンパン側扁平管部(80)に対応するドレンパン側フィン部(82)と、前記第1上側扁平管部(45E)に対応する第1上側フィン部(47E)と、前記第2ドレンパン(25)の上側に配置されるドレンパン側扁平管部(80)に対応するドレンパン側フィン部(82)と、前記第2上側扁平管部(55C)に対応する第2上側フィン部(57C)とを備えていることを特徴とする空気調和装置の室内ユニットである。
【0009】
第1の発明では、ファン(30)によってケーシング(20)内に取り込まれた空気が、室内熱交換器(40,50)を通過する。ここで、本発明のフィン(47,57)は、三次元的に連続する骨格(B)を有するとともに、該骨格(B)により三次元的に連続する複数の気孔(H)を形成する三次元網目状構造の多孔質金属で構成される。このため、空気は、連続する複数の気孔(H)を流れ、フィン(47,57)の骨格(B)と熱交換し、冷却される。フィン(47,57)は、三次元網目状構造であるため、空気とフィン(47,57)との間の伝熱面積は比較的大きい。このため、空気の冷却効率が向上する。
【0010】
一方、空気が気孔(H)を流れる際、フィン(47,57)の表面に接触する空気が露点温度以下にまで冷却されると、フィン(47,57)表面において凝縮水が発生する。この凝縮水が、骨格(B)を伝ってフィン(47,57)の端部に至ると、表面張力により、気孔(H)の内部に保持される。ここで、三次元網目状構造のフィン(47,57)では、各気孔(H)の開口縁部に凝縮水との界面(濡れ縁)がそれぞれ形成され、これらの濡れ縁の総長さが凝縮水の保持力に寄与することになる。三次元網目状構造のフィン(47,57)では、この濡れ縁の総長さが極めて大きくなるため、凝縮水をフィン(47,57)の内部に保持するための十分な保持力を得ることができる。従って、本発明では、凝縮水をフィン(47,57)の内部に確実に保持できるため、凝縮水が空気中へ飛散してしまうことを抑制できる。
【0011】
第1の発明では、隣り合う各2つの扁平管(45,55)の間に流入した空気が、各フィン(47,57)の気孔(H)をそれぞれ流通する。この結果、気孔(H)を流れる空気の熱が、フィン(47,57)の骨格(B)及び扁平管(45,55)を介して冷媒に伝導する。
【0012】
本発明では、各フィン(47,57)が2つの扁平管(45,55)に挟まれる。つまり、フィン(47,57)の2つの面が扁平管(45,55)によって閉塞される。このため、フィン(47,57)の内部で発生した凝縮水が、これらの2つの面から空気中へ飛散してしまうことがない。この結果、凝縮水が空気中へ飛散してしまうことをより確実に抑制できる。
【0013】
第1の発明では、扁平管(45,55)の厚さ方向の両端側の各幅広面(46,56)が、側方を向くように配置される。つまり、扁平管(45,55)の各幅広面(46,56)は上下を向くように配置されない。仮に、扁平管(45,55)の各幅広面(46,56)が上下を向くように配置すると、扁平管(45,55)の幅広面(46,56)の上側に凝縮水が留まってしまい、室内熱交換器(40,50)の通風抵抗が増大してしまう可能性がある。これに対し、本発明では、扁平管(45,55)の厚さ方向の両端側の各幅広面(46,56)が、側方を向いているため、扁平管(45,55)の上側に凝縮水が溜まることがほとんどない。そして、この凝縮水は、扁平管(45,55)の幅広面(46,56)に沿うようにして下方へ流れ落ちていく。従って、扁平管(45,55)の上側に凝縮水が溜まることに起因する通風抵抗の増大を確実に防止できる。
【0014】
第2の発明は、
ケーシング(20)と、前記ケーシング(20)に収容され、空気を搬送するファン(30)と、前記ケーシング(20)に収容され、前記ファン(30)で搬送された空気を冷媒によって冷却可能な少なくとも1つの室内熱交換器(40,50)とを備え、前記室内熱交換器(40,50)は、伝熱管(45,55)と、前記伝熱管(45,55)と伝熱可能なフィン(47,57)とを有し、前記フィン(47,57)は、三次元的に連続する骨格(B)を有するとともに、該骨格(B)により三次元的に連続する複数の気孔(H)を形成する三次元網目状構造の多孔質金属で構成され、前記伝熱管は、隣り合うように配列される複数の扁平管(45,55)で構成され、前記フィン(47,57)が、隣り合う各2つの前記扁平管(45,55)の間にそれぞれ介設され、各扁平管(45,55)は、該扁平管(45,55)の厚さ方向の両端側の各幅広面(46,56)がそれぞれ側方を向くように配列され、前記室内熱交換器は、前記ファン(30)の前側から上側に亘って配設されるとともに、第1の前記複数の扁平管(45)を有する第1室内熱交換器(40)と、前記ファン(30)の後側から上側に亘って配設されるとともに、第2の前記複数の扁平管(55)を有する第2室内熱交換器(50)とを備え、前記第1室内熱交換器(40)の前記複数の第1扁平管(45)は、第1のドレンパン(23)の上側に配置されるドレンパン側扁平管部(80)と、前記第1扁平管(45)の上端に形成され、且つ前記ファン(30)の上側に配置される第1上側扁平管部(45E)とを備え、前記第2室内熱交換器(50)の前記複数の第2扁平管(55)は、第2のドレンパン(25)の上側に配置されるドレンパン側扁平管部(80)と、前記第2扁平管(55)の上端に形成され、且つ前記ファン(30)の上側に配置される第2上側扁平管部(55C)とを備え、前記第1上側扁平管部(45E)は、その管軸が水平面に対して0°より大きく45°より小さい角度θ1をなすように上側に傾斜し、前記第2上側扁平管部(55C)は、その管軸が水平面に対して0°より大きく45°より小さい角度θ2をなすように上側に傾斜し、前記ファン(30)は、クロスフロー型に構成され、前記扁平管(45,55)及び前記フィン(47,57)は、前記ファン(30)の外周を囲むように略Cの字状に湾曲していることを特徴とする空気調和装置の室内ユニットである。
【0015】
第2の発明では、扁平管(45,55)及びフィン(47,57)が略Cの字状に形成され、ファン(30)の外周を囲むように配置される。このような配置にすると、ファン(30)と室内熱交換器(40,50)との間のクリアランスを、ファン(30)の周方向に亘って十分に確保でき、騒音や圧力損失を低減できる。また、ファン(30)と室内熱交換器(40,50)との間に形成されるデッドスペースを最小化でき、室内ユニットのコンパクト化を図ることができる。
【0016】
一方、従来例の扁平管及びフィンを略Cの字状に形成すると、特に水平な姿勢に近い部分において、凝縮水が下方に飛散し易くなる。これに対し、本発明の三次元網目状構造のフィン(47,57)は、上述の如く、その内部に凝縮水を保持できるため、水平な姿勢に近い部分で発生した凝縮水が下方へ飛散することを抑制できる。従って、室内ユニットのコンパクト化を図りつつ、凝縮水の飛散を防止できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、三次元網目状構造の多孔質金属からなるフィン(47,57)の内部に凝縮水を確実に保持できる。このため、凝縮水が空気中へ飛散してしまうことを回避できる。このようにして、凝縮水の飛散を回避できると、室内熱交換器(40,50)のレイアウトの自由度が向上する。このため、室内ユニットのコンパクト化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0020】
〈全体構成〉
本発明に係る空気調和装置(1)は、室内の温度を調節する。空気調和装置(1)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行う。空気調和装置(1)は、室外ユニット(図示省略)と、室内ユニット(10)とを備える。空気調和装置(1)では、室外ユニットと室内ユニット(10)とが連絡配管で接続され、冷媒回路が構成される。冷媒回路では、充填された冷媒が循環することで、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の空気調和装置(1)の室内ユニット(10)は、壁面(W)に設けられる壁掛け式である。本実施形態の室内ユニット(10)は、ケーシング(20)と、エアフィルタ(28)と、ファン(30)と、第1室内熱交換器(40)と、第2室内熱交換器(50)とを備えている。エアフィルタ(28)、ファン(30)、第1室内熱交換器(40)、及び第2室内熱交換器(50)は、ケーシング(20)の内部に収容される。
【0022】
〈ケーシング〉
ケーシング(20)は、左右に横長の中空箱状に形成される。ケーシング(20)は、本体部(21)と、該本体部(21)の上側に設けられるカバー(25)とを有する。
【0023】
本体部(21)の後方寄りには、吹出口(22)が貫通して形成される。吹出口(22)は、ケーシング(20)の内部と室内空間とを連通させる。
【0024】
本体部(21)の上面には、第1ドレンパン(23)と第2ドレンパン(24)とが形成される。第1ドレンパン(23)は、吹出口(22)の前側(
図1の左側)に配置される。第2ドレンパン(24)は、吹出口(22)の後側(
図1の右側)に配置される。第1ドレンパン(23)及び第2ドレンパン(24)は、上側が開放される皿状に形成される。第1ドレンパン(23)は、第1室内熱交換器(40)の下側に位置し、第1室内熱交換器(40)で発生した凝縮水を回収する。第2ドレンパン(24)は、第2室内熱交換器(50)の下側に位置し、第2室内熱交換器(50)で発生した凝縮水を回収する。
【0025】
カバー(25)は、本体部(21)の上部に着脱可能に取り付けられる。カバー(25)には、複数の吸込口(図示省略)が形成される。吸込口は、室内空間とケーシング(20)の内部とを連通させる。
【0026】
〈エアフィルタ〉
エアフィルタ(28)は、第1室内熱交換器(40)及び第2室内熱交換器(50)の上側に設けられる。エアフィルタ(28)は、第1室内熱交換器(40)及び第2室内熱交換器(50)の上流側の空気中に含まれる塵埃を捕捉する。エアフィルタ(28)は、上方に向かって膨出する曲面状に形成される。即ち、エアフィルタ(28)は、下側に開放する略Uの字状ないし略Cの字状に形成される。
【0027】
〈ファン〉
ファン(30)は、ケーシング(20)内に取り込んだ空気を搬送する。本実施形態のファン(30)は、ケーシング(20)の左右方向に延びるクロスフロー型で構成される。ファン(30)は、吹出口(22)の流入端付近であって、第1ドレンパン(23)と第2ドレンパン(24)との間に配置される。ファン(30)の風上側の略半分は、吹出口(22)の外部に露出している。
【0028】
〈室内熱交換器の概要〉
図1に示すように、第1室内熱交換器(40)及び第2室内熱交換器(50)は、全体として、ファン(30)を囲むように配置される。第1室内熱交換器(40)は、ファン(30)の前側から上側に亘って配設され、第2室内熱交換器(50)は、ファン(30)の後側から上側に亘って配設される。
【0029】
第1室内熱交換器(40)では、カバー(25)側を向く全体の領域が第1流入面(41)を構成し、ファン(30)側を向く全体の領域が第1流出面(42)を構成している。第2室内熱交換器(50)では、カバー(25)側を向く全体の領域が第2流入面(51)を構成し、ファン(30)側を向く全体の領域が第2流出面(52)を構成する。
【0030】
〈第1室内熱交換器の全体構成〉
図2及び
図3に示すように、第1室内熱交換器(40)は、1つの第1上部ヘッダ集合管(43)、1つの第1下部ヘッダ集合管(44)、複数の第1扁平管(45)、及び複数の第1多孔質フィン(47)を備えている。
【0031】
第1上部ヘッダ集合管(43)は、第1室内熱交換器(40)の上部に配置される。第1上部ヘッダ集合管(43)は、水平方向に延びる筒状に形成される。第1下部ヘッダ集合管(44)は、第1室内熱交換器(40)の下部に配置される。第1下部ヘッダ集合管(44)は、水平方向に延びる筒状に形成される。
【0032】
複数の第1扁平管(45)は、冷媒が流れるとともに、該冷媒と空気とを熱交換させる伝熱管を構成している。より厳密には、複数の第1扁平管(45)は、複数の微細な流路(C)が形成される扁平多穴管である(
図4を参照)。本実施形態の各第1扁平管(45)は、略Cの字状ないし略Uの字状に形成される。各第1扁平管(45)は、ファン(30)の外周を囲むように湾曲している。
【0033】
複数の第1扁平管(45)は、第1上部ヘッダ集合管(43)と第1下部ヘッダ集合管(44)との間に介設される。各第1扁平管(45)には、それらの厚さ方向(左右方向)の両端側にそれぞれ第1幅広面(46)が形成される。複数の第1扁平管(45)は、互いに隣り合うように平行に配列される。複数の第1扁平管(45)は、各第1幅広面(46)が側方(左右)を向くように水平方向に配列される。
【0034】
各第1扁平管(45)の長手方向の一端(後側の上端部)は、第1上部ヘッダ集合管(43)に接続する。これにより、各第1扁平管(45)と第1上部ヘッダ集合管(43)とが連通する。各第1扁平管(45)の長手方向の他端(前側の下端部)は、第1下部ヘッダ集合管(44)に接続する。これにより、各第1扁平管(45)と第1下部ヘッダ集合管(44)とが連通する。
【0035】
図3及び
図4に示すように、第1多孔質フィン(47)は、隣り合う第1扁平管(45)の間にそれぞれ介設される。第1多孔質フィン(47)は、第1扁平管(45)と接触しており、該第1扁平管(45)ないし冷媒と伝熱する。
【0036】
各第1多孔質フィン(47)は、第1扁平管(45)の長手方向の一端から他端に亘るように延びている。つまり、各第1多孔質フィン(47)は、第1扁平管(45)に沿うような略Cの字状ないしUの字状に形成される。各第1多孔質フィン(47)は、ファン(30)の外周を囲むように湾曲している。
【0037】
図4に示すように、第1多孔質フィン(47)は、三次元的に連続する骨格(B)を有するとともに、該骨格(B)により三次元的に連続する複数の気孔(H)を形成する三次元網目状構造の多孔質金属で構成される。本実施形態の第1多孔質フィン(47)の骨格(B)は、アルミニウム又はアルミニウム合金により構成される。
【0038】
第1多孔質フィン(47)の内部では、多数の気孔(H)が連通することで空気の通風路が構成される。つまり、第1室内熱交換器(40)では、第1流入面(41)から導入された空気が、各第1多孔質フィン(47)の内部の気孔(H)を流れた後、第1流出面(42)を流出する。第1多孔質フィン(47)では、微細な骨格(B)が三次元的に連続することで、伝熱面積の拡大が図られている。
【0039】
〈第2室内熱交換器の全体構成〉
図2に示すように、第2室内熱交換器(50)は、1つの第2上部ヘッダ集合管(53)、1つの第2下部ヘッダ集合管(54)、複数の第2扁平管(55)、及び複数の第2多孔質フィン(57)を備えている。
【0040】
第2上部ヘッダ集合管(53)は、第2室内熱交換器(50)の上部に配置される。第2上部ヘッダ集合管(53)は、水平方向に延びる筒状に形成される。第2下部ヘッダ集合管(54)は、第2室内熱交換器(50)の下部に配置される。第2下部ヘッダ集合管(54)は、水平方向に延びる筒状に形成される。
【0041】
複数の第2扁平管(55)は、冷媒が流れるとともに、該冷媒と空気とを熱交換させる伝熱管を構成している。より厳密には、複数の第2扁平管(55)は、複数の微細な流路(C)が形成される扁平多穴管である(
図4と同様)。本実施形態の各第2扁平管(55)は、ファン(30)側に開放する凹状に形成される。
【0042】
複数の第2扁平管(55)は、第2上部ヘッダ集合管(53)と第2下部ヘッダ集合管(54)との間に介設される。各第2扁平管(55)には、それらの厚さ方向(左右方向)の両端側にそれぞれ第2幅広面(56)が形成される。複数の第2扁平管(55)は、互いに隣り合うように平行に配列される。複数の第2扁平管(55)は、各第2幅広面(56)が側方(左右)を向くように水平方向に配列される。
【0043】
各第2扁平管(55)の長手方向の一端(前側の上端部)は、第2上部ヘッダ集合管(53)に接続する。これにより、各第2扁平管(55)と第2上部ヘッダ集合管(53)とが連通する。各第2扁平管(55)の長手方向の他端(後側の下端部)は、第2下部ヘッダ集合管(54)に接続される。これにより、各第2扁平管(55)と第2下部ヘッダ集合管(54)とが連通する。
【0044】
第2多孔質フィン(57)は、隣り合う第2扁平管(55)の間にそれぞれ介設される。第2多孔質フィン(57)は、第2扁平管(55)と接触しており、該第2扁平管(55)ないし冷媒と伝熱する。
【0045】
各第2多孔質フィン(57)は、第2扁平管(55)の長手方向の一端から他端に亘るように延びている。つまり、各第2多孔質フィン(57)は、第2扁平管(55)に沿うような凹状に形成される。
【0046】
第2多孔質フィン(57)は、上述した第1多孔質フィン(47)と同様の構成である。
【0047】
〈第1扁平管の詳細な構成〉
図5に示すように、各第1扁平管(45)は、第1下部ヘッダ集合管(44)から第1上部ヘッダ集合管(43)に向かって順に、第1下側扁平管部(45A)、第1下側曲げ管部(45B)、第1中間扁平管部(45C)、第1上側曲げ管部(45D)、及び第1上側扁平管部(45E)を備えている。即ち、第1下側扁平管部(45A)、第1下側曲げ管部(45B)、第1中間扁平管部(45C)、第1上側曲げ管部(45D)、及び第1上側扁平管部(45E)が一体に連続することで第1扁平管(45)が構成される。第1下側扁平管部(45A)、第1下側曲げ管部(45B)、第1中間扁平管部(45C)、第1上側曲げ管部(45D)は、第1ドレンパン(23)の上方に配置されるドレンパン側扁平管部(80)を構成する。第1上側扁平管部(45E)は、ファン(30)の上方に配置されるファン側扁平管部(81)を構成する。
【0048】
第1下側扁平管部(45A)は、第1ドレンパン(23)の近傍に配置される。なお、第1下側扁平管部(45A)は、第1ドレンパン(23)の底面と接触してもよい。第1下側扁平管部(45A)は、第1ドレンパン(23)付近から前方上側へと延びている。
【0049】
第1下側曲げ管部(45B)は、第1下側扁平管部(45A)と第1中間扁平管部(45C)とを繋ぐように湾曲している。第1中間扁平管部(45C)は、カバー(25)の前側部分とファン(30)の間に配置される。第1中間扁平管部(45C)は、概ね垂直方向に延びている。第1上側曲げ管部(45D)は、第1中間扁平管部(45C)と第1上側扁平管部(45E)とを繋ぐように湾曲している。
【0050】
第1上側扁平管部(45E)は、傾斜扁平管部を構成しており、カバー(25)の頂部とファン(30)の間に配置される。第1上側扁平管部(45E)は、第1上側曲げ管部(45D)から水平よりやや上向きに延びている。具体的には、第1上側扁平管部(45E)は、その管軸が水平面に対して0°より大きく45°より小さいθ1をなすように、上側に傾斜している。つまり、第1上側扁平管部(45E)は、垂直面よりも水平面に近い姿勢で配設される。
【0051】
〈第1多孔質フィンの詳細な構成〉
各第1多孔質フィン(47)は、隣り合う各2つの第1扁平管(45)の間に配置される。各第1多孔質フィン(47)は、第1扁平管(45)に対応する形状をしている。具体的には、第1多孔質フィン(47)は、第1下部ヘッダ集合管(44)から第1上部ヘッダ集合管(43)に向かって順に、第1下側フィン部(47A)、第1下側曲げフィン部(47B)、第1中間フィン部(47C)、第1上側曲げフィン部(47D)、及び第1上側フィン部(47E)を備えている。即ち、第1下側フィン部(47A)、第1下側曲げフィン部(47B)、第1中間フィン部(47C)、第1上側曲げフィン部(47D)、及び第1上側フィン部(47E)が一体に連続することで第1多孔質フィン(47)が構成される。第1下側フィン部(47A)、第1下側曲げフィン部(47B)、第1中間フィン部(47C)、及び第1上側フィン部(47E)は、第1ドレンパン(23)の上方に配置されるドレンパン側フィン部(82)を構成する。第1上側扁平管部(45E)は、ファン(30)の上方に配置されるファン側フィン部(83)を構成する。
【0052】
第1下側フィン部(47A)は、第1下側扁平管部(45A)に対応するように、隣り合う2つの第1下側扁平管部(45A)の間に介設される。なお、第1下側フィン部(47A)は、第1ドレンパン(23)の底面と接触してもよい。
【0053】
第1下側曲げフィン部(47B)は、第1下側フィン部(47A)と第1中間フィン部(47C)とを繋ぐように湾曲している。第1中間フィン部(47C)は、第1中間扁平管部(45C)に対応するように、隣り合う2つの第1中間扁平管部(45C)の間に介設される。第1上側曲げフィン部(47D)は、第1中間フィン部(47C)と第1上側フィン部(47E)とを繋ぐように湾曲している。
【0054】
第1上側フィン部(47E)は、傾斜フィン部を構成している。第1上側フィン部(47E)は、第1上側扁平管部(45E)に対応するように、隣り合う2つの第1上側扁平管部(45E)の間に介設される。具体的には、第1上側フィン部(47E)は、その長手方向に延びる中心線が水平面に対して0°より大きく45°より小さいθ1をなすように、上側に傾斜している。
【0055】
〈第2扁平管の詳細な構成〉
図5に示すように、各第2扁平管(55)は、第2下部ヘッダ集合管(54)から第2上部ヘッダ集合管(53)に向かって順に、第2下側扁平管部(55A)、第2中間扁平管部(55B)、及び第2上側扁平管部(55C)を備えている。即ち、第2下側扁平管部(55A)、第2中間扁平管部(55B)、及び第2上側扁平管部(55C)が一体に連続することで第2扁平管(55)が構成される。第2下側扁平管部(55A)及び第2中間扁平管部(55B)は、第2ドレンパン(24)の上方に配置されるドレンパン側扁平管部を構成する。第2上側扁平管部(55C)は、ファン(30)の上方に配置されるファン側扁平管部を構成する。
【0056】
第2下側扁平管部(55A)は、第2ドレンパン(24)の近傍に配置される。なお、第2下側扁平管部(55A)は、第2ドレンパン(24)の底面と接触してもよい。第2下側扁平管部(55A)は、第2ドレンパン(24)付近から前方上側へと延びている。第2中間扁平管部(55B)は、第2下側扁平管部(55A)と第2上側扁平管部(55C)とを繋いでいる。第2中間扁平管部(55B)は、第2下側扁平管部(55A)から更に前方上側へと延びている。
【0057】
第2上側扁平管部(55C)は、傾斜扁平管部を構成しており、カバー(25)の頂部とファン(30)の間に配置される。第2上側扁平管部(55C)は、第2中間扁平管部(55B)から水平よりやや上向きに延びている。具体的には、第2上側扁平管部(55C)は、その管軸が水平面に対して0°より大きく45°より小さいθ2をなすように、上側に傾斜している。つまり、第2上側扁平管部(55C)は、垂直面よりも水平面に近い姿勢で配設される。
【0058】
〈第2多孔質フィンの詳細な構成〉
各第2多孔質フィン(57)は、隣り合う各2つの第2扁平管(55)の間に配置される。各第2多孔質フィン(57)は、第2扁平管(55)に対応する形状をしている。具体的には、第2多孔質フィン(57)は、第2下部ヘッダ集合管(54)から第2上部ヘッダ集合管(53)に向かって順に、第2下側フィン部(57A)、第2中間フィン部(57B)、及び第2上側フィン部(57C)を備えている。即ち、第2下側フィン部(57A)、第2中間フィン部(57B)、及び第2上側フィン部(57C)が一体に連続することで第2多孔質フィン(57)が構成される。第2下側フィン部(57A)及び第2中間フィン部(57B)は、第2ドレンパン(24)の上方に配置されるドレンパン側フィン部(82)を構成する。第2上側フィン部(57C)は、ファン(30)の上方に配置されるファン側フィン部(83)を構成する。
【0059】
第2下側フィン部(57A)は、第2下側扁平管部(55A)に対応するように、隣り合う2つの第2下側扁平管部(55A)の間に介設される。なお、第2下側フィン部(57A)は、第2ドレンパン(24)の底面と接触してもよい。
【0060】
第2中間フィン部(57B)は、第2下側フィン部(57A)と第2上側フィン部(57C)とを繋いでいる。第2中間フィン部(57B)は、第2中間扁平管部(55B)に対応するように、隣り合う2つの第2中間扁平管部(55B)の間に介設される。
【0061】
第2上側フィン部(57C)は、傾斜フィン部を構成している。第2上側フィン部(57C)は、第2上側扁平管部(55C)に対応するように、隣り合う2つの第2上側扁平管部(55C)の間に介設される。具体的には、第2上側フィン部(57C)は、その長手方向に延びる中心線が水平面に対して0°より大きく45°より小さいθ2をなすように、上側に傾斜している。
【0062】
−運転動作−
実施形態に係る空気調和装置(1)の運転動作について、
図1〜
図5を参照しながら説明する。空気調和装置(1)では、冷房運転と暖房運転とが切り換えて行われる。冷房運転では、圧縮機で圧縮された冷媒が、室外熱交換器で凝縮し、各室内熱交換器(60)で蒸発する冷凍サイクルが行われる。
【0063】
冷房運転において、ファン(30)が作動すると、室内空間の室内空気が吸込口からケーシング(20)の内部に吸い込まれる。この室内空気は、第1室内熱交換器(40)及び第2室内熱交換器(50)を通過する。
【0064】
室外熱交換器で凝縮した冷媒は、膨張弁で減圧された後、各室内熱交換器(60)へ送られる。具体的には、この冷媒は、例えば第1下部ヘッダ集合管(44)と第2下部ヘッダ集合管(54)とに分流する。第1下部ヘッダ集合管(44)の冷媒は、各第1扁平管(45)に分流した後、第1上部ヘッダ集合管(43)で合流する。この際、各第1扁平管(45)の冷媒は、周囲の空気の熱を奪って蒸発する。同様に、第2下部ヘッダ集合管(54)の冷媒は、各第2扁平管(55)に分流した後、第2上部ヘッダ集合管(53)で合流する。この際、各第2扁平管(55)の冷媒は、周囲の空気の熱を奪って蒸発する。このようにして、各室内熱交換器(60)で蒸発した冷媒は、圧縮機に吸入されて圧縮される。
【0065】
各室内熱交換器(60)で冷却された空気は、ファン(30)の周囲を流れ、吹出口(22)から室内空間へ供給される。
【0066】
〈各室内熱交換器の空気の流れ〉
上述した冷房運転における、各室内熱交換器(60)の空気の流れについて、
図1〜
図5を参照しながら詳細に説明する。
【0067】
第1室内熱交換器(40)の第1流入面(41)に到達した空気は、各第1扁平管(45)の間に流入する。ここで、各第1扁平管(45)の間には、それぞれ第1多孔質フィン(47)が介設される。このため、各第1扁平管(45)の間に流入した空気は、各第1多孔質フィン(47)の内部の気孔(H)を流れる。
【0068】
第1多孔質フィン(47)の気孔(H)を空気が流れると、この空気の熱が骨格(B)及び第1扁平管(45)を介して、複数の流路(C)を流れる冷媒へ伝導する。第1多孔質フィン(47)では、微細な骨格(B)が三次元的に連続するため、十分な伝熱面積を確保でき、熱交換効率が向上する。第1多孔質フィン(47)の内部を流れた空気は、第1流出面(42)を通過する。
【0069】
同様に、第2室内熱交換器(50)の第2流入面(51)に到達した空気は、各第2扁平管(55)の間に流入する。ここで、各第2扁平管(55)の間には、それぞれ第2多孔質フィン(57)が介設される。このため、各第2扁平管(55)の間に流入した空気は、各第2多孔質フィン(57)の内部の気孔(H)を流れる。
【0070】
第2多孔質フィン(57)の気孔(H)を空気が流れると、この空気の熱が骨格(B)及び第2扁平管(55)を介して、複数の流路(C)を流れる冷媒へ伝導する。第2多孔質フィン(57)では、微細な骨格(B)が三次元的に連続するため、十分な伝熱面積を確保でき、熱交換効率が向上する。第2多孔質フィン(57)の内部を流れた空気は、第2流出面(52)を通過する。
【0071】
〈凝縮水の飛散防止の作用〉
ところで、上述した冷房運転において、各室内熱交換器(60)で冷却された空気が露点温度以下になると、この空気中から凝縮水が発生することがある。ここで、第1室内熱交換器(40)の一部(第1上側扁平管部(45E)及び第1上側フィン部(47E))は、ファン(30)の上側に位置し、第1ドレンパン(23)に対してファン(30)寄りにシフトしている。このため、仮に第1上側フィン部(47E)が公知のプレートフィンである場合、プレートフィンの表面で発生した凝縮水が、ファン(30)側に向かって飛散し、飛散した水が吹出口(22)を通じて室内空間へ送られてしまう可能性がある。第2室内熱交換器(50)の一部(第2上側扁平管部(55C)及び第2上側フィン部(57C))についても同様である。しかしながら、本実施形態では、各多孔質フィン(47,57)が三次元網目構造の多孔質金属で構成されるため、このような凝縮水の飛散を防止できる。
【0072】
具体的には、各多孔質フィン(47,57)において、空気が気孔(H)を流れる際、各多孔質フィン(47,57)に接触する空気が露点温度以下にまで冷却されると、各多孔質フィン(47,57)の表面で凝縮水が発生する。この凝縮水が、骨格(B)を伝って各多孔質フィン(47,57)の端部に至ると、表面張力により、気孔(H)の内部に保持される。ここで、三次元網目状構造の多孔質フィン(47,57)では、各気孔(H)の開口縁部に凝縮水との界面(濡れ縁)がそれぞれ形成され、これらの濡れ縁の総長さが凝縮水の保持力に寄与することになる。三次元網目状構造のフィン(47,57,67)では、この濡れ縁の総長さが極めて大きくなるため、凝縮水をフィン(47,57,67)の内部に保持するための十分な保持力を得ることができる。従って、凝縮水を多孔質フィン(47,57)の内部に確実に保持できるため、凝縮水が空気中へ飛散してしまうことを抑制できる。
【0073】
ここで、例えば第1室内熱交換器(40)の第1上側フィン部(47E)の内部で発生した凝縮水は、ファン(30)側へは落下せず、第1上側扁平管部(45E)に沿うように下側前方へと斜めに流れ落ちていく。つまり、隣り合う各第1上側扁平管部(45E)の間には、凝縮水を第1室内熱交換器(40)の下部へ案内する流路が形成される。
【0074】
第1上側扁平管部(45E)の下端に到達した凝縮水は、第1上側曲げ管部(45D)、第1中間扁平管部(45C)、第1下側曲げ管部(45B)を順に通過するように、第1多孔質フィン(47)の内部を更に下方へ流れていく。第1下側曲げ管部(45B)から第1下側扁平管部(45A)へ到達した凝縮水は、最終的に第1ドレンパン(23)の内部へ回収される。
【0075】
同様に、例えば第2室内熱交換器(50)の第2上側フィン部(57C)の内部で発生した凝縮水は、ファン(30)側へは落下せず、第2上側扁平管部(55C)に沿うように下側後方へと斜めに流れ落ちていく。つまり、隣り合う各第2上側扁平管部(55C)の間には、凝縮水を第2室内熱交換器(50)の下部へ案内する流路が形成される。
【0076】
第2上側扁平管部(55C)の下端に到達した凝縮水は、第2中間扁平管部(55B)及び第2下側扁平管部(55A)を順に流れ、最終的に第2ドレンパン(24)の内部へ回収される。
【0077】
−実施形態の効果−
上記実施形態では、三次元網目状構造の多孔質フィン(47,57)を用いることで、凝縮水を多孔質フィン(47,57)の内部に確実に保持できる。この結果、凝縮水が空気中へ飛散してしまうことを抑制でき、空気調和装置(1)の信頼性を確保できる。
【0078】
上記実施形態では、隣り合う第1扁平管(45)の間に第1多孔質フィン(47)を介設し、隣り合う第2扁平管(55)の間に第2多孔質フィン(57)を介設している。このため、各多孔質フィン(47,57)の両側の側面を各扁平管(45,55)によって閉塞できる。従って、各多孔質フィン(47,57)の内部の凝縮水が、該多孔質フィン(47,57)の両側の側面から空気中へ飛散してしまうことを防止できる。
【0079】
各扁平管(45,55)は、それらの各幅広面(46,56)が左右を向くように配置される。つまり、各扁平管(45,55)の各幅広面(46,56)は上下を向くように配置されない。仮に、各扁平管(45,55)の各幅広面(46,56)が上下を向くように配置すると、各扁平管(45,55)の各幅広面(46,56)の上側に凝縮水が留まってしまい、各室内熱交換器(40,50)の通風抵抗が増大してしまう可能性がある。これに対し、本実施形態では、各扁平管(45,55)の厚さ方向の両端側の各幅広面(46,56)が、左右を向いているため、各扁平管(45,55)の上側に凝縮水が溜まることがほとんどない。そして、この凝縮水は、各扁平管(45,55)の各幅広面(46,56)に沿うようにして下方へ流れ落ちていく。従って、各扁平管(45,55)の上側に凝縮水が溜まることに起因する通風抵抗の増大を確実に防止できる。
【0080】
上記実施形態では、第1上側扁平管部(45E)及び第2上側扁平管部(55C)の管軸が、水平面に対して0°より大きく45°よりも小さい。即ち、第1上側扁平管部(45E)及び第2上側扁平管部(55C)は、水平に近い姿勢となる。これにより、ファン(30)とカバー(25)の間のスペースに、第1上側扁平管部(45E)及び第2上側扁平管部(55C)をコンパクトに配置できる。
【0081】
一方、第1上側フィン部(47E)の内部で発生した凝縮水は、ファン(30)側へ落下せず、第1扁平管(45)に沿って第1ドレンパン(23)側へ送られる。また、第2上側フィン部(57C)の内部で発生した凝縮水は、ファン(30)側へ落下せず、第2扁平管(55)に沿って第2ドレンパン(24)側へ送られる。従って、第1上側フィン部(47E)の凝縮水が飛散することを抑制するとともに、この部分での通風抵抗の増大も回避できる。同様に、第2上側フィン部(57C)の凝縮水が飛散することを抑制するとともに、この部分での通風抵抗の増大も回避できる。
【0082】
第1扁平管(45)及び第1多孔質フィン(47)は、略Cの字状に形成され、ファン(30)の外周を囲むように配置される。このような配置にすると、ファン(30)と第1室内熱交換器(40)との間のクリアランスを、ファン(30)の周方向に亘って十分に確保でき、騒音や圧力損失を低減できる。
【0083】
第1扁平管(45)及び第1多孔質フィン(47)は、エアフィルタ(28)に沿うように湾曲するため、エアフィルタ(28)と第1室内熱交換器(40)の間に形成されるデッドスペースを最小化できる。同様に、第2扁平管(55)及び第2多孔質フィン(57)は、エアフィルタ(28)に沿うように湾曲するため、カバー(25)と第2室内熱交換器(50)の間に形成されるデッドスペースを最小化できる。この結果、室内ユニット(10)のスペースを最大限有効活用することができる。
【0084】
〈参考形態〉
図6に示す参考形態は、上記実施形態の第1室内熱交換器(40)と第2室内熱交換器(50)とが一体化され、一つの室内熱交換器(60)を構成している。つまり、室内熱交換器(60)では、実施形態に係る第1扁平管(45)と第2扁平管(55)とが連結して1つの扁平管(65)を構成している。また、隣り合う扁平管(65)の間には、複数の多孔質フィン(67)が介設される。変形例においても、第1上側扁平管部(45E)のθ1、及び第2上側扁平管部(55C)のθ2は、それぞれ0°より大きく45°より小さい範囲である。
【0085】
第1上側フィン部(47E)で発生した凝縮水は、第1扁平管(45)に沿って下方へ流れ落ち、最終的に第1ドレンパン(23)側へ送られる。第2上側フィン部(57C)で発生した凝縮水は、第2扁平管(55)に沿って下方へ流れ落ち、最終的に第2ドレンパン(24)側へ送られる。
【0086】
〈その他の実施形態〉
室内ユニットは、壁掛け式でなくてもよく、例えば天井設置式(天井吊り式ないし天井埋込式)であってもよいし、床置き式であってもよい。
【0087】
ファン(30)は、クロスフロー型でなくてもよく、ターボファンやプロペラファンであってもよい。